説明

専用無線リソース制御

【課題】本発明は、移動体無線通信ネットワークの専用無線リソース間の切替えを制御する方法である。
【解決手段】ユーザ端末機におけるRB開放とRBセットアップの両方を要求するRRCメッセージをネットワーク内のUEに送信することを含み、RBリソース間の切替えを可能にするのに十分な再構成をするのに単一メッセージだけを必要とするように制御する方法を提供する。このRBリソースは、一例として、モバイルTVサービスの様々なチャネルを備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体無線通信ネットワークの専用無線リソース間の切替えを制御するための方法及び関連する機器に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体無線通信ネットワークによってデータ/サービスを供給するための1つの選択肢として、かかるデータ/サービスを、各無線ベアラ(RBs:Radio Bearers)等の専用無線リソースによって提供することがあげられる。
【0003】
一人又は複数の所定の受信者が利用できるデータ/サービスの選択幅及び多様性を強化するために、異なる専用無線リソース間の切替えを行う要求が生じる。しかし、上記の専用無線リソース間の切替えを可能にすることによって改善された選択幅を提供する現行の機構には、不都合な制約があり、且つ非効率的である。
【0004】
様々な例の1つとして、3G移動体無線通信ネットワークによって、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS:Multimedia broadcast Multicast Service)放送の一部としてテレビサービスを提供する例を以下に述べる。
【0005】
以後「モバイルTV」と呼ばれる上記のテレビサービスの動作環境において、サービスの受信者は、一度に1つのチャネルしか視聴できない。そこで、1つのチャネルから別のチャネルに切り替える要求が生じたときには、各チャネルがその上で伝送される専用無線リソース間の切替えを可能にする機構が必要とされる。
【0006】
ポイント・トゥ・マルチポイント放送システムによって、移動体無線通信ネットワーク上でモバイルTVを提供できる可能性はあるものの、2006年8月28日の3GPP RAN2会議の一部で認識されてきたように、ポイント・トゥ・ポイント式ベアラを使用した場合と比べて、無線非効率性が存在する。ポイント・トゥ・マルチポイント放送を用いれば、セルロード、ポイント・トゥ・マルチポイント式システムによって提供される改善されたベアラ効率及び無線リソース効率に関して有利な特性が得られるものの、特定の
セル内でポイント・トゥ・ポイントMBMS放送を受信することを要求するユーザの数がおそらく比較的少ないことから、モバイルTVの効率要件は、実際には、ポイント・トゥ・ポイント式システムによって提供されるリソース等の専用無線リソースを用いることによって、制約無しに容易に満たされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
モバイルTVサービスの受信者が1つのチャネルから別のチャネルに切り替えようとしたとき、両チャネルは専用RBリソースによって伝送されており、2つの全く別個の、これらの目的のための無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)メッセージは、3G無線アクセス・ネットワーク(RAN:Radio Access Network)から得られるため、現在のRBは、新たなRBを確立する前に開放されなければならない。
【0008】
したがって、例えばユニバーサル・テレコミュニケーションズ無線アクセス・ネットワーク(UTRAN:Universal Telecommunications Radio Access Network)を参照すれば、チャネル間の切替えを行う現行の動作シーケンスは、まずRB開放メッセージによって現在のRBを開放するための要求をユーザ端末機(UE:User Equipment)に送達することと、次いでUEに専用物理チャネル(DPCH:Dedicated Physical Channel)同期を実行するように要求するRBセットアップ・メッセージによって、新たに要求のあったチャネルに関連するRBをセットアップするようにUEに要求することから構成される。かかる同期は、2度行われることが必要であり、且つUTRANに対し、送信された各応答に対するシグナリング無線ベアラ(SRB:Signaling Radio Bearer)遅延時間を含む応答が二度、即ち受信メッセージ毎に応答が一度、行われることを必要とする。
【0009】
専用RBチャネル間の切替えを行うのに現行のポイント・トゥ・ポイント編成を用いると、DPCHフレーム同期を反復すること、及び新規構成に対する確認メッセージを送信すること、並びに関連するSRB遅延によって、モバイルTVで現在利用可能な効率が不利に制約される。
【0010】
ポイント・トゥ・ポイント式ベアラを用いると、ポイント・トゥ・マルチポイント放送に比べてモバイルTVの効率が向上するが、それでもかかる効率には、前述したように限界がある。
【0011】
本発明は、移動体無線通信ネットワーク内の専用無線リソース間の切替えを行う方法及び機器であって、公知のかかる方法及び機器に対して優位性のある方法及び機器を提供しようとするものである。
【0012】
特に、本発明は、モバイルTV等の専用無線リソースサービスの無線リソース効率を向上しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、移動体無線通信ネットワークの専用無線リソース間の切替えを制御する方法であり、RRCメッセージをネットワーク内のUEに送信し、前記RRCメッセージは、UEにおけるRB開放とRBセットアップの両方を要求することを特徴とする。
【0014】
したがって、本発明は、RB開放及びRBセットアップを制御するための単一のRRCメッセージを有利に提供する。このようにして、UE内の処理時間を大幅に削減できるという意味で、遥かに向上し高速化した専用無線リソース間の切替え、例えばモバイルTVを提供する異なるチャネル間の切替え、をUEにおいて実現することができる。例えば、DPCHフレーム同期を反復すること、及び新規構成に対する個別の確認メッセージを送信することはもはや必要ない。なぜならば、かかる作業は一度行えば足りるからである。
【0015】
他の利点として、UTRANにおけるシグナリングのオーバーヘッドも低減し得ることが挙げられる。
【0016】
従来技術における特定の不利益は、モバイルTVサービスと関連して後程説明する。また、後述する利点及び特定の詳細内容の一部は、かかる環境に関連しているが、本発明は、3GPPリリース99、リリース6又はロング・ターム・エボルーション(LTE:Long Term Evolution)に関連して生じる事例等の、専用リソース間の切替えを要する任意の事例で、有利に用いられる。
【0017】
前記方法は、UEからネットワークに、RB再構成完了メッセージを送信するステップも含む利点がある。
【0018】
前記の単一メッセージは、両方の専用無線リソースに対するRB構成を含むことができることが好ましい。
【0019】
若しくは、前記の単一メッセージを、既存の、但しそれへの切替えを要する専用無線リソースの特性を考慮するように更新されるRB構成を含むように編成してもよい。
【0020】
前記方法は、既存RBによるMBMSサービス構成の変更又はPDCP/RLC構成の変更のうちの少なくとも一方を含むことも可能である。
【0021】
更に、前記単一メッセージは、メディア・アクセス制御(MAC:Medium Access Control)の多重化を変更し、もし必要であれば、専用無線リソース用のトランスポートチャネル及び物理チャネルを再構成するように編成することも可能である。
【0022】
本発明の1つの特定の例において、前記方法は、MBMSを提供する専用無線リソース間の切替えに関するものである。
【0023】
かかる編成において、再構成を開始させる前記単一メッセージは、MBMSサービス識別情報を更新していることを示す。
【0024】
別の特徴として、再構成メッセージは、更新状態のパケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)構成及び/又は無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)構成を更新することを可能にする。
【0025】
更に、MBMS伝送に特に関連させて前述したように、MAC構成及び物理的構成を、単一メッセージによって再構成されるように編成することができる。
【0026】
もちろん、本発明の方法は、モバイルTVサービスのチャネル間の切替えを制御する方法として具現化することができる。
【0027】
本発明の他の態様は、専用無線リソース間の切替えを移動体無線通信ネットワークのUE内で開始する方法であって、UE内でRB開放及びRBセットアップの両方を開始するように編成されたRRCメッセージをUEで受信し、処理するステップを含むことを特徴とする。
【0028】
前記方法は、UEからネットワークに、RB再構成完了メッセージを送信するステップも含む利点を有する。
【0029】
単一メッセージは、両方の専用無線リソースに対するRB構成を含むことができることが好ましい。
【0030】
若しくは、前記単一メッセージを、既存の、但しそれへの切替えを要する専用無線リソースの特性を考慮するように更新されるRB構成を含むように編成してもよい。
【0031】
前記方法は、既存RBによるMBMSサービス構成の変更又はPDCP/RLC構成の変更のうちの少なくとも一方を含むことも可能である。
【0032】
更に、前記単一メッセージは、メディア・アクセス制御(MAC:Medium Access Control)の多重化を変更し、もし必要であれば、専用無線リソース用のトランスポートチャネル及び物理チャネルを再構成するように編成することも可能である。
【0033】
本発明の1つの特定の例において、この場合も、前記方法はMBMSを提供する専用無線リソース間の切替えに関連していてもよい。
【0034】
かかる編成において、構成を開始させる前記単一メッセージは、MBMSサービス識別情報を更新していることを示す。
【0035】
別の特徴として、再構成メッセージは、更新状態のパケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)構成及び/又は無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)構成を更新することを可能にする。
【0036】
更に、MBMS伝送に特に関連させて前述したように、MAC構成及び物理的構成を、単一メッセージによって再構成されるように編成することができる。
【0037】
もちろん、本発明の方法は、モバイルTVサービスのチャネル間の切替えを開始する方法として具現化することができる。
【0038】
本発明の更なる態様は、移動体無線通信ネットワークの専用無線リソースを受信し、且つ専用無線リソース間の切替えを行う移動体無線通信装置であり、装置内でRB及びRBセットアップの両方を開始させる働きをするRRCメッセージを受信するように編成されることを特徴とする。
【0039】
前記装置は、UEからネットワークに、RB再構成完了メッセージを送信するように編成される利点がある。
【0040】
本発明に必要な単一メッセージは、両方の専用無線リソースに対するRB構成を含むことができることが好ましい。
【0041】
若しくは、単一メッセージを、既存の、但しそれへの切替えを要する専用無線リソースの特性を考慮するように更新されるRB構成を含むように編成してもよい。
【0042】
更に、移動体無線通信装置は、既存RBによるMBMSサービス構成の変更又はPDCP/RLC構成の変更のうちの少なくとも一方を可能にするように編成してもよい。
【0043】
更に、単一メッセージは、メディア・アクセス制御(MAC:Medium Access Control)の多重化を変更し、もし必要であれば、専用無線リソース用のトランスポートチャネル及び物理チャネルを再構成するように編成することも可能である。
【0044】
本発明の1つの特定の例において、前記装置は、MBMSを提供する専用無線リソース間の切替えを行うように編成される。
【0045】
かかる編成において、構成を開始させる前記単一メッセージは、MBMSサービス識別情報を更新していることを示す。
【0046】
別の特徴として、再構成メッセージは、更新状態のパケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)構成及び/又は無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)構成を更新することを可能にする。
【0047】
更に、MBMS伝送に特に関連させて前述したように、MAC構成及び物理的構成を、単一メッセージによって再構成されるように編成することができる。
【0048】
もちろん、本発明の装置は、モバイルTVサービスのチャネル間の切替えを制御する機能を具備することができる。
【0049】
本発明の更なる態様は、移動体無線通信ネットワーク内でネットワークの専用無線リソース間の切替えを制御するのに用いるネットワークエレメントで、このネットワークエレメントは、RRCメッセージをネットワーク内の移動体無線通信装置に送信するように編成され、前記RRCメッセージは、移動体無線通信装置内のRB開放及びRBセットアップの両方の要求として機能することを特徴とする。
【0050】
上記と同様に、エレメントからの単一メッセージは、両方の専用無線リソースに対するRB構成を含むことができる利点がある。
【0051】
若しくは、メッセージを、既存の、但しそれへの切替えを要する専用無線リソースの特性を考慮するように更新されるRB構成を含むように編成してもよい。
【0052】
もちろん、既存RBによって、MBMSサービス構成の変更又はPDCP/RLC構成の変更のうちの少なくとも一方を提供することができる。
【0053】
更に、前記単一メッセージは、メディア・アクセス制御(MAC:Medium Access Control)の多重化を変更し、もし必要であれば、専用無線リソース用のトランスポートチャネル及び物理チャネルを再構成するように編成することも可能である。
【0054】
本発明の1つの特定の例において、ネットワークエレメントは、MBMSを提供する専用無線リソース間の切替えを開始するように編成される。
【0055】
かかる編成において、再構成を開始させるメッセージは、MBMSサービス識別情報を更新していることを示す。
【0056】
別の特徴として、再構成メッセージは、更新状態のパケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(PDCP:Packet Data convergence Protocol)構成及び/又は無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)構成を更新することを可能にする。ここでも、MBMS伝送に特に関連させて前述したように、MAC構成及び物理的構成を、単一メッセージによって再構成されるように編成することができる。
【0057】
もちろん、本発明のネットワークエレメントを、特にモバイルTVサービスのチャネル間の切替えを制御するように編成することもできる。
【発明の効果】
【0058】
したがって、比較的少数のユーザが特定セル内でMBMS放送を受信することを要求しているときに、本発明が特に有利となり得る。つまり、セル内に比較的少数のユーザが存在するときに、ネットワークのオペレータは、ポイント・トゥ・ポイントのリソースを用いて伝送することを決定することができる。この決定は、特定のしきい値レベルに基づくことができる。
【0059】
ポイント・トゥ・ポイントRB構成が、ポイント・トゥ・マルチポイントRB構成に比べ、シグナリングがより少なくて済むため、ポイント・トゥ・ポイントのリソースが、効率面で有利であることが分かる。これは、知られているように、Modify又はUnmodify、CommonPTM、Current、Neighborを含む4つのMCCHメッセージが、ポイント・トゥ・マルチポイント構成で必要とされるからである。
【0060】
更に、他のUEがどれもサービスを受信していないときセル内にUEが到達する事例において、ネットワークは、この特定のUE用に容易にポイント・トゥ・ポイントRB構成を確立することができる。一方、それに比較してポイント・トゥ・マルチポイント構成では、UEは、次の修正期間が始まる前にサービスを受信しない。
【0061】
更に、ポイント・トゥ・ポイント伝送はポイント・トゥ・マルチポイントより信頼性が高く、したがって、サービスの受信を向上することを目的として、ネットワークのオペレータが近接するセルを構成して選択性/軟結合させることを、必要としない。しかし、ポイント・トゥ・ポイント構成において、RLC技術モードを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】従来技術によるモバイルTVサービスのチャネル間の切替えを説明するタイミングチャートである。
【図2】本発明の一実施形態に係る、モバイルTVサービスの異なるチャネル間の切替えを説明する、同様のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、例示のみを目的に、下記の添付図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
【0064】
図1は、従来技術によるモバイルTVサービスのチャネル間の切替えを説明するタイミングチャートである。
【0065】
図2は、本発明の一実施形態に係る、モバイルTVサービスの異なるチャネル間の切替えを説明する、同様のタイミングチャートである。
【0066】
まず図1に注目すると、移動体無線通信装置12等のUEと3Gネットワークの無線ネットワーク・コントローラ(RNC:Radio Network Controller)14との間に生じるメッセージングを説明するタイミングチャート10が示されている。このタイミングチャートによって、UE12は、モバイルTVサービスの複数の利用可能なチャネルのうちの1つを受信するように編成される。
【0067】
実際、16において、UE12は現在、ポイント・トゥ・ポイント通信によって配信される2つの利用可能なモバイルTVチャネルのうちの「チャネル1」を受信中であることが示されている。
【0068】
UE12が別のチャネル、例えばネットワーク上で同じく利用可能な「チャネル2」を受信することを要求されるものとすると、RNC14が、MBMS修正サービス情報信号18をUE12に提供し、もし必要ならチャネル2も利用可能であることを確認する。もし、UE12において、チャネル2の方がチャネル1より好ましいと決定されると、UEは、実際にチャネル2が好ましいこと、及びチャネル1は開放可能であることを示すMBMS修正要求信号20をRNC14に送信するように編成されている。
【0069】
チャネル2の方がチャネル1より好ましいと決定するときに、ユーザは一度に1つのチャネルしか見られないため、要求信号20は、ユーザの介入に応答してUE12内のアプリケーション上位層で発生する。
【0070】
下記の図2の説明から分かるように、上記の最初のシグナリング及び制御は、従来技術と例示する本発明の実施形態のどちらにも共通とすることができる。
【0071】
しかし、図1及び従来技術によれば、信号20を受信すると直ぐに、RNC14は、チャネル1構成に関連する無線ベアラ開放信号22を送出する。
【0072】
無線ベアラ開放信号22を受信し、そのRBの物理的開放が完了すると直ぐに、UE12は、RNC14に無線ベアラ開放完了メッセージ24を送出する。
【0073】
この動作時に、RRCは、TS25.331 8.2.2.3に規定の作業を行う。即ち、DPCHフレームの始まりを決定し、しかるべく無線リンクを調節し、トリガー用のUTRAN→UEメッセージを搬送する最後のTTIの受信を完了した後、最新の(100+TTI)msにおいて、UTRANに応答を返送する。「ターゲット・ステート」がCELL_DCHのときは、物理層からのUE応答メッセージ伝送は、IEの「SRB遅延」値だけ追加的に遅延するおそれがある。
【0074】
無線ベアラ開放完了メッセージ24に続いて、RNC14は次のメッセージ26を送出し、チャネル2構成に対する無線ベアラのセットアップを要求する。
【0075】
セットアップ手順がUE12内でひとたび完了されれば、UE12は、RNC14に送達される無線ベアラ・セットアップ完了メッセージ28を送出する。
【0076】
ここでも、無線ベアラ・セットアップ完了手順の一部として、RRCは、TS25.331 8.2.2.3に規定され、無線ベアラ開放完了メッセージ24に関連して上述され、後でも言及される特定の作業を行うように編成される。
【0077】
したがって、UTRAN内において、従来の挙動は、無線ベアラ開放メッセージを用いて、UEに現行のRBを開放することを要求することと、続いて、無線ベアラ・セットアップ・メッセージを用いて、UEに新たなRBをセットアップするように要求することから構成される。このため、UEは、(TS25.331.8.2.2.3に記載の)DPCH同期を二度行う必要があり、且つ、送信された各応答に対するSRB(シグナリング無線ベアラ)遅延時間を含む応答を、UTRANに対して二度(受信メッセージ毎に応答を一度)行う必要がある。チャネル切替えは、そういう事情で、最大で340msかかるおそれがあることが分かっている。
【0078】
ひとたびチャネル1が開放され、後続のチャネル2のセットアップが完了されれば、UE12は、モバイルTV受信サービスを、30で示すように今度はチャネル2に対して継続する。
【0079】
下記の図2との比較から、本発明の特徴を明確になる。
【0080】
前述したように、例示している本発明の実施形態はここでも、UE12とRNC14との間のシグナリングに関連しており、このシグナリングは、UE12がモバイルTVサービスのチャネル1を受信すること、つまり16に続いて起こる。
【0081】
UE12は、ここでも、チャネル2のサービスがもし必要であれば利用可能であることを示すMBMS修正サービス情報信号32を受信し、チャネル2が好ましいとする決定に続いて、UE12はRNC14に、その決定を示すMBMS修正要求34を送出する。
【0082】
したがって、UE12は最初はポイント・トゥ・ポイントRBを介してチャネル1を受信していること、次いで、MBMS修正サービス情報メッセージ32によって示されているように、新チャネルであるチャネル2が利用可能であることが、ポイント・トゥ・ポイントRBによってUE12に知らされることがわかる。上記と同様に、RRCのアプリケーション上位層への要求の結果として、ユーザは、UE12にとってチャネル1ではなくチャネル2を受信することが好ましいことを示し、これがMBMS修正要求手順34を用いてUTRANに伝えられる。
【0083】
再度UTRANについて説明すると、提案されている挙動は、(i)両方の無線ベアラ構成、又は(ii)新たなMBMSサービスを考慮に入れるために更新される既存の無線ベアラ構成、を含む無線ベアラ再構成メッセージのみを用いて、UEに現行のRBを開放し且つ新たなものをセットアップするように要求することにある。
【0084】
図2に記載の後半の動作段階を特に参照すると、RNC14においてチャネル2へのサービスの切替えが必要であるとひとたび決まれば、RNC14は、単一の無線ベアラ再構成メッセージ36を送出するように編成される。前述したように、この単一メッセージは、チャネル1構成を開放し且つチャネル2構成をセットアップできるようにすること、又はその代わりに、チャネル2にとって適切な構成になるようにチャネル1構成を更新できるようにすること、のいずれかを可能にする。かかる構成において、MBMSサービス識別情報、又はPDCP/RRC情報は、チャネル2の特性に鑑みて適合させることができる。
【0085】
UE12でこの単一無線ベアラ再構成メッセージ36が受信されると続いて、UE12内で再構成要求が処理され、無線ベアラ再構成完了メッセージ38がRNC14に送達される。
【0086】
ここでも、RRCは、TS25.331 8.2.2.3に規定の作業を行うこと、即ち、DPCHフレームの始まりを決定し、しかるべく無線リンクを調節することができる。それは次いで、トリガー用のUTRAN→UEメッセージを搬送する最後のTTIの受信を完了した後、最新の(100+TTI)msにおいて、UTRANに応答を返送する。ターゲット・ステートがCELL_DCHのときは、物理層からのUE応答メッセージ伝送は、IEの「SRB遅延」値だけ追加的に遅延するおそれがある。
【0087】
次いで、上記と同様に、UE12はモバイルTVサービスの受信を継続するが、図2のステップ30で示すように、今度はチャネル2を受信する。
【0088】
図1と図2とを比較することにより、チャネル1からチャネル2への切替えは、MBMSポイント・トゥ・ポイント式サービスによって、以前より遥かに高速で効率的な態様で達成され得ること、また、それは特に、モバイルTVサービスの効率要件を満たすように機能することがわかる。
【0089】
本発明の実施形態が無線ベアラの再構成を必要とするという意味において、現行の無線ベアラ再構成メッセージを、単一再構成メッセージを用いる下記の構成方式を可能にするように変え得ることが、提唱されている。
【0090】
まず、既存のポイント・トゥ・ポイント無線ベアラ構成は、新たなMBMSチャネル(サービス)を支持することができる。即ち、関連するMBMSサービス識別情報だけが更新される(IEの「RB information to reconfigure」の「MBMS Service/Session Identity」情報を参照)。次に、PDCP構成及び/又はRLC構成が更新される(IEの「RB information to reconfigure」の全情報を参照)。3番目に、MAC構成及び物理的構成が変更される(IEの「MBMS RB to be released list」及び「MBMS RB to be set-up list」を参照)。
【0091】
メッセージ中のこの情報エレメント(IE:Information Element)を受信すると直ぐに、RRCは、既存のRBを再構成するか、又は現在のRBを開放して新たなものをセットアップするか、いずれかのために、旧来の手順を実行する。
【0092】
RRC勧告に対する改正案の概要を、3GPP TS 25.331(無線リソース制御(RRC:Radio resource Control);プロトコル仕様(リリース6))要件に記載の種々のセクションを特に参照しながら、以下に述べる。
【0093】
8.6.4 Radio bearer information elements.
[...]
8.6.4.5 RB information to reconfigure.
【0094】
IEの「RB information to reconfigure」が含まれる場合、UEはIEの「RB identity」値で識別される無線ベアラに下記の作業を適用するものとする。UEは:
[...]
1> もしIE(1つ又は複数)の「MBMS Service Identity」及び追加的に「MBMS Session identity」が存在すれば、
2> 所与のMBMS service identity/sessionは、MBMS無線ベアラ用の現在のものに取って代わると考えるものとする。
【0095】
8.6.9 MBMS specific information elements
[...]
8.6.9.10 MBMS RB to be released list
もしIEの「MBMS RB to be released list」が含まれていれば、UEは:
1> 下位条項10.3.4.19に従って、開放すべき無線ベアラのリストに適用されるIEの「RB information to release」の作業を行うものとする。
【0096】
8.6.9.11 MBMS RB to be set-up list
もしIEの「MBMS RB to be set-up list」が含まれていれば、UEは:
1> 下位条項10.3.4.20に従って、セットアップすべき無線ベアラのリストに適用されるIEの「RB information to set-up」の作業を行うものとする。
【0097】
RRC勧告に対して提案する改正案の更に別の指摘の通り、セクション10.2の「Radio Resource Control Messages」は、新セクション10.2.2の「Radio Bearer Configuration」を下記を含むように、且つ「Need」欄が次のように記載されている関連の表と一緒に、改訂されるべきである。
【0098】
10.2.2 Radio Bearer Configuration
【0099】
このメッセージは、QoSの変更又は(優先的)MBMSサービスの変更に関連するパラメータを再構成するために、UTRANから送信される。この手順は、MACの多重化を変更することも、トランスポートチャネル及び物理チャネルを再構成することも、可能である。このメッセージは、GERAN IuモードからUTRANへのハンドオーバーを行うのにも用いられる。
RLC−SAP:AM又はUM又はGERAN Iuモードを介して送信
論理チャネル:DCCH又はGERAN Iuモードを介して送信
方向:UTRAN→UE
【0100】
【表1】

【0101】
【表2】

【0102】
【表3】

【0103】
【表4】

【0104】
【表5】

【0105】
【表6】

【0106】
更に、無線ベアラ情報エレメントに関して、セクション10.3.4を下記のように改訂して、例示のようにMBMSサービス識別情報エレメントを含むようにすべきであると、提唱されている。
【0107】
Radio Bearer Information elements
[...]
RB information to reconfigure
【0108】
【表7】

【0109】
この出願は2006年12月11日に出願されたイギリス出願番号0624647.4を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体無線通信ネットワークの専用無線リソース間の切替えを制御する方法であって、RRCメッセージを前記ネットワーク内のUEに送信することを含み、前記RRCメッセージが、前記UEにRB(Radio Bearer)開放及びRBセットアップの両者を開始させることを要求する方法。
【請求項2】
前記RRCメッセージが、RB再構成メッセージである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記RRCメッセージが、RB識別情報エレメント、MBMSサービス識別情報エレメント、及びMBMSセッション識別情報エレメントの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記RRCメッセージが、前記専用無線リソースの両者に対するRB構成を識別するための情報を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記RRCメッセージが、既存の、但しそれへの切替えが必要とされている前記専用無線リソースの特性を考慮して更新されるRB構成を識別するための情報を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記更新される情報が、更新されたMBMSサービス識別子を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記更新される情報が、更新されたMBMSセッション識別子を含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記RRCメッセージが、MAC(Medium Access Control)の多重化を変更するように編成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記RRCメッセージが、前記専用無線リソース用のトランスポートチャネル及び/又は物理チャネルを再構成するように編成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
MBMSを提供する専用無線リソース間の前記切替えが設けられている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
移動体無線通信装置におけるモバイルTVサービスのチャネル間の切替えを制御する方法であって、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法を含む方法。
【請求項12】
専用無線リソース間の切替えを移動体通信ネットワークのUE内で開始する方法であって、前記UE内でRB開放及びRBセットアップの両者を開始するように編成されたRRCメッセージを前記UEで受信し、処理するステップを含む方法。
【請求項13】
前記UEから前記ネットワークに、RB再構成完了メッセージを送信するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記RRCメッセージが、RB再構成メッセージである、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記RRCメッセージが、RB識別情報エレメント、MBMSサービス識別情報エレメント、及びMBMSセッション識別情報エレメントの少なくとも1つを含む、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記RRCメッセージが、前記専用無線リソースの両者に対するRB構成を識別するための情報を含む、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記RB開放及びRBセットアップは、前記UEが既存の無線アクセスベアラを開放して更新することである、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記RRCメッセージが、既存の、但しそれへの切替えが必要とされている前記専用無線リソースの特性を考慮して更新されるRB構成を識別するための情報を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記更新される情報が、更新されたMBMSサービス識別子を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記更新される情報が、更新されたMBMSセッション識別子を含む、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
移動体無線通信装置におけるモバイルTVサービスのチャネル間の切替えを制御する方法であって、請求項12〜20のいずれか一項に記載の方法を含む方法。
【請求項22】
移動体無線通信ネットワークの専用無線リソースを受信し、且つそれら間の切替えを行うように編成された移動体無線通信装置であって、前記装置内でRB開放及びRBセットアップの両者を開始させることを要求するRRCメッセージを受信するように編成されている装置。
【請求項23】
前記ネットワークに、RB再構成完了メッセージを送信するように編成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記RRCメッセージが、RB再構成メッセージである、請求項22又は23に記載の装置。
【請求項25】
前記RRCメッセージが、RB識別情報エレメント、MBMSサービス識別情報エレメント、及びMBMSセッション識別情報エレメントの少なくとも1つを含む、請求項22〜24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記RRCメッセージが、前記専用無線リソースの両者に対するRB構成を識別するための情報を含む、請求項22〜25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記RB開放及びRBセットアップを、既存の無線アクセスベアラを開放して更新することによって行う、請求項22〜25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記RRCメッセージが、既存の、但しそれへの切替えが必要とされている前記専用無線リソースの特性を考慮して更新されるRB構成を識別するための情報を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記切替えが必要とされている専用無線リソースの特性を考慮して更新される情報が、更新されたMBMSサービス識別子を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記更新される情報が、更新されたMBMSセッション識別子を含む、請求項28又は29に記載の装置。
【請求項31】
前記RRCメッセージが、MACの多重化を変更するように編成されている、請求項22〜30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記RRCメッセージが、前記専用無線リソース用のトランスポートチャネル及び/又は物理チャネルを再構成するように編成されている、請求項22〜31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記RRCメッセージが、MBMSを提供する専用無線リソース間の切替えを提供する、請求項22〜32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記再構成を開始するRRCメッセージは、MBMSサービス識別子の更新を示す、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
モバイルTVサービスのチャネル間で前記切替えを行うように編成された、請求項22〜34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
請求項22〜35のいずれか一項において、
前記RRCメッセージを受信する手段と、
前記RRCメッセージを処理して、前記RRCメッセージに関連する無線ベアラを識別すると共に、切替えが必要とされている無線リソースに関連する情報を抽出する手段と、
前記識別された無線ベアラを開放する手段と、
前記抽出された情報に基づき、前記識別された無線ベアラ又は新たな無線ベアラをセットアップする手段と、
を備えた装置。
【請求項37】
移動体無線通信ネットワーク内で前記ネットワークの専用無線リソース間の切替えを制御するのに用いられ、前記ネットワーク内の移動体無線通信装置にRRCメッセージを送信するように編成されたネットワークエレメントであって、前記RRCメッセージが、前記移動体無線通信装置内でRB開放及びRBセットアップの両者を開始させることを要求する、ネットワークエレメント。
【請求項38】
前記RRCメッセージが、RB再構成メッセージである、請求項37に記載のネットワークエレメント。
【請求項39】
前記RRCメッセージが、RB識別情報エレメント、MBMSサービス識別情報エレメント、及びMBMSセッション識別情報エレメントの少なくとも1つを含む、請求項37又は38に記載のネットワークエレメント。
【請求項40】
前記RRCメッセージが、前記専用無線リソースの両者に対するRB構成を識別するための情報を含む、請求項37〜38のいずれか一項に記載のネットワークエレメント。
【請求項41】
前記RRCメッセージが、既存の、但しそれへの切替えが必要とされている前記専用無線リソースの特性を考慮して更新されるRB構成を識別するための情報を含む、請求項37〜39のいずれか一項に記載のネットワークエレメント。
【請求項42】
前記更新される情報が、更新されたMBMSサービス識別子を含む、請求項41に記載のネットワークエレメント。
【請求項43】
前記更新される情報が、更新されたMBMSセッション識別子を含む、請求項41又は42に記載のネットワークエレメント。
【請求項44】
前記RRCメッセージが、MACの多重化を変更するように編成されている、請求項37〜43のいずれか一項に記載のネットワークエレメント。
【請求項45】
前記RRCメッセージが、前記専用無線リソース用のトランスポートチャネル及び/又は物理チャネルを再構成するように編成されている、請求項37〜44のいずれか一項に記載のネットワークエレメント。
【請求項46】
請求項37〜45のいずれか一項において、
前記移動体無線通信装置からサービス要求を受信する手段と、
前記サービス要求に応じて、前記RRCメッセージを、前記RRCメッセージに関連する無線ベアラを識別するための情報、及び切替えが必要とされている無線リソースに関連する情報の両者を含むように生成する手段と、
前記RRCメッセージを、前記移動体無線通信装置による受信のために送信する手段と、
を備えたネットワークエレメント。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−209986(P2012−209986A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172833(P2012−172833)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2009−524829(P2009−524829)の分割
【原出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】