説明

射出成形機用の金型装置および射出成形機

【課題】原料の漏れを抑制するとともに金成形品の質を向上させる。
【解決手段】射出成形機用の金型装置は、第1の型部(31)と第2の型部(32)と第3の型部(33)と嵌合部材(18)とを有する。第1の型部は、ノズル(4)が挿入されるスプルーブッシュ(6)を有し、スプルーブッシュに挿入されたノズルが第1の型部を貫通するように構成されている。第2の型部は、第1の型部の、ノズル挿入方向(T)の下流側における一面(20a)に接触および離間可能に構成されており、ノズルから射出される原料を導入するための湯口(15a)が設けられている。第3の型部は、第2の型部の、ノズル挿入方向(T)の下流側における一面(20b)に接触および離間可能に構成され、第2の型部と共同して、湯口と連通したキャビティを形成する。嵌合部材は、第1の型部の、ノズル挿入方向(T)の下流側から着脱され、ノズルから射出される原料の漏れを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融または半溶融させた原料を射出して成形品を製造する射出成形機に用いられる金型装置、およびこの金型装置を備えた射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機は、原料を射出するためのノズル装置と、射出された原料が充填されるキャビティが形成された金型と、を有する。このような射出成形機として、特開2003−94158号(以下、特許文献1という。)に金属射出成形機が開示されている。
【0003】
図5は、特許文献1に開示された金属射出成形機を示している。ノズル装置は、原料を溶融および貯留するシリンダ102と、シリンダ102の周囲に配置されたヒータ101と、金型へ原料を搬送および射出するためのスクリュ103と、金型内部まで挿入可能な延長ノズル104と、を有している。
【0004】
延長ノズル104はシリンダ102の先端に取り付けられ、シリンダ102内の原料は延長ノズル104を通って射出される。延長ノズル104の先端側の外周には外部加熱装置116が設けられている。
【0005】
金型は固定型124と可動型123とからなり、いずれも母型内に入れ子109が組み込まれている構造とされる。固定型124の入れ子と可動型123の入れ子が組み合わされてキャビティ114が形成される。
【0006】
固定型124には、延長ノズル104が挿入されるスプルーブッシュ106と、延長ノズル104の熱を金型へ逃がさないための断熱リング117と、位置決めプレート118と、を有している。
【0007】
延長ノズル104の先端部を保護するため、位置決めプレート118は、延長ノズル104を金型内に挿入する際には外しておき、延長ノズル104を挿入した後に装着される。位置決めプレート118は、ネジなどで固定型に固定される。
【0008】
可動型123には、延長ノズル104の先端に形成される小さなプラグと呼ばれる凝固した金属を受け止める凹部121を有するプラグキャッチャーブッシュ107が設けられている。また、可動型123には、可動型の凹部121とキャビティ114とを連通するためのランナ113が形成されている。
【0009】
次に、延長ノズル104を用いたノズル装置の動作について説明する。まず、固定型124に配置してある位置決めプレート118を予め外しておき、シリンダ102を前進させて延長ノズル104を金型内に挿入する。その際、シリンダ102に設置されている図示しない位置調整機能により延長ノズル104の先端部が固定型124の挿入口中心に位置するよう調整を行う。
【0010】
次に、位置決めプレート118をスプルーブッシュ106に取り付け、金型の昇温を開始する。その間にシリンダ102の外部に配置したヒータ101によりシリンダ102を加熱しておき、原料をシリンダ102内に投入する。スクリュ103が回転しながら後退することにより、投入した原料は、シリンダ102の前方に搬送され、シリンダ2から熱を受けて溶融状態となってスクリュ103の前方に貯留される。
【0011】
延長ノズル104は、断熱リング117との間でタッチ力を発生させた状態で待機しておく。また、延長ノズル104の先端側が射出待機温度であるベース温度まで昇温すると、位置決めプレート118との熱膨張差により延長ノズル104の先端部の外周隙間がシールされ、延長ノズル104の先端から出る溶融した原料の、ブッシュ106内への侵入を防止する。
【0012】
金型とノズル装置との連結が完了した後、スクリュ103を動作させて、原料を延長ノズル104から射出する。溶融状態の原料は延長ノズル104から、可動型の凹部121およびランナ113を通って、キャビティ114に充填される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2003−94158号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1に記載の射出成形機では、金型に延長ノズル104を挿入した後に、延長ノズル104の先端に、原料の漏れを防止する位置決めプレート118が取り付けられる。そのため、延長ノズル104の先端をパーティング面130(図5では、可動型123と固定型124とが組み合わされる面)から露出させる必要がある。ここで、キャビティ114もパーティング面130に位置するため、金型には、延長ノズル104の先端から射出された原料をキャビティ114に導くためのランナ113が形成される必要がある。
【0015】
そのため、ランナ113の長さだけ、原料が流動する距離(以下、流動長と呼ぶ。)が長くなってしまう。特に、キャビティ114が幅広な形状である場合や複雑な形状である場合には、原料の流動長がより長くなり、射出成形の質が低下することがある。また、同一の製品を複数個取りするためのキャビティが金型に形成されている場合、キャビティの、延長ノズル104から遠くに位置する部分では、原料の流動長が長くなるため、射出成形の質が低下することがある。
【0016】
ランナの長さを出来るだけ短くしようとすると、ランナは、キャビティの、ノズルに最も近い部分に連結される必要がある。このように、ランナの長さを抑えると、キャビティに対する原料の導入口の位置は、任意に設計することができず、制限されてしまう。そうすると、キャビティの形状によっては、キャビティに対して最適な位置から原料を導入することが困難になり、その結果、成形品の質が低下することがある。
【0017】
このように、特許文献1に記載の射出成形機では、キャビティの形状によっては、原料の漏れを抑制することと、成形品の質を向上させることとを両立させることが困難であるという課題があった。
【0018】
本発明の目的は上記背景技術の課題を解決する金型装置、及びそれを備えた射出成形機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するため本発明の射出成形機用の金型装置は、第1の型部と第2の型部と第3の型部と嵌合部材とを有する。第1の型部は、成形品の原料を射出するノズルが挿入されるスプルーブッシュを有し、スプルーブッシュに挿入されたノズルが第1の型部を貫通するように構成されている。第2の型部は、第1の型部の、スプルーブッシュへのノズル挿入方向の下流側における一面に接触および離間可能に構成されており、スプルーブッシュに挿入されたノズルから射出される原料を導入するための湯口が設けられている。第3の型部は、第2の型部の、ノズル挿入方向の下流側における一面に接触および離間可能に構成され、第2の型部と接触した状態で、第2の型部と共同して、湯口と連通したキャビティを形成する。嵌合部材は、第1の型部の、ノズル挿入方向の下流側から着脱され、ノズルから射出される原料の漏れを防止する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、原料の漏れを抑制するとともに、金成形品の質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態における射出成形機の概略断面図である。
【図2】図1に示された第2の型部の、パーティング面から見た概略断面図である。
【図3】別の例における第2の型部の、パーティング面から見た概略断面図である。
【図4】さらに別の例における第2の型部の、パーティング面から見た概略断面図である。
【図5】従来の金属射出成形機の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、第1の実施形態における射出成形機を示している。本実施形態の射出成形機は、例えば、マグネシウム合金、亜鉛合金およびアルミニウム合金などの金属の原料を射出する金属射出成形機である。
【0024】
射出成形機は、金型装置50および射出装置60を有している。射出装置60は、成形品の原料を保持するシリンダ2と、原料を搬送および射出するためのスクリュ3と、ノズル4と、を有している。ノズル4はシリンダ2から延びており、ノズル4の先端から原料が射出される。シリンダ2の周囲にはヒータ1が設けられている。また、ノズル4には、ノズル4の熱を金型に逃がさないための断熱リング17や、ノズル4を加熱するための加熱装置16などが設けられている。
【0025】
金型装置50は、第1の型部31と第2の型部32とを含む上型と、第3の型部33を含む下型と、を有している。つまり、本実施形態の金型装置では、上型が、図に示す分離面20aで2つに分離された構成となっている。
【0026】
第1の型部31には、ノズル4が挿入されるスプルーブッシュ6が設けられている。スプルーブッシュ6に挿入されたノズル4は第1の型部31を貫通する。スプルーブッシュ6の、ノズル挿入方向Tの下流側には、スプルーブッシュ6に対して着脱可能に構成された嵌合プレート(嵌合部材)18が設けられている。具体的には、嵌合プレート18は環状であり、筒状のスプルーブッシュ6の先端内に嵌合される。そして、環状の嵌合プレート18の内周面にノズルが嵌められる。
【0027】
第2の型部32は、第1の型部31の、スプルーブッシュ6へのノズル挿入方向Tの下流側における一面(分離面)20aに接触および離間可能に構成されている。射出成形時には、第1の型部31と第2の型部32とは、接合部材としてのボルト21によって互いに接合される。ボルト21を外すことで、第1の型部31と第2の型部32とは離間可能になる。
【0028】
第2の型部32には、スプルーブッシュ6に挿入されたノズル4から射出される原料に対する湯口15aが設けられている。本実施形態では、スプルーブッシュ6は第1の型部31から突出しており、第2の型部32にスプルーブッシュ6が挿入される穴部が形成されており、この穴部の底に湯口15aが形成されている。なお、スプルーブッシュ6の先端が第2の型部32の湯口15aと接触することができれば、スプルーブッシュ6は第1の型部31から突出していなくても良い。
【0029】
湯口15aは、交換可能な湯口形成部材15に形成されていることが好ましい。これにより、湯口形成部材15を容易に取り替えることができるため、メンテナンスの面で有利である。
【0030】
第3の型部33は、第2の型部32の、ノズル挿入方向Tの下流側における一面(パーティング面)20bに接触および離間可能に構成されている。第3の型部33は、第2の型部32と接触した状態で、第2の型部32と共同で、湯口15aと連通したキャビティ14を形成する。
【0031】
具体的には、第2の型部32および第3の型部は、いずれも母型内に入れ子34,35が組み込まれた構造となっており、第2の型部の入れ子34と第3の型部の入れ子35とが組み合わされてキャビティ14が形成される。
【0032】
第3の型部33は、射出成形機のエジェクタロッド(不図示)と連結されたエジェクタプレート10と、このエジェクタプレート10に連結されたエジェクタピン11と、をさらに有している。エジェクタピン11は、第3の型部33を貫通してパーティング面20bに突出可能になっている。
【0033】
次に、本実施形態の金型装置50および射出成形機の動作について説明する。まず、金型装置50に射出装置60を装着する際の動作について説明する。
【0034】
まず、第1〜第3の型部31,32,33を、図示されていない温度調節器により、加熱した状態で維持しておく。同様に、シリンダ2も、ヒータ1によって加熱された状態に維持しておく。
【0035】
第3の型部33を第2の型部32から離し、パーティング面20bを露出させ、ボルト21を外す。このようにして、第1の型部31と第2の型部32とを分離しておく。その後、第3の型部33を第2の型部32に接触させた後、第2の型32と第3の型部33とを図示しない型開き防止装置で固定する。そして、再び第3の型部33を移動させることで、第2の型部32が第1の型部31から離れ、分離面20aが露出する。
【0036】
次に、第1の型部31の、ノズル挿入方向Tの下流側から嵌合プレート18を取り外し、図示されていない移動シリンダにより、ノズル4をスプルーブシュ6内へ挿入する。シリンダ2から延びたノズル4は、断熱リング17およびスプルーブッシュ6にそれぞれ設けられた傾斜部(テーパ)によって、嵌合プレート18が装着された際の嵌合プレート18の中央部位置へと導かれ、移動シリンダから発生するタッチ圧力を受け止めて停止する。
【0037】
ノズル4が所定位置で停止された後、再び嵌合プレート18を、スプルーブッシュ6に装着する。具体的には、嵌合プレート18は、ノズル4の先端部の外周面とスプルーブッシュ6の内面との間に嵌められ、ノズル4からスプルーブッシュ6内への原料の漏れを防止する。
【0038】
嵌合プレート18とノズル4とを強く密着させるため、嵌合プレート18は、ノズル4の熱膨張によってノズル4と互いに密着するように構成されていることが好ましい。この場合、嵌合プレート18の熱膨張率は、ノズル4の熱膨張率よりも小さいことが好ましい。このように、熱膨張を利用した密着方式では、高速および高圧条件下での原料の射出に耐えることができ、原料の漏れを抑制する効果が高いという利点がある。
【0039】
また、嵌合プレート18の内面とスプルーブッシュ6の外面との間に若干の隙間が形成されるように、嵌合プレート18はスプルーブッシュ6よりも小さく形成されていることが好ましい。これにより、ノズル4の先端位置が若干ずれたとしても、その位置ずれが補正され、嵌合プレート18が無理なくノズル4に嵌合される。
【0040】
嵌合プレート18を取り付けた後、第1の型部31と第2の型部32とを分離面20aで接触させる。そして、型開き防止装置を解除した状態で、第3の型部33を移動させることで、再びパーティング面20bを露出させる。そして、パーティング面20bからボルト21を挿入し、第1の型部31と第2の型部32とを接合して、射出成形中に第1の型部31と第2の型部32とが離れないようにする。
【0041】
金型装置50は、第1の型部31と第2の型部32とが接触した状態において、第2の型部32が、嵌合プレート18を押圧するように構成されていることが好ましい。これにより、嵌合プレート18を第1の型部31に固定するための別個の部材が不要になるという利点がある。
【0042】
このようにして、射出成形の準備が整った状態で、射出成形を開始する。以下、射出成形動作の一例について説明する。まず、ノズル4の先端部を、加熱装置16により待機中の温度まで昇温し、スクリュが3を回転させながら後退させる。これにより、シリンダ2内に投入された原料は、シリンダ2の前方に搬送され、ヒータ1によって熱せられて溶融状態となり、スクリュ3の前方に貯留される。
【0043】
次に、第3の型部33を第2の型部32に向けて移動させるとともに、射出成形機から加熱制御装置(不図示)に電気信号を送信する。この電気信号を受けて、加熱制御装置は加熱装置16を駆動し、ノズル4の先端部を成形可能な温度まで加熱する。
【0044】
第2の型部32と第3の型部33とが閉じた状態になり、ノズル4の先端部が設定された所定の温度に達すると、加熱制御装置より射出成形機に電気信号が送信される。この電気信号を受けた射出成形機は、スクリュ3を高速で移動させて、溶融状態となった原料をノズル4の先端部から射出する。ノズル4から射出された原料は、湯口15aを通ってキャビティ14内に充填される。成形された製品に窓部のような場所がある場合、原料は、湯口15aからこの窓部となる場所を介して導入されても良い。
【0045】
原料の射出が終了すると、再び射出成形機から加熱制御装置に電気信号が送信され、ノズル4の加熱が停止される。これに代えて、原料の射出が終了した後、ノズル4の先端が成形可能な温度を維持するようにしてもよい。この場合には、加熱制御装置と射出成形機との間で行われる通信を省略することができる。
【0046】
キャビティ14内に充填された溶融状態の原料は、キャビティ14内で冷えて凝固する。原料が凝固した後、第3の型部33を移動して、パーティング面20bにおいて金型を開く。そして、エジェクタプレート10を移動させ、エジェクタプレート10に連結されたエジェクタピン11によって、キャビティ内で凝固した原料(成形品)を押しだして成形品を離型する。
【0047】
金型装置50と射出装置60との分離は、例えば以下のような手順で行うことができる。まず、第2の型部32と第3の型部33とが離れた状態で、ノズル4の加熱を停止し、ノズル4の先端部で溶融した原料を固化させる。この状態で、パーティング面20bからボルト21を外し、第1の型部31と第2の型部32とを分離する。その後、第2の型部32と第3の型部33を閉じた後、型開き防止装置で固定し、再び第3の型部33を移動させることにより、分離面20aを露出させる。
【0048】
ノズル4の先端部が十分に冷えて収縮した後、嵌合プレート18をスプルーブッシュ6から取り外す。この後、図示されていない移動シリンダにより、ノズル4をスプルーブッシュ6から抜くことで、金型装置50と射出装置60とが分離される。
【0049】
上述したように、本実施形態の金型装置50では、上型が2つに分離された構成となっているため、ノズル4をスプルーブッシュ6に挿入した後に、スプルーブッシュ6に嵌合プレート18を着脱することができる。これにより、単にノズル4をスプルーブッシュ6に挿入しただけの状態よりも、ノズル4とスプルーブッシュ6との密着性を向上させることができる。したがって、ノズル4とスプルーブッシュ6との間に原料が漏れることを抑制することができ、射出成形時の安全性が向上する。
【0050】
また、湯口15aとキャビティ14とを連通するランナが不要となり、キャビティ14と湯口15aとを直接連通させることができる。これにより、原料の流動長が短くなるため、成形品の質および歩留まりが向上する。また、ランナが不要になることで、ランナで凝固する余分な原料が削減されるため、成形品の生産コストの低減にもつながる。
【0051】
また、湯口15aとキャビティ14とが直接連通される構成であるにも関わらず、湯口15aに対するキャビティ14の位置は任意に設計可能である。そのため、キャビティ14に対する湯口15aの位置は、様々に設計変更可能となる。このような設計変更の例を説明するため、図2〜図4では、パーティング面20bから見たときの、第2の型部32の構成例が示されている。図2に示す第2の型部32では、ノズルの中心位置4a、つまり湯口15aの位置が、第2の型部32の中心に位置している。
【0052】
図3に示す第2の型部32では、湯口15aが、第2の型部32の中心に位置していることは図3と同様である。しかし、第2の型部32に対する入れ子34およびキャビティ14の位置がずらされており、これにより、キャビティ14に対するノズルの中心位置4aが変えられている。
【0053】
図4に示す第2の型部32では、第2の型部32に対して、入れ子34およびキャビティ14の位置は図2と同様である。しかし、第2の型部32に対するノズルの中心位置4aが変更されており、その結果として、キャビティ14に対するノズルの中心位置4aが変えられている。
【0054】
これらの例に示すように、原料の流動長を増大させることなく、キャビティ14の形状に応じた適切な位置に、湯口15aの位置を設定することができる。これにより、様々な形状の成形品に対して、成形品の品質を向上させることができる。特に、幅広な成形品や複雑な形状の成形品であっても、高品質の成形品を安定して提供することができ、これまで成形が困難であった製品も成形することができるようにもなる。
【0055】
以上、本発明の望ましい実施形態について提示し、詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない限り、さまざまな変更及び修正が可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0056】
1 ヒータ
2 シリンダ
3 スクリュ
4 ノズル
6 スプルーブッシュ
14 キャビティ
15a 湯口
15 湯口形成部材
16 加熱装置
17 断熱リング
18 嵌合プレート
20a 分離面
20b パーティング面
21 ボルト
31 第1の型部
32 第2の型部
33 第3の型部
34 第2の型部の入れ子
35 第3の型部の入れ子
50 金型装置
60 射出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形機用の金型装置であって、
成形品の原料を射出するノズルが挿入されるスプルーブッシュを有する第1の型部であって、前記スプルーブッシュに挿入された前記ノズルが前記第1の型部を貫通するように構成された第1の型部と、
前記第1の型部の、前記スプルーブッシュへのノズル挿入方向の下流側における一面に接触および離間可能に構成された第2の型部であって、前記スプルーブッシュに挿入された前記ノズルから射出される前記原料を導入するための湯口が設けられた第2の型部と、
前記第2の型部の、前記ノズル挿入方向の下流側における一面に接触および離間可能に構成された第3の型部であって、前記第2の型部と接触した状態で、前記第2の型部と共同して、前記湯口と連通したキャビティを形成する第3の型部と、
前記第1の型部の、前記ノズル挿入方向の下流側から着脱され、前記ノズルから射出される前記原料の漏れを防止する嵌合部材と、を有する金型装置。
【請求項2】
前記スプルーブッシュは前記第1の型部から突出しており、
前記第2の型部には、前記第1の型部の前記スプルーブッシュが挿入される穴部が形成されており、該穴部の底に前記湯口が形成されている、請求項1に記載の金型装置。
【請求項3】
前記嵌合部材は、前記ノズルの先端部の外周面と前記スプルーブッシュの内面との間に装着され、前記ノズルの熱膨張によって前記ノズルと互いに密着するように構成されている、請求項1または2に記載の金型装置。
【請求項4】
前記第1の型部と前記第2の型部とが接触した状態において、前記第2の型部が、前記嵌合部材を押圧するように構成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の金型装置。
【請求項5】
前記第2の型部は、前記湯口が形成された、交換可能な湯口形成部材を有している、請求項1から4のいずれか1項に記載の金型装置。
【請求項6】
前記第1の型部と前記第2の型部とが接触した状態を維持するように、前記第1の型部と前記第2の型部とを接合する接合部材をさらに有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の金型装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の金型装置と、
成形品の原料を射出し、前記金型装置の前記第1の型部に設けられた前記スプルーブッシュに挿入されるノズルを有する射出装置と、を備えた射出成形機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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