説明

射出成形機

【課題】駆動軸を適切に制御し、製品のばらつきを低減させた射出成形機を提供すること。
【解決手段】射出成形機を制御する制御装置を、第1制御部と第2制御部から構成する。第1制御部は、汎用の制御部であり、射出成形機全体を制御する。第2制御部は、個別に作動する専用のハードウェアで構成し、第2制御部で、スクリュー軸など駆動軸の制御を専用に処理させることとした。これにより、第1制御部での処理にかかわらず、駆動軸を第2制御部で専用に制御でき、また、第2制御部のハードウェアの処理速度を上昇させることで、正確で、かつ迅速に駆動軸を作動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリュー軸などの駆動軸の制御を向上させた射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機は、シリンダ内部にスクリューを前後進自在に具え、スクリューを前進させてシリンダ内から溶融樹脂を射出し、射出装置の前方に接続されている金型内に樹脂を注入して製品を成形する。溶融樹脂は、スクリューが移動した量に比例して、金型内へ注入される。したがって所定量の樹脂を金型内に正確に射出させるには、スクリューを正確に制御して移動を行なわせる必要がある。
【0003】
例えば電動式の射出成形機では、スクリューを駆動させるサーボモータに検出器を連結し、検出器で検出した結果からスクリューの移動量を求め、所定位置でサーボモータを停止させて、所定量の樹脂を金型内に注入するようにしていた。
【0004】
仮に、スクリューが所定位置より手前に停止してしまうと、射出される樹脂量が不足し、製品不良が発生する。またスクリューが所定位置を越えてしまうと、樹脂が過剰に注入されることとなり、バリの発生や金型に加えられる圧力が過大となり、金型に損傷等を生じさせるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−313409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら従来射出成形機では、スクリュー軸などの駆動軸の位置や速度検出などの処理を、射出成形機が有する他の多くの作業処理と合わせて行なっている。つまり、射出成形機に汎用のCPUを組み込み、各機能用に搭載されたソフトウェアを用いて、射出成形機全般の制御を行うとともに各種駆動軸の制御を行なっている。そのため例えばスクリューの位置を検出部が検出し、その検出結果をCPUに送出しても、スクリューの位置や速度の判別処理が、射出成形機の他の処理と混在し、スクリューの制御が他の作業の処理の後に行われることがある。
【0007】
したがって、射出成形機で連続成形された製品を調べると、スクリューの停止位置が一定していないことにより、樹脂射出量にばらつきが生じ、製品の品質が安定していないことなどがあった。
【0008】
本発明は、駆動軸を適切に制御し、製品を安定して、かつ精度よく、高速に成形させることができる射出成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
射出成形機の制御装置内に、第1制御部と第2制御部を設け、第1制御部で射出成形機全体を制御するのに加え、第2制御部でスクリュー軸などの各駆動軸の制御を行わせることとした。第1制御部は、中央演算処理装置と、各種ソフトウェアを記憶する記憶部を備え、記憶部から所定のソフトウェアを読み出し、各種処理を行う。第2制御部は、専用ハードウェアICなどからなり、各駆動軸ごとに処理部を具え、各処理部から各駆動軸の駆動ユニットを個別に制御させることとした。
【0010】
例えば、第2制御部のある1つの処理部で、スクリューの位置検出信号を受け取り、位置判断を行い、それに基づいて駆動ユニットからスクリュー駆動装置へ駆動信号を送出させたり、スクリューにかかる圧力を所定の状態に保持させることとした。
【0011】
したがって第2制御部で、各種駆動軸の駆動に関する制御を行い、射出成形機全般に関する他の制御は汎用の第1制御部が行う。また第2制御部のハードウェアICの処理速度、すなわちサンプリング周波数等を従来のサンプリング周波数より高くし、スクリュー軸などの駆動軸が閾値に達したか否かの判断作業を、従来より短い時間間隔で行なわせることとした。
【発明の効果】
【0012】
本射出成形装置によれば、スクリューの位置信号など各駆動軸に関する情報が入力されると、第2制御部の所定の処理部で直ちに閾値等と比較し、判定結果を得ることができる。したがって、スクリュー等各種駆動軸における処理速度が向上する。また、閾値との判定結果が得られると、直ちに駆動ユニットに信号を送り、各アクチュエータに判定結果に基づく駆動信号を送出できる。
【0013】
これにより、射出成形機における保圧切替等各種駆動軸の制御を精度よく実施でき。したがって、例えばスクリュー位置を正確に制御し、製品ごとに生じるスクリュー位置のばらつきを小さくし、金型内に注入する樹脂量を正確に制御し、樹脂量が変動することによる製品間の品質のばらつき、あるいは不良品の発生を抑制させることができる。そのため、製品の品質を向上させることができる。
【0014】
また、第2制御部における各処理部の、例えばサンプリング周波数を高くしたことにより、処理を行う時間間隔が短縮され、検出結果と閾値との比較を従来より短い時間間隔で行わせることができる。これにより例えば、スクリューの位置が閾値を実際に超えたときとそれを第2制御部が検出したときとの時間差が小さくなり、スクリューを正確に制御できる。
【0015】
これによっても、スクリュー位置等の駆動軸の作動を正確に把握し、各種駆動軸を、製品に適合した所望の位置に正確に作動させることができる。したがって、金型内に樹脂を正確に注入することができ、樹脂量が変動することによる製品のばらつきや不良品の発生を低減できる。
【0016】
また第2制御部での処理速度が高速になるので、スクリューの移動速度を高めて処理することができ、作業時間を短縮させ、作業効率を向上できる。
【0017】
各種駆動軸の制御を、専用ハードウェアICなどの第2制御部を用いて行わせることにより、他の処理がCPUに集中した場合でも、駆動軸の制御に遅れ等を生じさせることがなく、高速で、常に安定して、正確な処理が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる射出成形機の制御装置の一実施形態を示す回路構成図である。
【図2】専用ハードウェアICを示すブロック図である。
【図3】射出機を示す断面図である。
【図4】射出成形機を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明にかかる射出成形機の一実施形態について、図を参照して説明する。図4に、射出成形機10を示す。
【0020】
射出成形機10は、ベース50と、ベース50上に設けられた射出装置12及び型締装置14等から構成されている。また射出成形機10のほぼ中央部分には、射出成形機10の表示装置16と入力装置18が設けられている。
【0021】
ベース50は、ほぼ直方体で、図の左側に型締装置14が設けられている。型締装置14は図1に示すように型締機構15を備え、型締機構15に組み付けられた金型17を開閉駆動させる。型締装置14は、従来から知られている機構、構成のもので、電動機19や位置検出センサ21等を具え、後述する制御装置2により適宜開閉駆動される。尚型締装置14は、サーボモータ駆動方式が好ましいが、油圧駆動方式であってもよい。
【0022】
ベース50には、上面にレール52がベース50の長手方向に沿って設けられ、ベース50の右側部分には、型締装置14に対向して射出装置12が、レール52上に移動自在に載置されている。射出装置12及び型締装置14は外側にカバーを有し、図4にはそれぞれがカバーで覆われた状態で示してある。以下、射出装置12の型締装置14側を前方とし、それを基準に前後左右を定め、また重力の方向を下方とし、その逆を上方として説明する。
【0023】
射出装置12を、図3に示す。射出装置12は、メインフレーム20と、メインフレーム20の前方(図の左方。)に設けられたシリンダ22と、シリンダ22の内部に設けられたスクリュー24と、スクリュー24を中心軸周りに回転させるスクリュー回転機構26と、スクリュー24を軸方向に前後進させるスクリュー前後進機構28と、射出装置12を第1レール52上で前後進させる推進機構30などから構成されている。
【0024】
メインフレーム20は、基台32と、基台32上に取り付けられたフレーム34から形成されている。基台32は、扁平な枠体で、左右両側に支持脚36を有している。支持脚36は、第1レール52上に移動自在に載置され、これにより基台32が、ベース50上に摺動自在に支持されている。
【0025】
推進機構30は、駆動用電動機38と、ボールねじ機構40などから構成されている。駆動用電動機38は、基台32に取り付けられている。駆動用電動機38の駆動軸はメインフレーム20の後壁39を貫通し、ギア機構31を介してボールねじ機構40のねじ部49に連結されている。ねじ部49は、基台32のほぼ中央を貫き、先端側が基台32の前壁41に回転自在に支持されている。ねじ部49に螺合するボールねじ機構40のナット部44は、基台32の内側で、ベース50の上面に固定されている。
【0026】
フレーム34は、枠体状で、下方に前脚42と後脚43が設けられている。前脚42は、支持ピン46と固定ねじ48により基台32に固定されている。そして固定ねじ48の固定を解除すると、基台32上を後脚43が摺動移動して、支持ピン46を中心にしてフレーム34が旋回するように構成されている。
【0027】
フレーム34の前方には、シリンダ22が取り付けられている。またフレーム34上には、第2レール58が設けられている。シリンダ22は、フレーム34から前方に延び、その先端には、金型(固定プレート)に密接するノズル部54が設けられている。シリンダ22の外周には、加熱装置および温度センサ(いずれも図示せず。)が設けられている。またシリンダ22の基端側には、ホッパ56が設けられている。ホッパ56は、内部がシリンダ22内に連通し、内部に収納した原料樹脂のペレットをシリンダ22に供給する。
【0028】
スクリュー24は、シリンダ22内に往復動かつ回転自在に設けられている。スクリュー24の基端側には、スクリュー回転機構26が設けられている。スクリュー回転機構26は、回転機構本体部60と、駆動用電動機62と、伝動ベルト64と、プーリ66などから構成されている。回転機構本体部60は、左右にステー68を延ばし、第2レール58上に摺動自在に載置されている。これによりスクリュー回転機構26は、フレーム34に対して移動可能に取り付けられている。
【0029】
回転機構本体部60の上部には、駆動用電動機62が取り付けられている。回転機構本体部60の前方には、軸受61を介してプーリ66が回転自在に設けられており、伝動ベルト64を介して駆動用電動機62の回転駆動軸67に連結されている。プーリ66には、前述したようにスクリュー24が同軸に一体に固定されている。回転機構本体部60の後方には、ロードセル70を介してスクリュー前後進機構28が設けられている。
【0030】
スクリュー前後進機構28は、駆動用電動機72(図1参照。)と、伝動ベルト74と、プーリ76と、ボールねじ機構78などから構成されている。駆動用電動機72は、フレーム34の側方に取り付けられており、その回転駆動軸が伝動ベルト74を介してプーリ76に連結されている。また駆動用電動機72には、図1に示すように位置センサ73が設けられている。位置センサ73は駆動用電動機72が作動するとそれに応じたパルス信号等を送出する。尚位置センサ73は、駆動用電動機72でなく、スクリュー前後進機構28の他の部分に設けられていてもよい。
【0031】
プーリ76は、フレーム34に回転自在に支持されている。プーリ76には、ボールねじ機構78のねじ部80が一体に連結されている。ねじ部80は、スクリュー24と同軸に設けられ、ボールねじ機構78のナット部82に螺合している。ナット部82は円筒状で、ナット部82の前端面がロードセル70の後面に固定されている。
【0032】
ロードセル70は、軸方向の圧力を計測する圧力計測器で、起歪体と起歪体に取り付けられた歪みセンサ(いずれも図示せず。)などから構成されている。ロードセル70は、ロードセル70に圧力が加えられるとその圧力に応じた出力信号を制御装置2(図1参照。)に送出する。
【0033】
次に、制御装置2について説明する。制御装置2は、図1に示すように主な構成要素として、第1制御部としての主制御部4と、第2制御部としての駆動制御部6とを有し、駆動部8に接続している。
【0034】
主制御部4は、CPU3と、ROM5と、RAM7等を具えている。CPU3は、従来の射出成形機に用いられていたものと同様のもので、所定の処理速度(サンプリング周波数)を有している。ROM5には、各種プログラム等が記憶されている。RAM7には、入力装置18から入力された製品に関する情報や閾値等を含む各種パラメータ、各種センサからの計測結果などが記憶されている。
【0035】
また主制御部4には、表示装置16や入力装置18に加え、シリンダ22の温度センサ、あるいはロードセルの圧力センサなどからの信号線(図示せず。)その他が接続している。主制御部4は、ROM5やRAM7から、それぞれ適宜記憶内容を読み出し、各種検出結果を用いて各処理を行い射出成形機10の全般を制御する。
【0036】
駆動制御部6は、専用ハードウェアICから構成されている。駆動制御部6は、図2に示すように、サーボ制御部11と、複数の処理部13を具えている。サーボ制御部11は、位置制御部23と速度制御部25から構成されている。サーボ制御部11は、処理部13からの判定結果に基づき作動信号を駆動部8に送り出す。
【0037】
処理部13は、記憶部100と比較部102と判定部104とを具え、各駆動軸ごとにそれぞれ設定されている。例えば型締機構15の電動機19、推進機構30の駆動用電動機38、スクリュー前後進機構28の駆動用電動機72等の各駆動機構(アクチュエータ)ごとにそれぞれ各処理部13が設けられている。
【0038】
記憶部100は、主制御部4から送られる閾値やそれぞれの駆動軸の位置や速度情報などを記憶する。比較部102は、各センサから送られてくる検出結果と閾値との比較などを行い、その比較結果を判定部104に送る。判定部104は、比較部102からの比較結果に基づき、判定結果をサーボ制御部11に送り出す。
【0039】
駆動部8は、複数の駆動ユニット9を具えている。各駆動ユニット9は、それぞれ各アクチュエータごとに設定されており、各駆動ユニット9からそれぞれの駆動機構、例えば駆動用電動機38に信号線86が延びている。
【0040】
また駆動制御部6には、例えばスクリュー24の位置を検出する位置センサ73からの信号線90やセンサ75からの信号線92等が接続されている。
【0041】
次に、射出成形機10の作動について説明する。
【0042】
例えば主制御部4から駆動制御部6に、射出装置12を前進させる旨の指示が出される。かかる指示により、駆動制御部6は処理部13で処理を行い、現在位置を判断し、サーボ制御部11を介して駆動ユニット9に作動信号を送出する。駆動ユニット9は、駆動用電動機38に駆動信号を送り、駆動用電動機38が駆動し、ねじ部49が回転する。するとねじ部49が螺進し、それとともに基台32が第1レール52上を前進して、射出装置12が前進する。射出装置12の前進により、シリンダ22のノズル部54が型締装置14に所定の圧力で密着すると、かかる状態を処理部13が判定し、駆動ユニット9に指示を出す。すると推進機構30が停止し、適正なノズルタッチ状態となる。
【0043】
射出装置12が型締装置14に接続されると、ホッパ56に原料となるペレットを満たした状態で、主制御部4からの指示に従い駆動制御部6が駆動用電動機62を駆動させ、伝動ベルト64を介してスクリュー24がシリンダ22内で回転する。また、スクリュー前後進機構28が同様に主制御部4からの指示に従い駆動制御部6で駆動され、スクリュー24がシリンダ22内で後退する。
【0044】
すると、ホッパ56からシリンダ22内に導入されたペレットが、加熱装置により加熱されたシリンダ22内をスクリュー24の回転により搬送される間に溶融、混練され、シリンダ22の先端に溶融樹脂の状態となって貯留される。
【0045】
シリンダ22の先端に所定の溶融樹脂が貯留され、射出の準備が整うと、主制御部4からの指示に従い駆動制御部6がスクリュー前後進機構28に指示を出し、スクリュー前後進機構28が作動する。まず駆動用電動機72が駆動し、ねじ部80が回転する。ねじ部80が螺進方向に回転すると、ナット部82が前方に移動し、ロードセル70を介して回転機構本体部60が移動する。これによりスクリュー24が前進し、溶融樹脂がシリンダ22からノズル部54を通じて、型締装置14により型締めされている金型内に射出される。
【0046】
スクリュー24の位置は、位置センサ73により検出され、その検出結果は信号線90を通って駆動制御部6に入力される。処理部13(保圧切替判定部としての処理部13である。)では、位置センサ73からの検出結果と記憶部100に記憶されている閾値とを比較部102で比較し、スクリュー24が所定位置(閾値)に達したか否かを判定する。所定位置に達していないと判定した場合には、次に送られてきた位置センサ73からの検出結果と閾値とを比較部102が比較する。かかる比較は、専用ハードウェアの処理速度に従って連続して行われる。
【0047】
比較部102で、位置センサ73からの検出結果と閾値が一致、もしくは閾値を超えたことが確認されたら、判定部104はその旨をサーボ制御部11に送出する。サーボ制御部11は判定部104での判定に基づき、駆動ユニット9に作動信号を送出する。駆動ユニット9はサーボ制御部11からの作動信号に基づき、駆動用電動機72に駆動停止の信号を送出し、駆動用電動機72が停止される。
【0048】
したがって、スクリュー24の位置を検出した検出結果は、他の処理等により遮断されることはなく、比較部102で常時閾値と比較することが可能となり、スクリュー24の位置検出に時間的な遅れを生じさせることがない。これにより、スクリュー24を常に正確な位置で停止させ、金型17に所定量の樹脂の射出を行い、保圧切替に移行させることができる。
【0049】
更に駆動制御部6は、位置センサ73から得た検出結果を比較部102で閾値と比較し、位置検出値が閾値になるまで、駆動用電動機72を駆動させる。検出結果が所定位置に達したと判定されたら、それ以降かかる位置を保持して所定時間経過させる。そして、製品が冷却されたら、型締装置14を作動させ、金型17を開き製品を取り出す。
【0050】
このように、射出成形機10では、スクリュー24の制御が専用ハードウェアICからなる駆動制御部6での処理で行われるので、位置センサ73から入力された信号などスクリュー24の作動に関する信号の処理が、射出成形機10の他の信号等の処理の後になることがなく、入力された後直ちに駆動制御部6の処理部13で処理される。
【0051】
したがって、検出結果と閾値との比較処理に時間的な遅れを生じさせることがなく、処理が迅速に行なわれ、正確にスクリュー24を作動させることができる。これにより金型内に樹脂を正確に射出し、かつ所定の保圧条件に従って金型17を保持することができ、ばらつきがなく、正確な樹脂量の射出により高品質の製品を成形することができる。
【0052】
また、専用ハードウェアICのサンプリング周波数を高くするなど、駆動制御部6の処理速度を速めることにより、閾値と検出結果とを比較する時間当たりの回数を増加させることができ、より正確に位置検出等の処理が可能となり、樹脂の射出量、樹脂にかかる圧力値等を正確に制御できる。
【0053】
また駆動制御部6の専用ハードウェアICをASIC(特定用途向け集積回路:Application Specific Integrated Circuit)、あるいはFPGA(プログラム可能なLSI:Field Programmable Gate Alley)等で構成することによりシステムを安価に構築することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、射出成形機における制御に利用できる。
【符号の説明】
【0055】
2…制御装置
3…CPU
4…主制御部
5…ROM
6…駆動制御部
7…RAM
8…駆動部
9…駆動ユニット
10…射出成形機
11…サーボ制御部
12…射出装置
13…処理部
19…電動機
21…位置検出センサ
22…シリンダ
24…スクリュー
26…スクリュー回転機構
28…スクリュー前後進機構
30…推進機構
38…駆動用電動機
62…駆動用電動機
72…駆動用電動機
73…位置センサ
88…信号線
90…信号線
92…信号線
100…記憶部
102…比較部
104…判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型のキャビティー内に溶融樹脂をシリンダから射出し、射出製品を成形する射出成形機において、
前記射出成形機を制御する制御部を、前記射出成形機全般を制御する第1制御部と、前記射出成形機における駆動軸を専用にサーボ制御する第2制御部とを備えて構成したことを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
前記第1制御部を、中央演算処理装置(CPU)と各種ソフトウェアを記憶する記憶手段とを具えて構成し、前記第2制御部を、専用ハードウェアICから構成し、前記駆動軸ごとに設定された専用の処理部を具えていることを特徴とした請求項1に記載の射出成形機。
【請求項3】
前記射出成形機は、
前記スクリューを前記シリンダ内で駆動させるスクリュー駆動部と、
前記スクリューの移動量を検出するスクリュー移動量検出センサとを備え、前記シリンダの内部に設けられた前記スクリューを該シリンダ内で前進させて前記金型のキャビティー内に溶融樹脂を射出し、射出製品を成形する射出成形機であり、
前記第2制御部は、
前記スクリューの各種閾値を記憶する記憶部と、
前記スクリュー移動量検出部が検出した前記スクリューの移動量と前記記憶部に記憶されている閾値とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づき、スクリューが所定の状態に達したか否かを判定する判定部と、からなる処理部を少なくとも備えていることを特徴とする請求項2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記第2制御部は、ASICから構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−25416(P2011−25416A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170376(P2009−170376)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】