説明

導光体ユニット、バックライトユニット及びディスプレイ装置

【課題】薄型化を達成すると共に導光体のそりや輝度または照度のムラを抑制する。
【解決手段】導光体ユニット12は、矩形状の光の出射面8aと、出射面8aに対向する背面の厚肉部に形成されていて光源7を収納するための凹部11とを備えている。複数の導光体8を配列して薄肉端部同士を接着剤13によって接合部13Aとして連結して複数の出射面8aを平面状に並べる。光源7の発熱によって各導光体8が個々に変形しても接合部13Aで応力を相殺して変形を抑制する。適宜数の導光体8を接合部13Aを介して連結することで、任意の大きさの液晶表示素子等の画像表示部に対応させる。接合部13Aの接着剤13の屈折率n1は導光体の屈折率をn2とした時にn2−0.2≦n1≦n2+0.2の範囲に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から入射した光を拡散して光の出射面から照明光として発光させる導光板を複数備えた導光体ユニット、この導光体ユニットを用いたバックライトユニット及びディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大型の液晶テレビやカラーノートPC(パーソナルコンピュータ)等のディスプレイ装置においてはその薄型化の要求が年々高まっている。薄型化を図った従来のディスプレイ装置としては、例えば特許文献1乃至5に記載されたバックライトユニットとこのバックライトユニットを備えた液晶表示装置が提案されている。
これらのバックライトユニットや液晶表示装置では、断面略逆台形形状を有する導光板の背面側に設けた凹部に棒状光源を配設させ、この光源から出射する光を、導光板を通して面状に拡散した照明光として発光させ、プリズムシート等の集光手段を介して液晶パネル等の画像表示部に向けて出射している。
これらのバックライトユニットは、例えば光源と画像表示部との間に配された導光体の上に、導光体の出射面から出射された面状の光の輝度分布を調整する透過率調整体ユニット、透過率調整体ユニットを通過した光を拡散させる拡散フィルム、この拡散光を特定方向(例えば画像表示部に対する法線方向)に向けるように集光する複数のプリズムシートを積層して構成されている。
【0003】
特に、これらの導光板は、光出射面の略中央部に設けた肉厚部において、光出射面に対向する背面に冷陰極線管からなる棒状光源を配設するための略かまぼこ形に延びる凹部を形成している。そして、導光板の背面では凹部を形成した肉厚部から両側の薄肉端部に向けて背面傾斜部を設けて形成されている。そして、特許文献1に記載されたバックライトユニットでは、導光板の光出射面に光源の真上を除いて断面三角形状の溝を形成して照明光の出射を促す光量補正面を形成している。導光板の光出射面側に光拡散板やプリズムシートを配設して、これにより全体の厚さを薄型化すると共に出射光の不自然な輝度ムラを低減できるとしている。
また、特許文献2乃至5に記載されたバックライトユニット及び液晶表示装置では、導光板の光出射面側に透過率調整体ユニットを設けたり、プリズムシートや拡散シート等を設けて輝度ムラを低減してより均一な面発光による照明光を液晶パネル等の画像表示部を照射するようにしている。
【0004】
ところで、上述した従来のバックライトユニットや液晶表示装置においては、薄型大画面で輝度ムラを低減できるようにするためには大型のバックライトユニットや画像表示部の大きさに応じて導光板を大型化する必要がある。そのため、上述した従来のバックライトユニットや液晶表示装置では、複数の導光板を縦及び横方向に一体形成した導光板ユニットを形成したり、或いは複数の導光板の薄肉端部同士を当接状態に保持して導光板ユニットとしてフレーム等で固定する構成を採用していた。
後者の場合、薄肉端部同士の厚み方向に互い違いに段差を形成して嵌め合いさせたり、或いは互いに嵌合する凹凸部をそれぞれの薄肉端部の厚み方向に形成して互いに嵌め合うようにして連結していた。
【特許文献1】特開平9−304623号公報
【特許文献2】特開2005−234397号公報
【特許文献3】特開2006−301518号公報
【特許文献4】特開2006−302687号公報
【特許文献5】特開2006−318754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した導光板ユニットでは、導光板の背面に設けた凹部内に冷陰極線管やLED等の光源を配設しているために光源から導光板までの距離が短く、光源の発熱によって導光板が熱変形してしまい、一体成形した導光板ユニットでは全体に略円弧状にそりが発生して湾曲するためそりによる湾曲等の変形の影響が大きい欠点がある。このような場合、導光体を透過する光に照度ムラや輝度ムラを生じてしまう不具合が発生する。
しかも、導光板ユニット全体の大きさが製造時に決定されているために、液晶画面の大きさ寸法の相違や変更等に必ずしも対応できない欠点もある。更に、一部の光源を交換する場合に導光板ユニット全体を取り外す必要があり、光源の交換作業が煩雑である欠点もある。
また、図15(a)に示すように個々の導光板を連結することなく薄肉端部同士で当接させたり、或いは薄肉端部同士を段差や凹凸で係合させて当接させた複数の導光板で導光板ユニットを構成した場合、光源の熱によって個々の導光板に光源側に凸をなすそりや光射出面側に凸をなすそりが発生する等の不具合が生じる(同図(b)、(c)参照)。
この場合、個々の導光板のそりの方向が光源の熱や導光板の材質等によって異なり、互いに当接する複数の導光板の薄肉端部同士のそりに個体差が生じてズレを生じてしまう。個々の導光板のそりの個体差によって図16に示すように隣り合う導光板同士の間に互いに異なる隙間が発生し、これらの隙間から透過する光の輝度または照度の大きさが個々に相違して輝度ムラまたは照度ムラの原因になるおそれを生じる。またそりを生じた薄肉端部で光が反射して輝度ムラまたは照度ムラ等の悪影響を与えるおそれもある。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みて、薄型化を達成すると共に、熱による導光体のそりやこれに起因する導光体から出射する輝度または照度のムラを抑制できるようにした導光体ユニット、これを用いたバックライトユニット及びディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による導光体ユニットは、光の出射面と、該出射面の中央部近傍に形成された厚肉部と、出射面に対向する背面の厚肉部に形成されていて光源を収納するための凹部と、出射面の端部に位置する薄肉端部と、背面において厚肉部から出射面の薄肉端部に向けて次第に肉厚が薄くなるように傾斜した傾斜部とを備えた導光体を複数配列してなり、導光体の薄肉端部同士を接合部で連結したことを特徴とする。
本発明によれば、導光体をその薄肉端部同士を接合部で互いに連結したから、薄肉端部同士の間に間隙が形成されないために薄肉端部での光の反射や屈折を抑制してその悪影響を低減でき、更に光源から出射する光の熱によって導光体がそり等で変形しても、互いに連結された複数の導光体が一体に変形することはなく個々に変形しようとするため、個々の導光体は接合部を介して互いに応力が相殺されてそりが吸収されることで相互に変形が抑制される。しかも、導光体のそりに起因する導光体から出射する光の輝度または照度のムラを抑制できる。また、適宜数の導光体を接合部を介して連結することで、任意の大きさの液晶表示素子等の画像表示部に対応させることができる。
【0008】
また、接合部は接着剤からなり、その屈折率n1は導光体の屈折率をn2とした時に
n2−0.2≦n1≦n2+0.2
の範囲に設定されている事が好ましい。
接合部を形成する接着剤の屈折率を導光体の屈折率と同一か比較的近い値に収めることで、接合部の薄肉端部で光が反射するロスを抑制でき、透過させて導光体の出射面から出射させることができる。
また、接合部は、隣り合う導光体の薄肉端部同士が導光体の背面側から出射面方向に向けて拡幅するテーパ状をなすように形成され且つ薄肉端部同士の間に接着剤または粘着剤が充填されていてもよい。
隣り合う導光体の薄肉端部同士をテーパ状に形成することで接着剤や粘着材等の接合材料の充填注入が容易になる。
【0009】
また、接合部は、導光体の薄肉端部同士を溶接することによって形成していてもよい。
薄肉端部同士の連結に際して、他の接合部材が介在しないから接合部に入射する光は直線状に透過することになり、屈折や反射等の悪影響を与えない。
【0010】
本発明による導光体ユニットは、光の出射面と、該出射面の中央部近傍に形成された厚肉部と、出射面に対向する背面の厚肉部に形成されていて光源を収納するための凹部と、出射面の端部に位置する薄肉端部と、背面において厚肉部から薄肉端部に向けて次第に肉厚が薄くなるように傾斜した傾斜部とを備えた導光体を複数配列してなり、
複数の導光体の背面をそれぞれ嵌合する複数の凹陥部を一体形成した光反射シートを備えたことを特徴とする。
本発明による導光体ユニットによれば、複数の導光体は一体形成された光反射シートの各凹陥部に個別に装着されているから、光源からの光による熱で導光体にそり等の変形が発生しても他の導光体に影響を及ぼすことなく個々に応力を逃がすことができ、しかも各導光体は光反射シートの各凹陥部に嵌合されているために熱による変形を抑制でき、導光体のそりに起因する導光体から出射する輝度または照度のムラを抑制できる。しかも、一部の光源を交換する際に、該当する導光体を剥がすことで容易に交換できる。
また、必要な数の凹陥部を一体に連結して設けた光反射シートの各凹陥部に導光体を順次装着することで、任意の大きさの液晶表示素子等の画像表示部に対応させることができる。
【0011】
本発明による導光体ユニットは、光の出射面と、該出射面の中央部近傍に形成された厚肉部と、該出射面に対向する背面の厚肉部に形成されていて光源を収納するための凹部と、出射面の端部に位置する薄肉端部と、背面において厚肉部から出射面の薄肉端部に向けて次第に肉厚が薄くなるように傾斜した傾斜部とを備えた導光体を複数配列してなり、
複数の導光体の出射面上に拡散板を設置したことを特徴とする。
本発明による導光体ユニットによれば、拡散板が導光体よりも光源から遠い位置にあるために熱による影響を受けにくく、そのため、光源からの光による熱で導光体にそり等の変形が発生しようとしても拡散板で押さえつけて変形を抑制でき、しかも導光体は個別に配列されているから、一部の導光体が変形しても他の導光体に影響を及ぼすことなく個々に応力を逃がすことができ、導光体のそりに起因する導光体から出射する輝度または照度のムラを抑制できる。しかも、拡散板によって各導光体の出射面を同一平面状に均すことも可能である。
また、適宜数の導光体を当接させて各出射面に拡散板を設置することで、任意の大きさの液晶表示素子等の画像表示部に対応させることができる。
【0012】
本発明による導光体ユニットは、光の出射面と、該出射面の中央部近傍に形成された厚肉部と、出射面に対向する背面の厚肉部に形成されていて光源を収納するための凹部と、出射面の端部に位置する薄肉端部と、背面において厚肉部から薄肉端部に向けて次第に肉厚が薄くなるように傾斜した傾斜部とを備えた導光体を複数配列してなり、
(ア)導光体の薄肉端部同士を当接して接合部で連結すること、
(イ)複数の導光体の背面をそれぞれ装着する複数の凹陥部を一体形成した反射シートを備えたこと、
(ウ)複数の導光体の出射面上に拡散板を設置すること、
の少なくともいずれか1つ以上を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、上述した(ア)、(イ)、(ウ)の1以上の構成を備えたことで複数の導光体が光源の熱でそりによって変形するのを確実に抑制でき、特に(ア)、(イ)、(ウ)の2以上の構成を同時に採用すれば、導光体の変形をより効果的に抑制でき、とりわけ拡散板で複数の導光体の出射面を押さえつける構成を採用することが好ましい。
【0013】
本発明によるバックライトユニットは、請求項1から請求項9の何れかに記載の導光体ユニットと、該導光体ユニットにおける各導光体の凹部に収容される光源と、導光体ユニットの出射面側に配設され、透光性基材と該透光性基材の入射面側に配設された光反射層とを有していて、光反射層は光を透過する開口部及び光を反射させる光反射部を備えた光制御シートとを備え、導光体の出射面を透過する光の照度または輝度の高い領域では光制御シートの開口部の面積を小さくし、照度または輝度の低い領域では開口部の面積を大きく設定したことを特徴とする。
本発明によれば、各導光体のそりによる変形を抑制できるから、各光源から導光体ユニットの各導光体毎に出射面から出射する光を光制御ユニットによってほぼ均一な照度または輝度として透過させて照度または輝度のバランスのよい光を出射させることができる。
なお、光制御シートを設けずに、拡散板によって導光体からの光を散乱させてプリズムレンズシートやレンチキュラーレンズシートを介してほぼ均一な光を画像表示部に向けて出射させてもよい。
【0014】
また、光源は点光源であり、導光体は凹部内の点光源の軸を含み出射面に対して垂直な中心軸に対して点対称であってもよい。
また、光源は棒状光源であり、導光体は凹部内の棒状光源の軸を含み出射面に直交する面に対して対称な形状を有していてもよい。
【0015】
また、導光体と透光性基材との間には開口部によって画定された空気層が形成されていることが好ましく、開口部による空気層を透過させることで集光効果を高めることができる。
また、導光体は、射出成形法または押出し成形法によって作製されることが好ましい。
【0016】
本発明によるディスプレイ装置によれば、請求項8乃至12の何れかに記載のバックライトユニットと、光制御シートの出射面側に配されて、バックライトユニットを透過する光によって画像表示を行う画像表示部とを備えてなることを特徴とする。
本発明によるバックライト装置やディスプレイ装置によれば、各導光体のそりによる変形を抑制できて、前述した光制御シートやバックライトユニットと同様の効果を奏すると共に、ディスプレイ装置における画面の大型化を容易に図ることができる。しかも、導光体のそりに起因する導光体から出射する光の輝度または照度のムラを抑制できると共に、各導光体の出射面を平面状に均すことが出来て光学特性を向上できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明による導光体ユニットによれば、光源等の熱による各導光体のそりや変形を抑制できて、導光体または導光体ユニットのそりや変形に起因する導光体から出射する光の輝度または照度のムラを抑制できる。
そのため、本発明による導光体ユニット、これを採用したバックライトユニット及びディスプレイ装置の薄型化を促進でき、複数の導光体を出射面が略平面状をなすように配列することができて光学特性のムラを抑制できると共に、適宜数の導光体を配列することで任意の大きさの液晶表示素子等の画像表示部に対応させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1乃至図4は本発明の第一実施形態を示すものであり、図1はディスプレイ装置の要部縦断面図、図2は点光源を用いた導光板の斜視図、図3は図1における導光板を連結した状態を示す拡大図、図4は(a)、(b)は接合部で連結された導光体が熱で変形した状態を示す図である。
図1において、本実施形態によるディスプレイ装置1は、上方に光を照射するバックライト装置2の上側に、液晶表示素子(画面表示部)3を設けることで構成される液晶表示装置である。液晶表示素子3は一対の偏光板4,4の間にパネル状の液晶素子5が挟持されて構成されている。液晶表示素子3は駆動ユニットMに接続されており、この駆動ユニットMによって駆動される。
このような配置において、図1の上方向を単に表示画面側、下方向を単に背面側または光源側と称する場合がある。
なお、ディスプレイ装置1は、液晶表示素子3を備える液晶表示装置であるとしているが、少なくともバックライトユニット2を含んで構成されていれば、投射スクリーン装置、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等でもよく、バックライトユニット2からの光を表示光または投射光として投射して画像表示を行う画像表示部の種類は問わない。
【0019】
バックライトユニット2の光学系は、図1に示すように、光源7と、光源7の表示画面側に配設される導光体8、拡散板9、光学シート10とが順次光路の方向に沿って配設されて構成されている。
光源7は例えば点光源であり、全方位に向けて発光するように構成されている。このような光源7としては発光ダイオード(LED)が好ましい。発光ダイオードとしては、例えば、単色に発光する発光素子を組み合わせて、白色に発光する方式がよく知られている。また携帯電話などのモバイル機器では、青色に発光する発光素子に黄色の蛍光体を搭載して擬似白色に発光する方式の白色LEDがある。
なお、点光源である光源7としては、上述したものに限らず、例えばモバイル機器に設けられるもののように、一つの単色発光素子に他の少なくとも1種類以上の蛍光体を搭載したものであってもよい。また、光源7は、点光源であればLEDに限らず、例えば通常の蛍光ランプ、ハロゲンランプ、半導体レーザー等であってもよい。
【0020】
導光体8は、図2に示すように、透明性を有する例えば合成樹脂材料によって平面視略正方形または長方形等の矩形状をなす略四角錐台形状に形成されている。そして、導光体8の光が出射する一方の面は光源7から射出する光が出射する出射面8aをなしており、例えば四角形平面状に形成されている。
また、導光体8の他方の面即ち背面8b側の中央部には断面略U字状の凹部11が形成され、この凹部11内に点光源である光源7が収容されることになる。凹部11の深さ寸法や形状は、光源7全体を内部に収容できるように形成されることが好ましく、光源7の寸法や導光体8の光学的特性、機械的強度、経年変化などを考慮して決定することが好ましい。
そのため、導光体8の出射面8aに対向する背面8bは中央部に凹部11を有する肉厚部8cが形成され、肉厚部8cから出射面8aの端部の各辺に向けて傾斜部として傾斜面8dが4面形成されている。そして、出射面8aの各辺に向かう傾斜面8dは次第に出射面8aとの厚みが小さくなり、四辺の端部を例えば平面状の薄肉端部8eとする。
【0021】
なお、図2に示す本実施形態では導光体8を略正四角錐台形状としたが、適宜の多角錐台形状や円錐台形状等を採用してもよい。また、図示例においては、各傾斜面8dは凹部11の開口縁から導光体8の出射面8a方向の端部に向けて平面状に形成されているが、外側に膨らむ凸曲面または内側に凹む凹曲面形状に形成してもよい。また、傾斜面8dはその傾斜角が出射面8aの各辺でそれぞれ異なる形状としてもよく、さらに、各傾斜面8dは、凹曲面と凸曲面とを連ねて形成してもよいし、或いは、傾斜面8dは、平面と凸曲面と凹曲面を任意に1または2つ以上組み合わせた面形状であってもよい。
【0022】
この導光体8を形成する材料としては、透明性の他に耐熱性、機械的強度、製造に耐える耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料を使用することができる。
具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET),ポリブチレンテレフタレ−ト,ポリエチレンナフタレ−ト,ポリエチレンテレフタレート‐イソフタレート共重合体,テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体,ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレン(PP),ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート,ポリメタアクリレート,ポリメチルメタアクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂、ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレ−ト,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン,ポリフェニレンエ−テル,ポリフェニレンスルフィド(PPS),ポリアラミド,ポリエーテルケトン,ポリエーテルニトリル,ポリエーテルエーテルケトン,ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート(PC),ポリスチレン,高衝撃ポリスチレン,アクリルニトリルポリスチレン共重合体,ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン,セルローストリアセテート,セルロースダイアセテート,ニトロセルロースなどのセルロース系フィルム、などが挙げられる。
そして、この導光体8は、例えば、加熱した原料の合成樹脂を押出し成形や射出成形によって成形する方法、型中でモノマー、オリゴマー等を重合させて成形する注形重合法等を用いて作製することができる。
【0023】
図1及び図3において、導光体8は液晶表示素子3、拡散板9、光学シート10とほぼ同一寸法を有するように縦方向及び横方向に複数配列され、互いにその端面である薄肉端部8e同士が接着剤13によって連結固着されている。そのため薄肉端部8eは出射面8aに略垂直な平坦面であることが好ましく、接着剤13によって固化された部分は接合部13Aを構成する。これによって複数の導光体8が一体化された導光体ユニット12を構成する。
ここで、接着剤13は好ましくは上述した導光体8の材料と同一材料または同一屈折率の接着剤であることが好ましい。その場合には、導光体8と接着剤13との屈折率が同一であるから、導光体8内を透過する光は直線状に接着剤13の接合部13Aを透過する。
また、接着剤13は必ずしも導光体8と同一材質でなくてもよく、更に同一屈折率でなくてもよい。導光体8の屈折率をn1(例えばn1≒1.5)とすると、接着剤13の屈折率n2は、
n1−0.2≦n2≦n1+0.2
の範囲であることが好ましい。これによって接着剤13に進入する光は導光体ユニット12を大きく外れることのないように屈折して液晶表示素子3方向に出射させることができる。また接着剤13の屈折率n2が上述の範囲を外れると材料のコストが増大する。
接着剤13の材料として、例えばアクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の接着剤が挙げられる。また導光体8の反りなどの応力に対する耐性を向上させるために、接着剤13の中に透明の微粒子、例えば、ビーズ等を混ぜても良い。
なお、導光体8,8の薄肉端部8a,8aを固着して連結する場合、接着剤13に代えて適宜の粘着剤を用いてもよく、粘着材の材料も上述した接着剤13と同一材質の材料を採用でき、透明の微粒子を混ぜてもよいことも同様である。さらに、接着剤13や粘着剤の光の吸収は1%以内が好ましい。1%を超えると光学シート10から射出する積算光量が減少し、正面輝度が低下する。
或いはオイルを塗布することで互いに密着させてもよい。
【0024】
図1及び図3に示すように、導光体8の各傾斜面8dには光反射板15が配されている。なお、この光反射板15は、図示例のように傾斜面8dに固定されるとしてもよいが、少なくとも傾斜面8dを覆うように嵌合されていればよく、例えば傾斜面8dとの間に多少の隙間をあけて配設されていてもよい。この場合、傾斜面8dに対向する光反射板15は、その反射面が傾斜面8dと平行となるように配されることが望ましい。
さらに、凹部11の下側には、光反射性を有するリフレクタ16がその開口部分を塞ぐように配設されている。光源7から凹部11の下側に向かう光は、このリフレクタ16において反射されてから導光体8内に入射される。
【0025】
光反射板15は、PETやPP等にフィラーを混練後延伸することによりボイドを形成して反射率を高めた樹脂シート、透明もしくは白色の樹脂シート表面にアルミ蒸着などで鏡面を形成したシート、アルミ等の金属箔もしくは金属箔を担持した樹脂シート、あるいは表面に十分な反射性を有する金属薄板により形成することができる。また、リフレクタ16は光反射板15と同じ素材により形成することができる。
そして、図3に示すように、4枚の光反射板15とリフレクタ16は一体に形成されて例えば略四角錐台形状の凹陥部をなす単位反射シート部17aを構成し、導光体8の背面8bを装着支持できる。また、単位反射シート部17aは、液晶表示素子3、拡散板9、光学シート10の寸法とほぼ同一となるように、そして複数の導光体8の数と同数だけ配設され、各単位反射シート部17は光反射板15同士が端部で互いに当接して配列されている。
【0026】
従って、光源7から出射する光は、直接あるいはリフレクタ16で反射した後に導光体8内に入射される。この入射光は、一部が導光体8の内部を通過して直接導光体8の出射面8aから出射し、他の一部は傾斜面8dで反射した後に出射面8aから出射する。なお、一部の光は傾斜面8dを透過するが、透過した光は光反射板15で反射された後に再度導光体8内に進入して出射面8aから出射する。そのため、導光体8は、光源7の光をその出射面8a全体から出射させるように構成されている。
【0027】
また、導光体8の厚みや、導光体8の面方向中央部分と端部の厚みの比率は、光源7の寸法や導光体8の出射面8aにおける配光分布などに応じて任意に変更することができる。
そして、このように構成された導光体8において、その出射面8aにおける光源7からの光の輝度分布が、出射面8aの中央部分において輝度が最も高くなり、出射面8aの端部に向かうにしたがって輝度が低くなる。すなわち、出射面8aのうち光源7と導光体8の厚さ方向に重なる領域が、光源7からの光の輝度が最も高くなる照度または輝度ピーク領域となる。
【0028】
さらに、図1に示すように、導光体ユニット12の光出射方向前方側に、出射面8aから出射される光を拡散する拡散板9が配設されている。この光拡散板9は、透明樹脂材料に光を散乱させるための微粒子(光拡散粒子)を分散混入して構成されており、導光体8の出射面8aから若干の空間を介して配設されている。微粒子は拡散板9を構成する透明樹脂材料と異なる屈折率のものを採用する必要がある。これにより、拡散板9内に入射する光は微粒子によって屈折して十分に散乱してほぼ均一に拡散されて光学シート10方向に出射する。なお、微粒子に代えて空気を含む微細な空洞を分散して混入させてもよい。
また、光学シート10に向けて光を出射する拡散板9の出射面9aは、導光体8の出射面8aと同様に平坦に形成されている。
【0029】
光学シート10は、導光体8の出射面8aから出射された光を透過させて液晶表示素子3に向けて入射させるように構成されている。この光学シート10は例えば平面視矩形状に形成されていて光透過性を有する透光性基材19と、この透光性基材19の液晶表示素子3側の出射面に配列されたプリズムレンズ部20とで構成されている。
プリズムレンズ部20は、例えば断面三角形で一方向(例えば図1で紙面に直交する方向)に連続して延びる単位プリズム20aがその延在方向に直交する方向に複数配列されている。単位プリズム20aは光の波長に比較して大きいピッチであり、拡散板9を通して入射する液晶表示素子3から外れる方向の光を集光して、液晶表示素子3を通して視聴者に向けて軸上に方向転換させる。
液晶表示素子3の観察時に、プリズムレンズ部20は軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させる。ここでいう軸上とは、視聴者の視覚方向に一致する方向であり、一般的にはディスプレイ画面に対する法線方向である。
【0030】
なお、プリズムレンズ部20の反復的アレイ構造が1方向のみの並列では、その並列方向での方向転換またはリサイクルが可能である。水平面内で互いに直交する二方向での表示光の輝度制御を行なうために、単位プリズム20a群の並列方向が互いに略直交するように2枚の光学シート10を重ねて組み合わせて用いてもよい。
プリズムレンズ部20は、例えばPET、PC、PMMA、COP(シクロオレフィンポリマー)、アクリルニトリルスチレン共重合体等を用いて、周知の押し出し成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成される。この場合、透光性基材19及びプリズムレンズ部20は、それぞれ別の材料で別の基材から作製してもよいし、同一の材料からなる一つの基材から一体に形成してもよい。
なお、光学シート10としてプリズムレンズ部20に代えて略かまぼこ形のレンチキュラーレンズやマイクロレンズアレイを透光性基材19上に配列させたものをレンズシートとして採用してもよい。
【0031】
図1に示すように、導光体8を接着剤13によって複数連結されてなる導光体ユニット12は筐体22内に収容されて周縁部を筐体22の側面に保持されている。また、図1に示す構成に代えて、筐体22の側面によって導光体ユニット12に加えて拡散板9と光学シート10とを所定間隔を開けて略平行に保持させるようにしてもよく、更に液晶表示素子3も保持するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、導光体ユニット12と拡散板9と光学シート10との間に間隔を設けて空気層を形成している。これら空気層によって、導光体ユニット12、拡散板9、光学シート10を出射する光が集光されて液晶表示素子3から外れる光をより低減できる。
【0032】
本実施の形態によるディスプレイ装置1は上述の構成を備えているから、バックライトユニット2によって液晶表示素子3を照明する場合、筐体22内における各導光体8内の光源7を点灯すると、光源7から導光体8内に出射する光は放射状に放出される。すると、図3に示すように、一部の光は凹部11の上部を透過して出射面8aに至り、他の一部の光は傾斜面8dまたは単位光反射シート部17aの光反射板15で反射して出射面8a方向に向かう。また、一部の光はリフレクタ16で反射して導光体8内に進入して出射面8aに向かうことになる。
また、光源7から導光体8内の接着剤13の接合部13Aに向かう光は、接合部13Aにおける接着剤13の屈折率n2が導光体8の屈折率n1と同一または±0.2の範囲内とされているから、そのまま直線状に透過するか、わずかに屈折して隣の導光体8の出射面8aから出射することになる。
【0033】
このようにして光源7から出射した光は出射面8aの全面に分散して通過するが、光源7の真上の輝度が最も高く周囲の薄肉端部8eに向かうに従って輝度が低減する。そして、導光体ユニット12の各出射面8aから出射する光は拡散板9内に進入して微粒子で屈折されて散乱し、ほぼ均一に拡散した状態で光学シート10へ入射する。
光学シート10では、プリズムレンズ部20に配列された各単位プリズム20aで屈折させられて集光させられ、液晶表示素子3に進入する。そのため、液晶表示素子3で集光させられた光は軸上輝度が高く輝度分布の曲線のピーク幅も適度に広げられて、観察者から液晶画像を視認できる。
【0034】
そして、導光体ユニット12において、光源7から導光体8に光を照射することによって導光体8が熱変形することがあるが、この場合、各導光体8は接合部13Aで連結された構成であるから、導光体ユニット12全体で一体に湾曲変形することはない。この場合、互いに連結された個々の導光体8は図15(b)、(c)に示すように個々に光源7側または液晶表示素子3側に湾曲して変形しようとするが、各導光体8は接合部13Aで互いに連結されているために導光体8相互の応力が相殺されることによって図4(a)、(b)に示すように光源7側または液晶表示素子3側へのそりや変形が抑制される。各導光体8は接合部13Aで連結されることで、導光体8個々に反りが発生しても導光体ユニット12全体で反りが発生しないと共に、導光体8間で隙間が発生しない。
しかも、接合部13Aによって互いの導光体8の出射面8aの高さ位置がずれることがなく段差も生じない。更に接合部13Aによって隣接する導光体8,8同士に隙間が生じることもなく、導光体8,8の薄肉端部8e,8eの接合部13Aで光が反射することなく透過する。そのため、薄肉端部8e,8e間の隙間から光が透過して反射したり、薄肉端部8eにそりを生じる等の悪影響を抑制できる。
【0035】
上述のように本実施形態による導光体ユニット12,バックライトユニット2及びディスプレイ装置1によれば、導光体8が薄肉端部8eで接着剤13によって接合部13Aとして互いに接着されているから、光源7から導光体8に光を照射することで導光体ユニット12の導光体8が熱変形する際、各導光体8は導光体ユニット12全体で一体に湾曲変形することはない。この場合、互いに連結された導光体8は個々に湾曲してそりを生じようとするが、接合部13Aで互いに連結されているために導光体8相互の応力が相殺されてそりや変形が抑制される。しかも、接合部13Aによって互いの導光体8の出射面8aの高さ位置がずれることがなく段差も生じない。
更に接合部13Aによって隣接する導光体8,8の薄肉端部8e,8e同士に隙間が生じない上に接着剤13の屈折率は導光体8の屈折率と同一または近似しているから、接合部13Aで光が反射することなく透過し、薄肉端部8e,8eで光が反射せず、薄肉端部8eにそりを生じる等の悪影響を抑制できる。
また、そり等の変形に起因する導光体8から出射する輝度または照度のムラを抑制できるようにした。
【0036】
なお、本発明は上述の実施形態による導光体ユニット12,バックライトユニット2及びディスプレイ装置1に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
以下に、本発明の他の実施形態や変形例について説明するが、上述した第一の実施形態による導光体ユニット12,バックライトユニット2及びディスプレイ装置1と同一または同様な部分、部材には同一の符号を用いて説明する。
例えば、導光体8の凹部11は断面略U字形状に限定されるものではなく、種々の変形が可能であり、凹部11の形状についても断面略U字型やV字型等適宜の内面形状を有するものを採用できる。図5は第一変形例による導光体8の凹部11を例示するものである。
図5(a)において、凹部11の出射面8a側の上面を平坦面としてもよく、この場合には導光体8の出射面8aの中央部分を一層明るくすることができる。また、例えば図5(b)〜(f)のように凹部11の上面を先細り形状に形成してもよく、この場合には、出射面8aにおいて光源7の直上領域の輝度を比較的低くすることができる。なお、先細り形状の場合には、図5(b)のようにV字状、図5(c)のように凹部11の内側に膨らむ曲面形状、図5(d)のように凹部11の外側に膨らむ曲面形状としてもよい。
また、図5(e),(f)のように複数の平坦面や曲面を組み合わせた形状としてもよく、この場合には、導光体8の出射面8aにおける配光分布の自由度が向上する。さらに、凹部11は、例えば図5(b)〜(f)に示す形状を適宜組み合わせた形状を採用してもよい。
【0037】
また、第二変形例として、導光体8の光源7として点光源に代えて冷陰極管等の棒状光源を光源24として採用してもよい。即ち、図6に示す導光体8は、第一実施形態による導光体8と同様に、光の出射面25aに対向する背面25bの厚肉部25cに断面略U字形状の凹部26が形成されている。凹部26内には冷陰極管等の光源24が収容されている。そのため、凹部26は光源24の延在方向に沿って略U字状断面がトンネル状に延在している。
さらに、背面25bにおいて、厚肉部25cから光源24の両側に向かって傾斜面25dが設けられて薄肉端部25eにつながっている。そのため、導光体8は光源24を含む出射面25aに垂直な面に対して概略線対称に形成されている。
【0038】
なお、光源24は、冷陰極管以外に、例えば通常の蛍光管、熱陰極管、外部電極管、列状に配置されたLEDや半導体レーザーなどが挙げられるが、特に、冷陰極管、外部電極管又は列状に配列されたLEDとすることが好ましい。
【0039】
次に本発明の第二実施形態によるディスプレイ装置30について図7により説明する。
図7に示すディスプレイ装置30は第一実施形態によるバックライトユニット2を含むディスプレイ装置1と概略同一構成を備えている。
相違点として、隣接する導光体8,8を連結する接合部31が光反射シート17側から出射面8a側に向けて薄肉端面8e、8eの間隔が増大する構成とされ、薄肉端面8e、8eによって形成されるテーパ状の隙間に接着剤13が充填され、固化されることになる。そのため、各導光体8の両側における薄肉端部8eは単位光反射シート部17a側から出射面8a側に向けて導光体8の中心側に傾斜して形成されている。
図8は導光体8,8間の接合部31内に接着剤13を充填する工程を示す図である。本第二実施形態によれば、テーパ状に隙間が形成された接合部31内にロート32を挿入し、接着剤13の充填器33から硬化前の流体からなる接着剤13を充填する。そして、ロート32を除去して導光体8,8の薄肉端部8,8間を接着剤13で固着させればよい。
この場合、接着剤13の充填時に単位反射シート部17aは設けていなくてもよいが、単位反射シート部17aを設置して導光体8を装着した状態で接着剤13を充填すれば連結作業が容易になる。
【0040】
また、導光体8,8の薄肉端部8a,8a同士を連結する場合、接着剤13や粘着材等に代えて、図9に示すように溶接器、例えばレーザ溶接器36によって薄肉端部8a,8a同士を溶接するようにしてもよい。この場合、薄肉端部8a、8a間に接着剤13等の他の接合部材が介在しないから、光源7からの光の透過性が良好である。
また、図10に示すように導光体8,8の薄肉端部8a,8a同士を、プラズマ溶接トーチ37,37を用いてプラズマ等によって溶接してもよい。また、超音波やエキシマレーザ等で溶接することもできる。
【0041】
次に本発明の第三実施形態によるディスプレイ装置40について図11及び図12により説明する。
図11に示すディスプレイ装置40は第一実施形態によるバックライトユニット2を含むディスプレイ装置1と概略同一構成を備えている。
相違点として、導光体8を背面側から嵌合状態で支持する単位光反射シート部17aは一体に連結されて光反射シート17として構成されている。また、導光体8,8同士を接合部13Aによって固着した導光体ユニット12と拡散板9との間に光制御シート41が配設されている。
本第三実施形態によるディスプレイ装置40では、導光体ユニット12を構成する複数の導光体8について、第一実施形態と同様に各導光体8,8は薄肉端部8e、8eで接合部13Aによって連結されている。しかも、これら導光体8を背面側から嵌合状態で支持する単位光反射シート部17aも一体に連結されて構成されている。光反射シート17は導光体8の薄肉端部8e、8eの接合部13Aの下部で単位光反射シート部17aにおける光反射部材15の端部同士が連結された構成を有している。
【0042】
次に、光制御シート41について説明する。
光制御シート41は平面視矩形状に形成されており、光透過性を有する透光性基材42と、透光性基材42の光入射面側において個々の導光体8の出射面8aに対向して設けられている光反射層43とが一体に配設されている。
通常、光源7から導光体8の出射面8aを出射する光の照度または輝度の分布は光源7の直上領域が最も高く直上領域から周縁の薄肉端部8e側に向かうに従って照度または輝度の高さが次第に低下する傾向にある。このような各導光体8毎の照度または輝度分布をより均一な分布に均すために、本第三実施形態において光反射層43が配設されている。
即ち、光制御シート41において、図12(a)、(b)に示すように、光反射層43は、各導光体8における出射面8aから透光性基材42に向かう光を部分的に反射させて光制御シート41から液晶表示素子3側に出射する光の輝度分布または照度分布をより均一にするように制御するものである。
【0043】
光反射層43は、光制御シート41に入射する光を反射させる光反射部44と、隣接する光反射部44、44の間に設けられていて光を透過させる開口部45とが例えば交互に複数形成されている。
ここで、図12(a)は導光体8と光制御シート41とを縦断面で示す図11の部分断面図であり且つ図12(b)のA−A線断面図であり、同図(b)は光制御シート41を光源7側から見た平面図である。図12に示す光制御シート41において、光反射部44は例えば円形またはリング状に形成されており、照度または輝度が最も高い光源7の直上領域では3本の円形及びリング状の光反射部44が短い間隔で開口部45を挟んで同心円状に配設され、その外側領域では、開口部45の広い間隔を開けて2本のリング状の光反射部44が配設され、更に最も外側で照度または輝度の低い薄肉端部8e側に開口部45を介して1本のリング状の光反射部44が配設されている。
このような構成を採用することによって、光制御シート41に入射する光を各導光体8毎により均一に分散させて透過させることができる。
【0044】
なお、光制御シート41の光反射層43において、光反射部44と開口部45の配列構成は同心円状のリングに限定されるものではなく、例えば格子状に光反射部44を形成して、その間の開口部45の面積を光源7の直上領域で小さく設定し、周縁部で大きく設定してもよい。或いは、内径寸法の異なるリング等を光反射部44として、光源7の直上領域から薄肉端部8e側の周縁部に向けて開口部45の面積が小から大になるように形成してもよい。
【0045】
光反射層43の光反射部44は、例えば白色層又は金属層で形成され、白色層の材料としては、例えば二酸化チタン、硫酸バリウム及び酸化マグネシウムなどの無機物からなる白色顔料を透明樹脂中に混入させてなる複合材料を使用することができる。また、金属層としては、例えば銀及びアルミニウムなどの高反射率であり且つ光吸収の少ない材料からなる蒸着層を使用することができる。
【0046】
そして、光反射層43は、印刷又は蒸着により透光性基材41の入射面側に直接形成してもよいが、例えば転写により形成してもよい。転写により光反射層43を形成する際には、例えば透光性基材41の光入射面に感光性樹脂フィルムを貼り付け、透光性基材41に対して感光性フィルムと反対側の面にレンズ部を設けて、透光性基材41を介して感光性樹脂フィルムを紫外線で露光する。これにより、レンズ部の集光作用によってレンズ部の焦点及びその近傍の領域のみにおいて、感光性樹脂フィルムの粘着力が低下する。
その後、透光性基材41と感光性樹脂フィルムとの積層体を剥離紙上に押し当て、次いで、この積層体を剥離紙から剥離させる。このようにして、レンズ部の焦点及びその近傍の領域に開口部45を有した光反射層43が得られる。このようにして形成される光反射層43の各開口部45は、その中心軸が対応するレンズ部の光軸と一致するように形成される。
【0047】
なお、印刷法を使用する場合でも、例えば前述したように、透光性基材41の製造時にその光入射面に段差を設けておくことで、簡易的に印刷で光反射層43を形成できる。ただし、光反射層43の各開口部45の中心軸をレンズ部の光軸と一致させるためには、レンズ部と段差の形成位置との相対的なアライメントが必要となる。
【0048】
以上のように、本実施形態によるバックライトユニット2においては、導光体8の出射面8aのうち光源7からの光の輝度または照度が最も高くなる領域に対応する位置に形成された開口部45が最も小さく形成され、導光体8の出射面8aにおける光の輝度が小さくなる領域ほど開口部45が大きく形成されている。
このため、導光体8の出射面8aにおける光の輝度が大きいほど、光反射層43において遮断する光の量を増加させることができる。したがって、導光体8の出射面8aにおける光の輝度分布が不均一であっても、導光体8の出射面8aから出射した光が光反射層43の各開口部45を通過することで、透光性基材41の出射面から出射する光の輝度ムラを効率よく抑制することができる。
さらに、光制御シート41の光出射側に拡散板9と光学シート10を設けているから、光源7から液晶表示素子3に入射する光の輝度ムラや照度ムラを更に低減させることができる。
【0049】
上述のように本第三実施形態による導光体ユニット12,バックライトユニット2及びディスプレイ装置40によれば、導光体8が薄肉端部8eで接合部13Aとして互いに接着されていると共に、各導光体8を嵌合する単位光反射シート部17aを連結して一体に形成した光反射シート17を設けたから、光源7から導光体8に光を照射することで導光体8が熱変形する際、上述した効果に加えて光反射シート17によっても各導光体8の変形やズレを抑制できるから、そりや変形の発生をより一層抑制できる。
【0050】
次に本発明の第四実施形態によるディスプレイ装置50について図13により説明する。
図13に示すディスプレイ装置50は第一実施形態によるバックライトユニット2を含むディスプレイ装置1と概略同一構成を備えている。
相違点として、本実施形態では、導光体8,8は肉薄端部8e,8e同士が当接しているが、接着剤13等の接合部13Aで連結された構成にはなっていない。また、第三実施形態と同様に各導光体8を嵌合して支持する単位光反射シート部17a同士が互いに連結された光反射シート17が配設されている。
更に、複数の導光体8,…を互いに当接してなる導光体ユニット12は各出射面8aが同一平面状に形成され、その上に略平板状の拡散板9が当接して載置され押し付けられている。そのため、各導光体8は光反射シート17と拡散板9とによって挟持された構成を有している。拡散板9は光源7(または24)との間に導光体8(25)が介在する構成であるため、光源による熱変形の影響を比較的受けにくい。そのため、各導光体8の出射面8aに当接してこれら出射面8aの平坦度を維持して変形をより一層抑制できる。
【0051】
そのため、光源7(24)を照射する光の熱によって各導光体8(25)がそり等の変形を生じる場合、各導光体8は一体に形成された光反射シート17と拡散板9とで挟持されることによってそりや変形を抑制させることができる。特に導光体8にそり等の変形が生じる場合、出射面8a側に湾曲変形することが多いので光源7(24)から離れた拡散板9によって出射面8a側から押さえつけることができてそりによる変形の抑制に効果的である。
なお、第四実施形態によるディスプレイ装置50において、光反射シート17は一体に連結されておらず、各導光体8毎に分離された単位光反射シート部17aで構成されていてもよい。この場合でも、導光体ユニット12の出射面8aに拡散板9が積層されていることで、熱による導光体8の変形を抑制することができる。
【0052】
本発明の第五実施形態によるディスプレイ装置60について図14により説明する。
図14に示すディスプレイ装置60は、第四実施形態によるバックライトユニット2を含むディスプレイ装置50の構成を有しており、各導光体8を互いに連結された単位光反射シート部17aで嵌合支持する光反射シート17を構成すると共に、各導光体8の出射面8a上に拡散板9が載置されている。
本実施形態では、更に各導光体8の薄肉端部8e,8e同士が接着剤13等によって接合部13Aまたは31として互いに連結されている。
本実施形態においては、三段階に亘って各導光体8の変形を抑制する手段を設けたから、各導光体8の熱によるそりや変形を確実に抑制できるという効果を奏する。
【0053】
なお、第三実施形態において、光制御シート41を導光体ユニット12の各出射面8aから離間して設けたが、これに代えて光反射層43を各出射面8aに当接させて押圧して変形を抑制するようにしてもよい。或いは、光制御シート41と導光体ユニット12の各出射面8aとの間に透明な平板状のシート材を設置し、このシート材に光制御シート41の光反射層43を当接させることで、各出射面8aを平面状に押圧してもよい。或いは、導光体ユニット12と光制御シート41との間に拡散板9を設けて各出射面8aに押圧させてもよい。
また、上述の説明では、第三実施形態以外のバックライトユニット2及びディスプレイ装置1、30,50,60には光制御シート41が設けられていないが、これらにも光制御シート41を設けてもよい。
また、上述の各実施形態等では、導光体ユニット12の各導光体8の出射面8a上に拡散板9を載置して導光体8の変形を抑制する構成を採用したが、これに代えて各導光体8の出射面8a上に拡散板9を所定厚さの接着剤層を介して結合するようにしてもよい。この場合の接着剤層は上述した接着剤13と同一材質であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第一実施形態によるディスプレイ装置を示す概略断面図である。
【図2】図1に示すディスプレイ装置における光源と導光体を示す斜視図である。
【図3】図1における導光体の連結構造を示す部分拡大図である。
【図4】(a)、(b)は接合部で連結された導光体が熱で変形した状態を示す図である。
【図5】(a)〜(f)は導光体の形状の変形例を示す図である。
【図6】棒状光源を用いた変形例による導光体の斜視図である。
【図7】本発明の第二実施形態によるディスプレイ装置を示す概略断面図である。
【図8】導光体を接着剤で連結する工程を示す要部説明図である。
【図9】導光体をレーザ溶接で連結する工程を示す要部説明図である。
【図10】導光体をプラズマ溶接で連結する工程を示す要部説明図である。
【図11】本発明の第三実施形態によるディスプレイ装置を示す概略断面図である。
【図12】図11に示す導光体と光制御シートを示すものであって、(a)は図11における要部拡大図であり且つ図12(b)のA−A線断面図、(b)は同図(a)における光制御シートを光入射側から見た平面図である。
【図13】本発明の第四実施形態によるディスプレイ装置を示す概略断面図である。
【図14】本発明の第五実施形態によるディスプレイ装置を示す概略断面図である。
【図15】(a)は導光体を個別に配列した状態の図、(b)は導光体が光源からの発光によって光源と反対方向に湾曲した状態の図、(c)は同じく光源側に湾曲した状態の図である。
【図16】そりによる湾曲状態にある導光体の相互の関係を示す平面図である。
【符号の説明】
【0055】
1、30,40,50,60 ディスプレイ装置
2 バックライトユニット
3 液晶表示素子(画像表示部)
7、24 光源
8、25 導光体
8a,25a 出射面
8c、25c 厚肉部
8e,25e 薄肉端部
9 拡散板
10 光学シート
11、26 凹部
12 導光体ユニット
13 接着剤
13A、31 接合部
17 光反射シート
17a 単位光反射シート部
41 光制御シート
43 光反射層
44 光反射部
45 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の出射面と、
該出射面の中央部近傍に形成された厚肉部と、
前記出射面に対向する背面の前記厚肉部に形成されていて光源を収納するための凹部と、
前記出射面の端部に位置する薄肉端部と
前記背面において厚肉部から前記薄肉端部に向けて次第に肉厚が薄くなるように傾斜した傾斜部とを備えた導光体を複数配列してなり、
前記導光体の薄肉端部同士を接合部で連結したことを特徴とする導光体ユニット。
【請求項2】
前記接合部は接着剤からなり、その屈折率n1は導光体の屈折率をn2とした時に
n2−0.2≦n1≦n2+0.2
の範囲に設定されている請求項1に記載の導光体ユニット。
【請求項3】
前記接合部は、隣り合う導光体の薄肉端部同士が前記導光体の背面側から出射面方向に向けて拡幅するテーパ状をなすように形成され且つ前記薄肉端部同士の間に接着剤が充填されてなる請求項1または2に記載の導光体ユニット。
【請求項4】
前記接合部は、前記導光体の薄肉端部同士を溶接によって形成している請求項1に記載の導光体ユニット。
【請求項5】
光の出射面と、
該出射面の中央部近傍に形成された厚肉部と、
前記出射面に対向する背面の前記厚肉部に形成されていて光源を収納するための凹部と、
前記出射面の端部に位置する薄肉端部と
前記背面において厚肉部から前記薄肉端部に向けて次第に肉厚が薄くなるように傾斜した傾斜部とを備えた導光体を複数配列してなり、
前記複数の導光体の背面をそれぞれ嵌合する複数の凹陥部を一体形成した光反射シートを備えたことを特徴とする導光体ユニット。
【請求項6】
光の出射面と、
該出射面の中央部近傍に形成された厚肉部と、
前記出射面に対向する背面の前記厚肉部に形成されていて光源を収納するための凹部と、
前記出射面の端部に位置する薄肉端部と
前記背面において厚肉部から前記薄肉端部に向けて次第に肉厚が薄くなるように傾斜した傾斜部とを備えた導光体を複数配列してなり、
前記複数の導光体の出射面上に拡散板を設置したことを特徴とする導光体ユニット。
【請求項7】
光の出射面と、
該出射面の中央部近傍に形成された厚肉部と、
前記出射面に対向する背面の前記厚肉部に形成されていて光源を収納するための凹部と、
前記出射面の端部に位置する薄肉端部と
前記背面において厚肉部から前記薄肉端部に向けて次第に肉厚が薄くなるように傾斜した傾斜部とを備えた導光体を複数配列してなり、
(ア)前記導光体の薄肉端部同士を当接して接合部で連結すること、
(イ)前記複数の導光体の背面をそれぞれ嵌合する複数の凹陥部を一体形成した反射シートを備えたこと、
(ウ)前記複数の導光体の出射面上に拡散板を設置すること、
の少なくともいずれか1つ以上を備えたことを特徴とする導光体ユニット。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れかに記載の導光体ユニットと、
該導光体ユニットにおける各導光体の凹部に収容される光源と、
前記導光体ユニットの出射面側に配設され、透光性基材と該透光性基材の入射面側に配設された光反射層とを有していて、該光反射層は光を透過する開口部及び光を反射させる光反射部を備えた光制御シートとを備え、
前記導光体の出射面を透過する光の照度または輝度の高い領域では前記光制御シートの開口部の面積を小さくし、照度または輝度の低い領域では前記開口部の面積を大きく設定したことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項9】
前記光源は点光源であり、前記導光体は凹部の点光源の軸を含み出射面に対して垂直な中心軸に対して点対称である請求項1乃至8のいずれかに記載のバックライトユニット。
【請求項10】
前記光源は棒状光源であり、前記導光体は凹部の棒状光源の軸を含み前記出射面に直交する面に対して対称な形状を有している請求項1乃至8のいずれかに記載のバックライトユニット。
【請求項11】
前記導光体と前記透光性基材との間には前記開口部によって画定された空気層が形成されていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のバックライトユニット。
【請求項12】
前記導光体は、射出成形法または押出し成形法によって作製されることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載のバックライトユニット。
【請求項13】
請求項8乃至12の何れかに記載のバックライトユニットと、前記拡散板の出射面側に配されていて前記バックライトユニットを透過する光によって画像表示を行う画像表示部とを備えてなることを特徴とするディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−152152(P2009−152152A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331164(P2007−331164)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】