説明

導光板の製造方法及び導光板

【課題】従来の人為的作業を自動化し、生産性を向上させた導光板の製造方法を提供する。
【解決手段】射出成形機1の固定金型10と可動金型8により形成されたキャビティで透明な板材Bを成形した後、キャビティ内に張り付いた板材Bを排出して、この板材を取り出し装置30で吸引して取り出す。取り出された板材Bは、取り出し装置30により第1の保護シート20の上面の所定載置位置bに載置された後、第1のシートロール22から巻きだされてくる第1の保護シート20に載置されていることで搬送されてくる板材Bの上面に、第2のシートロール23から巻きだされてきた第2の保護シート21が載置され、板材Bの各面に第1の保護シート20と第2の保護シート21が貼着された後、第1の保護シート20と第2の保護シート21の貼着された板材Bが切断装置27の切刃31により所定サイズに切断され、導光板が自動的に製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等に備えた液晶パネル等の表示パネルに採用される導光板の製造方法に関し、特に射出成形機で成形された透光性を有する板材の表面に、特殊なシートを貼り付けることで均一に面発光させることができる導光板の製造方法及び導光板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、比較的小型化された液晶の表示モニターには、光を均一に面発光する導光板が採用されている。こうした導光板には、アクリル樹脂製の板材の一方面においては光を反射させる集光パターンが、他方面には正面に光を集めて輝度を向上させる拡散パターンが設けられている。
【0003】
ところで、導光板を製造する際には、一般的に射出成形機が採用されているのだが、近年の導光板を成形する際の1サイクルの成形サイクル時間は13秒〜15秒程かかっており、さらなる成形サイクル時間の短縮化が望まれている。その一方で、金型のキャビティで成形された導光板の一部として用いられる板材は、射出成形機で成形されるに際し、板材と一緒に、成形ロスとなるスプルー形成部(スプルーに対応して形成される部分)やランナー形成部(ランナーに対応して形成される部分)が板材と共に一体に形成された状態で取り出されることから、これら成形ロスとなるスプルー形成部及びランナー形成部を取り除くための除去作業を行なう必要がある。そして、こうした除去作業や除去作業後には、不良品であるか否かなどの検査作業が行なわれ、さらに検査作業後には、板材の両面に設けられた集光パターンと拡散パターンの表面に対し、ごみや傷が付かないよう保護シートが貼着される。なお、こうした検査作業や保護シートの貼り付け作業は、熟練したオペレータ等によって手作業や目視により人員により行なわれていることが実情となっている。
【0004】
上記導光板の製造方法に係わる技術として特許文献1には、比較的板厚の薄い導光板を製造するに際し、その成形サイクル時間を短縮するために、キャビティ形成面を冷却媒体流路に流される冷却媒体により冷却し、この冷却媒体流路とは別の冷却媒体流路を、キャビティ形成面を冷却する冷却媒体流路よりも低温に冷却することで、射出速度の高速化を図った小型導光板の射出圧縮成形方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、金型の間に形成されるキャビティ形成部内で導光板の成形を行なう成形金型に関し、スプルブッシュとその周囲に配設されたキャビティ形成部を冷却する冷却媒体流路とをそれぞれ独立させることで、スプルーを細くしてもキャビティ内の溶融樹脂の冷却収縮に対応させて保圧を維持しながら圧縮成形するができ、成形ロスとなるランナー形成部やスプルー形成部の比率を減らすことで歩留まりの向上や成形サイクル時間の短縮化を向上することが可能な導光部の成形金型が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特許第4044608号公報
【特許文献2】特許第4047917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した特許文献1及び特許文献2においては、何れにおいても導光板の製造効率を向上することを目的とした技術ではあるが、成形サイクル時間を短縮化するだけでは、導光板の生産性を飛躍的に向上することは難しい。すなわち、1サイクルの成形サイクル時間は15秒前後要することが一般的でもあり、たとえ射出速度を高速化したり、成形ロスとなるスプルー形成部の容積を小さくしたところで、若干成形サイクル時間が短縮するのみで大幅に導光板の生産効率を向上することを達成することは難しい。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するものであり、導光板を製造するに際し、射出成形機等で成形される成形サイクル時間の短縮を図るのではなく、従来熟練者等により手作業で行なわれきた人為的作業を自動化し、導光板を製造する際の生産性を向上させた導光板の製造方法及びそれにより製造された導光板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る導光板の製造方法は、
加熱シリンダ内に設けたスクリューを回転させながら後退させて溶融樹脂の計量を行い、該計量工程後に前記スクリューを前進させて前記加熱シリンダの先端に装着した射出ノズルから、固定ダイプレートに固定された固定金型と進退可能に設けられた可動ダイプレートに固定された可動金型とにより、型閉時に形成されたキャビティに前記溶融樹脂を射出して透明な板材を成形し、該板材の上下面にシートを貼着して導光板を製造する方法であって、
前記板材を射出成形機に備えた前記固定金型と前記可動金型からなるキャビティで成形した後、
前記キャビティ内に張り付いた板材を排出して、該排出された板材を取り出し装置で取り出し、
前記板材の下面を第1のシートロールから水平方向に巻きだされてきた底面シートの上面の所定載置位置に載置した後、
第1のシートロールから巻きだされてくる底面シートに載置されていることで搬送されてくる前記板材の上面に、第2のシートロールから巻きだされてきた上面シートを載置して、該上面シートと底面シートを前記板材に貼着させ、
前記上面シートと底面シートが貼着された水平方向に搬送される板材に対し、切断装置に設けた切刃を鉛直方向にスライドさせて所定サイズに切断することを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る導光板の製造方法は、請求項1において、
前記取り出し装置には負圧を発生させることで前記板材を吸引する保持装置を備え、該保持装置の吸引力により取り出された前記板材を、前記底面シート上面の所定載置位置に載置することを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る導光板の製造方法は、請求項2において、
前記射出成形機とは別体に設けたシート成形加工装置に、前記第1のシートロール、前記第2のシートロール、及び前記切断装置を少なくとも備え、
前記シート成形加工装置を前記射出成形機の側部に配設し、
該射出成形機の金型のキャビティから前記板材を取り出す前記キャビティ近傍の取り出し口と、前記シート成形加工装置により前記底面シートの上面に前記板材を載置する所定載置位置とを直線的に最短距離で結ぶ仮想線上に前記取り出し装置を配設し、
前記キャビティ近傍の取り出し口から取り出された前記板材を前記所定載置位置へ最短距離で搬送するようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る導光板の製造方法は、請求項3において、
前記射出成形機と前記シート成形加工装置との各々を交互に複数並設し、これら射出成形機の1つずつに対応付けして、その側部に前記シート成形加工装置を1つずつ配設し、前記射出成形機と前記シート成形加工装置とを1by1で1ユニットとしてこのユニットを複数並設することで、前記導光板を並行して連続的に量産することを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る導光板は、請求項3又は4に記載の導光板の製造方法において、前記上面シート及び底面シートは保護シートとし、該保護シートが成形加工装置により前記板材の上下面に貼着されるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、導光板を製造するに際し、射出成形機で板材の成形を行った後に、この板材の上下面に保護シート等を貼着して導光板を製造する工程を、従来のように熟練者による手作業ではなくシート成形加工装置で自動的に行うことができるので、導光板の製造を短時間で行なうことができると共に、人為的な手作業により板材の上下面に傷が付いたり汚れてしまったりすることも防止することができるので、人員作業に伴う不良を低減でき、ひいては歩留まりを向上して生産効率を向上することができる。
【0015】
さらに、キャビティ近傍の取り出し口から取り出された板材は、シート成形加工装置の所定載置位置へ短い距離で搬送することができるので、透明な板材に塵や埃などの微細なごみが付着してしまう前に、板材の表面を保護シートで保護することができ、より歩留まりを向上することができる。しかも、シート成形加工装置により保護シートの貼着工程を自動的に行うことから、導光板を製造する際の貼着工程時間を短縮化することができ、生産効率を向上することができる。
【0016】
さらに、板材を成形する射出成形機とシート成形加工装置を1by1とする1ユニットを複数並設することで、導光板の量産を行なうことができると共に、各シート成形加工装置で製造されてきた複数の導光板が同じ方向から排出させることができるから、排出後に行なわれる導光板のロボットや人員による梱包作業を簡単且つ短時間で効率よく行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1、図2により以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、実施例において説明した以外の構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【0018】
図1は本発明の一例である、射出成形機、シート成形加工装置等を構成するユニットが複数並設された状態を上方から視た概略構成図、図2はシート成形加工装置の構成を示す正面図である。図1に示すように、射出成形機1とシート成形加工装置2との1つずつは取り出し装置3の1つを含みこれらを1ユニット4として並設され、取り出し装置3は射出成形機1とシート成形加工装置2との間を結ぶようにして配設されている。
【0019】
射出成形機1には、型締めユニット5と射出ユニット6を備えており、型締めユニット5には、可動ダイプレート7に固定された可動金型8、固定ダイプレート9に固定された固定金型10、固定金型10に対し可動金型8を進退させ型開閉を行うためのトグルリンク機構等が構成されている。
【0020】
射出ユニット6には、粒状の原料である樹脂(ペレット)が投入されるホッパ11を有し、このホッパ11からその下方に設けられた筒型の加熱シリンダ12内に粒状の樹脂が自重により落下して投入されるようになっており、加熱シリンダ12内に供給され熱で可塑化された溶融樹脂は、加熱シリンダ12内に設けた図示しないスクリューが回転されながら後退されることにより計量され、計量工程後には前記スクリューを前進させて加熱シリンダ12の先端に装着した射出ノズル13から、固定金型10と可動金型8とにより型閉時に形成されるキャビティに、溶融樹脂を射出して成形体たる板材Bが成形される。なお、本実施例における射出成形機1では、キャビティで成形される板材Bは導光板に用いられるものであるため透明体であり、この透明な板材Bの各面(上下面)には集光パターンと拡散パターンが設けられており、集光パターンと拡散パターンの表面に後述する保護シートが貼着され導光板が製造される。
【0021】
次に、図2によりシート成形加工装置について説明する。同図に示すシート成形加工装置2は、射出成形機1で成形された板材Bの下面には底面シートたる第1の保護シート20を、上面には上面シートたる第2の保護シート21を貼着し、その後に所定サイズに切断されるものであり、これらの作業工程は自動化されており、第1の保護シート20の巻き回された第1のシートロール22、第2の保護シート21の巻き回された第2のシートロール23、上下に並設された一対の第1,第2の誘導ローラ24,25、搬送ローラ郡26、及び第1の保護シート20と第2の保護シート21が各面に貼着された板材Bを切断する切断装置27等を備えている。なお、第1,第2のシートロール22,23及びローラ24,25,26は回転自在に支持されており、図示しない回転駆動手段としてのモータを駆動源として第1の保護シート20が搬送(図2に示す左側から右方向へ)される。
【0022】
図1に示す取り出し装置3は、射出成形機1の金型のキャビティで成形された板材Bをキャビティ近傍の取り出し口aから取り出し、シート成形加工装置2の所定載置位置bに載置することができ、この取り出し装置3には、板材Bをキャビティ近傍の取り出し口aから取り出すため、負圧により板材Bを吸着する保持装置を備え、保持装置で取り出し口aから吸引された板材Bは、図2に示す、第1の保護シート20の上面の所定載置位置bに搬送され載置される。なお、取り出し装置3は、図1に示している可動金型8が後退されている型開き状態においては、キャビティ近傍の取り出し口aと第1の保護シート20の上面の所定載置位置bとを直線的に最短距離で結んだ仮想線X上に配設されており、取り出し装置3により板材Bをキャビティ近傍の取り出し口aから所定載置位置bへと短い距離で搬送することができるようになっている。
【0023】
次に、射出成形機で成形された板材に保護シートを貼着して導光板を製造するその工程について説明する。射出成形機1のキャビティ近傍の取り出し口aに有する射出成形機1で成形の終えた板材Bは、取り出し装置3の保持装置により吸引して保持され、シート成形加工装置2の第1のシートロール22から巻きだされて、第1の誘導ローラ24を通過してきた第1の保護シート20の上面の所定載置位置bに載置される。
【0024】
続いて、第2のシートロール23から第2の誘導ローラ25を介して巻きだされてきた第2の保護シート21は、第1の保護シート20に載置された板材Bの上面に載置された後、第2の搬送ローラ25、搬送ローラ郡26等によって第1の保護シート20と第2の保護シート21が剥離することがないよう板材Bの各面に確実に貼着されてゆく。
【0025】
続いて、第1の保護シート20及び第2の保護シート21が貼着された板材Bは、第1,第2の誘導ローラ24,25、搬送ローラ郡26等によりさらに水平方向(図2に示す左方向)へ誘導され、所定の切断位置cに到達されると、回転駆動手段が停止され、この状態で、切断装置27に構成される切刃31が鉛直方向に降下されて所定サイズに切断されることで導光板の製造が完了する。そして、こうした動作を繰り返し行なうことで導光板の製造が繰り返し行なわれる。
【0026】
以上のように本実施例によれば、加熱シリンダ12内に設けたスクリューを回転させながら後退させて溶融樹脂の計量を行い、計量工程後にスクリューを前進させて加熱シリンダ12の先端に装着した射出ノズル13から、固定ダイプレート9に固定された固定金型10と進退可能に設けられた可動ダイプレート7に固定されたか可動金型8とにより型閉時に形成されたキャビティに溶融樹脂を射出するなどして、集光パターンと拡散パターンとが表面に設けられた透明な板材Bを成形した後、キャビティに張り付いた板材Bを、進退可能なイジェクトピン等により排出させ、キャビティ近傍の取り出し口aから排出された板材Bを取り出し装置3で吸引して取り出し、取り出された板材Bの下面を、第1のシートロール22から巻きだされて、第1の誘導ローラ24により挟み込まれながら水平方向に送り出されてきた第1の保護シート(底面シート)20の上面の所定載置位置bに載置した後、第1のシートロール22から巻きだされてくる第1の保護シート20に載置されていることで搬送されてくる板材Bの上面に、第2のシートロール23から、第2の誘導ローラ25に挟み込まれながら巻きだされてきた第2の保護シート(上面シート)21を載置し、一方面に接着材の塗布されている、第1の保護シート20及び第2の保護シート21を板材Bの各面に貼着させ、水平方向に搬送されてきた第1の保護シート20と第2の保護シート21とが貼着された板材Bに対し、切断装置27に設けた切刃31を自動的に鉛直方向にスライド作動させて、所定サイズに切断して導光板を製造するので、射出成形機1による板材Bの成形後において、従来人員で行なわれていた、板材Bの上下面に第1の保護シート20及び第2の保護シート21を貼着して導光板を製造する工程をシート成形加工装置2により自動化できるので導光板の製造を短時間で行なうことができ、さらに、人為的な手作業により保護シート20,21を貼着する作業を行なわないことから、板材Bの表面に傷が付いたり汚れてしまったりすることも防止することができる。よって、人員作業に伴う不良を抑えて、歩留まりを向上させ、導光板の生産効率を向上させることができる。
【0027】
さらに、図1に示すように、射出成形機1とは別体にシート成形加工装置2を設け、このシート成形加工装置2には、第1の保護シート20の巻き取られた第1のシートロール22、第2の保護シート21の巻き取られた第2のシートロール23、及び切断装置27等を備え、射出成形機1の側部(横側)に前記シート成形加工装置2を配設し、射出成形機1で板材Bを取り出すキャビティ近傍の取り出し口aと、第1の保護シート20の上面に板材Bを載置する所定載置位置bとを直線的に最短距離で結ぶ仮想線X上に取り出し装置30を配設したので、キャビティ近傍の取り出し口aから取り出された板材Bは、シート成形加工装置2の所定載置位置bへ短い距離で搬送できその搬送時間を短縮することができる。そして、短い距離で搬送された板材Bに対して、第1の保護シート20および第2の保護シート21を速やかに貼着することが可能になり、透明な板材Bに塵や埃などの微細なごみが付着してしまう前に貼着工程を終えることができることから、製品の歩留まりをより向上することができる。しかも、シート成形加工装置2により貼着作業が自動的に行われることから、人員よる作業に比べ貼着作業を短時間で行なうことができ生産性を向上することができる。
【0028】
さらに、板材Bを成形する射出成形機1とシート成形加工装置2を1by1として取り出し装置3も含んで1ユニット4とし、このユニットを複数並設することで、導光板の量産をより達成できると共に、各ユニットのシート成形加工装置2で製造されてきた複数の導光板が同じ方向に並ぶようにして梱包位置dへと排出されることから、作業者等が、導光板を梱包するためにシート成形加工装置2の後方一端側の各梱包位置dへと移動するに際し、図1に示す矢印方向のように、直線的に短い距離で移動することができるので、短時間で効率よく梱包作業を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一例の、射出成形機、シート成形加工装置等を構成するユニットが複数並設された状態を上方から視た概略構成図である。
【図2】同上、シート成形加工装置の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 射出成形機
4 1ユニット
7 可動ダイプレート
8 可動金型
9 固定ダイプレート
10 固定金型
12 加熱シリンダ
13 射出ノズル
20 第1の保護シート(底面シート)
21 第2の保護シート(上面シート)
22 第1のシートロール
23 第2のシートロール
27 切断装置
30 取り出し装置
31 切刃
B 板材
X 仮想線
a 取り出し口
b 所定載置位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱シリンダ内に設けたスクリューを回転させながら後退させて溶融樹脂の計量を行い、該計量工程後に前記スクリューを前進させて前記加熱シリンダの先端に装着した射出ノズルから、固定ダイプレートに固定された固定金型と進退可能に設けられた可動ダイプレートに固定された可動金型とにより、型閉時に形成されたキャビティに前記溶融樹脂を射出して透明な板材を成形し、該板材の上下面にシートを貼着して導光板を製造する方法であって、
前記板材を射出成形機に備えた前記固定金型と前記可動金型からなるキャビティで成形した後、
前記キャビティ内に張り付いた板材を排出して、該排出された板材を取り出し装置で取り出し、
前記板材の下面を第1のシートロールから水平方向に巻きだされてきた底面シートの上面の所定載置位置に載置した後、
第1のシートロールから巻きだされてくる底面シートに載置されていることで搬送されてくる前記板材の上面に、第2のシートロールから巻きだされてきた上面シートを載置して、該上面シートと底面シートを前記板材に貼着させ、
前記上面シートと底面シートが貼着された水平方向に搬送される板材に対し、切断装置に設けた切刃を鉛直方向にスライドさせて所定サイズに切断することを特徴とする導光板の製造方法。
【請求項2】
前記取り出し装置には負圧を発生させることで前記板材を吸引する保持装置を備え、該保持装置の吸引力により取り出された前記板材を、前記底面シート上面の所定載置位置に載置することを特徴とする請求項1記載の導光板の製造方法。
【請求項3】
前記射出成形機とは別体に設けたシート成形加工装置に、前記第1のシートロール、前記第2のシートロール、及び前記切断装置を少なくとも備え、
前記シート成形加工装置を前記射出成形機の側部に配設し、
該射出成形機の金型のキャビティから前記板材を取り出す前記キャビティ近傍の取り出し口と、前記シート成形加工装置により前記底面シートの上面に前記板材を載置する所定載置位置とを直線的に最短距離で結ぶ仮想線上に前記取り出し装置を配設し、
前記キャビティ近傍の取り出し口から取り出された前記板材を前記所定載置位置へ最短距離で搬送するようにしたことを特徴とする請求項2記載の導光板の製造方法。
【請求項4】
前記射出成形機と前記シート成形加工装置との各々を交互に複数並設し、これら射出成形機の1つずつに対応付けして、その側部に前記シート成形加工装置を1つずつ配設し、前記射出成形機と前記シート成形加工装置とを1by1で1ユニットとしてこのユニットを複数並設することで、前記導光板を並行して連続的に量産することを特徴とする請求項3に記載の導光板の製造方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の導光板の製造方法において、前記上面シート及び底面シートは保護シートとし、該保護シートが前記シート成形加工装置により前記板材の上下面に貼着されるものであることを特徴とする導光板。

【図1】
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【図2】
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