説明

導電シートの貼り付け装置

【課題】アクティブマトリクス型のTFT基板を用いた指紋センサーの生産性を向上する。
【解決手段】接触電極と該接触電極を選択する接触電極選択用薄膜トランジスタとを備えた感圧セルが複数個配列され、前記感圧セルからの検知信号が出力される端子群を具備した感圧センサー集積回路チップ50を所定の間隔を持って複数個載置可能な基台150と、導電シート2を押圧して前記複数の感圧センサー集積回路チップ50の表面に貼り付ける回転ローラー140と、前記基台150上に設置され、前記導電シート2を取り付ける導電シート2の円柱状体163,163と、前記回転ローラー140を案内する一対の案内レール161,162とが設けられた上台160とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電シートの貼り付け装置に関し、特に、接触電極と該接触電極を選択する接触電極選択用薄膜トランジスタとを備えた感圧セルを複数個備えた感圧センサー集積回路チップの表面に導電性シートとを貼り付けるための導電シートの貼り付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人間の指紋を検出する指紋センサーが、パーソナルコンピュータ等の電子機器の利用の際の本人確認手段として注目されている。現在、普及している指紋センサーは、指先をセンサーパネルのガラス面に押し当てて、その押し当てられた指先部分に光を照射し、その反射光をCCD等の受光手段で読みとるという光学式のものがほとんどであった。しかしながら、光学式の指紋センサーは小型化、薄型化が困難であるだけでなく、製造コストが高いという問題点を有している。
【0003】
そこで、アクティブマトリクス型のTFT基板に可撓性を有する導電シートを貼り付け、指を導電シートに押し当てたときの指紋の山と谷による押圧力の差を電気信号に変換して指紋検出を行うという、アクティブマトリクス型の指紋センサーが提案されている。
【特許文献1】特開平8−68704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したアクティブマトリクス型のTFT基板を用いた指紋センサーの製造方法については提案されていない。特に、TFT基板に導電シートを貼り付ける装置については提案されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の主たる特徴構成は以下の通りである。即ち、本発明の導電シートの貼り付け装置は、接触電極と該接触電極を選択する接触電極選択用薄膜トランジスタとを備えた感圧セルが複数個配列され、前記感圧セルからの検知信号が出力される端子群を具備した感圧センサー集積回路チップを所定の間隔を持って複数個載置可能な基台と、導電シートを押圧して前記複数の感圧センサー集積回路チップの表面に貼り付ける押圧手段と、前記基台上に設置され、前記導電シートを取り付ける導電シートの取り付け部と、前記押圧手段を案内する一対の案内レールとが設けられた上台とを具備することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の導電シートの貼り付け装置によれば、複数の感圧センサー集積回路チップを配列させ、押圧手段により導電シートを押圧することで導電シートを複数の感圧センサー集積回路チップの表面に一括して貼り付けることが可能になるので、感圧センサーパネルの生産性を向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。まず、本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの構造について説明する。図1は、この感圧センサーパネルの分解斜視図である。
【0008】
感圧センサーパネル1は、ガラスまたはセラミックなどの絶縁性基板10上にアモルファスシリコン膜を形成し、公知のホトリソグラフィ技術で多数のTFT(薄膜トランジスタ)11、ドレイン線12、ゲート線13を形成し、さらに蒸着によりたとえばITO(インジウム・すず酸化物)の接触電極14などを形成して成る感圧センサー集積回路チップ50に、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの絶縁フィルムの裏面に導電膜2aを蒸着した導電シート2を貼り付けたものである。
【0009】
ドレイン線12とゲート線13は互いに交差する方向に配置されており、後述するように走査信号が印加されて走査線として機能する。ドレイン線12はX方向の走査信号を出力するX方向走査回路20に接続され、ゲート線13はY方向の走査信号を出力するY方向走査回路21に接続されている。
【0010】
指紋パターンの検出の場合には、ドレイン線12の間隔およびゲート線13の間隔は50〜60μm程度となる。絶縁性基板10上には、各TFTのドレインがドレイン線12に、ゲートがゲート線13に、そしてソースが接触電極14に接続された感圧セルがマトリクス状に多数形成されている。
【0011】
また、絶縁性基板10上には、後述するように各感圧セルからの信号を検出する検出器22、検出器22からの出力信号を外部に取り出すための出力端子や、X方向走査回路20、Y方向走査回路21,検出器22等の内部回路に電源や走査クロックを供給するための入力端子が一列に配列されて端子群30が構成され、この端子群30は絶縁性基板10のエッジの一辺に沿って設けられている。
【0012】
図2は、図1に示した感圧センサーパネル1の感圧セルを拡大して示す。図1と同じ参照数字は同じ構成部分を示している。感圧セルのTFT11は、ドレイン端子Dがドレイン線12の一部12aに接続され、ソース端子Sが接触電極14に接続され、ゲート端子Gがゲート線13の一部13aに接続されている。ドレイン線12とゲート線13との交差部はマスクと蒸着により形成された、たとえばSiO2 膜のような絶縁スペーサ15によって絶縁されている。
【0013】
図3は、図1に示した感圧センサーパネル1の等価回路図である。感圧センサーパネル1の導電シート2の導電膜2aは抵抗16を介して接地されている。感圧センサーパネル1のドレイン線12は抵抗Rを介してX方向走査回路20に接続されており、ゲート線13はY方向走査回路21に接続されている。すべてのドレイン線12は検出器22に接続されており、検出器22はドレイン線12の検出点D1 、D2 、D3 、・・・の電位を取り込み、この電位に基づいて指紋パターンを検出する。
【0014】
さて、このように構成された感圧センサーパネル1に図示したように指Fを乗せて軽く押すと、導電シート2は全体が押し下げられるが、細かく観察すると、指紋の山の部分と谷の部分とでは押圧力が異なるために、山の部分の真下またはそのごく近傍に位置する感圧セルの接触電極14は導電シート2の裏面の導電膜2aと電気的に接触する。一方、指紋の谷の部分の真下またはその近傍に位置する感圧セルの接触電極14は導電膜2aとは電気的に接触しない。
【0015】
図3に示した回路において、Y方向走査回路21からは所定のタイミングでゲート線13に順次走査信号が切り替えて出力される。いまあるゲート線13にある電位(「H」レベル)が印加されている間にX方向走査回路20から所定のタイミングでドレイン線12に順次走査信号が切り替えて印加される。
【0016】
すると、電位が印加されたゲート線13と走査信号が印加されたドレイン線12とが交差する近傍に位置する感圧セルの接触電極14が指紋パターンの山の部分で押された部位で導電シート2の導電膜2aと電気的に接触し、その感圧セルのTFT11のソース端子Sが接触電極14、導電膜2a、抵抗16を介して接地されるので導通し、ドレイン電流が流れて抵抗Rによる電圧降下が生ずる。
【0017】
検出器22は検出点D1 、D2 、D3 、・・・の電位を取り込む。X方向走査回路20及びY方向走査回路21からの走査信号を順次切り替えることによって感圧センサーパネル1のすべての感圧セルからの信号が時系列的に検出器22に取り込まれるので、信号処理によって指紋パターンが検出できる。そして、検出器22からの指紋パターン検出信号は端子群30を介して感圧センサーパネル1の外部に取り出される。
【0018】
次に、上述の感圧センサーパネル1の製造方法について図面を参照しながら説明する。まず、図4に示す如く、複数の感圧センサー集積回路50A(切断分離後に、1つ1つが上述の感圧センサー集積回路チップ50となるもの)が公知のTFTプロセスによってその表面に行及び列のマトリクス状に形成された大型基板100を準備する。
【0019】
そして、大型基板100の感圧センサー集積回路50Aが形成されている全面に、粘着フィルム110を貼り付ける。この粘着フィルム110は、感圧センサー集積回路50Aを構成している素子、特に感圧セルのTFT11や接触電極14が、感圧センサー集積回路チップ50の切断分離時に、傷つくのを防止するための保護用フィルムである。粘着フィルム110としては、半導体ウエハのダイシングの際に用いられるダイシングフィルム(ブルーシートとも呼ばれる)を用いることが好ましい。
【0020】
次に、図5に示す如く、表面に粘着フィルム110が貼り付けられた大型基板100を裏返し、大型基板100の裏面をダイシングラインDLに沿ってダイシングする。このとき、大型基板100を完全にダイシングして個々の感圧センサー集積回路チップ50に切断分離してもよいし、図6に示すように、ダイシングブレード120を用いて大型基板100の厚さの途中までハーフカットしてダイシングラインDLに沿った溝101を形成し(図6(a)参照)、その後大型基板100に剪断力を加えることで溝101の下方の基板部分を切断し、個々の感圧センサー集積回路チップ50に分離してもよい(図6(b)参照)。複数の感圧センサー集積回路チップ50は互いに分離されているが、粘着フィルム110は貼り付けられた状態である。
【0021】
そこで、図7に示す如く、粘着フィルム110を感圧センサー集積回路チップ50の一列毎に切断ラインCLに沿って切断する(図7(a)参照)。そして、切断された粘着フィルム110を複数の感圧センサー集積回路チップ50から剥離する(参照7(b)参照)。
【0022】
次に、図8(a)に示す如く、粘着フィルム110が剥離された感圧センサー集積回路チップ50の表面(TFT11等が形成されている面)のエッジに沿って、熱硬化性エポキシ樹脂を接着剤として、リング状に塗布して第1の接着材リング130を形成する。熱硬化性エポキシ樹脂を用いるのは、後述する導電シート2との密着性を高めるためである。その後、70℃の温度下で15分程度のベーキング処理を行い、第1の接着材リング130をある程度硬化させる。
【0023】
その後、図8(b)に示す如く、第1の接着材リング130の外側に隣接して感圧センサー集積回路チップ50のエッジに沿って、熱硬化性エポキシ樹脂を接着剤として、リング状に塗布して第2の接着材リング131を形成する。このように第1の接着材リング130及び第2の接着材リング131で2重リング構造を採用したのは、ある程度熱硬化させた第1の接着材リング130によって第2の接着材リング131の接着剤を堰き止めることで、後述する導電シート2を感圧センサー集積回路チップ50に貼り付ける際に、接着剤が感圧センサー集積回路チップ50の感圧セル領域まで浸潤して検出特性を劣化させるのを防止するためである。
【0024】
さらに、感圧センサー集積回路チップ50のコーナー部に形成された電位設定用パッド電極132上に金ペースト133を塗布する。これは、後述する導電シート2を、金ペースト133を通して電位設定用パッド電極132に電気的に接続し、導電シート2を所定の電位に設定するためである。電位設定用パッド電極132は例えば接地電位に設定されている。
【0025】
次に、図9に示す如く、複数の感圧センサー集積回路チップ50を所定の間隔を持って一列に配列し、帯状の導電シート2を複数の感圧センサー集積回路チップ50の上に載置し、その導電シート2を回転ローラー140で押圧しながら複数の感圧センサー集積回路チップ50の表面に貼り付ける。このとき、複数の感圧センサー集積回路チップ50の端子群30を露出させるために、導電シート2の幅が複数の感圧センサー集積回路チップ50の幅よりも小さくなるように導電シート2が予め切断されている。これは、導電シート2の貼り付け後に、感圧センサー集積回路チップ50の端子群30を露出させるように導電シート2を切断すると感圧センサー集積回路チップ50の表面を傷つけてしまうからである。
【0026】
次に、導電シートの貼り付け装置の構成について図10、図11、図12を参照して詳しく説明する。図10(a)は導電シートの貼り付け装置を構成する基台150の平面図、図10(b)は導電シートの貼り付け装置を構成する上台160の平面図、図11は導電シートの貼り付け装置の分解斜視図、図12は導電シートの貼り付け装置の断面図である。
【0027】
基台150のフレーム151の中央部に沿って、8個の略長方形の開口部152が設けられており、それらの開口部152の間の橋の上下端に感圧センサー集積回路チップ50の位置決め用突起部153が設けられている。したがって、この開口部152を塞ぐように感圧センサー集積回路チップ50をフレーム151上に載置すると、感圧センサー集積回路チップ50の2つの辺が4個の位置決め用突起部153によって挟まれることで位置決めがなされる。
【0028】
フレーム151の2つの対向辺には、4つの突出片154が設けられており、それぞれの突出片154には上台160の位置決め用の穴部155が形成されている。一方、上台160には基台150に支持棒167が設けられ、基台150に設けられた前記穴部155に嵌合することで、上台160の位置決めがなされるように構成されている。
上台160には、一対の案内レール161,162が対向して設けられている。一対の案内レール161,162の間は開口されている。そして、上台160の長手方向の両端には導電シート2の取り付け部が設けられている。導電シート2の取り付け部は、導電シート2の巻き付け用の一対の円柱状体163,163と、一方の円柱状体163,163に隣接して設けられた円筒体165とを備えている。
【0029】
一対の円柱状体163,163の外周には、導電シート2と同じ幅Wを有した段差部164が形成されており、帯状の導電シート2は、この段差部164に巻き付けられることで左右の動きが規制され、複数の感圧センサー集積回路チップ50に対して位置決めされる。また、導電シート2の一端は一対の円柱状体163に巻かれて、さらに支持軸166に固定された円筒体165の下方面を潜って引き出されることで、導電シート2は上台160に確実に固定される。
【0030】
こうして、基台150上に固定された上台160に導電シート2を取り付け、回転ローラー140を一対の案内レール161,162上で移動させることで、導電シート2を押圧手段である回転ローラー140で押圧して、基台150上の載置された複数の感圧センサー集積回路チップ50の表面に貼り付ける。
【0031】
ここで、回転ローラー140は、図12に示す如く、一対の案内レール161,162に当接し、一対の案内レール161,162上を摺動しながら移動する一対の当接部と、一対の当接部の間に接続された回転ローラー体145を備えている。
【0032】
さらに詳しくは、一対の当接部は、案内レール161,162の外側に当接する外側当接片141,141と、案内レール161,162の内側に当接する内側当接片142,142とから成る。そして、内側当接片142,142の間に支軸143,143を介して回転ローラー体145が回転可能に取り付けられている。回転ローラー体145は弾力性を有する材質で構成されるか、もしくは弾力材が巻かれていることが好ましい。
【0033】
支軸143,143はバネを介して内側当接片142,142に取り付けられており、バネの反発力を利用して回転ローラー体145が感圧センサー集積回路チップ50上の導電シート2を押圧するように構成されている。また、回転ローラー140の本体上面には本体の移動操作用レバー147が立設されている。
【0034】
こうして、導電シート2が複数の感圧センサー集積回路チップ50の表面に貼り付けられた後、この状態で、再度のベーキング処理が行われ、第1の接着材リング130及び第2の接着材リング131が熱硬化される。このベーキング処理は、70℃〜90℃、30分程度という条件下で、N2雰囲気中で行うことが好ましい。そして、ベーキング処理後、図13に示す如く、感圧センサー集積回路チップ50のエッジの切断線CLに沿って帯状の導電シート2をカッターで切断する。これにより、導電シート2が貼り付けられた個々の感圧センサー集積回路チップ50(感圧センサーパネル1)が得られる。
上述の実施形態では、複数の感圧センサー集積回路チップ50を切断分離した後に導電シート2を貼り付けているので、生産性が悪いという問題がある。
【0035】
そこで、複数の感圧センサー集積回路チップ50を切断分離する前に、導電シート2を一括して貼り付けるようにすれば生産性が向上する。即ち、図14に示すように、大型基板100上に切断分離前の複数の感圧センサー集積回路50Aがマトリクス状に配置されており、複数の感圧センサー集積回路50Aの一列毎に複数の帯状の導電シート2,2,・・・をその上に配置する。
【0036】
このとき、複数の感圧センサー集積回路50Aの端子群30を露出させるために、導電シート2の幅が複数の感圧センサー集積回路50Aの幅よりも小さくなるように導電シート2が予め切断されている。この理由は前述したように、導電シート2の貼り付け後に、感圧センサー集積回路50Aの端子群30を露出させるように導電シート2を切断すると感圧センサー集積回路50Aの表面を傷つけてしまうからである。
【0037】
そして、1つの大型回転ローラー148を用いて複数の導電シート2,2,・・・を同時に押圧してこれらを複数の感圧センサー集積回路50Aの表面に貼り付ける。その後、大型基板100上に切断して、個々の感圧センサー集積回路チップ50に分離する。
【0038】
しかしながら、この貼り付け方法では1つの大型回転ローラー148を用いて複数の導電シート2,2,・・・を同時に押圧しているので、場所によって押圧力にムラが生じてしまい、導電シート2,2,・・・を均一な強度で貼り付けることが困難である。そこで、図15に示すように、一列毎に別々の小型回転ローラー148A〜148Fを用いて導電シート2を押圧すれば、一列毎に均一な押圧力で導電シート2を貼り付けることができるようになり、導電シート2の貼り付け強度も均一化される。その後、大型基板100上に切断して、個々の感圧センサー集積回路チップ50に分離する。
【0039】
このようにして、導電シート2が貼り付けられた個々の感圧センサー集積回路チップ50(感圧センサーパネル1)が得られると、図16に示す如く、感圧センサー集積回路チップ50の端子群30から得られる検出信号を用いて指紋映像の検査が行われる。図16(a)の指紋映像によれば指紋パターンが正しく検出されており良品とされる。図16(b)の指紋映像によれば、一部の指紋パターンが欠落しているため不良品とされる。
【0040】
感圧センサー集積回路チップ50による指紋映像の検査の結果、良品については、図17に示す如く、可撓性印刷回路体であるFPC170(フレキシブルプリントサーキット)が端子群30に圧着され、FPC170を介して、外部の電源回路や表示装置に接続される。また、感圧センサー集積回路チップ50とFPC170とが接する両者の裏面部分に、FPC170の剥離防止用樹脂層180を塗布する。剥離防止用樹脂層180としては紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。
【0041】
その後、図18に示す如く、FPC170が接続された感圧センサー集積回路チップ50を下蓋190と上蓋191とが嵌合してなる収納ケース内に収納されて感圧センサーユニット300が得られる。下蓋190と上蓋191は樹脂製や金属製のどちらでもよい。また、下蓋190と上蓋191の一方が樹脂製であり、他方が金属製であってもよい。また、図18及び図19に示す如く、上蓋191と導電シート2が貼り付けられた感圧センサー集積回路チップ50との間に、感圧センサー集積回路チップ50のエッジに沿って防湿用の封止部材としてゴムのような弾性体からなるパッキン192が挿入される。さらに、収納ケースの上蓋191に端子群30を臨むように開口部193が形成されている。
【0042】
そして、図20及び図21に示すように、この開口部193を介して、端子群30とFPC170の接続部を覆うように防湿剤層200が塗布形成されている。防湿剤層200は流動性を有するシリコン樹脂をディスペンサーから滴下することで形成することができる。
【0043】
収納ケースの上蓋191の裏面は感圧センサー集積回路チップ50に近接しており、上蓋191そのものが所定の厚さを有していることから、開口部193を通して導入された流動性を有するシリコン樹脂は、開口部193のエッジの上蓋191の側壁によって堰き止められ、その後、自然乾燥により硬化する。防湿剤200は、開口部193内の領域に収納され、その外部への流出が防止される。これにより、防湿剤200の塗布領域及び塗布量を適切に制御することができる。こうして、導電シート2が貼り付けられた感圧センサー集積回路チップ50が収納ケースに収納されて、感圧センサーユニット300が得られる。
【0044】
図22は、他の感圧センサーユニット301を示す図であり、図22(a)はこの感圧センサーユニット301の斜視図、図22(b)は図22(a)のB−B線に沿った断面図である。この感圧センサーユニット301の如く、感圧センサー集積回路チップ50収納ケースに収納する前に端子群30とFPC170の接続部を覆うように防湿剤200を塗布形成することも考えられるが、これでは、感圧センサー集積回路チップ50の表面に塗布された流動性を有するシリコン樹脂を規制するものがないため、シリコン樹脂は端子群30とFPC170の接続部以外の領域へ広がってしまい、防湿剤200の塗布領域及び塗布量を適切に制御することができない(図22(b)参照)。
【0045】
その後、図23に示す如く、感圧センサー集積回路チップ50による指紋映像の最終検査を行う。そして、図24に示すように最後に感圧センサーユニット300の上蓋191の表面に保護フィルム210を貼り付ける。なお、上記実施形態では、感圧センサーパネル1、感圧センサーユニット300は指紋検出に用いるものであるが、1つの感圧セルをスイッチとして用いることもできるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの分解斜視図である。
【図2】図1に示した感圧センサーパネル1の感圧セルの拡大図である。
【図3】本発明の実施形態に係る図1に示した感圧センサーパネル1の等価回路図である。
【図4】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの製造方法を示す平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの製造方法を示す平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの製造方法を示す平面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの製造方法を示す平面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの製造方法を示す平面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る導電シートの貼り付け装置を示す平面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る導電シートの貼り付け装置を示す分解斜視図である。
【図12】本発明の実施形態に係る導電シートの貼り付け装置を示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの製造方法を示す平面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの製造方法を示す平面図である。
【図15】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの製造方法を示す平面図である。
【図16】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの指紋映像を示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの製造方法を示す平面図である。
【図18】本発明の実施形態に係る感圧センサーユニットの分解斜視図である。
【図19】本発明の実施形態に係る感圧センサーユニットの上蓋部分を示す平面図である。
【図20】本発明の実施形態に係る感圧センサーユニットの平面図である。
【図21】本発明の実施形態に係る感圧センサーユニットの断面図である。
【図22】本発明の実施形態に係る他の感圧センサーユニットの断面図である。
【図23】本発明の実施形態に係る感圧センサーパネルの指紋映像を示す図である。
【図24】本発明の実施形態に係る感圧センサーユニットの平面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 感圧センサーパネル 2 導電シート 10絶縁性基板
11 TFT 12 ドレイン線 13 ゲート線 14 接触電極
15 絶縁スペーサ 16 抵抗 20 X方向走査回路
21 Y方向走査回路 22 検出器 30 端子群
50 感圧センサー集積回路チップ 50A 感圧センサー集積回路
100 大型基板 110 粘着シート 120 ダイシングブレード
130 第1の接着材リング 131 第2の接着材リング
132 電位設定用パッド電極 133 金ペースト
140 回転ローラー 141 外側当接片 142 内側当接片
143 支軸 145 回転ローラー体 147 移動操作用レバー
148 大型回転ローラー 148A〜148F 小型回転ローラー
150 基台 151 フレーム 152 開口部
153 位置決め用突起部 154 突出片 155 位置決め用の穴部
160 上台 161,162 案内レール
163 導電シート巻き付け用の円柱状体 164 段差部
165 円筒体 166 支持軸 167 支持棒 170 FPC
180 剥離防止用樹脂層 190 下蓋 191 上蓋 192 パッキン
193 開口部 200 防湿剤層 210 保護フィルム
300,301 感圧センサーユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触電極と該接触電極を選択する接触電極選択用薄膜トランジスタとを備えた感圧セルが複数個配列され、前記感圧セルからの検知信号が出力される端子群を具備した感圧センサー集積回路チップを所定の間隔を持って複数個載置可能な基台と、
導電シートを押圧して前記複数の感圧センサー集積回路チップの表面に貼り付ける押圧手段と、
前記基台上に設置され、前記導電シートを取り付ける導電シートの取り付け部と、前記押圧手段を案内する一対の案内レールとが設けられた上台とを具備することを特徴とする導電シートの貼り付け装置。
【請求項2】
前記基台に前記感圧センサー集積回路チップを位置決めするための位置決め用突起部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の導電シートの貼り付け装置。
【請求項3】
前記基台に位置決め用の穴部と、前記上台に前記穴部に嵌合する支持棒が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の導電シートの貼り付け装置。
【請求項4】
前記導電シートの取り付け部は、前記上台の両端部に設けられ、その外周に段差部が形成された一対の円柱状体を具備し、前記段差部に前記導電シートを巻き付けることを特徴とする請求項1に記載の導電シートの貼り付け装置。
【請求項5】
前記押圧手段が回転ローラーであることを特徴とする請求項1に記載の導電シートの貼り付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−98326(P2006−98326A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−287114(P2004−287114)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】