説明

導電性多孔質材料

限定的用途の使い捨て物品(20)は、マトリックス基材(22)と、マトリックス基材に導電性材料の粘着性構成から有効に塗布された、別々に設けられた導電性材料の導電性領域(24)とを備える。マトリックス基材は第1のマトリックス領域(26)と、少なくとも第2のマトリックス領域(28)とを含む。少なくとも第2のマトリックス領域(28)は、導電性領域内に選択された抵抗率の有効な形成をもたらす処理剤を含むことができる。第1のマトリックス領域(26)は高抵抗率を有し、導電性領域(24)は第2のマトリックス領域(28)に有効に隣接して配置される。導電性領域(24)は、導電性領域が第2のマトリックス領域に有効に隣接して配置され且つ意図した用途用に構成された場合に測定するとき、低い抵抗率を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性基材の上に形成される電気回路に関する。より具体的には、本発明は、高い表面多孔率を有する基材上に形成される電気回路に関係する。
【背景技術】
【0002】
電気回路は、紙、織布、不織布及びポリマー・フィルムのような可撓性基材に印刷され又は他の方法で塗布されている。電気回路は種々のインク印刷技術で塗布された導電性インクを含み、カバー、バッヂ、ラベル及びタグのような種々の製品が印刷された回路を含む。特定の配置において印刷された回路は、衛生製品、例えばドレープ、ガウン、衣類、パーソナルケア吸収性製品などに用いられている。他の配置において、電気/電子回路は、乳児用使い捨ておむつの内部の濡れセンサのような、選択されたパーソナルケア製品の内部に配置されるセンサを設けるために用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,743,999号明細書
【特許文献2】米国特許第5,492,598号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第11/514,541号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第11/303,283号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、高い表面多孔率を有する基材上に形成される従来の印刷された回路構成は、引き続き問題を呈している。導電性インクを多孔質材料上に印刷したとき、導電率のレベルは過度に低下する。その結果、多孔質材料上に印刷された導電性回路の改善された構成に対する必要性が引き続き存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概説すれば、本発明は、マトリックス基材と、粘着性構成の導電性材料からマトリックス基材に有効に塗布された、別々に設けられた導電性材料の導電性領域とを備えた、特徴的な限定的用途の使い捨て物品を提供する。マトリックス基材は、第1のマトリックス領域と少なくとも第2のマトリックス領域とを含む。少なくとも第2のマトリックス領域は、導電性領域内に選択された抵抗率の形成をもたらす処理剤を含むことができる。第1のマトリックス領域は高抵抗率を有し、また導電性領域は第2のマトリックス領域に有効に隣接して配置される。導電性領域は、導電性領域が第2のマトリックス領域に有効に隣接して配置され、その意図した用途用に構成された場合に測定するとき、低い抵抗率を有する。特定の態様において、マトリックス基材は実質的に連続的に延びるマトリックス材料の網状組織を含むことができ、また第1のマトリックス領域の高抵抗率は、導電性領域の抵抗率よりも少なくとも凡そ一桁大きくすることができる。
【0006】
本方法は、その種々の態様及び特徴を組み入れることによって、導電性損失の少ない、多孔質又は半多孔質材料上へのより効率的な導電体印刷法を提供する。本方法は、可撓性の連続的ベース領域を形成して電気的接続をより均一な電気的連続性で支持する助けとなり得る。さらに本方法は、通常のインク配合及び通常の印刷装置を用いてさらに容易に利用することができる。
本発明は、添付の図面に関連して記述される本発明の以下の説明を参照することによりさらに良く理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】マトリックス基材が第1のマトリックス領域と少なくとも第2のマトリックス領域とを含み、少なくとも第2のマトリックス領域は導電性材料を収容する少なくとも補足材料を含むように処理された、典型的な物品の端面図を示す。
【図2】補助材料層を塗布又は他の方法で配置して、補足材料層を補助材料とベース材料層の間に有効に挟んだ物品の典型的な端面側面図を示す。
【図3】少なくとも第2のマトリックス領域が、実質的に繊維を排除し、表面隙間の空隙を有効に充填する補足材料の処理剤を有する物品の典型的な端面側面図である。
【図4】初めに導電性材料を選択されたマトリックス領域の表面に塗布し、その後に作用力を加えて複合材料に統合することになる少なくとも1つのマトリックス領域を有する物品の典型的な端面側面図を示す。
【図4A】複合材料に組み込まれた導電性材料を有する物品の典型的な端面図を示す。
【図5】絶縁性基材の内側表面上に配置されたセンサ又は他の外部電気モニタ・デバイスと、基材を通して回路パスに至る導電性経路に沿った相互接続部と、基材の反対側の外面に配置された協働プロセッサとを有する、典型的な物品の部分的透視斜視図である。
【図6】基材を通して第2の回路パスに至る導電性接合パス上に配置された第1の回路パスと、基材の反対側の外面に配置された協働プロセッサとの別の典型的な配置の部分的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示において用いるとき、用語「備える」、「備えた」、及び語根語「備える」からの他の派生語は、任意の記述された特徴、要素、完全体、ステップ、又はコンポーネントの存在を明記する非限定的な用語であることを意図したものであり、他の特徴、要素、完全体、ステップ、コンポーネント又はそれらの群のうちの1つ又はそれ以上の存在又は付加を排除することを意図したものではないことに留意されたい。
【0009】
用語「粒子」、「粒子群」、「微粒子」、「微粒子群」等により、材料が一般に不連続な単位の形態であることを意味する。その単位は微粒、粉末、球体、微粉状材料又は同等物、並びに、それらの組合せ、を含むことができる。粒子は任意の所望の形状、例えば、立方体、棒状、多面体、球又は半球状、曲線又は半曲線状、角状、不規則形状など、とすることができる。大きな最大寸法/最小寸法比を有する、針、フレーク及び繊維のような形状もまた本明細書に包含することが企図される。用語「粒子」又は「微粒子」はまた、1つより多くの個々の粒子、微粒子又は同等物を含んだ集塊を含む。さらに、粒子、微粒子又はそれらの任意の所望の集塊は、一種類より多くの材料から構成することができる。
【0010】
本明細書で用いる用語「不織」は、中間に挿入された個々の繊維又はフィラメントの構造を有するが識別可能な繰返し様式は有しない布ウェブを指す。
本明細書で用いる用語「スパンボンド」又は[スパンボンド繊維]は、溶融熱可塑性材料ノフィラメントを、複数の微細な、普通は円形の出糸突起のキャピラリから押し出し、次いで押し出されたフィラメントの直径を急速に減少させることによって形成される繊維を指す。
【0011】
本明細書で用いる語句「メルトブローン繊維」は、溶融熱可塑性材料を、複数の微細な、普通は円形のダイ・キャピラリを通して、溶融スレッド又はフィラメントとして、高速の、通常は加熱されたガス(例えば空気)流内に押し出し、このガス流が溶融熱可塑性材料ノフィラメントを細くしてそれらの直径を減少させることで形成される繊維を指す。その後、メルトブローン繊維は高速ガス流によって搬送され、収集表面上に堆積されて不規則に分配されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。
【0012】
本明細書で用いる「コフォーム」は、メルトブローン・ポリマー材料を空気中に形成し、同時に空気中に浮遊させたセルロース繊維をメルトブローン繊維の流れの中に吹き込むことによって形成される、メルトブローン繊維とセルロース繊維の混合物を記述するためのものである。木質繊維を含むメルトブローン繊維は、小孔のある帯で与えられるような成形表面上に収集される。成形表面は、成形表面上に配置されたスパンボンド布材料のような気体透過性材料を含むことができる。
【0013】
本明細書で用いる語句「吸収性物品」は、体液を吸収し含むことができる手段を指し、より具体的には、皮膚に接して又はその近くに配置して身体から放出される種々の液体を吸収し含むための手段を指す。用語「使い捨ての」は、本明細書では、一回使用した後、洗濯する又は他の方法で復元する、又は吸収性物品として再利用することを意図しない吸収性物品を記述するのに用いる。そのような使い捨て吸収性物品の例には、それらに限定されないが、外科用ドレープ、ガウン、無菌ラップのような医療関連製品、婦人用衛生製品(例えば、生理用ナプキン、パンティライナ、タンポン、陰唇間手段など)のようなパーソナルケア吸収性製品、乳児用オムツ、小児用トレーニング・パンツ、成人用失禁製品など、並びに吸収性拭取り布及びカバー・マットが挙げられる。
【0014】
例えば、多くのパーソナルケア用吸収性製品のような使い捨て吸収性物品は、液体透過性の上面シートと、上面シートに接合された実質的に液体不透過性の裏面シートと、上面シートと裏面シートの間に配置され保持される吸収性コアとを含むことができる。上面シートは、吸収性物品により保持し貯留することを意図した液体に対して有効に透過性であり、裏面シートは意図した液体に対して、実質的に不透過性又は別様に有効に不透過性である。吸収性物品はまた、液体吸い上げ層、液体分布層、障壁層など、並びにそれらの組合せのような他のコンポーネントを含むことができる。使い捨て吸収性物品及びそのコンポーネントは、身体対向面と衣服対向面をもたらすように機能することができる。本明細書で用いる「身体対向面」は、通常の使用中に着用者の身体に対向して又はそれに隣接して配置されることを意図した、物品又はコンポーネントの表面を意味し、一方、「外側表面」又は「外側対向面」は反対側にあって、使用中に着用者の身体から離れる方向に向くように配置されることを意図されている。外側表面は吸収性物品が着用されるとき着用者の肌着に面するように配置するか又はそれに隣接して配置することができる。
【0015】
図1乃至図4を参照すると、特徴的な限定的用途の使い捨て商品20は、マトリックス基材22と、粘着性構成の導電性材料からマトリックス基材22に有効に塗布された、別々に設けられた導電性材料の導電性領域24とを含むことができる。例えば、導電性材料はマトリックス基材上に直接又は間接に堆積させることができる。マトリックス基材は、第1のマトリックス領域26と、少なくとも第2のマトリックス領域28とを含む。第2のマトリックス領域は、随意に第1のマトリックス領域とは異なる構造を有することができる。特定の態様において、少なくとも第2のマトリックス領域26は導電性領域内に選択的な抵抗率の有効な形成をもたらす処理剤を含むことができる。第1のマトリックス領域は高い抵抗率値を有する。導電性領域24は、第2のマトリックス領域28に有効に隣接して配置され、また導電性領域24は、第1のマトリックス領域26の抵抗率値と比較して、有効な著しく低い抵抗率値を有する。導電性領域24の抵抗率値は、この導電性領域が第2のマトリックス領域28に有効に隣接して配置され、且つ意図した用途用に構成されたときに測定される。
【0016】
特定の実施形態において、マトリックス基材22は実質的に連続的に延びるマトリックス材料の網状組織を含むことができ、第1のマトリックス領域26の高い抵抗率は、導電性領域24の抵抗率よりも少なくとも凡そ1桁大きくすることができる。
【0017】
本発明の方法は、その種々の態様及び特徴を単独で又は所望の組合せで組み込むことにより、導電率損失が少ない、多孔質又は半多孔質材料上の導電性回路パスのより効率的な印刷法を、より効率的且つ経済的に提供することができる。例えば、本方法は、導電体及び回路を、全体的又は部分的に多孔質布又は発泡材料から作られた健康及び衛生用衣類の内部により効率的に組み込むことができる。本方法は、可撓性の連続的ベース領域を形成して電気的接続をより均一な電気的連続性により支持する助けとすることができる。さらに本方法は、通常のインク調合及び通常の印刷装置によって、より容易に利用することができる。
【0018】
限定的用途の使い捨て物品20は、種々の構成を有することができる。そのような物品の例は、例えば、ドレープ、シート、キャップ、ガウン、衣類、個人用衛生製品、成人失禁用製品、婦人用衛生製品、乳児用おむつ、小児用トレーニング・パンツなどのような使い捨て衛生製品を含むことができる。
【0019】
特定の物品の構成は、例えば、実時間検出及び診断の機能を提供することのできる新世代のSMART使い捨て物品をもたらす助けとすることができる。この物品は、例えば、製品の身体側ライナ上に直接印刷された内部電極を有する製品の上に配置された半恒久的な警報コンポーネントを有する製品用の濡れ表示器をもたらすように構成することができる。他の配置において、この物品は、ジャケットを作るのに用いられる使い捨て材料内に組み込まれた内部配線ハーネスを有するEKGジャケットを製造するように構成することができる。ジャケットはまた、ジャケット材料の厚さを貫通して、配線ハーネスをジャケットの外側表面に配置された電気的インタフェースに有効に相互接続する導電性経路を有することができる。次に、インタフェースはEKGモニタ装置又はシステムに有効に接続することができる。さらに他の配置において、この物品は、使い捨て診察着のような使い捨て物品内に埋め込まれたセンサに接続された導電体を含めて選択的な身体機能をモニタするように構成することができる。
【0020】
物品20は、可撓性マトリクス基材22のような少なくとも1つの可撓性基材を含むことができる。この基材は、通常の使い捨て物品に便利に用いることができるように十分な可撓性を有することができる。基材は、通常の重い冬用衣類に用いることのできるフェルト又は織布の典型的な層の可撓性よりも堅くないことが望ましい。
【0021】
別の態様において、基材は著しく高い表面多孔率を有することができる。特定の配置において、基材の高度に多孔性の表面は、50%又はそれ以上の開口率を有することができる。例えば、多孔質基材は、多孔性の発泡材料、開放気泡発泡材料、エアレイド繊維状ウェブ、不織布などを含むことができる。適切な不織繊維状ウェブ又は布は、結合材料で安定化されたエアレイド繊維状ウェブ、コフォーム材料、スパンボンド布、ボンデッド・カード・ウェブ布、空気貫通ボンデッド・カード・ウェブなどを含むことができる。
【0022】
表面多孔率のレベルを計測し測定する適切な技術は、従来の画像分析システムを含むことができる。望ましい技術において、マトリックス基材の表面を、コントラストの高い画像を取得するための後方散乱検出器を備えた走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて画像化することができ、その場合、孔は黒色領域として現われ、マトリックス基材の材料(例えば繊維)は白色領域として現れる。次いで、画像に対して画像分析を実施して表面多孔率のサイズ及び全体的なレベルを計測することができる。このSEM法は後方散乱電子検出/高コンストラスト(BSE/HICON)画像化法と呼ばれている。一連のデジタル表面画像が、孔のサイズ及びマトリックス基材材料に依存することになる適切な倍率で取得される。典型的な倍率は凡そ25−500×の範囲とし、ピクセル解像度は通常1024×1024の近く又はそれ以上とすることができる。BSE/HICON画像化プロセスに関する詳細は、Kamps他による特許文献1、及びHermans他による特許文献2に記載されており、これらの各々は引用によりそれらの全体が本明細書に矛盾しない様式で組み入れられる。これらの特定の文献は材料を通した断面の分析を記述しているが、類似の手順及び類似の装置(例えば、液体窒素を用いない断面区分化、側面マウンティング、及び画像処理)を用いて選択された材料の主要な対向表面の多孔率を評価することができる。また、デジタル画像の取得はポラロイド・フィルムの使用の替わりとすることができることを認識されたい。
【0023】
ひとたびデジタルBSE/HICON画像が取得されると、それらは、次の計測用の画像分析システムに直接電子的に転写することができる。Leica Micro−Systems QWINバージョン3.2画像分析ソフトウェアを、適切な容易に書けるQUANTIMET User Interactive Programming System(QUIPS)ルーチンと共に実行して通常の孔サイズ計測を実施し、多孔性領域により与えられる開放面積を測定することができる。普通、孔サイズは、面積の単位で計測するか、又は計算して派生パラメータ、例えば等価円直径(即ち、量4*Area/πの平方根)、若しくは等価流体直径(即ち、4*Area/周長)にすることができる。他のより洗練された方法を用いて表面孔サイズを測定することもできる(例えば、回旋状の孔幅)。表面多孔率の全体的なレベルは、各々のBSE/HICON画像に関して、画像全体の中の孔の割合を計測することによって測定することができる。
【0024】
所望の性能をもたらすために、マトリックス基材22は選択されたレベルの坪量を有することができる。特定の態様において、マトリックス基材の坪量は少なくとも最小で約5g/m2とすることができる。代替的に、所望の便益をもたらすように、坪量は少なくとも約10g/m2とすることができ、また随意に少なくとも約15g/m2とすることができる。他の態様において、坪量は最大で約130g/m2まで或いはそれ以上にすることができる。代替的に、所望の効率性をもたらすように、坪量は約45g/m2又は60g/m2までとすることがで、また随意に約30g/m2までとすることができる。それに応じて、上述の坪量のレベルは第1のマトリックス領域26にも与えることができる。
【0025】
望ましい構成において、マトリックス基材は実質的に連続的に延びるマトリックス材料の網状組織を含むことができる。さらに、マトリックス材料は、相互接続された複数のマトリックス要素をもたらすように構成することができる。マトリックス要素は、例えば、繊維、多孔性の壁要素、紡ぎ吹き付けられた又は押出された材料の網状組織要素、ポリマー網状組織要素など、並びにそれらの組合せを含むことができる。
【0026】
特定の構成において、マトリックス材料は、相互接続された複数の繊維をもたらすように構成することができ、その繊維は有効な織布又は不織布をもたらすように構成することができる。適切な不織布は、例えば、スパンボンド布、メルトブローン布、コフォーム材料、水流交絡布、引伸し接合ラミネート布、エラストマ布、エラストマ布ラミネートなど、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0027】
別の態様において、繊維状マトリックス材料内部の相互接続された複数の繊維は、第1の繊維状マトリックス領域26及び第2の繊維状マトリックス領域28をもたらすように構成することができる。典型的に図示するように、第1の繊維状マトリックス領域26は、第1の繊維状層又は他の繊維状領域をふくむことができ、第2のマトリックス領域は、第2の繊維状層又は他の繊維状領域を含むことができる。
【0028】
別々に設けられた導電性材料の導電性領域24は、マトリックス基材上に堆積させることができ、特定の配置においては、導電性材料を、マトリックス基材の指定された第2のマトリックス領域28の上に堆積させることができる。別々に設けられた導電性材料は、任意の有効な技術を用いて塗布することができ、導電性材料の所望の粘着性構成は、典型的には、導電性材料の有効な一般には液体形態とすることができる。所望の配置において、導電性材料の液体構成は導電性インク材料を含むことができる。液体又は他の粘着性構成の導電性材料は、任意の有効な印刷技術又はシステムを用いて塗布することができる。
【0029】
個々の導電性材料は導電性インクを含むことができる。導電性インクは導電性材料を含み、種々の印刷プロセスを用いて選択された基材上に印刷するように調合することができる。導電性インクは、典型的には1つ又はそれ以上の樹脂及び/又は溶剤を含んだ媒体を含む。当技術分野で既知の他のインク添加物、例えば、酸化防止剤、平滑化剤、フロー剤及び乾燥剤を導電性インクに含ませることができる。導電性インクは、ペースト、スラリー又は分散液の形態にすることができる。インクは一般にまた、所望の流動性のために当業者が容易に調節することのできる1つ又はそれ以上の溶剤を含む。インク調合物は、製粉機内で混合して、導電性粒子を媒体、例えば、溶剤及び樹脂で十分に濡らすことが望ましい。
【0030】
導電性材料は、銀、銅、金、パラジウム、白金、炭素、又はこれら粒子の組合せを含むことができる。導電性材料の平均粒子サイズは、約0.5μmと約20μmの間の範囲にすることができる。平均粒子サイズは、約2μmと約5μmの間にすることが可能であることが望ましい。或いは、平均粒子サイズは、約3μmとすることができる。導電配線又は回路パス内の導電性材料の量は、乾燥重量ベースで約60%と約90%の間とすることができる。導電配線内の導電性材料の量は、乾燥重量ベースで約75%と約85%の間とすることが可能であることが望ましい。
【0031】
導電性粒子はフレーク及び/又は粉末とすることができる。特定の配置において、導電性フレークは、約2と約50の間、望ましくは約5と約15の間の平均アスペクト比を有する。アスペクト比は、粒子の最小の直線的寸法に対する粒子の最大の直線的寸法の比である。例えば、楕円体型粒子のアスペクト比はその長軸方向の直径をその短軸方向の直径で割った比である。フレークに関しては、アスペクト比はフレークを横切る最長の寸法をその厚さで割った比である。
【0032】
適切な導電性フレークは、METALOR(米国、マサチューセッツ州、アトルバラ所在のオフィスを有する会社)により以下の商品名で販売されているものを含むことができ、それらは、実質的に約2μmと約18μmの間の粒子サイズ分布を有するP185−2フレーク、実質的に約0.5μmと約5μmの間の粒子サイズ分布を有するP264−1及びP264−2フレーク、実質的に約1μmと約10μmの間の粒子サイズ分布を有するP204−2フレーク、実質的に約1μmと約8μmの間の粒子サイズ分布を有するP204−3フレーク、実質的に約2μmと約9μmの間の粒子サイズ分布を有するP204−4フレーク、実質的に約1μmと約9μmの間の粒子サイズ分布を有するEA−2388フレーク、実質的に約0.5μmと約22μmの間の粒子サイズ分布を有し、約2.8μmの平均値を有するSA−0201フレーク、実質的に約1μmと約6μmの間の粒子サイズ分布を有するRA−0001フレーク、実質的に約2μmと約17μmの間の粒子サイズ分布を有するRA−0015フレーク、及び、実質的に約2μmと約62μmの間の粒子サイズ分布を有し、約12μmの平均値を有するRA−0076フレークである。
【0033】
適切な銀粉末は、METALORにより以下の商品名で販売されているものを含むことができ、それらは、実質的に約0.4μmと約4μmの間の粒子サイズ分布を有し、約1.2μmの平均値を有するC−0083P粉末、実質的に約0.4μmと約6.5μmの間の粒子サイズ分布を有し、約1.7μmの平均値を有するK−0082P粉末、及び、実質的に約1μmと約4μmの間の粒子サイズ分布を有するK−1321P粉末である。
【0034】
導電性インクは樹脂を含むことができる。適切な樹脂は、例えば、ポリマー、ポリマー混合物、脂肪酸など、及びそれらの組合せを含むことができる。特定の配置においては、アルキド樹脂を用いることができる。そのような樹脂の例には、Lawter International(米国、ウィスコンシン州、ケノーシャ所在のオフィスを有する会社)から市販されているLV−2190、LV−2183及びXV−1578アルキド樹脂が含まれる。同様に適切な樹脂は、Kerley Ink(米国、イリノイ州、ブロードビュー所在のオフィスを有する会社)から市販されているCrystal Gloss Metallic Amber樹脂、Z−kyd樹脂、及びアルカリ精製あまに油樹脂である。Ron Ink Company(米国、ニューヨーク州、ロチェスタ所在のオフィスを有する会社)から市販されているような大豆樹脂もまた適切である。
【0035】
導電性インク調合物中に用いる溶剤は、当技術分野では周知であり、当業者であれば、特定の印刷用途に用いるための多くの適切な溶剤を容易に識別できる。溶剤は一般に、濡れ重量ベースでインクの約3%と約40%の間を構成する。その量は、任意の所与の印刷法に関する、樹脂の粘性、溶剤の溶媒和特性、導電性粒子サイズ、分布、及び表面形態に応じて変えることができる。一般に溶剤は、所望のインク流動性が達成されるまで、インク混合物に添加することができる。所望の流動性は、用いる印刷法に応じたものとすることができ、高い技術を有するプリンタ及びインク製造業者には周知のものである。
【0036】
導電性インク内の溶剤は、炭化水素溶剤のような無極性溶剤、水、イソプロピルアルコールのようなアルコール、及びそれらの組合せを含むことができる。特定の配置では、脂肪族炭化水素溶剤を用いることができる。適切な溶剤の例には、Exxon Corporation(米国、テキサス州、ヒューストン所在のオフィスを有する会社)からのISOPAR H脂肪族炭化水素溶剤、Exxon CorporationからのEXX−PRINT M71a及びEXX−PRINT 274aの脂肪族及び芳香族炭化水素溶剤、並びに、Lawter International(米国、ウィスコンシン州、ケノーシャ)からのMCGEE SOL 52、MCGEE SOL 47及びMCGEE SOL 470の脂肪族及び芳香族炭化水素溶剤が含まれる。
【0037】
種々の印刷技術を用いて個々の導電性パス又は配線を作成することができる。印刷技術は通常の市販のものとする。例えば、導電性インクを選択された基材上に、紙又は他の基材上にインクを印刷する技術分野で既知の印刷技術を用いて塗布することができ、その既知の印刷技術には、それらに限定されないが、オフセット・リソグラフィ法(湿式、無水及び乾燥)、フレキソ印刷法、輪転グラビア法(ダイレクト又はオフセット)、凹刻印刷法、インク・ジェット法、電子写真法(例えば、レーザ・ジェット及び写真複写)、及び活版印刷法が含まれる。これらの印刷法は望ましいが、その理由は、回路ボード上に配線を形成する従来の方法は多重ステップ(例えば、フォトレジスト、硬化及びエッチング)を含み、時間がかかり、環境に優しくなく、比較的コストが高いためである。本発明の基材上への印刷には、市販の印刷機を用いることが好ましい。市販の印刷機は、印刷後にインクを乾燥させる付加的な乾燥機能を必要とし、又はポリマー・フィルムを処理するための(例えば、静電荷を処理するための)改良を必要とする可能性がある。これらの種類の改良は当技術分野では既知のことであり、通常は市販印刷機を購入するときに注文することができる。印刷技術に応じて、毎分約150フィートから毎分約300フィートまでの範囲の印刷速度を容易に達成することができる。より高い印刷速度、例えば、毎分約1000フィート又はそれ以上の速度でさえも想定される。
【0038】
導電性インクは、乾燥した導電配線又は回路パスが、用いる印刷プロセスに応じて約1μmから約8μmまでの範囲の厚さ寸法を有するような量を堆積できることが望ましい。例えば、約2μmから約3μmまでのインク膜厚さを生じる単一の印刷動作は、通常、十分な導電率を達成するのに十分である。導電性インクは、選択された基材上に、隋意に2回又はそれ以上印刷して選択された基材により多くの導電性インクを与えることができる。特定の配置においては、導電性インクを一回だけ印刷して、多数回印刷するときに起り得る見当合せの問題を避ける。
【0039】
随意に、導電性インクを選択された乾燥温度で乾燥して所望の導電配線又は回路パスを形成する助けとすることができる。特定の態様において、配線をその関連する協働基材内に埋め込むステップの前に乾燥を実施することができる。乾燥温度は基材又は障壁層材料に対する過度の損傷を避けるように選択することが望ましい。
【0040】
導電性インクは、選択された乾燥温度で乾燥して、トラップされた溶剤を含む泡を最小にする、及び/又は急速な溶剤蒸発によるピンホール又は窪みを最小にするように溶剤又は担体の一部又は全てを追い出すことができる。導電性インクは、対流式オーブンのようなオーブンを用いて、或いは、赤外及び高周波乾燥、又は紫外(UV)放射を用いて乾燥することができる。特定の配置において、加熱装置は、印刷された基材がその中を通り抜けることができるように設計することができ、その結果、導電性インクの連続的な乾燥が可能になって大量生産が促進される。用いられる乾燥温度は、用いるインク、選択された基材の軟化温度、及び乾燥時間又はベルト速度に依存する。典型的な乾燥温度は、約125°Fから約150°F(約52℃から約66℃)までの範囲とすることができる。UV放射を用いる場合は、乾燥温度は室温とすることができる。乾燥ステップの後、回路要素は、随意の埋め込みステップの前に放冷させることができる。或いは、乾燥ステップは配線を乾燥温度まで加熱する際に埋め込みステップと連続して達成することができる。
【0041】
望ましい態様において、少なくとも第2のマトリックス領域26は、導電性領域内に選択された抵抗率の有効な形成をもたらす処理剤を含むことができ、選択された処理剤は任意の有効な構成又は技術によって与えることができる。マトリックス基材22の第2のマトリックス領域26を設ける際に、第2のマトリックス領域内に初めに準備された材料は、マトリックス基材の第1のマトリックス領域24と有意に異なるようにさらに修飾又は調整してもしなくてもよい。
【0042】
例えば図1乃至図4を参照すると、マトリックス基材22は第1のマトリックス領域26と少なくとも第2のマトリックス領域28とを含み、少なくとも第2のマトリックス領域28は少なくとも第2の補足材料32を含むように処理することができる。特定の配置において、マトリックス基材22は、選択されたベース材料を含むことができ、このベース材料は少なくとも第1のマトリックス領域26内に配置される。さらに、ベース材料30はまた、第2のマトリックス領域28の内部まで延びることができ、又は他の方法でその内部に配置することができる。少なくとも第2のマトリックス領域28は補足材料32を含む。隋意に、補足材料は第1のマトリックス領域26内にまで延びるように構成することができる。望ましい構成において、導電性材料を補足材料32の選択された範囲に堆積させるか又は他の方法で塗布して、所望の導電性領域24を設けることができる。
【0043】
マトリックスのベース材料30は、例えば繊維状として第1の繊維状材料を含むことができる。代替的に、ベース材料は非繊維状とすることができる。例えば、ベース材料は発泡材料又は他の多孔性材料とすることができる。典型的には、ベース材料は表面孔、開口、空隙又は他の表面隙間を含む。従って、第1のマトリックス領域26は、複数の表面隙間を有する第1の繊維状層を含むことができる。第2の補足材料もまた、所望により繊維状又は実質的に非繊維状とすることができる。
【0044】
図1は典型的に、補足材料32が繊維を含むか又は他の方法で繊維状に構成された構成を示す。図示した実施例に示すように、繊維状ベース材料30はまた不織布を含むことができる。典型的な不織ベース布は、スパンボンド布、ボンデッド・カード・ウェブ布など、並びにそれらの組合せを含むことができる。
【0045】
繊維状補足材料32は、ベース材料から分離して設けられた不織繊維状材料を含むことができる。適切な補足材料は、例えば、不織布、メルトブローン繊維層又は階層など、並びにそれらの組合せを含むことができる。望ましい構造において、繊維状補足材料32の層は、補足材料32に塗布された導電性材料に対する、より連続的な又は別様に改善された支持を与える。
【0046】
望ましい典型的な配置において、マトリックス基材22は、スパンボンド布を含むベース材料を有することができ、補足材料は別個に設けられた繊維状メルトブローン層を含むことができる。メルトブローン繊維層は、比較的低い多孔率を有し、塗布される導電性インクに対して比較的低い透過性を有することができる。メルトブローン材料の多孔率又は透過性は、例えば、メルトブローン材料のパターン及び密度を制御することによって調節することができる。望ましい態様において、メルトブローン材料は第2のマトリックス領域内の材料の表面隙間を渡って有効に架橋するように構成して、所望の抵抗率を有する構成における導電性領域を支持することができる。
【0047】
導電性インク又は他の導電性材料を、製造プロセス中に、メルトブローン繊維がベース材料30に塗布される位置の近くの次の場所に、メルトブローン繊維層を塗布することができる。例えば、導電性インクは、メルトブローン繊維層がベース材料30のスパンボンド繊維状層の上に形成される位置の直ぐ近くの後の場所にスプレー又は別の方法で印刷される。
【0048】
別の構造において、別個に設けられる補助材料34の層を塗布又は別の方法で配置して、図2に典型的に示すように、補足材料32を補助材料とベース材料30の間に有効に挟むことができる。さらに、導電性材料を補足材料32と補助材料34の間に挟むことができる。
【0049】
随意の配置において、物品30はさらに第3のマトリックス領域を備えることができる。特定の構成において、第3のマトリックス領域は第3の繊維状層を含むことができる。他の態様は、第1の繊維状層を含む第1のマトリックス領域と、メルトボーン繊維を含有する第2の繊維状層を含む第2のマトリックス領域とを有することができる。さらに別の態様において、第2のマトリックス領域を第1のマトリックス領域と第3のマトリックス領域の間に挟むことができる。
【0050】
代替の配置において、補足材料32がベース材料30と補助材料34の間に挟まれる構成は、1つ又はそれ以上の方向に弾力的に伸びることができる弾性材料を加えることによって構成することができる。そのような伸縮性材料は、ネックボンデッド・ラミネート(NBL)、ストレッチボンデッド・ラミネート(SBL)又は垂直フィラメント・ラミネート(VFL)の構造を有することができる。従って伸縮性材料は導電性材料のストリップ又は他の領域を含有することができる。
【0051】
図3は、少なくとも第2のマトリックス領域26が、実質的に繊維を排除するか又は他の方法で実質的に非繊維状に構成された補足材料32による処理剤を有する構成を典型的に示す。典型的に示すように、第1のマトリックス領域26は複数の表面隙間を有する第1の繊維状又は非繊維状層を含むことができる。さらに、第2のマトリックス領域28は、対応する複数の表面隙間を有する第1の繊維状又は非繊維状層を含むことができる。第2のマトリックス領域は、表面隙間の空隙を有効に充填する補足充填材料をさらに含むことができる。従って、充填材料は、第2のマトリックス領域の少なくとも表面隙間を渡って架橋する助けとなる。特定の態様において、補足充填材料は表面隙間を渡って有効に架橋して、所望の抵抗率を有する構成において導電性領域を支持することができる。
【0052】
多孔質基材材料の表面空隙又は他の表面隙間は、選択された局所領域において補足材料32で充填して、有効に非多孔質であるランディング・ゾーン36を作ることができる。次に、導電性インク又は他の導電性材料をランディング・ゾーン36に印刷するか又は他の方法で塗布することができる。マトリックス基材22のベース材料の大部分は、著しく多孔性のままであり、マトリックス基材22の全体としての全表面積の比較的小さな割合を選択された補足充填材料で有効に充填することができる。
【0053】
ランディング・ゾーンの充填材料は任意の有効な材料を含むことができ、充填材料が液状又は半固形状である際に塗布できることが望ましい。適切な充填材料は、ワックス材料、ホットメルト接着材料、合成ポリマー材料など、及びそれらの組合せを含むことができる。個々のランディング・ゾーン36に塗布される導電性インク又は他の導電性材料は、ランディング・ゾーンに浸透するか、又はランディング・ゾーンの終端縁を越えて若しくはその周囲に延びて、基材材料の1つの主接面から向かい側の接面まで厚さ寸法を通して導電性をもたらすように構成することができる。
【0054】
充填材料は、選択されて融解点温度(融点)を有することができる。特定の態様において、融点は少なくとも最低で約38℃とすることができる。代替的に、所望の便益をもたらすように、融点は少なくとも約50℃とすることができ、また隋意に少なくとも約60℃とすることができる。他の態様において、融点は最高で約150℃まで又はそれ以上にすることができる。代替的に、所望の効率をもたらすように、融点は約140℃までとすることができ、また随意に約130℃までとすることができる。
【0055】
融点は、充填材料が液体又は他の有効に粘着性の状態にある際に、充填材料の第2のマトリックス領域への堆積又は他の方法による塗布を都合よく可能にするように選択することができる。
【0056】
図4及び図4Aを参照すると、少なくとも1つの選択されたマトリックス領域は処理剤を含むことができ、その場合、導電性インク又は他の導電性材料が1つ又はそれ以上の基材材料と有効に結合する。例えば、導電性材料は第2のマトリックス領域28と有効に結合する。個々の導電性領域24内の導電性材料は、初めに選択されたマトリックス領域の表面に塗布することができ、そして選択されたマトリックス領域(例えば第2のマトリックス領域28)内の材料を融解させ、又は有効な圧縮力Fを加えることにより別様に一体化又は接合させて、複合材料38にすることができる。
【0057】
選択されたマトリックス領域内のベース基材材料は、任意の適切な材料を含むことができる。そのような材料は、例えば、SMS材料、ポリマー・フィルム材料、不織布材料など、並びにそれらの組合せを含むことができる。材料はまたエラストマとすることができ、1つ又はそれ以上の層又は階層を含むことができる。そのような材料は、例えば、NBL材料、SBL材料、VFL材料など、並びにそれらの組合せを含むことができる。例えば、選択されたマトリックス領域は、スパンボンド布、ベース材料、及び繊維状メルトブローン層を含むことができる。導電性材料をメルトブローン層に塗布することができる。
【0058】
力Fは任意の有効な技術で発生させることができる。そのような技術は、例えば、超音波技術、機械的圧力技術、流体圧力技術など、並びにそれらの組合せを含むことができる。導電性材料を選択されたマトリックス領域の材料内部に押し込むことは、例えば、導電性材料の密度を増加させることができ、その結果、導電性材料は所望の高導電率及び低抵抗率(例えば、導電体単位長当たりの抵抗)をより効果的に維持することになり、同時に導電性領域は第2のマトリックス領域に有効に隣接して配置され、意図した用途用に構成される。それはまた、用途に応じて基材材料内の1つ又は両方の面からの導電性経路に接続する改善された機能をもたらすことができる。導電性材料を押し込んで複合材料38にするステップは、選択されたパラメータを調節することによって制御することができる。そのようなパラメータは、例えば、導電性インクの追加量、複合材料38を形成するのに加えられる融合又は押し込み圧力、押し込み装置の形状、及びマトリックス基材材料内の隙間のサイズに比較したインク粒子のサイズ、並びに他のパラメータを含むことができる。
【0059】
従って、物品20は第1のマトリックス領域と少なくとも第2のマトリックス領域とを有することができる。第1のマトリックス領域は第1の繊維状層を有することができ、第2のマトリックス領域は第2の繊維状層を有することができる。導電性材料は、選択されたマトリックス領域内のマトリックス材料に塗布することができる。さらに、第2のマトリックス領域と塗布された導電性材料とは互いに有効に圧縮されて導電性領域の抵抗率を与える。
【0060】
別の態様において、第2のマトリックス領域28は、繊維を融解し、ガラス化し又は融合させることにより修飾して、有効に非多孔質である有効なランディング・ゾーン(例えば、融合領域38を有するランディング・ゾーン)を作成することができる。次に導電性インク又は他の導電性材料をランディング・ゾーンに印刷するか又は別の方法で塗布することができる。マトリックス基材22のベース材料の大部分は著しく多孔質のままに留まることができ、マトリックス基材22の全般的な全表面積の比較的小さな割合を融合材料で有効に充填することができる。特定の配置において、補足材料を加えて融合領域内の所望の低多孔率をもたらす助けとすることができる。
【0061】
第2のマトリックス領域は選択された坪量を有する第2の繊維状層を含むことができる。特定の態様において、第2の繊維状層の坪量は少なくとも最低で約5g/m2とすることができる。代替的に、所望の便益をもたらすように、坪量は少なくとも約10g/m2、また随意に少なくとも約15g/m2とすることができる。他の態様において、第2の繊維状層の坪量は最大で約130g/m2まで、又はそれ以上にすることができる。代替的に、所望の有効性をもたらすように、坪量は約45g/m2又は60g/m2までとすることができ、また隋意に約30g/m2までとすることができる。別の構造において、第2のマトリックス領域は有効に圧縮して選択された複合密度をもたらすことができる。
【0062】
さらに別の構造は、選択された抵抗率値を有するマトリックス基材22を含むことができる。従って、第1のマトリックス領域26、第2のマトリックス領域28及び/又は他のマトリックス領域の少なくとも基材部分は、選択された抵抗率値を有することができる。特定の態様において、抵抗率値は少なくとも最低で約5メガオーム毎メートル(MΩ/m)とすることができる。代替的に、所望の性能をもたらすように、抵抗率値は約10MΩ/mまでとすることができ、また隋意に約100MΩ/mまで、又はそれ以上にすることができる。望ましい配置において、マトリックス基材22の、特に第1のマトリックス領域26内の抵抗率値は、導電性領域24の抵抗率値よりも少なくとも約一桁(10倍)大きくすることができる。代替的に、改善された便益をもたらすように、マトリックス基材22の抵抗率値は、導電性領域24の抵抗率値よりも少なくとも約100倍大きくすることができ、また随意に導電性領域の抵抗率値よりも少なくとも約1000倍大きくすることができる。
【0063】
個々の導電性領域24は、選択された単位長当りの電気抵抗値を有することができる。望ましい態様において、単位長当りの抵抗値は実質的にゼロΩ/m(オーム/メートル)とすることができる。他の態様において、単位長当りの抵抗値は最大でも約1MΩ/m(メガオーム/メートル)を超えない値とすることができる。代替的に、改善された有効性をもたらすように、単位長当りの抵抗値は約1KΩ/m(キロオーム/メートル)を超えない値とすることができ、また随意に約100Ω/mを超えない値とすることができる。
【0064】
別の態様において、個々の導電性領域24の抵抗率値は、実質的に導電性材料1ミル当りゼロオームパースクエア(Ω/スクエア毎ミル)とすることができ、ここで1ミル=0.001インチである。代替的に、抵抗率値は0.1Ω/スクエア毎ミルほどにも低くすることができ、また随意に1Ω/スクエア毎ミルほどにも低くすることができる。さらに他の態様において、抵抗率値は最大で約33KΩ/スクエア毎ミルを超えない値とすることができる。代替的に、改善された有効性をもたらすように、抵抗率値は約16KΩ/スクエア毎ミルを超えない値とすることができ、また隋意に約8KΩ/スクエア毎ミルを超えない値とすることができる。
【0065】
「オームパースクエア毎ミル」を用いて抵抗率値を測定するための適切な手順は、ASTM F1896−98(2004年再承認)、Test Method for Determining the Electrical Resistivity of a Printed Conductive Material、である。
【0066】
望ましい構造において、導電性領域は比較的長い長さ寸法を有し、比較的小さな横断デックル幅寸法40を有する。導電性領域は、少なくとも約0.1cmの実質的に連続的な導電性経路長寸法に沿って長く延びることができる。代替的に、導電性経路長は少なくとも約1cmとすることができ、また随意に少なくとも約100cmとすることができる。別の構造において、導電性経路長は約1000cmまで又はそれ以上にすることができる。
【0067】
さらに別の構造は、約10cmまでの横断デックル寸法40を有する導電性領域24を含むことができる。代替的に、所望の便益をもたらすように、クロスデッケル寸法は約5cm又はそれ以下とすることができ、また隋意に約1cm又はそれ以下とすることができる。さらに、クロスデッケル寸法は0.1cm又はそれ以下ほどにも小さくすることができる。
【0068】
個々の導電性領域の長さ、幅及び他の寸法は、標準的な顕微鏡法を用いて測定できることを認識されたい。そのような方法は当技術分野で通常且つ周知のものである。
【0069】
図5及び図6を参照すると、物品の別の態様は、選択されたセンサ・データを供給することができるセンサ機構46に有効に接続された、少なくとも1つの導電回路パス50又は他の導電性領域を含むことができる。さらに別の態様において、少なくとももう一つの導電回路パス52を、センサ・データを有効に受け取って選択された信号データを供給することができる電子プロセッサ機構48に有効に接続することができる。
【0070】
任意の適切な検出、検知又は問合せデバイス又はシステムを有効に用いて、本方法を組み入れたセンサ機構46を設けることができる。適切なセンサ機構は、例えば、濡れセンサ、運動センサ、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、位置センサ、近接センサ、光センサ、臭気センサなど、並びにそれらの組合せを含むことができる。
【0071】
本方法により生成されるセンサ・データには、任意の適切な情報又はデータを有効に含めることができることを認識されたい。適切なセンサ・データは、例えば、抵抗、電圧、キャパシタンス、インダクタンス、濡れ、運動、温度、湿度、圧力、位置、近接、光、臭気など、並びにそれらの組合せ、に関するデータを含むことができる。
【0072】
任意の適切な分析、計算又は評価デバイス又はシステムを、電子プロセッサ機構48に有効に含めることができる。適切な電子プロセッサ機構は、例えば、マイクロ・コントローラ、マイクロ・プロセッサ、アナログ・デジタル変換器、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ)、電子メモリ・デバイスなど、並びにそれらの組合せを含むことができる。電子プロセッサは、デジタル又はアナログ・データを収集し、処理し、ストアし、分析し、変換し、フィードバックを供給することなど、並びにそれらの組合せ、を実行することができる。
【0073】
任意の適切な情報又はデータを、本方法で生成される信号データに有効に含めることができることを認識されたい。適切な信号データは、例えば、光、音、触覚、臭気、電気的刺激、生体測定データ、運動、振動、無線通信など、並びにそれらの組合せに関するデータを含むことができる。
【0074】
望ましい配置において、電子プロセッサ機構48は信号データを別の比較的遠隔の場所に転送するように構成することができる。典型的に図示したように、例えば、本発明の方法は信号データを無線通信によって遠隔のレシーバ・デバイス56に送るように構成することができる。
【0075】
典型的に図示したパーソナルケア物品のような適切な製品は、本発明を組み入れるように構成することができる。図示したように製品60は、例えば、乳児用オムツ又は小児用トレーニング・パンツを提供するように構成することができる。この製品は、外側カバー層62、及び、不織布コンポーネントの選択された身体側又は外側表面に沿って配備された第1の回路パス50を有することができる。随意に、この製品は、外側カバーの外側の衣類側表面に沿って配備された1つ又はそれ以上の第2の回路パス52を含むことができる。典型的に図示したように、この製品は、選択された不織布コンポーネントの選択された表面に沿って配備された、1つ又はそれ以上の補足の第1の回路パス50a、及び、外側カバーの外側の衣類側表面に沿って配備された、1つ又はそれ以上の補足の第2の回路パス52aを含むことができる。
【0076】
特定の配置において、第1の回路パス50及び50aは、選択されたセンサ機構に有効に接続することができる。典型的に図示した配置において、例えば、センサ機構は濡れセンサとすることができる。
センサ機構は、例えば、無線、音声、モニタされる事象の視覚及び/又は触覚示度に関する、1つ又はそれ以上の機能又は作用をもたらすように構成することができる。さらに、センサ機構は、例えば、事象の回数、事象間の時間間隔に関する1つ又はそれ以上の機能又は作用、並びに、使用者が望む選択された事象に関する任意の他の統計をもたらすように構成することができる。典型的に図示したように、例えば、センサ機構は、物品60内にあって選択された閾値レベルを超えて存在する水性液体の存在を検出するように構成された内部センサとすることができる。
【0077】
さらに、回路パス50及び50aは、選択された電子プロセッサ機構48に有効に接続することができる。典型的に図示した配置において、例えば、電子プロセッサ機構はマイクロ・コントローラとすることができ、そして適切な回路は、介在するコンポーネントの厚さを通して延びて、第1の回路パス50を第2の回路パス52に接続することができる。さらに、電子プロセッサ機構は協働回路パスに選択的に接続して所望の操作性をもたらすことができる。電子プロセッサ機構は、例えば、データを変換し(アナログからデジタルへ、又はデジタルからアナログへ)、データをストアし、所定の応答を起動し、使用者による中断を可能にし、信号処理、コンピュータ及びプロセス・アルゴリズムを提供することなど、並びにそれらの組合せを実行するように構成することができる。
【0078】
典型的に図示したように、第1回路パス(50及び/又は50a)の少なくとも選択された部分は、第1の所定の電気的接合位置において第2の回路パス(52及び/又は52a)の少なくとも有効な部分に近接して配置される。外側カバー62は、第1の回路パスと第2の回路パスの間に挿入される位置を有し、第1の接合位置において第1の回路パスと第2の回路パスの間に挿入される電気的絶縁障壁層をもたらす材料で構成される。第1の回路パス50及び/又は50aは、第2の回路パス52及び/又は52aに外側カバー62の厚さ寸法を通して、第1の接合位置に配置された機械的接合により有効に接続するように構成される。機械的接合は超音波接合を含むことが望ましい。機械的接合は、第1の接合位置において指定された第1の回路パスと指定された第2の回路パスとの間の導電性接合パス54を与えるように構成される。
【0079】
介在する絶縁材料層を通して導電性接合パスを設けるのに適した技術の一例は、Darold Tippey他(代理人書類番号64121572US01)による、2006年8月31日出願の「導電性多層物品における導電性架橋」と題する特許文献3に記載されている。この文献の全開示は、引用により本明細書と矛盾しない様式で本明細書に組み入れられる。
【0080】
典型的に図示したように、別個に設けられた外部電子プロセッサ機構48は、第2の回路パス52及び/又は52aに有効に接続することができる。望ましい配置において、電子プロセッサ機構48は、外側カバー62の外側表面上の第2の回路パス52及び/又は52aに、取外し可能に取り付けるか又は別様に取外し可能に接続することができる。従って、導電性接合パスを用いて、内部に配置されたセンサ機構を、別個に設けられた外部電子プロセッサ機構に、有効な導電性接続により有効に接続することができる。
【0081】
製品60はまた、上面シート又は身体側ライナ層64、及び、外側カバー層62と上面シート層64の間に配置された吸収材構造体66を含むことができる。さらに、製品60は他のコンポーネント、例えば、当技術分野で周知の通常の配置におけるファスナー、弾性部材、移動層、分配層などを所望により含むことができる。
【0082】
外側カバー62は、任意の有効な材料で作成することができ、有効に液体透過性であるように構成してもしなくともよい。特定の構成において、外側カバー層62は有効に液体不浸透性である層をもたらすように構成することができる。外側カバーは、例えば、ポリマー・フィルム、織布、不織布など、並びにそれらの組合せ又は複合物を含むことができる。例えば、外側カバー62は、織布又は不織布に貼り合わされたポリマー・フィルムを含むことができる。特定の構造において、ポリマー・フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなど、並びにそれらの組合せで構成することができる。さらにポリマー・フィルムはマイクロ・エンボス加工することができる。外側カバー62は、製品の外、特に吸収材(例えば貯留又は吸収材構造体66)の外への空気又は水蒸気の十分な移動を有効に可能にし、同時に体液の移動を妨げることが望ましい。
【0083】
上面シート層64は、任意の有効な材料で作成することができ、そして複合材料とすることができる。例えば、上面シート層は織布、不織布、ポリマー・フィルムなど、並びにそれらの組合せを含むことができる。不織布の例には、スパンボンド布、メルトブローン布、コフォーム布、カード・ウェブ、ボンデッド・カード・ウェブなど、並びにそれらの組合せが含まれる。例えば、上面シート層は、織布、不織布、有効に液体浸透性に構成されたポリマー・フィルムなど、並びにそれらの組合せを含むことができる。上面シート層を作成するのに適した材料の他の例には、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン又は他の熱接合可能な繊維のボンデッド・カード・ウェブ、ポリプロピレンとポリエチレンのコポリマーのようなポリオレフィン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリ乳酸のような脂肪族エステル、微細穿孔フィルム・ウェブ、網状材料など、並びにそれらの組合せを含めることができる。
【0084】
上面シート層64はまた、身体側表面の少なくとも一部分を界面活性剤で処理して上面シートをより親水性にすることができる。界面活性剤はそこに達した体液がより速やかに上面シート層に浸透するのを可能にすることができる。界面活性剤はまた、そこに達した月経液のような体液が上面シート層を通して製品の他のコンポーネント(例えば、吸収材本体構造体66)に浸透せずに上面シート層から流れ出る可能性を小さくすることができる。特定の構成において、界面活性剤は、吸収材の上部身体側表面を覆う上面シート層64の上部身体側表面の少なくとも一部分にわたって実質的に均一に分布させることができる。
【0085】
上面シート層64は典型的には、吸収材構造体の上部身体側表面上を延びるが、代替的に、製品の周りをさらに延びて吸収材構造体を部分的又は全体的に囲む又は取り囲むことができる。代替的に、上面シート層64及び外側カバー層62は、吸収材構造体66の終端の周縁端部を超えて外向きに延びる周縁マージンを有することができ、その延びたマージンは吸収材構造体を部分的又は全体的に囲む又は取り囲むように相互に接合することができる。
【0086】
吸収材本体66の構造体は、吸収性繊維及び/又は吸収性微粒子材料のマトリックスをふくむことができる。吸収性繊維は天然又は合成繊維を含むことができる。吸収材構造体66はまた超吸収性材料を含むことができ、この超吸収性材料は、選択されたサイズ及び形状を有する粒子の形態とすることができる。本発明に用いるのに適した超吸収性材料は当業者には既知である。原則として、水膨潤性であり、一般に水不溶性であり、ヒドロゲルを形成するポリマー吸収性材料(超吸収性材)は、水中でその重量の少なくとも約10倍、望ましくは約20倍、場合によっては約100倍又はそれ以上を吸収することができる。さらに、吸収材本体構造体66は複合物を含むことができる。吸収材複合物は、所望により、例えば、吸込み層、分配層及び/又は貯留/保持層を含むことができる。
【0087】
センサ・システムを含むパーソナルケア物品の一例は、Andrew Long他による、2005年12月15日出願の「使い易い信号デバイスを有する衣類」と題する特許文献4に記載されている。この文献の全開示は、引用により本明細書と矛盾しない様式で本明細書に組み入れられる。
【0088】
当業者であれば、本発明には、本発明の範囲から逸脱せずに多くの修正及び改変が可能であることを認識するであろう。従って、上に記述した詳細な説明及び実施例は、例証のためだけのものであり、添付の特許請求の範囲において記述される本発明の範囲を、如何なる方法においても限定することを意図したものではない。
【符号の説明】
【0089】
20:使い捨て物品
22:マトリックス基材
24:導電性領域
26:第1のマトリックス領域
28:第2のマトリックス領域
30:ベース材料
32:補足材料
34:補助材料
36:ランディング・ゾーン
38:複合材料
40:クロスデッケル幅寸法
46:センサ機構
48:電子プロセッサ機構
50、50a:第1の導電回路パス
52、52a:第2の導電回路パス
56:遠隔レシーバ・デバイス
60:製品
62:外側カバー
64:身体側ライナ層(上面シート層)
66:吸収材構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
限定的用途の使い捨て物品であって、
実質的に連続的に延びるマトリックス材料の網状構造を含むマトリックス基材と、
前記マトリックス基材に導電性材料の粘着性構成から有効に塗布された、別々に設けられた前記導電性材料の導電性領域と、
を備え、
前記マトリックス基材は第1のマトリックス領域と、少なくとも第2のマトリックス領域とを含み、
少なくとも前記第2のマトリックス領域は、前記導電性領域内に選択された抵抗率の有効な形成をもたらす処理剤を含み、
前記第1のマトリックス領域は少なくとも約5MΩ/mの抵抗率値を有し、
前記導電性領域は、前記第2のマトリックス領域に有効に隣接して配置され、
前記導電性領域は、該導電性領域が前記第2のマトリックス領域に有効に隣接して配置され且つその意図した用途用に構成された場合に測定するとき、有効に低い抵抗率値を有する、
ことを特徴とする物品。
【請求項2】
前記導電性領域は、約1MΩ/mを超えない抵抗率値を有することを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記導電性領域は、約33KΩ/スクエア毎ミルを超えない抵抗率値を有することを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記導電性領域は付随する抵抗率値を有し、前記第1のマトリックス領域は前記導電性領域の前記抵抗率値の少なくとも約10倍の抵抗率値を有することを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記第2のマトリックス領域は約130g/m2までの坪量を有することを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記マトリックス材料は、相互接続された複数のマトリックス要素をもたらすように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
前記マトリックス材料は、相互接続された複数の繊維をもたらすように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記第1のマトリックス領域は第1の繊維状領域を含み、
前記第2のマトリックス領域は第2の繊維状領域を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の物品
【請求項9】
前記第2のマトリックス領域はメルトブローン繊維層を含むことを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
第3のマトリックス領域をさらに備え、
前記第1のマトリックス領域は第1の繊維状領域を含み、
前記第2のマトリックス領域は、メルトブローン繊維を含有する第2の繊維状領域を含み、
前記第3のマトリックス領域は第3の繊維状領域を含み、
前記第2のマトリックス領域は、前記第21マトリックス領域と前記第3のマトリックス領域との間に挟まれる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記第1のマトリックス領域は、複数の表面隙間を有する第1の繊維状領域を含み、
前記第2のマトリックス領域は、該第2のマトリックス領域の前記表面隙間をわたって有効に架橋して、約1MΩ/mを超えない抵抗率値を有する構成の導電性領域を支持する充填材料を含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記充填材料は、少なくとも約38℃の融解点温度を有し、液体状態から前記第2のマトリックス領域に塗布されることを特徴とする、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記充填材料はワックス又はホットメルト接着剤を含むことを特徴とする、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記第1のマトリックス領域は、約130g/m2までの坪量を有する第1の繊維状領域を含み、
前記第2のマトリックス領域は、約130g/m2までの坪量を有する第2の繊維状領域を含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項15】
前記第1のマトリックス領域は第1の繊維状領域を含み、
前記第2のマトリックス領域は第2の繊維状領域を含み、
前記第2のマトリックス領域と前記塗布された導電性材料とは、相互に有効に圧縮されて前記導電性領域の前記抵抗率をもたらす、
ことを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記導電性材料は、該導電性材料の有効な液体構成から前記マトリックス基材に塗布されることを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項17】
前記導電性材料は、前記マトリックス基材に印刷された導電性インク材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項18】
限定的用途の使い捨て物品であって、
マトリックス材料を含む相互接続されたマトリックス要素の実質的に連続的に延びる網状組織によってもたらされるマトリックス基材と、
前記マトリックス基材に導電性材料の有効な液体構成から塗布された、別々に設けられた前記導電性材料の導電性領域と、
を備え、
前記マトリックス基材は第1のマトリックス領域と、少なくとも第2のマトリックス領域とを含み、
少なくとも前記第2のマトリックス領域は、前記導電性領域内に選択された抵抗率の有効な形成をもたらす処理剤を含み、
前記第1のマトリックス領域は少なくとも最低で約5MΩ/mの抵抗率値を有し、
前記第2のマトリックス領域は少なくとも最低で約5MΩ/mの抵抗率値を有し、
前記導電性領域は、前記第2のマトリックス領域に有効に隣接して配置され、
前記導電性領域は、該導電性領域が前記第2のマトリックス領域に有効に隣接して配置され且つその意図した用途用に構成された場合に測定するとき、約1Ω/mを超えない抵抗率値を有し、
前記第1の領域の前記抵抗率値は、前記導電性領域の前記抵抗率値の少なくとも約10倍である、
ことを特徴とする物品。
【請求項19】
前記第1のマトリックス領域は第1の繊維状領域を含み、
前記第2のマトリックス領域は、メルトブローン繊維を含有する第2の繊維状領域を含む、
ことを特徴とする、請求項18に記載の物品。
【請求項20】
前記第1のマトリックス領域は、複数の表面隙間を有する第1の繊維状領域を含み、
前記第2のマトリックス領域は、該第2のマトリックス領域の前記表面隙間をわたって有効に架橋して、約1KΩ/mを超えない抵抗率値を有する構成の導電性領域を支持する充填材料を含む、
ことを特徴とする、請求項18に記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−502251(P2010−502251A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526215(P2009−526215)
【出願日】平成19年8月14日(2007.8.14)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053226
【国際公開番号】WO2008/026117
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ポラロイド
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】