小テスト学習装置
【課題】外国語の単語、漢字や諸分野の専門用語を学習する際に、一度に複数の学習問題とその中に含む学習記録である出題回数、正解回数、正解率を小テスト形式で表示し、学習者が学習記録を確認しながら効率よく学習を繰り返すことができる小テスト学習装置を提供する。
【解決手段】 学習記録を含む学習問題を保持する学習リストを、小テストを作成する毎に出題回数と正解率を交互にキーとして昇順にソートし、上位から所定数の学習問題を抽出し、学習記録とともに同時に小テスト形式で表示し、前回不正解の問題の正解率を赤色で表示して学習者に注意喚起する。入力された解答を解析し、ディスプレイに正解と更新された学習記録を表示する。そして、正解数が所定数になるまで小テスト学習を繰り返す。
【解決手段】 学習記録を含む学習問題を保持する学習リストを、小テストを作成する毎に出題回数と正解率を交互にキーとして昇順にソートし、上位から所定数の学習問題を抽出し、学習記録とともに同時に小テスト形式で表示し、前回不正解の問題の正解率を赤色で表示して学習者に注意喚起する。入力された解答を解析し、ディスプレイに正解と更新された学習記録を表示する。そして、正解数が所定数になるまで小テスト学習を繰り返す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピューターを使用した小テスト形式による学習が可能な小テスト学習装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、外国語の単語、漢字、諸分野の専門用語を学習する際に、単語カードを活用した学習や、暗記用の書籍を用いて「覚えた」、「覚えていない」をチェックしながら繰り返す学習が行なわれてきた。学校では、紙による小テストを行ない、直近に学習した学習内容の理解の確認を行なっている。これには手軽に取組み易い長所がある。
市販のパーソナル・コンピューターやゲーム機を用いた学習ソフトでは、ランダムに問題を抽出し、問題が表示されたら、学習者がそれに対する解答を入力し、コンピューターが正誤判定を行なう。これを所定数繰り返した後、全体の採点を行ない、どの程度理解できたかを判断できるようになっている。そして、成績管理が行なわれているため、成績の悪い問題は再度学習できるようになっている。
また、学習問題を一覧表示して解答を入力させる学習方法がある。これは、学習問題を習熟状態にある問題と未習熟状態にある問題を分けるために行なう学習と習熟状態によって問題を分けて復習するために行なうものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3820421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の手作業で行なう単語カード、書籍、学校での小テストを活用した方法は、過去に何問解いて何問正解したかという統計データを取ることに手間がかかるため、どの問題が難しいか易しいかを客観的に判断することに手間がかかる。そのため、前回間違えた問題を再度出題する場合、比較的易しい問題と難しい問題を同じレベルの問題として出題することもあり、効率が悪い。
ランダムに問題を抽出し、1画面で1問出題する方法は、各問題の出題回数と難易度にばらつきが生じ、出題されるテスト問題を所定数分淡々とこなしていかなければならす、繰り返していくうちに1問ごとの解答がおろそかになっていく。そして、不正解であった問題が再度出題されるまでに時間がかかることがあるため、間違えた時点で正解を確認して覚えたとしても、時間の経過とともに忘れてしまい、再度出題されたときに同じ間違いを犯してしまうことがある。
また、学習問題を一覧表示してテストを行なう場合、表示される内容は学習問題、解答や正誤判定であり、1問ごとの学習問題の学習進度がどのような状況にあるかをそのつど確認しながら学習を進めることはできない。このため、一覧表示された学習問題を淡々と解いていかなければならず、学習を進めていくうちに1問ごとの解答がおろそかになることがある。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解決するために、請求項1の発明は、質問、正解と、1回の学習の学習記録である出題回数、正解回数、正解率と、複数回の学習での学習記録を通算した通算出題回数、通算正解回数、通算正解率の項目を含む学習問題を保持する学習リストを、小テストを作成する毎に出題回数と正解率の項目を交互にキーとして昇順にソートし、上位から所定数の学習問題を抽出し、学習記録を含めて小テストを作成し、所定数の学習問題を同時に小テスト画面上に表示し、所定の正解回数に達していない学習問題を未習熟として繰り返しテストできる小テスト作成手段と、前記小テスト画面上で、前回の出題で不正解であった学習問題の正解率の欄を色分けして表示し、学習者に注意喚起して解答を入力させる小テスト学習手段と、正誤判定を行ない、前記小テスト画面に正解と更新した学習記録と小テストの採点を表示するとともに、正解した問題と不正解の問題の解答入力欄を色分けして表示し、学習リストの学習記録を更新する解答解析手段と、前記学習リストから、学習者が通算正解率の範囲を設定して学習問題を抽出し、前記学習リストと同じ構成で難問リストを作成し、学習リストと同様に使用することができる難問リスト作成手段とを具備する。
【0006】
請求項2の発明は、前記小テスト作成手段において、前記学習リストから特定の数値あるいは文字を検索キーとして学習問題を抽出し、一時的な学習リストを作成してから所定数の学習問題を抽出する。
【0007】
請求項3の発明は、前記小テスト作成手段において、学習分野が中国語で、中国語の単語の声調を学習する場合、学習問題の質問に中国語の単語、正解に声調符号を数値化した数字とすることにより、学習者が声調符号の代わりに、声調符号を数値化した数字を解答入力欄に入力することで、数字による正誤判定を可能にする。
以上を特徴とする小テスト学習装置である。
【発明の効果】
【0008】
一度に複数の学習問題を表示する小テスト形式をとり、学習リストに対して、出題回数と正解率の項目を交互にキーとして昇順にソートし、上位から所定数の学習問題を抽出することにより、出題の偏りを減らし、正解率の低い学習問題の出題回数を多くすることができ、難解な問題であっても、出題頻度を多くすることで記憶に定着させることができる。
そして、前回の正誤判定の結果と正解率を参照して解答することができるため、個々の学習問題に対する注目度が上がり、学習意欲を持続できる。
また、学習者が通算正解率の範囲を決めて難問リストを作成することで、独自の難易度による学習問題を出題することができるため、学習を効率的に進めることができる。
このため、より多くの学習問題に対して、短時間に効率よく学習し、記憶に定着させる効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例に係るブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る学習リストの構成図である。
【図3】本発明の実施例に係る小テスト学習画面である。
【図4】学習リストの項目名を中国語学習への応用で変更した項目名の対応図である。
【図5】学習リストから学習問題を抜粋したイメージ図である。
【図6】本発明の実施例に係る全体処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施例に係る小テスト作成のフローチャートである。
【図8】本発明の実施例に係る小テスト学習のフローチャートである。
【図9】本発明の実施例に係る解答解析のフローチャートである。
【図10】本発明の実施例に係る難問リスト作成のフローチャートである。
【図11】小テストを出題した画面である。
【図12】学習リスト呼出し、保存を行なう画面である。
【図13】小テスト作成の条件設定画面である。
【図14】図13の抜粋で、別の条件を設定した画面である。
【図15】図14で設定した条件で抽出した一時リストのイメージ図である。
【図16】図13の抜粋で、別の条件を設定した画面である。
【図17】図16で設定した条件で抽出した一時リストのイメージ図である。
【図18】小テスト学習画面の解答入力をしたときの画面である。
【図19】小テスト学習画面の採点をしたときの画面である。
【図20】難問リスト作成の条件設定画面である。
【図21】難問リストから学習問題を抜粋したイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図21を用いて、小テスト学習装置について具体例を用いて説明する。
本発明は、画面の解像度に合わせて表示可能な問題数にすることで、画面解像度の小さいコンピューターを内蔵したゲーム機や携帯電話でも実現可能であるが、本構成はパーソナル・コンピューターを使用することを前提にして説明する。
【実施例】
【0011】
図1は本発明の小テスト学習装置のブロック図である。
コンピューターの主体となるのは、CPU1とRAM2で、入出力インターフェース10により周辺装置と接続される。
【0012】
ハードディスク3は、データ管理プログラム11と小テスト学習装置の小テスト学習プログラム14を保存する外部記憶装置である。
データ管理プログラム11はデータベース・ソフトあるいは表計算ソフトなどの検索機能とソート機能を持つプログラムを使用する。また、一般的にデータベース・ソフトでテーブルまたは表、表計算ソフトでシートまたは表と呼ばれるデータを管理する表のことを、ここでは、リストと表現する。
学習リスト12は1つ以上存在し、1回の学習で必要な量の学習問題を保持し、小テスト学習装置を起動した後に、学習者は学習する学習リストを選択する。
難問リスト13は、学習者が学習リスト12の中から範囲を決めて学習問題を抽出し、リスト名を付けて作成する。
【0013】
キーボード4は、主に解答を入力するための入力装置である。
マウス5は、小テスト画面のボタンのクリック、選択肢の選択、入力欄の移動等に使用する入力装置である。デスクトップ型パソコンではマウスを、ノート型パソコンではタッチパッドやトラックポイントを使用するが、ここでは、マウスを使用する。
ディスプレイ6は、小テスト画面を表示するための表示装置である。
DVD−ROMドライブ7はDVD−ROM15の記憶媒体に保存されたデータ管理プログラムをハードディスク3にインストールするために使用する。また、小テスト学習プログラムがDVD−ROM15に記録されている場合は、それを読み込んでハードディスク3に書き込むために使用する。
小テスト学習プログラムをインターネット16上のサーバー17からダウンロードして使用する場合は、通信装置8を経由してインターネット上からプログラムをダウンロードし、ハードディスク3に保存する。
小テスト学習プログラムがメモリカード18に保存されている場合には、メモリカード読取り装置9を経由してプログラムを読み取り、ハードディスク3に保存する。
【0014】
学習リスト12は、図2に示すように、質問101、正解102、関連事項A103、関連事項B104,出題回数105、正解回数106、正解率107、通算出題回数108、通算正解回数109、通算正解率110、順序111、前回正誤112の項目で構成される。
図2で示す構成は問題リストの基本的な構成であり、小テスト学習装置を実際の学習分野へ応用する際に項目名を適切な名称に変更して使用する。
【0015】
出題された学習問題に対して、CPU1は、出題回数105に1を加算し、正解の場合は正解回数106に1を加算する。そして、正解回数106を出題回数105で除算を行ない、その商に100を掛けて正解率107を(%)で表わす。これを1回の学習の間繰り返し、次の学習時には、出題回数105、正解回数106、正解率107を0にクリアする。
1回の学習の単位は、学習リストのすべての学習問題の正解回数が所定数に達するまでであるが、途中で中断することができる。
【0016】
通算出題回数108、通算正解回数109は、出題回数105、正解回数106をそれぞれ通算した数値を持ち、学習毎に0にクリアしない。
通算正解率110は、通算正解回数109を通算出題回数108で除算を行ない、その商に100を掛けて(%)で表わす。
順序111は、直前に出題された学習問題を逆順に並べ替えるときに使用する。
前回正誤112は、直前の正誤判定を記憶するために用いられ、正解では○を不正解では×を代入する。
【0017】
図3は小テスト学習装置の基本的な例である。実際の学習分野へ応用する時点で、項目名を変更する。
この実施例では、小テスト学習装置の出題数を5間として説明する。
学習者が出題130のボタンを押した時、CPU1は学習リスト12から学習問題を抽出し、質問121、関連事項A124、関連事項B125、出題回数126、正解回数127、正解率128、通算正解率129を表示する。
ここで、「ボタンを押す」とは、ボタンにフォーカスが当たっているときにキーボード4のエンター・キーを押下するか、ボタンをマウス5でクリックすることをいう。
学習者が解答入力欄122に解答を入力し、採点131のボタンを押すと、CPU1は正解123を表示し、解答解析を行なった後、出題回数126、正解回数127、正解率128、通算正解率129を更新する。
解答入力欄122は、学習者がキーボード4を用いて、解答入力欄に英数字、漢字、ひらがな、またはカタカナを入力する。実際の学習の応用分野によっては、解答入力欄に選択肢を配置して、学習者がマウス5を用いて、正解を選択する方法をとることも可能である。
【0018】
以後、小テスト学習装置を中国語の単語の発音である声調を学習するために応用した例で説明する。
フローチャートで小テスト学習装置の動作を説明する前に、中国語の単語の声調符号を数値化する方法を説明する。
ピンインはローマ字綴りで発音を表す。アクセントである声調には四声である「第1声」
し、ピンインの上に声調符号をつけてあらわす。
また、音節の後(2文字の単語であれば、2文字目の語)に付いて軽く発音される「軽声」がある。軽声には声調符号は付かない。
声調符号の数値化の規則は次のように、中国語の漢字のアクセントである四声と軽声を数値で表すために、第1声を1、第2声を2、第3声を3、第4声を4、軽声を0とする。
合わせて14と数字で表現する。
表1に2文字単語の声調の組み合わせの構成例を示す。
【0019】
【表1】
【0020】
小テスト学習装置による中国語の単語学習への応用に際し、図2の学習リストの基本的な構成を、図4に示すように項目名をそれぞれ変更する。
図5に学習リストのデータの一部を抜粋したイメージ図を示す。
【0021】
以下、図6の全体処理のフローチャートの流れに沿って、図7〜図10のフローチャートを用いて、小テスト学習装置を詳しく説明する。
図11の小テスト画面160は小テストを出題した例であり、中国語の単語学習への応用において、図3の質問121、解答入力欄122、関連事項A124、関連事項B125の項目名を、それぞれ図11の中国語161、声調入力162、ピンイン164、日本語165に変更する。
【0022】
図7の小テスト作成のフローチャートを用いて、小テスト作成について説明する。
ステップS111では、学習者が図12の学習リスト呼出し・保存180で、学習リスト名181に学習リスト名を指定して、学習リスト呼出し183のボタンを押して、学習する学習リストを呼出す。
通算正解回数上限182は複数回の学習で通算した正解回数の上限を設定するもので、CPU1はこの数値に達した学習問題を習熟したとみなし、出題の対象から外す。
ステップS112では、学習者が図13に示す抽出条件を設定し、図11の出題170のボタンを押すと、CPU1は小テストを作成し、小テスト画面160に表示する。
図13の小テスト正解回数上限196は、1回の学習でこの数値に達した学習問題を習熟したとみなし、出題の対象から外す。
なお、図12の学習リスト保存184のボタンは、小テスト学習の終了時に学習リストを保存するためのものであるが、随時保存することもできる。
【0023】
ステップ113以降は、CPU1が小テストを作成する過程である。
ステップS113では、指定した条件によって処理が分かれる。
図13の条件設定で、無し191を選択した場合は、ステップS114でソートフラグをチェックする。このソートフラグは、小テスト学習装置が起動するときに0にセットされ、小テストを作成する毎に1と0に交互にセットされるものである。
ソートフラグが0のときは、ステップS115へ行き、学習リストの出題回数の項目をキーにして昇順にソートする。こうすることで、出題回数の少ない学習問題を優先して出題することができる。そしてソートフラグを1にする。
ソートフラグが1のときは、ステップS116へ行き、学習リストの正解率の項目をキーにして昇順にソートする。こうすることで、正解率の低い学習問題を優先して出題することができる。そしてソートフラグを0にする。
こうして、正解率の高い学習問題は、早い段階で図14の小テスト正解回数上限196に設定した回数に到達することで出題対象から外れるため、小テストを作成する毎に出題回数と正解率の項目を交互に昇順にソートすることにより、正解率の低い学習問題の出題頻度を保つことができる。
【0024】
ステップS113で、図14に示すように、声調192を選択した場合、ステップS117で、声調数字194に指定した数字を持つ学習問題を学習リストから検索し、該当した学習問題だけで一時リストを作成する。一時リストの一部を抜粋した例を図15に示す。声調142の欄に、図14の声調数字194に指定した数字“4”が含まれている。
ステップS113で、図16のように、ピンイン193を選択した場合、ステップS118で、ピンイン文字195に指定した文字を持つ学習問題を検索し、該当した学習問題だけで一時リストを作成する。一時リストの一部を抜粋した例を図17に示す。ピンイン143の欄に、図16のピンイン文字195に指定した文字“ji”が含まれている。
【0025】
ステップS119では、ソートフラグが0のときは、ステップS120へ行き、一時リストの出題回数の項目をキーにして昇順にソートする。そしてソートフラグを1にする。
ソートフラグが1のときは、ステップS121へ行き、一時リストの正解率の項目をキーにして昇順にソートする。そしてソートフラグを0にする。
【0026】
ステップS122では、CPU1はソートした学習リストまたは一時リストの上位から5問を抽出して図11に示すように小テスト画面160に表示する。
図11の声調入力162は、声調符号を数値化した数字を入力する入力欄である。
正解163は、採点時に正解を表示する。
図11の日本語165は、中国語161に対する日本語訳で、図13の日本語を表示する197にチェックが付いていれば日本語を表示する。この場合は、チェックが付いていないため、図11で日本語が表示されていない。採点時に日本語を表示する。
また、図13のピンインを表示する198にチェックが付いているので、図11のピンイン164のピンインの欄にピンインが表示されている。
【0027】
図6のステップS102では、小テスト学習を行なう。図8は小テスト学習のフローチャートである。
ステップS131では、CPU1は図13の前回不正解問題を色分けする199を確認し、チェックが付いている場合、前回の出題で不正解であった学習問題に対して、図11の正解率168の欄を赤色で表示する。これは、図5の前回正誤152が“×”になっている学習問題が該当する。
また、図11の通算正解率169よりも正解率168の方が小さい場合は、図11の通算正解率169の欄を赤色で表示する。これは、同一問題の比較で、過去の学習の通算成績に比べて今回の学習の方が成績が悪いことを示している。
【0028】
ステップS132では、キーボード4を用いて図11の声調入力162に解答を入力する。
ステップS133では、CPU1は学習者が解答である声調符号を数値化した数字を2桁入力したかどうかを確認する。2桁入力された場合は、ステップS134でカーソルを次の学習問題へ移動する。この実施例では、図5の中国語141に示すように2文字に限定しているので、解答する声調符号は2桁になる。このように、解答する桁数が一定の桁に決まっている場合は、桁数分の解答入力があれば、CPU1は自動的に次の学習問題にカーソルを移動する。
ステップS135では、全問解答入力が行われた場合は終了し、行われていない場合はステップS132へ行く。図18は声調入力162の欄に解答を入力した例である。
【0029】
図6のステップS103では、解答解析を行なう。図9のフローチャートで解答解析について説明する。
ステップS141では、学習者が図18の採点171のボタンを押すと、CPU1は図19に示すように正解163の各欄に正解を表示する。
このとき、図13の日本語を表示する197がチェックされていない場合、この時点で図19の日本語165の欄に日本語を表示する。
【0030】
ステップS142では、図19の声調入力162の欄の正誤判定を行なう。正解した場合、ステップS143で、CPU1は図19の1番目、2番目、4番目、5番目の学習問題の出題回数166と正解回数167に1を足してから正解率168を計算する。正解率168は、正解回数167を出題回数166で割り、それに100を掛けた数値(%)で表わす。そして、小テスト画面の声調入力162の欄を青色にする。
また、図5の学習リストの通算出題回数148と通算正解回数149に1を足してから図19の通算正解率169を計算する。通算正解率169は、通算正解回数147を通算出題回数146で割り、それに100を掛けた数値(%)で表わす。
ステップS142で不正解の場合は、ステップS144で、CPU1は図19の3番目の学習問題の出題回数166に“1”を足してから正解率168を計算する。そして、小テスト画面の声調入力162の欄を赤色にする。
また、図5の学習リストの通算出題回数148に“1”を足してから図19の通算正解率169を計算する。
【0031】
ステップS145では、図19の小テスト採点172に5問中何問正解できたかを分数形式で表示する。
また、出題回数166、正解回数167、正解率168、通算正解率169を図5の学習リストに反映する。
学習リストの前回正誤152は、正解した場合は“○”、不正解の場合は“×”を代入する。
【0032】
図6のステップS104では、学習リストの正解回数がすべて所定数に達したかどうかを判定する。この所定数とは、図13の小テスト正解回数上限196に設定した数値のことで、正解回数がすべて所定数に達した場合は、「正解回数が所定数に達しました。」という旨のメッセージを表示してステップS105へ行く。
ステップS105では、通算正解回数がすべて所定数に達したかどうかを判定する。この所定数とは、図12の通算正解回数上限182で指定する数値のことで、すべて所定数に達した場合は、「通算正解回数が所定数に達しました。」という旨のメッセージを表示してステップS107へ行く。
ステップS104で所定数に達していない場合と、ステップS105で所定数に達していない場合には、ステップS106へ行き、小テストを中断するかどうかを学習者が判断する。小テストを続ける場合は、ステップS101へ行く。小テストを中断する場合は、ステップS107へ行く。
【0033】
図6のステップS107では、学習者が難問リストを作成するかどうかの判断をする。
難問リストを作成しない場合は、小テスト学習を終了する。
難問リストを作成する場合は、ステップS108へ行く。
ステップS108では、難問リストを作成する処理を行なう。図10の難問リスト作成のフローチャートで説明する。
難問リストとは、例えば、図5の学習リストの中で、通算正解率の低い学習問題を難問扱いにするために、通算正解率の範囲を決めて学習問題を別のリストとして保存することをいう。また、難問リストは複数作成することができる。
図10のステップS151では、学習者が図20に示す難問リスト名201に難問リスト名を、通算正解率の下限203と上限204に数値を設定して難問リスト作成・追加202のボタンを押す。
【0034】
ステップS152では、CPU1は指定された難問リストが存在するかどうかを判断する。指定した難問リストが存在する場合は、ステップS154へ行き、図20で設定した条件(通算正解率が下限0%〜上限50%)に該当する学習問題を指定した難問リストに追加して保存する。
指定した難問リストが存在しない場合は、ステップS153へ行き、図20の難問リスト名201に指定した難問リストを作成した後、ステップS154へ行き、図20で設定した条件に該当する学習問題を難問リストに追加し保存する。
図21は作成した難問リストの学習問題を一部を抜粋したイメージ図である。通算正解率220の欄に示すように、通算正解率が50%以下の問題が集められている。
この難問リストは、既存の学習リストと同じ構成であるため、学習リストと同等に小テストで使用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 CPU、 2 RAM、 3 ハードディスク、
4 キーボード、 5 マウス、 6 ディスプレイ、
7 DVD−ROMドライブ、 8 通信装置、
9 メモリカード読取り装置、 10 入出力インターフェース、
11 データ管理プログラム、 12 学習リスト、
13 難問リスト、 14 小テスト学習プログラム、
15 DVD−ROM、 16 インターネット、
17 サーバー、 18 メモリカード、
120、160、180、190、200 画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピューターを使用した小テスト形式による学習が可能な小テスト学習装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、外国語の単語、漢字、諸分野の専門用語を学習する際に、単語カードを活用した学習や、暗記用の書籍を用いて「覚えた」、「覚えていない」をチェックしながら繰り返す学習が行なわれてきた。学校では、紙による小テストを行ない、直近に学習した学習内容の理解の確認を行なっている。これには手軽に取組み易い長所がある。
市販のパーソナル・コンピューターやゲーム機を用いた学習ソフトでは、ランダムに問題を抽出し、問題が表示されたら、学習者がそれに対する解答を入力し、コンピューターが正誤判定を行なう。これを所定数繰り返した後、全体の採点を行ない、どの程度理解できたかを判断できるようになっている。そして、成績管理が行なわれているため、成績の悪い問題は再度学習できるようになっている。
また、学習問題を一覧表示して解答を入力させる学習方法がある。これは、学習問題を習熟状態にある問題と未習熟状態にある問題を分けるために行なう学習と習熟状態によって問題を分けて復習するために行なうものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3820421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の手作業で行なう単語カード、書籍、学校での小テストを活用した方法は、過去に何問解いて何問正解したかという統計データを取ることに手間がかかるため、どの問題が難しいか易しいかを客観的に判断することに手間がかかる。そのため、前回間違えた問題を再度出題する場合、比較的易しい問題と難しい問題を同じレベルの問題として出題することもあり、効率が悪い。
ランダムに問題を抽出し、1画面で1問出題する方法は、各問題の出題回数と難易度にばらつきが生じ、出題されるテスト問題を所定数分淡々とこなしていかなければならす、繰り返していくうちに1問ごとの解答がおろそかになっていく。そして、不正解であった問題が再度出題されるまでに時間がかかることがあるため、間違えた時点で正解を確認して覚えたとしても、時間の経過とともに忘れてしまい、再度出題されたときに同じ間違いを犯してしまうことがある。
また、学習問題を一覧表示してテストを行なう場合、表示される内容は学習問題、解答や正誤判定であり、1問ごとの学習問題の学習進度がどのような状況にあるかをそのつど確認しながら学習を進めることはできない。このため、一覧表示された学習問題を淡々と解いていかなければならず、学習を進めていくうちに1問ごとの解答がおろそかになることがある。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解決するために、請求項1の発明は、質問、正解と、1回の学習の学習記録である出題回数、正解回数、正解率と、複数回の学習での学習記録を通算した通算出題回数、通算正解回数、通算正解率の項目を含む学習問題を保持する学習リストを、小テストを作成する毎に出題回数と正解率の項目を交互にキーとして昇順にソートし、上位から所定数の学習問題を抽出し、学習記録を含めて小テストを作成し、所定数の学習問題を同時に小テスト画面上に表示し、所定の正解回数に達していない学習問題を未習熟として繰り返しテストできる小テスト作成手段と、前記小テスト画面上で、前回の出題で不正解であった学習問題の正解率の欄を色分けして表示し、学習者に注意喚起して解答を入力させる小テスト学習手段と、正誤判定を行ない、前記小テスト画面に正解と更新した学習記録と小テストの採点を表示するとともに、正解した問題と不正解の問題の解答入力欄を色分けして表示し、学習リストの学習記録を更新する解答解析手段と、前記学習リストから、学習者が通算正解率の範囲を設定して学習問題を抽出し、前記学習リストと同じ構成で難問リストを作成し、学習リストと同様に使用することができる難問リスト作成手段とを具備する。
【0006】
請求項2の発明は、前記小テスト作成手段において、前記学習リストから特定の数値あるいは文字を検索キーとして学習問題を抽出し、一時的な学習リストを作成してから所定数の学習問題を抽出する。
【0007】
請求項3の発明は、前記小テスト作成手段において、学習分野が中国語で、中国語の単語の声調を学習する場合、学習問題の質問に中国語の単語、正解に声調符号を数値化した数字とすることにより、学習者が声調符号の代わりに、声調符号を数値化した数字を解答入力欄に入力することで、数字による正誤判定を可能にする。
以上を特徴とする小テスト学習装置である。
【発明の効果】
【0008】
一度に複数の学習問題を表示する小テスト形式をとり、学習リストに対して、出題回数と正解率の項目を交互にキーとして昇順にソートし、上位から所定数の学習問題を抽出することにより、出題の偏りを減らし、正解率の低い学習問題の出題回数を多くすることができ、難解な問題であっても、出題頻度を多くすることで記憶に定着させることができる。
そして、前回の正誤判定の結果と正解率を参照して解答することができるため、個々の学習問題に対する注目度が上がり、学習意欲を持続できる。
また、学習者が通算正解率の範囲を決めて難問リストを作成することで、独自の難易度による学習問題を出題することができるため、学習を効率的に進めることができる。
このため、より多くの学習問題に対して、短時間に効率よく学習し、記憶に定着させる効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例に係るブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る学習リストの構成図である。
【図3】本発明の実施例に係る小テスト学習画面である。
【図4】学習リストの項目名を中国語学習への応用で変更した項目名の対応図である。
【図5】学習リストから学習問題を抜粋したイメージ図である。
【図6】本発明の実施例に係る全体処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施例に係る小テスト作成のフローチャートである。
【図8】本発明の実施例に係る小テスト学習のフローチャートである。
【図9】本発明の実施例に係る解答解析のフローチャートである。
【図10】本発明の実施例に係る難問リスト作成のフローチャートである。
【図11】小テストを出題した画面である。
【図12】学習リスト呼出し、保存を行なう画面である。
【図13】小テスト作成の条件設定画面である。
【図14】図13の抜粋で、別の条件を設定した画面である。
【図15】図14で設定した条件で抽出した一時リストのイメージ図である。
【図16】図13の抜粋で、別の条件を設定した画面である。
【図17】図16で設定した条件で抽出した一時リストのイメージ図である。
【図18】小テスト学習画面の解答入力をしたときの画面である。
【図19】小テスト学習画面の採点をしたときの画面である。
【図20】難問リスト作成の条件設定画面である。
【図21】難問リストから学習問題を抜粋したイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図21を用いて、小テスト学習装置について具体例を用いて説明する。
本発明は、画面の解像度に合わせて表示可能な問題数にすることで、画面解像度の小さいコンピューターを内蔵したゲーム機や携帯電話でも実現可能であるが、本構成はパーソナル・コンピューターを使用することを前提にして説明する。
【実施例】
【0011】
図1は本発明の小テスト学習装置のブロック図である。
コンピューターの主体となるのは、CPU1とRAM2で、入出力インターフェース10により周辺装置と接続される。
【0012】
ハードディスク3は、データ管理プログラム11と小テスト学習装置の小テスト学習プログラム14を保存する外部記憶装置である。
データ管理プログラム11はデータベース・ソフトあるいは表計算ソフトなどの検索機能とソート機能を持つプログラムを使用する。また、一般的にデータベース・ソフトでテーブルまたは表、表計算ソフトでシートまたは表と呼ばれるデータを管理する表のことを、ここでは、リストと表現する。
学習リスト12は1つ以上存在し、1回の学習で必要な量の学習問題を保持し、小テスト学習装置を起動した後に、学習者は学習する学習リストを選択する。
難問リスト13は、学習者が学習リスト12の中から範囲を決めて学習問題を抽出し、リスト名を付けて作成する。
【0013】
キーボード4は、主に解答を入力するための入力装置である。
マウス5は、小テスト画面のボタンのクリック、選択肢の選択、入力欄の移動等に使用する入力装置である。デスクトップ型パソコンではマウスを、ノート型パソコンではタッチパッドやトラックポイントを使用するが、ここでは、マウスを使用する。
ディスプレイ6は、小テスト画面を表示するための表示装置である。
DVD−ROMドライブ7はDVD−ROM15の記憶媒体に保存されたデータ管理プログラムをハードディスク3にインストールするために使用する。また、小テスト学習プログラムがDVD−ROM15に記録されている場合は、それを読み込んでハードディスク3に書き込むために使用する。
小テスト学習プログラムをインターネット16上のサーバー17からダウンロードして使用する場合は、通信装置8を経由してインターネット上からプログラムをダウンロードし、ハードディスク3に保存する。
小テスト学習プログラムがメモリカード18に保存されている場合には、メモリカード読取り装置9を経由してプログラムを読み取り、ハードディスク3に保存する。
【0014】
学習リスト12は、図2に示すように、質問101、正解102、関連事項A103、関連事項B104,出題回数105、正解回数106、正解率107、通算出題回数108、通算正解回数109、通算正解率110、順序111、前回正誤112の項目で構成される。
図2で示す構成は問題リストの基本的な構成であり、小テスト学習装置を実際の学習分野へ応用する際に項目名を適切な名称に変更して使用する。
【0015】
出題された学習問題に対して、CPU1は、出題回数105に1を加算し、正解の場合は正解回数106に1を加算する。そして、正解回数106を出題回数105で除算を行ない、その商に100を掛けて正解率107を(%)で表わす。これを1回の学習の間繰り返し、次の学習時には、出題回数105、正解回数106、正解率107を0にクリアする。
1回の学習の単位は、学習リストのすべての学習問題の正解回数が所定数に達するまでであるが、途中で中断することができる。
【0016】
通算出題回数108、通算正解回数109は、出題回数105、正解回数106をそれぞれ通算した数値を持ち、学習毎に0にクリアしない。
通算正解率110は、通算正解回数109を通算出題回数108で除算を行ない、その商に100を掛けて(%)で表わす。
順序111は、直前に出題された学習問題を逆順に並べ替えるときに使用する。
前回正誤112は、直前の正誤判定を記憶するために用いられ、正解では○を不正解では×を代入する。
【0017】
図3は小テスト学習装置の基本的な例である。実際の学習分野へ応用する時点で、項目名を変更する。
この実施例では、小テスト学習装置の出題数を5間として説明する。
学習者が出題130のボタンを押した時、CPU1は学習リスト12から学習問題を抽出し、質問121、関連事項A124、関連事項B125、出題回数126、正解回数127、正解率128、通算正解率129を表示する。
ここで、「ボタンを押す」とは、ボタンにフォーカスが当たっているときにキーボード4のエンター・キーを押下するか、ボタンをマウス5でクリックすることをいう。
学習者が解答入力欄122に解答を入力し、採点131のボタンを押すと、CPU1は正解123を表示し、解答解析を行なった後、出題回数126、正解回数127、正解率128、通算正解率129を更新する。
解答入力欄122は、学習者がキーボード4を用いて、解答入力欄に英数字、漢字、ひらがな、またはカタカナを入力する。実際の学習の応用分野によっては、解答入力欄に選択肢を配置して、学習者がマウス5を用いて、正解を選択する方法をとることも可能である。
【0018】
以後、小テスト学習装置を中国語の単語の発音である声調を学習するために応用した例で説明する。
フローチャートで小テスト学習装置の動作を説明する前に、中国語の単語の声調符号を数値化する方法を説明する。
ピンインはローマ字綴りで発音を表す。アクセントである声調には四声である「第1声」
し、ピンインの上に声調符号をつけてあらわす。
また、音節の後(2文字の単語であれば、2文字目の語)に付いて軽く発音される「軽声」がある。軽声には声調符号は付かない。
声調符号の数値化の規則は次のように、中国語の漢字のアクセントである四声と軽声を数値で表すために、第1声を1、第2声を2、第3声を3、第4声を4、軽声を0とする。
合わせて14と数字で表現する。
表1に2文字単語の声調の組み合わせの構成例を示す。
【0019】
【表1】
【0020】
小テスト学習装置による中国語の単語学習への応用に際し、図2の学習リストの基本的な構成を、図4に示すように項目名をそれぞれ変更する。
図5に学習リストのデータの一部を抜粋したイメージ図を示す。
【0021】
以下、図6の全体処理のフローチャートの流れに沿って、図7〜図10のフローチャートを用いて、小テスト学習装置を詳しく説明する。
図11の小テスト画面160は小テストを出題した例であり、中国語の単語学習への応用において、図3の質問121、解答入力欄122、関連事項A124、関連事項B125の項目名を、それぞれ図11の中国語161、声調入力162、ピンイン164、日本語165に変更する。
【0022】
図7の小テスト作成のフローチャートを用いて、小テスト作成について説明する。
ステップS111では、学習者が図12の学習リスト呼出し・保存180で、学習リスト名181に学習リスト名を指定して、学習リスト呼出し183のボタンを押して、学習する学習リストを呼出す。
通算正解回数上限182は複数回の学習で通算した正解回数の上限を設定するもので、CPU1はこの数値に達した学習問題を習熟したとみなし、出題の対象から外す。
ステップS112では、学習者が図13に示す抽出条件を設定し、図11の出題170のボタンを押すと、CPU1は小テストを作成し、小テスト画面160に表示する。
図13の小テスト正解回数上限196は、1回の学習でこの数値に達した学習問題を習熟したとみなし、出題の対象から外す。
なお、図12の学習リスト保存184のボタンは、小テスト学習の終了時に学習リストを保存するためのものであるが、随時保存することもできる。
【0023】
ステップ113以降は、CPU1が小テストを作成する過程である。
ステップS113では、指定した条件によって処理が分かれる。
図13の条件設定で、無し191を選択した場合は、ステップS114でソートフラグをチェックする。このソートフラグは、小テスト学習装置が起動するときに0にセットされ、小テストを作成する毎に1と0に交互にセットされるものである。
ソートフラグが0のときは、ステップS115へ行き、学習リストの出題回数の項目をキーにして昇順にソートする。こうすることで、出題回数の少ない学習問題を優先して出題することができる。そしてソートフラグを1にする。
ソートフラグが1のときは、ステップS116へ行き、学習リストの正解率の項目をキーにして昇順にソートする。こうすることで、正解率の低い学習問題を優先して出題することができる。そしてソートフラグを0にする。
こうして、正解率の高い学習問題は、早い段階で図14の小テスト正解回数上限196に設定した回数に到達することで出題対象から外れるため、小テストを作成する毎に出題回数と正解率の項目を交互に昇順にソートすることにより、正解率の低い学習問題の出題頻度を保つことができる。
【0024】
ステップS113で、図14に示すように、声調192を選択した場合、ステップS117で、声調数字194に指定した数字を持つ学習問題を学習リストから検索し、該当した学習問題だけで一時リストを作成する。一時リストの一部を抜粋した例を図15に示す。声調142の欄に、図14の声調数字194に指定した数字“4”が含まれている。
ステップS113で、図16のように、ピンイン193を選択した場合、ステップS118で、ピンイン文字195に指定した文字を持つ学習問題を検索し、該当した学習問題だけで一時リストを作成する。一時リストの一部を抜粋した例を図17に示す。ピンイン143の欄に、図16のピンイン文字195に指定した文字“ji”が含まれている。
【0025】
ステップS119では、ソートフラグが0のときは、ステップS120へ行き、一時リストの出題回数の項目をキーにして昇順にソートする。そしてソートフラグを1にする。
ソートフラグが1のときは、ステップS121へ行き、一時リストの正解率の項目をキーにして昇順にソートする。そしてソートフラグを0にする。
【0026】
ステップS122では、CPU1はソートした学習リストまたは一時リストの上位から5問を抽出して図11に示すように小テスト画面160に表示する。
図11の声調入力162は、声調符号を数値化した数字を入力する入力欄である。
正解163は、採点時に正解を表示する。
図11の日本語165は、中国語161に対する日本語訳で、図13の日本語を表示する197にチェックが付いていれば日本語を表示する。この場合は、チェックが付いていないため、図11で日本語が表示されていない。採点時に日本語を表示する。
また、図13のピンインを表示する198にチェックが付いているので、図11のピンイン164のピンインの欄にピンインが表示されている。
【0027】
図6のステップS102では、小テスト学習を行なう。図8は小テスト学習のフローチャートである。
ステップS131では、CPU1は図13の前回不正解問題を色分けする199を確認し、チェックが付いている場合、前回の出題で不正解であった学習問題に対して、図11の正解率168の欄を赤色で表示する。これは、図5の前回正誤152が“×”になっている学習問題が該当する。
また、図11の通算正解率169よりも正解率168の方が小さい場合は、図11の通算正解率169の欄を赤色で表示する。これは、同一問題の比較で、過去の学習の通算成績に比べて今回の学習の方が成績が悪いことを示している。
【0028】
ステップS132では、キーボード4を用いて図11の声調入力162に解答を入力する。
ステップS133では、CPU1は学習者が解答である声調符号を数値化した数字を2桁入力したかどうかを確認する。2桁入力された場合は、ステップS134でカーソルを次の学習問題へ移動する。この実施例では、図5の中国語141に示すように2文字に限定しているので、解答する声調符号は2桁になる。このように、解答する桁数が一定の桁に決まっている場合は、桁数分の解答入力があれば、CPU1は自動的に次の学習問題にカーソルを移動する。
ステップS135では、全問解答入力が行われた場合は終了し、行われていない場合はステップS132へ行く。図18は声調入力162の欄に解答を入力した例である。
【0029】
図6のステップS103では、解答解析を行なう。図9のフローチャートで解答解析について説明する。
ステップS141では、学習者が図18の採点171のボタンを押すと、CPU1は図19に示すように正解163の各欄に正解を表示する。
このとき、図13の日本語を表示する197がチェックされていない場合、この時点で図19の日本語165の欄に日本語を表示する。
【0030】
ステップS142では、図19の声調入力162の欄の正誤判定を行なう。正解した場合、ステップS143で、CPU1は図19の1番目、2番目、4番目、5番目の学習問題の出題回数166と正解回数167に1を足してから正解率168を計算する。正解率168は、正解回数167を出題回数166で割り、それに100を掛けた数値(%)で表わす。そして、小テスト画面の声調入力162の欄を青色にする。
また、図5の学習リストの通算出題回数148と通算正解回数149に1を足してから図19の通算正解率169を計算する。通算正解率169は、通算正解回数147を通算出題回数146で割り、それに100を掛けた数値(%)で表わす。
ステップS142で不正解の場合は、ステップS144で、CPU1は図19の3番目の学習問題の出題回数166に“1”を足してから正解率168を計算する。そして、小テスト画面の声調入力162の欄を赤色にする。
また、図5の学習リストの通算出題回数148に“1”を足してから図19の通算正解率169を計算する。
【0031】
ステップS145では、図19の小テスト採点172に5問中何問正解できたかを分数形式で表示する。
また、出題回数166、正解回数167、正解率168、通算正解率169を図5の学習リストに反映する。
学習リストの前回正誤152は、正解した場合は“○”、不正解の場合は“×”を代入する。
【0032】
図6のステップS104では、学習リストの正解回数がすべて所定数に達したかどうかを判定する。この所定数とは、図13の小テスト正解回数上限196に設定した数値のことで、正解回数がすべて所定数に達した場合は、「正解回数が所定数に達しました。」という旨のメッセージを表示してステップS105へ行く。
ステップS105では、通算正解回数がすべて所定数に達したかどうかを判定する。この所定数とは、図12の通算正解回数上限182で指定する数値のことで、すべて所定数に達した場合は、「通算正解回数が所定数に達しました。」という旨のメッセージを表示してステップS107へ行く。
ステップS104で所定数に達していない場合と、ステップS105で所定数に達していない場合には、ステップS106へ行き、小テストを中断するかどうかを学習者が判断する。小テストを続ける場合は、ステップS101へ行く。小テストを中断する場合は、ステップS107へ行く。
【0033】
図6のステップS107では、学習者が難問リストを作成するかどうかの判断をする。
難問リストを作成しない場合は、小テスト学習を終了する。
難問リストを作成する場合は、ステップS108へ行く。
ステップS108では、難問リストを作成する処理を行なう。図10の難問リスト作成のフローチャートで説明する。
難問リストとは、例えば、図5の学習リストの中で、通算正解率の低い学習問題を難問扱いにするために、通算正解率の範囲を決めて学習問題を別のリストとして保存することをいう。また、難問リストは複数作成することができる。
図10のステップS151では、学習者が図20に示す難問リスト名201に難問リスト名を、通算正解率の下限203と上限204に数値を設定して難問リスト作成・追加202のボタンを押す。
【0034】
ステップS152では、CPU1は指定された難問リストが存在するかどうかを判断する。指定した難問リストが存在する場合は、ステップS154へ行き、図20で設定した条件(通算正解率が下限0%〜上限50%)に該当する学習問題を指定した難問リストに追加して保存する。
指定した難問リストが存在しない場合は、ステップS153へ行き、図20の難問リスト名201に指定した難問リストを作成した後、ステップS154へ行き、図20で設定した条件に該当する学習問題を難問リストに追加し保存する。
図21は作成した難問リストの学習問題を一部を抜粋したイメージ図である。通算正解率220の欄に示すように、通算正解率が50%以下の問題が集められている。
この難問リストは、既存の学習リストと同じ構成であるため、学習リストと同等に小テストで使用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 CPU、 2 RAM、 3 ハードディスク、
4 キーボード、 5 マウス、 6 ディスプレイ、
7 DVD−ROMドライブ、 8 通信装置、
9 メモリカード読取り装置、 10 入出力インターフェース、
11 データ管理プログラム、 12 学習リスト、
13 難問リスト、 14 小テスト学習プログラム、
15 DVD−ROM、 16 インターネット、
17 サーバー、 18 メモリカード、
120、160、180、190、200 画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
質問、正解と、1回の学習の学習記録である出題回数、正解回数、正解率と、複数回の学習での学習記録を通算した通算出題回数、通算正解回数、通算正解率の項目を含む学習問題を保持する学習リストを、小テストを作成する毎に出題回数と正解率の項目を交互にキーとして昇順にソートし、上位から所定数の学習問題を抽出し、学習記録を含めて小テストを作成し、所定数の学習問題を同時に小テスト画面上に表示し、所定の正解回数に達していない学習問題を未習熟として繰り返しテストできる小テスト作成手段と、
前記小テスト画面上で、前回の出題で不正解であった学習問題の正解率の欄を色分けして表示し、学習者に注意喚起して解答を入力させる小テスト学習手段と、
正誤判定を行ない、前記小テスト画面に正解と更新した学習記録と小テストの採点を表示するとともに、正解した学習問題と不正解の学習問題の解答入力欄を色分けして表示し、学習リストの学習記録を更新する解答解析手段と、
前記学習リストから、学習者が通算正解率の範囲を設定して学習問題を抽出し、前記学習リストと同じ構成で難問リストを作成し、学習リストと同様に使用することができる難問リスト作成手段とを具備する小テスト学習装置。
【請求項2】
前記小テスト作成手段において、
前記学習リストから特定の数値あるいは文字を検索キーとして学習問題を抽出し、一時的な学習リストを作成してから所定数の学習問題を抽出することを特徴とする請求項1記載の小テスト学習装置。
【請求項3】
前記小テスト作成手段において、
学習分野が中国語で、中国語の単語の声調を学習する場合、質問に中国語の単語、正解に声調符号を数値化した数字とすることにより、学習者が声調符号の代わりに、声調符号を数値化した数字を解答入力欄に入力することで、数字による正誤判定を可能にすることを特徴とする請求項1記載の小テスト学習装置。
【請求項1】
質問、正解と、1回の学習の学習記録である出題回数、正解回数、正解率と、複数回の学習での学習記録を通算した通算出題回数、通算正解回数、通算正解率の項目を含む学習問題を保持する学習リストを、小テストを作成する毎に出題回数と正解率の項目を交互にキーとして昇順にソートし、上位から所定数の学習問題を抽出し、学習記録を含めて小テストを作成し、所定数の学習問題を同時に小テスト画面上に表示し、所定の正解回数に達していない学習問題を未習熟として繰り返しテストできる小テスト作成手段と、
前記小テスト画面上で、前回の出題で不正解であった学習問題の正解率の欄を色分けして表示し、学習者に注意喚起して解答を入力させる小テスト学習手段と、
正誤判定を行ない、前記小テスト画面に正解と更新した学習記録と小テストの採点を表示するとともに、正解した学習問題と不正解の学習問題の解答入力欄を色分けして表示し、学習リストの学習記録を更新する解答解析手段と、
前記学習リストから、学習者が通算正解率の範囲を設定して学習問題を抽出し、前記学習リストと同じ構成で難問リストを作成し、学習リストと同様に使用することができる難問リスト作成手段とを具備する小テスト学習装置。
【請求項2】
前記小テスト作成手段において、
前記学習リストから特定の数値あるいは文字を検索キーとして学習問題を抽出し、一時的な学習リストを作成してから所定数の学習問題を抽出することを特徴とする請求項1記載の小テスト学習装置。
【請求項3】
前記小テスト作成手段において、
学習分野が中国語で、中国語の単語の声調を学習する場合、質問に中国語の単語、正解に声調符号を数値化した数字とすることにより、学習者が声調符号の代わりに、声調符号を数値化した数字を解答入力欄に入力することで、数字による正誤判定を可能にすることを特徴とする請求項1記載の小テスト学習装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−262248(P2010−262248A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125801(P2009−125801)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(508349849)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(508349849)
【Fターム(参考)】
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