説明

小児科で使用される保温ブランケット

【課題】特に小児科患者に対して使用することができる強制温風対流方式用のブランケットを提供する。
【解決手段】本発明は、強制空気対流方式で使用されるブランケット(10)に係わり、該ブランケット(10)は小児科患者に適合する大きさに作られている。本発明によるブランケット(10)は、患者の上側及び下側で使用することができ、それにより、手術室内での使用又は手術室外での使用が容易になる。本発明はまた、強制空気対流方式で使用されるブランケット(10)であって、不燃性且つ耐レーザ性を有するブランケットに関する。加えるに、本発明は、体温低化及び体温上昇を防止する方法並びに強制空気対流方式で用いられるブランケットを製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強制温風対流方式に対する改良に関し、特に、小児科患者の処置に当たって使用することができるブランケットに関する。
【背景技術】
【0002】
低体温は、正常以下の身体温度の状態であって、このような状態を患う患者には由々しい結果をもたらす。外科処置を受ける総ての患者のほぼ75%の者に体温低下が生ずることが判明している。これは、近似的に、米国だけでも1年に1400万人の低体温症患者数に匹敵する。手術室においては、低体温状態は、麻酔、手術室の空調及び冷血液、I−V溶液或いは洗浄流体の注入を含む多くの要因により惹起され得る。また、体温低下は、室温が低く保持され血液その他の流体の注入が連続して行われるような回復室又はPACU及び病院内の他の場所における問題でもある。
【0003】
体温低下の防止は、小児科でのケアにとって特に重要である。その理由は、小児科の患者は小さな温度変化により悪影響を受け得るからである。特に小児科の患者は、体重対皮膚表面積比が比較的小さいために成人患者よりも速く熱を失う。逆に、小児科の患者はまた成人患者よりも速く熱を摂取し得る。従って、小児科の患者には、温度の僅かな変化でも、風邪を引く等の外科処置に起因する合併症が起こり易い。
【0004】
低体温症の発生防止を助ける目的で、赤外線ランプ、木綿ブランケット及び温水マットレスの使用のような幾つかの方法及び製品が開発されている。しかし、これらの方法及び製品のいずれもが完全には成功を収めていないことが判明している。実際、これら方法及び製品は、患者が内因性の熱を失うことを防止することさえできないことが明らかにされている(例えば、特許文献1参照。)
【0005】
非常に効果的であることが判明している別の低体温症の防止助成方法では、強制温風対流が使用されている。既に1937年代の古くから、特許文献2に冷風対流を用いた冷却ブランケットが示唆されている。このブランケットは、入口ポートからの空気流を案内するために複数個の層を備えている。ブランケットを身体の周囲に固定するために、該ブランケットの周辺部に沿い非膨張性の部分が設けられている。
【0006】
特許文献3も冷風を人間に供給するブランケットに関するものである。この特許文献3のブランケットは、複数個の離散的な位置で接続し合わされ且つ周縁に沿って連続した線状に接続し合わされた複数個の薄いシート材から構成されている。シート材間の空間に冷風を供給することを可能にするために、該空間と連通して空気入口が設けられている。
【0007】
特許文献4には、ブランケットに冷風か又は温風を供給することができる強制空気対流方式が記載されている。このオーガスチン他のブランケットは、横断開口により内部が接続し合わされた複数個の膨張可能な中空の管から構成されている。ブランケットの上部表面には、冷風又は温風を流入するための入口ポートが設けられ、下面には、冷風又は温風が、ブランケットにより覆われている身体に向かって流出するように小さい出口ポートが設けられている。
【0008】
膨張可能なブランケットにより人間に冷風又は温風を供給することに関する別の特許としては、特許文献5〜特許文献7が挙げられる。これら各米国特許明細書には人間に対し冷風或いは温風を供給するために種々の属性及び形態を有するブランケットが記載されている。
【0009】
【特許文献1】ジャーナル・オブ・ポスト・アネステシア・ナーシング(Jounal of Post Anesthesia Nursing)5巻、4号、1990年8月、頁254−263
【特許文献2】米国特許第2,093,834号明細書
【特許文献3】米国特許第2,512,559号明細書
【特許文献4】米国特許第4,572,188号明細書
【特許文献5】米国特許第4,660,388号明細書
【特許文献6】米国特許第4,777,802号明細書
【特許文献7】米国特許第4,867,230号明細書
【特許文献8】米国特許第5,125,238号明細書
【特許文献9】特開平1−160551号公報
【特許文献10】米国特許第2,122,964号明細書
【特許文献11】実願昭61−19511号(実開昭62−131667号)のマイクロフィルム
【特許文献12】実願昭56−92737号(実開昭57−203854号)のマイクロフィルム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記方式の幾つかについては手術室での使用が示唆されているが、これら方式は総て、この種の用途に対し同じような欠点を有している。特に、手術室で動作する方式の場合には、ブランケットを、ホースを介して空気供給ユニットもしくはブロワーユニットに取り付けなければならない。ところが、このようにホースの設置は、施術中大きな問題となり得る。その理由は、外科医、麻酔医師或いは他の外科チームのメンバーが占拠しようとする位置にホースを配置しなければならない場合には、患者に対する充分なアクセスが相応に犠牲になり得るからである。加えるに、ホースのこのような設置は、I−Vスタンド、モニタ等々外科処置に必要とされる他の設備の配備に困難を生ぜしめ得る。更にまた、ホースは可能な限り短くすることが重要である。何故ならば、長いホースを用いた場合には、ブランケットへ熱を供給する前に多くの熱が失われ、それによりブランケットの総合効率が低減するからである。
【0011】
PACU、ICU又は標準の病院の部屋のような手術を行わない部屋での設置においてはホースの配置はそれ程問題にはならないが、それでもなおホースの設置に関してはオプションを与えるのが望ましい。このことは、特に、ブロワーユニットとI−Vスタンド等々のような他の設備との間における空間的関係に関し当て嵌まる。
【0012】
小児科患者の低体温症の防止には、特別な特性及び仕様が必要である。本明細書において、術語「小児科患者」とは、新生児、赤子及び子供を含む複数の患者を記述するのに用いられている。特に、小児科患者の体寸は、大きな成人用サイズのブランケットがもっている総ての保温上の利点を提供する比較的小さいブランケットを必要とする。更に、或る種の外科処置においては、外科医或いは他の外科チームのメンバーの邪魔にならないように、ブランケットの上に小児科患者を横たわらせるのが望ましい。そのためには、ブランケットが、体温低下を防止するのに必要な加温治療を施すのに充分な空気流を通流させうることが要求される。
【0013】
先に述べた従来技術のいずれも、小児科患者のケア用にブランケットを使用することに関しては触れていない。従って、強制温風対流方式に対する改良、特に、小児科患者の処置に当たって使用することができるブランケットが当該技術分野において必要とされている。
【0014】
本発明の1つの目的は、特に小児科患者に対して使用することができる強制温風対流方式用のブランケットを提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、小児科患者の上側或いは下側で使用することができる強制温風対流方式用のブランケットを提供することにある。
【0016】
本発明の更に他の目的は、ブロワ及び空気供給ホースを、行うべき外科処置の必要性に依存して選択的に設定することを可能にする強制温風対流方式用のブランケットを提供することにある。
【0017】
本発明の目的はまた、不燃性且つ耐レーザ性を有する強制温風対流方式用のブランケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の目的及び他の目的は、本発明によれば、小児科患者に適した寸法を有し、所望の加温もしくは保温治療を達成するのに充分な空気流量を与える手段を備えた温風対流方式用のブランケットを提供することにより達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の好適な実施の形態を、添付図面を参照しながら説明するが、図中、同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。
【実施例】
【0020】
本発明は主として、小児科患者の体温低下を防止することに関する。特に、本発明は、外科的手術又は他の医学的処置を受けている小児科患者に対し温風を与えるための温風対流ブランケットに関する。本発明によるブランケットは、主として、約2.3キログラム乃至23キログラム(5ポンド乃至50ポンド)の体重を有する新生児から約5歳までの小児科患者に対して用いられるように設計されている。
【0021】
更に、本発明によるブランケットは、患者の頭部を含め上半身或いは患者の下半身或いは患者の身体全体を保温するのに使用し得るように設計されている。ブランケットを横切る温度分布は、約5°C以上変動しないようにすることが望ましいが、本発明のブランケットは、比較的高い空気流量で比較的高い空気温度分布を実現するのに使用可能であるので、この所望条件は満たされる。
【0022】
図1は、強制温風対流方式のブランケットの平面図であって、該ブランケットは、全体的に参照数字10で示してある。該ブランケット10は、主として、手術室外部で使用するのに適している。該ブランケットは全体的に矩形の形状を有しており、頭部収容凹部20と、肩延長部30とを具備する。ブランケット10は、周縁部に沿って封着されて、内部表面部分に離散的に位置する点溶着部50で接続し合わされた2枚のシート材から構成される。このような仕方でブランケット10のシート材を接続することにより、ブランケット10は、該シート材間に形成される空気室に空気を供給することにより膨張することができる。
【0023】
ブランケット10は更に、入口ポート40を備えており、該入口ポート40は、ブランケット10の空気室と連通し、ブランケット10を膨張するために該ブランケット10の空気室に空気を供給するのに使用することができる。ブランケット10の一方のシート材には、温風がブランケット10から患者に向かう方向に逃げることができるように複数個の小さな出口孔70が設けられている(図4参照)。
【0024】
使用に当たって、ブランケット10は、患者の頭部が、頭部収容凹部20内に露出した状態で位置し、入口ポート40が患者の足部に位置するようにして患者の身体の上に配置される。ブランケット10は、出口孔70を有するシート材が患者側に面するように配置すべきである。肩延長部30は、患者の肩越しに垂れ下がり、この部分を患者の肩の下に巻き入れることにより、ブランケット10を所定位置に固定することができる。ブランケット10を所定位置に設定したならば、該ブランケット10を、入口ポート40を介し温風を供給し膨張することができる。該温風は、入口ポート40を介してブランケット10の空気室に定常的に供給されて、出口孔70を経てブランケット10から流出し、それにより患者に対し加温もしくは保温治療を行う。
【0025】
入口ポート40は、初期状態においては、例えば、封止、折り重ね、テープ止め、スナップ止め等々のような任意の適当な手段により閉じて置くことができる。入口を恒常的に封着する場合には、孔の付いた引裂きストリップ或いは穴をあけたパネルのような手段を設け、使用に当たり選択された入口ポートの開放を容易にすることが可能である。別法として、該入口を単純に、鋏或いはナイフで切り開くことも可能である。
【0026】
別の実施形態として、入口ポート40は、初期状態において、可逆的に開放及び再閉塞することを可能にする手段により閉じて置くことができる。特に、接着ストリップ或いはラベル、両面接着テープ、スナップ、ファスナー、折り重ねフラップ、折り曲げワイヤ或いはプラスチック製の棒、ファスナー型シール或いはフック又はループ形状のファスナー等々のような手段を用いることができる。別法として、ゴム、エラストマー或いはプラスチック製の帯状物を用いて、ブランケット10の内部に空気を供給するために挿入されたノズルの周囲で、入口ポート40の材料を緊着することもできよう。
【0027】
ブランケット10の一方のシート材に貫通して形成される出口孔70は、清浄で均質な孔を形成する押抜き法により形成される。この方法によれば、均等な空気流量特性を有するブランケットが得られる。これとは対象的に、従来のブランケットの出口孔は、通常、ブランケットの下側表面を裂くか或いは切断することにより形成されていたために、ギザギザの付いた不均一な孔が形成されることになり、空気の流れパターンが大きく変動する原因となっている。
【0028】
図4に示すように、出口孔70は、喰違い列に形成されている。所定の列における出口孔70はブランケットの全幅に亙って設けられ且つ出口孔70の複数の列は、ブランケットの全長に亙って延在する。隣接する出口孔列は、一方の列における出口孔がそれに隣接する他方の出口孔列における隣接の出口孔間の中間に位置するような仕方で互いに偏っている。出口孔70の隣接する列間の間隔は約2.86センチ(1+1/8インチ)であり、同一列内で隣接する出口孔70間の間隔は約3.18センチ(1+1/4インチ)とするのが好適である。
【0029】
なお、ブランケット10は、主として手術室外部で使用するよう適応されていると述べたが、手術室内での使用にも適し得ることを註記しておく。
【0030】
図2は、強制温風対流式のブランケットの平面図であり、参照数字200で全体的に示してある該ブランケット200は、主として、手術室内で使用するのに適している。該ブランケット200は、上述のブランケット10に非常に類似しており、全体的に矩形の形状を有するが、頭部収容凹部或いは肩延長部を備えていない。該ブランケット200は、周縁部に沿って封着されて、内部表面部分に離散的に位置する点溶着部250で接続し合わされた2枚のシート材から構成される。このような仕方でブランケット200のシート材を接続することにより、ブランケット200は、該シート材間に形成される空気室に空気を供給することにより膨張することができる。
【0031】
ブランケット200は更に、入口ポート240を備えており、該入口ポート240は、ブランケット200の空気室と連通し、ブランケット200を膨張するために該ブランケット200の空気室に空気を供給するのに使用することができる。ブランケット200の一方のシート材には、温風がブランケット200から患者に向かう方向に逃げることができるように複数個の小さな出口孔70が設けられている(図4参照)。
【0032】
使用に当たって、ブランケット200は、患者の身体の上側又は下側に配置される。患者の上側に配置された場合、ブランケット200は、出口孔70を有するシートが患者側に面して、手術又は他の処置が行われる患者の領域が露出した状態に留どまるように配置する。ブランケット200は、入口ポート240が患者の足部又は頭部側に位置するように方向付けることができる。ブランケット200を所定位置に設定したならば、該ブランケット200を、入口ポート240を介し温風を供給し膨張することができる。該温風は、入口ポート240を介してブランケット200の空気室に定常的に供給されて、出口孔70を経てブランケット200から流出し、それにより患者に対し加温もしくは保温治療を行う。
【0033】
入口ポート240は、初期状態において、ブランケット10の入口ポート40と関連して先に述べた手段を用いて閉鎖しておくことができる。ブランケット200の1枚のシート材を貫通して形成された出口孔70はブランケット10と関連して既に述べたのと同じ押抜き方法により形成することができる。
【0034】
なお、ブランケット200は、主として手術室内で使用するよう適応されていると述べたが、手術室外部での使用にも適し得ることを註記しておく。
【0035】
患者の下側にブランケットを設置する場合には、患者の体重で、ブランケットの或る部分により空気流が部分的に或いは完全に抑制される場合が往々にしてある。従って、患者に対し同量の保温治療を行うためには、ブランケットを通し一層大きく且つ一層均衡した空気流を供給する手段を設けるのが望ましい。
【0036】
図3は、強制温風対流式のブランケットの平面図であり、参照数字300で全体的に示してある該ブランケットは、主として、手術室内で使用するのに適している。該ブランケット300は既述のブランケット10に非常に類似しており、全体的に矩形の形状を有するが、頭部収容凹部或いは肩延長部を備えていない。ブランケット300は、周縁部に沿って封着されて、内部表面部分に離散的に位置する点溶着部350で接続し合わされた2枚のシート材から構成される。このような仕方でブランケット300のシート材を接続することにより、ブランケット300は、該シート材間に形成される空気室に空気を供給することにより膨張することができる。
【0037】
ブランケット300は更に、3つの別個の入口ポート340、342及び344を備えており、該入口ポートは、ブランケット300の空気室と連通して、ブランケット300を膨張するために該ブランケット300の空気室に空気を供給するのに使用することができる。ブランケット300の一方のシート材には、温風がブランケット300から患者に向かう方向に逃げることができるように複数個の小さな出口孔70が設けられている(図4参照)。加えるに、ブランケット300は出口ベント360、362及び364を備えており、これらベントは、ブランケット300の空気室と連通し、温風がブランケット300から逃げることを可能にしている。
【0038】
使用に当たって、ブランケット300は、患者の身体の上側にも下側にも配置されるが、患者の下側に配置するのが好ましい。患者の下側に配置する場合、ブランケット300は、出口孔70を有するシートが患者側に面して、手術又は他の処置が行われる患者の領域が露出した状態に留どまるように配置する。ブランケット300は、入口ポート340、342及び344が患者の足部又は頭部側に位置するように方向付けることができる。ブランケット300を所定位置に設定したならば、該ブランケット300は、入口ポート340、342又は344のいずれかを介して温風で膨張することができ、また、所望ならば、2つ以上の入口ポートを介して膨張することができる。温風がブランケット300の空気室に定常的に供給されて、出口孔70を経てブランケット300から流出し、それにより患者に対し保温治療を行うと共にまたベント360、362及び364を経て流出し、ブランケット300を流れる空気流量を増加する。このように、複数の入口ポート及び出口ベントを設けることにより、循環する温風はブランケットを通流する際により多くの流路を有することになり、かくして、ブランケットを通し一層大きく且つ一層均衡のとれた空気流が得られる。従って、ブランケット300の或る部分において空気流が部分的に或いは完全に抑制される場合でも患者に対して一層均衡のとれた保温治療を施すことができる。
【0039】
入口ポート340、342及び344は、初期状態において、ブランケット10の入口ポート40に関して既に述べた手段を用いて閉鎖しておくことができる。ブランケット300の1枚のシート材を貫通して形成された出口孔はブランケット10と関連して既に述べたのと同じ押抜き法により形成することができる。
【0040】
なお、ブランケット300は、主として手術室内で使用するよう適応されていると述べたが、手術室外部での使用にも適し得ることを述べておく。
【0041】
図5は、強制対流式のブランケットの平面図であり、参照数字500で全体的に示されている該ブランケット500は、主として、手術室内で使用するのに適している。特に、図5は、出口孔570がブランケット500の1枚のシートの一部分にのみ形成されている本発明の好適な実施形態を示す。出口孔570は、ブランケット10と関連して先に述べたのと同じ押抜き法により形成することができる。
【0042】
出口孔570は、喰違い列に形成されている。所定の列における出口孔570はブランケット500の全幅に亙って設けられ且つ出口孔570の複数の列は、出口ベント560、562及び564を有するブランケットの端部から始まり、全長の約半分に亙って延在する。隣接する出口孔列は、一方の列における出口孔がそれに隣接する他方の出口孔列における隣接の出口孔間の中間に位置するような仕方で互いに偏って位置する。出口孔570の隣接する列間の間隔は約2.86センチ(1+1/8インチ)であり、同一列内で隣接する出口孔570間の間隔は約3.18センチ(1+1/4インチ)とするのが好適である。
【0043】
図5に示してある好適な実施形態によれば、患者の下側に保温ブランケットを配置することと関連して幾つかの利点が得られる。特に、先に述べたように、複数の入口ポート及び出口ベントを設けることにより、ブランケットの空気室内には循環温風が通流するのに一層多くの流路を得ることができ、それにより、ブランケットを通し一層大きく且つ一層均衡な空気流を与えることができる。
【0044】
更に、保温ブランケットを患者の下側に敷く場合には、空気は、出口孔から上向きに外科処置場所に流出する。この場合、空気が、外科処置を行いつつある患者の身体の領域の近傍において出口孔から流出するのは特に望ましくないことである。何故ならば、このような流出空気で、外科医その他外科処置に参加しているチーム員の注意を逸らせたり、また、外科処置箇所の汚染の危険性が増加するからである。
【0045】
この問題は、出口孔570がブランケット500の全長の半分だけに沿って設けられている図5に示すようなブランケットを提供することにより克服される。特に、ブランケット500は、出口孔570が外科処置箇所の領域に含まれない患者の身体の領域の下側に位置するような仕方で患者の下側に配置することができる。これと関連し、ブランケット500は、入口ポート540、542及び544が患者の足部又は頭部側に位置し、それにより、出口孔570が選択的に患者の身体の所望部分の下側に位置するように配置できる点に注目されたい。
【0046】
ブランケット500を使用する場合には、患者に対し2つの仕方で保温治療が施される。出口孔570が存在する領域においては、主として、保温は対流手段により行われる。即ち、出口孔570を経て患者に向かって逃げる温風によって行われる。他方、出口孔が存在しない領域においては、患者は、主として、患者に接するブランケット500を介しての暖気の伝導及び放射伝達によって保温される。
【0047】
より好適な実施形態においては、出口孔570から追い出される温風を捕捉するためにシート(図示せず)を患者の上側に配置することができる。このシートは、任意の適当な材料から形成することができるが、使い捨て可能なプラスチックから形成するのが有利である。このようにすれば、患者の身体のいずれの部分からも離れている出口孔570から逃げる空気のように、患者に対して通常保温を行わない温風が、患者に対する熱伝達を助成することができる。また、該シートは、外科処置箇所に対する空気の流れを抑制するような仕方で、ブランケット500或いはまた適当であれば患者に対し取り付けることができるように少なくとも一側部に沿い外科用テープのような接着手段を具備することができる。従って、外科処置箇所に対する汚染の危険性を更に低減することができる。最も好適な実施形態においては、上記シートは透明なプラスチックカバーとするのが有利である。このようにすれば、上述の総ての利点が得られるのに加えて、覆われている患者の領域に対しアクセスすることが可能であると共に該領域の視認が可能となる。
【0048】
本発明の幾つかの特徴は、本来的に、本発明の実施に当たって普遍的なものであり、1葉の図面のみで説明し得る。以下には、このような普遍的な特徴の細部に関し更に説明する。
【0049】
本発明によるブランケットは、病院での処置もしくは作業中邪魔になるほど過大ではなく、小児科患者を心地よく収容する大きさとすべきである。特に、ブランケットを患者の上側に掛けて使用する場合、膨張されていない状態でのブランケットは、幅が約61センチ(24インチ)から約91センチ(36インチ)で、長さが約127センチ(50インチ)から163センチ(64インチ)とすべきである。患者の上側に掛けて使用する膨張していない状態でのブランケットは約76センチ(30インチ)幅で且つ約145センチ(57インチ)長とするのが好適である。膨張した状態では、ブランケットは、膨張により該ブランケットの側部及び端部が収縮するので、若干小さい寸法を有することになろう。特に、好適な実施形態においては、患者の上側で用いられる膨張されたブランケットは、幅が約66センチ(26インチ)で長さが約127センチ(50インチ)となるようにすべきであろう。
【0050】
患者の上側で用いられるブランケットの場合には、肩延長部を設け、該肩延長部を使用して、使用中ブランケットを固定する一助とすることができる。先に述べた肩延長部は、該肩延長部が非膨張性となるように、ブランケットの空気室から封止しておくべきである。肩延長部は、ブランケットのいずれかの端部から延長して設けることができるが、入口ポート(単数又は複数)とは反対側のブランケット端部から延長して設けるのが好適である。また、肩延長部は、幅が約25センチ(10インチ)で長さが約18センチ(7インチ)とするのが有利である。
【0051】
ブランケットを患者の下側で使用する場合には、膨張されていない状態でのブランケットは、幅が約51センチ(20インチ)から約76センチ(30インチ)で、長さが約89センチ(35インチ)から119センチ(47インチ)とすべきである。好適な実施形態においては、患者の下側に敷いて使用する膨張していない状態でのブランケットは約64センチ(25インチ)幅で且つ約104センチ(41インチ)長とするのが有利である。好適な実施形態として、患者の下側で用いられる膨張されたブランケットは、幅が約66センチ(26インチ)で長さが約127センチ(50インチ)とすべきであろう。
【0052】
上述したブランケットのうちの幾つかのものには単一の入口ポートが設けられ、また他の幾つかのものには複数の、即ち、3個の入口ポートが設けられる旨図示した。ブランケットに複数個の入口を設けることにより、使用者は、外科処置箇所にアクセスする必要性に依存し、空気供給もしくはブロワーユニット及び供給ホースを種々な箇所に配置する上で使用者がその選択を行うことができる。特に、使用すべき入口は、外科処置箇所に対するアクセスに最小限干渉しないように最適に選択することが可能である。加えるに、取外し可能な入口ポートを設けることにより、使用者は、実際に、使用中入口を切り換えることができ、このことは、特に、外科処置中、外科医が患者に対し充分にアクセスすることができる上で有利であろう。
【0053】
更に、本発明は特に、1つ又は3個の入口を有するブランケットと関連して説明したが、当業者には明らかなように、更に使用の融通性を大きくするために、任意数の入口を設けることが可能であろう。このように、付加的な入口の設置は、ブランケット内に良好な空気分布及び空気流を維持することの必要性によってしか制限されない。
【0054】
更にまた、本発明によるブランケットを使用する際に、1つの温風供給源を同時に2つ以上の入口に接続することが可能である。これは、異なった供給源を異なった入口に連結するか又は別法として単一の供給源を、多重に分岐した供給ホースを使用して複数の入口に接続することにより達成することができる。例えば、2個の入口が設けられている場合には、供給ホースとしてY字形状のホースを使用することができよう。本発明のこれら各実施形態は、ブランケットの総ての部分に、より均等な熱分布を実現する上で有利であろう。
【0055】
本発明によるブランケットは、総て、該ブランケットの別個のシート材を接続するのに上述した点溶着部のような接続部を用いて構成される。このような接続部を設けることにより、特に小児科患者に対して使用する場合に幾つかの利点が得られる。就中、溶着部は比較的大きく開いた空気室を形成し、それにより、温風はブランケット内で有らゆる方向に自由に流れることができる。この自由な空気流でブランケット内には良好な熱分布が実現され、このようにして、本発明のブランケットによれば、ブランケットにおける熱分布が約5°C未満しか変動しないという所期の目的を達成することができる。このことは、使用中ブランケット内部に高温点或いは低温点の発生を低減する上で非常に重要である。更に、溶着部は、ブランケットを患者の下側で使用する場合に付加的な安定性を与える。実際、溶着部は、患者をブランケットの上に配置した場合に患者が所定位置から変位するのを阻止する上で効果があり、且つまた、患者を支持したり且つ緩衝するために患者の下側に更に別の材料を使用する必要性をも排することができる。
【0056】
一般に、患者の上側で使用されるブランケットの場合には、上記の点溶着部は、ブランケットの全幅に亙り且つブランケットの全長に沿い喰違い列で設けることが可能である。その場合、点溶着部の隣接する列は、任意の所定列内の1つの点溶着が隣接の点溶着列内の隣接する点溶着間の中間に位置するような仕方で互いに偏らせて設けられる。患者の上側で使用されるブランケットの場合には、隣接する点溶着列間の間隔は約7.6センチ(3インチ)で且つ同一列内の隣接する点溶着列間の間隔は約7.6センチ(3インチ)とするのが好適である。
【0057】
患者の下側で使用されるブランケットの場合にも、点溶着を、ブランケットの全幅に亙り且つ全長に沿って喰違い列で設けることができる。その場合、隣接する点溶着列は、任意の所定点溶着列内の1つの点溶着が隣接する点溶着列内の互いに隣接する点溶着間の中間に現れるような仕方で偏らせる。しかし、患者の下側で使用されるブランケットの場合には、点溶着間の間隔は、若干緻密なパターンで設けるべきである。点溶着間の間隔が狭ければ、ブランケットの安定性が高まり、患者が既述のようにブランケット上で変位する動きが低減される。患者の下側で使用されるブランケットの場合には、隣接する点溶着列間の間隔は約6.4センチ(2+1/2インチ)で、同一列内の隣接点溶着間の間隔は約6.4センチ(2+1/2インチ)とするのが好適である。
【0058】
本発明による1つの実施形態においては、或る点溶着部を除去することも可能である。或る点溶着部を除去することにより、ブランケット内における空気分布を一層完全にすることができ且つ温度分布を更に均等且つ均衡にすることが可能である。このことは、使用中、ブランケット内に高温点或いは低温点が生ずるのを低減する上で非常に重要であろう。
【0059】
本発明によるブランケットは、選択された位置において互いに封着することが可能であり、且つ膨張を許容すると共に、膨張した空気室内の適切な空気分布を許容するのに充分な強度を有する限り任意の適当な材料から形成することができる。このような材料には、プラスチック、天然繊維及び合成材料混合物、例えば、木綿、ウール、絹、レーヨン、ポリプロピレン、木綿とポリエステルとの混合物、ポリエステルとセルロースとの混合物、レーヨンとポリエステルとの混合物、不織木材パルプ組成物、積層プラスチック及び木材パルプ材料並びにそれらの組合せ材料を挙げることができる。
【0060】
更に、ブランケットは、上述の材料から形成された種々な積層構造として形成することができる。例えば、本発明によるブランケットの各シート材は、2枚又は3枚の重ねられた材料層から構成することができよう。
【0061】
本発明の別の実施形態においては、対流空気保温ブランケットを耐熱性材料で処理することができよう。特に、ブランケットは、噴霧、被覆その他適当な技術を用いて耐熱性材料で処理することが可能である。このような処理によれば、不燃性で且つレーザに対し抵抗を有する有利なブランケットが得られる。耐熱材料噴霧としては、ブランケットを不燃性にし且つレーザに対し抵抗を有するようにする任意の適当な噴霧を採用することができよう。このような噴霧は、ブランケットが形成されている材料に関係なく行うことが可能である。対流空気保温ブランケット用の耐火噴霧に有用であることが判明した1つの材料は、プロジェクト・ファイヤ・セイフティ・インコーポレーション(Project Fire Safety, Inc.)から製品番号MG 702として入手可能な材料がある。ブランケットを不燃性にし且つ耐レーザ性にする処理は、小児科及び成人用の大きさのブランケット及び他の所望の大きさのブランケットに適用可能である。
【0062】
上には、主として手術室で用いられる特定のブランケット或いは主として手術室外部で用いられる特定のブランケットについて説明したが、当業者には明らかなように、本発明によるブランケットは、上記のような主たる専用場所以外の他の場所でも使用可能であることを理解されたい。例えば、主として手術室で用いられるブランケットは、例えば、病院のPACU、ICU或いは通常の部屋のような手術室外部でも使用することが可能であり、且つその逆も可能であろう。更に、ここで述べたいずれのブランケットも、看護ホーム、患者の家その他低体温が問題となるような任意の場所で使用することもできよう。
【0063】
本発明によるブランケットは、体温低下の防止及び処置に有用である旨説明した。しかし、当業者には明らかなように、低体温状態下で患者の身体温度を制御するために、本発明によるブランケットに対して加圧された冷却空気或いは室温空気源から空気を供給して使用することも可能である。
【0064】
以上、本発明の幾つかの好適な実施形態に関して説明したが、本発明はこのような実施形態に如何なる意味においても制限されるものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変更、変形及び細部の変更が可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の1つの実施形態による主として手術室以外の場所で使用される強制温風対流方式用のブランケットの平面図である。
【図2】本発明の他の実施形態による主として手術室内で使用される強制温風対流方式のためのブランケットの平面図である。
【図3】本発明の別の実施形態による主として手術室で使用される強制温風対流方式のためのブランケットの平面図である。
【図4】本発明の1つの実施形態による鑚孔パターンを示す強制温風対流方式のためのブランケットの一部分の平面図である。
【図5】主として手術室で使用される強制温風対流方式用のブランケットの平面図であって、本発明の1つの実施形態による鑚孔を有するシートを示す図である。
【符号の説明】
【0066】
10,200,300,500 ブランケット
20 頭部収容凹部
30 肩延長部
40,240,340,342,344,540,542,544 入口ポート
50,250,350 点溶着部
70,570 出口孔
360,362,364,560,562,564 出口ベント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小児科患者に適合するような大きさに作られた強制空気対流方式で使用するためのブランケット。
【請求項2】
患者の上側で使用するための請求項1記載のブランケット。
【請求項3】
幅が約24乃至36インチで長さが約50乃至64インチの概ね矩形の形状を有する請求項2記載のブランケット。
【請求項4】
幅が約30インチで長さがが約57インチである請求項3記載のブランケット。
【請求項5】
請求項2に記載のブランケットであって、
第1のシート材と、
貫通形成された孔を有する第2のシート材とを含み、
前記第1、第2のシート材は、その周縁部に沿って互いに封着されると共に、同第1、第2のシート材の内部表面領域を横切って分布された複数の溶着部で互いに封着されて、同第1、第2のシート材間に膨張可能な空気室を形成し、そして前記ブランケットの一端部を介し前記空気室と連通する少なくとも1つの入口ポートを備えるブランケット。
【請求項6】
前記溶着部は、任意の所定列内の溶着部がそれに隣接する溶着部列における隣接する溶着部間の中間に現れるように前記ブランケットの全幅及び全長に亙り喰違い列として分布されている請求項5記載のブランケット。
【請求項7】
前記溶着部の隣接する列間の間隔が約3インチで同一列における隣接の溶着部間の間隔が約3インチである請求項6記載のブランケット。
【請求項8】
前記ブランケット内に一層均等且つ均一な温度分布が得られるように、幾つかの溶着部が除去されている請求項6記載のブランケット。
【請求項9】
請求項5記載のブランケットであって、更に、
前記ブランケットの一端部から延在する非膨張性の肩延長部を備え、該肩延長部は約10インチ幅で且つ7インチ長であるブランケット。
【請求項10】
前記肩延長部が、前記少なくとも1つの入口ポートが配設されている前記ブランケットの端部から延びている請求項9記載のブランケット。
【請求項11】
前記肩延長部が、前記少なくとも1つの入口ポートが配設されている前記ブランケットの端部と反対側の端部から延びている請求項9記載のブランケット。
【請求項12】
前記ブランケットが、同ブランケットの前記一端部のほぼ中心に位置する1個のみの入口ポートを備えている請求項5記載のブランケット。
【請求項13】
前記ブランケットの一端部に配置された3個の入口ポートを備え、
第1の入口ポートは、前記ブランケットの前記一端部の実質的に1つの隅部に配設され、
第2の入口ポートは、前記ブランケットの前記一端部のほぼ中心部に配設され、
第3の入口ポートは、前記ブランケットの前記一端部の実質的に他方の隅部に配設されている請求項5記載のブランケット。
【請求項14】
前記少なくとも1つの入口ポートは、裏返しを許容しないように封止されると共に、前記少なくとも1つの入口ポートを開放する開放手段を備えている請求項5記載のブランケット。
【請求項15】
前記開放手段は、引裂きストリップ、ポンチ加工パネル、及び鋏又はナイフの切断線からなる群から選択される請求項14記載のブランケット。
【請求項16】
前記少なくとも1つの入口ポートは、接着ストリップ、両面接着テープ、スナップ、ファスナー、折り畳みフラップ、折り曲げワイヤ、プラスチック棒、ファスナー固定型シール、フック/ループ型ファスナー、ゴム・バンド、エラストマ製のバンド及びプラスチック製のバンドからなる群から選択された裏返し自在の封止手段を用いて裏返し自在に封止される請求項5記載のブランケット。
【請求項17】
前記孔は、任意の所定列内の孔が、隣接の孔列における隣接する孔間の中間に現れるように、前記ブランケットの全幅及び全長に亙り喰違い列で分布されている請求項5記載のブランケット。
【請求項18】
隣接する孔列間の間隔が約(1+1/8)インチであり、同一列内の隣接孔間の間隔が約(1+1/4)インチである請求項17記載のブランケット。
【請求項19】
前記孔は、任意の所定列内の孔が、隣接の孔列における隣接する孔間の中間に現れるように、前記ブランケットの全幅並びに約2分の1の長さに亙り喰違い列で分布されている請求項5記載のブランケット。
【請求項20】
隣接する孔列間の間隔が約(1+1/8)インチであり、同一列内の隣接孔間の間隔が約(1+1/4)インチである請求項19記載のブランケット。
【請求項21】
前記孔が押抜き形成された孔である請求項5記載のブランケット。
【請求項22】
更に、前記少なくとも1つの入口ポートが配置されている端部とは反対側の前記ブランケットの端部を介して前記空気室と連通する少なくとも1つの出口ベントを備える請求項5記載のブランケット。
【請求項23】
前記ブランケットが、前記反対側の端部のほぼ中心に配置された唯一の出口ベントを備えている請求項22記載のブランケット。
【請求項24】
前記ブランケットの一端部に配置された3個の出口ベントを備え、
第1の出口ベントは前記ブランケットの前記反対側の端部の実質的に1つの隅部に配設され、
第2の出口ベントは前記ブランケットの前記反対側の端部のほぼ中心部に配設され、
第3の出口ベントは前記ブランケットの前記反対側の端部の実質的に他方の隅部に配設されている請求項22記載のブランケット。
【請求項25】
前記ブランケットが、プラスチック、天然繊維及び合成材料混合物、例えば木綿、ウール、絹、レーヨン、ポリプロピレン、木綿及びポリエステル混合物、ポリエステル及びセルロース混合物、レーヨン及びポリエステル混合物、不織木材パルプ組成物、積層プラスチック及び木材パルプ材料並びにそれらの組合せからなる群から選択された材料から形成されている請求項5記載のブランケット。
【請求項26】
患者の下側で使用される請求項1記載のブランケット。
【請求項27】
幅が約20乃至30インチで長さが約35乃至47インチの概ね矩形の形状を有する請求項26記載のブランケット。
【請求項28】
幅が約22インチで長さがが約35インチである請求項27記載のブランケット。
【請求項29】
請求項26記載のブランケットであって、
第1のシート材と、
貫通形成された孔を有する第2のシート材を含み、前記第1、第2のシート材は、その周縁部に沿って互いに封着されると共に、同第1、第2のシート材の内部表面領域を横切って分布された複数の溶着部で互いに封着されて、同第1、第2のシート材間に膨張可能な空気室を形成し、そして前記ブランケットの一端部を介し前記空気室と連通する少なくとも1つの入口ポートを備える請求項26記載のブランケット。
【請求項30】
前記溶着部は、任意の所定列内の溶着箇所がそれに隣接する溶着部の列における隣接する溶着部間の中間に現れるように前記ブランケットの全幅及び全長に亙り喰違い列として分布されている請求項29記載のブランケット。
【請求項31】
前記溶着部の隣接する列間の間隔が約(2+1/2)インチで同一列における隣接の溶着部間の間隔が約(2+1/2)インチである請求項30記載のブランケット。
【請求項32】
前記ブランケット内に一層均等且つ均一な温度分布が得られるように幾つかの溶着部を除去した請求項30記載のブランケット。
【請求項33】
前記ブランケットが、前記ブランケットの前記一端部のほぼ中心に位置する1個のみの入口ポートを備えている請求項29記載のブランケット。
【請求項34】
前記ブランケットの一端部に配置された3個の入口ポートを備え、
第1の入口ポートは前記ブランケットの前記一端部の実質的に1つの隅部に配設され、
第2の入口ポートは前記ブランケットの前記一端部のほぼ中心部に配設され、
第3の入口ポートは前記ブランケットの前記一端部の実質的に他方の隅部に配設されている請求項29記載のブランケット。
【請求項35】
前記少なくとも1つの入口ポートは、裏返しを許容しないように封止されると共に、前記少なくとも1つの入口ポートを開放する開放手段を備えている請求項29記載のブランケット。
【請求項36】
前記開放手段は、引裂きストリップ、ポンチ加工パネル、及び鋏又はナイフの切断線からなる群から選択される請求項35記載のブランケット。
【請求項37】
前記少なくとも1つの入口ポートは、接着ストリップ、両面接着テープ、スナップ、ファスナー、折り畳みフラップ、折り曲げワイヤ、プラスチック棒、ファスナー固定型シール、又はフック/ループ型ファスナー、ゴム・バンド、エラストマ製のバンド及びプラスチック製バンドからなる群から選択された裏返し自在の封止手段を用いて裏返し自在に封止される請求項29記載のブランケット。
【請求項38】
前記孔は、任意の所定列内の孔が、隣接の孔列における隣接する孔間の中間に現れるように、前記ブランケットの全幅及び全長に亙り喰違い列で分布されている請求項29記載のブランケット。
【請求項39】
隣接する孔列間の間隔が約(1+1/8)インチであり、同一列内の隣接孔間の間隔が約(1+1/4)インチである請求項38記載のブランケット。
【請求項40】
前記孔は、任意の所定列内の孔が、隣接の孔列における隣接する孔間の中間に現れるように、前記ブランケットの全幅並びに約2分の1の長さに亙り喰違い列で分布されている請求項29記載のブランケット。
【請求項41】
隣接する孔列間の間隔が約(1+1/8)インチであり、同一列内の隣接孔間の間隔が約(1+1/4)インチである請求項40記載のブランケット。
【請求項42】
前記孔が押抜き形成された孔である請求項29記載のブランケット。
【請求項43】
更に、前記少なくとも1つの入口ポートが配置されている端部とは反対側の前記ブランケットの端部を介して前記空気室と連通する少なくとも1つの出口ベントを備える請求項29記載のブランケット。
【請求項44】
前記ブランケットが、前記反対側の端部のほぼ中心に配置された唯一の出口ベントを備えている請求項43記載のブランケット。
【請求項45】
前記ブランケットの一端部に配置された3個の出口ベントを備え、
第1の出口ベントは前記ブランケットの前記反対側の端部の実質的に1つの隅部に配設され、
第2の出口ベントは前記ブランケットの前記反対側の端部のほぼ中心部に配設され、
第3の出口ベントは前記ブランケットの前記反対側の端部の実質的に他方の隅部に配設されている請求項43記載のブランケット。
【請求項46】
前記ブランケットが、プラスチック、天然繊維及び合成材料混合物、例えば木綿、ウール、絹、レーヨン、ポリプロピレン、木綿及びポリエステル混合物、ポリエステル及びセルロース混合物、レーヨン及びポリエステル混合物、不織木材パルプ組成物、積層プラスチック及び木材パルプ材料並びにそれらの組合せからなる群から選択された材料から形成されている請求項29記載のブランケット。
【請求項47】
前記ブランケットは不燃性且つ耐レーザ性である請求項1記載のブランケット。
【請求項48】
前記ブランケットは、新生児から約5歳の患者に適合する大きさに作られている請求項1記載のブランケット。
【請求項49】
前記ブランケットは、約5乃至約50ポンドの患者に適合する大きさに作られている請求項1記載のブランケット。
【請求項50】
小児科患者の体温低下を処置もしくは防止するために、対流及び伝導により該患者に熱を与えるブランケットであって、
第1のシート材と、
第2のシート材であって、前記第1のシート材に周辺部に沿い封着されると共に前記第1のシート材及び前記第2のシート材の内部表面領域に亙り分布された複数個の溶着箇所で前記第1のシート材に封着されて膨張可能な空気室を両シート材間に形成する前記第2のシート材と、
前記ブランケットの一端部を介して前記空気室と連通する少なくとも1つの入口ポートとを含み、
前記第2のシート材は、孔が形成されている第1の領域を備え、
前記孔は、前記少なくとも1つの入口ポートを介して前記空気室に供給される温風が前記患者に向かって逃げて、患者に対し対流加温治療を行うことを可能にし、
前記第2のシート材は、患者に対し熱伝導保温治療を行う第2の領域を備えているブランケット。
【請求項51】
前記孔は、任意の所定列内の孔が、隣接の孔列における隣接する孔間の中間に現れるように、前記ブランケットの全幅並びに約2分の1の長さに亙り喰違い列で分布されている請求項50記載のブランケット。
【請求項52】
隣接する孔列間の間隔が約(1+1/8)インチであり、同一列内の隣接孔間の間隔が約(1+1/4)インチである請求項51記載のブランケット。
【請求項53】
小児科患者の体温低下を処置もしくは防止するために、対流及び伝導により該患者に熱を与えるブランケットであって、
第1のシート材と、
第2のシート材であって、前記第1のシート材に周辺部に沿い封着されると共に前記第1のシート材及び前記第2のシート材の内部表面領域を横切って分布された複数個の溶着箇所で前記第1のシート材に封着されて膨張可能な空気室を両シート材間に形成する前記第2のシート材と、
前記ブランケットの一端部を介して前記空気室と連通する少なくとも1つの入口ポートとを含み、
前記第2のシート材は、孔が形成されている第1の領域を備え、
前記孔は、前記少なくとも1つの入口ポートを介して前記空気室に供給される冷風が前記患者に向かって逃げて、患者に対し対流冷却治療を行うことを可能にし、
前記第2のシート材は、患者に対し熱伝導冷却治療を行う第2の領域を備えるブランケット。
【請求項54】
前記孔は、任意の所定列内の孔が、隣接の孔列における隣接する孔間の中間に現れるように、前記ブランケットの全幅並びに約2分の1の長さに亙り喰い違い列で分布されている請求項53記載のブランケット。
【請求項55】
隣接する孔列間の間隔が約(1+1/8)インチであり、同一列内の隣接孔間の間隔が約(1+1/4)インチである請求項54記載のブランケット。
【請求項56】
不燃性且つ耐レーザ性である強制空気対流方式で使用されるブランケット。
【請求項57】
小児科患者における体温低下を防止する方法であって、
強制空気対流方式で使用することができ、小児科患者に適合するように大きさが作られたブランケットを用意し、
該ブランケットを前記患者の上側に配置し、
前記ブランケットを強制温風供給源に接続し、
前記供給源から前記ブランケットに強制温風を供給することを含む、小児科患者における体温低下防止方法。
【請求項58】
前記ブランケットにおける温風温度分布のばらつきが5°C未満である請求項57記載の体温低下防止方法。
【請求項59】
前記ブランケットがその一端部に形成された複数の入口ポートを有し、前記強制温風供給のステップで、
前記供給源から前記複数の入口ポートのうちの1つのポートのみを介して前記ブランケットに強制温風を供給することを含む請求項57記載の体温低下防止方法。
【請求項60】
前記ブランケットがその一端部に形成された複数の入口ポートを有し、前記強制温風供給のステップで、
前記供給源から前記複数の入口ポートのうちの2つ以上のポートを介して前記ブランケットに強制温風を供給することを含む請求項57記載の体温低下防止方法。
【請求項61】
小児科患者における体温低下を防止する方法において、
強制空気対流方式で使用することができ、小児科患者に適合するように大きさが作られたブランケットを用意し、
該ブランケットを患者の下側に配置し、
前記ブランケットを強制温風供給源に接続し、
前記供給源から前記ブランケットに強制温風を供給することを含む体温低下防止方法。
【請求項62】
前記ブランケットにおける温風温度分布のばらつきが5°C未満である請求項61記載の方法。
【請求項63】
更に、少なくとも一端部に沿い接着剤を有するシートを用意し、
前記シートを前記ブランケット上に位置する患者の上側に配置し、
前記シートを前記ブランケット又は前記患者又は前記ブランケット及び前記患者に接着剤で接続することを含む請求項61記載の体温低下防止方法。
【請求項64】
前記シートが透明なプラスチックシートである請求項63記載の体温低下防止方法。
【請求項65】
前記ブランケットがその一端部に形成された複数の入口ポートを有し、前記強制温風供給のステップで、
前記供給源から前記複数の入口ポートのうちの1つのポートのみを介して前記ブランケットに強制温風を供給することを含む請求項61記載の体温低下防止方法。
【請求項66】
前記ブランケットがその一端部に形成された複数の入口ポートを有し、前記強制温風供給のステップで、
前記供給源から前記複数の入口ポートのうちの2つ以上のポートを介して前記ブランケットに強制温風を供給することを含む請求項61記載の体温低下防止方法。
【請求項67】
小児科患者における体温低下を防止する方法であって、
強制空気対流方式で使用することができ、小児科患者に適合するように大きさが作られたブランケットを用意し、
該ブランケットを患者の上側に配置し、
前記ブランケットを強制冷風供給源に接続し、
前記供給源から前記ブランケットに強制冷風を供給することを含む体温低下防止方法。
【請求項68】
前記ブランケットにおける冷風温度分布のばらつきが5°C未満である請求項67記載の体温低下防止方法。
【請求項69】
前記ブランケットがその一端部に形成された複数の入口ポートを有し、前記強制冷風供給のステップで、
前記供給源から前記複数の入口ポートのうちの1つのポートのみを介して前記ブランケットに強制冷風を供給することを含む請求項67記載の体温低下防止方法。
【請求項70】
前記ブランケットがその一端部に形成された複数の入口ポートを有し、前記強制冷風供給のステップで、
前記供給源から前記複数の入口ポートのうちの2つ以上のポートを介して前記ブランケットに強制冷風を供給することを含む請求項67記載の体温低下防止方法。
【請求項71】
小児科患者における体温低下を防止する方法であって、
強制空気対流方式で使用することができ、小児科患者に適合するように大きさが作られたブランケットを用意し、
該ブランケットを患者の下側に配置し、
前記ブランケットを強制冷風供給源に接続し、
前記供給源から前記ブランケットに強制冷風を供給することを含む体温低下防止方法。
【請求項72】
前記ブランケットにおける冷風温度分布のばらつきが5°C未満である請求項71記載の体温低下防止方法。
【請求項73】
更に、少なくとも一端部に沿い接着剤を有するシートを用意し、
前記シートを前記ブランケット上に位置する患者の上側に配置し、
前記シートを前記ブランケット又は前記患者又は前記ブランケット及び前記患者に接着剤で接続することを含む請求項71記載の体温低下防止方法。
【請求項74】
前記シートが透明なプラスチック・シートである請求項73記載の体温低下防止方法。
【請求項75】
前記ブランケットがその一端部に形成された複数の入口ポートを有し、前記強制冷風供給のステップで、
前記供給源から前記複数の入口ポートのうちの1つのポートのみを介して前記ブランケットに強制冷風を供給することを含む請求項71記載の体温低下防止方法。
【請求項76】
前記ブランケットがその一端部に形成された複数の入口ポートを有し、前記強制冷風供給のステップで、
前記供給源から前記複数の入口ポートのうちの2つ以上のポートを介して前記ブランケットに強制冷風を供給することを含む請求項71記載の体温低下防止方法。
【請求項77】
強制空気対流方式と共に使用されるブランケットの製造方法であって、
第1のシート材を用意し、
前記第1のシート材と実質的に同じ形状及び寸法の第2のシート材を用意し、
前記第2のシート材の少なくとも一部分を貫通する孔を押抜き成形し、
前記第2のシートを、前記第1のシートを実質的に覆うように該第1のシート上に配置し、
前記第1及び第2のシートの全周縁に沿い前記第2のシートを前記第1のシートに封着し、
前記第1のシート及び前記第2のシートの内部表面領域を横切って分布された複数個の溶着部で前記第2のシートを前記第1のシートに封着し、前記周縁封着部及び前記溶着部で、前記第1のシートと前記第2のシートとの間に膨張可能な空気室を形成し、
前記ブランケットの一端部を貫通する少なくとも1つの入口ポートを設けて前記空気室と連通することを含むブランケットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−7436(P2007−7436A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243176(P2006−243176)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【分割の表示】特願平7−520211の分割
【原出願日】平成7年1月25日(1995.1.25)
【出願人】(595089123)マリンクロット・メディカル・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】