説明

小切手処理装置および小切手処理方法

【課題】取引処理済の小切手および小切手の画像データを適時に廃棄することができる小切手処理装置および小切手処理方法を提供すること。
【解決手段】小切手から取得した特定の小切手情報に対し、取引処理済の小切手および小切手の代用となる画像データの保管期間が対応付けられた保管期間設定テーブルを記憶しておき、小切手の取引処理を行った場合に、小切手から取得した小切手情報と保管期間設定テーブルとに基づき、取引処理済の小切手および小切手の画像データの保管期間を設定し、保管期間が経過した場合に、保管期間が経過したことを通知するように小切手処理装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小切手処理装置および小切手処理方法に関するものであり、特に、取引処理済の小切手や取引処理済の小切手の代用となる代用情報を適時に廃棄することができる小切手処理装置および小切手処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小切手による取引処理を行う小切手処理装置が知られている。たとえば、特許文献1には、小切手を撮像した画像データから金額情報等を読み取り、読み取った金額情報に応じた金額を小切手の持参人の銀行口座へ入金する小切手処理装置が記載されている。
【0003】
ところで、小切手処理装置によって小切手による取引処理を行った場合、取引処理後に小切手の振出人と銀行との間でトラブルが発生することがある。たとえば、振出人の関知しない小切手が取引処理され、振出人の銀行口座から他人の銀行口座へ現金が入金された場合、振出人と銀行との間でトラブルが発生する。
【0004】
かかるトラブルが発生した場合、取引処理済の小切手や小切手の画像データは、取引処理の正当性を示す証拠となることがあるため所定期間保管しておくことが望ましい。このため、特許文献1に記載の小切手処理装置は、取引処理済の小切手を収納して保管する収納部や撮像した小切手の画像データを記憶する記憶部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−155531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のものを始めとする従来の小切手処理装置では、取引処理済の小切手や小切手の画像データの保管期間について考慮されていなかった。このため、従来の小切手処理装置では、取引処理済の小切手や小切手の画像データを適時に廃棄できないことがあるという問題があった。
【0007】
たとえば、従来の小切手処理装置は、保管を開始してから所定期間が経過した小切手と経過していない小切手とを選別したい場合は、銀行員等が手作業で行っていた。
【0008】
このため、従来の小切手処理装置では、銀行員が小切手を誤選別した場合、保管開始から所定期間が経過していない小切手を誤って廃棄してしまう。すなわち、従来の小切手処理装置では、処理済の小切手を適時に廃棄することができないことがある。
【0009】
また、従来の小切手処理装置では、たとえば、小切手の画像データを記憶部で記憶し、所定期間が経過した後に銀行員等が画像データを他の記録媒体へコピーすることで画像データのバックアップを行っていた。
【0010】
ただし、従来の小切手処理装置では、所定期間が経過する前に記憶部が容量不足となった場合、古い画像データへ新たな画像データが上書きされていた。このため、従来の小切手処理装置では、記憶してから所定期間が経過していない画像データが削除されてしまうことがある。すなわち、従来の小切手処理装置では、小切手の画像データを適時に廃棄することができないことがある。
【0011】
これらのことから、取引処理済の小切手や取引処理済の小切手の代用となる画像データ等の代用情報を適時に廃棄することができる小切手処理装置および小切手処理方法をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0012】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、取引処理済の小切手や小切手の代用となる代用情報を適時に廃棄可能な小切手処理装置および小切手処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、小切手による取引処理を行う小切手処理装置であって、小切手から所定の情報を取得する情報取得部と、前記所定の情報に含まれる特定の小切手情報に対し、取引処理済の小切手の保管期間および/または前記所定の情報に含まれる当該小切手の代用となる代用情報の保管期間が対応付けられた保管期間設定テーブルと、前記情報取得部によって取得された前記小切手情報に対応付けられている保管期間を前記保管期間設定テーブルから選択し、当該小切手情報が取得された小切手および/または当該小切手の前記代用情報の保管期間として設定する保管期間設定部と、前記保管期間設定部によって設定された前記保管期間が経過した場合に、当該保管期間が経過したことを通知する通知部とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記保管期間設定部によって設定された前記保管期間が同一の小切手を収納する複数の収納部と、前記保管期間設定部により前記保管期間が設定された小切手を当該保管期間専用の前記収納部へ振り分けて収納させる振分部とをさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記収納部に収納されている小切手の数量を検知する検知部と、前記検知部によって前記収納部が小切手で満杯になったことが検知されてから所定期間が経過した場合に、当該収納部に収納されている小切手の廃棄要求を行う廃棄要求部とをさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、所定の前記収納部が小切手で満杯になるまで当該収納部へ小切手の繰込みを行い、当該収納部が小切手で満杯になった場合に、他の前記収納部へ小切手の繰込みを行う繰込部をさらに備え、前記廃棄要求部は、前記検知部によって所定数の前記収納部が小切手で満杯になったことが検知され、かつ、直近に小切手が繰込まれた前記収納部における小切手の収納枚数が所定の閾値に達した場合に、小切手で満杯になった時期が最も早い前記収納部に収納されている小切手の廃棄要求を行うことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記収納部に収納されている小切手を裁断するシュレッダをさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記情報取得部は、前記代用情報として小切手を撮像した画像データを取得することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記画像データを記憶する記憶部と、前記保管期間設定部によって設定された前記保管期間が経過した前記画像データを前記記憶部から削除する画像削除部とをさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記画像データを圧縮する画像圧縮部と、前記小切手情報に対し、前記画像データの圧縮率が対応付けられた圧縮率設定テーブルとをさらに備え、前記画像圧縮部は、前記情報取得部によって取得された前記小切手情報に対応付けられている圧縮率で当該小切手情報が取得された前記画像データを圧縮する。
【0021】
また、本発明は、前記画像圧縮部は、取引処理後の経過期間に応じた圧縮率で前記画像データを再度圧縮することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、小切手処理装置による小切手処理方法であって、小切手から所定の情報を取得する情報取得工程と、前記所定の情報に含まれる特定の小切手情報に対し、取引処理済の小切手の保管期間および/または前記所定の情報に含まれる当該小切手の代用となる代用情報の保管期間が対応付けられた保管期間設定テーブルを記憶するテーブル記憶工程と、前記情報取得工程によって取得された前記小切手情報に対応付けられている保管期間を前記保管期間設定テーブルから選択し、当該小切手情報が取得された小切手および/または当該小切手の前記代用情報の保管期間として設定する保管期間設定工程と、前記保管期間設定工程によって設定された前記保管期間が経過した場合に、当該保管期間が経過したことを通知する通知工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、小切手処理装置は、小切手から取得した特定の小切手情報と保管期間設定テーブルとに基づき、取引処理済の小切手および取引処理済の小切手の代用となる代用情報の保管期間を設定し、設定した保管期間が経過した場合に通知を行うため、取引処理済の小切手や小切手の代用情報を適時に廃棄することができるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、小切手処理装置は、設定した保管期間別に取引処理済の小切手を分別し、保管期間毎に設けた収納部で小切手を保管するため、たとえば、収納部から回収した小切手の処理日と、回収した収納部に割当てられている保管期間とに基づき、保管期間が経過した小切手と経過していない小切手とを容易に選別することができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、小切手処理装置は、収納部が小切手で満杯になったことが検知されてから所定期間が経過した場合に、当該収納部に収納されている小切手の廃棄要求を行うため、直近に収納された小切手が収納直後に廃棄されることを防止することができるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明によれば、小切手処理装置は、複数の収納部のうち所定数の収納部が満杯になり、複数の収納部全体で収納可能な小切手の枚数が残り少なくなった場合、満杯になった時期が最も早い収納部の小切手を優先的に廃棄要求するため、最近処理された小切手が廃棄されることを抑制することができるという効果を奏する。
【0027】
また、本発明によれば、小切手処理装置は、保管期間が経過した小切手を裁断処理することができるため、保管期間が経過した小切手の廃棄作業に要する時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0028】
また、本発明によれば、小切手処理装置は、小切手を撮像した画像データに対し、小切手情報に応じた保管期間を設定して、保管期間が経過した場合に、保管期間が経過したことを通知することができるため、処理済の小切手の画像データを適時に廃棄することができるという効果を奏する。
【0029】
また、本発明によれば、小切手処理装置は、保管期間の経過した画像データを記憶部から自動的に削除するため、保管期間の経過した画像データを削除する手間を省略ことができるという効果を奏する。
【0030】
また、本発明によれば、小切手処理装置は、小切手から取得した小切手情報に応じた縮小率で小切手の画像データを圧縮して保管するため、記憶部の記憶容量に容量不足が発生することを抑制することができるという効果を奏する。
【0031】
また、本発明によれば、小切手処理装置は、取引処理後の経過期間に応じた圧縮率で保管中の画像データを再度圧縮するため、取引処理後の経過期間に応じて画像データを効率的に圧縮して記憶部の空き容量を拡大することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明に係る小切手処理手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係る小切手処理装置の機械的構成を示す図である。
【図3】図3は、本実施例に係る小切手処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本実施例に係る保管期間の設定手順を示す図である。
【図5】図5は、本実施例に係る小切手の廃棄手順の一例を示す図である。
【図6】図6は、本実施例に係る小切手の廃棄手順の一例を示す図である。
【図7】図7は、本実施例に係る圧縮率設定部、画像データ圧縮部、画像データ削除部の動作を説明する図である。
【図8】図8は、本実施例に係る小切手処理装置で実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本実施例に係る小切手処理装置で実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本実施例に係る小切手処理装置で実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本実施例に係る画像データの圧縮手順の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る小切手処理装置および小切手処理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、小切手処理装置の一例として、小切手による入出金処理を行う小切手処理装置について説明するが、本発明は、紙幣や貨幣の入出金処理等を行う機能を併せ持つ任意の小切手処理装置に適用してもよい。
【0034】
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る小切手処理手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る小切手処理手法の概要を示す図である。
【0035】
同図に示すように、本発明に係る小切手処理手法では、小切手による取引処理を行った場合に、取引処理済みの小切手および取引処理済の小切手の代用となる代用情報に対して保管期間をそれぞれ設定する。
【0036】
ここで、代用情報とは、たとえば、取引処理の証拠として小切手の代用となりうる所定の画質で撮像された小切手の画像データである。なお、代用情報は、小切手の画像データに限るものではなく、小切手取引に関して選択された任意の情報であってもよい。
【0037】
これらの情報群としては、例えば、取引処理の証拠として小切手と同等の証拠能力をもつ内容が選択される。例えば、小切手に関する小切手番号や小切手金額と、小切手を処理しようとした持参人の情報と、当該情報を承認した旨を示す持参人の署名とを、電子データとして利用することができる。
【0038】
また、本発明に係る小切手処理手法では、保管期間を設定した小切手を保管期間別に分類し、保管期間毎に設けた収納部へ収納する。一方、本発明に係る小切手処理手法では、保管期間を設定した代用情報を所定の圧縮率で圧縮して記憶する。
【0039】
そして、本発明に係る小切手処理手法では、取引処理済の小切手や代用情報に対して設定した各保管期間が経過した場合に、小切手や代用情報の廃棄時期であることを通知する。
【0040】
なお、代用情報に対する保管期間の設定手順は、小切手に対する保管期間の設定手順と同様である。このため、図1では、小切手および小切手の代用情報のうち、小切手を保管期間の設定対象とした場合について説明する。
【0041】
具体的には、本発明に係る小切手処理手法では、小切手による取引処理の際、小切手処理装置が小切手から特定の小切手情報を取得する(同図の(1)参照)。たとえば、小切手処理装置は、小切手から小切手の金額、振出人、銀行番号等の小切手情報を取得する。
【0042】
続いて、小切手処理装置は、予め記憶している保管期間設定テーブルを参照し、小切手から取得した小切手情報が該当する条件を検索する(図1の(2)参照)。同図では、保管期間設定テーブルの一例として、小切手情報に関する所定の条件Aに対し1ヶ月、所定の条件Bに対し3ヶ月の保管期間を対応付けた保管期間設定テーブルを示している。
【0043】
なお、保管期間設定テーブルにおける条件Aおよび条件Bは、任意に設定することが可能な条件である。かかる条件Aおよび条件Bの具体例については、後述の実施例において説明する。
【0044】
そして、小切手処理装置は、小切手から取得した小切手情報が条件Aに該当していた場合、小切手の保管期間として1ヶ月を設定し(同図の(3)参照)、条件Bに該当していた場合、保管期間として3ヶ月を設定する。
【0045】
続いて、小切手処理装置は、設定した保管期間別に小切手を分類し、各保管期間別に設けた収納部へ小切手を収納して保管する。その後、小切手処理装置は、小切手の保管期間が満了した場合(同図の(4)参照)、保管期間が満了した小切手の廃棄要求を行う(同図の(5)参照)。
【0046】
このように、本発明に係る小切手処理手法では、小切手処理装置は、保管する各小切手に対して保管期間をそれぞれ設定するため、保管している各小切手の廃棄時期を自動的に判定することができる。
【0047】
このため、小切手処理装置は、保管期間が経過した場合に、保管期間が経過した小切手の廃棄時期であることを銀行員等へ通知することができる。これにより、銀行員は、保管期間が経過した小切手を適時に廃棄することができる。
【0048】
しかも、本発明に係る小切手処理手法では、小切手処理装置は、設定した保管期間毎に小切手を分類し、保管期間毎に設けた収納部で小切手を保管する。このため、銀行員は、収納部から回収した小切手に記載の処理日と、小切手を回収した収納部に割当てられている保管期間とから保管期間が経過した小切手と経過していない小切手とを容易に選別することができる。
【0049】
また、本発明に係る小切手処理手法では、保管期間毎に小切手の収納部を管理する他、小切手処理装置の内部に収納される小切手の廃棄時期別に管理してもよい。このように、同時期に廃棄する小切手を同じ収納部に収納すれば、特定の時期に、該当する収納部内の小切手現物を廃棄することができる。
【0050】
この場合、取り扱う小切手の枚数が多く、小切手処理装置の内部に長期保管することができない場合でも、収納部から取り出した小切手を束として廃棄時期別に管理することができる。
【0051】
また、本発明に係る小切手処理手法では、保管期間設定テーブルにおける小切手情報の条件を任意に設定することができる。このため、本発明に係る小切手処理手法によれば、保管が必要な期間に応じて保管期間設定テーブルにおける小切手情報の条件を設定することで、小切手毎に小切手情報に応じた所望の保管期間を設定することができる。
【0052】
また、本発明に係る小切処理手法では、小切手の保管期間を設定する手法と同様の手法を用いて小切手の代用情報に対しても保管期間を設定することができる。
【0053】
このため、本発明に係る小切手処理手法によれば、小切手処理装置は、代用情報の廃棄時期を自動的に判定することができる。これにより、小切手処理装置は、保管期間が経過した代用情報を自動的に削除することで適時に廃棄することができる。
【0054】
また、本発明に係る小切手処理手法では、小切手処理装置は、代用情報を記憶部へ記憶させる場合、代用情報を圧縮して記憶することができる。このため、小切手処理装置は、代用情報として画像データを記憶部へ記憶させる場合、たとえば、文字情報が認識可能な範囲で画像データを圧縮して記憶させることができる。
【0055】
これにより、本発明に係る小切手処理手法によれば、小切手処理装置において、記憶部が容量不足になることを抑制することができる。また、保管期間の経過していない画像データへ新たな画像データが上書きされることも抑制できる。
【0056】
以下では、図1を用いて説明した小切手処理手法を適用した小切手処理装置および小切手処理方法についての実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0057】
本実施例では、まず、図2を用いて本発明に係る小切手処理装置1の機械的構成および動作について説明する。図2は、本実施例に係る小切手処理装置1の機械的構成を示す図である。なお、同図では、本発明に関連する構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0058】
ここでは、銀行に設置され、小切手による入出金処理を行う小切手処理装置を例に挙げて説明するが、小切手処理装置1は、コンビニエンスストア等の任意の店舗に設置することができる。
【0059】
かかる小切手処理装置1は、図2に示すように、小切手の取引処理を管理する取引管理サーバ3とLAN(Local Area Network)等のネットワーク4を介して接続されている。
【0060】
同図に示すように、小切手処理装置1は、上部ユニット10と下部ユニット20とを有する。上部ユニット10は、主に、小切手の受付けや小切手の識別、小切手を換金する際の紙幣の投出等を行うユニットである。
【0061】
具体的には、上部ユニット10は、表示操作部11、小切手投入部12、出金部13、取引控え発行部14、一時保留部15、搬送部16、識別計数部17、エンドーサ18等を備えている。
【0062】
表示操作部11は、小切手の持参人や銀行員等のユーザから各種操作を受け付けるタッチパネル機能を備えた表示装置である。具体的には、表示操作部11は、ユーザが小切手の換金要求や口座への入金要求を行うために操作する操作ボタン画像や、操作手順、取引処理状況などを示す画像を表示する。
【0063】
そして、表示操作部11は、各種操作を受付けると、受付けた操作に対応した制御信号を後述の制御部120へ出力する。制御部120は、表示操作部11から入力された制御信号に基づき、小切手に関する取引処理を行う。
【0064】
小切手投入部12は、装置の天面に開閉自在なシャッタを備えたボックスである。そして、小切手投入部12は、たとえば、表示操作部11がユーザによる小切手の換金要求操作を受付けた場合に、シャッタを開放させて小切手を受付ける。
【0065】
その後、小切手投入部12は、制御部120の制御に従って、ボックス内またはその近傍に設けられたローラ等の繰込部によって小切手を装置内部の搬送部16へと繰り込む。
【0066】
出金部13は、小切手投入部12と同様に装置の天面に開閉自在なシャッタを備えたボックスであり、装置内部から投出された出金紙幣が集積される。また、取引控え発行部14は、取引控えとなる紙片を発行するプリンタである。
【0067】
かかる取引控え発行部14は、取引処理の完了後に、取引日時、小切手番号、小切手金額等、取引を特定する情報を印字した紙片を発行する。なお、取引控え発行部14は、かかる取引を特定する情報に加え、小切手処理装置1が設置されている店舗情報、取引に対応した銀行員情報、小切手の画像等を印字することもできる。
【0068】
一時保留部15は、搬送部16によって搬送される小切手や紙幣を繰り入れて一時的に保留し、保留した小切手や紙幣を繰り出し可能な収納繰出部である。また、一時保留部15は、搬送部16によって搬送される紙幣をスイッチバックさせて搬送部16へ戻すことにより小切手や紙幣の表裏を反転させる表裏反転機能を備えている。
【0069】
搬送部16は、小切手や紙幣を表裏両側から挟持して一枚ずつ搬送するベルトコンベアおよびベルトコンベアの駆動部を含んだ搬送機構である。また、搬送部16は、ベルトコンベアの動作をガイドするローラや搬送路を分岐させる分岐部(Diverter)も含んでいる。
【0070】
そして、搬送部16は、小切手投入部12、出金部13、識別計数部17、エンドーサ18、後述の第1収納部21a、第2収納部21b、紙幣収納部22、精査カセット23、シュレッダ24間で小切手や紙幣を搬送する。
【0071】
識別計数部17は、搬送部16によって搬送されてきた小切手や紙幣の識別計数を行う他、小切手に記載されている小切手情報の取得を行う。たとえば、識別計数部17は、小切手が搬送されてきた場合、後述の撮像部111により小切手の片面または両面を撮像して小切手の画像データを生成する。
【0072】
かかる画像データは、取引処理済の小切手の代用となる代用情報の一例である。そして、識別計数部17は、生成した小切手の画像データからOCR(Optical Character Reader)により小切手情報を生成して取得する。
【0073】
ここで、識別計数部17は、小切手情報として小切手金額、振出日、振出人の銀行口座、小切手番号、支払先、振出人情報、受取人情報等を取得する。なお、かかる小切手情報は、小切手からMICR(Magnetic Ink Character Recognition)により取得してもよい。
【0074】
また、識別計数部17は、紙幣が搬送されてきた場合、紙幣の金種判定、真偽判定、正損判定、表裏判定あるいは天地判定といった各種の鑑別を行う。また、識別計数部17は、識別した紙幣を金種ごとに計数する処理も併せて行う。
【0075】
また、エンドーサ18は、取引処理が完了した小切手の現物に、関連する情報を印字する。例えば、取引履歴や、代用情報を識別するための情報等を、小切手に印字する。これらの情報は、小切手裏面に裏書きとしてMICR印字される。
【0076】
ただし、エンドーサ18による印字は、MICRに限らず、後にOCR等の技術により容易に読み取り可能であれば、通常のプリンタにより印字しても構わない。また、印字内容についても、文字を印字する他、情報を取得可能であればバーコード等を利用しても構わない。
【0077】
例えば、代用情報を識別可能な情報を小切手現物に印字し、小切手現物、代用情報、保管履歴等を関連付けて管理すれば、後の処理効率が向上する。具体的には、代用情報と小切手現物とを比較確認したい場合や、小切手処理装置1内で小切手現物を再度識別したいといった場合等に、小切手に印字された情報を利用して、多数の小切手の中から対象となる小切手現物を容易に特定することができる。
【0078】
続いて、下部ユニット20について説明する。下部ユニット20は、第1収納部21a、第2収納部21b、紙幣収納部22、精査カセット23、シュレッダ24等を備えている。なお、ここでは、図示を省略しているが、下部ユニット20には、紙幣の金種毎に紙幣収納部22が設けられている。
【0079】
第1収納部21a、第2収納部21bは、取引処理済の小切手を収納する収納部である。具体的には、第1収納部21aは、後述の制御部120により保管期間が1ヶ月に設定された小切手を収納する。また、第2収納部21bは、後述の制御部120により保管期間が3ヶ月に設定された小切手を収納する。
【0080】
ここで、第1収納部21aおよび第2収納部21bをいずれの保管期間の小切手専用とするのか、また、保管期間の長さをどのように設定するのかは、ユーザによって任意に設定することができる。以下、第1収納部21aおよび第2収納部21bを区別しない場合には、第1収納部21aおよび第2収納部21bを収納部21と総称する。
【0081】
また、収納部21は、上部繰込繰出部aと下部繰出部bとを備えている。上部繰込繰出部aは、収納部21の上部から収納部21内へ小切手の繰込みを行う。そして、上部繰込繰出部aによって収納部21へ繰込まれる小切手は、繰込まれた順に収納部21の下部から上部へ順次集積される。
【0082】
また、上部繰込繰出部aは、収納部21内で最も上部に集積されている小切手から順に小切手の繰出しを行う。また、下部繰出部bは、収納部21内で最も下部に集積されている小切手から順に小切手の繰出しを行う。
【0083】
紙幣収納部22は、出金用の紙幣5を収納する収納部である。かかる紙幣収納部22も上部繰込繰出部aを備えている。
【0084】
精査カセット23は、小切手や紙幣の詰まり等が原因で収納部21内の小切手や紙幣収納部22内の紙幣の収納枚数が不確定となった場合に、不確定となった小切手や紙幣の収納枚数を精査する際に利用する。
【0085】
なお、精査カセット23にも上部繰込繰出部aが設けられている。このため、精査カセット23は、小切手や紙幣の収納および小切手や紙幣の繰出しを行うことができる。
【0086】
シュレッダ24は、収納部21に保管されている小切手のうち保管期間の経過した小切手を裁断する裁断装置である。集積部25は、シュレッダ24によって裁断された小切手を集積するボックスである。かかる集積部25に集積された裁断後の小切手は、銀行員によって廃棄される。
【0087】
ここで、小切手処理装置1による小切手の取引処理の概要について簡単に説明しておく。ここでは、銀行での小切手による取引処理を例に挙げて説明する。小切手による取引処理を行う場合、銀行員は、持参人から受け取った小切手を小切手処理装置1へ投入する。なお、小切手の投入は、持参人自ら行ってもよい。
【0088】
こうして、小切手が投入されると、小切手処理装置1は、投入された小切手を搬送部16により識別計数部17へ搬送する。続いて、識別搬送部17は、搬送されてきた小切手から取引処理に必要な小切手情報を取得する。
【0089】
具体的には、識別計数部17は、スキャナにより小切手の片面または両面、小切手の一部または全面を撮像した小切手の画像データを取得し、取得した画像データからOCRにより小切手情報を取得する。
【0090】
ここで、識別計数部17は、小切手情報として小切手金額、振出日、振出人の銀行口座、小切手番号、支払先、振出人情報、受取人情報等を取得する。なお、かかる小切手情報は、小切手からMICRにより取得してもよい。
【0091】
続いて、小切手処理装置1は、小切手の搬送を一時停止し、表示操作部11へ取得した小切手情報および小切手画像を表示させる。ここで、小切手処理装置1は、小切手情報を正常に取得できない場合、小切手を先ほどとは逆方向へ搬送し、小切手投入部12から持参人へ返却する。
【0092】
なお、小切手処理装置1は、装置上部に搬送を一時停止させた小切手を視認可能な窓部(図示略)を備えている。そして、小切手処理装置1により小切手情報を正常に取得できない場合、銀行員は、窓部から小切手を目視し、持参人へ確認を取りながら小切手情報を手入力することができる。
【0093】
続いて、小切手処理装置1は、取得した小切手情報や小切手画像、または、銀行員により入力された小切手情報を取引管理サーバ3へ送信する。そして、取引管理サーバ3は、小切手処理装置1から受信した小切手情報および小切手の画像データを利用して、小切手に関連する口座更新等の処理や、取引内容の確認等の後処理を行う。
【0094】
一方、小切手処理装置1は、表示操作部11に表示された情報が持参人により確認され承認操作が行われた場合、小切手情報に基づく取引処理を実行し、小切手の搬送を再開して小切手をエンドーサ18へ送る。
【0095】
続いて、小切手処理装置1は、エンドーサ18により取引処理の履歴等を小切手に裏書きし、裏書きされた小切手を収納部21へ搬送して収納する。ここで、小切手処理装置1は、収納する小切手に対し、小切手から取得した小切手情報に応じた保管期間を設定する。
【0096】
そして、小切手処理装置1は、小切手に設定した保管期間別に小切手を分類し、保管期間別に設けている収納部21へ収納して保管する。なお、保管期間の詳細な設定手順については後述する。そして、小切手処理装置1は、持参人による承認操作が行われなかった場合、小切手を小切手投入部12へ返却する。
【0097】
最後に、小切手処理装置1は、取引控え発行部14によって取引日時、小切手番号、小切手金額等、取引を特定する情報を印字した紙片を発行して一連の取引処理を完了させる。
【0098】
次に、本実施例に係る小切手処理装置1の機能的構成について図3を用いて説明する。図3は、本実施例に係る小切手処理装置1の機能的構成を示すブロック図である。
【0099】
なお、同図には、小切手処理装置1の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。また、同図では、図2に示す構成要素と同一の構成要素に対し同一の符号を付している。
【0100】
図3に示すように、小切手処理装置1は、第1収納部21a、第2収納部21b、撮像部111、情報取得部112、シュレッダ24、センサ113、搬送部16、表示操作部11を備えている。また、小切手処理装置1は、制御部120、記憶部130を備えている。
【0101】
そして、制御部120は、圧縮率設定部121、画像データ圧縮部122、画像データ削除部123、保管期間設定部124、廃棄時期判定部125、廃棄要求部126、計時部127、駆動制御部128を備えている。
【0102】
また、記憶部130は、圧縮率設定テーブル131、画像データベース(以下、「画像DB132」という)、保管期間設定テーブル133、保管履歴データベース(以下、「保管履歴DB134」という)を記憶している。
【0103】
第1収納部21aおよび第2収納部21bは、取引処理済の小切手を収納する。特に、第1収納部21aは、保管期間を1ヶ月と設定された小切手を収納する。また、第2収納部21bは、保管期間を3ヶ月と設定された小切手を収納する。
【0104】
このように、小切手処理装置1は、小切手に設定された保管期間毎に収納部21を設けているため、保管期間の異なる小切手が同じ収納部21に収納されることがない。また、小切手は処理された順に収納部21に集積される。
【0105】
このため、銀行員は、収納部21から回収した小切手に記載の処理日と、小切手を回収した収納部21に割当てられている保管期間とから保管期間が経過した小切手と経過していない小切手とを容易に選別することができる。
【0106】
なお、小切手処理装置1では、取引処理済の全ての小切手に対し、共通の保管期間を設定することもできる。この場合、小切手処理装置1では、全ての小切手に対して共通の保管期間を設定した場合、第1収納部21aが小切手で満杯になった場合に、第2収納部21bへ小切手を搬送して小切手の収納を行う。
【0107】
撮像部111は、小切手投入部12から搬送されてきた小切手の片面または両面を撮像し、撮像した小切手の画像データを情報取得部112および圧縮率設定部121へ出力する。
【0108】
情報取得部112は、撮像部111から入力される画像データ、および小切手金額、振出日、振出人の銀行口座、小切手番号、支払先、振出人情報、受取人情報等の小切手情報を取得する。そして、情報取得部112は、取得した小切手情報を圧縮率設定部121と保管期間設定部124とへ出力する。
【0109】
シュレッダ24は、保管期間が経過した小切手を裁断する。センサ113は、第1収納部21aおよび第2収納部21bに収納されている小切手の各収納枚数を検知する。
【0110】
搬送部16は、小切手投入部12、出金部13、識別計数部17、エンドーサ18、収納部21、紙幣収納部22、精査カセット23、シュレッダ24の間で双方向に小切手や紙幣を搬送する。
【0111】
表示操作部11は、ユーザが操作する操作ボタン等の画像を表示し、ユーザによる各種操作を受付ける。そして、表示操作部11は、各種操作を受付けた場合に、受付けた操作に対応した制御信号を制御部120へ出力することで制御部120に小切手による取引処理を実行させる。
【0112】
なお、小切手処理装置1は、表示操作部11が、圧縮率設定テーブル131や保管期間設定テーブル133の内容を変更する操作を受付けた場合、受付けた操作に応じて圧縮率設定テーブル131や保管期間設定テーブル133の内容を変更する。
【0113】
さらに、表示操作部11は、収納部21内に収納している小切手の保管期間が経過した場合、小切手の廃棄時期であることを通知する画像を表示する。すなわち、表示操作部11は、保管期間が経過した小切手の廃棄を要求する画像を表示する。
【0114】
また、表示操作部11は、収納部21の収納枚数が、収納部21が小切手で満杯となる所謂フル状態となった場合や、予めフル状態として設定された上限枚数から所定枚数を差し引いた枚数に達する所謂ニアフル状態となった場合にも、小切手の廃棄を要求する画像を表示する。これにより、銀行員は、小切手の廃棄を要求する画像を確認することで保管が不要になった小切手を適時に廃棄することができる。
【0115】
制御部120は、小切手処理装置1の動作を統括制御する処理部である。ここで、制御部120の各構成要素および記憶部130に記憶されている各種情報について説明する。ここでは、まず、小切手の保管期間に関連する保管期間設定部124、廃棄時期判定部125、廃棄要求部126、計時部127、保管期間設定テーブル133、保管履歴DB134について説明する。
【0116】
保管期間設定部124は、情報取得部112から入力される小切手情報と記憶部130に記憶されている保管期間設定テーブル133とに基づき、小切手情報が取得された小切手の保管期間を設定する処理部である。ここで、図4を用いて保管期間設定部124による保管期間の設定手順について説明する。
【0117】
図4は、本実施例に係る保管期間の設定手順の一例を示す図である。保管期間設定部124は、情報取得部112から小切手情報が入力されると、入力された小切手情報が該当する条件を保管期間設定テーブル133から検索する。
【0118】
ここで、図4(A−1)に示すように、たとえば、保管期間設定テーブル133で金額条件$100未満に1ヶ月の保管期間が対応付けられ、金額条件$100ドル以上に3ヶ月の保管期間が対応付けられているとする。
【0119】
このとき、保管期間設定部124は、図4(A−2)に示すように、小切手金額が$50という小切手情報を取得した場合、保管期間設定テーブル133から小切手情報に該当する金額条件を検索する。ここでは、小切手情報は、$100未満という金額条件に該当する。
【0120】
このため、保管期間設定部124は、小切手金額が$50という小切手情報が取得された小切手に対し1ヶ月の保管期間を設定し、保管期間が1ヶ月の小切手専用の第1収納部21aへ小切手を収納させる。
【0121】
なお、保管期間設定部124は、小切手金額が$200という小切手情報を取得した場合、小切手に対し3ヶ月の保管期間を設定し、保管期間が3ヶ月の小切手専用の第2収納部21bへ小切手を収納させる。
【0122】
続いて、保管期間設定部124は、各小切手に設定した保管期間、小切手の収納場所、小切手の処理日を対応付けた保管履歴を作成して廃棄時期判定部125へ出力する。
【0123】
たとえば、2010年2月1日に処理された小切手が第1収納部21aの下から321番目に収納され、保管期間として1ヶ月が設定された場合について説明する。この場合、保管期間設定部124は、図4(A−3)に示すように、小切手の収納場所の項目が1/321、処理日の項目が2010/02/01、廃棄日の項目が2010/03/01という保管履歴を作成する。
【0124】
このように、保管期間設定部124は、取引処理済の小切手に対し、小切手から取得された小切手情報に応じて異なる保管期間をそれぞれ設定することができる。
【0125】
ここで、小切手処理装置1が$100未満の小切手よりも$100以上の小切手の保管期間を長く設定しているのは、取引処理後にトラブルが発生した場合に銀行が被る損失を考慮してのことである。
【0126】
具体的には、たとえば、振出人の関知しない小切手が取引処理され、振出人の銀行口座から他人の銀行口座へ現金が入金された等のトラブルが発生した場合、銀行が振出人の損失を補填しなければならないことがある。
【0127】
かかる場合、取引処理済の小切手は、取引処理の正当性を示す証拠となりうる。したがって、トラブルの発生時に銀行が被る損失が大きな所定金額以上の小切手は、所定金額額未満の小切手よりも長い期間保管しておくことが望ましい。
【0128】
このため、小切手処理装置1では、$100未満の小切手よりも$100以上の小切手の保管期間を長く設定している。なお、金額条件として設定する金額は、小切手装置1を設置する店舗に応じて銀行員が任意に設定することができる。
【0129】
ところで、小切手処理装置1に予め記憶させておく保管期間設定テーブル133は、図4(A−1)に示すものに限定するものではない。たとえば、図4(B)に示すように、振出人の信頼度を示す振出人条件と小切手の保管期間とを対応付けた保管期間設定テーブル133を記憶130へ記憶させてもよい。
【0130】
かかる場合、たとえば、過去に取引のあった振出人に対し振出人の信頼度を予め5段階に設定した振出人情報を記憶部130へ記憶させる。そして、信頼度「3」以上の振出人条件に対し1ヶ月の保管期間を対応付け、信頼度「3」未満の振出人条件に対し3ヶ月の保管期間を対応付けた保管期間設定テーブル133を記憶130へ記憶させる。
【0131】
このように、振出人の信頼度に応じて小切手の保管期間を異ならせているのは、取引処理後にトラブルが発生する可能性を考慮してのことである。具体的には、たとえば、小切手の振出人や持参人が銀行にとって信頼のおける顧客であった場合、他の顧客に比べ上記のようなトラブルが発生する可能性が低い。
【0132】
したがって、信頼性の高い顧客の小切手は、他の顧客の小切手ほど長い期間保管しておく必要はない。このため、小切手処理装置1では、例えば、銀行側で振出人の信頼度を5段階で評価しているときに、信頼度が「3」以上の振出人条件に対し、信頼度が「3」未満の振出人条件よりも短い保管期間を対応付けている。
【0133】
ここで、信頼度の設定は、小切手処理装置1を操作する銀行員が手入力で設定してもよく、小切手処理装置1が随時更新設定してもよく、取引管理サーバ3によって設定してもよい。
【0134】
たとえば、手入力で信頼度の設定を行う場合、銀行員は、各振出人による過去の取引履歴に基づき、取引処理後にトラブルが発生した回数や頻度に応じて振出人の信頼度を設定することができる。
【0135】
また、小切手処理装置1が学習機能を有し、関連情報から小切手に関する信頼度を学習して設定を更新してもよい。たとえば、情報取得部112が、小切手から所定の小切手情報を正常に取得できなかったときは、これを当該小切手の振出人情報と関連付けて蓄積する。
【0136】
通常、ビジネス用の小切手では、小切手金額等の小切手情報を小切手上に印字することが多い。このような小切手では、小切手情報をOCR等によって容易に取得することができる。これに対し、中には、小切手金額等をわざと曖昧な記載とする振出人が存在する。小切手処理装置1が、蓄積した情報に基づき、小切手情報を正常に取得できなかった回数が多い振出人ほど低い信頼度となるように各振出人の信頼度を設定すれば、小切手取引に関するリスクを自動的に設定することができる。
【0137】
また、信頼度を取引管理サーバ3により設定する場合、取引管理サーバ3は、複数の小切手処理装置1や他の銀行、警察などから提供される情報に基づき、独自に振出人のホワイトリストおよびブラックリストを作成する。
【0138】
そして、取引管理サーバ3は、ホワイトリストやブラックリストに基づき決定した振出人の信頼度を小切手処理装置1へ送信することで、小切手処理装置1に各振出人の信頼度を設定する。
【0139】
かかる保管期間設定テーブル133を記憶部130へ記憶させることで、小切手処理装置1は、振出人の信頼度に応じてトラブルの発生する可能性が高い小切手ほど長い保管期間を設定することができる。
【0140】
また、小切手の発行元を示す銀行条件と小切手の保管期間とを対応付けた保管期間設定テーブル133を記憶部130へ記憶させてもよい。かかる場合、たとえば、図4(C)に示すように、自行の小切手に対し1ヶ月の保管期間が対応付けられ、他行の小切手に対し3ヶ月の保管期間が対応付けられた保管期間設定テーブル133を記憶部130へ記憶させる。
【0141】
ここで、自行とは、小切手処理装置1を設置した銀行であり、他行とは自行以外の銀行である。かかる保管期間設定テーブル133を記憶部130へ記憶させることで、小切手処理装置1は、自行にとって信頼のおける自行の小切手に対し、他行の小切手よりも短い保管期間を設定することができる。
【0142】
また、図4(A−1)、図4(B)、図4(C)に示す各条件を全て考慮した保管期間設定テーブル133を記憶部130へ記憶させてもよい。たとえば、取引管理サーバ3により各金額条件、各振出人条件、各銀行条件等の各種条件に対しトラブルの発生可能性やトラブルが発生した場合に銀行が被る損失を過去の取引履歴に基づきシミュレーションする。
【0143】
続いて、取引管理サーバ3は、シミュレーション結果に基づき、各種条件に対してトラブルの発生可能性やトラブルが発生した場合に銀行が被る損失に応じたポイントを付与したポイント情報を記憶130へ記憶させる。
【0144】
そして、取引管理サーバ3は、小切手情報の各項目が該当する条件に対応付けられたポイントの合計値と合計値に応じた保管期間とが対応付けられた保管期間設定テーブル133を記憶部130へ記憶させる。
【0145】
これにより、小切手処理装置1は、小切手情報に含まれる多様な項目を総合的に評価し、トラブルの発生可能性やトラブルが発生した場合に銀行が被る損失に応じた小切手の保管期間を設定することができる。
【0146】
図3の説明に戻り、廃棄時期判定部125は、保管期間設定部124から保管履歴が入力されると、入力された保管履歴を保管履歴DB134へ記憶させる。その後、廃棄時期判定部125は、計時部127から随時現在日時を取得し、現在日時と廃棄日とが一致する保管履歴が存在するか否かを監視する。
【0147】
そして、廃棄時期判定部125は、現在日時と廃棄日時とが一致する保管履歴が存在すると判定した場合、現在日時と廃棄日時とが一致している保管履歴を廃棄要求部126へ出力する。すなわち、廃棄時期判定部125は、保管期間が経過した小切手が存在するか否かを判定し、存在する場合に保管期間が経過した小切手の保管履歴を廃棄要求部126へ出力する。
【0148】
廃棄要求部126は、廃棄時期判定部125から保管履歴が入力されると、入力された保管履歴に対応する小切手の廃棄要求を行う。たとえば、廃棄要求部126は、図4(A−3)に示す保管履歴が入力された場合、「2010年2月1日処理済分の小切手を廃棄してください」という文字情報を表示操作部11で表示させ、小切手の廃棄時期であることを通知する。
【0149】
また、廃棄要求部126は、廃棄要求に対する承認操作が行われた場合、廃棄要求した小切手をシュレッダ24によって裁断させる処理を行う。具体的には、廃棄要求部126は、廃棄時期判定部125から入力された保管履歴に含まれる収納場所に関する情報に基づき、裁断する小切手の収納位置を特定する。
【0150】
そして、廃棄要求部126は、駆動制御部128を制御し、収納位置を特定した小切手をシュレッダ24まで搬送させる。その後、廃棄要求部126は、シュレッダ24を駆動させて小切手の裁断を行わせる。裁断された小切手は、集積部25へ集積され、後に銀行員によって廃棄処分される。
【0151】
このように、小切手処理装置1では、保管期間設定部124が小切手情報の該当する条件に応じた保管期間を設定し、廃棄時期判定部125が保管期間の経過した小切手の有無を自動的に判定する。
【0152】
そして、保管期間の経過した小切手がある場合、廃棄要求部126が廃棄要求を行う。このため、小切手処理装置1によれば、銀行員は、保管期間の経過した小切手が小切手処理装置1に保管されていることを適時に認識して廃棄することができる。
【0153】
また、小切手処理装置1では、廃棄要求部126が廃棄要求した小切手をシュレッダ24により自動的に裁断し、集積部25へ集積させる。このため、銀行員は、集積部25に集積されている裁断後の小切手を処分するだけで容易に小切手を廃棄することができる。
【0154】
ここで、図5を用いて小切手処理装置1が収納部21から小切手を廃棄する廃棄手順について説明する。図5は、本実施例に係る小切手の廃棄手順の一例を示す図である。
【0155】
前述のように、小切手処理装置1では、取引処理済の小切手を保管期間毎に設けた収納部21へ上部から順次繰込んで収納させる。このため、たとえば、収納部21では、図5(A−1)に示すように、同日に処理されて保管期間が経過した小切手は、収納部21の下部に集積される。一方、保管期間が経過していない小切手は、保管期間が経過した小切手の上部に集積される。
【0156】
これにより、小切手処理装置1では、収納部21から小切手を廃棄する場合、図5(A−2)に示すように、保管期間の経過した小切手を収納部21の下部から順次排出することで小切手を廃棄することができる。
【0157】
このように、小切手処理装置1では、収納部21から小切手を廃棄する際、保管期間の経過していない小切手を収納部21から繰出すことなく、保管期間の経過した小切手だけを収納部21から繰出して廃棄することができる。
【0158】
ところで、小切手の処理枚数が比較的少ない店舗の場合、収納部21の個数を低減することで小型化を図った小切手処理装置1を設置することができる。ここで、収納部21の個数を1個とすると、図5(B)に示すように、保管期間の異なる小切手が収納部21へ順不同で集積される。
【0159】
このような場合、小切手処理装置1では、以下の手順で保管期間が経過した小切手を廃棄する。すなわち、小切手処理装置1は、保管期間が経過した小切手を検出すると、順不同で集積されている小切手を収納部21から識別計数部17へ搬送する。そして、識別計数部17は、保管期間が経過した小切手と経過していない小切手とを選別する。
【0160】
続いて、小切手処理装置1では、識別計数部17による識別結果に基づき、保管期間が経過した小切手をシュレッダ24経由で集積部25へ廃棄し、保管期間が経過していない小切手を精査カセット23へ送る。そして、小切手処理装置1は、精査カセット23へ送った小切手を収納部21へ戻し収納させる。
【0161】
このように、小切手処理装置1では、収納部21の個数を1個として装置の小型化を図った場合であっても、保管期間が経過した小切手を自動的に選別して廃棄することができる。
【0162】
なお、ここでは、保管期間が経過した小切手の選別に、精査カセット23を利用したが、小切手処理装置1は、精査カセット23を利用せずに小切手の選別を行うこともできる。
【0163】
たとえば、小切手処理装置1は、小切手の選別を行う際、まず、収納部21に順不同で収納されている小切手を下部繰出部bにより収納部21の下部から繰出す。
【0164】
そして、小切手処理装置1は、収納部21から繰出された小切手のうち、保管期間が経過していない小切手を収納部21へ搬送し、上部繰込繰出部aによって収納部21の上部から繰込む。一方、小切手処理装置1は、収納部21から繰出された小切手のうち、保管期間が経過している小切手をシュレッダ24または小切手投入部12へ搬送する。
【0165】
なお、保管期間が経過しているか否かの判定については、識別計数部17が小切手に印字されている情報に基づき判定してもよく、制御部120が保管履歴DB134に蓄積されている保管履歴に基づき判定してもよい。かかる運用を行うことで、小切手処理装置1は、精査カセット23を利用せずに小切手の選別を行うことができる。
【0166】
また、かかる構成とした場合、収納部21の下部から小切手を順に繰出す必要がないため、収納部21の下部繰出部bを排除することができる。このように、下部繰出部bを排除すれば、小切手処理装置1の部品点数を減少させることができるため、製造コストの低減を図ることができる。
【0167】
また、小切手処理装置1は、保管期間の経過した小切手を廃棄する場合、図5(C)に示すように、保管期間が経過した小切手を小切手投入部12へ排出させ、銀行員によって廃棄させることもできる。かかる構成とすれば、シュレッダ24および集積部25も排除することできるため、装置のさらなる小型化および製造コストの低減を図ることができる。
【0168】
図3の説明に戻り、廃棄要求部126は、保管期間が経過した場合以外の場合にも小切手の廃棄要求を行うことがある。たとえば、小切手処理装置1では、単位期間あたりの小切手の処理枚数が所定の枚数を超えた場合、収納部21に保管している小切手の保管期間が経過する前に収納部21が小切手で満杯にあることがある。このような場合、廃棄要求部126は、小切手の廃棄要求を行う。
【0169】
ここで、図6を用いて、保管期間の経過していない小切手で満杯になった収納部21から小切手を廃棄する廃棄手順について説明する。図6は、本実施例に係る小切手の廃棄手順の一例を示す図である。
【0170】
ここでは、全ての小切手に対して共通の保管期間(たとえば、1ヶ月間)が設定されているものとして説明する。したがって、同図(A−1)、(A―2)に示す第1収納部21aおよび第2収納部21bには、いずれも共通の保管期間が設定された小切手が収納されることとなる。
【0171】
そして、小切手処理装置1は、ある収納部21が小切手で満杯になってから、所定期間経過後に小切手を廃棄する。たとえば、同図の(A−1)に示すように、2010年12月1日に第1収納部21aが小切手で満杯になったとする。このとき、第1収納部21aには、保管期間の1ヶ月を経過した小切手がないものとする。かかる状態で新たな小切手を処理した場合、小切手処理装置1は、新たな小切手を第2収納部21bへ収納させる。
【0172】
その後、たとえば、同図の(A−2)に示すように、第1収納部21aが満杯になってから2週間が経過した2010年12月15日になったとする。すると、小切手処理装置1は、小切手で満杯になっている第1収納部21aの小切手の廃棄要求を行い、第1収納部21aから小切手の排出を行う。
【0173】
また、小切手処理装置1は、共通の保管期間が設定された小切手専用に3個の収納部21を備えている場合、同図(B−1)〜(B−4)に示す廃棄手順により小切手の廃棄を行う。
【0174】
なお、小切手処理装置1は、第1収納部21aが満杯となった場合に、第2収納部21bへ小切手を収納させ、第2収納部21bが満杯となった場合に、第3収納部21cへ小切手を収納させるものとする。
【0175】
ここで、同図の(B−1)に示すように、保管期間が経過しないまま第1収納部21aおよび第2収納部21bが小切手で満杯になり、第3収納部21cによる小切手の収納枚数が所定の閾値に達したとする。
【0176】
すると、小切手処理装置1は、同図の(B−2)に示すように、小切手で満杯の第1収納部21aおよび第2収納部21bのうち、満杯となった時期が最も早い第1収納部21aの小切手の廃棄要求および排出を行う。
【0177】
これにより、第1収納部21aは、小切手を収納可能な状態となる。その後、小切手処理装置1では、第3収納部21cへの小切手の収納が継続され、第3収納部21cが小切手で満杯になると、第1収納部21aへ小切手が収納される。
【0178】
その後、同図の(B−3)に示すように、第3収納部21cが満杯になり、続いて第1収納部21aによる小切手の収納枚数が所定の閾値に達したとする。すると、小切手処理装置1は、同図の(B−4)に示すように、満杯となった時期が最も早い第2収納部21bの小切手の廃棄要求および排出を行う。
【0179】
このように、小切手処理装置1は、複数の収納部21のうち所定数の収納部21が保管期間の経過しない小切手で満杯となった場合、処理日の古い小切手を収納している収納部21の小切手を優先的に廃棄させる。
【0180】
このため、小切手処理装置1は、全ての収納部21が満杯となり新たな小切手が収納不能になることを防止しつつ、比較的最近処理した小切手については、保管を継続することができる。
【0181】
また、小切手処理装置1では、収納部21が小切手で満杯になってから排出するまでの期間を任意に設定することもできる。さらに、小切手処理装置1では、日々の小切手の取扱量に基づき、全ての収納部21が満杯にならず、且つなるべく長い期間小切手現物を保管できるように、小切手を排出するまでの期間を自動的に計算し設定変更することもできる。
【0182】
図3の説明に戻り、小切手の画像データの保管期間および画像データの圧縮に関連する圧縮率設定部121、画像データ圧縮部122、画像データ削除部123について説明する。
【0183】
また、ここでは、圧縮率設定テーブル131、画像DB132についても説明する。なお、以下では、小切手の保管期間と区別するため、画像データの保管期間を画像保存期間という。
【0184】
圧縮率設定部121は、情報取得部112から入力される小切手情報と記憶部130に記憶されている圧縮率設定テーブル131とに基づき、小切手の画像データの圧縮率および画像保存期間を設定する処理部である。
【0185】
そして、圧縮率設定部121は、設定した圧縮率および画像保存期間を示す情報と撮像部111から入力される小切手の画像データとを画像データ圧縮部122へ出力する。
【0186】
画像データ圧縮部122は、圧縮率設定部121により設定された圧縮率で小切手の画像データを圧縮し、圧縮後の画像データを画像DB132へ保存する処理部である。このとき、画像データ圧縮部122は、圧縮した画像データに対し、小切手の処理日(撮像日)、画像データの削除日、画像データの解像度を付加して画像DB132へ保存する。
【0187】
なお、画像データ圧縮部122は、圧縮率設定部121から圧縮率を示す情報として非圧縮を示す情報が入力された場合、画像データを圧縮することなく画像DB132へ保存する。
【0188】
また、画像データ圧縮部122は、計時部127から入力される現在日時に基づき、画像DB132に保存されている画像データを所定のタイミングで再圧縮する。このとき、画像データ圧縮部122は、圧縮率設定テーブル132に基づき画像データの圧縮を行う。
【0189】
画像データ削除部123は、計時部121から入力される現在日時と画像データに付加された削除日とに基づき、削除日が到来した画像データの削除を行う処理部である。
【0190】
ここで、図7を用いて、圧縮率設定部121、画像データ圧縮部122、画像データ削除部123の動作について説明する。図7は、本実施例に係る圧縮率設定部121、画像データ圧縮部122、画像データ削除部123の動作を説明する図である。
【0191】
ここでは、図7(A)に示すように、撮像後用の圧縮率設定テーブル131において「金額条件$100未満」と「解像度300dpi」と「画像保存期間1ヶ月+2週間」とが対応付けられているとする。
【0192】
また、撮像後用の圧縮率設定テーブル131において「金額条件$100以上」と「解像度400dpi」と「画像保存期間3ヶ月+2週間」とが対応付けられているとする。なお、本実施例では、撮像部111は、400dpiの解像度で小切手を撮像するもとする。
【0193】
かかる場合、圧縮率設定部121は、情報取得部112から小切手情報が入力されると、入力された小切手情報が該当する条件を圧縮率設定テーブル131から検索する。
【0194】
そして、圧縮率設定部121は、小切手情報が該当した金額条件に対応する解像度および画像保存期間に基づき圧縮率および画像保存期間を設定した画像データを生成して画像データ圧縮部122へ出力する。
【0195】
具体的には、圧縮率設定部121は、図7(B)に示すように、ヘッダ132bと画像データ本体132cとからなる画像データ132aを生成する。同図(B)に示すように、ヘッダ132bには、画像データ本体132cが取得された小切手の処理日(撮像日)と画像データ132aの削除日と解像度とが含まれている。
【0196】
なお、小切手処理日等を、画像データ132aのファイル名として利用してもよい。また、ヘッダ132bには、小切手処理日以外の小切手情報を利用してもよい。また、ヘッダ132bにいかなる情報を含めるかは行員等が任意に設定することができる。
【0197】
このように、圧縮率設定部121は、取引処理後にトラブルが発生した場合に銀行が被る損失が大きな所定金額以上の小切手の画像データ132aに対し、所定金額未満の画像データ132aよりも長い画像保存期間を設定する。
【0198】
このため、小切手処理装置1は、トラブルが発生した場合に銀行が被る損失を考慮した適時に小切手の画像データ132aを削除することができる。これにより、小切手処理装置1によれば、保存が不要になった画像データを無駄に長期間保存することが原因で画像DB132に容量不足が生じることを抑制することができる。
【0199】
画像データ圧縮部122は、圧縮率設定部121から画像データ132aが入力されると、画像データ132aのヘッダ132bに含まれる解像度となるように画像データ本体132cを圧縮して画像DB132へ保存する。
【0200】
このように、画像データ圧縮部122は、トラブルが発生した場合に銀行が被る損失が低い所定金額未満の小切手の画像データ132aを所定金額以上の小切手の画像データ132aよりも低い解像度となるように圧縮する。
【0201】
このため、小切手処理装置1は、トラブルが発生した場合に銀行が被る損失が低い小切手の画像データ132aを無駄に高解像度のまま大きなデータ量で保存することがない。これにより、小切手処理装置1は、画像DB132の空き容量を拡大することができるため、より多くの画像データ132aを保存することができる。
【0202】
また、画像データ圧縮部122は、画像データ132aを画像DB132へ保存した後、図7(C)に示す画像データ保存中用の圧縮率設定テーブル131に基づき、保存中の画像データ132aを再圧縮する。
【0203】
具体的には、画像データ圧縮部122は、$100以上の小切手の画像データ132aの解像度を撮像日から1ヵ月後に300dpi、2ヶ月後に200dpi、3ヶ月後に150dpiとなるように圧縮する。
【0204】
また、画像データ圧縮部122は、$100未満の小切手の画像データ132aの解像度を撮像日から2週間後に200dpi、1ヶ月後に150dpiとなるように圧縮する。
【0205】
このように、画像データ圧縮部122は、小切手の撮像日からの経過期間が長くなり顧客から画像データ132aの提供が求められる可能性が低くなるにつれて、画像データ132aの解像度を自動的に低減する。これにより、小切手処理装置1によれば、顧客から画像データ132aの提供が要求される可能性を考慮しつつ画像DB132の空き容量を拡大することができる。
【0206】
なお、小切手処理装置1は、画像データ132aから取得した小切手金額が所定の金額を超える場合等、画像データ132aに関する条件によっては解像度を低減させないように設定することもできる。また、同様に、小切手処理装置1では、画像データ132aに関する条件によって画像データ132aを削除しないように設定することもできる。
【0207】
画像データ削除部123は、画像DB132に保存されている画像データ132aのヘッダ132bを定期的に参照し、削除日が到来した画像データ132aを削除する。たとえば、画像データ削除部123は、$100未満の小切手の画像データ132aを撮像日から1ヶ月+2週間後に削除する。
【0208】
また、画像データ削除部123は、$100以上の小切手の画像データ132aを撮像日から3ヶ月+2週間後に削除する。すなわち、画像データ削除部123は、各小切手の現物が廃棄された後、2週間が経過した場合に廃棄済の小切手の画像データ132aを削除する。
【0209】
このため、小切手処理装置1によれば、小切手の廃棄後に顧客から取引処理済の小切手の提供を求められた場合、小切手の廃棄後2週間以内であれば、小切手の代わりに小切手の画像データ132aを提供することができる。なお、小切手処理装置1では、小切手の廃棄から画像データ132aの削除までの期間を操作表示部11の操作によって任意に設定することができる。
【0210】
また、ここでは、撮像後用の圧縮率設定テーブル131に適用する条件として金額条件を用いているが、適用する条件として、図4(B)、(C)に示す振出人条件や銀行条件を用いてもよい。
【0211】
また、撮像後用の圧縮率設定テーブル131に適用する条件として、かかる複数種類の条件に対し所定の重み付けを行ったポイントを付与し、かかるポイントの合計値を用いてもよい。
【0212】
なお、画像保存期間が経過した画像データ132aを自動的に削除するのではなく、画像データ132aの画像保存期間が経過したことを表示操作部11により通知させるように小切手処理装置1を構成してもよい。これにより、銀行員は、かかる通知を確認することで画像保存期間が経過した画像データ132aを適時に削除して廃棄することができる。
【0213】
次に、図8〜図10を用いて、本実施例に係る小切手処理装置1で実行される処理について説明する。図8〜図10は、本実施例に係る小切手処理装置1で実行される処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、小切手処理装置1が3つの収納部21を備えている場合を例に挙げて説明する。
【0214】
また、ここでは、小切手処理装置1が全ての小切手に対し共通の保管期間(たとえば、1ヶ月間)を設定し、全ての画像データ132aに対し、共通の画像保存期間(たとえば、1ヶ月+2週間)を設定する場合について説明する。また、ここでは、小切手処理装置1が小切手を撮像した後、全ての画像データ132aを解像度が300dpiとなるように圧縮して記憶するものとして説明する。
【0215】
図8に示すように、小切手処理装置1では、小切手処理装置1が小切手投入部12への小切手の投入を検知した場合に(ステップS101,Yes)、処理が開始される。なお、小切手の投入を検知しない場合(ステップS101,No)、処理が終了され、再びステップS101の判定処理が実行される。
【0216】
ここで、小切手処理装置1が小切手投入部12への小切手の投入を検知すると(ステップS101,Yes)、撮像部111は、投入された小切手を撮像する(ステップS102)。そして、撮像部111は、撮像した小切手の画像データ132aを情報取得部112および圧縮率設定部121へ出力する。
【0217】
続いて、情報取得部112は、画像データ132aから小切手情報を取得する(ステップS103)。また、情報取得部112は、小切手の現物からも小切手情報を取得する。そして、情報取得部112は、取得した小切手情報を圧縮率設定部121および保管期間設定部124へ出力する。
【0218】
続いて、圧縮率設定部121は、圧縮率設定テーブル131から小切手情報に該当する条件を検索する。また、保管期間設定部124は、保管期間設定テーブル133から小切手情報が該当する条件を検索する(ステップS104)。
【0219】
続いて、保管期間設定部124は、検索した条件に対応する保管期間を小切手に設定して収納部21へ収納し、保管履歴を生成して廃棄時期判定部125へ出力する。また、圧縮率設定部121は、検索した条件に対応する圧縮率および画像保存期間を画像データ132aに設定し(ステップS105)、画像データ圧縮部122へ出力する。
【0220】
ここで、保管期間設定部124は、小切手の保管期間として1ヶ月間を設定する。また、圧縮率設定部121は、画像データ132aの画像保存期間として1ヶ月+2週間を設定し、解像度を300dpiとする圧縮率を設定する。なお、小切手情報の条件別に複数の保管期間、画像保存期間、解像度を設けている場合、小切手処理装置1は、小切手情報の条件に応じた保管期間、画像保存期間、解像度をそれぞれ設定する。
【0221】
続いて、廃棄時期判定部125は、保管期間設定部124から入力された小切手の保管履歴を保管履歴DB134へ記憶させる。また、画像データ圧縮部122は、設定された圧縮率で圧縮した画像データ132aを画像DB133へ記憶させる(ステップS106)。その後、小切手処理装置1は、処理を終了する。
【0222】
そして、小切手処理装置1では、小切手の投入が検知される度に、上記ステップS102〜ステップS106の処理が繰り返し実行される。また、小切手処理装置1では、図8に示した処理と並行して図9に示す処理が廃棄要求部126によって実行される。
【0223】
同図に示すように、廃棄要求部126は、収納部21に保管中の小切手のなかに保管期間が経過した小切手があるか否かの判定を行う(ステップS201)。ここで、廃棄要求部126は、保管期間が経過した小切手があると判定した場合(ステップS201,Yes)、保管期間が経過した小切手の廃棄要求を行い(ステップS202)、その後、処理を終了する。
【0224】
一方、廃棄要求部126は、保管期間が経過した小切手がないと判定した場合(ステップS201,No)、満杯になった収納部21の数が1以上か否かの判定を行う(ステップS203)。ここで、廃棄要求部126は、満杯になった収納部21の数が1以上であると判定した場合(ステップS203,Yes)、処理をステップS204へ移す。
【0225】
一方、廃棄要求部126は、満杯になった収納部21の数が1未満であると判定した場合(ステップS203,No)、処理を終了する。また、ステップS204において、廃棄要求部126は、満杯になった後、所定期間が経過した収納部21があるか否かの判定を行う。
【0226】
ここで、廃棄要求部126は、満杯になってから所定期間が経過した収納部21があると判定した場合(ステップS204,Yes)、満杯になって所定期間が経過した収納部21の小切手の廃棄要求を行い(ステップS205)、処理を終了する。
【0227】
また、廃棄要求部126は、満杯になって所定時間が経過した収納部21がないと判定した場合(ステップS204,No)、満杯になった収納部21の数が2以上か否かの判定を行う(ステップS206)。
【0228】
ここで、廃棄要求部126は、満杯になった収納部21の数が2以上であると判定した場合(ステップS206,Yes)、直近に小切手が繰込まれた収納部21の収納枚数が所定の閾値以上か否かの判定を行う(ステップS207)。
【0229】
一方、廃棄要求部126は、満杯になった収納部21の数が2未満であると判定した場合(ステップS206,No)、処理を終了する。また、廃棄要求部126は、直近に小切手が繰込まれた収納部21の収納枚数が所定の閾値以上であると判定した場合(ステップS207,Yes)、満杯となった時期が最も早い収納部21の小切手の廃棄要求を行う(ステップS208)。
【0230】
一方、廃棄要求部126は、直近に小切手が繰込まれた収納部21の収納枚数が所定の閾値未満であると判定した場合(ステップS207,No)、処理を終了する。そして、廃棄要求部126は、図9に示す処理を終了した場合、再びステップS201から処理を開始する。
【0231】
なお、廃棄要求部126は、ステップS202、ステップS205、ステップS208で廃棄要求を行った小切手を収納部21からシュレッダ24または小切手投入部12へ排出させることもできる。
【0232】
また、小切手処理装置1では、図8に示した処理と並行して図10に示す処理が画像データ圧縮部122および画像データ削除部123によって実行される。
【0233】
同図に示すように、画像データ削除部123は、画像DB132で保存されている画像データ132aが小切手の撮像から1ヶ月+2週間が経過しているか否かを判定する(ステップS301)。
【0234】
ここで、画像データ削除部123は、撮像から1ヶ月+2週間が経過していると判定した場合(ステップS301,Yes)、画像保存期間が経過した画像データ132aを削除し(ステップS302)、処理を終了する。
【0235】
一方、撮像から1ヶ月+2週間が経過していないと判定された場合(ステップS301,No)、画像データ圧縮部122は、撮像から1ヶ月が経過したか否かの判定を行う(ステップS303)。ここで、画像データ圧縮部122は、撮像から1ヶ月が経過したと判定した場合(ステップS303,Yes)、画像データ132aの解像度を150dpiまで低下させ(ステップS304)、処理を終了する。
【0236】
一方、画像データ圧縮部122は、撮像から1ヶ月が経過していないと判定した場合(ステップS303,No)、撮像から2週間が経過したか否かの判定を行う(ステップS305)。
【0237】
ここで、画像データ圧縮部122は、撮像から2週間が経過したと判定した場合(ステップS305,Yes)、画像データ132aの解像度を200dpiまで低下させ(ステップS306)、処理を終了する。
【0238】
一方、画像データ圧縮部122は、撮像から2週間が経過していないと判定した場合(ステップS305,No)、処理を終了する。そして、画像データ圧縮部122および画像データ削除部123は、図10に示す処理を終了した場合、再度ステップS301から処理を開始する。
【0239】
なお、上記した実施例では、画像データ圧縮部122は、画像全体の解像度を下げることで画像データ132aを圧縮しているが、画像の解像度を部分的に低下させてもよい。ここで、図11を用いて画像データ圧縮部122による画像データ132aの圧縮手順の変形例について説明する。
【0240】
図11は、本実施例に係る画像データ132aの圧縮手順の変形例を示す図である。ここでは、図11(A)に示すように、背景に模様が施された小切手の画像140が撮像された場合について説明する。
【0241】
ここで、画像データ圧縮部122は、同図(A)に示す背景に模様が施された小切手の画像140が撮像された場合、たとえば、同図(B)に示す小切手の画像141のように、背景部分のみ解像度を低下させてもよい。
【0242】
また、画像データ圧縮部122は、同図(C)に示す小切手の画像142のように、背景に加え、小切手の雛形部分についても解像度を低下させてもよい。かかる場合、同図(C)に点線で示す取引を特定可能な情報が記載されている領域については解像度を撮像時のまま維持させる。
【0243】
これにより、画像データ圧縮部122は、画像データ132aが持つ取引処理の証拠としての機能を保持したまま画像データ132aのデータ量を低減することができる。
【0244】
また、画像データ圧縮部122は、小切手画像の中で、取引の証拠となるような重要な情報を含む領域と、その他の領域とを任意に設定することができる。また、画像データ圧縮部122は、任意に設定した各領域における画像データ132aの圧縮率についても、それぞれ任意に設定することができる。
【0245】
また、画像データ圧縮部122は、画像データ132aを圧縮して保存する場合、全体画像を圧縮して保存しながら、これとは別途、重要な領域のみを全体画像よりも高解像度で保存することもできる。
【0246】
なお、本実施例では、画像データ132aの解像度を低下させることで画像データ132aを圧縮しているが、たとえば、カラーで撮像した画像を白黒へ変換することで画像データ132aの圧縮を行ってもよい。また、撮像した画像の画像サイズを縮小することで画像データ132aの圧縮を行ってもよい。
【0247】
また、画像処理装置1は、画像データ132aの圧縮を行う場合、圧縮率の上限値を予め設定しておき、取引履歴等に基づいて圧縮率の上限値を更新することができる。すなわち、小切手処理装置1は、小切手に関するリスクが上がった場合には、後に確実に情報を利用できるような高品質の画像データ132aを保存するように設定を変更することができる。
【0248】
たとえば、小切手処理装置1は、顧客から画像データ132aの提供を求められた場合に、提供した画像データ132aの圧縮率と顧客が画像データ132aの内容を承認したか否かの承認結果とを対応付けて蓄積する。
【0249】
そして、小切手処理装置1は、蓄積した承認結果に基づき、顧客による画像データ132aの承認率が所定の承認率を下回ったと判定した場合、設定中の圧縮率を低下させる。一方、小切手処理装置1は、顧客による画像データ132aの承認率が所定の承認率以上となったと判定した場合、設定中の圧縮率を高める。
【0250】
これにより、小切手処理装置1は、顧客が画像データ132aの内容を承認可能な適切な圧縮率で画像データ132aの圧縮を行うことができる。
【0251】
上述してきたように、本実施例に係る小切手処理装置は、小切手から取得した小切手情報に基づいて小切手の保管期間を設定し、保管期間が経過した場合に、保管期間が経過した小切手の廃棄要求を行う。このため、本実施例に係る小切手処理装置によれば、面倒な選別作業を行うことなく、保管期間が経過した小切手を適時に廃棄することができる。
【0252】
また、本実施例に係る小切手処理装置は、小切手から取得した小切手情報に基づき、取引処理の証拠として小切手の代用となる小切手の画像データや小切手から取得した小切手情報に対して画像保存期間を設定することができる。
【0253】
このため、本実施例に係る小切手処理装置によれば、小切手の画像や小切手情報についても画像保存期間が経過したことを自動的に判定して適時に削除することができる。したがって、本実施例に係る小切手処理装置によれば、保存が不要になった画像データや小切手情報を無駄に長期間保管することを抑制して、画像データを記憶する記憶部に容量不足が発生することを抑制することができる。
【0254】
また、本実施例に係る小切手処理装置では、小切手の処理日から所定期間が経過する毎に、記憶中の画像データを再圧縮する。これにより、小切手処理装置は、取引処理後の経過期間が長くなり、顧客から画像データの提供を要求される可能性が低くなった画像データを再圧縮することで、記憶部の空き容量を拡大することができる。
【0255】
また、本実施例では、取引処理済の小切手を常時所定の期間保管する場合について説明したが、場合によっては処理後即座に小切手を廃棄してもよい。たとえば、顧客の信頼度を予め小切手処理装置へ登録しておき、小切手処理装置によって信頼度が所定値以上と判定された顧客の小切手については、処理後即座に廃棄することもできる。また、銀行員が小切手の高精細画像を確認し、問題がないと判断した場合には、小切手を即時廃棄してもよい。
【0256】
また、本実施例では、小切手処理装置は、小切手の現物を廃棄した後に小切手の画像データを削除しているが、小切手の廃棄および画像データの削除の順序を任意に設定することもできる。
【0257】
たとえば、小切手処理装置は、小切手の現物よりも先に小切手の画像データを削除することができる。また、小切手処理装置は、小切手の現物と小切手の画像データとを同時に削除することもできる。また、小切手処理装置は、小切手の現物のみを削除し、小切手の画像データを削除しない設定を行うこともできる。
【0258】
また、本実施例に係る小切手処理装置は、収納部から回収した小切手を、保管期間が経過したものと経過していないものとに容易に選別できるように収納させることもできる。
【0259】
たとえば、小切手処理装置は、廃棄要求を行う場合に、一時保留部の表裏反転機能を利用して収納部内の小切手の表裏を反転させる。具体的には、小切手処理装置は、保管期間が経過した小切手と経過していない小切手との表裏が逆となるように表裏反転させて一旦精査カセットへ搬送し、その後、再び収納部へ搬送して収納させる。
【0260】
これにより、銀行員は、収納部から回収した小切手の表裏を判別するだけで、保管期間が経過したものと経過していないものとに容易に選別することができる。
【0261】
また、小切手処理装置は、予め一時保留部へ白紙の紙片を収納させておき、かかる白紙の紙片を保管期間が経過した小切手と保管期間が経過していない小切手との境界部分へ挿入することもできる。
【0262】
これにより、銀行員は、収納部から回収した小切手を、白紙の紙片が挿入されている部分を境に分別するだけで、保管期間が経過したものと経過していないものとに容易に選別することができる。
【符号の説明】
【0263】
1 小切手処理装置
11 表示操作部
21a 第1収納部
21b 第2収納部
16 搬送部
24 シュレッダ
111 撮像部
112 情報取得部
113 センサ
120 制御部
121 圧縮率設定部
122 画像データ圧縮部
123 画像データ削除部
124 保管期間設定部
125 廃棄時期判定部
126 廃棄要求部
127 計時部
128 駆動制御部
130 記憶部
131 圧縮率設定テーブル
131 画像DB
133 保管期間設定テーブル
134 保管履歴DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小切手による取引処理を行う小切手処理装置であって、
小切手から所定の情報を取得する情報取得部と、
前記所定の情報に含まれる特定の小切手情報に対し、取引処理済の小切手の保管期間および/または前記所定の情報に含まれる当該小切手の代用となる代用情報の保管期間が対応付けられた保管期間設定テーブルと、
前記情報取得部によって取得された前記小切手情報に対応付けられている保管期間を前記保管期間設定テーブルから選択し、当該小切手情報が取得された小切手および/または当該小切手の前記代用情報の保管期間として設定する保管期間設定部と、
前記保管期間設定部によって設定された前記保管期間が経過した場合に、当該保管期間が経過したことを通知する通知部と
を備えたことを特徴とする小切手処理装置。
【請求項2】
前記保管期間設定部によって設定された前記保管期間が同一の小切手を収納する複数の収納部と、
前記保管期間設定部により前記保管期間が設定された小切手を当該保管期間専用の前記収納部へ振り分けて収納させる振分部と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の小切手処理装置。
【請求項3】
前記収納部に収納されている小切手の数量を検知する検知部と、
前記検知部によって前記収納部が小切手で満杯になったことが検知されてから所定期間が経過した場合に、当該収納部に収納されている小切手の廃棄要求を行う廃棄要求部と
をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の小切手処理装置。
【請求項4】
所定の前記収納部が小切手で満杯になるまで当該収納部へ小切手の繰込みを行い、当該収納部が小切手で満杯になった場合に、他の前記収納部へ小切手の繰込みを行う繰込部
をさらに備え、
前記廃棄要求部は、
前記検知部によって所定数の前記収納部が小切手で満杯になったことが検知され、かつ、直近に小切手が繰込まれた前記収納部における小切手の収納枚数が所定の閾値に達した場合に、小切手で満杯になった時期が最も早い前記収納部に収納されている小切手の廃棄要求を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の小切手処理装置。
【請求項5】
前記収納部に収納されている小切手を裁断するシュレッダ
をさらに備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の小切手処理装置。
【請求項6】
前記情報取得部は、
前記代用情報として小切手を撮像した画像データを取得する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の小切手処理装置。
【請求項7】
前記画像データを記憶する記憶部と、
前記保管期間設定部によって設定された前記保管期間が経過した前記画像データを前記記憶部から削除する画像削除部と
をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の小切手処理装置。
【請求項8】
前記画像データを圧縮する画像圧縮部と、
前記小切手情報に対し、前記画像データの圧縮率が対応付けられた圧縮率設定テーブルと
をさらに備え、
前記画像圧縮部は、
前記情報取得部によって取得された前記小切手情報に対応付けられている圧縮率で当該小切手情報が取得された前記画像データを圧縮する
ことを特徴とする請求項7に記載の小切手処理装置。
【請求項9】
前記画像圧縮部は、
取引処理後の経過期間に応じた圧縮率で前記画像データを再度圧縮する
ことを特徴とする請求項8に記載の小切手処理装置。
【請求項10】
小切手処理装置による小切手処理方法であって、
小切手から所定の情報を取得する情報取得工程と、
前記所定の情報に含まれる特定の小切手情報に対し、取引処理済の小切手の保管期間および/または前記所定の情報に含まれる当該小切手の代用となる代用情報の保管期間が対応付けられた保管期間設定テーブルを記憶するテーブル記憶工程と、
前記情報取得工程によって取得された前記小切手情報に対応付けられている保管期間を前記保管期間設定テーブルから選択し、当該小切手情報が取得された小切手および/または当該小切手の前記代用情報の保管期間として設定する保管期間設定工程と、
前記保管期間設定工程によって設定された前記保管期間が経過した場合に、当該保管期間が経過したことを通知する通知工程と
を含むことを特徴とする小切手処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−197833(P2011−197833A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61633(P2010−61633)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】