説明

小型の手動式噴霧器

小型の手動式噴霧器が本明細書に開示されている。噴霧器は、内容物を噴霧する噴霧ノズル(10)と、狭くて細長い円筒構造に構成されて内容物を垂直方向に移動可能にするハウジング(100)と、噴霧ノズルの作動を制御するキャップ(20)と、内容物を入れる容器(130)と、対称形の翼構造に構成されてハウジングの一側面に固定される封止部材(80)と、ハウジングの内面に沿って垂直方向に移動可能なシャフト(30)と、シャフトの下端部を包囲すると同時にシャフトに取り付けられるピストン(92)と、ポンピング時に復元力をシャフトに与える圧縮バネ(90)と、ポンピング時にハウジングの入口ポートを開閉するボール(120)と、3段のフレーム構造に構成されたケース部材(70)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型の手動式ポンプに関し、より詳細には、薄い板状に形成された化粧品容器に取り付けることのできる小型の手動式噴霧器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、手動式ポンプは、シャンプー容器もしくは化粧品容器に用いられる滴下式ポンプ、または香水容器もしくは防蚊剤容器に用いられる噴霧式ポンプに分類される。
特に、小型の手動式ポンプは、通常、その利便性から、毎回所定量の液状または乳液状の内容物を放出する化粧品容器に用いられている。この場合、手動式ポンプは、内容物を容器に貯蔵すると同時に、手動式ポンプにより所定量の内容物を毎回容易に放出できる特性があるため、幅広く使用されており、手動式ポンプに関連する技術は絶えず発展してきた。
【0003】
ところで、慣用の手動式ポンプは、主として、ポンプの外観を形成するハウジング、ハウジングを容器に取り付けるために用いられる封止部材、キャップの出口ポートに連通しハウジングに沿って垂直に移動可能なステム、ステムの垂直移動を案内しステムをキャップに接続するシャフト、ハウジングの内壁に沿って垂直に移動できるようステムに取り付けられたピストン、ハウジングの下部内側に取り付けられたバネ、および、ハウジングの下端部に形成された入口ポートを開閉するボールを含む。
【0004】
慣用の手動式ポンプは、主として円筒状または角柱状の容器ケース内に手動式ポンプが取り付けられた構造に構成されている。この目的のために、慣用の手動式ポンプは特定の幅を有することが必要である。
また、慣用の手動式噴霧器は、厚さが大きく容量の大きい構造に構成されている。その結果、慣用の手動式噴霧器は、少量の香水を噴霧する香水容器に取り付けられる小型の噴霧器に向いていない。
【0005】
近年、消費者の要求が突然変化するので、大量の販売促進用試供品が準備されおり、これらの試供品の大きさは普通小さ目である。このため、小型容器等の軽量で薄い構造に構成した小型の手動式噴霧器に対する必要性が高まっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、上述の問題点および未だ解決されていない他の技術的問題点を解消するためになされたものである。
具体的には、本発明の目的は、薄いビニル・パック等の板状容器を含み、たやすく、全体として薄形で小型に製造することができ、噴霧器の使用時に故障の可能性が低く、かつ、外力を噴霧器に加えた時に容易に損傷しない、小型の手動式噴霧器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、下記(i)〜(vii)を含む小型の手動式噴霧器を提供することによって、前記および他の目的を達成することができる。
(i)噴霧ノズルを備えるキャップであって、前記キャップは、シャフトに結合してシャフト上端に連通すると共に、ハウジングの上端部に垂直方向に往復動するように連結する連結拡張部が、前記キャップの下端部または側部に設けられているキャップ
(前記ハウジングは、前記噴霧器の外観を形成する細長い円筒構造に構成され、かつ前記ハウジングの上端部に、前記キャップの前記連結拡張部を連結する連結ガイドが設けられている)
(前記シャフトは、前記ハウジングの内部空間に連通する水平チャンネルと、前記水平チャンネルに連通する垂直チャンネルを備え、前記ハウジングの内面に沿って垂直方向に移動可能であると共に、前記キャップの下端部に接続している)
(ii)前記ハウジングの下部に取り付けられ、内容物(液体)を入れる板状構造に構成されている容器
(iii)前記ハウジングの外面に固定され、対称形の翼構造に構成されている封止部材であって、前記封止部材の相対向する翼部に前記容器の上部が液密に接触する封止部材
(iv)前記シャフトに取り付けられ、前記水平チャンネルを弾性的に開閉するピストン
(v)前記ハウジングの下部内側に形成された入口ポートと前記シャフトの間に取り付けられ、ポンピング時に前記シャフトに復元力を与える圧縮バネ
(vi)前記ハウジングの内部空間の下部内側に配置され、ポンピング時に前記ハウジングの前記入口ポートを開閉するボール
(vii)前記連結ガイドの下部に結合しているケース部材であって、前記容器を保護するフレームを含み、かつ前記フレームが前記容器の外周から所定の間隔を置いて配置される板状のフレーム構造に構成されているケース部材
【0008】
例えば、香水等の化粧品の試供品が本の販売促進に供されるときは、試供品を本に挿入することが好ましい。このような訳で、薄い板状構造をなす小型の手動式噴霧器を必要とする。また、本の輸送または保管時に本を次々と積み重ねることがある。このため、大きな負荷が噴霧器にかかるとき、噴霧器が損傷しないように十分丈夫でなければならない。
【0009】
このような事情から、本発明の小型の手動式噴霧器では、薄くて堅固な板状のフレーム構造に構成されたケース部材が使用されるので、上面、底面、または側面からポンプに加わる外力による、ハウジング等のポンプを構成する部材の破損を防止することが可能であって、内容物を入れた板状容器が加圧されるのを防止できる。特に、側面からポンプに加わる強い外力から、ポンプを構成する部材が安全に保護される。
【0010】
また、キャップがハウジングの上部に直接連結する簡単な構造に、キャップは構成されている。そのため、キャップは大きさが小さく薄形である小型の手動式噴霧器の構造に適しており、それ故に、小型の手動式噴霧器の製造コストを削減することが可能である。
【0011】
好ましい実施の形態では、シャフトの外面の、キャップにおけるノズルに対応する位置に、放射状チャンネルの形態に構成された流体分布ポートが設けられる。そのため、容器に入れられた内容物がノズルを通って放出され、内容物が所定の範囲内で広く噴霧される。具体的には、容器に入れられたごく少量の内容物が放出されるものの、内容物が所望の領域全体に広範囲に噴霧される。
【0012】
別の好ましい実施の形態では、シャフトの上端が、キャップの上端内側から所定の間隔を置いて位置するように、シャフトがキャップに結合し、これにより、シャフトがキャップに結合すると同時に、シャフトの垂直チャンネルが流体分布ポートに連通する。
具体的には、キャップを下方に押圧して内容物を噴霧する時、シャフトの垂直チャンネルに入れられた内容物が、シャフトの上端とキャップの上端内側との間の隙間に移行した後、流体分布ポートの上端部の一側に形成された溝に沿って流体分布ポートに移動する。
【0013】
慣用の手動式噴霧器は、容器に入れられた内容物がシャフトの水平チャンネルおよび垂直チャンネルを通過し、流体分布ポートを通過した後に、ノズルを通って直接噴霧される構造に、構成されている。しかし、この構造は、薄くて小型の手動式噴霧器の大量生産に適していない。これに対し、本発明によれば、前述の問題点を解決するために、シャフトの上端とキャップの上端内側との間に所定の隙間が設けられている。
【0014】
ポンピング時に内容物(液体)が大きな半径で均一に噴霧されるように、流体分布ポートを、キャップにおけるノズルに対応する領域の周囲にガイド溝が放射状に傾斜した凹凸構造に構成することができる。
具体的には、流体分布ポートがシャフトに一体的に形成されており、それ故に、本発明の小型の手動式噴霧器はよりコンパクトな構造に構成される。また、小型の噴霧器に起因して組立工程時に引き起こされる問題を解消することが可能である。例えばシャフトの製造と同時に流体分布ポートを形成することができる。
【0015】
好ましくは、シャフトの下部に、ピストンが取り付けられるピストン結合部、バネが取り付けられるバネ結合部およびバネがシャフトの上部に移動するのを阻止する突出部が設けられる。このため、ピストンおよびバネがシャフトの下端部に安定して取り付けられる。
【0016】
前述の通り、キャップ外面に形成された連結拡張部とハウジング外面に形成された連結ガイドとの協働によって、ハウジングへのキャップの連結が達成される。
好ましい実施の形態では、連結拡張部がキャップ下端部の相対向する側から延びる一対の部材からなり、各連結拡張部の下端部に連結用楔が設けられ、連結ガイドが、相対向する方向に突出して連結拡張部の垂直方向の動きを案内する側辺伸長部と、各側辺伸長部に形成された貫通孔を含む。この場合、ハウジングの前面および/または後面に連結ガイドを形成してもよい。
【0017】
封止部材の構造は、ハウジングと容器が封止部材により互いにしっかりと結合する限り、特に制限されるものではない。例えば、封止部材の最大厚がハウジング本体の厚さよりも厚くない構造に封止部材を構成してもよく、封止部材の相対向する翼部の厚さがハウジング本体からその端部にかけて低減する。
封止部材の相対向する翼部がその前後面で互いに対称である構造に、封止部材を構成することができる。また、成形および組立工程の利便性に応じて、封止部材とハウジングとを別体としてまたは一体的に形成することができる。
【0018】
好ましくは、ピストンは、以下の構造に構成される。
・ピストンをシャフトに取り付けつつ、シャフトの水平チャンネルを閉鎖する領域におけるピストンの外径が、ハウジングの内径よりも小さい
・ピストンの、外向きにテーパー状の構造(傾斜部)をなす下端部における外径が、ハウジングの内径よりも大きい
・ピストンのテーパー状下端部が、ハウジングの内面に弾性的に圧縮されながら液密に接触する
【0019】
この場合、ピストンの下端部がテーパー状の傾斜構造に構成されているので、ピストンの下端部とハウジングの内面との結合がより液密に成し遂げられる。また、ピストンのテーパー状下端部が、ポンピング時にハウジング内で発生する水圧により弾性的に広がるので、その結果、内容物がピストンの下端部とシャフト間の隙間を通ってシャフトの水平チャンネルに移動する。
【0020】
内容物を入れる容器の構造は、容器が薄板形状に形成される限り、特に制限されるものではない。例えば、ビニル・パックまたはプラスチックから容器を構成することができる。好ましくは、容器が香水を入れる小型容器として用いられるとき、容器は、ユーザが外側から裸眼で容器に入れられた内容物を確認できる透明な材料から構成される。
【0021】
容器と封止部材との結合は様々な方法で行うことができる。例えば、容器がビニル・パックから構成されていると、容器と封止部材間のシール適性を極力良好にするために、容器と封止部材を互いに結合剤で結合させてもよい。他方、容器がプラスチックから構成されていると、容器と封止部材間のシール適性を極力良好にするために、容器と封止部材を互いに熱溶着により結合させてもよい。
【0022】
好ましくは、ケース部材は3段のフレーム構造に構成される。そのため、ケース部材へのおよびケース部材からの容器の着脱が容易であり、しかも、容器に入れられた内容物を外部から確認しながら、外力が容器に加えられるのを防ぐことが可能である。
【0023】
好ましい実施の形態では、3段のフレーム構造は、上部フレーム、中央フレームおよび下部フレームを含み、上部フレームの中心領域にハウジングが垂直に挿入される円形の貫通孔を設け、中央フレームまたは下部フレームの中心領域に、容器が垂直に挿入される楕円形の貫通孔を設けて、容器を中央フレームまたは下部フレームに結合する。
【0024】
具体的には、上部フレームの中心領域に形成された円形の貫通孔からハウジングを挿入して、ハウジングをケース部材の下部に取り付けることができ、引き続き、下部フレームの楕円形の貫通孔と中央フレームの楕円形の貫通孔とから、内容物を入れた容器を挿入して、容器が密封状態でハウジングの封止部材に結合する。
【0025】
好ましくは、ケース部材の厚さがハウジングを取り付けた中心部からその相対向する側にかけて低減する構造に、ケース部材が構成される。そのため、ケース部材の中心部にかかる負荷から、ハウジング等のポンプを構成する部材を保護することが可能である。また、本発明の噴霧器が本に挿入されている間、ケース部材の側端部が外側に突出することがなく、それ故に、本の保管または取扱い時に本の損傷を防ぐことが可能である。
【0026】
状況によっては、3段のフレーム構造における各フレームの中心領域に関して相対向する側に、水平に配列された細長い溝を設けることができる。そのため、それぞれのフレームの側部から加えられる外力により発生する負荷を貫通孔に分散させることができる。また、それぞれのフレームの重量を貫通孔により軽減することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の小型の手動式噴霧器は幾つかの効果を奏する。本発明の噴霧器はコンパクトな構造に構成されている。本発明の噴霧器は、その大きさが著しく小さいにもかかわらず、作動が安定して行われる。また、板状容器が噴霧器に取り付けられると同時に、本発明の噴霧器の厚さが非常に薄い。更に、ポンプと内容物を入れた容器とを構成する部材は、容器の外周から所定の間隔で位置するフレーム構造のケース部材によって、外力から効果的に保護される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の前述の目的とその他の目的、特徴およびその他の利点は、添付の図面と併せてみると以下の詳細な説明からより明確に理解されるであろう。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。しかし、本発明の範囲は図示の実施例によって限定されないことに留意すべきである。
【0029】
図1は、本発明の好ましい実施例の小型の手動式噴霧器900を典型的に示す斜視図である。図2(a)は図1に示す小型の手動式噴霧器900を典型的に図示する正面図であり、図2(b)は図1に示す小型の手動式噴霧器900を典型的に図示する平面図であり、図2(c)は図1に示す小型の手動式噴霧器900を典型的に図示する底面図であり、図2(d)は図1に示す小型の手動式噴霧器900を典型的に図示する左側面図である。
【0030】
これらの図面を参照すると、小型の手動式噴霧器900は、内容物を噴霧する噴霧ノズル10、内容物を垂直方向に移動可能にするチャンネルとして役立つ狭くて細長い円筒構造に構成されたハウジング100、噴霧ノズル10の作動を制御するキャップ20、内容物を入れる容器130、ハウジング100の一側面に固定されると共に対称形の翼構造に構成された封止部材80、ハウジング100の内面に沿って垂直方向に移動可能なシャフト30、シャフト30の下端部を包囲すると同時にシャフト30に取り付けられたピストン(図示せず)、ポンピング時に復元力をシャフトに与える圧縮バネ90、ポンピング時にハウジング100の入口ポートを開閉するボール120、および、容器130を外力から保護する3段のフレーム構造に構成されたケース部材70を含む。
【0031】
キャップ20を押圧してポンプで内容物を容器130から送り出すと、ハウジング100の下部に形成された入口ポートを通ってハウジング100に導入される内容物は、シャフト30の下部に形成された水平チャンネルと垂直チャンネルを通過した後、噴霧ノズル10を通って外部に放出される。
【0032】
対称形の翼構造に構成された封止部材80の最大厚は、ハウジング100本体の厚さと等しいかそれより薄い。前後側が互いに対称の封止部材80の相対向する翼部は、その厚さがハウジング100本体からその端部にかけて低減する構造に構成されており、これにより封止部材80が容器130に容易に結合する。
【0033】
ケース部材70は、上部フレーム72、中央フレーム74および下部フレーム76を含む3段のフレーム構造に構成され、ハウジング100および容器130を外力から保護する。上部フレーム72の中心領域には、ハウジング100を挿入する円形の貫通孔112が設けられている。中央フレーム74の中心領域には、容器130を挿入する楕円形の貫通孔110が設けられている。また、下部フレーム76の中心領域には、容器130を挿入する楕円形の貫通孔114が設けられている。
【0034】
それぞれのフレーム72,74,76の相対向する側には、フレーム72,74,76の側部から加えられる外力により発生する負荷を貫通孔110,112,114に分散させるように、水平に配列された細長い溝が形成されている。また、それぞれのフレーム72,74,76の重量は、貫通孔110,112,114により軽減される。
【0035】
図3は図2(a)の領域Sを典型的に示す部分拡大断面図である。
図3を参照すると、連結拡張部40が、キャップ20の下端部の相対向する側から所定の長さだけ延びている。各連結拡張部40の下端部に連結用楔42が形成されている。連結ガイド50は、ハウジング100の上端部から相対向する方向に水平に突出する側方伸長部54と、それぞれの側方伸長部54に形成された貫通孔52とを含む。キャップ20とハウジング100の連結は、連結拡張部40の連結用楔42を連結ガイド50の貫通孔52に挿入することによって、確実に行われる。
【0036】
シャフト30の上端とキャップ20の上端内側間に隙間24を設けながら、シャフト30がキャップ20と結合する。そのため、シャフト30の垂直チャンネル34が隙間24を介して流体分布ポート12と連通する。
シャフト30の下部に取り付けられたピストン92の下端部には、ピストン92を弾性的に圧縮しながら、ピストン92がハウジング100の内面と液密に接触する、外向きに先細りの傾斜部94がある。
【0037】
図4(a)は図1に示す小型の手動式噴霧器のシャフト領域を典型的に図示する部分拡大斜視図であり、図4(b)は図1に示す小型の手動式噴霧器のシャフト領域を典型的に図示する垂直断面図である。
図4(a)、図4(b)を参照すると、シャフト30の下部には、ハウジング100の内部空間に連通する水平チャンネル32が設けられている。水平チャンネル32と直角に連通するシャフト30の垂直チャンネル34は、シャフト30の上端まで延びている。シャフト30はハウジング100の内面に沿って垂直方向に移動する。
【0038】
図5(a)は図4(a)の流体分布ポート領域Tを典型的に示す部分拡大斜視図であり、図5(b)は図4(a)の流体分布ポート領域Tを典型的に示す垂直断面図である。
【0039】
図5(a)、図5(b)を参照すると、流体分布ポート12が、ノズルに対応するキャップ領域18におけるシャフト30の外面に形成されている。流体分布ポート12は放射状チャンネルの形態に構成される。具体的には、流体分布ポート12は、ガイド溝14がノズルに対応するキャップ領域18の周囲に放射状に傾斜した凹凸構造16に構成されている。接続溝35がシャフトの上端と流体分布ポート12の間に形成されている。そのため、垂直チャンネル34を通過する内容物が、ポンピング時に接続溝35を通って流体分布ポート12に供給される。
【0040】
図6(a)は図4(a)に示すシャフトの下部領域Uを典型的に図示する部分拡大斜視図であり、図6(b)は図4(a)に示すシャフトの下部領域Uを典型的に図示する正面図であり、図6(c)は図4(a)に示すシャフトの下部領域Uを典型的に図示する側面図である。
【0041】
図6(a)〜図6(c)を参照すると、シャフト30の下端部には、ピストンが取り付けられるピストン結合部36と、バネが取り付けられるバネ結合部39と、バネがシャフトの上部に移動するのを防止する突出部38とが設けられている。ポンピング時に、ハウジング内に入れられた内容物(図示せず)は、突出部38の相対向する側に形成された窪み37を通過し、シャフト30の水平チャンネル32を通過した後に、水平チャンネル32に連通する垂直チャンネル34を通ってシャフトの上端部に移動する。
【0042】
図7(a)〜図7(c)は、本発明の小型の手動式噴霧器の作動を説明する代表的な部分図である。具体的には、図7(a)はキャップを押圧する前の小型の手動式噴霧器を示す代表的な図面であり、図7(b)はキャップを押圧した後の内容物の流れを示す代表的な図面であり、図7(c)はシャフトの流体分布ポート内の内容物の流れを示す代表的な拡大図である。
【0043】
これらの図面を参照すると、キャップ20を押圧する前に、ピストンの下方部分Aおよび容器(図示せず)に内容物が入れられる。キャップ20を押圧してポンプで内容物を送り出すと、シャフト30が下方に移動して圧縮バネ90を圧縮し、内容物の水圧によりボール120が押される。その結果、ハウジングの入口ポート102が閉鎖される。
【0044】
この時、キャップ20を押圧した時に発生する内容物の水圧により、部分Bに入れられた内容物が、ピストンの下端部94を押し、シャフト30の水平チャンネル32および垂直チャンネル34に両チャンネル間の隙間を通って導入される。その後、内容物は、シャフト30の上端とキャップ20の上端内側間の隙間24を通過し、内容物が流体分布ポート12の放射状ガイド溝14内で回転しながら、ノズル10を通って大きな半径で均一に噴霧される。
【0045】
本発明の好ましい実施例を説明のために開示したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に開示された通り、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、種々の変更、追加および置換が可能であることを認識するであろう。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上の説明から明らかなように、本発明の小型の手動式ポンプは、小型の手動式ポンプがコンパクトな構造に構成され、かつ、噴霧器の大きさが著しく小さいにもかかわらず、小型の手動式ポンプの作動が安定して行われる点で、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の好ましい実施例の小型の手動式噴霧器を示す斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1に示す小型の手動式噴霧器の正面図であり、図2(b)は、図1に示す小型の手動式噴霧器の平面図であり、図2(c)は、図1に示す小型の手動式噴霧器の底面図であり、図2(d)は、図1に示す小型の手動式噴霧器の左側面図である。
【図3】図2(a)の領域Sを示す部分拡大断面図である。
【図4】図4(a)は、図1に示す小型の手動式噴霧器のシャフト領域を図示する部分拡大斜視図であり、図4(b)は、図1に示す小型の手動式噴霧器のシャフト領域を図示する垂直断面図である。
【図5】図5(a)は、図4(a)の流体分布ポート領域Tを示す部分拡大斜視図であり、図5(b)は、図4(a)の流体分布ポート領域Tを示す垂直断面図である。
【図6】図6(a)は、図4(a)に示すシャフトの下部領域Uを図示する部分拡大斜視図であり、図6(b)は、図4(a)に示すシャフトの下部領域Uを図示する正面図であり、図6(c)は、図4(a)に示すシャフトの下部領域Uを図示する側面図である。
【図7】図7(a)〜図7(c)は、本発明の小型の手動式噴霧器の作動を説明する代表的な部分図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(i)〜(vii)を含むことを特徴とする小型の手動式噴霧器。
(i)噴霧ノズルを備えるキャップであって、前記キャップは、シャフトに結合してシャフト上端に連通すると共に、ハウジングの上端部に垂直方向に往復動するように連結する連結拡張部が、前記キャップの下端部または側部に設けられているキャップ
(前記ハウジングは、前記噴霧器の外観を形成する細長い円筒構造に構成され、かつ前記ハウジングの上端部に、前記キャップの前記連結拡張部を連結する連結ガイドが設けられている)
(前記シャフトは、前記ハウジングの内部空間に連通する水平チャンネルと、前記水平チャンネルに連通する垂直チャンネルを備え、前記ハウジングの内面に沿って垂直方向に移動可能であると共に、前記キャップの下端部に接続している)
(ii)前記ハウジングの下部に取り付けられ、内容物(液体)を入れる板状構造に構成されている容器
(iii)前記ハウジングの外面に固定され、対称形の翼構造に構成されている封止部材であって、前記封止部材の相対向する翼部に前記容器の上部が液密に接触する封止部材
(iv)前記シャフトに取り付けられ、前記水平チャンネルを弾性的に開閉するピストン
(v)前記ハウジングの下部内側に形成された入口ポートと前記シャフトの間に取り付けられ、ポンピング時に前記シャフトに復元力を与える圧縮バネ
(vi)前記ハウジングの内部空間の下部内側に配置され、ポンピング時に前記ハウジングの前記入口ポートを開閉するボール
(vii)前記連結ガイドの下部に結合しているケース部材であって、前記容器を保護するフレームを含み、かつ前記フレームが前記容器の外周から所定の間隔を置いて配置される板状のフレーム構造に構成されているケース部材
【請求項2】
前記シャフトの外面の、前記キャップにおける前記ノズルに対応する位置に、放射状チャンネルの形態に構成された流体分布ポートが設けられていることを特徴とする請求項1記載の噴霧器。
【請求項3】
前記シャフトの上端が、前記キャップの上端内側から所定の間隔を置いて位置するように、前記シャフトが前記キャップに結合し、これにより、前記シャフトが前記キャップに結合すると同時に、前記シャフトの垂直チャンネルが前記流体分布ポートに連通することを特徴とする請求項2記載の噴霧器。
【請求項4】
ポンピング時に内容物(液体)が大きな半径で均一に噴霧されるように、前記流体分布ポートが、前記キャップにおける前記ノズルに対応する領域の周囲にガイド溝が放射状に傾斜した凹凸構造に構成されることを特徴とする請求項2記載の噴霧器。
【請求項5】
前記シャフトの下部に、前記ピストンが取り付けられるピストン結合部、前記バネが取り付けられるバネ結合部および前記バネが前記シャフトの上部に移動するのを阻止する突出部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の噴霧器。
【請求項6】
前記連結拡張部が前記キャップ下端部の相対向する側から延びる一対の部材からなり、
前記各連結拡張部の下端部に連結用楔が設けられ、
前記連結ガイドが、相対向する方向に突出して前記連結拡張部の垂直方向の動きを案内する側辺伸長部と、前記各側辺伸長部に形成された貫通孔を含む
ことを特徴とする請求項1記載の噴霧器。
【請求項7】
前記封止部材の最大厚が、前記ハウジング本体の厚さよりも厚くない構造に前記封止部材が構成され、前記封止部材の相対向する前記翼部の厚さが、前記ハウジング本体からその端部にかけて低減することを特徴とする請求項1記載の噴霧器。
【請求項8】
前記ピストンが、以下の構造に構成されることを特徴とする請求項1記載の噴霧器。
前記ピストンを前記シャフトに取り付けつつ、前記シャフトの前記水平チャンネルを閉鎖する領域における前記ピストンの外径が、前記ハウジングの内径よりも小さい
前記ピストンの、外向きにテーパー状の構造(傾斜部)をなす下端部における外径が、前記ハウジングの内径よりも大きい
前記ピストンのテーパー状下端部が、前記ハウジングの内面に弾性的に圧縮されながら液密に接触する
【請求項9】
前記容器が、板状のビニル・パックまたはプラスチックから構成されることを特徴とする請求項1記載の噴霧器。
【請求項10】
前記ケース部材が、3段のフレーム構造に構成されることを特徴とする請求項1記載の噴霧器。
【請求項11】
前記3段のフレーム構造が、上部フレーム、中央フレームおよび下部フレームを含み、
前記上部フレームの中心領域に、前記ハウジングが垂直に挿入される円形の貫通孔が設けられ、
前記中央フレームまたは下部フレームの中心領域に、前記容器が垂直に挿入される楕円形の貫通孔が設けられ、前記容器が前記中央フレームまたは下部フレームに結合している
ことを特徴とする請求項10記載の噴霧器。
【請求項12】
前記3段のフレーム構造における各フレームの中心領域に関して相対向する側に、水平に配列された細長い溝が設けられていることを特徴とする請求項10記載の噴霧器。
【請求項13】
前記ケース部材の厚さが、前記ハウジングを取り付けた中心部からその相対向する側にかけて低減する構造に、前記ケース部材が構成されることを特徴とする請求項1記載の噴霧器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−538257(P2009−538257A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511941(P2009−511941)
【出願日】平成19年5月19日(2007.5.19)
【国際出願番号】PCT/KR2007/002447
【国際公開番号】WO2007/136207
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(508335679)チョン ウー カンパニー リミテッド (4)
【Fターム(参考)】