説明

小型マッサージ器

【課題】
手軽に持ち運べて、何時でも簡単に誰でも使用できる共に、マッサージ対象部位を冷し又は温めつつマッサージすることができるようにすること。
【解決手段】
たまご型の本体ケース1の先端部分に収納部51を設け、この収納部51にゾル状の保冷温材50を収納する。本体ケース1は内部に基板10が設けられ、この基板10上には振動モータ13、ボタン電池18およびスイッチ11が設けられている。保冷温材50を冷やすか又は温めて収納部51に入れて蓋2をし、スイッチ11を入れると振動モータ13が駆動され、本体ケース1全体が振動する。この状態でマッサージ対象部位に蓋2部分を押し当てると、保冷温材50によりマッサージ部位を冷やす又は温めることができ且つ振動を与えてマッサージすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に目の周辺に震動を与えて疲れを緩和する小型マッサージ器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から振動を発生させ、その一部を人体に押し当てることでマッサージ効果を得るマッサージ器が多数存在している。例えば、特許文献1に記載の目のマッサージ器は、眼鏡形状の被着体と、振動体と、この装着体にブレードを介して設けた目に当接するパッドを備えた構成である。このマッサージ器の被着体を頭部に装着し、振動体を振動させることで、ブレードを介してパッドが振動し、目の周囲をマッサージする。
【特許文献1】特開平07−236677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の疲労軽減除去装置やマッサージ器は、手軽に持ち運べず、いつでも簡単に使用できるようなものではなかった。また、目の疲労に対しては、冷えた又は温めたタオル等を目の周囲に乗せることで疲労感を軽減できることが知られているところ、上記疲労軽減除去装置等では、目の周囲を冷やしたり又は温めたりすることができないという問題点があった。そこで、本発明は、手軽に持ち運べて、何時でも簡単に誰でも使用できると共に、マッサージ対象部位を冷し又は温めつつマッサージすることができる小型マッサージ器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、この発明の小型マッサージ器は、手のひらに収まる寸法の本体ケースと、当該本体ケースに設けられ且つマッサージ対象部位に温度を伝達するゾル状又はゲル状の保冷温材と、本体ケース内に設けた振動モータその他の振動手段と、当該振動手段に電力を供給する電力供給手段と、を備えたことを特徴とする小型マッサージ器。
【0005】
また、次の発明にかかる小型マッサージ器は、上記発明において、更に、前記本体ケース内に設けられ且つ前記保冷温材を収納する収納部と、マッサージ部位に押し当てられる前記収納部の蓋と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、次の発明にかかる小型マッサージ器は、上記発明において、本体ケースは、全体として曲面を用いた形状であることを特徴とする。
【0007】
また、次の発明にかかる小型マッサージ器は、上記発明において、外部電源から前記振動手段を駆動する電力を供給し得ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の小型マッサージ器によれば、手のひらに収まる寸法であり、電力供給手段と振動手段とを設けたので、手軽に持ち運べる。また、保冷温材の作用により、マッサージ対象部位を冷やしたり又は暖めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる小型マッサージ器を示す側面図である。図2は、図1に示した小型マッサージ器の正面図である。図3は、図1のA−A断面図である。この小型マッサージ器100は、人手のひらに納まるサイズであって且つたまご型をした本体ケース1と、本体ケース1の一部に設けた保冷温材50を収納する収納部51と、図4に示すこの収納部51の蓋2と、本体ケース1に収納された基板10とを有する。本体ケース1は、80mm以下30mm以上、胴周りの最大径が60mm以下20mm以上とするのが好ましい。
【0010】
図5は、図1に示した基板を示す平面図である。図6は、その側面図である。前記基板10上には、その回転軸に偏芯して錘を設けた振動モータ13と、ボタン電池18を収納する電池ケース12と、振動のオン・オフを行うスイッチ11とが設けられている。基板10は、本他ケース1の内側から突出した基板支持突起7に対してネジ14で固定されている。また、基板10のうち、振動モータ13を設けた側の一辺は、収納部51の隔壁8に設けた差込部9に差し込まれ、振動モータ13の振動を収納部51側に伝えやすくしている。スイッチ11は、プッシュ型であり、ボタンが本体ケース1の前記収納部51と反対側から突出している。
【0011】
本体ケース1は中央部分で分割されている。この分割線3は、本体ケース1の略中央で且つ円周状に形成されており、この分割線3に沿って振動の強弱を調整する強弱スイッチ6が設けられている。この強弱スイッチ6は、前記分割線3に沿って設けたガイド5に沿ってボタンがスライド可能である。強弱スイッチ6は、図示しない配線により基板10に接続されている。
【0012】
前記蓋2は、皿状であって、たまご型の先端部分となる部位に相当し、この蓋2はねじ込み式で本体ケース1に着脱可能となる。この本体ケース1の先端部分に設けた収納部51は、本体ケース1の先端部分及び本体ケース1内で基板収納部分52との間を隔する隔壁8から構成される。当該収納部51は、本体ケース1内部に水分が入らないように完全に密閉され、保冷温材の表面が結露して水滴が生じても、これが本体ケース1内の他の部分に漏れることはない。この収納部51には、ゾル状の保冷剤と保温材の兼用タイプ(保冷温材)を樹脂製の袋体に密封したものが収納される。前記保冷温材としては、ゲル状のものを用いても良い。
【0013】
収納部51にゾル状またはゲル状の保冷温材50を収納部51に収納して蓋2をすると、保冷温材が隔壁8と蓋2の裏面に密着する。保冷温材は、冷たくして使用する場合は、冷凍庫に数十分入れ、また、暖かくして使用する場合は、電子レンジで数秒暖めて使用する。
【0014】
例えば、保冷温材としては、高吸水性ポリマー(アクリルアミド架橋体)等を用いることができる。
【0015】
次に、この小型マッサージ器100の使用方法について説明する。まず、分割線3に沿って本体ケース1を分割し、電池ケース12にボタン電池18を挿入しておく。使用の際は、保冷温材50を冷やすか或いは暖めた状態で前記収納部51に収納し、蓋2を本体ケース1に取り付ける。保冷温材50は、収納部51に収納した状態で隔壁8と蓋2の裏面により若干押し潰されて収納部51の内面に接するようになる。この状態でスイッチ11を押すと振動モータ13が駆動され、その振動が基板支持突起7や差込部9に伝達され、特に差込部9を介して隔壁8に伝わった振動は保冷温材50を振動させると共に隔壁8から本体ケース1及び蓋2に伝達される。また、蓋2及びその周囲の本体ケース1は、保冷温材50との間で熱交換がなされることで当該保冷温材50と同程度の温度になっている。
【0016】
そして、蓋2の部分をマッサージしたい部位、例えば目の周囲に押し当てる。これにより、目の周囲に振動が伝わり、且つ、保冷温材50の作用により冷やされ又は暖められる。また、振動の強弱は、本体ケース1の周囲に設けたスライド式の強弱スイッチ6により切り替えることができる。
【0017】
以上の小型マッサージ器100によれば、小型で且つバッテリー内蔵式であるため手軽に持ち運べ且つ簡単に使用できる。また、マッサージ対象部位を冷やしたり暖めたりしながら、マッサージすることができる。さらに、この小型マッサージ器100は、全体として曲面で構成されたたまご型であるから、手に持ちやすい。
【0018】
なお、図示しないが、前記保冷温材50を前記収納部51に嵌め込み、当該保冷温材50が本体ケース1の先端から突出するようにし、前記蓋2をすることなく用いるようにしてもよい。このようにすれば、冷やされ又は暖められた保冷温材50を直接マッサージ対象部位に押し当ててマッサージをすることができる。この場合、保冷温材50は着脱可能としてもよいし、収納部51に対して固定してもよい。保冷温材50を直接マッサージ対象部位に押し当てる場合、前記振動モータ13が差込部9、隔壁8を介して略直接保冷温材50を振動させるので、マイルドな振動でマッサージを行うことができる。
【0019】
(実施の形態2)
図7は、この発明の実施の形態2にかかる小型マッサージ器を示す側面図である。図8は、図7に示した小型マッサージ器の基板を示す平面図である。図9は、その側面図である。この実施の形態2にかかる小型マッサージ器200は、実施の形態1に係る小型マッサージ器100と略同じ構成であるが、USBコネクタから電力を供給するようにした点が異なる。この小型マッサージ器200は、基板10上には、その回転軸に偏芯して錘を設けた振動モータ13と、振動のオン・オフを行うスイッチ11と、電力の供給を受けるためのUSBコネクタ15とが設けられている。スイッチ11は、プッシュ型であり、ボタンが本体ケース1の胴回りから突出する位置に配置されている。その他の構造は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0020】
パーソナルコンピュータ等のUSBポートにUSBケーブルの一端を接続し(図示省略)、他端を前記USBコネクタ15に接続する。これにより、振動モータ13に対して電力を供給できる状態になる。この小型マッサージ器200によれば、パーソナルコンピュータを用いたVDT作業を行う際、USBケーブルにより当該パーソナルコンピュータと小型マッサージ器200とを接続することで簡単に用いることができるようになる。なお、また、ACアダプターから電力を供給することもできる。更に、図示しないが、充電可能な電池を内蔵し、電力を充電してから振動モータを駆動するようにしても良い。
【0021】
(実施の形態3)
図10は、この発明の実施の形態3にかかる小型マッサージ器を示す側面図である。図11は、図10に示した小型マッサージ器の基板を示す平面図である。図12は、その側面図である。この実施の形態3にかかる小型マッサージ器300は、実施の形態1に係る小型マッサージ器100と略同じ構成であるが、自動車のシガーソケットから電力を供給するようにした点が異なる。この小型マッサージ器300は、基板10上には、その回転軸に偏芯して錘を設けた振動モータ13と、振動のオン・オフを行うスイッチ11と、電源コード17を介して設けられたシガープラグ16とが設けられている。スイッチ11は、プッシュ型であり、ボタンが本体ケース1の胴回りから突出する位置に配置されている。なお、基板10上には、自動車の直流電圧12Vを3Vに電圧変換するための変換回路20が設けられる。その他の構造は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0022】
使用する際は、前記シガープラグ16を自動車のシガーライターソケットに接続する。これにより、振動モータ13に対して電力を供給できる状態になる。この小型マッサージ器300によれば、自動車の運転で疲れた場合に、シガーライターソケットに小型マッサージ器300を接続することで簡単に用いることができるようになる。なお、また、ACアダプターから電力を供給することもできる。更に、図示しないが、充電可能な電池を内蔵し、電力を充電してから振動モータを駆動するようにしても良い。
【0023】
(実施の形態4)
図13は、この発明の実施の形態4にかかる小型マッサージ器を示す側面図である。図14は、図13に示した小型マッサージ器の展開図である。図15は、図13に示した小型マッサージ器の側面図である。この小型マッサージ器400は、人手のひらに納まるサイズであって且つハート型をした本体ケース401と、本体ケース401の上部2つの膨らみ部に設けた冷温ゾルを収納する収納部40と、本体ケース401に収納された基板60とを有する。本体ケース401は、縦横長さが80mm以下30mm以上とするのが好ましい。
【0024】
図16は、図14に示した基板を示す平面図である。図17は、その裏面図である。図18は、その側面図である。前記基板60の表面上には、その回転軸に偏芯して錘を設けた振動モータ13と、振動のオン・オフを行うスイッチ11とが設けられている。基板60の裏面には、ボタン電池18を収納する電池ケース12が設けられている。基板60は、本他ケース401の内側に対してネジで固定されている。スイッチ11は、プッシュ型であり、ボタンが本体ケース401の前記上面から突出している(図15参照)。
【0025】
本体ケース401は平面方向に分割され、ヒンジ部分42から開くことができる。また、本体ケース401の開いた状態における一方側403には、スイッチ11を通す穴41が設けられている。前記収納部40は、膨らみ部405に形成した円筒型の隔壁43と本体ケース401の一部とにより形成される。この収納部40の円筒型の隔壁43の上端は本体ケース401の裏面に密着するように薄く形成したりシール材を設けて、当該収納部40の密封性を高めるようにしてもよい。このようにすれば、保冷温材50の表面から生じる水滴が本体ケース401内のその他の部分に漏れることがない。この収納部40には、ゾル状の保冷剤と保温材の兼用タイプ(保冷温材)を樹脂製の袋体に密封し、これを収納するようにする。前記保冷温材50としては、ゲル状のものを用いても良い。
【0026】
収納部40にゾル状またはゲル状の保冷温材50を収納部40に収納して本体ケースの他方側404を閉めると、保冷温材50が隔壁43と本体ケース401の裏面に密着する。保冷温材50は、冷たくして使用する場合は、冷凍庫に数十分入れ、また、暖かくして使用する場合は、電子レンジで数秒暖めて使用する。保冷温材50は、実施の形態1に示したものと同じものを用いることができる。
【0027】
次に、この小型マッサージ器400の使用方法について説明する。まず、本体ケース401を開いて、電池ケース12にボタン電池18を挿入しておく。使用の際は、本体ケース401を開いて前記保冷温材50を冷やすか或いは暖めた状態で前記収納部40に収納し、本体ケース401を閉じる。保冷温材50は、収納部40に収納した状態で隔壁43と本体ケース401の裏面により若干押し潰されて収納部40の内面に接するようになる。この状態でスイッチ11を押すと振動モータ13が駆動され、その振動が本体ケース401に伝達される。また、本体ケース401は、保冷温材50との間で熱交換がなされることで当該保冷温材50と同程度の温度になっている。
【0028】
そして、ハート形の膨らみ部405をマッサージしたい部位、例えば目の周囲に押し当てる。これにより、目の周囲に振動が伝わり、且つ、保冷温材50の作用により冷やされ又は暖められる。
【0029】
以上の小型マッサージ器400によれば、小型で且つバッテリー内蔵式であるため手軽に持ち運べ且つ簡単に使用できる。また、マッサージ対象部位を冷やしたり暖めたりしながら、マッサージすることができる。この小型マッサージ器400は、全体として曲面を用いて構成した立体的なハート形のため手に持ちやすい。
【0030】
(実施の形態5)
図19は、この発明の実施の形態5にかかる小型マッサージ器を示す側面図である。図20は、図19に示した小型マッサージ器の展開図である。図21は、図19に示した小型マッサージ器の側面図である。この実施の形態5にかかる小型マッサージ器500は、実施の形態4にかかる小型マッサージ器400の本体ケース501の形状がパンダ形になった点が異なり、その他の点は実施の形態4と同じ構成である。また、全体として曲面を用いて構成した立体的なパンダ形のため手に持ちやすい。この実施の形態5では、パンダの耳部分に保冷温材50の収納部502が設けられている。その他の構成は、実施の形態4と同じであるからその説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる小型マッサージ器を示す側面図である。
【図2】図1に示した小型マッサージ器の正面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1に示した蓋を示す側面図である。
【図5】図1に示した基板を示す平面図である。
【図6】図1に示した基板を示す側面図である。
【図7】この発明の実施の形態2にかかる小型マッサージ器を示す側面図である。
【図8】図7に示した小型マッサージ器の基板を示す平面図である。
【図9】図7に示した小型マッサージ器の基板を示す側面図である。
【図10】この発明の実施の形態3にかかる小型マッサージ器を示す側面図である。
【図11】図10に示した小型マッサージ器の基板を示す平面図である。
【図12】図10に示した小型マッサージ器の基板を示す側面図である。
【図13】この発明の実施の形態4にかかる小型マッサージ器を示す側面図である。
【図14】図13に示した小型マッサージ器の展開図である。
【図15】図13に示した小型マッサージ器の側面図である。
【図16】図14に示した基板を示す平面図である。
【図17】図14に示した基板を示す裏面図である。
【図18】図14に示した基板を示す側面図である。
【図19】この発明の実施の形態5にかかる小型マッサージ器を示す側面図である。
【図20】図19に示した小型マッサージ器の展開図である。
【図21】図19に示した小型マッサージ器の側面図である。
【符号の説明】
【0032】
100 小型マッサージ器
1 本体ケース
2 蓋
6 強弱スイッチ
8 隔壁
10 基板
11 スイッチ
12 電池ケース
13 振動モータ
18 ボタン電池
50 冷温ゾル
51 収納部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
手のひらに収まる寸法の本体ケースと、
当該本体ケースに設けられ且つマッサージ対象部位に温度を伝達するゾル状又はゲル状の保冷温材と、本体ケース内に設けた振動モータその他の振動手段と、当該振動手段に電力を供給する電力供給手段と、を備えたことを特徴とする小型マッサージ器。
【請求項2】
更に、前記本体ケース内に設けられ且つ前記保冷温材を収納する収納部と、マッサージ部位に押し当てられる前記収納部の蓋と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の小型マッサージ器。
【請求項3】
本体ケースは、全体として曲面を用いた形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の小型マッサージ器。
【請求項4】
外部電源から前記振動手段を駆動する電力を供給し得ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の小型マッサージ器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−88558(P2010−88558A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259452(P2008−259452)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(500062106)
【出願人】(304053809)
【Fターム(参考)】