説明

小型ヤマネ科動物用巣箱

【課題】小型ヤマネ科動物用巣箱を提供すること。
【解決手段】内部が居住空間となるプラスチック製の蓋付き円筒体と、当該蓋付き円筒体を支持し、前記居住空間と外部をつなぐ通路を有する支持体とを備える小型ヤマネ科動物用巣箱。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型ヤマネ科動物用巣箱、特にヤマネ用巣箱に関する。
【背景技術】
【0002】
齧歯目Rodentiaヤマネ科Gliridaeの動物は、夜行性の小型哺乳類であり、この種は、8属27種が現存している(非特許文献1)。このヤマネ科動物の生息状況や野外での生態データは少ないのが現状であり、このデータを得るための野外調査が必要である。
特に、ヤマネGlirulus japonicus(非特許文献2)は、日本にのみ生息する1属1種の固有種である。また日本産の哺乳類の中で最古の種とも考えられている。森林に依存した生活をするが、森林伐採により生息場所の環境の悪化が懸念されるため1975年に国の天然記念物に指定され、準絶滅危惧種(非特許文献3)にも指定されている。
希少種であるヤマネは、野外での生態データが多くないので野外調査が必要である。その他のヤマネ科の動物も保護が必要であり、さらに多くの生息状況や野外での生態データを得るための野外調査が必要である(非特許文献4〜7)。
【0003】
ところで、従来の野外観察用の巣箱は、小動物が出入できるように開口部を正面上部に設けている箱型がほとんどである。例えば、一般的な巣箱では、巣箱の天板が背面板にヒンジ結合し、このヒンジ結合によって天板が上下方向に動いて開閉し、巣箱内部を観察できるようになっている。特許文献1のような巣箱は、巣箱内部を観察するためのスライド式の扉を巣箱の正面に設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−318261号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Holden, M. E. (2005), The Johns Hopkins University Press, Maryland. Vol.2 pp.819-841
【非特許文献2】下泉重吉 (1943) 日本産ヤマネGlirulus japonicus(SCHINZ)の冬眠に関する研究(5)気温と活動性に就て, 東京. 動物学雑誌, 55(5):187-191
【非特許文献3】環境省. 2002. 改訂・日本の絶滅の恐れのある野生動物-レッドデータブック-1哺乳類、財団法人 自然環境研究センタ―
【非特許文献4】中島福男 (1993) 森の珍獣ヤマネ, 信濃毎日新聞社, 長野市. 191pp.
【非特許文献5】湊秋作 (2000) ヤマネって知ってる?―ヤマネおもしろ観察記, 築地書館, 東京. 126pp.
【非特許文献6】芝田史仁 (2000) ヤマネ, 川道武男・近藤宣昭・森田哲夫編, 冬眠する哺乳類, 東京大学出版会, 東京. pp.162-186
【非特許文献7】Shibata, F., Kawamichi, T. & Nishibayashi, K. (2004). Journal of Mammalogy, 85(1):30-37
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に小型ヤマネ科動物の野外調査には木製の箱型巣箱が用いられている。しかし、この木製の箱型巣箱は、ヤマネ科動物以外の動物(例えばヒメネズミや、ヒガラ等の小型鳥類)や昆虫類(例えば、カマドウマ類、ハサミムシ類、ヤスデ類、蛾類等)が利用することが多いため、目的とする小型ヤマネ科動物の生態的知見を効率良く得ることができないという問題があった。
ここで、本発明における野外調査対象の小型ヤマネ科動物とは、上述のような齧歯目Rodentiaヤマネ科Gliridaeの動物のうち、体長が概ね4〜10cm程度のものである。このうち、ヨーロッパヤマネ(Muscardinus avellanarius)やヤマネ(Glirulus japonicus)(非特許文献1及び2参照)が好適である。
【0007】
そこで、本発明は、小型ヤマネ科動物用巣箱を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来、巣箱の改良は、野外調査対象の小動物に極力ストレスを与えないようにして、野外での生活環境に近い状態を目指してなされている。
そして、本発明者らは、小型ヤマネ科動物の巣箱を種々作製し、小型ヤマネ科動物の利用状況を野外調査した結果、全く意外にも巣箱の住居部分をプラスチック製としても小型ヤマネ科動物が巣として利用することを見出した。更にその形状が従来の略長方体でなく略円筒体状とすることにより、小型ヤマネ科動物以外の小動物の利用もほとんどないことから、専ら小型ヤマネ科動物が利用する巣箱を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、内部が居住空間となるプラスチック製の蓋付き円筒体と、当該蓋付き円筒体を支持し、前記居住空間と外部をつなぐ通路を有する支持体とを備える小型ヤマネ科動物用巣箱を提供する。
本発明の小型ヤマネ科動物用巣箱は、他の動物が殆ど利用せずに専ら小型ヤマネ科動物が利用することから、小型ヤマネ科動物の生態的知見を得ることができる。有蓋円筒がプラスチック製で軽量となったため、居住部分を簡単な支持体で支えることができる。
【0010】
また、前記蓋付き円筒体が開閉部を介して支持体と連結するのが好適である。
前記居住空間である円筒体を開閉することが可能となる。これにより、居住部内部の観察や調査が簡単にできるので、小型ヤマネ科動物の生態的知見を得ることができる。
【0011】
また、前記支持体に、前記蓋付き円筒体の下部に接し、当該蓋付き円筒体を支持する支持棒を備えるのが好適である。当該支持棒が、前記円筒体を開閉させる際の留め具としての機能を果たすと共に当該円筒体の支持部材としての機能も果たす。
【0012】
また、前記通路が、L字状であり、かつ当該通路にスロープを設けるのが好適である。居住空間に行くまで負担にならない程度の上り坂とすることにより、外部からの他の動物、風雨雪や日光等が居住空間にまで侵入しにくい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、小型ヤマネ科動物の生態的知見を効率良く得ることができるので、本種の保存のために更なる生態学情報の蓄積を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係わる小型ヤマネ科動物用巣箱の蓋方向からの正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる小型ヤマネ科動物用巣箱の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる小型ヤマネ科動物用巣箱の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わる小型ヤマネ科動物用巣箱の居住部を開いた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0016】
図1〜3に示すように、本発明の小型ヤマネ科動物用巣箱1は、プラスチック製の蓋付き円筒体2と、これを支持する支持体3とから構成されている。
【0017】
前記蓋付き円筒体2の内部は、小型ヤマネ科動物の居住空間10である。この空間内に、小型ヤマネ科動物が蘚苔類や樹皮等の巣材を運び、休息する。
前記蓋付き円筒体2の内部の容積は、200〜1000cm程度であればよく、好ましくは、200〜350cmである。また、前記蓋付き円筒体2の直径は、50〜65mmであるのが好ましい。前記蓋付き円筒体2の長手方向(蓋から開口部分まで)の全長は、100〜120mmであるのが好ましい。
前記蓋付き円筒体2の内部の空間は、各空間が往来できるような間仕切りパネルで複数に仕切られていてもよい。
【0018】
前記蓋付き円筒体2は、支持体3方向又は蓋方向に傾斜を設けるのが、好適である。特に、前記蓋付き円筒体2の居住空間内に存在する液体がいずれか一方に流れる程度に設けるのが、好ましい。当該傾斜は、例えば、傾斜角1〜4度、より2〜3度とするのが、傾斜による不快感を低減することができるので、好適である。
また、前記蓋付き円筒体2の下部に、水抜き用の単数又は複数の孔(図示せず)を設けるのが、好適である。当該孔の少なくとも1つは、蓋付近に設けるのが、好ましい。
これにより、居住空間内に生じた液体、例えば雨水やヤマネ科動物の排泄物を排出することが可能となるので、ヤマネ科動物に快適な生活環境を与えることができる。
【0019】
上記蓋付き円筒体2の材質は、プラスチックである。このことにより、巣箱の加工が容易となり、巣箱の小型化や軽量化が図れ、また巣箱の耐久性が向上すると共に大量に搬送することも可能である。
前記プラスチックの種類としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、ポリ乳酸及びポリカーボネイト等の樹脂が挙げられる。このうち、ポリ塩化ビニルが、コストパフォーマンスに優れ、また他の動物が利用せず専ら小型ヤマネ科動物が利用することから、好ましい。
【0020】
ここで、野外観察に使用する従来の巣箱の材質は、鳥類や小型動物の野外環境に近い巣穴に近づけようとして、木製を用いるのが一般的な考え方である。しかし、後記実施例に示すように、小型ヤマネ科動物の野外調査のために木製の箱型巣箱を設置しても、小型鳥類やヒメネズミがこれを占拠し、繁殖する。このため、小型ヤマネ科動物の野外調査が十分に行うことができない上に、もともと繁殖力の強いヒメネズミ等を更に増加させる可能性があることから、小型ヤマネ科動物のための巣箱架設により却って森林生態系への悪影響が危惧されるという問題が生じていた。
ところが、本発明者らは、小型ヤマネ科動物に関しては、プラスチック製の円筒体の内部を居住部分としても利用し、一方で小型鳥類やヒメネズミの利用が少ないこと、すなわち、本発明のプラスチック製の円筒体の巣箱が、小型ヤマネ科動物の野外調査に使用できることを明らかにした。このことから、本発明の巣箱は、従来十分な知見が得られていない準絶滅危惧種の小型ヤマネ科動物を専ら野外調査するために利用することができ、また森林生態系への影響が少ないという優れた利点を有する。
【0021】
また、前記蓋付き円筒体2は、鋳型形成により蓋部分と円筒部分とを一体成型されたものでもよい。或いは、両端が開口している円筒体の一方の開口部分に、これに対応する形状の蓋を被せ、組み合わせたものでもよい(図2参照)。このとき、これら円筒体と蓋とを接着剤などにより結合させて一体化させてもよい。
ここに、小型ヤマネ科動物の生息する区域は、殆どが山岳地帯であり、しかも小型ヤマネ科動物は日毎に休息場所を変更するため、多くの巣箱を用意することが望ましい。このため後者の組み合わせタイプの場合、蓋と円筒体とを分解し、コンパクトにした状態で、小型ヤマネ科動物が生息する山岳部まで運び、現地で巣箱を簡単に作製することができる。小型ヤマネ科動物の生息環境を破壊しないよう人力でも運び易いこと、多くの巣箱を必要とすることを考慮すると、分解組み立てが可能な後者のタイプは、小型ヤマネ科動物の野外調査用の巣箱として好適である。
尚、前記蓋付き円筒体2の長手方向に対する断面の形状は、略円形状であればよい。当該略円形状には、六角や八角以上の多角形や、最大長径と最小長径の比が1:1.2〜0.8の楕円等も含まれる。
【0022】
前記支持体3は、前記蓋付き円筒体2を支持する。また、前記支持体3は、非住居部分としても機能している。
前記支持体3の正面が前記蓋付き円筒体2の蓋のない開口部分に接するように、前記支持体3が配置されていればよい。このとき、前記支持体3に脱着可能な支持棒4を単数又は複数固定するのが好適である。
ここで、前記支持棒4は、前記蓋付き円筒体2の下部に接するように前記支持体3の正面に配置されるのが好適である(図1参照)。更に、当該支持棒4は、蓋方向(正面)からみたときに(図1参照)、蓋前記蓋付き円筒体2の右及び/又は左斜め下に接するように配置するのが好適である。これにより、前記蓋付き円筒体2を簡単な構造で支えることが可能となると共に巣箱の組み立て分解も容易である。
また、前記蓋付き円筒体2の外周上に単数又は複数の突起部5を設け、この突起部5が前記支持棒4の上方及び/又は下方に接するように設けるのが好適である。突起部5を少なくとも前記支持棒4の下方に設けることにより、前記蓋付き円筒体2が簡単に開かないようにロックの役目を果たす。一例として、正面からみて左方向開閉式の前記蓋付き円筒体2において、当該円筒体2の左下部に支持棒4を設けた際には、当該支持棒4の下方に接するように突起部5を前記蓋付き円筒体2に設けることで、風等で左方向に前記蓋付き円筒体2が開くのを抑制できる。このように、開閉の方向に併せて、支持棒4及び突起部5を配置するのが、野外調査での小型ヤマネ科動物の生態的知見を得る上でも有利である。
【0023】
前記支持体3は、前記蓋付き円筒体2が開閉部材6を介して支持体3と連結するのが好適である。これにより、前記蓋付き円筒体2がこの開閉部材6を軸に弧を描いて開閉できる。前記蓋付き円筒体2を開くことで小型ヤマネ科動物の居住空間内を観察することができ、閉じることで外環境からの影響を低減した小型ヤマネ科動物の居住空間となる(図3及び4参照)。更に、巣箱を回収しなくとも、また分解しなくとも巣箱内部の小型ヤマネ科動物を継続的に観察し易くなる。
また、開閉部材6は、何れの方向でも開閉できるように配置することが可能であるが、左右方向又は上下方向、好ましくは左方向又は右方向に開閉できるように配置するのが、観察が容易に行える点で、有利である。
前記開閉部材6としては、前記蓋付き円筒体2と前記支持体3とを開閉できる部材であればよく、例えば、ヒンジ、結束バンド等が挙げられる。
このうち、ナイロン製やポリプロピレン製等の可撓性を有する結束バンドが好ましい。当該結束バンドを用いることにより、蓋付き円筒体2と支持体3を簡単に連結することができ(図2参照)、また当該結束バンドは携帯性、耐候性や強度性にも優れている。この結束バンドでの連結方法としては、例えば、前記蓋付き円筒体2の開口部分と前記支持体3の当該開口部分に近傍する部分に、それぞれ穴を設け、これらの穴に結束バンドの先端部を通して結束させて、前記蓋付き円筒体2と前記支持体3を連結する。これにより、前記蓋付き円筒体2を支持体3に固定することができる。
このようにして前記支持棒4と前記開閉部材6とを備えることによって、蓋付き円筒体2の開閉が行い易くなる上に、前記蓋付き円筒体2を閉じた状態では前記支持棒4がロックの役目を果たすので住居部分の安全性や快適性が確保できる。一方、前記蓋付き円筒体2を開いた状態のときには、前記蓋付き円筒体2の下部を前記支持棒4に乗せることが可能なので、内部の住居空間を簡単に観察することができる。
【0024】
前記支持体3の立体形状は、特に限定されず、例えば、直方体、立方体、円柱体等が挙げられるが、樹等への固定が容易であるので、直方体が好ましい。このとき、前記蓋付き円筒体2がプラスチック製であるので、前記蓋付き円筒体2に接する正面の平面形状については略正方形とするのが、更なる軽量化の点から、好ましい。
【0025】
前記支持体3は、その内部に前記居住空間と外部をつなぐ通路11を有する(図2及び3参照)。当該通路11の形状は、特に限定されず、例えば、L字形状やT字形状等が挙げられ、このうち、L字状が好適である。また、当該通路11にスロープを設けるのが好適である。これにより、外部からの他の動物、風雨雪や日光等が居住空間にまで侵入しにくい。
前記通路11の外部への出入口は、単数又は複数の何れでもよい。当該出入口の配置は、前記支持体3の左右の側面、上面、下面、正面、樹に接する背面の何れに設けてもよいが、巣箱製造工程において形成が容易な左右何れかの側面に設けるのが、好適である。
前記通路11の大きさは、ヤマネが移動しやすい大きさが好適であり、具体的には、当該通路の直径は、ヤマネ科以外の動物が入りにくいように、20〜30mmとするのが好ましい。
【0026】
また、前記支持体3には、野外調査区域の樹などに固定するための取付穴7を設けるのが好ましい(図1参照)。本発明の小型ヤマネ科動物用巣箱は、従来の巣箱よりも軽量化されていることから、樹などに固定する現場で、取付穴7に針金を通しこれを樹などに巻きつけても十分に固定することができ、樹などから落下することなく長期間その位置を維持することが可能である(図3及び4参照)。
【0027】
本発明の小型ヤマネ科動物用巣箱を架設することにより、小型ヤマネ科動物は通路11を使って往来し、居住空間10内で休息する。この休息状態や休息の形跡を、蓋付き円筒体2を開閉することにより、観察することが可能となる。このようにして、小型ヤマネ科動物の野外調査が可能となり、より多くの生態的知見を得ることが可能となる。
【0028】
以下に具体的な実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0029】
<調査用巣箱の作製>
図3に示す塩化ビニル樹脂性巣箱(以下、塩ビ管巣箱と略する)と鳥類用木製巣箱(以下,木製巣箱と略する)の2タイプを用いた。
塩ビ管巣箱は排水用のポリ塩化ビニル樹脂製パイプとキャップ、南洋材(ホワイトウッド)、竹箸、プラスチック製結束バンドを組み合わせて図1〜4に示すように製作した。パイプと南洋材は切断機で適当な長さに切り,南洋材に卓上ボール盤で入り口がL字になるような巣穴と、結束バンド・竹箸取付け用と樹木への取付け用の穴を開けて組み立てた。パイプとキャップの大きさを変えて3サイズ、容積500cm・重量300gの塩ビ管巣箱(大)、容積350cm・重量250gの塩ビ管巣箱(中)、容積200cm・重量200gの塩ビ管巣箱(小)を製作した。
木製巣箱は、市販の鳥類用巣箱(バードハウスC組立キットYS500K,杉材,木箱屋ドットコム)を組み立てて、容積2,520cm・重量600gであった。鳥類が利用しにくくするために、巣箱前方にある出入口に木材で蓋をして、巣箱背面に3cmの穴を開けた。
【0030】
<調査地概要>
本ヤマネ(Glirulus japonicus)調査は長野県南佐久郡川上村大字御所平にある筑波大学農林技術センター管理の川上演習林1〜4林班(約190ha)で、2009年の6〜11月初旬の約5ヶ月間行った。
尚、ヤマネ調査について、筑波大学農林技術センター管理の八ヶ岳演習林でも行ったが、ヤマネの捕獲数では、川上演習林が10倍近く多かったので割愛し、川上演習林の調査結果を以下の表1に示す。
【0031】
【表1】

【符号の説明】
【0032】
1 小型ヤマネ科動物用巣箱
2 蓋付き円筒体
3 支持体
4 支持棒
6 開閉部材
10 居住空間
11 通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が居住空間となるプラスチック製の蓋付き円筒体と、
当該蓋付き円筒体を支持し、前記居住空間と外部をつなぐ通路を有する支持体とを備える小型ヤマネ科動物用巣箱。
【請求項2】
前記支持体が、開閉部材を介して前記蓋付き円筒体と連結している請求項1記載の小型ヤマネ科動物用巣箱。
【請求項3】
前記支持体に、前記蓋付き円筒体の下部に接し、当該蓋付き円筒体を支持する支持棒を備える請求項1又は2記載の小型ヤマネ科動物用巣箱。
【請求項4】
前記通路が、L字状であり、かつ当該通路にスロープを設ける請求項1〜3の何れか1項記載の小型ヤマネ科動物用巣箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−39919(P2012−39919A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182997(P2010−182997)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 第57回日本生態学会大会(日本生態学会) 平成22年3月15日〜20日(講演要旨集発行日 平成22年3月15日 / ポスター発表日 平成22年3月18日)
【出願人】(504171134)国立大学法人 筑波大学 (510)
【Fターム(参考)】