説明

小型通信装置

小型通信装置は、プロセッサモジュール(104)、メモリーモジュール(106)、無線通信インターフェース(108)及びモバイル電源(114)を含み、無線通信インターフェース(108)は、短距離無線通信モジュール(110)及び物理的位置合わせ装置(112)を含み、物理的位置合わせ装置(112)は、小型通信装置を、類似の無線通信インターフェース(108)を含むもう一つの小型通信装置と無線通信モジュール(110)間でデータ通信が起こり得るように位置合わせするために使用でき、プロセッサモジュール(104)は、無線通信モジュール(110)から受信したデータに作用し、メモリーモジュール(106)にいくつかの関連データ、特に変数を保存するように構成され、モバイル電源(114)は、小型通信装置に内蔵され、少なくとも装置の無線通信インターフェース(108)及びプロセッサモジュール(104)を動かすための電力を供給し、この小型通信装置は、任意に、小型通信装置をインターネット接続可能な電化製品にインターフェース接続するための接続モジュール(102)をも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、特に、ソーシャルネットワーキング分野での利用に適した小型通信装置、及びRFID及びNFCを用いた利用に関する。
【背景技術】
【0002】
受動型無線自動識別(RFID)装置は、読取り機より発せられた電磁場からエネルギーを得る。125KHzと13.56MHzの周波数における国際的な送信制約のため、非接触集積回路は通常、低電圧小電力装置である。読取り/書込み回路は、低電圧EEPROM及び小電力アナログセルを使用する。
【0003】
RFID及びNFC産業は、主に、電源を含まない受動型装置1つと、受動型装置用の電力を生み出すのに十分に強い電磁場を発して、何らかの形のデジタルコンテンツを送信する能動型装置1つを必要とする利用に焦点を当ててきた。能動型装置は、例えば、倉庫でRFIDタグを読むために使用されるRFID携帯型読取り機であってもよいし、受動型RFIDタグを読み取るために使用し、自動的にワイファイ(Wifi)又はブルートゥース(Bluetooth)パラメータを設定することのできる携帯電話であってもよいし、又は、銀行のATM(bank machine)、市バス又はセキュリティーエリア(secure location)に組み込まれ、受動型RFIDカードや他の媒体に含まれた個人証明を読み取るために使用される読取り機であってもよい。
【0004】
受動型RFIDタグは、通常、紙のように薄く、IDカード、ポスター、又はサプライチェーン環境において追跡する必要のある任意の製品に組み込むことができる。
【0005】
特許文献1は、個人認証トークン(personal token)用の統合USBコネクタを開示している。低価格で丈夫な統合USBコネクタを有するパーソナルキーが開示されている。この装置は、プロセッサと、プロセッサを回路基板の末梢部分に通信可能に接続する複数の導電線を含む。複数の導電線には、例えば、パワー線、アース線、及び少なくとも2つの信号線が含まれる。この装置はまた、回路基板の末梢部を受け入れて通すように構成された隙間を有し、この隙間から複数の導電線を露出する第1の筐体を含む。この装置はまた、複数の導電線を取り囲むシェルを有し、このシェルは第1の筐体と結合する少なくとも1つの係止要素を含む。
【0006】
特許文献2は、メモリーカード及びメモリーカードを操作するための方法を開示しており、このメモリーカードは、メモリー・マスストレージ、接触インターフェース及び高いデータ転送速度を有する第1のデータ・インターフェース、非接触インターフェースを有する第2のデータ・インターフェースを含む。好ましい実施形態においては、前記第1のデータ・インターフェースから第1のデータ・ラインを選択し、前記第2のデータ・インターフェースから第2のデータ・ラインを選択し、基準に基づいて前記メモリー・マスストレージと通信するための、メモリーカード・コントローラが含まれている。
【0007】
特許文献3は、統合入出力装置を備えたUSB対応パーソナルキーを開示している。小型の内蔵型パーソナルキーが開示されている。このパーソナルキーは、ホスト処理装置に取り外し可能に連結できるUSB対応インターフェース、メモリー、及びプロセッサを含む。プロセッサは、ホスト処理装置に、メモリーに保存可能なデータへの条件付アクセス、及びパーソナルキーに保存されたファイルを管理しこのファイル内のデータに基づいて計算を行うために必要な機能性を与える。1つの実施形態においては、パーソナルキーはまた、統合ユーザー入力装置及び統合ユーザー出力装置を含む。この入出力装置は、USB対応インターフェースから独立した通信路によりプロセッサと通信し、これにより、ユーザーは、パーソナルキー外部に個人情報を示すことなく、プロセッサと通信できる。
【0008】
特許文献4は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)スマートカードのトラフィックシグナリングの方法及び装置を開示する。ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートとUSBスマートカード間の転送が成功したことを検出し、USBトランザクション・アクティビティの指示を与える信号を発生するための方法及び装置が開示されている。発明の好ましい実施形態では、このUSBトランザクション・アクティビティ信号を、USBトランザクション・アクティビティに従って変調し、発光ダイオード(LED)を駆動する。USBスマートカード内部のカウンタがトランザクション・アクティビティ信号を計り(scale)、ユーザーが認識できるようにする。LEDを通る電流はUSBトランザクション・アクティビティに依存するため、LEDの輝度は、USBトランザクション・アクティビティによって変わる。LEDは、カレントミラーの吸込又は吐出部、又はカレントスイッチの吸込又は吐出部から駆動してもよい。
【0009】
USBメモリーは、ファイルの保存に使用する以外に、デスクトップ設定、スクリーンロック、ネットワークへのログイン及びアクセス制御、ログブック(log book)、ユーザー認証(デジタル署名の保存、証明書、キー・セット(key sets)、指紋認証テンプレート、ユーザーネームとパスワード)、デジタルコンテンツ及びトランザクションセキュリティ、及び、企業及びインターネットセキュリティにも使用される。
【0010】
USBメモリー装置は、eメールをダウンロードしたり、PCにリモートアクセスしたりするためにも使用できるし、又は、ユーザーがプライバシーを完全にした状態でウェブ・サーフィンすることを可能にする、カスタマイズしたブラウザーを開くために使用することもできる。
【0011】
USBフラッシュメモリドライブにおける最近の開発は、USBトークンがPCに挿入されると、ファイルを自動的に実行する、CDROMのような自動再生装置においてなされた。読み出し専用の自動再生コンテンツは、製造工程でインストールされる。自動再生コンテンツの例としては、ウェブサイトを開く、デモアプリケーションを実行する、プレゼンテーションを見せる、製品の宣伝(product pitch)をする、ディスカウントクーポンを顧客に提供するなどがある。
【0012】
フラッシュドライブ産業は、主に、高密度メモリー(NANDフラッシュメモリセルを用いる)に焦点を当てており、業界大手による現在のUSBキーチェーン製品は、32ビットマイクロ・コントローラにより処理される、8ギガバイトのフラッシュメモリチップを内蔵している。これらの大容量個人用携帯型記憶装置は、企業秘密文書、マルチメディア・ファイル、写真、音楽ファイル、アドレス帳、お気に入りのウェブサイト、ゲーム等を送るための分散アプリケーション用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】US2003/0028797
【特許文献2】US2003/0102380
【特許文献3】WO00/42491
【特許文献4】US6694399
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の1つの新規な態様は、短距離RFID及びNFC技術の公知の能動型/受動型特性により、検討されていない必要事項を満たす点にある。
【0015】
RFIDは、以下の3つのタイプの装置に分類することができる。
−受動型: 電源なし、電力はどこか他の場所から電波によって装置に送られる。
−半能動型: バッテリー内蔵の受動型装置であるが、バッテリーの唯一の目的は、外気温を読む等のコンピュータ上で動く小さな処理を維持することである。この電源は、通信には使用されないため(十分に大きくない)、半能動型装置もまた、近くに、電力を送ってくれる大きな能動型装置を必要とする点では、受動型装置と同様である。
−能動型: 比較的大きな電源を有し、離れたところにある任意の受動型又は半能動型装置に電力を送り電源を入れて、それらを機能させる必要があるために大きい。
【0016】
能動型RFID装置は、離れたところにあるその受動型RFIDピアの電力を供給するのに十分なエネルギーが必要であり、かなりの電源を必要とするため、(USBメモリースティックに比べて)通常かなり大きい。受動型RFID装置の方は、内部電源を持っていないため、それ自身で又は互いの間で機能することができない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
我々の発明の1つの態様は、本装置が、従来の意味での能動型でも受動型でも半能動型でもないことである。本発明の2つの装置が共に使用される場合、これらは、搭載されたバッテリーがこれら装置2つの間の無線通信に電力を供給することもできるように、通信及び消費電力を調整したり適応させたりすることを除けば、やや半能動型RFID装置のように機能する。RFIDとは違い、もう一つの装置に電力を送る必要性はない。装置のそれぞれが自分自身の小型電源を有し、自給自足できる。このような利点は、とりわけ、通信用装置のマッチング・アライメント(matching alignment)によって達成される。
【0018】
多くのアプリケーションは、RFIDタグとかなり大きい読取り機との間での少量のデータ転送を必要とするが、我々は、2つの非常に小型の携帯型低コスト装置の間で少量のデータ転送を必要とする新しい利用を思いついた。本発明は、我々が構築した装置について記載し、複数の装置が互いの間で少量のデータを交換することのできる装置について記載する。
【0019】
本発明は、概して、実質的に接触すると(つまりユーザーが結合させよう(mating)とすると)、自発的にその同族物(kin)と通信できる小型の個人用装置である。本装置はまた、パーソナルコンピュータに差し込んで、インターネットのバーチャル世界とインターフェース接続することができる。本装置をパーソナルコンピュータから取り外すと、装置を備えた他の個人(individual)との「つながり(connections)」を作るために実世界で使用でき、ユーザーとこれら他の個人(individual)は、パーソナルコンピュータと装置が次に接続された後、バーチャル世界で接続されるようになる。こうして、これらの個人(individual)は、ソーシャルネットワーク・ウェブサイトやアドレス帳への入力により入手し得る互いに関する情報にアクセスできるので、バーチャル世界でのやりとり(transact)が可能になる。
【0020】
小型の個人用装置は、USBメモリーフォブ(fob)に似た、一般的な形のUSBメモリースティックが適している。小型の個人用装置は、短距離無線インターフェース及びUSB又は他の一般的なPCインターフェースを含む。
【0021】
個人用装置が「パーソナルコンピュータに差し込むことができる」何かであるということに関しては、これは明らかに本発明の範囲内にあり、本明細書で説明される教示に基づき、当業者は以下のことを認識するであろう。つまり、「装置」とは、その機能性が概して本明細書で述べられることに沿ってさえいれば、USBメモリーフォブに似た形以外の形をとることができ、「パーソナルコンピュータ」とは、装置(等)内に入っているデータと相互作用可能な装置でありさえすれば、小型装置(等)と相互作用可能な任意の装置であってよい。
【0022】
これら及び本明細書で説明される他の類似物(「他の類似物」の例としては、「ソフトウェア」の定義として、コンピュータ、携帯電話又はスマートフォン等のハードウェアでない部分とする、広く受け入れられた定義を用いる)を考慮すると、前段落(すなわち、「本発明は、概して、・・・無線インターフェースを含む」)は、当然、正当に、以下のように読み、解釈することができる。
【0023】
本発明は、概して、いくつかの実施形態において、標準対応インターフェース(本明細書に記載の)を用いて、パーソナルコンピュータ、及び/又は、携帯電話、個人用デジタル補助装置(PDA)、インターネット家電等の他のインターネット接続可能な装置に接続でき、インターネットのバーチャル世界とインターフェース接続することのできる、小型の個人用装置である。この装置は、その後、パーソナルコンピュータから取り外し、実世界のやりとり(transaction)を行うために使用できる。USBメモリーフォブに似た、一般的なフォブの形の小型の個人用トークン装置が適している。いくつかの実施形態において、それは、人形、又は、機能は変えないが実質的に見た目が異なってもよい他の筐体に統合される。小型の個人用トークン装置は、概して、短距離無線インターフェース又は無線周波数インターフェース、及び、データ通信が行われる2つの装置の無線通信部品の位置合わせを助ける磁石等の物理的位置合わせ手段を含む。
【0024】
個人用小型装置(又は同等のもの)は、個人用小型装置が実世界でその同族物と無線で通信するときには、通常、バーチャル世界と相互作用可能な装置(例えば、コンピュータ、携帯電話、PDA)内に留まらないが、必ずしもホスト装置から取り外されなくてもよい。
【0025】
本発明の個人用小型装置は、主として、プロセッサモジュール、メモリーモジュール、無線通信インターフェース及びモバイル電源を含み、前記無線通信インターフェースは、短距離無線通信モジュール及び物理的位置合わせ装置を含み、前記物理的位置合わせ装置は、小型装置を、類似の無線通信インターフェースを含むもう一つの小型装置と、前記無線通信モジュール間でデータ通信が起こり得るように位置合わせするために使用され、前記プロセッサモジュールは、前記無線通信モジュールから受信したデータに何らかの方法で作用し、前記メモリーモジュールにいくつかの関連変数を保存し、前記モバイル電源は、小型装置に内蔵され、少なくとも前記装置の無線通信インターフェース及びプロセッサモジュールを動かすための電力を供給し、前記小型装置は、また、小型装置をインターネット接続可能な電化製品とインターフェース接続するための接続モジュールを含んでもよい。
【0026】
さらに、物理的位置合わせ装置は、少なくとも1つの磁石を含むか、又は、前記小型装置をもう一つの互換性のある小型装置に、両装置の短距離無線通信回路が通信できるように位置合わせすることを助けるという主な機能につながる物理的な形状を有する。
【0027】
データ交換の方法もまた示され、この方法は、2個人(individual)それぞれに、少なくとも、プロセッサモジュール、小型モバイル電源及び無線通信インターフェースを含む装置を提供することを含み、前記無線通信インターフェースは、無線通信モジュール、及び、前記装置をもう一つの互換性のある装置に位置合わせすることを助けるための物理的手段を含み、第1の装置は、前記物理的手段により規定される両装置の適切な物理的位置合わせを条件に(conditional to)、それらの無線通信モジュールを介して第2の装置にデータを転送することが可能であり、前記両個人(individual)は、データ転送が可能なようにそれらの装置を位置付ける。
【0028】
この方法はさらに、接続モジュールを含む第2の装置を、その接続モジュールを介してインターネット接続可能な電化製品にインターフェース接続し、第1の装置から転送されたデータを、インターネット接続可能な電化製品上で動くアプリケーション又はウェブ上のアプリケーションで利用可能にすることを含む。インターネット接続可能な電化製品とのインターフェースは、USB、ファイヤーワイヤー、IR、ブルートゥース、標準シリアルポート、WLAN、RFID、NFC、Wifiからなる群から選択される。
【0029】
インターネット接続可能な電化製品は、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、PDA、MP3プレーヤー及び携帯電話からなる群から選択される装置を含んでよい。
【0030】
主にこの目的のために提供された小型の装置を用いて、前記個人(individual)を実世界のやりとり(transaction)に参加させることによってインターネットのバーチャル世界における個人(individual)のプロフィールをリンクするための別の方法であって、両個人(individual)に、インターネット接続可能な電化製品と個人用トークン装置をインターフェース接続するための接続モジュール、及び各装置内の短距離無線通信モジュール等の、2つの類似の装置間でデータを移動させるための手段を含む小型装置を提供し、両個人(individual)に、彼らの各装置を接近して置いて少なくとも1つのデジタル識別子をそれらの間で交換することにより、実世界で相互作用させ、個人(individual)の少なくとも1人に、自分の小型装置をホストのインターネット接続可能な電化製品に接続させて、識別子の交換に関する情報をホスト上で動くアプリケーション又はウェブ上のアプリケーションに転送することを含む方法を提供する。
【0031】
やりとり(transaction)に関与する個人(individual)の1人は人でなくてもよく、それとの相互作用を目的として互換性のある装置が置かれているブース又は任意の場所であってもよい。
【0032】
インターネットのバーチャル世界での個人(individual)同士の相互作用を、各個人(individual)が実世界で相互作用することのできた同じ個人(individual)の間での相互作用に制限するための別の方法を提供する。この方法は、各個人(individual)に小型装置を提供し、両個人(individual)に、彼らの各装置を接近して置いて少なくとも1つのデジタル識別子をそれらの間で交換することにより、実世界で相互作用させ、及び、個人(individual)の少なくとも1人に、自分の小型装置をホストのインターネット接続可能な電化製品に接続させて、実世界での個人(individual)の相互作用に関する情報をホスト上で動くアプリケーション又はウェブ上のアプリケーションに転送することを含み、前記装置は、インターネット接続可能な電化製品と個人用トークン装置をインターフェース接続するための接続モジュール、各装置内の短距離無線通信モジュール等の2つの類似の装置間でデータを移動させるための手段、前記短距離無線通信モジュールへの及び前記短距離無線通信モジュールからのデータを処理するためのプロセッサモジュール、及び、プロセッサモジュール及び短距離無線通信モジュールに電力を供給する小型電源含む。
【0033】
本明細書で説明する教示に基づくと、各種実施形態における本発明の機能性は、フォブとは異なる形式で、及びパーソナルコンピュータ(PC)のUSBポートにフォブを差し込むことによる方法とは異なる方法で実現可能であることは、当該技術者により容易に理解されるであろう。例えば、本発明の装置は、ラップトップ、パームトップ、携帯電話、デジタルカメラ、個人用デジタル補助装置(PDA)、MP3プレーヤー等の、SD(セキュア・デジタル)カードを差し込むための適当なインターフェースを有する任意の装置に差し込むことができるSDカードのような形式(フォームファクター)で具体化することができる。
【0034】
本明細書で説明する実施形態のいずれにおいても(特にPCを用いる実施形態では)、メモリーカード・リーダーをPCに取り付けることができる(ヨーロッパのPCは、普通、セキュア・デジタル(SD)カード形式を含む(しかしこれに限定されない)、いくつかの異なるメモリーカード形式用のメモリーカード・リーダーを搭載している)。
【0035】
本発明の多くの例示の特徴及び実施形態、及び、本発明のスマート・フォブ(又は類似物)の利用を以下に述べる。
【0036】
PCに差し込め、PCに又はインターネットのバーチャル世界に、第2のインターフェースを介して集められたデータを転送できる小型の装置を提供する。この装置は、第2のインターフェースを介して類似の小型装置により伝送されてきた情報を、読み込んだり保存したりできる。この情報は、装置のフラッシュメモリー又はEEPROMに保存され、その後、この装置がPCに接続されるとき、PCとインターフェース接続する通信モジュールで利用できる。本装置は、パーソナルコンピュータに差し込まれると、自動再生アプリケーションを実行できる。
【0037】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0038】
同時係属中の、2007年4月28日提出の米国特許出願第11/741740号の開示、及び、3つの米国仮特許出願(2007年9月30日提出の第60/976437号、2007年10月31日提出の第60/984152号及び2008年1月17日提出の第61/021634号)の開示を、参照によって援用し、それらの優先権を主張する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、接続モジュールを含む本発明の実施形態の概略ブロック図である。
【図2】図2は、接続モジュールを有しない本発明の実施形態の概略ブロック図である。
【図3】図3は、接続モジュールを含む本発明の実施形態の概略斜視図である。
【図4】図4は、接続モジュールを有しない本発明の実施形態の概略斜視図である。
【図5】図5は、通信のために位置合わせ中の、図3の2つの実施形態の概略斜視図である。
【図6】図6は、適切に位置合わせされ通信可能である、図5の2つの実施形態の概略斜視図である。
【図7】図7は、位置合わせ中と、その後適切に位置あわせされ通信可能である、図3及び4の2つの異なる実施形態の2つの概略斜視図である。
【図8】図8は、位置合わせ中と、その後適切に位置あわせされ通信可能である、図4の2つの実施形態の2つの概略斜視図である。
【図9】図9は、一般的な動物のぬいぐるみの外見を持つ、本発明のさらなる実施形態の正面図である。
【図10】図10は、本発明のもう1つの装置と接触する、本発明による装置の情報フローの略図である。
【図11】図11は、パーソナルコンピュータと接触する、本発明による装置の情報フローの略図である。
【図12】図12は、2つの装置間の近接通信の略図、及び本発明による装置の情報フローの例である。
【図13】図13は、本発明による装置の筐体及び位置合わせ手段の実施形態の略図である。
【図14】図14は、本発明による装置の筐体及び位置合わせ手段の別の異なる実施形態の略図である。
【図15A−F】図15A−Fは、本発明の原理に従うeトークンの概略図である。
【図16】図16は、本発明の原理に従うeトークンに使用できる電気回路の概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の好ましい実施形態の構造、操作及び利点は、添付の図と併せてここに示す説明を考慮すれば、なお一層明らかになるであろう。図は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。本発明は、概して、これらの好ましい実施形態に照らして説明されるが、本発明の精神と範囲がこれらの特定の実施形態に限定されるわけではないと理解されるべきである。
【0041】
本発明は、概して、インターネットのバーチャル世界等の1つの「世界」において個人(individual)をリンクし、装置を用いて、会議、バー、職場、商店、パーティ等の物理的世界等のもう1つの「世界」と通常接触しないで相互作用し、さらなるサービスを個人(individual)に提供するための装置、技術及び利用に関する。
【0042】
概して、これは、名刺、電話番号、個人のアカウント番号、Eメールアドレス、又はウェブサイトに固有の識別コードを交換する等の従来の手段により、実世界で1つの個人識別を交換することによってなされる。個人(individual)はその後、「ソーシャルネットワーキング」ウェブサイト(フェースブック(Facebook)、リンクトイン(LinkedIn)、マイスペース(Myspace)等)として一般に知られているウェブサイト上で、インターネットのバーチャル世界の自分自身に「リンク」でき、又は、これらのウェブサイト又はアプリケーションに、他の個人(individual)の個人識別情報を打ち込むことにより(又は、ウェブサイト又はアプリケーションによって提供されたリストで他の個人(individual)を選ぶことにより)、自分の個人情報を追跡するアプリケーション(プラクソ(Plaxo)等)を介して自分自身にリンクできる。
【0043】
多くの実施形態において、本装置は、専用の、又はNFC又はRFIDに類似の何らかの規格に従う短距離無線インターフェースを用いて、物理的世界で相互作用する。いくつかの実施形態では、本装置は、USB等の標準的な接触インターフェースを用いてPCに接続する。いくつかの実施形態、及び各種実施形態に使用可能ないくつかの応用について説明する。
【0044】
1つの実施形態では、本装置は、パーソナルコンピュータ(PC)等の装置に差し込むことができ、インターネットのバーチャル世界とインターフェース接続可能な、従来のUSBメモリーフォブ(大きさ、形状、型)に似た小型装置の形をしている。本装置は、実世界で無線インターフェースを介して記憶された情報及び値を用いて、フラッシュメモリー(ブロック単位での消去及び再プログラム可能なメモリー)又はEEPROMに情報を保存し、その後PCを介してインターネットにその情報を転送することができる。同様に、本装置は、インターネットに接続されたパーソナルコンピュータ(PC)に差し込むと、自動再生アプリケーションを実行することができ、交換及び保存された情報に、その無線インターフェースを介して実世界の利用でアクセスできる。この装置は、互換性のあるインターフェースを有する他の装置を用いて、情報を交換することができる。
【0045】
図1は、8ビットのマイクロプロセッサを使用し、5つのモジュールを有する本発明の例示の実施形態100のブロック概略図であり、本発明の考えられる機能性を提供するために、5つのモジュール全てが、図のように相互接続されている。例えば回路基板(PCB、図示せず)上及び筐体(図示せず)内に取り付けられる主な部品は、(左から右へ)接続モジュール102、プロセッサモジュール104、メモリーモジュール106、無線通信インターフェース108及び小型電源114である。
【0046】
接続モジュール102は、装置をパーソナルコンピュータ(図示せず)装置、又はリモートサーバー及びネットワーク(特にインターネットによるものに限らない)と通信及び相互作用可能な他の電化製品とインターフェース接続するためのものである。図1の小型装置の例では、接続モジュール102は、パーソナルコンピュータ(PC)に直接差し込むためのUSBプラグを有することができる。その他のパーソナルコンピュータとの接続(通信)としては、ファイヤーワイヤー(FireWire)、IR、ブルートゥース、標準シリアルポート、無線LAN(WLAN)等、つまり、外部メモリー/処理装置とパーソナルコンピュータの間の任意の適当なインターフェースが考えられる。
【0047】
接続モジュール102は、通常、PC又は他のインターネット接続可能な電化製品を介して、装置からインターネットのバーチャル世界にデータを入力し、時には、PC又はインターネットから装置に何らかのデータを入力するためのものである。使用される特定のプラグ又は接続インターフェース102は、当業者に公知なものであれば何でもよい。装置は、「インターネット」を介した他の実在物(entity)との通信に限定されるわけでなく、他のネットワーク又はネットワーク間のネットワーク(internet)を介して通信することもできる。これらの注釈は、本明細書に記載の他の実施形態にも適用される。
【0048】
本発明は、特定の型のインターフェース/通信プロトコルに限定されるべきではない。問題は、装置がインターネット接続可能な電化製品を介してバーチャル世界と相互作用できる点である。当業者であれば、「リモートサーバー及びネットワークと通信及び相互作用可能な装置」と述べられたものに対する他の可能性が、パーソナルコンピュータ、つまり任意の(他の場所では次のように呼んでいる)「ホスト装置」又は「ホスト処理装置」だけでなく、PDA、携帯電話等であると認識し、これは本発明の範囲内である。
【0049】
プロセッサモジュール104は、本発明の小型装置(「機器」)の操作を制御するためのものである。それは、例えば、フリースケール(Freescale)、アトメル(Atmel)、ピック(Pic)等から供給されている8ビットのマイクロコントローラである。これは、ISO7816(接触インターフェース)からアナログ又はデジタル信号へのインターフェース接続が可能であり、NFC又はRFID通信技術を含むことができる。
【0050】
メモリーモジュール106は、プロセッサモジュール104内部に有することもでき、USBメモリースティック装置で一般に使用されるような標準的なフラッシュ又はEEPROMメモリーである。プロセッサモジュールがメモリーモジュールを組み込むこともできる。さらに、メモリーはフラッシュメモリーを有することもできる。
【0051】
無線通信インターフェース108は、無線通信モジュール110及び位置合わせ装置112を含む。無線通信モジュール110は、誘導型(induction−based)装置又はRFアンテナ及び変調器等であってもよい。あるいは、出力モジュールは、本発明に記載の他の類似の装置と接触できる接点セットを含む。無線通信モジュール108の操作(データの伝送)を可能にするには、本発明の装置の、すなわち無線通信モジュール108の正確な目的とする位置合わせが必須であるため、位置合わせ装置112が、無線通信インターフェース108とつながっていることがわかる。もちろん、位置合わせ装置112を装置の筐体内部に形成することもできる。
【0052】
小型装置はまた、ディスプレイ、特にLCDスクリーン又は電子インクディスプレイを含むこともできる。小型電源114は、通常、小型バッテリー、コンデンサ、太陽電池、燃料電池、又はここに示される装置の大きさに統合可能な任意の他の小型のモバイル電源のうちの1つである。
【0053】
小型通信装置に内蔵されるモバイル電源114は、少なくとも特定の時間間隔で、少なくとも前記装置の無線通信インターフェース108とプロセッサモジュール104を動かすための電力を供給する。前記時間間隔は、スイッチの作動によって開始することができ、又は、手の届くところに第2の小型装置が存在するかを測定するために最初の電力サージを発生する動作によって開始することができる。ユーザーが、それ自身の装置を特定のスイッチで作動させることもできるし、又は小型装置の位置合わせ装置112内に結線を設けることもできる。相手方の通信装置を自動検知するために本発明の2つの通信装置が物理的な結合(mating)位置合わせをすると、位置合わせ装置112内のこれらの結線が回路を閉じ、すなわち前記スイッチ素子を作り、無線通信を開始する。これにより、限られたバッテリー源を効果的に使用できる。
【0054】
図2は、図1と同じ図であるが、この図に表された実施形態はPC又はインターネット電化製品とインターフェース接続するための接続モジュール102を持っていない点だけが異なる。インターネット電化製品とこのような通信をするには、無線通信モジュール110を使用することができる。
【0055】
図3は、一般に「スマートフォブ」装置の形をした例示の実施形態を示し、従来のUSBメモリーフォブの一般的な物理的構造(大きさ、形状、型)を有する。これは、基本的には、指のような細長の形をした装置200であり、電子機器(図1のモジュール104,106,108,114参照)を内蔵する本体部分210と、本体部分210の端部から延びるUSBプラグ212(102参照)を含む。キーホルダー(図示せず)に装置200を吊すための穴214を設けてもよい。物理的位置合わせ装置216(112参照)は、通常、磁石であれば印刷されたマーク(icon)の形か、又は、もう1つの互換性のある装置が使用のために置かれるべき位置はここであるとユーザーにわかるような物理的形状で現れる。
【0056】
1つの見本となる実施形態では、装置は、五本の指を伸ばした、漫画的な手の一般的な外見を有する。2つの装置の位置合わせは、ユーザーに、ハイファイブ握手のように、2つの手を互いの手のひらを対向させて置くことを示唆する。さらに、装置同士が互いにごく接近して置かれると、それらが短距離無線通信が起こるための正確な位置に引きつけられるように、指のうちの2つに磁石が存在する(最も左側と最も右側)。この手の形をした実施形態では、アンテナは手の平に置かれ、装置同士が互いから最大で1〜5mmのところにあって、手のひらを実質的に互いに向き合わせて置いたとき、無線通信が起こり得る。
【0057】
言うまでもなく、指を機械的に特定の位置づけにしたときにのみ、2つの装置内の2つのアンテナ間の距離が作動状態となるような、手の特定の位置づけを持つ指にすることもできる。このような機械的な結合の機構は、同一の装置同士を、2つの装置間のデータ伝送を開始する最大の距離より近くなるように結合的に位置づけできるよう、好ましくは、アンテナの信号伝送軸の周りに点対称に配置されている。
【0058】
「小型装置」は、ここでは「スマートフォブ」と呼んでもよい(主張されるだろういかなる商標権を侵害することなく)。その機能性(「スマート」)、及び、例示的物理形状(「フォブ」)については記載済みであるので、装置を通常、単にスマートフォブ(引用符なし)と呼ぶ。
【0059】
図4は、図3と類似の装置290を表すが、この図の実施形態はPC又はインターネット電化製品とインターフェース接続するための接続モジュールを持たない点だけが異なる。
【0060】
図5は、図3の2つの実施形態を示すが、スマートフォブの参照番号320及び322は再びUSBメモリーフォブの通常の形となっている。これらの実施形態は、互いにごく接近して図示されており、それらそれぞれの物理的位置合わせ装置324,326(216,112参照)がユーザーに、使用のための装置のそろえ方を示唆できることを表している。
【0061】
図6は、物理的位置合わせ装置が適切に位置合わせされた時点での、最終的な静止位置にあり、無線通信モジュール(110参照)を介してデータを交換することにより通信可能な、同じ2つのスマートフォブ320,322を示す。
【0062】
図7は、スマートフォブの2つの他の実施形態330,332を示し、1つはUSBメモリーフォブ330の一般的な形、他は、USBコネクタのない類似の大きさの装置332の形をしている。これらの実施形態は、互いにごく接近しており、図7左側には、それらそれぞれの物理的位置合わせ装置324,326(216,112参照)がユーザーに、使用する装置の位置合わせの仕方をどのように示唆するかを示し、図7右側には、物理的位置合わせ装置が適切に位置合わせされた時点での最終的な静止位置を示す。
【0063】
図8は、スマートフォブ340,342の2つの他の実施形態を示し、図8の左側には互いにごく接近した状態を、図8の右側には物理的位置合わせ装置が適切に位置合わせされた時点での最終的な静止位置にあり、無線通信モジュール(110参照)を介してデータを交換することにより通信可能な状態を示す。
【0064】
図9は、小型装置が人形400に一体化された本発明の別の実施形態を示す。この場合も、小型装置は同じ通常の機能性を有し、この機能性を達成するのに重要な物理的特徴は同じであり、小型装置410が、物理的位置合わせ装置420と、この場合、例えば人形の足に配置可能な、通常の形のUSBオス・コネクタで示された接続モジュール430を含む。
【0065】
スイッチ440やLED(発光ダイオード)450等の他の入出力装置は、装置のいずれかに容易に加えることができ、図9は1つの例としての実施形態である。
【0066】
本発明のスマートフォブは、人形や、別のキーホルダーサイズの装置等の他の製品に一体化されるように形成された小型モジュールを含む、従来のUSBキーフォブに似た形以外の形にすることもできる。
【0067】
本発明がとれる形状は、ビジネス環境又は子供の遊び場等、ユーザーがそれを使用する環境により、大きく影響される。
【0068】
応用法/使用
ソーシャルコネクション(social connection)を作る
本発明は、ここではスマートフォブ(再度、この用語は、主張されるだろういかなる商標権を侵害することなく使用されている)と呼ばれる小型個人用装置を使用する応用である。本装置はまた、単に「フォブ」又は「個人用装置」と呼ぶこともできる。
【0069】
フォブは、主として、ソーシャルコネクションを効率的に記録するためのツールとして使用することを目的とする。スマートフォブを備えた2個人(individual)は、図5,6の2つの工程、又は図7,8の図により、それらの2つのフォブを単に押しつけることによって、それらのコンタクト情報を素早く交換できる。その後、それらは、ソーシャルネットワーク・ウェブサイト、又は、他人のフォブに転送された他人の固有識別子を使用する、それらのコンタクトを記録するアプリケーションにログインして、自動的にリモートサーバー上に最新のコンタクトデータを置く。これらの個人(individual)は、例えば、オンラインソーシャルネットワーク環境で自動的に「リンクされる」か、場合により特定の時間と場所で人に直に会ったということをそれらのプロフィールにただ記録する(mention)ことができる。
【0070】
実世界での社会的相互作用(social interaction)を記録するためにスマートフォブを使用することにより、ソーシャルネットワーキング用の新しくて面白い用途が、多すぎるほど生まれる。他の例では、ソーシャルネットワーキングサイトが直に会った人々の間のリンクを認識したいだけであってもよい。個人(individual)は、実世界で会ったことを認証するためにフォブを使用することになる。
【0071】
いくつかの使用に対しては、小型装置のいくつかは、インターネット接続可能な装置への接続を必要とせず、装置はインターネット接続可能な装置に接続されるための手段を有していなくてもよい。例えば、このような装置は、カジノのプロモーション・ゲームとして使用されてもよく、この場合顧客は、固有の識別子を含むこのような装置を与えられ、固有の識別子が当たりの(winning)識別子(当たりの識別子は、コンピュータ・ソフトウェアプログラム又は審査員によって予め選ばれていてもよいし、又は、プロモーション・ゲームの主催者によって選択メカニズムの一部として実行される何らかのルールに適合するものであってもよい)であるかどうかを明らかにするために、これらの装置を「プレイ」、又は他の同様の装置に「リンク」することができる。
【0072】
あるいは、接続モジュールがなく、そのためインターネット接続可能な装置に直接接続するための手段を持たない小型装置を、ソーシャルコネクション又は他の実世界のイベントを記録するために、上記フォブと同様のやり方で使用することができる。一例として、このようなフォブを個人(individual)が利用し、社会的相互作用を記録するためにフォブに接続してもよい(ゲームの一部として、又はオンライン・リンクのために)。つまり、他のフォブにリンクされると、2個人(individual)の識別子の間に相関があるかを決定する等の、何らかのイベントがフォブ内に起こり、ユーザーは、フォブに組み込まれたLEDの点灯パターンの変化により、このイベントに関して警告される。最終的に、ユーザーが自分のフォブをインターネット接続可能な装置に接続可能なフォブに接続すれば、これらの相互作用全ての履歴又はこれらの相互作用の記録結果を、そうすることが可能なフォブによってインターネットにアップロードすることができる。
【0073】
電子クーポン(「eクーポン」)のダウンロード、保存及び使用
基本概念は、ユーザーが、バーチャルクーポンを提供する会議、大会又は商店を訪れ、フォブを使って「eクーポン」IDを「獲得」し、それらとともにフォブをユーザーの家又はオフィスに持って行き、インターネット接続可能な電化製品にフォブを接続してウェブサイト上でクーポンを商品と引き換え、又はアクセス制限されたウェブサイト又はアプリケーションへのアクセス権を得ることができる。
【0074】
これにより、顧客は大会又はショッピングモールを歩き回って、個人用装置(「フォブ」と呼ぶ)に、たくさんのクーポン、又はユーザーがもっと情報が欲しい製品についての特定の情報を電気的に保存することができ、この装置を顧客のコンピュータにつなぐと、オンライン上のさらなる情報にアクセスできる。
【0075】
フォブを用いた子供用ゲーム
上述の本発明を用いて、特に4〜11歳の子供用の、安全なソーシャルネットワーキング・ゲームが考えられる。このゲームは、今日市場で見ることのできる類のもので、オンラインゲームへのアクセス権を与える固有のコードを持って売られている新しいタイプの子供向けの人形である。ウェブキンズ(Webkinz)、クーキーズ(Kookeys)、タイ・ガールズ(Ty−Girlz)等の成功により、我々は、この明細書に記載の新しいアイデアを用いる、4〜11歳の幼児のための新しいソーシャルネットワーキング概念を考え出した。このような利用は、子供のための、真に安全なソーシャルネットワーキング環境につながる。その目的は、オンライン及びオフラインの両方での活動を大いに楽しめるようにし、子供が実世界及びウェブ上で互いに遊び相互作用することを奨励する。
【0076】
この年齢の子供用の現在のウェブキンズ型ハイブリッド(オンライン−オフライン)ゲームは全て、人形のオンライン上の「クローン」にアクセスできる固有の識別子が盛り込まれたタグをつけて人形を売るという簡単な概念に基づいている。物理的な人形は、付加的な特徴を持たない基本的な動物のぬいぐるみであってよい。
【0077】
我々の提案する、個人用小型装置を組み込んだ人形の集合体は、現在入手可能な人形に重要な利点を与える。以下の段落で、我々は、現在の人形との違いを示す物理的特徴、及び現在のゲームから我々を差別化するオンライン的特徴を取り上げる(cover)。
【0078】
人形の集合体の実際の物理的外見及び感触については定義しなかったが、新しいアイデアを説明するために、我々は、「見た目と感触」に関しては、ウェブキンズと同一に見える人形の例を使用する。実際には、内部に個人用小型装置を備えて開発された人形は、ターゲットになる顧客層が最大限採用してくれるように最適化された、それ自身独特なブランドイメージを有するように開発されるであろう。
【0079】
従って、これについて述べるために、本発明に関する人形は、大体以下の物理的特徴を有する。
1)大凡大きめのコーヒーマグサイズの、標準的な見た目の動物のぬいぐるみであり、
2)格納式USBコネクタ(テール部又は脚部又は他の先端部に隠すことができる)又は本特許明細書に記載の、個人用装置とコンピュータ間でデータを共有するために使用される任意の他のタイプのコネクタをもち、
3)本明細書に記載の特徴及び機能性を有する装置が、人形の中に取り付けられているか、又は組み込まれている。
【0080】
主要なキャラクターベースの豪華な(plush)人形シリーズとは特徴が異なる日常的なオブジェクトを含むウェブキンズ型のハイブリッドゲームは現在のところ存在しないので、主要な人形の集合体に加えて、より小さい日常的なオブジェクトの集合体を、ゲームの一部を構成する豪華な人形の集合体に新規の変形として取り入れる。
【0081】
日常的なオブジェクトは以下の特徴を有する。
1)機能に応じて、大きさが、主要な人形の約3分の1から人形より大きい規模まで多様な、標準的な外見をもつぬいぐるみである(リンゴ〜車)。
2)日常的なオブジェクトの集合体は、オブジェクトの種類及びオブジェクトの総数に関して多様であってよいが、一般に、それらは日常的なオブジェクトの定型化されたバージョンであり得る。
3)本特許に記載の特徴及び機能性を有する装置(コンピュータとインターフェース接続するための接続モジュールを持たなくともよい)が、上記オブジェクトの内部に取り付けられ又は組み込まれている。
4)これらオブジェクトは、格納式USBコネクタ、又は、これらオブジェクトに内蔵される電子機器とコンピュータとのデータ交換を可能にする任意の他のコネクタを有していても有していなくてもよい。この段階で我々が考えているのは、上記オブジェクトがコンピュータと直接通信する必要はなく、常に、それらの組み込まれた短距離無線通信モジュールを介して他の人形又はオブジェクトと通信するということである。この場合のいわゆるバーチャル世界は、人形の所有者が我々の小型装置を含む彼らの人形をコンピュータに接続することによりアクセスできるポータルサイトであってもよい。我々の小型装置のこのような利用の基本は、子供たちが友達と会って、彼らの人形及びオブジェクトを一緒にマッチ(match)させ、人形及びオブジェクトの組み合わせを組み込まれた個人用小型装置によって記録し、安全なオンライン・ソーシャルネットワーキング環境で子供同士をつなげる等の、バーチャル世界における高度な機能にアクセスできるようにすることである。
【0082】
上記構成要素は、4〜11歳の子供用の現在入手可能なゲームとは、以下の非常に新規な要件において大きく異なる。
【0083】
安全なソーシャルネットワーキング
自分の人形を友達の人形に「マッチング」することにより、子供はオンラインの世界で「つながる」ようになる。この「つながり」によって、両方の子供は、同じ「村」又はオンラインコミュニティに入り、そうすることで子供たちは、自分自身の人形がバーチャル人形として表現されている同じポータルサイトで友達のバーチャル人形に会うことができる。こうして、彼らは同じソーシャルネットワークにいて、彼らのオンライン上の友達と、チャット、ブログ、テレビ会議や、一緒にゲームをしたり、対戦ゲームをしたり、彼らの村に関する活動(本明細書のかなり後に記載の)に参加したりというような交流ができる。
【0084】
本発明のこのような利用の新規なセキュリティ(SECURITY)の態様は、子供たちが、実生活で交流する人々とだけネットワークで結ばれることが可能なことである。これは、子供たちがインターネットを通して好ましからざる個人と接触しないことを保証することへの全く新しいアプローチである。子供のための「安全な」ソーシャルネットワーキング・ウェブサイトの獲得は、親が子供のオンライン活動をパトロールすること、つまり、まず、親自身のクレジットカード情報を用いて子供のアカウントを認証し、その後、サイトから親に自動配信されるeメールを通して、子供のオンライン活動の報告を定期的に受けることに依存している。我々の主クレームは、親が、子供の実世界での活動を取り締まる以上に、子供のオンライン活動を取り締まる必要がないということであり、我々の解決法の利点は非常に多い。子供が子供のオンライン世界で交流することのできる人々は、子供が実生活で交流する同じ人々に限定される。これは、子供が人形を「マッチ」させ、オブジェクトを共有するためにも、実生活での友達又はいとこともっと頻繁に実際に会うよう奨励する。
【0085】
人形が人形同士の間で「マッチ」される方法と同様に、オブジェクトを人形とマッチさせることができる。このような「マッチング」を用いて、我々は、「新しい」オブジェクトに対する「使用済みの」オブジェクトということに起因するような、価値の減少という概念を導入する。一例としてリンゴのオブジェクトを取り上げると、価値[マッチングから得られるポイント]を以下のように考える。
・リンゴのオブジェクトとマッチさせた第1の人形(おそらく人形の最初の所有者)は100フードポイントを得る。バーチャル世界で、このリンゴは丸ごとのリンゴとして現れる。
・リンゴのオブジェクトとマッチさせた第2の人形(同じ子供のものか、又はその子供の兄弟姉妹又は親しい友人の1人のもの)は50フードポイントを得る。バーチャル世界で、このリンゴは半分のリンゴとして現れる。
・リンゴのオブジェクトとマッチさせた第3の人形は、25フードポイントを得る。バーチャル世界で、このリンゴは四分の一のリンゴとして現れる。
・同じリンゴのオブジェクトとマッチさせた第4の人形から第nのポーケン・ペット(Pokenz Pet)は、10フードポイントを得ることができる。このリンゴはリンゴの芯として現れる。
【0086】
オブジェクトのこのような新規の使用は、子供たちに、共有、交換、与えたり受け取ったりすること、及び最適化や戦略を含む多くのコンセプトを教える。これらの相互作用は全て「実世界」に存在し、子供同士の間での相互作用を増やす。オブジェクトは、このような種類の特徴をもって開発されるが、ゲームや問題となっているオブジェクトの種類(フード、衣服、車、宝石等)に関しては微調整することができる。オブジェクトはまた、互いと相互作用し、何らかの結果を生み出す(2つの同じオブジェクトのマッチングは、値又は他の形式の褒美を増やす)。従って、子供たちは、値の周期の異なる段階にあるそれぞれのオブジェクトを共有することによって、贈り物(favors)を交換する機会を有する。
【0087】
本明細書に含まれる、人々の間のオンラインのつながりを認証するための物理的オブジェクトに対する提案は、当初は子供を対象にしているが、類似の形式の認証が大人のソーシャルネットワーキングにも使用できるという意味で、本発明の範囲はかなり広い。一例として、個人対個人の接続認証に基づくだけの非常に制限されたアクセスをもつことを希望するオンラインのコミュニティに対するものが挙げられる。
【0088】
本発明に係る装置の使用方法は以下のとおりである。
ユーザーは、2つの位置合わせ装置112を用いて、図5に従い、もう1人のユーザーの装置に自分の装置を当て始める。その結果起こるやりとり(transaction)は、一方向又は二方向の情報のやりとり(transaction)であることも可能であり、メモリーモジュール106内に保存される。最終的に、接続モジュール102を用いて、任意のウェブ可能なコンピュータのUSBポートに自分の装置を接続する。装置が専用の接続モジュール102を持たない場合、ウェブ可能なコンピュータに接続している短距離インターフェースモジュールが利用可能であれば、短距離通信モジュールを使用することができる。この行為により、前記相互作用のアップロード及びデータベースへの情報の保存が可能となる。データベースは好ましくは、装置の供給者により提供されるデータベースである。ユーザーがこれを初めて行う場合、記憶されたコンタクトが対応するデータベースに入力される、自分のお気に入りのソーシャルネットワーキング・ウェブサイトに移動する前に、自分自身と装置を前記供給者に登録する。ウィジェットが提供され、自分の実世界でのコンタクトと全ての付加的な装置の機能性を表示するソーシャルネットワーキング・ウェブサイトを動くことができる。
【0089】
装置は、付加的な機能性、特に図には示さない付加的なスイッチ又は入力装置を含むことができる。このようなスイッチは、装置を強く押すことによって作動することができる圧力アクチュエータであってもよい。図5の接触が開始される前に、このような作動が、ある時間間隔で起こると、いわゆる「離散モード」に入る。その際、装置間の識別子の交換のふりをする、すなわち、離散モードでの装置は、自分の本物の装置IDの代わりに、他の装置に「ゴーストID」を送るだけである。離散モードは光フィードバックを介して視覚化することができる。
【0090】
さらなる機能性は、装置間の「マッチングID」の交換に関する。それは、「マッチング」の程度に関し、ユーザーに視覚又は触覚フィードバックを与えるために使用される。これはまた、ユーザーが友達を共通に持っているかどうか、又は共通に第2レベルのコンタクトを持っているかどうか、彼らが同じ会社で働いたかどうか、同じ国の出身かどうか等の他の種類のフィードバックを与えることもできる。両装置はその際、一定の色を放ったり、一連の光を点滅したり、振動したり、警告したり(head up)、又は他の任意の種類の視覚、聴覚、又は触覚フィードバックをユーザーに与えて、(1)装置の接続が成功したこと、及び(2)二人のユーザー間の「マッチング」の程度を示す。
【0091】
メモリーの大きさの許す限り、各ユーザーは他のユーザーとの上記工程を何度も繰り返すことができる。ある時点で、ユーザーはウェブ可能な装置(恐らくはコンピュータに、恐らくは装置のUSBコネクタを介して)に自分の装置を接続する。好ましくは、ウェブサイトが自動的に起動され(広告主の名前又は会社ロゴを有するスプラッシュスクリーンが先行することも可能)、装置上に存在する相互作用に関するデータが、前記ウェブ上のデータベースにアップロードされる。これは、単に、装置IDとその後ウェブサーバーにより解析されるURLのタイムスタンプ全てを送ることによって行うこともできる。これはまた、ユーザーのコンピュータにインストールされた小さなアプリケーションにより行うこともできる。
【0092】
ユーザーは、サードパーティサイト(フェースブック(Facebook)、バドー(Badoo)、リンクトイン(LinkedIn)等)又は装置の供給者自身のサイトのうち、どちらのソーシャルネットワーキング環境にリダイレクトしたいのかを尋ねられる。サードパーティサイト又は供給者自身のサイトのどちらであろうと、ユーザーは、ユーザーにユーザーのソーシャルネットワークを視覚化してくれるウェブアプレットを用いて相互作用できる。
【0093】
好ましい各種モードの概要は以下の通りである。
「基本モード」:装置は、時間のほとんどは休止している。装置は互いにごく接近して置かれると、又は強く押される、つまり作動されると、起動する。2つの装置が互いから十分近くに置かれると、ほぼ触れることのできる、好ましい実施形態では実質的に触れることのできる物理的位置合わせ手段を使用して、装置は固有の識別子及び場合により「マッチング」コードを交換する。その後、各装置は、タイムスタンプとともに他の装置の識別子を(揮発性又は不揮発性メモリーに)保存する。この交換は、簡単な光信号でユーザーに知らされる。その後、装置は次の交換の準備ができた状態となる。
【0094】
「エラーモード」:通信中いつでも、装置が誤ったデータを受けたと感知した場合は、装置はエラーモードに入り、好ましくは特定の光信号を表示する。
【0095】
「離散モード」:ユーザーが装置交換で相手の識別子を通信したくない場合、ユーザーは、装置間通信の前に、例えば最大5秒まで装置を強く押すことができる。ユーザーの装置は、相手の識別子を受け取るが、自分の識別子は公開しない。このモードに入ると、光信号が表示される。
【0096】
「マッチモード」:この機能を作動させた場合(オンラインアカウントでユーザーによって制御されるユーザープリファレンス(user preferences))、ユーザーが自分の装置を使用したことを知らせる光信号は、「基本モード」の信号とは異なる。
【0097】
図10は、本発明のもう1つの装置と接触している本発明による装置の情報フローの概略図である。2つの無線通信要素が一方から他方へ向けられており、矢印は、オペレーティングシステムにより制御され装置内に保存されている2つの装置のIDの交換を表す。
【0098】
図11は、パーソナルコンピュータと接触している本発明の装置の情報フローの概略図である。装置のUSBポートは、パーソナルコンピュータのUSBポートに接続されており、このコンピュータは既にインターネットに接続された状態にあるから、情報フローをネットのデータベースに向けることができる。矢印は、ウェブへの識別子の伝送と、装置内に保存されるプリファレンスデータの受信を表す。
【0099】
図12には、無線装置間通信の実施形態を示す。装置間では、極めて近距離の低電力通信が求められる。各装置内の磁石(材料として好ましいのはフェライト)は、無線通信が起こるための正しいスポットで両装置を近づけるために使用される。
【0100】
両装置が一緒になると、通信が起動される。両装置はその間ずっと交互にポーリングして隣人をテストするが、手動による活性化、つまりスイッチ440を使用したときだけ、ポーリングすることもできる。非常に速い通信が可能で、全体で、わずか0.5秒であることが好ましい。
【0101】
バッテリーはUSBコネクタを介して再充電可能であり得る。装置をコンピュータに接続すると、コンピュータのUSB電源から流れ出る。
【0102】
図13は、本発明の装置の筐体及び位置合わせ手段の実施形態の概略図であり、装置が向かい合うように2つの磁石を用いた装置を示す。
【0103】
図14は、本発明の装置の筐体及び位置合わせ手段の別の実施形態の概略図であり、装置が背中合わせ又は側面合わせで接続するように、1つの磁石を使用したものである。
【0104】
さらに、本発明は、くじ引き、ギャンブル、又は、他の勝負事又はセールスプロモーション、顧客囲い込みプログラム、ソーシャルネットワーキングイベント、宣伝、デートゲーム及び人々が交流する他のイベントのために使用できるような他のゲームを行う際に使用するための方法及びシステムに関する。くじ引き、ギャンブル及び勝負事という用語は、通常、1以上の個人(本明細書ではプレーヤーと呼ぶ)が参加し、ゲームプレイの結果が無作為又はそうでなければ予測不可能であるゲームのことを指す。「ゲーム」とは、ゲームの結果につながる一連の行動又は出来事(つまりプレイの進行)を定義するルール又は手順のセットのことをいう。ゲームの結果は、ポジティブ(勝利)又はネガティブ(敗北)であり得る。ゲームの結果は、例えば多数のプレーヤーが勝利又は敗北可能なゲームにおける多数の結果を含むことができる。ゲームの結果は、勝利の確率及びゲーム中にとられる行動又は起こる出来事によって影響されてよい。「ゲームプレイ」は、プレーヤーの制御下にあり、ゲームの結果を引き起こすことのできる1つの行動又は一連の行動又は出来事である。ゲームプレイは、例えば、プレーヤーによるゲームピースの購入、又は、ゲームピースの賭博(wagering)を含むこともできる。
【0105】
本明細書に記載の方法及びシステムは、ゲームプレイの勝算及び/又は結果に影響を及ぼす能力を有するプレーヤーを提供することによって、勝負事のプレーヤーが、彼らが参加するゲームで、積極的な役割を担えるようにする。本方法及びシステムはまた、プレーヤーが、多数のゲーム、多数のゲームプレイ、又は、1つのゲームピース又は多数のゲームピースを用いるゲームとゲームプレイの様々な組み合わせに参加できるようにする。
【0106】
本発明の1つの実施形態では、プレーヤーは、1個以上のゲームピースを用いて、勝負事に参加することができる。ゲームピースは、チケット、トークン、チップ又はポーカーチップ、又は類似の装置を含む多数の物理的な形をとることができる。ゲームピースはまた、電子データ(例えば、クッキー、デジタルパケット、又は他のデジタルデータのセット)、又は、数字、文字、又は他の識別子の固有の組み合わせ等の他のデータを含む、バーチャルな形をとることもできる。ゲームピースは、一意的に識別可能であってもよいが、「一団」又は「型」によって識別可能であってもよいし(同じ識別子を有する複数のゲームピース)、包括的であってもよい。本発明の好ましい実施形態では、ゲームピースは、一意的に識別可能か、又はその「型」が一意的に識別可能な電子装置の形をとることができる。
【0107】
図15A〜15Fは、本発明の原理に従った、電子ゲームピース又は「eトークン」の例示の実施形態を示す。eトークン1000は、装飾された保護用ケース1010を含むことができる。ケース1010は、トークンの形をしており、大凡、直径約3cm、厚み約0.5cmのポーカーチップの大きさを有する。ケースの形及び大きさは他でもよい。ケース1010は、装飾的特徴を含むことができる。図15Aからわかるように、ケース1010の少なくとも1つの面は、1以上のLED1040、LCDディスプレイ1020又は他のディスプレイ又はライトを含むことができる。LED1040及びLCDディスプレイ1020は、ケース1010の他の面上にあってもよく、例えば、図15Eのようにポーカーチップ形のトークンの外側エッジ部分にあってもよい。LED1040及びLCD1020は、プレーヤーに視覚フィードバックを与えて、eトークンが新しい状態に入ったこと、又はプレーヤーが賞品を手に入れたことを示すために使用することができる。図15Dは、LED1040がライトアップされ、LCD1020がテキストメッセージを表示し、プレーヤーに視覚フィードバックを与えている、eトークン1000の2つの図を示す。他のフィードバック手段を、eトークン1000及びケース1010に組み込んでもよい。例えば、スピーカー又はブザー等の聴覚フィードバック手段を、ケース1010の内部に取り付けてもよい。プッシュボタン等のユーザー入力手段を、ケース1010に備えることもできる。
【0108】
eトークン1000が他のeトークン1000及び/又はeトークン・リーダー1080(「ゲームピース・リーダーとも呼ぶ」)と、有線又は無線通信を介して通信する実施形態では、ケース1010が、図15Bのように、少なくとも1つのケースの面に、1以上の電気接点1060を含むことができる。電気接点1060はまた、eトークン1000内のバッテリーを充電するために使用することもできる。画像表示装置1020,1040及び電気接点1060は、ケース1010の同じ面又は異なる面にあってもよい。
【0109】
図15Cは、eトークン1000が、互いと電気接触又は無線通信するように、一緒に積み重ねられていることを示す。トークン1000は、トークンが積み重なると、それらの面上の電気接点1060が電気接触するように、実質的に互いとぴったり合わさることができる。外側ケース1010又はその中身(磁石等)の各種特徴は、eトークン1000がきちんといっしょに積み重なり、引き離されたりバラバラにされたりしなければ積み重なったままであるように、設計することができる。ケース1010の設計外観は、積み重ねた中で隣接するeトークンの電気接点1060が互いとぴったり合わさり、安定した電気的接続を形成することを確実にするために用いることもできる。一度2つのeトークンが互いに結合されると(電気接点106又は無線接続を通して)、図15Dに示すように、各種LEDライト1040又はLCDディスプレイ1020が点灯し、接続がなされたことを示す。
【0110】
図15Fは、eトークン・リーダー/ライター1080(又はゲームピース・リーダー/ライター)を示し、その上に複数のeトークン1000を積み重ねることができる。トークン・リーダー1080は、トークン1000の電気接点1060又はケース1010の外観と相補的な電気接点1100又はケースの設計外観1120を含むことができる。電気接点1000は、リーダー1080に結合されるeトークンと通信及び/又はeトークンを再充電するために使用することができる。「ゲームピース・リーダー/ライター」は、インスタントくじの自動販売機又はコイン式のバブルガムマシーン等の自動販売機の形、又は、他の、人がそこからゲームピースを購入又は引き出せるような自動販売機の形をとることもできる。ゲームピース・リーダー/ライターは、ゲームピースをゲームピースが引き出されるまで保管し、ユーザーがいくつかの情報(個人の選んだ数字等)を入力するとそれらをプログラミングする目的を果たすことができる。それは、支払い時にゲームピースを販売する自動販売機として使用でき、使用後ゲームピースを再び集めるために使用することもできる(例えば、リサイクル又は再プログラミング等の目的で)。
【0111】
図16は、eトークン1000の機能性を実行するために使用することのできる例示の電気回路800を示す。回路800は、集積回路820、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラム可能論理回路(「PLD」)、回路基板に実装された回路、又は回路の任意の組み合わせの形をとることができる。回路800は、プロセッサ802、読み出し専用メモリーROM805を含むメモリー804、プログラム可能PLD及び/又はASIC回路を含む集積回路806、トランシーバ808又は他の入力/出力回路、及びユーザーインターフェース回路810のいずれをも含むことができる。回路800の構成要素は、互いに結合され、システム・バス812を介して通信できる。回路800は、図16に示した要素以外に付加的な要素を含むことができる。例えば、回路800はクロック及び/又はバッテリーを含むことができる。
【0112】
プロセッサ802及び/又は集積回路806は、回路800のオペレーションを制御するように作動している。プロセッサ802及び集積回路806は、メモリー804に保存されたゲームデータに依存して作動する。1以上のゲーム用のゲームデータを、メモリー804に保存することができる。ゲームデータは、読取り専用メモリー又は読み書き可能メモリーに保存することができる。メモリー804はまた、eトークンを識別するために使用される識別子を保存するROM805を含むこともできる。ROM805に保存された識別子は、特定のeトークンを一意的に識別するために使用される固有の識別子、又は特定の種類のeトークンを識別するために使用される「一団の」識別子であってよい。トランシーバ808は、回路820と他のeトークンとの間、回路820とeトークン・リーダーとの間、及び/又は回路820とWIFI、LAN、RFID又は他のネットワーク回路との間、及び/又は回路820とeトークンと連結して使用される他の回路との間の通信を可能にするために使用することができる。トランシーバ808は、有線又は無線通信のために使用することができ、eトークン1000のケース上に置かれた金属接点、及び/又は、eトークン1000内に置かれたアンテナ又は他の無線通信装置に連結することができる。ユーザーインターフェース回路810は、1以上のLEDダイオード1040、LCDディスプレイ1020、又は、ブザーやスピーカーを含む他のユーザーインターフェース装置を含むことができる。ユーザーインターフェース回路810は、1以上のボタン又は他のユーザー入力装置を含んでもよい。
【0113】
図15A〜F及び16と併せて記載されたeトークンは、様々な勝負事に広く使用することができる。eトークンは、ILG及びDBLG、又は販売促進ゲーム、顧客囲い込みゲーム、ソーシャルネットワーキング・ゲーム、デートゲーム等で使用されるチケット及びスクラッチカードに取って代わることができる。異なるeトークンを異なるゲーム及び異なるくじのために使用することができる。異なるゲーム及びくじに使用されるeトークンは、ケースの形状、大きさ、様式及び外見、通信、電子及び処理能力、又は他の点が異なっていてもよいし、同一のeトークンを異なるゲームやくじに使用してもよい。eトークンが使用される特定のゲームは、プレイ時にeトークンが接続されるeトークン・リーダーにより決定することができる。eトークンが使用される特定のゲームは、積み重ねた中で接続されたeトークンの数又は種類によって、ユーザー入力によって(ユーザーがeトークンのケース又はリーダー上に取り付けられたボタンを押す等により)、又は他の適当な手段を介して、決定することができる。
【符号の説明】
【0114】
100 装置
102 接続モジュール
104 プロセッサモジュール
106 メモリーモジュール
108 無線通信装置
110 通信モジュール
112 位置合わせ装置
114 小型電源
200 装置
210 本体部分
212 USBプラグ
214 穴
216 物理的位置合わせ装置
290 装置 W/O 通信モジュール
320 スマートフォブI
322 スマートフォブII
324 物理的位置合わせ装置
326 物理的位置合わせ装置
330 スマートフォブIII
332 スマートフォブIV
340 スマートフォブV
342 スマートフォブVI
400 人形
410 小型装置
420 物理的位置合わせ装置
430 接続モジュール
440 スイッチ
450 LED
800 回路
802 プロセッサ
804 メモリー
805 ROMメモリー
806 集積回路
808 トランシーバ
810 ユーザーインターフェース回路
812 システム・バス
820 集積回路
1000 トークン
1010 ケース
1020 LCDディスプレイ
1040 LEDダイオード
1060 電気接点
1080 トークン・リーダー
1100 電気接点
1120 ケースデザイン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサモジュール(104)、メモリーモジュール(106)、無線通信インターフェース(108)及びモバイル電源(114)を含む小型通信装置であって、
前記無線通信インターフェース(108)は、短距離無線通信モジュール(110)及び物理的位置合わせ装置(112)を含み、前記物理的位置合わせ装置(112)は、前記小型通信装置を、類似の無線通信インターフェース(108)を含むもう一つの小型通信装置と、前記無線通信モジュール(110)間でデータ通信が起こり得るように位置合わせするために使用でき、
前記プロセッサ・モジュール(104)は、前記無線通信モジュール(110)から受信したデータに作用し、前記メモリー・モジュール(106)にいくつかの関連データ、特に変数を保存するように構成され、
前記モバイル電源(114)は、前記小型通信装置内に含まれ、少なくとも前記装置の無線通信インターフェース(108)及びプロセッサ・モジュール(104)を動かすための電力を供給し、
前記小型通信装置は、任意に、前記小型通信装置をインターネット接続可能な電化製品とインターフェース接続するための接続モジュール(102)をも含むことを特徴とする小型通信装置。
【請求項2】
前記物理的位置合わせ装置は、少なくとも1つの磁石を含むか、又は、前記小型装置をもう一つの互換性のある小型装置に、両装置の短距離無線通信回路が通信できるように位置合わせすることを助ける又は位置合わせ可能にするように構成された物理的形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の小型通信装置。
【請求項3】
前記インターネット接続可能な電化製品は、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、PDA、MP3プレーヤー及び携帯電話、及び類似のインターネット接続可能な装置からなる群から選択される装置を含み、前記インターネット接続可能な電化製品とのインターフェースは、USB、ファイヤーワイヤー、IR、ブルートゥース、標準シリアルポート、WLAN、NFC、及びRFIDからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の小型通信装置。
【請求項4】
前記無線通信回路は、RFアンテナ及び変調器を含み、任意で、通信信号用導管(conduit)として機能するマグネットに巻きつけた誘導コイルを含むことを特徴とする、請求項1,2又は3に記載の小型通信装置
【請求項5】
さらに、所定の時間間隔の間前記小型装置の通信モジュールを動かすために使用することのできる、又は前記装置を別のモードに入れるために使用することができる、少なくとも1つのスイッチを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の小型通信装置。
【請求項6】
さらに、前記装置の操作モードを示すための、少なくともLEDを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の小型通信装置。
【請求項7】
前記モバイル電源は、標準バッテリー、再充電可能なバッテリー、コンデンサ、太陽電池、燃料電池又は任意の他の小型の移動可能な電源を含む群からなることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の小型通信装置。
【請求項8】
前記接続、プロセッサ、メモリー及び無線通信モジュールは、従来のUSBメモリーフォブの一般的な物理的構造を有する装置の形で具体化されているか、又は、動物のぬいぐるみ又はカラフルなプラスチックキャラクター等の子供の人形の一般的な物理的構造を有する他の装置内に埋め込まれていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の小型通信装置。
【請求項9】
無線通信インターフェースを介して実世界で前記装置によって集められた情報を、実世界でデータを共有する小型装置の所有者とバーチャル世界でリンクするために使用し、その同じ所有者個人が、ソーシャルネットワーキング・ウェブサイト、ゲームサイト、他の種類のウェブサイト又はデジタルアドレス帳のようなもので、互いと通信できることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の小型通信装置。
【請求項10】
前記無線インターフェースを通して受け取った情報を、前記小型装置のメモリーに保存でき、その後、前記標準インターフェースを介して前記ホスト処理装置に供給でき、それにより、バーチャル世界と実世界の間で完全な情報交換を可能にすることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の小型通信装置。
【請求項11】
前記小型通信装置に保存された情報が、前記標準対応インターフェース又は無線インターフェースを用いて、個人の識別、安全なネットワークログオン、アクセス制御、電子発券、又は電子決済の利用に使用されることを特徴とする、請求項10に記載の小型通信装置。
【請求項12】
2個人(individual)それぞれに、少なくとも、プロセッサモジュール、小型モバイル電源及び無線通信インターフェースを含む小型通信装置を提供し、
前記無線通信インターフェースは、無線通信モジュール、及び、前記装置をもう一つの互換性のある装置に位置合わせすることを助けるための物理的手段を含み、
第1の装置は、前記物理的手段により規定される両装置の適切な物理的位置合わせを条件に(conditional to)、それらの無線通信モジュールを介して第2の装置にデータを転送することが可能であり、
前記両個人(individual)は、データ転送が可能なようにそれらの装置を位置付けすることを特徴とするデータ交換方法。
【請求項13】
接続モジュールを含む前記第2の装置を、その接続モジュールを介してインターネット接続可能な電化製品にインターフェース接続し、前記第1の装置から転送されたデータを、前記インターネット接続可能な電化製品上で動くアプリケーション又はウェブ上のアプリケーションで利用可能にすることをさらに含み、前記インターネット接続可能な電化製品とのインターフェースが、USB、ファイヤーワイヤー、IR、ブルートゥース、標準シリアルポート、WLAN、RFID、NFC、Wifiからなる群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
主にこの目的のために提供された小型の装置を用いて、前記個人(individual)を実世界のやりとり(transaction)に参加させることによって、前記インターネットのバーチャル世界における前記個人(individual)のプロフィールをリンクするための方法であって、
両個人(individual)に、各装置内の短距離無線通信モジュールを用いて2つの類似の装置間でデータを移動させるための手段を含む小型装置を提供し、
前記両個人(individual)に、彼らの各装置を接近して置いて少なくとも1つのデジタル識別子をそれらの間で交換することにより、実世界で相互作用させ、
前記個人(individual)の少なくとも1人に、自分の小型装置を、前記小型装置の1つが含む接続モジュールを介して、ホストのインターネット接続可能な電化製品に接続させて、前記識別子の交換に関する情報を前記ホスト上で動くアプリケーション又はウェブ上のアプリケーションに転送することを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記やりとり(transaction)に関与する前記個人(individual)の1人は人でなくてもよく、それとの相互作用のために互換性のある装置が置かれているブース又は任意の場所であってもよいことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
インターネットのバーチャル世界での前記個人(individual)同士の相互作用を、各個人(individual)が実世界で相互作用することのできた同じ個人(individual)の間での相互作用に制限する方法であって、
前記方法は、各個人(individual)に小型装置を提供し、両個人(individual)に、彼らの各装置を接近して置いて少なくとも1つのデジタル識別子をそれらの間で交換することにより、実世界で相互作用させ、及び、前記個人(individual)の少なくとも1人に、自分の小型装置をホストのインターネット接続可能な電化製品に接続させて、実世界での前記個人(individual)の相互作用に関する情報をホスト上で動くアプリケーション又はウェブ上のアプリケーションに転送することを含み、
前記装置は、インターネット接続可能な電化製品に個人用トークン装置をインターフェース接続するための接続モジュール、各装置内の短距離無線通信モジュール等の2つの類似の装置間でデータを移動させるための手段、前記短距離無線通信モジュールへの及び前記短距離無線通信モジュールからのデータを処理するためのプロセッサモジュール、及び、前記プロセッサモジュール及び前記短距離無線通信モジュールに電力を供給する小型電源を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記やりとり(transaction)に関与する前記個人(individual)の1人は人でなくてもよく、それとの相互作用のために、互換性のある装置が取り付けられたオブジェクトであってもよいことを特徴とする、請求項16に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図15F】
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【図16】
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【公表番号】特表2010−525472(P2010−525472A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504642(P2010−504642)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/054697
【国際公開番号】WO2008/132065
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(509297691)メディアスタック グループ エルティーディー. (1)
【Fターム(参考)】