説明

小物入れと玩具に変形可能な装置

【解決手段】人形用ベッドに変形可能な小物入れであって、上面が開口したバスケットと、該バスケット内に取り付けられ、該バスケットから上向きに延びて、上面が開口した容器を形成し、小物入れ又は人形用ベッドとなる布地と、布地又は容器の一方の上端部に取り付けられ、小物入れ及び人形用ベッドを容易に持ち運ぶ手段となるストラップと、小物入れの布地は十分に上向きに延びて小物入れとなるか、又は外向きに折り曲げられて人形用ベッドとなり、布地の内部に取り付けられて、布地が小物入れに用いられるときは凹んだ状態になり、装置が人形用ベッドに用いられるときは、持ち上げられて人形用サンシェードになるフードと、を具えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<発明の分野>
本発明は、小物入れ(purse)と玩具(toy)に変形可能な装置に関する。この装置は、布製フードを有する人形用ベッド又は赤ちゃん用かご型ベッドに変形される。装置が小物入れになるときは、布製フードは凹んだ状態におかれ、装置が人形用ベッドになるときは、持ち上げられて人形用サンシェードとなる。発明の分野は、意匠クラス6/サブクラス383、390及び391、特許クラス21/サブクラス520、特許クラス5/サブクラス93.1、93.2、98.1、98.3、101、103、120、122、123及び655、特許クラス150/サブクラス100、103及び105、特許クラス294/サブクラス140及び141、特許クラス383/サブクラス17、特許クラス446/サブクラス71、73、74、76、227、268、482及び491を含むものと考えられる。
【背景技術】
【0002】
<関連技術の説明>
人は外観を引き立たせるために、多くのアクセサリーを利用する。そのようなアクセサリーの1つに、一般的に小物入れと称されるハンドバッグがある。小物入れの色、スタイル及び生地は多種多様である。小物入れには、一般的には、使用者が1日中所持することを欲する物品が収容される。小物入れに収容されるものとして、例えば、お金、リップスティック、ティッシュペーパー、携帯電話の他、使用者が容易に取り出すことのできるあらゆる物品が挙げられる。
【0003】
小物入れは、子供用として購入される場合があるが、子供の年齢は様々である。例えば、少女の場合、彼女らの母親、教師、又は小物入れを利用している他の人を見て、それをまねることを所望することがある。彼女らの欲求を満たすために、親は、娘のために小物入れを購入することがある。
【0004】
従来の小物入れは、一般的には、目的が一元的である。それゆえ、例えば、遊び用おもちゃとしての役割も果たすことができる多機能小物入れが所望される。本発明は、小物入れと玩具に変形可能な装置を提供するものである。
【発明の開示】
【0005】
<発明の要旨>
本発明の目的は、小物入れとして、また、人形用ベッドとして用いることができる装置を提供することである。
さらに、本発明の目的は、布地又はその他の適当な軟質材料を含む装置(apparatus)であって、布地又は軟質材料は、引き紐又は同様な部材によって集められ締め付けられて小物入れとなったり、内向きに折り畳まれることによって、小物入れの内容物又は小物入れに入れられる人形の保護カバーとなったり、外向きに折られることによってオープン型人形用ベッドとなる装置を提供することである。
さらにまた、本発明の目的は、装置が小物入れに用いられるときは凹んだ状態におかれ、装置が人形用ベッドになるときは、持ち上げられて人形用サンシェードとなる布製フードを含む装置を提供することである。
【0006】
本発明は、添付の図面に関する以下の説明を参照することにより、最も良く理解されるであろう。なお、図面中、同様な要素については同じ引用符号が付されている。
【0007】
本発明では、様々な変形及び他の形態が可能であるが、それらのうちの具体的実施例について、図面中に一例を示し、本明細書の中で詳細に説明する。しかしながら、具体的実施例に関する説明は、開示された特定の形態に限定することを目的とするものではなく、本発明は、特許請求の範囲に規定される発明の精神及び範囲に含まれるあらゆる変形、等価物及び代替例を包含するものである。
【0008】
<特定の実施例の詳細な説明>
本発明を説明するための実施例について以下に説明する。この明細書では、明瞭さのために、実際の構成の全ての特徴を記載してはいない。具体的な製品を実際に開発する際、開発者の具体的目標を達成する上で、例えば、システム関連及びビジネス関連の制約との整合性など、数多くの実装固有(implementation-specific)の決定を行わなければならないが、これらは、実装例によって個々に異なるものであることは認識されるであろう。さらにまた、そのような開発努力は、複雑で、時間を要するものであるが、この開示の利益を得る当該分野の専門家にとっては日常的に取り組むべき事項であることは認識されるであろう。
【0009】
図面、特に図1を参照すると、上面が開口した容器(10)が示されている。図1において、上面開口容器(10)は、枝編み細工のバスケットである。しかしながら、構造的に小物入れの基材となり、本発明に係る人形用ベッド(doll bed)に変形させるのに十分なものであれば、適当なあらゆる材料から作ることができる。例えば、厚い布材料で作ることもできるし、紙又はプラスチックで作ることもできる。
【0010】
図1に示されるように、上面開口容器(10)の内側に、布地(12)又は他の適当な材料が取り付けられており、これは、装置が小物入れとして用いられる場合、小物入れ用のバッグ又はポーチとなり、装置が人形用ベッド、ベビーベッド(crib)又は赤ちゃん用かご型ベッド(bassinet)として用いられる場合、人形用ベッド、ベビーベッド又は赤ちゃん用かご型ベッドのスカート部となる。
【0011】
ここに例示する実施例では、布地は、枝編みバスケットの中に、枝編みバスケットの内部全体に亘って装着されているから、装置が小物入れとして用いられる場合、小物入れの中味は布地の上に置かれ、装置が人形のベッドとして使用される場合、人形は布地の上に置かれることができる。しかしながら、布地(12)は、バスケット(10)の上端部にのみ取り付けられるだけでもよく、この場合、小物入れの中味又は人形は、枝編みバスケットの上に置かれることができる。
【0012】
図1に示されるように、バスケットの内部又は上端部の近傍にて、引き紐(14)が布地に取り付けられている。引き紐は、布地の上部を寄せ集めて、バッグを閉じるのに用いられる。引き紐は、数多くの異なる位置(例えば、バッグの一番上の位置)に配備されることができる。図示の実施例では、引き紐は、バッグの上端部の少し下の位置に取り付けられているから、バッグが閉じられたとき、引き紐の上側は、布地で美しいフリル又は襞が形成される。この実施形態では、引き紐は、小物入れの取っ手としての役割を果たすこともできる。しかしながら、小物入れ用の取っ手は、バスケットに別途取り付けることもできる。
【0013】
図2は、本発明の一実施例に係り、人形用ベッドに変形可能な小物入れを示しており、上向きに延びる布地(12)は外側へ折り曲げられており、小物入れの中味の出し入れや、人形用ベッドの形成を容易に行なうことができる。この実施例では、布地で美しいフリルや襞を形成したり、また、装置を人形用ベッドして用いる場合に、人形用かご型ベッドの外側部としてすぐれた美感をもたらすことができるようにするために、布地(12)の上部に追加の布地が設けられており、小物入れを開けたときに、外側に向けて開口を広げることができる。なお、装置内の一方の端部に沿って、半円形の布製フードを配備されているが、これについては後で説明する。図2では、布製フードは、装置の端部及び底部に沿って凹んだ状態であるから、この図では見ることができない。布製フードは、フードが凹んだ状態にあるとき、小物入れの内部形状と一致するように、設計し構成することができる。
【0014】
図3は、本発明に係る人形用ベッドに変形可能な小物入れを示しており、布地(12)は、容器(図3では見えない)の周りで下向きに外方へ折り曲げられており、小物入れの中味の出し入れ又は人形用ベッドの形成を容易に行なうことができる。装置(10)の一方の端部には、側面に沿って、半円形の布製フード(16)が配備されている。図3では、布製フード(16)は、装置(10)の端部及び底部に沿って凹んだ状態であり、装置の凹んだ内部の領域は、点で描かれている。
【0015】
フード(16)は、持ち上げられたとき、人形用サンシェードとなるように、その形状をほぼ保持することができる布で作られる。装置が人形用ベッドとして用いられ、フード(16)が持ち上げられて、人形用サンシェードとなると、装置は、ベッド、ベビーベッド又は赤ちゃん用かご型ベッド構成する。図4は、フードが持ち上げられた状態の装置を示している。容器(図4では見えない)、布地(12)及びフード(16)の組合せにより、ベッド、ベビーベッド又は赤ちゃん用かご型ベッドが構成される。
【0016】
図5、図6及び図7を参照すると、装置内の一端部に取り付けられたフードがさらに詳しく示されている。図5は、本発明に係る人形用ベッドに変形可能な小物入れの平面図である。図示の布製バッグ(12)は、容器又は枝編みバスケット(10)及びその内部に取り付けられている。布製フード(16)は、布製バッグ(12)内部の一端部に取り付けられている。布製フード(16)の長さ方向の終端位置は、赤ちゃん用かご型ベッドのフードとなる所あたりである。装置の凹んだ内部領域は、点で描かれている。
【0017】
図6は、本発明に係る人形用ベッドに変形可能な小物入れであって、図5の6−6線に沿う側部断面図である。前述の如く、図示の布製バッグ(12)は、枝編みバスケット(10)及びその内部に取り付けられている。ここでもまた、他の布地構成が同じ様に用いられることは理解されるべきである。この実施例では、布製フード(16)は、布製バッグ(12)内の一端部に取り付けられている。布製フード(16)の長さ方向の終端位置は、赤ちゃん用かご型ベッドのフードとなる所あたりである。図6は、装置の端部及び底部に沿って凹んだ状態の布製フード(16)を示している。布地(12)は、容器の周りで下向きに外方へ折り曲げられ、人形用ベッドの布製スカート部が形成される。
【0018】
図7は、図6の変形例であって、本発明に係る人形用ベッドに変形可能な小物入れを示しており、持ち上げられた布製フード(16)は、人形用ベッドのサンシェードとして供される。上述の如く、図示の布製バッグ(12)は、枝編みバスケット(10)及びその内部に取り付けられている。布製フード(16)は、布製バッグ(12)内の一端部に取り付けられている。布製フード(16)の長さは、赤ちゃん用かご型ベッドのフードとして用いられる程度の長さを有している。図7は、布製フード(16)が、例えば、人形用サンシェードとなる凸状位置まで持ち上げられた状態を示しており、これにより、装置は、ベビーベッド又は赤ちゃん用かご型ベッドとなる。布地(12)は、容器の周りで下向きに外方へ折り曲げられて、赤ちゃん用かご型ベッドの布製スカート部が形成される。
【0019】
上述した具体的実施例は、単なる例示であって、当該分野の専門家であれば、異なるが同等の形態で変形を行ない又は実施できるであろう。なお、本発明は、特許請求の範囲の規定以外については、この明細書に示された構造の詳細に限定されることを企図するものではない。それゆえ、上述の具体的実施例は、改変又は変更が可能であり、そのような変更は、本発明の範囲及び精神の範囲内にあることは明らかである。保護を求める発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例に係り、人形用ベッドに変形可能な小物入れの斜視図であって、布製材料は、上方へ延び、引き紐などによって閉じられている。
【図2】本発明の一実施例に係り、人形用ベッドに変形可能な小物入れの斜視図であって、布製材料は外側へ折り曲げられて、小物入れの中味の出し入れや、人形用ベッドの形成を容易に行なうことができ、装置に装着された布製フードは、装置の端部及び底部に沿って凹んだ状態にある。
【図3】本発明の一実施例に係り、人形用ベッドに変形可能な小物入れの斜視図であって、布製材料は外方に延びて、人形用ベッドとなり、装置に取り付けられた布製フードは、装置の端部及び底部に沿って凹んだ状態にある。
【図4】本発明の一実施例に係り、人形用ベッドに変形可能な小物入れの斜視図であって、布製材料は外方に延びて、人形用ベッドとなり、装置に取り付けられた布製フードは、人形用サンシェードとなるように持ち上げられた状態にある。
【図5】本発明の一実施例に係り、人形用ベッドに変形可能な小物入れの平面図であって、布製袋を形成する布製材料は、フリル又は襞を形成することなく、上方に延びている。
【図6】本発明の一実施例に係り、人形用ベッドに変形可能な小物入れを、図5の6−6線から見た側面図であって、布製袋を形成する布製材料は、外方に、かつバスケットの周りを下向きに延びており、袋の中に取り付けられた布製フードは、布製袋の中で凹んだ状態にある。
【図7】本発明の一実施例に係り、図6に示される人形用ベッドに変形可能な小物入れの側面図であって、布製袋を形成する布製材料は、上方へ延び、袋の中に取り付けられた布製フードは、人形用サンシェードとなるように持ち上げられた状態にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小物入れと玩具に変形可能な装置であって、
上面が開口したバスケットと、
少なくとも一部がバスケットから上方へ延びるようにバスケットの少なくとも一部に取り付けられた布地であって、上方へ延びると小物入れとなり、バスケットの周りで外側かつ下方へ折り曲げられると人形用ベッドとなる布地と、
布地の開口端を閉じることができるように、布地に取り付けられた少なくとも1本の引き紐であって、布地又はバスケットの一方の上端部に取り付けられ、装置を持ち運ぶ手段となる引き紐と、
布地の内面に内側に取り付けられたフードであって、装置が小物入れになるときは凹んだ状態にあり、又は、装置が人形用ベッドになるときは凸状位置まで持ち上げられるフードと、
を具えている装置。
【請求項2】
人形用ベッドに変形可能な小物入れであって、
上面が開口した容器と、
容器内に取り付けられ、容器から上向きに延びて、小物入れ又は人形用ベッドとなる布地であって、十分に上向きに延びて小物入れとなるか、又は外向きに折り曲げられて人形用ベッドとなる布地と、
布地又は容器の一方の上端部に取り付けられ、小物入れを持ち運ぶ手段となるストラップと、
布地の内側に取り付けられ、布地が小物入れになるときは凹んだ状態におかれ、布地が人形用ベッドになるときは、持ち上げられて人形用サンシェードとなるフードと、
を具えている小物入れ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−528177(P2008−528177A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553107(P2007−553107)
【出願日】平成17年12月30日(2005.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/047489
【国際公開番号】WO2006/083456
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(507255710)
【氏名又は名称原語表記】HERZOG,Shelagh
【Fターム(参考)】