説明

少なくとも一方側に圧力除去用の切り込みを有する巻芯を備えるフィルタエレメント

巻芯(308)、溝付きのフィルタ媒体(110)のシート、圧力除去用の切り込み(300)、および接着剤を有するフィルタエレメント。巻芯は、互いに離間する一対の端部(130、132)を有するとともに、対向する一対の側部(134、136)の間を横方向に延在する。溝付きのフィルタ媒体(110)のシートは、巻芯(308)の側部(複数)に巻かれる。圧力除去用の切り込みは、巻芯の側部(134、136)の少なくとも一方に形成される。接着剤(126)は、圧力除去用の切り込み(300)に少なくとも部分的に受け入れられて、溝付きのフィルタ媒体(110)を巻芯(308)に固定する。圧力除去用の切り込みを有する巻芯を備えるフィルタエレメントを作成する方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状または気体状の流体の流れから粒子状の物体を取り除く流体用のフィルタに関し、エンジンやコンプレッサ等の機械類に供給される吸気の濾過に使用する種類のフィルタを含む。
【背景技術】
【0002】
フィルタエレメントの一般的に使用される一の形態において、フィルタエレメントは、フィルタエレメントの長手方向軸とその第1および第2の軸方向の端部とを画成し、フィルタエレメントは、中央コアと中央コアに巻かれた一巻の溝付き(ひだ付き)のフィルタ媒体とを有し、溝付きのフィルタ媒体の溝は実質的に長手方向に配向され、それによりフィルタエレメントを軸方向に通過する流体の流れの濾過を実現する。かかるフィルタエレメントは、通常、フィルタエレメントを洗浄または新しいフィルタエレメントと交換するために定期的に取り外しできるようにハウジングまたはダクト内に取り付けられる。ハウジングを通過する流体がフィルタエレメントを迂回できないように、通常、フィルタエレメントとハウジングとの間にはシールが設けられ、それにより確実にハウジングを通過する流体の全てが必ずフィルタエレメントの一方の軸方向の端部に入り、フィルタエレメントの反対側の軸方向の端部から出るように設けられている。
【0003】
可能であれば、上述の種類のフィルタエレメントは典型的には断面形状が真円の円柱状に形成され、フィルタ媒体が丸い中央コアに巻かれる。しかしながら用途によっては、フィルタエレメントを非円柱状に形成して特定の用途の空間的制約を充たす必要がある。例えば、いわゆる「競技用トラック形状」のエレメントでは、フィルタエレメントの断面形状は競技用のトラックの形状であり、一対の曲線形状(実施の形態によっては、両端が一対の直線部分により接合される半円形状)を有する。そのような競技用のトラック形のフィルタエレメント、および楕円や長方形等の非円形の断面形状を有するフィルタエレメントでは、例えば、一巻の溝付きのフィルタ材料が非円形の中央コアに巻かれる。かかる非円形の中央コアの断面は、実質的に長方形であってもよい。
【0004】
Gieseke等への米国特許第7,001,450B2号、米国特許第6,746,518B2号、および米国特許第6,547,857B2号に開示されるような競技用のトラック形のフィルタエレメントを提供する1つの従来のアプローチにおいて、溝付きのフィルタ媒体は長方形の中央板に巻かれる。中央板は波形の領域を有し、その波形の領域は、フィルタエレメントが巻かれる間、溝付きのフィルタ媒体を所定の位置に保持するために役立つとされる。
【0005】
従来技術において周知であり、Gieseke特許に述べられているように、溝付きのフィルタ媒体は、典型的には媒体を中央板から遠ざかるように半径方向の外側方向に曲げることができる固有の形状記憶を示す。円柱状の中央コアを有するフィルタエレメントにおいては、媒体の湾曲は、コアの上、または媒体の既に巻かれている層の上に媒体を引き下ろすために干渉することなく実際に役立つので、この固有の湾曲の記憶は通常は問題にならない。しかしながら、Gieseke特許に使用されている中央板等の競技用のトラック形のエレメントのコアに対しては、フィルタ媒体の外側に曲がる固有の特性は、媒体の最初の層と中央板との間の確実で緊密なシールの生成を困難にする恐れがある。
【0006】
Giesekeに拠れば、溝付きのフィルタ媒体は平坦面よりも中央板の波形に良好に噛み合い、係合するので、中央板の波形はこの問題を緩和する。しかしながら実際には、Giesekeの中央板の波形セクションは、巻き取り操作の間、コアの表面を横切る巻き取り張力に引っ張られる一方で遊動する媒体の遊動性と干渉することにより、流体媒体の最初の層と非円柱形のコアの外面との間に所望の嵌合を実現するのを一層困難にする恐れがある。さらに、かかるフィルタエレメントに典型的に用いられる種類の溝付きのフィルタ媒体は、寸法公差の精確な管理にそぐわない工程によって紙状の材料の層から作られ、現実的には溝付きのフィルタ媒体は中央板の波形に上手く嵌合しない可能性があり、それにより媒体の最初の層が中央板の表面から遠ざかるように外側に押し出されてしまう傾向をさらにもたらす結果に繋がる可能性がある。
【0007】
さらなる難点としては、Giesekeの波形部は所与の溝の外形に緊密に適合しければならず、それにより任意の中央板と異なる溝の間隔および形状の利用を困難とし、ひいては在庫および製造コストを押し上げかねないということができる。この種のフィルタエレメントは大抵使い捨てであるので、適当な周期で容易に交換することができる。しかし、エレメント交換のコストの増加に繋がるさらなる製作の複雑さおよびコストの追加は極めて好ましくなく、市場での優位な競争にとって著しい不利益となり得る。
【0008】
巻き付けられたフィルタエレメント内の中央コアは本質的にフィルタ完成品において動作をしない部分であるので、中央コアは、できるだけ少ない材料を使用して最小コストで製造でき、かつ廃棄または焼却も容易にできる形態で容易に製造され得る構造であることが望ましい。用途によっては、中央コアは可能な限り軽量に作られることも望ましい。Gieseke特許の中央板はこれらの要件を満たしていない。Giesekeの中央板は中央板の厚さを貫く複数の孔を有しているものの、Giesekeの中央板はかなりの余剰材料を含んでいる。この条件は波形セクションを有することによって悪化する。
【0009】
Giesekeの中央板は、フィルタエレメントを巻き付ける間、スピンドルで保持するための中央板の一端に設けられた切り欠きも開示している。Giesekeによる切り欠きの構成は、スピンドルからの巻き付けトルクが明らかに巻き軸の直近に隣接して位置する本質的に中央板の厚さで形成された切り欠きの側壁だけに加えられる、非効率的な駆動機構であるものということができる。かかる非効率的な駆動機構では、中央板を損傷せずに十分な巻き付けトルクを印加して、媒体を中央板の外面または既に巻かれている媒体層と密着するように引っ張るために十分な強さでフィルタ媒体内の張力を保つことは困難であろう。
【0010】
競技用のトラック形のフィルタエレメントを形成する別の従来のアプローチは、Krisko等の米国特許第7,008,467B2号および米国特許第6,966,940B2号に示されている。Kriskoは、穴が設けられていない非円柱形状の部材内において開口空間を画成する対面壁を有する、穴が設けられていない非円柱形状の競技用のトラック形状の壁部材によるコア構造を使用している。断面において、非円柱形状の部材は、全体として、湾曲壁によって両端が接合される平らな対面側壁を有する扁平な円柱形の管の外観を有していて、開口空間を取り囲んでいる。Kriskoのコア構造の非円柱形状の部材の対面壁と両端面には穴が設けられていない。Kriskoのコア構造は開口空間内に配置されるモールディング構造とプラグとをさらに有し、それらは強度を向上するとともに、開口空間を軸方向に閉鎖して流体が非円柱形状の部材の内部の開口空間を通過して漏れないことを確実にしている。
【0011】
Kriskoの中央コア構造は、上述のGiesekeの中央板よりもさらに複雑である。Kriskoのコア構造もまた相当量の余剰材料を含むものと見受けられ、かかるコア構造を製造するために、望ましくないほど高価かつ必要以上に重く設けられている。Kriskoのコア構造は、また、フィルタエレメントの交換の際に廃棄または焼却を要する相当量の余剰な材料をもたらすものである。
【0012】
従って、上述の問題の1つ以上を克服し、および/または改良により従来技術を超える有用性を提供することができるように、非円柱形状の中央コアに巻かれたフィルタ媒体を有する流体フィルタエレメントを製造する改良された方法および装置を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0013】
一態様では、巻芯、溝付きのフィルタ媒体のシート、圧力除去用の切り込み、および接着剤を有するフィルタエレメントが提供される。巻芯は、互いに離間する一対の端部を有するとともに、対向する一対の側部の間を横方向に延在する。溝付きのフィルタ媒体のシートは、巻芯の両側の側部の周囲に巻かれる。圧力除去用の切り込みは、巻芯の側部の少なくとも一方に形成される。接着剤は、少なくとも部分的に圧力除去用の切り込みの内部に受け入れられる。接着剤は、溝付きのフィルタ媒体を巻芯に固定する。
【0014】
別の態様では、フィルタエレメントを形成する方法が提供される。この方法は、溝付きのフィルタ媒体と巻芯とを互いに固定するステップと、巻芯と溝付きのフィルタ媒体との間に配設されたリザーバに接着剤を流し込むステップとを備える。この方法はまた、巻芯に溝付きのフィルタ媒体を巻き付けるステップと、リザーバの内部で接着剤を膨張させるステップとを備える。従って、接着剤は巻芯および溝付きのフィルタ媒体の双方と接し、フィルタエレメントを通過する漏れ経路の形成を防止する。
【0015】
さらに別の態様では、フィルタエレメントを形成する方法が提供される。この方法は、テープを使用して巻芯と溝付きのフィルタ媒体とを共にテープ留めするステップと、テープに沿って巻芯と溝付きのフィルタ媒体との間に縦方向に接着剤を塗布するステップとを備える。この方法はまた、巻芯、溝付きのフィルタ媒体、およびテープによって形成されたリザーバに接着剤を吐出するステップを備える。この方法は、溝付きのフィルタ媒体の溝を横断する方向で溝付きのフィルタ媒体を渡って接着剤を吐出するステップと、巻芯に溝付きのフィルタ媒体を巻き付けるステップとをさらに備える。この方法はまた、接着剤が巻芯、溝付きのフィルタ媒体、およびテープの一部と接するまで、リザーバの内部で接着剤を発泡させるステップを備える。
【0016】
本発明の他の態様、目的および利点は、添付図面を参照した、以下の詳細な説明からさらに明らかになるであろう。
【0017】
本明細書に組み入れられ、本明細書の一部分を形成する添付図面は、本発明の複数の態様を例示し、記述とともに、本発明の原理の説明に資する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、巻き付けフレームに巻き付けられた一巻の溝付きのフィルタ媒体を有する本発明に係るフィルタエレメントの例示的な実施の形態を示す斜視図である。
【0019】
【図2】図2は、図1に示す例示的な実施の形態のフィルタエレメントの巻き付けフレームの正面図を示す。
【図3】図3は、図1に示す例示的な実施の形態のフィルタエレメントの巻き付けフレームの平面図を示す。
【図4】図4は、図1に示す例示的な実施の形態のフィルタエレメントの巻き付けフレームの側面図を示す。
【図5】図5は、図1に示す例示的な実施の形態のフィルタエレメントの巻き付けフレームの正投影図(拡大平面図)を示す。
【0020】
【図6】図6は、図1の例示的な実施の形態のフィルタエレメントの巻き付けフレームが有する巻き付けフィーチャの例示的な実施の形態を示す斜視図である。
【0021】
【図7】図7は、本発明に係る巻き付けフレームが有する本発明に係る巻き付けフィーチャの代替の実施の形態を示す。
【図8】図8は、本発明に係る巻き付けフレームが有する本発明に係る巻き付けフィーチャの代替の実施の形態を示す。
【0022】
【図9】図9は、図1に示す例示的な実施の形態のフィルタエレメントの巻き付けフレームの前縁および後縁それぞれへの、溝付きのフィルタ媒体の前縁および後縁の取り付けを示す説明図である。
【図10】図10は、図1に示す例示的な実施の形態のフィルタエレメントの巻き付けフレームの前縁および後縁それぞれへの、溝付きのフィルタ媒体の前縁および後縁の取り付けを示す説明図である。
【図11】図11は、図1に示す例示的な実施の形態のフィルタエレメントの巻き付けフレームの前縁および後縁それぞれへの、溝付きのフィルタ媒体の前縁および後縁の取り付けを示す説明図である。
【0023】
【図12】図12は、図1に示す例示的な実施の形態のフィルタエレメントの詳細な製作方法を示す斜視図である。
【0024】
【図13】図13は、図1に示す例示的な実施の形態のフィルタエレメントの製作の過程における接着封止剤の液滴を塗布する方法を示す展開図である。
【0025】
【図14】図14は、図1に示す例示的な実施の形態のフィルタエレメントを製作する装置の代替の実施の形態を示す。
【0026】
【図15】図15は、図1に示すフィルタエレメントの製作に用いられる巻き付けフレームの一の実施の形態の正面図を示す。
【0027】
【図16】図16は、図15に示す巻き付けフレームを使用する図1に示すフィルタエレメントの製作方法の詳細を示す斜視図である。
【0028】
【図17】図17は、図15に示す巻き付けフレームの断面図を示す。
【0029】
【図18】図18は、図15に示す巻き付けフレームを使用する図1に示すフィルタエレメントの製作の過程における、巻き付けフレームを溝付きのフィルタ媒体にテープ留めするステップと、接着封止剤の液滴を塗布するステップとを示す展開図である。
【0030】
【図19】図19は、図15に示す巻き付けフレームを使用する図1に示すフィルタエレメントの製作の過程におけるステップを示し、巻き付けフレームは枢動されて溝付きのフィルタ媒体に重ねられている。
【0031】
本発明は、ある好ましい実施の形態と関連付けて説明されるが、それら実施の形態に限定する意図はない。反対に、意図するところは、全ての代替物、変形、および均等物を、特許請求の範囲に定義されているように本発明の精神と範囲の内に含まれるものとして、カバーすることである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、フィルタエレメント100の長手方向軸102および第1の軸方向の端部104並びに第2の軸方向の端部106を画成するフィルタエレメント100の形態における本発明の第1の例示的な実施の形態を示す。例示的な実施の形態のフィルタエレメント100は、巻き付けフレーム108と、巻き付けフレーム108に巻き付けられた一巻の溝付きのフィルタ媒体110とを有し、溝付きのフィルタ媒体110の溝はフィルタエレメント100の長手方向軸に対して実質的に長手方向に配向され、それによりフィルタエレメント100を軸方向に通過する流体の流れの濾過を提供している。
【0033】
図1から図8までに示すとともに以下により詳細に述べるように、フィルタエレメントの例示的な実施の形態100の巻き付けフレーム108は、滑らかで好適に形成された外周面を有する実質的に開口されたトラス状の構造により、フィルタエレメント100の製作中に、溝付きのフィルタ媒体110を効果的に引っ張って、溝付きのフィルタ媒体110に印加される巻き付け張力により巻き付けフレーム108の外周面に密着させる。巻き付けフレーム108は、一対の巻き付けフィーチャ112をも有し、巻き付けフィーチャ112は、巻き付けフレーム108の軸方向の対向する端部の両方から実質的に外側に延在し、巻き付けフレーム108に溝付きのフィルタ媒体110を巻き付ける際に、フィルタエレメントの長手方向軸102と実質的に平行に延在する巻き軸を中心にフレームを回転させるために巻き付けフレーム108に巻き付けトルクを印加できるように構成される。以下の詳細な説明で解るように、フィルタエレメント100の例示的な実施の形態の巻き付けフレーム108が有する巻き付けフィーチャ112は、巻き付けフレーム108の駆動体への取り付けおよびアライメント(整列)を容易にする方式で、駆動体からの巻き付けトルクを従来のフィルタエレメントの中央板とコアの構造によって達成可能であったものよりも効率的にかつ効果的に巻き付けフレーム108に伝達できるように巻き付け機の駆動体と連係するように構成される。
【0034】
図9から図14までに示すとともに以下により詳細に述べるように、一巻の溝付きのフィルタ媒体110の前縁114は、一片の固定テープ118により巻き付けフレーム108の前縁116に接合される。溝付きのフィルタ媒体110の前縁114は、溝付きのフィルタ媒体110の山120の上で切断されて溝付きのフィルタ媒体110の前縁114に向かって外側に開口する溝付きのフィルタ媒体110の半山122を形成する。半山122は接着封止剤124の液滴によって充填されて、フィルタエレメント100の第1の軸方向の端部104から第2の軸方向の端部106へ長手方向に半山122を通過して流体が漏れるのを防止する。溝付きのフィルタ媒体110は、下記でより詳細に述べる方法により塗布される接着封止剤126の追加された液滴により巻き付けフレーム108に対して、および溝付きのフィルタ媒体110の連続する層の間でさらに固定および封止(シーリング)される。
【0035】
当業者には理解されるであろうが、フィルタエレメントを製作するために本発明に係る巻き付けフレームを使用することにより、従来技術において使用する中央板の波形支持面または複雑なコア構造等の非生産的な方策によることなく、フィルタエレメントが効率的かつ効果的な方法で製作されるために、従来技術に対して絶大なる利点が提供される。
【0036】
本発明の実施にあたり、例えばBauerへの米国特許第3,025,963号に記載される従来の構造による溝付きのフィルタ媒体、例えば共に譲渡されたDriml等の米国特許出願第10/979,390号およびMerritt等の米国特許出願第10/979,453号に記載される種類の斬新な溝付きのフィルタ媒体、またはその他の任意の種類の適切な溝付きのフィルタ媒体を使用することができるものと考えられ、Bauerの上述の特許ならびにDrimlおよびMerrittの出願による開示および教示の全体を参照により本明細書に組み込む。
【0037】
図2から図4までに示すように、巻き付けフレーム108は、フィルタエレメント100の長手方向軸102と実質的に平行に延在するフレーム軸128を有する。巻き付けフレーム108は、フレーム軸128に沿って巻き付けフレーム108の対向する端部の両方に配設される、巻き付けフレーム108の互いに対向する第1の軸方向の端部130および第2の軸方向の端部132をさらに有する。巻き付けフレーム108は、巻き付けフレーム108の長さ「L」と幅「W」と厚さ「T」とをさらに有し、長さ「L」は巻き付けフレーム108の第1の軸方向の端部130と第2の軸方向の端部132との間で実質的にフレーム軸128に沿って延在し、幅「W」は実質的にフレーム軸128に直交して延在し、厚さ「T」はフレーム軸128および巻き付けフレーム108の幅「W」の双方と実質的に直交して延在する。
【0038】
フィルタエレメント100の例示的な実施の形態の巻き付けフレーム108は、長手方向に延在する第1の側部レール134および第2の側部レール136を有し、それらの側部レールは相互におよびフレーム軸128と横方向に離間された関係において、巻き付けフレーム108の幅「W」に亘ってフレーム軸128に対して横方向に延在する複数のクロスメンバー138〜142、143、144、146、148、150により接合される。図2に示すように、幾つかのクロスメンバー138、139、140、142、143は側部レール134並びに側部レール136およびフレーム軸128に対してほぼ直角方向に延在する。他のクロスメンバー144、146、148、150は、側部レール134並びに側部レール136およびフレーム軸128に対して角度を設けられた関係において第1の側部レール134と第2の側部レール136との間を横方向に延在する。
【0039】
図2についての考察から分かるように、側部レール134並びに側部レール136およびクロスメンバー138、139、140、142、143、144、146、148、150の配置は、一体に接合されてトラス状の構造を形成し、側部レール134と側部レール136との間に配設された巻き付けフレーム108の厚さ「T」を貫通する複数の開口領域152を画成する。巻き付けフレーム108のトラス状の構造は材料の非常に効率的かつ効果的な利用を提供し、そのことにより巻き付けフレーム108は、従来のフィルタエレメントの中央板またはコア構造よりも著しく軽量な構造を提供し、それによって製作コストを削減し、限りある天然資源のよりよい利用を提供する構造をもたらすとともに、従来のフィルタエレメントの中央板またはコア構造よりもリサイクルや焼却に適した構造をもたらす方法で製作される。
【0040】
図3および図5に示すように、フレームの厚さ「T」は、側部レール134と側部レール136との間で最大の断面の厚さを有し、各側部レール134および側部レール136においてそれよりも小さい厚さの断面に収束する実質的に楕円形の断面を有している。巻き付けフレーム108の断面は、側部レール134と側部レール136との間に配設される大半径部(大半径「R」部または対向中央部)156を有し、直線部158により側部レール134および側部レール136の長手方向に延在する外縁を形成する縁部(小半径「r」部)160に接合される実質的に滑らかな外周面154を有する。
【0041】
図9から図12までに示すように、巻き付けフレーム108の一方の縁部160は巻き付けフレーム108の前縁116を形成し、巻き付けフレーム108の他方の縁部160は巻き付けフレーム108の後縁117を形成する。固定テープ118によって巻き付けフレーム108に溝付きのフィルタ媒体110を接合する場合、溝付きのフィルタ媒体110の前縁114および巻き付けフレーム108の前縁116は、固定テープ118によって巻き付けフレーム108に溝付きのフィルタ媒体110を接合する前に、選定された間隔「d」で位置決めされ、特定の間隔「d」は、巻き付けフレーム108がフレーム軸128およびフィルタエレメント100の長手方向軸102と実質的に一致する巻き軸を中心として回転させられる際に、溝付きのフィルタ媒体110が巻き付けフレーム108の縁部160に巻かれることなく、溝付きのフィルタ媒体110の前縁114が巻き付けフレーム108の外周面154に接するように選定される。具体的には、図10に示すように、溝付きのフィルタ媒体110の前縁114と巻き付けフレーム108の前縁116との間の間隔「d」は、溝付きのフィルタ媒体110の前縁114が巻き付けフレーム108の直線部158または大半径部156に沿って巻き付けフレーム108の外周面154と接触できるように固定テープ118が巻き付けフレーム108の縁部160の周りに巻かれるように設けられるのが好ましい。この配置によって、溝付きのフィルタ媒体110の第1の層が貼り付けられる際に、溝付きのフィルタ媒体110が巻き付けフレーム108と密着するように引っ張られるとともに、巻き付け処理が継続される場合には、既に巻き付けられた溝付きのフィルタ媒体110の層に密着することを確実にするために、巻き付け動作中に比較的大きな巻き付け張力Fを溝付きのフィルタ媒体110に印加することができる方式で、溝付きのフィルタ媒体110の巻き付けフレーム108への確実な取り付けをおこなう固定テープ118によって、巻き付けフレーム108の前縁116付近で溝付きのフィルタ媒体110を曲げる必要性が除かれる。
【0042】
図12に示すように、本明細書で説明するフィルタエレメントの例示的な実施の形態では、溝付きのフィルタ媒体110はバッキングシート164に接合された多孔質のフィルタ材料によりなる波形シート162を有する。フィルタエレメントの第1の軸方向の端部104と巻き付けフレーム108の前縁116に隣接する一巻の溝付きのフィルタ媒体110の端部における波形シート162とバッキングシート164との間の隙間は、当技術分野で公知の方法で、図12において点線で示すように接着封止剤166の液滴によって充填される。
【0043】
図11から図13までに示すように、溝付きのフィルタ媒体110を巻き付けフレーム108に巻き付ける際に、接着封止剤126の第2の液滴は、フィルタエレメント100の第1の軸方向の端部104において接着封止剤166の液滴によって封止(シーリング)されない溝付きのフィルタ媒体110の溝がフィルタエレメント100の第2の軸方向の端部106に近接する接着封止剤126の第2の液滴によって封止(シーリング)されるように、フィルタエレメント100の第2の軸方向の端部106並びに巻き付けフレーム108の巻き付けフィーチャ112の付近に塗布される。当該技術の分野においては十分に理解されるように、この配置によって、フィルタエレメントの軸方向の端部104および軸方向の端部106のうちの1つに入る流体は、その反対側の軸方向の端部104および軸方向の端部106からフィルタエレメント100を出るために、必ず波形シート162の多孔質のフィルタ材料を、またはバッキングシートも多孔質のフィルタ材料で作られている場合にはバッキングシート164を通過して隣接する溝に入るように溝付きのフィルタ媒体110の隣接する溝同士はその対向する端部の両方で接着封止剤166および接着封止剤126の第1および第2の液滴によって塞がれる。こうして多孔質のフィルタ材料を通過する際に、粒状物質は流体から除去され、溝付きのフィルタ媒体110の内部に捕捉される。
【0044】
図2、図12および図13に示すように、巻き付けフレーム108の1つのクロスメンバー139は第2の軸方向の端部132から内側に離間し、巻き付けフレーム108に溝付きのフィルタ媒体110の最初の層が巻き付けられる際に、巻き付けフレーム108の最初の回転の間、接着封止剤の液滴126を塗布されるように構成される。図9および図13の展開図に示すように、接着封止剤の液滴126は塗布装置168により塗布される。
【0045】
図12から図14までに示すように、例示的な実施の形態100において、塗布装置168は、クロスメンバー139が第2の軸方向の端部132から離間される距離と実質的に等しい巻き付けフレーム108の第2の軸方向の端部132からの距離に最初は位置決めされる。塗布装置168は、図13に示す第1の軸位置170で、図13に示す巻き付けフレーム108の後縁117に近接したクロスメンバー139の上に接着封止剤の液滴126の吐出を開始する。次いで、塗布装置168は、接着封止剤126の液滴の吐出を続けながら、長手方向に巻き付けフレーム108を横切って溝付きのフィルタ媒体110に沿って、巻き付けフレーム108の幅「W」の実質的に2倍に等しい距離「2W」を移動する。このように、巻き付けフレーム108を、フレーム軸128を中心に回転させて、巻き付けフレーム108への溝付きのフィルタ媒体110の巻き付けを開始する際に、巻き付けフレーム108のクロスメンバー139の上側(図12から図14までに示すように)に沿って2倍の厚さの接着封止剤の液滴が塗布され、巻き付けフレーム108のクロスメンバー139の下側(図12から図14までに示すように)に沿って接着封止剤の単層の液滴が塗布される方式で、接着封止剤126の液滴は最初に巻き付けフレーム108のクロスメンバー139に亘って塗布される。
【0046】
図13に示すように、巻き付けフレーム108に少なくとも1回完全に溝付きのフィルタ媒体110を巻き付けた後に、塗布装置168は、接着封止剤126の液滴が溝付きのフィルタ媒体110の上を実質的に図13の展開図に示すパターンを描く方式で、第2の軸位置172に向かって軸方向に移動する。
【0047】
接着封止剤126の液滴を塗布するこのアプローチは、接着封止剤126の吐出が開始される瞬間から塗布装置168によって接着封止剤126の流れを制御することが難しいという事実の認識に基づいて使用されている。巻き付けフレーム108のクロスメンバー138に最初に塗布しようとするのではなく、最初にクロスメンバー139に接着封止剤126の液滴を塗布することにより、フィルタエレメント100の第2の軸方向の端部106において開口する溝に詮をすることできるような方法で、溝付きのフィルタ媒体110の層の間においてフィルタエレメントの第2の軸方向の端部106から接着封止剤126が搾り取られてしまうことがないことを確実にすることができるために、塗布装置168による接着封止剤126の流量の初期の不確実性をさらに考慮する必要はなくなる。しかしながら、接着封止剤126の第2の液滴をフィルタエレメント100の第2の軸方向の端部106にできる限り近くの第2の軸位置172にまず配置するものとして、流体がフィルタエレメントの一端から他端までを横切る際に、流体が溝の壁を通過する際に利用可能なフィルタエレメントの溝の長さを最大化することも望ましい。
【0048】
当業者には理解されるであろうが、本発明を実施するにあたり本発明の他の実施の形態において、本明細書で説明する構成および所望の結果と矛盾のない代替の技術並びに装置を用いて、接着封止剤126の液滴を塗布するものとしてもよい。例えば図9に示すように本発明の代替の実施の形態においては、塗布装置168は代替として、最初に、クロスメンバー139の上ではなく、固定テープ118の上で、巻き付けフレーム108の第2の軸方向の端部132から、クロスメンバー139が第2の軸方向の端部132から離間する距離と実質的に等しい距離に位置決めするものとしてもよい。次いで、塗布装置168は、図9に示すように、固定テープ118への接着封止剤126の液滴の吐出を開始し、巻き付けフレーム108がフレーム軸128を中心に回転する際にも、接着封止剤126の液滴の吐出を続けるものとしてもよい。このように設けることにより、巻き付けフレーム108がフレーム軸128を中心に回転されて巻き付けフレーム108に溝付きのフィルタ媒体110を巻き始める際に、クロスメンバー139は固定テープ118の上および/または溝付きのフィルタ媒体110の表面上に予め配設された接着封止剤126と接触するので、接着封止剤126は最初に巻き付けフレーム108のクロスメンバー139に亘って塗布される。例示的な実施の形態100に関連して上述されるように、塗布装置168の位置は、また、図13に示す方法と同様に、横方向および/または長手方向に移動されて、接着封止剤126の液滴の位置をフィルタエレメント100の第2の軸方向の端部106の近傍に移動するものとしてもよい。
【0049】
図11に示すように、溝付きのフィルタ媒体110が巻き付け張力Fの下で巻き付けフレーム108に巻かれる際に、溝付きのフィルタ媒体110が巻き付けフレーム108の後縁117において縁部(小半径部)160を密接に囲み本質的に把持するように、溝付きのフィルタ媒体110の第1の層の2つ以上の隣接する溝の山120が巻き付けフレーム108の外周面154に対してきつく引っ張られるように、巻き付けフレーム108の後縁117の外形を構成することが望ましい。これに関連して、第1の巻き付け層を貼り付けるに際して、溝付きのフルタ媒体110を巻き付けフレーム108の外周面154に密着して引き下ろせるように、溝付きのフィルタ媒体110の山120のピッチ間隔と適合する、巻き付けフレーム108の縁部160の特定の構成を有することが望ましい。
【0050】
当業者には理解されるであろうが、固定テープ118が巻き付けフレーム108の前縁116において溝付きのフィルタ媒体110の厚さに比べて非常に薄いという事実によって、巻き付けフレーム108の前縁116において溝付きのフィルタ媒体110が固定テープ118の上にさらに巻かれる際に、溝付きのフィルタ媒体110の第2の層は溝付きのフィルタ媒体110の第1の層の外面に対して非常に密接に整然と重なる。溝付きのフィルタ媒体110の先端114と巻き付けフレーム108の先端116との間の距離「d」における固定テープ118の表面上への接着封止剤126の供給を開始することにより、溝付きのフィルタ媒体110が巻き付けフレーム108の外周面154に巻かれ、きつく引っ張られる際に、最初に塗布装置168により吐出された接着封止剤126の幾分かの余剰量が、固定テープ118と溝付きのフィルタ媒体110の前縁114との間で滑らかに変化するように巻き付けフレーム108の前縁116を有する側部レール(側部レール134または側部レール136)に沿って長手方向に広がるということもさらに指摘することができる。
【0051】
また、当業者は、上述の配置によって、他の種類の中央板および/またはコア構造を有する従来のフィルタエレメントにおいて典型的に達成できるものよりも著しく密接な、とりわけフィルタエレメントを形成するために使用される溝付きのフィルタ媒体の溝に係合する波形または他の表面処理を含む変動領域を有する中央板によって達成できるものよりも密接な、溝付きのフィルタ媒体110と巻き付けフレーム108との間の嵌合をもたらす摺動動作において、溝付きのフィルタ媒体110は巻き付けフレーム108の滑らかな外周面154に沿って引っ張られてもよいということを認識するであろう。長手方向に配向された一片の固定テープ118とともに巻き付けフレーム108の前縁116に対する溝付きのフィルタ媒体110の前縁114の取付けの方法は、特に溝付きのフィルタ媒体110が本発明の実施により溝付きのフィルタ媒体110と巻き付けフレーム108との取付けが達成される巻き付けフレーム108の後縁117を密接に囲み把持する方法を組み合わせることにより、従来のフィルタエレメントにおいて達成されるよりも実質的に強固な取付けを提供し、それにより強い巻き付け張力Fが本発明に係るフィルタエレメントを形成するために利用でき、これにより本発明に係るフィルタエレメント100の製作をさらに容易にするということを認識するであろう。
【0052】
図2、図3および図6に最もよく示されるように、フィルタエレメント100の例示的な実施の形態の巻き付けフレーム108が有する巻き付けフィーチャ112は、巻き付けフレーム108の第1の軸方向の端部130および第2の軸方向の端部132をそれぞれ形成するクロスメンバー138およびクロスメンバー143から実質的に軸方向の外側に延伸する。巻き付けフレーム108の第1の軸方向の端部130および第2の軸方向の端部132における巻き付けフィーチャ112は、本質的に同等であるが反対の軸方向を向く。従って、巻き付けフレーム108の第2の軸方向の端部132における巻き付けフィーチャ112を特に説明するが、巻き付けフレーム108の第1の軸方向の端部130における巻き付けフィーチャ112は実質的に同等の構成であることは理解されるだろう。しかしながら、本発明の他の実施の形態では、巻き付けフレームの対向する端における巻き付けフィーチャが同等である必要はなく、巻き付けフレームの一方の軸方向の端部のみに巻き付けフィーチャを設けてもよいということが指摘されるであろう。
【0053】
巻き付けフレーム108の第2の軸方向の端部132における巻き付けフィーチャ112は、図2から図4まで、および図6に示すように、組み合わされて巻き付けフレーム108の幅「W」に沿って実質的に延在する一対のガイド面178およびガイド面180を形成する複数の突起176により形成されて、駆動体184を介して巻き付けフレーム108に駆動トルクを印加するために、図3および図12において矢印「M」で示すようにフレーム軸128および巻き付けフレーム108の幅「W」に実質的に直角方向においてガイド面178およびガイド面180に作用する巻き付けモーメントを発生するように、ガイド面178およびガイド面180を巻き付け機(不図示)の一対の駆動体184の対応する駆動面181および駆動面182の上を摺動する。切り欠いた中央板を有する従来技術のフィルタにおけるように実質的にフレームの厚さに亘ってではなく、フレームの幅「W」に亘ってこのように巻き付けモーメント「M」を印加することにより、より高い巻き付けモーメントおよびその結果生じる巻き付けトルクを、巻き付けフレーム108に溝付きのフィルタ媒体110を巻き付けるために使用でき、それにより強い巻き付け張力Fが利用可能となってフィルタエレメント100の製作を容易にする。図3および図6に示すように、巻き付けフレーム108の例示的な実施の形態における巻き付けフィーチャ112の突起176の1つは、駆動体184を係合するストッパー186を構成し、それによりストッパー186が実質的に駆動体184に当接している場合にフレーム軸128を駆動軸185と実質的に一致して位置決めするよう構成される。
【0054】
当業者には理解されるであろうが、本発明に係る巻き付けフィーチャ112は、本発明の適用範囲内でフィルタエレメント100の例示的な実施の形態に関連して上述した以外の種々の形態を採ることができる。例えば、2つの代替の実施の形態を示す図7および図8に示すように、より少ないか、または多い突起を用いて巻き付けフィーチャを形成してもよい。本発明に係る巻き付け要素、および本発明に係る巻き付け要素を形成および/または使用する方法をフィルタエレメント100の例示的な実施の形態に関連して本明細書で説明されるフレーム状のコア108以外のコアの構造にも使用できることもまた当然のことである。
【0055】
図1から図6までに示す例示的な実施の形態のために選択された巻き付けフィーチャ112の具体的な実施の形態は、巻き付けフレーム108の幅「W」に亘って延在し、巻き付けフレーム108が分割面188と一致するパーティングライン190を有するように巻き付けフレーム108の厚さ「T」を効果的に分割する分割面188を有する二分割モールド(不図示)により巻き付けフレーム108を成形できる利点をもたらすという理由で選択された。このようにして、図6に示す実施の形態は、二分割モールドのみを使用してより容易にモールド成形可能であり、図7および図8に示す実施の形態は、図7および図8に示す巻き付けフィーチャを形成するための追加(追加工)がなされたモールドを必要とする。
【0056】
図14に示すように、本発明のいくつかの実施の形態では、駆動体184を係合し、駆動軸185に対して巻き付けフレーム108を位置決めするために巻き付けフレーム108を横方向に摺動可能として移動させる必要がないように、巻き付けフィーチャ112の特定の構成に対応して駆動体184に切り込み191を内包させることが望ましいと考えられる。図14にさらに示すように、フィルタエレメント100の製作過程において、巻き付けフレーム108の上に溝付きのフィルタ媒体110を導入し易くするために、おそらく巻き付け回転軸アセンブリ(不図示)の一部として、フィルタエレメント100の各端にある種の回動自在なガイド200を設けることが望ましいと考えられる。
【0057】
フィルタエレメント100の例示的な実施の形態においては、溝付きのフィルタ媒体110はフィルタエレメント100の長手方向軸102の方向に横方向の幅を有し、該横方向の幅は巻き付けフレーム108の第1の軸方向の端部130および第2の軸方向の端部132を超えて延在し、巻き付けフィーチャ112の突起176の遠位端はフィルタエレメントの軸方向の端部104および軸方向の端部106において溝付きのフィルタ媒体110の横方向の縁と実質的に面一に配設することを指摘できるだろう。この配置によれば、有効な溝付きのフィルタ媒体110の容量はフィルタエレメント100の所与の軸長に対して最大化される。しかしながら、この配置では、完成したフィルタエレメント100を駆動体184から、溝付きのフィルタ媒体110を巻き付けフレーム108に巻き付ける前に巻き付けフレーム108が駆動体184上に摺動により装着された方向と逆方向に摺動して外すことはできない。従って、本発明を実施する方法に従って、巻き付けフレーム108に溝付きのフィルタ媒体110を巻き付けた後で、一方または双方の駆動体184を駆動軸185に沿ってフィルタエレメント100から離れるように軸方向に移動させることによりフィルタエレメント100は駆動体184から外されると考えられる。
【0058】
ここで図15を参照すると、図12に示す巻き付けフレーム108の代替の実施の形態が、巻き付けフレーム308として示される。本明細書で使用する用語「フレーム」は、巻き付けフレーム108および巻き付けフレーム308を指す場合に、巻芯、巻き付け板、巻き付け部材、巻き付け構造、コア構造、内部に空間を有するトラス、およびフィルタエレメント100を製作するために溝付きのフィルタ媒体110を巻き付けるのに適した他の構成要素を含むがこれに限定されない。巻き付けフレーム108と巻き付けフレーム308とは多くの場合に共通の構成要素および特性を持つので、同一の符号が、巻き付けフレーム308を示す図、すなわち図15から図19までに示す同一の特徴を指すのに用いられる。図12に示す巻き付けフレーム108のように、図15に示す巻き付けフレーム308もまた、図1に示すフィルタエレメント100に類似するフィルタエレメント100の形成に用いられる。しかしながら、以下でより詳しく説明するように、巻き付けフレーム308が複数の圧力除去用の切り込み300を有する一方で、巻き付けフレーム108はそれらを有しない。
【0059】
図15を参照すると、圧力除去用の切り込み300は通常、巻き付けフレーム308の側部レール134および側部レール136に形成される。図15および図16に示すように、圧力除去用の切り込み300は、巻き付けフレーム308の縁部(小半径部)160(別称、側部レールの遠位部分)から側部レール134および側部レール136の略内側に向かって延在する。圧力除去用の切り込み300はまた、巻き付けフレーム308の対向面400および対向面402を完全に貫通する。従って、圧力除去用の切り込み300は、一般に巻き付けフレーム308の残部から外方に開口し、巻き付けフレーム308の側部レール134および側部レール136にインデントまたはポケットを形成する外周面408を画成する。
【0060】
図15に示す実施の形態では、圧力除去用の切り込み300は対向面400、対向面402の一方から見ると湾曲した外形を有している。特に、図15の圧力除去用の切り込みの各々は、通常、巻き付けフレーム308を上方または下方から見た場合に半円を形成する。図15に示す実施の形態で説明するものに関わらず、圧力除去用の切り込み300は、以下でより詳しく説明するように、ある用量の接着封止剤126をその内部で受け取るのに適切な任意の形状を採るものとしてもよい。例えば、巻き付けフレーム308に設けられる圧力除去用の切り込み300は、正方形、長方形、楕円形等の一部を形成するものとしてもよい。また、圧力除去用の切り込み300は、不整形または非対称な形状を有するものとしてもよい。
【0061】
図15の実施の形態に示すように、圧力除去用の切り込み300は、巻き付けフレーム308を横切って互いに略整列し、対で配置される。一対の圧力除去用の切り込み300は、巻き付けフレーム308の上半分410に(図15に示すように)配設され、クロスメンバー139により離間される一方、圧力除去用の切り込みの別の対は、巻き付けフレーム308の下半分412に(図15に示すように)配設され、クロスメンバー142により離間される。巻き付けフレーム308の上半分410に設けられる圧力除去用の切り込み300は、それぞれ軸方向の端部132から等間隔で離間またはオフセットされる。同様に、巻き付けフレーム308の下半分412に設けられる圧力除去用の切り込み300は、それぞれ軸方向の端部130から等間隔で離間またはオフセットされる。従って、側部レール134に設けられる圧力除去用の切り込み300は、側部レール136に設けられる圧力除去用の切り込み300と同様に、巻き付けフレーム308の長さ「L」に沿って位置決めされる(図2に示す「L」を参照のこと)。
【0062】
図15に示す圧力除去用の切り込み300の特定の位置および配向に関わらず、圧力除去用の切り込みは、巻き付けフレーム308の長さ「L」に沿って、側部レール134および側部レール136の様々な位置に形成するものとしてもよい。圧力除去用の切り込み300は、対で巻き付けフレーム308に設けられる必要はなく、所望であれば、単一の圧力除去用の切り込み300または奇数の圧力除去用の切り込み300が、特定の用途において必要であるものとして巻き付けフレーム308に形成されるものとしてもよい。
【0063】
圧力除去用の切り込み300は、対向する側部レール134と側部レール136との間の方向に略延在する深さ404を有する。深さ404は必要に応じて変化するものとしてもよいが、圧力除去用の切り込み300の内部に接着封止剤126を適切に導くために十分であるべきである。図15に示す実施の形態では、圧力除去用の切り込み300の深さ404は、図17に示す圧力除去用の切り込み300に隣接する一対の対向面400と対向面402との間において測定される巻き付けフレーム308の厚み406の約半分である。特定の用途において必要であれば、圧力除去用の切り込み300を拡大できるように開口領域152を縮小してもよく、および/またはクロスメンバー139並びにクロスメンバー142をさらに厚く製作するものとしてもよい。例えば、巻き付けフレーム308が1つ以上の圧力除去用の切り込みを有する中実の巻き付け板となるように、巻き付けフレーム308の開口領域を全て取り除くものとしてもよい。
【0064】
図16および図18から図19までを参照すると、図1に示すものと類似のフィルタエレメント100を製造するために、溝付きのフィルタ媒体110が巻き付けフレーム308に固定されている。図16に示す実施の形態では、溝付きのフィルタ媒体110の前縁114は、ある長さ(別称、一片)の固定テープ118を使用して巻き付けフレーム308の前縁116に固定される。その後、塗布装置168は、溝付きのフィルタ媒体110と巻き付けフレーム308との間で固定テープ118に沿って、縦方向に適量の接着封止剤126を吐出する。一片の固定テープ118に隣接する巻き付けフレーム308の上半分410に設けられた圧力除去用の切り込み300に塗布装置168が達すると、塗布装置168は、圧力除去用の切り込み300、溝付きのフィルタ媒体110、および固定テープ118で形成されたリザーバ414に適量の接着封止剤126を流し込む。図示するように、接着封止剤126は通常、圧力除去用の切り込み300と溝付きのフィルタ媒体110との間および固定テープ118の上側に位置することとなる。
【0065】
塗布装置168がリザーバ414内に接着封止剤126を塗布した後、塗布装置168は、固定テープ118を横断する方向で、且つ固定テープ118に隣接する巻き付けフレーム308の上半分410に設けられた圧力除去用の切り込み300と整列するように、溝付きのフィルタ媒体110の上に接着封止剤126を塗布する。図16および図18で示すように、追加分の接着封止剤126は、溝および一片の固定テープ118を略横断する方向で、第2の軸位置172に達するまで溝付きのフィルタ媒体110に塗布される。図18に示す実施の形態では、溝付きのフィルタ媒体110を渡って延在する接着封止剤126の線の幅は、圧力除去用の切り込み300および/またはリザーバ414に位置する、あるいは集められた接着封止剤よりも細い。
【0066】
接着封止剤126が上記の方式で塗布された後、巻き付けフレーム308は駆動軸185(別称、巻き軸)の周りを回転する。駆動軸185は、巻き付けフレーム308を通過する長軸416および短軸418の双方に対して略直角を成す。長軸416は、短軸418よりも全長が長い。また、圧力除去用の切り込み300は、短軸418および巻き軸185に平行な面と交差し、長軸416に沿って巻き軸185から巻き付けフレーム308の延出部(すなわち、縁部(小半径部)160の先端)へとオフセットする。
【0067】
回転する際、巻き付けフレーム308は概ね前縁116を中心に枢動し、図18の位置から図19の位置へと移行する。これが生じると、固定テープ118は、巻き付けフレーム308の前縁116で折り返される。また、一片の固定テープ118で固定されていない側部レール136に設けられた切り込み300は、通常下降して、溝付きのフィルタ媒体110を渡って延在する接着封止剤126と整列する。図1に示すフィルタエレメント100を形成するために巻き付けフレーム308の周りに溝付きのフィルタ媒体110を巻き続けることによって、側部レール136に設けられた圧力除去用の切り込み300は、溝付きのフィルタ媒体110と共に接着封止剤126のための追加されたリザーバを最終的に形成する。
【0068】
図16、図18および図19に示す実施の形態では、接着封止剤126は、実質的にその全体にわたってガスポケットを有する発泡性の接着封止剤である。従って、接着封止剤126は塗布後に膨張する。接着封止剤126は、溝付きのフィルタ媒体110の上において、圧力除去用の切り込み300の内部において、リザーバ414(側部レール134に設けられた圧力除去用の切り込み300、固定テープ118、および溝付きのフィルタ媒体110で形成される)の内部において、および追加されたリザーバ(巻き付けフレーム308が半回転巻き付けられる、または回転する際に、側部レール136に設けられた圧力除去用の切り込み300および溝付きのフィルタ媒体110で形成される)の内部において拡がり、増大する。これらの領域、特に圧力除去用の切り込み300および複数のリザーバの内部において膨張することにより、接着封止剤126はフィルタエレメント100を通過する漏れ経路の形成を防止する。接着封止剤126は通常、発泡および膨張して、巻き付けフレーム308の外周面408、溝付きのフィルタ媒体110のコンボリュート・シート(屈曲シート)、および場合によっては固定テープ118に接することによって、上記の漏れ経路の形成を防止する。接着封止剤126は膨張するため、リザーバ414および追加されたリザーバに隣接および近接して塗布される接着封止剤126は、接着封止剤126が発泡および膨張し続ける状態で、それらの内部に注ぎ込まれる。
【0069】
巻き付けフレーム308が圧力除去用の切り込み300を有するために、巻き付けフレーム308に溝付きのフィルタ媒体110(図10に示す)を巻き付けるために用いられる力(F)は、フィルタエレメント100が製作される際に、巻き付けフレーム308の前縁116と溝付きのフィルタ媒体110のコンボリュート・シート(屈曲シート)(別称、インナー・ラップ)との間から接着封止剤126を望ましくない態様で移動させるか、または押し出してしまうことがない。実際に、溝付きのフィルタ媒体110は、図10に示すように巻き付けフレーム308に巻き付けられる際に、前縁116に沿って巻き付けフレーム308と係合し、また、圧力除去用の切り込み300により形成されたポケット全体に重なるので、圧力除去用の切り込み300の内部の接着封止剤126はフィルタエレメント100が製作される際に、通常、失われてしまうことがない。
【0070】
本明細書中で引用する公報、特許出願および特許を含むすべての文献は、各文献を個々に、具体的に示し、引用して組み込むかのように、また、その全体を本明細書に記載するかのように、引用して組み込まれる。
【0071】
本発明の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数および複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」および「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「〜を含むが限らない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明されるすべての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例または例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。
【0072】
本明細書中では、本発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読めば、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを予定している。従って本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正および均等物をすべて含む。さらに、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、すべての変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
【符号の説明】
【0073】
100 フィルタエレメント
102 長手方向軸(フィルタエレメント)
104 第1の軸方向の端部(フィルタエレメント)
106 第2の軸方向の端部(フィルタエレメント)
108 巻き付けフレーム
110 溝付きのフィルタ媒体
112 巻き付けフィーチャ(巻き付けフレーム)
114 前縁(溝付きのフィルタ媒体)
116 前縁(巻き付けフレーム)
117 後縁(巻き付けフレーム)
118 固定テープ
120 山(溝付きのフィルタ媒体)
122 半山(溝付きのフィルタ媒体)
124 接着封止剤
126 接着封止剤(第2の液滴)
128 フレーム軸(巻き付けフレーム)
130 第1の軸方向の端部(巻き付けフレーム)
132 第2の軸方向の端部(巻き付けフレーム)
134 第1の側部レール(巻き付けフレーム)
136 第2の側部レール(巻き付けフレーム)
138 クロスメンバー(巻き付けフレーム)
139 クロスメンバー(巻き付けフレーム)
140 クロスメンバー(巻き付けフレーム)
142 クロスメンバー(巻き付けフレーム)
143 クロスメンバー(巻き付けフレーム)
144 クロスメンバー(巻き付けフレーム)
146 クロスメンバー(巻き付けフレーム)
148 クロスメンバー(巻き付けフレーム)
150 クロスメンバー(巻き付けフレーム)
152 開口領域(巻き付けフレーム)
154 外周面(巻き付けフレーム)
156 大半径部(大半径「R」部/対向中央部)(巻き付けフレーム)
158 直線部(巻き付けフレーム)
160 縁部(小半径部/側部レールの遠位部分)(巻き付けフレーム)
162 波形シート(屈曲シート)(インナー・ラップ)(溝付きのフィルタ媒体)
164 バッキングシート(溝付きのフィルタ媒体)
166 接着封止剤(第1の液滴)
168 塗布装置
170 第1の軸位置(接着封止剤の塗布位置)
172 第2の軸位置(接着封止剤の塗布位置)
176 突起(巻き付けフィーチャ)
178 ガイド面(巻き付けフィーチャ)
180 ガイド面(巻き付けフィーチャ)
181 駆動面(巻き付け機)
182 駆動面(巻き付け機)
184 駆動体(巻き付け機)
185 駆動軸(巻き軸)(巻き付け機)
186 ストッパー(巻き付けフィーチャ)
188 分割面(巻き付けフレーム)
190 パーティングライン(巻き付けフレーム)
191 切り込み(駆動体/巻き付け機)
200 (回転)ガイド(巻き付け機)
300 圧力除去用の切り込み
308 巻き付けフレーム
400 対向面(巻き付けフレーム)
402 対向面(巻き付けフレーム)
404 深さ(圧力除去用の切り込み)
406 厚み(巻き付けフレーム)
408 外周面(巻き付けフレーム)
410 上半分(巻き付けフレーム)
412 下半分(巻き付けフレーム)
414 リザーバ
416 長軸(巻き付けフレーム)
418 短軸(巻き付けフレーム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタエレメントであって:
互いに離間する一対の端部を有するとともに、対向する一対の側部の間を横方向に延在する巻芯と;
前記巻芯の前記側部に巻かれる溝付きのフィルタ媒体のシートと;
前記巻芯の前記側部の少なくとも一方に形成される圧力除去用の切り込みと;
前記圧力除去用の切り込みの内部に少なくとも部分的に受け入れられる接着剤であって、前記溝付きのフィルタ媒体を前記巻芯に固定する前記接着剤とを備える;
フィルタエレメント。
【請求項2】
前記巻芯は、前記対向する端部と前記対向する側部との間に画成される一対の対向面を有し、前記圧力除去用の切り込みは前記一対の対向面の両方を完全に貫通し、前記巻芯の前記側部の少なくとも一方に及ぶように構成された、請求項1のフィルタエレメント。
【請求項3】
前記溝付きのフィルタ媒体は、屈曲シートに固定される面シートを備え、前記屈曲シートは複数の入口溝および出口溝を形成する山と谷とを有し、前記圧力除去用の切り込みは、略前記対向する一対の側部相互の間の方向において深さを有し、前記深さは前記圧力除去用の切り込みに隣接する前記一対の対向面相互の間において測定される前記巻芯の厚さの略半分の値となるように構成された、請求項2のフィルタエレメント。
【請求項4】
前記巻芯は、前記対向する端部と前記対向する側部との間で画成される一対の対向面を有し、前記溝付きのフィルタ媒体は屈曲シートに固定される面シートを有し、前記屈曲シートは複数の入口溝および出口溝を形成する山と谷とを有し、一連の前記接着剤は前記屈曲シートを渡って塗布されて前記圧力除去用の切り込みと整列し、前記接着剤の厚肉領域は前記一連の接着剤において前記圧力除去用の切り込みの内部に位置するように構成された、請求項1のフィルタエレメント。
【請求項5】
前記接着剤は、実質的にその全体にわたってガスポケットを有する膨張、発泡性の接着剤であり、前記膨張、発泡性の接着剤は実質的に前記圧力除去用の切り込みを充填し、膨張して前記屈曲シートを接着封止するように構成された、請求項4のフィルタエレメント。
【請求項6】
前記巻芯は、前記対向する端部および前記対向する側部の間に画成される一対の対向面と、前記対向する端部を貫通する巻き軸とを有し、前記溝付きのフィルタ媒体は前記巻き軸にコイル状に巻き付けられ、前記対向する一対の側部は長軸により離間し、前記一対の対向面は前記長軸に対して横断する短軸により離間し、前記長軸は前記短軸よりも全長が長く、前記圧力除去用の切り込みは前記短軸および巻き軸と平行な面と交差し、前記長軸に沿って前記巻き軸から前記巻芯の延出部へとオフセットするように構成された、請求項1のフィルタエレメント。
【請求項7】
前記圧力除去用の切り込みの内部へ少なくとも部分的に受け入れられる前記接着剤は、前記圧力除去用の切り込みの外周面と、前記溝付きのフィルタ媒体の屈曲シートと、前記巻芯を前記溝付きのフィルタ媒体の端部に固定するテープとに固定されるように構成された、請求項1のフィルタエレメント。
【請求項8】
前記少なくとも1つの側部に対向する側部は追加された圧力除去用の切り込みを有し、前記追加された圧力除去用の切り込みは、前記圧力除去用の切り込みと前記追加された圧力除去用の切り込みが前記一対の対向する側部において互いに略整列するように、前記圧力除去用の切り込みと同一の距離で前記一対の端部の間に配設されるように構成された、請求項1のフィルタエレメント。
【請求項9】
前記圧力除去用の切り込みと前記追加された圧力除去用の切り込みは、前記巻芯の横断するクロスメンバーにより離間され、前記横断するクロスメンバーは前記一対の対向する側部を略横断して配設され、前記一対の対向する側部および前記一対の対向する端部に対して所定の角度で配向された角度が設けられたクロスメンバーにより支持されるように構成された、請求項8のフィルタエレメント。
【請求項10】
前記一対の対向する側部の各々は、さらなる圧力除去用の切り込みを有し、前記さらなる圧力除去用の切り込みの各々は、前記さらなる圧力除去用の切り込みが前記一対の対向する側部において互いに略整列するとともに、前記圧力除去用の切り込みおよび前記追加された圧力除去用の切り込みからそれぞれ等間隔で離間されるように、前記同一の距離で前記一対の対向する端部の間に配設されるように構成された、請求項8のフィルタエレメント。
【請求項11】
前記一対の対向する端部の少なくとも一方は、前記巻芯の前記巻き軸周りの駆動を許容するように配向される複数の駆動用の突起を有する、請求項10のフィルタエレメント。
【請求項12】
前記巻芯に形成される前記圧力除去用の切り込み、前記追加された圧力除去用の切り込み、および前記さらなる圧力除去用の切り込みは、前記巻芯を前記一対の対向面の一方から見た場合にそれぞれ湾曲した外形を有するように構成された、請求項10のフィルタエレメント。
【請求項13】
前記圧力除去用の切り込み、前記巻芯、および前記巻芯を前記溝付きのフィルタ媒体に固定するテープは、合同して前記接着剤用のリザーバを形成するように構成された、請求項1のフィルタエレメント。
【請求項14】
前記巻芯は、前記巻芯を形成する複数のクロスメンバーにより画成される複数の開口領域を有し、前記複数のクロスメンバーの幾つかは、前記対向する側部および前記対向する端部に対して斜めに配向し、前記複数のクロスメンバーの他の幾つかは、前記対向する端部と略平行に配向し、前記対向する側部を横切るように配向するように構成された、請求項1のフィルタエレメント。
【請求項15】
前記巻芯は、前記一対の対向する側部の各々から見た場合に、非長方形の外形を有するように構成された、請求項14のフィルタエレメント。
【請求項16】
フィルタエレメントを形成する方法であって:
溝付きのフィルタ媒体と巻芯とを互いに固定するステップと;
前記巻芯と前記溝付きの媒体との間に配設されたリザーバに接着剤を流し込むステップと;
前記巻芯に前記溝付きのフィルタ媒体を巻き付けるステップと;
前記接着剤が前記巻芯および前記溝付きのフィルタ媒体の双方と接し、前記フィルタエレメントを通過する漏れ経路の形成を防止するように前記接着剤を前記リザーバの内部で膨張させるステップとを備える;
方法。
【請求項17】
前記固定するステップは、前記溝付きのフィルタ媒体および前記巻芯を互いに一片のテープによってテープ留めするステップにより構成され、前記流し込むステップの前に、前記テープに添って縦方向に、および前記巻芯と前記溝付きのフィルタ媒体との間に前記接着剤を塗布するステップをさらに備える、請求項16の方法。
【請求項18】
前記巻芯の圧力除去用の切り込みの上に配設された前記テープの一部の上に前記接着剤を吐出するステップと、前記溝付きのフィルタ媒体、前記圧力除去用の切り込み、および前記テープによって合同してリザーバを形成するステップとをさらに備える、請求項17の方法。
【請求項19】
前記一片のテープを横切る方向で、前記リザーバからおよび前記リザーバを越えて前記溝付きのフィルタ媒体を渡って前記接着剤を吐出するステップをさらに備える、請求項18の方法。
【請求項20】
前記溝付きのフィルタを渡って塗布される前記接着剤が、前記巻芯の対向する側部および前記溝付きのフィルタ媒体により形成された、追加されたリザーバの内部に受け入れられるように前記巻芯を巻き付けるステップをさらに備え、前記追加されたリザーバの内部の前記接着剤は、膨張して、前記接着剤が前記巻芯および前記溝付きのフィルタ媒体の双方と接し、前記フィルタエレメントを通過する漏れ経路の形成を防止するように構成された、請求項19の方法。
【請求項21】
フィルタエレメントを形成する方法であって:
テープを使用して巻芯および溝付きのフィルタ媒体を共にテープ留めするステップと;
前記テープに沿って前記巻芯と前記溝付きのフィルタ媒体との間に縦方向に接着剤を塗布するステップと;
前記巻芯、前記溝付きの媒体、および前記テープにより形成されたリザーバに前記接着剤を吐出するステップと;
前記溝付きのフィルタ媒体の溝を横断する方向で、前記溝付きのフィルタ媒体を渡って接着剤を吐出するステップと;
前記巻芯に前記溝付きのフィルタ媒体を巻き付けるステップと;
前記接着剤が前記巻芯、前記溝付きの媒体、および前記テープの一部と接するまで、前記リザーバの内部で前記接着剤を発泡させるステップとを備える;
方法。
【請求項22】
前記発泡させるステップの間に、前記接着剤を前記リザーバに注ぎ込むステップをさらに備える、請求項21の方法。
【請求項23】
前記接着剤が前記巻芯および前記溝付きの媒体と接するまで、前記リザーバの前記巻芯の対向する側部に設けられた追加されたリザーバの内部で前記接着剤を発泡させるステップをさらに備える、請求項21の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2011−502751(P2011−502751A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532151(P2010−532151)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/080914
【国際公開番号】WO2009/058652
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(593020201)ボールドウィン・フィルターズ・インコーポレーテッド (26)
【氏名又は名称原語表記】Baldwin Filters Inc
【住所又は居所原語表記】4400 East Highway 30, P.O. Box 6010, Kearney, Nebraska 68848−6010, United States of America
【Fターム(参考)】