説明

少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含むアミロイド沈着物を検出するためのinvivoまたはinvitro方法

アミロイド沈着物は、明細書本文中に記載した式(I)もしくは式(II)または構造1〜45で表わされる化合物を被験体に投与するかまたは試料に加え、その後アミロイド沈着物への該化合物の結合を検出するために画像化することによって検出することが可能であり、この際、該沈着物のアミロイド形成タンパク質は、AL、AH、ATTR、Aβ2M、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、AFib、ACys、ABri、ADan、APrP、ACal、AIAPP、AANF、APro、AIns、AMed、AKer、A(tbn)、および/またはALacでありうる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
アミロイドーシスは、深刻な病的状態および死に至る可能性のある緩徐進行性の病気である。正常な機能を損なう程の量の、「アミロイド」と総称される種々の不溶性原線維タンパク質の1つまたは多くの臓器における細胞外組織沈着を特徴とするこの「アミロイドーシス」の範疇には、多様な疾患経過が含まれる。
【0002】
アミロイド沈着物は細胞外に存在し、身体により代謝または排除されることはない。アミロイドはデンプン様のヨード染色反応により肉眼で識別することが可能であり、それがアミロイドという名称の由来となっている。顕微鏡下では、アミロイドは、その細胞外分布により、コンゴーレッドで染色した際のその着色および光学特性により、ならびにそのタンパク質原線維構造により区別される。例えば、光学顕微鏡検査によると、アミロイドは、固定組織およびin vivoの両方においてコンゴーレッド染料に親和性を示す均質な高屈折性物質である。電子顕微鏡検査によると、アミロイドは100Å(10 nm)の線状非分岐原線維からなり、またX線回折によると、アミロイドはクロスベータパターンを持つ。
【0003】
アミロイドーシスに関連する疾患は、いずれもアミロイド沈着物の蓄積という特徴を示す。アミロイド沈着物は、異常な構造を持つかまたは血清中で異常に増加する前駆体タンパク質に由来する、1種以上のアミロイド形成タンパク質(amyloidogenic proteins)の存在を特徴とする。
【0004】
アミロイドの産生とその組織への沈着の原因は分かっていない。異なる生化学型のアミロイドーシスでは、それらの病因機序が違うことがある。例えば、続発性アミロイドーシスでは前駆体タンパク質(急性期反応物質:血清アミロイドA)の代謝に障害が認められる場合があるが、遺伝性アミロイドーシスでは遺伝的変異タンパク質が存在するらしい。原発性アミロイドーシスでは、骨髄細胞の単クローン集団により軽鎖断片または軽鎖全体が産生され、これが異常な形でプロセシングされてアミロイドとなる場合がある。
【0005】
3つの主要なタイプのアミロイドとあまり一般的ではない幾つかの形態のアミロイドが生化学的に定義されている。1つ目のタイプは免疫グロブリン軽鎖の可変領域の一部に相同的なN-末端配列を有するもので、ALと呼ばれており、原発性アミロイドーシスおよび多発性骨髄腫に関連するアミロイドーシスに見られる。2つ目のタイプは非免疫グロブリンタンパク質の特有のN-末端配列を有するもので、AA タンパク質と呼ばれており、続発性アミロイドーシス患者に見られる。3つ目のタイプは家族性アミロイド多発性神経障害に関連するものであり、通常は単一アミノ酸置換が生じたトランスサイレチン(プレアルブミン)分子である。他の遺伝性アミロイドは、一部の家系では変異ゲルゾリンからなり、他の数家系では変異アポリポタンパク質A-Iからなり、また遺伝性大脳動脈アミロイドの場合は他の変異タンパク質からなることが見出されている。慢性血液透析に関連するアミロイドでは、2-ミクログロブリンがアミロイドタンパク質を構成している。皮膚の老化および内分泌臓器に関連するアミロイドは、他の生化学的形態のアミロイドーシスを呈する場合がある。アルツハイマー病の組織病理学的病巣に見出されるアミロイドはタンパク質からなる。種々の形態のアミロイドーシスに関する化学分析により、さらに詳細な分類が行われている。AP(または血清AP)と呼ばれる特異なタンパク質であるペントラキシンは全ての形態のアミロイドと広く関連しているため、診断検査の基準とされている。
【0006】
現在は3つの主要な全身性臨床型が認識されている。アミロイドーシスは、関連疾患が存在しない場合は原発性または特発性(AL型)と分類され、感染性(結核、気管支拡張症、骨髄炎、ハンセン病)または炎症性(関節リウマチ、肉芽腫性回腸炎)の慢性疾患に関連している場合は続発性、後天性または反応性(AA型)と分類される。アミロイドは多発性骨髄腫(AL)、ホジキン病(AA)、他の腫瘍、および家族性地中海熱(AA)とも関係がある。アミロイドーシスは加齢に伴って生じる場合がある。3つ目の主要なタイプは、他の疾患とは関連のない家族性として発症し、多くは特徴的な神経障害、腎障害、および心臓病を伴う。
【0007】
原発性(AL)アミロイドーシスは、心臓、肺、皮膚、舌、甲状腺、および腸管を侵す場合がある。限局性アミロイド「腫瘍」は気道または他の部位に見出される場合がある。実質臓器(肝臓、脾臓、腎臓)および脈管系、特に心臓が侵されることが多い。
【0008】
続発性(AA)アミロイドーシスは、脾臓、肝臓、腎臓、副腎、およびリンパ節に好発する。とはいえ、発症を免れる臓器系は存在せず、脈管病変は広範囲に及ぶ可能性があるが、臨床的意義のある心臓病変は稀である。肝臓および脾臓は腫大し、硬く、ゴム状(rubbery)となることが多い。腎臓は通常腫大する。脾臓の割面には、正常なマルピーギ小体が淡色のアミロイドに取って代わられた大きな半透明の蝋様領域があり、これがサゴ脾の原因となっている。
【0009】
遺伝性アミロイドーシスは、末梢感覚および運動神経障害、しばしば自律神経障害、ならびに心血管および腎アミロイドを特徴とする。手根管症候群および硝子体異常が現れる場合がある。
【0010】
ある特定の悪性腫瘍(例えば、多発性骨髄腫)に関連するアミロイドは特発性(AL)アミロイドと同じ分布を示すが、他の悪性腫瘍(例えば、甲状腺髄様癌)に関連するアミロイドは腫瘍に合併して、または転移時に、局所的にしか生じない場合がある。アミロイドは成人発症型糖尿病を患う個体の膵臓によく見られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
アミロイドーシスはその特異な臨床症状および徴候から疑うことができるものの、確定診断は生検でしか行うことができない。現在のところは、腹部皮下脂肪パッドの吸引および直腸粘膜の生検が最良のスクリーニング検査である。他の有用な生検部位は、歯肉、皮膚、神経、腎臓、および肝臓である。組織切片は、コンゴーレッド染料で染色してからアミロイドの特徴的な緑色複屈折を偏光顕微鏡で観察する必要がある。アミロイドーシスの診断を確定するためのシンチグラフィー検査には、同位体で標識した血清APが使用されている。早期診断を行うことにより有効な治療を可能とするためには、よりよい診断方法を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の概要
本発明は、被験体において少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含む少なくとも1種のアミロイド沈着物を検出するためのin vivoまたはin vitro方法であって、以下のステップ:
(a) アミロイドーシスに関連する疾患を患っている被験体に、少なくとも1種の式I
【化1】

【0013】
[式中、
(i) ZはS、NR'、OまたはC(R')2であって、ZがC(R')2である場合、その複素環の互変異性型はインドール:
【化2】

【0014】
(式中、R'はHまたは低級アルキル基である)
を形成していてもよく、
(ii) Yは、NR1R2、OR2、またはSR2であり、
(iii) R1は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(iv) R2は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(v) R3は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vi) R4は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vii) R5は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(viii) R6は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(ix) R7は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(x) R8は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xi) R9は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xii) R10は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択されるか;
あるいは、R3〜R10のうちの1つは、キレート化金属基を含むかまたは含まないキレート基であってもよく、該キレート基はW-LまたはV-W-L(式中、Vは-COO-、-CO-、-CH2O-および-CH2NH-からなる群より選択され;Wは-(CH2)n(式中、n=0、1、2、3、4、もしくは5)であり、かつLは以下:
【化3】

【0015】
(式中、Mは、TcおよびReからなる群より選択される)
である)の形をとる]
の化合物またはその放射標識誘導体もしくは製薬上許容しうる塩であって、その置換基部分のうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含むものと製薬上許容しうる担体とを含む医薬組成物を検出可能な量で投与するステップ、ならびに
(b) 少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含むアミロイド沈着物への前記化合物の結合を検出するステップであって、該アミロイド形成タンパク質がAL、AH、ATTR、Aβ2M、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、AFib、ACys、ABri、ADan、APrP、ACal、AIAPP、AANF、APro、AIns、AMed、AKer、A(tbn)、およびALacからなる群より選択されるものである該ステップ
を含む上記方法に関する。
【0016】
本発明はさらに、少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質からなる少なくとも1種のアミロイド沈着物を検出するためのin vivo方法にも関する。該方法は、以下のステップ:
(a) アミロイドーシスに関連する疾患を患っている被験体に、先に定義した少なくとも1種の式Iの化合物および製薬上許容しうる担体を含む医薬組成物を検出可能な量で投与し、それによって少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含むアミロイド沈着物に該化合物を結合させるステップであって、該アミロイド形成タンパク質がAL、AH、ATTR、Aβ2M、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、AFib、ACys、ABri、ADan、APrP、ACal、AIAPP、AANF、APro、AIns、AMed、AKer、A(tbn)、およびALacからなる群より選択されるものである該ステップ;
(b) 前記被験体に放射線を照射し、前記化合物から発せられたイメージングデータを収集するステップ;ならびにその後の
(c) 前記イメージングデータを処理するステップ
を含む。
【0017】
さらに、本発明は、本明細書中に定義した式(I)の化合物の、アミロイドーシスに関連する疾患を患っている被験体において少なくとも1種のアミロイド沈着物を検出するための使用も包含する。これに関連して、本発明はさらに、式(I)化合物の、かかる被験体における少なくとも1種のアミロイド沈着物の検出に使用するための薬物の調製における使用も包含する。
【0018】
ある実施形態では、アミロイド形成タンパク質は、免疫グロブリン軽鎖、免疫グロブリン重鎖、トランスサイレチン、β2-ミクログロブリン、(アポ)血清AA、アポリポタンパク質AI、アポリポタンパク質AII、ゲルゾリン、リゾチーム、フィブリノーゲンα鎖、シスタチンC、ABriPP、ADanPP、プリオンタンパク質、(プロ)カルシトニン、膵島アミロイドタンパク質(islet amyloid polypeptide)、心房性ナトリウム利尿因子、プロラクチン、インスリン、ラクトアドヘリン(lactadherin)、ケラト-エピセリン(kerato-epithelin)、ピンドボルグ腫瘍関連前駆体タンパク質(tbn)およびラクトフェリンからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質前駆体に由来する。
【0019】
ある実施形態では、患者集団には、全身性アミロイドーシスに関連する疾患を患っている被験体が包含される。
【0020】
別の実施形態では、患者集団には、脳アミロイド血管症を患っている被験体が包含される。
【0021】
別の実施形態では、少なくとも1種のアミロイド沈着物は、被験体の中胚葉組織に存在する。この実施形態の1態様では、該組織は、末梢神経、皮膚、舌、関節、心臓または肝臓からなる群より選択される。
【0022】
さらなる実施形態では、アミロイド沈着物は実質臓器に存在する。この実施形態の1態様では、該臓器は、脾臓、腎臓、肝臓、および副腎からなる群より選択される。
【0023】
さらに別の実施形態では、全身性アミロイドーシスに関連する疾患は、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、リンパ腫、慢性炎症性疾患、関節リウマチ、感染症、皮膚筋炎、強皮症、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、結核、慢性骨髄炎、気管支拡張症、皮膚膿瘍、肺膿瘍、癌、ホジキン病、遺伝性家族性アミロイドーシス、家族性地中海熱、家族性認知症および家族性アミロイド多発性神経障害からなる群より選択される。この実施形態の1態様では、皮膚膿瘍または肺膿瘍は、ヘロインの皮下使用(subcutaneous heroin use)に起因するものである。
【0024】
本発明の方法は、ガンマ線イメージング法、磁気共鳴映像法、および磁気共鳴分光法からなる群より選択されるアプローチを介して検出するステップを含む。この実施形態のある態様では、検出ステップは、PETまたはSPECTであるガンマ線イメージング法により行われる。
【0025】
さらに別の実施形態では、前記医薬組成物を静脈内注射により投与する。
【0026】
別の実施形態では、患者集団には、慢性腎不全のために血液透析を受けている被験体が包含される。別の実施形態では、被験体は、限局性アミロイドーシスに関連する疾患を患っている。この実施形態の1態様では、少なくとも1種のアミロイド沈着物は、腱鞘滑膜、関節、大動脈、甲状腺、ランゲルハンス島、老化下垂体、医療を施した部位(latrogenic)、心臓心房、および角膜からなる群より選択される組織に存在する。この実施形態の1態様では、少なくとも1種のアミロイド沈着物は膵臓に存在する。この実施形態の1態様では、限局性アミロイドーシスに関連する疾患は、原発性骨髄腫、家族性認知症、海綿脳疾患、c細胞甲状腺腫瘍、膵島細胞腫、プロラクチン産生下垂体腫瘍およびピンドボルグ腫瘍からなる群より選択される。
【0027】
幾つかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(II):
【化4】

【0028】
[式中、
R1は、水素、-OH、-NO2、-CN、-COOR、-OCH2OR、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6アルコキシまたはハロであり;
RはC1-C6アルキルであり;
R2は水素またはハロであり;
R3は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであり;そして
R4は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであって、該アルキル、アルケニルまたはアルキニルは、R2が水素または非放射性ハロである場合には放射性炭素を含むかまたは放射性ハロで置換されている;
ただし、R1が水素または-OHであり、R2が水素でありかつR4が-11CH3である場合には、R3はC2-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであるものとし;また
R1が水素であり、R2が水素でありかつR4が-(CH2)318Fである場合には、R3はC2-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであるものとする]
の化合物であって、その置換基部分のうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含むもの、または該化合物の放射標識誘導体、製薬上許容しうる塩、水和物、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む。
【0029】
さらに別の実施形態では、式(I)のアミロイドイメージング剤は、構造1〜45
【化5】

【0030】

【0031】

【0032】

【0033】
またはその放射標識誘導体からなる群より選択されるものであって、この化合物は少なくとも1つの検出可能な標識を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
詳細な説明
前述の通り、「アミロイドーシス」は、アミロイド沈着に関連する病態を言外に含む。かかる病態の実例は、アルツハイマー病、ダウン症候群、2型糖尿病、遺伝性脳出血アミロイドーシス(オランダ型)、アミロイドA(反応性)、続発性アミロイドーシス、MCI、家族性地中海熱、蕁麻疹および難聴を伴う家族性アミロイド腎症(マックル・ウェルズ症候群)、アミロイドλL鎖またはアミロイドκL鎖(特発性、骨髄腫またはマクログロブリン血症に伴う)、Aβ2M (慢性血液透析)、ATTR(家族性アミロイド多発性神経障害(ポルトガル型、日本、スウェーデン))、家族性アミロイド心筋症(デンマーク型)、限局性(isolated)心アミロイド、老人性全身アミロイドーシス、AIAPPまたはアミリン膵島細胞腫、心房性ナトリウム利尿因子(限局性心房性アミロイド)、プロカルシトニン(甲状腺髄様癌)、ゲルゾリン (家族性アミロイドーシス(フィンランド型))、シスタチンC(アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(アイスランド型))、AApo-A-I(家族性アミロイド多発性神経障害-アイオワ型)、AApo-A-II(マウスで老化促進)、フィブリノーゲン関連アミロイド、ならびにAsorまたはPr P-27(スクレイピー、クロイツフェルトヤコブ病、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群、ウシ海綿状脳症)である。同様に、アポリポタンパク質E4アレルがホモ接合型であるヒト、およびハンチントン病と臨床診断された患者におけるアミロイド症の検出も含まれる。本発明は、アミロイド斑の沈着に関連する疾患を包含する。本発明は主に、非脳組織中のアミロイド沈着物の検出に焦点を当てたものである。
【0035】
本発明によれば、in vivoまたはin vitro検出は、少なくとも1種のアミロイド沈着物(すなわち、少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質からなる沈着物)を有するかまたはその危険がある被験体に対して、以下:
(a) アミロイドーシスに関連する疾患を患っている被験体に、少なくとも1種の式:
【化6】

【0036】
[式中、
(i) ZはS、NR'、OまたはC(R')2であって、ZがC(R')2である場合、その複素環の互変異性型はインドール:
【化7】

【0037】
(式中、R'はHまたは低級アルキル基である)
を形成していてもよく、
(ii) Yは、NR1R2、OR2、またはSR2であり、
(iii) R1は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(iv) R2は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(v) R3は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vi) R4は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vii) R5は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(viii) R6は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(ix) R7は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(x) R8は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xi) R9は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xii) R10は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択されるか;
あるいは、R3〜R10のうちの1つは、W-LまたはV-W-L(式中、Vは-COO-、-CO-、-CH2O-および-CH2NH-からなる群より選択され;Wは-(CH2)n(式中、n=0、1、2、3、4、もしくは5)であり、かつLは以下:
【化8】

【0038】
(式中、Mは、TcおよびReからなる群より選択される)
である)の形のキレート基(キレート化金属基を含むかまたは含まない)であってもよい]
の化合物またはその放射標識誘導体もしくは製薬上許容しうる塩であって、その置換基部分のうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含むものを含む医薬組成物を検出可能な量で投与するステップ、ならびに
(b) 少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含むアミロイド沈着物への前記化合物の結合を検出するステップであって、該アミロイド形成タンパク質がAL、AH、ATTR、Aβ2M、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、AFib、ACys、ABri、ADan、APrP、ACal、AIAPP、AANF、APro、AIns、AMed、AKer、A(tbn)、およびALacからなる群より選択されるものである該ステップ
を必要とする方法を介して行われる。
【0039】
原発性全身性アミロイドーシス(AL)では、アミロイド形成タンパク質は、クローン性形質細胞によって産生された異常形態の(abnormally conformed)単クローン性免疫グロブリン軽鎖(kまたはλ)である。原線維は腎臓、心臓、肝臓、および他の臓器/組織に沈着する。
【0040】
少数の症例では、免疫グロブリン鎖アミロイドーシス原線維は、軽鎖配列ではなく重鎖配列のみを含有している。この場合、その疾患は「重鎖アミロイドーシス」(AH)と呼ばれる。
【0041】
トランスサイレチンアミロイドーシスでは、前駆体タンパク質は、正常または変異配列のTTR(肝臓および脈絡叢で合成される輸送タンパク質)である。TTRは、各々が127個のアミノ酸からなる4つの同一サブユニットで構成された四量体である。正常な配列のTTRは高齢者(>70歳)の心室にアミロイド沈着物を生じるため、この疾患は「老人性心アミロイドーシス」とも呼ばれている。TTR心アミロイドーシスの有病率は年齢と共に徐々に増加し、90歳を超える人口の25%以上が罹患している。正常な配列のATTRは偶発的剖検所見である可能性があるが、これが臨床症状(例えば、心不全および不整脈)を引き起こす可能性もある。
【0042】
TTRの点突然変異により、TTRがアミロイドとなる傾向が高まる。アミロイド形成的TTR突然変異は、様々な浸透度をもつ常染色体優性疾患として遺伝する。60種以上のアミロイド形成的TTR突然変異が知られている。最も多く見られるTTR突然変異は、TTR Val30Met(ポルトガル、日本、およびスウェーデン共通)、およびTTR Val122Ile(アフリカ系アメリカ人の3.9%が保有している)である。アミロイド形成的TTR突然変異により、主に末梢神経、心臓、胃腸管、および硝子体に沈着物が生じる。
【0043】
β2-ミクログロブリンアミロイドーシスでは、前駆体タンパク質は正常なβ-ミクログロブリン(β2M)であり、これは主要組織適合複合体の軽鎖成分である。臨床設定では、Aβ2Mは、透析患者、およびまれに、透析を受けていない腎不全患者に合併する。
【0044】
β2Mは、通常は腎臓で異化される。腎不全患者では、このタンパク質が血漿中に蓄積する。従来の透析膜ではβ2Mを除去できないため、その血中濃度は血液透析患者における参照範囲値の30〜60倍の高さに達することがある。侵される代表的な臓器としては、手根靱帯ならびに、場合によっては、滑膜(関節症および骨嚢胞を招く)および心臓、胃腸管、肝臓、肺、前立腺、副腎、および舌が挙げられる。
【0045】
アミロイドA(AA)アミロイドーシスは、世界で最も多く見られる全身性アミロイドーシスである。該アミロイドーシスは、感染性または非感染性の病因による慢性炎症性疾患の経過中に発症する。AAでは、腎臓、肝臓、および脾臓が主な病変部位である。
【0046】
アポリポタンパク質AIアミロイドーシス(AApoAI)は、apoAI遺伝子の点突然変異によって生じる常染色体優性アミロイドーシスである。通常、このアミロイドーシスは顕著な腎アミロイドである。一部の家系では末梢神経障害または心臓病が認められる。ApoAI(正常な配列と考えられる)もまた高齢者の大動脈内の限局性アミロイド斑の原線維前駆体である。
【0047】
アポリポタンパク質AIIアミロイドーシス(AApoAII)は、apoAII遺伝子の点突然変異によって生じる常染色体優性アミロイドーシスである。この障害に関して記載されている2家系はそれぞれが終止コドンの点突然変異を保有しており、該変異が異常に長いタンパクの産生をもたらしている。
【0048】
ゲルゾリンアミロイドーシス(AGel)の前駆体タンパク質は、アクチン調節タンパク質ゲルゾリンである。アミロイド原線維には、点突然変異を含むゲルゾリン断片が含まれる。
【0049】
フィブリノーゲンアミロイドーシス(AFib)は、フィブリノーゲンα鎖遺伝子の点突然変異によって生じる常染色体優性アミロイドーシスである。
【0050】
リゾチームアミロイドーシス(ALys)は、リゾチーム遺伝子の点突然変異によって生じる常染色体優性アミロイドーシスである。
【0051】
シスタチンCアミロイドーシス(ACys)の前駆体タンパク質はシスタチンCであり、これは点突然変異を含有するシステインプロテアーゼ阻害剤である。この病気は、臨床的にはHCHWAアイスランド型と呼ばれている。ACysは常染色体優性である。臨床像としては、20歳代または30歳代からみられる多発性脳卒中(multiple strokes)および精神状態の変化が挙げられる。病原は組織に広く分布している変異シスタチンの1種であるが、原線維は脳血管においてのみ形成されるため、局所条件が原線維の形成に関係していると考えられる。
【0052】
プリオンタンパク質アミロイドーシス(APrP)の前駆体タンパク質はプリオンタンパク質であり、これは細胞膜糖タンパク質である。病因は、感染性(すなわち、クールー)または遺伝的(すなわち、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー(GSS)症候群、致死性家族性不眠症(FFI))である。感染単位はプリオンタンパク質であり、これが宿主の染色体遺伝子によりコードされている相同タンパク質の立体構造変化を誘発する。CJD、GSS、およびFFIの患者はプリオンタンパク質遺伝子の常染色体優性アミロイド形成的突然変異を保有しているため、感染という誘因がなくてもアミロイドーシスを発症する。
【0053】
カルシトニンアミロイド(ACal)では、前駆体タンパク質はカルシトニン(甲状腺で合成されるカルシウム調節ホルモン)である。甲状腺髄様癌患者は、その腫瘍内に、正常な配列のプロカルシトニンからなるアミロイドの限局性沈着(ACal)を来す場合がある。考えられる病因は局所的なカルシトニン産生量の増加であり、このペプチドの局所濃度が十分に高くなることで重合および原線維形成が起きる。
【0054】
膵島アミロイドタンパク質アミロイドーシス(AIAPP)では、前駆体タンパク質はアミリンとしても知られる膵島アミロイドタンパク質(IAPP)である。IAPPは、インスリンと共に分泌顆粒に貯蔵されてインスリンと一緒に放出される、膵島β細胞から分泌されるタンパク質である。通常、IAPPは骨格筋におけるインスリン活性を調節している。IAPPアミロイドは膵島細胞腫および多くの2型糖尿病患者の膵臓に見られる。
【0055】
心房性ナトリウム利尿因子アミロイドーシスは、心臓心房で合成される前駆体タンパク質である心房性ナトリウム利尿因子(ANF)(塩分と水分のホメオスタシスを調節するホルモン)と関係がある。アミロイド沈着物は心臓心房に局在する。この病気は高齢者に非常に多く見られる。心房性ナトリウム利尿因子アミロイドーシス(AANF)は長期うっ血性心不全患者に最も多く見られるが、これは恐らく、ANFが持続的に産生されるためである。
【0056】
プロラクチンアミロイド(APro)では、プロラクチンまたはプロラクチン断片が下垂体アミロイド中に見出される。この病気は高齢者に認められることが多いが、プロラクチン産生下垂体腫瘍患者のアミロイドーマでも報告されている。
【0057】
皮膚のアミロイドは一部の抗ケラチン抗体と反応して限局型のアミロイドーシスを呈する。その原線維の正確な正体がケラチンアミロイドで化学的に確認されているわけではないが、それらはケラチンアミロイドタンパク質(AKer)と呼ばれている。
【0058】
大動脈内側(aortic medial)アミロイドは60歳を超える大半の人に生じる。メディン(Medin)アミロイド(AMed)は、乳腺上皮で発現される糖タンパク質であるラクトアドヘリンのタンパク質分解断片に由来する。
【0059】
家族性英国型認知症(Familial British dementia)(FBD)は、神経病理学的には、特有のアミロイド形成タンパク質ABriの沈着を特徴とする。これは前駆体タンパク質BRIの異常型の断片である。
【0060】
家族性デンマーク型認知症(Familial Danish dementia)(FDD)では、前記BRI遺伝子の3'領域にある265番目と266番目のコドンの間の10塩基の重複(decamer duplication)がもとで、正常なBRI遺伝子から産生される野生型ペプチドより11残基長いADanという名称のアミロイドペプチドが生じる。ADan沈着物はFDD患者のCNSに広く分布していることが分かっている。ADan沈着物は大部分が非原線維性の凝集物である。
【0061】
ABriおよびADanペプチドは、BRI前駆体タンパク質と呼ばれている、第13番染色体上のBRI遺伝子によりコードされているより大きな膜結合型前駆体タンパク質に由来する断片である。
【0062】
ピンドボルグ腫瘍は、大量のアミロイドの産生および石灰化したラメラ体の存在を特徴とする。この症候群に関連するアミロイドタンパク質にはまだ名前がないが、一般にはA(tbn)と呼ばれている。
【0063】
アミロイド原線維は、インスリンなどの幾つかの天然ポリペプチドから血清アミロイドP(SAP)成分およびヘパリン硫酸プロテオグリカンの非存在下で形成されることがある。これにより、インスリンの前駆体であるアミロイドタンパク質AInsが生じる。
【0064】
別のタンパク質であるラクトフェリンは、家族性角膜上皮下アミロイドーシスの主要な原線維タンパク質であることが報告されている。構造的異常または血中濃度の異常な上昇によりアミロイドタンパク質ALacが生じると推定される。
【0065】
前記アミロイド形成タンパク質は、本発明のチオフラビン化合物によって検出される。該チオフラビン化合物は、免疫グロブリン軽鎖、免疫グロブリン重鎖、トランスサイレチン、β2-ミクログロブリン、(アポ)血清AA、アポリポタンパク質AI、アポリポタンパク質AII、ゲルゾリン、リゾチーム、フィブリノーゲンα鎖、シスタチンC、ABriPP、ADanPP、プリオンタンパク質、(プロ)カルシトニン、膵島アミロイドタンパク質、心房性ナトリウム利尿因子、プロラクチン、インスリン、ラクトアドヘリン、ケラト-エピセリン、ピンドボルグ腫瘍関連前駆体タンパク質(tbn)およびラクトフェリンからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質前駆体に由来する少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を標的とする。罹患組織の種々の症候群または疾患の原因と考えられているのはこれらのタンパク質標的である。Buxbaum, Curr. Opin Rheumatol 16:67-75 (2003)を参照されたい。同様に、MerliniおよびWestermark, J Intern Med 255:159-178 (2004)も参照されたい。
【0066】
検出可能な標識としては、当業者に公知のイメージング技術を利用して検出しうる全ての原子または部分が挙げられる。典型的には、検出可能な標識は、3H、131I、125I、123I、76Br、75Br、18F、CH2-CH2-X、O-CH2-CH2-X、CH2-CH2-CH2-X、O-CH2-CH2-CH2-X(式中、X131I、123I、76Br、75Brまたは18F)、19F、125I、炭素含有置換基(低級アルキル、(CH2)nOR'、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、COOR'、CR'=CR'-RphおよびCR2'-CR2'-Rphからなる群より選択されるものであって、少なくとも1個の炭素は11C、13Cまたは14Cであるもの)、ならびにW-LまたはV-W-L(式中、Vは-COO-、-CO-、-CH2O-および-CH2NH-からなる群より選択され、Wは-(CH2)nであってn=0、1、2、3、4、もしくは5であり、かつLは以下:
【化9】

【0067】
[式中、M99mTcである]
である)の形のキレート基(キレート化金属基を含む)からなる群より選択される。
【0068】
好適な実施形態では、検出可能な標識は放射標識である。
【0069】
式(I)
【化10】

【0070】
[式中、
(i) ZはS、NR'、OまたはC(R')2であって、ZがC(R')2である場合、その複素環の互変異性型はインドール:
【化11】

【0071】
(式中、R'はHまたは低級アルキル基である)
を形成していてもよく、
(ii) Yは、NR1R2、OR2、またはSR2であり、
(iii) R1は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(iv) R2は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(v) R3は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vi) R4は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vii) R5は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(viii) R6は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(ix) R7は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(x) R8は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xi) R9は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xii) R10は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択されるか;
あるいは、R3〜R10のうちの1つは、キレート化金属基を含むかまたは含まないキレート基であってもよく、該キレート基はW-LまたはV-W-L(式中、Vは-COO-、-CO-、-CH2O-および-CH2NH-からなる群より選択され;Wは-(CH2)n(式中、n=0、1、2、3、4、もしくは5)であり、かつLは以下:
【化12】

【0072】
(式中、Mは、TcおよびReからなる群より選択される)
である)の形をとる]
の化合物またはその放射標識誘導体もしくは製薬上許容しうる塩であって、その置換基部分のうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含むものの、被験体において少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含む少なくとも1種のアミロイド沈着物を検出するためのin vivo方法であって、以下のステップ:
(a) アミロイドーシスに関連する疾患を患っている被験体に、少なくとも1種の式Iの化合物および製薬上許容しうる担体を含む医薬組成物を検出可能な量で投与するステップ、ならびに
(b) 少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含むアミロイド沈着物への前記化合物の結合を検出するステップであって、該アミロイド形成タンパク質がAL、AH、ATTR、Aβ2M、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、AFib、ACys、ABri、ADan、APrP、ACal、AIAPP、AANF、APro、AIns、AMed、AKer、A(tbn)、およびALacからなる群より選択されるものである該ステップ
を含む上記方法に使用する薬物の調製における使用。
【0073】
ある実施形態では、先に述べた式(I)の化合物の使用は、少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質が、免疫グロブリン軽鎖、免疫グロブリン重鎖、トランスサイレチン、β2-ミクログロブリン、(アポ)血清AA、アポリポタンパク質AI、アポリポタンパク質AII、ゲルゾリン、リゾチーム、フィブリノーゲンα-鎖、シスタチンC、ABriPP、ADanPP、プリオンタンパク質、(プロ)カルシトニン、膵島アミロイドタンパク質、心房性ナトリウム利尿因子、プロラクチン、インスリン、ラクトアドヘリン、ケラト-エピセリン、ピンドボルグ腫瘍関連前駆体タンパク質(tbn)およびラクトフェリンからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質前駆体に由来するものであるタンパク質の検出に利用される。
【0074】
ある実施形態では、アミロイドーシスを検出するためのin vivo方法用の薬物を調製するための式(I)の化合物の使用は、全身性アミロイドーシスに関連する疾患を患っている被験体を含む。好適な実施形態では、全身性アミロイドーシスに関連する疾患は、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、リンパ腫、慢性炎症性疾患、関節リウマチ、感染症、皮膚筋炎、強皮症、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、結核、慢性骨髄炎、気管支拡張症、皮膚膿瘍、肺膿瘍、癌、ホジキン病、遺伝性家族性アミロイドーシス、家族性地中海熱、家族性認知症および家族性アミロイド多発性神経障害からなる群より選択される。
【0075】
ある実施形態では、アミロイドーシスを検出するためのin vivo方法用の薬物を調製するための式(I)の化合物の使用は、被験体の中胚葉組織または実質臓器に存在する少なくとも1種のアミロイド沈着物を検出するステップを含む。好適な実施形態では、該中胚葉組織は、末梢神経、皮膚、舌、関節、心臓または肝臓からなる群より選択される。好適な実施形態では、該臓器は、脾臓、腎臓、肝臓および副腎からなる群より選択される。ある実施形態では、皮膚膿瘍または肺膿瘍はヘロインの皮下使用に起因するものである。
【0076】
アミロイドーシスのin vivo検出用の薬物を調製するための式(I)の化合物の使用を含む実施形態では、その検出ステップは、ガンマ線イメージング法、磁気共鳴映像法および磁気共鳴分光法からなる群より選択される方法によって達成される。好適な実施形態では、 該ガンマ線イメージング法はPETまたはSPECTである。
【0077】
アミロイドーシスのin vivo検出用の薬物を調製するための式(I)の化合物の使用を含む実施形態では、該薬物を静脈内注射により投与する。
【0078】
アミロイドーシスのin vivo検出用の薬物を調製するための式(I)の化合物の使用を含むある実施形態では、被験体は慢性腎不全のために血液透析を受けている。
【0079】
アミロイドーシスのin vivo検出用の薬物を調製するための式(I)の化合物の使用を含むある実施形態では、被験体は限局性アミロイドーシスに関連する疾患を患っている。好適な実施形態では、少なくとも1種のアミロイド沈着物は、腱鞘滑膜、関節、大動脈、甲状腺、ランゲルハンス島、老化下垂体、医療を施した部位、心臓心房、および角膜からなる群より選択される組織に存在する。ある実施形態では、少なくとも1種のアミロイド沈着物は膵臓に存在する。この実施形態では、限局性アミロイドーシスに関連する疾患は、原発性骨髄腫、家族性認知症、海綿脳疾患、c細胞甲状腺腫瘍、膵島細胞腫、プロラクチン産生下垂体腫瘍およびピンドボルグ腫瘍からなる群より選択される。
【0080】
ある実施形態では、in vivo検出方法用の薬物を調製するための式(I)の化合物の使用は、式(II):
【化13】

【0081】
[式中、
R1は、水素、-OH、-NO2、-CN、-COOR、-OCH2OR、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6アルコキシまたはハロであり;
RはC1-C6アルキルであり;
R2は水素またはハロであり;
R3は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであり;そして
R4は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであって、該アルキル、アルケニルまたはアルキニルは、R2が水素または非放射性ハロである場合には放射性炭素を含むかまたは放射性ハロで置換されている;
ただし、R1が水素または-OHであり、R2が水素でありかつR4が-11CH3である場合には、R3はC2-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであるものとし;また
R1が水素であり、R2が水素でありかつR4が-(CH2)318Fである場合には、R3はC2-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであるものとする]
の化合物であって、その置換基部分のうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含むもの、または該化合物の放射標識誘導体、製薬上許容しうる塩、水和物、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む。
【0082】
ある実施形態では、in vivo検出方法用の薬物を調製するための式(I)の化合物の使用は、構造1〜45:
【化14】

【0083】

【0084】

【0085】

【0086】
からなる群より選択される化合物またはその放射標識誘導体を含み、該化合物は少なくとも1つの検出可能な標識を含む。
【0087】
アミロイドプローブ
本発明のアミロイドプローブは、上記式(I)で表わされる全ての化合物である。幾つかの実施形態では、アミロイドプローブは、式(II)
【化15】

【0088】
[式中、
R1は、水素、-OH、-NO2、-CN、-COOR、-OCH2OR、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6アルコキシまたはハロであり;
RはC1-C6アルキルであり;
R2は水素またはハロであり;
R3は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであり;そして
R4は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであって、該アルキル、アルケニルまたはアルキニルは、R2が水素または非放射性ハロである場合には放射性炭素を含むかまたは放射性ハロで置換されている;
ただし、R1が水素または-OHであり、R2が水素でありかつR4が-11CH3である場合には、R3はC2-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであるものとし;また
R1が水素であり、R2が水素でありかつR4が-(CH2)318Fである場合には、R3はC2-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであるものとする]
の化合物であって、その置換基部分のうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含むもの、または該化合物(II)の放射標識誘導体、製薬上許容しうる塩、水和物、溶媒和物、もしくはプロドラッグである。
【0089】
ある実施形態では、式(II)の化合物中のR2は放射性ハロを含有する。
【0090】
「アルキル」は、直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基を指す。具体例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチルおよびn-ヘキシルが挙げられる。「低級アルキル」という用語はC1-C6アルキルを指す。
【0091】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖状または分岐鎖状の不飽和炭化水素基を指す。具体例としては、限定するものではないが、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、tert-ブテニル、n-ペンテニルおよびn-ヘキセニルが挙げられる。
【0092】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖状または分岐鎖状の不飽和炭化水素基を指す。具体例としては、限定するものではないが、エチニル、プロピニル、イソプロピニル、ブチニル、イソブチニル、tert-ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニルが挙げられる。
【0093】
「アルコキシ」は、酸素結合を介して結合しているアルキル基を指す。
【0094】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード基を指す。
【0095】
「放射性(radioactive)ハロ」は、放射性のあるハロ、すなわち、放射性フルオロ、放射性クロロ、放射性ブロモまたは放射性ヨードを指す。
【0096】
別の実施形態では、式(I)のチオフラビン化合物は、構造1〜45:
【化16】

【0097】

【0098】

【0099】

【0100】
のうちの1つの放射標識誘導体から選択される。
【0101】
好適な実施形態では、アミロイドプローブは、{N-メチル-11C)2-[4'-(メチルアミノ)フェニル]6-ヒドロキシベンゾチアゾール(「[11C]PIB」)または{N-メチル-3H}2-[4'-(メチルアミノ)フェニル]6-ヒドロキシベンゾチアゾール(「[3H]PIB」)である。
【0102】
「有効量」は、所望の効果をもたらすのに必要な量を指す。「有効量」の具体例としては、アミロイド沈着物(1種または複数種)のin vivoまたはin vitroでの検出および画像化を可能にする量、医薬用として許容しうる毒性レベルおよびバイオアベイラビリティレベルをもたらし、さらに/または原線維形成に伴う細胞変性および毒性を予防する量が挙げられる。
【0103】
本明細書中では「チオフラビン化合物」、「チオフラビン誘導体」、または「アミロイドプローブ」とも記す式(I)、(II)および構造1〜45の化合物は、次の特徴を備えている:AL、AH、ATTR、Aβ2M、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、AFib、ACys、ABri、ADan、APrP、ACal、AIAPP、AANF、APro、AIns、AMed、AKer、A(tbn)、およびALacからなる群より選択される少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含むアミロイド沈着物を特異的に結合する。
【0104】
本発明の化合物は、組織切片中のアミロイドを染色すること、および合成Aβにin vitroで結合することが知られているチオフラビンSおよびTの非第4級アミン誘導体である。Kelenyi J. Histochem. Cytochem. 15:172 (1967);Burnsら、J. Path. Bact. 94:337 (1967);Gunternら、Experientia 48:8 (1992);LeVine Meth. Enzymol 309:274 (1999)。
【0105】
本発明の方法により、患者の臓器または身体部位におけるアミロイド沈着物の存在および位置を確認する。本発明の方法は、式(I)または(II)および構造1〜45のアミロイドプローブを検出可能な量で投与することを含む。幾つかの実施形態では、アミロイドプローブは、上記構造1〜45から選ばれる。アミロイドプローブは、医薬組成物またはその製薬上許容しうる水溶性塩として患者に投与してもよい。
【0106】
「製薬上許容しうる塩」は、本発明の化合物の酸性塩または塩基塩であって、所望の薬理活性を持ち、かつ生物学的にも他の点でも望ましくないものではない塩を指す。例としてアセテート、アジペート、アルギネート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビスルフェートブチレート(bisulfate butyrate)、シトレート、カンファレート(camphorate)、カンファースルホネート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、フマレート、グルコヘプタノエート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヒドロクロリド ヒドロブロミド、ヒドロイオジド、2-ヒドロキシエタン-スルホネート、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、2-ナフタレンスルホネート、ニコチネート、オキサレート、チオシアネート、トシレートおよびウンデカノエートが挙げられるがこれらに限定されない塩は、酸を用いて形成させることができる。塩基塩の具体例としては、限定するものではないが、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩、有機塩基との塩、例えば、ジシクロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルカミン、ならびにアルギニンおよびリジンなどのアミノ酸との塩が挙げられる。幾つかの実施形態では、塩基性窒素含有基を、低級アルキルのハロゲン化物、例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;ジアルキルの硫酸塩、例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルの硫酸塩;長鎖ハロゲン化物、例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;ならびにアラルキルのハロゲン化物、例えば、フェネチルの臭化物を含む薬剤を用いて4級化することができる。
【0107】
一般に、検出しうる形で標識したチオフラビン誘導体の用量は、患者の年齢、健康状態、性別および疾患の程度、禁忌、あれば併用療法ならびに当分野の熟練医師によって調整される他の変数などの考慮事項によって変わる。該用量は、0.001μg/kg〜10μg/kg、好ましくは0.01μg/kg〜1.0μg/kgである。
【0108】
被験体への投与は局所的であっても全身的であってもよく、また静脈内、動脈内、クモ膜下(髄液を利用)などに行ってもよい。また、投与は、検査する身体部位によっては皮内または腔内に行ってもよい。前記化合物がアミロイドに結合するのに十分な時間が経過してから、例えば30分〜48時間後に、調査中の被験体の一部分をMRS/MRI、SPECT、プラナー・シンチレーション・イメージング法、PETなどの通常のイメージング技術、ならびに新たなイメージング技術によって調べる。厳密なプロトコルは、先に述べたような各患者に特有の要素に応じて、また検査する身体部位、投与方法および使用する標識の種類に応じて必然的に違ってくるが、具体的な手順の決定は当業者にとっては日常的なことである。臓器を画像化する場合、好ましくは、結合した本発明の放射性標識チオフラビン誘導体または類似体の量(全結合または特異的結合)を測定し、これを患者の臓器に結合した標識チオフラビン誘導体の量と(比率として)比較する。次に、この比率を、年齢をマッチさせた正常な臓器における該比率と比較する。
【0109】
放射標識アミロイドプローブは静脈内に注射する。PETスキャニングプロトコルには、放射性医薬品の注射後15〜60分で終了する標準的な全身スキャン(頭部から骨盤まで)または特定の身体部分(例えば、心臓、肺、肝臓、腎臓)のスキャンが含まれる可能性がある。このスキャニングプロトコルは、[F-18]2-フルオロ-2-デオキシグルコース(FDG)を用いて実施する全身または特定の身体部分のPET腫瘍スキャンに似ている可能性がある。つまり、アミロイド特異的な放射性医薬品を静脈内に注射し、時間を放射性トレーサーの全身分布、関心がある臓器(1箇所または複数箇所)への放射性トレーサーの集積、ならびにアミロイドが存在しない血液および他の臓器からのクリアランスに割り当ててから、全身または特定の身体部分に対して20〜40分間のスキャンを実施することにより、アミロイドに結合した放射性トレーサーを画像化する。また、スキャンした組織(1箇所または複数箇所)の生検標本をその後採取するために、イメージングスキャン(1回または複数回)を利用することもできる。
【0110】
本発明のアミロイドプローブは、注射用組成物という形で投与すると有利であるが、周知のドラッグデリバリーシステム(例えば、経口用のもの、直腸用のもの、非経口(静脈内、筋肉内、もしくは皮下)用のもの、嚢内用のもの、膣内用のもの、腹腔内用のもの、局所用のもの(散剤、軟膏剤もしくは点滴剤)、またはバッカル錠もしくはスプレー式点鼻薬であるもの)として製剤化してもよい。かかる目的に合う典型的な組成物は製薬上許容しうる担体を含む。例えば、該組成物は、NaClを含有するリン酸緩衝液1ミリリットル当たり約10 mgのヒト血清アルブミンおよび約0.5〜500ミリグラムの標識チオフラビン誘導体を含有していてもよい。他の製薬上許容しうる担体としては、例えば、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, 第15版 Easton:Mack Publishing Co. pp. 1405-1412 および1461-1487 (1975)ならびにTHE NATIONAL FORMULARY XIV., 第14版 Washington:American Pharmaceutical Association (1975)(これらの文献の内容は参照により本明細書中に含まれるものとする)に記載されている水溶液、非毒性賦形剤、例えば、塩、保存料、緩衝液などが挙げられる。
【0111】
特に好適な本発明のアミロイドプローブは、in vivoでアミロイドに特異的に結合し、さらに適当な用量レベルでは毒性を示さず、かつ効果の持続期間が十分に長いアミロイドプローブである。
【0112】
非水溶媒の具体例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。水性担体としては、水、アルコール溶液/水溶液、生理食塩水、非経口ビヒクル、例えば、塩化ナトリウム、リンゲルブドウ糖などが挙げられる。静脈内ビヒクルとしては、流体および栄養補液が挙げられる。保存料としては、抗菌剤、酸化防止剤、キレート剤および不活性ガスが挙げられる。前記医薬組成物の各種成分のpHおよび厳密な濃度は、当分野の通常の技術に従って調整される。GoodmanおよびGilmanのTHE PHARMACOLOGICAL BASIS FOR THERAPEUTICS (第7版)を参照されたい。
【0113】
本発明によれば、式(I)または式(II)または構造1〜45のうちの1つのアミロイドプローブを含む医薬組成物は、アミロイドまたはアミロイド沈着物が予測される被験体、例えば、アミロイド沈着に関連する疾患と臨床診断された患者に投与される。
【0114】
画像化
本発明では、in vivoおよびin vitroでアミロイドの沈着を定量化するために磁気共鳴分光法(MRS)もしくは映像法(MRI)などの非侵襲的イメージング技術、または陽電子放射断層撮影法(PET)もしくは単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)などのガンマ線イメージング法と併せて使用されるアミロイドプローブを用いる。
【0115】
「検出するためのin vivoまたはin vitro方法」という用語は、式(I)もしくは(II)または構造1〜45のうちの1つの標識チオフラビン誘導体の検出を可能にする全ての方法を指す。一例を挙げると、ガンマ線イメージング法の場合、検査する臓器または部位から放出された放射線を測定し、これを全結合として、またはある組織への全結合を同一in vivoイメージング手順における同一被験体の別の組織への全結合に標準化した(例えば、割った)比率として表わす。in vivo全結合は、同一量の標識化合物および標識されていないがそれ以外は化学的に同一の大過剰の化合物の2度目の注射による補正を必要とせずにイメージング技術により組織から検出された全てのシグナルと定義する。同様に、in vitro方法は、新鮮なまたは凍結した組織標本を取得するステップ、および該組織の切片または該組織のホモジネートを式(I)もしくは(II)または構造1〜45のうちの1つの放射性標識(radioactively labeled)チオフラビン誘導体と共にインキュベートするステップ、ならびにその後の、該組織切片を洗浄するかまたは該組織ホモジネートを濾過および洗浄することにより結合した放射標識と遊離の放射標識とを分離するステップを含みうる。結合放射能を標準的なオートラジオグラフィー技術により、または液体シンチレーションもしくはガンマ線計測により測定し、過剰な非標識チオフラビン誘導体を加えた同一組織から得られた対照と比較する。
【0116】
「被験体」は、哺乳動物、好ましくはヒト、最も好ましくはADおよび/または認知症などのアミロイド沈着に関連する疾患の疑いがあるヒトである。「被験体」および「患者」という用語は、本明細書中では同じ意味で使用する。
【0117】
in vivoおよびin vitroイメージングを目的とする場合、利用しうる検出装置の種類は所定の標識を選択する上で重要な要素である。例えば、放射性同位体および18Fは、本発明の方法におけるin vivoおよびin vitroイメージングに特に適している。使用する装置の種類は、放射性核種または安定同位体を選択する際の規準となる。例えば、選択する放射性核種は、所定の種類の装置によって検出できるタイプの崩壊を起こすものでなければならない。もう一つの考慮事項は、放射性核種の半減期に関するものである。半減期は、標的による最大取り込み時には依然として検出可能であるほど長いが、宿主が有害な放射線を受けないほど短くあるべきである。本発明の放射標識化合物は、適当な波長の放出されたガンマ線放射を検出するガンマ線イメージング法を利用して検出することができる。ガンマ線イメージングの方法としては、限定するものではないが、SPECTおよびPETが挙げられる。SPECT検出の場合、好ましくは、選択する放射標識は粒子放出(particulate emission)を起こさないが、140〜200 keVの範囲で大量の光子を発生する。PET検出の場合、放射標識は、対消滅して2本の511 keVのガンマ線を放出する18Fなどの陽電子放出核種であり、該ガンマ線をPETカメラにより検出する。
【0118】
本発明では、アミロイド沈着のin vivoおよびin vitroイメージングならびに定量化に有用なアミロイド結合化合物/プローブを患者に投与する。これらの化合物を、磁気共鳴分光法(MRS)または映像法(MRI)、陽電子放射断層撮影法(PET)、および単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)などの非侵襲的神経イメージング技術と併せて使用する。本発明に従い、チオフラビン誘導体を、当分野で公知の一般有機化学技術によりMRS/MRIのために18Fまたは13Cで標識してもよい。例えば、March, J. ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY:REACTIONS, MECHANISMS, AND STRUCTURE(第3版、1985)(この文献の内容は、参照により本明細書中に含めるものとする)を参照されたい。また、チオフラビン誘導体を、当分野で周知でありかつFowler, J.およびWolf, A.によりPOSITRON EMISSION TOMOGRAPHY AND AUTORADIOGRAPHY(Phelps, M., Mazziota, J., およびSchelbert, H.編)391-450 (Raven Press, NY 1986)(この文献の内容は参照により本明細書中に含めるものとする)に記載されている技術によってPETのために18F、11C、75Br、または76Brで放射標識してもよい。また、チオフラビン誘導体を、当分野で公知の幾つかの技術のうちのいずれかによりSPECTのために123Iで放射標識してもよい。例えば、Kulkarni, Int. J. Rad. Appl. & Inst. (Part B) 18:647 (1991)(この文献の内容は参照により本明細書中に含めるものとする)を参照されたい。さらに、チオフラビン誘導体を、ジアゾ化アミノ誘導体のヨウ素化によりヨウ化ジアゾニウムを使用して直接(Greenbaum, F. Am. J. Pharm. 108:17 (1936)を参照されたい)、または不安定なジアゾ化アミンを安定なトリアゼンに変換することにより、または非放射性ハロゲン化前駆体を安定なトリアルキルスズ誘導体(この誘導体は、その後当分野で周知の幾つかの方法によりヨウ素化合物へと変換することができる)に変換することにより、131I、125I、または123Iなどが挙げられるがこれらに限定されない適切な放射性ヨウ素同位体で標識してもよい。SatyamurthyおよびBarrio J. Org. Chem. 48:4394 (1983), Goodmanら、J. Org. Chem. 49:2322 (1984)、ならびにMathisら、J. Labell. Comp. and Radiopharm. 1994:905;Chumpraditら、J. Med. Chem. 34:877 (1991);Zhuangら、J. Med. Chem. 37:1406 (1994);Chumpraditら、J. Med. Chem. 37:4245 (1994)を参照されたい。例えば、チオフラビンの安定なトリアゼンもしくはトリアルキルスズ誘導体またはその類似体を、131I、125I、123I、76Br、75Br、18Fまたは19Fを含有するハロゲン化剤と反応させる。従って、チオフラビンの安定なトリアルキルスズ誘導体およびその類似体は、本発明の範囲内にある放射標識化合物のうちの多くの合成に有用な新規前駆体である。従って、これらのトリアルキルスズ誘導体は本発明の1実施形態である。
【0119】
また、チオフラビン誘導体は、テクネチウム-99m (99mTc)などの公知の金属放射標識で放射標識してもよい。かかる金属イオンに結合するリガンドを導入するための置換基の修飾は、放射標識分野の当業者による過度の実験なしに行うことができる。その後、この金属放射標識チオフラビン誘導体を使用してアミロイド沈着物を検出することができる。Tc99m放射標識誘導体を調製する方法は当分野で周知である。例えば、Zhuangら、「Neutral and stereospecific Tc-99m complexes:[99mTc]N-benzyl-3,4-di-(N-2-mercaptoethyl)-amino-pyrrolidines(P-BAT)」Nuclear Medicine & Biology 26(2):217-24, (1999);Oyaら、「Small and neutral Tc(v)O BAT, bisaminoethanethiol (N2S2) complexes for developing new brain imaging agents」Nuclear Medicine & Biology 25(2):135-40, (1998);およびHomら、「Technetium- 99m-labeled receptor-specific small-molecule radiopharmaceuticals:recent developments and encouraging results」Nuclear Medicine & Biology 24(6):485-98, (1997)を参照されたい。
【0120】
本発明の方法では、in vivoまたはin vitroイメージングおよび分光測定を目的として核磁気共鳴分光法により検出可能な同位体を使用する場合がある。磁気共鳴分光法において特に有用な元素としては、18Fおよび13Cが挙げられる。
【0121】
本発明の目的に合う適切な放射性同位体としては、ベータ放射体、ガンマ放射体、陽電子放射体、およびX線放射体が挙げられる。これらの放射性同位体としては、131I、123I、18F、11C、75Br、および76Brが挙げられる。磁気共鳴映像法(MRI)または分光法(MRS)に使用するための適切な安定同位体としては、本発明によれば、18Fおよび13Cが挙げられる。生検または死後組織のホモジネート中のアミロイドをin vitroで定量化するための適切な放射性同位体としては、125I、14C、および3Hが挙げられる。好適な放射標識は、PET in vivoイメージングに使用する場合は11Cまたは18F 、SPECTイメージングに使用する場合は123I、MRS/MRIの場合は19F、およびin vitro研究の場合は3Hまたは14Cである。とは言え、検出可能なレベルまで標的内に蓄積した診断用プローブを可視化するための従来の方法はいずれも、本発明に従って利用することができる。
【0122】
生検組織中のアミロイド沈着物を検出する方法に関する本発明の1態様によれば、該方法は、ホルマリンで固定した組織を上記式(I)および(II)または構造1〜45の化合物から選ばれるチオフラビンアミロイド結合化合物の溶液と共にインキュベートするステップを含む。好ましくは、該溶液は、本発明の式(I)もしくは(II)または構造1〜45のチオフラビンアミロイド結合化合物で飽和させた25〜100%エタノール(残りは水)である。インキュベートすると、該化合物により組織中のアミロイド沈着物が染色または標識され、この染色または標識された沈着物は標準的な方法により検出または可視化することができる。かかる検出手段としては、明視野、蛍光、レーザー共焦点および交差分極(cross-polarization)顕微鏡法などの顕微鏡技術が挙げられる。
【0123】
生検組織中のアミロイドの量を定量化する方法は、生検または死後組織のホモジネートと共に、本発明の標識チオフラビン誘導体またはその水溶性かつ無毒性の塩をインキュベートするステップを含む。該組織は周知技術により取得し、ホモジナイズする。好適な標識は放射標識であるが、酵素、化学発光、および免疫蛍光化合物などの他の適切な標識を使用することもできる。好適な放射標識は、式(I)もしくは(II)または構造1〜45の化合物のうちの1つを置換している置換基中に含まれる125I、14Cまたは3Hである。アミロイド沈着物を含有する組織は、本発明のアミロイド結合チオフラビン化合物の標識誘導体に結合する。その後、結合した組織を、フィルタリングなどの従来の手段によって結合していない組織から分離する。その後、この結合した組織を、公知の様々なアプローチのうちのいずれかを通して定量化することができる。組織が結合した放射標識チオフラビン誘導体の単位を、その後、既知量のアミロイドを放射標識チオフラビン誘導体と共にインキュベートすることによって作成した標準曲線と比較することで、組織100 mg当たりのアミロイドのミリグラムという単位に変換する。
【0124】
先に記載したように、具体的な検出方法は、利用し検出する化学種の化学的および物理的性質によって変わる。従って、ガンマ線を放射する化学種の場合、標準的な市販の単光子および陽電子検出方法を利用することができる。核磁気スピン(magnetic nuclear spin)検出の場合、標準的な市販の磁気共鳴映像および分光技術を利用することができる。
【0125】
本明細書中に記載した方法では、これらの技術を利用したデータ収集は、スキャニング期間中に繰り返し被験体をスキャナに通すといった、全身イメージング技術を含む標準的な臨床イメージングプロトコルに従って行う。あるいは、データ収集を、体内の関心がある1箇所以上の部位全体を選択的に画像化することにより、例えば、イメージングスキャナにおける限られた患者身体のカバー範囲を利用して肺、肝臓、心臓または腎臓を強調することにより、達成してもよい。式(I)の化合物を投与した後は、動的イメージングプロトコルを利用してイメージングデータ収集を直ちに開始し、投与後数時間続行することができる。あるいは、標準的な静的後期(static late time)イメージングプロトコルを利用して、前記化合物のin vivo分布後に約30分の後期スナップショット(late-time snapshots)を行ってもよい。その後イメージングデータを収集し、後の処理および解析のために自動化された通常のやり方で電子的に保存する。
【0126】
データの処理および解析には、通常は市販のソフトウェアパッケージを利用するが、これらは製造業者により単光子、陽電子放射、または磁気共鳴スキャナのオペレーティングシステムコンピュータ上にインストールされていることが多い。イメージングデータを検出、収集、および処理するためのこれらの手順および方法の具体例は、陽電子放出方法に関する分野で確立されている(J. C. Priceらの「Kinetic modeling of amyloid binding in humans using PET imaging and Pittsburgh Compound-B」、25 J. Cerebral Blood Flow and Metabolism (2005) 1528-47およびB. J. Loprestiらの「Simplified Quantification of Pittsburgh Compound-B Amyloid Imaging PET Studies:A Comparative Analysis」、46 J. Nuclear Medicine (2005) 1959-72を参照されたい)。単光子、陽電子、および磁気共鳴化学種の類似データ収集および処理は、脳以外の身体部位において標準的な市販のスキャナ、データ収集方法、およびデータ処理技術を利用して、全身のアミロイド沈着物について同じように行う。
【0127】
文脈上特に明示しない限り、単数形の用語の定義は、それらの複数形の対応語が使用されている場合には該対応語にも当てはめることが可能であり;同様に、複数形の用語の定義は、それらの単数形の対応語が使用されている場合には該対応語にも当てはめることが可能である。
【0128】
以下の実施例を挙げることにより本発明を説明する。とは言え、本発明はこれらの実施例に記載されている特定の条件または詳細に限定されるものではないということを理解されたい。明細書全体にわたる、米国特許を含む公的に入手可能な文書に関するありとあらゆる参照事項は、参照により本特許出願に明確に含まれるものとする。
【実施例】
【0129】
合成例
式(I)および(II)ならびに構造1〜45の式の化合物は、当分野で周知の方法により調製することができる。例えば、WO 2002/16333、2003年12月25日に公開された米国特許公報第2003/0236391号、およびWO 2004/083195(これらの文献の全内容は、参照により本明細書中に含まれるものとする)を参照されたい。
【0130】
合成に使用した試薬はいずれもAldrich Chemical Companyから購入し、特に指示がない限りはさらに精製を行うことなく使用した。融点はMel-TEMP IIで測定し、補正は行わなかった。全化合物の 1H NMRスペクトルを、内標準としてTMSを使用してBruker 300 で測定したところ、割り当てられた構造と一致していた。TLCは、EM Sciencesから入手したシリカゲル60 F254を使用して実施し、UVランプ下で検出した。フラッシュクロマトグラフィーは、シリカゲル60(Mallinckrodt Companyから購入した230〜400メッシュのもの)上で実施した。逆相TLCはWhiteman Companyから購入した。
【0131】
式(I)の化合物を合成するための一般的な方法:
【化17】

【0132】
[R1は、水素、-OH、-NO2、-CN、-COOR、-OCH2OR、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6アルコキシまたはハロであって、R1の原子のうちの1つ以上は放射標識原子であってもよく;
RはC1-C6アルキルであって、その炭素原子のうちの1つ以上は放射標識原子であってもよい]
を、以下の2つの手順のうちの一方によって加水分解する:
加水分解による2-アミノチオフェノールの調製:
前記6-置換2-アミノベンゾチアゾール(172 mmol)を、50%KOH(180 gのKOHを180 mLの水に溶かしたもの)およびエチレングリコール(40 mL)に懸濁する。この懸濁液を48時間加熱還流する。室温まで冷ましてから、トルエン(300 mL)を加え、この反応混合物を酢酸(180 mL)で中和する。有機層を分離し、水層を新たな200 mLのトルエンで抽出する。トルエン層を合わせて水で洗浄し、MgSO4で乾燥させる。溶媒を蒸発させることにより、所望の生成物を得る。
【0133】
ヒドラジン分解による2-アミノチオフェノールの調製:
前記6-置換-ベンゾチアゾール(6.7 mmol)をエタノール(11 mL、無水)に懸濁し、ヒドラジン(2.4 mL)を窒素雰囲気下室温で加える。この反応混合物を1時間加熱還流する。溶媒を蒸発させて、残渣を水(10 mL)に溶かし、酢酸でpHを5に調整する。沈殿物を濾過により採取し、水で洗浄することにより、所望の生成物を得る。
【0134】
得られた次の形態:
【化18】

【0135】
の5-置換-2-アミノ-1-チオフェノールを、次の形態:
【化19】

【0136】
[式中、R2は水素であり、かつR3およびR4は独立して水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルである]
の安息香酸と、以下の方法によりカップリングさせる:
前記5-置換2-アミノチオフェノール(4.0 mmol)、前記安息香酸(4.0 mmol)、およびポリリン酸(PPA)(10 g)の混合物を220℃まで4時間加熱する。この反応混合物を室温まで冷まし、10%炭酸カリウム溶液(〜400 mL)に注ぎ入れる。沈殿物を減圧濾過によって採取することにより、所望の生成物を得る(該生成物はフラッシュクロマトグラフィーまたは再結晶により精製することができる)。
【0137】
R2の水素は、以下の反応により非放射性ハロまたは放射性ハロで置換することができる:
密閉バイアルに入れた250μLの酢酸中の6-置換2-(4'-アミノフェニル)-ベンゾチアゾール(1 mg)の溶液に、40μLのクロラミン-T溶液(28 mgを500μLの酢酸に溶かしたもの)、次いで27μL (約5 mCi)の[125I]ヨウ化ナトリウム(比放射能2,175 Ci/mmol)を加える。この反応混合物を室温で2.5時間攪拌し、飽和亜硫酸水素ナトリウム溶液でクエンチする。20 mLの水で希釈してから、反応混合物をC8 Plus SepPakに負荷し、2 mLのメタノールで溶出させる。6位にある置換基の性質によっては、保護基を用いる必要があるかもしれない。例えば、6-ヒドロキシ基はメタンスルホニル(メシルオキシ)誘導体として保護する。該メタンスルホニル基を脱保護する場合、0.5 mLの1 M NaOHを放射性ヨウ化中間体の溶出溶液に加える。この混合物を50℃で2時間加熱する。500μLの1 M 酢酸によってクエンチしてから、反応混合物を40 mLの水で希釈し、C8 Plus SepPakに負荷する。約3 mCiの放射能を有する放射性ヨウ化生成物を、2 mLのメタノールを用いてSepPakから溶出させる。この溶液を窒素気流により300μLまで濃縮し、粗生成物をPhenomenex ODSカラム(MeCN/TEA緩衝液、35:65、pH 7.5、流量は4分後まで0.5 mL/分、4〜6分後は1.0 mL/分、および6分後以降は2.0 mL/分、保持時間23.6)上でHPLCにより精製する。回収した画分をC8 Plus SepPakに負荷する。1 mLのエタノールで溶出させて、約1 mCiの最終放射性ヨウ化生成物を得る。
【0138】
R3およびR4の一方または両方が水素である場合、R3およびR4は、以下の条件下でアルキル、アルケニルまたはアルキニルのハロゲン化物と反応させることにより、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルに変換することができる:
ジアルキル化の場合:DMSO (無水、2 mL)中の6-置換2-(4'-アミノフェニル)-ベンゾチアゾール(0.59 mmol)の溶液に、アルキル、アルケニル、またはアルキニルのハロゲン化物(2.09 mmol)、およびK2CO3(500 mg、3.75 mmol)を加える。この反応混合物を140℃で16時間加熱する。室温まで冷ましてから、該反応混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチル(3×10 mL)で抽出する。有機層を合わせて溶媒を蒸発させる。残渣をフラッシュカラムで精製することにより、所望の6-置換ジメチルアミノフェニル)-ベンゾチアゾールを得る。
【0139】
モノアルキル化の場合:DMSO (無水、0.5 mL)中の6-置換2-(4'-アミノフェニル)-ベンゾチアゾール(0.013 mmol)の溶液にアルキル、アルケニル、またはアルキニルハロゲン化物(0.027 mmol)および無水K2CO3(100 mg、0.75 mmol)を加える。この反応混合物を100℃で16時間加熱する。室温まで冷ましてから、該反応混合物を順相分取TLCで直接精製することにより、所望の6-置換-2-(4'-メチルアミノフェニル)-ベンゾチアゾール誘導体を得る。
【0140】
R2が水素または非放射性ハロであり、R4がC1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであって、該アルキル、アルケニルまたはアルキニルが放射性炭素を含むかまたは放射性ハロで置換されている場合、前記の化合物は、以下のシーケンスのいずれか1つにより合成することができる:
放射性炭素を組み入れる場合:
約1 Ciの[11C]二酸化炭素を、CTI/Siemens RDS 112陰イオンサイクロトロンを利用し、1%酸素ガスを含有する窒素ガス(14N2)ターゲットに11 MeVの陽子による40μAのビーム電流を60分間照射することにより製造する。[11C]二酸化炭素をまずTHF中の水素化アルミニウムリチウムの飽和溶液と反応させた後、還流温度でヨウ化水素酸を加えて[11C]ヨウ化メチルを生成させることにより、[11C]二酸化炭素を[11C]ヨウ化メチルに変換する。該[11C]ヨウ化メチルを、放射標識のために前駆体を含有する反応バイアルに窒素ガス流で送る。前駆体である6-置換2-(4'-アミノフェニル)-ベンゾチアゾール(〜3.7μモル)を、400μLのDMSOに溶かす。固体KOH(10 mg)を加え、3 mL容量のVバイアルを5分間ボルテックスする。キャリアを加えていない(No-carrier-added)[11C]ヨウ化メチルを室温でこの溶液に30 mL/分で通して泡立てる。この反応物を、油浴を利用して95℃で5分間加熱する。反応生成物を、Prodigy ODS-Prepカラムを利用して、60%アセトニトリル/40%トリエチルアンモニウムリン酸緩衝液pH 7.2 (流量は0〜7分後まで5 mL/分とし、その後7〜30分後は15 mL/分に増やす)で溶出させるセミ分取HPLCにより精製する。[N-メチル-11C] 6-置換2-(4'-メチルアミノフェニル)-ベンゾチアゾールを含有する画分(約15分後)を回収し、50 mLの水で希釈してから、Waters C18 SepPak Plusカートリッジを通して溶出させる。C18 SepPakを10 mLの水で洗浄し、生成物を1 mLのエタノール(無水)を用いて滅菌バイアル中に溶出させてから、14 mLの生理食塩水を加える。放射化学的および化学的純度は、分析用HPLC (k'=4.4、Prodigy ODS(3)分析カラムを利用し65/35アセトニトリル/トリエチルアンモニウムリン酸緩衝液pH 7.2で溶出させる)により測定すると、>95%となる。放射化学的収率は[11C]ヨウ化メチルに基づくEOSで平均17%となり、比放射能は合成終了時に平均約160 GBq/μmol (4.3 Ci/μmol)となる。
【0141】
放射性ハロゲンを組み入れる場合:
【化20】

【0142】
THF(8 mL)中の6-置換2-(4'-アミノフェニル)-ベンゾチアゾール(先に述べたように、6-置換基の性質によっては保護基が必要な場合がある)(0.22 mmol)、NaH(4.2 mmol)および2-(-3-ブロモプロポキシ)テトラヒドロ-2-H-ピラン(0.22 mmol)の混合物を23時間加熱還流する。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルおよび水に溶かし、有機層を分離してから水層を酢酸エチル(10 mL×6)で抽出する。有機層を合わせ、MgSO4で乾燥させてから蒸発乾固させる。残渣にAcOH/THF/H2O溶液(5 mL、4/2/1)を加え、100℃まで4時間加熱する。溶媒を蒸発により除去し、残渣を酢酸エチル(〜10 mL)に溶かし、NaHCO3溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥させてから蒸発乾固させることにより残渣を得て、これを分取TLC(ヘキサン:酢酸エチル=60:40)で精製することにより、所望の6-置換2-(4'-(3"-ヒドロキシプロピルアミノ)-フェニル)-ベンゾチアゾール(45%)を得る。
【0143】
アセトン(5 mL)に溶かした6-置換2-(4'-(3"-ヒドロキシプロピルアミノ)-フェニル)-ベンゾチアゾール(0.052 mmol)およびEt3N(0.5 mL)の溶液に(Boc)2O(50 mg、0.22 mmol)を加える。この反応混合物を室温で6時間攪拌した後、塩化トシル(20 mg、0.11 mmol)を加える。該反応混合物を室温でさらに24時間攪拌する。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(10 mL)に溶かし、NaCO3溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥させて、蒸発させてから、フラッシュカラム(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより、所望の6-置換2-(4'-(3"-トルエンスルホンオキシプロピルアミノ)-フェニル)-ベンゾチアゾール(13%)を得る。その後、この6-置換2-(4'-(3"-トルエンスルホンオキシプロピルアミノ)-フェニル)-ベンゾチアゾールを、標準的な方法により以下の通りに放射性フッ素化(radiofluorinated)する:
0.35 mLの95%[O-18]濃縮水を含有するサイクロトロンターゲットに、11 MeVの陽子を20μAのビーム電流で60分間照射し、内容物を、アセトニトリル(57μL)中にKryptofix 222 (22.3 mg)およびK2CO3 (7.9 mg)を含有する5 mL容量の反応バイアルに移す。この溶液を、アセトニトリルを1 mLずつ加えてから、アルゴン気流下110℃で3回蒸発乾固させる。乾燥させた[F-18]フッ化物に、1 mLのDMSO中3 mgの6-置換2-(4'-(3"-トルエンスルホンオキシプロピルアミノ)-フェニル)-ベンゾチアゾールを加え、反応バイアルを密閉して85℃まで30分間加熱する。該反応バイアルに0.5 mLのMeOH/HCl (濃縮) (2/1 v/v)を加え、該バイアルを120℃で10分間加熱する。加熱後、0.3 mLの2 M酢酸ナトリウム緩衝液を反応溶液に加えてから、Phenomenex Prodigy ODS-分取C18カラム(10μm 250×10 mm)を利用して、40%アセトニトリル/60%60 mMトリエチルアミン-リン酸緩衝液(v/v)pH 7.2で流量を15分後までは5 mL/分とし、分離の残りの過程については流量を8 mL/分に増やして溶出させるセミ分取HPLCにより精製する。生成物である[F-18]6-置換2-(4'-(3"-フルオロプロピルアミノ)-フェニル)-ベンゾチアゾールは、約20分で約16 mLという量で溶出する。この[F-18] 6-置換2-(4'-(3"-フルオロプロピルアミノ)-フェニル)-ベンゾチアゾールを含有する画分を50 mLの水で希釈し、Waters C18 SepPak Plusカートリッジを通して溶出させる。その後、SepPakカートリッジを10 mLの水で洗浄し、生成物を1 mLのエタノール(無水)を用いて滅菌バイアル中に溶出させる。この溶液を、動物への静脈内注射用の滅菌生理食塩水10 mLで希釈する。[F-18] 6-置換2-(4'-(3"-フルオロプロピルアミノ)-フェニル)-ベンゾチアゾール生成物が120分にわたる放射合成終了時に2〜12%の放射化学的収率で得られ(崩壊補正なし)、その平均比放射能は1500 Ci/mmolとなる。
【0144】
実施例1:[N-メチル-11C]2-(4'-ジメチルアミノフェニル)-6-メトキシ-ベンゾチアゾールをスキームIに従って合成した。
【化21】

【0145】
約1 Ciの[11C]二酸化炭素を、CTI/Siemens RDS 112陰イオンサイクロトロンを利用し、1%酸素ガスを含有する窒素ガス(14N2)ターゲットに11 MeVの陽子による40μAのビーム電流を60分間照射することにより製造した。[11C]二酸化炭素をまずTHF中の水素化アルミニウムリチウムの飽和溶液と反応させた後、還流温度でヨウ化水素酸を加えて[11C]ヨウ化メチルを生成させることにより、[11C]二酸化炭素を[11C]ヨウ化メチルに変換した。該[11C]ヨウ化メチルを、放射標識のために前駆体を含有する反応バイアルに窒素ガス流で送った。前駆体である6-CH3O-BTA-1(1.0 mg、3.7μモル)を、400μLのDMSOに溶かした。固体KOH(10 mg)を加え、3 mL容量のVバイアルを5分間ボルテックスした。キャリアを加えていない[11C]ヨウ化メチルを室温でこの溶液に30 mL/分で通気した。この反応物を、油浴を利用して95℃で5分間加熱した。反応生成物を、Prodigy ODS-Prepカラムを利用して、60%アセトニトリル/40%トリエチルアンモニウムリン酸緩衝液pH 7.2 (流量は0〜7分後まで5 mL/分とし、その後7〜30分後は15 mL/分に増やした)で溶出させるセミ分取HPLCにより精製した。[N-メチル-11C]2-(4'-ジメチルアミノフェニル)-6-メトキシ-ベンゾチアゾールを含有する画分(約15分後)を回収し、50 mLの水で希釈してから、Waters C18 SepPak Plusカートリッジを通して溶出させた。C18 SepPakを10 mLの水で洗浄し、生成物を1 mLのエタノール(無水)を用いて滅菌バイアル中に溶出させてから、14 mLの生理食塩水を加えた。放射化学的および化学的純度は、分析用HPLC (k'=4.4、Prodigy ODS(3)分析カラムを利用し、65/35アセトニトリル/トリエチルアンモニウムリン酸緩衝液pH 7.2で溶出させる)により測定したところ、>95%であった。放射化学的収率は[11C]ヨウ化メチルに基づくEOSで平均17%となり、比放射能は合成終了時に平均約160 GBq/μmol (4.3 Ci/μmol)となった。
【0146】
実施例2:2-(3'-125I-ヨード-4'-アミノ-フェニル)-ベンゾチアゾール-6-オールをスキームIIに従って合成した。
【化22】

【0147】
密閉バイアルに入れた250μLの酢酸中の2-(4'-アミノフェニル)-6-メタンスルホンオキシ-ベンゾチアゾール(1 mg)の溶液に、40μLのクロラミン-T溶液(28 mgを500μLの酢酸に溶かしたもの)、次いで27μL (約5 mCi)の[125I]ヨウ化ナトリウム(比放射能2,175 Ci/mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2.5時間攪拌し、飽和亜硫酸水素ナトリウム溶液でクエンチした。20 mLの水で希釈してから、反応混合物をC8 Plus SepPakに負荷し、2 mLのメタノールで溶出させた。メタンスルホニル基を脱保護するために、0.5 mLの1 M NaOHを放射性ヨウ化中間体の溶出溶液に加えた。この混合物を50℃で2時間加熱した。500μLの1 M 酢酸によってクエンチしてから、反応混合物を40 mLの水で希釈し、C8 Plus SepPakに負荷した。約3 mCiの放射能を有する放射性ヨウ化生成物を、2 mLのメタノールを用いてSepPakから溶出させた。この溶液を窒素気流により300μLまで濃縮し、粗生成物をPhenomenex ODSカラム(MeCN/TEA緩衝液、35:65、pH 7.5、流量は4分後まで0.5 mL/分、4〜6分後は1.0 mL/分、および6分後以降は2.0 mL/分、保持時間23.6)上でHPLCにより精製した。回収した画分をC8 Plus SepPakに負荷した。1 mLのエタノールで溶出させて、約1 mCiの最終放射性ヨウ化生成物を得た。
【0148】
123I放射標識誘導体の調製は、先に概説した合成と同様にして行う。例えば、前記合成法の[125I]ヨウ化ナトリウムを[123I]ヨウ化ナトリウムに置き換えることで、123I放射標識化合物が得られる。こうした1個の放射性ハロ原子と別のものとの置き換えは当分野で周知であり、例えば、Mathis CA, Taylor SE, Biegon A, Enas JD. [125I]5-Iodo-6-nitroquipazine:a potent and selective ligand for the 5-hydroxytryptamine uptake complex I. In vitro studies. Brain Research 1993;619:229-235;Jagust W, Eberling JL, Roberts JA, Brennan KM, Hanrahan SM, Van Brocklin H, Biegon A, Mathis CA. In vivo imaging of the 5-hydroxytryptamine reuptake site in primate brain using SPECT and [123I]5-iodo-6-nitroquipazine. European Journal of Pharmacolgy 1993;242:189-193;Jagust WJ, Eberling JL, Biegon A, Taylor SE, VanBrocklin H, Jordan S, Hanrahan SM, Roberts JA, Brennan KM, Mathis CA. [Iodine-123]5-Iodo-6-Nitroquipazine:SPECT Radiotracer to Image the Serotonin Transporter. Journal of Nuclear Medicine 1996;37:1207-1214を参照されたい。
【0149】
実施例3:2-(3-18F-フルオロ-4-メチルアミノ-フェニル)-ベンゾチアゾール-6-オールをスキームIIIに従って合成した。
【化23】

【0150】
0.35 mLの95%[O-18]濃縮水を含有するサイクロトロンターゲットに、11 MeVの陽子を20μAのビーム電流で60分間照射し、内容物を、アセトニトリル(57μL)中に2 mgのCs2CO3を含有する5 mL容量の反応バイアルに移した。この溶液を、アセトニトリルを1 mLずつ使用して、アルゴン気流下110℃で3回蒸発乾固させた。乾燥させた[F-18]フッ化物に、1 mLのDMSO中6 mgの6-MOMO-BT-3'-Cl-4'-NO2を加え、反応バイアルを密閉して120℃まで20分間加熱した(この最初の放射合成ステップでの放射化学的取り込みは、可溶化[F-18]フッ化物の約20%であった)。この粗反応混合物に8 mLの水および6 mLのジエチルエーテルを加え、該混合物を振盪して分離させた。エーテル相を取り出し、アルゴン気流下120℃で蒸発乾固させた。この乾燥試料に、0.5 mLの無水EtOHを3 mgの酢酸銅(II)および8 mgのNaBH4と共に加えた。還元反応を室温で10分間進行させた(この還元ステップでの粗収率は約40%であった)。この反応混合物に8 mLの水および6 mLのジエチルエーテルを加え、該混合物を振盪してエーテル相を分離した。ジエチルエーテル相をアルゴン気流下120℃で乾燥させた。反応バイアルに、30マイクロモルのCH3Iおよび20 mgの固体KOHを含有する700μLのDMSOを加えた。該反応バイアルを120℃で10分間加熱した。2:1 MeOH/HCl(濃縮)の溶液700μLを加え、120℃で15分間加熱した。加熱後、1 mLの2 M酢酸ナトリウム緩衝液を反応溶液に加えてから、Phenomenex Prodigy ODS-分取C18カラム(10μm 250×10 mm)を使用して、35%アセトニトリル/65%60 mMトリエチルアミン-リン酸緩衝液(v/v) pH 7.2で流量を2分後までは5 mL/分とし、分離の残りの過程については流量を15 mL/分に増やして溶出させるセミ分取HPLCにより精製した。生成物である2-(3-18F-フルオロ-4-メチルアミノ-フェニル)-ベンゾチアゾール-6-オールは、約15分で約16 mLという量で溶出した。この2-(3-18F-フルオロ-4-メチルアミノ-フェニル)-ベンゾチアゾール-6-オールを含有する画分を50 mLの水で希釈し、Waters C18 SepPak Plusカートリッジを通して溶出させた。その後、SepPakカートリッジを10 mLの水で洗浄し、生成物を1 mLのエタノール(無水)を使用して滅菌バイアル中に溶出させた。この溶液を、動物への静脈内注射用の滅菌生理食塩水10 mLで希釈した。2-(3-18F-フルオロ-4-メチルアミノ-フェニル)-ベンゾチアゾール-6-オール生成物が120分にわたる放射合成終了時に0.5%(n=4)の放射化学的収率で得られ(崩壊補正なし)、その平均比放射能は1000 Ci/mmolであった。2-(3-18F-フルオロ-4-メチルアミノ-フェニル)-ベンゾチアゾール-6-オールの放射化学的および化学的純度は、Phenomenex Prodigy ODS(3) C18カラム(5μm、250×4.6 mm)を使用し、40%アセトニトリル/60%60 mMトリエチルアミン-リン酸緩衝液(v/v) pH 7.2で溶出させる、350 nmにおけるUV検出を伴うラジオHPLCにより評価した。2-(3-18F-フルオロ-4-メチルアミノ-フェニル)-ベンゾチアゾール-6-オールの保持時間は、2 mL/分の流量で約11分であった(k' = 5.5)。放射化学的純度は>99%であり、化学的純度は>90%であった。2-(3-18F-フルオロ-4-メチルアミノ-フェニル)-ベンゾチアゾール-6-オールの放射化学的同一性は、基準となる(コールド)標準物質(authentic (cold) standard)と共に同時注入する最終放射化学的生成物の品質管理サンプルを利用して、逆相ラジオHPLCにより確認した。
【0151】
実施例4:2-[4-(3-18F-フルオロ-プロピルアミノ)-フェニル]-ベンゾチアゾール-6-オールをスキームVIに従って合成した。
【化24】

【0152】
0.35 mLの95%[O-18]濃縮水を含有するサイクロトロンターゲットに、11 MeVの陽子を20μAのビーム電流で60分間照射し、内容物を、アセトニトリル(57μL)中にKryptofix 222 (22.3 mg)およびK2CO3 (7.9 mg)を含有する5 mL容量の反応バイアルに移した。この溶液を、アセトニトリルを1 mLずつ加えてから、アルゴン気流下110℃で3回蒸発乾固させた。乾燥させた[F-18]フッ化物に、1 mLのDMSO中3 mgの6-MOMO-BTA-N-Pr-Otsを加え、反応バイアルを密閉して85℃まで30分間加熱した。該反応バイアルに0.5 mLのMeOH/HCl (濃縮) (2/1 v/v)を加え、該バイアルを120℃で10分間加熱した。加熱後、0.3 mLの2 M酢酸ナトリウム緩衝液を反応溶液に加えてから、Phenomenex Prodigy ODS-分取C18カラム(10μm 250×10 mm)を利用して、40%アセトニトリル/60%60 mMトリエチルアミン-リン酸緩衝液(v/v)pH 7.2で流量を15分後までは5 mL/分とし、分離の残りの過程については流量を8 mL/分に増やして溶出させるセミ分取HPLCにより精製した。生成物である[F-18]6-HO-BTA-N-PrFは、約20分で約16 mLという量で溶出した。この[F-18]6-HO-BTA-N-PrFを含有する画分を50 mLの水で希釈し、Waters C18 SepPak Plusカートリッジを通して溶出させた。その後、SepPakカートリッジを10 mLの水で洗浄し、生成物を1 mLのエタノール(無水)を用いて滅菌バイアル中に溶出させた。この溶液を、動物への静脈内注射用の滅菌生理食塩水10 mLで希釈した。[F-18]6-HO-BTA-N-PrF生成物が120分にわたる放射合成終了時に8±4%(n=8)の放射化学的収率で得られ(崩壊補正なし)、その平均比放射能は1500 Ci/mmolであった。[F-18]6-HO-BTA-N-PrFの放射化学的および化学的純度は、Phenomenex Prodigy ODS(3) C18カラム(5μm、250×4.6 mm)を使用し、40%アセトニトリル/60%60 mMトリエチルアミン-リン酸緩衝液(v/v) pH 7.2で溶出させる、350 nmにおけるUV検出を伴うラジオHPLCにより評価した。[F-18]6-HO-BTA-N-PrFの保持時間は、2 mL/分の流量で約12分であった(k' = 6.1)。放射化学的純度は>99%であり、化学的純度は>90%であった。[F-18]6-HO-BTA-N-PrFの放射化学的同一性は、基準となる(コールド)標準物質と共に同時注入する最終放射化学的生成物の品質管理サンプルを利用して、逆相ラジオHPLCにより確認した。
【0153】
実施例5:2-(3'-ヨード-4'-アミノフェニル)-6-ヒドロキシベンゾチアゾールの合成
【化25】

【0154】
4-メトキシ-4'-ニトロベンズアニリドの調製
p-アニシジン(1.0 g、8.1 mmol)を無水ピリジン(15 mL)に溶かし、4-ニトロベンゾイルクロリド(1.5 g、8.1 mmol)を加えた。この反応混合物を室温で16時間静置した。該反応混合物を水に注ぎ入れ、沈殿物を減圧濾過により採取し、5%炭酸水素ナトリウム(2×10 mL)で洗浄した。生成物を、さらなる精製を行うことなく次のステップに使用した。1HNMR(300MHz, DMSO-d6) δ:10.46(s, 1H, NH)、8.37(d, J=5.5Hz, 2H, H- 3',5')、8.17(d, J=6.3Hz, 2H, H-2',6')、7.48(d, J-6.6Hz, 2H)、6.97(d, J=6.5Hz, 2H)、3.75(s, 3H, MeO)。
【0155】
4-メトキシ-4'-ニトロチオベンズアニリドの調製
クロロベンゼン(15 mL)中の4-メトキシ-4'-ニトロチオベンズアニリン(1.0 g、3.7 mmol)およびローソン試薬(0.89 g、2.2 mmol、0.6当量)の混合物を4時間加熱還流した。溶媒を蒸発させて、残渣をフラッシュカラム(ヘキサン:酢酸エチル= 4:1)で精製することにより、820 mg(77.4%)の生成物を橙色の固体として得た。1HNMR(300MHz, DMSO-d6) δ:8.29(d, 2H, H-3',5')、8.00(d, J=8.5Hz, 2H, H-2',6')、7.76(d, 2H)、7.03(d, J=8.4Hz, 2H)、3.808.37(d, J=5.5Hz, 2H, H-3',5')、8.17(d, J=6.3Hz, 2H, H-2',6')、7.48(d, J=6.6Hz, 2H)、6.97(d, J=6.5Hz, 2H)、3.75(s, 3H, MeO) (s, 3H, MeO)。
【0156】
6-メトキシ-2-(4-ニトロフェニル)ベンゾチアゾールの調製
4-メトキシ-4'-ニトロチオベンズアニリド(0.5 g、1.74 mmol)を少量のエタノール(〜0.5 mL)で湿らせてから、30%水酸化ナトリウム水溶液(556 mg 13.9 mmol、8当量)を加えた。この混合物を水で希釈することにより、10%水性水酸化ナトリウムの最終溶液/懸濁液とした。この混合物のアリコートを、80〜90℃の水(5 mL)中のフェリシアン化カリウム(2.29 g、6.9 mmol、4当量)の攪拌溶液に1分間隔で加えた。この反応混合物をさらに0.5時間加熱してから冷ました。沈殿物を真空濾過により採取し、水で洗浄し、フラッシュカラム(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することにより、130 mg(26%)の生成物を得た。1HNMR(300MHz, アセトン-d6) δ:8.45(m, 4H)、8.07(d, J=8.5Hz, 1H, H-4)、7.69(s, 1H, H-7)、7.22(d, J=9.0Hz, 1H, H-5)、3.90(s, 3H, MeO)
6-メトキシ-2-(4-アミノフェニル)ベンゾチアゾールの調製
沸騰エタノール中の6-メトキシ-2-(4-ニトロフェニル)ベンゾチアゾール(22 mg、0.077 mmol)および塩化スズ(II)(132 mg、0.45 mmol)の混合物を窒素下で4時間攪拌した。エタノールを蒸発させてから、残渣を酢酸エチル(10 mL)に溶かし、1N水酸化ナトリウム(2 mL)および水(5 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を蒸発させて、19 mg(97%)の生成物を黄色の固体として得た。
【0157】
2-(3'-ヨード-4'-アミノフェニル)-6-メトキシベンゾチアゾールの調製
氷酢酸(2.0 mL)中の2-(4'-アミノフェニル)-6-メトキシベンゾチアゾール(22 mg、0.09 mmol)の溶液に、N2雰囲気下でCH2Cl2(0.10 mL、0.10 mmol、1.2当量)中の1 Mヨードクロライド溶液を注入した。この反応混合物を室温で16時間攪拌した。氷酢酸を減圧除去し、残渣をCH2Cl2に溶かした。この溶液をNaHCO3で中和してから、水層を分離し、CH2Cl2で抽出した。有機層を合わせてMgSO4で乾燥させた。溶媒を蒸発させてから、残渣を分取TLC(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製することにより、2-(4'-アミノ-3'-ヨードフェニル)-6-メトキシベンゾチアゾール(25 mg、76%)を褐色の固体として得た。1HNMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm):8.35 (d, J=2.0 Hz, 1H)、7.87 (dd, J1=2.0 Hz, J2=9.0 Hz, 1H)、7.31 (d, J=2.2 Hz, 1H)、7.04 (dd, J1=2.2 Hz, J2=9.0 Hz, 1H)、6.76 (d, J=9.0 Hz, 1H)、3.87 (s, 3H)。
【0158】
2-(3'-ヨード-4'-アミノフェニル)-6-ヒドロキシベンゾチアゾールの調製
CH2Cl2 (2.0 mL)中の2-(4'-アミノ-3'-ヨードフェニル)-6-メトキシベンゾチアゾール(5)(8.0 mg、0.02 mmol)の溶液に、N2雰囲気下でCH2Cl2 (0.20 mL、0.20 mmol)中の1 M BBr3溶液を注入した。この反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応を水でクエンチしてから、該混合物をNaHCO3で中和した。水層を酢酸エチル(3×3 mL)で抽出した。有機層を合わせてMgSO4で乾燥させた。その後、溶媒を減圧下で蒸発させてから、残渣を分取TLC(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製することにより、2-(3'-ヨード-4'-アミノフェニル)-6-ヒドロキシベンゾチアゾール(4.5 mg、58%)を褐色の固体として得た。1HNMR(300 MHz, アセトン-d6) δ (ppm):8.69 (s, 1H)、8.34 (d, J=2.0 Hz, 1H)、7.77 (dd, J1=2.0 Hz, J2=8.4 Hz, 1H)、7.76 (d, J=8.8 Hz, 1H)、7.40 (d, J=2.4 Hz, 1H)、7.02 (dd, J1=2.5 Hz, J2=8.8 Hz, 1H)、6.94 (d, J=8.5 Hz, 1H)、5.47 (br., 2H)。HRMS m/z 367.9483 (M+ calcd for C13H9N2OSI 367.9480)。
【0159】
実施例6:2-(3'-ヨード-4'-メチルアミノフェニル)-6-ヒドロキシベンゾチアゾールの合成
【化26】

【0160】
6-メトキシ-2-(4-メチルアミノフェニル)ベンゾチアゾールの調製
4-メチルアミノ安息香酸(11.5 g、76.2 mmol)および5-メトキシ-2-アミノチオフェノール(12.5 g、80 mmol)の混合物を、PPA (〜30 g)中で170℃までN2雰囲気下で1.5時間加熱した。その後、この反応混合物を室温まで冷まし、10%K2CO3溶液に注ぎ入れた。沈殿物を減圧濾過した。粗生成物をアセトン/水およびTHF/水 から2回再結晶させた後、活性炭で処理することにより、4.6 g(21%)の6-メトキシ-2-(4- メチルアミノフェニル)ベンゾチアゾールを黄色の固体として得た。1HNMR(300 MHz, アセトン-d6) δ:7.84(d, J=8.7Hz, 2H, H-2' 6')、7.78(dd, J1=8.8Hz, J2=1.3Hz, 1H, H-4)、7.52(d, J=2.4Hz, 1H, H-7)、7.05(dd, J1=8.8Hz, J2=2.4Hz, H-5)、6.70(d, J=7.6Hz, 2H, H-3' 5')、5.62(s, 1H, NH)、3.88(s, 3H, OCH3)、2.85(d, J=6.2Hz, 3H, NCH3)。
【0161】
2-(3'-ヨード-4'-メチルアミノフェニル)-6-メトキシベンゾチアゾールの調製
氷酢酸(2 mL)に溶かした2-(4'-メチルアミノフェニル)-6-メトキシベンゾチアゾール(20 mg、0.074 mmol)の溶液に、N2下でIcl(90μL、0.15 mmol、1.2当量、CH2Cl2中1 M)を加えた。この反応物を室温で18時間攪拌した。その後、氷酢酸を減圧除去した。残渣をCH2Cl2に溶かし、NaHCO3で中和した。水層をCH2Cl2で抽出し、有機層を合わせ、MgSO4で乾燥させてから蒸発させた。残渣を分取TLC(ヘキサン:EA=2:1)で精製することにより、2-(4'-メチルアミノ-3'-ヨードフェニル)-6-メトキシベンゾチアゾール(8 mg、27%)を褐色の固体として得た。1HNMR(300MHz, CDCl3)δ(ppm):8.39(d, J=2.0Hz, 1H)、7.88 (d, J=9.0Hz, 1H)、7.33 (d, J=2.2Hz, 1H)、7.06 (dd, J1=2.2Hz、J2=9.0Hz, 1H)、6.58 (d, J=9.0Hz, 1H)、3.89(s, 3H, OCH3)。
【0162】
2-(3'-ヨード-4'-メチルアミノ-フェニル)-6-ヒドロキシベンゾチアゾールの調製
CH2Cl2(4 mL)に溶かした2-(4'-メチルアミノ-3'-ヨードフェニル)-6-メトキシベンゾチアゾール(12 mg、0.03 mmol)の溶液に、N2下でBBr3 (400μL、0.4 mmol、CH2Cl2中1 M)を加えた。この反応物を室温で18時間攪拌した。その後、水を加えて反応をクエンチし、溶液をNaHCO3で中和し、酢酸エチル(3×5 mL)で抽出した。有機層を合わせ、MgSO4で乾燥させてから蒸発させた。残渣を分取TLC(ヘキサン:EA=7:3)で精製することにより、2-(4'-メチルアミノ-3'-ヨードフェニル)-6-ヒドロキシベンゾチアゾール(5 mg、43%)を褐色の固体として得た。1HNMR(300MHz, CDCl3) δ(ppm):8.37 (d, H=2.0Hz, 1H)、7.88 (dd, J1=2.0Hz, J2=8.4Hz, 1H)、7.83 (d, J=8.8Hz, 1H)、7.28 (d, J=2.4Hz, 1H)、6.96(dd, J1=2.5Hz, J2=8.8Hz, 1H)、6.58 (d, J=8.5Hz, 1H)、2.96 (s, 3H, CH3)。
【0163】
実施例7:[125I] 6-OH-BTA-0-3'-Iの放射合成
【化27】

【0164】
2-(4'-ニトロフェニル)-6-ヒドロキシベンゾチアゾールの調製
CH2Cl2(10 mL)中の2-(4'-ニトロフェニル)-6-メトキシベンゾチアゾール(400 mg、1.5 mmol)の懸濁液に、BBr3 (CH2Cl2中1 M 、10 mL、10 mmol)を加えた。この反応混合物を室温で24時間攪拌した。その後、反応を水でクエンチしてから、酢酸エチル(3×20 mL)で抽出した。有機層を合わせて水で洗浄し、MgSO4で乾燥させてから蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル= 1:1)で精製することにより、生成物を黄色の固体(210 mg、55%)として得た。1HNMR(300MHz, アセトン-d6) δ (ppm):9.02(s, OH)、8.41(d, J=9.1Hz, 1H), 8.33(d, J=9.1Hz, 1H)、7.96(d, J=8.6Hz, 1H)、7.53(d, J=2.4Hz, 1H)、7.15(dd, J1=8.6Hz, J2=2.4Hz, 1H)。
【0165】
2-(4'-ニトロフェニル)-6-メチルスルホキシベンゾチアゾールの調製
アセトン(7 mL、無水)に溶かした2-(4'-ニトロフェニル)-6-ヒドロキシベンゾチアゾール(50 mg、0.18 mmol)の溶液に、K2CO3(100 mg、0.72 mmol、粉末)およびMsCl (200μL)を加えた。2時間攪拌してから、この反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、残渣をフラッシュカラム(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル= 4:1)で精製することにより、2-(4 -ニトロフェニル)-6-メチルスルホキシベンゾチアゾール(44 mg、68%)を淡黄色の固体として得た。1HNMR(300MHz, アセトン-d6) δ (ppm):8.50-8.40(m, 4H)、8.29(d, J=2.3Hz, 1H)、8.23(d, J=8.9Hz, 1H), 7.61(dd, J1=2.3Hz, J2=8.9Hz, 1H)。
【0166】
2-(4'-アミノフェニル)-6-メチルスルホキシベンゾチアゾールの調製
エタノール(10 mL)に溶かした2-(4'-ニトロフェニル)-6-メチルスルホキシベンゾチアゾール(35 mg、0.10 mmol)の溶液に、SnCl2・2H2O(50 mg)を加えた。この反応混合物を1.5時間加熱還流した。その後、溶媒を減圧除去した。残渣を酢酸エチル(10 mL)に溶かし、1N NaOH、水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を蒸発させて、2-(4'-アミノフェニル)-6- メチルスルホキシベンゾチアゾール(21 mg、65%)を薄茶色の固体として得た。1HNMR(300MHz, CDCl3) δ (ppm):8.02(d, J=6.2Hz, 1H)、7.92(d, J=8.7Hz, 2H)、7.84(d, J=2.4Hz, 1H)、7.38(dd, J1=2.4Hz, J2=6.2Hz, 1H)、6.78(d, J=8.7Hz, 2H)、2.21(s, 3H, CH3)。
【0167】
実施例8:[125I]6-OH-BTA-1-3'-Iの放射合成
【化28】

【0168】
CH2Cl2(20 mmL)に溶かした2-(4'-メチルアミノフェニル)-6-ヒドロキシベンゾチアゾール(300 mg、1.17 mmol)の溶液に、Et3N (2 mL)およびトリフルオロ酢酸(1.5 mL)を加えた。この反応混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、残渣を酢酸エチル(30 mL)に溶かし、NaHCO3溶液、塩水、水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を蒸発させてから、残渣をアセトン(20 mL、K2CO3で予備乾燥させたもの)に溶かし、K2CO3 (1.0 g、粉末)、次いでMsCl (400 mg、3.49 mmol)を加えた。この反応混合物を室温で攪拌し、出発物質が消滅するのをTLCでモニターした。その後、残渣を濾過した。濾液を減圧下で蒸発させた。残渣を酢酸エチル(30 mL)に溶かし、NaHCO3溶液、塩水、水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を蒸発させてから、残渣をEtOHに溶かしてNaBH4を加えた。この反応混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、残渣を水に溶かし、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出し、抽出物を合わせてMgSO4で乾燥させた。溶媒を蒸発させてから、残渣をフラッシュカラム(ヘキサン/酢酸エチル= 8:1)で精製することにより、生成物(184 mg、47.0%)を褐色の固体として得た。1HNMR(300 MHz、CDCl3) δ (ppm):7.94(d, J=8.8Hz, 1H)、7.87(d, J=8.7Hz, 2H)、7.77(d, J=2.3Hz, 1H)、7.30(dd, J1=8.8Hz, J2=2.3Hz, 1H)、6.63(d, J=8.7Hz, 2H)、3.16(s, CH3)、2.89(s, NCH3)。
【0169】
一般的な放射標識手順:
密閉バイアルに入れた250μLの酢酸中の2-(4'-アミノフェニル)-6-メタンスルホンオキシベンゾチアゾールまたは2-(4'-メチルアミノフェニル)-6-メチルスルホキシベンゾチアゾール(1 mg)の溶液に、40μLのクロラミンT溶液(28 mgを500μLの酢酸に溶かしたもの)、次いで27μL(約5 mCi)の[125I]ヨウ化ナトリウム(比放射能2,175 Ci/mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2.5時間攪拌し、飽和亜硫酸水素ナトリウム溶液でクエンチした。20 mLの水で希釈してから、反応混合物をC8 Plus SepPakに負荷し、2 mLのメタノールで溶出させた。メタンスルホニル基を脱保護するために、0.5 mLの1 M NaOHを放射性ヨウ化中間体の溶出溶液に加えた。この混合物を50℃で2時間加熱した。500μLの1 M 酢酸によってクエンチしてから、反応混合物を40 mLの水で希釈してC8 Plus SepPakに負荷した。約3 mCiの放射能を有する放射性ヨウ化生成物を、2 mLのメタノールを用いてSepPakから溶出させた。この溶液を窒素気流により300μLまで濃縮し、粗生成物をPhenomenex ODSカラム(MeCN/TEA緩衝液、35:65、pH 7.5、流量は4分後まで0.5 mL/分、4〜6分後は1.0 mL/分、および6分後以降は2.0 mL/分、保持時間23.6)上でHPLCにより精製した。回収した画分をC8 Plus SepPakに負荷した。1 mLのエタノールで溶出させて、約1 mCiの最終放射性ヨウ化生成物を得た。
【0170】
生物学的実施例
実施例9. ALアミロイドーシス被験体から得た組織の画像化
ALアミロイドーシスの被験体から得た心臓、肺、膀胱、リンパ節および骨のパラフィン切片を、キシレンで脱パラフィンし、20%エタノール/80%150 mMトリス緩衝液(pH 7.4)中の100 nM X-34 [Styrenら、J Histochem Cytochem 48:1223-1232 (2000)]またはPBS(pH 7.4)中の100 nM 2-(4'-メチルアミノフェニル)-6-シアノベンゾチアゾール(6-CN-BTA-1) [Mathisら、J Med Chem 46:2740-2754 (2003)]で60分間染色し、水で5秒間手短に洗浄してから、カバースリップをのせてUVフィルターセットで観察した(図1)。
【0171】
本発明の他の実施形態は、本明細書を考慮し、また本明細書中に開示した本発明を実施することで、当業者には明らかとなろう。本明細書は単なる例示とみなすべきであり、本発明の真の範囲および精神は別途添付した特許請求の範囲によって示されるものとする。
【0172】
本明細書および別途添付した特許請求の範囲において使用する場合、「a」、「an」、および「one」などの単数形の冠詞は、単数または複数のものを指すものとする。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】図1は、心臓組織、肺組織、膀胱組織、リンパ節組織内および骨中のアミロイド沈着物へのX-34、Chrysamine G誘導体および6-CN-BTA-1、チオフラビン誘導体の結合を示したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体において、少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含む少なくとも1種のアミロイド沈着物を検出するためのin vivo方法であって、以下のステップ:
(a) アミロイドーシスに関連する疾患を患っている被験体に、少なくとも1種の式I
【化1】

[式中、
(i) ZはS、NR'、OまたはC(R')2であって、ZがC(R')2である場合、その複素環の互変異性型はインドール:
【化2】

(式中、R'はHまたは低級アルキル基である)
を形成していてもよく、
(ii) Yは、NR1R2、OR2、またはSR2であり、
(iii) R1は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(iv) R2は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(v) R3は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vi) R4は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vii) R5は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(viii) R6は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(ix) R7は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(x) R8は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xi) R9は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xii) R10は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択されるか;
あるいは、R3〜R10のうちの1つは、キレート化金属基を含むかまたは含まないキレート基であってもよく、該キレート基はW-LまたはV-W-L(式中、Vは-COO-、-CO-、-CH2O-および-CH2NH-からなる群より選択され;Wは-(CH2)n(式中、n=0、1、2、3、4、もしくは5)であり、かつLは以下:
【化3】

(式中、Mは、TcおよびReからなる群より選択される)
である)の形をとる]
の化合物またはその放射標識誘導体もしくは製薬上許容しうる塩であって、その置換基部分のうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含むものと製薬上許容しうる担体とを含む医薬組成物を検出可能な量で投与するステップ、ならびに
(b) 少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含むアミロイド沈着物への前記化合物の結合を検出するステップであって、該アミロイド形成タンパク質がAL、AH、ATTR、Aβ2M、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、AFib、ACys、ABri、ADan、APrP、ACal、AIAPP、AANF、APro、AIns、AMed、AKer、A(tbn)、およびALacからなる群より選択されるものである該ステップ
を含む上記方法。
【請求項2】
被験体において、少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含む少なくとも1種のアミロイド沈着物を検出するためのin vitro方法であって、以下のステップ:
(a) 新鮮なまたは凍結した組織標本を取得し、該組織の切片または該組織のホモジネートを、式(I):
式Iおよび製薬上許容しうる担体、
【化4】

[式中、
(i) ZはS、NR'、OまたはC(R')2であって、ZがC(R')2である場合、その複素環の互変異性型はインドール:
【化5】

(式中、R'はHまたは低級アルキル基である)
を形成していてもよく、
(ii) Yは、NR1R2、OR2、またはSR2であり、
(iii) R1は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(iv) R2は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(v) R3は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vi) R4は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vii) R5は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(viii) R6は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(ix) R7は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(x) R8は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xi) R9は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xii) R10は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択されるか;
あるいは、R3〜R10のうちの1つは、キレート化金属基を含むかまたは含まないキレート基であってもよく、該キレート基はW-LまたはV-W-L(式中、Vは-COO-、-CO-、-CH2O-および-CH2NH-からなる群より選択され;Wは-(CH2)n(式中、n=0、1、2、3、4、もしくは5)であり、かつLは以下:
【化6】

(式中、Mは、TcおよびReからなる群より選択される)
である)の形をとる]
の放射性標識チオフラビン誘導体またはその放射標識誘導体もしくは製薬上許容しうる塩であって、その置換基部分のうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含むものと共にインキュベートするステップ:
(b) その後、前記組織切片を洗浄するかまたは前記組織ホモジネートを濾過および洗浄することにより、結合した放射標識と遊離の放射標識とを分離するステップ;ならびに
(c) 少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含むアミロイド沈着物への前記化合物の結合を検出するステップであって、該アミロイド形成タンパク質がAL、AH、ATTR、Aβ2M、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、AFib、ACys、ABri、ADan、APrP、ACal、AIAPP、AANF、APro、AIns、AMed、AKer、A(tbn)、およびALacからなる群より選択されるものである該ステップ
を含む上記方法。
【請求項3】
前記の少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質が、免疫グロブリン軽鎖、免疫グロブリン重鎖、トランスサイレチン、β2-ミクログロブリン、(アポ)血清AA、アポリポタンパク質AI、アポリポタンパク質AII、ゲルゾリン、リゾチーム、フィブリノーゲンα-鎖、シスタチンC、ABriPP、ADanPP、プリオンタンパク質、(プロ)カルシトニン、膵島アミロイドタンパク質、心房性ナトリウム利尿因子、プロラクチン、インスリン、ラクトアドヘリン、ケラト-エピセリン、ピンドボルグ腫瘍関連前駆体タンパク質(tbn)およびラクトフェリンからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質前駆体に由来する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記被験体が全身性アミロイドーシスに関連する疾患を患っている、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記の少なくとも1種のアミロイド沈着物が前記被験体の中胚葉組織に存在する、請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記組織が、末梢神経、皮膚、舌、関節、心臓または肝臓からなる群より選択される、請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記の少なくとも1種のアミロイド沈着物が実質臓器に存在する、請求項3記載の方法。
【請求項8】
前記臓器が、脾臓、腎臓、肝臓および副腎からなる群より選択される、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記の全身性アミロイドーシスに関連する疾患が、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、リンパ腫、慢性炎症性疾患、関節リウマチ、感染症、皮膚筋炎、強皮症、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、結核、慢性骨髄炎、気管支拡張症、皮膚膿瘍、肺膿瘍、癌、ホジキン病、遺伝性家族性アミロイドーシス、家族性地中海熱、家族性認知症および家族性アミロイド多発性神経障害からなる群より選択される、請求項3記載の方法。
【請求項10】
前記の皮膚膿瘍または肺膿瘍が、ヘロインの皮下使用に起因するものである、請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記疾患が脳アミロイド血管症である、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記の検出ステップが、ガンマ線イメージング法、磁気共鳴映像法および磁気共鳴分光法からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記の検出ステップがガンマ線イメージング法によって行われ、かつ該ガンマ線イメージング法がPETまたはSPECTである、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記医薬組成物を静脈内注射により投与する、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記被験体が慢性腎不全のために血液透析を受けている、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記被験体が限局性アミロイドーシスに関連する疾患を患っている、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記の少なくとも1種のアミロイド沈着物が、腱鞘滑膜、関節、大動脈、甲状腺、ランゲルハンス島、老化下垂体、医療を施した部位、心臓心房、および角膜からなる群より選択される組織に存在する、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記の少なくとも1種のアミロイド沈着物が膵臓に存在する、請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記の限局性アミロイドーシスに関連する疾患が、原発性骨髄腫、家族性認知症、海綿脳疾患、c細胞甲状腺腫瘍、膵島細胞腫、プロラクチン産生下垂体腫瘍およびピンドボルグ腫瘍からなる群より選択される、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記の式(I)の化合物が、式(II):
【化7】

[式中、
R1は、水素、-OH、-NO2、-CN、-COOR、-OCH2OR、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6アルコキシまたはハロであり;
RはC1-C6アルキルであり;
R2は水素またはハロであり;
R3は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであり;そして
R4は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであって、該アルキル、アルケニルまたはアルキニルは、R2が水素または非放射性ハロである場合には放射性炭素を含むかまたは放射性ハロで置換されている;
ただし、R1が水素または-OHであり、R2が水素でありかつR4が-11CH3である場合には、R3はC2-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであるものとし;また
R1が水素であり、R2が水素でありかつR4が-(CH2)318Fである場合には、R3はC2-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであるものとする]
の化合物であって、その置換基部分のうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含むもの、または該化合物の放射標識誘導体、製薬上許容しうる塩、水和物、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記の式(I)のアミロイドイメージング剤が、構造1〜45:
【化8】




またはその放射標識誘導体からなる群より選択されるものであって、この化合物が少なくとも1つの検出可能な標識を含む、請求項1記載の方法。
【請求項22】
被験体において、少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含む少なくとも1種のアミロイド沈着物を検出するためのin vivo方法であって、以下のステップ:
(a) アミロイドーシスに関連する疾患を患っている被験体に、少なくとも1種の式I
【化9】

[式中、
(i) ZはS、NR'、OまたはC(R')2であって、ZがC(R')2である場合、その複素環の互変異性型はインドール:
【化10】

(式中、R'はHまたは低級アルキル基である)
を形成していてもよく、
(ii) Yは、NR1R2、OR2、またはSR2であり、
(iii) R1は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(iv) R2は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(v) R3は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vi) R4は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vii) R5は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(viii) R6は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(ix) R7は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(x) R8は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xi) R9は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xii) R10は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択されるか;
あるいは、R3〜R10のうちの1つは、キレート化金属基を含むかまたは含まないキレート基であってもよく、該キレート基はW-LまたはV-W-L(式中、Vは-COO-、-CO-、-CH2O-および-CH2NH-からなる群より選択され;Wは-(CH2)n(式中、n=0、1、2、3、4、もしくは5)であり、かつLは以下:
【化11】

(式中、Mは、TcおよびReからなる群より選択される)
である)の形をとる]
の化合物またはその放射標識誘導体もしくは製薬上許容しうる塩であって、その置換基部分のうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含むものと製薬上許容しうる担体とを含む医薬組成物を検出可能な量で投与し、それによって少なくとも1種のアミロイド形成タンパク質を含むアミロイド沈着物に該化合物を結合させるステップであって、該アミロイド形成タンパク質がAL、AH、ATTR、Aβ2M、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、AFib、ACys、ABri、ADan、APrP、ACal、AIAPP、AANF、APro、AIns、AMed、AKer、A(tbn)、およびALacからなる群より選択されるものである該ステップ;
(b) 前記被験体に放射線を照射し、前記化合物から発せられたイメージングデータを収集するステップ;ならびに
(c) 前記イメージングデータを処理するステップ
を含む上記方法。
【請求項23】
式(I):
【化12】

[式中、
(i) ZはS、NR'、OまたはC(R')2であって、ZがC(R')2である場合、その複素環の互変異性型はインドール:
【化13】

(式中、R'はHまたは低級アルキル基である)
を形成していてもよく、
(ii) Yは、NR1R2、OR2、またはSR2であり、
(iii) R1は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(iv) R2は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(v) R3は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vi) R4は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vii) R5は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(viii) R6は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(ix) R7は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(x) R8は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xi) R9は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xii) R10は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択されるか;
あるいは、R3〜R10のうちの1つは、キレート化金属基を含むかまたは含まないキレート基であってもよく、該キレート基はW-LまたはV-W-L(式中、Vは-COO-、-CO-、-CH2O-および-CH2NH-からなる群より選択され;Wは-(CH2)n(式中、n=0、1、2、3、4、もしくは5)であり、かつLは以下:
【化14】

(式中、Mは、TcおよびReからなる群より選択される)
である)の形をとる]
の化合物またはその放射標識誘導体もしくは製薬上許容しうる塩であって、その置換基部分のうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含むものの、アミロイドーシスに関連する疾患を患っている被験体において少なくとも1種のアミロイド沈着物を検出するための使用。
【請求項24】
式(I):
【化15】

[式中、
(i) ZはS、NR'、OまたはC(R')2であって、ZがC(R')2である場合、その複素環の互変異性型はインドール:
【化16】

(式中、R'はHまたは低級アルキル基である)
を形成していてもよく、
(ii) Yは、NR1R2、OR2、またはSR2であり、
(iii) R1は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(iv) R2は、H、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、(C=O)-R'、Rph、ならびに(CH2)nRph(式中、n=1、2、3、または4であり、かつRphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'およびCOOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され;
(v) R3は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vi) R4は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(vii) R5は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(viii) R6は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(ix) R7は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(x) R8は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xi) R9は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択され;
(xii) R10は、H、F、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、または3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrまたはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'、Rph、CR'=CR'-Rph、CR2'-CR2'-Rph(式中、Rphは無置換であるかまたはF、Cl、Br、I、低級アルキル基、(CH2)nOR'(式中、n=1、2、もしくは3)、CF3、CH2-CH2X、O-CH2-CH2X、CH2-CH2-CH2X、O-CH2-CH2-CH2X(式中、X=F、Cl、BrもしくはI)、CN、(C=O)-R'、N(R')2、NO2、(C=O)N(R')2、O(CO)R'、OR'、SR'、COOR'からなる群より選択されるフェニル置換基で置換されているフェニル基であって、R'はHまたは低級アルキル基である)ならびにトリアルキルスズからなる群より選択されるか;
あるいは、R3〜R10のうちの1つは、キレート化金属基を含むかまたは含まないキレート基であってもよく、該キレート基はW-LまたはV-W-L(式中、Vは-COO-、-CO-、-CH2O-および-CH2NH-からなる群より選択され;Wは-(CH2)n(式中、n=0、1、2、3、4、もしくは5)であり、かつLは以下:
【化17】

(式中、Mは、TcおよびReからなる群より選択される)
である)の形をとる]
の化合物またはその放射標識誘導体もしくは製薬上許容しうる塩であって、その置換基部分のうちの少なくとも1つは検出可能な標識を含むものの、アミロイドーシスに関連する疾患を患っている被験体における少なくとも1種のアミロイド沈着物の検出に使用するための薬物の調製における使用。

【図1】
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【公表番号】特表2009−508863(P2009−508863A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531321(P2008−531321)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/035823
【国際公開番号】WO2007/035405
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(504279968)ユニバーシティー オブ ピッツバーグ (24)
【Fターム(参考)】