局側装置
【課題】ファームウェア等のソフトウェアの配信(ダウンロード)を配信時の状況に応じて適切に実行可能な局側装置を提供する。
【解決手段】PONシステムに適用される局側装置2は、ダウンロード手段20と、情報管理手段40とを含む。ダウンロード手段20は、PONシステムに含まれる複数の加入者側装置(ONU)へダウンロードするソフトウェア50を、複数の加入者側装置のそれぞれに対してユニキャスト可能な形式のダウンロード用OAMフレームに加工する。情報管理手段40は、複数の加入者側装置の中で増設された加入者側装置を既存の加入者側装置と区別するための情報を管理している。ダウンロード手段20は、情報管理手段40が保有する情報を参照して、増設された加入者側装置宛のダウンロード用OAMフレームを既存の加入者側装置宛のダウンロード用OAMフレームよりも優先的に出力する。
【解決手段】PONシステムに適用される局側装置2は、ダウンロード手段20と、情報管理手段40とを含む。ダウンロード手段20は、PONシステムに含まれる複数の加入者側装置(ONU)へダウンロードするソフトウェア50を、複数の加入者側装置のそれぞれに対してユニキャスト可能な形式のダウンロード用OAMフレームに加工する。情報管理手段40は、複数の加入者側装置の中で増設された加入者側装置を既存の加入者側装置と区別するための情報を管理している。ダウンロード手段20は、情報管理手段40が保有する情報を参照して、増設された加入者側装置宛のダウンロード用OAMフレームを既存の加入者側装置宛のダウンロード用OAMフレームよりも優先的に出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PON(Passive Optical Network)システムに適用される局側装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、PONシステムでは、局側装置が光ファイバを介して光スプリッタに接続され、当該光スプリッタに複数の光ファイバが接続され、当該複数の光ファイバに複数の加入者側装置がそれぞれ接続される。
【0003】
局側装置は、PONシステムにおける親局装置にあたり、例えば電話局等に設置される。局側装置はOLT(Optical Line Terminal)とも称される。また、加入者側装置は、PONシステムにおける子局装置にあたり、例えば加入者宅等に設置される。加入者側装置は宅側装置またはONU(Optical Network Unit)とも称される。
【0004】
下記特許文献1には、複数の加入者側装置に共通のダウンロードデータを局側装置がブロードキャストするPONシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−252176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、機能アップや不具合改修等のために、加入者側装置に搭載されているファームウェアを更新する場合がある。そのような場合、特許文献1のPONシステムでは、更新用のデータがブロードキャストによって配信される。
【0007】
しかし、ブロードキャストは、例えばデータ配信中に加入者側装置が増設されるような状況に不向きである。
【0008】
より具体的には、増設後に最新のファームウェアへの更新が必要になる場合であっても、更新データの配信が既に開始していれば、増設された加入者側装置は次回の配信を待たなければならない。このような場合、増設作業を完了するまでの時間が長くなってしまい、作業効率が低い。
【0009】
ここで、例えば、既に開始されているデータ配信と並行して、増設された加入者側装置のためにブロードキャスト配信を行うことが考えられる。しかし、複数のブロードキャストが同時進行することになり、全ての加入者側装置が更新用データを取得し終えるまでに長時間を費やすことになる。場合によっては、ユニキャスト配信よりも時間がかかるかもしれない。
【0010】
また、特許文献1のPONシステムでは局側装置と加入者側装置の両方が、特許文献1に紹介される構成を採用する必要がある。このため、システム導入が大がかりになってしまう。また、既存の加入者側装置をそのまま使うことができなくなるので、加入者側装置の構成変更や新規導入等の対処が必要になる。そのような対処は、既存の加入者側装置の継続的利用または再利用、さらにはそれによるPONシステムの利用促進という観点からすれば、必ずしも好ましいとは言えない。
【0011】
また、ファームウェアの更新は速やかに行われるのが好ましいが、PONシステム内の通信が輻輳した場合には、更新ファームウェアの配信自体が遅れてしまう。更新ファームウェアが遅滞なく配信されることは、加入者側装置の増設時であるか否かに関係なく、要望されるものであるが、特に増設時においては、最新ファームウェアへの更新を早期に完了させ、サービスを開通させる必要性がある。
【0012】
本発明は、ファームウェア等のソフトウェアの配信(ダウンロード)を配信時の状況に応じて適切に実行可能な局側装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様に係る、PON(Passive Optical Network)システムに適用される局側装置は、前記PONシステムに含まれる複数の加入者側装置へダウンロードするソフトウェアを、前記複数の加入者側装置のそれぞれに対してユニキャスト可能な形式のダウンロード用OAM(Operation, Administration, and Maintenance)フレームに加工するダウンロード手段と、前記複数の加入者側装置の中で増設された加入者側装置を既存の加入者側装置と区別するための情報を管理する情報管理手段とを備え、前記ダウンロード手段は、前記情報管理手段が保有する情報を参照して、前記増設された加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームを前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームよりも優先的に出力する。
【発明の効果】
【0014】
上記の一態様によれば、増設された加入者側装置宛のダウンロード用OAMフレームが、既存の加入者側装置宛のダウンロード用OAMフレームよりも優先的に出力される。したがって、増設された加入者側装置においてソフトウェアの更新等を速やかに行うことが可能になる。また、例えば既存の加入者側装置に対するダウンロード(配信)が開始した後であっても、増設された加入者側装置に対するダウンロードが優先される。このため、加入者側装置の増設作業を完了させるまでの時間を短縮化することができる。つまり、作業効率を向上させることができる。また、加入者側装置の構成変更や新規導入等の対処が不要なので、既存の加入者側装置の継続的利用または再利用を促進し、さらにはそれによるPONシステムの利用を促進することができる。
【0015】
本発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1についてPONシステムの構成概略図である。
【図2】実施の形態1についてユニキャスト通信を概説する模式図である。
【図3】実施の形態1についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図4】実施の形態1について管理テーブルの内容を例示する模式図である。
【図5】実施の形態1についてOLTのダウンロード動作を例示するフローチャートである。
【図6】実施の形態1についてOAMキューの状態を例示する模式図である。
【図7】実施の形態2についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図8】実施の形態2についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図9】実施の形態2の変形例についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図10】実施の形態2の変形例についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図11】実施の形態3についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図12】実施の形態3についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図13】実施の形態3の変形例についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図14】実施の形態3の変形例についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施の形態1>
<PONシステムの概要>
図1に、実施の形態1に係るPONシステム1の構成概略図を例示する。PONシステム1は、図1の例では、1台の局側装置(以下、OLTとも称する)2と、複数台の加入者側装置(以下、ONUとも称する)3と、光スプリッタ4と、光ファイバ5,6とを含んでいる。図1には、説明のため、上位ネットワーク7と端末装置8とを併記している。なお、各種要素の数は図1の例に限定されるものではない。
【0018】
OLT2は、上位ネットワーク7(例えばインターネット等)に接続されているとともに、光ファイバ5を介して光スプリッタ4に接続されている。光スプリッタ4は、複数の光ファイバ6と接続されており、光ファイバ5,6間を伝送する光信号の分岐および結合を行う光受動素子である。光ファイバ6のそれぞれにONU3が接続されている。図1の例では、ONU3のそれぞれに端末装置8が接続されている。端末装置8は通信機能を有した装置、例えば通信機器やパーソナルコンピュータ(PC)等である。
【0019】
すなわち、OLT2と複数のONU3とが、光スプリッタ4および光ファイバ5,6を介して光通信可能に接続されている。
【0020】
OLT2は、ONU3から到来する光信号を上位ネットワーク7へ転送し、逆に上位ネットワーク7から到来する信号をONU3へ転送する。なお、OLT2は、上位ネットワーク7の構成に応じて、光信号と電気信号との間の変換を行う。OLT2は、各ONU3、さらにはPONシステム1全体の制御や監視等を行う。
【0021】
ONU3は、OLT2から到来した光信号を電気信号へ変換して端末装置8へ出力し、逆に端末装置8から到来した電気信号を光信号へ変換してOLT2へ向けて出力する。
【0022】
なお、OLT2が上位ネットワーク7と無線通信を行う構成を採用してもよいし、同様にONU3が端末装置8と無線通信を行う構成を採用してもよい。これらの場合、無線信号の一例である電波信号は実質的に電気信号に含めることが可能である。
【0023】
<ユニキャスト通信>
図2に、PONシステム1におけるユニキャスト通信を概説する模式図を示す。なお、図2ではn台のONU3が例示され、これらのONU3を区別する場合にはONU#1、ONU#2、…、ONU#nと称することにする。
【0024】
PONシステム1の構成上、OLT2から送信された光信号は、全てのONU3へ伝送される。ユニキャスト通信では、各ONU3に識別子であるLLID(Logical Link Identifier)が予め割り当てられており、当該LLIDによって送信相手が指定される。
【0025】
具体的には、OLT2は送信先のONU3のLLIDを送信するフレーム(パケットと称される場合もある)10に付与し、ONU3は、受信したフレーム10のLLIDから、その受信フレーム10が自身宛であるか否かを判断する。ONU3は、受信フレーム10が自身宛である場合、その受信フレーム10に対して、端末装置8への転送、ONU3内での利用等の処理を行う一方、受信フレーム10が自身宛でない場合、その受信フレーム10を破棄する。
【0026】
PONシステム1では、ONU3のファームウェアの配信(換言すればダウンロード)を、OLT2からONU3へのユニキャスト通信によって行う。なお、ONU3のファームウェアの配信を例示するが、例えばONU3が利用するアプリケーションプログラムも同様に配信可能である。すなわち、以下に例示する技術は広くソフトウェア(ファームウェア、アプリケーションプログラム等を含む)の配信に適用可能である。
【0027】
特に、PONシステム1では、OAM(Operation, Administration, and Maintenance)フレームによって、ファームウェアを配信する。
【0028】
OAMは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3ahで規定されているPONシステムの制御用信号であり、PONシステム内の装置や回線の保守監視制御に利用される。OAMは一般には、障害通知、ループバック試験、リンク監視等に利用可能である。
【0029】
一般に、PONシステムは、端末装置(端末装置8を参照)がインターネット(上位ネットワーク7を参照)を利用する際の信号等の主通信信号を伝送することを本来的な機能として有している。このため、OAMは、主通信信号の帯域に影響を与えないように規定されている。また、OAMによる通信は主通信信号に比べて低速な通信として規定されている。
【0030】
<OLTの構成例>
図3に、OLT2のブロック図を例示する。図3の例によれば、OLT2は、ダウンロード手段20と、OAMキュー30と、管理テーブル40とを含んでいる。なお、図3では「ダウンロード手段」という名称を簡略に表記しており、表記の簡略化は他の図面および他の要素についても用いる場合がある。
【0031】
図3には、説明のために、ダウンロード対象のファームウェア50を併記している。ファームウェア50は、ここでは、ONU3(図1参照)の機能アップや不具合改修等のための更新用のファームウェアとする。ファームウェア50は、例えば、上位ネットワーク7(図1参照)や、OLT2に外部接続される記憶装置等から、OLT2へ供給される、もしくは、OLT2自身に記憶されている。
【0032】
ダウンロード手段20は、PONシステム1に含まれる複数のONU3(ここではn+1台のONU3とする)へダウンロードするファームウェア50を、各ONU3に対してユニキャスト可能な形式のOAMフレーム(ダウンロード用OAMフレームとも称することにする)に加工する。生成されたOAMフレームはOAMキュー30へ出力される。
【0033】
より具体的には、ダウンロード手段20は、ファームウェア50をOAM転送に適したデータサイズのブロックに分割し、各ブロックを各ONU3宛のOAMフレームに加工する。OLT2は当該ダウンロード用OAMフレームを各ONU3へユニキャストするので、各ダウンロード用OAMフレームには送信先のONU3のLLIDが付けられる。
【0034】
ダウンロード手段20は、図3の例では、n+1個のダウンロードフレーム生成手段21と、ダウンロード多重化手段22とを含んでいる。
【0035】
n+1個のダウンロードフレーム生成手段21はn+1台のONU3に対応して設けられており、各ダウンロードフレーム生成手段21は、対応するONU3宛のダウンロード用OAMフレームを生成する。例えばONU#1用のダウンロードフレーム生成手段21は、ファームウェア50を上記ブロックに分割し、各ブロックにONU#1のLLIDを付けてONU#1宛のOAMフレームを生成する。生成されたダウンロード用OAMフレームはダウンロード多重化手段22へ出力される。
【0036】
なお、ファームウェア50をブロックに分割する処理は、各ダウンロードフレーム生成手段21がそれぞれ行ってもよいし、あるいはn+1個のダウンロードフレーム生成手段21とは別個の手段が行ってもよい。
【0037】
ダウンロード多重化手段22は、各ダウンロードフレーム生成手段21によって生成されたダウンロード用OAMフレームを多重化して出力する。多重化されたフレームはOAMキュー30へ出力される。
【0038】
より具体的には、ダウンロード多重化手段22は、n+1個のダウンロードフレーム生成手段21から並列に入力されるダウンロード用OAMフレームを、所定の多重化規則に従って順番に(換言すれば直列に)出力する。ダウンロード多重化手段22は複数の入力フレームのうちから1つのフレームを選択的に出力するセレクタと解することができ、当該セレクタが所定の選択規則に従って連続的に出力を行うことによってフレームの多重化が実現される。
【0039】
ここで、上記の多重化規則(換言すれば上記の選択規則)として、例えばONU#1、…、ONU#n、ONU#n+1の順序で出力することによって多重化するという規則が挙げられる(第1例)。これによれば、各ONU3宛の出力が均等になる。
【0040】
あるいは、多重化手段22へ入力された順番でフレームを出力することによって多重化するという規則を採用することも可能である(第2例)。なお、第2例の規則であっても、多重化手段22への入力機会が均等であれば、各ONU3宛の出力が均等になる(出力順序が第1例の規則と異なるだけである)。
【0041】
あるいは、多重化規則を実行するのに必要な情報を、ダウンロード多重化手段22の外部から与えることも可能である(第3例)。
【0042】
実施の形態1では、上記第2例の多重化規則が採用されているものとする。
【0043】
OAMキュー30は、ダウンロード多重化手段22から出力されるダウンロード用OAMフレームを蓄積するとともに、蓄積したダウンロード用OAMフレームを出力する。この際、OAMキュー30はFIFO(First In First Out)によって動作する。OAMキュー30から出力されたフレームは、その他の所定処理(例えば光信号への変換等)を経てOLT2から送信される。
【0044】
管理テーブル40は、OLT2に接続されているONU3に関する情報が記録されたデータベースであり、不図示の記憶手段(例えば半導体メモリ)に格納されている。管理テーブル40の作成、更新等は例えばPONシステム1の運営者によって行われる。
【0045】
図4に、管理テーブル40の内容を例示する。図4に例示の管理テーブル40には、ONU3毎に、LLIDと、ONU番号と、MACアドレスと、ダウンロード(DL)状況と、増設フラグ(後述する)という各情報が記録されている。例えばLLID=1のONU#1について、MACアドレスがAA:BB:…:FFであるという情報と、現在ブロック(BL)#2のダウンロード中であるという情報と、増設フラグがOFFであるという情報とが記録されている。
【0046】
管理テーブル40に記録されている各情報は相互に関連付けて管理されている。このため、管理テーブル40を参照することによって、増設フラグがONに設定されているONU3を特定することが可能である。より具体的には、増設フラグがONであるという条件を検索キーとして管理テーブル40内の情報を検索することによって、検索キーに対応した(換言すれば該当した)ONU3のLLID等の情報を抽出することが可能である。
【0047】
ここで、増設フラグは、そのONU3が新たに増設された装置であるのか、既存の装置であるかの情報を示す。具体的には、増設されたONU3(ここではONU#n+1)については増設フラグがONに設定され、既存のONU3については増設フラグがOFFに設定されている。一般にPONシステム1の利用申し込みの後にONU3の増設作業が行われるので、その増設作業前にPONシステム1の運営者が増設対象のONU3(ONU#n+1)に関する各種情報を管理テーブル40に記録し、その際に増設フラグがONに設定される。
【0048】
つまり、管理テーブル40は、n+1台のONU3の中で増設ONU#n+1を既存ONU#1〜ONU#nと区別するための情報等を管理する情報管理手段にあたる。
【0049】
なお、ダウンロード手段20等の各種要素は、マイクロプロセッサを機能させるプログラム、または、ハードウェア(デジタル回路、アナログ回路、各種装置等)、または、それらの組み合わせによって実現可能である。
【0050】
<OLTの動作例>
図5に、更新ファームウェア50のダウンロード動作ST10のフローチャートを例示する。ダウンロード動作ST10は、ダウンロードフレーム生成手段21(図3参照)のそれぞれにおいて実行される。この際、例えばn+1個のダウンロードフレーム生成手段21が互いに並列に自身のダウンロード動作ST10を実行してもよいし、あるいは、例えばn+1個のダウンロードフレーム生成手段21が時分割で順番に自身のダウンロード動作ST10を実行してもよい。
【0051】
また、ダウンロード動作ST10は、ダウンロード相手のONU3がPONシステム1において通信可能な状態にある場合に実行される。通信可能な状態にあるか否かは例えばOAM機能によって確認可能である。図5に例示のダウンロード動作ST10はステップST11〜ST16を含んでいる。
【0052】
ステップST11では、ダウンロードフレーム生成手段21は、ファームウェア50の上記分割ブロック(BL)を区別するためのカウント値iを、初期値(ここでは1)に設定する。ブロックの分割数をm個とすると、1≦i≦mである。
【0053】
ステップST12は、ステップST11の後に実行される。ステップST12では、ダウンロードフレーム生成手段21は、管理テーブル40を参照して、自身がダウンロードを担当するONU3(以下、対象ONU3と称する場合もある)の増設フラグの状態を判別する。ダウンロードフレーム生成手段21は、判別の結果、対象ONU3の増設フラグがONの場合は次にステップST13を実行し、対象ONU3の増設フラグがOFFの場合は次にステップST16を実行する。
【0054】
ステップST13では、ダウンロードフレーム生成手段21は、i番目の分割ブロック(BL#i)をダウンロードするためのOAMフレームを生成し出力する。生成されたフレームはダウンロード多重化手段22へ入力される(図3参照)。
【0055】
ステップST14は、ステップST13の後に実行される。ステップST14では、ダウンロードフレーム生成手段21は、全てのブロックの出力を完了したか否か、具体的にはカウント値iがブロック分割数mに達したか否かを判別する。ダウンロードフレーム生成手段21は、判別の結果、全ブロックの出力が完了した場合はダウンロード動作ST10を終了し、全ブロックの出力が完了していない場合は次にステップST15を実行する。
【0056】
なお、増設対象のONU#n+1用のダウンロードフレーム生成手段21は、ステップST14の後、あるいは、ダウンロード動作ST10の終了後、管理テーブル40のONU#n+1の増設フラグをOFFに変更する。
【0057】
ステップST15では、ダウンロードフレーム生成手段21はカウント値iをインクリメントする(i=i+1)。ステップST15の後、ダウンロードフレーム生成手段21の処理は上記ステップST12へ移行する。
【0058】
上記のようにステップST12において対象ONU3の増設フラグがOFFの場合はステップST16が実行される。ステップST16では、ダウンロードフレーム生成手段21は、管理テーブル40を参照して、自身がダウンロードを担当しないONU3(以下、対象外ONU3と称する場合もある)の増設フラグの状態およびダウンロード状況を判別する。
【0059】
そして、判別の結果、増設フラグがONに設定された対象外ONU3が存在し、かつ、その対象外ONU3がダウンロード中(すなわちダウンロード動作ST10を実行中)である場合、ダウンロードフレーム生成手段21の処理は上記ステップST12へ移行する。
【0060】
他方、増設フラグがONの対象外ONU3が存在しない場合、または、増設フラグがONの対象外ONU3が存在するがその対象外ONU3はダウンロード中ではない(例えばダウンロード開始前の状態にある)場合、ダウンロードフレーム生成手段21の処理は上記ステップST13へ移行する。
【0061】
ダウンロード動作ST10によれば、増設ONU#n+1用のダウンロードフレーム生成手段21は、ステップST12〜ST15のループを実行してダウンロード用OAMフレームを順次、出力する。
【0062】
これに対し、既存ONU#1〜ONU#n用のダウンロードフレーム生成手段21は、増設ONU#n+1用のダウンロードフレーム生成手段21がダウンロード動作ST10を実行していない場合は、ステップST12,ST16,ST13〜ST15のループを実行してダウンロード用OAMフレームを順次、出力する。
【0063】
しかし、増設ONU#n+1用のダウンロードフレーム生成手段21がダウンロード動作ST10を実行中である場合、既存ONU#1〜ONU#n用のダウンロードフレーム生成手段21はステップST12,ST16のループを実行することになる。その結果、既存ONU#1〜ONU#n用のダウンロードフレーム生成手段21は、ダウンロード用OAMフレームを生成せず、したがってダウンロード用OAMフレームが出力されない。つまり、ダウンロード用OAMフレームの生成および出力が中断される。
【0064】
なお、増設ONU#n+1用のダウンロードフレーム生成手段21がダウンロード動作ST10を終了すれば(管理テーブル40から知ることが可能である)、既存ONU#1〜ONU#n用のダウンロードフレーム生成手段21はダウンロード用OAMフレームの生成および出力を再開する。
【0065】
これにより、ダウンロード手段20は、増設ONU#n+1のダウンロード用OAMフレームを既存ONU#1〜#nのダウンロード用OAMフレームよりも優先的に出力することができる。
【0066】
ここで、図6に、OAMキュー30の状態を例示する。図6の例では、既存ONU#1〜ONU#n宛のブロック#1(カウント値i=1のブロック)のダウンロードOAMフレームが順次OAMキュー30へ入力され、さらに既存ONU#1〜ONU#n宛のブロック#2のダウンロードOAMフレームが順次OAMキュー30へ入力された後に、既存ONU#1〜ONU#n宛のダウンロードOAMフレームが中断している。そして、増設ONU#n+1宛のブロック#1〜#mのダウンロードOAMフレームが優先的に(換言すれば集中的に)OAMキュー30へ入力されている。増設ONU#n+1宛の全てのOAMフレームが入力された後、既存ONU#1〜ONU#n宛のOAMフレームの入力が再開されている。
【0067】
<効果>
局側装置2によれば、増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームが、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームよりも優先的に出力される。したがって、増設ONU3においてファームウェアの更新等を速やかに行うことが可能になる。
【0068】
また、例えば既存ONU3に対するダウンロードが開始した後であっても、増設ONU3に対するダウンロードが優先される。このため、ONU3の増設作業を完了させるまでの時間を短縮化することができる。つまり、作業効率を向上させることができる。
【0069】
また、OLT2によれば、ONU3の構成変更や新規導入等の対処が不要なので、既存ONUの継続的利用または再利用を促進し、さらにはそれによるPONシステム1の利用を促進することができる。
【0070】
<実施の形態1の変形例>
上記では既存ONU3のダウンロード用OAMフレームの生成および出力を中断する場合を例示した。これに対し、ダウンロード用OAMフレームの生成は続行するが、生成したフレームを一時的に蓄積しておき、その出力を中断する構成を、ダウンロードフレーム生成手段21に採用することも可能である。
【0071】
また、上記では、ダウンロードフレーム生成手段21からの出力を中断することによって、ダウンロード手段20からの出力を中断させる場合を例示した。これに対し、ダウンロード多重化手段22の動作によって、ダウンロード手段20からの出力を中断させることも可能である。
【0072】
具体的には、ダウンロードフレーム生成手段21はダウンロード用OAMフレームの生成および出力を継続的に行い、ダウンロード多重化手段22が管理テーブル40を参照して増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームを優先的に出力させる。この場合、ダウンロード多重化手段22は、既存ONU3宛のフレームの出力を中断するとともに増設ONU3宛のフレームを出力させるという多重化規則を、管理テーブル40に記録された情報に基づいて実行する(既述した多重化の第3例を参照)。
【0073】
これらの変形例によっても上記の各種効果を得ることができる。
【0074】
<実施の形態2>
上記のようにOAMはPONシステム内の装置や回線の保守監視制御に利用され、実施の形態1で説明したファームウェア50のダウンロード以外の他の目的(例えば、障害通知、ループバック試験、リンク監視等)にも利用される。実施の形態2では、例えばOAMの利用が輻輳した場合であっても、ファームウェア50のダウンロードを優先的に実行可能な構成を例示する。
【0075】
図7に、実施の形態2に係るOLT2Bのブロック図を例示する。図7の例によれば、OLT2Bは、上記OLT2(図3参照)の構成に加え、OAM利用手段61,62と、OAM多重化手段70と、OAMキュー監視手段80とを含んでいる。
【0076】
OAM利用手段61,62は、ファームウェア50のダウンロード以外の他の目的でOAMを利用する手段であり、その他目的に応じたOAMフレーム(以下、他目的用OAMフレームとも称する)を生成する。生成された他目的用OAMフレームはOAM多重化手段70へ出力される。
【0077】
なお、OAM利用手段61,62は例えば、ダウンロード手段20と同様に、各ONU3用のフレーム生成手段と、多重化手段とを含んで構成される。また、他目的用OAMフレームは、ユニキャスト用であってもよいし、ブロードキャスト用であってもよい。また、OAM利用手段の数は、ここでの例示に限定されるものではない。
【0078】
OAM多重化手段70は、OAM利用手段61,62から出力された他目的用OAMフレームと、ダウンロード手段20から出力されたダウンロード用OAMフレームとを入力として取得し、これらのOAMフレームを多重化して出力する。多重化されたフレームはOAMキュー30へ出力される。
【0079】
OAM多重化手段70による多重化処理は、基本的には、既述のダウンロード多重化手段22のそれと同様である。ここでは、OAM多重化手段70は、当該多重化手段70へ入力された順番でフレームを出力することによって多重化するものとする(既述した多重化の第2例を参照)。
【0080】
OAMキュー監視手段80は、OAMキュー30のフレーム蓄積量が所定のしきい値(OAMキューしきい値)を超えた場合に、他目的用OAMフレームがOAMキュー30へ入力されるのを抑制するための制御を行う。
【0081】
より具体的には、OAMキュー監視手段80は、OAMキュー30のフレーム蓄積量を監視しており、当該フレーム蓄積量がOAMキューしきい値を超えた場合に、OAM利用手段61,62へ中断指示S80を出して、OAM利用手段61,62が他目的用OAMフレームを出力するのを中断させる。
【0082】
OAM利用手段61,62が中断指示S80に従って他目的用OAMフレームの出力を中断することにより(フレームの生成を中断してもその出力の中断に繋がる)、他目的用OAMフレームがOAMキュー30へ入力されるのが抑制される。
【0083】
OLT2Bによれば、OAMキュー30のフレーム蓄積量からOAMの利用の輻輳状態を推測することができ、そのような輻輳状態であってもダウンロード用OAMフレームを優先的に出力することができる。このため、ファームウェア50の配信遅延を回避することができる。
【0084】
ここで、図8に例示するOLT2CのようにOAMキュー監視手段80は、OAM利用手段61,62だけでなく、ダウンロード手段20にも中断指示S80を出してもよい。この場合、ダウンロード手段20が(より具体的には既存ONU3に対応するダウンロードフレーム生成手段21が)当該中断指示S80に従って既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームの出力を中断することにより、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームがOAMキュー30へ入力されるのが抑制される。
【0085】
OLT2Cによれば、他目的用OAMフレームだけでなく、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームも抑制されるので、特に増設ONU3宛のダウンロードを優先させることができる。換言すれば、上記OLT2Bによれば、増設ONUであるか否かに関係なく、ダウンロードを他のOAM利用よりも優先させることができる。
【0086】
<実施の形態2の変形例>
上記ではOAMキュー監視手段80がOAM利用手段61,62(さらにはダウンロード手段20)へ直接、中断指示S80を出す場合を例示した。これに対し、図9に例示するOLT2Dのように中断指示S80を、OAM多重化手段70Dを経由させて、OAM利用手段61,62およびダウンロード手段20へ出してもよい。なお、OAM多重化手段70Dは、上記OAM多重化手段70と同様の多重化機能と、OAMフレームの出力元(ここではOAM利用手段61,62およびダウンロード手段20)に対してフレームの出力を停止させる機能とを有している。
【0087】
また、上記ではOAM利用手段61,62(さらにはダウンロード手段20)からの出力を中断することによって、OAMキュー30への入力を抑制する場合を例示した。これに対し、図10に例示するOLT2Eのように中断指示S80をOAM多重化手段70へ与え、OAM多重化手段70の動作によってOAMキュー30への入力を抑制することも可能である。
【0088】
具体的には、ダウンロード手段20およびOAM利用手段61,62はOAMフレームを継続的に出力し、OAM多重化手段70が中断指示S80に従って他目的用OAMフレームの出力と、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームとの出力を中断する。これにより、増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームが優先的にOAM多重化手段70からOAMキュー30へ出力される。
【0089】
なお、OAM多重化手段70は、管理テーブル40を参照することによって、増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームと、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームとを区別することが可能である(既述した多重化の第3例を参照)。
【0090】
ここで、OAM多重化手段70を、ダウンロード用OAMフレームについては増設ONU3宛であるか、既存ONU3宛であるかを区別せずに、OAMキュー30へ出力する構成に変形することも可能である。この場合、例えば、上記ダウンロード手段20の代わりに、増設ONU3宛の優先出力を行わないダウンロード手段を採用することも可能である。
【0091】
また、OLT2B〜2Eにおいて、ダウンロード手段20からダウンロード多重化手段22を削除することも可能である。この場合、ダウンロード用OAMフレームは各ダウンロードフレーム生成手段21からOAM多重化手段70,70Dへ直接、入力される。
【0092】
また、変形例に係るOLT2D,2Eを、図7のOLT2Bと同様にダウンロード手段20には中断指示S80を出さない構成に変形することも可能である。
【0093】
これらの変形例によっても上記の各種効果を得ることができる。
【0094】
<実施の形態3>
実施の形態3では、実施の形態2と同様に、例えばOAMの利用が輻輳した場合であっても、ファームウェア50のダウンロードを優先的に実行可能な構成を例示する。
【0095】
図11に、実施の形態3に係るOLT2Fのブロック図を例示する。図11の例によれば、OLT2Fは、上記OLT2B(図7参照)において、ダウンロード手段20をダウンロード手段20Fに変更するとともに、OAMキュー監視手段80をダウンロードキュー監視手段90に変更した構成を有している。
【0096】
ダウンロード手段20Fは、上記ダウンロード手段20(図7参照)に、n+1個のダウンロードキュー23を追加した構成を有している。
【0097】
n+1個のダウンロードキュー23はn+1個のダウンロードフレーム生成手段21に対応して設けられている。各ダウンロードキュー23は、対応するダウンロードフレーム生成手段21から出力されるダウンロード用OAMフレームを蓄積するとともに、蓄積したダウンロード用OAMフレームをダウンロード多重化手段22へ出力する。この際、ダウンロードキュー23はFIFOによって動作する。
【0098】
ダウンロードキュー監視手段90は、n+1個のダウンロードキュー23のうちで増設ONU(ここではONU#n+1)に対応するダウンロードキュー23のフレーム蓄積量が所定のしきい値(ダウンロードキュー用しきい値)を超えた場合に、OAM利用手段61,62から出力される他目的用OAMフレームがOAMキュー30へ入力されるのを抑制するための制御を行う。
【0099】
より具体的には、ダウンロードキュー監視手段90は、増設ONU#n+1用のダウンロードキュー23のフレーム蓄積量を監視しており、当該フレーム蓄積量がダウンロードキュー用しきい値を超えた場合に、OAM利用手段61,62へ中断指示S90を出して、OAM利用手段61,62が他目的用OAMフレームを出力するのを中断させる。
【0100】
ここで、ダウンロードキュー監視手段90は、管理テーブル40を参照することによって増設ONU3を判別することが可能であり、これにより増設ONU3用のダウンロードキュー23を判別することが可能である。
【0101】
OAM利用手段61,62が中断指示S90に従って他目的用OAMフレームの出力を中断することにより(フレームの生成を中断してもその出力の中断に繋がる)、他目的用OAMフレームがOAMキュー30へ入力されるのが抑制される。
【0102】
なお、図11の例ではダウンロードキュー監視手段90がダウンロード手段20Fの外部に設けられているが、例えばダウンロード手段20Fの内部にダウンロードキュー監視手段90を設けることも可能である。すなわち、OLT2Fがダウンロードキュー監視手段90を有していれば、ダウンロードキュー監視手段90はどこに設けられていても構わない。
【0103】
OLT2Fによれば、ダウンロードキュー23のフレーム蓄積量からOAMの利用の輻輳状態を推測することができ、そのような輻輳状態であってもダウンロード用OAMフレームを優先的に出力することができる。このため、ファームウェア50の配信遅延を回避することができる。
【0104】
増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームは集中的にダウンロード手段20から出力されることに鑑みれば、特に増設ONU3用のダウンロードキュー23を監視対象とすることは、OAM輻輳の推測に有用である。
【0105】
ここで、図12に例示するOLT2Gのようにダウンロードキュー監視手段90は、OAM利用手段61,62だけでなく、ダウンロード手段20Fにも中断指示S90を出してもよい。この場合、ダウンロード手段20Fが(より具体的には既存ONU3に対応するダウンロードフレーム生成手段21が)当該中断指示S90に従って既存ONU3のダウンロード用OAMフレームの出力を中断することにより、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームがOAMキュー30へ入力されるのが抑制される。
【0106】
OLT2Gによれば、他目的用OAMフレームだけでなく、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームも抑制されるので、特に増設ONU3宛のダウンロードを優先させることができる。換言すれば、上記OLT2Fによれば、増設ONUであるか否かに関係なく、ダウンロードを他のOAM利用よりも優先させることができる。
【0107】
<実施の形態3の変形例>
上記ではダウンロードキュー監視手段90がOAM利用手段61,62(さらにはダウンロード手段20F)へ直接、中断指示S90を出す場合を例示した。これに対し、図13に例示するOLT2Hのように中断指示S90を、OAM多重化手段70Dを経由させて、OAM利用手段61,62およびダウンロード手段20Fへ出してもよい。
【0108】
また、上記ではOAM利用手段61,62(さらにはダウンロード手段20F)からの出力を中断することによって、OAMキュー30への入力を抑制する場合を例示した。これに対し、図14に例示するOLT2Iのように中断指示S90をOAM多重化手段70へ与え、OAM多重化手段70の動作によってOAMキュー30への入力を抑制することも可能である。
【0109】
具体的には、ダウンロード手段20FおよびOAM利用手段61,62はOAMフレームを継続的に出力し、OAM多重化手段70が中断指示S90に従って他目的用OAMフレームの出力と、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームとの出力を中断する。これにより、増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームが優先的にOAM多重化手段70からOAMキュー30へ出力される。
【0110】
なお、ダウンロードキュー監視手段90は、管理テーブル40を参照することによって増設ONU3を判別することが可能であるので、例えば、どのダウンロード用OAMフレームが増設ONU3宛であるのか(あるいは既存ONU3宛であるのか)に関する情報(例えばLLID(図4参照))を、中断指示S90に含めてもよい。これによれば、OAM多重化手段70は、受け取った中断指示S90に基づいて、増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームと、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームとを区別することが可能である(既述した多重化の第3例を参照)。
【0111】
あるいは、OAM多重化手段70が管理テーブル40を直接、参照することによって、増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームと、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームとを区別してもよい(既述した多重化の第3例を参照)。
【0112】
ここで、OAM多重化手段70を、ダウンロード用OAMフレームについては増設ONU3宛であるか、既存ONU3宛であるかを区別せずに、OAMキュー30へ出力する構成に変形することも可能である。この場合、例えば、上記ダウンロード手段20Fの代わりに、増設ONU3宛の優先出力を行わないダウンロード手段を採用することも可能である。
【0113】
また、OLT2F〜2Iにおいて、ダウンロード手段20Fからダウンロード多重化手段22を削除することも可能である。この場合、ダウンロード用OAMフレームは各ダウンロードフレーム生成手段21からOAM多重化手段70,70Dへ直接、入力される。
【0114】
また、変形例に係るOLT2H,2Iを、図11のOLT2Fと同様にダウンロード手段20Fには中断指示S90を出さない構成に変形することも可能である。
【0115】
また、上記では増設ONU3に対応するダウンロードキュー23のフレーム蓄積量を監視対象にする場合を例示した。これに対し、増設ONU3用であるか否かに関係なく少なくとも1つのダウンロードキュー23のフレーム蓄積量がダウンロードキューしきい値を超えた場合に中断指示S90を出すように、ダウンロードキュー監視手段90を変形することも可能である。
【0116】
また、ダウンロードキュー監視手段90は、実施の形態2に係るOLT2B〜2Fと組み合わせることも可能である。
【0117】
これらの変形例によっても上記の各種効果を得ることができる。
【0118】
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0119】
1 PONシステム、2,2B〜2I 局側装置(OLT)、3 加入者側装置(ONU)、4 光スプリッタ、5,6 光ファイバ、10 フレーム、20,20F ダウンロード手段、21 ダウンロードフレーム生成手段、22 ダウンロード多重化手段、23 ダウンロードキュー、30 OAMキュー、40 管理テーブル(情報管理手段)、50 ファームウェア(ソフトウェア)、61,62 OAM利用手段、70 OAM多重化手段、80 OAMキュー監視手段、90 ダウンロードキュー監視手段、S80,S90 中断指示。
【技術分野】
【0001】
本発明は、PON(Passive Optical Network)システムに適用される局側装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、PONシステムでは、局側装置が光ファイバを介して光スプリッタに接続され、当該光スプリッタに複数の光ファイバが接続され、当該複数の光ファイバに複数の加入者側装置がそれぞれ接続される。
【0003】
局側装置は、PONシステムにおける親局装置にあたり、例えば電話局等に設置される。局側装置はOLT(Optical Line Terminal)とも称される。また、加入者側装置は、PONシステムにおける子局装置にあたり、例えば加入者宅等に設置される。加入者側装置は宅側装置またはONU(Optical Network Unit)とも称される。
【0004】
下記特許文献1には、複数の加入者側装置に共通のダウンロードデータを局側装置がブロードキャストするPONシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−252176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、機能アップや不具合改修等のために、加入者側装置に搭載されているファームウェアを更新する場合がある。そのような場合、特許文献1のPONシステムでは、更新用のデータがブロードキャストによって配信される。
【0007】
しかし、ブロードキャストは、例えばデータ配信中に加入者側装置が増設されるような状況に不向きである。
【0008】
より具体的には、増設後に最新のファームウェアへの更新が必要になる場合であっても、更新データの配信が既に開始していれば、増設された加入者側装置は次回の配信を待たなければならない。このような場合、増設作業を完了するまでの時間が長くなってしまい、作業効率が低い。
【0009】
ここで、例えば、既に開始されているデータ配信と並行して、増設された加入者側装置のためにブロードキャスト配信を行うことが考えられる。しかし、複数のブロードキャストが同時進行することになり、全ての加入者側装置が更新用データを取得し終えるまでに長時間を費やすことになる。場合によっては、ユニキャスト配信よりも時間がかかるかもしれない。
【0010】
また、特許文献1のPONシステムでは局側装置と加入者側装置の両方が、特許文献1に紹介される構成を採用する必要がある。このため、システム導入が大がかりになってしまう。また、既存の加入者側装置をそのまま使うことができなくなるので、加入者側装置の構成変更や新規導入等の対処が必要になる。そのような対処は、既存の加入者側装置の継続的利用または再利用、さらにはそれによるPONシステムの利用促進という観点からすれば、必ずしも好ましいとは言えない。
【0011】
また、ファームウェアの更新は速やかに行われるのが好ましいが、PONシステム内の通信が輻輳した場合には、更新ファームウェアの配信自体が遅れてしまう。更新ファームウェアが遅滞なく配信されることは、加入者側装置の増設時であるか否かに関係なく、要望されるものであるが、特に増設時においては、最新ファームウェアへの更新を早期に完了させ、サービスを開通させる必要性がある。
【0012】
本発明は、ファームウェア等のソフトウェアの配信(ダウンロード)を配信時の状況に応じて適切に実行可能な局側装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様に係る、PON(Passive Optical Network)システムに適用される局側装置は、前記PONシステムに含まれる複数の加入者側装置へダウンロードするソフトウェアを、前記複数の加入者側装置のそれぞれに対してユニキャスト可能な形式のダウンロード用OAM(Operation, Administration, and Maintenance)フレームに加工するダウンロード手段と、前記複数の加入者側装置の中で増設された加入者側装置を既存の加入者側装置と区別するための情報を管理する情報管理手段とを備え、前記ダウンロード手段は、前記情報管理手段が保有する情報を参照して、前記増設された加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームを前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームよりも優先的に出力する。
【発明の効果】
【0014】
上記の一態様によれば、増設された加入者側装置宛のダウンロード用OAMフレームが、既存の加入者側装置宛のダウンロード用OAMフレームよりも優先的に出力される。したがって、増設された加入者側装置においてソフトウェアの更新等を速やかに行うことが可能になる。また、例えば既存の加入者側装置に対するダウンロード(配信)が開始した後であっても、増設された加入者側装置に対するダウンロードが優先される。このため、加入者側装置の増設作業を完了させるまでの時間を短縮化することができる。つまり、作業効率を向上させることができる。また、加入者側装置の構成変更や新規導入等の対処が不要なので、既存の加入者側装置の継続的利用または再利用を促進し、さらにはそれによるPONシステムの利用を促進することができる。
【0015】
本発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1についてPONシステムの構成概略図である。
【図2】実施の形態1についてユニキャスト通信を概説する模式図である。
【図3】実施の形態1についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図4】実施の形態1について管理テーブルの内容を例示する模式図である。
【図5】実施の形態1についてOLTのダウンロード動作を例示するフローチャートである。
【図6】実施の形態1についてOAMキューの状態を例示する模式図である。
【図7】実施の形態2についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図8】実施の形態2についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図9】実施の形態2の変形例についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図10】実施の形態2の変形例についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図11】実施の形態3についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図12】実施の形態3についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図13】実施の形態3の変形例についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【図14】実施の形態3の変形例についてOLTの構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施の形態1>
<PONシステムの概要>
図1に、実施の形態1に係るPONシステム1の構成概略図を例示する。PONシステム1は、図1の例では、1台の局側装置(以下、OLTとも称する)2と、複数台の加入者側装置(以下、ONUとも称する)3と、光スプリッタ4と、光ファイバ5,6とを含んでいる。図1には、説明のため、上位ネットワーク7と端末装置8とを併記している。なお、各種要素の数は図1の例に限定されるものではない。
【0018】
OLT2は、上位ネットワーク7(例えばインターネット等)に接続されているとともに、光ファイバ5を介して光スプリッタ4に接続されている。光スプリッタ4は、複数の光ファイバ6と接続されており、光ファイバ5,6間を伝送する光信号の分岐および結合を行う光受動素子である。光ファイバ6のそれぞれにONU3が接続されている。図1の例では、ONU3のそれぞれに端末装置8が接続されている。端末装置8は通信機能を有した装置、例えば通信機器やパーソナルコンピュータ(PC)等である。
【0019】
すなわち、OLT2と複数のONU3とが、光スプリッタ4および光ファイバ5,6を介して光通信可能に接続されている。
【0020】
OLT2は、ONU3から到来する光信号を上位ネットワーク7へ転送し、逆に上位ネットワーク7から到来する信号をONU3へ転送する。なお、OLT2は、上位ネットワーク7の構成に応じて、光信号と電気信号との間の変換を行う。OLT2は、各ONU3、さらにはPONシステム1全体の制御や監視等を行う。
【0021】
ONU3は、OLT2から到来した光信号を電気信号へ変換して端末装置8へ出力し、逆に端末装置8から到来した電気信号を光信号へ変換してOLT2へ向けて出力する。
【0022】
なお、OLT2が上位ネットワーク7と無線通信を行う構成を採用してもよいし、同様にONU3が端末装置8と無線通信を行う構成を採用してもよい。これらの場合、無線信号の一例である電波信号は実質的に電気信号に含めることが可能である。
【0023】
<ユニキャスト通信>
図2に、PONシステム1におけるユニキャスト通信を概説する模式図を示す。なお、図2ではn台のONU3が例示され、これらのONU3を区別する場合にはONU#1、ONU#2、…、ONU#nと称することにする。
【0024】
PONシステム1の構成上、OLT2から送信された光信号は、全てのONU3へ伝送される。ユニキャスト通信では、各ONU3に識別子であるLLID(Logical Link Identifier)が予め割り当てられており、当該LLIDによって送信相手が指定される。
【0025】
具体的には、OLT2は送信先のONU3のLLIDを送信するフレーム(パケットと称される場合もある)10に付与し、ONU3は、受信したフレーム10のLLIDから、その受信フレーム10が自身宛であるか否かを判断する。ONU3は、受信フレーム10が自身宛である場合、その受信フレーム10に対して、端末装置8への転送、ONU3内での利用等の処理を行う一方、受信フレーム10が自身宛でない場合、その受信フレーム10を破棄する。
【0026】
PONシステム1では、ONU3のファームウェアの配信(換言すればダウンロード)を、OLT2からONU3へのユニキャスト通信によって行う。なお、ONU3のファームウェアの配信を例示するが、例えばONU3が利用するアプリケーションプログラムも同様に配信可能である。すなわち、以下に例示する技術は広くソフトウェア(ファームウェア、アプリケーションプログラム等を含む)の配信に適用可能である。
【0027】
特に、PONシステム1では、OAM(Operation, Administration, and Maintenance)フレームによって、ファームウェアを配信する。
【0028】
OAMは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3ahで規定されているPONシステムの制御用信号であり、PONシステム内の装置や回線の保守監視制御に利用される。OAMは一般には、障害通知、ループバック試験、リンク監視等に利用可能である。
【0029】
一般に、PONシステムは、端末装置(端末装置8を参照)がインターネット(上位ネットワーク7を参照)を利用する際の信号等の主通信信号を伝送することを本来的な機能として有している。このため、OAMは、主通信信号の帯域に影響を与えないように規定されている。また、OAMによる通信は主通信信号に比べて低速な通信として規定されている。
【0030】
<OLTの構成例>
図3に、OLT2のブロック図を例示する。図3の例によれば、OLT2は、ダウンロード手段20と、OAMキュー30と、管理テーブル40とを含んでいる。なお、図3では「ダウンロード手段」という名称を簡略に表記しており、表記の簡略化は他の図面および他の要素についても用いる場合がある。
【0031】
図3には、説明のために、ダウンロード対象のファームウェア50を併記している。ファームウェア50は、ここでは、ONU3(図1参照)の機能アップや不具合改修等のための更新用のファームウェアとする。ファームウェア50は、例えば、上位ネットワーク7(図1参照)や、OLT2に外部接続される記憶装置等から、OLT2へ供給される、もしくは、OLT2自身に記憶されている。
【0032】
ダウンロード手段20は、PONシステム1に含まれる複数のONU3(ここではn+1台のONU3とする)へダウンロードするファームウェア50を、各ONU3に対してユニキャスト可能な形式のOAMフレーム(ダウンロード用OAMフレームとも称することにする)に加工する。生成されたOAMフレームはOAMキュー30へ出力される。
【0033】
より具体的には、ダウンロード手段20は、ファームウェア50をOAM転送に適したデータサイズのブロックに分割し、各ブロックを各ONU3宛のOAMフレームに加工する。OLT2は当該ダウンロード用OAMフレームを各ONU3へユニキャストするので、各ダウンロード用OAMフレームには送信先のONU3のLLIDが付けられる。
【0034】
ダウンロード手段20は、図3の例では、n+1個のダウンロードフレーム生成手段21と、ダウンロード多重化手段22とを含んでいる。
【0035】
n+1個のダウンロードフレーム生成手段21はn+1台のONU3に対応して設けられており、各ダウンロードフレーム生成手段21は、対応するONU3宛のダウンロード用OAMフレームを生成する。例えばONU#1用のダウンロードフレーム生成手段21は、ファームウェア50を上記ブロックに分割し、各ブロックにONU#1のLLIDを付けてONU#1宛のOAMフレームを生成する。生成されたダウンロード用OAMフレームはダウンロード多重化手段22へ出力される。
【0036】
なお、ファームウェア50をブロックに分割する処理は、各ダウンロードフレーム生成手段21がそれぞれ行ってもよいし、あるいはn+1個のダウンロードフレーム生成手段21とは別個の手段が行ってもよい。
【0037】
ダウンロード多重化手段22は、各ダウンロードフレーム生成手段21によって生成されたダウンロード用OAMフレームを多重化して出力する。多重化されたフレームはOAMキュー30へ出力される。
【0038】
より具体的には、ダウンロード多重化手段22は、n+1個のダウンロードフレーム生成手段21から並列に入力されるダウンロード用OAMフレームを、所定の多重化規則に従って順番に(換言すれば直列に)出力する。ダウンロード多重化手段22は複数の入力フレームのうちから1つのフレームを選択的に出力するセレクタと解することができ、当該セレクタが所定の選択規則に従って連続的に出力を行うことによってフレームの多重化が実現される。
【0039】
ここで、上記の多重化規則(換言すれば上記の選択規則)として、例えばONU#1、…、ONU#n、ONU#n+1の順序で出力することによって多重化するという規則が挙げられる(第1例)。これによれば、各ONU3宛の出力が均等になる。
【0040】
あるいは、多重化手段22へ入力された順番でフレームを出力することによって多重化するという規則を採用することも可能である(第2例)。なお、第2例の規則であっても、多重化手段22への入力機会が均等であれば、各ONU3宛の出力が均等になる(出力順序が第1例の規則と異なるだけである)。
【0041】
あるいは、多重化規則を実行するのに必要な情報を、ダウンロード多重化手段22の外部から与えることも可能である(第3例)。
【0042】
実施の形態1では、上記第2例の多重化規則が採用されているものとする。
【0043】
OAMキュー30は、ダウンロード多重化手段22から出力されるダウンロード用OAMフレームを蓄積するとともに、蓄積したダウンロード用OAMフレームを出力する。この際、OAMキュー30はFIFO(First In First Out)によって動作する。OAMキュー30から出力されたフレームは、その他の所定処理(例えば光信号への変換等)を経てOLT2から送信される。
【0044】
管理テーブル40は、OLT2に接続されているONU3に関する情報が記録されたデータベースであり、不図示の記憶手段(例えば半導体メモリ)に格納されている。管理テーブル40の作成、更新等は例えばPONシステム1の運営者によって行われる。
【0045】
図4に、管理テーブル40の内容を例示する。図4に例示の管理テーブル40には、ONU3毎に、LLIDと、ONU番号と、MACアドレスと、ダウンロード(DL)状況と、増設フラグ(後述する)という各情報が記録されている。例えばLLID=1のONU#1について、MACアドレスがAA:BB:…:FFであるという情報と、現在ブロック(BL)#2のダウンロード中であるという情報と、増設フラグがOFFであるという情報とが記録されている。
【0046】
管理テーブル40に記録されている各情報は相互に関連付けて管理されている。このため、管理テーブル40を参照することによって、増設フラグがONに設定されているONU3を特定することが可能である。より具体的には、増設フラグがONであるという条件を検索キーとして管理テーブル40内の情報を検索することによって、検索キーに対応した(換言すれば該当した)ONU3のLLID等の情報を抽出することが可能である。
【0047】
ここで、増設フラグは、そのONU3が新たに増設された装置であるのか、既存の装置であるかの情報を示す。具体的には、増設されたONU3(ここではONU#n+1)については増設フラグがONに設定され、既存のONU3については増設フラグがOFFに設定されている。一般にPONシステム1の利用申し込みの後にONU3の増設作業が行われるので、その増設作業前にPONシステム1の運営者が増設対象のONU3(ONU#n+1)に関する各種情報を管理テーブル40に記録し、その際に増設フラグがONに設定される。
【0048】
つまり、管理テーブル40は、n+1台のONU3の中で増設ONU#n+1を既存ONU#1〜ONU#nと区別するための情報等を管理する情報管理手段にあたる。
【0049】
なお、ダウンロード手段20等の各種要素は、マイクロプロセッサを機能させるプログラム、または、ハードウェア(デジタル回路、アナログ回路、各種装置等)、または、それらの組み合わせによって実現可能である。
【0050】
<OLTの動作例>
図5に、更新ファームウェア50のダウンロード動作ST10のフローチャートを例示する。ダウンロード動作ST10は、ダウンロードフレーム生成手段21(図3参照)のそれぞれにおいて実行される。この際、例えばn+1個のダウンロードフレーム生成手段21が互いに並列に自身のダウンロード動作ST10を実行してもよいし、あるいは、例えばn+1個のダウンロードフレーム生成手段21が時分割で順番に自身のダウンロード動作ST10を実行してもよい。
【0051】
また、ダウンロード動作ST10は、ダウンロード相手のONU3がPONシステム1において通信可能な状態にある場合に実行される。通信可能な状態にあるか否かは例えばOAM機能によって確認可能である。図5に例示のダウンロード動作ST10はステップST11〜ST16を含んでいる。
【0052】
ステップST11では、ダウンロードフレーム生成手段21は、ファームウェア50の上記分割ブロック(BL)を区別するためのカウント値iを、初期値(ここでは1)に設定する。ブロックの分割数をm個とすると、1≦i≦mである。
【0053】
ステップST12は、ステップST11の後に実行される。ステップST12では、ダウンロードフレーム生成手段21は、管理テーブル40を参照して、自身がダウンロードを担当するONU3(以下、対象ONU3と称する場合もある)の増設フラグの状態を判別する。ダウンロードフレーム生成手段21は、判別の結果、対象ONU3の増設フラグがONの場合は次にステップST13を実行し、対象ONU3の増設フラグがOFFの場合は次にステップST16を実行する。
【0054】
ステップST13では、ダウンロードフレーム生成手段21は、i番目の分割ブロック(BL#i)をダウンロードするためのOAMフレームを生成し出力する。生成されたフレームはダウンロード多重化手段22へ入力される(図3参照)。
【0055】
ステップST14は、ステップST13の後に実行される。ステップST14では、ダウンロードフレーム生成手段21は、全てのブロックの出力を完了したか否か、具体的にはカウント値iがブロック分割数mに達したか否かを判別する。ダウンロードフレーム生成手段21は、判別の結果、全ブロックの出力が完了した場合はダウンロード動作ST10を終了し、全ブロックの出力が完了していない場合は次にステップST15を実行する。
【0056】
なお、増設対象のONU#n+1用のダウンロードフレーム生成手段21は、ステップST14の後、あるいは、ダウンロード動作ST10の終了後、管理テーブル40のONU#n+1の増設フラグをOFFに変更する。
【0057】
ステップST15では、ダウンロードフレーム生成手段21はカウント値iをインクリメントする(i=i+1)。ステップST15の後、ダウンロードフレーム生成手段21の処理は上記ステップST12へ移行する。
【0058】
上記のようにステップST12において対象ONU3の増設フラグがOFFの場合はステップST16が実行される。ステップST16では、ダウンロードフレーム生成手段21は、管理テーブル40を参照して、自身がダウンロードを担当しないONU3(以下、対象外ONU3と称する場合もある)の増設フラグの状態およびダウンロード状況を判別する。
【0059】
そして、判別の結果、増設フラグがONに設定された対象外ONU3が存在し、かつ、その対象外ONU3がダウンロード中(すなわちダウンロード動作ST10を実行中)である場合、ダウンロードフレーム生成手段21の処理は上記ステップST12へ移行する。
【0060】
他方、増設フラグがONの対象外ONU3が存在しない場合、または、増設フラグがONの対象外ONU3が存在するがその対象外ONU3はダウンロード中ではない(例えばダウンロード開始前の状態にある)場合、ダウンロードフレーム生成手段21の処理は上記ステップST13へ移行する。
【0061】
ダウンロード動作ST10によれば、増設ONU#n+1用のダウンロードフレーム生成手段21は、ステップST12〜ST15のループを実行してダウンロード用OAMフレームを順次、出力する。
【0062】
これに対し、既存ONU#1〜ONU#n用のダウンロードフレーム生成手段21は、増設ONU#n+1用のダウンロードフレーム生成手段21がダウンロード動作ST10を実行していない場合は、ステップST12,ST16,ST13〜ST15のループを実行してダウンロード用OAMフレームを順次、出力する。
【0063】
しかし、増設ONU#n+1用のダウンロードフレーム生成手段21がダウンロード動作ST10を実行中である場合、既存ONU#1〜ONU#n用のダウンロードフレーム生成手段21はステップST12,ST16のループを実行することになる。その結果、既存ONU#1〜ONU#n用のダウンロードフレーム生成手段21は、ダウンロード用OAMフレームを生成せず、したがってダウンロード用OAMフレームが出力されない。つまり、ダウンロード用OAMフレームの生成および出力が中断される。
【0064】
なお、増設ONU#n+1用のダウンロードフレーム生成手段21がダウンロード動作ST10を終了すれば(管理テーブル40から知ることが可能である)、既存ONU#1〜ONU#n用のダウンロードフレーム生成手段21はダウンロード用OAMフレームの生成および出力を再開する。
【0065】
これにより、ダウンロード手段20は、増設ONU#n+1のダウンロード用OAMフレームを既存ONU#1〜#nのダウンロード用OAMフレームよりも優先的に出力することができる。
【0066】
ここで、図6に、OAMキュー30の状態を例示する。図6の例では、既存ONU#1〜ONU#n宛のブロック#1(カウント値i=1のブロック)のダウンロードOAMフレームが順次OAMキュー30へ入力され、さらに既存ONU#1〜ONU#n宛のブロック#2のダウンロードOAMフレームが順次OAMキュー30へ入力された後に、既存ONU#1〜ONU#n宛のダウンロードOAMフレームが中断している。そして、増設ONU#n+1宛のブロック#1〜#mのダウンロードOAMフレームが優先的に(換言すれば集中的に)OAMキュー30へ入力されている。増設ONU#n+1宛の全てのOAMフレームが入力された後、既存ONU#1〜ONU#n宛のOAMフレームの入力が再開されている。
【0067】
<効果>
局側装置2によれば、増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームが、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームよりも優先的に出力される。したがって、増設ONU3においてファームウェアの更新等を速やかに行うことが可能になる。
【0068】
また、例えば既存ONU3に対するダウンロードが開始した後であっても、増設ONU3に対するダウンロードが優先される。このため、ONU3の増設作業を完了させるまでの時間を短縮化することができる。つまり、作業効率を向上させることができる。
【0069】
また、OLT2によれば、ONU3の構成変更や新規導入等の対処が不要なので、既存ONUの継続的利用または再利用を促進し、さらにはそれによるPONシステム1の利用を促進することができる。
【0070】
<実施の形態1の変形例>
上記では既存ONU3のダウンロード用OAMフレームの生成および出力を中断する場合を例示した。これに対し、ダウンロード用OAMフレームの生成は続行するが、生成したフレームを一時的に蓄積しておき、その出力を中断する構成を、ダウンロードフレーム生成手段21に採用することも可能である。
【0071】
また、上記では、ダウンロードフレーム生成手段21からの出力を中断することによって、ダウンロード手段20からの出力を中断させる場合を例示した。これに対し、ダウンロード多重化手段22の動作によって、ダウンロード手段20からの出力を中断させることも可能である。
【0072】
具体的には、ダウンロードフレーム生成手段21はダウンロード用OAMフレームの生成および出力を継続的に行い、ダウンロード多重化手段22が管理テーブル40を参照して増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームを優先的に出力させる。この場合、ダウンロード多重化手段22は、既存ONU3宛のフレームの出力を中断するとともに増設ONU3宛のフレームを出力させるという多重化規則を、管理テーブル40に記録された情報に基づいて実行する(既述した多重化の第3例を参照)。
【0073】
これらの変形例によっても上記の各種効果を得ることができる。
【0074】
<実施の形態2>
上記のようにOAMはPONシステム内の装置や回線の保守監視制御に利用され、実施の形態1で説明したファームウェア50のダウンロード以外の他の目的(例えば、障害通知、ループバック試験、リンク監視等)にも利用される。実施の形態2では、例えばOAMの利用が輻輳した場合であっても、ファームウェア50のダウンロードを優先的に実行可能な構成を例示する。
【0075】
図7に、実施の形態2に係るOLT2Bのブロック図を例示する。図7の例によれば、OLT2Bは、上記OLT2(図3参照)の構成に加え、OAM利用手段61,62と、OAM多重化手段70と、OAMキュー監視手段80とを含んでいる。
【0076】
OAM利用手段61,62は、ファームウェア50のダウンロード以外の他の目的でOAMを利用する手段であり、その他目的に応じたOAMフレーム(以下、他目的用OAMフレームとも称する)を生成する。生成された他目的用OAMフレームはOAM多重化手段70へ出力される。
【0077】
なお、OAM利用手段61,62は例えば、ダウンロード手段20と同様に、各ONU3用のフレーム生成手段と、多重化手段とを含んで構成される。また、他目的用OAMフレームは、ユニキャスト用であってもよいし、ブロードキャスト用であってもよい。また、OAM利用手段の数は、ここでの例示に限定されるものではない。
【0078】
OAM多重化手段70は、OAM利用手段61,62から出力された他目的用OAMフレームと、ダウンロード手段20から出力されたダウンロード用OAMフレームとを入力として取得し、これらのOAMフレームを多重化して出力する。多重化されたフレームはOAMキュー30へ出力される。
【0079】
OAM多重化手段70による多重化処理は、基本的には、既述のダウンロード多重化手段22のそれと同様である。ここでは、OAM多重化手段70は、当該多重化手段70へ入力された順番でフレームを出力することによって多重化するものとする(既述した多重化の第2例を参照)。
【0080】
OAMキュー監視手段80は、OAMキュー30のフレーム蓄積量が所定のしきい値(OAMキューしきい値)を超えた場合に、他目的用OAMフレームがOAMキュー30へ入力されるのを抑制するための制御を行う。
【0081】
より具体的には、OAMキュー監視手段80は、OAMキュー30のフレーム蓄積量を監視しており、当該フレーム蓄積量がOAMキューしきい値を超えた場合に、OAM利用手段61,62へ中断指示S80を出して、OAM利用手段61,62が他目的用OAMフレームを出力するのを中断させる。
【0082】
OAM利用手段61,62が中断指示S80に従って他目的用OAMフレームの出力を中断することにより(フレームの生成を中断してもその出力の中断に繋がる)、他目的用OAMフレームがOAMキュー30へ入力されるのが抑制される。
【0083】
OLT2Bによれば、OAMキュー30のフレーム蓄積量からOAMの利用の輻輳状態を推測することができ、そのような輻輳状態であってもダウンロード用OAMフレームを優先的に出力することができる。このため、ファームウェア50の配信遅延を回避することができる。
【0084】
ここで、図8に例示するOLT2CのようにOAMキュー監視手段80は、OAM利用手段61,62だけでなく、ダウンロード手段20にも中断指示S80を出してもよい。この場合、ダウンロード手段20が(より具体的には既存ONU3に対応するダウンロードフレーム生成手段21が)当該中断指示S80に従って既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームの出力を中断することにより、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームがOAMキュー30へ入力されるのが抑制される。
【0085】
OLT2Cによれば、他目的用OAMフレームだけでなく、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームも抑制されるので、特に増設ONU3宛のダウンロードを優先させることができる。換言すれば、上記OLT2Bによれば、増設ONUであるか否かに関係なく、ダウンロードを他のOAM利用よりも優先させることができる。
【0086】
<実施の形態2の変形例>
上記ではOAMキュー監視手段80がOAM利用手段61,62(さらにはダウンロード手段20)へ直接、中断指示S80を出す場合を例示した。これに対し、図9に例示するOLT2Dのように中断指示S80を、OAM多重化手段70Dを経由させて、OAM利用手段61,62およびダウンロード手段20へ出してもよい。なお、OAM多重化手段70Dは、上記OAM多重化手段70と同様の多重化機能と、OAMフレームの出力元(ここではOAM利用手段61,62およびダウンロード手段20)に対してフレームの出力を停止させる機能とを有している。
【0087】
また、上記ではOAM利用手段61,62(さらにはダウンロード手段20)からの出力を中断することによって、OAMキュー30への入力を抑制する場合を例示した。これに対し、図10に例示するOLT2Eのように中断指示S80をOAM多重化手段70へ与え、OAM多重化手段70の動作によってOAMキュー30への入力を抑制することも可能である。
【0088】
具体的には、ダウンロード手段20およびOAM利用手段61,62はOAMフレームを継続的に出力し、OAM多重化手段70が中断指示S80に従って他目的用OAMフレームの出力と、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームとの出力を中断する。これにより、増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームが優先的にOAM多重化手段70からOAMキュー30へ出力される。
【0089】
なお、OAM多重化手段70は、管理テーブル40を参照することによって、増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームと、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームとを区別することが可能である(既述した多重化の第3例を参照)。
【0090】
ここで、OAM多重化手段70を、ダウンロード用OAMフレームについては増設ONU3宛であるか、既存ONU3宛であるかを区別せずに、OAMキュー30へ出力する構成に変形することも可能である。この場合、例えば、上記ダウンロード手段20の代わりに、増設ONU3宛の優先出力を行わないダウンロード手段を採用することも可能である。
【0091】
また、OLT2B〜2Eにおいて、ダウンロード手段20からダウンロード多重化手段22を削除することも可能である。この場合、ダウンロード用OAMフレームは各ダウンロードフレーム生成手段21からOAM多重化手段70,70Dへ直接、入力される。
【0092】
また、変形例に係るOLT2D,2Eを、図7のOLT2Bと同様にダウンロード手段20には中断指示S80を出さない構成に変形することも可能である。
【0093】
これらの変形例によっても上記の各種効果を得ることができる。
【0094】
<実施の形態3>
実施の形態3では、実施の形態2と同様に、例えばOAMの利用が輻輳した場合であっても、ファームウェア50のダウンロードを優先的に実行可能な構成を例示する。
【0095】
図11に、実施の形態3に係るOLT2Fのブロック図を例示する。図11の例によれば、OLT2Fは、上記OLT2B(図7参照)において、ダウンロード手段20をダウンロード手段20Fに変更するとともに、OAMキュー監視手段80をダウンロードキュー監視手段90に変更した構成を有している。
【0096】
ダウンロード手段20Fは、上記ダウンロード手段20(図7参照)に、n+1個のダウンロードキュー23を追加した構成を有している。
【0097】
n+1個のダウンロードキュー23はn+1個のダウンロードフレーム生成手段21に対応して設けられている。各ダウンロードキュー23は、対応するダウンロードフレーム生成手段21から出力されるダウンロード用OAMフレームを蓄積するとともに、蓄積したダウンロード用OAMフレームをダウンロード多重化手段22へ出力する。この際、ダウンロードキュー23はFIFOによって動作する。
【0098】
ダウンロードキュー監視手段90は、n+1個のダウンロードキュー23のうちで増設ONU(ここではONU#n+1)に対応するダウンロードキュー23のフレーム蓄積量が所定のしきい値(ダウンロードキュー用しきい値)を超えた場合に、OAM利用手段61,62から出力される他目的用OAMフレームがOAMキュー30へ入力されるのを抑制するための制御を行う。
【0099】
より具体的には、ダウンロードキュー監視手段90は、増設ONU#n+1用のダウンロードキュー23のフレーム蓄積量を監視しており、当該フレーム蓄積量がダウンロードキュー用しきい値を超えた場合に、OAM利用手段61,62へ中断指示S90を出して、OAM利用手段61,62が他目的用OAMフレームを出力するのを中断させる。
【0100】
ここで、ダウンロードキュー監視手段90は、管理テーブル40を参照することによって増設ONU3を判別することが可能であり、これにより増設ONU3用のダウンロードキュー23を判別することが可能である。
【0101】
OAM利用手段61,62が中断指示S90に従って他目的用OAMフレームの出力を中断することにより(フレームの生成を中断してもその出力の中断に繋がる)、他目的用OAMフレームがOAMキュー30へ入力されるのが抑制される。
【0102】
なお、図11の例ではダウンロードキュー監視手段90がダウンロード手段20Fの外部に設けられているが、例えばダウンロード手段20Fの内部にダウンロードキュー監視手段90を設けることも可能である。すなわち、OLT2Fがダウンロードキュー監視手段90を有していれば、ダウンロードキュー監視手段90はどこに設けられていても構わない。
【0103】
OLT2Fによれば、ダウンロードキュー23のフレーム蓄積量からOAMの利用の輻輳状態を推測することができ、そのような輻輳状態であってもダウンロード用OAMフレームを優先的に出力することができる。このため、ファームウェア50の配信遅延を回避することができる。
【0104】
増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームは集中的にダウンロード手段20から出力されることに鑑みれば、特に増設ONU3用のダウンロードキュー23を監視対象とすることは、OAM輻輳の推測に有用である。
【0105】
ここで、図12に例示するOLT2Gのようにダウンロードキュー監視手段90は、OAM利用手段61,62だけでなく、ダウンロード手段20Fにも中断指示S90を出してもよい。この場合、ダウンロード手段20Fが(より具体的には既存ONU3に対応するダウンロードフレーム生成手段21が)当該中断指示S90に従って既存ONU3のダウンロード用OAMフレームの出力を中断することにより、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームがOAMキュー30へ入力されるのが抑制される。
【0106】
OLT2Gによれば、他目的用OAMフレームだけでなく、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームも抑制されるので、特に増設ONU3宛のダウンロードを優先させることができる。換言すれば、上記OLT2Fによれば、増設ONUであるか否かに関係なく、ダウンロードを他のOAM利用よりも優先させることができる。
【0107】
<実施の形態3の変形例>
上記ではダウンロードキュー監視手段90がOAM利用手段61,62(さらにはダウンロード手段20F)へ直接、中断指示S90を出す場合を例示した。これに対し、図13に例示するOLT2Hのように中断指示S90を、OAM多重化手段70Dを経由させて、OAM利用手段61,62およびダウンロード手段20Fへ出してもよい。
【0108】
また、上記ではOAM利用手段61,62(さらにはダウンロード手段20F)からの出力を中断することによって、OAMキュー30への入力を抑制する場合を例示した。これに対し、図14に例示するOLT2Iのように中断指示S90をOAM多重化手段70へ与え、OAM多重化手段70の動作によってOAMキュー30への入力を抑制することも可能である。
【0109】
具体的には、ダウンロード手段20FおよびOAM利用手段61,62はOAMフレームを継続的に出力し、OAM多重化手段70が中断指示S90に従って他目的用OAMフレームの出力と、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームとの出力を中断する。これにより、増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームが優先的にOAM多重化手段70からOAMキュー30へ出力される。
【0110】
なお、ダウンロードキュー監視手段90は、管理テーブル40を参照することによって増設ONU3を判別することが可能であるので、例えば、どのダウンロード用OAMフレームが増設ONU3宛であるのか(あるいは既存ONU3宛であるのか)に関する情報(例えばLLID(図4参照))を、中断指示S90に含めてもよい。これによれば、OAM多重化手段70は、受け取った中断指示S90に基づいて、増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームと、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームとを区別することが可能である(既述した多重化の第3例を参照)。
【0111】
あるいは、OAM多重化手段70が管理テーブル40を直接、参照することによって、増設ONU3宛のダウンロード用OAMフレームと、既存ONU3宛のダウンロード用OAMフレームとを区別してもよい(既述した多重化の第3例を参照)。
【0112】
ここで、OAM多重化手段70を、ダウンロード用OAMフレームについては増設ONU3宛であるか、既存ONU3宛であるかを区別せずに、OAMキュー30へ出力する構成に変形することも可能である。この場合、例えば、上記ダウンロード手段20Fの代わりに、増設ONU3宛の優先出力を行わないダウンロード手段を採用することも可能である。
【0113】
また、OLT2F〜2Iにおいて、ダウンロード手段20Fからダウンロード多重化手段22を削除することも可能である。この場合、ダウンロード用OAMフレームは各ダウンロードフレーム生成手段21からOAM多重化手段70,70Dへ直接、入力される。
【0114】
また、変形例に係るOLT2H,2Iを、図11のOLT2Fと同様にダウンロード手段20Fには中断指示S90を出さない構成に変形することも可能である。
【0115】
また、上記では増設ONU3に対応するダウンロードキュー23のフレーム蓄積量を監視対象にする場合を例示した。これに対し、増設ONU3用であるか否かに関係なく少なくとも1つのダウンロードキュー23のフレーム蓄積量がダウンロードキューしきい値を超えた場合に中断指示S90を出すように、ダウンロードキュー監視手段90を変形することも可能である。
【0116】
また、ダウンロードキュー監視手段90は、実施の形態2に係るOLT2B〜2Fと組み合わせることも可能である。
【0117】
これらの変形例によっても上記の各種効果を得ることができる。
【0118】
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0119】
1 PONシステム、2,2B〜2I 局側装置(OLT)、3 加入者側装置(ONU)、4 光スプリッタ、5,6 光ファイバ、10 フレーム、20,20F ダウンロード手段、21 ダウンロードフレーム生成手段、22 ダウンロード多重化手段、23 ダウンロードキュー、30 OAMキュー、40 管理テーブル(情報管理手段)、50 ファームウェア(ソフトウェア)、61,62 OAM利用手段、70 OAM多重化手段、80 OAMキュー監視手段、90 ダウンロードキュー監視手段、S80,S90 中断指示。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PON(Passive Optical Network)システムに適用される局側装置であって、
前記PONシステムに含まれる複数の加入者側装置へダウンロードするソフトウェアを、前記複数の加入者側装置のそれぞれに対してユニキャスト可能な形式のダウンロード用OAM(Operation, Administration, and Maintenance)フレームに加工するダウンロード手段と、
前記複数の加入者側装置の中で増設された加入者側装置を既存の加入者側装置と区別するための情報を管理する情報管理手段と
を備え、
前記ダウンロード手段は、前記情報管理手段が保有する情報を参照して、前記増設された加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームを前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームよりも優先的に出力する、
局側装置。
【請求項2】
請求項1に記載の局側装置であって、
前記ダウンロード手段は、
前記複数の加入者側装置に対応して設けられ、それぞれが、対応する加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームを生成して出力する複数のダウンロードフレーム生成手段
を含み、
前記複数のダウンロードフレーム生成手段のそれぞれは、
自身が前記増設された加入者側装置に対応しないことおよび前記増設された加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームが出力中であることを前記情報管理手段が保有する情報から得た場合、自身の前記ダウンロード用OAMフレームの出力を中断し、
前記増設された加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームの出力が終了した後に、自身の前記ダウンロード用OAMフレームの出力を再開する、
局側装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の局側装置であって、
前記ソフトウェアのダウンロード以外の他の目的に用いられる他目的用OAMフレームを生成する少なくとも1つのOAM利用手段と、
前記他目的用OAMフレームおよび前記ダウンロード用OAMフレームを多重化して出力するOAM多重化手段と、
前記OAM多重化手段によって多重化されたフレームを蓄積するOAMキューと、
前記OAMキューのフレーム蓄積量が所定のOAMキューしきい値を超えた場合に、前記他目的用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制するための制御を行うOAMキュー監視手段と
をさらに備える局側装置。
【請求項4】
請求項3に記載の局側装置であって、
前記OAMキュー監視手段は、前記OAMキューのフレーム蓄積量が前記所定のOAMキューしきい値を超えた場合に、前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制するための制御をさらに行う、局側装置。
【請求項5】
請求項2に記載の局側装置であって、
前記ソフトウェアのダウンロード以外の他の目的に用いられる他目的用OAMフレームを生成する少なくとも1つのOAM利用手段と、
前記他目的用OAMフレームおよび前記ダウンロード用OAMフレームを多重化して出力するOAM多重化手段と、
前記OAM多重化手段によって多重化されたフレームを蓄積するOAMキューと
をさらに備え、
前記ダウンロード手段は、
前記複数のダウンロードフレーム生成手段に対応して設けられ、それぞれが、対応するダウンロードフレーム生成手段から出力される前記ダウンロード用OAMフレームを蓄積するとともに蓄積した前記ダウンロード用OAMフレームを前記OAM多重化手段へ出力する、複数のダウンロードキュー
をさらに含み、
当該局側装置は、
前記複数のダウンロードキューのうちで前記増設された加入者側装置に対応するダウンロードキューのフレーム蓄積量が所定のダウンロードキューしきい値を超えた場合に、前記他目的用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制する制御を行うダウンロードキュー監視手段
をさらに備える局側装置。
【請求項6】
請求項3または請求項4に記載の局側装置であって、
前記ダウンロード手段は、
前記複数のダウンロードフレーム生成手段に対応して設けられ、それぞれが、対応するダウンロードフレーム生成手段から出力される前記ダウンロード用OAMフレームを蓄積するとともに蓄積した前記ダウンロード用OAMフレームを前記OAM多重化手段へ出力する、複数のダウンロードキュー
をさらに含み、
当該局側装置は、
前記複数のダウンロードキューのうちで前記増設された加入者側装置に対応するダウンロードキューのフレーム蓄積量が所定のダウンロードキューしきい値を超えた場合に、前記他目的用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制する制御を行うダウンロードキュー監視手段
をさらに備える局側装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の局側装置であって、
前記ダウンロードキュー監視手段は、前記増設された加入者側装置に対応する前記ダウンロードキューのフレーム蓄積量が前記所定のダウンロードキューしきい値を超えた場合に、前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制するための制御をさらに行う、局側装置。
【請求項8】
請求項3ないし請求項7のうちのいずれか1項に記載の局側装置であって、
前記他目的用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制するための前記制御は、
前記他目的用OAMフレームが前記少なくとも1つのOAM利用手段から出力されるのを中断させる制御と、
前記他目的用OAMフレームが前記OAM多重化手段から出力されるのを中断させる制御と、
のうちの少なくとも一方の制御を含む局側装置。
【請求項9】
請求項4と請求項7と請求項8とのうちのいずれか1項に記載の局側装置であって、
前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制するための前記制御は、
前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームが前記ダウンロード手段から出力されるのを中断させる制御と、
前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームが前記OAM多重化手段から出力されるのを中断させる制御と、
のうちの少なくとも一方の制御を含む局側装置。
【請求項10】
PON(Passive Optical Network)システムに適用される局側装置であって、
前記PONシステムに含まれる複数の加入者側装置へダウンロードするソフトウェアを、前記複数の加入者側装置のそれぞれに対してユニキャスト可能な形式のダウンロード用OAM(Operation, Administration, and Maintenance)フレームに加工するダウンロード手段と、
前記ソフトウェアのダウンロード以外の他の目的に用いられる他目的用OAMフレームを生成する少なくとも1つのOAM利用手段と、
前記他目的用OAMフレームおよび前記ダウンロード用OAMフレームを多重化して出力するOAM多重化手段と、
前記OAM多重化手段によって多重化されたフレームを蓄積するOAMキューと、
前記OAMキューのフレーム蓄積量が所定のOAMキューしきい値を超えた場合に、前記他目的用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制するための制御を行うOAMキュー監視手段と
を備える局側装置。
【請求項11】
PON(Passive Optical Network)システムに適用される局側装置であって、
前記PONシステムに含まれる複数の加入者側装置へダウンロードするソフトウェアを、前記複数の加入者側装置のそれぞれに対してユニキャスト可能な形式のダウンロード用OAM(Operation, Administration, and Maintenance)フレームに加工するダウンロード手段と、
前記ソフトウェアのダウンロード以外の他の目的に用いられる他目的用OAMフレームを生成する少なくとも1つのOAM利用手段と、
前記他目的用OAMフレームおよび前記ダウンロード用OAMフレームを多重化して出力するOAM多重化手段と、
前記OAM多重化手段によって多重化されたフレームを蓄積するOAMキューと
を備え、
前記ダウンロード手段は、
前記複数の加入者側装置に対応して設けられ、それぞれが、対応する加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームを生成して出力する複数のダウンロードフレーム生成手段と、
前記複数のダウンロードフレーム生成手段に対応して設けられ、それぞれが、対応するダウンロードフレーム生成手段から出力される前記ダウンロード用OAMフレームを蓄積するとともに蓄積した前記ダウンロード用OAMフレームを前記OAM多重化手段へ出力する、複数のダウンロードキューと
を含み、
当該局側装置は、
前記複数のダウンロードキューのうちの少なくとも1つのダウンロードキューのフレーム蓄積量が所定のダウンロードキューしきい値を超えた場合に、前記他目的用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制する制御を行うダウンロードキュー監視手段
をさらに備える局側装置。
【請求項1】
PON(Passive Optical Network)システムに適用される局側装置であって、
前記PONシステムに含まれる複数の加入者側装置へダウンロードするソフトウェアを、前記複数の加入者側装置のそれぞれに対してユニキャスト可能な形式のダウンロード用OAM(Operation, Administration, and Maintenance)フレームに加工するダウンロード手段と、
前記複数の加入者側装置の中で増設された加入者側装置を既存の加入者側装置と区別するための情報を管理する情報管理手段と
を備え、
前記ダウンロード手段は、前記情報管理手段が保有する情報を参照して、前記増設された加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームを前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームよりも優先的に出力する、
局側装置。
【請求項2】
請求項1に記載の局側装置であって、
前記ダウンロード手段は、
前記複数の加入者側装置に対応して設けられ、それぞれが、対応する加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームを生成して出力する複数のダウンロードフレーム生成手段
を含み、
前記複数のダウンロードフレーム生成手段のそれぞれは、
自身が前記増設された加入者側装置に対応しないことおよび前記増設された加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームが出力中であることを前記情報管理手段が保有する情報から得た場合、自身の前記ダウンロード用OAMフレームの出力を中断し、
前記増設された加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームの出力が終了した後に、自身の前記ダウンロード用OAMフレームの出力を再開する、
局側装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の局側装置であって、
前記ソフトウェアのダウンロード以外の他の目的に用いられる他目的用OAMフレームを生成する少なくとも1つのOAM利用手段と、
前記他目的用OAMフレームおよび前記ダウンロード用OAMフレームを多重化して出力するOAM多重化手段と、
前記OAM多重化手段によって多重化されたフレームを蓄積するOAMキューと、
前記OAMキューのフレーム蓄積量が所定のOAMキューしきい値を超えた場合に、前記他目的用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制するための制御を行うOAMキュー監視手段と
をさらに備える局側装置。
【請求項4】
請求項3に記載の局側装置であって、
前記OAMキュー監視手段は、前記OAMキューのフレーム蓄積量が前記所定のOAMキューしきい値を超えた場合に、前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制するための制御をさらに行う、局側装置。
【請求項5】
請求項2に記載の局側装置であって、
前記ソフトウェアのダウンロード以外の他の目的に用いられる他目的用OAMフレームを生成する少なくとも1つのOAM利用手段と、
前記他目的用OAMフレームおよび前記ダウンロード用OAMフレームを多重化して出力するOAM多重化手段と、
前記OAM多重化手段によって多重化されたフレームを蓄積するOAMキューと
をさらに備え、
前記ダウンロード手段は、
前記複数のダウンロードフレーム生成手段に対応して設けられ、それぞれが、対応するダウンロードフレーム生成手段から出力される前記ダウンロード用OAMフレームを蓄積するとともに蓄積した前記ダウンロード用OAMフレームを前記OAM多重化手段へ出力する、複数のダウンロードキュー
をさらに含み、
当該局側装置は、
前記複数のダウンロードキューのうちで前記増設された加入者側装置に対応するダウンロードキューのフレーム蓄積量が所定のダウンロードキューしきい値を超えた場合に、前記他目的用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制する制御を行うダウンロードキュー監視手段
をさらに備える局側装置。
【請求項6】
請求項3または請求項4に記載の局側装置であって、
前記ダウンロード手段は、
前記複数のダウンロードフレーム生成手段に対応して設けられ、それぞれが、対応するダウンロードフレーム生成手段から出力される前記ダウンロード用OAMフレームを蓄積するとともに蓄積した前記ダウンロード用OAMフレームを前記OAM多重化手段へ出力する、複数のダウンロードキュー
をさらに含み、
当該局側装置は、
前記複数のダウンロードキューのうちで前記増設された加入者側装置に対応するダウンロードキューのフレーム蓄積量が所定のダウンロードキューしきい値を超えた場合に、前記他目的用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制する制御を行うダウンロードキュー監視手段
をさらに備える局側装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の局側装置であって、
前記ダウンロードキュー監視手段は、前記増設された加入者側装置に対応する前記ダウンロードキューのフレーム蓄積量が前記所定のダウンロードキューしきい値を超えた場合に、前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制するための制御をさらに行う、局側装置。
【請求項8】
請求項3ないし請求項7のうちのいずれか1項に記載の局側装置であって、
前記他目的用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制するための前記制御は、
前記他目的用OAMフレームが前記少なくとも1つのOAM利用手段から出力されるのを中断させる制御と、
前記他目的用OAMフレームが前記OAM多重化手段から出力されるのを中断させる制御と、
のうちの少なくとも一方の制御を含む局側装置。
【請求項9】
請求項4と請求項7と請求項8とのうちのいずれか1項に記載の局側装置であって、
前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制するための前記制御は、
前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームが前記ダウンロード手段から出力されるのを中断させる制御と、
前記既存の加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームが前記OAM多重化手段から出力されるのを中断させる制御と、
のうちの少なくとも一方の制御を含む局側装置。
【請求項10】
PON(Passive Optical Network)システムに適用される局側装置であって、
前記PONシステムに含まれる複数の加入者側装置へダウンロードするソフトウェアを、前記複数の加入者側装置のそれぞれに対してユニキャスト可能な形式のダウンロード用OAM(Operation, Administration, and Maintenance)フレームに加工するダウンロード手段と、
前記ソフトウェアのダウンロード以外の他の目的に用いられる他目的用OAMフレームを生成する少なくとも1つのOAM利用手段と、
前記他目的用OAMフレームおよび前記ダウンロード用OAMフレームを多重化して出力するOAM多重化手段と、
前記OAM多重化手段によって多重化されたフレームを蓄積するOAMキューと、
前記OAMキューのフレーム蓄積量が所定のOAMキューしきい値を超えた場合に、前記他目的用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制するための制御を行うOAMキュー監視手段と
を備える局側装置。
【請求項11】
PON(Passive Optical Network)システムに適用される局側装置であって、
前記PONシステムに含まれる複数の加入者側装置へダウンロードするソフトウェアを、前記複数の加入者側装置のそれぞれに対してユニキャスト可能な形式のダウンロード用OAM(Operation, Administration, and Maintenance)フレームに加工するダウンロード手段と、
前記ソフトウェアのダウンロード以外の他の目的に用いられる他目的用OAMフレームを生成する少なくとも1つのOAM利用手段と、
前記他目的用OAMフレームおよび前記ダウンロード用OAMフレームを多重化して出力するOAM多重化手段と、
前記OAM多重化手段によって多重化されたフレームを蓄積するOAMキューと
を備え、
前記ダウンロード手段は、
前記複数の加入者側装置に対応して設けられ、それぞれが、対応する加入者側装置宛の前記ダウンロード用OAMフレームを生成して出力する複数のダウンロードフレーム生成手段と、
前記複数のダウンロードフレーム生成手段に対応して設けられ、それぞれが、対応するダウンロードフレーム生成手段から出力される前記ダウンロード用OAMフレームを蓄積するとともに蓄積した前記ダウンロード用OAMフレームを前記OAM多重化手段へ出力する、複数のダウンロードキューと
を含み、
当該局側装置は、
前記複数のダウンロードキューのうちの少なくとも1つのダウンロードキューのフレーム蓄積量が所定のダウンロードキューしきい値を超えた場合に、前記他目的用OAMフレームが前記OAMキューへ入力されるのを抑制する制御を行うダウンロードキュー監視手段
をさらに備える局側装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−195635(P2012−195635A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56165(P2011−56165)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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