説明

局所的な照明寄与の2D検出のための方法及びシステム

本発明は、光源の照明寄与が2Dシーン内の選択された位置に存在するかどうかを決定するための検出システムに関する。照明寄与は、繰り返しのN個のシンボルのシーケンスを有する埋め込みコードを含む。検出システムは、カメラ及び処理ユニットを含む。カメラは、シャッタの特定の開/閉パターンを介してシーンの一連の画像を取得するように構成される。各画像は複数のピクセルを含み、各ピクセルがシーン内の異なる物理的位置での光源の光出力の強度を表す。処理ユニットは、第1の光源の照明寄与が、例えば、N個のシンボルの第1のシーケンスと、選択された物理的位置に対応する取得した一連のピクセルのシーケンスとを相関させることにより、シーン内の選択された物理的位置に存在するかどうかを決定するために、取得した一連の画像を処理するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、概して、照明システム及び光受信器の分野に関し、より詳しくは、斯様な照明システムの光出力に埋められたデータを検出するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者が特定の部屋又は空間のための所望の環境を得ることができる高度に先進の照明システムが、開発されている。これらの照明システムは、個々の光源の従来の制御(オン/オフを切替えたり、調光する)からシーン設定へ移動し、ここで、複数の光源の設定は同時に制御される。斯様な照明システムの例は、部屋、ロビー又は車内の光源の幾つかのセットのアレンジメントである。
【0003】
これらのシーンのアプリケーション設定のために、直観的なユーザインタラクションは、最も重要な成功要因の1つとして確認されている。光源の局所的な識別、光源の機能及び現在の設定のような光源に関係する情報をユーザに供給することは、直観的なインタラクションを可能にするためのキーである。斯様な情報をユーザに提供するために提案された1つの技術は、埋め込みコードが消費者に見えないような態様で(光出力は、時々「符号化された光」と呼ばれ、「CL」と略記される)、照明装置の光出力を変調することにより光源又は光源のグループを識別しているコード(また、「識別子」とも呼ばれる)を埋め込むことに基づく。埋め込みコードは、例えば、照明装置を制御するため遠隔制御で実行される光受信器か、又はスイッチ若しくはセンサ装置のような他のユニットに含まれる光受信器により検出される。
【0004】
CL技術が、例えば個々の光源を指し示して、これらの識別子を読み出すことにより、照明システムの試運転のためにどのように使用できるかが示されてきた。また、この技術に基づくユーザインタラクション方法、例えば、フォトセンサに基づいた受信器を使用するインタラクティブシーン設定、及び光検出器の小さなアレイを使用するポイント制御に基づいた光源選択が開発された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以前のCL検出技術の欠点は、単一の位置に存在する埋め込みコードだけが検出できるということである。対照的に、部屋/シーンの異なる光源の識別子を区別して、存在している識別子に関して、リアルタイムに全体の二次元(2D)シーンを特徴づけることが望ましい。
【0006】
この欠点を除去するために、画像内の複数の位置に存在する埋め込みコードを決定できるカメラセンサが提案された。しかしながら、カメラセンサを利用する過去の技術の欠点は、センサの捕捉時間が、埋め込みコード内の単一のビット期間と等しくなければならないということである。このとき、埋め込みコードの連続ビットは、カメラの連続的な捕捉で得られた結果を分析することにより検出される。CLが人間の目に見えない態様で埋め込まれる(すなわち、高周波で埋められる)とき、斯様な技術は高い捕捉レートを供給できる先進の、従って高価なカメラの使用を必要とする。従来の低コストカメラセンサは、斯様な高周波CLを検出するためには、捕捉レートが通常はあまりに低い。従って、現在、従来の低コストカメラで機能できるCL検出のための唯一の方法は、CL変調が完全に見えなくできないような態様で、識別子が埋められることを要求とする。見えなくできないのは、観察者が光のフリッカとして低周波変調を視覚的に感知できるからである。
【0007】
前述で示されるように、従来技術で必要とされることは、上述の課題の少なくとも幾つかに対処する、光源の光出力に埋め込まれたCLを検出するための技術である。
【0008】
本発明の目的は、2Dシーンに存在する異なる光源の埋め込みコードの識別を可能にする態様で、光源の光出力に埋め込まれた2DCLを検出できる検出システム及び方法を提供することである。本発明の他の目的は、以前の技術で使用されたものよりも高価でないカメラを使用しながら、見えない高周波CLを検出するために適している検出システム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある実施例は、照明システムの第1の光源の照明寄与がシーン内の選択された位置に存在するかどうかを決定するための検出システムを説明する。第1の光源の照明寄与は、繰り返しのN個のシンボルの第1のシーケンスを有する第1の埋め込みコードを含む。前記検出システムは、シーンの一連の画像を取得するためのカメラと、取得した一連の画像を処理する処理ユニットとを有する。各取得した画像は複数のピクセルを含み、各ピクセルはシーン内の異なる物理的位置で照明システムの全光出力の強度を表す。照明システムの全光出力は、少なくとも第1の光源の照明寄与を有し、一連の画像は少なくともN個の異なる画像を有し、少なくともN個の異なる画像の各画像は、繰り返しのN個のシンボルの第1のシーケンス内の異なる時間的位置で一つ以上の露出時間を有する全体の露光時間で取得される。前記処理ユニットは、第1の光源の照明寄与が選択された物理的位置に存在するかどうかを決定するために、取得した一連の画像を処理するように構成される。
【0010】
斯様な検出システムは、例えば、照明システムを制御するための遠隔制御で実行されるか、又はスイッチ若しくはセンサ装置のような他のユニットに含まれる。処理ユニットは、ハードウェア、ソフトウェア、又は、ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントを持つ複合型ソリューションとして実行される。
【0011】
その上、照明システムの第1の光源の照明寄与がシーン内の選択された位置に存在するかどうかを決定するための対応する方法及びコンピュータプログラムも提供される。コンピュータプログラムは、例えば、既存の検出システムに(例えば既存の光受信器に)ダウンロードされるか、又は検出システムの製造の際に格納されてもよい。
【0012】
本発明の他の実施例は、照明システムの第1の光源の照明寄与がシーンの第1の部分内に存在するかどうかを決定するための検出システムの他の実行を説明する。また、第1の光源の照明寄与は、繰り返しのN個のシンボルの第1のシーケンスを有する第1の埋め込みコードを含み、上述のように、検出システムは、シーンの一連の画像を得るように構成されるカメラを含む。検出システムは、更に処理ユニットを含む。処理ユニットは、取得した画像ごとに、シーンの第1の部分に対応する画像の部分に含まれるピクセルの和を決定する。処理ユニットは、また、N個のシンボルの第1のシーケンスを持つ取得した画像の一連の和のシーケンスを相関させ、N個のシンボルの第1のシーケンスと取得した画像の一連の画像和のシーケンスとの相関が、第1の閾値を上回る少なくとも一つの相関ピークを作るとき、第1の光源の照明寄与がシーンの第1の部分内に存在すると決定するように構成される。
【0013】
検出システムのこの代替の実行に対応する方法も同様に提供される。
【0014】
ここで使用される(画像の)「ピクセル」という用語は、シーン内の特定のポイントに対応する画像データのユニット単位を指す。画像データは、シーン内の異なるポイントでの照明システムの全光出力の強度(又はそのパラメータ)を有する。画像データをピクセルの行及び列に配置することは、2D画像で3次元(3D)シーンを表す1つの態様である。
【0015】
更に、ここで使用されるように、相関出力における用語「ピーク」は、他のピークの全てより著しく高いピークを指す。相関出力が、多くの小さなピークを含む様々な高さの多くのピークを通常含む一方、どのピークが相関出力を分析するために興味があるピークであるかを区別することは、通常は当業者にとって困難ではない。従って、埋め込みコードの存在を決定するために関連するこれらのピークだけが、ここでは「ピーク」と呼ばれ、より小さな無関係なピークが「サブピーク」と呼ばれる。
【0016】
埋め込みコードの繰り返しシーケンスの期間(又は、代わりに、シーケンスを有するバイナリ値の数で測定される埋め込みコードの繰り返しシーケンスの長さ)は、ここで、「コード期間」と呼ばれる。特定のコードは、従来から知られているように、パルス幅変調、パルス密度変調又は振幅変調を使用するバイナリ変調又は多値変調を介して、光源に付与される駆動信号を変調することにより、光源の光出力に埋め込まれる。ここで使用されているように、用語「駆動信号」は、光源に付与されるとき、光源に光出力を生成させる電気的信号を指す。好ましくは、コードは、埋め込みコードを含む光出力と埋め込みコードを含まない光出力とを人間の目が区別できないような態様で光出力に埋め込まれる。これは、第1の光源に付与される駆動信号を例えば高周波で変調することにより達成される。
【0017】
本発明の要旨は、各画像が繰り返しシーケンス内で取得される相対的時間(斯様な時間は、ここでは、「露出時間」と呼ばれる)だけが異なる同じシーンの一連の画像を捕捉して、コード化された光の特定のコードビットに対応するカメラのフレーム時間内の露出時間及び時間的位置を選択することにより、コードビットの特定のシーケンスの有無が、シーン内の任意の特定の物理的位置に対して検出されると認識することにある。特定のシーケンスの有無は、そのシーケンスのコード化された光を担持している光源の照明寄与の有無を示す。フレーム内の全ての露出時間の期間の和は、カメラの露光時間と呼ばれる。特定の露出時間の所望の露光時間は、カメラのシャッタを開閉することにより実行され、ここで、シャッタはカメラの外部又は内部の何れかにある。シャッタがフレーム時間内で開いている時を変化させる一方(すなわち、フレーム時間内で露出時間の時間的位置を変化させる一方)、露光時間は、画像の全てに対して同じままである。例えば、20ミリ秒(ms)にセットされるカメラのフレーム時間及び5msにセットされる露光時間に対して、シャッタがフレームの最初の5msだけ開く(すなわち、シャッタは、フレームの最後の15ms閉じる)とき、1つの画像が得られ、シャッタがフレームの最後の5msだけ開く(すなわち、シャッタは、フレームの最初の15ms閉じる)とき、他の画像が得られ、シャッタがフレームの最初の1ms開いて、その後1ms閉じて、その後1ms開いて、その後1ms再び閉じて、その後3ms再び開いて、その後フレーム時間の残りの間閉じるとき、更に他の画像が得られる。
【0018】
この態様で一連の画像を撮ることは、2Dシーン内の任意の特定位置での特定の光源の照明寄与の存在を決定可能にする。よって、2Dシーン内の異なる位置に存在する埋め込みコードは、一つの一連の画像でリアルタイムに検出される。更にまた、カメラのシャッタがカメラの各フレーム時間内でコード化された光の異なるコードビットを捕えるために開いている時を慎重にトリガーすることにより、比較的長いフレーム時間を持つ従来のカメラが使用されてもよい。従って、ここで提示される技術は、従来から使用されたものより高価でないカメラを使用しながら、見えない「高周波」CLを検出することに適している。
【0019】
ここで説明される光源は、高圧/低圧ガス放電源、無機/有機発光ダイオード、レーザダイオード、白熱源又はハロゲンの光源を有する。照明システムの光出力に埋められるデータは、光源の局所的な識別、光源の機能及び現在の設定、又は光源に関係する他のタイプの情報を有する。しかしながら、照明システムは、空間又は領域を照明するために必ずしも付与されるというわけではなく、このようなデータ通信のためにも適用されるという点に留意されたい。一例として、照明システムは、ネットワークへのアクセスポイントを構成してもよい。斯様なアプリケーションのために、照明システムにより作られる光出力の少なくとも一部は、可視スペクトル外にあってもよい(すなわち、システムの光源のうちの1つの光源の光出力は、可視スペクトル外にあってもよい)。
【0020】
請求項2及び請求項13の実施例は、取得した一連の画像の処理が、選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像のピクセルのシーケンスを、N個のシンボルの第1のシーケンスと相関させ、N個のシンボルの第1のシーケンスと、選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像の画像のピクセルのシーケンスとの相関が相関ピークを作るとき、第1の光源の照明寄与が選択された物理的位置に存在すると決定することを好適に有することを特定する。
【0021】
請求項3の実施例は、選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像のピクセルのシーケンスを相関させることが、第1の光源の照明寄与がその位置に存在するかどうかを決定するだけでなく、その位置の第1の光源の強度の大きさも決定可能にすることを提供する。
【0022】
請求項4の実施例は、好適に、前記照明システムは、第1の光源に対するのと同じ取得した一連の画像を使用して、第2の光源の照明寄与を決定可能にする。第1及び第2の光源は、同期して(すなわち、一方の光源の光出力へ埋め込まれたコードが、他方の光源の光出力へ埋め込まれたコードと同時に始まる)又は非同期で(すなわち、一方の光源の光出力へ埋め込まれたコードが、他方の光源の光出力へ埋め込まれたコードとは異なる時間に始まる)動作する。
【0023】
請求項5の実施例は、取得した一連の画像の処理は、好適に、選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像のピクセルのシーケンスを、N個のシンボルの第2のシーケンスと相関させ、N個のシンボルの第2のシーケンスと、選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像の画像ピクセルのシーケンスとの相関が相関ピークを作るとき、第2の光源の照明寄与が選択された物理的位置に存在すると決定することを有することを特定する。
【0024】
画像が多数のピクセルを含むとき、特にシーン内の選択された物理的位置でのこの光源の照明寄与を決定する前に、特定の光源の照明寄与が本当にシーンの特定の部分に存在するかどうかを決定することは望ましい。よって、請求項6の実施例は、第1の光源の照明寄与がシーンの特定の部分内に存在するかどうかを決定可能にする(シーン内の特定の選択された物理的位置と対照的に)。請求項6の処理ステップは、特に多数の光源がシーンへの光源の照明寄与を提供するとき、及び/又は、各画像が多数のピクセルを含むとき、処理ユニット上の総処理負荷を減らす。この実施例が特に複数の光源を有する照明システムで有利である一方、照明システムが1つの光源だけを含む環境においても使用できる。
【0025】
請求項7の実施例は、好適にも、特定の光源の照明寄与がシーンの特定の部分内に存在するかどうかを処理ユニットが決定するとき、異なる光源に対して異なる閾値を設定可能にする。請求項8の実施例は、露出時間の期間を述べている。斯様な期間を選択することは、処理ユニットが埋め込みコードの個々のシンボルを解明できるので、有利である。
【0026】
請求項9及び10の実施例は、一つ以上の露出時間が少なくとも2つの露出時間を有するとき、露出時間が連続的である(すなわち、単一の露出である)か非連続である(すなわち、カメラでフレーム内の露出は、別々の露出時間に分けられる)ことを提供する。カメラのフレーム内の全ての露出時間が連続的であるとき、通常は全てのカメラに対して内部にあるシャッタは全体の露光時間内で正しい露出時間を設定するために(すなわち、カメラのフレーム時間内で所望の時間的位置に露出時間を設定するために)用いられる。代わりに、通常は全てのカメラに対して内部にあるシャッタは、各フレームの全体のフレーム時間の間開いているように設定され、カメラの外部にあるシャッタは、全体の露出時間内で正しい露出時間を設定するために用いられる。電子シャッタが、この目的のために用いられる。
【0027】
これ以降、本発明の実施例は、より詳細に説明されるだろう。しかしながら、この実施例が本発明の保護の範囲を限定するものとして解釈されないことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明の一つの実施例による構成にインストールされる照明システムの模式図である。
【図2】図2は、本発明の一つの実施例による照明システムの模式図である。
【図3】図3は、本発明の一つの実施例によるN個のシンボルの繰り返しシーケンスを有するコードの模式図である。
【図4】図4は、本発明の一つの実施例による検出システムの模式図である。
【図5】図5は、本発明の一つの実施例による、斯様なコードに適当なカメラのフレーム内の例示的な単一のビット露出時間と、4つのシンボルの繰り返しシーケンスとを有する、例示的なコードの模式図を供給する。
【図6a】図6aは、本発明の一つの実施例による、1つの光源だけがシーンへの照明寄与を供給するとき、撮られた一連の画像の第1の画像の模式図である。
【図6b】図6bは、本発明の一つの実施例による、1つの光源だけがシーンへの照明寄与を供給するとき、撮られた一連の画像の第2の画像の模式図である。
【図6c】図6cは、本発明の一つの実施例による、1つの光源だけがシーンへの照明寄与を供給するとき、撮られた一連の画像の模式図である。
【図6d】図6dは、本発明の一つの実施例による、1つの光源だけがシーンへの照明寄与を供給するとき、シーン内の全ての位置に対して実施されるN個のシンボルの第1のシーケンスとシーン内の選択された物理的位置に対応する取得した一連のピクセルのシーケンスとの相関の結果の模式図である。
【図7】図7は、本発明の一つの実施例による、1つの光源だけがシーンへの照明寄与を供給するとき、N個のシンボルの第1のシーケンス及びシーン内の選択された物理的位置に対応する取得した一連のピクセルのシーケンスの模式図である。
【図8a】図8aは、本発明の一つの実施例による、2つの光源が照明寄与をシーンに供給するとき、撮られた一連の画像の第1の画像の模式図である。
【図8b】図8bは、本発明の一つの実施例による、2つの光源が照明寄与をシーンに供給するとき、撮られた一連の画像の第2の画像の模式図である。
【図8c】図8cは、本発明の一つの実施例による、2つの光源が照明寄与をシーンに供給するとき、撮られた一連の画像の模式図である。
【図8d】図8dは、本発明の一つの実施例による、2つの光源が照明寄与をシーンに供給するとき、シーン内の全ての位置に対して実施されるN個のシンボルの第1のシーケンスとシーン内の選択された物理的位置に対応する取得した一連のピクセルのシーケンスとの相関の結果の模式図である。
【図8e】図8eは、本発明の一つの実施例による、2つの光源が照明寄与をシーンに供給するとき、シーン内の全ての位置に対して実施されるN個のシンボルの第1のシーケンスとシーン内の選択された物理的位置に対応する取得した一連のピクセルのシーケンスとの相関の結果の模式図である。
【図9】図9は、本発明の一つの実施例による、斯様なコードに適当なカメラのフレーム内の例示的な多値ビット露出時間と、4つのシンボルの繰り返しシーケンスとを有する、例示的なコードの模式図を供給する。
【図10】図10は、本発明の一つの実施例による、カメラの外部のシャッタを操作するために使用される例示的な切換信号及びN個のシンボルの繰り返しシーケンスを有する、例示的なコードの模式図を供給する。
【図11】図11は、本発明の一つの実施例による、照明システムの光源の照明寄与がシーン内の選択された位置に存在するかどうかを決定するための方法のステップの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明では、多数の具体的な詳細は、本発明のより完全な理解を提供するために、説明される。しかしながら、本発明が一つ以上のこれらの具体的な詳細なしでも実践されることは、当業者に明らかであろう。他の例では、よく知られた特徴は、本発明をぼやかすことを回避するために説明されていない。
【0030】
図1は、インストールされた照明システム110を備える構成100、この場合部屋を示す。照明システム110は、一つ以上の光源120と、光源120を制御している一つ以上のコントローラ(図1に示されていない)とを有する。電気的信号で駆動されるとき、光源120は、構成100の一部を照明し、様々な光源120からの照明寄与がフットプリント125a―125dとして示される。光源120は、高圧/低圧ガス放電源、無機/有機発光ダイオード、レーザダイオード、白熱光源、又はハロゲンの光源を有する。照明システム110は、ユーザが光源120を制御可能にする遠隔制御130を更に有する。
【0031】
図2は、本発明の一つの実施例による照明システム200の模式図である。照明システム200は、図1に例示される構成100の照明システム110として用いられてもよい。示されているように、照明システム200は、少なくともシステムコントローラ210及び第1の光源220―1を含み、照明設定に従って光出力205を生成するように構成される。他の実施例では、照明システムは、付加的な光源、及びオプションで個別に付加的な光源を各々制御する追加コントローラを含む。代わりに、単一のコントローラが複数の光源を制御するように構成されてもよい。
【0032】
照明システム200は、以下の通りに動作するように構成されている。図2に示されるように、照明システム200に対する照明設定は、駆動信号発生器230(オプションで、照明システム200内に含まれてもよい)に供給されている。照明設定は、平均光出力205が、例えばルーメンで規定される光パワー及び色についてあるべきことを、例えば示す。照明設定は、遠隔制御装置130を介してユーザにより供給されるか、又は予めプログラムされて、シーン設定を制御する外部ユニットから供給される。代わりに、照明設定は、予めプログラムされて、駆動信号発生器230又は照明システム200内のメモリに保存される。駆動信号発生器230は、照明システム200内の異なる光源に対する異なる電気的駆動信号に照明設定を翻訳し、駆動信号をシステムコントローラ210に供給する。図2に例示される実施例では、駆動信号発生器230は、照明設定を第1の光源220―1のための第1の駆動信号に翻訳する。システムコントローラ210は、次に、光出力205を作るために、異なる光源を光源のそれぞれの駆動信号で駆動する。図2に例示される実施例では、システムコントローラ210は、光出力225―1を作るために第1の駆動信号で光源220―1を駆動するように構成される。この実施例では、照明システム200の光出力205は、光出力225―1を有する。
【0033】
説明されるように、照明設定は、照明システム200の光出力205が、例えば、光の色に関してあるべきことを示す。光出力205の色変化は、駆動信号発生器230からシステムコントローラ210へ供給される駆動信号を制御することを介して、照明システム200内の異なる光源(図2に示されていない付加的な任意の光源)を異なって調光することにより達成される。光源当たりの一定の調光レベルのために、駆動信号発生器230からシステムコントローラ210へ供給される駆動信号は、パルスの繰り返しパターンを有する。繰り返しパターンは、ここでは、「駆動パターン」と呼ばれる。
【0034】
光源を調光する様々な方法は、当業者に知られていて、従って、ここで詳細に説明されない。これらの方法は、例えばパルス幅変調、パルス密度変調又は振幅変調を含む。
【0035】
システムコントローラ210は、更に、データソース240からの信号245を受信するように構成される。信号245は、光源220―1の光出力225―1に埋め込まれるべきコードを(少なくとも)含む。斯様なコードは、図3に例示されている。示されるように、コード310は、「シーケンス1」として示される、N個のシンボル(例えば、ビット)の繰り返しシーケンスを有する。以下の説明では、シンボルは、ビットと呼ばれるだろう。しかしながら、「ビット」という語が本願で使われるときはいつでも、単一のシンボルにより表される複数のビットを有してもよい「シンボル」というより広い定義が当てはまることは、認識されなければならない。1つの例は、0及び1がデータに埋め込まれて存在するだけでなく、複数の離散的レベルを埋め込んで存在する多値レベルシンボルである。
【0036】
コード310の各ビットは、期間Tbitを持つ。よって、コード期間は、N*Tbitに等しい。シーケンスは、例えば、光源220―1の局所的な識別、光源の機能及び現在の照明設定、又は光源220―1若しくは照明システム200に関係するか若しくは関係しない他のタイプの情報を表す。システムコントローラ210は、コード310に応答して光源220―1に付与される駆動信号を変調することにより、光源220―1の光出力225―1に、コード310を埋め込むことができる。光源の光出力にコードを埋め込むための様々な技術は、当業者に知られているので、従って、ここで詳細に説明されない。信号245は、更に、他の光源の光出力に埋め込まれる他の同様のコードを含んでもよい。コードの各々は、Nビットの異なる繰り返しシーケンスを含む。
【0037】
図4は、本発明のある実施例による検出システム400の模式図である。示されるように、検出システム400は、少なくともカメラ410、シャッタ420及び処理ユニット430を含む。オプションでは、検出システム400は、また、メモリ440を含む。カメラ410は、シーンの一連の画像を得るように構成される。シャッタ420は、慎重に、画像がカメラ410により得られる時点を注意深く決定するように構成される(シャッタ420が開くとき、画像は得られ、シャッタ420が閉じるとき、画像は得られない)。様々な実施例では、シャッタ420は、カメラのフレーム時間の間、一回だけ開いて閉じる(すなわち、フレーム内の所定の期間の単一の露光)カメラ410内部に従来のシャッタを有するか、又は、単一のフレームの間、複数回開閉できるカメラの前に配置された電子回路シャッタを有する。
【0038】
例えばカメラ410の解像度(すなわち、各画像に含まれるピクセル数)、どれだけの光源が照明システム200内で含まれるか、これらの光源が同期して、又は非同期で動作するかどうかに依存して、処理ユニット430は、特定の光源の光出力が、シーン内の特定位置に存在するかどうかを決定するために、取得した一連の画像に含まれるデータを処理するための種々異なる方法を実行するように構成される。
【0039】
検出システム400で実行される方法の全てに対して、処理ユニット430は、埋め込みコードの各々に含まれる繰り返しシーケンスへのアクセスを持つ。ある実施例では、照明システム200は、この情報を処理ユニット430へ直接供給する。他の実施例では、検出システム400は、この情報を格納しているメモリ440を含む。更に他の実施例では、検出システム400は、(無線で)受信される光信号から、この情報を得るように構成される。代わりに、処理ユニット430は、上述の任意の手段により、埋め込みコード自体の各々に含まれる繰り返しシーケンスでなく、これらのパラメータ(すなわち、パラメータからこの情報が得られるようになる当該パラメータ)を得てもよい。例えば、処理ユニット430は、特定の既知のシーケンスの長さ、又は可能性があるシーケンスのセットから1つを指している指標番号を得る。その後、繰り返しシーケンスは、処理ユニット430により再現され、検出システム400に供給される通信の量を潜在的に低減する。他の実施例では、繰り返しシーケンスを記述するパラメータは、受信した光信号から抽出されてもよい。
【0040】
シナリオ1:一つの光源、フレーム当たり1ビット露光
最初に、1つの光源(例えば光源220―1)だけが特定のシーンへの照明寄与を供給できるような照明システム200の例示的なシナリオを考える。シーンが図1に例示される構成100のフロアの部分であり、光源220―1がシーン(すなわち、フロア)内でフットプリント125aを持つ図1に例示される光源120の一つであると考える。説明を簡単にするため、光源220―1の光出力に埋め込まれるコードの繰り返しシーケンスが、わずか4ビットを含むと考える。斯様なコードは、コード510として図5に示される。示されるように、ビットの各々は、期間Tbitを持つ。従って、コード期間は、4*Tbitに等しい。更に、最初のシーケンスの個々のビットc、c、c及びcが、信号520で図5に例示される0、1、0、及び0を有すると考える。信号520は、図2で説明されたように、信号245に含まれる。
【0041】
上述の通り、コードに応答して変調された駆動信号で光源220―1を駆動することにより、コードは、光源220―1の光出力に埋め込まれる。様々な実施例では、システムコントローラ210は、例えばパルス幅変調(PWM)、パルス位置変調、パルス密度変調、又は振幅変調を使用して、バイナリ又は多値変調を介して駆動信号を変調することにより、変調駆動信号を生成する。例えば、PWMを使用して信号520から0のバイナリ値を埋め込むために、システムコントローラ210は、駆動信号内の駆動パターンを、信号520からバイナリ値「0」を埋め込むための量aだけ狭くし、システムコントローラ210は、駆動信号内の他の駆動パターンを信号520から「1」のバイナリ値を埋め込むための量bだけより広くする。量aと量bとの間の比率を信号520の1の数と0の数との間の比率に等しくさせることにより、照明システムの光出力にデータを埋め込みことは、変調駆動信号の時間平均が元の駆動信号の時間平均と同じままであるので、人間の目には見えない。当業者は、照明システムの光出力にデータを埋めるために信号520に依存して、駆動信号を変調するための他の方法を認識するだろう。
【0042】
検出システム400が、光源220―1の光出力に埋め込まれるコードを既に含んでいるか又は得ると更に仮定する。
【0043】
斯様なシナリオでは、検出システム400は、光源220―1の光出力がシーン内の選択された位置に存在するかどうかを決定するために、以下の態様で動作するように構成される。
【0044】
最初に、カメラ410は、シーンの一連の画像を得るように構成される。そのために、カメラのフレーム時間は、コード期間より1ビット長い、すなわち5*Tbitであるように設定され、カメラの露出は1ビットのコード期間、すなわちTbitの期間に等しい期間を持つ単一の露出時間を有するように設定される。更に、カメラ410は、各フレームの第1の期間Tbitの間で画像を得るように構成される。このように構成されるカメラ410の露出は、ライン530で図5に例示される。
【0045】
画像が撮られるとき、カメラはシーン内の位置の全てで照明システムの全光出力の強度を得る。本願において、用語(光出力の)「強度」が使われるときはいつでも、例えば光の色、色温度、照明スペクトル及び光強度の変化のような「強度のパラメータ」が同様に含まれると理解されたい。画像は、各ピクセルがシーン内の異なる物理的位置での照明システムの全光出力の強度を表す、複数のピクセルに一般に分けられる。現在のシナリオにおいて、照明システムの全光出力は、光源220―1からの照明寄与だけを有する。
【0046】
カメラの露出時間がコードの単一のコードビットに等しいように設定されるので、画像の特定ピクセルでの強度は、画像が撮られる時に光源220―1の光出力にコード化されるコードのビットの値により影響を受ける。斯様な第1の画像は、図6aに示される(この画像は、図5に例示されるフレーム1に対応する)。シーン内の光源220―1のフットプリントは、円610として示される。示されるように、画像600―1は、x方向に10ピクセル及びy方向に15ピクセルを持った、150ピクセルの2Dグリッドに分割される。所望の解像度に依存して、画像は、より多くのピクセル又はより少ないピクセルに分割される。各ピクセルは、シーン内の異なる物理的位置での照明システムの全光出力の強度を表す。光源220―1の光出力が第1のコードビットcで変調されるときに第1の画像600―1が撮られるので、各ピクセルの強度は、光源220―1に付与される駆動信号が座標(x,y)を持つピクセルに対して、特定のコードビットAx,yで変調されない場合の強度の値と、第1のコードビットcとの積である(図5において、露出530のフレーム1のカメラ露出が信号520とどれくらい重なるかを参照されたい)。よって、図6aに示されるように、例えばピクセル(4,5)での強度はA4,5・cと等しく、ピクセル(5,5)の強度はA5,5・cと等しく、ピクセル(7,6)の強度はA7,6・cと等しい。例えばピクセル(8,12)及び(9,2)での強度がゼロに等しいことを示されることに留意されたい。光源220―1が、これらのピクセルにより表されるシーンの部分への何れの照明寄与も提供しないからである(ピクセルは、フットプリント610外にある)。
【0047】
露出530からわかるように、シーンの一連の画像の第2の画像は、カメラ410のフレーム2の間に得られる。第2の画像は、画像600―2として図6bに示される。同じシーンの画像が撮られるので、シーン内の光源220―1のフットプリント610は、第1の画像内のフットプリントと同じく残る。光源220―1の光出力が第2のコードビットc2で変調されるときに第2の画像600―2が撮られるので、各ピクセルの強度は、光源220―1に付与される駆動信号が座標(x,y)を持つピクセルに対して、特定のコードビットAx,yで変調されない場合の強度の値と、第2のコードビットc2との積である(図5において、露出530のフレーム2のカメラ露出が信号520とどれくらい重なるかを参照されたい)。よって、図6bに示されるように、例えばピクセル(4,5)での強度はA4,5・cと等しく、ピクセル(5,5)の強度はA5,5・cと等しく、ピクセル(7,6)の強度はA7,6・cと等しい。また、例えばピクセル(8,12)及び(9,2)での強度がゼロに等しいことを示される。光源220―1が、これらのピクセルにより表されるシーンの部分への何れの照明寄与も提供しないからである(ピクセルは、フットプリント610外にある)。
【0048】
同様の態様で、フレーム3及び4において、カメラ410は、それぞれ一連の画像の第3の画像(600―3)及び第4の画像(600―4)を得る。図5から分かるように、カメラ410のフレーム時間及び露光時間がコード510に関して構成されるので、光源220―1の光出力が第3のコードビットcで変調されるとき第3の画像が撮られ、光源220―1の光出力が第4のコードビットc4で変調されるとき第4の画像が撮られる。一連の画像600―1、600―2、600―3及び600―4は、t―方向(「t」は「時間」を表す)に拡張する異なる画像が示される図6cに示され、同じシーンの画像が異なる時間で撮られることを表している。
【0049】
一連の画像600―1乃至600―4を取得して、処理ユニット430は、第1の光源220―1の照明寄与がシーン内で選択された物理的位置に存在するかどうかを決定するために、一連の画像を処理できる。
【0050】
そのために、ある実施例では、処理ユニット430は、シーン内の選択された物理的位置に対応する取得した一連のピクセルのシーケンスをN個のシンボルの第1のシーケンスと相関させるように構成される。これを例示するために、シーン内の選択された物理的位置が画像600―1乃至600―4上のピクセル(4,5)に対応する位置であると考える。その時、その位置に対応する取得した一連のピクセルのシーケンスは、画像の各々からピクセル(4,5)を有する。このシーケンスは、図7にシーケンス710として示される。シーケンス710は、第1の画像600―1からのピクセル(4,5)(ピクセル720―1として示される)、第2の画像600―2からのピクセル(4,5)(ピクセル720―2として示される)、第3の画像600―3からのピクセル(4,5)(ピクセル720―3として示される)、及び第4の画像600―4からのピクセル(4,5)(ピクセル720―4として示される)を含む。図7に示されるように、ピクセル720―1乃至720―4での強度は、A4,5・c、A4,5・c、A4,5・c、及びA4,5・cにそれぞれ等しい。よって、処理ユニット430は、シーケンス710をN個のシンボルの第1のシーケンスと相関させ、これは、現在のシナリオでは、図5に例示されるシーケンス1であり、シーケンス730として再び図7に示される。
【0051】
相関の結果として、少なくとも一つのピークを持つ第1の相関出力が生成される。前述されたように、相関出力は、通常多くの「ピーク」を含み、幾つかは他より小さく、相関プロセスの偽信号を表す。斯様な小さなピークは、ここでは「サブピーク」と呼ばれ、用語「ピーク」は、ここでは、シーケンス710内にシーケンス730の存在を示す相関出力のピークを記述するために使われる。このピークは、相関出力のサブピークより明らかに高く、当業者は斯様なピークを容易に識別できた。従って、シーケンス730とのシーケンス710の相関に基づいて、処理ユニット430は、相関出力がピークを含む場合、第1の光源220―1の照明寄与がシーン内の選択された物理的位置に存在することを決定可能である。同様の相関が、シーン内の選択された位置に対応する画像600―1乃至600―4からのピクセルのシーケンスをシーケンス730と相関させることにより、シーン内の他の任意の選択された物理的位置に対して実施される。
【0052】
加えて、第1の光源220―1の照明寄与がシーン内の選択された物理的位置に存在するとき、シーケンス730とシーケンス710を相関させることは、処理ユニット430がその位置での第1の光源220―1の照明寄与、すなわちAx,yの値を決定可能にする。一連の画像の各ピクセルに対して斯様な相関を実施することにより、Ax,yの値が画像内の全てのピクセルに対して得られ、よって、処理ユニット430が、図6dに示されるように、シーン内で光源220―1のフットプリントを決定可能にする。
【0053】
照明システムの光出力に埋められるデータが、例えば光源の識別子のような、ある種の識別子を有する場合、上述の態様で識別される異なる光源の数はコード期間の長さに依存する。例えば、Nバイナリの値の繰り返しシーケンスを有する同期型ウォルシュ―アダマールコードに対して、N個の異なる光源が識別され、これは、処理ユニット430がN個の異なる光源の任意の一つの照明寄与がシーン内の特定位置に存在するかどうかを決定でき、オプションで、斯様な照明寄与の大きさを決定できることを意味する。各フレームで単一のビット長の露出時間を持つように構成される従来の50Hzのカメラ(すなわち、カメラは、1秒につき50枚の画像を撮ることができる)を使用して、埋め込みコードの50ビットのシーケンスを解像するために必要な一連の画像は、1秒で得られる。
【0054】
ある実施例では、埋め込みコードは、良好な自己相関特性を持つシーケンスを有する。各光源が固有のコードを割り当てられるシステムに用いられるとき、好ましくはこれらのコードが直交していることを望む。この例はウォルシュ―アダマールコードであり、ここで、コードの長さはコードを割り当てられる光源の数に等しい。しかしながら、通常は、これらのコードは、付加的な複雑さのため必ずしも所望されない同期動作を必要とする。従って、コードの他の望ましい特性は、良好な相互相関特性を持つことであり、すなわちコード間の高い自己相関及び低い相互相関を持つことである。斯様なコードの例は、擬似乱数シーケンス、線形フィードバックシフトレジスタにより生成されるコード、又はCDMAシステムのために用いられる他のコードを含む。
【0055】
更に他の実施例では、全ての光源は固有のスイッチング周波数を割り当てられ、これは識別コードとして役に立つ。また、これらは、低い相互相関及び高い自己相関を作る。
【0056】
当業者は、ここで説明されているシナリオの全てに対して、光源の照明寄与がシーン内の選択された物理的位置に存在するかどうかを決定するために一連の画像を処理するための他の方法が処理ユニット430により実施されてもよいことを認識するだろう。例えば、処理ユニット430は、例えば異なるコードに対応するN個のピクセルの様々なシーケンスを生成し、これらのシーケンスのどの一つが選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像のピクセルのシーケンス(このシナリオでは、シーケンス710)と合うかを決定し、これは例えば最尤検索でなされる。他の方法が同様に構想されてもよい。
【0057】
他の実施例では、フレーム時間がコード期間の整数倍又は整数の逆数倍でない限り(この場合、各画像が同じコードビットの値を含むだろう)、カメラのフレーム時間はTbitの整数倍に等しく設定される。例えば、コード期間が7*Tbitに等しい場合、カメラのフレーム時間は、コード期間より2ビットより大きい又は2ビット少ない、すなわち9*Tbit又は5*Tbitに設定される。更に、カメラ410は、必ずしも各フレームの第1の期間Tbitの間ではなく、各フレームの任意の期間Tbitの間に、画像を取得するように構成される。しかしながら、露出時間がコードの全体のビットと一致することが重要である(すなわち、各露出時間は、新規なコードビットが光源に付与される駆動信号を変調するために付与されるとき実質的に始まり、新規なコードビットの付与が終わるとき、終わる)。
【0058】
更に、Nビットの繰り返しシーケンスを扱っている他の実施例では、N個より多い画像は、処理ユニット430により取得され処理されてもよい。ある実施例では、これは、光源の検出の見込みを向上させるために用いられる。例えば、2N個の画像が取得されるとき、検出の際のノイズの影響を更に抑制するために2つのセットのN個の画像にわたり平均できる。これは、提案された方法において、露出時間が通常は露光期間と比較して小さいので、暗い状況において特に有利である。
【0059】
その上、Nより多い画像は、時間とともに異なる光源の照明寄与における変化を追跡するために用いられてもよい。最初のN個の画像が照明寄与の第1の推定をするために用いられ、全ての連続的な画像が、その後、スキームの動特性に基づいて推定を更新するために用いることができる。
【0060】
シナリオ2:複数の光源、フレーム当たり単一ビット露光
ここで、照明システム200は、2つの光源が照明寄与を特定のシーンに提供できるような例示的シナリオを考える。シーンは、図1に例示された構成100のフロアの部分であり、第1の光源は、シーン内(すなわち、フロア上)にフットプリント125bを持つ図1に例示される光源120の一つであり、第2の光源は、シーン内にフットプリント125cを持つ図1に例示される光源120の一つであると考える。照明システム200内の2つの光源は、同期モード又は非同期モードで動作する。同期モードでは、2つの光源で使用される埋め込みコードのシーケンスは、時間的に完全に重複する(すなわち、第1の埋め込みコードのシーケンスが、第2の埋め込みコードのシーケンスと同時に開始する)。非同期モードでは、2つの光源で使用される埋め込みコードのシーケンスは、時間的に重複しない(すなわち、第1の埋め込みコードのシーケンスが、第2の埋め込みコードのシーケンスとは異なる時間で始まる)。動作の同期又は非同期モード何れに対しても、それぞれの埋め込みコードは、Nビットの異なる繰り返しシーケンスを含む。
【0061】
第1のシナリオと同様に、第1の光源の光出力に埋め込まれるコードの繰り返しシーケンスは、c11、c12、c13、c14の4ビットを含み、第2の光源の光出力に埋め込まれるコードの繰り返しシーケンスが、c21、c22、c23、c24の4ビットを含むと考える。また、ビットの各々は期間Tbitを持ち、従って、コード期間は4*Tbitに等しい。
【0062】
コードのビットがどのように光源の光出力に埋められるかという第1のシナリオに関する議論が、ここで適用できるので、従って、簡潔さのために、ここでは繰り返されない。
【0063】
検出システム400が第1及び第2の光源の光出力に埋め込まれるコードを既に含んでいるか又は得ると更に仮定する。
【0064】
斯様なシナリオにおいて、検出システム400は、第1及び第2の光源の光出力がシーン内に選択された位置に存在するかどうかを決定するために以下の態様で動作するように構成される。
【0065】
第1に、カメラ410は、第1のシナリオに記述されている態様でシーンの一連の画像を得るように構成される。また、画像が撮られるとき、カメラはシーン内の全ての位置で照明システムの全光出力の強度を得る。このシナリオにおいて、全光出力は、第1の光源の光出力及び第2の光源の光出力を有する。各画像は、x方向に10ピクセル及びy方向に15ピクセルを持つ150ピクセルの2Dグリッドに、また分割される。カメラの露光時間がコードの単一のコードビットに等しいように設定されるので、画像の特定ピクセルの強度は、画像が撮られるとき、第1の光源の光出力にコード化されるコードのビットの値と、第2の光源の光出力にコード化されるコードのビットの値とにより影響を受ける。斯様な第1の画像は、図8aに示される(この画像は、図5に例示されるフレーム1に対応する)。シーン内の第1の光源のフットプリントは円810として示され、第2の光源のフットプリントは円820として示される。第1の光源の光出力がコードビットc11で変調され、第2の光源の光出力がコードビットc21で変調されるとき、第1の画像800―1が撮られるので、各ピクセル(x,y)の強度Ix,yは以下の通りに計算される。
x,y=Ax,y・c11+Bx,y・c21
ここで、Ax,y及びBx,yは、第1及び第2の光源に付与される駆動信号が特定のコードビットで変調されない場合の第1及び第2の光源の光出力の強度であるそれぞれの値である。よって、図8aに示されるように、例えばピクセル(7,6)の強度は、(A7,6・c11+B7,6・c21)に等しい。更に、図8aに示されるように、例えばピクセル(4,5)の強度はA4,5・c11に等しく、ピクセル(5,5)の強度はA5,5・c11に等しい。なぜならば、第2の光源がこれらのピクセルにより表されるシーンの部分に全く照明寄与を供給しない(これらのピクセルは、フットプリント820の外にある)、すなわち、B4,5=B5,5=0だからである。同様に、例えばピクセル(7,9)の強度はB7,9・c21に等しく、ピクセル(8,12)の強度はB8,12・c21に等しい。なぜならば、第1の光源がこれらのピクセルにより表されるシーンの部分に全く照明寄与を供給しない(これらのピクセルは、フットプリント810の外にある)、すなわち、A7,9=A8,12=0だからである。例えばピクセル(9,2)の強度はゼロに等しいことが示される。なぜならば、第1の光源も第2の光源もこのピクセルにより表されるシーンの部分への照明寄与に供給しないからである(このピクセルは、フットプリント810及び820外にある)。
【0066】
露出530から見られるように、シーンの一連の画像の第2の画像は、カメラ410のフレーム2の間に得られる。第2の画像は、画像800―2として図8bに示される。画像が同じシーンで撮られるので、フットプリント810及び820は第1の画像におけるのと同じく残る。第1の光源の光出力がコードビットc12で変調され、第2の光源の光出力がコードビットc22で変調されるとき、画像800―2が撮られるので、各ピクセル(x,y)の強度は、以下の通りに計算される。
x,y=Ax,y・c12+Bx,y・c22
【0067】
よって、図8bに示されるように、例えばピクセル(7,6)の強度は、(A7,6・c12+B7,6・c22)に等しい。更に、図8aに示されるように、例えばピクセル(4,5)の強度はA4,5・c12に等しく、ピクセル(5,5)の強度はA5,5・c12に等しく、ピクセル(7,9)の強度はB7,9・c22に等しく、ピクセル(8,12)の強度はB8,12・c22に等しい。また、例えばピクセル(9,2)の強度はゼロに等しいように示される。なぜならば、第1の光源も第2の光源もこのピクセルにより表されるシーンの部分への照明寄与を供給しないからである。
【0068】
同様の態様で、フレーム3及び4において、カメラ410は、一連の画像のそれぞれ第3の画像(800―3)及び第4の画像(800―4)を得る。また、カメラ410のフレーム時間及び露光時間が埋め込まれたコードに関して構成されるので、第1の光源及び第2の光源の光出力がコードビットc13及びc23でそれぞれ変調されるとき、第3の画像が撮られ、第1の光源及び第2の光源の光出力がコードビットc14及びc24でそれぞれ変調されるとき、第4の画像が撮られる。一連の画像800―1、800―2、800―3及び800―4は、t方向に拡張する異なる画像が示される図8cに示され、同じシーンの画像が異なる時間で撮られることを表している。
【0069】
一連の画像800―1乃至800―4を取得して、処理ユニット430は、第1の光源220―1の照明寄与がシーン内に選択された物理的位置に対応する取得した一連のピクセルのシーケンスをN個のシンボルの第1及び第2のシーケンスに相関させるように構成される(すなわち、第1の光源の光出力に埋め込まれるコードの繰り返しシーケンス及び第2の光源の光出力に埋め込まれるコードの繰り返しシーケンス)。第1のシナリオで説明されたように、相関出力のピークの存在は、第1及び/又は第2の光源の照明寄与がシーン内に選択された位置に存在することを意味する。
【0070】
よって、第1の光源の照明寄与がピクセル(x,y)に存在するかどうかを決定するために、処理ユニット430は、シーケンス(Ax,y・c11+Bx,y・c21)、(Ax,y・c12+Bx,y・c22)、(Ax,y・c13+Bx,y・c23)、(Ax,y・c14+Bx,y・c24)をc11、c12、c13、c14に相関させる。同様に、第2の光源の照明寄与がピクセル(x,y)に存在するかどうかを決定するために、処理ユニット430は、シーケンス(Ax,y・c11+Bx,y・c21)、(Ax,y・c12+Bx,y・c22)、(Ax,y・c13+Bx,y・c23)、(Ax,y・c14+Bx,y・c24)をc21、c22、c23、c24に相関させる。
【0071】
加えて、第1のシナリオと同様に、第1の光源の照明寄与がピクセル(x,y)に対応するシーン内の位置に存在するとき、シーケンス(Ax,y・c11+Bx,y・c21)、(Ax,y・c12+Bx,y・c22)、(Ax,y・c13+Bx,y・c23)、(Ax,y・c14+Bx,y・c24)をc11、c12、c13、c14に相関させることは、処理ユニット430により、その位置で、第1の光源の照明寄与、すなわちAx,yの値を決定可能にする。一連の画像の各ピクセルに対する斯様な相関を実施することにより、Ax,yの値は画像内の全てのピクセルに対して得られ、よって、図8dに示されるように、処理ユニット430により、シーン内の第1の光源のフットプリントを決定可能にする。
【0072】
同様に、第2の光源の照明寄与がピクセル(x,y)に対応するシーン内の位置に存在するとき、シーケンス(Ax,y・c11+Bx,y・c21)、(Ax,y・c12+Bx,y・c22)、(Ax,y・c13+Bx,y・c23)、(Ax,y・c14+Bx,y・c24)をc21、c22、c23、c24に相関させることは、処理ユニット430により、その位置で、第1の光源の照明寄与、すなわちBx,yの値を決定可能にする。一連の画像の各ピクセルに対する斯様な相関を実施することにより、Bx,yの値は画像内の全てのピクセルに対して得られ、よって、図8eに示されるように、処理ユニット430により、シーン内の第2の光源のフットプリントを決定可能にする。
【0073】
現在のシナリオが2つの光源を取扱う一方、同様のアプローチは2つの光源の用途だけでなく、2より大きい他の任意の数の光源に対して実行されてもよい。上述の処理ユニット430により実施されるステップは、画像内の比較的小さな数の光源及び/又は比較的小さな数のピクセルに対して好ましい。しかしながら、照明システム内に多数の光源が存在するとき、ピクセルの各々に対する様々な光源の埋め込みコードの各々に対する相関を実施することは、処理ユニット430に対してあまりに計算量が集中的になる。従って、以下に説明される実施例は、特定の光源の照明寄与が(上述のシーン内の特定位置とは対照的に)シーンの特定の部分内に存在するかどうかを決定可能にする。この実施例は、例えば第1の光源がシーンの左上四半部へ照明寄与を供給するかどうかを決定し、これが事実な場合だけ、照明寄与がシーンの左上四半部内の特定の選択された位置に存在するかどうかを決定可能にする。
【0074】
この代わりの実施例によると、上述の態様で一連の画像800―1乃至800―4を取得し、取得した画像ごとに、処理ユニット430は、シーンの特定の部分に対応する画像の部分に含まれるピクセルの和を決定するように構成される。説明のために、シーンの対象の特定の部分が、6〜10の間のx座標及び1〜6の間のy座標を持つピクセルを有する長方形830として、図8aに示される領域に対応することを考える。その時、第1の画像に対して、処理ユニット430は、以下の通りに和を決定する。

ここで、Ix,y=Ax,y・c11+Bx、y・c21である。
【0075】
同様に、第2の画像に対して、処理ユニット430は、以下の通りに和を決定する。

ここで、Ix,y=Ax,y・c12+Bx、y・c22である。
【0076】
第3の画像に対して、処理ユニット430は、以下の通りに和を決定する。

ここで、Ix,y=Ax,y・c13+Bx、y・c23である。
【0077】
最後に、第4の画像に対して、処理ユニット430は、以下の通りに和を決定する。

ここで、Ix,y=Ax,y・c14+Bx、y・c24である。
【0078】
ある実施例では、和S、S、S及びSは、和のサンプルの数により正規化されてもよいことに留意されたい。これは、適当な閾値レベルを設定可能にするために有利である。
【0079】
次に、処理ユニット430は、取得した一連の画像の和をN個のシンボルの第1のシーケンスと相関させる。よって、処理ユニット430は、第1の光源の照明寄与が領域830内に存在するかどうかを決定するために、シーケンスS、S、S、Sをシーケンスc11、c12、c13、c14と相関させる。同様に、処理ユニット430は、第2の光源の照明寄与が領域830内に存在するかどうかを決定するために、シーケンスS、S、S、Sをシーケンスc21、c22、c23、c24と相関させる。相関出力が特定の閾値を上回るピークを含むとき、処理ユニット430は、特定の光源の照明寄与が領域830内に存在することを決定できる。
【0080】
この場合、何が関連した相関ピークを構成するかを決定することは、幾つかの考察を必要とする。シーンの部分に対する特定の光源の照明寄与がより大きいほど、相関ピークの大きさは、より大きい。よって、領域830に対して、第1の光源に対する相関ピークは、最もおそらく、第2の光源に対する相関ピークより大きいだろう。適当な閾値は、画像及びコード相互相関特性の捕捉の間のノイズのレベルに基づいて設定できる。ある実施例では、閾値は、ノイズ又は他のコードのためのピークが閾値より高いピークを作りそうにないように、好ましくは設定される。
【0081】
処理ユニット430は、特定の光源の照明寄与が領域830に存在することを決定すると、その光源の照明寄与が、上述の態様で領域830内の選択された物理的位置に存在するかどうかを決定し続ける。
【0082】
特定の光源の照明寄与の存在がシーン内の位置の全てに対して決定される必要があるか、又は、特定の光源のフットプリントがシーンのために決定される必要があるとき、他の潜在的により計算的に効率的な方法は、上述の態様で一連の画像800―1乃至800―4を取得して、取得した画像ごとに、ステップ1において、画像の全てのピクセルの和を決定するように処理ユニット430を設定することである。ステップ2において、処理ユニット430は、画像を2つの部分に分けて(例えば、画像を半分に分ける)、これらの部分の1つ(例えば左半分)の各画像の全てのピクセルの和を決定する。他方の部分(例えば、右半分)の各画像の全てのピクセルの和は、その時、単に総和から第1の部分(左半分)の和を減算することにより決定される。ステップ3において、処理ユニット430は、第1の光源の照明寄与がそれぞれの部分に存在するかどうかを決定するために、画像の第1の部分及び/又は第2の部分に対する和のシーケンスを、特定の光源の光出力にコード化されるNビットのシーケンスに相関させる。
【0083】
ステップ2は、最後に個々のピクセルレベル(マルチスケールアプローチ/解像度ピラミッド)に達するために、画像の今まで低減されていた部分(例えば今まで低減されていた半分)にわたって拡張される。正方形の領域にわたる和がこの手順で連続的に必要であるので、ある有利な実施例では、処理ユニット430は、最初に各入力画像を一体の画像に変換し、次に変換された画像上に上記処理をするように構成される。
【0084】
照明システムの光出力に埋められるデータのタイプ、ここで説明されたシナリオに適当なシーケンスのタイプ及びカメラ410を構成する特定の態様に関する第1のシナリオの説明の全てが、ここで適用できる。従って、簡潔さのために、これらの説明は、ここで繰り返されない。
【0085】
シナリオ3:一つの光源、フレーム当たり多値ビット露光
次に、第1のシナリオと同様に、1つの光源、例えば光源220―1だけが照明寄与を特定のシーンに供給できる照明システム200を考える。シーンが図1に例示される構成100のフロアの一部であり、光源220―1がシーン(すなわち、フロア)内にフットプリント125aを持つ図1に例示される光源120の一つであると考える。説明を簡単にするため、光源220―1の光出力に埋め込まれるコードの繰り返しシーケンスが4ビットだけを含むと考える。斯様なコードは、コード910として図9に示されていて、図2に説明された信号245に含まれる。示されるように、ビットの各々は、期間Tbitを持つ。従って、コード期間は、4*Tbitに等しい。
【0086】
コードのビットがどのように光源の光出力に埋められるかに関する第1のシナリオの説明は、ここに適用できるので、従って、簡潔さのために、ここで繰り返されない。
【0087】
また、検出システム400が光源220―1の光出力に埋め込まれるコードを既に含むか又は得ると仮定する。
【0088】
斯様なシナリオにおいて、光源220―1の光出力がシーン内の選択された位置に存在するかどうかを決定するために、検出システム400は、第1のシナリオに説明されたものと異なる態様で動作するように構成されてもよい。
【0089】
また、カメラ410は、シーンの一連の画像を得るように構成される。そのために、カメラの露光は、多重露出時間を有するように設定され、各露出時間が1ビットのコード期間、すなわちTbitの長さに等しい期間を持つ。この場合、カメラ410の全体の露出時間Texpは、多重露出時間の全ての期間の和である。
【0090】
最初に、多重露出時間が連続的であり、カメラ410が各フレームの第1の時間Texpの間に画像を取得するように構成されると考える。各フレームの3つの露出時間を持つ態様で構成されるカメラ410の露光は、ライン930で図9に例示される。
【0091】
画像が撮られるとき、カメラはシーン内の全ての位置での照明システムの全光出力の強度を得る。現在のシナリオでは、照明システムの全光出力は、光源220―1からだけの照明寄与を有する。
【0092】
カメラの露光時間がコードの3つの連続的なコードビットに等しく設定されるので、画像の特定のピクセルでの強度は、画像が撮られる時間での光源220―1の光出力にコード化されるコードのビットの全て値により影響を受ける。各ピクセルは、シーン内の異なる物理的位置での照明システムの全光出力の強度を表す。光源220―1の光出力がコードビットc、c及びcで変調されるとき第1の画像が撮られるので(図9において、露出930のフレーム1のカメラ露光がコード910でどれくらい重なるかを参照されたい)、各ピクセル(x,y)の強度dx,y(1)は、以下の通りに決定される。
x,y(1)=Ax,y・c+Ax,y・c+Ax,y・c (1)
ここで、Ax,yは、光源220―1に付与される駆動信号がコードビットc、c及びcで変調されない場合の強度の値であり、dx,y(1)の添え字(1)は、これがフレーム1で得られた強度であることを示す。
【0093】
露出930から見られるように、シーンの一連の画像の第2の画像は、カメラ410のフレーム2の間に得られる。光源220―1の光出力がコードビットc、c及びcで変調されるとき第2の画像が撮られるので(図5において、露出930のフレーム2のカメラ露光がコード910でどれくらい重なるかを参照されたい)、各ピクセル(x,y)の強度dx,y(2)は、以下の通りに決定される。
x,y(2)=Ax,y・c+Ax,y・c+Ax,y・c (2)
同様に、第3の画像に対して、各ピクセル(x,y)の強度dx,y(3)は、以下の通りに決定される。
x,y(3)=Ax,y・c+Ax,y・c+Ax,y・c (3)
最後に、第4の画像に対して、各ピクセル(x,y)の強度dx,y(4)は、以下の通りに決定される。
x,y(4)=Ax,y・c+Ax,y・c+Ax,y・c (4)
4つの取得した画像の特定ピクセル(x,y)に対する上記強度(1)―(4)は、マトリックス強度として書かれてもよい。

(5)
表記

及び

を使用して、式(5)は式(6)のように書き直される。

(6)
【0094】
式(6)において、処理ユニット430は、取得した一連の画像から強度

と、図2に関連して説明された態様の一つで得られた

と、カメラ410が画像を撮るために構成される態様から

とを所有している。よって、式(6)は、一つの未知のAx,yを持つ式である。再び、マトリックス表記で書くと、処理ユニット430は、未知のAx,yを式(7)により決定する。

(7)
ここで、共通のマトリックス表記によると、

はマトリックス

の転置行列を示し、

はマトリックス

の逆行列を示すか又は非正方行列

に対する擬似逆行列を示す。式(7)に従って計算を実施することは、選択された物理的位置に対応する画像の取得した一連のピクセル(x,y)のシーケンスをN個のシンボルの第1のシーケンスに処理ユニット430が相関させることと等価である。第1のシナリオで説明されたものと同様に、相関の結果として、ピークの存在は光源の照明寄与がシーン内の選択された物理的位置に存在し、ピークの大きさがシーン内の選択された位置への光源220―1により供給される照明寄与を表わすことを意味する相関出力が得られる。また、同様の相関が、シーン内の任意の他の選択された物理的位置に対しても実施され、シーン内の光源220―1のフットプリントが前述されたように決定される。
【0095】
このシナリオの説明は、これまで連続的なカメラ410のフレーム時間内の多重露出時間の場合を扱っている一方、類似したアプローチが、連続していない多重露出時間に適用できる。式(6)及び(7)が依然満たされるのに対し、画像を取得するため異なる露出時間を選択する違いが、異なるマトリックス

に反映されるだろう。式(7)に従って計算を実施することがマトリックス

の逆行列を決定することを必要とするので、一連の画像に対する多重露出時間は、マトリックス

が逆変換可能であるように、選択されなければならない。
【0096】
カメラ410のフレーム時間内に複数の連続ビットを持つ画像を取得することと複数の非連続ビットを持つ画像を取得することとの間の1つの更なる違いは、どれくらい斯様な露出が実行できるかである。全てのカメラに対して内部にあるシャッタ420が、フレーム内で一回だけ開閉するので、斯様なシャッタは、通常は、カメラ410のフレーム時間内で複数の連続ビットを持つ画像を取得するためにだけ用いられる。
【0097】
これに対して、カメラ410の外部にあるシャッタ420は、各フレーム内で複数の連続ビット及び複数の非連続ビット両方を持つ画像を取得するために用いられる。斯様なシャッタは、カメラの前に配置された電子シャッタとして実行され、単一のフレームの間にシャッタの複数回の開/閉を可能にする。ある実施例では、斯様なシャッタは、デジタルコードにより切換えられる。カメラ410に対する外部シャッタの使用により可能になった開/閉パターンの1つの例は、図10の切換信号1030として例示される。図10は、また、例示的なコード1010を例示する。
【0098】
そのとき、ある実施例では、検出システム400は、以下の通りに動作するだろう。複合光信号は、カメラ410の前に配置されるシャッタ420に向けられる。シャッタ420は、シャッタの開閉状態を決定する切換信号1030により動作される。シャッタ420のスイッチング周波数が符号化された光の周波数と同じである、すなわち両方とも同じTbitを使用すると考える。そのとき、カメラ410は、フレーム時間Tframeにわたって入って来る光を集積する(これは、また、本願で説明されている他の実施例全てに対して保つ)。シャッタ420を切換えることにより、開いたシャッタ時間の間のコード1010のビットは受信され、それ以外では受信されない。よって、シャッタ420からカメラ410への結果として生じる出力信号は、シャッタが開いていた間のビットについての和である。
【0099】
フレームごとに、Tframe=Tbit*Nshutである長さTframeの異なるシャッタコードが付与される。シャッタ420がカメラ410に対する外部シャッタとして実行される実施例では、Nshutは、好ましくはNcodeの整数倍又は整数の逆数倍である。シャッタ420がカメラ410内部のシャッタとして実行される実施例において、Nshutは、好ましくはNcodeの整数倍又は整数の逆数倍に等しくない。切換信号1030に含む連続的なコードの正しいセットを選択することにより、すなわち、コードマトリックス

が逆変換可能であるように選択することにより、信号d(t)は、カメラ410の信号出力の電気的処理の後、回復できる。処理ユニット430は、その後、光源の照明寄与が上述の態様でシーン内の選択された位置に存在するかどうかを決定する処理を行う。
【0100】
ある実施例では、シャッタ420がより長く開いているほど、光がカメラ410のセンサにより受信されるので、切換信号1030は、好ましくは、できるだけ多くの1を含む。この目的のための適切なコードは、S個の行列であり、これは、第1の行及び列を取り除いた後のアダマール行列から成る。
【0101】
特定の埋め込みコードを持つ光だけを特に検出したいとき、シャッタ420は信号を直接復号するために使用できる。シャッタは、相関の一部として、コードとの乗算として作用し、結果はフレームの長さにわたって集積される。課題は、相関において―1及び1のコードで乗算することを望むが、シャッタは開閉できるだけであって、0及び1で乗算するということである。この課題は、一方の画像がシャッタ(t)(1=開く/0=閉じる)=code(t)を持ち、他方の画像がシャッタ(t)=1―code(t)を持つ2つの画像を得ることにより解決できる。結果として生じる第1の画像を第2の画像から単に減算することにより、―1及び1からなるコードで乗算するのと同じ結果が得られる。結果的に、処理ユニット430は、ランプのフットプリントを決定する。
【0102】
以前のシナリオの説明の全ては、ここで適用でき、従って、コード期間のものと関連するフレーム時間の期間に関するものを除いて繰り返されない。各画像が多重露出時間で取得され、シャッタ420がカメラ410の外部シャッタとして実行されるシナリオでは、カメラのフレーム時間は、好ましくは、コード期間の整数倍又は整数の逆数倍に設定される。例えば、コード期間が7*Tbitに等しい場合、カメラのフレーム時間はコード期間の2倍、すなわち14*Tbitに設定される。各画像が多重露出時間で取得され、シャッタ420がカメラ410の内部シャッタとして実行されるシナリオでは、第1のシナリオにて例示されたように、カメラのフレーム時間は、好ましくは、コード期間の整数倍又は整数の逆数倍に設定されない。
【0103】
このシナリオの1つの利点は、フレーム当たりの複数のビット露出を持つ各画像を取得することが、特に低い光の状況で、より光効率的であるということである。従って、検出プロセスでのノイズの影響は、低減される。
【0104】
シナリオ4:2つの光源、フレーム当たり多値ビット露光
次に、第2のシナリオと同様に、2つの光源が特定のシーンに照明寄与を供給でき、当該シーンは図1に例示される構成100のフロアの部分であり、第1の光源がシーン(すなわち、フロア)内にフットプリント125bを持つ図1に例示される光源120の一つであり、第2の光源がシーン内にフットプリント125cを持つ図1に例示される光源120の一つである照明システム200を考える。また、照明システム200内の2つの光源は、同期モード又は非同期モードの何れかで動作する。動作の同期又は非同期モード何れに対しても、それぞれの埋め込みコードは、Nビットの異なる繰り返しシーケンスを含む。
【0105】
第2のシナリオと同様に、第1の光源の光出力に埋め込まれるコードの繰り返しシーケンスが4ビット、c11、c12、c13、c14を含み、第2の光源の光出力に埋め込まれるコードの繰り返しシーケンスが4ビットc21、c22、c23、c24を含むと考える。また、ビットの各々は期間Tbitを持ち、従って、コード期間は4*Tbitに等しい。検出システム400が第1及び第2の光源の光出力に埋め込まれるコードを既に含むか又は得ると更に仮定する。
【0106】
コードのビットがどのように光源の光出力に埋められるかに関する以前のシナリオの説明が、ここで適用でき、従って、簡潔さのために、ここで繰り返されない。
【0107】
検出システム400は、第1及び第2の光源の光出力がシーン内の選択された位置に存在するかどうかを決定するために以下の態様で動作するように構成される。
【0108】
最初に、全光出力が第1の光源の光出力及び第2の光源の光出力を有することを除いて、カメラ410は以前のシナリオで説明されている態様でシーンの一連の画像を取得するように構成される。各画像は、x方向に10ピクセル及びy方向に15ピクセルを持つ150ピクセルの2Dグリッドに再び分割される。カメラの露光時間がコードの3つのコードビットに等しく設定されるので、画像の特定ピクセルの強度は、画像が撮られる時での光源220―1の光出力にコード化されるコードのビットの全ての値により影響を受ける。各ピクセルは、シーン内の異なる物理的位置での照明システムの全光出力の強度を表す。以前のシナリオと同様に、第1の光源の光出力がコードビットc11、c12及びc13で変調され、第2の光源の光出力がコードビットc21、c22及びc23で変調されるとき第1の画像が撮られるので、各ピクセル(x,y)の強度dx,y(1)は、以下の通りに決定される。
x,y(1)=Ax,y・c11+Ax,y・c12+Ax,y・c13+Bx,y・c21+Bx,y・c22+Bx,y・c23 (8)
ここで、Ax,y及びBx,yは、第2のシナリオのものと同様の値を表す。また、シーンの一連の画像の第2の画像は、カメラ410のフレーム2の間に得られる。第1の光源の光出力がコードビットc12、c13及びc14で変調され、第2の光源の光出力がコードビットc22、c23及びc24で変調されるとき第2の画像が撮られるので、各ピクセル(x,y)の強度dx,y(2)は、以下の通りに決定される。
x,y(2)=Ax,y・c12+Ax,y・c13+Ax,y・c14+Bx,y・c22+Bx,y・c23+Bx,y・c24 (9)
同様に、第3の画像に対して、各ピクセル(x,y)の強度dx,y(3)は、以下の通りに決定される。
x,y(3)=Ax,y・c13+Ax,y・c14+Ax,y・c11+Bx,y・c23+Bx,y・c24+Bx,y・c21 (10)
最後に、第4の画像に対して、各ピクセル(x,y)の強度dx,y(4)は、以下の通りに決定される。
x,y(4)=Ax,y・c14+Ax,y・c11+Ax,y・c12+Bx,y・c24+Bx,y・c21+Bx,y・c22 (11)
第3のシナリオと同様に、4つの取得した画像の特定ピクセル(x,y)に対する上記強度(8)乃至(11)は、マトリックス強度

として以下のように書き直せる。

(12)
ここで、

【0109】
第3のシナリオと同様に、式(12)では、処理ユニット430は、取得した一連の画像から強度

と、図2に関連して説明された態様の一つで得られた

及び

と、カメラ410が画像を撮るために構成される態様から

とを所有している。処理ユニット430は、未知のAx,y及びBx,yを以下のように決定する。

(13)

(14)
式(13)に従って計算を実施することは、選択された物理的位置に対応する画像の取得した一連のピクセル(x,y)のシーケンスをN個のシンボルの第1のシーケンスに処理ユニット430が相関させることと等価である。式(14)に従って計算を実施することは、選択された物理的位置に対応する画像の取得した一連のピクセル(x,y)のシーケンスをN個のシンボルの第2のシーケンスに処理ユニット430が相関させることと等価である。前のシナリオで説明されたものと同様に、相関の結果として、ピークの存在は第1の光源の照明寄与がシーン内の選択された物理的位置に存在し、ピークの大きさがシーン内の選択された位置への第1の光源により供給される照明寄与を表わすことを意味する第1の相関出力が得られる。第2の相関の結果として、ピークの存在は第2の光源の照明寄与がシーン内の選択された物理的位置に存在し、ピークの大きさがシーン内の選択された位置への第2の光源により供給される照明寄与を表わすことを意味する第2の相関出力が得られる。
【0110】
また、同様の相関が、シーン内の他の選択された物理的位置に対して実施され、シーン内の第1及び第2の光源のフットプリントは、前述したように決定される。
【0111】
第3のシナリオの他の説明の全ては、ここで適用でき、従って繰り返されない。
【0112】
要約されるシナリオ1―4
上述のシナリオの全てが、ここで要約される。図11は、本発明のある実施例による、照明システムの特定の光源の照明寄与が、シーン内の選択された位置に存在するかどうかを決定するための方法ステップの流れ図である。方法ステップが図4と連動して説明される一方、当業者は、任意の順番で方法ステップを実施するように構成されるシステムが、本発明の範囲内であると認識するだろう。
【0113】
当該方法は、カメラ410がシーンの一連の画像を取得するステップ1110において始まる。ここで前述されたように、各取得した画像は複数のピクセルを含み、各ピクセルがシーン内の異なる物理的位置での照明システムの全光出力の強度を表す。照明システムの全光出力は、一つ以上の光源の照明寄与を含む。一連の画像は、少なくともN個の異なる画像を有する。これらの画像の各々は、N個のシンボルの繰り返しシーケンス内の異なる時間的位置で一つ以上の露出時間を有する全体の露光時間で取得される。このように、異なる光源の繰り返しシーケンスの個々のビットの全てが検出される。
【0114】
ステップ1120では、処理ユニット430は、シーン内の選択された物理的位置に対応する画像の取得した一連のピクセルのシーケンスをN個のシンボルの第1のシーケンスと相関させ、繰り返しの第1のシーケンスは照明システムの第1の光源の光出力に埋め込まれている。
【0115】
ステップ1130では、処理ユニット430は、N個のシンボルの第1のシーケンスとの選択された物理的位置に対応する画像の取得した一連のピクセルのシーケンスの相関が相関ピークを作るとき、第1の光源の照明寄与がシーン内の選択された物理的位置に存在すると決定する。
【0116】
オプションのステップ1140では、処理ユニット430は、更に、第1の光源の照明寄与を推定するために相関出力内のピークの相関値を使用する。シーン内の残りの物理的位置の全てに対する(すなわち、取得した一連の画像の全てのピクセルに対する)ステップ1110―1140を繰り返すことにより、シーン内の第1の光源のフットプリントが決定される。シーン内の全ての物理的位置に対する(すなわち、取得した一連の画像の全てのピクセルに対する)ステップ1110―1140を繰り返すことにより、シーン内の様々な光源のフットプリントが解決される。
【0117】
本発明の1つの利点は、カメラのシャッタの特定の開/閉パターンを選択することにより取得される一連の画像に基づいて、高周波で変調されて、よって、人間の目に見えなく符号化された光が、従前の低いレートのカメラを使用して検出されることである。例えば、従来の50Hzのカメラは、人間の可視閾値をはるかに越える1kHz以上で変調される符号化された光を決定するために用いられる。更にまた、本願の検出システム及び方法は、2Dシーンに存在する異なる光源の埋め込みコードの識別を可能にする。
【0118】
ここで例示された実施例が同期照明システム(すなわち、様々な光源の埋め込みコードが同時に始まるシステム)のために提供される一方、当業者は、本発明の教示を非同期照明システム(すなわち、様々な光源の埋め込みコードが異なる時間に始まるシステム)まで拡張可能である。
【0119】
本発明の一つの実施例は、コンピュータシステムでの使用のためのプログラムプロダクトとして実行される。プログラムプロダクトのプログラムは、実施例の機能(ここで説明されている方法を含む)を規定し、様々なコンピュータ可読の記憶媒体に含まれ得る。例示的コンピュータ可読の記憶媒体は、限定されるものではないが、(i)情報が永久に格納される書き換えできない記憶媒体(例えば、CD―ROMドライブにより読み込み可能なCD―ROMディスクのようなコンピュータ内の読出し専用メモリ装置、フラッシュメモリ、ROMチップ又はソリッドステート不揮発性半導体メモリの任意のタイプ)、及び、(ii)変更可能な情報が格納される書き換え可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内のフロッピー(登録商標)ディスク又はソリッドステートランダムアクセス半導体メモリの任意のタイプ)を含む。
【0120】
前述の説明は本発明の実施例に向けられる一方、本発明の他の実施例及び更なる実施例は、本発明の基本的な範囲を逸脱しない範囲で考案されてもよい。例えば、本発明の態様は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組合せで実行されてもよい。従って、本発明の範囲は、以下の請求項により決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明システムの第1の光源の照明寄与がシーン内の選択された位置に存在するかどうかを決定するための検出システムであって、第1の光源の照明寄与は繰り返しのN個のシンボルの第1のシーケンスを有する第1の埋め込みコードを含み、前記検出システムは、シーンの一連の画像を取得するためのカメラと、第1の光源の照明寄与が選択された物理的位置に存在すると決定するために、取得した一連の画像を処理する処理ユニットとを有し、各取得した画像は複数のピクセルを含み、各ピクセルはシーン内の異なる物理的位置での前記照明システムの全光出力の強度を表し、前記照明システムの全光出力が少なくとも第1の光源の照明寄与を有し、一連の画像は少なくともN個の異なる画像を有し、少なくともN個の異なる画像の各画像は、繰り返しのN個のシンボルの第1のシーケンス内の異なる時間的位置で一つ以上の露出時間を有する全体の露光時間で取得される、検出システム。
【請求項2】
第1の光源の照明寄与が選択された物理的位置に存在すると決定するための取得した一連の画像の処理が、選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像のピクセルのシーケンスを、N個のシンボルの第1のシーケンスと相関させ、N個のシンボルの第1のシーケンスと、選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像の画像のピクセルのシーケンスとの相関が相関ピークを作るとき、第1の光源の照明寄与が選択された物理的位置に存在すると決定することを有する、請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像のピクセルのシーケンスとN個のシンボルの第1のシーケンスとの相関に基づいて、前記処理ユニットは、更に、選択された物理的位置の第1の光源の照明寄与の強度又はそのパラメータを決定する、請求項2に記載の検出システム。
【請求項4】
前記照明システムは、更に第2の光源を有し、第2の光源の照明寄与は、繰り返しのN個のシンボルの第2のシーケンスを有する第2の埋め込みコードを含み、前記照明システムの全光出力は、更に、第2の光源の照明寄与を有し、前記処理ユニットは、更に、第2の光源の照明寄与が、選択された物理的位置に存在すると決定するために、取得した一連の画像を処理する、請求項1乃至3の何れか一項に記載の検出システム。
【請求項5】
第2の光源の照明寄与が選択された物理的位置に存在すると決定するための取得した一連の画像の処理は、選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像のピクセルのシーケンスを、N個のシンボルの第2のシーケンスと相関させ、N個のシンボルの第2のシーケンスと、選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像の画像ピクセルのシーケンスとの相関が相関ピークを作るとき、第2の光源の照明寄与が選択された物理的位置に存在すると決定することを有する、請求項4に記載の検出システム。
【請求項6】
選択された物理的位置がシーンの第1の部分に含まれ、前記処理ユニットは、取得した画像ごとに、シーンの第1の部分に対応する画像の部分に含まれるピクセルの和を決定し、取得した一連の画像の和のシーケンスをN個のシンボルの第1のシーケンスと相関させ、N個のシンボルの第1のシーケンスとの取得した一連の画像の画像和のシーケンスの相関が第1の閾値を上回る少なくとも一つの相関ピークを作るとき、第1の光源の照明寄与がシーンの第1の部分に存在すると決定する、請求項4又は5に記載の検出システム。
【請求項7】
前記処理ユニットは、更に、取得した一連の画像の和のシーケンスをN個のシンボルの第2のシーケンスと相関させ、N個のシンボルの第2のシーケンスとの取得した一連の画像の画像和のシーケンスの相関が第2の閾値を上回る少なくとも一つの相関ピークを作るとき、第2の光源の照明寄与がシーンの第1の部分に存在すると決定する、請求項6に記載の検出システム。
【請求項8】
一つ以上の露出時間の各々の期間が、N個のシンボルの第1のシーケンスの1つのシンボルの期間に等しい、請求項1乃至7の何れか一項に記載の検出システム。
【請求項9】
一つ以上の露出時間が2つ以上の連続的な露出時間の単一の露出を有する、請求項1乃至8の何れか一項に記載の検出システム。
【請求項10】
一つ以上の露出時間が2つ以上の非連続露出時間を有する、請求項1乃至8の何れか一項に記載の検出システム。
【請求項11】
照明システムの第1の光源の照明寄与がシーンの第1の部分に存在するかどうかを決定するための検出システムであって、第1の光源の照明寄与は繰り返しのN個のシンボルの第1のシーケンスを有する第1の埋め込みコードを含み、前記検出システムは、シーンの一連の画像を取得するためのカメラと、処理ユニットとを有し、各取得した画像は複数のピクセルを含み、各ピクセルはシーン内の異なる物理的位置での前記照明システムの全光出力の強度を表し、照明システムの全光出力が少なくとも第1の光源の照明寄与を有し、一連の画像は少なくともN個の異なる画像を有し、少なくともN個の異なる画像の各画像は、繰り返しのN個のシンボルの第1のシーケンス内の異なる時間的位置で一つ以上の露出時間を有する全体の露光時間で取得され、前記処理ユニットは、取得した画像ごとに、シーンの第1の部分に対応する画像の部分に含まれるピクセルの和を決定し、取得した一連の画像の和のシーケンスとN個のシンボルの第1のシーケンスとを相関させ、N個のシンボルの第1のシーケンスとの取得した一連の画像の画像和のシーケンスの相関が第1の閾値を上回る少なくとも一つの相関ピークを作るとき、第1の光源の照明寄与がシーンの第1の部分に存在すると決定する、検出システム。
【請求項12】
照明システムの第1の光源の照明寄与がシーン内の選択された位置に存在するかどうかを決定するための方法であって、第1の光源の照明寄与は繰り返しのN個のシンボルの第1のシーケンスを有する第1の埋め込みコードを含み、前記方法は、シーンの一連の画像を取得するステップと、第1の光源の照明寄与が選択された物理的位置に存在すると決定するために、取得した一連の画像を処理するステップとを有し、各取得した画像は複数のピクセルを含み、各ピクセルはシーン内の異なる物理的位置での前記照明システムの全光出力の強度を表し、前記照明システムの全光出力が少なくとも第1の光源の照明寄与を有し、一連の画像は少なくともN個の異なる画像を有し、少なくともN個の異なる画像の各画像は、繰り返しのN個のシンボルの第1のシーケンス内の異なる時間的位置で一つ以上の露出時間を有する全体の露光時間で取得される、方法。
【請求項13】
第1の光源の照明寄与が選択された物理的位置に存在すると決定するための取得した一連の画像の処理ステップが、選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像のピクセルのシーケンスを、N個のシンボルの第1のシーケンスと相関させるステップと、N個のシンボルの第1のシーケンスと、選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像の画像ピクセルのシーケンスとの相関が相関ピークを作るとき、第1の光源の照明寄与が選択された物理的位置に存在すると決定するステップとを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
照明システムの第1の光源の照明寄与がシーンの第1の部分に存在するかどうかを決定するための方法であって、第1の光源の照明寄与は繰り返しのN個のシンボルの第1のシーケンスを有する第1の埋め込みコードを含み、前記方法は、シーンの一連の画像を取得する取得ステップであって、各取得した画像は複数のピクセルを含み、各ピクセルはシーン内の異なる物理的位置での前記照明システムの全光出力の強度を表し、前記照明システムの全光出力が少なくとも第1の光源の照明寄与を有し、一連の画像は少なくともN個の異なる画像を有し、少なくともN個の異なる画像の各画像は、繰り返しのN個のシンボルの第1のシーケンス内の異なる時間的位置で一つ以上の露出時間を有する全体の露光時間で取得される前記取得ステップと、取得した画像ごとに、シーンの第1の部分に対応する画像の部分に含まれるピクセルの和を決定するステップと、取得した一連の画像の和のシーケンスとN個のシンボルの第1のシーケンスとを相関させるステップと、N個のシンボルの第1のシーケンスとの取得した一連の画像の画像和のシーケンスの相関が第1の閾値を上回る少なくとも一つの相関ピークを作るとき、第1の光源の照明寄与がシーンの第1の部分に存在すると決定するステップとを有する、方法。
【請求項15】
請求項2に記載の検出システムで実行されるとき、選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像のピクセルのシーケンスをN個のシンボルの第1のシーケンスと相関させるステップと、N個のシンボルの第1のシーケンスとの選択された物理的位置に対応する取得した一連の画像のピクセルのシーケンスの相関が相関ピークを作るとき第1の光源の照明寄与が選択された物理的位置に存在すると決定するステップとを有するステップを実施するためのソフトウエアコード部分を有する、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−517597(P2013−517597A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548514(P2012−548514)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050116
【国際公開番号】WO2011/086501
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】