説明

局部洗浄装置付便器

【課題】洗浄ノズル部分に細菌やカビが繁殖するのを効果的に抑制できる。
【解決手段】局部洗浄装置付便器は、ボウル部1と、非使用時にボウル部1の後方に後退して収納され且つ使用時にボウル部1の後方からボウル部1内に突出して温水の噴出で人体の局部を洗浄する洗浄ノズル2と、ボウル部1の上開口3を開閉自在とする便蓋4を備えている。便蓋4の閉を検知する閉検知手段5と、ボウル部1内に外気を供給する外気供給手段6と、上記閉検知手段5による便蓋4の閉の検知に基づき外気供給手段6をオンにしてボウル部1内に外気を供給するように制御する制御部7を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の局部を温水で洗浄する洗浄ノズルを備えた局部洗浄装置付便器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、人体の局部に温水を噴出する洗浄ノズルを備えた局部洗浄装置付便器が知られている。洗浄ノズルは、使用時にボウル部の後方からボウル部内に突出して温水を噴出することで人体の局部を洗浄し、洗浄が終わると、ボウル部の後方に後退して収納されるようになっている。
【0003】
上記の洗浄ノズルは、温水を噴出して人体の局部洗浄動作を行った後、洗浄ノズルの先端部を温水で洗浄するノズル洗浄を行い、洗浄ノズルの先端部に付着した排泄物などを温水で洗い流すようにしている。
【0004】
このように洗浄ノズルの外面を温水で洗うため、洗浄ノズルの外面は高温で且つ温水が付着した状態となり、この高温で温水が付着した洗浄ノズルが収納される収納部内の環境が高温、高湿状態となる。しかも、収納部内は略閉ざされた閉空間であるため、熱、湿気がこもり、高温、高湿状態が長く続く。
【0005】
ところで、排泄物などで汚れた箇所において細菌やカビが繁殖しやすい条件は、高温で且つ水分が多いことである。そして、高温で且つ水分の多い箇所は、水分は多いが温度が低い箇所、あるいは、高温ではあるが水分が比較的少ない箇所に比べて、はるかに細菌やカビが繁殖しやすい。
【0006】
例えば、ボウル部の喫水面付近の内面は、水面に近いため多量の水分にさらされるが温度は低い。また、暖房機能を備えている便座は、温度は高いが、水に接しておらず、水分は他の箇所に比べて比較的少ない。
【0007】
これに対し、使用が終わった洗浄ノズルを収納した収納部内は上記のように高温、多湿の環境となり、しかも、略閉空間であるため高温、多湿状態がなかなか解消されず、このため収納部内はボウル部内面や便座に比べて、細菌やカビが繁殖がし易い環境となる。
【0008】
また、ボウル部内面や便座は、細菌やカビが発生したとしても、目で簡単に確認でき、掃除が簡単にできる。しかし、洗浄ノズルは、使用中は臀部の下方に位置するため目で確認できず、非使用中はボウル部の後方の収納部に収納されるため目で確認できない。したがって、洗浄ノズルや収納部に細菌やカビが発生しても目で確認できず、細菌やカビの繁殖を見逃すという問題があり、更に、洗浄ノズルや収納部内は掃除がし難いという問題がある。
【0009】
なお、特許文献1により、ボウル部内の湿度や温度を検知し、湿度や温度の計測値が所定の閾値を越えた時ボウル部内に外気を供給して換気することで、ボウル部面やリム面に付着した排泄物等に起因する細菌やカビの発生や繁殖を抑制するようにした便器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−81929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に示された従来例は、ボウル部面やリム面に細菌やカビが繁殖するのを抑制するための技術であり、以下の理由で、洗浄ノズルとこれが収納される収納部分に細菌やカビが繁殖するのを効果的に抑制することはできない。
【0012】
つまり、使用直後に洗浄ノズルを収納する収納部内が高温、高湿度環境になるという現象は、略閉ざされた空間である収納部に特有や局所的な現象であり、便座や便蓋を含んだボウル部内全体の温度、湿度に与える影響が少ない。このため、ボウル部内の温度や湿度を測定する従来のやり方では、高温で水分が付着した洗浄ノズルを収納している略閉ざされた空間である収納部内の高温、高湿度環境を正確に検知することができない。このため、従来例では、収納部内の高温、高湿度環境が放置されたまま長く続き、細菌やカビが繁殖し易く、洗浄ノズルとこれが収納される収納部における細菌やカビの繁殖を効果的に抑制できないという問題がある。
【0013】
本発明は、上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、洗浄ノズルとその収納部分に細菌やカビが繁殖するのを効果的に抑制できる局部洗浄装置付便器を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、以下のような構成になっている。
【0015】
本発明の局部洗浄装置付便器は、ボウル部1と、非使用時にボウル部1の後方に後退して収納され且つ使用時にボウル部1の後方からボウル部1内に突出して温水の噴出で人体の局部を洗浄する洗浄ノズル2と、ボウル部1の上開口3を開閉自在とする便蓋4を備えている。そして、本発明は、便蓋4の閉を検知する閉検知手段5と、ボウル部1内に外気を供給する外気供給手段6と、上記閉検知手段5による便蓋4の閉の検知に基づき外気供給手段6をオンにしてボウル部1内に外気を供給するように制御する制御部7を設けて成ることを特徴とする。
【0016】
洗浄ノズル2の使用が終了すると洗浄ノズル2がボウル部1の後方に後退する。洗浄ノズル2の使用が終了した後、自動又は手動で便蓋4を閉じると、閉検知手段5で便蓋4の閉を検知し、この便蓋4の閉の検知に基づき外気供給手段6をオンにしてボウル部1内に外気を供給する。このように、使用が終わった洗浄ノズル2を収納部8に収納し且つ便蓋4を閉じた状態で外気を供給するので、高温で且つ水が付着している洗浄ノズル2とこれが収納される収納部8内の温度を低下させ、付着している水分を蒸発させて湿度を低下させることができる。これにより、洗浄ノズル2とこれが収納される収納部8内に細菌やカビが繁殖するのを効果的に抑制できる。
【0017】
また、洗浄ノズル2は、収納部8からボウル部1内に突出した状態で人体の局部を洗浄するための温水を噴出し、且つ、洗浄終了後に収納部8内に収納されるものである。この洗浄ノズル2が収納部8内に収納された直後に収納部8内で温水によりクリーニング洗浄されるようになっていることが好ましい。
【0018】
洗浄ノズル2を収納部8に収納した直後に温水でクリーニング洗浄をすることで、温水により収納部8内で洗浄ノズル2を効果的に洗浄できる。この場合、収納部8内が温水の噴出により高温、高湿度状態となるが、便蓋4を閉じた状態でボウル部1内に外気を供給することで、外気により収納部8の内面及び洗浄ノズル2の外面の温度を低下させると共に、付着した水分を蒸発できる。これにより、洗浄ノズル2が収納された略密閉された収納部8内の高温、高湿度状態を解消でき、洗浄ノズル2とこれが収納される収納部8内における細菌やカビの繁殖を抑制できる。
【0019】
また、ボウル部1内に温風を送風して温水で洗浄した後の人体の局部を乾燥させるためのヒータ9と送風ファン10を有する温風乾燥手段11を設ける。上記温風乾燥手段11の送風ファン10で外気供給手段6を構成し、閉検知手段5による便蓋4の閉の検知に基づき上記ヒータ9をオフ、送風ファン10をオンにして、ボウル部1内に外気を供給するように制御することが好ましい。
【0020】
このような構成とすることで、使用直後の洗浄ノズル2部分の温度を下げ且つ付着した水分の蒸発を促進するための外気供給手段6を、人体の局部を乾燥させるために備わっている温風乾燥手段11の送風ファン10で兼用できる。また外気供給手段6として利用する際はヒータ9をオフにするので、便蓋4を閉じると自動的に冷たい外気がボウル部1内に供給され、洗浄ノズル2の収納部8及びここに収納された洗浄ノズル2の温度低下、水分の蒸発が効果的に行われる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、便蓋の閉の検知でボウル部内に外気を供給するので、洗浄ノズルが収納され且つ蓋が閉じると直ぐに外気の供給により収納部内の温度を下げると共に湿度を低下させ、洗浄ノズル及び収納部に細菌やカビが繁殖するのを効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態の説明のための概略平面図である。
【図2】同上の全体斜視図である。
【図3】同上の収納部を示し、(a)は収納部に洗浄ノズルを収納した状態を示す断面図であり、(b)は収納部から洗浄ノズルを突出させた状態を示す断面図である。
【図4】本発明の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0024】
本発明の洗浄装置付便器25は、図1に示すように、便器本体13の後部に便器付属機能装置12を備えている。便器付属機能装置12には、人体の局部に温水を噴出して洗浄するための局部洗浄装置14、人体の局部に温風を送風して乾燥するための温風乾燥手段11、便蓋4の閉を検知してボウル部1内に外気を供給する外気供給手段6、制御部7等を備えている。
【0025】
便器付属機能装置12は便器本体13の後部に一体に組み込んであるが、必ずしもこれにのみ限定されず、便器本体13とは別体で便器本体13の後部上面に載置したものであってもよい。
【0026】
局部洗浄装置14は、洗浄水供給部(図示せず)と、洗浄水を加熱して温水にする加熱部(図示せず)と、温水を噴出する洗浄ノズル2と、洗浄ノズル2を収納する収納部8を有しており、この収納部8は便器本体13に設けたボウル部1の後方に配置してある。ここで、本発明における後方とは、後述の便座15に使用者が座った際に背方となる方向を後方と定義する。
【0027】
図3に示すように、収納部8は前端が開口した筒状をしており、収納部8の前端開口がボウル部1内の後部に臨んでいる。この収納部8の前端開口の上端には前端開口を開閉自在とした前蓋23の上端が回動自在に軸支してある。収納部8の前端開口の下端部と前蓋23の下端部との間には排水及び空気が流通できるように隙間24が形成してある。
【0028】
洗浄ノズル2は非使用時に図3(a)のように収納部8内に収納され、使用時に図3(b)のように収納部8から前方に移動して前蓋23を押し上げてボウル部1内に突出し、この突出状態で洗浄ノズル2の先端から温水を噴出して人体の局部を洗浄するようになっている。洗浄ノズル2は人体の局部洗浄が終わると、後退して収納部8に収納される。また、この洗浄ノズル2は、人体の局部洗浄終了直後の突出したままの状態、又は、後退途中の状態、又は、収納部8に収納された状態で温水を噴出して洗浄ノズル2の外面をクリーニング洗浄するようになっている。
【0029】
実施形態では、洗浄ノズル2を後退させて収納部8内に収納した直後に温水を出して洗浄ノズル2を洗浄するようになっている例が示してある。
【0030】
洗浄ノズル2を収納部8からボウル部1内に突出自在とするには従来から公知の技術を採用できる。
【0031】
例えば、先端に噴射部を有する内筒を外筒に対して前方に出没自在とすることで洗浄ノズル2を構成し、先端部を除いて内筒が外筒に入込んでいる収縮状態で収納部8内に収納され、内筒が外筒から前方に突出することで、ボウル部1内に突出するように構成する。
【0032】
また、他の例としては、洗浄ノズル2全体が前後に移動自在となり、後方に移動した状態で全体が収納部8に収納され、前方に移動することで、前部または大部分が収納部8から出てボウル部1内に突出するように構成したものでもよい。
【0033】
温風乾燥手段11は、一端が外気吸入口17となり且つ他端がボウル部1の後部に開口した送風口18となった送風路19内にヒータ9と送風ファン10とを設けて構成している。人体の局部を乾燥するには、ヒータ9、送風ファン10をオンにすることで、外気吸入口17から外気を吸入し、ヒータ9で加熱した温風を送風口18からボウル部1内に吹出し、人体の局部を温風で乾燥するようになっている。
【0034】
本発明の洗浄装置付便器25には、図1に示すように、便座15、便蓋4が起倒自在に設けてあり、便座15を倒してボウル部1の上開口3の開口縁上面に載置した状態で、人が便座15に座って便器の使用ができるようになっている。便座15を倒した状態で便蓋4を倒すと、上開口3が閉じられるが、この場合、便蓋4の外周端とボウル部1の上開口3との間に便座15の下面側乃至上面側を介して空気が通過できる隙間が生じるように構成してある。
【0035】
本発明には閉状態検知手段5が設けてあり、便蓋4が起立した開状態から倒れた閉状態になると、閉状態検知手段5により便蓋4の閉状態を検知するようになっている。
【0036】
閉状態検知手段5は、例えば、便蓋4の回動軸の回動状態を検出することで、便蓋4が開から閉となったことを検知するようになっているが、閉状態の検知に当たっては、この例にのみ限定されるものではない。
【0037】
上記閉検知手段5で便蓋4の閉を検知すると、外気供給手段6がオンとなって、外気をボウル部1内に強制的に供給するようになっている。
【0038】
本実施形態においては、上記外気供給手段6を上記温風乾燥手段11の送風ファン10で構成した例を示している。
【0039】
つまり、閉検知手段5で便蓋4の閉を検知すると、ヒータ9がオフ、外気供給手段6を兼用する送風ファン10がオンとなり、外気吸入口17から外気を吸入し、送風口18からボウル部1内に外気を供給するようになっている。
【0040】
図4には本発明の制御ブロック図が示してある。図4において、20は洗浄ノズル操作釦であり、21は温風乾燥釦である。
【0041】
洗浄ノズル2を収納部8に収納している非使用状態で、上記洗浄ノズル操作釦20をオン操作すると、洗浄ノズル2がボウル部1内に突出し、突出状態で先端から温水を噴射して便座に座っている人の局部を洗浄する。局部洗浄が終わって、洗浄ノズル操作釦20をオフ操作すると、温水の噴射が停止、又は、噴射水流が弱くなり、洗浄ノズル2が後退して収納部8に収納され、収納部8内で噴射水流を弱めて温水を出して、洗浄ノズル2をクリーニング洗浄し、その後、温水の噴出を停止する。
【0042】
上記のようにして人体の局部洗浄が終わった後、温風乾燥釦21をオン操作すると、外気吸入口17から外気を吸入し、ヒータ9で加熱した温風を送風ファン10により送風口18からボウル部1内に吹出し、人体の局部を温風で乾燥する。温風による乾燥が終ると、再び温風乾燥釦21をオフ操作するとヒータ9、送風ファン10がオフになる。
【0043】
上記一連の洗浄ノズル2の動作、温風乾燥手段11(ヒータ9、送風ファン10)の動作は、それぞれ洗浄ノズル操作釦20、温風乾燥釦21の操作に基づき制御部7により制御される。
【0044】
このようにして人体の局部の温水洗浄、温風乾燥を行った後、使用者が便座15から離座すると、離座を検知して自動で、又は、手動で便蓋4が閉じられる。
【0045】
ところで、収納部8内で洗浄ノズル2のクリーニング洗浄のために使われた温水は収納部8の前端開口と前蓋23との間に形成される隙間24からボウル部1内に排水される。しかし、洗浄ノズル2の外面、収納部8の内面は温水がかかって高温で温水が付着しており、そのまま放置しておくと、略閉ざされた空間である収納部8内が高温、高湿の状態のままこの環境が長く続き、細菌やカビが繁殖し易くなる。
【0046】
また、上記人体の局部を温風乾燥する際、ボウル部1内に温風が供給され、ボウル部1内を介して収納部8の先端開口の隙間24から収納部8内に流れ込むが、局部を乾燥して高湿となっている温風の一部が収納部8内に流れ込み、しかも、局部乾燥時間も数十秒又は1乃至2分と短いため、収納部8内の高温、多湿の状態が維持される。
【0047】
ここで、本発明においては、使用者が離座後、便蓋4が閉じられると、閉検知手段5により便蓋4が開から閉となったことを検知し、この閉検知に基づき制御部7により外気供給手段6を自動的にオンにしてボウル部1内に外気を供給するように制御する。
【0048】
実施形態では、外気供給手段6を構成する送風ファン10をオンにして、ボウル部1内に外気を自動的に供給するように制御部7により制御する。この場合、ヒータ9はオフとなるように制御されるので、ボウル部1内には外気吸入口17から吸入した冷たい外気が、送風口18からボウル部1内に供給される。ボウル部1内に供給される外気は冷たいだけでなく、ボウル部1内よりも相対的に湿度が低い。
【0049】
このように、便蓋4を閉じた状態でボウル部1内に冷たい外気が供給されると、外気の一部がボウル部1内を介して収納部8の先端開口の隙間24から収納部8内に流れ込む。この収納部8内に流れこむ外気は、冷たく且つ湿度が低いので、収納部8の内面、洗浄ノズル2の外面を冷却して温度を下げ、収納部8内の温度が高く且つ湿度の高い空気が、温度が低く且つ湿度の低い外気と次第に入れ替わってボウル部1内に流出する。また、ボウル部1内に外気が供給されると、ボウル部1内の空気が、便蓋4の外周端とボウル部1の上開口3との間の隙間を介して外部に排出され、この際、収納部8からボウル部1内に排出された空気も同時に外部に排出される。
【0050】
外気供給手段6がオンになった後、予め設定された所定時間が経過すると、外気供給手段6は制御部7により自動的にオフとなるように制御される。
【0051】
ここで、外気供給手段6の運転時間は、収納部8内の温度(収納部8内の内面、洗浄ノズル2の外面の温度)、湿度が細菌やカビが発生し難い温度、湿度まで低下するのに必要な時間を確保するようになっている。この外気供給手段6の運転時間は、人体の局部を温風で乾燥する温風乾燥手段11の運転時間よりも長い運転時間となっている。なお、上記外気供給手段6の運転時間は実験により求める。
【0052】
本発明は、上記のように洗浄ノズル2を収納部8に収納し且つ便蓋4を閉じた直後にボウル部1内の空気を強制吸引して外部に排気するので、洗浄ノズル2が収納される収納部8内環境を、高温、高湿度環境から、低温、低湿度環境にできる。
【0053】
したがって、洗浄ノズル2が収納された狭くて略閉ざされた空間である収納部8内の環境が高温、高湿度のまま長時間継続せず、目で確認し難く且つ掃除がし難い収納部8内面及び洗浄ノズル2の外面に細菌やカビが繁殖するのを効果的に抑制できる。
【0054】
上記した実施形態では、便蓋が閉じたことを検知してオンされる外気供給手段6を、温風乾燥手段11の送風ファン10で兼用した例を示したが、上記送風ファン10とは別のファンを設けて外気供給手段6としてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 ボウル部
2 洗浄ノズル
3 上開口
4 便蓋
5 閉検知手段
6 外気供給手段
7 制御部
8 収納部
9 ヒータ
10 送風ファン
11 温風乾燥手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウル部と、非使用時にボウル部の後方に後退して収納され且つ使用時にボウル部の後方からボウル部内に突出して温水の噴出で人体の局部を洗浄する洗浄ノズルと、ボウル部の上開口を開閉自在とする便蓋と、便蓋の閉を検知する閉検知手段と、ボウル部内に外気を供給する外気供給手段と、上記閉検知手段による便蓋の閉の検知に基づき外気供給手段をオンにしてボウル部内に外気を供給するように制御する制御部を設けて成ることを特徴とする局部洗浄装置付便器。
【請求項2】
洗浄ノズルが、収納部からボウル部内に突出した状態で人体の局部を洗浄するための温水を噴出し、且つ、洗浄終了後に収納部内に収納されるものであって、洗浄ノズルが収納部内に収納された直後に収納部内で温水によりクリーニング洗浄されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の局部洗浄装置付便器。
【請求項3】
ボウル部内に温風を送風して温水で洗浄した後の人体の局部を乾燥させるためのヒータと送風ファンを有する温風乾燥手段を設け、外気供給手段を上記温風乾燥手段の送風ファンで構成し、閉検知手段による便蓋の閉の検知に基づき上記ヒータをオフ、送風ファンをオンにして、ボウル部内に外気を供給するように制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の局部洗浄装置付便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−153439(P2011−153439A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14763(P2010−14763)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】