説明

屋内外兼用車椅子

【課題】患者を乗せたままで屋外用と室内用に容易に分解と合体できる屋内外兼用車椅子を提供する。
【解決手段】屋外用車椅子を分解することで、車椅子の幅や全長のサイズを座席部分だけにシンプルにして屋内の狭い廊下でも、室内でも使用できる。更にトイレやシャワー室にも直接入室ができ、座席のクッションを取り除くことで、そのまま定位置に停車して目的の用が達せられる。手回しノブ5を握って回すことで前進と後進の自走もできる。屋外用車椅子の前輪兼用キャスター6を併用するので、ノブ操作で右折や左折もできる。足の置ける自走ワゴン専用の足掛け14も設けてブレーキは既存のものを利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
本発明は、一台の車椅子を分解と合体することで、患者は乗り換えることなく屋外用と室内用に組み換えられて、室内用では自走ワゴンとしてトイレ及びシャワー用に併用のできる車椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、屋外用車椅子と室内用椅子は別物で、さらにトイレ用とシャワー用キャリアーも別物であったため、その用途に合わせると何台もの車椅子を揃えなければならなかった。更に患者はそのたびの車椅子の移乗が必要であった。
【発明の概要】

【発明が解決しょうとする課題】
【0003】
車椅子使用の患者にとって屋外用車椅子では日本の家屋内にはサイズが大きすぎて、室内用として使用不可能な住居も多く、トイレには屋外用の車椅子では入れず、更に浴室での使用は防水性もなく使用ができなかった。そのために用途に合わせて何台もの車椅子やキャリアーを揃えなくてはならなかった。台数が増えるだけ移乗の回数も伴い、そのたびに介助の手を借りなければならなかった。
本発明は以上の問題点を解決するものである。
【問題を解決するための手段】
【0004】
屋外用車椅子の後輪タイヤの内側に設けた上下キャスターを車椅子後輪タイヤの着地面より少し上げた状態の上下ハンドルの上下溝板の下段のフックに止めて走行する。この上下後輪キャスターを上下ハンドルの上下溝板の上段のフックに止めて後輪キャスターを下ろすと、屋外用車椅子の後輪タイヤが持ち上がり、背もたれと足元の合体金具の合体ピンを抜くことで、前輪兼用キャスターを残して、屋外用車椅子の手押しハンドルと後輪タイヤ及び肘掛、スカートガードと足置きステップの連結パイプ一式を一体とした左右両サイドが一連の部品が外れる。上下後輪キャスターを上下ハンドルの上下溝板の中段のフックに止めると、前輪を屋外用車椅子の前輪兼用キャスターを使うことで水平四輪キャスターとなり室内用自走ワゴンに変形する。座席用クッションを取り除くとトイレ用及びシャワーの水切りの目的のために座席に穴が空いていて用が達せられる、両サイドの膝横の手回しノブを握って回すと上下後輪キャスターにチェーン又はベルトで伝動して前進と後進、ができ右折、左折も可能になる。
以上の構成による車椅子の部品の脱着により屋外用と室内用に変態する車椅子。
【発明の効果】
【0005】
車椅子利用者にとって屋外用車椅子を分解することで室内用自走ワゴンになり、一台の車椅子で患者は乗り換えることなく組み換えが容易にできる。屋外用車椅子では日本家屋内には使用が難しいので、室内用に不必要な連結した両サイド一式を簡単に外せてサイズを縮小する。座席のクッションを外すとトイレにもシャワーにも使用ができる。座席横のノブを手で回すことで自走ワゴンとなり前進と後進及び右折と左折ができる。逆に連結した両サイドの組み立てをすることで再び屋外用車椅子に戻る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】 本発明の屋外用の側面図。
【図2】 本発明の屋外用の分解と合体時の側面図。
【図3】 本発明の室内用自走ワゴンの側面図。
【図4】 本発明の屋外用の両サイドの取り外し後の斜視図。
【図5】 本発明の屋外用の正面図。
【図6】 本発明の室内用自走ワゴンのトイレ、シャワー使用時の正面図。
【図7】 本発明の屋外用の平面図。
【図8】 本発明の室内用自走ワゴンの座席マットの除いた平面図。
【図9】 本発明の屋外用の斜視図。
【図10】 本発明の室内用自走ワゴンのトイレ及びシャワー使用時の斜視図。
【図11】 本発明の室内用自走ワゴンの後輪部分の拡大図。
【図12】 本発明の室内用自走ワゴンの伝動部分の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明を実施するための形態を説明する。
(イ)屋外用車椅子(1)の使用時において車椅子後輪タイヤ(19)の内側に設けた上 下後輪キャスター(3)は車椅子後輪タイヤ(19)より浮かせて、上下ハンドル (4)の上下溝板(17)を下段のフック(18)に止めて「図1」走行する。
(ロ)屋外用車椅子(1)から患者を乗せたままで、室内用自走ワゴン(2)をスリムに するには不必要な部品を取り除かなければならない、それには上下後輪キャスター (3)を下げて、上下ハンドル(4)を上下溝板(17)の上段のフック(18) に止めて、屋外用車椅子(1)の後輪タイヤを地面より浮かせて「図2」、まず合 体している二か所の合体金具(11)の合体ピン(12)を抜きとる。
(ハ)屋外用車椅子(1)の前輪兼用キャスター(6)は室内用自走ワゴン(2)に併用 するために残して、浮いた左右両サイドの屋外用車椅子(1)の手押しハンドル、 後輪タイヤ、肘掛、スカートガード、足置きステップ、連結パイプ一式(10)を 一体にした部品を取り除く「図4」。
(二)室内用自走ワゴン(2)の上下後輪キャスター(3)は上下ハンドル(4)の上下 溝板(17)の中段のフック(18)に止めると水平になり「図3」、室内ではこ れで移動走行する。室内用自走ワゴン(2)足掛け(14)を設けて足を乗せる。
(ホ)上下ハンドル(4)の上下溝板(17)のフック(18)の固定には、上下ハンド ルバネ(15)で引っ張って外れ防止をする。上下後輪キャスター(3)は後輪キ ャスターバネ(16)と後輪振れ止め(13)防止を設けて安定を図る。
(ヘ)室内用自走ワゴン(2)の座席の両横のスカートガードに空けたノブ穴(22)に よりノブを厚くして手で握りやすくした。これを回すことでノブ・キャスターギア 又はプーリー(8)からチェーン又はベルト(7)により伝動され上下後輪キャス ター(3)を回す。この操作で前進や後進、右折や左折ができる。室内移動は低速 で軽く動かすためにノブ・キャスターギア又はプーリー(8)の大きさを選択する。
(ト)トイレやシャワー室において使用する場合は座席の座席用クッション(21)を除 いてトイレ及びシャワー穴(23)を使用するが、便器にはバックで定位置に停車 するように、浴室では滑り止めとして既存の車椅子のブレーキを取り付ける。
(チ)室内用自走ワゴン(2)から屋外用車椅子(1)に一連の部品を組み立てるには、 これらの手順を逆にする。
本発明は以上のような構造である。
本発明の使用は、一台の車椅子で屋外用車椅子(1)から室内用自走ワゴン(2)に室内用自走ワゴン(2)から屋外用車椅子(1)に用途に合わせて一連の部品を脱着する。屋外用車椅子(1)から室内用ワゴン(2)にするには幅と全長を縮小することで日本の家屋でも患者を乗り降りさせずに変形させることができる。これには通常の屋外用車椅子(1)の後輪タイヤ(19)を上下ハンドル(4)で浮かせて前輪兼用キャスター(6)を残して、車椅子の手押しハンドル、肘掛、スカートガード、足置きステップ、連結パイプ一式(10)を一体にして取り除く。この上下ハンドル(4)を上段、中段、下段の上下溝板(17)でフック(18)に止めるが、下段では通常の屋外用車椅子(1)として走行ができて、上段では屋外用車椅子(1)の後輪タイヤ(19)を浮かせて分解と組み立ての部品の脱着ができる。中段では前輪兼用キャスター(6)を併用して室内用自走ワゴン(2)で使用ができる。この室内用自走ワゴン(2)は手回しノブ(5)の操作で前進、後進や右折、左折ができて、座席用クッション(21)を取り除けばトイレとシャワー室にも入れて、それぞれの目的が達せられる。
【符号の説明】
【0008】
1 屋外用車椅子 2 室内用自走ワゴン
3 上下後輪キャスター 4 上下ハンドル
5 手回しノブ 6 前輪兼用キャスター
7 チェーン又はベルト 8 ノブ・キャスターギア又はプーリー
9 上下後輪キャスター支点 10 車椅子の手押しハンドル、後輪タイヤ、 肘掛、スカートガード、足置きステップ 、連結パイプ一式
11 合体金具 12 合体ピン
13 後輪振れ止め 14 自走ワゴン足掛け
15 上下ハンドルバネ 16 後輪キャスターバネ
17 上下溝板(上段、中段、下段) 18 フック
19 車椅子後輪タイヤ 20 クッション側板
21 座席用クッション 22 ノブ穴
23 トイレ及びシャワー穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外用車椅子(1)に乗った状態で、そのまま移乗せずに室内用自走ワゴン(2)に変えることのでき、室内用自走ワゴン(2)から屋外用車椅子(1)に戻すこともできる、屋外用車椅子(1)の後輪タイヤ(19)の内側に上下後輪キャスター(3)を設けて、この上下ハンドル(4)を上下溝(17)の下段のフック(18)に止めると上下キャスター(3)は地面より上がり、車椅子後輪タイヤ(19)が着地のままで通常の車椅子「図1」として使用ができる、上下ハンドル(4)を上下溝(17)の上段のフック(18)に止めると、上下後輪キャスター(3)は屋外用車椅子(1)の手押しハンドル、後輪タイヤ、肘掛、スカートガード、足置きステップ、連結パイプ一式(10)「図4」の脱着ができる程度に浮きあがらせる「図2」、こうして背もたれ柱と前輪兼用キャスター(6)の上部に設けた合体金具(11)の合体ピン(12)を抜いて合体金具(11)を外すと、一体となったこれらの屋外用車椅子(1)の手押しハンドル、後輪タイヤ、肘掛、スカートガード、足置きステップ、連結パイプ一式(10)「図4」は車椅子の座席より分離が容易にできるようになり、更に上下後輪キャスター(3)を上下ハンドル(4)を上下溝(17)の中段のフック(18)に止めると、屋外用車椅子(1)の前輪兼用キャスター(6)を利用することで水平を保って、四輪の室内用自走ワゴン(2)「図3」になり、屋外用車椅子(1)の足置きステップとは別に自走ワゴン足掛け(14)を設けて足を置き、室内用自走ワゴン(2)に変態する、屋内外兼用車椅子。
【請求項2】
室内用自走ワゴン(2)の自走は、座席を支えている膝横下の両サイドのパイプに上下後輪キャスター支点(9)を設けて、その上部に設けたクッション側板(20)の中央凸部に手回しノブ(5)の回転軸を設ける、その外側にノブ・キャスターギア又はプーリー(8)と手回しノブ(5)を取り付ける、これらをチェーン又はベルト(7)で上下後輪キャスター(3)の心棒を中心にノブのギア又はプーリーとキャスターのギア又はプーリーとの間にリング状に架け渡す「図11」、手回しノブ(5)を握りやすく厚みをつけるためにスカートガードに穴を空けて、これを回すことで上下後輪キャスター(3)を回転させて前進および後進をする、前輪兼用キャスター(6)は屋外用車椅子(1)の前輪兼用キャスター(6)を利用するので手回しノブ(5)の操作で右折または左折ができる、上下後輪キャスター(3)の心棒は上下キャスター支点(9)から扇状に上下に動くことになるので、ノブ・キャスターギア又はプーリー(8)の距離の誤差は許容範囲でチェーン又はベルト(7)は外れることはない、後輪振れ止め(13)の長穴はこの上下後輪キャスター(3)の心棒の横振れ無くすために設けたもので、チェーン又はベルト(7)に触れない長穴にして、更に後輪キャスターバネ(16)はこの心棒の前後を固定し、上下ハンドルバネ(15)は上段、中段、下段の上下溝(17)のフック(18)の止めの外れをなくすものである「図1、図2、図3」、上下ハンドル(4)の屈折は便器に妨害にならないためである、ノブ・キャスターギア又はプーリー(8)の直径のバランスは室内走行移動スピードと、手回しノブ(5)を軽く回せる大きさを考慮して選定する、請求項1の屋内外兼用車椅子。
【請求項3】
車椅子の座席に敷いてある座席用クッション(20)を取り除くとトイレ用兼シャワー用の座板になる「図6」「図8」「図10」、トイレ及びシャワーに使用するために洗浄又は水に耐えられる部材や材質とする、ブレーキは既存の部品を使う、請求項1又は請求項2の屋内外兼用車椅子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−85973(P2012−85973A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246779(P2010−246779)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(509130675)
【Fターム(参考)】