説明

屋根

【課題】雨水が溜まることがなく、雨水によって屋根材が汚れたり、屋根の下に水が滲出したりすることがない屋根を提供する。
【解決手段】屋根材40と、屋根材40が固定される梁50とを備え、梁50には、樋部52が形成されており、屋根材40と、樋部52との間には、水が樋部52に流れ込むための隙間が空けられている。屋根材40のリブ41と梁50とが接続する部分に形成される窪みから雨水を排水することができる。窪みに雨水が溜まることがなく、雨水によって屋根材が汚れることがない。風雨により吹き込む雨水を樋部52に排水することができる。排水された水は樋部52を流れて屋根Aの外部に導かれるため、屋根Aの下に水が滲出することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根に関する。さらに詳しくは、例えば、屋外の通路に設置される防雨、防雪、防風のための屋根のうち、通路の曲り角に設置される屋根等、屋根材同士が谷状に接続する部分を有する屋根に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外の通路等には、防雨、防雪、防風等のために屋根が設置されることがある。このような屋根には、屋根材としてポリカーボネート板を用いたものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
図12に示す従来の屋根は、屋外の通路に設置される屋根であって、通路の直線部に設置される直線屋根ユニットSU1と、通路の曲り角に設置される角屋根ユニットCU1とを有しており、2つの直線屋根ユニットSU1が角屋根ユニットCU1で接続されることにより、平面視L字形の屋根として構成されている。
直線屋根ユニットSU1は、支柱110で支えられた一対の横桁120,120と、一対の横桁120,120の端部同士に架け渡された妻梁130と、一対の横桁120,120に架け渡された複数本の屋根連結梁131と、隣り合う2本の屋根連結梁131,131と一対の横桁120,120とで構成される枠内に挿入されたポリカーボネート板製の屋根材140とから構成されている。屋根連結梁131は側面視で上方に凸形となったアーチ形に成形されており、屋根材140も屋根連結梁131に沿って側面視で上方に凸形となったアーチ形となっている。
【0004】
一方、角屋根ユニットCU1は、図13(A)に示すように、支柱110(図12参照)で支えられた一対の内桁121,121および一対の外桁122,122を有している。一対の内桁121,121は平面視L字形に接続され通路の入隅Iを形成しており、一対の外桁122,122は平面視L字形に接続され通路の出隅Oを形成している。また、内桁121,121で形成された入隅Iと外桁122,122で形成された出隅Oとの間にはコーナー梁150が対角線状に架け渡されている。そして、コーナー梁150と外桁122,122との間には、複数本の屋根連結梁131が、外桁122,122に直行するように架け渡されている。これら内桁121、外桁122、屋根連結梁131、コーナー梁150とで構成される枠内に、ポリカーボネート板製の屋根材140が挿入されている。屋根連結梁131およびコーナー梁150は側面視で上方に凸形となったアーチ形に成形されており、屋根材140も屋根連結梁131およびコーナー梁150に沿って側面視で上方に凸形となったアーチ形となっている(図13(B)参照)。
【0005】
角屋根ユニットCU1においては、一方の外桁122に接続されている屋根材140と、他方の外桁122に接続されている屋根材140とは、コーナー梁150を介して互いに接続している。ここで、屋根材140はアーチ形となっているため、コーナー梁150の中央付近では、屋根材140,140同士が水平に接続し、コーナー梁150の中央より出隅O側は、屋根材140,140同士が山状に接続し、コーナー梁150の中央より入隅I側は、屋根材140,140同士が谷状に接続している(図13(C)参照)。
また、屋根材140は、屋根連結梁131の側面に形成された挿入溝131gと、コーナー梁150の側面に形成された挿入溝150gに挿入されているため、屋根連結梁131およびコーナー梁150の上部は屋根材140よりも上方に突出している。そのため、コーナー梁150の中央より入隅I側において、屋根連結梁131とコーナー梁150とが接続する部分には、屋根連結梁131、コーナー梁150および屋根材140で有底の窪みが形成される。
【0006】
したがって、上記従来の屋根に雨が降った場合には、窪みに雨水Wが溜まるという問題がある。
また、溜まった雨水Wによって屋根材140が汚れたり、屋根の下に雨水が滲出したりするという問題がある。
【0007】
上記従来の屋根では、屋根連結梁131を無くせば、窪みが無くなるため、上記問題は解消するようにも思われる。しかし、ポリカーボネート板の屋根材140は強度が弱いため、屋根材140を支える屋根連結梁131を無くすことは現実的ではない。
【0008】
屋外の通路等に設置される屋根には、屋根材としてアルミ押出形材を用いたものもある。
図14(A)に示す角屋根ユニットCU2は、上記角屋根ユニットCU1において、ポリカーボネート板の屋根材140に代えて、アルミ押出形材の屋根材240を用いており、屋根連結梁131を無くしている。屋根材240は側面視で上方に凸形となったアーチ形に成形されている。その余の構成は上記角屋根ユニットCU1と同様である。
図14(B)に示すように、屋根材240は、他の屋根材240と隣り合う側縁のうち一方の側縁が上方に曲げられており、逆L字形のL形リブ241aが形成されている。また、他方の側縁も上方に曲げられており、逆J字形のJ形リブ241bが形成されている。そして、隣り合う2つの屋根材240,240は、一方の屋根材240のL形リブ241aが、他方の屋根材240のJ形リブ241bに内包されるようにして連結される。このように複数枚の屋根材240が連結されることにより、全体として複数本のリブ241が形成されるようになっている。
ここで、屋根材240にリブ241a,241bを設けるのは、隣り合う屋根材240,240を連結するためだけではなく、屋根材240としての強度を保つためでもある。屋外の通路に設置される屋根は、風圧に耐え、積雪による加重に耐える必要があるからである。
【0009】
角屋根ユニットCU2においても、一方の外桁122に接続されている屋根材240と、他方の外桁122に接続されている屋根材240とは、コーナー梁150を介して互いに接続している。ここで、屋根材240はアーチ形となっているため、コーナー梁150の中央付近では、屋根材240,240同士が水平に接続し、コーナー梁150の中央より出隅O側は、屋根材240,240同士が山状に接続し、コーナー梁150の中央より入隅I側は、屋根材240,240同士が谷状に接続している。
そして、屋根材240はリブ241が上方に突出しているため、コーナー梁150の中央より入隅I側において、リブ241とコーナー梁150とが接続する部分には、リブ241、コーナー梁150および屋根材240で有底の窪みが形成される。
また、リブ241の間隔は、角屋根ユニットCU1における屋根連結梁131の間隔よりも狭く、リブ241の高さは、角屋根ユニットCU1において屋根連結梁131が屋根材140から突出している高さよりも高い。そのため、角屋根ユニットCU2は、角屋根ユニットCU1の場合よりも、窪みの数が多く、かつ、その面積が広くなる。
【0010】
したがって、アルミ押出形材の屋根材240を用いても、屋根に雨が降った場合には、窪みに雨水Wが溜まるという問題がある。
また、溜まった雨水Wによって屋根材240が汚れたり、屋根の下に雨水が滲出したりするという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−32181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記事情に鑑み、雨水が溜まることがなく、雨水によって屋根材が汚れたり、屋根の下に水が滲出したりすることがない屋根を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明の屋根は、屋根材と、該屋根材が固定される梁とを備える屋根であって、前記梁には、樋部が形成されており、前記屋根材と、前記樋部との間には、水が該樋部に流れ込むための隙間が空けられていることを特徴とする。
第2発明の屋根は、第1発明において、前記梁は、前記屋根材を支える強度部を有することを特徴とする。
第3発明の屋根は、第2発明において、前記強度部は、前記梁の長尺方向に延びる長尺部材であり、前記樋部は、前記強度部の上面と、該上面から上方に延びる樋側面と、該樋側面の上端に接続され水平に延びる屋根材固定面とからなり、前記屋根材の端部が前記屋根材固定面に固定されていることを特徴とする。
第4発明の屋根は、第1、第2または第3発明において、前記樋部の先端は、樋に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1発明によれば、屋根材と樋部との間に隙間が空けられているので、屋根材のリブ等と梁とが接続する部分に形成される窪みから雨水を排水することができる。そのため、窪みに雨水が溜まることがなく、雨水によって屋根材が汚れることがない。また、風雨により吹き込む雨水を樋部に排水することができる。さらに、排水された水は樋部を流れて屋根の外部に導かれるため、屋根の下に水が滲出することがない。
第2発明によれば、強度部を有するので、風圧や積雪による加重が屋根材に加わっても、屋根材を支えることができる。そのため、風圧に耐え、積雪による加重に耐えることができる。
第3発明によれば、樋部が形成されているので、排水された水を流して屋根の外部に導くことができる。そのため、屋根の下に水が滲出することがない。また、樋部が強度部の上面に一体に形成されているので、屋根の底面から樋部が見えず、美観がよい。さらに、屋根材は樋部の上方に位置する屋根材固定面に固定されるので、屋根材で樋部が隠れ、美観がよい。
第4発明によれば、樋部の先端が樋に接続されているので、樋部を流れてきた排水を樋に流して屋根の外部に導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図10(C)におけるI-I線矢視断面図である。
【図2】図10(C)におけるII-II線矢視断面図である。
【図3】図10(C)におけるIII-III線矢視断面図である。
【図4】図10(C)におけるI-I線断面斜視図である。
【図5】図10(C)におけるII-II線断面斜視図である。
【図6】図10(C)におけるIII-III線断面斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る角屋根ユニットの、(A)は入隅側部分拡大図、(B)は出隅側部分拡大図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る屋根の斜視図である。
【図9】(A)は屋根板の斜視図、(B)は(A)図におけるB-B線矢視断面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る角屋根ユニットの、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は(A)図におけるC-C線矢視断面図である。
【図11】同角屋根ユニットの底面斜視図である。
【図12】従来の屋根の斜視図である。
【図13】同屋根の角屋根ユニットの、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は(A)図におけるC-C線矢視断面図である。
【図14】他の従来の角屋根ユニットの、(A)は斜視図、(B)は(A)図におけるB-B線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図8に示すように、本発明の一実施形態に係る屋根Aは、屋外の通路に防雨、防雪、防風等のために設置される屋根である。屋根Aは、通路の直線部に設置される直線屋根ユニットSUと、通路の曲り角に設置される角屋根ユニットCUとを有しており、2つの直線屋根ユニットSUが角屋根ユニットCUで接続されることにより、平面視L字形の屋根として構成されている。
【0017】
直線屋根ユニットSUは、支柱10で支えられた一対の横桁20,20と、一対の横桁20,20の端部同士に架け渡された妻梁30と、一対の横桁20,20の間に架け渡された複数枚の屋根材40とから構成されている。
【0018】
図9(A)に示すように、屋根材40はアルミ押出形材であって、側面視で上方に凸形となったアーチ形に成形されている。また、図9(B)に示すように、屋根材40は、他の屋根材40と隣り合う側縁のうち一方の側縁が上方に曲げられており、逆L字形のL形リブ41aが形成されている。他方の側縁も上方に曲げられており、逆J字形のJ形リブ41bが形成されている。そして、隣り合う2つの屋根材40,40は、一方の屋根材40のL形リブ41aが、他方の屋根材40のJ形リブ41bに内包されるようにして連結される。このように複数枚の屋根材40が連結されることにより、全体として複数本のリブ41が形成されるようになっている(図8参照)。
ここで、屋根材40にリブ41a,41bを設けるのは、隣り合う屋根材40,40を連結するためだけではなく、屋根材40としての強度を保つためでもある。屋外の通路に設置される屋根は、風圧に耐え、積雪による加重に耐える必要があるからである。
【0019】
図8に示すように、妻梁30は、直線屋根ユニットSUの端部であって、角屋根ユニットCUに接続していない方の端部に設けられており、屋根材40に沿って側面視で上方に凸形となったアーチ形となっている。そして、近接する屋根材40の側縁を固定している。
【0020】
一対の横桁20,20には、それぞれ横樋61が取り付けられており、横樋61は、支柱10に取り付けられた縦樋62に接続されている。したがって、屋根材40の上に降った雨水は、屋根材40の傾斜により横樋61に排水され、排水された雨水は横樋61および縦樋62を流れて屋根Aの外部に導かれる。
【0021】
角屋根ユニットCUは、図10(A)に示すように、支柱10(図8参照)で支えられた一対の内桁21,21および一対の外桁22,22を有している。一対の内桁21,21は平面視L字形に接続され通路の入隅Iを形成しており、一対の外桁22,22は平面視L字形に接続され通路の出隅Oを形成している。また、内桁21には内横樋63が取り付けられており、外桁22には外横樋64が取り付けられている。これら内横樋63および外横樋64は、角屋根ユニットCUに接続する直線屋根ユニットSUの横樋61に接続している(図8参照)。
【0022】
内桁21,21で形成された入隅Iと外桁22,22で形成された出隅Oとの間にはコーナー梁50が対角線状に架け渡されている。より詳細には、図11に示すように、コーナー梁50の両端には、それぞれコーナー梁受け金具59がビスで固定されており、一方のコーナー梁受け金具59が内桁21に固定され、他方のコーナー梁受け金具59が外桁22に固定されている。
【0023】
なお、後述する屋根材40の底面と内桁21の側面との間、および屋根材40の底面と外桁22の側面との間には、桁側面カバー23が固定されている。桁側面カバー23により、屋根材40と内桁21および外桁22とを滑らかに連続的に接続することで、屋根Aを下から見上げた時の美観をよくしている。
【0024】
図10(A)に示すように、コーナー梁50と外桁22,22との間には、複数枚の屋根材40が、外桁22,22に直行するように架け渡されている。したがって、複数本のリブ41が、外桁22,22に直行するようになっている。
【0025】
角屋根ユニットCUを構成する屋根材40も、直線屋根ユニットSUを構成する屋根材40と同様に、側面視で上方に凸形となったアーチ形に成形されている(図10(B)参照)。また、コーナー梁50も側面視で上方に凸形となったアーチ形に成形されている(図10(C)参照)。そして、屋根材40の、コーナー梁50と接続する端部は、コーナー梁50に沿うように斜めに切断されている。
【0026】
ここで、一方の外桁22に接続されている屋根材40と、他方の外桁22に接続されている屋根材40とは、コーナー梁50を介して互いに接続している。
屋根材40はアーチ形となっているため、図1から図6に示すように、コーナー梁50の中央付近では、屋根材40,40同士が水平に接続し(図2、図5)、コーナー梁50の中央より出隅O側は、屋根材40,40同士が山状に接続し(図3、図6)、コーナー梁50の中央より入隅I側は、屋根材40,40同士が谷状に接続している(図1、図4)。
したがって、コーナー梁50の中央より入隅I側では、屋根材40の上に降った雨水は、屋根材40の傾斜によりコーナー梁50の方向に流れていくことになる。
【0027】
つぎに、本発明の特徴部分を説明する。
図1から図6に示すように、コーナー梁50は、コーナー梁50に固定される屋根材40を支える強度部51と、強度部51の上面に一体に形成された樋部52を有している。このコーナー梁50は、特許請求の範囲に記載の「梁」に相当する。
【0028】
強度部51は、コーナー梁50の長手方向に延びる長尺部材であって、断面視略矩形の中空の部材である。より詳細には、強度部51の上面51tは、短尺方向中央が上方に突出した形状をしており、強度部51の内部には、短尺方向中央において上面と底面との間に架け渡された強化壁51wが形成されている。
【0029】
樋部52は、強度部51の上面51tと、強度部51の両側縁から上方に延びる一対の樋側面52sと、樋側面52sの上端に接続され、樋部52の短尺方向中央に向かって水平に延びる屋根材固定面52fとで構成されている。
【0030】
屋根材固定面52fには所定間隔でネジ穴が穿設されており、屋根材40の端部が、ビス53で固定されている。前述のごとく、屋根材40はコーナー梁50に対して傾斜しているので、屋根材固定面52fと屋根材40との角度差を吸収するために、屋根材固定面52fと屋根材40との間に楔形のシール材54が挿入され、屋根材40とビス53の頭部との間にゴム座55が挿入されている。
【0031】
強度部51の上面51tの短尺方向中央には、垂直壁56が立設しており、樋部52を短尺方向中央で二分している。垂直壁56の上端には、樋部カバー57がビスで固定されている。樋部カバー57は、コーナー梁50の長手方向に延びる長尺部材であって、垂直壁56との接続部分を中心として、コーナー梁50の短尺方向に水平に延びている。そして、樋部カバー57は、コーナー梁50に固定されている屋根材40のリブ41の端部を覆っている。
なお、樋部カバー57の上部には、樋部カバー57を垂直壁56に固定しているビスを隠すため、樋部カバー蓋部材58が取り付けられている。
【0032】
コーナー梁50に固定される屋根材40の端部と垂直壁56との間は接触しておらず、屋根材40の上に降った雨水が樋部52に流れ込むための隙間が空けられている。
【0033】
以上のような構成であるので、コーナー梁50の中央より入隅I側(図1、図4)では、屋根材40の上に降った雨水は、屋根材40の傾斜によりコーナー梁50の方向に流れていき、屋根材40と樋部52との間の隙間を通って、樋部52に排水される。したがって、屋根材40のリブ41とコーナー梁50とが接続する部分に形成される窪みSから雨水を排水することができる。そのため、窪みSに雨水が溜まることがなく、雨水によって屋根材40が汚れることがない。
【0034】
また、コーナー梁50の中央付近(図2、図5)、およびコーナー梁50の中央より出隅O側(図3、図6)では、風雨によりコーナー梁50に吹き込む雨水を、屋根材40と樋部52との間の隙間を通って、樋部52に排水することができる。
【0035】
また、コーナー梁50は、強度部51を有するので、風圧や積雪による加重が屋根材40に加わっても、屋根材40を支えることができる。そのため、風圧に耐え、積雪による加重に耐えることができる。
【0036】
また、樋部カバー57で屋根材40とコーナー梁50との接続部分が隠れ、美観がよい。また、屋根材40は樋部52の上方に位置する屋根材固定面52fに固定されるので、屋根材40で樋部52が隠れ、美観がよい。また、樋部52が強度部51の上面に一体に形成されているので、屋根Aの底面から樋部52が見えず、屋根Aを下から見上げた時の美観をよくしている。
【0037】
ところで、図7に示すように、樋部52の一端は、入隅I側に位置しており、内桁21の上方で開口している。そのため、樋部52を流れてきた雨水は内横樋63に排水される(図7(A))。同様に、樋部52の他端は、出隅O側に位置しており、外桁22の上方で開口している。そのため、樋部52を流れてきた雨水は外横樋64に排水される(図7(B))。
なお、図7において、樋部カバー57の端部に取り付けられる樋部カバー端部キャップ、および屋根材40の端部の取り付けられる屋根材側面カバーは省略している。
【0038】
前述のごとく、内横樋63および外横樋64は、角屋根ユニットCUに接続する直線屋根ユニットSUの横樋61に接続しており、横樋61は支柱10に取り付けられた縦樋62に接続されている。したがって、樋部52を流れてきた排水を樋61、62、63、64に流して屋根Aの外部に導くことができる。そのため、屋根Aの下に雨水が滲出することがない。
【0039】
(他の実施形態)
上記実施形態は、アーチ形の屋根材で構成される屋根であったが、平板状の屋根材を組み合わせた寄棟屋根に本発明を適用してもよい。また、通路に設置される屋根以外にも、物置や家屋などの屋根に本発明を適用してもよい。特に、屋根材同士が谷状に接続する部分を有する屋根に適用すれば、屋根材の上に降った雨水を樋部に排水することができるので、有効である。
【符号の説明】
【0040】
CU 角屋根ユニット
SU 直線屋根ユニット
10 支柱
20 横桁
21 内桁
22 外桁
30 妻梁
40 屋根材
41 リブ
50 コーナー梁
51 強度部
52 樋部
61 横樋
62 縦樋
63 内横樋
64 外横樋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根材と、該屋根材が固定される梁とを備える屋根であって、
前記梁には、樋部が形成されており、
前記屋根材と、前記樋部との間には、水が該樋部に流れ込むための隙間が空けられている
ことを特徴とする屋根。
【請求項2】
前記梁は、前記屋根材を支える強度部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の屋根。
【請求項3】
前記強度部は、前記梁の長尺方向に延びる長尺部材であり、
前記樋部は、前記強度部の上面と、該上面から上方に延びる樋側面と、該樋側面の上端に接続され水平に延びる屋根材固定面とからなり、
前記屋根材の端部が前記屋根材固定面に固定されている
ことを特徴とする請求項2記載の屋根。
【請求項4】
前記樋部の先端は、樋に接続されている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の屋根。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−87519(P2012−87519A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234627(P2010−234627)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 四国化成工業株式会社、四国化成工業株式会社製品パンフレット「ソリッドルーフ AH/ALシリーズ」、発行日2010年8月1日
【出願人】(000180302)四国化成工業株式会社 (167)