説明

展開可能な連動式パネルユニット

【課題】パネルの平面と直交する回転軸のみを用いてパネルを展開・収納することが可能であり,コストパフォーマンスの向上及び軽量化を図ることができ,しかも,製造時のモジュール性,展開の容易性,及び展開時の信頼性に優れたパネルユニットを提供する。
【解決手段】基本的に,閉じた状態において4つの四角形パネルが平面上に積み重なる構造を一つの基本ユニットとし,この4つの四角形パネルの角部を,所定の規則性で,パネル平面と直交する回転軸で回転連結することにより,製造時のモジュール性,軽量性,展開の容易性,及び展開時の信頼性に優れたパネルユニット100を得ることができるという知見に基づくものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,展開可能な連動式パネルユニットに関する。本発明の連動式パネルユニットは,例えば,宇宙で使用される巨大な太陽電池パネルの構造物,展開式の梯子,展開する仮設建設物,展開可動式の屋根,展開可動式の大型ディスプレイパネル,展開可能なノートパソコン,及び折畳式の携帯電話に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
近年,化石燃料に変わる新たなエネルギー供給方法として,太陽発電衛星(Solar Power Satellite: SPS)が注目されている。これは,宇宙空間に巨大な太陽電池パネルを構築し,得られた電気エネルギーをマイクロ波の形で地球に送電するという構想である。この構想が実現すれば,化石燃料の燃焼に伴う二酸化炭素の放出により引き起こされる地球温暖化問題等,発電における問題を一挙に解決することができると期待されている。
【0003】
また,現在,宇宙工学における展開型構造の研究では,宇宙空間への輸送及び展開に適した太陽電池パネルの構造について盛んに研究が行われている。すなわち,太陽電池パネルの構造には,輸送ロケットにコンパクトに収納することができ,しかも,足場の無い宇宙空間で容易に展開できるような仕組みが求められる。また,太陽電池パネルの構造には,製造時のモジュール性,軽量性,及び展開時の信頼性も要求される。
【0004】
このような太陽電池パネルの構造について,本発明者は,シザース機構の伸展マストを用いて正方形型のパネルを平面直交二方向に同時展開する二次元展開パネルユニットを提案している(特許3971724号)。この特許発明は,正方形パネルの展開・収納にシザース機構の伸展マストを用いているため,平面直交二方向の同時展開,構造の安定化,及び大型化のための拡張性に優れたものとなっている。このため,この特許発明は,特に,大型の平面構造物である太陽発電衛星での実用化が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3971724号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら,上記二次元展開パネルユニットは,平面直交二方向の同時展開性,構造の安定性,及び大型化のための拡張性に優れているものの,その製造上,立方体の対角線方向の回転軸の角度設計に,高い設計精度を要するという問題があった。すなわち,上記二次元展開パネルユニットは,展開・収納に際し,フレームと直交する回転軸の他,種々の回転軸を用いてパネルを回転させることが必要である。このため,上記二次元展開パネルユニットの製造に際しては,回転軸の角度の緻密な計算と,高い加工精度が必要となっており,実用化への障害となる恐れがあった。
【0007】
また,上記二次元展開パネルユニットは,シザース機構をなす伸展マストにパネルを取り付け,この伸展マストの開閉により,パネルを展開・収納する構造となっている。しかし,上記二次元展開パネルユニットのように,伸展マストとパネルにより構成される構造とすると,構成物品の点数が増えて製造コストが増加したり,二次元展開パネルユニット自体の重量が増加するという不具合があった。
【0008】
このため,現在では,パネルの平面と直交する回転軸のみを用いてパネルを展開・収納することが可能であり,コストパフォーマンスの向上及び軽量化を図ることができ,しかも,製造時のモジュール性,展開の容易性,及び展開時の信頼性に優れたパネルユニットが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで,本発明の発明者は,上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,閉じた状態において4つの四角形パネルが平面上に積み重なる構造を一つの基本ユニットとし,この4つの四角形パネルの角部を,所定の規則性で,パネル平面と直交する回転軸で回転連結することにより,軽量性,製造時のモジュール性,展開の容易性,及び展開時の信頼性に優れたパネルユニットを得ることができるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に本発明は,以下の構成を有する。
【0010】
本発明は,展開可能な連動式パネルユニットに関するものである。
連動式パネルユニットの第1の実施形態は,4つの四角形パネルを含む基本ユニットにより構成される。
すなわち,基本ユニットは,第1パネル(1),第2パネル(2),第3パネル(3),及び第4パネル(4)を有する。
第1パネル(1),第2パネル(2),第3パネル(3),及び第4パネル(4)は,連動式パネルユニットが閉じた状態において,この順で,平面と直交する方向に積層する。なお,「平面と直交する方向に積層する」とは,直交座標系X,Y,Zにおいて,XY軸方向を平面として形成されたパネルが,Z軸方向に積み重なることを意味し,例えば,パネル同士が密接する状態に限られず,パネル同士の間に空隙が形成される状態も含まれる。
ここで,連動式パネルユニットが閉じた状態において,各パネルを平面方向から見たときに,各パネルが,A角,B角,C角,及びD角をこの順で反時計回りに有する形状で構成されているとする。
この場合に,第1パネル(1)のD角と第3パネル(3)のD角は,D角連結手段(D−D)によって,回転可能に連結される。
また,第1パネル(1)のC角と第2パネル(2)のC角は,C角連結手段(C−C)によって,回転可能に連結される。
また,第2パネル(2)のB角と第4パネル(4)のB角は,B角連結手段(B−B)によって,回転可能に連結される。
また,第3パネル(3)のA角と第4パネル(4)のA角は,A角連結手段(A−A)によって,回転可能に連結される。
【0011】
上記構成のように,本発明では,4つのパネル平面と直交する方向に積層した構造を基本ユニットとしている。そして,連動式パネルユニットは,4つのパネルの角部を,所定のパターンによって,回転連結することにより,例えば図1に示されたような動作で展開・収納するようになる。また,上記構成を有する連動式パネルユニットでは,各パネルは,平面と直交する方向(Z軸方向)の回転軸のみによって回転連結されているため,パネル同士が互いに干渉することなく,スムーズに展開・収納を行うことができる。さらに,本発明では,従来のパネルユニットのように伸展マストとパネルが独立して設けられておらず,複数のパネルとその連結手段が共有化・一体化されているため,コストパフォーマンスの向上及び軽量化を図ることができ,それと同時に,製造時のモジュール性,展開の容易性,及び展開時の信頼性も向上する。
【0012】
本発明において,第1パネル(1),第2パネル(2),第3パネル(3),及び第4パネル(4)は,略正方形であることが好ましい。
【0013】
上記のように,各パネルが略正方形であることにより,製造時のモジュール性,展開の容易性,及び展開時の信頼性がより向上する。また,各パネルの表面は,同一の面積であることがさらに好ましい。
【0014】
本発明において,D角連結手段(D−D)は,連動式パネルユニットが閉じた状態において第2パネル(2)に接触しないように,その一部が,屈折又は湾曲していることが好ましい。
同様に,B角連結手段(B−B)は,連動式パネルユニットが閉じた状態において第3パネル(3)に接触しないように,その一部が,屈折又は湾曲していることが好ましい。
【0015】
上記のように,D角連結手段(D−D)及びB角連結手段(B−B)によってパネルをZ軸方向に回転連結させつつ,D角連結手段(D−D)及びB角連結手段(B−B)の一部を屈折又は湾曲させることにより,連動式パネルユニットを閉じたときに,例えば,D角連結手段(D−D)と第2パネル(2)が接触することを防止できる。同様に,B角連結手段(B−B)と第3パネル(3)が接触することを防止できる。
【0016】
また,連動式パネルユニットが閉じた状態において,D角連結手段(D−D)が第2パネル(2)に接触することを防止するために,第2パネル(2)のD角を切り落として,角取り部(21)を形成することとしてもよい。
同様に,連動式パネルユニットが閉じた状態において,B角連結手段(B−B)が第3のパネル(3)に接触することを防止するために,第3パネル(3)のB角を切り落として,角取り部(31)を形成することとしてもよい。
【0017】
上記のように,第2パネル(2)と第3パネル(3)にそれぞれ角取り部(21,31)を設けることにより,連動式パネルユニットを閉じたときであっても,例えば,D角連結手段(D−D)と第2パネル(2)が接触することを防止できる。同様に,B角連結手段(B−B)と第3パネル(3)が接触することを防止できる。
【0018】
連動式パネルユニットの第2の実施形態は,基本ユニットを2つ連結させたものである。
すなわち,第2の実施形態では,4つのパネルを含む第1基本ユニット(10)と,4つのパネルを含む第2基本ユニットを(20)を連結させ,連動して展開・収納できるようになっている。
すなわち,第1基本ユニット(10)は,第1−1パネル(1−1),第1−2パネル(1−2),第1−3パネル(1−3),及び第1−4パネル(1−4)を有している。
同様に,第2基本ユニットは,第2−1パネル(2−1),第2−2パネル(2−2),第2−3パネル(2−3),及び第2−4パネル(2−4)を有している。
第1−1パネル(1−1),第1−2パネル(1−2),第1−3パネル(1−3),第1−4パネル(1−4),第2−1パネル(2−1),第2−2パネル(2−2),第2−3パネル(2−3),及び第2−4パネル(2−4)は,連動式パネルユニットが閉じた状態において,この順で,平面と直交する方向に積層する。
ここで,連動式パネルユニットが閉じた状態において,各パネルを平面方向から見たときに,各パネルが,A角,B角,C角,及びD角をこの順で反時計回りに有する形状で構成されているとする。
この場合に,第1−1パネル(1−1)のD角と第1−3パネル(1−3)のD角は,第1D角連結手段(1D−D)によって,回転可能に連結される。
また,第1−1パネル(1−1)のC角と第1−2パネル(1−2)のC角は,第1C角連結手段(1C−C)によって,回転可能に連結される。
また,第1−2パネル(1−2)のB角と第1−4パネル(1−4)のB角は,第1B角連結手段(1B−B)によって,回転可能に連結される。
また,第1−3パネル(1−3)のA角と第1−4パネル(1−4)のA角は,第1A角連結手段(1A−A)によって,回転可能に連結される。
また,第2−1パネル(2−1)のD角と第2−3パネル(2−3)のD角は,第2角D連結手段(2D−D)によって,回転可能に連結される。
また,第2−1パネル(2−1)のC角と第2−2パネル(2−2)のC角は,第2C角連結手段(2C−C)によって,回転可能に連結される。
また,第2−2パネル(2−2)のB角と第2−4パネル(2−4)のB角は,第2B角連結手段(2B−B)によって,回転可能に連結される。
また,第2−3パネル(2−3)のA角と第2−4パネル(2−4)のA角は,第2A角連結手段(2A−A)によって,回転可能に連結される。
そして,さらに,第1−2パネル(1−2)のA角と第2−1パネル(2−1)のA角は,第1追加連結手段(201)によって,回転可能に連結される。
また,さらに,第1−4パネル(1−4)のC角と第2−3パネル(2−3)のC角は,第2追加連結手段(202)によって,回転可能に連結される
【0019】
上記構成のように,4つのパネルを含む基本ユニットとすれば,この基本ユニットを組み合わせることにより,連動式パネルユニットを拡張し,大型化することができる。第2の実施形態では,第1基本ユニットと第2基本ユニットを連結する構成について説明したが,この連結構造を応用すれば,基本ユニットを3台以上連結することも可能である。
【0020】
本発明の他の実施形態は,基本ユニットを少なくとも3つ連結し,パネルの2次元方向の展開を可能としたものである。
上記第2の実施形態に加えて,本実施形態では,第3基本ユニット(30)と連結アーム(301)を,さらに備えている。
すなわち,第3基本ユニット(30)は,第3−1パネル(3−1),第3−2パネル(3−2),第3−3パネル(3−3),及び第3−4パネル(3−4)を有している。
第3基本ユニット(30)は,第3−1パネル(3−1)のD角と第3−3パネル(3−3)のD角を回転可能に連結する第3D角連結手段(3D−D)と,第3−1パネル(3−1)のC角と第3−2パネル(3−2)のC角を回転可能に連結する第3C角連結手段(3C−C)と,第3−2パネル(3−2)のB角と第3−4パネル(3−4)のB角を回転可能に連結する第3B角連結手段(3B−B)と,第3−3パネル(3−3)のA角と第3−4パネル(3−4)のA角を回転可能に連結する第3A角連結手段(3A−A)とを有する。
そして,本実施形態では,上記第2の実施形態に加えて,第1D角連結手段1D−Dと第3D角連結手段3D−Dを連結する屈伸可能な連結アーム(301),をさらに備えている。
【0021】
このように,本発明では,3つ以上の基本ユニットを連結し,2次元方向に展開可能な構成としても良い。すなわち,第1基本パネルを基点として考えると,まず,第2基本パネルが一方向に展開する。一方,第3基本パネルは,連結アームの屈伸作用により,第2基本パネルの展開方向と直交する方向に,展開する。このように,連動式パネルユニットが,2次元方向に展開することが出来れば,その応用分野がさらに広がるため,有用である。
【0022】
また,本発明の連動式パネルユニットは,例えば,展開式太陽光パネルや,展開式梯子に適用して好適に実用化することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば,パネルの平面と直交する回転軸のみを用いてパネルを展開・収納することが可能であり,コストパフォーマンスの向上及び軽量化を図ることができ,しかも,製造時のモジュール性,展開の容易性,及び展開時の信頼性に優れた連動式パネルユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は,第1の実施形態に係る連動式パネルユニットの開閉動作を示す概略斜視図である。
【図2】図2は,第1の実施形態に係る連動式パネルユニットが閉じた状態の概要を示している。図2(a)は平面図であり,図(b)は斜視図である。
【図3】図3は,第1の実施形態に係る連動式パネルユニットが展開した状態の概要を示している。図3(a)は平面図であり,図3(b)は側面図である。
【図4】図4は,第1の実施形態に係る連動式パネルユニットの開閉動作を示している。図4(a1)〜(a4)は平面図であり,図4(b1)〜(b4)は側面図である。
【図5】図5は,連動式パネルユニットの各パネルを個別に示した平面図である。
【図6】図6は,所定の計算式により求めた各パネルの座標位置をもとに設計された連動式パネルユニットの例を示している。
【図7】図7は,第1の実施形態の変形例を示している。図7(a)は,D角連結手段とB角連結手段の他の形態を示している。図7(b)は,第2パネルと第3パネルの他の形態を示している。
【図8】図8は,第2の実施形態に係る連動式パネルユニットが閉じた状態の概要を示す斜視図である。
【図9】図9(a)は,第2の実施形態に係る連動式パネルユニットが展開した状態を示す平面図である。第2の実施形態に係る連動式パネルユニットが閉じた状態を示す側面図である。
【図10】図10は,第2の実施形態に係る連動式パネルユニットの開閉動作を示している。図10(a1)〜(a4)は平面図であり,図10(b1)〜(b4)は側面図である。
【図11】図11は,所定の計算式により求めた各パネルの座標位置をもとに設計された連動式パネルユニットの例を示している。
【図12】図12は,他の実施形態に係る連動式パネルユニットの例を示す斜視図である。図12には,3つの基本ユニットが連結された連動式パネルユニットの例が示されている。図12(a)は展開状態の連動式パネルユニットを示し,図12(b)は開閉途中の段階の連動式パネルユニットを示し,図12(c)は閉じた状態の連動式パネルユニットを示している。
【図13】図13は,他の実施形態に係る連動式パネルユニットの例を示す斜視図である。図13には,4つの基本ユニットが二次元方向に連結された連動式パネルユニットの例が示されている。図13(a)は,連動式パネルユニットの例を示す斜視図である。図13(b)は,連動式パネルユニットの例を示す側面図である。図13(c)は,連結アームの動作例を説明するための図である。
【図14】図14は,本発明の連動式パネルユニットが適用された展開式梯子の概要を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0026】
(1.第1の実施形態)
まず,本発明の第1の実施形態について説明する。
本発明の第1の実施形態は,4つのパネルを含む連動式パネルユニット100に関するものである。図1は,第1の実施形態に係る連動式パネルユニット100の展開収納動作の概要を,斜視的に示したものである。図1(a)は,連動式ユニット100が展開した状態を示している。図1(a)に示されるように,連動式パネルユニット100は,展開状態において,各パネルが平面的に広がる。すなわち,例えば,展開状態の連動式パネルユニット100は,4つの四角形パネルが平面的に並列し,その外形により,一つの四角形を形成する。一方,図1(d)は,連動式パネルユニット100が折り畳まれた状態を示している。図1(d)に示されるように,連動式パネルユニット100は,閉じた状態において,各パネルが平面と直交する方向に積み重なる。また,図1(b)及び(c)は,閉じた状態と開いた状態の中間的な状態を示している。このように,4つのパネルを含む連動式パネルユニット100は,展開すると,折り畳まれた状態と比較し,平面方向からみたときの面積が約4倍になることがわかる。
【0027】
図2は,閉じた状態における連動式パネルユニットの概要を示している。まず,図2(a)は,閉じた状態の連動式パネルユニットを,平面方向から見た状態を示している。図2(a)に示されるように,閉じた状態の連動式パネルユニットを平面方向から見ると,連動式パネルユニットは,一つのパネルにより形成された略四角形(好ましくは正方形)の形状をなしている。このとき,閉じた状態の連動式パネルユニットをなす四角形の角のうち,ある角(図2(a)では左下角)をA角とする。そして,A角を基点として,反時計回りに,B角,C角,及びD角が存在するものとする。以下,本願明細書において,A角,B角,C角,及びD角を示すときは,この定義に基づいた位置に属する角を意味するものとする。
ただし,各パネルの形状は,四角形状に限定されるものではなく,例えば,その他多角形状や,円形状であってもよい。また,各パネルの角は,完全な角をなすものでなくてもよく,R加工や角取り加工がなされたものであってもよい。すなわち,各パネルに形成されるA角からD角は,単に,積層された他のパネルとの連結部位を意味するものであり,この連結部位は,必ずしもパネルの角に位置するものに限定されない。
【0028】
図2(b)は,閉じた状態の連動式パネルユニットの概要を示す斜視図である。図2(b)に示されるように,連動式パネルユニットは,閉じた状態において,略正方形に形成された4つのパネルが,パネル平面に直交する方向(Z方向)に積み重なるように位置している。すなわち,本発明は,直交座標系X,Y,Zにおいて,XY平面に平行に形成された4つの四角形パネルが,Z軸方向に積層した構造を基本ユニットとしている。このように,連動式パネルユニットが閉じた状態において,第1パネル(1),第2パネル(2),第3パネル(3),及び第4パネル(4)が,この順に,積み重なる。図2(b)の例において,第1パネル(1)は最上部に位置し,第4パネル(4)は最下部に位置している。また,第2パネル(2)は第1パネル(2)と第3パネル(3)の間に位置し,第3パネル(3)は第2パネル(2)と第4パネル(4)の間に位置するようになっている。このように,第1パネル(1),第2パネル(2),第3パネル(3),及び第4パネル(4)は,Z方向において,いずれも同じレベルに属さず積層されている。このため,各パネルは,XY平面と平行に回転移動しても,互いに接触することはない。なお,各パネル(1〜4)は,必ずしも密着して重なっている必要はなく,各パネル(1〜4)の間に所定の空隙が設けられていてもよい。
【0029】
図2(b)に示されるように,各パネル(1〜4)は,それぞれ,A角,B角,C角,及びD角を有する四角形(好ましくは正方形)で形成されている。各パネル(1〜4)のA角,B角,C角,及びD角は,連動式パネルユニットを平面方向から見たときに,同じ位置に位置する。すなわち,各パネル(1〜4)のA角,B角,C角,及びD角は,連動式パネルユニットが閉じた状態において,Z軸の座標位置は異なるものの,X軸,及びY軸方向では同一の座標に位置しているといえる。
【0030】
また,図2(b)に示されるように,各パネル同士は,一定の規則性をもって,角部が回転可能に連結される。ここで,「回転可能」とは,各パネルが,連結軸を回転軸として,XY平面と平行に回転移動することができることを意味する。図2(b)に示された矢印は,各パネルの角部を回転可能に連結する連結手段を示している。まず,第1パネル(1)のC角と第2パネル(2)のC角は,C角連結手段(C−C)によって,回転可能に連結されている。また,第1パネル(1)のD角と第3パネル(3)のD角は,D角連結手段(D−D)によって,回転可能に連結されている。また,第2パネル(2)のB角と第4パネル(4)のB角は,B角連結手段(B−B)によって,回転可能に連結されている。さらに,第3パネル(3)のA角と第4パネル(4)のA角は,A角連結手段(A−A)によって,回転可能に連結されている。なお,図2(b)に示されるとおり,第1パネル(1)と第4パネル(4)は,互いに連結されていない。また,第2パネル(2)と第3パネル(3)も,互いに連結されていない。これは,連動式パネルユニットが展開した状態において,第1パネル(1)と第4パネル(4),第2パネル(2)と第3パネル(3)は,互いに,4角形の対角に位置することとなるからである。
【0031】
上記したA〜D角の連結手段としては,例えば,パネルの角部に円形の連結孔を穿設し,この連結孔に棒状連結具を挿し込むことにより,パネル同士を回転連結する構成とすればよい。例えば,第1パネル(1)と第2パネル(2)の連結(C角連結手段)を例に挙げて説明すると,まず,第1パネル(1)のC角と第2パネル(2)のC角に,それぞれ連結孔を穿設する。そして,棒状連結具の一端部を,第1パネル(1)のC角に形成された連結孔に挿し込み,回転可能に固定する。同様に,棒状連結具の他端部を,第2パネル(1)のC角に形成された連結孔に挿し込み,回転可能に固定する。これにより,第1パネル(1)のC角と第2パネル(2)のC角は,棒状連結具によって,回転可能に連結されることとなる。このように,棒状連結具により連結された2つパネルは,棒状連結具の軸を回転軸として,XY平面と平行に回転移動する。このため,棒状連結具は,一定の各パネルとの連結部において一定の軸を有するものであればよい。例えば,棒状連結具は一直線状に形成されたものであってもよいし,その中腹部において屈折又は湾曲した箇所を有するものであっても良い。
【0032】
図3は,展開した状態における連動式パネルユニットの概要を示している。図3(a)は,展開した状態における連動式パネルユニットを平面方向から見た状態を示している。なお,図3(a)は,各パネル(1〜4)の連結状態を分り易く示すために,各パネル(1〜4)を離間させて描画したが,実際には,各パネル(1〜4)は,平面方向から見たときに,連結部分が重畳するようになっている。図3(a)に示されるように,連動式パネルユニットが展開すると,各パネル(1〜4)は平面的に並列し,その外形により,一つの四角形を形成する。例えば,図3(a)に示さるように,XY座標系において,第1パネル(1)の座標位置を(0,0)とすると,第2パネル(2)の座標位置は(1,0)となり,第3パネル(3)の座標位置は(0,1)となり,第4パネル(4)の座標位置は(1,1)となるといえる。
【0033】
図3(a)に示されるように,連動式パネルユニットを平面方向からみた場合,第1パネル(1)と第1パネル(4)は,左下角部がA角となり,A角,B角,C角,及びD角が,この順に反時計回りに形成された四角形をなしている。一方,第2パネル(2)と第3パネル(3)は,左下角部がD角となり,D角,A角,B角,及びC角が,この順に反時計回りに形成された四角形をなしている。これは,第2パネル(2)と第3パネル(3)が,第1パネル(1)と第4パネル(4)に対して,反時計回りに90度回転したことを意味している。
【0034】
図3(b)は,展開状態の連動式パネルユニットの概要を示す側面図である。図3(b)に示されるように,展開した状態においても,第1パネル(1)が最上位に位置し,第1パネル(1),第2パネル(2),第3パネル(3),及び第4パネル(4)が,この順に,Z軸方向に積層している。図3(b)において,符号tは,各パネルの厚みを示している。パネルの厚みtは,連動式パネルユニットを適用する構造物に応じて適宜変更することができる。また,図3(b)において,符号dは,各パネル間の距離を示している。各パネル同士は,図3(b)に示されるように離間したものであってもよいし,接触する程度に近接したものであってもよい。各パネル間の距離dも,連動式パネルユニットを適用する構造物に応じて適宜変更することが可能である。
【0035】
図4は,連動式パネルユニットの展開・収納動作を概念的に示した図である。図4(a1)〜(a4)は,連動式パネルユニットの平面図であり,図4(b1)〜(b4)は,連動式パネルユニットの側面図である。図4では,(a1)から(a4)へ,(b1)から(b4)へ,各パネルが,15度ずつ回転していく様子を示している。図4に示されるように,回転角θが0度の場合を,連動式パネルユニットが展開した状態とした場合に,各パネルが45度回転すると,連動式パネルユニットは閉じた状態となる。
【0036】
また,図4に示されるように,連動式パネルユニットの展開・収納動作において,各パネルの角部を連結する連結手段(A−A,B−B,C−C,D−D)は,X軸又はY軸に沿って,直線的な軌道で移動することがわかる。すなわち,D角連結手段(D−D)とB角連結手段(B−B)は,X軸に沿って直線的に移動する。一方,A角連結手段(A−A)とC角連結手段(C−C)は,Y軸に沿って直線的に移動する。このように,各連結手段(A−A,B−B,C−C,D−D)の軌道は,いずれも直線的であり,極めて単調なものである。従って,本発明の連動式パネルユニットは,展開の信頼性に優れた構造を有しているといえる。また,各パネル(1〜4)は,一方向に力を加えることにより,各連結手段(A−A,B−B,C−C,D−D)を回転軸として連動して展開する。従って,本発明の連動式パネルユニッは,展開の容易性に優れた構造であるといえる。
【0037】
図5は,第1パネル(1),第2パネル(2),第3パネル(3),及び第4パネル(4)を個別に示した平面図である。図5においては,各パネルを形成する四角形の一辺の長さを符号lで示し,各パネルの回転角を符号θで示している。また,図3(b)に示すように,第1パネル(1)のZ座標をZ,第2パネル(2)のZ座標をZ,第3パネル(3)のZ座標をZ,第4パネルのZ座標をZとし,各パネルの厚みをt,各パネル間の距離をdで表すと,各パネルの角部の位置ベクトルは,下記の式で表すことができる。
【0038】
【数1】

【0039】
【数2】

【0040】
【数3】

【0041】
【数4】

【0042】
【数5】

【0043】
上記した計算式(1)〜(20)に基づいて計算を行うと,例えば,図6に示されるように,各パネルの配置を決定することができる。
【0044】
図7は,第1の実施形態の変形例を示すものである。
図7(a)は,B角連結手段(B−B)とD角連結手段(D−D)の他の形態を示している。図7(a)に示されるように,B角連結手段(B−B)とD角連結手段(D−D)は,中腹部分において屈折した形状を有することとしてもよい。すなわち,B角連結手段(B−B)とD角連結手段(D−D)が直線状に形成されていると,連動式パネルユニットが閉じた状態となった場合,B角連結手段(B−B)は第3パネル(3)に,D角連結手段(D−D)は第2のパネルに接触する可能性がある。連動式パネルユニットの収納時において,B角連結手段(B−B)とD角連結手段(D−D)がパネルに接触すると,連結手段又はパネルに破損が生じる恐れがある。そこで,B角連結手段(B−B)とD角連結手段(D−D)を,その中腹部分において屈折させることにより,連動式パネルユニットの収納時におけるパネルとの接触を回避することが可能となる。また,図示は省略するが,B角連結手段(B−B)とD角連結手段(D−D)は,中腹部分において,例えば円弧状に湾曲した形状を有することとしてもよい。
【0045】
図7(b)は,第2パネル(2)と第3パネル(3)の他の形態を示している。例えば,連動式パネルユニットが閉じた状態において,第2パネル(2)がD角連結手段(D−D)に接触しないように,第2パネル(2)のD角が切り落とされ,角取り部(21)が形成されている。同様に,連動式パネルユニットが閉じた状態において,第3パネル(3)がB角連結手段(B−B)に接触しないように,第3パネル(3)のB角が切り落とされ,角取り部(31)が形成されている。このように,第2パネル(2)や第3パネル(3)に角取り部(21,31)を形成することで,D角連結手段(D−D)やB角連結手段(B−B)が一直線状に形成されていても,これらのとの接触を防止することが可能である。例えば,図7(b)には,四角形状に形成された第2パネル(2)のD角を,直線的に切り落として,角取り部(21)を形成した例が示されている。このため,第2パネル(2)は,実質的には,5角形状となる。このように,角取り部(21)を形成するに際し,D角を直線状に切り落とすこととしてもよいし,例えば,D角連結手段(D−D)の形状に合わせて,D角を,円弧状に切り落とすこととしてもよい。
【0046】
(2.第2の実施形態)
次に,本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は,4つの四角形パネルを有する基本ユニットを,2つ連結して構成された連動式パネルユニット200に関する。このため,連動式パネルユニット200は,第1の基本ユニット(10)と第2の基本ユニット(20)を含む。各基本ユニットにおける構成は,基本的に,上述した第1の実施形態と同様である。ただし,第2の実施形態では,各基本ユニットを連結するために,第1追加連結手段(201)と第2追加連結手段(202)を,さらに備えている。以下,具体的に説明する。
【0047】
図8は,閉じた状態の連動式パネルユニット200の概要を示す斜視図である。
図8に示されるように,第1基本ユニット(10)は,第1−1パネル(1−1),第1−2パネル(1−2),第1−3パネル(1−3),及び第1−4パネル(1−4)を有している。同様に,第2基本ユニット(20)は,第2−1パネル(2−1),第2−2パネル(2−2),第2−3パネル(2−3),及び第2−4パネル(2−4)を有している。
このため,連動式パネルユニット200が閉じた状態において,第1−1パネル(1−1),第1−2パネル(1−2),第1−3パネル(1−3),第1−4パネル(1−4),第2−1パネル(2−1),第2−2パネル(2−2),第2−3パネル(2−3),及び第2−4パネル(2−4)は,この順で,平面と直交する方向(Z軸方向)に積層している。
【0048】
また,図8に示されるように,連動式パネルユニット200が閉じた状態において,各パネルを平面方向から見ると,各パネルが,A角,B角,C角,及びD角をこの順で反時計回りに有する形状で構成されている。すなわち,各パネルのA角,B角,C角,及びD角は,連動式パネルユニットが閉じた状態において,Z軸の座標位置は異なるものの,X軸,及びY軸方向では同一の座標に位置している。
【0049】
図8に示されるように,第1基本ユニット(10)では,第1−1パネル(1−1)のD角と第1−3パネル(1−3)のD角が,第1D角連結手段(1D−D)によって,回転可能に連結される。また,第1−1パネル(1−1)のC角と第1−2パネル(1−2)のC角は,第1C角連結手段(1C−C)によって,回転可能に連結される。また,第1−2パネル(1−2)のB角と第1−4パネル(1−4)のB角は,第1B角連結手段(1B−B)によって,回転可能に連結される。また,第1−3パネル(1−3)のA角と第1−4パネル(1−4)のA角は,第1A角連結手段(1A−A)によって,回転可能に連結される。
【0050】
同様に,第2基本ユニット(20)では,第2−1パネル(2−1)のD角と第2−3パネル(2−3)のD角が,第2D角連結手段(2D−D)によって,回転可能に連結される。また,第2−1パネル(2−1)のC角と第2−2パネル(2−2)のC角は,第2C角連結手段(2C−C)によって,回転可能に連結される。また,第2−2パネル(2−2)のB角と第2−4パネル(2−4)のB角は,第2B角連結手段(2B−B)によって,回転可能に連結される。また,第2−3パネル(2−3)のA角と第2−4パネル(2−4)のA角は,第2A角連結手段(2A−A)によって,回転可能に連結される。
【0051】
以上のように,第1基本ユニット(10)と第2基本ユニット(20)は,それぞれ4つのパネルによって構成されている。
そして,さらに,連動式パネルユニット200は,第1の基本ユニット(10)と第2の基本ユニット(20)を連結するための手段を有している。すなわち,第1基本ユニット(10)における第1−2パネル(1−2)のA角と,第2基本ユニット(20)における第2−1パネル(2−1)のA角が,第1追加連結手段(201)によって,回転可能に連結されている。また,さらに,第1基本ユニット(10)における第1−4パネル(1−4)のC角と,第2基本ユニット(20)における第2−3パネル(2−3)のC角は,第2追加連結手段(202)によって,回転可能に連結されている。このように,第1追加連結手段(201)と第2追加連結手段(202)を介して,第1の基本ユニット(10)と第2の基本ユニット(20)を連結することで,8枚のパネルにより構成された連動式パネルユニット200が,連動して開閉することとなる。
【0052】
図9(a)は,第2の実施形態が展開した状態の概要を示す平面図である。図9(b)は,第2の実施形態が閉じた状態の概要を示す側面図である。図9(a)に示されるように,第1の基本ユニット(10)と第2の基本ユニット(20)を,第1追加連結手段(201)と第2追加連結手段(202)を介して,連結することにより,連動式パネルユニット200は,例えばX軸方向に,展開時の面積が拡大する。このとき,展開した状態における連動式パネルユニット200を平面方向からみたときの面積は,閉じた状態のときと比較し,約8倍に広がることとなる。
【0053】
また,図9(a)に示さるように,XY座標系において,第1−1パネル(1−1)の座標位置を(0,0)とすると,第1−2パネル(1−2)の座標位置は(1,0)となり,第1−3パネル(1−3)の座標位置は(0,1)となり,第1−4パネル(1−4)の座標位置は(1,1)となる。さらに,第2−1パネル(2−1)の座標位置は(2m,0)となり,第2−2パネル(2−2)の座標位置は(2m+1,0)となり,第2−3パネル(2−3)の座標位置は(2m,1)となり,第2−4パネル(2−4)の座標位置は(2m+1,1)となる(ただし,m=1)。
【0054】
また,図9(b)は,第2の実施形態が閉じた状態の概要を示す側面図である。図9(b)に示されるように,連動式パネルユニット200は,閉じた状態において,直交座標系X,Y,Zにおいて,XY平面に平行に形成された8つの四角形パネルが,Z軸方向に積層した構造となる。図9(a)に示されるように,連動式パネルユニット200が展開するとき,第1基本ユニット(10)と第2基本ユニット(20)は,XY軸方向に並進移動する。ここで,図9(b)において,符号Wは,第1基本ユニット(10)と第2基本ユニット(20)のZ方向距離を示している。Wは,以下の式で表すことができる。
【0055】
【数6】

【0056】
図10は,第2の実施形態に係る連動式パネルユニットの展開・収納動作を概念的に示した図である。図10(a1)〜(a4)は,第2の実施形態に係る連動式パネルユニットの平面図であり,図10(b1)〜(b4)は,第2の実施形態に係る連動式パネルユニットの側面図である。図10では,(a1)から(a4)へ,(b1)から(b4)へ,各パネルが,15度ずつ回転していく様子を示している。
【0057】
また,図10(a2)に示されるとおり,第1基本ユニット(10)のU(θ)は,X軸方向において,隣接する基本ユニット間の並進移動量を示している。U(θ)の値は,以下の式で表すことができる。
【0058】
【数7】

【0059】
そして,上記式(21)と(22)により求められるWとU(θ)の値を用いて,以下の式により,第1基本ユニット(10)から第(m+1)基本ユニットまでの並進ベクトルを表すことができる。
【0060】
【数8】

【0061】
また,上記mの値(m=1)を用いて,第2基本ユニット(20)に含まれる各パネルの角部の位置ベクトルは,下記の式で表すことができる。
【0062】
【数9】

【0063】
【数10】

【0064】
【数11】

【0065】
【数12】

【0066】
上記した計算式(21)〜(39)に基づいて計算を行うと,例えば,図11に示されるように,各パネルの配置を決定することができる。
【0067】
(3.第3の実施形態)
上記第2の実施形態においては,4つの四角形パネルから構成される基本ユニットを2つ連結した例について説明した。ただし,本発明は,例えば,基本ユニットを3つ以上連結して構成することも可能である。例えば,図12には,基本ユニットを3つ連結した第3の実施形態が示されている。図12(a)は,第3の実施形態の連動式パネルユニットが展開した状態を示す斜視図である。図12(b)は,第3の実施形態の連動式パネルユニットが開閉する途中の段階を示す斜視図である。図12(c)は,第3の実施形態の連動式パネルユニットが閉じた状態を示す斜視図である。図12に示されるように,基本ユニットを3つ連結し,連動式パネルユニットが1次元方向に連動して展開することとしてもよい。なお,図示は省略するものの,本発明の連動式パネルユニットは,例えば,4つ以上の基本ユニットを1次元方向に連結して構成することも可能である。
【0068】
(4.第4の実施形態)
図13は,第4の実施形態に係る連動式パネルユニット300を説明するための図である。図13(a)は,連動式パネルユニット300が展開した状態の概略斜視図を示しており,図13(b)は,連動式パネルユニット300が閉じた状態の概略側面図を示している。また,図13(c)は,連動式パネルユニット300に用いられる連結アームの構成を示している。
【0069】
第4の実施形態において,各基本ユニットの構成は,基本的に,上述した第1の実施形態と同様である。また,第4の実施形態において,2つの基本ユニットを1次元方向に連結する構成は,基本的に,上述した第2の実施形態を同様である。ただし,第4の実施形態は,一又は複数の基本ユニットを二次元方向に展開するために,第1連結アーム(301)と第2連結アーム(302)を備えている点において,上述した実施形態と異なっている。なお,第4の実施形態では,4つの基本ユニットを連結し,パネルを2次元方向に展開させる例について説明を行う。ただし,本発明の連動式パネルユニットは,少なくとも,3つの基本ユニットを有していれば,パネルを2次元方向に展開させることが可能となる。
【0070】
まず,図13(a)や図13(b)に示されるように,第4の実施形態に係る連動式パネルユニット(300)は,4つの基本ユニットによって構成される。各基本ユニットは,4つのパネルを有している。すなわち,連動式パネルユニット(300)は,第1基本ユニット(10),第2基本ユニット(20),第3基本ユニット(30),及び第4基本ユニット(40)を備える。各基本ユニットは,図13(a)に示されるように,二次元方向(X軸方向及びY軸方向)に展開することが可能である。
【0071】
各基本ユニット(10,20,30,40)は,4つのパネルを有する。
まず,第1基本ユニット(10)は,第1−1パネル(1−1),第1−2パネル(1−2),第1−3パネル(1−3),及び第1―4パネル(1−4)を,この順に積層し,上述した規則的なパターンにより連結して構成されている。すなわち,第1基本ユニット(10)は,第1−1パネル(1−1)のD角と第1−3パネル(1−3)のD角を回転可能に連結する第1D角連結手段(1D−D)と,第1−1パネル1−1のC角と第1−2パネル1−2のC角を回転可能に連結する第1C角連結手段(1C−C)と,第1−2パネル(1−2)のB角と第1−4パネル(1−4)のB角を回転可能に連結する第1B角連結手段(1B−B)と,第1−3パネル(1−3)のA角と第1−4パネル(1−4)のA角を回転可能に連結する第1A角連結手段(1A−A)とを,有している。
【0072】
また,第2基本ユニット(20)は,第2−1パネル(2−1),第2−2パネル(2−2),第2−3パネル(2−3),及び第2―4パネル(2−4)を,この順に積層し,上述した規則的なパターンにより連結して構成されている。すなわち,第2基本ユニット(20)は,第2−1パネル(2−1)のD角と第2−3パネル(2−3)のD角を回転可能に連結する第2角D連結手段(2D−D)と,第2−1パネル(2−1)のC角と第2−2パネル(2−2)のC角を回転可能に連結する第2C角連結手段(2C−C)と,第2−2パネル(2−2)のB角と第2−4パネル(2−4)のB角を回転可能に連結する第2B角連結手段(2B−B)と,第2−3パネル(2−3)のA角と第2−4パネル(2−4)のA角を回転可能に連結する第2A角連結手段(2A−A)とを,有している。
【0073】
第1基本ユニット(10)と第2基本ユニット(20)は,第1基本ユニット(10)における第1−2パネル(1−2)のA角と,第2基本ユニット(20)における第2−1パネル(2−1)のA角が,第1追加連結手段(201)によって,回転可能に連結されている。さらに,第1基本ユニット(10)と第2基本ユニット(20)は,第1基本ユニット(10)における第1−4パネル(1−4)のC角と,第2基本ユニット(20)における第2−3パネル(2−3)のC角が,第2追加連結手段(202)によって,回転可能に連結されている。
【0074】
また,第4の実施形態では,第3基本ユニット(30)と第4基本ユニット(40)が二次元方向に展開されるものである。
第3基本ユニット(30)と第4基本ユニット(40)は,基本的に,第1基本ユニット(10)及び第2基本ユニット(20)と同様の構成を有する。
まず,第3基本ユニット(30)は,第3−1パネル(3−1),第3−2パネル(3−2),第3−3パネル(3−3),及び第3―4パネル(3−4)を,この順に積層し,上述した規則的なパターンにより連結して構成されている。すなわち,第3基本ユニット(30)は,第3−1パネル(3−1)のD角と第3−3パネル(3−3)のD角を回転可能に連結する第3角D連結手段(3D−D)と,第3−1パネル(3−1)のC角と第3−2パネル(3−2)のC角を回転可能に連結する第3C角連結手段(3C−C)と,第3−2パネル(3−2)のB角と第3−4パネル(3−4)のB角を回転可能に連結する第3B角連結手段(3B−B)と,第3−3パネル(3−3)のA角と第3−4パネル(3−4)のA角を回転可能に連結する第3A角連結手段(3A−A)とを,有している。
【0075】
また,第4基本ユニット(40)は,第4−1パネル(4−1),第4−2パネル(4−2),第4−3パネル(4−3),及び第4―4パネル(4−4)を,この順に積層し,上述した規則的なパターンにより連結して構成されている。すなわち,第4基本ユニット(40)は,第4−1パネル(4−1)のD角と第4−3パネル(4−3)のD角を回転可能に連結する第4角D連結手段(4D−D)と,第4−1パネル(4−1)のC角と第4−2パネル(4−2)のC角を回転可能に連結する第4C角連結手段(4C−C)と,第4−2パネル(4−2)のB角と第4−4パネル(4−4)のB角を回転可能に連結する第4B角連結手段(4B−B)と,第4−3パネル(4−3)のA角と第4−4パネル(4−4)のA角を回転可能に連結する第4A角連結手段(4A−A)とを,有している。
【0076】
第3基本ユニット(30)と第4基本ユニット(40)は,第3基本ユニット(30)における第3−2パネル(3−2)のA角と,第4基本ユニット(40)における第4−1パネル(4−1)のA角が,第3追加連結手段(203)によって,回転可能に連結されている。さらに,第3基本ユニット(30)と第4基本ユニット(40)は,第3基本ユニット(30)における第3−4パネル(3−4)のC角と,第4基本ユニット(40)における第4−3パネル(4−3)のC角が,第4追加連結手段(204)によって,回転可能に連結されている。
【0077】
そして,図13(b)に示されるように,各基本ユニット(10,20,30,40)は,連動式パネルユニット300が閉じた状態において,第1基本ユニット(10),第2基本ユニット(20),第3基本ユニット(30),及び第4基本ユニット(40)の順に重なる。
【0078】
また,第4の実施形態は,複数の基本ユニットを二次元方向に展開するために,第1基本ユニット(10)及び第3基本ユニット(30)を連結するための第1連結アーム(301)と,第2基本ユニット(20)及び第4基本ユニット(40)を連結するための第2連結アーム(302)を,さらに備えている。
【0079】
図13(a)に示されるように,第1連結アーム(301)は,第1基本ユニット(10)の第1D角連結手段(1D−D)と,第3基本ユニット(30)の第3D角連結手段(3D−D)とを,連結する。
また,第2連結アーム(302)は,第2基本ユニット(20)の第2B角連結手段(2B−B)と,第4基本ユニット(40)の第4B角連結手段(4B−B)とを,連結する。
【0080】
第1連結アーム(301)及び第2連結アーム(302)の構成は,図13(c)に示されている。第1連結アーム(301)を例に挙げて説明すると,図13(c)に示されるように,第1連結アーム(301)は,一端部に,第1D角連結手段(1D−D)に連結される上部連結部(301a)を有し,他端部に,第3D角連結手段(3D−D)に連結される下部連結部(301b)を有する。そして,第1連結アーム(301)は,上部連結部(301a)と下部連結部(301b)の間に,少なくとも1つ以上の折曲部(301c)を有している。図13(c)に示された例において,折曲部(301c)は,2ヶ所に形成されている。
【0081】
第1連結アーム(301)における折曲部(301c)の折れ曲がり方向(屈伸方向)は,一定であることが好ましい。すなわち,第1基本ユニット(10)を基点として考えると,第1連結アーム(301)は,第3基本ユニット(30)を,第2基本ユニット(20)が展開する方向と直交する方向に,展開させる。このため,第1連結アーム(301)の屈伸方向は,第2基本ユニット(20)が展開する方向と直交する方向であることが好ましい。このように,第1連結アーム(301)を設けることにより,連動式パネルユニット(300)は,2次元方向に展開することができるようになる。
【0082】
図13(c)に示されるように,第1連結アーム(301)は,折曲部(301c)において一方向に屈伸するようになっている。このため,連動式パネルユニット300が展開し始めると,第1連結アーム(301)は,折曲部(301c)を基点として,伸展する。これにより,第3基本ユニット(30)が,第1基本ユニット(10)に対して,第2基本ユニット(20)が展開する方向と直交する方向に展開するようになる。一方,連動式パネルユニット300が閉じ始めると,第1連結アーム(301)は,折曲部(301c)を基点として,屈折する。これにより,第3基本ユニット(30)は,第1基本ユニット(10)及び第2基本ユニット(20)の下方に収納されることとなる。
【0083】
なお,ここでは,第1連結アーム(301)を例にあげて説明したが,第2連結アーム(302)も,第2基本ユニット(20)及び第4基本ユニット(40)に対して,第1連結アーム(301)と同様に作用する。
【0084】
このため,第4の実施形態は,第1連結アーム(301)及び第2連結アーム(302)をさらに備えることで,各基本ユニットが1次元方向のみならず,2次元方向にも展開するようになる。2次元方向展開が可能であれば,連動式パネルユニットの応用分野がさらに広がるため,有用である。
【0085】
(5.応用例)
本発明の連動式パネルユニットは,搬送時には,平面方向から見たときの面積を一枚のパネル分の面積に収納し,目的地に到着した際に展開することで,パネルの面積を拡大することができる。このため,連動式パネルユニットは,例えば,展開式太陽光パネルとして好適に用いることができる。この場合において,パネルは,略正方形の基盤材と,基盤材の上下の面にそれぞれ貼付された太陽電池セルとを含み,太陽光により発電できるものが好ましい。太陽電池セルとしては,太陽発電に用いられる公知のものを用いることができる。また,各パネルは,連結手段によって,連結されている。この連結手段内には,リード線や導電線,配線基板,電力供給手段(バッテリ)等を設けることが可能である。これらのような構成を有するパネルは,宇宙空間において効率的に太陽エネルギーを集めることができる。このようにして,展開式太陽光パネルは,宇宙空間においてパネルを展開し,太陽光により発電する宇宙構造物として利用される。
【0086】
また,本発明の連動式パネルユニットは,例えば,展開型のディスプレイにも用いることができる。この場合,各パネルは,例えば,偏光フィルタ,ガラス基板,液晶,及び光源を有する液晶パネルを含み,映像を出力することができるものであることが好ましい。また,各パネルとしては,例えば,プラズマディスプレイパネルや,有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等,公知の映像出力用パネルを用いることもできる。また,上述した通り,各パネルは,連結手段によって,連結されており,この連結手段内には,ディスプレイの構成に必要なリード線や導電線,配線基板,電力供給手段(バッテリ)等を設けることが可能である。このように,展開型のディスプレイとして,本発明の連動式パネルユニットを適用することにより,搬送性に優れたディスプレイを提供することができる。
【0087】
また,本発明の連動式パネルユニットは,例えば,展開式の携帯情報端末の構造としても用いることができる。携帯情報端末の例は,ラップトップ型パーソナルコンピュータや,携帯電話等である。この場合,各パネルは,例えば,液晶パネルや,タッチパネルによって構成することができる。液晶パネルやタッチパネルの構造は,公知のものを採用すればよい。また,4つのパネルのうち,1つ又は2つを,キーボードやテンキー等のハードウェア型の入力装置として用いることとしても良い。このようにすれば,連動式パネルユニットが閉じた状態においては,コンパクトな状態でディスプレイを確認又は操作することができ,文字等の入力が必要な場合には,連動式パネルユニットを展開し,キーボードや十字キー等を用いて,情報の入力を効率よく行うことができる。
【0088】
さらに,本発明の連動式パネルユニットは,鉛直方向に展開する展開式梯子の構造にも適用することができる。例えば,図14には,連動式パネルユニットを応用した展開式梯子400の例が示されている。図14(a)は,展開式梯子400が収納された状態を示しており,図14(b)は,展開式梯子400が展開した状態を示している。図14に示されるように,展開式梯子400には,複数のパネル401が含まれる。各パネル401は,一又は複数の開口部402が形成されている。図14に示された例では,各パネル401に2つの開口部402が形成されている。この開口部は,展開式梯子400が展開した状態において,地面と平行する方向に横長に形成されていることが好ましい。また,各パネル401は,梯子を昇降する際の踏み台となるステップ部403を備えている。図14に示された例では,各パネル401に,3つのステップ部403が形成されている。
このように,本発明の連動式パネルユニットを展開式梯子の構造に応用することで,例えば,平常時にはコンパクトに収納可能で,非常時に素早く展開することのできる非常用梯子として利用することができる。また,本発明の連動式パネルユニットは,一方向の力が加わった場合に,複数のパネルが連動して展開するものである。このため,展開式梯子の構造に応用された場合には,各パネルに対し,重力方向に力を加えることで,重力方向下方へと簡単に展開させることができる。このため,本発明によれば,展開容易な展開式梯子を提供することができる。
【0089】
本発明の連動式パネルユニットは,上記した応用例に限定されず,種々の構造に適用することが可能である。例えば,本発明の連動式パネルユニットは,その他,展開可動式の仮設建設物や,展開可動式の屋根等,建築構造物の分野にも応用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の連動式パネルユニットは,例えば,宇宙空間において太陽光により発電する宇宙構造物や,その他種々の構造物として,好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 第1パネル
1−1 第1−1パネル
1−2 第1−2パネル
1−3 第1−3パネル
1−4 第1−4パネル
2 第2パネル
2−1 第2−1パネル
2−2 第2−2パネル
2−3 第2−3パネル
2−4 第2−4パネル
3 第3パネル
3−1 第3−1パネル
3−2 第3−2パネル
3−3 第3−3パネル
3−4 第3−4パネル
4 第4パネル
4−1 第4−1パネル
4−2 第4−2パネル
4−3 第4−3パネル
4−4 第4−4パネル
10 第1基本ユニット
20 第2基本ユニット
30 第3基本ユニット
40 第4基本ユニット
21,31 角取り部
100,200,300 連動式パネルユニット
201 第1追加連結手段
202 第2追加連結手段
203 第3追加連結手段
204 第4追加連結手段
301 第1連結アーム
301a 上部連結部
301b 下部連結部
301c 折曲部
302 第2連結アーム
400 展開式梯子
401 パネル
402 開口部
403 ステップ部
A A角
B B角
C C角
D D角
A−A A角連結手段
1A−A 第1A角連結手段
2A−A 第2A角連結手段
3A−A 第3A角連結手段
4A−A 第4A角連結手段
B−B B角連結手段
1B−B 第1B角連結手段
2B−B 第2B角連結手段
3B−B 第3B角連結手段
4B−B 第4B角連結手段
C−C C角連結手段
1C−C 第1C角連結手段
2C−C 第2C角連結手段
3C−C 第3C角連結手段
4C−C 第4C角連結手段
D−D D角連結手段
1D−D 第1D角連結手段
2D−D 第2D角連結手段
3D−D 第3D角連結手段
4D−D 第4D角連結手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開可能な連動式パネルユニットであって,
第1パネル(1),第2パネル(2),第3パネル(3),及び第4パネル(4)を有し,
前記連動式パネルユニットが閉じた状態において,前記第1パネル(1),前記第2パネル(2),前記第3パネル(3),及び前記第4パネル(4)は,この順で,平面と直交する方向に積層し,
前記連動式パネルユニットが閉じた状態において,各パネルを平面方向から見たときに,各パネルが,A角,B角,C角,及びD角をこの順で反時計回りに有する形状で構成されているとした場合に,
前記第1パネル(1)のD角と前記第3パネル(3)のD角を,回転可能に連結するD角連結手段(D−D)と,
前記第1パネル(1)のC角と前記第2パネル(2)のC角を,回転可能に連結するC角連結手段(C−C)と,
前記第2パネル(2)のB角と前記第4パネル(4)のB角を,回転可能に連結するB角連結手段(B−B)と,
前記第3パネル(3)のA角と前記第4パネル(4)のA角を,回転可能に連結するA角連結手段(A−A)とを,有する
連動式パネルユニット

【請求項2】
前記第1パネル(1),前記第2パネル(2),前記第3パネル(3),及び前記第4パネル(4)は,正方形である
請求項1に記載の連動式パネルユニット。

【請求項3】
前記D角連結手段(D−D)は,前記連動式パネルユニットが閉じた状態において前記第2パネル(2)に接触しないように,一部が,屈折又は湾曲しており,
前記B角連結手段(B−B)は,前記連動式パネルユニットが閉じた状態において前記第3パネル(3)に接触しないように,一部が,屈折又は湾曲している
請求項1又は請求項2に記載の連動式パネルユニット。

【請求項4】
展開可能な連動式パネルユニットであって,
前記連動式パネルユニットは,第1基本ユニット(10)と第2基本ユニット(20)を含み,
前記第1基本ユニット(10)は,第1−1パネル(1−1),第1−2パネル(1−2),第1−3パネル(1−3),及び第1−4パネル(1−4)を有し,
前記第2基本ユニットは,第2−1パネル(2−1),第2−2パネル(2−2),第2−3パネル(2−3),及び第2−4パネル(2−4)を有し,
前記連動式パネルユニットが閉じた状態において,前記第1−1パネル(1−1),前記第1−2パネル(1−2),前記第1−3パネル(1−3),前記第1−4パネル(1−4),前記第2−1パネル(2−1),前記第2−2パネル(2−2),前記第2−3パネル(2−3),及び前記第2−4パネル(2−4)は,この順で,平面と直交する方向に積層し,
前記連動式パネルユニットが閉じた状態において,各パネルを平面方向から見たときに,各パネルが,A角,B角,C角,及びD角をこの順で反時計回りに有する形状で構成されているとした場合に,
前記第1基本ユニット(10)は,
前記第1−1パネル(1−1)のD角と前記第1−3パネル(1−3)のD角を,回転可能に連結する第1D角連結手段(1D−D)と,
前記第1−1パネル(1−1)のC角と前記第1−2パネル(1−2)のC角を,回転可能に連結する第1C角連結手段(1C−C)と,
前記第1−2パネル(1−2)のB角と前記第1−4パネル(1−4)のB角を,回転可能に連結する第1B角連結手段(1B−B)と,
前記第1−3パネル(1−3)のA角と前記第1−4パネル(1−4)のA角を,回転可能に連結する第1A角連結手段(1A−A)とを,有し,
前記第2基本ユニット(20)は,
前記第2−1パネル(2−1)のD角と前記第2−3パネル(2−3)のD角を,回転可能に連結する第2角D連結手段(2D−D)と,
前記第2−1パネル(2−1)のC角と前記第2−2パネル(2−2)のC角を,回転可能に連結する第2C角連結手段(2C−C)と,
前記第2−2パネル(2−2)のB角と前記第2−4パネル(2−4)のB角を,回転可能に連結する第2B角連結手段(2B−B)と,
前記第2−3パネル(2−3)のA角と前記第2−4パネル(2−4)のA角を,回転可能に連結する第2A角連結手段(2A−A)とを,有し,
前記連動式パネルユニットは,さらに,
前記第1−2パネル(1−2)のA角と前記第2−1パネル(2−1)のA角を,回転可能に連結する第1追加連結手段(201)と,
前記第1−4パネル(1−4)のC角と前記第2−3パネル(2−3)のC角を,回転可能に連結する第2追加連結手段(202)と,を備える
連動式パネルユニット。

【請求項5】
展開可能な連動式パネルユニットであって,
前記連動式パネルユニットは,第1基本ユニット(10)と第2基本ユニット(20)と第3基本ユニット(30)を含み,
前記第1基本ユニット(10)は,第1−1パネル(1−1),第1−2パネル(1−2),第1−3パネル(1−3),及び第1−4パネル(1−4)を有し,
前記第2基本ユニットは,第2−1パネル(2−1),第2−2パネル(2−2),第2−3パネル(2−3),及び第2−4パネル(2−4)を有し,
前記第3基本ユニットは,第3−1パネル(3−1),第3−2パネル(3−2),第3−3パネル(3−3),及び第3−4パネル(3−4)を有し,
前記連動式パネルユニットが閉じた状態において,前記第1−1パネル(1−1),前記第1−2パネル(1−2),前記第1−3パネル(1−3),前記第1−4パネル(1−4),前記第2−1パネル(2−1),前記第2−2パネル(2−2),前記第2−3パネル(2−3),前記第2−4パネル(2−4),前記第3−1パネル(3−1),前記第3−2パネル(3−2),前記第3−3パネル(3−3),及び前記第3−4パネル(3−4)は,この順で,平面と直交する方向に積層し,
前記連動式パネルユニットが閉じた状態において,各パネルを平面方向から見たときに,各パネルが,A角,B角,C角,及びD角をこの順で反時計回りに有する形状で構成されているとした場合に,
前記第1基本ユニット(10)は,
前記第1−1パネル(1−1)のD角と前記第1−3パネル(1−3)のD角を,回転可能に連結する第1D角連結手段(1D−D)と,
前記第1−1パネル(1−1)のC角と前記第1−2パネル(1−2)のC角を,回転可能に連結する第1C角連結手段(1C−C)と,
前記第1−2パネル(1−2)のB角と前記第1−4パネル(1−4)のB角を,回転可能に連結する第1B角連結手段(1B−B)と,
前記第1−3パネル(1−3)のA角と前記第1−4パネル(1−4)のA角を,回転可能に連結する第1A角連結手段(1A−A)とを,有し,
前記第2基本ユニット(20)は,
前記第2−1パネル(2−1)のD角と前記第2−3パネル(2−3)のD角を,回転可能に連結する第2角D連結手段(2D−D)と,
前記第2−1パネル(2−1)のC角と前記第2−2パネル(2−2)のC角を,回転可能に連結する第2C角連結手段(2C−C)と,
前記第2−2パネル(2−2)のB角と前記第2−4パネル(2−4)のB角を,回転可能に連結する第2B角連結手段(2B−B)と,
前記第2−3パネル(2−3)のA角と前記第2−4パネル(2−4)のA角を,回転可能に連結する第2A角連結手段(2A−A)とを,有し,
前記第3基本ユニット(30)は,
前記第3−1パネル(3−1)のD角と前記第3−3パネル(3−3)のD角を,回転可能に連結する第3角D連結手段(3D−D)と,
前記第3−1パネル(3−1)のC角と前記第3−2パネル(3−2)のC角を,回転可能に連結する第3C角連結手段(3C−C)と,
前記第3−2パネル(3−2)のB角と前記第3−4パネル(3−4)のB角を,回転可能に連結する第3B角連結手段(3B−B)と,
前記第3−3パネル(3−3)のA角と前記第3−4パネル(3−4)のA角を,回転可能に連結する第3A角連結手段(3A−A)とを,有し,
前記連動式パネルユニットは,さらに,
前記第1−2パネル(1−2)のA角と前記第2−1パネル(2−1)のA角を,回転可能に連結する第1追加連結手段(201)と,
前記第1−4パネル(1−4)のC角と前記第2−3パネル(2−3)のC角を,回転可能に連結する第2追加連結手段(202)と
前記第1D角連結手段(1D−D)と前記第3D角連結手段(3D−D)を連結する屈伸可能な連結アーム(301),を備える
連動式パネルユニット。

【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の連動式パネルユニットにより構成され,
各パネルが,基盤材と,当該基盤材の上下の面にそれぞれ貼付された太陽電池セルとを含み,太陽光により発電することのできる
展開式太陽光パネル。

【請求項7】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の連動式パネルユニットにより構成され,
各パネルに,一又は複数の開口部と,一又は複数のステップ部が形成された
展開式梯子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−112299(P2013−112299A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262734(P2011−262734)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【特許番号】特許第4908660号(P4908660)
【特許公報発行日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【出願人】(503291864)
【出願人】(503291853)
【Fターム(参考)】