層状個性化
コンピュータシステムは、例えば1個の宝飾品類のような物体の三次元モデルを含む。該モデルは多数の層に分割され、その各々は該物体の一つまたは複数の要素を含む。各層は一つまたは複数の属性型と関連し、該属性型の各々は対応する複数の可能である属性値と関連する。このシステムは各層を各可能である属性型およびその属性と層の各可能である属性値と先行レンダリングする。その結果としての層レンダリングは相互に組み合わせられ、該物体全体の個別化されたレンダリングを属性値の可能性のある全ての組合せを先行レンダリングする必要無しに、作り出し得る。層のレンダリングおよび最終の完全な物体の個性化の責任は顧客とサーバーとの間で種々の仕方で分割され、効率を高め得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
顧客は購入する製品に関して個人管理をますます求めている。例えば、多年、コンピュータ小売業者は顧客に購入したいコンピュータの詳細な要素を特定する能力を提供してきた。特定の顧客の特注に応じて、小売業者は顧客の特定した要素を有する単一のコンピュータを製造し、この特注で作ったコンピュータを該顧客に発送した。これが今や「大量特注生産」―高度にカスタマイズ可能な大量生産製品の一個の小量での製造と販売―として知られるようになったものの初期の例である。大量特注生産は現在、より広範な製品に広がっている。
【0002】
コンピュータの購入者はまずコンピュータの内部機能性に関心があり、その外観ではない。従って、コンピュータの購入者が特注のコンピュータがどう見えるかは購入を終えるまで比較的重要ではない。
【0003】
しかし、こでれは、顧客の購入決定の第一の要素が美学である宝飾品類のような他の多くの製品の場合、当てはまらない。従来、製品カタログとウェブサイトは顧客に提案した製品の高品質な画像を提供できたが、それはこのような製品はカスタマイズ可能でなかったからである。従って、従来は購入前に顧客にカスタマイズできない製品の単一の画像を提供することで十分だった。製品がカスタマイズ可能であったときでさえ、高度にカスタマイズ可能ではなかった。例えば、いくつかの場合、製品の色を少規模の提案色から選択することが可能だった。この場合、従来のカタログとウェブサイトは製品の単一の画像を色とりどりに表示するか、或いはその代わり該製品の個別の画像を色毎にひとつ表示することが可能だった。
【0004】
このような技術は、カスタマイズ不可能な製品または極めて限られたカスタマイズ可能性を有する製品には十分であろう。しかし、このような技術では、顧客が購入決定をする前に顧客が高度にカスタマイズ可能な製品の外見を正確に理解すように十分に伝えることができない。顧客にとって製品の最終外見が特に重要であれば、全ての特注内容を反映する最終製品の正確な表示を見られないと、顧客はこのような製品を購入したくなくなるであろう。
【発明の概要】
【0005】
顧客が購入前に評価するため製品の特注のバージョンを見えるようにする一つの方法は、顧客のコンピュータに製品をカスタマイズ出来得るバージョンの全てをレンダリングするためのソフトウェアを提供することであるが、既存の技術を使用すると、各顧客のコンピュータが三次元CADモデルを基本に該製品のリアルな二次元レンダリングを作り出すことのできる強力なCADソフトウェアを備えることが必要になる。この原価および費用を進んで負担する顧客は、いたとしてもわずかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って必要とされるものは、高度にカスタマイズ可能な製品の広範囲の高品質画像を即座に生み出し、表示するための改良された技術である。
【0007】
コンピュータシステムは、例えば1個の宝飾品類のような物体の三次元モデルを含む。該モデルは多数の層に分割され、その各々は該物体の一つまたは複数の要素を含む。各層は一つまたは複数の属性型と関連し、該属性型の各々は対応する複数の可能である属性値と関連する。このシステムは各層を、各可能である属性型およびその属性と層の各可能である属性値と先行レンダリングする。その結果としての層レンダリングは相互に組み合わせられ、属性値の可能性のある全ての組合せを先行レンダリングする必要無しに、該物体全体の個性化されたレンダリングを作り出し得る。層のレンダリングおよび最終の完全な物体の個性化の責任は顧客とサーバーとの間で種々の仕方で分割され、効率を高め得る。
【0008】
例えば、本発明の一つの態様では、物体の三次元コンピュータモデルと関連してコンピュータが実行する方法が使用される。該モデルは複数の層を含み、該複数の層の各々は該モデルの少なくとも一つの対応する要素を含む。該複数の層の各々は少なくとも一つの属性と関連する。該方法は、(A)複数の層レンダリングを作り出すために、該複数の層の各々を少なくとも一つの属性の複数の値の各々とレンダリングすることと;(B)複数の属性値を特定する個性化された物体の第一のレンダリングのための第一の依頼を受けることと;(C)複数の層レンダリングの中から、特定された複数の属性値に対応する層レンダリングのサブセットを選択することと;(D)前記個性化された物体の第一のレンダリングを作り出すために、選択された層レンダリングのサブセットを組み合わせることと;を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一態様による、指輪の3次元モデルの2次元レンダリングを示す図である。
【図2】本発明の一態様による、指輪のような物体を表す物体モデルのダイアグラムである。
【図3】本発明の一態様による、異なる属性値を使用して物体モデルの種々の層のレンダリングを示す図である。
【図4】本発明の一態様による、物体の層のレンダリングを創る方法のフローチャートである。
【図5】本発明の一態様による、図4の方法を実施するシステムのデータフローダイアグラムである。
【図6】本発明の一態様による、物体の特注図を作るために4つの層のレンダリングを組み合わせる例を示す。
【図7】本発明の一態様による、物体の全体のレンダリングを作るために複数の層のレンダリングを組み合わせるシステムのデータフローダイアグラムである。
【図8】本発明の一態様による、図7のシステムにより実施される方法のフローチャートである。
【図9】本発明の一態様による、レンダリングされた物体のスケールを示すために参考物体を使用することを示す。
【図10】本発明の一態様による、物体の「接近通過」図を示す。
【図11】本発明の一態様による、シャドウを有するグラウンド面の物体の層のレンダリングとの組み合わせを示す。
【図12A−D】本発明の一態様による、可変形状要素を固定形状要素のレンダリングとの組み合わせを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の態様は、指輪または他の宝飾品類といったある物体の3D(3次元の)モデルから、その物体を要素化された2D(2次元)にラスタライズされた図を効率的に生み出す方法を目的とする。3DのCAD(コンピュータ支援設計)モデルが、該物体の完全な3D図形を描くために使用される。該物体は要求に応じて個別化され得る要素または部分に分解される。
【0011】
例えば、指輪は脚部、中央石、側石、および関連した台枠を有し得る。該指輪を個性化するために、使用者は中央石および側石の型、或いは脚部の金属型、中央石の金属型および側石用台枠の金属型を変えたいと思う可能性がある。本発明の態様は、該物体の3DCADモデルを構造化し、ラベルを貼り、処理することによって該指輪または他の物体の要素を個性化し、現実的な写真図、および個性化した物体図の大量の組み合わせ図を作るよう、要求に応じて組み合わせることが出来る扱いやすい一組みの2D図を作り出す。
【0012】
より具体的には、本発明の態様によれば、デザイナーまたは他の使用者は、例えば標準のCADソフトウェアを使うことによって物体の3Dモデルを創り得る。図1を参照すると、物体、本実施例では指輪、の3次元モデル100の2次元レンダリングの例が示されている。図2を参照すると、指輪などの物体を表わす物体モデル200のダイアグラムが示されている。
【0013】
図1に示す特定の指輪の物体のレンダリング100は8個の要素102a−g、すなわち、脚部102a、中央石用の台枠金属102b、中央石102c、第一の対の側石102d−e、および第二の対の側石102f−gを有する。同様に、図2に示す対応する物体モデル200は、図1のレンダリング100の要素102a−gに対応する要素202a−gを有する。図2に示す特定の物体モデル200は、7個の要素202a−gを有するが、これは一例に過ぎず、物体モデルは任意の数の要素を有し得る。
【0014】
特定の物体モデルの要素は任意の方法で選択され得る。例えば、該モデルは、ウェブサイトを通じての顧客による個性化などのような特定のドメインに関連した要素にも分解され得る。しかし、要素は任意の方法でCADモデルの中から選択され得る。
【0015】
物体モデル200の要素202a−gは、ドメインに関連した本物体の特性を表し得るm層にグループ分けされ得る。図2に例示する物体モデル200は4個の層204a−d(すなわちm=4)を有するが、物体モデルは夫々任意の数の要素を有し得る任意の数の層を有してよい。
【0016】
図2に例示する物体モデル200において、層204aは要素202a−bを有し、層204bは要素202cを有し、層204cは要素202d−eを有し、層204dは要素202f−gを有する。同様に、物体モデル200のレンダリング100は層204a−dに分割され得て、層104aは脚部要素102aおよび中央石設定金属要素102bを有し、層104bは中央石要素102cを有し、層104cは第一の側石要素102d−eを有し、層104dは第二の側石要素102f−gを有する。
【0017】
要素は任意の方法で層内にてグループ化され得るが、類似する要素を単一の層内に一緒にグループ化するのが特に有用であり得る。例えば、層104cは複数の側石102d−eを有して、層104cの全ての側石102d−eを個性化することを容易にしている。別の例として、指輪が100個の側石を有するとした場合、それらの側石は各々が50個の石を有する2層にグループ化が可能であるので、使用者は二つの独立したサブセットについて特性(例えば、石の型)を別個に選択可能となる。これらはただ単に要素が層にグループ化され得る方法の例に過ぎず、本発明の限定を構成するものではない。
【0018】
層を創り、かつ管理するプロセスを容易にするために既存のCADソフトウェアの特性を使用してよい。例えば、多くの既存のCADパッケージにより、使用者はCADモデルの異なる要素を特別に名付けたグループ(すなわち金属01、宝石01、等)に編成することが可能となる。このような特別に名付けたグループを創り該物体モデルの層を表わすことができる。要素を該グループに追加することが可能で、該物体モデルの層に該要素を加えることができる。各層の属性はCADシステムにロードすることが可能なので、CADシステムは任意の特別の層の要素に任意の適用可能な属性を適用し得る。
【0019】
物体モデル200の層202a−dの夫々は、該物体の物理的特性を表現するn個の属性を有し得る。図2に示す例では、要素202aは2個の属性206a−bを有する。属性206a−bの夫々は型と値(属性206aは型208aと値208bを有する;属性206bは型210aと値210bを有する)を有する。属性の型の例には、限定するものではないが、色、材料の型(例えば、金属または石の型)、形状、大きさ、および仕上げが含まれる。各属性型は対応する許容されるセットまたは範囲の属性値を有し得る。例えば、「金属型」という型を有する属性は「金」および「銀」などの許容される値を有し得るが、「大きさ」という型を有する属性は1mmから500mmの範囲の浮動小数点数である許容される値を有し得る。各属性は任意の数の許容される属性値を有し得る。
【0020】
説明を容易にするために、要素202aの属性のみが図2に示されている。しかし、要素202b−gは図2に示されていないが、要素202b−gが独自の属性を有することが想定される。
【0021】
各要素は任意の数の属性を有し得る。すなわち、値nは要素によって異なってよい。本明細書に提示する実施例では、属性は個別の要素ではなく層全体と関連しており、その場合特定の層に関連した属性の型と値はその層内の全ての要素に適用される。この場合、値nは層によって異なり得る。
【0022】
図3は単純化した例を示すが、図1の層104a−dの各々が丁度ひとつの属性を有し、その各々が持ち得る四つ値を有している。具体的には、行302aは層104aの、「金属カラー」属性という持ち得る四つの値を表す四つのレンダリング304a−dを図示し、行302bは層104dの、「石カラー」属性という持ち得る四つの値を表わす四つのレンダリング306a−dを図示し、行302cは層104cの、「石カラー」属性という持ち得る四つの値を表わす四つのレンダリング308a−dを図示し、行302dは層104bの、「石カラー」属性という持ち得る四つの値を表わす四つのレンダリング310a−dを図示している。
【0023】
図1乃至図3で示した実施例は固定数の層を有する物体を図示するが、これは本発明の必須要件ではない。代替として、層の数mは、特定の物体にたいして可変である。例えば、ブレスレットを表わす物体の各層は該ブレスレットで異なる鎖を表わし得る。使用者は該ブレスレットに鎖を追加および/または減ずることができ、よってブレスレットを表わす物体モデルに層を追加および/または減ずることができ得る。別の例として、イヤリングは可変数の層に対応して可変数の位置を有し得る。可変の層を使用することは、宝飾品類のアクセサリーを表わすのには極めて有用であるが、どんな目的にも利用され得る。物体内のある層は要望に応じて指定され得ようが、その場合該層は対象となっている物体モデルから除外されないだろう。例えば特定の物体モデルに追加され得る追加層の最大数などのような他の制限が層におかれ得る。
【0024】
図2に示す物体モデル200のような物体モデルが一度存在すると、本発明の態様は、持ち得る全ての属性値を有する該物体モデルの層でできた一組の2D図をレンダリングし得る。このようなレンダリングを創る方法400の一態様を図4に示す。図5は図4の方法400を実施するシステム500の一態様を図示する。
【0025】
システム500は物体モデル200(ステップ402)の各層L上のループに入るレンダリングエンジン502を含む。このループ内でレンダリングエンジン502は、層Lの属性値間の可能性のある各組合せA上のループに入る(ステップ404)。これらの組合せの数は層Lの各属性型について可能のある属性値の数の総和に等しい。
【0026】
方法400では、現行の属性値Aの組合せを現行の層L内の全ての要素に適用し、その結果得られた要素をレンダリングし、層Lの二次元レンダリングを作成する。レンダリングエンジン502は各層Lを任意の仕方で、例えば、商業的に入手可能な光線追跡ソフトウェア(例えば、VRay)を使用して、物質(例えば、金属、宝石の原石)の特性を画定してレンダリングし、「実物そっくりに」写真のようにリアルな画像を作成し得る。
【0027】
各層の最終レンダリングはその層の物体のみを表わすが、レンダリングエンジン502が特定の層Lをレンダリングするとき、層Lの要素のみだけでなく他の層の要素をもレンダリングし、層Lの最終レンダリングをよりリアルにし得る。例えば、特定の層Lのレンダリングを作成するために、レンダリングエンジン502はまず初めにモデルの物体全体をレンダリングすると、現行の層L上の他の層のいかなる効果もレンダリングに反映され得る。次に現行の層Lと異なる層の要素の表示は層Lのレンダリングから除去され、層レンダリング504に蓄えられる層Lの最終レンダリングを作成する。これは例えば、アルファ・チャネルを使って達成され得、これにより物体がその場に存在することができ、最終画像ファイルに保存されずに光の反射、屈折、シャドウ、等に影響を与え得る。
【0028】
レンダリングエンジン502はステップ406を層L内の残りの全ての属性値の組合せにたいして繰り返す。(ステップ408)。レンダリングエンジン502はステップ404乃至408を物体モデルの残りの層にたいして繰り返す。(ステップ410)。このプロセス400の結果、別個の二次元レンダリングが各層内の属性値の各可能な組合せにたいして作成される。例えば、図2に示す物体モデル200の場合、四つの層204a−dを有するが、レンダリングエンジン502は、層204aの一組のレンダリング302a、層204bの一組のレンダリング302b、層204cの一組のレンダリング302c、および層204dの一組のレンダリング302dを含む、層レンダリング504を作成する。
【0029】
その結果得られる2Dレンダリング504は任意の形式で、例えば、ハードディスク或いは他の記憶媒体にある個別の画像ファイルに蓄えられ得る。層レンダリング504に関連した属性および他のデータに関する情報もまた、任意の形式で蓄えられ得る。このようなデータは、例えば、レンダリング504を含むファイルと同じファイルまたは別のファイルに蓄えられ得る。
【0030】
属性値は、全てが相互に異なるレンダリングにはなるわけではない。例えば、層の或る属性値を変えることは、ただ単に該層の要素の価格に影響を与え得るだけであり、その層の要素がレンダリングされる方法に影響を与えないかもしれない。言いかえると、特定の属性のうち二つの異なる値は結果としてその対応する層の同じレンダリングとなり得る。この場合、両属性値について該層の個別の、余分な、レンダリングを創る必要はない。代わりに、単一のレンダリングが両属性値を表わすために使用されてよい。
【0031】
このような余分なレンダリングは種々の方法のうち任意の方法で消去してよい。例えば、全てのレンダリングは最初図4の方法400を使用して作成され得る。次に余分なレンダリングが確認され、集約されて、二つ以上の余分なレンダリングの各組が減じられ、単一の代表的なレンダリングとなる。該組のレンダリングの全てが物体全体をレンダリングするのに使用するように求められるとき、該代表的なレンダリングが使用され得る。
【0032】
代替として、例えば、余分なレンダリングが余分なレンダリングが作成される前に確認され得る。例えば、ステップ406において方法400は、現行の属性値Aの組合せを使って現行の層Lの要素のレンダリングすることは、方法400によって既に生産されたレンダリングを作成するかどうかを決定し得る。作成する場合、方法400は、同レンダリングを再度作成するのをやめ、その代わり属性値Aを使う層Lのレンダリングが必要な時はいつも先に作り出されたレンダリングを使うようにと指示するポインタまたは他の記録を保存し得る。
【0033】
物体モデル200は前記層レンダリングを作るのに使用される属性に加えて、要素202a−gに関するデータを含み得る。このようなメタデータ212の例を、要素202aと関連させて、図2に示す。このようなメタデータ212は、ステップ404の属性値の可能性のある組合せを作り出す目的では、方法400によって属性として扱う必要はない。大概、メタデータ212は、ステップ406で層レンダリングを作り出す場合、方法400によって使用する必要は全くない。このようなメタデータの例は、要素の価格およびSKUを含む。要素202aと関連させてメタデータ212のみを、例として図2に示しているが、物体モデル200の要素202a−gのうち任意の要素と任意の種類と量のメタデータとを関連付けてよい。追加としてまたは代替として、メタデータは層204a−dの一つもしくは複数の層、または物体モデル全体と関連付けてよい。メタデータは自動的におよび/または使用者によって手作業で割り当ててよい。
【0034】
異なる層204a−dの二次元レンダリング504は、一度作り出されると、任意の組合せで相互に組み合わされ、モデル化した物体全体のカスタム図を多数形成し得る。図7を参照すると、本発明の一態様によりモデル化した物体全体のこのようなレンダリングを創るためのシステム700が示されている。図8を参照すると、本発明の一態様により図7のシステム700によって実施された方法800のフローチャートが示されている。システム700は、層レンダリング504の組302a−d(図5)の各々から一つのレンダリングを選択し一組の選択された層レンダリング704(図8、ステップ802)を作り出す、層レンダリングセレクター702を含む。図7に示した実施例では、選択された層レンダリング704は層202aに由来するレンダリング706a、層202bに由来するレンダリング706b、層202cに由来するレンダリング706c、および、層204dに由来するレンダリング706dを含む。層レンダリング組み合わせ器708は、選択された層レンダリング704を一緒に組み合わせ、モデルとなった物体の全体(図8、ステップ804)の二次元レンダリング710を形成する。物体のレンダリング710は、個別の層レンダリング504のように、三次元モデルではなくラスタ画像として表示され保存され得る。
【0035】
図6は、レンダリング304cが層レンダリング302a(層1)から選択され;レンダリング306bが層レンダリング302b(層2)から選択され;レンダリング308aが層レンダリング302c(層3)から選択され;レンダリング310cが層レンダリング302d(層4)から選択される、例を示す。この例では、層レンダリング304c、層レンダリング308a、層レンダリング310cおよび層レンダリング306bは夫々、選択された層レンダリング706a、層レンダリング706b、層レンダリング706c、層レンダリング706dを表わす。これらのレンダリング304a、308a、310c、306bは、一緒に組み合わされて物体モデル200がモデルとなった物体全体のレンダリング600を形成し、属性値の特定の組合せを表現する。図6のレンダリング600は、図7の物体レンダリング710の例である。
【0036】
例えば図6に示す物体レンダリング600のような物体レンダリングを作り出すために方法400(図4)および方法800(図8)を組合せて使用する利点をよく理解するために、単一の脚部、単一の中央石、中央石用の台枠金属、および100個の側石;全部で103要素(1個の脚部、1個の中央石、1個の中央石用の台枠金属および100個の側石)を有する指輪を考える。指輪の要素は、例えば、層1が脚部で層2が中央石用の台枠、層3が中央石、層4が50個の交互性の側石、そして層5が残りの50個の交互性の側石である、5個の層に割り当てられ得る。該脚部層が10個の可能である値(10個の可能である金属の型)を表わす)を有する「金属型」属性を有し、該中央石用の台枠が10個の可能である値を有する「金属型」属性を有し、該中央石が21個の可能である値を有する「宝石型」属性を有し、二つの側石層の各々がそれ自身の21個の可能である値を有する「宝石型」属性を有すると、仮定しよう。この場合、図5に示す層レンダリング504を作り出すために、全部でわずか62の二次元図(10+10+21+21+21)だけが方法400によってレンダリングされる必要がある。しかし、この少数のレンダリングは926,100個の可能性のある置換、または「個性化された」図に組み合わされ得る。
【0037】
従って、本発明の態様の一つの利点は、該態様が、物体のごく少数の層のレンダリングだけを行って大多数の個性化された物体のレンダリングを作り出すのに使用され得ることである。これは重要である、なぜなら、各個別の層レンダリングを創り、該層の二次元のラスタライズされた画像を三次元CADモデルから作り出すのに図4で使われるプロセス400は、実行するのに甚大なコンピュータ処理資源或いは甚大な時間を必要とし、資源集約的であるからである。それと対照的に、既存のラスタライズされた層レンダリングを一緒に組み合わせてモデルとなった物体全体のラスタライズされた画像を作り出すために図8で使うプロセス800は、計算論的に安価である。
【0038】
本発明の態様は、相対的に少数の層レンダリング504を作り出すために、図4の計算論的に高価であるプロセス400を単回実行することのみを必要とする。分散コンピューティング環境では、このプロセス400は、例としてサーバー、グラフィックワークステーションまたはこれらのコンピュータのクラスターのような重要なコンピューティング資源を有するコンピュータで実行され得る。そこで、一度層レンダリング504が作り出されたら、物体全体の任意の数のリアルなラスタ画像が、図8の方法800を使用してそれほど強力でないコンピュータによって即座に何度でも作り出される。従って、本発明の態様は特注の物体のリアルな画像を作り出ことにおいて、これまでに使用されてきた技術と比較してこれらの画像の質を少しも失わずに、著しく増加した効率性を提供する。
【0039】
より具体的には、もし
【数1】
が層iのk番目の属性を意味し、mが層の総数を意味する時、この方法を使うと、概して全体で
【数2】
個の図が、
【数3】
個の可能性のある個性化された図を作り出すのにレンダリングされる必要があるであろう。これは、物体全体の可能な個性化された図全部を作り出すのに実行しなければならないレンダリングの数のかなりな減少を表す。
【0040】
本発明の態様は、モデルとなった物体200のレンダリングとは異なる情報を表示するのに使用され得る。例えば、それは、2D図で3Dモデルを提示し共通の参考物体に関して物理的尺度を示すとき有用である。例えば、宝飾品類のモデルに対して10セント硬貨または他のコインが共通の参考物体として使用され得る。図9はそのような例を示し、尺度にレンダリングされた指輪と10セント硬貨の両方を示すレンダリング904を作り出すのに、指輪のレンダリング100は10セント硬貨のレンダリング902と組み合わされている。
【0041】
組み合わされたレンダリング904は、例えば、指輪と10セント硬貨のラスタライズされた画像を一緒に組合せることによって作り出され得る。例えば、参考物体のレンダリングは種々の空間視界にて創られ得るし、その結果得られるレンダリングは後で使用するために他の物体のレンダリングと組合せて保存され得る。図9の例に示すように、該参考物体は、レンダリングされる最初に物体を見えなくしないように半透明としてレンダリングされ得る。
【0042】
本明細書で開示される或る実施例では、異なる要素が、先にラスタライズされたそれらの要素の画像を単に組み合わせることによって一緒に組み合わされるが、要素は他の方法で組み合わされ最終物体レンダリング710を作り出し得る。例えば、もし使用者がペンダントに含めるのに特定の鎖を選択すれば、その結果得られるペンダントはレンダリングされて該鎖を該ペンダントの枠を通り抜けるように表示し得る。最終レンダリングは鎖の大きさと枠の大きさを反映して、枠を通り抜けたら鎖がどう見えるかを正確に表し得る。
【0043】
別の例として、指輪は人間の手のモデルに適合するものとしてレンダリングされ得る。同様に、ネックレスは人間の首のモデルに適合するものとして表示され得る。このようなレンダリングはこのような宝飾品類が人間の体の特定の部分に付けられた時どのように見えるかを正確に表し得る。
【0044】
上述した物体の層の第一の組のレンダリング504に加えて、種々の観点からの物体全体の2D図の組が作り出され、該物体の3D仮想現実(VR)「接近通過」を可能にする。接近通過を含む一連の2D図は、例えば、異なる空間位置からの該物体の「カメラ」視界を含み得る。このような視界1002a−1の例を図10に示す。図10から分かるように、もし視界1002a−1が連続してスクリーン上に表示されるとしたら、その結果はその指輪の周りを飛んでさまざまな観点から見ているように現われることになろう。
【0045】
このようなさまざまなカメラ視界は、上に開示した技術を使い、先に選択された属性値の組合せを使用してレンダリングされ得る。代替として、例えば、異なるカメラ視界1002a−1は、レンダリングされる物体の異なる個性化された組合せを含み得る。すなわち、物体の一つ以上の層の属性値はカメラ視界によって異なり得る。このようなカメラ視界がアニメーションとして表示されるとき、その効果は接近通過が進行するにつれて属性値(例えば、石の型/色、金属の型/色)が変化することを示すことである。このプロセスは更に接近通過アニメーション全体を使用者が選択した個性化された形態で作り出すために使用され得る。この方法で属性値を変える一つの利点は、それが使用者に同じ物体を異なる角度から見るのみならず物体の異なる個性化も見ることを可能にすることであり、しかも物体の明確な各個性化にとって完全な接近通過をレンダリングするのに必要な資源諸経費(メモリ、処理時間、およびディスク保存)を被ることなしにということである。
【0046】
モデルとなった物体200の最終レンダリング710にシャドウを含むこともまたレンダリング710を可能な限りリアルにするために望ましいことである。しかしながら、層の要素によりその要素のための属性値の全ての可能な組合せのために創られたシャドウの個別のレンダリングを保存することは非効率である、なぜなら、大概の属性値(例えば、色および材料)における変化は該層が投げ掛けたシャドウに影響を与えないからである。従って、物体の固定形状を有する全ての要素のシャドウは、レンダリングされ、本明細書で「グランド面」と言及される単一の層に保存され得、該層はその目的が該物体の固定形状要素が投げかけたシャドウを保存することなので、「シャドウ層」と考えられ得る。その結果、このようなシャドウはそれらの要素の他のレンダリングに保存される必要はない。具体的には、このようなシャドウは層レンダリング504(図5)に保存される必要はない。その代わり、該グランド面は層レンダリング504に追加しておよび層レンダリング504から分離して層レンダリング(例えば、ラスタ画像)として保存され得る。更に、多重の異なるグランド面層が多様な色とパターンから創られ得る。この目的は、該物体が美観のために異なる環境で表示されるのを可能にすることである。
【0047】
物体モデル200の全体が後にレンダリングされるとき、最終物体レンダリング710を作り出すために、一つ以上のグランド面が選択された層レンダリング704と図7のシステムで実行されるプロセス800の一部として組み合わされ得る。図11は、グランド面1102が物体レンダリング1104と組み合わされ、グランド面1102からのシャドウと物体レンダリング1104からの要素の両方を含む最終物体レンダリング1106を作り出す例を示す。
【0048】
形状が可変であるそれらの要素のシャドウは、不変形状を有するシャドウからは異なって扱われ得る。具体的には、可変形状要素のシャドウはレンダリングされ、(グランド面内よりは)その要素自身の層レンダリング504内に保存され得る。例えば、もし特定の要素が矩形かまたは卵型の形状を有し得るなら、該要素の矩形バージョンおよびそのシャドウがレンダリングされ、ひとつの層レンダリングに保存され得る一方で、該要素の卵型バージョンおよびそのシャドウはレンダリングされ、別の層レンダリングに保存され得る。もしも該要素の矩形バージョンが後に最終物体に含めるように選択されれば、矩形物体およびそのシャドウの先行レンダリングは他の選択された要素と組み合わされ、最終物体レンダリングを作り出し得る。
【0049】
不変形状要素のシャドウをグランド面に保存し、可変形状要素のシャドウをそれらの要素の層の個別のレンダリングに保存する一つの利点は、このスキームが必要なだけ多くの異なるシャドウを保存し、正確な最終物体レンダリングを作り出すことである。図12A−Bを参照すると、可変形状物体のレンダリングが不変形状物体のレンダリングと組み合わされる例が示されている。図12Aは、可変形状要素の第一のレンダリング1202aがそれらの要素のシャドウを含み、不変形状要素のレンダリング1204がそれらの要素のシャドウを含まない例を図示している。レンダリング1202aはそれが含むシャドウを含め、レンダリング1204と組み合わされ、最終物体レンダリング1206aを作り出すことに注意されたい。レンダリング1204に不変形状物体のシャドウを表わすグランド面は更にレンダリング1202aおよびレンダリング1204と組み合わされ、最終物体レンダリング1206aを作り出すことが可能である。
【0050】
図12Bは、レンダリング1202aからの可変形状要素の第二のレンダリング1202bがそれらのシャドウを含む例を図示する。レンダリング1202bのシャドウはレンダリング1202aのシャドウとは異なっている。図12Bでは、不変形状物体の同じレンダリング1204が使用される。レンダリング1202bは、それが含むシャドウを含み、レンダリング1204と組み合わされ、最終物体レンダリング1206bを作り出す。
【0051】
固定形状要素と正確に連動しつつ、どの要素の第二の画像も必要とせずに可変形状要素を可視化するリアルな効果を達成するために、該可変形状要素はその独自の面に分離され得る。例えば、図12Aおよび図12Bにおいて、グランド面1202aと1202bは可変形状要素とそれらのシャドウの両方を含むことを思い出してほしい。代替として、例えば、図12Cと図12Dに示した態様では、グランド面1212a、1212bはシャドウのみを含む;すなわち、可変形状要素は含まない。
【0052】
その代わりに、図12Cと図12Dに示した態様では、可変形状要素は面1215a、1215bに分離される。図12Aおよび図12Bにおいてのように、固定形状要素は図12Cと図12Dの独自の面1214内に保持される。注意されたい。穴が面1215a、1215bの可変形状要素内の適切な位置でレンダリングされ、固定形状要素と可変形状要素とが一緒に組み合わされるとき該可変形状要素が面1214の固定形状要素とリアルに相互作用し得る。具体的には、該穴は固定形状要素が可変形状要素と交差する位置に置かれる。
【0053】
図12Cまたは図12Dの層が組み合わされると、グランド(シャドウ)面(層1212aまたは層(121b)が最初にすなわち、スタックの「底で」レンダリングされ得る。固定形状要素(層1214)が次に、すなわち、スタックの「真ん中」のグランド面の「頂部」上でレンダリングされ得る。可変形状要素(例えば、層1215aまたは1215b)が最後に、すなわち、スタックの「頂部」で残りの2面の「頂部」上で層化され得る。これで、固定形状要素が可変形状要素の穴を通過するように現れるリアルな三次元効果が達成される。
【0054】
層レンダリング504の各々は、一つ以上の属性値とレンダリングされた特定の層を表す。層レンダリング504の各々は、特定の層を特定の属性とエンコードする特定のファイルが容易に確認されるように、例えば、該層レンダリングをファイル名を有するファイルに保存することによって、層の名前および層の属性の名前(例えば、型)のような情報とエンコードされ得る。このようなファイル名は、例えば、
【数4】
のようなフォーマットを有し得る。多数の属性の名前はこのようなファイル名内にエンコードされ得る。
【数5】
は正面、側面または上面のような、層レンダリングの図のタイプを表すことを注意されたい。
【0055】
例えば、ファイル名
【数6】
は、中央石層(ファイル名では“CS”)に選択され、透視図(ファイル名では“P”)でレンダリングされたエメラルド(ファイル名では“E”)を含む層のレンダリングを含むファイルを保存するのに使用され得る。別の例として、ファイル名
【数7】
は脚部金属層(ファイル名では“SM”)に選択され、また透視図(ファイル名では“P”)でレンダリングされた、ローズゴールド(ファイル名では“RG”)を含む層のレンダリングを含むファイルを保存するのに使用され得る。このエンコードスキームは、2D層レンダリング504を最終物体レンダリング710に組み合わせるのを容易にするのに使用され得る。
【0056】
同様に、最終物体レンダリング710はどの層が最終物体レンダリング710に表わされているかの情報をエンコードする、ファイル名を有するファイルに保存され得る。例えば、指輪の場合、以下の形のファイル名が使用され得る:
【数8】
。
例えば、ファイル名
【数9】
は、イエローゴールド脚部(ファイル名で“YG”)が、透視図(ファイル名では“P”)でダイヤモンド一次側石およびエメラルド二次側石(ファイル名では“DE”)を有するエメラルド中央石(ファイル名で”E“)と組み合わされる指輪用に使用され得る。
【0057】
上述したように、物体モデル200の全ての情報が目立った層レンダリングを作り出すのに使用される必要はない。むしろ、物体モデル200の或る情報は、他の目的のために使用され得る。ひとつの例は、特定の特注物体(すなわち、属性値の特定の組合せを反映する個性化された物体)の価格を計算することである。このような計算は、例えば、物体モデル200の属性値を価格計算エンジンに提供し、該エンジンは属性値(場合により、宝石の特定の型の時価、利幅額および値引きといった情報との組み合わせで)を使って個性化された物体全体の価格を計算することによって実行され得る。メタデータ212のようなメタデータが、該物体モデルの属性値に加えて或いはその代わりに、価格計算を実施するのに使用され得る。
【0058】
特定の要素の値付けは任意の仕方で、例えば、該要素の特性(例として、大きさ、材料)を計算して、或いは単に要素の価格(データベースへの索引として要素のSKUを使って)を調べて、決定され得る。しがし、価格が計算されても、その結果としての価格は最終物体レンダリング710の一部か追加として使用者に表示され得る。結果として、消費者は各層にたいして特定の組の属性値を選択し、それに応じて即座にその関連した価格に沿って、物体の写真のようにリアルなレンダリングを見ることができる。
【0059】
個性化された物体レンダリングを創るプロセスにおける異なるステップを実行する責任は、コンピュータ装置および要素の間で種々の仕方の任意の仕方で分担される。例えば、顧客サーバーシステムでは、図4の先行レンダリングプロセス400を単回実行できた。次に、顧客の一人の使用者が属性値の特定の組合せを有する個性化された物体を依頼する時、顧客は該属性値をネットワーク上でサーバーに伝達することが出来た。
【0060】
それに応じて、サーバーはネットワーク上で顧客に選択された属性値に対応する先行レンダリングされた層レンダリングを送り返した。次に、顧客は図8の層組合せプロセス800を実行して、使用者が選択した属性値の特定の組合せを有する個性化された物体の最終レンダリングを作り出すことが出来た。
【0061】
別の例として、顧客からの依頼に応えて、サ−バーは図8の層組合せプロセス800を実行して、使用者が選択した属性値の特定の組合せを有する個性化された物体の最終レンダリングを作り出すことが出来た。次に、サーバーは個性化された物体のレンダリングをネットワーク上で顧客に送り返すことが出来た。次に、顧客は個性化された物体のレンダリングを使用者に単に表示することが出来た。
【0062】
更に別の例として、サーバーは層レンダリング504の全部を各顧客に一度だけの伝達を実行し得る。次に、特定の顧客の使用者が属性値の特定の組合せを有する特定の個性化されたレンダリングを依頼する時、顧客はサーバーを訪問する必要なしに図8の層組み合わせプロセス800を実施し得る。
【0063】
これらの場合のいずれにおいても、顧客のコンピュータは図4のコンピュータ的に集中した層レンダリングプロセス400を実行する必要はない。結果として、顧客のコンピュータは相対的に家庭用コンピュータ使用者が概して使う種類のような、通常のウェッブブラウジング顧客を有するが図4の層レンダリングプロセス400を実行するのに必要なCADソフトウェアや他のソフトウェアを欠く低価格のコンピュータであり得る。
【0064】
一度特定の個性化された物体のレンダリングが作り出されると、顧客によってであろうとサーバーによってであろうと、該個性化されたレンダリングは、図8の層組合せ方法800を再実行する必要無しに属性値の同じ組合せへの後に依頼に応えて表示されるように、キャッシュに格納され得る。もし個性化された図がサーバーに創られると、次にこのキャッシングはサーバーにて実行され得る。追加として、或いは代替として、サーバーはこのような個性化された図を一人以上の顧客に伝達すると、同顧客の後の依頼は、サーバーに行かなくとも、即座に扱われる。
【0065】
もしこの個性化された物体の図が、顧客の機械により作り出されると、このようなキャッシングは、各個性化された図を生み出すので、例えば、各顧客において実行され得る。追加として、或いは代替として、各顧客は該器械が生み出しサーバーに戻す任意の個性化された図を伝達し得るので、同じまたは他の顧客による後の依頼は、同じ図を再び作り出す必要なしに扱われる。
【0066】
更に個性化された物体の図が使用者に表示され得る速さを上げるために、属性値の或る組合せを表す或る個性化された物体の図が、完全な物体レンダリングに先に作り出され得て、このようなレンダリングは、属性値のその組合せを選択すると、図4の層レンダリングプロセス400または図8の層組合せプロセス800を実行する必要無しに使用者に即座に表示する体制になる。
【0067】
先行レンダリングする特定の組の個性化された物体の図は、任意の仕方で選択され得る。例えば、結婚指輪で使われる白金およびダイヤモンド石のような公知のまたは極めて好ましいと疑われている或る属性値の組合せは、最終物体レンダリングに先行レンダリングされ得る。使用者が属性値の任意のこのような組合せを選択するとき、対応する物体レンダリングは単にその先に作り出された物体レンダリングを使用者に表示するだけで、使用者に即座に表示され得る。
【0068】
先行レンダリングする属性値の組合せも、例えば、ルールを使って選択され得る。例えば、特定のルールは、特定の種類の宝飾品類または特定のモデルの指輪に適用し得る。例えば、「婚約指輪」ルールは、石としてはダイヤモンドを使うのが婚約指輪には好ましい、そして婚約指輪内では或る色は他の或る色と組み合わされるべきでない、と特定するであろう。このようなルールは次に、該ルールを満たす全ての要素の組合せを自動的に先行レンダリングするのに使用され得る。このような先行レンダリングは例えば、使用者が使用する該システムを配備する前に、商人の場所で作り出され得る。
【0069】
このような先行レンダリングの組合せは種々の仕方の任意のもので作り出され得る。例えば、それらは使用者が選択する個別の属性値に基づき、物体全体を単一のシーンとしてレンダリングすることにより、作り出され得る。別の例として、先行レンダリングされた組合せは、使用者がプロセス800を使って個別の要素の既存の先行レンダリングを一緒に組み合わせることにより、作り出され得る。後者の技術はよく知られた先行レンダリングを作り出すために必要な時間量を大きく減ずるのに使用され得る。
【0070】
使用者が特定の要素の組合せを求め得る検索設備が準備され得る。検索は二つの仕方で行われ得る:すなわち、静的検索および動的検索である。静的検索では、先行レンダリングされた組合せのみ検索して入手可能である。従って、初めにシステムが開始されるとき先行レンダリング用に先に選択された組合せのみ、検索して入手可能である。使用者が特定の属性(本明細書では「特定の差異」とも言及される)を有する要素の特定の組合せを選択したとき、このような特定の差異のレンダリングは保存され、検索して入手可能な特定の差異の蓄えに追加され得る。動的検索では、該システムは物体の全属性を問い合わせ、要素の組合せが検索基準を満たすか否かを決定する。もし要素の組合せが属性問い合わせを介して検索基準にマッチすれば、そして対応する物体が存在しなければ、該物体は動的に創られ、検索結果に戻される。動的検索は静的検索より多くの実行経費を被ることに注意されたい。
【0071】
本発明を特定の態様において上述したが、先行の態様は説明としてのみ提示されるのであって、本発明の範囲を限定もしないし、画定もしないことを理解されたい。他の種々の態様は、以下を含むも限定されるものでなく、同様に、本特許請求の範囲の範囲内にある。例えば、本明細書で説明した原理および要素は追加の要素に分けられ或いは少ない数の要素に結合され、同じ機能を実行でき得る。更に、本発明の特定の態様が宝飾品類と関連して説明されているが、同じ技術はいずれの種類の物体にも適用し得る。
【0072】
例えば、本発明の態様により処理されるデータは、任意の形で保存され得る。例えば、三次元デザインデータはCADファイルに保存され得て、任意の数のファイル、例えば、デザイン毎に一つのファイル、層毎に一つのファイル、または、要素毎に1つのファイル、のように、再分割され得る。メタデータ、例えば、デザインにおける型および要素数に関する情報は、同じまたはデザインデータ自身と異なるファイルに保存され得る。
【0073】
図4に示す例では、方法400は、層Lをレンダリングするために各層Lの全ての属性の値の全ての組合せを使うが、これは本発明の要求することではない。むしろ、例えば、層の属性の型のサブセットのみが該層をレンダリングするのに使用され得る。別の例として、方法400は属性の全ての可能性のある値より少ない数で層レンダリングを作り出し得る。もし使用者がその後、要求された層レンダリングのかならずしも全てが事前に作り出されていない属性値の組合せを依頼する場合、必要とされた層レンダリングのいずれもがこの依頼に応えて作り出され得るし、その次に図8の方法800を使って最終物体レンダリングを作り出すのに使用され得る。代替として、例えば、使用者が依頼した属性値に最も近い属性値を表わす層レンダリングが選択され得るし、次に、図8の方法800を使って最終物体レンダリングを作り出すのに使用され得るし、よって、追加の層レンダリングを作り出す必要性を避けることになる。
【0074】
単一の物体モデル200のみ図2に示すが、本明細書にて開示される技術は、任意の数の物体モデルを含むシステム内で使用され得る。例として、オンライン小売ウェブサイトは使用者が複数の物体のどのひとつでも、例えば、複数の宝飾品類の品目のどのひとつでも、選択するのを可能にし得るし、次に本明細書に開示した技術を使って、選択した物体を購入するためにカスタマイズするのを可能にし得る。
【0075】
上述した技術は、例えば、ハードウェア、コンピュータ読み取り媒体に確実に保存されたソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで、実施され得る。上述した技術は、一つ以上のコンピュータプログラムにおいてプロセッサ、該プロセッサ(例えば、揮発性メモリおよび非揮発性メモリおよび/または記憶素子)が読み取り可能な保存媒体、少なくとも一つの入力装置、および少なくとも一つの出力装置で遂行して、実施され得る。
【0076】
以下の特許請求の範囲内の各コンピュータプログラムは、例えば、アセンブリ言語、機械語、ハイレベル手続き型プログラミング言語、または、オブジェクト指向のプログラミング言語のような、任意のプログラミング言語で実行され得る。プログラミング言語は、例えば、コンパイル済みまたはインタープリタ型プログラミング言語である。
【0077】
このような各コンピュータプログラムは、コンピュータプロセッサで実施する、機械読み取り記憶装置で正確に実体化したコンピュータプログラム製品で実行され得る。本発明の方法のステップは、コンピュータ読み取り媒体で正確に実体化したプログラムを実施するコンピュータプロセッサにより実行され、本発明の機能を入力で作動し、出力で生み出して、実行し得る。適切なプロセッサには、例証として一般目的マイクロプロセッサ、特定目的マイクロプロセッサ、の両方が含まれる。概して、該プロセッサは読み取り専用メモリおよび/またはランダムアクセスメモリから指示とデータを受け取る。コンピュータプログラム指示を正確に実体化するための適切な保存装置には、例として、EPROM、EEPROMを含む半導体メモリ装置のような全ての形の非揮発性メモリおよびフラッシュメモリ装置;内部ハードディスクおよび取り外し可能ディスクのような磁気ディスク;磁気光学ディスク;およびCD−ROMが含まれる。前述のいずれも特別にデザインされたASICs(特定用途向け集積回路)またはEPGAs(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)で補完されるか一体化される。コンピュータは概して更にプログラムとデータを、内部ディスク(図示せず)または取り外し可能ディスクのような保存媒体から受け取ることが出来る。これらのエレメントは、従来のデスクトップまたはワークステーションコンピュータ並びに本明細書に説明した方法を実行するコンピュータプログラムを実施するのに適切な他のコンピュータにも見出され、該方法は任意のデジタルプリントエンジンまたはマーキングエンジン、表示モニタ、または紙に色またはグレイスケールピクセル、フィルム、表示スクリーン、または他の出力媒体を作り出すことのできる他のラスタ出力装置と連動して使用され得る。
【技術分野】
【0001】
顧客は購入する製品に関して個人管理をますます求めている。例えば、多年、コンピュータ小売業者は顧客に購入したいコンピュータの詳細な要素を特定する能力を提供してきた。特定の顧客の特注に応じて、小売業者は顧客の特定した要素を有する単一のコンピュータを製造し、この特注で作ったコンピュータを該顧客に発送した。これが今や「大量特注生産」―高度にカスタマイズ可能な大量生産製品の一個の小量での製造と販売―として知られるようになったものの初期の例である。大量特注生産は現在、より広範な製品に広がっている。
【0002】
コンピュータの購入者はまずコンピュータの内部機能性に関心があり、その外観ではない。従って、コンピュータの購入者が特注のコンピュータがどう見えるかは購入を終えるまで比較的重要ではない。
【0003】
しかし、こでれは、顧客の購入決定の第一の要素が美学である宝飾品類のような他の多くの製品の場合、当てはまらない。従来、製品カタログとウェブサイトは顧客に提案した製品の高品質な画像を提供できたが、それはこのような製品はカスタマイズ可能でなかったからである。従って、従来は購入前に顧客にカスタマイズできない製品の単一の画像を提供することで十分だった。製品がカスタマイズ可能であったときでさえ、高度にカスタマイズ可能ではなかった。例えば、いくつかの場合、製品の色を少規模の提案色から選択することが可能だった。この場合、従来のカタログとウェブサイトは製品の単一の画像を色とりどりに表示するか、或いはその代わり該製品の個別の画像を色毎にひとつ表示することが可能だった。
【0004】
このような技術は、カスタマイズ不可能な製品または極めて限られたカスタマイズ可能性を有する製品には十分であろう。しかし、このような技術では、顧客が購入決定をする前に顧客が高度にカスタマイズ可能な製品の外見を正確に理解すように十分に伝えることができない。顧客にとって製品の最終外見が特に重要であれば、全ての特注内容を反映する最終製品の正確な表示を見られないと、顧客はこのような製品を購入したくなくなるであろう。
【発明の概要】
【0005】
顧客が購入前に評価するため製品の特注のバージョンを見えるようにする一つの方法は、顧客のコンピュータに製品をカスタマイズ出来得るバージョンの全てをレンダリングするためのソフトウェアを提供することであるが、既存の技術を使用すると、各顧客のコンピュータが三次元CADモデルを基本に該製品のリアルな二次元レンダリングを作り出すことのできる強力なCADソフトウェアを備えることが必要になる。この原価および費用を進んで負担する顧客は、いたとしてもわずかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って必要とされるものは、高度にカスタマイズ可能な製品の広範囲の高品質画像を即座に生み出し、表示するための改良された技術である。
【0007】
コンピュータシステムは、例えば1個の宝飾品類のような物体の三次元モデルを含む。該モデルは多数の層に分割され、その各々は該物体の一つまたは複数の要素を含む。各層は一つまたは複数の属性型と関連し、該属性型の各々は対応する複数の可能である属性値と関連する。このシステムは各層を、各可能である属性型およびその属性と層の各可能である属性値と先行レンダリングする。その結果としての層レンダリングは相互に組み合わせられ、属性値の可能性のある全ての組合せを先行レンダリングする必要無しに、該物体全体の個性化されたレンダリングを作り出し得る。層のレンダリングおよび最終の完全な物体の個性化の責任は顧客とサーバーとの間で種々の仕方で分割され、効率を高め得る。
【0008】
例えば、本発明の一つの態様では、物体の三次元コンピュータモデルと関連してコンピュータが実行する方法が使用される。該モデルは複数の層を含み、該複数の層の各々は該モデルの少なくとも一つの対応する要素を含む。該複数の層の各々は少なくとも一つの属性と関連する。該方法は、(A)複数の層レンダリングを作り出すために、該複数の層の各々を少なくとも一つの属性の複数の値の各々とレンダリングすることと;(B)複数の属性値を特定する個性化された物体の第一のレンダリングのための第一の依頼を受けることと;(C)複数の層レンダリングの中から、特定された複数の属性値に対応する層レンダリングのサブセットを選択することと;(D)前記個性化された物体の第一のレンダリングを作り出すために、選択された層レンダリングのサブセットを組み合わせることと;を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一態様による、指輪の3次元モデルの2次元レンダリングを示す図である。
【図2】本発明の一態様による、指輪のような物体を表す物体モデルのダイアグラムである。
【図3】本発明の一態様による、異なる属性値を使用して物体モデルの種々の層のレンダリングを示す図である。
【図4】本発明の一態様による、物体の層のレンダリングを創る方法のフローチャートである。
【図5】本発明の一態様による、図4の方法を実施するシステムのデータフローダイアグラムである。
【図6】本発明の一態様による、物体の特注図を作るために4つの層のレンダリングを組み合わせる例を示す。
【図7】本発明の一態様による、物体の全体のレンダリングを作るために複数の層のレンダリングを組み合わせるシステムのデータフローダイアグラムである。
【図8】本発明の一態様による、図7のシステムにより実施される方法のフローチャートである。
【図9】本発明の一態様による、レンダリングされた物体のスケールを示すために参考物体を使用することを示す。
【図10】本発明の一態様による、物体の「接近通過」図を示す。
【図11】本発明の一態様による、シャドウを有するグラウンド面の物体の層のレンダリングとの組み合わせを示す。
【図12A−D】本発明の一態様による、可変形状要素を固定形状要素のレンダリングとの組み合わせを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の態様は、指輪または他の宝飾品類といったある物体の3D(3次元の)モデルから、その物体を要素化された2D(2次元)にラスタライズされた図を効率的に生み出す方法を目的とする。3DのCAD(コンピュータ支援設計)モデルが、該物体の完全な3D図形を描くために使用される。該物体は要求に応じて個別化され得る要素または部分に分解される。
【0011】
例えば、指輪は脚部、中央石、側石、および関連した台枠を有し得る。該指輪を個性化するために、使用者は中央石および側石の型、或いは脚部の金属型、中央石の金属型および側石用台枠の金属型を変えたいと思う可能性がある。本発明の態様は、該物体の3DCADモデルを構造化し、ラベルを貼り、処理することによって該指輪または他の物体の要素を個性化し、現実的な写真図、および個性化した物体図の大量の組み合わせ図を作るよう、要求に応じて組み合わせることが出来る扱いやすい一組みの2D図を作り出す。
【0012】
より具体的には、本発明の態様によれば、デザイナーまたは他の使用者は、例えば標準のCADソフトウェアを使うことによって物体の3Dモデルを創り得る。図1を参照すると、物体、本実施例では指輪、の3次元モデル100の2次元レンダリングの例が示されている。図2を参照すると、指輪などの物体を表わす物体モデル200のダイアグラムが示されている。
【0013】
図1に示す特定の指輪の物体のレンダリング100は8個の要素102a−g、すなわち、脚部102a、中央石用の台枠金属102b、中央石102c、第一の対の側石102d−e、および第二の対の側石102f−gを有する。同様に、図2に示す対応する物体モデル200は、図1のレンダリング100の要素102a−gに対応する要素202a−gを有する。図2に示す特定の物体モデル200は、7個の要素202a−gを有するが、これは一例に過ぎず、物体モデルは任意の数の要素を有し得る。
【0014】
特定の物体モデルの要素は任意の方法で選択され得る。例えば、該モデルは、ウェブサイトを通じての顧客による個性化などのような特定のドメインに関連した要素にも分解され得る。しかし、要素は任意の方法でCADモデルの中から選択され得る。
【0015】
物体モデル200の要素202a−gは、ドメインに関連した本物体の特性を表し得るm層にグループ分けされ得る。図2に例示する物体モデル200は4個の層204a−d(すなわちm=4)を有するが、物体モデルは夫々任意の数の要素を有し得る任意の数の層を有してよい。
【0016】
図2に例示する物体モデル200において、層204aは要素202a−bを有し、層204bは要素202cを有し、層204cは要素202d−eを有し、層204dは要素202f−gを有する。同様に、物体モデル200のレンダリング100は層204a−dに分割され得て、層104aは脚部要素102aおよび中央石設定金属要素102bを有し、層104bは中央石要素102cを有し、層104cは第一の側石要素102d−eを有し、層104dは第二の側石要素102f−gを有する。
【0017】
要素は任意の方法で層内にてグループ化され得るが、類似する要素を単一の層内に一緒にグループ化するのが特に有用であり得る。例えば、層104cは複数の側石102d−eを有して、層104cの全ての側石102d−eを個性化することを容易にしている。別の例として、指輪が100個の側石を有するとした場合、それらの側石は各々が50個の石を有する2層にグループ化が可能であるので、使用者は二つの独立したサブセットについて特性(例えば、石の型)を別個に選択可能となる。これらはただ単に要素が層にグループ化され得る方法の例に過ぎず、本発明の限定を構成するものではない。
【0018】
層を創り、かつ管理するプロセスを容易にするために既存のCADソフトウェアの特性を使用してよい。例えば、多くの既存のCADパッケージにより、使用者はCADモデルの異なる要素を特別に名付けたグループ(すなわち金属01、宝石01、等)に編成することが可能となる。このような特別に名付けたグループを創り該物体モデルの層を表わすことができる。要素を該グループに追加することが可能で、該物体モデルの層に該要素を加えることができる。各層の属性はCADシステムにロードすることが可能なので、CADシステムは任意の特別の層の要素に任意の適用可能な属性を適用し得る。
【0019】
物体モデル200の層202a−dの夫々は、該物体の物理的特性を表現するn個の属性を有し得る。図2に示す例では、要素202aは2個の属性206a−bを有する。属性206a−bの夫々は型と値(属性206aは型208aと値208bを有する;属性206bは型210aと値210bを有する)を有する。属性の型の例には、限定するものではないが、色、材料の型(例えば、金属または石の型)、形状、大きさ、および仕上げが含まれる。各属性型は対応する許容されるセットまたは範囲の属性値を有し得る。例えば、「金属型」という型を有する属性は「金」および「銀」などの許容される値を有し得るが、「大きさ」という型を有する属性は1mmから500mmの範囲の浮動小数点数である許容される値を有し得る。各属性は任意の数の許容される属性値を有し得る。
【0020】
説明を容易にするために、要素202aの属性のみが図2に示されている。しかし、要素202b−gは図2に示されていないが、要素202b−gが独自の属性を有することが想定される。
【0021】
各要素は任意の数の属性を有し得る。すなわち、値nは要素によって異なってよい。本明細書に提示する実施例では、属性は個別の要素ではなく層全体と関連しており、その場合特定の層に関連した属性の型と値はその層内の全ての要素に適用される。この場合、値nは層によって異なり得る。
【0022】
図3は単純化した例を示すが、図1の層104a−dの各々が丁度ひとつの属性を有し、その各々が持ち得る四つ値を有している。具体的には、行302aは層104aの、「金属カラー」属性という持ち得る四つの値を表す四つのレンダリング304a−dを図示し、行302bは層104dの、「石カラー」属性という持ち得る四つの値を表わす四つのレンダリング306a−dを図示し、行302cは層104cの、「石カラー」属性という持ち得る四つの値を表わす四つのレンダリング308a−dを図示し、行302dは層104bの、「石カラー」属性という持ち得る四つの値を表わす四つのレンダリング310a−dを図示している。
【0023】
図1乃至図3で示した実施例は固定数の層を有する物体を図示するが、これは本発明の必須要件ではない。代替として、層の数mは、特定の物体にたいして可変である。例えば、ブレスレットを表わす物体の各層は該ブレスレットで異なる鎖を表わし得る。使用者は該ブレスレットに鎖を追加および/または減ずることができ、よってブレスレットを表わす物体モデルに層を追加および/または減ずることができ得る。別の例として、イヤリングは可変数の層に対応して可変数の位置を有し得る。可変の層を使用することは、宝飾品類のアクセサリーを表わすのには極めて有用であるが、どんな目的にも利用され得る。物体内のある層は要望に応じて指定され得ようが、その場合該層は対象となっている物体モデルから除外されないだろう。例えば特定の物体モデルに追加され得る追加層の最大数などのような他の制限が層におかれ得る。
【0024】
図2に示す物体モデル200のような物体モデルが一度存在すると、本発明の態様は、持ち得る全ての属性値を有する該物体モデルの層でできた一組の2D図をレンダリングし得る。このようなレンダリングを創る方法400の一態様を図4に示す。図5は図4の方法400を実施するシステム500の一態様を図示する。
【0025】
システム500は物体モデル200(ステップ402)の各層L上のループに入るレンダリングエンジン502を含む。このループ内でレンダリングエンジン502は、層Lの属性値間の可能性のある各組合せA上のループに入る(ステップ404)。これらの組合せの数は層Lの各属性型について可能のある属性値の数の総和に等しい。
【0026】
方法400では、現行の属性値Aの組合せを現行の層L内の全ての要素に適用し、その結果得られた要素をレンダリングし、層Lの二次元レンダリングを作成する。レンダリングエンジン502は各層Lを任意の仕方で、例えば、商業的に入手可能な光線追跡ソフトウェア(例えば、VRay)を使用して、物質(例えば、金属、宝石の原石)の特性を画定してレンダリングし、「実物そっくりに」写真のようにリアルな画像を作成し得る。
【0027】
各層の最終レンダリングはその層の物体のみを表わすが、レンダリングエンジン502が特定の層Lをレンダリングするとき、層Lの要素のみだけでなく他の層の要素をもレンダリングし、層Lの最終レンダリングをよりリアルにし得る。例えば、特定の層Lのレンダリングを作成するために、レンダリングエンジン502はまず初めにモデルの物体全体をレンダリングすると、現行の層L上の他の層のいかなる効果もレンダリングに反映され得る。次に現行の層Lと異なる層の要素の表示は層Lのレンダリングから除去され、層レンダリング504に蓄えられる層Lの最終レンダリングを作成する。これは例えば、アルファ・チャネルを使って達成され得、これにより物体がその場に存在することができ、最終画像ファイルに保存されずに光の反射、屈折、シャドウ、等に影響を与え得る。
【0028】
レンダリングエンジン502はステップ406を層L内の残りの全ての属性値の組合せにたいして繰り返す。(ステップ408)。レンダリングエンジン502はステップ404乃至408を物体モデルの残りの層にたいして繰り返す。(ステップ410)。このプロセス400の結果、別個の二次元レンダリングが各層内の属性値の各可能な組合せにたいして作成される。例えば、図2に示す物体モデル200の場合、四つの層204a−dを有するが、レンダリングエンジン502は、層204aの一組のレンダリング302a、層204bの一組のレンダリング302b、層204cの一組のレンダリング302c、および層204dの一組のレンダリング302dを含む、層レンダリング504を作成する。
【0029】
その結果得られる2Dレンダリング504は任意の形式で、例えば、ハードディスク或いは他の記憶媒体にある個別の画像ファイルに蓄えられ得る。層レンダリング504に関連した属性および他のデータに関する情報もまた、任意の形式で蓄えられ得る。このようなデータは、例えば、レンダリング504を含むファイルと同じファイルまたは別のファイルに蓄えられ得る。
【0030】
属性値は、全てが相互に異なるレンダリングにはなるわけではない。例えば、層の或る属性値を変えることは、ただ単に該層の要素の価格に影響を与え得るだけであり、その層の要素がレンダリングされる方法に影響を与えないかもしれない。言いかえると、特定の属性のうち二つの異なる値は結果としてその対応する層の同じレンダリングとなり得る。この場合、両属性値について該層の個別の、余分な、レンダリングを創る必要はない。代わりに、単一のレンダリングが両属性値を表わすために使用されてよい。
【0031】
このような余分なレンダリングは種々の方法のうち任意の方法で消去してよい。例えば、全てのレンダリングは最初図4の方法400を使用して作成され得る。次に余分なレンダリングが確認され、集約されて、二つ以上の余分なレンダリングの各組が減じられ、単一の代表的なレンダリングとなる。該組のレンダリングの全てが物体全体をレンダリングするのに使用するように求められるとき、該代表的なレンダリングが使用され得る。
【0032】
代替として、例えば、余分なレンダリングが余分なレンダリングが作成される前に確認され得る。例えば、ステップ406において方法400は、現行の属性値Aの組合せを使って現行の層Lの要素のレンダリングすることは、方法400によって既に生産されたレンダリングを作成するかどうかを決定し得る。作成する場合、方法400は、同レンダリングを再度作成するのをやめ、その代わり属性値Aを使う層Lのレンダリングが必要な時はいつも先に作り出されたレンダリングを使うようにと指示するポインタまたは他の記録を保存し得る。
【0033】
物体モデル200は前記層レンダリングを作るのに使用される属性に加えて、要素202a−gに関するデータを含み得る。このようなメタデータ212の例を、要素202aと関連させて、図2に示す。このようなメタデータ212は、ステップ404の属性値の可能性のある組合せを作り出す目的では、方法400によって属性として扱う必要はない。大概、メタデータ212は、ステップ406で層レンダリングを作り出す場合、方法400によって使用する必要は全くない。このようなメタデータの例は、要素の価格およびSKUを含む。要素202aと関連させてメタデータ212のみを、例として図2に示しているが、物体モデル200の要素202a−gのうち任意の要素と任意の種類と量のメタデータとを関連付けてよい。追加としてまたは代替として、メタデータは層204a−dの一つもしくは複数の層、または物体モデル全体と関連付けてよい。メタデータは自動的におよび/または使用者によって手作業で割り当ててよい。
【0034】
異なる層204a−dの二次元レンダリング504は、一度作り出されると、任意の組合せで相互に組み合わされ、モデル化した物体全体のカスタム図を多数形成し得る。図7を参照すると、本発明の一態様によりモデル化した物体全体のこのようなレンダリングを創るためのシステム700が示されている。図8を参照すると、本発明の一態様により図7のシステム700によって実施された方法800のフローチャートが示されている。システム700は、層レンダリング504の組302a−d(図5)の各々から一つのレンダリングを選択し一組の選択された層レンダリング704(図8、ステップ802)を作り出す、層レンダリングセレクター702を含む。図7に示した実施例では、選択された層レンダリング704は層202aに由来するレンダリング706a、層202bに由来するレンダリング706b、層202cに由来するレンダリング706c、および、層204dに由来するレンダリング706dを含む。層レンダリング組み合わせ器708は、選択された層レンダリング704を一緒に組み合わせ、モデルとなった物体の全体(図8、ステップ804)の二次元レンダリング710を形成する。物体のレンダリング710は、個別の層レンダリング504のように、三次元モデルではなくラスタ画像として表示され保存され得る。
【0035】
図6は、レンダリング304cが層レンダリング302a(層1)から選択され;レンダリング306bが層レンダリング302b(層2)から選択され;レンダリング308aが層レンダリング302c(層3)から選択され;レンダリング310cが層レンダリング302d(層4)から選択される、例を示す。この例では、層レンダリング304c、層レンダリング308a、層レンダリング310cおよび層レンダリング306bは夫々、選択された層レンダリング706a、層レンダリング706b、層レンダリング706c、層レンダリング706dを表わす。これらのレンダリング304a、308a、310c、306bは、一緒に組み合わされて物体モデル200がモデルとなった物体全体のレンダリング600を形成し、属性値の特定の組合せを表現する。図6のレンダリング600は、図7の物体レンダリング710の例である。
【0036】
例えば図6に示す物体レンダリング600のような物体レンダリングを作り出すために方法400(図4)および方法800(図8)を組合せて使用する利点をよく理解するために、単一の脚部、単一の中央石、中央石用の台枠金属、および100個の側石;全部で103要素(1個の脚部、1個の中央石、1個の中央石用の台枠金属および100個の側石)を有する指輪を考える。指輪の要素は、例えば、層1が脚部で層2が中央石用の台枠、層3が中央石、層4が50個の交互性の側石、そして層5が残りの50個の交互性の側石である、5個の層に割り当てられ得る。該脚部層が10個の可能である値(10個の可能である金属の型)を表わす)を有する「金属型」属性を有し、該中央石用の台枠が10個の可能である値を有する「金属型」属性を有し、該中央石が21個の可能である値を有する「宝石型」属性を有し、二つの側石層の各々がそれ自身の21個の可能である値を有する「宝石型」属性を有すると、仮定しよう。この場合、図5に示す層レンダリング504を作り出すために、全部でわずか62の二次元図(10+10+21+21+21)だけが方法400によってレンダリングされる必要がある。しかし、この少数のレンダリングは926,100個の可能性のある置換、または「個性化された」図に組み合わされ得る。
【0037】
従って、本発明の態様の一つの利点は、該態様が、物体のごく少数の層のレンダリングだけを行って大多数の個性化された物体のレンダリングを作り出すのに使用され得ることである。これは重要である、なぜなら、各個別の層レンダリングを創り、該層の二次元のラスタライズされた画像を三次元CADモデルから作り出すのに図4で使われるプロセス400は、実行するのに甚大なコンピュータ処理資源或いは甚大な時間を必要とし、資源集約的であるからである。それと対照的に、既存のラスタライズされた層レンダリングを一緒に組み合わせてモデルとなった物体全体のラスタライズされた画像を作り出すために図8で使うプロセス800は、計算論的に安価である。
【0038】
本発明の態様は、相対的に少数の層レンダリング504を作り出すために、図4の計算論的に高価であるプロセス400を単回実行することのみを必要とする。分散コンピューティング環境では、このプロセス400は、例としてサーバー、グラフィックワークステーションまたはこれらのコンピュータのクラスターのような重要なコンピューティング資源を有するコンピュータで実行され得る。そこで、一度層レンダリング504が作り出されたら、物体全体の任意の数のリアルなラスタ画像が、図8の方法800を使用してそれほど強力でないコンピュータによって即座に何度でも作り出される。従って、本発明の態様は特注の物体のリアルな画像を作り出ことにおいて、これまでに使用されてきた技術と比較してこれらの画像の質を少しも失わずに、著しく増加した効率性を提供する。
【0039】
より具体的には、もし
【数1】
が層iのk番目の属性を意味し、mが層の総数を意味する時、この方法を使うと、概して全体で
【数2】
個の図が、
【数3】
個の可能性のある個性化された図を作り出すのにレンダリングされる必要があるであろう。これは、物体全体の可能な個性化された図全部を作り出すのに実行しなければならないレンダリングの数のかなりな減少を表す。
【0040】
本発明の態様は、モデルとなった物体200のレンダリングとは異なる情報を表示するのに使用され得る。例えば、それは、2D図で3Dモデルを提示し共通の参考物体に関して物理的尺度を示すとき有用である。例えば、宝飾品類のモデルに対して10セント硬貨または他のコインが共通の参考物体として使用され得る。図9はそのような例を示し、尺度にレンダリングされた指輪と10セント硬貨の両方を示すレンダリング904を作り出すのに、指輪のレンダリング100は10セント硬貨のレンダリング902と組み合わされている。
【0041】
組み合わされたレンダリング904は、例えば、指輪と10セント硬貨のラスタライズされた画像を一緒に組合せることによって作り出され得る。例えば、参考物体のレンダリングは種々の空間視界にて創られ得るし、その結果得られるレンダリングは後で使用するために他の物体のレンダリングと組合せて保存され得る。図9の例に示すように、該参考物体は、レンダリングされる最初に物体を見えなくしないように半透明としてレンダリングされ得る。
【0042】
本明細書で開示される或る実施例では、異なる要素が、先にラスタライズされたそれらの要素の画像を単に組み合わせることによって一緒に組み合わされるが、要素は他の方法で組み合わされ最終物体レンダリング710を作り出し得る。例えば、もし使用者がペンダントに含めるのに特定の鎖を選択すれば、その結果得られるペンダントはレンダリングされて該鎖を該ペンダントの枠を通り抜けるように表示し得る。最終レンダリングは鎖の大きさと枠の大きさを反映して、枠を通り抜けたら鎖がどう見えるかを正確に表し得る。
【0043】
別の例として、指輪は人間の手のモデルに適合するものとしてレンダリングされ得る。同様に、ネックレスは人間の首のモデルに適合するものとして表示され得る。このようなレンダリングはこのような宝飾品類が人間の体の特定の部分に付けられた時どのように見えるかを正確に表し得る。
【0044】
上述した物体の層の第一の組のレンダリング504に加えて、種々の観点からの物体全体の2D図の組が作り出され、該物体の3D仮想現実(VR)「接近通過」を可能にする。接近通過を含む一連の2D図は、例えば、異なる空間位置からの該物体の「カメラ」視界を含み得る。このような視界1002a−1の例を図10に示す。図10から分かるように、もし視界1002a−1が連続してスクリーン上に表示されるとしたら、その結果はその指輪の周りを飛んでさまざまな観点から見ているように現われることになろう。
【0045】
このようなさまざまなカメラ視界は、上に開示した技術を使い、先に選択された属性値の組合せを使用してレンダリングされ得る。代替として、例えば、異なるカメラ視界1002a−1は、レンダリングされる物体の異なる個性化された組合せを含み得る。すなわち、物体の一つ以上の層の属性値はカメラ視界によって異なり得る。このようなカメラ視界がアニメーションとして表示されるとき、その効果は接近通過が進行するにつれて属性値(例えば、石の型/色、金属の型/色)が変化することを示すことである。このプロセスは更に接近通過アニメーション全体を使用者が選択した個性化された形態で作り出すために使用され得る。この方法で属性値を変える一つの利点は、それが使用者に同じ物体を異なる角度から見るのみならず物体の異なる個性化も見ることを可能にすることであり、しかも物体の明確な各個性化にとって完全な接近通過をレンダリングするのに必要な資源諸経費(メモリ、処理時間、およびディスク保存)を被ることなしにということである。
【0046】
モデルとなった物体200の最終レンダリング710にシャドウを含むこともまたレンダリング710を可能な限りリアルにするために望ましいことである。しかしながら、層の要素によりその要素のための属性値の全ての可能な組合せのために創られたシャドウの個別のレンダリングを保存することは非効率である、なぜなら、大概の属性値(例えば、色および材料)における変化は該層が投げ掛けたシャドウに影響を与えないからである。従って、物体の固定形状を有する全ての要素のシャドウは、レンダリングされ、本明細書で「グランド面」と言及される単一の層に保存され得、該層はその目的が該物体の固定形状要素が投げかけたシャドウを保存することなので、「シャドウ層」と考えられ得る。その結果、このようなシャドウはそれらの要素の他のレンダリングに保存される必要はない。具体的には、このようなシャドウは層レンダリング504(図5)に保存される必要はない。その代わり、該グランド面は層レンダリング504に追加しておよび層レンダリング504から分離して層レンダリング(例えば、ラスタ画像)として保存され得る。更に、多重の異なるグランド面層が多様な色とパターンから創られ得る。この目的は、該物体が美観のために異なる環境で表示されるのを可能にすることである。
【0047】
物体モデル200の全体が後にレンダリングされるとき、最終物体レンダリング710を作り出すために、一つ以上のグランド面が選択された層レンダリング704と図7のシステムで実行されるプロセス800の一部として組み合わされ得る。図11は、グランド面1102が物体レンダリング1104と組み合わされ、グランド面1102からのシャドウと物体レンダリング1104からの要素の両方を含む最終物体レンダリング1106を作り出す例を示す。
【0048】
形状が可変であるそれらの要素のシャドウは、不変形状を有するシャドウからは異なって扱われ得る。具体的には、可変形状要素のシャドウはレンダリングされ、(グランド面内よりは)その要素自身の層レンダリング504内に保存され得る。例えば、もし特定の要素が矩形かまたは卵型の形状を有し得るなら、該要素の矩形バージョンおよびそのシャドウがレンダリングされ、ひとつの層レンダリングに保存され得る一方で、該要素の卵型バージョンおよびそのシャドウはレンダリングされ、別の層レンダリングに保存され得る。もしも該要素の矩形バージョンが後に最終物体に含めるように選択されれば、矩形物体およびそのシャドウの先行レンダリングは他の選択された要素と組み合わされ、最終物体レンダリングを作り出し得る。
【0049】
不変形状要素のシャドウをグランド面に保存し、可変形状要素のシャドウをそれらの要素の層の個別のレンダリングに保存する一つの利点は、このスキームが必要なだけ多くの異なるシャドウを保存し、正確な最終物体レンダリングを作り出すことである。図12A−Bを参照すると、可変形状物体のレンダリングが不変形状物体のレンダリングと組み合わされる例が示されている。図12Aは、可変形状要素の第一のレンダリング1202aがそれらの要素のシャドウを含み、不変形状要素のレンダリング1204がそれらの要素のシャドウを含まない例を図示している。レンダリング1202aはそれが含むシャドウを含め、レンダリング1204と組み合わされ、最終物体レンダリング1206aを作り出すことに注意されたい。レンダリング1204に不変形状物体のシャドウを表わすグランド面は更にレンダリング1202aおよびレンダリング1204と組み合わされ、最終物体レンダリング1206aを作り出すことが可能である。
【0050】
図12Bは、レンダリング1202aからの可変形状要素の第二のレンダリング1202bがそれらのシャドウを含む例を図示する。レンダリング1202bのシャドウはレンダリング1202aのシャドウとは異なっている。図12Bでは、不変形状物体の同じレンダリング1204が使用される。レンダリング1202bは、それが含むシャドウを含み、レンダリング1204と組み合わされ、最終物体レンダリング1206bを作り出す。
【0051】
固定形状要素と正確に連動しつつ、どの要素の第二の画像も必要とせずに可変形状要素を可視化するリアルな効果を達成するために、該可変形状要素はその独自の面に分離され得る。例えば、図12Aおよび図12Bにおいて、グランド面1202aと1202bは可変形状要素とそれらのシャドウの両方を含むことを思い出してほしい。代替として、例えば、図12Cと図12Dに示した態様では、グランド面1212a、1212bはシャドウのみを含む;すなわち、可変形状要素は含まない。
【0052】
その代わりに、図12Cと図12Dに示した態様では、可変形状要素は面1215a、1215bに分離される。図12Aおよび図12Bにおいてのように、固定形状要素は図12Cと図12Dの独自の面1214内に保持される。注意されたい。穴が面1215a、1215bの可変形状要素内の適切な位置でレンダリングされ、固定形状要素と可変形状要素とが一緒に組み合わされるとき該可変形状要素が面1214の固定形状要素とリアルに相互作用し得る。具体的には、該穴は固定形状要素が可変形状要素と交差する位置に置かれる。
【0053】
図12Cまたは図12Dの層が組み合わされると、グランド(シャドウ)面(層1212aまたは層(121b)が最初にすなわち、スタックの「底で」レンダリングされ得る。固定形状要素(層1214)が次に、すなわち、スタックの「真ん中」のグランド面の「頂部」上でレンダリングされ得る。可変形状要素(例えば、層1215aまたは1215b)が最後に、すなわち、スタックの「頂部」で残りの2面の「頂部」上で層化され得る。これで、固定形状要素が可変形状要素の穴を通過するように現れるリアルな三次元効果が達成される。
【0054】
層レンダリング504の各々は、一つ以上の属性値とレンダリングされた特定の層を表す。層レンダリング504の各々は、特定の層を特定の属性とエンコードする特定のファイルが容易に確認されるように、例えば、該層レンダリングをファイル名を有するファイルに保存することによって、層の名前および層の属性の名前(例えば、型)のような情報とエンコードされ得る。このようなファイル名は、例えば、
【数4】
のようなフォーマットを有し得る。多数の属性の名前はこのようなファイル名内にエンコードされ得る。
【数5】
は正面、側面または上面のような、層レンダリングの図のタイプを表すことを注意されたい。
【0055】
例えば、ファイル名
【数6】
は、中央石層(ファイル名では“CS”)に選択され、透視図(ファイル名では“P”)でレンダリングされたエメラルド(ファイル名では“E”)を含む層のレンダリングを含むファイルを保存するのに使用され得る。別の例として、ファイル名
【数7】
は脚部金属層(ファイル名では“SM”)に選択され、また透視図(ファイル名では“P”)でレンダリングされた、ローズゴールド(ファイル名では“RG”)を含む層のレンダリングを含むファイルを保存するのに使用され得る。このエンコードスキームは、2D層レンダリング504を最終物体レンダリング710に組み合わせるのを容易にするのに使用され得る。
【0056】
同様に、最終物体レンダリング710はどの層が最終物体レンダリング710に表わされているかの情報をエンコードする、ファイル名を有するファイルに保存され得る。例えば、指輪の場合、以下の形のファイル名が使用され得る:
【数8】
。
例えば、ファイル名
【数9】
は、イエローゴールド脚部(ファイル名で“YG”)が、透視図(ファイル名では“P”)でダイヤモンド一次側石およびエメラルド二次側石(ファイル名では“DE”)を有するエメラルド中央石(ファイル名で”E“)と組み合わされる指輪用に使用され得る。
【0057】
上述したように、物体モデル200の全ての情報が目立った層レンダリングを作り出すのに使用される必要はない。むしろ、物体モデル200の或る情報は、他の目的のために使用され得る。ひとつの例は、特定の特注物体(すなわち、属性値の特定の組合せを反映する個性化された物体)の価格を計算することである。このような計算は、例えば、物体モデル200の属性値を価格計算エンジンに提供し、該エンジンは属性値(場合により、宝石の特定の型の時価、利幅額および値引きといった情報との組み合わせで)を使って個性化された物体全体の価格を計算することによって実行され得る。メタデータ212のようなメタデータが、該物体モデルの属性値に加えて或いはその代わりに、価格計算を実施するのに使用され得る。
【0058】
特定の要素の値付けは任意の仕方で、例えば、該要素の特性(例として、大きさ、材料)を計算して、或いは単に要素の価格(データベースへの索引として要素のSKUを使って)を調べて、決定され得る。しがし、価格が計算されても、その結果としての価格は最終物体レンダリング710の一部か追加として使用者に表示され得る。結果として、消費者は各層にたいして特定の組の属性値を選択し、それに応じて即座にその関連した価格に沿って、物体の写真のようにリアルなレンダリングを見ることができる。
【0059】
個性化された物体レンダリングを創るプロセスにおける異なるステップを実行する責任は、コンピュータ装置および要素の間で種々の仕方の任意の仕方で分担される。例えば、顧客サーバーシステムでは、図4の先行レンダリングプロセス400を単回実行できた。次に、顧客の一人の使用者が属性値の特定の組合せを有する個性化された物体を依頼する時、顧客は該属性値をネットワーク上でサーバーに伝達することが出来た。
【0060】
それに応じて、サーバーはネットワーク上で顧客に選択された属性値に対応する先行レンダリングされた層レンダリングを送り返した。次に、顧客は図8の層組合せプロセス800を実行して、使用者が選択した属性値の特定の組合せを有する個性化された物体の最終レンダリングを作り出すことが出来た。
【0061】
別の例として、顧客からの依頼に応えて、サ−バーは図8の層組合せプロセス800を実行して、使用者が選択した属性値の特定の組合せを有する個性化された物体の最終レンダリングを作り出すことが出来た。次に、サーバーは個性化された物体のレンダリングをネットワーク上で顧客に送り返すことが出来た。次に、顧客は個性化された物体のレンダリングを使用者に単に表示することが出来た。
【0062】
更に別の例として、サーバーは層レンダリング504の全部を各顧客に一度だけの伝達を実行し得る。次に、特定の顧客の使用者が属性値の特定の組合せを有する特定の個性化されたレンダリングを依頼する時、顧客はサーバーを訪問する必要なしに図8の層組み合わせプロセス800を実施し得る。
【0063】
これらの場合のいずれにおいても、顧客のコンピュータは図4のコンピュータ的に集中した層レンダリングプロセス400を実行する必要はない。結果として、顧客のコンピュータは相対的に家庭用コンピュータ使用者が概して使う種類のような、通常のウェッブブラウジング顧客を有するが図4の層レンダリングプロセス400を実行するのに必要なCADソフトウェアや他のソフトウェアを欠く低価格のコンピュータであり得る。
【0064】
一度特定の個性化された物体のレンダリングが作り出されると、顧客によってであろうとサーバーによってであろうと、該個性化されたレンダリングは、図8の層組合せ方法800を再実行する必要無しに属性値の同じ組合せへの後に依頼に応えて表示されるように、キャッシュに格納され得る。もし個性化された図がサーバーに創られると、次にこのキャッシングはサーバーにて実行され得る。追加として、或いは代替として、サーバーはこのような個性化された図を一人以上の顧客に伝達すると、同顧客の後の依頼は、サーバーに行かなくとも、即座に扱われる。
【0065】
もしこの個性化された物体の図が、顧客の機械により作り出されると、このようなキャッシングは、各個性化された図を生み出すので、例えば、各顧客において実行され得る。追加として、或いは代替として、各顧客は該器械が生み出しサーバーに戻す任意の個性化された図を伝達し得るので、同じまたは他の顧客による後の依頼は、同じ図を再び作り出す必要なしに扱われる。
【0066】
更に個性化された物体の図が使用者に表示され得る速さを上げるために、属性値の或る組合せを表す或る個性化された物体の図が、完全な物体レンダリングに先に作り出され得て、このようなレンダリングは、属性値のその組合せを選択すると、図4の層レンダリングプロセス400または図8の層組合せプロセス800を実行する必要無しに使用者に即座に表示する体制になる。
【0067】
先行レンダリングする特定の組の個性化された物体の図は、任意の仕方で選択され得る。例えば、結婚指輪で使われる白金およびダイヤモンド石のような公知のまたは極めて好ましいと疑われている或る属性値の組合せは、最終物体レンダリングに先行レンダリングされ得る。使用者が属性値の任意のこのような組合せを選択するとき、対応する物体レンダリングは単にその先に作り出された物体レンダリングを使用者に表示するだけで、使用者に即座に表示され得る。
【0068】
先行レンダリングする属性値の組合せも、例えば、ルールを使って選択され得る。例えば、特定のルールは、特定の種類の宝飾品類または特定のモデルの指輪に適用し得る。例えば、「婚約指輪」ルールは、石としてはダイヤモンドを使うのが婚約指輪には好ましい、そして婚約指輪内では或る色は他の或る色と組み合わされるべきでない、と特定するであろう。このようなルールは次に、該ルールを満たす全ての要素の組合せを自動的に先行レンダリングするのに使用され得る。このような先行レンダリングは例えば、使用者が使用する該システムを配備する前に、商人の場所で作り出され得る。
【0069】
このような先行レンダリングの組合せは種々の仕方の任意のもので作り出され得る。例えば、それらは使用者が選択する個別の属性値に基づき、物体全体を単一のシーンとしてレンダリングすることにより、作り出され得る。別の例として、先行レンダリングされた組合せは、使用者がプロセス800を使って個別の要素の既存の先行レンダリングを一緒に組み合わせることにより、作り出され得る。後者の技術はよく知られた先行レンダリングを作り出すために必要な時間量を大きく減ずるのに使用され得る。
【0070】
使用者が特定の要素の組合せを求め得る検索設備が準備され得る。検索は二つの仕方で行われ得る:すなわち、静的検索および動的検索である。静的検索では、先行レンダリングされた組合せのみ検索して入手可能である。従って、初めにシステムが開始されるとき先行レンダリング用に先に選択された組合せのみ、検索して入手可能である。使用者が特定の属性(本明細書では「特定の差異」とも言及される)を有する要素の特定の組合せを選択したとき、このような特定の差異のレンダリングは保存され、検索して入手可能な特定の差異の蓄えに追加され得る。動的検索では、該システムは物体の全属性を問い合わせ、要素の組合せが検索基準を満たすか否かを決定する。もし要素の組合せが属性問い合わせを介して検索基準にマッチすれば、そして対応する物体が存在しなければ、該物体は動的に創られ、検索結果に戻される。動的検索は静的検索より多くの実行経費を被ることに注意されたい。
【0071】
本発明を特定の態様において上述したが、先行の態様は説明としてのみ提示されるのであって、本発明の範囲を限定もしないし、画定もしないことを理解されたい。他の種々の態様は、以下を含むも限定されるものでなく、同様に、本特許請求の範囲の範囲内にある。例えば、本明細書で説明した原理および要素は追加の要素に分けられ或いは少ない数の要素に結合され、同じ機能を実行でき得る。更に、本発明の特定の態様が宝飾品類と関連して説明されているが、同じ技術はいずれの種類の物体にも適用し得る。
【0072】
例えば、本発明の態様により処理されるデータは、任意の形で保存され得る。例えば、三次元デザインデータはCADファイルに保存され得て、任意の数のファイル、例えば、デザイン毎に一つのファイル、層毎に一つのファイル、または、要素毎に1つのファイル、のように、再分割され得る。メタデータ、例えば、デザインにおける型および要素数に関する情報は、同じまたはデザインデータ自身と異なるファイルに保存され得る。
【0073】
図4に示す例では、方法400は、層Lをレンダリングするために各層Lの全ての属性の値の全ての組合せを使うが、これは本発明の要求することではない。むしろ、例えば、層の属性の型のサブセットのみが該層をレンダリングするのに使用され得る。別の例として、方法400は属性の全ての可能性のある値より少ない数で層レンダリングを作り出し得る。もし使用者がその後、要求された層レンダリングのかならずしも全てが事前に作り出されていない属性値の組合せを依頼する場合、必要とされた層レンダリングのいずれもがこの依頼に応えて作り出され得るし、その次に図8の方法800を使って最終物体レンダリングを作り出すのに使用され得る。代替として、例えば、使用者が依頼した属性値に最も近い属性値を表わす層レンダリングが選択され得るし、次に、図8の方法800を使って最終物体レンダリングを作り出すのに使用され得るし、よって、追加の層レンダリングを作り出す必要性を避けることになる。
【0074】
単一の物体モデル200のみ図2に示すが、本明細書にて開示される技術は、任意の数の物体モデルを含むシステム内で使用され得る。例として、オンライン小売ウェブサイトは使用者が複数の物体のどのひとつでも、例えば、複数の宝飾品類の品目のどのひとつでも、選択するのを可能にし得るし、次に本明細書に開示した技術を使って、選択した物体を購入するためにカスタマイズするのを可能にし得る。
【0075】
上述した技術は、例えば、ハードウェア、コンピュータ読み取り媒体に確実に保存されたソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで、実施され得る。上述した技術は、一つ以上のコンピュータプログラムにおいてプロセッサ、該プロセッサ(例えば、揮発性メモリおよび非揮発性メモリおよび/または記憶素子)が読み取り可能な保存媒体、少なくとも一つの入力装置、および少なくとも一つの出力装置で遂行して、実施され得る。
【0076】
以下の特許請求の範囲内の各コンピュータプログラムは、例えば、アセンブリ言語、機械語、ハイレベル手続き型プログラミング言語、または、オブジェクト指向のプログラミング言語のような、任意のプログラミング言語で実行され得る。プログラミング言語は、例えば、コンパイル済みまたはインタープリタ型プログラミング言語である。
【0077】
このような各コンピュータプログラムは、コンピュータプロセッサで実施する、機械読み取り記憶装置で正確に実体化したコンピュータプログラム製品で実行され得る。本発明の方法のステップは、コンピュータ読み取り媒体で正確に実体化したプログラムを実施するコンピュータプロセッサにより実行され、本発明の機能を入力で作動し、出力で生み出して、実行し得る。適切なプロセッサには、例証として一般目的マイクロプロセッサ、特定目的マイクロプロセッサ、の両方が含まれる。概して、該プロセッサは読み取り専用メモリおよび/またはランダムアクセスメモリから指示とデータを受け取る。コンピュータプログラム指示を正確に実体化するための適切な保存装置には、例として、EPROM、EEPROMを含む半導体メモリ装置のような全ての形の非揮発性メモリおよびフラッシュメモリ装置;内部ハードディスクおよび取り外し可能ディスクのような磁気ディスク;磁気光学ディスク;およびCD−ROMが含まれる。前述のいずれも特別にデザインされたASICs(特定用途向け集積回路)またはEPGAs(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)で補完されるか一体化される。コンピュータは概して更にプログラムとデータを、内部ディスク(図示せず)または取り外し可能ディスクのような保存媒体から受け取ることが出来る。これらのエレメントは、従来のデスクトップまたはワークステーションコンピュータ並びに本明細書に説明した方法を実行するコンピュータプログラムを実施するのに適切な他のコンピュータにも見出され、該方法は任意のデジタルプリントエンジンまたはマーキングエンジン、表示モニタ、または紙に色またはグレイスケールピクセル、フィルム、表示スクリーン、または他の出力媒体を作り出すことのできる他のラスタ出力装置と連動して使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の三次元コンピュータモデルを用いて使用するコンピュータが実行する方法であって、該モデルは複数の層を含み、該複数の層の各々は該モデルの少なくとも一つの対応する要素を含み、該複数の層の各々は少なくとも一つの属性と関連し、該方法は、
(A)複数の層レンダリングを作り出すために、該複数の層の各々を少なくとも一つの属性の複数の値の各々とレンダリングすることと;
(B)複数の属性値を特定する個性化された物体の第一のレンダリングのための第一の依頼を受けることと;
(C)複数の層レンダリングの中から特定された複数の属性値に対応する層レンダリングのサブセットを選択することと;
(D)前記個性化された物体の第一のレンダリングを作り出すために、選択された層レンダリングのサブセットを組み合わせることと;
を含む、方法。
【請求項2】
該複数の層の第一の層が複数の要素を含み、(A)が該第一の層の複数の要素を少なくとも一つの属性の複数の値とレンダリングすることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
(A)が
(A)(1)第一の層レンダリングを作り出すために、該複数の層の全部が該複数の値の各々とレンダリングすることと;
(A)(2)第一の層レンダリングから特定の層と異なる全ての層の表現を除去することと;を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
更に
(E)特定の複数の属性値に基づき、個性化された物体の価格を確認することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
(A)が可変形状要素のシャドウをレンダリングすることを含み、複数の層レンダリングが該可変形状要素のシャドウを含み、
該方法が更に
(E)複数の層レンダリングと異なる、不変形状要素のシャドウを含む層を作り出すために、不変形状要素のシャドウをレンダリングすること;を含み、
(D)が、個性化された物体のレンダリングを作り出すために、選択されたサブセットの層レンダリングを互いにまた不変形状要素のシャドウを含む層と組み合わせることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
(E)第一のレンダリングを保存すること;と、
(F)複数の属性値を特定する第二の依頼を受けること;と、
(G)第二の依頼に応えて、第一のレンダリングを提供すること;とを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
(D)が第一のコンピュータ装置によって実行され、該方法が更に
(H)(D)の後、第一のコンピュータ装置で個性化された物体の第一のレンダリングを第二のコンピュータ装置に伝達すること;を含み、
(E)、(F)、および(G)が第二のコンピュータ装置によって実行される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
(G)が第二のコンピュータ装置で第一のレンダリングをネットワーク上で第三のコンピュータ装置に伝達すること、を含む請求項7記載の方法。
【請求項9】
(B)および(C)が第一のコンピュータ装置で実行され、(D)が第二のコンピュータ装置で実行され、該方法が更に、
(E)(D)の前に、第一のコンピュータ装置でサブセットの層レンダリングをネットワーク上で第二のコンピュータ装置に伝達すること;を含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
(B)、(C)および(D)が第一のコンピュータ装置で実行され、該方法が更に、
(E)(D)の後に、個性化された物体の第一のレンダリングを第二のコンピュータ装置に伝達すること;を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
コンピュータ可読のコンピュータプログラム指示を含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータ可読媒体に正確に保存され、コンピュータプロセスで実施され物体のコンピュータモデルと使用して方法を実行し、該モデルは複数の層を含み、該複数の層の各々は少なくとも一つの対応する要素をモデル内に含み、該複数の層の各々は少なくとも一つの属性と関連し、該方法は:
(A)該複数の層の各々を少なくとも一つの属性の複数の値の各々とレンダリングし、複数の層レンダリングを作り出すこと;と、
(B)複数の属性値を特定する個性化された物体の第一のレンダリングを求める第一の依頼を受け取ること;と、
(C)複数の層レンダリングの中から特定の複数の属性値に対応する層レンダリングのサブセットを選択すること;と、
(D)選択された層レンダリングのサブセットを組み合わせ、個性化された物体の第一のレンダリングを作り出すこと;とを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
複数の層の第一の一つが複数の要素を含み、(A)が第一の層の複数の要素を少なくとも一つの属性の複数の値の各々とレンダリングすることを含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
(A)が:
(A)(3)複数の層の全てを複数の値の各々とレンダリングし、第一の層レンダリングを作り出すこと;および
(A)(4)第一の層レンダリングから、特定の層と異なる全ての層の表現を除去すること;を含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
更に、
(E)特定の複数の属性値に基づき、個性化された物体の価格を確認すること、を含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
(A)が可変形状要素のシャドウをレンダリングすることを含み、複数の層レンダリングが可変形状要素のシャドウを含み;該方法は更に、
(E)不変形状要素のシャドウをレンダリングし、複数の層レンダリングから目立ち、不変形状要素のシャドウを含む層を作り出すこと;および
(D)が選択された層レンダリングのサブセットを互いにかつ不変形状要素のシャドウを含む層と組み合わせ、個性化された物体のレンダリングを作り出すこと、を含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
更に、
(E)第一のレンダリングを保存すること;
(F)複数の属性値を特定する第二の依頼を受け取ること;
(G)第二の依頼に応じて、第一のレンダリングを提供すること、を含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
(D)が第一のコンピュータ装置によって実施され、該方法が更に、
(H)(D)の後に、第一のコンピュータ装置において、個性化された物体の第一のレンダリングを第二のコンピュータ装置に伝達すること;を含み、そして、
(E)、(F)、および(G)が第二のコンピュータ装置によって実施される、請求項16記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
(G)が第二のコンピュータ装置において、第一のレンダリングをネットワーク上で第三のコンピュータ装置に伝達することを含む、請求項17記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
(B)および(C)が第一のコンピュータ装置によって実施され、(D)が第二のコンピュータ装置によって実施され、該方法が更に;
(F)(D)の前に、第一のコンピュータ装置において、層レンダリングのサブセットをネットワーク上で第二のコンピュータ装置に伝達すること、を含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
(B)、(C)および(D)が第一のコンピュータ装置によって実施され、該方法が更に、
(E)(D)の後に、個性化された物体の第一のレンダリングを第二のコンピュータ装置に伝達することを、含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項1】
物体の三次元コンピュータモデルを用いて使用するコンピュータが実行する方法であって、該モデルは複数の層を含み、該複数の層の各々は該モデルの少なくとも一つの対応する要素を含み、該複数の層の各々は少なくとも一つの属性と関連し、該方法は、
(A)複数の層レンダリングを作り出すために、該複数の層の各々を少なくとも一つの属性の複数の値の各々とレンダリングすることと;
(B)複数の属性値を特定する個性化された物体の第一のレンダリングのための第一の依頼を受けることと;
(C)複数の層レンダリングの中から特定された複数の属性値に対応する層レンダリングのサブセットを選択することと;
(D)前記個性化された物体の第一のレンダリングを作り出すために、選択された層レンダリングのサブセットを組み合わせることと;
を含む、方法。
【請求項2】
該複数の層の第一の層が複数の要素を含み、(A)が該第一の層の複数の要素を少なくとも一つの属性の複数の値とレンダリングすることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
(A)が
(A)(1)第一の層レンダリングを作り出すために、該複数の層の全部が該複数の値の各々とレンダリングすることと;
(A)(2)第一の層レンダリングから特定の層と異なる全ての層の表現を除去することと;を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
更に
(E)特定の複数の属性値に基づき、個性化された物体の価格を確認することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
(A)が可変形状要素のシャドウをレンダリングすることを含み、複数の層レンダリングが該可変形状要素のシャドウを含み、
該方法が更に
(E)複数の層レンダリングと異なる、不変形状要素のシャドウを含む層を作り出すために、不変形状要素のシャドウをレンダリングすること;を含み、
(D)が、個性化された物体のレンダリングを作り出すために、選択されたサブセットの層レンダリングを互いにまた不変形状要素のシャドウを含む層と組み合わせることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
(E)第一のレンダリングを保存すること;と、
(F)複数の属性値を特定する第二の依頼を受けること;と、
(G)第二の依頼に応えて、第一のレンダリングを提供すること;とを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
(D)が第一のコンピュータ装置によって実行され、該方法が更に
(H)(D)の後、第一のコンピュータ装置で個性化された物体の第一のレンダリングを第二のコンピュータ装置に伝達すること;を含み、
(E)、(F)、および(G)が第二のコンピュータ装置によって実行される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
(G)が第二のコンピュータ装置で第一のレンダリングをネットワーク上で第三のコンピュータ装置に伝達すること、を含む請求項7記載の方法。
【請求項9】
(B)および(C)が第一のコンピュータ装置で実行され、(D)が第二のコンピュータ装置で実行され、該方法が更に、
(E)(D)の前に、第一のコンピュータ装置でサブセットの層レンダリングをネットワーク上で第二のコンピュータ装置に伝達すること;を含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
(B)、(C)および(D)が第一のコンピュータ装置で実行され、該方法が更に、
(E)(D)の後に、個性化された物体の第一のレンダリングを第二のコンピュータ装置に伝達すること;を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
コンピュータ可読のコンピュータプログラム指示を含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータ可読媒体に正確に保存され、コンピュータプロセスで実施され物体のコンピュータモデルと使用して方法を実行し、該モデルは複数の層を含み、該複数の層の各々は少なくとも一つの対応する要素をモデル内に含み、該複数の層の各々は少なくとも一つの属性と関連し、該方法は:
(A)該複数の層の各々を少なくとも一つの属性の複数の値の各々とレンダリングし、複数の層レンダリングを作り出すこと;と、
(B)複数の属性値を特定する個性化された物体の第一のレンダリングを求める第一の依頼を受け取ること;と、
(C)複数の層レンダリングの中から特定の複数の属性値に対応する層レンダリングのサブセットを選択すること;と、
(D)選択された層レンダリングのサブセットを組み合わせ、個性化された物体の第一のレンダリングを作り出すこと;とを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
複数の層の第一の一つが複数の要素を含み、(A)が第一の層の複数の要素を少なくとも一つの属性の複数の値の各々とレンダリングすることを含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
(A)が:
(A)(3)複数の層の全てを複数の値の各々とレンダリングし、第一の層レンダリングを作り出すこと;および
(A)(4)第一の層レンダリングから、特定の層と異なる全ての層の表現を除去すること;を含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
更に、
(E)特定の複数の属性値に基づき、個性化された物体の価格を確認すること、を含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
(A)が可変形状要素のシャドウをレンダリングすることを含み、複数の層レンダリングが可変形状要素のシャドウを含み;該方法は更に、
(E)不変形状要素のシャドウをレンダリングし、複数の層レンダリングから目立ち、不変形状要素のシャドウを含む層を作り出すこと;および
(D)が選択された層レンダリングのサブセットを互いにかつ不変形状要素のシャドウを含む層と組み合わせ、個性化された物体のレンダリングを作り出すこと、を含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
更に、
(E)第一のレンダリングを保存すること;
(F)複数の属性値を特定する第二の依頼を受け取ること;
(G)第二の依頼に応じて、第一のレンダリングを提供すること、を含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
(D)が第一のコンピュータ装置によって実施され、該方法が更に、
(H)(D)の後に、第一のコンピュータ装置において、個性化された物体の第一のレンダリングを第二のコンピュータ装置に伝達すること;を含み、そして、
(E)、(F)、および(G)が第二のコンピュータ装置によって実施される、請求項16記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
(G)が第二のコンピュータ装置において、第一のレンダリングをネットワーク上で第三のコンピュータ装置に伝達することを含む、請求項17記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
(B)および(C)が第一のコンピュータ装置によって実施され、(D)が第二のコンピュータ装置によって実施され、該方法が更に;
(F)(D)の前に、第一のコンピュータ装置において、層レンダリングのサブセットをネットワーク上で第二のコンピュータ装置に伝達すること、を含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
(B)、(C)および(D)が第一のコンピュータ装置によって実施され、該方法が更に、
(E)(D)の後に、個性化された物体の第一のレンダリングを第二のコンピュータ装置に伝達することを、含む、請求項11記載のコンピュータプログラム製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【公表番号】特表2012−518226(P2012−518226A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550142(P2011−550142)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/021115
【国際公開番号】WO2010/093493
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(511189300)ジェンバラ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/021115
【国際公開番号】WO2010/093493
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(511189300)ジェンバラ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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