説明

島設備

【課題】容易な作業で且つ低コストにて設置する遊技機を変更させることができる島設備を提供する。
【解決手段】遊技機を複数並列に設置可能な島設備において、遊技機の設置部位に脱着可能とされるとともに任意の遊技機を取り付け可能な第1ユニット部材2及び第2ユニット部材3を具備し、第1ユニット部材2にパチンコ遊技機Pを取り付け、第2ユニット部材3にスロットマシンSを取り付けるよう構成されたものであって、当該第1ユニット部材2及び第2ユニット部材3は、取り付ける遊技機(パチンコ遊技機P又はスロットマシンS)に応じて当該遊技機を固定させる固定部位の高さを異ならせて成るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機を複数並列に設置可能な島設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機の島設備は、パチンコ店内ホールに設置され、複数のパチンコ遊技機が横並びに配設されるとともに、それらパチンコ遊技機に対して遊技球の供給及び回収等を行い得るよう構成されている。一方、パチスロ等のスロットマシンの島設備は、パチンコ遊技機の島設備と同様、パチンコ店内ホールに設置され、複数のスロットマシンが横並びに配設されるとともに、それらスロットマシンに対してコインの供給及び回収等を行い得るよう構成されている。
【0003】
ところで、パチンコ遊技機とスロットマシンを設置させた設置島は、遊技者のニーズや遊技店側の都合により、同一ホール内に任意混在させて配設することがある。従って、従来より、遊技者のニーズや遊技店の都合が変化してしまうことにより、例えばパチンコ遊技機を設置した島設備からスロットマシンを設置した島設備に変更したり、或いはスロットマシンを設置した島設備からパチンコ遊技機を設置した島設備に変更する場合があった。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の島設備においては、パチンコ遊技機を設置する場合とスロットマシンを設置する場合とでは、遊技機を設置すべき高さ寸法等が互いに異なるため、島設備の骨格自体を改修する必要があり、多大なコストがかかってしまうという不具合があった。特に、島設備の骨格から改修するには、ホールの床に骨格を構成する島柱を打ち直すなどの大掛かりな工事が必要とされることから、改修コストは著しく多大なものとなってしまう。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、容易な作業で且つ低コストにて設置する遊技機を変更させることができる島設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、遊技機を複数並列に設置可能な島設備において、前記遊技機の設置部位に脱着可能とされるとともに任意の遊技機を取り付け可能なユニット部材を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の島設備において、前記ユニット部材に取り付ける遊技機は、遊技球を使用して遊技するパチンコ遊技機又はコインを使用して遊技するスロットマシンの何れか任意に設定されるとともに、当該ユニット部材は、取り付ける遊技機に応じて当該遊技機を固定させる固定部位の高さを異ならせて成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、遊技機の設置部位に脱着可能とされるとともに任意の遊技機を取り付け可能なユニット部材を具備したので、容易な作業で且つ低コストにて設置する遊技機を変更させることができる。特に、同一の島設備に互いに異なる遊技機を容易な作業で且つ低コストにて設置させることができ、そのレイアウトも容易且つ低コストにて変更可能である。
【0009】
請求項2の発明によれば、ユニット部材に取り付ける遊技機は、遊技球を使用して遊技するパチンコ遊技機又はコインを使用して遊技するスロットマシンの何れか任意に設定されるとともに、当該ユニット部材は、取り付ける遊技機に応じて当該遊技機を固定させる固定部位の高さを異ならせて成るので、遊技機を最適の設置高さに保持して取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る島設備(正面側)を示す全体模式図
【図2】同島設備(背面側)を示す全体模式図
【図3】同島設備(上面側)を示す全体摸式図
【図4】同島設備(側面側)を示す模式図
【図5】同島設備におけるパチンコ遊技機を設置した第1ユニット部材を示す3面図
【図6】同第1ユニット部材を示す斜視図
【図7】同第1ユニット部材におけるフレームを示す斜視図
【図8】同島設備におけるスロットマシンを設置した第2ユニット部材を示す3面図
【図9】同第2ユニット部材を示す斜視図
【図10】同第2ユニット部材におけるフレームを示す斜視図
【図11】同島設備(正面側)におけるパチンコ遊技機の一部をスロットマシンに変更した状態を示す全体模式図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る島設備は、遊技機(パチンコ遊技機及びスロットマシン)を複数並列に設置可能とされたもので、図1〜4に示すように、パチンコ遊技店内のホールに固定されたフレームFを骨格として構成されるとともに、正面側に複数のパチンコ遊技機P(図1参照)が設置され、背面側に複数のスロットマシンS(パチスロと称される遊技機)(図2参照)が設置されたものである。なお、島設備1の骨格としてのフレームFは、例えば金属製の枠体等で構成された高強度なものであり、パチンコ遊技店内のホール床面に固定されている。
【0012】
島設備1の内部(フレームFの内部)には、パチンコ遊技機P及びスロットマシンSに電力を供給し得る電力供給手段(不図示)を具備するとともに、洗浄装置4と、揚送機5と、補給樋7と、回収レール8とが配設されている。揚送機5の上部には、補給タンク6が配設されており、当該補給タンク6から図1中左右方向にそれぞれ補給樋7が延設されている。而して、パチンコ遊技機Pから排出された遊技球は、回収レール8を介して洗浄装置4に至り、そこで洗浄された後、揚送機5にて補給タンク6まで揚送される。補給タンク6まで揚送された遊技球は、補給樋7にて流通する過程で各パチンコ遊技機Pに補給されることとなる。
【0013】
島設備1の正面側に配設されたパチンコ遊技機Pは、周知の通り、遊技球を使用して遊技するものであり、本実施形態においては、それぞれの遊技機において払出された遊技球を計数手段K(図5参照)にて計数して遊技可能とされている。この計数手段Kは、各パチンコ遊技機Pにおける膳板2cに固定されている。すなわち、例えば賞球として払い出された遊技球は、ドル箱と称されるものの如き収容箱に貯留されず、計数手段Kにて計数された後、回収レール8にて回収されるようになっているのである。これにより、容量が大きな補給タンクを不要とすることができる。
【0014】
一方、島設備1の背面側に配設されたスロットマシンSは、周知の通り、メダル(コイン)を使用して遊技するものであり、本実施形態においては、それぞれの遊技機において手作業でコインを回収及び補給して遊技可能とされている。すなわち、島設備1の一端部には、図1、2に示すように、ジョッキ9が配設されており、かかるジョッキ9により遊技者又はスタッフが各スロットマシンSにメダルを供給するようになっている。
【0015】
また、島設備1の一端部には計数装置Aが配設されており、本実施形態に係る計数装置Aは、メダルを投入可能な一対の投入口11、12を有している。これら投入口11、12にメダルを投入することにより、遊技者が獲得したメダルを計数し得るとともに、計数後のメダルがリフタ10を介してジョッキ9に至り、当該ジョッキ9にて収容可能となっている。
【0016】
ここで、本実施形態に係る島設備1においては、遊技機(パチンコ遊技機P又はスロットマシンS)の設置部位に脱着可能とされるとともに任意の遊技機(パチンコ遊技機P又はスロットマシンS)を取り付け可能なユニット部材(第1ユニット部材2及び第2ユニット部材3)を具備している。かかるユニット部材は、パチンコ遊技機Pを設置可能な第1ユニット部材2と、スロットマシンSを設置可能な第2ユニット部材3とから主に構成されている。
【0017】
第1ユニット部材2は、島設備1のフレームFにおける任意部位(遊技機の設置部位)に汎用の取付手段(ビスやボルト等)にて固定可能とされたもので、図5〜7に示すように、例えば金属製のフレームf1を骨格として、その下部に腰板2aが取り付けられるとともに上部に幕板2bが取り付けられ、腰板2aの上部には、膳板2cが遊技者の着座側に突出形成されている。パチンコ遊技機Pは、図5に示すように、膳板2cと幕板2bとの間に設置されるとともに、幕板2bには、パチンコ遊技機Pの各種情報やスタッフの呼び出しボタン等が配設された操作表示部Rが配設されている。
【0018】
フレームf1は、図7に示すように、高さ寸法h及び幅寸法wに設定された枠体から成るもので、パチンコ遊技機Pの固定部位(膳板2c)の高さは、予め当該パチンコ遊技機Pの仕様に応じた寸法に設定されている。然るに、フレームf1の所定部位には、島設備1のフレームFと固定させるための取付部位が形成されており、当該フレームFに対してフレームf1(即ち、第1ユニット部材2)が脱着可能とされている。
【0019】
第2ユニット部材3は、第1ユニット部材2と同様、島設備1のフレームFにおける任意部位(遊技機の設置部位)に汎用の取付手段(ビスやボルト等)にて固定可能とされたもので、図8〜10に示すように、例えば金属製のフレームf2を骨格として、その下部に腰板3aが取り付けられるとともに上部に幕板3bが取り付けられ、腰板3aの上部には取付板3cが、幕板3bの下部には棚板3dがそれぞれ遊技者の着座側に突出形成されている。スロットマシンSは、図8に示すように、取付板3cと棚板3dとの間に設置されるとともに、幕板3bには、スロットマシンSの各種情報やスタッフの呼び出しボタン等が配設された操作表示部Rが配設されている。
【0020】
フレームf2は、図10に示すように、高さ寸法h及び幅寸法wに設定された枠体から成るもので、スロットマシンSの固定部位(取付板3c)の高さは、予め当該スロットマシンSの仕様に応じた寸法に設定されている。すなわち、パチンコ遊技機Pを取付可能なフレームf1とスロットマシンSを取付可能なフレームf2とは、同一に設定されており、互いに交換可能となっているのである。然るに、フレームf2の所定部位には、島設備1のフレームFと固定させるための取付部位が形成されており、当該フレームFに対してフレームf2(即ち、第2ユニット部材3)が脱着可能とされている。
【0021】
このように、本実施形態におけるユニット部材(第1ユニット部材2及び第2ユニット部材3)は、取り付ける遊技機に応じて当該遊技機を固定させる固定部位の高さを異ならせて成るとともに、その意匠面(腰板や幕板の意匠)を取り付ける遊技機に応じたものとすることができる。即ち、第1ユニット部材2及び第2ユニット部材3の骨格となるフレームf1及びf2の寸法を共通化することにより、互いの交換を容易に行わせることができるのである。
【0022】
然るに、遊技者のニーズや遊技店側の都合により、パチンコ遊技機PをスロットマシンSに交換する場合、島設備1に固定された第1ユニット部材2を取り外し、その部位に第2ユニット部材3を固定させた後、スロットマシンSを取り付けることができるとともに、スロットマシンSをパチンコ遊技機Pに交換する場合、島設備1に固定された第2ユニット部材3を取り外し、その部位に第1ユニット部材2を固定させた後、パチンコ遊技機Pを取り付けることができる。このような交換は、島設備1の全体の遊技機を交換する際に行うことができるとともに、例えば図11に示すように、パチンコ遊技機Pが設置された列の一部(同図中左側半分)をスロットマシンSに交換することができる。
【0023】
本実施形態によれば、遊技機(パチンコ遊技機P又はスロットマシンS)の設置部位に脱着可能とされるとともに任意の遊技機(パチンコ遊技機P又はスロットマシンS)を取り付け可能なユニット部材(第1ユニット部材2及び第2ユニット部材3)を具備したので、容易な作業で且つ低コストにて設置する遊技機を変更させることができる。特に、同一の島設備1に互いに異なる遊技機を容易な作業で且つ低コストにて設置させることができ、そのレイアウトも容易且つ低コストにて変更可能である。
【0024】
また、ユニット部材(第1ユニット部材2及び第2ユニット部材3)に取り付ける遊技機は、遊技球を使用して遊技するパチンコ遊技機P又はコインを使用して遊技するスロットマシンSの何れか任意に設定されるとともに、当該ユニット部材(第1ユニット部材2及び第2ユニット部材3)は、取り付ける遊技機(パチンコ遊技機P又はスロットマシンS)に応じて当該遊技機を固定させる固定部位の高さを異ならせて成るので、遊技機を最適の設置高さに保持して取り付けることができる。
【0025】
さらに、第1ユニット部材2に取り付けられるパチンコ遊技機Pは、それぞれの遊技機において払出された遊技球を計数して遊技可能とされたので、パチンコ遊技機Pの遊技球を扱うための装置(例えば補給タンク等)を小型化することができ、同一の島設備1にパチンコ遊技機PとスロットマシンSとを混在させて設置する場合、パチンコ遊技機Pで使用される遊技球の供給手段や回収手段等の設備と、スロットマシンSで使用されるコインの供給手段や回収手段等の設備とが干渉してしまうのを回避することができる。
【0026】
第2ユニット部材3に取り付けられるスロットマシンSは、それぞれの遊技機において手作業でコインを回収及び補給して遊技可能とされたので、スロットマシンSのコインを扱うための装置を小型化することができ、同一の島設備1にパチンコ遊技機PとスロットマシンSとを混在させて設置する場合、パチンコ遊技機Pで使用される遊技球の供給手段や回収手段等の設備と、スロットマシンSで使用されるコインの供給手段や回収手段等の設備とが干渉してしまうのを回避することができる。
【0027】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば第1ユニット部材2に取り付けられるパチンコ遊技機は、それぞれの遊技機において払出された遊技球を計数して遊技可能なものに限定されず、汎用的なドル箱に払出された遊技球を収容させるもの或いは単独の遊技機にて遊技球が循環するもの(所謂封入式パチンコ遊技機と称されるもの)等としてもよい。また、第2ユニット部材3に取り付けられるスロットマシンは、それぞれの遊技機において手作業でコインを回収及び補給して遊技可能なものに限定されず、島設備1内に各スロットマシンにメダルを自動的に補給して回収する手段を設置したものとしてもよい。なお、本実施形態においては、遊技機としてパチンコ遊技機PとスロットマシンSとを配設させるものとされているが、他の形態の遊技機(例えば、遊技球やメダルとは異なる遊技媒体を使って遊技可能なもの)を配設させるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0028】
遊技機の設置部位に脱着可能とされるとともに任意の遊技機を取り付け可能なユニット部材を具備した島設備であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等としてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 島設備
2 第1ユニット部材
3 第2ユニット部材
4 洗浄装置
5 揚送機
6 補給タンク
7 補給樋
8 回収レール
9 ジョッキ
10 リフタ
11、12 投入口
P パチンコ遊技機
S スロットマシン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機を複数並列に設置可能な島設備において、
前記遊技機の設置部位に脱着可能とされるとともに任意の遊技機を取り付け可能なユニット部材を具備したことを特徴とする島設備。
【請求項2】
前記ユニット部材に取り付ける遊技機は、遊技球を使用して遊技するパチンコ遊技機又はコインを使用して遊技するスロットマシンの何れか任意に設定されるとともに、当該ユニット部材は、取り付ける遊技機に応じて当該遊技機を固定させる固定部位の高さを異ならせて成ることを特徴とする請求項1記載の島設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−139400(P2012−139400A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294348(P2010−294348)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【出願人】(307021715)三協マテリアル株式会社 (17)
【Fターム(参考)】