嵩及び平滑度を有するペーパー・ウェブの製造方法
【課題】少ないエネルギーと費用で迅速に乾燥させ得るペーパー・ウェブおよび多区域ペーパー・ウェブを製造する方法の提供、既存の抄紙機の実質的改良を要することなく作るための方法の提供、少なくとも2つの異なる非エンボス区域を有するペーパー・ウェブ、及び、そのウェブの製造方法の提供。
【解決手段】ペーパー・ウェブ20とペーパー・ウェブを作る方法。1つの実施例ではウェブが薄い連続区域30と厚い不連続区域50を有する。厚い区域50は薄い区域30の面内に配置されている。紙構造は迅速かつ効率良く乾燥でき、平滑面を有するが、強化された吸収力と嵩密度を提供することができる。
【解決手段】ペーパー・ウェブ20とペーパー・ウェブを作る方法。1つの実施例ではウェブが薄い連続区域30と厚い不連続区域50を有する。厚い区域50は薄い区域30の面内に配置されている。紙構造は迅速かつ効率良く乾燥でき、平滑面を有するが、強化された吸収力と嵩密度を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は紙構造体、特に嵩高で平滑度を有するティシュ・ペーパー・ウェブ、及び、このようなウェブを製造する方法に関する。
【0002】
発明の背景
紙構造体(例えばトイレット・ティシュ、紙タオル、及び化粧ティシュ等)は、家庭や産業全体に広く使用されている。このようなティシュ製品を多くの消費者に好まれるようにするために多くの努力が払われてきた。
【0003】
嵩高で可撓性を有し、消費者から好まれるティシュを提供するという問題を解決する方法のひとつは、米国特許第3,994,771号明細書(1976年11月30日発行、モーガン(Morgan)等)に記載されている。改良された嵩及び可撓性も、米国特許第4,191,609号明細書(1980年3月4日発行、トロクハン(Trokhan))が示すように、双方向ジグザグの圧縮ゾーン及び非圧縮ゾーンによって提供される(この特許は参照によって本明細書に含まれる)。
【0004】
消費者に好まれるティシュ・ペーパーを作るための他の問題解決法は、ティシュ・ペーパー製品を、嵩高で引張強さが大きく破裂強度の大きいものにするために、紙構造体を乾燥することである。この方法で作られた紙構造体の例は、米国特許第4,637,859号明細書(1987年1月20日発行、トロクハン(Trokhan))に示されている(この特許明細書は参照によって本明細書に含まれる)。米国特許第4,637、859号明細書は、連続網状構造全体に分散された不連続ドーム型突出部を示している(この特許明細書は参照によって本明細書に含まれる)。連続網状構造は強度を提供することができ、それに対して厚いドームは柔軟性と吸収性を提供することができる。
【0005】
米国特許第4,637,859号明細書に開示された抄紙法の1つの短所は、例えばウェブ等の乾燥が多くのエネルギーを消費し、多くの費用を要し、典型的には通気乾燥装置の使用を含んでいることである。さらに、米国特許第4,637,859号明細書に開示された抄紙法は、ウェブを最終的にヤンキー・ドライヤーのドラムで乾燥させ得る速度が限定される。この限定は、ウェブをヤンキー・ドライヤー・ドラムに送る前に、ウェブに少なくとも部分的に型模様を与えることに基因すると考えられる。特に、米国特許第4,637,859号明細書記載の不連続ドームはヤンキー・ドライヤーの表面で、米国特許第4,637、859号明細書記載の連続網状構造と同じ程度まで乾燥されることはないであろう。したがって、所与の濃度レベル及び坪量のために、ヤンキー・ドライヤーの運転可能速度は限定される。
【0006】
次の刊行物、即ち:WO95/17548号公報(1995年6月29日発行、名義人アンプルスキー(Ampulski)等、米国優先日1993年12月20日);WO96/00812号公報(1996年1月11日発行、名義人トロクハン(Trokhan)等、米国優先日1994年6月29日);WO96/00814号公報(1996年1月11日発行、名義人ファン(Phan)、米国優先日1994年6月29日);米国特許第5、556、509号明細書(1996年9月17日発行、トロクハン(Trokhan)等);及び米国特許第5,549,790号明細書(1996年8月27日発行、ファン(Phan))は抄紙用の付加的な方法を示している(これらは参照によって本明細書に含まれる)。
【0007】
米国特許第4,326,000号明細書;米国特許第4,000,237号明細書;及び米国特許第3,903,342号明細書は、シートの表面同志を型模様の中で結合するエラストマー系結合物質を有するシート材料を説明している。このような方法は、結合物質の使用が経費を増大させ、生産速度の制御を困難にするという短所を有する。その上、弾性接着剤がウェブの吸収力を減少させるであろう。
【0008】
ニップの中で1つ以上の圧搾フェルトでウェブをプレスして作る従来のティシュ・ペーパーは高速製造が可能である。従来どおりにプレスされた紙は、一旦乾燥されてから、ウェブに型模様を施すため及びウェブの嵩増大のためにエンボス加工されることがある。例えばティシュ・ペーパー製品乾燥後にティシュ・ペーパー製品にエンボス型模様を施すことは、ごく普通に見受けられる。
【0009】
しかしながら、エンボス加工は紙構造体に、典型的にはその紙構造体の他の特性を犠牲にして、特定の美的外観を与える。特に、乾燥したペーパーにエンボス加工を施せば、セルロース構造体の中の繊維間結合が破壊される。この破壊は初期繊維スラリーの乾燥による紙層形成および設定によって発生する。紙構造体乾燥後にエンボス加工で繊維間結合を破壊すれば、繊維が紙構造体の面に直角に移動する。結合破壊は乾燥したペーパー・ウェブの引張強さを減少させる結果を招く。さらに、エンボス加工は、典型的には乾燥したペーパー・ウェブを乾燥ドラムから剥がした後に行われる。クレープ加工後のエンボス加工はウェブに与えたクレープ型模様を破壊することがある。例えばエンボス加工は、クレープ加工による型模様の圧縮又は引張りによって、ウェブの一部でクレープ加工の型模様を排除することがある。このような結果は、クレープ加工の型模様が乾燥ウェブの柔軟性及び可撓性を増加させるので好まれない。
【0010】
抄紙技術の科学者および技術者は、小額の費用で、充分に乾燥でき、柔軟で強く、かつ、吸収力のあるティシュ・ペーパーを作るための改良法の研究を続けている。
【0011】
したがって本発明の目的は、少ないエネルギーと費用で迅速に乾燥させ得るペーパー・ウェブおよび多区域ペーパー・ウェブを製造する方法の提供にある。
【0012】
本発明の他の目的は、(従来の、又は通気乾燥力を有する) 既存の抄紙機で形成し得る多数区域ペーパー・ウェブを、抄紙機の実質的改良を要することなく作るための方法を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、ウェブが次の特性:即ち、厚さ、高さ、密度、及び坪量の1つ以上の特性によって区別可能の、少なくとも2つの異なる非エンボス区域を有するペーパー・ウェブ、及び、そのウェブの製造方法を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、型模様を施された面と平滑な対向面によって強化された嵩厚み、嵩密度、及び吸収力を有し、それによって紙製品の消費者が望む嵩高と柔軟性の両特性を具備したペーパー・ウェブと、そのウェブを製造する方法を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、ウェブが結合物質(例えば吸収力に悪影響を与えるエラストマー系結合物質等)を実質的に含有しないペーパー・ウェブ、及び、そのウェブの製造方法を提供することにある。
【0016】
発明の概要
本発明は湿式ペーパー・ウェブを形成する方法を提供する。この方法は、多孔型フォーミング部材上に、第1及び第2面を有する抄紙用繊維の初期ウェブを形成する工程;第1ウェブ接触面および第2ウェブ接触面からなるウェブ対面側部を有し、第1および第2ウェブ接触面の高低差が初期ウェブの厚さ未満であるウェブ支持装置にウェブを送る工程;ウェブ濃度約10ないし60%でウェブの第1面に型模様を施す工程;ウェブの第2面の実質的全ての部分に隣接する位置にある加熱乾燥面にウェブを送る工程;及び、ウェブを加熱乾燥面から剥がす工程を有する。
【0017】
初期ウェブを形成する工程は、繊維結合剤を有する初期ウェブを形成するのが好ましい。1つの実施例では、初期ウェブの形成工程が多層ウェブの形成を行い、初期ウェブの中間層が繊維結合剤を有する。
【0018】
1つの実施例では、ウェブ支持装置が脱水フェルト層(以下、脱水用フェルト層ともいう。)を有し、第1及び第2のウェブ接触面の高低差が約0.152mm(約6ミル)未満、好ましくは約0.051mm(約2.0ミル)未満である。
【0019】
発明の詳細な説明
図1及び図2は本発明の一つの実施例に基くペーパー・ウェブ20を示し、図3ないし図5は図1及び図2に示したタイプの紙構造体の写真である。比較のために、図6及び図7Aないし図7Cに、米国特許第4,637,859号明細書に記載されたタイプのペーパー・ウェブを示す。
【0020】
ペーパー・ウェブは本発明の一つの実施例に基いて作られ、薄い区域と、薄い区域の面の中に配置された厚い区域を有する。このペーパー・ウェブは湿式でつくられ、乾燥エンボス加工を実質的に施されないことが可能である。図1ないし図5を参照すれば、ペーパー・ウェブ20は、それぞれ対向している第1及び第2の面22及び24を有する。ペーパー・ウェブ20は薄くて連続の網状構造区域30を有し、この区域は符号Kで表される厚さを有する。区域30の境界面22の一部分に符号32が付与され、表面24の一部分に符号34が付与されている。
【0021】
ウェブ20も、連続網状構造区域30の全体に配置された複数の厚い区域50を有している。厚い区域50は符号Pで表される厚さを有し、連続網状構造区域30の表面32から延びている。区域50の境界面22は部分的に符号52が付与され、区域54の境界面24は部分的に符号52が付与されている。厚さPは厚さKよりも厚い。好ましくは比率P/Kが約1.5以上である。図3を参照すれば、Pは約0.3mm以上、好ましくは約0.40以上にすることができる。Kは約0.25mm未満、より好ましくは約0.20mm未満にすることができる。
【0022】
連続網状構造30、及び不連続で厚い区域50は、共に、(例えばクレープ等によって)縮めることができる。図1ないし図2では、連続網状構造のクレープのうねは符号35で表され、概ね横方向に延びている。これと同様に、厚い区域50もクレープのうね55を有するように縮めることができる。
【0023】
連続網状構造30は米国特許第4,637,859号明細書に開示されたタイプの、密度が大きく目視的に単一の面の連続網状構造区域にすることができる。厚い区域50は、米国特許第4,637,859号明細書に開示されているように、双方向にジグザグに配置することができる。しかしながら、この厚い区域50は米国特許第4,637,859号明細書に開示された様なタイプではない。
【0024】
厚い区域50は連続網状構造30の面に配置されている。この網状構造30の面の高さは(図2に線で表された)面23を用いて概略表示されている。面23は面32及び34の間の中程に位置している。網状構造30の面が図2では平らなように示されているが、『網状構造30の面』は湾曲面23を有するものを意味している。
【0025】
ここで、『網状構造30の面の中に配置されている』という表現は、厚い区域50が面23の上下両方向に延びた部分を有することを表している。図2に示すように、厚い区域50は部分的に仮想線25に沿って延びている。この区域50の仮想線25に沿って延びた部分は面23の上下に配置されているので、線25と面52が交差する点は面23の上方にあり、線25と面54が交差する点は面23の下方にある。
【0026】
区域50が区域30の面の中に配置されている場合の厚さP及びKの測定手順、及び面23の位置の測定手順は、後述する『厚さ及び高さの測定』で説明する。
【0027】
図1及び図2に示すウェブとは対照的に、図6に示すウェブ80は、米国特許第4,637,859号明細書に開示されたものであるが、連続網状構造の面の中に配置された厚い区域を有していない。米国特許第4,637,859号明細書は、連続網状構造の面の中に配置されたドーム84を開示した。図6で、ドーム84は網状構造83の中に配置されていない。その代わりに、図6に示したように、ドーム84の下側の面は図6に示した面23の上方に配置されている。米国特許第4,637,859号明細書に開示されたタイプのウェブの写真を図7Aに示し、このようなウェブの対向している面を図7A及び図7Cに示す。
【0028】
したがって、図1及び図2に示したウェブ20は、連続網状構造の強度の利益、厚い区域50によって得られる嵩密度、目視厚さ、吸収性、及び柔軟性の利益を有することがあり、さらに、米国特許第4,837,859号明細書に示されたタイプのペーパーに比べれば平滑な面24を有する。
【0029】
特に、ウェブ20は、表面平滑度比が約1.15より大きく、より好ましくは約1.20より大きく、より好ましくは約1.25より大きくても良く、さらに、より好ましくは約1.30より大きくても良く、さらに、最も好ましくは約1.40より大きい。ここに、表面平滑度比は、表面22の表面平滑度を表面24の表面平滑度で除算した商の値である。
【0030】
一つの実施例では、ウェブ20の表面24は約900未満、より好ましくは約850未満の値の表面平滑度を有することがある。対向面22は表面平滑度の値が約900以上、より好ましくは約1000以上である。
【0031】
面の表面平滑度の値を測定する方法は後述の『表面平滑度』の項で説明する。面の平滑度の値は、より非平坦になり、滑らかさが減るにつれて増加する。したがって、小さい値の表面平滑度は滑らかな表面を示している。
【0032】
本発明のウェブ20とは対照的に、米国特許第4,637,859号明細書に開示されたタイプのペーパーのサンプルは約1.07の表面平滑度比、向き合う表面が約993及び1065の表面平滑度を示すことがある。
【0033】
ウェブ20の一つの長所は、柔軟性を提供する平滑面24、大きい嵩と吸収性を提供する厚い区域50、及び、強さを出すためのコンパクトで薄く高密度の網状構造区域30を組み合わせたことである。さらにペーパー・ウェブ20は後述の様に、迅速かつ効率良く形成され乾燥されることが可能である。
【0034】
平滑面24を有するウェブ20は、外側を向いた平滑面を有する多数プライのティシュを作るのに活用することができる。例えば、2つ以上のウェブ20が多数プライのティシュを形成するために組み合わせ得るから、多プライ・ティシュの外側を向いた2つの面は、ウェブ20の面24、及び、内側方向を向いた外側の面22を有する。このような多プライ・ティシュは、連続網状構造全体に亘って分散している厚い区域に強度及び嵩の利益を受けることができ、さらに、消費者が触れた時に平滑で柔らかな表面を与えることができる。
【0035】
このような2プライ・ティシュの例は図9Dに示されている。この2つのウェブ20を、任意の適当な要領で(機械的、接着的、超音波的、及び、これらの方法の組み合わせを含めるが、これらに限定されることなく)対面関係を有するように結合することができる。
【0036】
ウェブ20は約7ないし約70グラム毎平方メートルの坪量を有することができる。ウェブ20は約0.1mm以上、より好ましくは約0.2mm以上の目視的厚み、及び約0.12グラム毎立方センチメートルの嵩密度(坪量を巨視厚みで除した商)を有することができる。ウェブの坪量、目視厚み、及び嵩密度を測定する手順は後述する。
【0037】
図1及び図2に示されたタイプのウェブ20は約20グラム毎グラム以上の吸収力を有することもできる。吸収力測定法の手順は後述する。したがって、ウェブ20は、通常の場合、従来のフェルト・プレスされたティシュ・ペーパーと関連する平滑面の利益との組合せで、嵩高のペーパー・ウェブの吸収性の利益を発揮する。
【0038】
ウェブ支持装置
図8A及び図8Bは 図1及び図2に示されたタイプの ウェブを作るのに使用するウェブ支持装置200を示している。このウェブ支持装置200は脱水フェルト層220及びウェブ型模様付け層250を有する。ウェブ支持装置200は、抄紙機にあるウェブに乾燥及び型模様付けを行うために、連続するフェルトの形にすることができる。ウェブ支持装置200は、ウェブ側を向いた第1面202、及び反対側を向いた第2面204を有する。ウェブ支持装置200は、ウェブ側を向いた第1面202が、図8Aを見ている人の方を向いている。ウェブ側を向いた第1面202は第1ウェブ接触面及び第2ウェブ接触面を有する。
【0039】
図8A及び図8Bでは、第1ウェブ接触面はフェルト層220の第1フェルト面230である。第1フェルト面230は第1の高さに配置されている。フェルト層220は反対側を向いた第2フェルト面232をも有している。
【0040】
図8A及び8Bでは、第2ウェブ接触面は、ウェブ型模様付け層250によって提供される。ウェブ型模様付け層250はフェルト層220に結合されて、第2の高さ261にウェブに接触する頂部表面260を有する。第1の高さ231と第2の高さ261との差は、ウェブがウェブ支持装置200に送り込まれた時のウェブの厚さより小さい。フェルト面260及び230が同じ高さに配置されることがあるので、高さ231及び261は同じである。代替的に、面260は表面230より若干高くすることができ、換言すれば、表面230は表面260より若干低くすることができる。
【0041】
この高さの差は0.0mm(0.0ミル)以上、約0.20mm未満(約8.0ミル)である。一つの実施例では、高さの差は、以下に説明する様に、平滑面24を維持するために、約0.15mm(約6.0ミル)未満、より好ましくは約0.10mm(約4.0ミル)未満、最も好ましくは約0.051mm(約2.0ミル)未満である。
【0042】
脱水フェルト層220は透水性で、抄紙繊維の湿潤ウェブから押し出された水を受け入れて保持することができる。ウェブ型模様付け層250は非透水性で、抄紙繊維の湿潤ウェブから押し出された水を受け入れず、保持もしない。ウェブ型模様付け層250は、図8Aに示したように、頂部表面260に接触する連続ウェブを有することができる。代替的に、ウェブ型模様付け層は不連続または半連続にすることができる。不連続の頂部表面260を図8Cに示す。
【0043】
ウェブ型模様付け層250は好ましくは感光性樹脂を有し、この樹脂は第1面230に液体の形態で堆積し、その後に放射線によって実質的に硬化し得るので、ウェブ型模様付け層250が部分的に浸透し、これによって、第1フェルト面230に接着保持される。ウェブ型模様付け層250は、好ましくはフェルト面220の厚さ全体に広がらず、その代りに、ウェブ支持装置の可撓性及び圧縮性、特にフェルト面220の可撓性及び圧縮性を維持するために、フェルト面220の厚さの約半分より浅く広がる。
【0044】
適当な脱水フェルト層220は、織られた繊維244の形の構造を支持するために、例えば製織によって結合された天然または合成の繊維の不織布バット240を有する。不織布で作られた適当な材料は、天然繊維(例えばウール等)及び合成繊維(例えばポリエステルやナイロン等)で作ることができるが、これらに限定されない。このバット240を形成する繊維は、フィラメントの長さ9000m当たり約3ないし約20gのデニールを有することができる。
【0045】
フェルト層220は層構造を有することができ、繊維のタイプおよびサイズの混合物からなることができる。フェルト層220は、ウェブから受け入れた水を第1フェルト面230から第2フェルト面232へ送るのを促進する形状である。フェルト層220は第1フェルト面230に隣接配置された、より細く、密に詰められた繊維を有することができる。フェルト層220は、好ましくは、第2フェルト面232に隣接するフェルト層220の密度と孔の寸法よりも、第1フェルト表面230に隣接して、密度が大きく、孔が細いので、第1フェルト面230に入った水は、第1フェルト面230から運び出される。
【0046】
脱水フェルト層220は約2mmを超える厚さを有することができる。一つの実施例では、脱水フェルト層220は約2mmないし約5mmの厚さを有することができる。
【0047】
WO96/00812号PCT国際公報(1996年1月11日発行)、WO96/25555号公報(1996年8月22日発行)、WO96/25547号公報(1996年8月22日発行)は全てトロクハン(Trokhan)等の名義であり;米国特許出願第08/701,600号明細書(1996年8月22日発行、『樹脂を抄紙に使用する方法』);米国特許出願第08/672,293号明細書(1996年4月30日発行、『型模様付け層を有する高吸収性及び低反射性のフェルト』);米国特許出願第08/672,293号明細書(1996年6月28日発行、『選択された透過性を有し湿潤プレスされたティシュ・ペーパーを製造する方法』)は、感光性樹脂を脱水フェルトに使用することの開示、及び、適当な脱水フェルトの開示の目的で、参照として本明細書に含まれる。
【0048】
脱水フェルト220は約200標準立方フィート毎分(scfm)未満の透気度を有することができ、ここに、scfmを単位とする透気度は、脱水フェルトの厚さ方向の圧力差が約125Pa(約0.5インチ水柱)で、面積1平方フィートのフェルト層を通過する空気の量を、立方フィート毎分で表した数値である。一つの実施例では、脱水用フェルト220は約5乃至約200scfm、より好ましくは約100未満の透気度を有することができる。
【0049】
脱水用フェルト220は、坪量を800乃至2000グラム毎平方メートル、平均密度(坪量を厚さで除した商)を0.35乃至0.45グラム毎立方センチメートルにすることができる。ウェブ支持装置200の透気度はフェルト層220の透気度以下である。
【0050】
一つの適当な脱水フェルト220は、ウィスコンシン州、アップルトンのアップルトン社(Appleton Mills Co.)製のAmflex2Press Feltである。このフェルト220は、約3mmの厚さ、約1400グラム毎平方メートルの坪量、約30scfmの透気度を有することができ、かつ、3プライのマルチフィラメントの上部および底部縦糸と、4プライの太綱つなぎのモノフィラメントの横方向織りを有する2層の支持装置を有している。バット240はポリエステル繊維(第1面230で約3デニール、第1面230の下のバット基質で約10ないし15デニール)を有することができる。
【0051】
図8Aに示されたウェブ支持装置200は、不連続開口部270がある上面260に接触する連続網状構造を有するウェブ型模様付け層250を有する。開口部270のための適当な形状には、円形、縦方向(図8Aの機械の運転方向)に長い楕円形、多角形、不規則な形状、及び、これらが混合した形状等がある。連続網状構造体の上面260の突出面の面積は、図8Aに見られるように、ウェブ支持装置200の突出面の面積の約5乃至約75%にでき、好ましくは、この装置200の突出面の面積の約25乃至約50%である。
【0052】
図8Aに示された実施例では、連続網状構造体の上面260は、ウェブ支持装置200の突出面の面積6.45cm2(1平方インチ)当り約700個の不連続開口部270、好ましくは、図8Aに示された装置の突出面の面積6.45cm2(1平方インチ)当り約10ないし約400個の不連続開口部を有することができる。米国特許第4,637,859号明細書に記載されたように縦(MD)及び横(CD)両方向にジグザグに配置することができる。一つの実施例では開口部270は、開口部の寸法に応じて、重ね合わせたり、両方向にジグザグに配置することができるので、縦横両方向に、開口部270の縁が相互に交差するように延びたり、縦横両方向に相互に平行に引かれた線が数個の開口部270を過ぎる様にすることができる。
【0053】
抄紙方法の説明
本発明に基づく紙構造体20は、図9A、9B、及び図9Cに示すような抄紙装置を用いて作ることができる。図9Aを参照すれば、本発明に基づく紙構造体20を製造する方法は、抄紙用繊維をスラリーの形の水性分散液(以下水性スラリ液とも称する。)にし、抄紙用スラリーをヘッド・ボックス500から多孔型で液体透過性のフォーミング部材(例えばフォーミング・ベルト542等)の上に堆積させ、それに引き続いて、フォーミング・ベルト542に支持されている抄紙繊維543の初期ウェブを形成することによって開始される。説明簡潔化のために、フォーミング・ベルト542が単一連続型長網ワイヤーとして示されている。これは、従来公知の任意の各種ツイン・ワイヤーを使用することができることであると理解されよう。
【0054】
各種の木材パルプは全て、本発明に使用される抄紙繊維を有することが予想される。しかしながら他のセルロース繊維パルプ(例えばコットン・リンター、バガス、レーヨン等)を使用することが可能であり、特許請求されないものは全くない。本明細書に有用な木材パルプには、化学パルプ(例えばクラフト・パルプ、亜硫酸パルプ、硫酸パルプ等)があり、さらに、機械パルプ(例えば砕木パルプ、熱機械パルプ、及び化学熱機械パルプ(CTMP)等)がある。針葉樹及び広葉樹から得られるパルプも使用することができる。
【0055】
広葉樹パルプ及び針葉樹パルプ、さらにこの二種類のパルプをブレンドしたものも採用することができる。広葉樹パルプという用語は、本明細書に使用されるときには、広葉樹材の木質パルプから得られる繊維パルプとして参照され、これに対して、針葉樹パルプは針葉樹材の木質パルプから得られる繊維パルプである。広葉樹材(例えば平均繊維長が約1.00mmのユーカリ樹等)は、柔軟性が重要な、以下に説明するティシュ・ペーパー・ウェブに特に適当であり、これに対して、平均繊維長が約2.5mmの北部地方産針葉樹のクラフト・パルプは強度を要求される部分に好ましい。本発明に対しては、リサイクル紙から作られた繊維を使用することもでき、これには上述のカテゴリーの任意又は全てのもの、さらに他の非繊維性材料、例えば元々の紙の抄紙を行うために使用された填料や接着剤等がある。
【0056】
完成紙料には各種の添加剤、例えば湿潤強力結合剤、乾燥強力結合剤等の繊維結合物質、及び化学的柔軟剤成分があるが、これらに限定されるものではない。適当な湿潤強力結合剤には、例えばデラウエア州、ウィルミントンのハーキュリーズ社によって KYMENE(登録商標)557Hの商品名で販売されているポリアミド・エピクロルヒドリンがある(これに限定されない)。適当な一時湿潤強力結合剤には改良された澱粉結合剤、例えば改質澱粉結合剤(例えば、ニューヨーク州、ニューヨークのナショナル・スターチ・ケミカル社(National Starch & Chemical Corp.)が市販しているNATIONAL STARCH(登録商標)78‐0080等)がある(これに限定されない)。
【0057】
適当な乾燥強力結合剤には、カルボキシメチルセルロースのような物質や、ACCO(登録商標)711のようなカチオンポリマーがある。この乾燥強力結合剤のACCO(登録商標)の一族は、ニュージャージー州、ウェインのアメリカン・サイナミッド・カンパニー社(American Cyanamid Co.)から入手可能である。
【0058】
好ましくは、フォーミング・ワイヤ上に堆積された完成紙料は、ウェブが乾燥した時に或る程度の繊維と繊維が結合を形成するのを抑制するための結合抑制剤を有する。この結合抑制剤は、乾燥クレープ法によって与えられるエネルギーと組み合わされて、結果的にウェブを部分的にデバルク(debulk)させる。一つの実施例では、結合抑制剤は、2つ以上の層の間に位置する中間繊維層を形成する繊維に使用することができる。この中間層は、繊維外層間の結合抑制層として作用する。クレープのエネルギーは、それ故に、ウェブを結合抑制層に沿って部分的にデバルク(debulk)することができる。ウェブのデバルクは結果的にボイド310の中に形成することができる(図16)。
【0059】
結果として、ウェブはヤンキー・ドライヤーで効率良く乾燥を行うために平滑面を形成されることがある。しかも、クレープ用のブレードでリバルク(rebulk)を行うので、乾燥ウェブは連続網状構造の大密度区域及びクレープ法で作り出された不連続低密度区域を含めて、密度の異なる区域をも有することができる。
【0060】
適当な結合抑制剤は、米国特許第5,279,767号明細書(1994年1月18日発行、ファン(Phan)等)に開示された様な化学的柔軟剤成分を有する。適当な生物分解可能の化学的柔軟剤成分は、1994年5月17日発行のファン(Phan)等の米国特許第5,312,522号明細書に開示されている。米国特許第5,279,767号明細書、及び、第5,312,522号明細書は参照によって本明細書に含まれる。この様な化学的柔軟剤成分は、ウェブを作り上げている1層以上の繊維の中で繊維対繊維結合抑制用結合抑制剤として使用できる。
【0061】
ウェブ20を形成している1層以上の繊維の結合抑制を行うための一つの適当な柔軟剤は、ジエステルジ(タッチ・ハード)タロージメチルアンモニュームクロライドを有する抄紙添加剤である。適当な柔軟剤は、コネチカット州、グリニッチのウィトコ社(Witco Co.)から入手できるADOGEN(登録商標)の商品名の抄紙添加剤である。
【0062】
初期ウェブ543は、好ましくは、水の使用を余儀なくされる液体分散を経て、抄紙繊維の水性分散液から作られる。この繊維は濃度が約0.1ないし約0.3%の担体液体の中に分散される。分散、スラリー、ウェブ、その他の系の%濃度は、考慮の対象とする系の乾燥繊維の重量を、その系の重量の総和で除算して得られる商の100倍として定義されている。繊維の重量は常に、絶対乾燥繊維を基準に表される。
【0063】
初期ウェブ543は、図9Aに示す様に、連続抄紙法で形成することができ、あるいは代替的に手漉き抄紙法のような回分法で形成することもできる。抄紙繊維の水性分散液がフォーミング・ベルト542上に堆積された後に、初期ウェブ543が、従来周知の技法による分散媒体の部分的除去によって形成される。この初期ウェブは概ね一つの面であり、任意の適当なフォーミング・ベルト542を用いて、実質的に平滑で目視で一つの第1面及び第2面を有するように形成される。
【0064】
真空ボックス、フォーミング・ボード、ハイドロフォイル、及びこれと同様なものは、水性分散液から水を効率良く除去するのに有用である。初期ウェブ543は、戻りロール502の付近のフォーミング・ベルト542によって搬送されて、ウェブ支持装置200の付近に運ばれる。
【0065】
紙構造体20の製造の次の工程は、初期ウェブ543をフォーミング・ベルト542から装置200に送り、送られたウェブ(図9Bで符号545を付与)を、この装置200の側部202上で支持することを行う。初期ウェブは、好ましくは、装置200への搬送を行う位置で約5ないし20%の濃度を有する。
【0066】
このウェブが装置200に搬送されて、搬送されたウェブ545の第1面547が装置200の面202に支持されて合致されるが、これは、ウェブ545の一部分が面260に支持されると共にウェブの一部分がフェルトの面230に支持されることによる。ウェブの第2面549は実質的に平滑で目視的に単一面の形に維持される。図9Bを参照すれば、ウェブ支持装置200の面260と面230の高低差は十分に小さく、ウェブが装置200に搬送された時に、初期ウェブの第2面が実質的に目視的単一面に維持される。特に、面260と面230との高低差は、搬送位置での初期ウェブの厚さよりも小さくすべきである。
【0067】
装置200への初期ウェブ543の搬送の工程は、少なくとも部分的に、初期ウェブ543に流体圧力差を加えることによって実施される。たとえば、初期ウェブ543は、図9Aに示された真空源600(例えば真空シュー又は真空ロール等)によって、フォーミング・ベルト542から装置200に真空搬送される。1個以上の真空源620を、さらに脱水を行うために、初期ウェブ搬送位置の下流に設けることもできる。
【0068】
ウェブ545は、装置200上で、縦方向(図9Aの符号MD)に、ヤンキー・ドライヤーのドラム880の真空圧力ロール900と硬質面875の間に設けられたニップ800に送られる。蒸気フード2800は、ウェブ545の表面547が真空圧力ロール900の真空形成部920の上方で搬送された時に、ウェブ545の表面549に蒸気を吹き付ける。
【0069】
蒸気フード2800は、真空形成部920の部分の反対側に取り付けられている。この真空形成部920はウェブ545とフェルト層220の中に蒸気を引き入れる。蒸気フード2800で作られた蒸気は、ウェブ545とフェルト層220を加熱し、それによってウェブ545とフェルト層220の内部の水の粘度を低下させる。したがって、ウェブとフェルト層220の内部の水は、ロール900が作った真空によって容易に除去することができる。
【0070】
蒸気フード2800は、乾燥繊維0.45kg(1ポンド)当り0.135kg(0.3ポンド)、圧力1.03×105Pa(15psi)未満の飽和蒸気を発生する。真空発生装置920は、表面204に、約3.39×103−5.08×104Pa(約1乃至約15インチ水銀柱)、好ましくは約1.02×104−4.06×104Pa(約3乃至約12インチ水銀柱)の真空を発生させる。適当な真空圧力ロール900は、Winchester Roll Products社製の吸引圧力ロール900である。適当な蒸気フード2800は、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州、ノース・バンクーバ―のメジャレックス・デブロン社(Measur‐ex‐Devron Co.)製のモデルD5Aである。
【0071】
真空発生部920は真空源(図示せず)に接続されている。真空発生部920はロール900の回転面910に対して固定である。表面910は、表面204を真空にするための穿孔または溝切りを施すことができる。表面910は図9Cに示す方向に回転する。真空発生部920は、ウェブと装置200が蒸気フード2800を通り、ニップ800を通って搬送された時に、ウェブ支持装置200の表面204を真空にする。1個の真空発生部920を示したが、他の実施例では分離した真空発生部を設け、各真空発生部がそれぞれ、装置200がロール900の周囲を移動している時に、異なる容量になるのが望ましいこともある。
【0072】
ヤンキー・ドライヤーは典型的には蒸気加熱の鋼製または鉄製のドラムである。図9Cを参照すれば、ウェブ545が装置200に支持されたニップ800の中に送り込まれるので、ウェブの実質的に平滑な第2面549が表面875まで搬送されることができる。ニップの上流では、ウェブが表面875まで搬送される前に、ノズル890が表面875に接着剤を塗布する。
【0073】
接着剤はポリビニルアルコール基剤の接着剤である。代替的に、この接着剤を、デラウエア州、ウィルミントンのハーキュリーズ社(Hercules Co.)製の商品名CREPTROL(登録商標)の接着剤にすることができる。他の接着剤も使用可能である。一般的に、ウェブがヤンキー・ドライヤーのドラム880に約45%より高い濃度で送られる実施例のために、ポリビニルアルコール基剤のクレープ用接着剤を使用することができる。約45%未満の濃度では、例えばCREPTROL(登録商標)等の接着剤を使用することができる。
【0074】
接着剤はウェブに直接又は間接的に(例えばヤンキーの表面875への使用等により)多くの方法で使用することができる。例えば、接着剤をウェブ又はヤンキー表面875上に微小粒子の形で噴霧することができる。代替的に、接着剤をトランスファー・ロール又はブラシを用いて面875に使用することもできる。さらに他の実施例では、クレープ用接着剤を、例えばヘッド・ボックス500で完成紙料に加える等の要領で、抄紙機のウエットエンドで完成紙料に加えることができる。ヤンキー・ドラム880上で乾燥された紙の繊維1トンにつき0.9乃至1.4kg(2乃至4ポンド)の接着剤を加えることができる。
【0075】
ウェブがニップ800によって装置200に送られた時に、真空発生部がウェブ支持装置200の表面204を真空にする。また、ウェブが、ニップ800によって、真空圧力ロール900とドライヤーの表面800の間に通された時に、ウェブ支持装置200のウェブ型模様付け層250が、ウェブ545の第1面260に、面260に対応する型模様を施す。第2面549が実質的に平滑で、目視的に単一面であるから、ウェブがニップ800によって搬送された時に、第2面549の実質的に全部が乾燥機の表面875に対面する位置にあって、この表面875に接着される。ウェブがニップによって搬送された時に、第2面549は、実質的に平滑で目視的に単一の面の形を維持するために、平滑面875によって支持される。したがって、予め定められている型模様を、第2面549が実質的に平滑な状態の時に、ウェブ545の第1面547に施すことができる。ウェブ545は、このウェブ545が面875に搬送され、面260の型模様がウェブに施された時に、約20ないし約60%の濃度を有するのが好ましい。
【0076】
ウェブがニップ800によって搬送された時に、加熱面875がウェブ545の内部の水を沸騰させると考えられる。真空圧力ロール900が作り出した真空は、ウェブの刻印層250で覆われていないフェルト層220の一部分によって、ウェブから沸騰している水を引き出すと考えられる。
【0077】
理論的に限定されないが、第2面549の実質的に全ての部分がヤンキー表面875に相対する位置にある結果として、ヤンキー上のウェブ545の乾燥は、第2面の選択的にヤンキーに相対する部分のみを有するウェブよりも、第2面549の方が、効率が良いと考えられる。特に、第2面549の実質的に全ての部分をヤンキー・ドライヤーの表面875に相対するように位置決めすることによって嵩及び平滑さをも有し、1平方メートル当り約13g(3000平方フィート当り約8ポンド)以上、好ましくは1平方メートル当り約16g(3000平方フィート当り約10ポンド) 以上の坪量を有し、上述の型模様を施された紙をヤンキー・ドライヤーのドラム880上で、約1370メートル毎分(約4500フィート毎分)以上、より好ましくは約1524メートル毎分(約5000フィート毎分)以上のウェブ速度、毎時約11トンの水除去速度で、濃度約50%未満、より好ましくは約30%未満から、濃度約90%以上、より好ましくは約95%以上に乾燥することが可能であると確信している。
【0078】
特に、本発明は、1平方メートル当り約13g(3000平方フィート当り約8ポンド)以上、好ましくは1平方メートル当り約16g(3000平方フィート当り約10ポンド) 以上の坪量を有するウェブ545を、ヤンキー・ドラム上で、毎分約1370メートル(約4500フィート)以上の速度で、低濃度から高濃度に乾燥することができると確信している。特に本発明は、上述の坪量の特性を有するウェブ545を、(ウェブがドラム880に送られた時に)ヤンキー・ドラム上で、毎分約1370メートル(約4500フィート)以上、好ましくは約1524メートル(約5000フィート)以上の速度で、約30%未満、好ましくは約25%未満の濃度から、(ウェブがクレープ加工によって除去された時に)ヤンキー・ドラム上で、毎分約1370メートル(約4500フィート)以上、好ましくは約1524メートル(約5000フィート)以上、最も好ましくは約1829メートル(約6000フィート)以上の速度で、約90%以上、好ましくは約95%以上の濃度に乾燥することができると確信している。
【0079】
比較すれば、米国特許第4,637,859号明細書に開示された様な連続網状構造と不連続ドーム、及び、坪量約16g毎平方メートル (3000平方フィート当り約10ポンド) 以上の紙を乾燥するヤンキー・ドライヤーのドラムの速度は、紙の濃度をヤンキー・ドラム上で約30%から約95%まで乾燥する場合、毎分約1067メートル(約3500フィート)程度にできないと信じられていた。典型的には、米国特許第4,637,859号明細書に開示されたタイプの紙は、ヤンキー・ドラムへの搬送によって約60乃至約70%の濃度になるように、ヤンキー・ドラムの上流で予乾燥される。理論的に限定するものではないが、米国特許第4,637,859号明細書に開示されたタイプの紙が予乾燥機なしに乾燥された場合には、ヤンキー・ドラムの速度は、毎分約914メートル(約3000フィート) 未満に限定されると信じられている。
【0080】
紙構造体20を形成する最終工程は、図9Aに示すように、ドクター・ブレード1000を用いて、ウェブ545を表面875からクレープ加工するクレープ加工工程を有する。理論的に限定するものではないが、ドクター・ブレード1000によってウェブ545に与えられたエネルギーは、少なくともウェブの一部分、特に、ウェブの、ウェブ型模様付け面260によって刻印される部分を嵩高にし、すなわち密度を低下させると信じられている。従って、ドクター・ブレード1000を用いてウェブ545を表面875からクレープ加工するクレープ加工工程は、コンパクトで薄く、ウェブの第2面に施される型模様に対応する第1区域、及び厚い第2区域を有するウェブを提供する。一般的に、ドクター・ブレードは約25度の傾斜角を有し、ヤンキー・ドライヤーに対して約81度の衝撃角を与える位置にある。
【0081】
図2に示す紙構造体20は、連続区域30及び不連続区域50の両区域におけるクレープ加工によって縮んでいる。区域30におけるクレープの反復度は、区域50におけるクレープの反復度とは異なる。一般的に、区域50におけるクレープの反復度は連続網状構造30におけるクレープの反復度よりも少ない。
【0082】
他の実施例では、ウェブ型模様付け装置200は、樹脂製の型模様付け層を有し、この型模様付け層は、図8Cの平面図に示すように、脱水用フェルト層220に結合された上面260に接触する複数の不連続ウェブを形成している。図8Cにおいて、ウェブに接触するフェルト面230は、不連続面261を取り囲む連続網状構造の形である。この様な装置は、本発明に基づくウェブを形成するために使用することができ、ここに紙構造は、薄い連続網状構造区域の全体に分散している薄くて不連続な複数の区域を有する。
【0083】
本発明の代替的な実施例では、ウェブ支持装置200は、フィラメントを織って作ったファブリックを有する多孔型背景要素に配置された樹脂層を有することができる。図14A乃至15Cを参照すれば、この装置200は織布ファブリック1220に分散した樹脂層250を有する。この樹脂層250は、図14Aに示したように、不連続開口部270を形成する連続網状構造ウェブに接触する面260を有する。織布ファブリック1220は縦糸1242および横糸1241を有する。
【0084】
図14A及び図14Bにおいて、第1高さ1231にある第1ウェブ接触面は、フィラメント1241及び1242が交差する位置にある不連続ナックル面1230によって形成される。このフィラメント1241及び1242の上面は、平坦で概ね楕円形のナックル面1230(図14Aに示さない楕円形の細部)を形成するために、サンダーその他の研磨を施すことができる。第2ウェブ接触面はウェブ型模様付け層250によって形成される。ウェブ型模様付け層250は、織布ファブリック1220に結合されていて、第2高さ261にウェブ接触用上面260を有する。
【0085】
第1高さ1231と第2高さ261の差は、ウェブがウェブ支持装置200まで搬送された時の、ウェブの概略の厚さより小さい。連続面260及び不連続面1230が同じ高さに配置されるので、高さ1231と高さ261は同一である。代替的に、表面260は表面1230よりも若干高く、即ち、表面1230は表面260よりも若干低い。
【0086】
この高低差は0.0mm(0.0ミル)以上、約0.127mm(約5.0ミル)未満である。一つの実施例では、この高低差は後述の様に、平滑面24維持のために約0.10mm(約4.0ミル)未満、好ましくは約0.051mm(約2.0ミル)未満、最も好ましくは約0.025mm(約1.0ミル)未満である。
【0087】
図14Aおよび図14Bに示されたウェブ支持装置200は、図10乃至図13に示されたウェブを形成するために使用することができる。図10を参照すれば、ウェブ20は、表面260に対応する連続網状構造で薄い区域30、及び、連続網状構造区域30全体に分散している厚い区域50を有する。区域50は面260で開口部270に対応している。厚い各区域50は、1つ以上の高密度区域70を取り囲んでいる。高密度区域70は織布ファブリック1220の表面1230に対応している。
【0088】
図11を参照すれば、Pは約0.35mm以上、好ましくは約0.44mm以上にすることができる。Kは約0.20mm未満,好ましくは約0.10mm未満にすることができる。
【0089】
図15A乃至図15Cは、ウェブ200を使用する図10のウェブ20の生成を示している。既に図9A乃至図9Cを用いて説明したように、平滑な第1及び第2面を有する初期ウェブ543は、フォーミング・ワイヤ上に形成されて、ウェブ支持装置200上に搬送される。ウェブ543は、装置200に支持されるウェブ545を形成するために、装置200に真空搬送される。図15Bに示したように、第1面547は面260及び面1230に載り、第2面549は実質的に平坦で目視的に1枚の面のように維持されている。
【0090】
図9A乃至図9Cとは対照的に、ウェブ545及びウェブ支持装置200は、次に通気乾燥装置650を通して送られ、ここで、ウェブ545が装置200上に支持されている間に、加熱空気がウェブ545に送られる。加熱空気は、面549に入り、ウェブ545を通り,次に装置200を通るように送られる。
【0091】
通気乾燥装置650は、ウェブ545を約30%から約70%まで乾燥するために使用することができる。シソン(Sisson)の米国特許第3,303,576号明細書、及びエンサイン(Ensign)等の米国特許第5,247,930号明細書は、本発明の実施のために使用する適当な通気乾燥機を示すことを目的として、参照によって本明細書に取り込まれている。
【0092】
部分的に乾燥されたウェブ545、及び、装置200は、圧力ロール900とヤンキー・ドラム880の間に形成されているニップ800を通過するように送られる。連続網状構造面260と不連続面1230は、ウェブがニップ800を通って搬送される時に、ウェブ545の表面547に刻印される。ノズル890によって塗布された接着剤は、実質的平滑面549の実質的に全ての部分を、ヤンキー・ドラム880の加熱面875に接着するために使用される。
【0093】
図16は本発明の実施例に基づくウェブを示す、ウェブ20の断面図であり、茲に、このウェブは符号301、302、及び303を付与された3層の繊維を有する。層構造を有するウェブは、図8A、B、及び図9A乃至Cに示された抄紙装置及び方法、または、代替的に、図14図A、B、及び図15A乃至Cに示された抄紙装置及び方法を用いて作ることができる。
【0094】
1個のフォーミング・ワイヤ542が図9Aに示されているが、これは、他のフォーミング・ワイヤの形状が1つ以上のヘッド・ボックスと組合せて使用可能で、各ボックスが多層ウェブを作るために1層以上の繊維の完成紙料を提供する能力を有すると理解される。モルガン(Morgan)の米国特許第3,994,771号明細書、及び、カーステンス(Carstens)等の米国特許第4,300,981号明細書、及び、1996年10月24日に受理されたファン(Phan)及びトロクハン(Trokhan)名義の米国特許出願『改良された機能特性を有する層状ティシュペーパー』明細書は層状化を開示しており、これらの明細書は参照によって本明細書に含まれる。各種のタイプのフォーミング・ワイヤーの形状は、ツイン・ワイヤー・フォーマーを含めて、使用することができる。さらに、各種のタイプのヘッド・ボックスの形状は、1層以上の繊維層を有するウェブを提供するために使用することができる。
【0095】
図16を参照すれば、1つ以上のヘッド・ボックスは、層301、302、及び303に対応する3層の完成紙料を、フォーミング・ワイヤー542上に送り出すために使用可能、従って、初期ウェブは層301、302、及び303を有する。第1層301はウェブの第1面22に隣接配置された長い抄紙繊維を有する。第1層301の長い抄紙繊維は、例えば平均繊維長さが約3mm以上の北部地方産針葉樹繊維のような針葉樹繊維を有することができる。第2層302は、ウェブの第2面24に隣接配置された短い抄紙用繊維を有することができる。第2層302の短い抄紙繊維は、例えば平均繊維長さが約1.5mm以下のユーカリ繊維のような広葉樹繊維を有することができる。
【0096】
第3層303は第1及び第2層301及び302の中間に配置されている。この第3層は、実質的に繊維が存在しないボイド・スペース310を有することを特徴とする結合抑制層にすることができる。このようなボイド・スペースは図3及び図11に示されている。
【0097】
特に、このボイド・スペースは厚い区域50の中に配置されている。第3層は、第3層303における繊維間結合を弱めるために、例えば商品名ADO-GEN(登録商標)のような結合抑制剤を有し、これによって、ボイド・スペース310を作るために、層303の繊維構造に開口部を設けることができる。第3層303は、針葉樹繊維、広葉樹繊維、及び、針葉樹繊維と広葉樹繊維との組合せを有することができる。
【0098】
さらに他の実施例では、層301及び302がそれぞれ短い広葉樹繊維を有し、第3層303は長い針葉樹繊維を有することができる。例えば、層301及び302を主としてユーカリ繊維で形成し、第3層303を主として長い北部地方産針葉樹繊維で形成することができる。
【0099】
代替的に他の方法を、外側の層の中間にある繊維の嵩減らし、又は結合抑制を行うために、採用することができる。キーアニー(Kearney)の米国特許第4,225,382号明細書は、分離されて内部の層によって十分に接着された層を有する多層ウェブを開示する目的で、参照によって本明細書に含まれる。
【0100】
具体例
全ての%の値は、他に示されない限り、乾燥繊維重量に基づく重量パーセントである。
【0101】
具体例1
この例は、図14A、B、及び、図15A乃至図15Cに示されている抄紙装置を用いて作られた3層ティシュ・ウェブを提供する。
【0102】
NSKの3重量%水性スラリー液は、従来のリパルパーで作り上げられる。一時湿潤強力樹脂(即ち、ニューヨーク州、ニューヨークのナショナル・スターチ・アンド・ケミカル・コーポレーション社(National Starch & Chemical Corp.)が市販しているNational Starch 78‐0080の2パーセント水溶液)は、乾燥繊維の0.2重量パーセントの比率で(湿潤強力樹脂対乾燥繊維の重量比は0.002)、NSKの紙料パイプに加えられる。このNSKのスラリーはファン・ポンプで約0.2パーセントに希釈される。次に、ユーカリ繊維の3パーセント水性スラリー液は従来のリパルパーの中で作り上げられる。結合抑制剤の2パーセント水溶液(即ち、ADOGEN(登録商標)442)は、乾燥繊維の2重量パーセントの比率で(湿潤強力樹脂対乾燥繊維の重量比は0.002)、ユーカリの紙料パイプに加えられる。ユーカリのスラリーはファン・ポンプで約0.2パーセントに希釈される。
【0103】
独立に処理された3つの完成紙料の流れ(流れ1=NSK100パーセント;流れ2=ユーカリ100パーセント;流れ3=ユーカリ100パーセント)は、外側の2つのユーカリ層と真中のNSK層を有する3層の初期ウェブを形成するために、ヘッド・ボックスを通って分離された状態を維持して、長網ワイヤー上に堆積される。脱水は長網ワイヤーによって発生し、デフレクターおよび、真空ボックスによって支援される。長網ワイヤーは2.54cm(インチ)当り縦方向110本、横方向95本の各単繊維の糸を有し、杼口が5つのサテン織りの形である。
【0104】
初期ウェブは、長網ワイヤーから、織布ファブリック1220、及び、感光性樹脂製ウェブ模様付け層250を備えた多孔型背景要素を有するウェブ支持装置200に、搬送位置における繊維濃度約8パーセントで、真空搬送される。多孔型背景要素は、2.54cm(1インチ)当り縦方向68本、横方向51本の各単繊維の糸を有し、杼口が5つのサテン織りの形であり、縦方向の繊維は直径が約0.22mm、横方向の繊維は直径が約0.29mmである。このような多孔型背景部材は,ウィスコンシン州、アップルトンのアップルトン・ワイヤー・カンパニー社(Appleton Wire Co.)によって製造されている。
【0105】
ウェブ型模様付け層250は、装置200の突出面の面積の約30乃至約40パーセントの面積を占める連続網状構造のウェブ接触面260を有する。多孔型背景要素のウェブ接触面の高さ1231と、連続網状構造のウェブ接触面260の高さ261との差は約0.025mm(約0.001インチ)である。
【0106】
ウェブは、図15Bに示された様に、装置200に支持されて実質的に平滑な第2面549を有するウェブ545を提供するために、装置200に送られる。さらに脱水は、装置600、620、及び、650で代表させている様に、真空支援排水により、及び、通気乾燥によって、ウェブが繊維濃度約65%になるまで行われる。
【0107】
ニップ800におけるヤンキー・ドライヤーへの搬送は圧力ロール900を用いて行われる。面250と面1230は、型模様付け面547を設けるために、ウェブ545の第1面547上で刻印される。第2面549の実質的に全ての部分が、ポリビニルアルコールを用いて、ヤンキー・ドライヤーのドラム880の面875に接着される。ニップ800のニップ圧力は約71.4kg/cm(400pli)以上である。
【0108】
ウェブの濃度は、ドクター・ブレードを用いてウェブを面875からクレープ加工する前に、約90乃至100%に増加する。このドクター・ブレードは約25度の傾斜角を有し、ヤンキー・ドライヤーに対して約81度の衝撃角をなす位置にあり;このヤンキー・ドライヤーは約244メートル毎分(約800fpm(フィート毎分)で運転される。
【0109】
上述の手順に基づいて作られたウェブは3層1プライのティシュ・ペーパーに加工される。1プライのティシュ・ペーパーは、約0.02重量%の一時湿潤強力樹脂、及び、約0.01重量%の結合抑制剤を含めて、約28.5kg毎平方メートル(約17.5ポンド毎3000平方フィート)の坪量を有する。
【0110】
重要なことは、1プライのティシュ・ペーパーを、柔軟で吸収性があり、トイレット・ティシュ・ペーパーとして適当なものにすることである。1プライのティシュ・ペーパーは次の特性を有する:
坪量: 28.5g毎平方メートル(17.5ポンド毎平方フィート)
目視厚さ: 0.345mm(13.6ミル(0.0136インチ))
嵩密度: 0.08g/立方センチメートル
面22の表面平滑度:890
面24の表面平滑度:1070
平滑度比率: 1.20
具体例2
この例は、図14A、B、及び、15A乃至図15Cに示されている抄紙装置を用いて作られた2プライのティシュ・ウェブを提供する。
【0111】
NSKの3重量%水性スラリーは従来のリパルパーの中で作り上げられる。一時湿潤強力樹脂(即ち、コネティカット州、スタンフォードのアメリカン・サイアナミド・カンパニー社(American Cyanamid Co.)製のPAREZ(登録商標)750)の2%水溶液が、乾燥繊維の0.2重量%の比率で、NSKの紙料パイプに加えられる。このNSKのスラリーはファン・ポンプで約0.2%に希釈される。次にユーカリ繊維の3重量%の水性スラリー液が、従来のリパルパーによって作り上げられる。結合抑制剤(即ち、オハイオ州、ダブリンのウィトコ・コーポレーション社(Witco Corp.)市販のADOGEN(登録商標)442)の2%溶液が、乾燥繊維の0.1重量%の比率で、ユーカリ繊維の紙料パイプに加えられる。ユーカリのスラリーは、ファン・ポンプで、濃度約0.2%に希釈される。
【0112】
完成紙料の2つの流れ(流れ1=NSK100%/流れ2=ユーカリ100%)は、NSKとユーカリの繊維を含有する初期ウェブを形成するために、ヘッド・ボックスで混合され、長網ワイヤー542上に堆積される。脱水は長網ワイヤーによって発生し、デフレクターおよび、真空ボックスによって支援される。長網ワイヤーは2.54cm(1インチ)当り縦方向110本、横方向95本の各単繊維の糸を有し、杼口が5つのサテン織りの形である。
【0113】
初期ウェブは長網ワイヤーから、搬送位置での繊維濃度が約8%で、織布ファブリック1220、及び、連続網状構造面260を有するウェブ型模様付け層を備えているウェブ支持装置200に搬送される。
【0114】
初期湿潤ウェブは、実質的に平滑で目視的に1つの面549、及び、面1230と面260に一致する面547を有するウェブ545を提供するために、長網ワイヤーから、搬送位置での繊維濃度が約8%で、装置200に搬送される。織布ファブリック1220は、2.54cm(1インチ)当り縦方向79本、横方向67本の各単繊維の糸を有し、杼口が5つのサテン織りの形であり、縦方向の繊維は直径が約0.18mm、横方向の繊維は直径が約0.21mmである。このような多孔型背景部材は,ウイスコンシン州、アップルトンのアップルトン・ワイヤー・カンパニー社(Appleton Wire Co.)が製造している。
【0115】
ウェブ型模様付け層250は、面積が装置200の突出面の面積の約30乃至約40%の連続網状構造のウェブ接触面260を有する。ウェブ接触面1230の高さ1231とウェブ接触面260の高さ261との差は、約0.0254mm(約1ミル、0.001インチ)である。
【0116】
さらにウェブの脱水は、装置600、620,及び、650で代表させたように、真空支援排水により、及び、通気乾燥によって、ウェブが繊維濃度約65%になるまで行われる。ヤンキー・ドライヤーへの搬送は、圧力ロール900とヤンキー・ドライヤーのドラム880との間に形成されているニップ800で行われる。
【0117】
面250と面1230は、型模様付け面547を設けるために、ウェブ545の第1面547上で刻印される。第2面549の実質的に全ての部分が、ポリビニルアルコールを用いて、ヤンキー・ドライヤーのドラム880の面875に接着される。ニップ800のニップ圧力は約71.4kg/cm(400pli)以上である。
【0118】
ウェブの濃度は、ドクター・ブレードを用いてウェブを面875からクレープ加工する前に、約90%乃至100%に増加する。このドクター・ブレードは約25度の傾斜角を有し、ヤンキー・ドライヤーに対して約81度の衝撃角をなす位置にあり;このヤンキー・ドライヤーは約244メートル毎分(約800fpm(フィート毎分))で運転される。乾燥ウェブは200m毎分(650fpm)の速さで形成される。
【0119】
ウェブは2プライ手洗い用のティシュ・ペーパーに加工される。各プライは、約20.8g毎平方メートル(約12.8ポンド毎3000平方フィート)の坪量を有し、約0.02重量%の一時湿潤強力樹脂、及び、約0.01重量%の結合抑制剤を含んでいる。2プライのティシュ・ペーパーは柔軟で吸収性があり、手洗い用ティシュ・ペーパーとして適当なものにすることである。各プライは次の特性を有する。
【0120】
坪量: 20.8g毎平方メートル(12.8ポンド毎平方フィート)
巨視的厚さ: 0.29mm(11.4ミル)
嵩密度: 0.07g/立方センチメートル
面22の表面平滑度:850
面24の表面平滑度:1006
平滑度比率: 1.18
具体例3
この例は、各プライが3層を有し、各プライが図8A、B、及び図9A乃至図9Cに示されている抄紙装置を用いて作られている2プライ・ティシュ・ペーパーを提供する。
【0121】
北部地方産クラフト(NSK)の3重量%水性スラリーは従来のリパルパーの中で作り上げられる。一時湿潤強力樹脂(即ち、ニューヨーク州、ニューヨークのナショナル・スターチ・コーポレーション社(National
Starch & Chemical Corp.)によって市販されているNational Starch 78‐0080)の2%水溶液が、乾燥繊維の0.2重量%の比率で、NSKの紙料パイプに加えられる。このNSKのスラリーはファン・ポンプで約0.2%に希釈される。次に、ユーカリ繊維の3重量%の水性スラリー液が、従来のリパルパーによって作り上げられる。結合抑制剤(即ち、オハイオ州、ダブリンのウィトコ社(Witco Corp.)が市販しているADO‐GEN(登録商標)442)の2%溶液が、乾燥繊維の0.1重量%の比率で、ユーカリ繊維の紙料パイプに加えられる。ユーカリのスラリーは、ファン・ポンプで、濃度約0.2%に希釈される。
【0122】
完成紙料の独立に処理された2つの流れ(流れ1=NSK100%;流れ2=結合抑制剤でコーティングされたユーカリ100%、流れ3=ユーカリ100%)は、外側のユーカリ層、結合抑制剤で被覆されたユーカリ層、及び、NSK層を含む3層の初期ウェブを形成するために、ヘッド・ボックスによって分離維持され、長網ワイヤー542上に堆積される。脱水は長網ワイヤーによって発生し、デフレクターおよび、真空ボックスによって支援される。長網ワイヤーは、2.54cm(1インチ)当り縦方向110本、横方向95本の各単繊維の糸を有し、杼口が5つのサテン織りの形である。
【0123】
初期ウェブは長網ワイヤーから、搬送位置での繊維濃度が約8%で、脱水用フェルト層220、及び、感光性樹脂のウェブ型模様付け層250を有するウェブ支持装置200に搬送される
脱水用フェルト層220は、ウィスコンシン州、アップルトンのアップルトン・ミルズ社(Appleton Mills)が製造しているAmfle-x2 Press Feltである。このフェルト220はポリエステル繊維のバットを有する。このバットは面がデニール3、基質デニールが10乃至15である。フェルト層220は、坪量が1436g/平方メートル、厚さが約3mm、透気度が約30乃至約40scfmである。
【0124】
ウェブ型模様付け層250の突出面積はウェブ支持装置200の突出面積の約30ないし40%である。面260の高さ261と、フェルト面231の高さ231との高低差は約0.127mm(0.005インチ)である。
【0125】
初期ウェブは、装置200に支持されて目視的に1つの、実質的に平滑な面549を有するウェブ545を提供するために、装置200に送られる。搬送は、真空搬送位置で、圧力差が6.77×104Pa(約20インチ水銀柱)で行われる。
【0126】
さらに脱水は,真空支援排水、例えば装置620を用いて、ウェブの繊維濃度が約25%になるまで行われる。次に、ウェブ545は、蒸気フード2880の近傍に送られ、真空圧力ロール900とヤンキー・ドライヤーのドラム880との間に形成されているニップ800の中に送り込まれる。
【0127】
面260は、真空圧力ロール900とヤンキー・ドライヤーのドラム880との間で、ウェブ545とウェブ支持装置200を約71.4kg/cm(400pli)のニップ圧力で押圧することによって、ウェブ545の面517の中に刻印される。クレープ加工用接着剤はウェブをヤンキー・ドライヤーに接着するために使用される。繊維の濃度は、ドクター・ブレードによる乾燥クレープ加工の前に、約90%以上に増加する。ドクター・ブレードは、約25度の傾斜角を有し、ヤンキー・ドライヤーに対して約81度の衝撃角をなす位置にある。ヤンキー・ドライヤーは約244m毎分(約800フィート毎分)で運転される。乾燥ウェブは198m毎分(650fpm)の速さで巻取りにされる。
【0128】
ウェブは2プライの手洗い洗顔用ティシュ・ペーパーに加工され、各プライは3つの繊維層を有する。2プライのトイレット・ティシュ・ペーパーは約1.0%の一時湿潤強力樹脂と、約0.1%の結合抑制剤を有する。
【0129】
各プライは次の特性を有する:
坪量: 15.9g毎平方メートル(9.8ポンド毎平方フィート)
目視厚さ: 0.152mm(6ミル)
嵩密度: 0.10g/立方センチメートル
面22の表面平滑度:740
面24の表面平滑度:960
平滑度比率: 1.30
具体例4
この例は図8A、8B、及び、図9A乃至図9Cに示したタイプの抄紙装置で作られるテッシュ・ウェブを提供する。
【0130】
NSKの3%水性分散液は従来のリパルパーで作り上げられる。一時湿潤強力樹脂PAREZ(登録商標)750の2%溶液は乾燥繊維の0.2重量%の率でNSKの紙料パイプに加えられる。このNSKのスラリーは、ファンポンプで、濃度約2%に希釈される。次に、ユーカリの3%水性分散液は、従来のリパルパーで作り上げられる。結合抑制剤ADOGEN(登録商標)442の2%溶液は乾燥繊維の0.1重量%の率でユーカリの紙料パイプに加えられる。このスラリーは、ファンポンプで、濃度約0.2%に希釈される。
【0131】
2つの独立に処理された完成紙料(流れ1=NSK100%;流れ2=ユーカリ100%)の流れは、NSK繊維と結合抑制剤被覆ユーカリ繊維とからなる1層のウェブを形成するために、ヘッド・ボックスで混合され、長網ワイヤー上に堆積される。脱水は、長網ワイヤーを通して発生し、デフレクター、および、真空ボックスによって支援される。長網ワイヤーは、2.54cm(1インチ)当りで縦糸が110本、横糸が95本の単繊維であって5杼口のサテン織りファブリックである。
【0132】
初期湿潤ウェブは、長網ワイヤーから、搬送位置における繊維濃度約8%でウェブ支持装置200に送られ、このウェブ支持装置200は脱水用フェルトの層と感光性樹脂製ウェブ型模様付け層250を有する。
【0133】
脱水用フェルト220は、ウィスコンシン州、アップルトンのアップルトン・ミルズ社(Appleton Mills)が製造しているAmflex2 Press Feltである。ウェブ型模様付け層250は連続のウェブ接触面260を有する。このウェブ型模様付け層250は、ウェブ支持装置200の突出面積の約35%の突出面積を有する。上部ウェブ接触面260と第1面230との高低差は約0.127mm(約0.005インチ)である。
【0134】
初期ウェブは、ウェブ支持装置200に送られて、第1デフレクト工程で概ね1つの平面のウェブ545を形成するためにデフレクトされる。搬送は、真空搬送位置で、約6.77×104Pa(20インチ水銀柱)で行われる。さらに脱水は、ウェブの繊維濃度が約25%になるまで、真空支援の脱水によって行われる。ウェブ545は、ウェブ支持装置200によって蒸気フード2800の近くに送られ、真空圧力ロール900とヤンキー・ドラム880の間に形成されているニップ800の中に送り込まれる。その後に、ウェブ545は、ヤンキー・ドラム880の圧縮面875によって、約71.4kg/cm(400pli)以上の圧縮圧力で圧縮される。ポリビニルアルコールを基本成分とするクレープ用接着剤は、圧縮されたウェブをヤンキー・ドラムに接着するために使用される。繊維濃度は、ドクター・ブレードによるヤンキー・ドラム880からのウェブ乾燥クレープ加工前に、約90%以上に増加する。ドクター・ブレード は、傾斜角が約25度であり、ヤンキー・ドライヤーに対する衝撃角が約81度になる位置にあり;ヤンキー・ドライヤーは約244メートル毎分(約800フィート(毎分)で運転される。乾燥ウェブは200メートル毎分(650フィート毎分)の速度で、ロールにされる。
【0135】
このウェブは1層2プライの手洗い洗顔用ティシュ・ペーパーに加工される。この2プライの手洗い用ティシュ・ペーパーの各プライは、約19.5g毎平方メートル(12ポンド毎3000平方フィート)の坪量、及び、約0.2%の一時湿潤強力樹脂、及び、約0.1%の結合抑制剤を有する。
【0136】
ティシュ・ウェブは次の特性を有する:
坪量: 20.5g毎平方メートル(12.6ポンド毎平方フィート)
目視厚さ: 0.22mm(8.8ミル)
嵩密度: 0.092g/立方センチメートル
面22の表面平滑度:890
面24の表面平滑度:1050
平滑度比率: 1.18
予言的な具体例
以下の予言的な例は、図8A,B及び図9A乃至図9Cに示されたタイプの商業規模の抄紙装置を用いて2プライのティシュ・ペーパーを作る方法を説明する。
【0137】
北部地方産クラフトの3重量%水性分散液スラリーは、従来のリパルパーの中で作り上げられる。一時湿潤強力樹脂(即ち、コネチカット州、スタンフォードのアメリカン・サイアナミッド・コーポレーション社(American
Cyanamid Corp.)によって市販されているPAREZ(登録商標)750)は、乾燥繊維の0.2%の割合で、NSKの紙料パイプに加えられる。このNSKのスラリーは、ファン・ポンプで、約0.2%に希釈される。次に、ユーカリ繊維の3重量%のスラリーは、従来のリパルパーを使用して作り上げられる。結合抑制剤(即ち、オハイオ州、ダブリンのウィトコ・コーポレーション社(Witco Corp.)によって市販されているAdogen(登録商標))は、乾燥繊維の0.1%の割合で、ユーカリの原料パイプに加えられる。このユーカリのスラリーは、ファン・ポンプで、約0.2%の濃度に希釈される。
【0138】
2つの独立に処理された完成紙料の流れ(流れ1=NSK100%、流れ2=ユーカリ100%)は、NSK繊維とユーカリ繊維との1層のウェブを形成し、ユーカリ繊維が結合抑制剤で被覆されて、ヘッド・ボックスで混合されて、長網ワイヤー上に堆積される。脱水は長網ワイヤーを通して発生し、デフレクターと真空ボックスによって支援される。長網ワイヤーは、2.54cm(1インチ)当り110本の縦糸、及び、95本の横糸の単繊維をそれぞれ有する、5杼口のサテン織り布の形である。
【0139】
初期湿潤ウェブは、搬送位置での繊維濃度が約10%で、長網ワイヤーから、脱水フェルト層220と感光性樹脂のウェブ模様付け層250を有するウェブ支持装置200に搬送される。
【0140】
脱水フェルト層220は、ウィスコンシン州、アップルトンのアップルトン・ミルズ社(Appleton Mills)によって製造されているA‐mflex 2 Press Feltである。ウェブ模様付け層250は、ウェブ接触面220の6.45cm2(1平方インチ)当り約69個の双方向ジグザグに配置された楕円形の開口部270を有する連続ウェブ型模様付け層250を有している。このウェブ型模様付け層250は、ウェブ支持装置200の突出面積の約35%に等しい突出面積を有している。頂部ウェブ接触面260と第1フェルト面230との高低差は約0.127mm(約0.005インチ)である。
【0141】
初期ウェブは、概ね1枚のウェブ545を形成するために,ウェブ支持装置200に搬送される。搬送は、真空搬送位置で、6.77×104Pa(約20インチ水銀柱)の圧力差で行われる。更に脱水は、ウェブが約30%の繊維濃度を有するまで、真空支援排水によって行われる。ウェブ545はウェブ支持装置200によってニップ800に運ばれる。真空圧力ロール900は、約60P&Gの硬度を有する圧縮面910を有している。ウェブ545は、次に、ウェブ545とウェブ支持装置200を、ウェブ545とヤンキー・ドライヤーのドラム880との間で、約71.4kg/cm(400pli)以上の圧縮圧で押圧することによって、ヤンキー・ドライヤーのドラム880の圧縮面875に対して圧縮される。ポリビニルアルコールを基剤とする接着剤は圧縮されたウェブをヤンキー・ドライヤーに接着するために使用される。繊維濃度は、ドクター・ブレードを用いて、ウェブをヤンキー・ドライヤーのドラム880の面から乾燥クレープ加工する前に、約90%以上に増加する。ドクター・ブレードは、約20度の傾斜角を有し、ヤンキー・ドライヤーに対して約76度の衝撃角を与える位置にあり;ヤンキー・ドライヤーは約1372m毎分(約4500fpm(フィート毎分)で運転される。乾燥ウェブはロールの中に、1125m(3690fpm)の速度で形成される。
【0142】
ウェブは2プライの手洗い用ティシュ・ペーパーを提供するために加工される。2プライの手洗い用ティシュ・ペーパーの各プライは、坪量約20.3g/m2(12.5ポンド毎3000平方フィート)を有することができ、また、一時湿潤強度樹脂の約0.2重量%と、ドクター・ブレードの約0.1%を有することができる。
【0143】
分析要領
紙の特徴の厚さと高さの測定:
区域30の面23の位置、区域30の厚さ、及び、区域50の厚さは、ウェブのミクロトームされた断面の写真を用いて求めることができる。この様な写真の例は図3に示され、茲に、面23の位置は、区域50の厚さP、および、区域30の厚さKと共に示されている。
【0144】
10枚の試料は、それぞれ、約2.54cm×5.1cm(1×2インチ)を測定するものであり、シート又はロールのティシュ・ペーパーから、無作為に選択される。もし10枚の試料が1枚のシートから取れない場合には、同一条件(好ましくは同じペーパー・ロール)の下で作られた付加的なシートが使用可能である。
【0145】
各試料のためのミクロトームは、硬い厚紙のホールダーにホッチキス止めで作られる。この厚紙のホールダーはシリコンの型の中に置かれる。ペーパーの試料は、例えばハーキュリーズ・インク社(Hercules,Inc.)によって製造されているMerigraph感光性ポリマー等の樹脂に浸漬される。
【0146】
試料は樹脂混合物が固まるまで硬化される。この試料はシリコンの型から取り出される。感光性ポリマーに浸漬される前に、試料に、ミクロトームを正確に決めるための参照点がマークされる。好ましくは、同じ参照点がウェブ20の平面図(例えば図4)、及び各種断面図(例えば図3)の両方に使用される。
【0147】
試料は、ニューヨーク州、バッファローのアメリカン・オプティカル・カンパニー社(American Optical Co.)が販売しているモデル860ミクロトームの中に置かれて水平にされる。試料の縁は、試料から、シリコンの中で、平滑面が現れるまで、ミクロトームで除去される。
【0148】
充分な数の薄片が試料から除去されるので、ペーパーの各種の区域(例えば30及び50)が正確に再構成される。本明細書で説明する実施例のために、薄片当り約60ミクロンの厚さを有する薄片が平滑面から取られる。厚さPおよびKを確認するためには、多数の薄片が必要である。
【0149】
試料の薄片は、オイルとカバーグラスを用いて、顕微鏡のスライドグラス上に取り付けられる。このスライドグラスと試料は、光透過型顕微鏡に取り付けられて、約40倍の倍率で観測される。顕微鏡写真は,薄片に沿って撮影され、各個の写真は薄片のプロフィールを再構成するために順次配列される。厚さと高さは、図3に示すように、再構成されたプロフィールを用いて確認することができ、これは図1及び図2に示したタイプの紙構造の断面顕微鏡写真である。
【0150】
この厚さは、顕微鏡写真をスキャンして,その顕微鏡写真をパーソナル・コンピューターの画像ファイル・フォーマットに保存するために、据置型カラー・スキャナー Hewlett Packard ScanjetIICを用いて確定される。このヒューレット・パッカード社(Hewlett Packard)のスキャン用ソフトウェアは、DeskScanII ver6である。このスキャナのスキャン・設定の方式は白黒写真である。その経路は、レーザー・ライターNT,NTXである。輝度とコントラストの設定は125である。スケーリングは100%である。ファイルは、Macintosh IICi コンピューターの画像ファイル・フォーマットでスキャンされ、保存される。画像ファイルは適当な写真映像用ソフトウェア、又は、CADプログラム、例えばノースカロライナ州のエンジニアード・ソフトウエア社(Engineered Soft‐ware)から入手可能のPowerDraw ver.6.0で開かれる。
【0151】
図3を参照すれば、区域30及び50の厚さは、それぞれ、符号K及びPを付与された直径を有する円で示される。最初に、調査対象とする区域50の中に描かれる最大の円は、PowerDrawを用いて描かれる。この円の直径は符号Pを付与される。区域50の厚さはこの円の直径に適当なスケール・ファクター(このスケール・ファクターは、顕微鏡写真の倍率にスキャンされた映像の倍率を掛けたものである)を掛けたものである。
【0152】
次に、区域50の何れかの側の区域30に部分的に描き得る最小の円が描かれる。これらの円の直径は符号Kが付与される。区域50に隣接している区域30の厚さKは、2つの直径の平均値に上述のスケール・ファクターを掛けたものである。
【0153】
区域50に隣接する区域30の面は、図3に示すように、直径Kを有する2つの円の中心を結ぶ線を引くことによって,位置決めされる。
【0154】
10枚の各試料のために、区域30の厚い部分の間に配置された厚い区域50が生じることは予想される。薄い区域30が厚い区域50の各側部で同様である場合のために、面23を代表する線が引かれる。若しもこの線が少なくとも25%以上の発生率で区域50と交差すれば、そのときには、試料を採取したペーパーは、本発明に基づいて、比較的厚い区域の面に配置された厚い区域を有すると言える。例えば、若しも10枚の試料が厚い区域50の何れかの側に薄い区域30を50個所発生させれば,その場合には、厚い区域50が薄い区域30の面に配置されており、若しも面23を代表して引かれた線のみが厚い区域50と交差すれば、13個以上の厚い区域50が発生する。
【0155】
表面平滑度
ペーパー・ウェブ面の表面平滑度は、1991年の国際ペーパー物理会議で制定されたTAPPI BOOK 1の19頁にあり、名称が『ティシュ・ペーパーの機械的特性の測定法』である章の、アンプルスキー(Ampulski)等によって説明された生理的表面平滑度(PSS)測定法に基づいて測定され、この章は参照によって本明細書に含まれる。PSS測定は、本明細書に使用されるときには、上述の章に記載されているような膨大な有用性を順次集約したものである。この測定法の手順は、スペンデル(Spendel)の米国特許第4,959,125号明細書、及び、アンプルスキー(Ampulski)等の米国特許第5,059,282号明細書にも概ね記載されており、この特許明細書は参照によって本明細書に含まれる。
【0156】
本発明の紙の試料を試験する目的で、上述の章におけるPSS測定の方法は、表面平滑度測定のために、以下に述べる手続き的改良を伴って使用される。
【0157】
上述のように、10個の試料のために、SASソフトウェアにディジタル化されたデーターの対を導入する代わりに、表面平滑度測定が、オースチンのナショナル・インストルーメント社(National Instrument)から入手可能のLABVIEW印のソフトウェアを用いて、試料10個用データの要求、ディジタル化、及び、統計的処理によって行われる。各振幅スペクトラムは、『Amplitude and Phase Spectrum.vi』モデルを、出力スペクトルとして選択された『Amp Spectrum Mag Vrm』と共に用いて、発生される。出力スペクトルは10個の試料それぞれについて得られる。
【0158】
各出力スペクトルは、LABVIEWにおける以下の重量ファクタ:0.000246、0.000485、0.00756、0.062997を用いて平滑化される。これらの重量ファクタは、SASプログラムのために上述の項目に規定されているファクタ:0.0039、0.0077、0.120、1.0によって模擬的に選択される。
【0159】
平滑化の後に、各スペクトルは上述の章に規定された周波数フィルターを用いて濾過される。次にPSSの値は、ミクロンで、各個別のスペクトルについて、上述の項目に記載されているように計算される。ウェブ側面の平滑度は、ウェブの同じ側から取った10個の試料で測定したPSS10個の平均値である。これと同様に、ウェブの反対側の面平滑度を測定することができる。平滑度の比率は、ウェブの、より非平坦な面に対応する表面平滑度の高い値を、ウェブの平滑な側に対応する表面平滑度の低い値で除して得られる。
【0160】
坪量
坪量は次の手順に基づいて測定される。
【0161】
測定すべき紙は、21.7−23.8℃(華氏71乃至75度)、相対湿度48乃至52%で、最低2時間、コンディショニングされる。コンディショニングされた紙は、縦横各3.5インチの12個の試料を作るためにカットされ、この試料は、適当な圧力板カッター、例えばThwing Albert Alfa Hydraulic Pressure Sample Cutter Model 240−10等を用いて、1度に6個の試料が切り取られる。この2種類の6個の試料の束は、次に、12プライの束に組み合わされて、21.7−23.8℃(華氏71乃至75度)、湿度48乃至52%で、15分以上の付加的なコンディショニングされる。
【0162】
次に、12プライの束は、校正された分析用天秤で重量測定される。この天秤は、試料がコンディショニングされるのと同じ室内で維持される。適当な天秤はサートリアス・インストルーメント・カンパニー社(Sartorius
Instrument Co.)の Model A200Sである。この秤量は12枚1束の紙の重量(グラム単位)であり、各プライは79.0cm2(12.25平方インチ)の面積を有する。
【0163】
ウェブの坪量(1プライの単位面積あたりの重量)は、次の式を使って、ポンド毎3000平方フィートの単位で計算される:
【0164】
【数1】
目視厚さ又は乾燥厚さ
目視厚さ又は乾燥厚さは、1984年9月4日発行のトロクハン(Trokhan)の米国特許第4,469,735号明細書に開示された厚さ測定手順を用いて測定され、この特許明細書は参照によって本明細書に含まれる。
【0165】
嵩密度
嵩密度はウェブの坪量をウェブの巨視的厚さで除した商である。
【0166】
吸収力
ウェブの吸収力は、既参照の米国特許第4,469,735号明細書に開示された水平吸収力試験を用いて測定される。
【0167】
ウェブ支持装置の高さの測定
第1フェルト面の高さ231とウェブ接触面260の高さ261との高低差は、次の手順を用いて測定される。ウェブ支持装置は上を向いたウェブ模様付け層を有する平坦な水平面である。約1.3平方ミリメートルの円形の接触面と約3mmの垂直な長さを有する針は、ロード島,プロビテンスのフェデラル・プロダクツ・カンパニ−社(Federal Products Co.)が製造しているFederal Products寸法測定用ゲージ(EMD4320 W1ブレーク・アウェー・プローブと共に使用するように改良されたモデル432B−81増幅器)に取付けられる。この装置は、公知の高低差を提供する厚さ公知の2個の精密シムの電圧差を求めることによって校正される。この装置は、針の無制限移動を確実に行うために、第1フェルト面230より若干低い高さでゼロである。この針は測定点で約0.24グラム/平方ミリメートルの圧力を発生する。各高さで3回以上の測定が行われる。各高さの測定値は平均される。平均値の間の差は高低差を出すために計算される。
【0168】
同じ手順が、図14Bに示した高さ1231及び261の間の差を測定するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0169】
図面の説明
本明細書の末尾に本発明の権利を特に指摘して厳密に請求する請求の範囲を添付してあるが、本発明は、関係図面と関連させ、類似の要素に同じ符号を与えた以下の説明によって良く理解されるであろう:
【図1】本発明の一実施例に基づいて、薄い連続網状構造、及び、連続網状区域全体に分布した複数の厚い不連続区域を有する紙構造体の第1面の平面図である。
【図2】連続網状構造区域の面の中に分布した厚い不連続区域を示す図1の線2-2に沿う断面図である。
【図3】図1及び図2に示したタイプの紙構造体の断面写真である。
【図4】図1及び図2に示したタイプの紙構造体の第1面断面の写真である。
【図5】図1及び図2に示したタイプの紙構造体の第2面の断面写真である。
【図6】米国特許第4,637,859号明細書に示されたタイプの、従来技術の紙の断面図である。
【図7A】米国特許第4,637,859号明細書に示されたタイプのペーパー・ウェブの断面写真である。
【図7B】米国特許第4,637,859号明細書に示されたタイプのペーパー・ウェブの一方の側の平面図である。
【図7C】図7Bのペーパー・ウェブの他方側の平面図である。
【図8A】脱水用フェルト層およびこの脱水フェルト層に結合されたウェブ型模様付け層を備え、連続網状構造のウェブ接触上面を有し、図1及び図2に示すタイプのペーパー・ウェブの製造に使用される装置の平面図である。
【図8B】図8Aにおける線8Bに沿った図8Aの装置の断面図である。
【図8C】脱水用フェルト層およびウェブ型模様付け層を有し、ウェブ型模様付け層が不連続なウェブ接触面を有する装置の平面図である。
【図9A】図8A及び図8Bの装置を用いてペーパー・ウェブを作るための抄紙機の説明図である。
【図9B】図8Bに示されている装置に搬送されて、この装置と一致する第1面、及び実質的に平滑な第2面を有するペーパー・ウェブを形成するペーパー・ウェブを示す説明図である。
【図9C】ペーパー・ウェブの第1面に型模様を施すため、及びペーパー・ウェブの第2面をヤンキー・ドラムに接着するために、真空圧力ロールとヤンキー・ドライヤーのドラムとの間に搬送される、図8Bに示した装置上のペーパー・ウェブを示す説明図である。
【図9D】ウェブの外側を向く平滑な第2面を有する、図2に図示したタイプの2つのウェブを有する2プライのティシュの断面図である。
【図10】本発明の代替的実施例に基づいて作られ、連続網状構造区域の面に配置された厚い不連続区域を示し、各不連続区域が1つ以上の不連続な高い密度の区域を取り囲んでいるペーパー・ウェブの断面図である。
【図11】図10に図示したタイプの紙構造の断面写真である。
【図12】図10に図示したタイプの紙構造の第1面の写真である。
【図13】紙構造の第2面の写真である。
【図14A】織ったフィラメントで作られた多孔型要素に結合されたウェブ型模様付け層を有し、図10に図示したタイプのペーパー・ウェブを作るために使用される装置の平面図である。
【図14B】図14の装置の断面図である。
【図15A】図14A及び図14Bの装置を用いてペーパー・ウェブを作るための抄紙機の説明図である。
【図15B】図14Bに示された装置に一致する第1面、及び実質的に平滑な第2面を有するペーパー・ウェブを形成するために、この装置に搬送されるペーパー・ウェブを示す説明図である。
【図15C】図14Bに示された装置上でペーパー・ウェブの第1面に型模様を施し、ペーパー・ウェブの第2面をヤンキー・ドライヤーのドラムに接着するために、圧力ロールとヤンキー・ドライヤーのドラムの間に搬送されるペーパー・ウェブの説明図である。
【図16】本発明の1つの実施例に基づいて作られ、結合抑制層を含む多くの繊維層を有するペーパー・ウェブの断面図である。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は紙構造体、特に嵩高で平滑度を有するティシュ・ペーパー・ウェブ、及び、このようなウェブを製造する方法に関する。
【0002】
発明の背景
紙構造体(例えばトイレット・ティシュ、紙タオル、及び化粧ティシュ等)は、家庭や産業全体に広く使用されている。このようなティシュ製品を多くの消費者に好まれるようにするために多くの努力が払われてきた。
【0003】
嵩高で可撓性を有し、消費者から好まれるティシュを提供するという問題を解決する方法のひとつは、米国特許第3,994,771号明細書(1976年11月30日発行、モーガン(Morgan)等)に記載されている。改良された嵩及び可撓性も、米国特許第4,191,609号明細書(1980年3月4日発行、トロクハン(Trokhan))が示すように、双方向ジグザグの圧縮ゾーン及び非圧縮ゾーンによって提供される(この特許は参照によって本明細書に含まれる)。
【0004】
消費者に好まれるティシュ・ペーパーを作るための他の問題解決法は、ティシュ・ペーパー製品を、嵩高で引張強さが大きく破裂強度の大きいものにするために、紙構造体を乾燥することである。この方法で作られた紙構造体の例は、米国特許第4,637,859号明細書(1987年1月20日発行、トロクハン(Trokhan))に示されている(この特許明細書は参照によって本明細書に含まれる)。米国特許第4,637、859号明細書は、連続網状構造全体に分散された不連続ドーム型突出部を示している(この特許明細書は参照によって本明細書に含まれる)。連続網状構造は強度を提供することができ、それに対して厚いドームは柔軟性と吸収性を提供することができる。
【0005】
米国特許第4,637,859号明細書に開示された抄紙法の1つの短所は、例えばウェブ等の乾燥が多くのエネルギーを消費し、多くの費用を要し、典型的には通気乾燥装置の使用を含んでいることである。さらに、米国特許第4,637,859号明細書に開示された抄紙法は、ウェブを最終的にヤンキー・ドライヤーのドラムで乾燥させ得る速度が限定される。この限定は、ウェブをヤンキー・ドライヤー・ドラムに送る前に、ウェブに少なくとも部分的に型模様を与えることに基因すると考えられる。特に、米国特許第4,637,859号明細書記載の不連続ドームはヤンキー・ドライヤーの表面で、米国特許第4,637、859号明細書記載の連続網状構造と同じ程度まで乾燥されることはないであろう。したがって、所与の濃度レベル及び坪量のために、ヤンキー・ドライヤーの運転可能速度は限定される。
【0006】
次の刊行物、即ち:WO95/17548号公報(1995年6月29日発行、名義人アンプルスキー(Ampulski)等、米国優先日1993年12月20日);WO96/00812号公報(1996年1月11日発行、名義人トロクハン(Trokhan)等、米国優先日1994年6月29日);WO96/00814号公報(1996年1月11日発行、名義人ファン(Phan)、米国優先日1994年6月29日);米国特許第5、556、509号明細書(1996年9月17日発行、トロクハン(Trokhan)等);及び米国特許第5,549,790号明細書(1996年8月27日発行、ファン(Phan))は抄紙用の付加的な方法を示している(これらは参照によって本明細書に含まれる)。
【0007】
米国特許第4,326,000号明細書;米国特許第4,000,237号明細書;及び米国特許第3,903,342号明細書は、シートの表面同志を型模様の中で結合するエラストマー系結合物質を有するシート材料を説明している。このような方法は、結合物質の使用が経費を増大させ、生産速度の制御を困難にするという短所を有する。その上、弾性接着剤がウェブの吸収力を減少させるであろう。
【0008】
ニップの中で1つ以上の圧搾フェルトでウェブをプレスして作る従来のティシュ・ペーパーは高速製造が可能である。従来どおりにプレスされた紙は、一旦乾燥されてから、ウェブに型模様を施すため及びウェブの嵩増大のためにエンボス加工されることがある。例えばティシュ・ペーパー製品乾燥後にティシュ・ペーパー製品にエンボス型模様を施すことは、ごく普通に見受けられる。
【0009】
しかしながら、エンボス加工は紙構造体に、典型的にはその紙構造体の他の特性を犠牲にして、特定の美的外観を与える。特に、乾燥したペーパーにエンボス加工を施せば、セルロース構造体の中の繊維間結合が破壊される。この破壊は初期繊維スラリーの乾燥による紙層形成および設定によって発生する。紙構造体乾燥後にエンボス加工で繊維間結合を破壊すれば、繊維が紙構造体の面に直角に移動する。結合破壊は乾燥したペーパー・ウェブの引張強さを減少させる結果を招く。さらに、エンボス加工は、典型的には乾燥したペーパー・ウェブを乾燥ドラムから剥がした後に行われる。クレープ加工後のエンボス加工はウェブに与えたクレープ型模様を破壊することがある。例えばエンボス加工は、クレープ加工による型模様の圧縮又は引張りによって、ウェブの一部でクレープ加工の型模様を排除することがある。このような結果は、クレープ加工の型模様が乾燥ウェブの柔軟性及び可撓性を増加させるので好まれない。
【0010】
抄紙技術の科学者および技術者は、小額の費用で、充分に乾燥でき、柔軟で強く、かつ、吸収力のあるティシュ・ペーパーを作るための改良法の研究を続けている。
【0011】
したがって本発明の目的は、少ないエネルギーと費用で迅速に乾燥させ得るペーパー・ウェブおよび多区域ペーパー・ウェブを製造する方法の提供にある。
【0012】
本発明の他の目的は、(従来の、又は通気乾燥力を有する) 既存の抄紙機で形成し得る多数区域ペーパー・ウェブを、抄紙機の実質的改良を要することなく作るための方法を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、ウェブが次の特性:即ち、厚さ、高さ、密度、及び坪量の1つ以上の特性によって区別可能の、少なくとも2つの異なる非エンボス区域を有するペーパー・ウェブ、及び、そのウェブの製造方法を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、型模様を施された面と平滑な対向面によって強化された嵩厚み、嵩密度、及び吸収力を有し、それによって紙製品の消費者が望む嵩高と柔軟性の両特性を具備したペーパー・ウェブと、そのウェブを製造する方法を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、ウェブが結合物質(例えば吸収力に悪影響を与えるエラストマー系結合物質等)を実質的に含有しないペーパー・ウェブ、及び、そのウェブの製造方法を提供することにある。
【0016】
発明の概要
本発明は湿式ペーパー・ウェブを形成する方法を提供する。この方法は、多孔型フォーミング部材上に、第1及び第2面を有する抄紙用繊維の初期ウェブを形成する工程;第1ウェブ接触面および第2ウェブ接触面からなるウェブ対面側部を有し、第1および第2ウェブ接触面の高低差が初期ウェブの厚さ未満であるウェブ支持装置にウェブを送る工程;ウェブ濃度約10ないし60%でウェブの第1面に型模様を施す工程;ウェブの第2面の実質的全ての部分に隣接する位置にある加熱乾燥面にウェブを送る工程;及び、ウェブを加熱乾燥面から剥がす工程を有する。
【0017】
初期ウェブを形成する工程は、繊維結合剤を有する初期ウェブを形成するのが好ましい。1つの実施例では、初期ウェブの形成工程が多層ウェブの形成を行い、初期ウェブの中間層が繊維結合剤を有する。
【0018】
1つの実施例では、ウェブ支持装置が脱水フェルト層(以下、脱水用フェルト層ともいう。)を有し、第1及び第2のウェブ接触面の高低差が約0.152mm(約6ミル)未満、好ましくは約0.051mm(約2.0ミル)未満である。
【0019】
発明の詳細な説明
図1及び図2は本発明の一つの実施例に基くペーパー・ウェブ20を示し、図3ないし図5は図1及び図2に示したタイプの紙構造体の写真である。比較のために、図6及び図7Aないし図7Cに、米国特許第4,637,859号明細書に記載されたタイプのペーパー・ウェブを示す。
【0020】
ペーパー・ウェブは本発明の一つの実施例に基いて作られ、薄い区域と、薄い区域の面の中に配置された厚い区域を有する。このペーパー・ウェブは湿式でつくられ、乾燥エンボス加工を実質的に施されないことが可能である。図1ないし図5を参照すれば、ペーパー・ウェブ20は、それぞれ対向している第1及び第2の面22及び24を有する。ペーパー・ウェブ20は薄くて連続の網状構造区域30を有し、この区域は符号Kで表される厚さを有する。区域30の境界面22の一部分に符号32が付与され、表面24の一部分に符号34が付与されている。
【0021】
ウェブ20も、連続網状構造区域30の全体に配置された複数の厚い区域50を有している。厚い区域50は符号Pで表される厚さを有し、連続網状構造区域30の表面32から延びている。区域50の境界面22は部分的に符号52が付与され、区域54の境界面24は部分的に符号52が付与されている。厚さPは厚さKよりも厚い。好ましくは比率P/Kが約1.5以上である。図3を参照すれば、Pは約0.3mm以上、好ましくは約0.40以上にすることができる。Kは約0.25mm未満、より好ましくは約0.20mm未満にすることができる。
【0022】
連続網状構造30、及び不連続で厚い区域50は、共に、(例えばクレープ等によって)縮めることができる。図1ないし図2では、連続網状構造のクレープのうねは符号35で表され、概ね横方向に延びている。これと同様に、厚い区域50もクレープのうね55を有するように縮めることができる。
【0023】
連続網状構造30は米国特許第4,637,859号明細書に開示されたタイプの、密度が大きく目視的に単一の面の連続網状構造区域にすることができる。厚い区域50は、米国特許第4,637,859号明細書に開示されているように、双方向にジグザグに配置することができる。しかしながら、この厚い区域50は米国特許第4,637,859号明細書に開示された様なタイプではない。
【0024】
厚い区域50は連続網状構造30の面に配置されている。この網状構造30の面の高さは(図2に線で表された)面23を用いて概略表示されている。面23は面32及び34の間の中程に位置している。網状構造30の面が図2では平らなように示されているが、『網状構造30の面』は湾曲面23を有するものを意味している。
【0025】
ここで、『網状構造30の面の中に配置されている』という表現は、厚い区域50が面23の上下両方向に延びた部分を有することを表している。図2に示すように、厚い区域50は部分的に仮想線25に沿って延びている。この区域50の仮想線25に沿って延びた部分は面23の上下に配置されているので、線25と面52が交差する点は面23の上方にあり、線25と面54が交差する点は面23の下方にある。
【0026】
区域50が区域30の面の中に配置されている場合の厚さP及びKの測定手順、及び面23の位置の測定手順は、後述する『厚さ及び高さの測定』で説明する。
【0027】
図1及び図2に示すウェブとは対照的に、図6に示すウェブ80は、米国特許第4,637,859号明細書に開示されたものであるが、連続網状構造の面の中に配置された厚い区域を有していない。米国特許第4,637,859号明細書は、連続網状構造の面の中に配置されたドーム84を開示した。図6で、ドーム84は網状構造83の中に配置されていない。その代わりに、図6に示したように、ドーム84の下側の面は図6に示した面23の上方に配置されている。米国特許第4,637,859号明細書に開示されたタイプのウェブの写真を図7Aに示し、このようなウェブの対向している面を図7A及び図7Cに示す。
【0028】
したがって、図1及び図2に示したウェブ20は、連続網状構造の強度の利益、厚い区域50によって得られる嵩密度、目視厚さ、吸収性、及び柔軟性の利益を有することがあり、さらに、米国特許第4,837,859号明細書に示されたタイプのペーパーに比べれば平滑な面24を有する。
【0029】
特に、ウェブ20は、表面平滑度比が約1.15より大きく、より好ましくは約1.20より大きく、より好ましくは約1.25より大きくても良く、さらに、より好ましくは約1.30より大きくても良く、さらに、最も好ましくは約1.40より大きい。ここに、表面平滑度比は、表面22の表面平滑度を表面24の表面平滑度で除算した商の値である。
【0030】
一つの実施例では、ウェブ20の表面24は約900未満、より好ましくは約850未満の値の表面平滑度を有することがある。対向面22は表面平滑度の値が約900以上、より好ましくは約1000以上である。
【0031】
面の表面平滑度の値を測定する方法は後述の『表面平滑度』の項で説明する。面の平滑度の値は、より非平坦になり、滑らかさが減るにつれて増加する。したがって、小さい値の表面平滑度は滑らかな表面を示している。
【0032】
本発明のウェブ20とは対照的に、米国特許第4,637,859号明細書に開示されたタイプのペーパーのサンプルは約1.07の表面平滑度比、向き合う表面が約993及び1065の表面平滑度を示すことがある。
【0033】
ウェブ20の一つの長所は、柔軟性を提供する平滑面24、大きい嵩と吸収性を提供する厚い区域50、及び、強さを出すためのコンパクトで薄く高密度の網状構造区域30を組み合わせたことである。さらにペーパー・ウェブ20は後述の様に、迅速かつ効率良く形成され乾燥されることが可能である。
【0034】
平滑面24を有するウェブ20は、外側を向いた平滑面を有する多数プライのティシュを作るのに活用することができる。例えば、2つ以上のウェブ20が多数プライのティシュを形成するために組み合わせ得るから、多プライ・ティシュの外側を向いた2つの面は、ウェブ20の面24、及び、内側方向を向いた外側の面22を有する。このような多プライ・ティシュは、連続網状構造全体に亘って分散している厚い区域に強度及び嵩の利益を受けることができ、さらに、消費者が触れた時に平滑で柔らかな表面を与えることができる。
【0035】
このような2プライ・ティシュの例は図9Dに示されている。この2つのウェブ20を、任意の適当な要領で(機械的、接着的、超音波的、及び、これらの方法の組み合わせを含めるが、これらに限定されることなく)対面関係を有するように結合することができる。
【0036】
ウェブ20は約7ないし約70グラム毎平方メートルの坪量を有することができる。ウェブ20は約0.1mm以上、より好ましくは約0.2mm以上の目視的厚み、及び約0.12グラム毎立方センチメートルの嵩密度(坪量を巨視厚みで除した商)を有することができる。ウェブの坪量、目視厚み、及び嵩密度を測定する手順は後述する。
【0037】
図1及び図2に示されたタイプのウェブ20は約20グラム毎グラム以上の吸収力を有することもできる。吸収力測定法の手順は後述する。したがって、ウェブ20は、通常の場合、従来のフェルト・プレスされたティシュ・ペーパーと関連する平滑面の利益との組合せで、嵩高のペーパー・ウェブの吸収性の利益を発揮する。
【0038】
ウェブ支持装置
図8A及び図8Bは 図1及び図2に示されたタイプの ウェブを作るのに使用するウェブ支持装置200を示している。このウェブ支持装置200は脱水フェルト層220及びウェブ型模様付け層250を有する。ウェブ支持装置200は、抄紙機にあるウェブに乾燥及び型模様付けを行うために、連続するフェルトの形にすることができる。ウェブ支持装置200は、ウェブ側を向いた第1面202、及び反対側を向いた第2面204を有する。ウェブ支持装置200は、ウェブ側を向いた第1面202が、図8Aを見ている人の方を向いている。ウェブ側を向いた第1面202は第1ウェブ接触面及び第2ウェブ接触面を有する。
【0039】
図8A及び図8Bでは、第1ウェブ接触面はフェルト層220の第1フェルト面230である。第1フェルト面230は第1の高さに配置されている。フェルト層220は反対側を向いた第2フェルト面232をも有している。
【0040】
図8A及び8Bでは、第2ウェブ接触面は、ウェブ型模様付け層250によって提供される。ウェブ型模様付け層250はフェルト層220に結合されて、第2の高さ261にウェブに接触する頂部表面260を有する。第1の高さ231と第2の高さ261との差は、ウェブがウェブ支持装置200に送り込まれた時のウェブの厚さより小さい。フェルト面260及び230が同じ高さに配置されることがあるので、高さ231及び261は同じである。代替的に、面260は表面230より若干高くすることができ、換言すれば、表面230は表面260より若干低くすることができる。
【0041】
この高さの差は0.0mm(0.0ミル)以上、約0.20mm未満(約8.0ミル)である。一つの実施例では、高さの差は、以下に説明する様に、平滑面24を維持するために、約0.15mm(約6.0ミル)未満、より好ましくは約0.10mm(約4.0ミル)未満、最も好ましくは約0.051mm(約2.0ミル)未満である。
【0042】
脱水フェルト層220は透水性で、抄紙繊維の湿潤ウェブから押し出された水を受け入れて保持することができる。ウェブ型模様付け層250は非透水性で、抄紙繊維の湿潤ウェブから押し出された水を受け入れず、保持もしない。ウェブ型模様付け層250は、図8Aに示したように、頂部表面260に接触する連続ウェブを有することができる。代替的に、ウェブ型模様付け層は不連続または半連続にすることができる。不連続の頂部表面260を図8Cに示す。
【0043】
ウェブ型模様付け層250は好ましくは感光性樹脂を有し、この樹脂は第1面230に液体の形態で堆積し、その後に放射線によって実質的に硬化し得るので、ウェブ型模様付け層250が部分的に浸透し、これによって、第1フェルト面230に接着保持される。ウェブ型模様付け層250は、好ましくはフェルト面220の厚さ全体に広がらず、その代りに、ウェブ支持装置の可撓性及び圧縮性、特にフェルト面220の可撓性及び圧縮性を維持するために、フェルト面220の厚さの約半分より浅く広がる。
【0044】
適当な脱水フェルト層220は、織られた繊維244の形の構造を支持するために、例えば製織によって結合された天然または合成の繊維の不織布バット240を有する。不織布で作られた適当な材料は、天然繊維(例えばウール等)及び合成繊維(例えばポリエステルやナイロン等)で作ることができるが、これらに限定されない。このバット240を形成する繊維は、フィラメントの長さ9000m当たり約3ないし約20gのデニールを有することができる。
【0045】
フェルト層220は層構造を有することができ、繊維のタイプおよびサイズの混合物からなることができる。フェルト層220は、ウェブから受け入れた水を第1フェルト面230から第2フェルト面232へ送るのを促進する形状である。フェルト層220は第1フェルト面230に隣接配置された、より細く、密に詰められた繊維を有することができる。フェルト層220は、好ましくは、第2フェルト面232に隣接するフェルト層220の密度と孔の寸法よりも、第1フェルト表面230に隣接して、密度が大きく、孔が細いので、第1フェルト面230に入った水は、第1フェルト面230から運び出される。
【0046】
脱水フェルト層220は約2mmを超える厚さを有することができる。一つの実施例では、脱水フェルト層220は約2mmないし約5mmの厚さを有することができる。
【0047】
WO96/00812号PCT国際公報(1996年1月11日発行)、WO96/25555号公報(1996年8月22日発行)、WO96/25547号公報(1996年8月22日発行)は全てトロクハン(Trokhan)等の名義であり;米国特許出願第08/701,600号明細書(1996年8月22日発行、『樹脂を抄紙に使用する方法』);米国特許出願第08/672,293号明細書(1996年4月30日発行、『型模様付け層を有する高吸収性及び低反射性のフェルト』);米国特許出願第08/672,293号明細書(1996年6月28日発行、『選択された透過性を有し湿潤プレスされたティシュ・ペーパーを製造する方法』)は、感光性樹脂を脱水フェルトに使用することの開示、及び、適当な脱水フェルトの開示の目的で、参照として本明細書に含まれる。
【0048】
脱水フェルト220は約200標準立方フィート毎分(scfm)未満の透気度を有することができ、ここに、scfmを単位とする透気度は、脱水フェルトの厚さ方向の圧力差が約125Pa(約0.5インチ水柱)で、面積1平方フィートのフェルト層を通過する空気の量を、立方フィート毎分で表した数値である。一つの実施例では、脱水用フェルト220は約5乃至約200scfm、より好ましくは約100未満の透気度を有することができる。
【0049】
脱水用フェルト220は、坪量を800乃至2000グラム毎平方メートル、平均密度(坪量を厚さで除した商)を0.35乃至0.45グラム毎立方センチメートルにすることができる。ウェブ支持装置200の透気度はフェルト層220の透気度以下である。
【0050】
一つの適当な脱水フェルト220は、ウィスコンシン州、アップルトンのアップルトン社(Appleton Mills Co.)製のAmflex2Press Feltである。このフェルト220は、約3mmの厚さ、約1400グラム毎平方メートルの坪量、約30scfmの透気度を有することができ、かつ、3プライのマルチフィラメントの上部および底部縦糸と、4プライの太綱つなぎのモノフィラメントの横方向織りを有する2層の支持装置を有している。バット240はポリエステル繊維(第1面230で約3デニール、第1面230の下のバット基質で約10ないし15デニール)を有することができる。
【0051】
図8Aに示されたウェブ支持装置200は、不連続開口部270がある上面260に接触する連続網状構造を有するウェブ型模様付け層250を有する。開口部270のための適当な形状には、円形、縦方向(図8Aの機械の運転方向)に長い楕円形、多角形、不規則な形状、及び、これらが混合した形状等がある。連続網状構造体の上面260の突出面の面積は、図8Aに見られるように、ウェブ支持装置200の突出面の面積の約5乃至約75%にでき、好ましくは、この装置200の突出面の面積の約25乃至約50%である。
【0052】
図8Aに示された実施例では、連続網状構造体の上面260は、ウェブ支持装置200の突出面の面積6.45cm2(1平方インチ)当り約700個の不連続開口部270、好ましくは、図8Aに示された装置の突出面の面積6.45cm2(1平方インチ)当り約10ないし約400個の不連続開口部を有することができる。米国特許第4,637,859号明細書に記載されたように縦(MD)及び横(CD)両方向にジグザグに配置することができる。一つの実施例では開口部270は、開口部の寸法に応じて、重ね合わせたり、両方向にジグザグに配置することができるので、縦横両方向に、開口部270の縁が相互に交差するように延びたり、縦横両方向に相互に平行に引かれた線が数個の開口部270を過ぎる様にすることができる。
【0053】
抄紙方法の説明
本発明に基づく紙構造体20は、図9A、9B、及び図9Cに示すような抄紙装置を用いて作ることができる。図9Aを参照すれば、本発明に基づく紙構造体20を製造する方法は、抄紙用繊維をスラリーの形の水性分散液(以下水性スラリ液とも称する。)にし、抄紙用スラリーをヘッド・ボックス500から多孔型で液体透過性のフォーミング部材(例えばフォーミング・ベルト542等)の上に堆積させ、それに引き続いて、フォーミング・ベルト542に支持されている抄紙繊維543の初期ウェブを形成することによって開始される。説明簡潔化のために、フォーミング・ベルト542が単一連続型長網ワイヤーとして示されている。これは、従来公知の任意の各種ツイン・ワイヤーを使用することができることであると理解されよう。
【0054】
各種の木材パルプは全て、本発明に使用される抄紙繊維を有することが予想される。しかしながら他のセルロース繊維パルプ(例えばコットン・リンター、バガス、レーヨン等)を使用することが可能であり、特許請求されないものは全くない。本明細書に有用な木材パルプには、化学パルプ(例えばクラフト・パルプ、亜硫酸パルプ、硫酸パルプ等)があり、さらに、機械パルプ(例えば砕木パルプ、熱機械パルプ、及び化学熱機械パルプ(CTMP)等)がある。針葉樹及び広葉樹から得られるパルプも使用することができる。
【0055】
広葉樹パルプ及び針葉樹パルプ、さらにこの二種類のパルプをブレンドしたものも採用することができる。広葉樹パルプという用語は、本明細書に使用されるときには、広葉樹材の木質パルプから得られる繊維パルプとして参照され、これに対して、針葉樹パルプは針葉樹材の木質パルプから得られる繊維パルプである。広葉樹材(例えば平均繊維長が約1.00mmのユーカリ樹等)は、柔軟性が重要な、以下に説明するティシュ・ペーパー・ウェブに特に適当であり、これに対して、平均繊維長が約2.5mmの北部地方産針葉樹のクラフト・パルプは強度を要求される部分に好ましい。本発明に対しては、リサイクル紙から作られた繊維を使用することもでき、これには上述のカテゴリーの任意又は全てのもの、さらに他の非繊維性材料、例えば元々の紙の抄紙を行うために使用された填料や接着剤等がある。
【0056】
完成紙料には各種の添加剤、例えば湿潤強力結合剤、乾燥強力結合剤等の繊維結合物質、及び化学的柔軟剤成分があるが、これらに限定されるものではない。適当な湿潤強力結合剤には、例えばデラウエア州、ウィルミントンのハーキュリーズ社によって KYMENE(登録商標)557Hの商品名で販売されているポリアミド・エピクロルヒドリンがある(これに限定されない)。適当な一時湿潤強力結合剤には改良された澱粉結合剤、例えば改質澱粉結合剤(例えば、ニューヨーク州、ニューヨークのナショナル・スターチ・ケミカル社(National Starch & Chemical Corp.)が市販しているNATIONAL STARCH(登録商標)78‐0080等)がある(これに限定されない)。
【0057】
適当な乾燥強力結合剤には、カルボキシメチルセルロースのような物質や、ACCO(登録商標)711のようなカチオンポリマーがある。この乾燥強力結合剤のACCO(登録商標)の一族は、ニュージャージー州、ウェインのアメリカン・サイナミッド・カンパニー社(American Cyanamid Co.)から入手可能である。
【0058】
好ましくは、フォーミング・ワイヤ上に堆積された完成紙料は、ウェブが乾燥した時に或る程度の繊維と繊維が結合を形成するのを抑制するための結合抑制剤を有する。この結合抑制剤は、乾燥クレープ法によって与えられるエネルギーと組み合わされて、結果的にウェブを部分的にデバルク(debulk)させる。一つの実施例では、結合抑制剤は、2つ以上の層の間に位置する中間繊維層を形成する繊維に使用することができる。この中間層は、繊維外層間の結合抑制層として作用する。クレープのエネルギーは、それ故に、ウェブを結合抑制層に沿って部分的にデバルク(debulk)することができる。ウェブのデバルクは結果的にボイド310の中に形成することができる(図16)。
【0059】
結果として、ウェブはヤンキー・ドライヤーで効率良く乾燥を行うために平滑面を形成されることがある。しかも、クレープ用のブレードでリバルク(rebulk)を行うので、乾燥ウェブは連続網状構造の大密度区域及びクレープ法で作り出された不連続低密度区域を含めて、密度の異なる区域をも有することができる。
【0060】
適当な結合抑制剤は、米国特許第5,279,767号明細書(1994年1月18日発行、ファン(Phan)等)に開示された様な化学的柔軟剤成分を有する。適当な生物分解可能の化学的柔軟剤成分は、1994年5月17日発行のファン(Phan)等の米国特許第5,312,522号明細書に開示されている。米国特許第5,279,767号明細書、及び、第5,312,522号明細書は参照によって本明細書に含まれる。この様な化学的柔軟剤成分は、ウェブを作り上げている1層以上の繊維の中で繊維対繊維結合抑制用結合抑制剤として使用できる。
【0061】
ウェブ20を形成している1層以上の繊維の結合抑制を行うための一つの適当な柔軟剤は、ジエステルジ(タッチ・ハード)タロージメチルアンモニュームクロライドを有する抄紙添加剤である。適当な柔軟剤は、コネチカット州、グリニッチのウィトコ社(Witco Co.)から入手できるADOGEN(登録商標)の商品名の抄紙添加剤である。
【0062】
初期ウェブ543は、好ましくは、水の使用を余儀なくされる液体分散を経て、抄紙繊維の水性分散液から作られる。この繊維は濃度が約0.1ないし約0.3%の担体液体の中に分散される。分散、スラリー、ウェブ、その他の系の%濃度は、考慮の対象とする系の乾燥繊維の重量を、その系の重量の総和で除算して得られる商の100倍として定義されている。繊維の重量は常に、絶対乾燥繊維を基準に表される。
【0063】
初期ウェブ543は、図9Aに示す様に、連続抄紙法で形成することができ、あるいは代替的に手漉き抄紙法のような回分法で形成することもできる。抄紙繊維の水性分散液がフォーミング・ベルト542上に堆積された後に、初期ウェブ543が、従来周知の技法による分散媒体の部分的除去によって形成される。この初期ウェブは概ね一つの面であり、任意の適当なフォーミング・ベルト542を用いて、実質的に平滑で目視で一つの第1面及び第2面を有するように形成される。
【0064】
真空ボックス、フォーミング・ボード、ハイドロフォイル、及びこれと同様なものは、水性分散液から水を効率良く除去するのに有用である。初期ウェブ543は、戻りロール502の付近のフォーミング・ベルト542によって搬送されて、ウェブ支持装置200の付近に運ばれる。
【0065】
紙構造体20の製造の次の工程は、初期ウェブ543をフォーミング・ベルト542から装置200に送り、送られたウェブ(図9Bで符号545を付与)を、この装置200の側部202上で支持することを行う。初期ウェブは、好ましくは、装置200への搬送を行う位置で約5ないし20%の濃度を有する。
【0066】
このウェブが装置200に搬送されて、搬送されたウェブ545の第1面547が装置200の面202に支持されて合致されるが、これは、ウェブ545の一部分が面260に支持されると共にウェブの一部分がフェルトの面230に支持されることによる。ウェブの第2面549は実質的に平滑で目視的に単一面の形に維持される。図9Bを参照すれば、ウェブ支持装置200の面260と面230の高低差は十分に小さく、ウェブが装置200に搬送された時に、初期ウェブの第2面が実質的に目視的単一面に維持される。特に、面260と面230との高低差は、搬送位置での初期ウェブの厚さよりも小さくすべきである。
【0067】
装置200への初期ウェブ543の搬送の工程は、少なくとも部分的に、初期ウェブ543に流体圧力差を加えることによって実施される。たとえば、初期ウェブ543は、図9Aに示された真空源600(例えば真空シュー又は真空ロール等)によって、フォーミング・ベルト542から装置200に真空搬送される。1個以上の真空源620を、さらに脱水を行うために、初期ウェブ搬送位置の下流に設けることもできる。
【0068】
ウェブ545は、装置200上で、縦方向(図9Aの符号MD)に、ヤンキー・ドライヤーのドラム880の真空圧力ロール900と硬質面875の間に設けられたニップ800に送られる。蒸気フード2800は、ウェブ545の表面547が真空圧力ロール900の真空形成部920の上方で搬送された時に、ウェブ545の表面549に蒸気を吹き付ける。
【0069】
蒸気フード2800は、真空形成部920の部分の反対側に取り付けられている。この真空形成部920はウェブ545とフェルト層220の中に蒸気を引き入れる。蒸気フード2800で作られた蒸気は、ウェブ545とフェルト層220を加熱し、それによってウェブ545とフェルト層220の内部の水の粘度を低下させる。したがって、ウェブとフェルト層220の内部の水は、ロール900が作った真空によって容易に除去することができる。
【0070】
蒸気フード2800は、乾燥繊維0.45kg(1ポンド)当り0.135kg(0.3ポンド)、圧力1.03×105Pa(15psi)未満の飽和蒸気を発生する。真空発生装置920は、表面204に、約3.39×103−5.08×104Pa(約1乃至約15インチ水銀柱)、好ましくは約1.02×104−4.06×104Pa(約3乃至約12インチ水銀柱)の真空を発生させる。適当な真空圧力ロール900は、Winchester Roll Products社製の吸引圧力ロール900である。適当な蒸気フード2800は、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州、ノース・バンクーバ―のメジャレックス・デブロン社(Measur‐ex‐Devron Co.)製のモデルD5Aである。
【0071】
真空発生部920は真空源(図示せず)に接続されている。真空発生部920はロール900の回転面910に対して固定である。表面910は、表面204を真空にするための穿孔または溝切りを施すことができる。表面910は図9Cに示す方向に回転する。真空発生部920は、ウェブと装置200が蒸気フード2800を通り、ニップ800を通って搬送された時に、ウェブ支持装置200の表面204を真空にする。1個の真空発生部920を示したが、他の実施例では分離した真空発生部を設け、各真空発生部がそれぞれ、装置200がロール900の周囲を移動している時に、異なる容量になるのが望ましいこともある。
【0072】
ヤンキー・ドライヤーは典型的には蒸気加熱の鋼製または鉄製のドラムである。図9Cを参照すれば、ウェブ545が装置200に支持されたニップ800の中に送り込まれるので、ウェブの実質的に平滑な第2面549が表面875まで搬送されることができる。ニップの上流では、ウェブが表面875まで搬送される前に、ノズル890が表面875に接着剤を塗布する。
【0073】
接着剤はポリビニルアルコール基剤の接着剤である。代替的に、この接着剤を、デラウエア州、ウィルミントンのハーキュリーズ社(Hercules Co.)製の商品名CREPTROL(登録商標)の接着剤にすることができる。他の接着剤も使用可能である。一般的に、ウェブがヤンキー・ドライヤーのドラム880に約45%より高い濃度で送られる実施例のために、ポリビニルアルコール基剤のクレープ用接着剤を使用することができる。約45%未満の濃度では、例えばCREPTROL(登録商標)等の接着剤を使用することができる。
【0074】
接着剤はウェブに直接又は間接的に(例えばヤンキーの表面875への使用等により)多くの方法で使用することができる。例えば、接着剤をウェブ又はヤンキー表面875上に微小粒子の形で噴霧することができる。代替的に、接着剤をトランスファー・ロール又はブラシを用いて面875に使用することもできる。さらに他の実施例では、クレープ用接着剤を、例えばヘッド・ボックス500で完成紙料に加える等の要領で、抄紙機のウエットエンドで完成紙料に加えることができる。ヤンキー・ドラム880上で乾燥された紙の繊維1トンにつき0.9乃至1.4kg(2乃至4ポンド)の接着剤を加えることができる。
【0075】
ウェブがニップ800によって装置200に送られた時に、真空発生部がウェブ支持装置200の表面204を真空にする。また、ウェブが、ニップ800によって、真空圧力ロール900とドライヤーの表面800の間に通された時に、ウェブ支持装置200のウェブ型模様付け層250が、ウェブ545の第1面260に、面260に対応する型模様を施す。第2面549が実質的に平滑で、目視的に単一面であるから、ウェブがニップ800によって搬送された時に、第2面549の実質的に全部が乾燥機の表面875に対面する位置にあって、この表面875に接着される。ウェブがニップによって搬送された時に、第2面549は、実質的に平滑で目視的に単一の面の形を維持するために、平滑面875によって支持される。したがって、予め定められている型模様を、第2面549が実質的に平滑な状態の時に、ウェブ545の第1面547に施すことができる。ウェブ545は、このウェブ545が面875に搬送され、面260の型模様がウェブに施された時に、約20ないし約60%の濃度を有するのが好ましい。
【0076】
ウェブがニップ800によって搬送された時に、加熱面875がウェブ545の内部の水を沸騰させると考えられる。真空圧力ロール900が作り出した真空は、ウェブの刻印層250で覆われていないフェルト層220の一部分によって、ウェブから沸騰している水を引き出すと考えられる。
【0077】
理論的に限定されないが、第2面549の実質的に全ての部分がヤンキー表面875に相対する位置にある結果として、ヤンキー上のウェブ545の乾燥は、第2面の選択的にヤンキーに相対する部分のみを有するウェブよりも、第2面549の方が、効率が良いと考えられる。特に、第2面549の実質的に全ての部分をヤンキー・ドライヤーの表面875に相対するように位置決めすることによって嵩及び平滑さをも有し、1平方メートル当り約13g(3000平方フィート当り約8ポンド)以上、好ましくは1平方メートル当り約16g(3000平方フィート当り約10ポンド) 以上の坪量を有し、上述の型模様を施された紙をヤンキー・ドライヤーのドラム880上で、約1370メートル毎分(約4500フィート毎分)以上、より好ましくは約1524メートル毎分(約5000フィート毎分)以上のウェブ速度、毎時約11トンの水除去速度で、濃度約50%未満、より好ましくは約30%未満から、濃度約90%以上、より好ましくは約95%以上に乾燥することが可能であると確信している。
【0078】
特に、本発明は、1平方メートル当り約13g(3000平方フィート当り約8ポンド)以上、好ましくは1平方メートル当り約16g(3000平方フィート当り約10ポンド) 以上の坪量を有するウェブ545を、ヤンキー・ドラム上で、毎分約1370メートル(約4500フィート)以上の速度で、低濃度から高濃度に乾燥することができると確信している。特に本発明は、上述の坪量の特性を有するウェブ545を、(ウェブがドラム880に送られた時に)ヤンキー・ドラム上で、毎分約1370メートル(約4500フィート)以上、好ましくは約1524メートル(約5000フィート)以上の速度で、約30%未満、好ましくは約25%未満の濃度から、(ウェブがクレープ加工によって除去された時に)ヤンキー・ドラム上で、毎分約1370メートル(約4500フィート)以上、好ましくは約1524メートル(約5000フィート)以上、最も好ましくは約1829メートル(約6000フィート)以上の速度で、約90%以上、好ましくは約95%以上の濃度に乾燥することができると確信している。
【0079】
比較すれば、米国特許第4,637,859号明細書に開示された様な連続網状構造と不連続ドーム、及び、坪量約16g毎平方メートル (3000平方フィート当り約10ポンド) 以上の紙を乾燥するヤンキー・ドライヤーのドラムの速度は、紙の濃度をヤンキー・ドラム上で約30%から約95%まで乾燥する場合、毎分約1067メートル(約3500フィート)程度にできないと信じられていた。典型的には、米国特許第4,637,859号明細書に開示されたタイプの紙は、ヤンキー・ドラムへの搬送によって約60乃至約70%の濃度になるように、ヤンキー・ドラムの上流で予乾燥される。理論的に限定するものではないが、米国特許第4,637,859号明細書に開示されたタイプの紙が予乾燥機なしに乾燥された場合には、ヤンキー・ドラムの速度は、毎分約914メートル(約3000フィート) 未満に限定されると信じられている。
【0080】
紙構造体20を形成する最終工程は、図9Aに示すように、ドクター・ブレード1000を用いて、ウェブ545を表面875からクレープ加工するクレープ加工工程を有する。理論的に限定するものではないが、ドクター・ブレード1000によってウェブ545に与えられたエネルギーは、少なくともウェブの一部分、特に、ウェブの、ウェブ型模様付け面260によって刻印される部分を嵩高にし、すなわち密度を低下させると信じられている。従って、ドクター・ブレード1000を用いてウェブ545を表面875からクレープ加工するクレープ加工工程は、コンパクトで薄く、ウェブの第2面に施される型模様に対応する第1区域、及び厚い第2区域を有するウェブを提供する。一般的に、ドクター・ブレードは約25度の傾斜角を有し、ヤンキー・ドライヤーに対して約81度の衝撃角を与える位置にある。
【0081】
図2に示す紙構造体20は、連続区域30及び不連続区域50の両区域におけるクレープ加工によって縮んでいる。区域30におけるクレープの反復度は、区域50におけるクレープの反復度とは異なる。一般的に、区域50におけるクレープの反復度は連続網状構造30におけるクレープの反復度よりも少ない。
【0082】
他の実施例では、ウェブ型模様付け装置200は、樹脂製の型模様付け層を有し、この型模様付け層は、図8Cの平面図に示すように、脱水用フェルト層220に結合された上面260に接触する複数の不連続ウェブを形成している。図8Cにおいて、ウェブに接触するフェルト面230は、不連続面261を取り囲む連続網状構造の形である。この様な装置は、本発明に基づくウェブを形成するために使用することができ、ここに紙構造は、薄い連続網状構造区域の全体に分散している薄くて不連続な複数の区域を有する。
【0083】
本発明の代替的な実施例では、ウェブ支持装置200は、フィラメントを織って作ったファブリックを有する多孔型背景要素に配置された樹脂層を有することができる。図14A乃至15Cを参照すれば、この装置200は織布ファブリック1220に分散した樹脂層250を有する。この樹脂層250は、図14Aに示したように、不連続開口部270を形成する連続網状構造ウェブに接触する面260を有する。織布ファブリック1220は縦糸1242および横糸1241を有する。
【0084】
図14A及び図14Bにおいて、第1高さ1231にある第1ウェブ接触面は、フィラメント1241及び1242が交差する位置にある不連続ナックル面1230によって形成される。このフィラメント1241及び1242の上面は、平坦で概ね楕円形のナックル面1230(図14Aに示さない楕円形の細部)を形成するために、サンダーその他の研磨を施すことができる。第2ウェブ接触面はウェブ型模様付け層250によって形成される。ウェブ型模様付け層250は、織布ファブリック1220に結合されていて、第2高さ261にウェブ接触用上面260を有する。
【0085】
第1高さ1231と第2高さ261の差は、ウェブがウェブ支持装置200まで搬送された時の、ウェブの概略の厚さより小さい。連続面260及び不連続面1230が同じ高さに配置されるので、高さ1231と高さ261は同一である。代替的に、表面260は表面1230よりも若干高く、即ち、表面1230は表面260よりも若干低い。
【0086】
この高低差は0.0mm(0.0ミル)以上、約0.127mm(約5.0ミル)未満である。一つの実施例では、この高低差は後述の様に、平滑面24維持のために約0.10mm(約4.0ミル)未満、好ましくは約0.051mm(約2.0ミル)未満、最も好ましくは約0.025mm(約1.0ミル)未満である。
【0087】
図14Aおよび図14Bに示されたウェブ支持装置200は、図10乃至図13に示されたウェブを形成するために使用することができる。図10を参照すれば、ウェブ20は、表面260に対応する連続網状構造で薄い区域30、及び、連続網状構造区域30全体に分散している厚い区域50を有する。区域50は面260で開口部270に対応している。厚い各区域50は、1つ以上の高密度区域70を取り囲んでいる。高密度区域70は織布ファブリック1220の表面1230に対応している。
【0088】
図11を参照すれば、Pは約0.35mm以上、好ましくは約0.44mm以上にすることができる。Kは約0.20mm未満,好ましくは約0.10mm未満にすることができる。
【0089】
図15A乃至図15Cは、ウェブ200を使用する図10のウェブ20の生成を示している。既に図9A乃至図9Cを用いて説明したように、平滑な第1及び第2面を有する初期ウェブ543は、フォーミング・ワイヤ上に形成されて、ウェブ支持装置200上に搬送される。ウェブ543は、装置200に支持されるウェブ545を形成するために、装置200に真空搬送される。図15Bに示したように、第1面547は面260及び面1230に載り、第2面549は実質的に平坦で目視的に1枚の面のように維持されている。
【0090】
図9A乃至図9Cとは対照的に、ウェブ545及びウェブ支持装置200は、次に通気乾燥装置650を通して送られ、ここで、ウェブ545が装置200上に支持されている間に、加熱空気がウェブ545に送られる。加熱空気は、面549に入り、ウェブ545を通り,次に装置200を通るように送られる。
【0091】
通気乾燥装置650は、ウェブ545を約30%から約70%まで乾燥するために使用することができる。シソン(Sisson)の米国特許第3,303,576号明細書、及びエンサイン(Ensign)等の米国特許第5,247,930号明細書は、本発明の実施のために使用する適当な通気乾燥機を示すことを目的として、参照によって本明細書に取り込まれている。
【0092】
部分的に乾燥されたウェブ545、及び、装置200は、圧力ロール900とヤンキー・ドラム880の間に形成されているニップ800を通過するように送られる。連続網状構造面260と不連続面1230は、ウェブがニップ800を通って搬送される時に、ウェブ545の表面547に刻印される。ノズル890によって塗布された接着剤は、実質的平滑面549の実質的に全ての部分を、ヤンキー・ドラム880の加熱面875に接着するために使用される。
【0093】
図16は本発明の実施例に基づくウェブを示す、ウェブ20の断面図であり、茲に、このウェブは符号301、302、及び303を付与された3層の繊維を有する。層構造を有するウェブは、図8A、B、及び図9A乃至Cに示された抄紙装置及び方法、または、代替的に、図14図A、B、及び図15A乃至Cに示された抄紙装置及び方法を用いて作ることができる。
【0094】
1個のフォーミング・ワイヤ542が図9Aに示されているが、これは、他のフォーミング・ワイヤの形状が1つ以上のヘッド・ボックスと組合せて使用可能で、各ボックスが多層ウェブを作るために1層以上の繊維の完成紙料を提供する能力を有すると理解される。モルガン(Morgan)の米国特許第3,994,771号明細書、及び、カーステンス(Carstens)等の米国特許第4,300,981号明細書、及び、1996年10月24日に受理されたファン(Phan)及びトロクハン(Trokhan)名義の米国特許出願『改良された機能特性を有する層状ティシュペーパー』明細書は層状化を開示しており、これらの明細書は参照によって本明細書に含まれる。各種のタイプのフォーミング・ワイヤーの形状は、ツイン・ワイヤー・フォーマーを含めて、使用することができる。さらに、各種のタイプのヘッド・ボックスの形状は、1層以上の繊維層を有するウェブを提供するために使用することができる。
【0095】
図16を参照すれば、1つ以上のヘッド・ボックスは、層301、302、及び303に対応する3層の完成紙料を、フォーミング・ワイヤー542上に送り出すために使用可能、従って、初期ウェブは層301、302、及び303を有する。第1層301はウェブの第1面22に隣接配置された長い抄紙繊維を有する。第1層301の長い抄紙繊維は、例えば平均繊維長さが約3mm以上の北部地方産針葉樹繊維のような針葉樹繊維を有することができる。第2層302は、ウェブの第2面24に隣接配置された短い抄紙用繊維を有することができる。第2層302の短い抄紙繊維は、例えば平均繊維長さが約1.5mm以下のユーカリ繊維のような広葉樹繊維を有することができる。
【0096】
第3層303は第1及び第2層301及び302の中間に配置されている。この第3層は、実質的に繊維が存在しないボイド・スペース310を有することを特徴とする結合抑制層にすることができる。このようなボイド・スペースは図3及び図11に示されている。
【0097】
特に、このボイド・スペースは厚い区域50の中に配置されている。第3層は、第3層303における繊維間結合を弱めるために、例えば商品名ADO-GEN(登録商標)のような結合抑制剤を有し、これによって、ボイド・スペース310を作るために、層303の繊維構造に開口部を設けることができる。第3層303は、針葉樹繊維、広葉樹繊維、及び、針葉樹繊維と広葉樹繊維との組合せを有することができる。
【0098】
さらに他の実施例では、層301及び302がそれぞれ短い広葉樹繊維を有し、第3層303は長い針葉樹繊維を有することができる。例えば、層301及び302を主としてユーカリ繊維で形成し、第3層303を主として長い北部地方産針葉樹繊維で形成することができる。
【0099】
代替的に他の方法を、外側の層の中間にある繊維の嵩減らし、又は結合抑制を行うために、採用することができる。キーアニー(Kearney)の米国特許第4,225,382号明細書は、分離されて内部の層によって十分に接着された層を有する多層ウェブを開示する目的で、参照によって本明細書に含まれる。
【0100】
具体例
全ての%の値は、他に示されない限り、乾燥繊維重量に基づく重量パーセントである。
【0101】
具体例1
この例は、図14A、B、及び、図15A乃至図15Cに示されている抄紙装置を用いて作られた3層ティシュ・ウェブを提供する。
【0102】
NSKの3重量%水性スラリー液は、従来のリパルパーで作り上げられる。一時湿潤強力樹脂(即ち、ニューヨーク州、ニューヨークのナショナル・スターチ・アンド・ケミカル・コーポレーション社(National Starch & Chemical Corp.)が市販しているNational Starch 78‐0080の2パーセント水溶液)は、乾燥繊維の0.2重量パーセントの比率で(湿潤強力樹脂対乾燥繊維の重量比は0.002)、NSKの紙料パイプに加えられる。このNSKのスラリーはファン・ポンプで約0.2パーセントに希釈される。次に、ユーカリ繊維の3パーセント水性スラリー液は従来のリパルパーの中で作り上げられる。結合抑制剤の2パーセント水溶液(即ち、ADOGEN(登録商標)442)は、乾燥繊維の2重量パーセントの比率で(湿潤強力樹脂対乾燥繊維の重量比は0.002)、ユーカリの紙料パイプに加えられる。ユーカリのスラリーはファン・ポンプで約0.2パーセントに希釈される。
【0103】
独立に処理された3つの完成紙料の流れ(流れ1=NSK100パーセント;流れ2=ユーカリ100パーセント;流れ3=ユーカリ100パーセント)は、外側の2つのユーカリ層と真中のNSK層を有する3層の初期ウェブを形成するために、ヘッド・ボックスを通って分離された状態を維持して、長網ワイヤー上に堆積される。脱水は長網ワイヤーによって発生し、デフレクターおよび、真空ボックスによって支援される。長網ワイヤーは2.54cm(インチ)当り縦方向110本、横方向95本の各単繊維の糸を有し、杼口が5つのサテン織りの形である。
【0104】
初期ウェブは、長網ワイヤーから、織布ファブリック1220、及び、感光性樹脂製ウェブ模様付け層250を備えた多孔型背景要素を有するウェブ支持装置200に、搬送位置における繊維濃度約8パーセントで、真空搬送される。多孔型背景要素は、2.54cm(1インチ)当り縦方向68本、横方向51本の各単繊維の糸を有し、杼口が5つのサテン織りの形であり、縦方向の繊維は直径が約0.22mm、横方向の繊維は直径が約0.29mmである。このような多孔型背景部材は,ウィスコンシン州、アップルトンのアップルトン・ワイヤー・カンパニー社(Appleton Wire Co.)によって製造されている。
【0105】
ウェブ型模様付け層250は、装置200の突出面の面積の約30乃至約40パーセントの面積を占める連続網状構造のウェブ接触面260を有する。多孔型背景要素のウェブ接触面の高さ1231と、連続網状構造のウェブ接触面260の高さ261との差は約0.025mm(約0.001インチ)である。
【0106】
ウェブは、図15Bに示された様に、装置200に支持されて実質的に平滑な第2面549を有するウェブ545を提供するために、装置200に送られる。さらに脱水は、装置600、620、及び、650で代表させている様に、真空支援排水により、及び、通気乾燥によって、ウェブが繊維濃度約65%になるまで行われる。
【0107】
ニップ800におけるヤンキー・ドライヤーへの搬送は圧力ロール900を用いて行われる。面250と面1230は、型模様付け面547を設けるために、ウェブ545の第1面547上で刻印される。第2面549の実質的に全ての部分が、ポリビニルアルコールを用いて、ヤンキー・ドライヤーのドラム880の面875に接着される。ニップ800のニップ圧力は約71.4kg/cm(400pli)以上である。
【0108】
ウェブの濃度は、ドクター・ブレードを用いてウェブを面875からクレープ加工する前に、約90乃至100%に増加する。このドクター・ブレードは約25度の傾斜角を有し、ヤンキー・ドライヤーに対して約81度の衝撃角をなす位置にあり;このヤンキー・ドライヤーは約244メートル毎分(約800fpm(フィート毎分)で運転される。
【0109】
上述の手順に基づいて作られたウェブは3層1プライのティシュ・ペーパーに加工される。1プライのティシュ・ペーパーは、約0.02重量%の一時湿潤強力樹脂、及び、約0.01重量%の結合抑制剤を含めて、約28.5kg毎平方メートル(約17.5ポンド毎3000平方フィート)の坪量を有する。
【0110】
重要なことは、1プライのティシュ・ペーパーを、柔軟で吸収性があり、トイレット・ティシュ・ペーパーとして適当なものにすることである。1プライのティシュ・ペーパーは次の特性を有する:
坪量: 28.5g毎平方メートル(17.5ポンド毎平方フィート)
目視厚さ: 0.345mm(13.6ミル(0.0136インチ))
嵩密度: 0.08g/立方センチメートル
面22の表面平滑度:890
面24の表面平滑度:1070
平滑度比率: 1.20
具体例2
この例は、図14A、B、及び、15A乃至図15Cに示されている抄紙装置を用いて作られた2プライのティシュ・ウェブを提供する。
【0111】
NSKの3重量%水性スラリーは従来のリパルパーの中で作り上げられる。一時湿潤強力樹脂(即ち、コネティカット州、スタンフォードのアメリカン・サイアナミド・カンパニー社(American Cyanamid Co.)製のPAREZ(登録商標)750)の2%水溶液が、乾燥繊維の0.2重量%の比率で、NSKの紙料パイプに加えられる。このNSKのスラリーはファン・ポンプで約0.2%に希釈される。次にユーカリ繊維の3重量%の水性スラリー液が、従来のリパルパーによって作り上げられる。結合抑制剤(即ち、オハイオ州、ダブリンのウィトコ・コーポレーション社(Witco Corp.)市販のADOGEN(登録商標)442)の2%溶液が、乾燥繊維の0.1重量%の比率で、ユーカリ繊維の紙料パイプに加えられる。ユーカリのスラリーは、ファン・ポンプで、濃度約0.2%に希釈される。
【0112】
完成紙料の2つの流れ(流れ1=NSK100%/流れ2=ユーカリ100%)は、NSKとユーカリの繊維を含有する初期ウェブを形成するために、ヘッド・ボックスで混合され、長網ワイヤー542上に堆積される。脱水は長網ワイヤーによって発生し、デフレクターおよび、真空ボックスによって支援される。長網ワイヤーは2.54cm(1インチ)当り縦方向110本、横方向95本の各単繊維の糸を有し、杼口が5つのサテン織りの形である。
【0113】
初期ウェブは長網ワイヤーから、搬送位置での繊維濃度が約8%で、織布ファブリック1220、及び、連続網状構造面260を有するウェブ型模様付け層を備えているウェブ支持装置200に搬送される。
【0114】
初期湿潤ウェブは、実質的に平滑で目視的に1つの面549、及び、面1230と面260に一致する面547を有するウェブ545を提供するために、長網ワイヤーから、搬送位置での繊維濃度が約8%で、装置200に搬送される。織布ファブリック1220は、2.54cm(1インチ)当り縦方向79本、横方向67本の各単繊維の糸を有し、杼口が5つのサテン織りの形であり、縦方向の繊維は直径が約0.18mm、横方向の繊維は直径が約0.21mmである。このような多孔型背景部材は,ウイスコンシン州、アップルトンのアップルトン・ワイヤー・カンパニー社(Appleton Wire Co.)が製造している。
【0115】
ウェブ型模様付け層250は、面積が装置200の突出面の面積の約30乃至約40%の連続網状構造のウェブ接触面260を有する。ウェブ接触面1230の高さ1231とウェブ接触面260の高さ261との差は、約0.0254mm(約1ミル、0.001インチ)である。
【0116】
さらにウェブの脱水は、装置600、620,及び、650で代表させたように、真空支援排水により、及び、通気乾燥によって、ウェブが繊維濃度約65%になるまで行われる。ヤンキー・ドライヤーへの搬送は、圧力ロール900とヤンキー・ドライヤーのドラム880との間に形成されているニップ800で行われる。
【0117】
面250と面1230は、型模様付け面547を設けるために、ウェブ545の第1面547上で刻印される。第2面549の実質的に全ての部分が、ポリビニルアルコールを用いて、ヤンキー・ドライヤーのドラム880の面875に接着される。ニップ800のニップ圧力は約71.4kg/cm(400pli)以上である。
【0118】
ウェブの濃度は、ドクター・ブレードを用いてウェブを面875からクレープ加工する前に、約90%乃至100%に増加する。このドクター・ブレードは約25度の傾斜角を有し、ヤンキー・ドライヤーに対して約81度の衝撃角をなす位置にあり;このヤンキー・ドライヤーは約244メートル毎分(約800fpm(フィート毎分))で運転される。乾燥ウェブは200m毎分(650fpm)の速さで形成される。
【0119】
ウェブは2プライ手洗い用のティシュ・ペーパーに加工される。各プライは、約20.8g毎平方メートル(約12.8ポンド毎3000平方フィート)の坪量を有し、約0.02重量%の一時湿潤強力樹脂、及び、約0.01重量%の結合抑制剤を含んでいる。2プライのティシュ・ペーパーは柔軟で吸収性があり、手洗い用ティシュ・ペーパーとして適当なものにすることである。各プライは次の特性を有する。
【0120】
坪量: 20.8g毎平方メートル(12.8ポンド毎平方フィート)
巨視的厚さ: 0.29mm(11.4ミル)
嵩密度: 0.07g/立方センチメートル
面22の表面平滑度:850
面24の表面平滑度:1006
平滑度比率: 1.18
具体例3
この例は、各プライが3層を有し、各プライが図8A、B、及び図9A乃至図9Cに示されている抄紙装置を用いて作られている2プライ・ティシュ・ペーパーを提供する。
【0121】
北部地方産クラフト(NSK)の3重量%水性スラリーは従来のリパルパーの中で作り上げられる。一時湿潤強力樹脂(即ち、ニューヨーク州、ニューヨークのナショナル・スターチ・コーポレーション社(National
Starch & Chemical Corp.)によって市販されているNational Starch 78‐0080)の2%水溶液が、乾燥繊維の0.2重量%の比率で、NSKの紙料パイプに加えられる。このNSKのスラリーはファン・ポンプで約0.2%に希釈される。次に、ユーカリ繊維の3重量%の水性スラリー液が、従来のリパルパーによって作り上げられる。結合抑制剤(即ち、オハイオ州、ダブリンのウィトコ社(Witco Corp.)が市販しているADO‐GEN(登録商標)442)の2%溶液が、乾燥繊維の0.1重量%の比率で、ユーカリ繊維の紙料パイプに加えられる。ユーカリのスラリーは、ファン・ポンプで、濃度約0.2%に希釈される。
【0122】
完成紙料の独立に処理された2つの流れ(流れ1=NSK100%;流れ2=結合抑制剤でコーティングされたユーカリ100%、流れ3=ユーカリ100%)は、外側のユーカリ層、結合抑制剤で被覆されたユーカリ層、及び、NSK層を含む3層の初期ウェブを形成するために、ヘッド・ボックスによって分離維持され、長網ワイヤー542上に堆積される。脱水は長網ワイヤーによって発生し、デフレクターおよび、真空ボックスによって支援される。長網ワイヤーは、2.54cm(1インチ)当り縦方向110本、横方向95本の各単繊維の糸を有し、杼口が5つのサテン織りの形である。
【0123】
初期ウェブは長網ワイヤーから、搬送位置での繊維濃度が約8%で、脱水用フェルト層220、及び、感光性樹脂のウェブ型模様付け層250を有するウェブ支持装置200に搬送される
脱水用フェルト層220は、ウィスコンシン州、アップルトンのアップルトン・ミルズ社(Appleton Mills)が製造しているAmfle-x2 Press Feltである。このフェルト220はポリエステル繊維のバットを有する。このバットは面がデニール3、基質デニールが10乃至15である。フェルト層220は、坪量が1436g/平方メートル、厚さが約3mm、透気度が約30乃至約40scfmである。
【0124】
ウェブ型模様付け層250の突出面積はウェブ支持装置200の突出面積の約30ないし40%である。面260の高さ261と、フェルト面231の高さ231との高低差は約0.127mm(0.005インチ)である。
【0125】
初期ウェブは、装置200に支持されて目視的に1つの、実質的に平滑な面549を有するウェブ545を提供するために、装置200に送られる。搬送は、真空搬送位置で、圧力差が6.77×104Pa(約20インチ水銀柱)で行われる。
【0126】
さらに脱水は,真空支援排水、例えば装置620を用いて、ウェブの繊維濃度が約25%になるまで行われる。次に、ウェブ545は、蒸気フード2880の近傍に送られ、真空圧力ロール900とヤンキー・ドライヤーのドラム880との間に形成されているニップ800の中に送り込まれる。
【0127】
面260は、真空圧力ロール900とヤンキー・ドライヤーのドラム880との間で、ウェブ545とウェブ支持装置200を約71.4kg/cm(400pli)のニップ圧力で押圧することによって、ウェブ545の面517の中に刻印される。クレープ加工用接着剤はウェブをヤンキー・ドライヤーに接着するために使用される。繊維の濃度は、ドクター・ブレードによる乾燥クレープ加工の前に、約90%以上に増加する。ドクター・ブレードは、約25度の傾斜角を有し、ヤンキー・ドライヤーに対して約81度の衝撃角をなす位置にある。ヤンキー・ドライヤーは約244m毎分(約800フィート毎分)で運転される。乾燥ウェブは198m毎分(650fpm)の速さで巻取りにされる。
【0128】
ウェブは2プライの手洗い洗顔用ティシュ・ペーパーに加工され、各プライは3つの繊維層を有する。2プライのトイレット・ティシュ・ペーパーは約1.0%の一時湿潤強力樹脂と、約0.1%の結合抑制剤を有する。
【0129】
各プライは次の特性を有する:
坪量: 15.9g毎平方メートル(9.8ポンド毎平方フィート)
目視厚さ: 0.152mm(6ミル)
嵩密度: 0.10g/立方センチメートル
面22の表面平滑度:740
面24の表面平滑度:960
平滑度比率: 1.30
具体例4
この例は図8A、8B、及び、図9A乃至図9Cに示したタイプの抄紙装置で作られるテッシュ・ウェブを提供する。
【0130】
NSKの3%水性分散液は従来のリパルパーで作り上げられる。一時湿潤強力樹脂PAREZ(登録商標)750の2%溶液は乾燥繊維の0.2重量%の率でNSKの紙料パイプに加えられる。このNSKのスラリーは、ファンポンプで、濃度約2%に希釈される。次に、ユーカリの3%水性分散液は、従来のリパルパーで作り上げられる。結合抑制剤ADOGEN(登録商標)442の2%溶液は乾燥繊維の0.1重量%の率でユーカリの紙料パイプに加えられる。このスラリーは、ファンポンプで、濃度約0.2%に希釈される。
【0131】
2つの独立に処理された完成紙料(流れ1=NSK100%;流れ2=ユーカリ100%)の流れは、NSK繊維と結合抑制剤被覆ユーカリ繊維とからなる1層のウェブを形成するために、ヘッド・ボックスで混合され、長網ワイヤー上に堆積される。脱水は、長網ワイヤーを通して発生し、デフレクター、および、真空ボックスによって支援される。長網ワイヤーは、2.54cm(1インチ)当りで縦糸が110本、横糸が95本の単繊維であって5杼口のサテン織りファブリックである。
【0132】
初期湿潤ウェブは、長網ワイヤーから、搬送位置における繊維濃度約8%でウェブ支持装置200に送られ、このウェブ支持装置200は脱水用フェルトの層と感光性樹脂製ウェブ型模様付け層250を有する。
【0133】
脱水用フェルト220は、ウィスコンシン州、アップルトンのアップルトン・ミルズ社(Appleton Mills)が製造しているAmflex2 Press Feltである。ウェブ型模様付け層250は連続のウェブ接触面260を有する。このウェブ型模様付け層250は、ウェブ支持装置200の突出面積の約35%の突出面積を有する。上部ウェブ接触面260と第1面230との高低差は約0.127mm(約0.005インチ)である。
【0134】
初期ウェブは、ウェブ支持装置200に送られて、第1デフレクト工程で概ね1つの平面のウェブ545を形成するためにデフレクトされる。搬送は、真空搬送位置で、約6.77×104Pa(20インチ水銀柱)で行われる。さらに脱水は、ウェブの繊維濃度が約25%になるまで、真空支援の脱水によって行われる。ウェブ545は、ウェブ支持装置200によって蒸気フード2800の近くに送られ、真空圧力ロール900とヤンキー・ドラム880の間に形成されているニップ800の中に送り込まれる。その後に、ウェブ545は、ヤンキー・ドラム880の圧縮面875によって、約71.4kg/cm(400pli)以上の圧縮圧力で圧縮される。ポリビニルアルコールを基本成分とするクレープ用接着剤は、圧縮されたウェブをヤンキー・ドラムに接着するために使用される。繊維濃度は、ドクター・ブレードによるヤンキー・ドラム880からのウェブ乾燥クレープ加工前に、約90%以上に増加する。ドクター・ブレード は、傾斜角が約25度であり、ヤンキー・ドライヤーに対する衝撃角が約81度になる位置にあり;ヤンキー・ドライヤーは約244メートル毎分(約800フィート(毎分)で運転される。乾燥ウェブは200メートル毎分(650フィート毎分)の速度で、ロールにされる。
【0135】
このウェブは1層2プライの手洗い洗顔用ティシュ・ペーパーに加工される。この2プライの手洗い用ティシュ・ペーパーの各プライは、約19.5g毎平方メートル(12ポンド毎3000平方フィート)の坪量、及び、約0.2%の一時湿潤強力樹脂、及び、約0.1%の結合抑制剤を有する。
【0136】
ティシュ・ウェブは次の特性を有する:
坪量: 20.5g毎平方メートル(12.6ポンド毎平方フィート)
目視厚さ: 0.22mm(8.8ミル)
嵩密度: 0.092g/立方センチメートル
面22の表面平滑度:890
面24の表面平滑度:1050
平滑度比率: 1.18
予言的な具体例
以下の予言的な例は、図8A,B及び図9A乃至図9Cに示されたタイプの商業規模の抄紙装置を用いて2プライのティシュ・ペーパーを作る方法を説明する。
【0137】
北部地方産クラフトの3重量%水性分散液スラリーは、従来のリパルパーの中で作り上げられる。一時湿潤強力樹脂(即ち、コネチカット州、スタンフォードのアメリカン・サイアナミッド・コーポレーション社(American
Cyanamid Corp.)によって市販されているPAREZ(登録商標)750)は、乾燥繊維の0.2%の割合で、NSKの紙料パイプに加えられる。このNSKのスラリーは、ファン・ポンプで、約0.2%に希釈される。次に、ユーカリ繊維の3重量%のスラリーは、従来のリパルパーを使用して作り上げられる。結合抑制剤(即ち、オハイオ州、ダブリンのウィトコ・コーポレーション社(Witco Corp.)によって市販されているAdogen(登録商標))は、乾燥繊維の0.1%の割合で、ユーカリの原料パイプに加えられる。このユーカリのスラリーは、ファン・ポンプで、約0.2%の濃度に希釈される。
【0138】
2つの独立に処理された完成紙料の流れ(流れ1=NSK100%、流れ2=ユーカリ100%)は、NSK繊維とユーカリ繊維との1層のウェブを形成し、ユーカリ繊維が結合抑制剤で被覆されて、ヘッド・ボックスで混合されて、長網ワイヤー上に堆積される。脱水は長網ワイヤーを通して発生し、デフレクターと真空ボックスによって支援される。長網ワイヤーは、2.54cm(1インチ)当り110本の縦糸、及び、95本の横糸の単繊維をそれぞれ有する、5杼口のサテン織り布の形である。
【0139】
初期湿潤ウェブは、搬送位置での繊維濃度が約10%で、長網ワイヤーから、脱水フェルト層220と感光性樹脂のウェブ模様付け層250を有するウェブ支持装置200に搬送される。
【0140】
脱水フェルト層220は、ウィスコンシン州、アップルトンのアップルトン・ミルズ社(Appleton Mills)によって製造されているA‐mflex 2 Press Feltである。ウェブ模様付け層250は、ウェブ接触面220の6.45cm2(1平方インチ)当り約69個の双方向ジグザグに配置された楕円形の開口部270を有する連続ウェブ型模様付け層250を有している。このウェブ型模様付け層250は、ウェブ支持装置200の突出面積の約35%に等しい突出面積を有している。頂部ウェブ接触面260と第1フェルト面230との高低差は約0.127mm(約0.005インチ)である。
【0141】
初期ウェブは、概ね1枚のウェブ545を形成するために,ウェブ支持装置200に搬送される。搬送は、真空搬送位置で、6.77×104Pa(約20インチ水銀柱)の圧力差で行われる。更に脱水は、ウェブが約30%の繊維濃度を有するまで、真空支援排水によって行われる。ウェブ545はウェブ支持装置200によってニップ800に運ばれる。真空圧力ロール900は、約60P&Gの硬度を有する圧縮面910を有している。ウェブ545は、次に、ウェブ545とウェブ支持装置200を、ウェブ545とヤンキー・ドライヤーのドラム880との間で、約71.4kg/cm(400pli)以上の圧縮圧で押圧することによって、ヤンキー・ドライヤーのドラム880の圧縮面875に対して圧縮される。ポリビニルアルコールを基剤とする接着剤は圧縮されたウェブをヤンキー・ドライヤーに接着するために使用される。繊維濃度は、ドクター・ブレードを用いて、ウェブをヤンキー・ドライヤーのドラム880の面から乾燥クレープ加工する前に、約90%以上に増加する。ドクター・ブレードは、約20度の傾斜角を有し、ヤンキー・ドライヤーに対して約76度の衝撃角を与える位置にあり;ヤンキー・ドライヤーは約1372m毎分(約4500fpm(フィート毎分)で運転される。乾燥ウェブはロールの中に、1125m(3690fpm)の速度で形成される。
【0142】
ウェブは2プライの手洗い用ティシュ・ペーパーを提供するために加工される。2プライの手洗い用ティシュ・ペーパーの各プライは、坪量約20.3g/m2(12.5ポンド毎3000平方フィート)を有することができ、また、一時湿潤強度樹脂の約0.2重量%と、ドクター・ブレードの約0.1%を有することができる。
【0143】
分析要領
紙の特徴の厚さと高さの測定:
区域30の面23の位置、区域30の厚さ、及び、区域50の厚さは、ウェブのミクロトームされた断面の写真を用いて求めることができる。この様な写真の例は図3に示され、茲に、面23の位置は、区域50の厚さP、および、区域30の厚さKと共に示されている。
【0144】
10枚の試料は、それぞれ、約2.54cm×5.1cm(1×2インチ)を測定するものであり、シート又はロールのティシュ・ペーパーから、無作為に選択される。もし10枚の試料が1枚のシートから取れない場合には、同一条件(好ましくは同じペーパー・ロール)の下で作られた付加的なシートが使用可能である。
【0145】
各試料のためのミクロトームは、硬い厚紙のホールダーにホッチキス止めで作られる。この厚紙のホールダーはシリコンの型の中に置かれる。ペーパーの試料は、例えばハーキュリーズ・インク社(Hercules,Inc.)によって製造されているMerigraph感光性ポリマー等の樹脂に浸漬される。
【0146】
試料は樹脂混合物が固まるまで硬化される。この試料はシリコンの型から取り出される。感光性ポリマーに浸漬される前に、試料に、ミクロトームを正確に決めるための参照点がマークされる。好ましくは、同じ参照点がウェブ20の平面図(例えば図4)、及び各種断面図(例えば図3)の両方に使用される。
【0147】
試料は、ニューヨーク州、バッファローのアメリカン・オプティカル・カンパニー社(American Optical Co.)が販売しているモデル860ミクロトームの中に置かれて水平にされる。試料の縁は、試料から、シリコンの中で、平滑面が現れるまで、ミクロトームで除去される。
【0148】
充分な数の薄片が試料から除去されるので、ペーパーの各種の区域(例えば30及び50)が正確に再構成される。本明細書で説明する実施例のために、薄片当り約60ミクロンの厚さを有する薄片が平滑面から取られる。厚さPおよびKを確認するためには、多数の薄片が必要である。
【0149】
試料の薄片は、オイルとカバーグラスを用いて、顕微鏡のスライドグラス上に取り付けられる。このスライドグラスと試料は、光透過型顕微鏡に取り付けられて、約40倍の倍率で観測される。顕微鏡写真は,薄片に沿って撮影され、各個の写真は薄片のプロフィールを再構成するために順次配列される。厚さと高さは、図3に示すように、再構成されたプロフィールを用いて確認することができ、これは図1及び図2に示したタイプの紙構造の断面顕微鏡写真である。
【0150】
この厚さは、顕微鏡写真をスキャンして,その顕微鏡写真をパーソナル・コンピューターの画像ファイル・フォーマットに保存するために、据置型カラー・スキャナー Hewlett Packard ScanjetIICを用いて確定される。このヒューレット・パッカード社(Hewlett Packard)のスキャン用ソフトウェアは、DeskScanII ver6である。このスキャナのスキャン・設定の方式は白黒写真である。その経路は、レーザー・ライターNT,NTXである。輝度とコントラストの設定は125である。スケーリングは100%である。ファイルは、Macintosh IICi コンピューターの画像ファイル・フォーマットでスキャンされ、保存される。画像ファイルは適当な写真映像用ソフトウェア、又は、CADプログラム、例えばノースカロライナ州のエンジニアード・ソフトウエア社(Engineered Soft‐ware)から入手可能のPowerDraw ver.6.0で開かれる。
【0151】
図3を参照すれば、区域30及び50の厚さは、それぞれ、符号K及びPを付与された直径を有する円で示される。最初に、調査対象とする区域50の中に描かれる最大の円は、PowerDrawを用いて描かれる。この円の直径は符号Pを付与される。区域50の厚さはこの円の直径に適当なスケール・ファクター(このスケール・ファクターは、顕微鏡写真の倍率にスキャンされた映像の倍率を掛けたものである)を掛けたものである。
【0152】
次に、区域50の何れかの側の区域30に部分的に描き得る最小の円が描かれる。これらの円の直径は符号Kが付与される。区域50に隣接している区域30の厚さKは、2つの直径の平均値に上述のスケール・ファクターを掛けたものである。
【0153】
区域50に隣接する区域30の面は、図3に示すように、直径Kを有する2つの円の中心を結ぶ線を引くことによって,位置決めされる。
【0154】
10枚の各試料のために、区域30の厚い部分の間に配置された厚い区域50が生じることは予想される。薄い区域30が厚い区域50の各側部で同様である場合のために、面23を代表する線が引かれる。若しもこの線が少なくとも25%以上の発生率で区域50と交差すれば、そのときには、試料を採取したペーパーは、本発明に基づいて、比較的厚い区域の面に配置された厚い区域を有すると言える。例えば、若しも10枚の試料が厚い区域50の何れかの側に薄い区域30を50個所発生させれば,その場合には、厚い区域50が薄い区域30の面に配置されており、若しも面23を代表して引かれた線のみが厚い区域50と交差すれば、13個以上の厚い区域50が発生する。
【0155】
表面平滑度
ペーパー・ウェブ面の表面平滑度は、1991年の国際ペーパー物理会議で制定されたTAPPI BOOK 1の19頁にあり、名称が『ティシュ・ペーパーの機械的特性の測定法』である章の、アンプルスキー(Ampulski)等によって説明された生理的表面平滑度(PSS)測定法に基づいて測定され、この章は参照によって本明細書に含まれる。PSS測定は、本明細書に使用されるときには、上述の章に記載されているような膨大な有用性を順次集約したものである。この測定法の手順は、スペンデル(Spendel)の米国特許第4,959,125号明細書、及び、アンプルスキー(Ampulski)等の米国特許第5,059,282号明細書にも概ね記載されており、この特許明細書は参照によって本明細書に含まれる。
【0156】
本発明の紙の試料を試験する目的で、上述の章におけるPSS測定の方法は、表面平滑度測定のために、以下に述べる手続き的改良を伴って使用される。
【0157】
上述のように、10個の試料のために、SASソフトウェアにディジタル化されたデーターの対を導入する代わりに、表面平滑度測定が、オースチンのナショナル・インストルーメント社(National Instrument)から入手可能のLABVIEW印のソフトウェアを用いて、試料10個用データの要求、ディジタル化、及び、統計的処理によって行われる。各振幅スペクトラムは、『Amplitude and Phase Spectrum.vi』モデルを、出力スペクトルとして選択された『Amp Spectrum Mag Vrm』と共に用いて、発生される。出力スペクトルは10個の試料それぞれについて得られる。
【0158】
各出力スペクトルは、LABVIEWにおける以下の重量ファクタ:0.000246、0.000485、0.00756、0.062997を用いて平滑化される。これらの重量ファクタは、SASプログラムのために上述の項目に規定されているファクタ:0.0039、0.0077、0.120、1.0によって模擬的に選択される。
【0159】
平滑化の後に、各スペクトルは上述の章に規定された周波数フィルターを用いて濾過される。次にPSSの値は、ミクロンで、各個別のスペクトルについて、上述の項目に記載されているように計算される。ウェブ側面の平滑度は、ウェブの同じ側から取った10個の試料で測定したPSS10個の平均値である。これと同様に、ウェブの反対側の面平滑度を測定することができる。平滑度の比率は、ウェブの、より非平坦な面に対応する表面平滑度の高い値を、ウェブの平滑な側に対応する表面平滑度の低い値で除して得られる。
【0160】
坪量
坪量は次の手順に基づいて測定される。
【0161】
測定すべき紙は、21.7−23.8℃(華氏71乃至75度)、相対湿度48乃至52%で、最低2時間、コンディショニングされる。コンディショニングされた紙は、縦横各3.5インチの12個の試料を作るためにカットされ、この試料は、適当な圧力板カッター、例えばThwing Albert Alfa Hydraulic Pressure Sample Cutter Model 240−10等を用いて、1度に6個の試料が切り取られる。この2種類の6個の試料の束は、次に、12プライの束に組み合わされて、21.7−23.8℃(華氏71乃至75度)、湿度48乃至52%で、15分以上の付加的なコンディショニングされる。
【0162】
次に、12プライの束は、校正された分析用天秤で重量測定される。この天秤は、試料がコンディショニングされるのと同じ室内で維持される。適当な天秤はサートリアス・インストルーメント・カンパニー社(Sartorius
Instrument Co.)の Model A200Sである。この秤量は12枚1束の紙の重量(グラム単位)であり、各プライは79.0cm2(12.25平方インチ)の面積を有する。
【0163】
ウェブの坪量(1プライの単位面積あたりの重量)は、次の式を使って、ポンド毎3000平方フィートの単位で計算される:
【0164】
【数1】
目視厚さ又は乾燥厚さ
目視厚さ又は乾燥厚さは、1984年9月4日発行のトロクハン(Trokhan)の米国特許第4,469,735号明細書に開示された厚さ測定手順を用いて測定され、この特許明細書は参照によって本明細書に含まれる。
【0165】
嵩密度
嵩密度はウェブの坪量をウェブの巨視的厚さで除した商である。
【0166】
吸収力
ウェブの吸収力は、既参照の米国特許第4,469,735号明細書に開示された水平吸収力試験を用いて測定される。
【0167】
ウェブ支持装置の高さの測定
第1フェルト面の高さ231とウェブ接触面260の高さ261との高低差は、次の手順を用いて測定される。ウェブ支持装置は上を向いたウェブ模様付け層を有する平坦な水平面である。約1.3平方ミリメートルの円形の接触面と約3mmの垂直な長さを有する針は、ロード島,プロビテンスのフェデラル・プロダクツ・カンパニ−社(Federal Products Co.)が製造しているFederal Products寸法測定用ゲージ(EMD4320 W1ブレーク・アウェー・プローブと共に使用するように改良されたモデル432B−81増幅器)に取付けられる。この装置は、公知の高低差を提供する厚さ公知の2個の精密シムの電圧差を求めることによって校正される。この装置は、針の無制限移動を確実に行うために、第1フェルト面230より若干低い高さでゼロである。この針は測定点で約0.24グラム/平方ミリメートルの圧力を発生する。各高さで3回以上の測定が行われる。各高さの測定値は平均される。平均値の間の差は高低差を出すために計算される。
【0168】
同じ手順が、図14Bに示した高さ1231及び261の間の差を測定するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0169】
図面の説明
本明細書の末尾に本発明の権利を特に指摘して厳密に請求する請求の範囲を添付してあるが、本発明は、関係図面と関連させ、類似の要素に同じ符号を与えた以下の説明によって良く理解されるであろう:
【図1】本発明の一実施例に基づいて、薄い連続網状構造、及び、連続網状区域全体に分布した複数の厚い不連続区域を有する紙構造体の第1面の平面図である。
【図2】連続網状構造区域の面の中に分布した厚い不連続区域を示す図1の線2-2に沿う断面図である。
【図3】図1及び図2に示したタイプの紙構造体の断面写真である。
【図4】図1及び図2に示したタイプの紙構造体の第1面断面の写真である。
【図5】図1及び図2に示したタイプの紙構造体の第2面の断面写真である。
【図6】米国特許第4,637,859号明細書に示されたタイプの、従来技術の紙の断面図である。
【図7A】米国特許第4,637,859号明細書に示されたタイプのペーパー・ウェブの断面写真である。
【図7B】米国特許第4,637,859号明細書に示されたタイプのペーパー・ウェブの一方の側の平面図である。
【図7C】図7Bのペーパー・ウェブの他方側の平面図である。
【図8A】脱水用フェルト層およびこの脱水フェルト層に結合されたウェブ型模様付け層を備え、連続網状構造のウェブ接触上面を有し、図1及び図2に示すタイプのペーパー・ウェブの製造に使用される装置の平面図である。
【図8B】図8Aにおける線8Bに沿った図8Aの装置の断面図である。
【図8C】脱水用フェルト層およびウェブ型模様付け層を有し、ウェブ型模様付け層が不連続なウェブ接触面を有する装置の平面図である。
【図9A】図8A及び図8Bの装置を用いてペーパー・ウェブを作るための抄紙機の説明図である。
【図9B】図8Bに示されている装置に搬送されて、この装置と一致する第1面、及び実質的に平滑な第2面を有するペーパー・ウェブを形成するペーパー・ウェブを示す説明図である。
【図9C】ペーパー・ウェブの第1面に型模様を施すため、及びペーパー・ウェブの第2面をヤンキー・ドラムに接着するために、真空圧力ロールとヤンキー・ドライヤーのドラムとの間に搬送される、図8Bに示した装置上のペーパー・ウェブを示す説明図である。
【図9D】ウェブの外側を向く平滑な第2面を有する、図2に図示したタイプの2つのウェブを有する2プライのティシュの断面図である。
【図10】本発明の代替的実施例に基づいて作られ、連続網状構造区域の面に配置された厚い不連続区域を示し、各不連続区域が1つ以上の不連続な高い密度の区域を取り囲んでいるペーパー・ウェブの断面図である。
【図11】図10に図示したタイプの紙構造の断面写真である。
【図12】図10に図示したタイプの紙構造の第1面の写真である。
【図13】紙構造の第2面の写真である。
【図14A】織ったフィラメントで作られた多孔型要素に結合されたウェブ型模様付け層を有し、図10に図示したタイプのペーパー・ウェブを作るために使用される装置の平面図である。
【図14B】図14の装置の断面図である。
【図15A】図14A及び図14Bの装置を用いてペーパー・ウェブを作るための抄紙機の説明図である。
【図15B】図14Bに示された装置に一致する第1面、及び実質的に平滑な第2面を有するペーパー・ウェブを形成するために、この装置に搬送されるペーパー・ウェブを示す説明図である。
【図15C】図14Bに示された装置上でペーパー・ウェブの第1面に型模様を施し、ペーパー・ウェブの第2面をヤンキー・ドライヤーのドラムに接着するために、圧力ロールとヤンキー・ドライヤーのドラムの間に搬送されるペーパー・ウェブの説明図である。
【図16】本発明の1つの実施例に基づいて作られ、結合抑制層を含む多くの繊維層を有するペーパー・ウェブの断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱水フェルト層及び前記脱水フェルト層上に配置された感光性樹脂層を有し、抄紙に使用されるウェブ支持装置であって、ここで前記脱水フェルト層が、第1のフェルト面である第1のウェブとの接触面を有し、前記感光性樹脂層のウェブに接触する頂部が、第2のウェブとの接触面を有し、前記第1のウェブとの接触面及び前記第2のウェブとの接触面の間の高低差が、0.152mm未満であり、前記第1のウェブとの接触面の高さおよび前記第2のウェブとの接触面の高さが、1.3mm2の円形の接触面を有する針を取り付けた寸法測定用ゲージを用いて0.24mm2の測定点圧力で測定されるウェブ支持装置。
【請求項2】
前記第1のウェブとの接触面及び前記第2のウェブとの接触面の間の高低差が、0.051mm未満である、請求項8記載のウェブ支持装置。
【請求項1】
脱水フェルト層及び前記脱水フェルト層上に配置された感光性樹脂層を有し、抄紙に使用されるウェブ支持装置であって、ここで前記脱水フェルト層が、第1のフェルト面である第1のウェブとの接触面を有し、前記感光性樹脂層のウェブに接触する頂部が、第2のウェブとの接触面を有し、前記第1のウェブとの接触面及び前記第2のウェブとの接触面の間の高低差が、0.152mm未満であり、前記第1のウェブとの接触面の高さおよび前記第2のウェブとの接触面の高さが、1.3mm2の円形の接触面を有する針を取り付けた寸法測定用ゲージを用いて0.24mm2の測定点圧力で測定されるウェブ支持装置。
【請求項2】
前記第1のウェブとの接触面及び前記第2のウェブとの接触面の間の高低差が、0.051mm未満である、請求項8記載のウェブ支持装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【公開番号】特開2008−274540(P2008−274540A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152379(P2008−152379)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【分割の表示】特願平10−522909の分割
【原出願日】平成9年11月14日(1997.11.14)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【分割の表示】特願平10−522909の分割
【原出願日】平成9年11月14日(1997.11.14)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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