説明

工作物のためのリフティングユニット

【課題】種々様々な工作物のフレキシブルなリフティングを可能にするリフティングユニットを提供し、しかも、保持エレメントと工作物との早期衝突が避けられるようにする。
【解決手段】リフティングユニット(20)が、少なくとも1つのリフティングモジュール(23)を有しており、該リフティングモジュールに少なくとも1つの保持エレメント(21,22)が設けられており、前記リフティングモジュール(23)が、前記リフティングユニット(20)において摺動可能に支承されており、これにより、リフティングモジュール(23)に設けられた保持エレメント(21,22)と、持ち上げようとする工作物(13)との間の間隔が、別の保持エレメント(21,22)と、持ち上げようとする工作物(13)との間の間隔には関係無く調整可能であるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作物のためのリフティングユニット、特に、複数の保持エレメントによって工作物を持ち上げるリフティングユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
工作物、特に薄板部材を打抜き機から取り出すためには、リフティングユニットとしての保持フレームに種々様々な形式のサッカを保持エレメントとして有するハンドリングシステムが公知である。この場合、マグネットサッカや真空サッカ、例えばベローズサッカ、平面サッカ及び個別サッカ等が使用される。
【0003】
異なる工作物のためには、異なって構成された保持エレメントが使用される。つまり、例えば工作物が、真空の形成を妨げる多数の打抜き箇所を有している場合に、この工作物を真空サッカによって持ち上げることは困難である。この場合には、マグネットサッカによるリフティング、つまり磁気的な作用原理を介したリフティングが好適である。これに対して、例えばアルミニウム薄板から成る部品等の、非強磁性の工作物は、マグネットサッカによって持ち上げられるのではなく、例えば真空サッカによって持ち上げられる。
【0004】
持ち上げようとする工作物に関して、より大きなフレキシビリティーを得るためには、1つのリフティングユニットに設けられた種々異なる保持エレメントが混合使用され、この場合、これらの保持エレメントは吸着プレート又は保持フレームに配置されている。
【0005】
但しこの場合には、種々異なる保持エレメントが、工作物を持ち上げる際に、異なって挙動するという問題が生じる。つまり、工作物の吸着時に弾性的なシールリップを備えた真空サッカは短縮するのに対して、マグネットサッカは、その剛性のケーシングに基づき短縮はしない。種々異なる保持エレメントは、これらの保持エレメントの下面が1平面内に位置するようにリフティングユニットに取り付けられるので、以下の問題が発生する。即ち:真空サッカのシールリップは、シールするために、持ち上げられた工作物の表面に接触可能でなければならない。このためには、所定の変形行程が設けられている必要があり、この変形行程の分だけ、工作物が吸着されてシールリップが押しつぶされる。変形行程が存在しないと、工作物はまず最初にマグネットサッカに接触するので、真空サッカと工作物の表面との間の結合が不密であり、且つ十分な保持力が確実には形成されないという危険が生じる。薄い薄板部材の場合は更に、この薄板部材が吸着時に曲がってしまう危険が生じる。しかも他方では、この問題を回避するために、真空サッカに必要とされる変形行程を得るために真空サッカが工作物の方向でマグネットサッカよりも遠くに取り付けられると、薄い薄板部材がマグネットサッカの使用時にやはり曲がってしまうか、又は工作物が真空サッカの変形に基づく力により、マグネットサッカから押し離されてしまう危険が生じる。
【0006】
更に、保持エレメントの固定配置に基づいて、比較的複雑で小さな部品を特別な手間無しで持ち上げることはでき難い。
【0007】
このことから、さもなければリフト、つまりハンドリングシステムによっては取り出すことのできない部材に関して、しばしば改造処置又は特別な手段の必要性が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明の課題は、上記の問題を解決し且つ種々様々な工作物のフレキシブルなリフティングを可能にするリフティングユニットを提供することにあり、この場合、保持エレメントと工作物との早期衝突が避けられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために本発明では、請求項1の特徴部に記載したように、リフティングユニットが、少なくとも1つのリフティングモジュールを有しており、該リフティングモジュールに少なくとも1つの保持エレメントが設けられており、前記リフティングモジュールが、前記リフティングユニットにおいて摺動可能に支承されており、これにより、リフティングモジュールに設けられた保持エレメントと、持ち上げようとする工作物との間の間隔が、別の保持エレメントと、持ち上げようとする工作物との間の間隔には関係無く調整可能であるようにした。又、請求項13に記載したように、薄板積み降ろしユニットが、リフティングユニットを備えているようにした。更に請求項14に記載したように、薄板加工機械が、薄板積み降ろしユニットを備えているようにした。
【0010】
本発明の改良は従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】薄板加工機械としての打抜き機を示した図である。
【図2】図1に示した打抜き機のための薄板積み降ろしユニットである。
【図3a】図2に示した薄板積み降ろしユニットのためのリフティングユニットを、マグネットサッカによって持ち上げられた工作物と一緒に側面から見た図である。
【図3b】図2に示した薄板積み降ろしユニットのためのリフティングユニットを、真空サッカによって持ち上げられた工作物と一緒に側面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態を図面につき詳しく説明する。
【0013】
図1に示した薄板加工機械、正確には打抜き機1は、C字形フレーム2の形態の機械フレームを有している。このC字形フレーム2は、ねじり剛性を有する鋼製の溶接構造体から成っている。C字形フレーム2の後端部には液圧ユニット3が設けられており、この液圧ユニット3によって、ラム4がラム駆動装置(図示せず)を介して液圧式で駆動される。
【0014】
C字形フレーム2の下側の内面には、打抜き工具11の工具下側部分を取り付けるための、下側の工具取付け部5が設けられている。
【0015】
C字形フレーム2の上側の内面にはラム4が設けられている。このラム4は、上側の工具取付け部を有しており、この上側の工具取付け部で以てラム4は打抜き工具11の工具上側部分を収容している。
【0016】
C字形フレーム2の下側の内面には更に、機械テーブル6が配置されており、この機械テーブル6は、打抜き工具11用のマガジンを備えた横方向レール7を有している。この横方向レール7には、加工しようとする薄板プレート9を固定するための複数のクランプが配置されている。これらのクランプ8は、横方向レール7の適当な位置に固定可能であり且つ移動可能なので、薄板プレートは確実に保持される。リニアマガジンには、打抜き工具11のための複数の工具収容部10が設けられている。機械テーブル6の前端部には、小さな工作物を導出するためのフラップ12が設けられている。
【0017】
更に、打抜き機1は制御装置(図示せず)を有している。
【0018】
運転中、機械テーブル6は打抜きのために、薄板プレート9を保持するクランプ8が固定された横方向レール7と一緒にY方向で、制御装置にメモリされた所定の位置に移動し、横方向レール7はX方向で、メモリされた位置に移動する。この場合、薄板プレート9は機械テーブル6の上で滑動する。次いで、ラム4によって1打抜き行程が実施される。次いで、同じ原理に従って次の打抜き位置へ移動する。
【0019】
薄板プレート9から打ち抜かれる完成した工作物13は、フラップ12を介して搬出されるか、又は薄板積み降ろしユニットを介して取り出される。
【0020】
択一的に、完成した工作物13を降ろすためには、薄板加工機械に配置されたアームに設けられたリフティングユニットを使用することもできる。
【0021】
図2には、薄板積み降ろしユニット14の側面図が示されている。この薄板積み降ろしユニット14は、定置ユニット15を有している。この定置ユニット15のために、2つの垂直方向の固定子16と、1つの水平方向のリニアユニット17とを備えたフレームが設けられている。水平方向のリニアユニット17の可動部材18には、垂直方向のリニアユニット19が設けられており、この垂直方向のリニアユニット19は、垂直方向に運動することができる。垂直方向のリニアユニット19は、下端部にリフティングユニット20を有している。このリフティングユニット20は、その下面に保持エレメント21,22、つまりこの場合は典型的に2つのいわゆるマグネットサッカと、2つの真空サッカ22とを、薄板プレート9(図1)を持ち上げるために備えている。
【0022】
薄板プレート9を持ち上げるための物理的な作用原理としては、例えば永久磁石、マグネットサッカ又は制御可能な電磁石を介した磁力等の摩擦接続原理、真空サッカに真空状態をもたらすことによって得られる吸着力、又は接着が考えられる。更に、薄板プレートは形状接続式のグリッパによっても持ち上げられる。永久磁石の場合、又は接着を利用する場合には、保持エレメントから薄板プレートを取り外すための特別な手段が必要とされている。
【0023】
マグネットサッカ21はシリンダを有しており、このシリンダ内には往復ピストンとして永久磁石が設けられている。シリンダの、持ち上げようとする工作物13に面した室に真空がもたらされることによって、往復ピストンがシリンダの、持ち上げようとする工作物13が位置している端部に向かって動かされると、工作物13が磁力によって引き付けられる。この引付け力を解除するためには、シリンダの、持ち上げようとする工作物13に面した室に所定の圧力を印加することにより、往復ピストンが反対側の端部に向かって工作物13から離反運動し、これにより、工作物13に対する磁気的な引付け力は消滅する。
【0024】
薄板積み降ろしユニット14の運転時に、前記可動部材はX方向に移動し、且つ場合によってはX方向で見て両固定子16の間に位置する薄板マガジン(図示せず)を越えてY方向に移動する。次いで、垂直方向のリニアユニット19がリフティングユニット20を下方に向かって移動させて、保持エレメント21,22が複数の薄板プレート9のうちの1つを持ち上げる。本実施形態ではこのためにマグネットサッカ21が制御されるか、又は真空サッカ22に真空がもたらされる。これにより、薄板プレートが持ち上げられる。次いで、垂直方向のリニアユニット19が上方に向かって移動して、可動部材18が機械テーブル6(図1)の上位に移動して、薄板プレート9が機械テーブル6に載置され且つクランプ8に引き渡される。
【0025】
工作物13を製作するための加工過程の終了後に、可動部材18が工作物13の上位に移動して、この工作物13を保持エレメント21,22によって再び持ち上げ、次いで例えば工作物容器(図示せず)内に降ろす。
【0026】
図3a及び図3bには、それぞれリフティングユニット20の側面図が示されている。
【0027】
本実施形態では、リフティングユニット20は3つのリフティングモジュール23を有しており、これらのリフティングモジュール23はそれぞれ、ガイド26によって形成される直方体形の室に相並んで収容される。
【0028】
リフティングモジュール23は、各1つの直方体形の被ガイド区分24と、各1つの保持エレメント21,22とを有しており、この場合、保持エレメント21,22はいわゆるマグネットサッカ21又は2つの真空サッカ22として形成されている。
【0029】
択一的な1実施形態において、リフティングモジュール23の数は、リフティングユニット20の大きさ及び必要とされる保持エレメント21,22に関連して可変であってよい。少なくとも1つのリフティングモジュール23が必要とされている。
【0030】
リフティングユニット20は、リフティングモジュール23をリフティングユニット20内で摺動可能に支承する複数のガイド26を有している。これらのガイド26は本実施形態では、それぞれ直方体形の室を形成する壁として形成されている。持ち上げようとする工作物13に面した側27、つまり図3a及び図3bでは下端部には、各1つのストッパ25がガイドの突出した段部の形態で、又は択一的に別の適当な手段の形態で設けられており、これにより、持ち上げようとする工作物13に向かうリフティングモジュール23の運動が制限される。直方体形の室の反対側、つまり本実施形態では上側にはカバー(図示せず)が設けられているので、リフティングモジュール23が直方体形の室から脱出する恐れはない。
【0031】
択一的な1実施形態では、ガイドによって直方体形の室ではなく、別の形態の適当な室が形成されて、被ガイド区分24が適当な別の形態で形成されるか、又は被ガイド区分24は別の適当な形式でガイドされる。
【0032】
保持エレメント21,22の数は、本実施形態において本発明を説明するためにのみ役立つ。実際に使用されるリフティングユニット20では、例えば330×100mmの大きさのプレートに10個の保持エレメント21,22が設けられている。択一的な1実施形態では、ガイド26が設けられているプレート又はフレームの大きさ及び形状、並びに保持エレメント21,22の数及び位置は、持ち上げようとする工作物13の大きさに関連している。また、真空サッカ22の数も、リフティングモジュール23毎に1つの真空サッカ22に限定されてはいない。いわゆる「平面サッカ」を使用する場合は、リフティングモジュール23毎に複数の真空サッカ22が設けられており、これにより、工作物13に複数の破断部が生じたとしても、これらの破断部間の位置に真空を形成して、工作物13を持ち上げることができる。
【0033】
マグネットサッカ21と真空サッカ22とによって、所定の保持力が、持ち上げられた工作物13に加えられる。この保持力は、マグネットサッカ21及び真空サッカ22において、軸方向でこれらの保持エレメント21,22に対して、保持エレメント21,22によって持ち上げられる工作物13から離反する方向に向けられている。平らな薄板プレートの場合、全ての保持エレメント21,22の保持力の方向は同じであり且つ薄板プレートに対して垂直である。
【0034】
湾曲された表面を有する工作物13のための、工作物を持ち上げるべきリフティングユニット20の択一的な1実施形態でも、前記保持力の方向はやはり湾曲された表面に対して垂直であるが、但し個々のリフティングユニットの保持力の方向は同じではない。
【0035】
リフティングユニット20は内部に、リフティングモジュール23がガイド26と、被ガイド区分24とによって支承されている領域を有している。リフティングモジュール23は、リフティングユニット20の内部に向かう方向及びこの方向とは逆の方向に移動可能であるように支承されている。直方体形の被ガイド区分24は、リフティングモジュール23の向きを、持ち上げようとする工作物13の輪郭の少なくとも1方向に合わせられるように適合されている。リフティングモジュール23は、側面27に沿って相並んで配置されている。リフティングモジュール23は、互いに適当な間隔を置いて設けられていてよい。リフティングユニット20が水平に位置調整されていて、側面27が下方に向けられている場合には、リフティングモジュール23はその重力によって下方に向かって引っ張られ、且つこの場合はレベル補償を行うことができる。
【0036】
特に、リフティングモジュール23が重力によって下方に向かって工作物13の方向には引っ張られないような択一的な実施形態では、リフティングモジュール23を、持ち上げようとする工作物13の方向に向かって押圧する、少なくとも1つの予圧装置が設けられていてよい。別の択一的な実施形態では、リフティングモジュール23を、予め規定された距離又は予め規定された反力に相応して、持ち上げようとする工作物の方向又は該工作物から離反する方向に運動させる駆動ユニットも可能である。この運動は、薄板加工機械の制御装置によって制御され得る。
【0037】
運転中、水平に位置する工作物13を持ち上げるためには、リフティングユニット20が工作物13の上位に位置決めされる。リフティングモジュール23の被ガイド区分24が、リフティングモジュール23の重力に起因してストッパ25に載置される。次いで、リフティングユニット20は、保持エレメント21,22の下面が工作物13に載着するまで、下方に向かって運動される。工作物13の材料及び表面の性質に関連して、適切な保持エレメント21,22が作動される。
【0038】
図3aには、運転中に工作物13が、いわゆるマグネットサッカ21によって持ち上げられている状態が示されている。このことは例えば、穴開きプレートとして形成された工作物13の場合に必要とされている。それというのも、複数の穴が存在していることによって、真空を形成することは不可能だからである。工作物13はマグネットサッカ21によって保持され、このマグネットサッカ21の被ガイド区分24は、ストパ25に当接する。これにより、保持力がマグネットサッカ21によって伝達されるので、工作物13はリフティングユニット20において持ち上げられる。この場合、真空サッカ22は機能しておらず、真空サッカ22と工作物13との衝突を避けるためには、真空サッカ22を備えたリフティングモジュール23が工作物13によって上方に向かって押圧され、このことは被ガイド区分24とストッパ25との間の間隔において明らかである。つまり、真空サッカ22はその重量に基づいて、保持力に対する無視し得る程度の反力しか生ぜしめないので、工作物13は確実に保持される。
【0039】
図3bには、運転中に工作物13が真空サッカ22によって持ち上げられている状態が示されている。このことは、例えば非強磁性材料の場合に実施される。真空サッカ22が機能していることは、該真空サッカ22の押しつぶされたベローズと、真空サッカ22を備えたリフティングモジュール23の被ガイド区分24がストッパ25に当接していることとで判る。マグネットサッカ21を備えたリフティングモジュール23は、マグネットサッカ21が載着している工作物が、吸着時の真空サッカ22の短縮に基づき持ち上げられることによって、押し戻される。これにより、マグネットサッカ21と工作物13との衝突が避けられ、延いては真空サッカ22による工作物13の吸着が妨げられない。
【0040】
衝突を回避するこの原理は、平らではなく、保持エレメント21,22が位置する複数の箇所が隆起していて、リフティングを妨げる恐れのある工作物13の場合にも利用することができる。これにより、より小さくて「より複雑な」部品も、持ち上げることができる。
【0041】
本発明によるリフティングユニット20を使用することによって、工作物のリフティングにおけるフレキシビリティーが全体的に改善されるので、頻繁に改造することは不要である。これにより、機械で実際に加工が実施される機械主要時間が増大し、薄板加工機械の降ろし側の運転安定性が改善される。それというのも、減少された保持力が可能であり且つ既存の個別サッカを引き続き利用することができるからである。
【0042】
択一的な実施形態では、リフティングユニットによって、このリフティングユニットに適した工具も持ち上げられてよい。
【0043】
リフティングユニット20は、例えば打抜き機、レーザ加工機、打抜き・レーザ加工機又は曲げ加工機等の、種々様々な薄板加工機械と一緒に使用され得る。
【符号の説明】
【0044】
1 打抜き機、 2 C字形フレーム、 3 液圧ユニット、 4 ラム、 5 下側の工具取付け部、 6 機械テーブル、 7 横方向レール、 8 クランプ、 9 薄板プレート、 10 工具収容部、 11 打抜き工具、 12 フラップ、 13 工作物、 14 薄板積み降ろしユニット、 15 定置ユニット、 16 垂直方向固定子、 17 水平方向のリニアユニット、 18 可動部材、 19 垂直方向のリニアユニット、 20 リフティングユニット、 21 保持エレメント、マグネットサッカ、 22 保持エレメント、真空サッカ、 23 リフティングモジュール、 24 被ガイド区分、 25 ストッパ、 26 ガイド、 27 側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの工作物(13)を持ち上げるためのリフティングユニット(20)であって、該リフティングユニット(20)が、持ち上げようとする工作物(13)に面した側(27)に、複数の保持エレメント(21,22)を有している形式のものにおいて、
前記リフティングユニット(20)が、少なくとも1つのリフティングモジュール(23)を有しており、該リフティングモジュール(23)に少なくとも1つの保持エレメント(21,22)が設けられており、
前記リフティングモジュール(23)が、前記リフティングユニット(20)において摺動可能に支承されており、これにより、リフティングモジュール(23)に設けられた保持エレメント(21,22)と、持ち上げようとする工作物(13)との間の間隔が、別の保持エレメント(21,22)と、持ち上げようとする工作物(13)との間の間隔には関係無く調整可能であることを特徴とする、リフティングユニット。
【請求項2】
複数のリフティングモジュール(23)がリフティングユニット(20)に設けられている、請求項1記載のリフティングユニット。
【請求項3】
リフティングユニット(20)が少なくとも1つの予圧装置を有しており、該予圧装置がリフティングモジュール(23)に、持ち上げようとする工作物(13)に向かう方向で予圧力をもたらす、請求項1又は2記載のリフティングユニット。
【請求項4】
リフティングユニット(20)が、リフティングモジュール(23)用の少なくとも1つの駆動ユニットを有しており、該駆動ユニットが、リフティングモジュール(23)を、持ち上げようとする工作物(13)に向かう方向及び該工作物(13)から離反する方向に運動させるために構成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のリフティングユニット。
【請求項5】
種々異なる保持エレメント(21,22)が、少なくとも2つの異なる物理的な作用原理に基づいている、請求項1から4までのいずれか1項記載のリフティングユニット。
【請求項6】
リフティングモジュール(23)が、磁気的な作用原理に基づく少なくとも1つの保持エレメント(21)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載のリフティングユニット。
【請求項7】
前記保持エレメント(21)が、制御可能な電磁石として形成されている、請求項6記載のリフティングユニット。
【請求項8】
前記保持エレメント(21)が、マグネットサッカとして形成されている、請求項7記載のリフティングユニット。
【請求項9】
リフティングモジュール(23)が、真空サッカとして形成された少なくとも1つの保持エレメント(22)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載のリフティングユニット。
【請求項10】
リフティングユニット(20)が複数のガイド(26)を有しており、これらのガイド(26)によって、少なくとも1つのリフティングモジュール(23)が摺動可能に支承されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のリフティングユニット。
【請求項11】
リフティングユニット(20)が、少なくとも1つのストッパ(25)を有しており、該ストッパ(25)によって、リフティングモジュール(23)の持ち上げようとする工作物(13)に向かう運動が制限されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のリフティングユニット。
【請求項12】
ストッパ(25)がガイド(26)に設けられている、請求項11記載のリフティングユニット。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載のリフティングユニット(20)を備えている、薄板積み降ろしユニット(14)。
【請求項14】
請求項13記載の薄板積み降ろしユニット(14)を備えている、薄板加工機械(1)。
【請求項15】
前記薄板加工機械(1)が打抜き機である、請求項14記載の薄板加工機械。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【公開番号】特開2012−115901(P2012−115901A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260788(P2011−260788)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(502300646)トルンプフ ヴェルクツォイクマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (76)
【氏名又は名称原語表記】Trumpf Werkzeugmaschinen GmbH + Co. KG
【住所又は居所原語表記】Johann−Maus−Strasse 2,D−71254 Ditzingen,Germany