説明

巨大ツナミ用防波堤

【課題】従来の防波堤では、巨大なツナミには、巨大な構造物を構築する必要がある。小規模でも、ツナミの衝撃力に強い防波堤を提供する。
【解決手段】海岸に沿つて鉄製や炭素繊維のFRP製の壁状ボツクス3を隣接させ、センサーによりそれの前面に衝突するツナミの運動量の変化量を求め、その全裏面に均一にそれと等しい対向する力積を加える方法として火薬6を使用する。ボツクス3と結合させた水平のピストン4とそれを内蔵したシリンダー5との間でそれを爆発させ前面でツナミを打ち返す。ボツクス3の底面に車輪7を取り付け、水平のシリンダー5の側面にも同様にして可動可能にする。前面と沖側支柱1の間に、またシリンダー5と陸側支柱1の間にもバネ2を取り付ける。場合によっては、これらを固定し、同様にツナミの運動量の変化量を算出し、それと等しく、対向する力積を得るのに火薬6を使用してもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】
【0001】
巨大なツナミを反転押し返す衝撃力に強い防波堤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
東日本大震災に於いて巨大なツナミが壁状の大防波堤に激突し,その運動量の変化量に等しい力積がそれらの基礎部に集中し、それらの基礎部を破壊し尽し、乗り越えた遡上波により甚大な被害を引き起こした。
【発明が解決しようとする課題】
【003】
世紀にも稀な巨大なツナミの運動量の変化量に等しい力積が集中する防波堤の基礎を護るには重力ダムの様に高く奥行きが深い基礎が強固な防波堤を築かねばならない。これは万里の長城を築く様なもので経済的にも不可能に近い。本発明はこの課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ツナミの伝播波形は尖頭〜雷インパルス等の波形が前傾して進行する形に似ている。質量と速度の積の膨大な運動量を有する巨大なツナミを打ち返し、その遡上波を防ぐには防波堤の高さをツナミが反騰する高さ即ちその波高のほぼ倍程度に高め、衝突時のその運動量の変化量に等しい力積が集中するボツクスの基礎部を強化するしかない。しかしこれには重力式ダムの様な奥行きが深く、高さの高い巨大な堰堤構造にする必要がある。しかしこれを建設するには巨額な資金と労力と時間を要し、万里の長城を築く様なものとなる。防波堤を上述の巨大な重力ダム式の堰堤構造でなく、強固な高い壁状のボツクス構造にしたくても、その基礎部に巨大ツナミの運動量の変化に等しい大きな力積が加わわるので、如何にそこを補強しようと破壊されてしまう。本発明は海岸に沿つてボツクス(3)の高さをツナミの反騰時の高さ程度にした鉄製または鉄の十倍以上の強度を有する炭素繊維等で補強したFRP製の壁状のそれらをそれぞれ隣接させて並べる。その各々の沖側全面に襲来する巨大ツナミを多くのセンサーにより感知、測定、計算してその波の質量と速度の積の運動量の反騰する時の変化量を求め、壁のその全裏面に均一にそれと等しい力積を加える方法として火薬(6)を使用する。即ちボツクスと一体化させた水平のピストン(4)とそれを内蔵したシリンダー(5)との間に、この火薬を装填、爆発させるもので、ピストン付きボツクスを沖方向に能動的に突出させ、襲来するツナミやその後続波までも反転、打ち返えす。これにはこの強固なボツクスの底面に車輪(7)かベアリング等を取り付けかつそれらを抱き込ませ、しつかり確保して可動出来る様にする。またその水平のシリンダーの側面も同様の構造にして可動出来る様にする。更にこのボツクスの前面と若干の差分の力積がかかる沖側支柱(1)の間にはバネ(2)を、またこのシリンダーと陸側支柱(1′)の間にもバネ(2′)等を取り付ける。ツナミが続く場合には機関車のピストンの様に火薬の装填、爆発を繰り返せるように往復運動も可能にする。この頭部にボツクスの高さを高める一助にもなる波を反り返えし、反転させる盤状突起(13)や、それを反射波に回転を与える構造にして消波力を増大させる。また炭素繊維よりなるボツクスにゴム等を含浸して可撓性を持たせて常時は収縮、収納しておき、巨大地震が發生するや高圧ポンプ等で細砂、液体を圧入して可撓FRP製のボツクスにしても良い。またこれを上述した様な可動構造にせずにボツクスを固定し、多くのセンサーでツナミの衝突時の運動量の変化量を算出し、それと等しい力積を火薬を用い、対向する両者の力積をほぼ等しくし、ボツクスの基礎部に加わわるそれらの差分を最小にして、そこが破壊されない様にする。更に上述の両者の様にボツクスの高さを高くし、世紀に一度だけのツナミの被害から完全に逃れる高価な防波堤でなく、経済性を重視して両者共それらの高さを低めて、ある程度の遡上波を許し若干の被害を受けてもツナミを大幅に減殺させ、かつ防波堤も護る事が出来るのでコストは遥かに安くなる。これらの様にして経済的にも巨大堰堤より低コストで破壊されない強固な巨大ツナミ用防波堤を築く事が出来る。(図1)
【作用】
【0006】
海岸に沿つてボツクス(3)の高さをツナミの反騰時の高さ程度にした鉄製または鉄の十倍以上の強度を有する炭素繊維等で補強したFRP製の壁状のそれらをそれぞれ隣接して並べる。その各々の沖側全面に襲来する巨大ツナミを多くのセンサーにより感知、測定、計算してその波の質量と速度の積の運動量の反騰する時の変化量を求め、壁の反対側の全裏面に均一に、それと等しい力積を加える方法として火薬(6)を使用する。即ちボツクスと一体化させた水平のピストン(4)とそれを内蔵したシリンダー(5)との間に、この火薬を装填、爆発させるもので、ピストン付きボツクスを沖方向に能動的に突出させ、襲来するツナミやその後続波までも反転、打ち返えす。これにはこの強固なボツクスの底面に車輪(7)かベアリング等を取り付け、かつそれらを抱き込ませ、しつかり確保して可動出来る様にする。またその水平のシリンダーの側面にも同様の構造にして可動出来る様にする。更にこのボツクスの前面と若干の差分の力積がかかる沖側支柱(1)の間にはバネ(2)を、またこのシリンダーと陸側支柱(1′)の間にもバネ(2′)等を取り付ける。ツナミが続く場合には機関車のピストンのように火薬の装填、爆発を繰り返せる様に往復運動も可能にする。この頭部にボツクスの高さを高める一助にもなる波を反り返えし、反転させる盤状突起(13)や、それを反射波に回転を与える構造にして消波力を増大させる。この様にして経済的にも巨大堰堤より遥かに安価で、破壊されない強固な巨大ツナミ用防波堤を築く事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は爆薬を用いた巨大ツナミ用防波堤の縦断面図を示す。
【符号の説明】
【0008】
1 支柱 2 バネ 3 鉄、炭素繊維FRP等のボツクス 4 ピストン
5 シリンダー 6 火薬 7 車輪 8 レール 9 杭 10 基盤
11 細砂、液体等 12 補強 13 盤状突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海岸に沿つてボツクス(3)の高さをツナミの反騰時の高さ程度にした鉄製または鉄の十倍以上の強度を有する炭素繊維等で補強したFRP製の壁状ボツクスをそれぞれ隣接させて並べる。その各々の沖側全面に襲来する巨大ツナミを多くのセンサーにより感知、測定、計算しその波の質量と速度の積の運動量の反騰する時の変化量を求め壁の反対側の全裏面に均一にそれと等しい力積を加える方法として火薬(6)を使用する。即ちボツクスと一体化させた水平のピストン(4)とそれを内蔵したシリンダー(5)との間に、この火薬を装填、爆発させるもので、ピストン付きボツクスを沖方向に能動的に突出させ、襲来するツナミやその後続波までも反転、打ち返えす。これにはこの強固なボツクスの底面に車輪(7)かベアリング等を取り付け、かつそれらを抱き込ませ、しつかり確保して可動出来る様にする。またその水平のシリンダーの側面にも同様の構造にして可動出来る様にする。更にこのボツクスの前面と若干の差分の力積がかかる沖側支柱(1)の間にはバネ(2)を、またこのシリンダーと陸側支柱(1′)の間にもバネ(2′)等を取り付ける。ツナミが続く場合にはこれを機関車のピストンの様に火薬の装填、爆発を繰り返せる様に往復運動も可能にする。この頭部にボツクスの高さを高める一助にもなる波を反り返えし、反転させる盤状突起(13)や、それを反射波に回転を与える構造にして消波力を増大させる。また炭素繊維よりなるボツクスにゴム等を含浸させて可撓性を持たせて常時は収縮、収納しておき、巨大地震が發生するや高圧ポンプ等で細砂、液体を圧入して可撓FRP製のボツクスにしても良い。またこれを上述した様な可動構造にせずにボツクスを固定し、多くのセンサーでツナミの衝突時の運動量の変化量を算出し、それと等しい力積を生むに充分な量の火薬で、対向する両者の力積をほぼ等しくし、ボツクスの基礎部に加わわるそれらの差分を最小にして、そこが破壊されない様にする。更に上述の両者の様にボツクスの高さを高くし、世紀に一度だけのツナミの被害から完全に逃れる高価な防波堤でなく、経済性を重視して両者共それらの高さを低めて、ある程度の遡上波を許し若干の被害を受けてもツナミを大幅に減殺する事が出来、かつ防波堤も護る事も出来るのでかなりのコストダウンが得られる。これらの様にして経済的にも巨大堰堤より遥かに安価で、破壊されない強固な巨大ツナミ用防波堤を築く事が出来る。

【図1】
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【公開番号】特開2013−60796(P2013−60796A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220506(P2011−220506)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(596046233)
【Fターム(参考)】