説明

巻取り装置付きバンド

【課題】 迅速かつ簡単に、さらに安全かつ確実に荷物巻付け等の作業をできる巻取り装置付きバンドを提供することにある。
【解決手段】 バンド10と、バンド10を引き出し,引き込み自在に収納する巻取り装置20とを備えた巻取り装置付きバンドであって、巻取り装置20は、バンド軸40と、バンド軸40に対してバンド10を常時引き込む回転方向にテンションを加えるテンション付与機構50と、バンド10の任意の引き出し位置でバンド軸40の回転を規制する回転ロック機構60と、回転ロック機構60をロック状態とロック開放状態に選択的に切り替える切り替え操作機構70と、引き出したバンド10の先端を引っ掛けて折り返し可能とする折り返し部材71とを備え、一方、バンド10には、折り返した部分が重なる部分を着脱自在に固定することを可能とする面状ファスナ11が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、パレットに積載される荷物を束ねて荷崩れを防止するバンドに関し、特に巻取り装置を備えた巻取り装置付きバンドに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、各種荷物の輸送は、倉庫で荷物を荷役用のパレットに積み上げ、積み上げた荷物の外周にラップフィルムを巻き付けて束ね、束ねた状態でトラックに積載して送り先まで運搬するようになっている。
しかし、巻付けたラップフィルムを剥がす作業に手間がかかる。また、使用するラップフィルムの量が膨大で、しかも大部分がリサイクルに回らずに廃棄されている現状であり、資源の浪費につながると共に、廃棄されるラップフィルムによる周辺環境に対する負荷も大きいという問題があった。
そこで、本出願人等は、何回も使い回しできるバンドを用い、従来のフィルムと同様に簡単に荷物を束ねることができる荷物結束方法の開発を進めてきた。
なお、従来のラップフィルムを用いた荷物の結束方法としてはたとえば、特許文献1に記載のようなものがある。
【特許文献1】特開平5−85504号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、繰り返し使用できるバンドを用いた荷物結束方法の開発の一環としてなされたもので、その目的とするところは、人手によって、迅速かつ簡単に、さらに安全かつ確実に荷物を結束できる巻取り装置付きバンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、バンドと、該バンドを引き出し,引き込み自在に収納する巻取り装置とを備えた巻取り装置付きバンドであって、
前記巻取り装置は、バンドの一端が固定され巻取り装置本体に回転自在に支持されたバンド軸と、該バンド軸に対してバンドを常時引き込む方向にテンションを加えるテンション付与手段と、バンドの任意の引き出し位置でバンドが引き出し方向にも引き込み方向にも動かないようにバンド軸の回転を規制する回転ロック手段と、回転ロック手段をロック状態とロック開放状態に選択的に切り替える切り替え操作手段と、引き出したバンドの先端部を引っ掛けて折り返し可能とする折り返し部材とを備え、
一方、前記バンドには、折り返した部分が重なる部分を着脱自在に固定することを可能とする固定手段が設けられていることを特徴とする。
【0005】
請求項2に係る発明は、切り替え操作手段を、前記回転ロック手段がロック状態にて切り替え操作不能に固定するセイフティロック手段を備えていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、バンド軸は異形断面形状の中空軸で、テンション付与手段は、前記バンド軸の中空内部に挿入されるシャフトと、該シャフトに装着されるスプリングとを備え、前記スプリングの一端をシャフトに取り付けられる移動カラーに固定すると共に、前記スプリングの他端をシャフトに固定し、前記移動カラーは、シャフトに対しては相対回転可能でかつ軸方向に相対移動自在とし、中空のバンド軸内周に対しては相対回転不能でかつ軸方向に相対移動自在とし、前記シャフトの端部を装置本体に対して相対回転不能に係合したことを特徴とする。
【0006】
請求項4に係る発明は、回転ロック手段は、バンド軸に固定されバンド軸と共に回転するストッパ部を備えたストッパ付きカラーと、装置本体に支点を介して揺動自在に支持され一端部に前記ストッパ部と係合可能なロック部を備えたシーソー構造の爪部材とを備え、爪部材を揺動させることによってロック部がストッパ部に対して係合,離脱する構成となっていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、切り替え操作手段は、装置本体の軸方向両端部に回転自在に支持されるハンドルレバーと、該ハンドルレバーの自由端部に連結されバンド軸と所定間隔を隔てて配置されるハンドルとを備え、
ハンドルはロック位置とロック開放位置間を移動自在となっており、ロック位置におけるハンドルレバーによって爪部材の支点を隔ててロック部側の端部を押してロック部をストッパ部に係合させ、ロック開放位置にて爪部材の支点を隔ててロック部と反対側の端部を押してロック部をストッパ部から離脱させる構成となっていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、ハンドルが折り返し部材となっている
【0007】
請求項7に係る発明は、ストッパ部とロック部の当接面は、噛み合った際に作用する力が半径方向内向きのベクトル成分を有する形状となっている。
請求項8に係る発明は、切り替え操作手段のハンドルをロック位置及びロック開放位置に強制的に保持するためのハンドル位置保持手段を有し、該ハンドル位置保持手段は、ロック位置とロック開放位置間に思案点を有する保持レバーと、該保持レバーと前記切り替え操作手段のハンドルレバーとの間に装着される引張状態のスプリングとを備えた構成となっている。
請求項9に係る発明は、装置本体は、巻取り軸の両端を挟むように配置される一対のホルダを備えた構成で、前記回転ロック手段及び切り替え操作手段は各ホルダそれぞれに設けられている。
請求項10に係る発明は、装置本体には、各種取付ブラケットを固定するための取付ベース部材が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の巻取り装置付きバンドによれば、バンドを巻取り装置から必要長さだけ引き出し、切り替え操作手段を操作して回転ロック手段をロック状態としてバンドをロックし、荷物の巻付け等を行って、バンド先端部を折り返し部材に引っ掛けて折り返し、締め付け固定して使用できるので、バンドの全長内であれば、自由にバンドで品物を固定できる。
また、使用後は、切り替え操作手段によって回転ロック手段をロック開放状態とすれば、バンドはテンション付与手段の付勢力によって自動的に引き込まれるので、作業効率が高い。
以上の点から、設置さえできれば、荷役装置の一部として手軽,簡単に使用でき、作業
効率の向上を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、セイフティロック手段を設けることにより、安全,確実にロックすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、テンション付与手段として、スプリングの一端が固定される移動カラーがシャフトに対して軸方向に移動する構成となっているので、バンドの引き出し量の変化によってスプリングのねじり量が変動しても、移動カラーの移動によってスプリングがスムーズに伸縮変形し、バンドの引き出し,引き込みをスムーズに行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、ロック手段として、爪部材のロック部とストッパ付きカラーのストッパ部との係合によってバンド軸の回転をロックするようにしたので、確実にバンドの引き出し,引き込みをロックすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、切り替え操作手段として、ハンドルがロック位置にて爪部材を押してロック部をストッパ部に係合させ、ロック開放位置にてロック部から離間する構成となっているので、ハンドル操作によって簡単にロック,ロック開放状態の切り替え操作を行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、操作用のハンドルをバンドの折り返し部材として用いることができ、装置構成を簡素化できる。
【0010】
請求項7に記載の発明によれば、ストッパ部とロック部の当接面を、噛み合った際に作用する力が半径方向内向きのベクトル成分を有する形状とすることにより、確実にかみ合わせることができる。
請求項8に記載の発明によれば、保持レバーと切り替え操作手段のハンドルレバーとを連結する引張状態のスプリングのばね力によって、ハンドルをロック位置又はロック開放位置のいずれかの位置に保持することができ、確実に切り替えができ、また、作業効率向上を図ることができる。
請求項9に記載の発明によれば、バンド軸の両端を挟むように配置される一対のホルダそれぞれに、回転ロック手段及び切り替え操作手段を設けることにより、ベルトのロックをより確実、安全に行うことができる。
請求項10に記載の発明によれば、ホルダに各種取付ブラケットを固定するための取付ベース部材が設けられているので、取付箇所に応じた適切な取付ブラケットを使用することにより、荷役用の種々の機器、設備等に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例に係る巻取り装置付きベルトを示すもので、1は巻取り装置付きバンド全体を示すもので、この巻取り装置付きバンド1は、バンド10と、このバンド10を引き出し,引き込み自在に収納する巻取り装置20とを備えた構成となっている。
巻取り装置20は、バンド10を収納する装置本体30と、バンド10の一端が固定され巻取り装置本体30に回転自在に支持されたバンド軸40と、バンド軸40に対してバンド10を常時引き込む回転方向にテンションを加えるテンション付与機構50と、バンド10の任意の引き出し位置でバンド10が引き出し方向にも引き込み方向にも動かないようにバンド軸40の回転を規制する回転ロック機構60と、回転ロック機構60をロック状態とロック開放状態に選択的に切り替える切り替え操作機構70と、引き出したバンド10の先端を引っ掛けて折り返し可能とする折り返し部材を構成するハンドル71とを備えている。また、切り替え操作機構70には、回転ロック機構60がロック状態にて切り替え操作不能に固定するセイフティロック機構80が設けられている。
【0012】
バンド10は、図5に示すように、布製の平ベルトで、ゴム等により伸縮性を持たせることが望ましい。また、取り扱いやすくするために軽量化することが望ましい。バンド10の一端はバンド軸40を介して装置本体30に固定され、図12に示すように、他端をハンドル71に通して折り返すことによりバンド10を締め付ける構成で、バンド10の折り返し部を荷物等に巻き付いたバンド部分に着脱自在に固定する固定手段としての面状ファスナ11が設けられている。また、バンド10の先端部14には先端軸13が挿入されて剛性を高めると共に肉厚が厚くなっている。
【0013】
装置本体30は、バンド軸40の両端を挟むように配置される一対の第1ホルダ31及び第2ホルダ32を備えた構成で、第1ホルダ31と第2ホルダ32が複数本、本実施例では4本の支柱33によって剛結されている。
回転ロック機構60及び切り替え操作機構70は第1ホルダ31と第2ホルダ32それぞれに設けられている。
【0014】
第1ホルダ31と第2ホルダ32は、図2及び図3に示すように、基本的な構成が同一構成なので、ここでは下方の第2ホルダ32について説明し、第1ホルダ31については、第2ホルダ32と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
第2ホルダ32は有底円筒形状で、円板状の端壁35と、端壁35の周縁から立ち上がる円筒形状の周壁部36とを備えている。周壁部36の内周は開口側から端壁35に向かって3段階に小径となる段付き構成となっている。すなわち、端壁35に面する第1段部361の内径が最も小さく、開口側の第3段部363の内径が最も大きく、中間の第2段部362の内径が中間的な大きさとなっている。
第1ホルダ31の周壁部36には内周側の第2段部362に対応する位置に、内周側と外周側を貫通し周方向に所定寸法延びる長孔364が設けられている。
【0015】
上記支柱33は第3段部363の底面にボルトによって締め付け固定されている。
また、第1ホルダ31と第2ホルダ32間には、バンド10の引き出し,引き込み口を構成する一対のロール軸34,34が設けられている。ロール軸34,34はバンド10が通る程度の隙間を有し、その両端が第1ホルダ31と第2ホルダ32に設けられた穴に固定せずに差し込まれるだけで、回転可能に支持されている。ロール軸34,34の位置は、ロック位置のハンドル71とほぼ直角方向に配置されている。
また、この第3段部363にはバンド軸40に巻き取られるバンド10の端部を支持する回転受け37が装着されている。回転受け37は中央にバンド軸40が通る穴371を備えた円板形状で、穴371の大きさは回転するバンド軸40と干渉しない大きさに設定されている。
【0016】
バンド軸40は内周が異形断面形状の中空軸で、その両端開口部に第1プラグ41と第2プラグ42が固定されている。この実施例ではバンド軸40は四角筒形状であるが、四角形状には限定されず、内周側からトルクが伝達できるような形状であればよい。
バンド軸40に近接して弛み止めシャフト45がバンド軸40と平行に延びており、バンド軸40に挿通されたバンドをバンド軸40の外側面に押さえて弛み止めを図っている。
【0017】
第1プラグ41および第2プラグ42は、ベアリングが装着される回転軸部411,421と、両端開口部に嵌着固定される嵌合部412,422とを備え、回転軸部411,421と嵌合部412,422の間にフランジ部413,423が張り出してバンド軸40の開口端に係合している。一方の第2プラグ42にはシャフト穴424が貫通形成されている。
回転軸部411,421は、第1,第2ホルダ31,32にベアリング43,43を介して回転自在に支持されている。ベアリング43,43は第1,第2ホルダ31,32の端壁35に面する第1段部361に装着される。
【0018】
テンション付与機構50は、図3(A),図4,図6に示すように、バンド軸40の中空内部にバンド軸40と同軸的に相対回転自在に挿入されるシャフト51と、シャフト51に装着されるコイルスプリング52とを備えた構成で、コイルスプリング52のねじり方向の弾発力を利用する構成である。
コイルスプリング52の一端はシャフト51に取り付けられる移動カラー53に固定すると共に、コイルスプリング52の他端は固定カラー54を介してシャフト51に固定される。移動カラー53は、シャフト51に対しては相対回転可能でかつ軸方向に相対移動自在となっており、中空のバンド軸40内周に対しては相対回転不能でかつ軸方向に相対移動自在となっている。また、シャフト51のの端部を装置本体30に対して相対回転不能に係合されている。この例では、コイルスプリング52をバンド巻取り方向と反対側に所定量ねじった状態でシャフト52の端部を装置本体30に対して係合し、巻取り方向のテンションを付与している。
コイルスプリング52は、バンドが引き出されてねじり量が大きくなると軸方向に伸び、バンドが引き込まれてねじり量が小さくなると軸方向に収縮する。このバンドの引き出し量に応じたコイルスプリング52の伸縮を、移動カラー53の移動によって吸収している。
【0019】
移動カラー53はコイルスプリング52の第2端部が嵌着されるスプリング嵌着部531と、バンド軸40内周の隅角部に係合して相対回転を規制する回り止め部532とを備えている。スプリング嵌着部531は円筒形状で端部にはスプリング52の抜け止めを図るための凸部533が突設されている。回り止め部532は、断面四角形状のバンド軸40に合わせて中心部から半径方向外方に向かって延びる突片534を備えている。突片534の先端部は円弧形状に丸められており、バンド軸40内周面との接触摩擦をなるべく小さくしている。バンド軸40内周の4つの隅角部に接触する四つの突片534によってシャフト51をバンド軸40の中心軸上に位置するように支持している。
また、コイルスプリング52の他端は、固定カラー54を介してシャフト51に対して回転方向にも軸方向にも移動不能に固定される。固定カラー54はボルト55によってシャフト51に固定される。
【0020】
一方、シャフト51の一端は、バンド軸40の一端に固定された第2プラグ42及び第2ホルダ32に設けられたシャフト穴321に挿通されて第2ホルダ32のシャフト穴321から外部に露出し、露出したシャフト端部には、回り止めピン56が固定されている。この回り止めピン56は軸方向に対して直交方向に延びており、第2ホルダ32のシャフト穴321の外側の開口部を横切るように形成された溝322に係合離脱自在となっている。
シャフト51の他端は中空のバンド軸40の第1プラグ41の端面近傍まで伸びており、第2プラグ42端面とは所定距離だけ離間している。また、シャフト51の第2端部付近には移動カラー53の抜け止め用のクリップ57が設けられている。
シャフト51,固定カラー54及びコイルスプリング52の片端末は、第2ホルダ32に固定する。一方、バンド軸40、バンド軸40内の移動カラー53及びスプリング片端末、弛み止めシャフト45、第1,第2プラグ41,42、移動カラー53、固定カラー54、以上7部品がバンド軸40と一体回転する。以上の設定により、バンド10を引き出すと、コイルスプリング52がねじれ、逆方向(引き込み方向)のテンションが加わり、バンド10及びバンド軸40を開放すると、コイルスプリング52が元に戻ろうとし、バンド10を引き込む。
【0021】
回転ロック機構60は、主として図4及び図7に示すように、バンド軸40の両端に固定されバンド軸40と共に回転するストッパ部62を備えたストッパ付きカラー61と、装置本体30に支点を介して揺動自在に支持され一端部に前記ストッパ部62と係合可能なロック部64を備えたシーソー構造の爪部材63とを備え、爪部材63を揺動させることによってロック部64がストッパ部62に対して係合,離脱する構成となっている。
ストッパ付きカラー61は、図2乃至図4に示すように、上下の回転受け37,37と第1,第2プラグ41,42のフランジ部413,423の間に装着される。また、このストッパ付きカラー61と回転受け37の間に、円盤状の回転カラー65が介装され、ストッパ付きカラー61が直接回転受け37に接触しないように構成されている。ストッパ付きカラー61及び回転カラー65には四角筒形状のバンド軸40が嵌着される四角形状の穴が設けられ、バンド軸40と一体的に回転する。回転カラー65は回転受け37に設けられた円形の段凹部37aに回転自在に装着されている。
図7中、破線で示すように、ロック部64がストッパ部62から離脱したストッパ付きカラー61開放時は、引き出し,引き込み共に動作可能であり、実線で示すように、ロック部64がストッパ部62に係合したストッパ付きカラー61固定時は、バンド10を任意の長さで固定できる。引き込み方向には、約1回転反転後、ストッパ部62がロック部64の反対面に当接して固定される。
【0022】
爪部材63は、第1ホルダ31の周壁36に設けられた長孔364に、支点を構成する支軸66を中心に所定角度だけ回動自在に取り付けられている。爪部材63は、支軸66に対して一方側に伸びるロック解除爪部631と、他方側に伸びるロック用爪部632とを備えており、ロック用爪部632にストッパ部62に係合可能なロック部64が設けられている。ロック解除爪部631とロック用爪部632は支軸66の部分が谷となるように所定角度屈曲しており、一方の爪部が長孔364内に没入すると他方の爪部が長孔364から外部に突出するようなシーソー構成となっている。
ロック解除爪部631とロック用爪部632の先端部631a,632aは、長孔364の周方向端縁に係合するようになっている。ロック解除爪部631が長孔364に没入して先端部631aが長孔364の孔縁に係合した状態では、ロック用爪部632は長孔364から外部に突出してロック部64が、ストッパ付きカラー61に設けたストッパ部62の回転領域から外側に外れ(図中、点線位置)、ロック用爪部632が長孔364364に没入して先端部632aが長孔364の孔縁に係合した状態では、ロック部64がストッパ部62の回転領域内に入り込み、ロック解除爪部631が長孔364から外側に所定量突出する構成となっている(図中、実線位置)。
ロック解除爪部631とロック用爪部632の外周は円弧形状で、その外径R31,R32はホルダ外径より大径となっている。ロック解除爪部631とロック用爪部632の先端部631a,632aの内周面はホルダ外周面に面接触するように、その内径R31a,R32aはホルダ外径と同一径となっている。また、ロック解除爪部631とロック用爪部632の支軸66側の内周はホルダ内周Rより若干大きい内径R31i,R32iを有する円弧形状に成形されている。
【0023】
ストッパ部62とロック部64との当接部は、バンドの引き出し方向の回転を規制する第1当接部621,641と、第1当接部621,641とは周方向反対側に位置しバンド10の引き込み方向の回転を規制する第2当接部622,642とを有する。
ストッパ部62とロック部64の第1当接部621,641と第2当接部622,642のいずれも、噛み合った際に作用する力のベクトルが半径方向内向きの成分を有する形状となっている。図示例では、第1当接部621,641は直線状で、回転中心を通る中心線に対して、内径側から外径側に向かうにつれてバンドの引き出し方向に位相が進むように所定角度斜めに傾斜している。また、第2当接部622,642は、逆に、回転中心を通る中心線に対して、内径側から外径側に向かうにつれてバンドの引き込み方向に位相が進むように所定角度斜めに傾斜している。
【0024】
上記爪部材63は、切り替え操作機構70のハンドルレバー72の操作により開放,固定に切り替わる。
切り替え操作機構70は、主として図8に示すように、装置本体30に軸方向両端部に回転自在に支持されたハンドルレバー72と、ハンドルレバー72の自由端部に連結されバンド軸40と所定間隔を隔てて配置されるハンドル71とを備え、ハンドル71はロック位置Rとロック開放位置F間を移動する構成となっている。
ロック位置Rにおけるハンドルレバー72によって爪部材63のロック用爪部632を押してロック部64をストッパ部62に係合させ(図8(B)参照)、ロック開放位置Fにて反対側のロック開放用爪部631を押してロック部64をストッパ部62から離脱させる構成となっている(図8(A)参照)。また、本実施例では、ハンドル71がバンド10を折り返す折り返し部材を兼用する構成となっている。
第1ホルダ31及び第2ホルダ32の外端面には円板状のレバー受け75が取り付けられており、このレバー受け75の中央に突出する支軸76にハンドルレバー72が回転自在に取り付けられている。ハンドル71はバンド軸40と平行に伸び、第1,第2ホルダ31,32から所定距離に離れた位置に位置している。
【0025】
ハンドルレバー72は、レバー受け75の支軸76からレバー受け75の外径端付近まで半径方向外方に延びる第1片部721と、この第1片部721から第1ホルダ31の外周側に直角に屈曲する屈曲片部722と、この屈曲片部722の端部から半径方向外方に向かって伸びる第2片部723とを備えており、この第2片部723の外径端部にハンドル71の端部が固定されている。
ハンドル71の長さは、第1,第2ホルダ31,32の回転受け37,37間の間隔とほぼ等しく、バンド71が引っ掛け可能となっている。
ハンドルレバー72の屈曲片部722は、第1ホルダ31,32の周壁部36に取り付けられた爪部材63のロック開放爪部631およびロック用爪部632に選択的に係合して第1ホルダ31の内側に向かって押し込む構成となっている。
また、レバー受け部75には、ロック位置及びロック開放位置で、ハンドルレバー72の第1片部721に係合する一対のストッパピン73,74が設けられ、このストッパピン73,74間をハンドルレバー72が回転する。
【0026】
さらに、この例では、ハンドル71をロック位置R及びロック開放位置Fでばね力によって強制的に保持するためのハンドル位置保持機構90を有している。
ハンドル位置保持機構90は、ロック位置Rとロック開放位置F間に思案点を有する保持レバー91と、保持レバー91と操作レバー72とを連結する引張状態の保持スプリング92とを備えた構成となっている。保持スプリング92の一端はハンドルレバー72の第1片部721に設けられたばね受け部95に引っ掛けられ、他端が保持レバー91に設けられたばね受け部96に引っ掛けられている。
保持レバー91は、その一端がレバー受け75の支軸76に、ハンドルレバー72に重ねて回動自在に支持されており、支軸76の端面に締め込まれる押さえボルト77によって抜け止めが図られている。保持レバー91の回動範囲は一対のロック側およびロック開放側ストッパピン93,94によって規制されている。
【0027】
ロック開放位置Fでは、図8(A)に示すように、保持スプリング92のばね力によってハンドルレバー72および保持レバー91は共にそれぞれの開放側ストッパピン73,94に当接して位置決め保持されている。
【0028】
この状態からハンドル71を手前に引くと、ハンドルレバー72が回転してスプリング受け95も手前のロック位置側に移動する。ロック位置に移動する間に保持スプリング92が徐々に引っ張られ、保持レバー91側のスプリング受け96と支軸76の中心を通る直線上にハンドルレバー72のスプリング受け95が到達し(思案点)、直線を超えた時点で、保持スプリング92のばね力によって、保持レバー91およびハンドルレバー72がロック位置側に付勢され、ロック側ストッパピン74,94に自動的に当接して自己保持される(図8(B))。
この間に、ハンドルレバー72の屈曲片部712によって爪部材63のロック用爪部632が内部に押し込まれ、ロック用爪部632のロック部64片がストッパ付きカラー61のストッパ部62に係合して巻き戻りが規制される。このように、ハンドルレバー72を手前に引くことで、ストッパ付きカラー61の動作は連動してなされる。
【0029】
セイフティロック機構80は、図8,図9に示すように、ロック位置Rにおいて、確実にロック状態を維持するために設けられるもので、ハンドルレバー72の屈曲片721に設けられ、屈曲片721からロックピン82を第1ホルダ31に設けられたセイフティロック穴88に差し込んでロックするようになっている。
すなわち、セイフティロック機構80は、ハンドルレバー72に固定されたロックホルダ81と、ロックホルダ81に抜き差し自在に支持されるロックピン82と、ロックピン82の端部に設けられたロックハンドル83と、ロックピン82の先端部を常時ホルダ側に向かって突出させる方向に付勢するスプリング84とを備えている。
【0030】
ロックホルダ81は、円筒部811と、円筒部811の固定端側に設けられる固定片812とを備えている。ロックピン82は、円筒部811に挿し通される棒状部材で、ロックホルダ81に面する先端部821が先端を丸めた円錐形状に成形され、他端が円筒部811から手前側に突出し、手前側中途部に円筒部811の開口端縁に係合するセットピン85が設けられ、さらに端部にはロックピン82を回転させるためのロックハンドル83が取り付けられている。
セットピン85は円筒部811の開口端に設けられたロック用スリット86および開放用スリット87に選択的に係合する。すなわち、ロック用スリット86は開口端からスリット長さが長く、セットピン85がスリットの奥まで進入した分、ロックピン82の先端部821がホルダ側に突出する。
【0031】
また、ロックホルダ81の円筒部811の内周面はホルダ側が開口側より所定寸法大径となった段付き円筒形状で、大径側の穴内周にスプリング84が装着され、スプリング84の一端が段差部に係合する。一方、ロックピン82の先端部821もスプリング84が介装される軸部よりも大径となっており、スプリング84の他端がロックピン82の先端部821の断差部に係合している。
ロック状態では第1ホルダ31の周壁36上のセイフティロック用穴88にロックピン82を差し込む。
開放状態では、ロックピン82をロックホルダ81内に収納し、ロックハンドル83を引き出して、回転させて開放用スリット87に係止する。
【0032】
次に、図10を参照して、本発明の巻取り装置付きバンドの巻取り装置内にバンドを装
着する装着方法について説明する。
図10(A),(B)に示すように、リング形状としたバンド端末部12をバンド軸40に通し、ゆるみ止めシャフト45を添える。
ゆるみ止めシャフト45によって、図10(B),(C)に示すように、バンド端末部12をバンド軸40との間に挟み込んで固定し、図10(D),(E)に示すように、バンド10をバンド軸40に巻きつける。
【0033】
この状態で、装置本体30に、バンド軸40、ゆるみ止めシャフト45及びバンド10を組み付ける。この時、図10(F)に示すように、バンド10の端末軸13入りのバンド先端部14をロール軸34,34間を通し、外側へ引き出す。
さらに、図10(G)に示すように、シャフト51を第2ホルダ32の端壁321の下面より少し出し、バンド10を引き込む方向へ回転させる。バンド先端部14がロール軸34,34を押すまで回転する。この時点までは抵抗は小さいのでテンション付与機構50のコイルスプリング52のねじり量は小さい。バンド先端部14がロール軸34,34に当接してバンド軸40が回転しなくなった状態から、さらにシャフト45を所定量回転させてコイルスプリング52のねじり量を大きくし、初期状態の引き込みテンションを付与してバンド10の弛みをとる。これにより、バンド先端部14まで収納できるテンションが加わることになる。この状態で、シャフト45下端部をシャフト穴321に押し込み、回り止めピン56を第2ホルダ32の端壁35のシャフト穴321を横切る溝322に係合させてセットが終了する。
巻き取り装置20の第1ホルダ31及び第2ホルダ32の端壁には、図5に示すように、設置箇所に対応して各種取付ブラケットを固定可能の取付ベース部材38が組み付けられている。取付ベース部材38は、図示例では、第1及び第2ホルダ31,32と同一径のカップ形状で、切換え操作機構70及びセイフティロック機構80を覆い隠し、円筒状の周壁部381下端がレバー受け37に密接して、不図示のボルト等の固定具によって強固に固定される。周壁部381には切換え操作機構70のハンドルレバー72の移動を許容するための切欠き382が設けられている。
【0034】
次に、図11を参照して、本実施例の巻取り装置付きバンドの使用方法を説明する。
図11(A)は、巻取り装置20を支柱100に固定して使用する例を示している。図示例では、支柱100の中途部が上下に分断され、上部柱部100aの下端と、下部柱部100bの上端に、装置本体30上下端の取付けベース部材38,38が連結されている。取付けベース部材38と支柱111との連結は溶接等によって固定される。
図11(A)と図11(B)は、バンド10の収納状態(ハンドル71はフリー位置)を示している。
バンド10が巻取り装置20のテンション付与機構50のコイルスプリング52により、引き込みテンションのかかった状態でバンド軸40に巻き付けられている。このとき、バンドル71はロック開放のフリー位置Fにある。
図11(C)は収納状態でバンドを引き出した状態を示している(ハンドル71はフリー位置)。
バンド10はバンド長の続く限り、引き出すことが可能である。
引き出すことを止めれば(ハンドフリー)、テンション付与機構50のコイルスプリング52のばね力により引き込まれる。
【0035】
図11(D)はバンド長固定状態(ハンドル71はロック位置R)を示している。
バンド10を必要長さ引き出した後、ハンドル71をロック位置Rへ移動することにより、バンド長が固定される。
このとき、セイフティロック機構80のロックピン82をロック穴87に押し込んでセイフティロックをする。
図11(E)はバンド長固定状態でバンド先端部14をフリーにした状態を示している(ハンドル71はロック位置R)。
この時、手を離してバンド先端部14をフリー状態にしても、バンド10は引き込まれない。テンショ付与機構50のコイルスプリング52のテンションによって少し戻るが、引き込み方向にすぐロックされる。したがって、バンド10は引き出されたままの長さでロックされている。
【0036】
図11(F)はオートリターン(ハンドル71はフリー位置F)させた状態を示している。
ハンドル71は、ロック位置Rよりフリー位置Fへ移動する。
この時、バンド10はテンション付与機構50のスプリング52により、収納状態に移行し、バンド10は収納される。
以上の手順により、バンド10の長さにかかわらず、バンド10全長より短くてもロックでき、荷物の大小を問わず、バンド掛けができる。また、オートリターンで収納できるので、手間がかからず効率的である。
【0037】
図12及び図13は、本発明の巻取り装置付きバンドの設置例を示している。
図12は、サポータ付きパレットの支柱組込みタイプの設置例である。
サポータ110は、図12(A)に示すように、パレット120の4隅に立設された4本の支柱111,112,113,114と、対角線上に位置する支柱111,113;112,114の上端を連結するX字状に連結するはり部115,116とを備えている。
この例では、図11(A)と同様に、巻取り装置20を一つの支柱111の中途部に予め組み込んだものである。すなわち、上部支柱111aと下部支柱111bの間に巻取り装置20が固定される。図12(A)では、巻取り装置20の詳細構成は省略している。
【0038】
巻取り装置20は、図12(B)に示すように、ロール軸34,34を両隣の支柱112,114のうち一方の支柱112と対向するように、ハンドル71を他方の支柱114と対向するように配置されている。
バンド10の巻き掛け作業は、ハンドル71をロック開放位置とした状態で、バンド10をロール軸34,34の間から引き出し、各支柱112,113,114の外周に巻き掛け、折り返し分を考慮して引き出し長さを決め、ハンドル71をロック位置に切り替えてロックする。ロックしたら、ハンドル71にバンド10の先端部14をくぐらせて折り返すことにより締め付け、折り返し部分を巻き掛けたバンド部分に重ねて面状ファスナ11によって接着固定する。固定した時点で、セイフティロック機構80のロックピン82を押し込んでロックする。
【0039】
少量の荷物の時は、たとえば、図12(C)に示すように、支柱114を外して支柱112,113のみに巻き掛けるというように狭い範囲を固定することができる。
また、図12(D)に示すように、バンド10の先端部14をハンドル71に掛けないで、支柱を利用してバンドの先端部14を接着固定することもできる。図示例では、バンド10を支柱113に掛けて反転させて折り返し、折り返し部裏面をバンド表面に接着固定している。
【0040】
図13(A)は、サポート付きパレットの支柱111に、ブラケット130を介して巻取り装置20を後付けで支柱111に取り付けたものである。
ブラケット130はL形のブラケットで、一方の固定片を取付けベース部材38に、他方の固定片を支柱に取り付けている。図示例では、支柱111に対する固定片を外向きに固定した例であるが、同図(B)に示すように、ブラケット130の各固定片を内向きに配置した構成としてもよい。また、同図(C)に示すようなコ字形状のブラケット140を用いてもよい。
【0041】
図13(D)は、巻取り装置20を、吊り輪付きブラケット150を介してサポータ付きパレットのサポータのはり部115に吊り下げた構成である。図示例の場合、サポータ内側に積まれた荷物の外周にバンドが巻きつけられる。
吊り輪付きブラケット150は、図13(E)に示すように、取り付けベース部材38に固定されるブラケット151に半円形状の吊り輪152が取り付けられたもので、つりバンド153が引っ掛けられている。また、上下の吊り輪付きブラケット150が当て板154によって連結されている。当て板154はL字形状で、荷物の角に当てがうようになっている。
【0042】
図13(F)は、台車160の手押しバー161に設けられた背板162の上端に、引っ掛けた設置例を示している。
巻取り装置20上部の取付ベース部材38に引っ掛け用ブラケット170を取付け、巻取り装置20下部の取付ベース部材38にL形のブラケット130を取り付けたものである。
引っ掛け用ブラケット170は、図13(G)に示すように、取付ベース部材38に固定されたブラケット171に引っ掛け用のU字形状のフック172を一体的に設けたものである
【0043】
図13(H)は、通常パレット180への設置例である
通常パレット180の上面の一側には、L形のブラケット130を介して巻取り装置20が横置きで取り付られ、他側に折り返しバー181が取り付けられている。
バンド10は巻取り装置20から引き出され、荷物の上面を通常パレット180の上面に押さえる構成である。
このように、取り付けブラケットを変化させることで、種々の機器,設備に設置可能であり、設置さえできれば、機器の一部として手軽、簡単に使用でき、作業効率を高めることができる。また、作業の安全、確実さも向上する。
【0044】
図12,図13では、サポーター付きパレット,台車,通常パレットに設置した例を示したが、六輪カートなどの他の流通機器や転倒防止用としても利用することができ、枠、柱、プレート等の巻取り装置取付け箇所を有する機器,設備などであればどこでも設置可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る巻取り装置付きバンドを示すもので、同図(A)は巻取り装置の基本的な構成の斜視図、同図(B)は同図(A)のA−A′線に沿う断面図、同図(C)は同図(A)の巻取り装置にバンドを装着した全体構成の斜視図である。
【図2】図2は図1の巻取り装置の概略分解斜視図である。
【図3】図3(A)は図1(A)の巻取り装置の切替操作機構を取り外した状態の縦断面図、同図(B)は同図(A)の第2ホルダ部分の概略分解斜視図、同図(C)は同図(A)のバンド軸の分解斜視図、同図(D)は同図(A)の第2ホルダを外端面側から見た斜視図、同図(E)は同図(A)の第1ホルダの外端面側から見た斜視図である。
【図4】図4は図3の第2ホルダ部分の一部を破断して内部構造を示す概略斜視図である。
【図5】図5(A)は図1(A)の巻取り装置に取付ベース部材を取り付けた状態の概略斜視図、同図(B)は同図(A)にバンドを装着した全体構成の斜視図である。
【図6】図6はテンション付与機構を示すもので、同図(A)は組立状態の概略斜視図、同図(B)は分解斜視図、同図(C)は可動カラーの斜視図である。
【図7】図7は回転ロック機構の構成を断面にして示す図である。
【図8】図8は切替操作機構を示すもので、同図(A)はロック開放位置に切り替えた状態の概略斜視図、同図(B)はロック位置に切り替えた状態の概略斜視図である。
【図9】図9はセイフティロック機構を示すもので、同図(A)はロック状態の斜視図、同図(B)はロック開放状態の斜視図、同図(C)は同図(A)の縦断面図である。
【図10】図10(A)乃至(G)は巻取り装置にバンドを装着する手順を示す説明図である。
【図11】図11(A)は本発明の巻取り装置付きバンドの取付例を示し、同図(B)乃至(F)はバンドの使用方法の説明図である。
【図12】図12は本発明の巻取り装置付きバンドをサポート付きパレットに設置した例で、同図(A)は全体斜視図、同図(B)乃至(D)はバンド締め付け例を示す図である。
【図13】図13は本発明の巻取り装置付きバンドの他の取付例を示すもので、同図(A)は図12のサポート付きパレットに巻取り装置を取付ブラケットによって後付けする例を示す部分斜視図、同図(B),(C)は同図(A)の取付ブラケットの他の例を示す斜視図、同図(D)は本発明の巻取り装置付きバンドをサポート付きパレットのサポート部材に吊り下げた取付例を示す全体斜視図、同図(E)は同図(D)の吊り下げ用の取付ブラケットを示す斜視図、同図(F)は本発明の巻取り装置付きバンドを台車の手押し部に引っ掛けた取付例を示す斜視図、同図(G)は同図(F)の引っ掛け用のブラケットの斜視図、同図(H)は本発明の巻取り装置付きバンドをパレット自体に取り付けた設置例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 巻取り装置付きバンド
10 バンド
11 面状ファスナ
20 巻取り装置
30 装置本体
31 第1ホルダ
32 第2ホルダ
33 支柱
35 端壁
36 周壁部
361 第1段部
362 第2段部
363 第3段部
364 長孔
37 回転受け
371 穴
38 取り付けベース部材
40 バンド軸
41 第1プラグ
411 回転軸部
412 嵌着部
413 フランジ部
42 第2プラグ
421 回転軸部
422 嵌着部
423 フランジ部
424 シャフト穴
45 弛み止めシャフト
50 テンション付与機構
51 シャフト
52 コイルスプリング
53 移動カラー
531 スプリング嵌着部
532 回り止め部
533 凸部
534 突片
54 固定カラー
55 ボルト
56 回り止めピン
57 クリップ
60 回転ロック機構
61 ストッパ付きカラー
62 ストッパ部
63 爪部材
631 ロック開放爪部
631a 係合凸部
632 ロック用爪部
632a 係合凸部
64 ロック部
65 回転カラー
66 支軸
70 切り替え操作機構
71 ハンドル
711 第1片部
712 屈曲片部
713 第2片部
72 ハンドルレバー
75 レバー受け
76 支軸
80 セイフティロック機構
81 ロックホルダ
811 円筒部、812 固定片
82 ロックピン
821 ピン先端部
83 ロックハンドル
84 スプリング
85 セットピン
86 ロック用スリット
87 開放用スリット
90 ハンドル位置保持機構
91 保持レバー
92 保持スプリング
93 ロック側ストッパピン
94 ロック開放側ストッパピン






【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンドと、該バンドを引き出し,引き込み自在に収納する巻取り装置とを備えた巻取り装置付きバンドであって、
前記巻取り装置は、
バンドの一端が固定され巻取り装置本体に回転自在に支持されたバンド軸と、
該バンド軸に対してバンドを常時引き込む方向にテンションを加えるテンション付与手段と、
バンドの任意の引き出し位置でバンドが引き出し方向にも引き込み方向にも動かないようにバンド軸の回転を規制する回転ロック手段と、
該回転ロック手段をロック状態とロック開放状態に選択的に切り替える切り替え操作手段と、
引き出したバンドの先端部を引っ掛けて折り返し可能とする折り返し部材とを備え、
一方、前記バンドには、折り返した部分が重なる部分を着脱自在に固定することを可能とする固定手段が設けられていることを特徴とする巻取り装置付きバンド。
【請求項2】
前記切り替え操作手段を、前記回転ロック手段がロック状態にて切り替え操作不能に固定するセイフティロック手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の巻取り装置付きバンド。
【請求項3】
バンド軸は異形断面形状の中空軸で、
テンション付与手段は、前記バンド軸の中空内部に挿入されるシャフトと、該シャフトに装着されるスプリングとを備え、
前記スプリングの一端をシャフトに取り付けられる移動カラーに固定すると共に、前記スプリングの他端をシャフトに固定し、
前記移動カラーは、シャフトに対しては相対回転可能でかつ軸方向に相対移動自在とし、中空のバンド軸内周に対しては相対回転不能でかつ軸方向に相対移動自在とし、
前記シャフトの端部を装置本体に対して相対回転不能に係合したことを特徴とする請求項1に記載の巻取り装置付きバンド。
【請求項4】
回転ロック手段は、バンド軸に固定されバンド軸と共に回転するストッパ部を備えたストッパ付きカラーと、装置本体に支点を介して揺動自在に支持され一端部に前記ストッパ部と係合可能なロック部を備えたシーソー構造の爪部材とを備え、爪部材を揺動させることによってロック部をストッパ部に対して係合,離脱する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の巻取り装置付きバンド。
【請求項5】
切り替え操作手段は、装置本体の軸方向両端部に回転自在に支持されるハンドルレバーと、該ハンドルレバーの自由端部に連結されバンド軸と所定間隔を隔てて配置されるハンドルとを備え、
ハンドルはロック位置とロック開放位置間を移動自在となっており、ロック位置におけるハンドルレバーによって爪部材の支点を隔ててロック部側の端部を押してロック部をストッパ部に係合させ、ロック開放位置にて爪部材の支点を隔ててロック部と反対側の端部を押してロック部をストッパ部から離脱させる構成となっている請求項4に記載の巻取り装置付きバンド。
【請求項6】
前記ハンドルが折り返し部材となっている請求項5に記載の巻取り装置付きバンド。
【請求項7】
ストッパ部とロック部の当接面は、噛み合った際に作用する力が半径方向内向きのベクトル成分を有する形状となっている請求項5に記載に巻取り装置付きバンド。
【請求項8】
切り替え操作手段のハンドルをロック位置及びロック開放位置に強制的に保持するためのハンドル位置保持手段を有し、該ハンドル位置保持手段は、ロック位置とロック開放位置間に思案点を有する保持レバーと、該保持レバーと前記切り替え操作手段のハンドルレバーとの間に装着される引張状態のスプリングとを備えた構成となっている請求項5に記載の巻取り装置付きバンド。
【請求項9】
装置本体は、巻取り軸の両端を挟むように配置される一対のホルダを備えた構成で、前記回転ロック手段及び切り替え操作手段は各ホルダそれぞれに設けられている請求項1乃至8のいずれかの項に記載の巻取り装置付きバンド。
【請求項10】
装置本体には、各種取付ブラケットを固定するための取付ベース部材が設けられている請求項1乃至9に記載の巻取り装置付きバンド。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2007−204121(P2007−204121A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25684(P2006−25684)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(504345148)株式会社ゼロテクノス (9)
【出願人】(502022896)株式会社エコシステム (4)
【Fターム(参考)】