巻筒体収納箱の蓋カバー
【課題】蓋カバーによる巻筒体収納箱の蓋の開閉を容易にし、なおかつ多数回蓋を開閉しても蓋カバーが巻筒体収納箱の蓋から外れることを防止する。
【解決手段】蓋カバー1は、蓋102の上面部103を覆う上板10と、蓋102の前面部104を覆う前板11と、蓋102の両側の側面部105を覆う一対の側板12と、を有している。各側板12には、当該側板12から内側に突出し、蓋102の側面部105の下端面に係止可能な係止部22が設けられている。前板11には、前方に突出し、なおかつ左右方向Xに延びる突条部21が形成されている。
【解決手段】蓋カバー1は、蓋102の上面部103を覆う上板10と、蓋102の前面部104を覆う前板11と、蓋102の両側の側面部105を覆う一対の側板12と、を有している。各側板12には、当該側板12から内側に突出し、蓋102の側面部105の下端面に係止可能な係止部22が設けられている。前板11には、前方に突出し、なおかつ左右方向Xに延びる突条部21が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品包装用のラップフィルムやアルミホイル、クッキングペーパーなどのフィルムが巻かれた巻筒体を収納する巻筒体収納箱の蓋カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
食品包装用のラップフィルムやアルミホイル、クッキングペーパーなどのフィルムは、筒状の巻筒体に巻かれた状態で、紙製の巻筒体収納箱に収納されて使用されている(特許文献1参照)。図10に示すように巻筒体収納箱100は、通常全体が直方体形状に形成され、上面が開口した直方体状の容器101と、当該容器101の開口上面を塞ぐ蓋102を有している。蓋102は、上面部103、前面部104、及び長手方向の両側の側面部105を有し、上面部103の後方端辺103aが容器101に連結されている。蓋102は、後方端辺103aを軸に回動し、容器101の開口上面を開閉できる。前面部104の下端部には、フィルムを切断する切断刃106が設けられている。
【0003】
巻筒体収納箱100のフィルムを使用する際には、蓋102を開けて巻筒体107のフィルム108を必要量引き出し、蓋102を閉じ、フィルム108に張力をかけた状態で、前面部104の切断刃106によってフィルム108を所望の長さに切断する。
【0004】
ところで、巻筒体107には、フィルム108が例えば5m〜50m程度巻かれているため、フィルム108を使い終わるまでに通常はフィルム108の切断が多数回行われる。このため、フィルム108の切断の度に荷重がかかる蓋102の前面部104や上面部103が変形することがある。特に巻筒体収納箱100は、台所などの湿気の多いところで使用されることが多いため、水分を吸って変形しやすい。切断刃106のある蓋102が変形すると、フィルム108の切断が適正に行われず、フィルム108が裂けたりすることがある。また、巻筒体収納箱100に指が引っ掛かかりにくくいため、蓋102の開閉がし難く、蓋102を確実に開けずにフィルム108を引き出すことで切断刃106と接触し、フィルム108が裂けたり、蓋102を確実に閉めずにフィルム108を切断することでフィルム108が巻筒体107に巻き戻ったりすることがあり、使い難くなる。
【0005】
そこで、巻筒体収納箱の蓋の変形を防止すべく、蓋を覆う蓋補強カバーが提案されている(特許文献2参照)。この蓋補強カバーは、巻筒体収納箱の蓋の表面に取り付けられ、蓋補強カバーを持って回動することにより、蓋が開閉される。この開閉の際、蓋補強カバーが巻筒体収納箱の蓋を保持している必要があるが、この保持は、蓋補強カバーの側面に舌状弾性体を形成し、この舌状弾性体をその内側の蓋の側面部に押し付けることによって行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−160141号公報
【特許文献2】特開2004−352356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のように蓋補強カバーの舌状弾性体を蓋の側面部に押し付けて保持すると、蓋の側面部も内側の容器の側面部に押し付けられ、蓋の側面部が舌状弾性体と容器の側面部との間に挟まれて、蓋が開き難くなる。また、多数回の蓋の開閉により、舌状弾性体の押し付け力が徐々に弱くなり、蓋補強カバーが蓋から外れる恐れもある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、巻筒体収納箱の蓋の開閉を容易にし、なおかつ多数回開閉しても巻筒体収納箱の蓋から外れることを防止できる、巻筒体収納箱の蓋カバーを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明は、フィルムが巻かれている巻筒体を収納する巻筒体収納箱の蓋に着脱可能な蓋カバーであって、前記蓋の上面部を覆う上板と、前記蓋の前面部を覆う前板と、前記蓋の両側の側面部を覆う一対の側板と、を有し、前記各側板には、当該側板から内側に突出し、前記蓋の側面部の下端面に係止可能な係止部が設けられている。
【0010】
本発明によれば、蓋カバーの各側板の係止部を、蓋の側面部の下端面に係止することにより、蓋が蓋カバーに保持されるので、従来のように蓋の側面部が内側に押し付けられることがなく、蓋の開き易さを向上できる。また、多数回蓋が開閉されても蓋カバーが蓋から外れることを防止できる。
【0011】
前記前板には、前方に突出し、左右方向に延びる突条部が形成されていてもよい。かかる場合、例えば親指を突条部に引っ掛けて蓋カバーを回動できるので、より小さな力で簡単に蓋を開閉できる。
【0012】
前記突条部は、中央が凹んでいてもよい。かかる場合、例えば親指を突条部に引っ掛け易くなり、より簡単に蓋を開閉できる。
【0013】
前記係止部は、前記側板の前後方向に沿って形成された水平上面を有していてもよい。かかる場合、係止部が蓋の側面部の水平の下端面に好適に係止される。
【0014】
前記前板の下端部には、フィルムを切断する切断刃が形成されていてもよい。かかる場合、蓋カバーを、切断刃が取り付けられていない簡易的な巻筒体収納箱にも使用できる。
【0015】
前記切断刃は、前記前板の下端部の裏面に凹凸を形成することによって形成されていてもよい。かかる場合、例えば使用時に指が切断刃に触れることを抑制できる。また、指が切断刃に触れても怪我をすることを抑制できる。
【0016】
前記前板には、蓋の切断刃を覆う刃カバーが設けられていてもよい。かかる場合、例えば使用時に指が蓋の切断刃に触れることを防止できる。
【0017】
前記各側板は、前記係止部より下方向に延長されていてもよい。かかる場合、巻筒体収納箱を安定して縦置き(側板を下にして立てた状態で置く)することができる。また、該各側板は、前記巻筒体収納箱の底面より下方向に延長されていてもよく、かかる場合、縦置きがより安定するとともに、横置き(上板を上にして横にした状態で置く)にした場合、巻筒体収納箱の底面が空中に浮いた状態になり、電子レンジの上などの高温になる場所に置いた場合にも内部のフィルムに熱が加わりにくく、フィルムの変質を抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、蓋カバーによる巻筒体収納箱の蓋の開閉を容易にし、なおかつ多数回蓋を開閉しても巻筒体収納箱の蓋から蓋カバーが外れることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態にかかる蓋カバーが巻筒体収納箱に装着された状態の斜視図である。
【図2】蓋カバーが巻筒体収納箱に装着される前の状態の斜視図である。
【図3】蓋カバーの後面図である。
【図4】蓋カバーの側板周辺の縦断面図である。
【図5】蓋カバーにより巻筒体収納箱の蓋を開放した状態を示す斜視図である。
【図6】切断刃を有する蓋カバーを示す前面図である。
【図7】前板の裏面に切断刃を有する蓋カバーを示す前面図である。
【図8】蓋カバーの前板の切断刃の凹凸を示す縦断面図である。
【図9】刃カバーを有する蓋カバーを示す斜視図である。
【図10】巻筒体収納箱の斜視図である。
【図11】係止部よりも下方に延長した側板を有する蓋カバーが巻筒体収納箱に装着された状態を示す蓋カバーの前面図である。
【図12】側板を延長した蓋カバーが装着された巻筒体収納箱を縦置きにした状態を示す説明図である。
【図13】筒巻体収納箱の底面より延長した側板を有する蓋カバーが巻筒体収納箱に装着された状態を示す蓋カバーの前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、巻筒体収納箱100に蓋カバー1が装着された状態を示す斜視図である。図2は、巻筒体収納箱100に蓋カバー1が装着される前の状態を示す斜視図である。
【0021】
蓋カバー1は、例えば図1及び図2に示すように巻筒体収納箱100の蓋102に着脱自在である。蓋カバー1は、蓋102の上面部103を覆う略長方形状の上板10と、蓋102の前面部104を覆う略長方形状の前板11と、蓋102の両側の側面部105を覆う方形の一対の側板12を有している。図3に示すように蓋カバー1の後面側と底面側は開口している。
【0022】
図1及び図2に示すように上板10の後方端辺10aの長手方向(左右方向X)の中央には、円弧状の切り欠き20を形成してもよい。前板11は、蓋102の切断刃106が露出するように蓋102の前面部104よりも上下方向の長さが短く形成されている。前板11の左右方向Xの中央には、前方に突出し、なおかつ左右方向Xに延びる突条部21が形成されている。突条部21は、平面から見て波型状に形成され、左右方向Xの中央に凹み21aが形成されている。なお、この突条部21は、前板1の中央部のみに形成されていても左右方向X全体に形成されていてもよい。突条部21の突出長さは、例えば20mm以下が好ましい。また、突条部21の形状は、平面から見て円弧状、四角状等など他の形状でもよいが、波型状の場合は指への引っ掛かりが良く、力を加えやすいことから、蓋102の開閉をスムーズに行うことができ、より好ましい。
【0023】
図3に示すように各側板12の下端部には、内側に突出する係止部22が形成されている。係止部22は、例えば側板12の下端部から内側に側板12に対し直角に突出し、その上面には、水平上面22aが形成されている。側板12と係止部22とでL字型を形成している。蓋カバー1が蓋102に装着された際、図4に示すように水平上面22a上に蓋102の側面部105が配置される。これにより、係止部22が蓋102の側面部105の下端面に係止され、蓋カバー1が上方に回動されると、係止部22が蓋102の側面部105の下端面に引っ掛かり、側面部105を持ち上げて蓋102が開放される。
【0024】
蓋カバー1は、巻筒体収納箱100よりも強度が高いものを用いて成型されている。蓋カバー1は、例えば適切な剛性と弾性を有する例えばプラスティック、アルミニウムなどを用いて成型される。プラスティックでは、例えばABS、ポリスチレン、PC、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン樹脂等が用いられ、その中でも剛性の高い樹脂であるABS、ポリスチレン、PC、アクリル樹脂等がより好ましく、公知の抗菌剤を添加しても良い。また、蓋カバー1は、着色や印刷によって意匠性を持たせても、透明であってもよい。透明の場合蓋カバー1を装着した状態であっても巻筒体収納箱100の表面の文字や絵が確認できる。
【0025】
次に、以上のように構成された蓋カバー1の使用方法の一例について説明する。先ず、図2に示すように蓋カバー1が巻筒体収納箱100の前方側に配置され、蓋102の側面部105の下端面の下側に蓋カバー1の係止部22が入るように、蓋カバー1が蓋102に前方側から挿入されて装着される。これにより、図1に示すように蓋102の上面部103、前面部104及び側面部105が蓋カバー1により覆われた状態となる。また、蓋102は、係止部22により蓋カバー1に係止されている。
【0026】
次に、親指を突条部21に引っ掛け手の平が切り欠き20近辺に位置するように蓋カバー1が握られ、図5に示すように蓋カバー1を回動させて蓋102が開けられる。続いて、巻筒体収納箱100内のフィルム108が所定量引き出される。次に、蓋カバー1により蓋102が閉じられ、フィルム108に張力をかけた状態で、切断刃106によってフィルム108が所定の長さに切断される。
【0027】
このフィルム108の切断が多数回行われ、フィルム108が巻筒体107から無くなると、蓋カバー1が蓋102から取り外される。この際、装着時と逆方向に、蓋102の側面部105の下端面の下側から蓋カバー1の係止部22が抜けるように、蓋カバー1が蓋102の前方側に引き出されて取り外される。そして、蓋カバー1が新しいフィルム108の入った次の巻筒体収納箱100の蓋102に取り付けられる。
【0028】
以上の実施の形態によれば、蓋カバー1の各側板12の係止部22を、蓋102の側面部105の下端面に係止することにより、蓋102が蓋カバー1に保持されるので、従来のように蓋の側面部に押し付けられることがなく、蓋102の開き易さを向上できる。また、多数回蓋102が開閉されても蓋カバー1が蓋102から外れることを防止できる。
【0029】
前板11には、前方に突出し、左右方向Xに延びる突条部21が形成されているので、例えば親指を突条部21に引っ掛けて蓋カバー1を回動できる。このため、より小さな力で簡単に蓋102を開閉できる。
【0030】
突条部21は、中央が凹んでいるので、例えば親指を突条部21に引っ掛け易くなる。また、親指が突条部21の中央に誘導されるので、蓋カバー1の中央を持って蓋カバー1の回動を行うことができる。よって、より小さな力で簡単に蓋102を開閉できる。
【0031】
係止部22は、側板12の前後方向に沿って形成された水平上面22aを有しているので、係止部22が蓋102の側面部105の水平の下端面に好適に係止される。また、蓋カバー1を水平方向にスライドさせ、係止部22の水平上面22aを蓋102の側面部105の下端面の下に出し入れすることにより、蓋カバー1の蓋102に対する着脱を好適に行うことができる。
【0032】
以上の実施の形態で記載した蓋カバー1において、図6に示すように前板11の下端部にフィルム108を切断する切断刃30が形成されていてもよい。かかる場合、前板11は、蓋102の前面部104の下端部よりも長く形成され、フィルム108を蓋カバー1の切断刃30により切断できるようにする。この例によれば、蓋カバー1を、切断刃が取り付けられていない簡易的な巻筒体収納箱にも使用することができる。
【0033】
また、蓋カバー1の切断刃30は、金属製の切断刃を取り付けても、図7及び図8に示すように前板11の下端部の裏面11aに凹凸30aを形成することによって形成されていてもよい。凹凸30aは、前板11の裏面11aの下端部に直線的に連続的に形成される。かかる場合、切断刃30が裏面11aにあるので、使用時に指が切断刃30に触れることを抑制できる。また、切断刃30が凹凸30aであるので、指が触れても怪我をすることを抑制できる。
【0034】
以上の実施の形態で記載した蓋カバー1において、図9に示すように前板11に、蓋102の切断刃106を覆う刃カバー40が設けられていてもよい。この刃カバー40には、例えば可撓性のある柔軟なシート状のものが用いられ、前板11の下端部付近に取り付けられている。通常時には切断刃106を覆い、フィルム10の切断時にはフィルム108の引き出し角度に応じて曲がる。この例によれば、使用時に指が蓋102の切断刃106に触れることを防止できる。なお、この刃カバー40は、シート状のものに限られず、他の構成のものであってもよい。例えば前板11の下端部側を伸ばして、途中にヒンジ部を設けて屈曲可能にし、その屈曲部分を刃カバーとしてもよいし、前板11の下端部付近を屈曲可能な薄さに成型して、その屈曲部分を刃カバーとしてもよい。
【0035】
また、図11に示すように各側板12の下端部23を係止部22よりも下方向に延長して側板12を大きくしてもよい。かかる場合、蓋カバー1を装着した際の巻筒体収納箱100の側面側の段差が無くなり、図12に示すように筒状体収納箱100を安定して縦置きすることができる。これにより、キッチンの場所を取らず、狭い場所にも収納が可能になる。なお、この例では、側板12の下端部23と巻筒体収納箱100の底面110が同じ位置になるようにしている。
【0036】
また、図13に示すように各側板12の下端部23を巻筒体収納箱100の底面110よりも突出させるようにしてもよい。かかる場合、蓋カバー1を装着した巻筒体収納箱100の縦置きがより安定するとともに、横置きにした場合、巻筒体収納箱100の底面110が空中に浮いた状態になることで、電子レンジの上など高温な場所に置いた場合にも内部の巻筒体107に熱が加わりにくく、フィルムの変質を抑制できる。特に巻筒体収納箱100がラップフィルム収納箱の場合、内部のラップフィルムに熱が加わりにくくなることで、熱によるラップフィルムの引出力の上昇を抑制できる。
【0037】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0038】
例えば以上の実施の形態で記載した前板11の下端部の縁形状は、直線切り用又は中央切り用のいずれの切断刃形状にも対応できるように、直線型、アーチ型(上に凸形状)、V字型(下に凸形状)でもよく、その他切断刃の形状に合わせて成型されていてもよい。
【0039】
また、係止部22の形状は、上記実施の形態のように水平板状に突出した形でなくてもよく、例えば水平に突出した後上方に湾曲、又は屈曲する形など他の形状であってもよい。本発明は、ラップフィルム、アルミホイル、クッキングペーパーに限られず、その他のフィルムが巻かれた巻筒体を収納する巻筒体収納箱の蓋カバーにも適用できる。
【実施例】
【0040】
実施例及び比較例における測定方法及び評価方法は下記の通りである。
〈引出力〉
引出力は引出性の指標であり、数値が低いほど軽い力でフィルムを引き出すことができる。引出力は以下の方法により測定される。フィルム幅30cmに調整した紙管巻きラップフィルムをごくわずかな力で容易に回転するロール状治具にセットし、フィルムの端を引張試験機のロードセルに直結する幅330mmの治具に固定する。次いで、1000mm/分の速度でフィルムを引き出した際に発生する応力の最大値を測定する。測定は23℃−50%の恒温恒湿下で行われる。この測定は10回行い、その平均値を採用する。評価基準を次のようにした。
○:100cN未満
×:100cN以上
【0041】
実施例.1
サランラップ(旭化成ホームプロダクツ株式会社製:30cm幅×20m巻き)の巻筒体収納箱に、図13に示す側板12の下端部23までの長さYが50mmの蓋カバー1を装着し、100℃に温調した熱板の上に、側板12の下端部23が接触し巻筒体収納箱100の底面110が接触しないようにのせ、30分間放置後、中のラップを取り出し、23℃−50%の恒温恒湿下に30分放置したのち、引出力を測定した。引出力は50cNと軽く引き出すことができた。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、蓋カバーによる巻筒体収納箱の蓋の開閉を容易にし、なおかつ多数回蓋を開閉しても蓋カバーが巻筒体収納箱の蓋から外れることを防止する際に有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 蓋カバー
10 上板
11 前板
12 側板
21 突条部
22 係止部
100 巻筒体収納箱
101 容器
102 蓋
103 上面部
104 前面部
105 側面部
106 切断刃
107 巻筒体
108 フィルム
X 左右方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品包装用のラップフィルムやアルミホイル、クッキングペーパーなどのフィルムが巻かれた巻筒体を収納する巻筒体収納箱の蓋カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
食品包装用のラップフィルムやアルミホイル、クッキングペーパーなどのフィルムは、筒状の巻筒体に巻かれた状態で、紙製の巻筒体収納箱に収納されて使用されている(特許文献1参照)。図10に示すように巻筒体収納箱100は、通常全体が直方体形状に形成され、上面が開口した直方体状の容器101と、当該容器101の開口上面を塞ぐ蓋102を有している。蓋102は、上面部103、前面部104、及び長手方向の両側の側面部105を有し、上面部103の後方端辺103aが容器101に連結されている。蓋102は、後方端辺103aを軸に回動し、容器101の開口上面を開閉できる。前面部104の下端部には、フィルムを切断する切断刃106が設けられている。
【0003】
巻筒体収納箱100のフィルムを使用する際には、蓋102を開けて巻筒体107のフィルム108を必要量引き出し、蓋102を閉じ、フィルム108に張力をかけた状態で、前面部104の切断刃106によってフィルム108を所望の長さに切断する。
【0004】
ところで、巻筒体107には、フィルム108が例えば5m〜50m程度巻かれているため、フィルム108を使い終わるまでに通常はフィルム108の切断が多数回行われる。このため、フィルム108の切断の度に荷重がかかる蓋102の前面部104や上面部103が変形することがある。特に巻筒体収納箱100は、台所などの湿気の多いところで使用されることが多いため、水分を吸って変形しやすい。切断刃106のある蓋102が変形すると、フィルム108の切断が適正に行われず、フィルム108が裂けたりすることがある。また、巻筒体収納箱100に指が引っ掛かかりにくくいため、蓋102の開閉がし難く、蓋102を確実に開けずにフィルム108を引き出すことで切断刃106と接触し、フィルム108が裂けたり、蓋102を確実に閉めずにフィルム108を切断することでフィルム108が巻筒体107に巻き戻ったりすることがあり、使い難くなる。
【0005】
そこで、巻筒体収納箱の蓋の変形を防止すべく、蓋を覆う蓋補強カバーが提案されている(特許文献2参照)。この蓋補強カバーは、巻筒体収納箱の蓋の表面に取り付けられ、蓋補強カバーを持って回動することにより、蓋が開閉される。この開閉の際、蓋補強カバーが巻筒体収納箱の蓋を保持している必要があるが、この保持は、蓋補強カバーの側面に舌状弾性体を形成し、この舌状弾性体をその内側の蓋の側面部に押し付けることによって行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−160141号公報
【特許文献2】特開2004−352356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のように蓋補強カバーの舌状弾性体を蓋の側面部に押し付けて保持すると、蓋の側面部も内側の容器の側面部に押し付けられ、蓋の側面部が舌状弾性体と容器の側面部との間に挟まれて、蓋が開き難くなる。また、多数回の蓋の開閉により、舌状弾性体の押し付け力が徐々に弱くなり、蓋補強カバーが蓋から外れる恐れもある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、巻筒体収納箱の蓋の開閉を容易にし、なおかつ多数回開閉しても巻筒体収納箱の蓋から外れることを防止できる、巻筒体収納箱の蓋カバーを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明は、フィルムが巻かれている巻筒体を収納する巻筒体収納箱の蓋に着脱可能な蓋カバーであって、前記蓋の上面部を覆う上板と、前記蓋の前面部を覆う前板と、前記蓋の両側の側面部を覆う一対の側板と、を有し、前記各側板には、当該側板から内側に突出し、前記蓋の側面部の下端面に係止可能な係止部が設けられている。
【0010】
本発明によれば、蓋カバーの各側板の係止部を、蓋の側面部の下端面に係止することにより、蓋が蓋カバーに保持されるので、従来のように蓋の側面部が内側に押し付けられることがなく、蓋の開き易さを向上できる。また、多数回蓋が開閉されても蓋カバーが蓋から外れることを防止できる。
【0011】
前記前板には、前方に突出し、左右方向に延びる突条部が形成されていてもよい。かかる場合、例えば親指を突条部に引っ掛けて蓋カバーを回動できるので、より小さな力で簡単に蓋を開閉できる。
【0012】
前記突条部は、中央が凹んでいてもよい。かかる場合、例えば親指を突条部に引っ掛け易くなり、より簡単に蓋を開閉できる。
【0013】
前記係止部は、前記側板の前後方向に沿って形成された水平上面を有していてもよい。かかる場合、係止部が蓋の側面部の水平の下端面に好適に係止される。
【0014】
前記前板の下端部には、フィルムを切断する切断刃が形成されていてもよい。かかる場合、蓋カバーを、切断刃が取り付けられていない簡易的な巻筒体収納箱にも使用できる。
【0015】
前記切断刃は、前記前板の下端部の裏面に凹凸を形成することによって形成されていてもよい。かかる場合、例えば使用時に指が切断刃に触れることを抑制できる。また、指が切断刃に触れても怪我をすることを抑制できる。
【0016】
前記前板には、蓋の切断刃を覆う刃カバーが設けられていてもよい。かかる場合、例えば使用時に指が蓋の切断刃に触れることを防止できる。
【0017】
前記各側板は、前記係止部より下方向に延長されていてもよい。かかる場合、巻筒体収納箱を安定して縦置き(側板を下にして立てた状態で置く)することができる。また、該各側板は、前記巻筒体収納箱の底面より下方向に延長されていてもよく、かかる場合、縦置きがより安定するとともに、横置き(上板を上にして横にした状態で置く)にした場合、巻筒体収納箱の底面が空中に浮いた状態になり、電子レンジの上などの高温になる場所に置いた場合にも内部のフィルムに熱が加わりにくく、フィルムの変質を抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、蓋カバーによる巻筒体収納箱の蓋の開閉を容易にし、なおかつ多数回蓋を開閉しても巻筒体収納箱の蓋から蓋カバーが外れることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態にかかる蓋カバーが巻筒体収納箱に装着された状態の斜視図である。
【図2】蓋カバーが巻筒体収納箱に装着される前の状態の斜視図である。
【図3】蓋カバーの後面図である。
【図4】蓋カバーの側板周辺の縦断面図である。
【図5】蓋カバーにより巻筒体収納箱の蓋を開放した状態を示す斜視図である。
【図6】切断刃を有する蓋カバーを示す前面図である。
【図7】前板の裏面に切断刃を有する蓋カバーを示す前面図である。
【図8】蓋カバーの前板の切断刃の凹凸を示す縦断面図である。
【図9】刃カバーを有する蓋カバーを示す斜視図である。
【図10】巻筒体収納箱の斜視図である。
【図11】係止部よりも下方に延長した側板を有する蓋カバーが巻筒体収納箱に装着された状態を示す蓋カバーの前面図である。
【図12】側板を延長した蓋カバーが装着された巻筒体収納箱を縦置きにした状態を示す説明図である。
【図13】筒巻体収納箱の底面より延長した側板を有する蓋カバーが巻筒体収納箱に装着された状態を示す蓋カバーの前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、巻筒体収納箱100に蓋カバー1が装着された状態を示す斜視図である。図2は、巻筒体収納箱100に蓋カバー1が装着される前の状態を示す斜視図である。
【0021】
蓋カバー1は、例えば図1及び図2に示すように巻筒体収納箱100の蓋102に着脱自在である。蓋カバー1は、蓋102の上面部103を覆う略長方形状の上板10と、蓋102の前面部104を覆う略長方形状の前板11と、蓋102の両側の側面部105を覆う方形の一対の側板12を有している。図3に示すように蓋カバー1の後面側と底面側は開口している。
【0022】
図1及び図2に示すように上板10の後方端辺10aの長手方向(左右方向X)の中央には、円弧状の切り欠き20を形成してもよい。前板11は、蓋102の切断刃106が露出するように蓋102の前面部104よりも上下方向の長さが短く形成されている。前板11の左右方向Xの中央には、前方に突出し、なおかつ左右方向Xに延びる突条部21が形成されている。突条部21は、平面から見て波型状に形成され、左右方向Xの中央に凹み21aが形成されている。なお、この突条部21は、前板1の中央部のみに形成されていても左右方向X全体に形成されていてもよい。突条部21の突出長さは、例えば20mm以下が好ましい。また、突条部21の形状は、平面から見て円弧状、四角状等など他の形状でもよいが、波型状の場合は指への引っ掛かりが良く、力を加えやすいことから、蓋102の開閉をスムーズに行うことができ、より好ましい。
【0023】
図3に示すように各側板12の下端部には、内側に突出する係止部22が形成されている。係止部22は、例えば側板12の下端部から内側に側板12に対し直角に突出し、その上面には、水平上面22aが形成されている。側板12と係止部22とでL字型を形成している。蓋カバー1が蓋102に装着された際、図4に示すように水平上面22a上に蓋102の側面部105が配置される。これにより、係止部22が蓋102の側面部105の下端面に係止され、蓋カバー1が上方に回動されると、係止部22が蓋102の側面部105の下端面に引っ掛かり、側面部105を持ち上げて蓋102が開放される。
【0024】
蓋カバー1は、巻筒体収納箱100よりも強度が高いものを用いて成型されている。蓋カバー1は、例えば適切な剛性と弾性を有する例えばプラスティック、アルミニウムなどを用いて成型される。プラスティックでは、例えばABS、ポリスチレン、PC、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン樹脂等が用いられ、その中でも剛性の高い樹脂であるABS、ポリスチレン、PC、アクリル樹脂等がより好ましく、公知の抗菌剤を添加しても良い。また、蓋カバー1は、着色や印刷によって意匠性を持たせても、透明であってもよい。透明の場合蓋カバー1を装着した状態であっても巻筒体収納箱100の表面の文字や絵が確認できる。
【0025】
次に、以上のように構成された蓋カバー1の使用方法の一例について説明する。先ず、図2に示すように蓋カバー1が巻筒体収納箱100の前方側に配置され、蓋102の側面部105の下端面の下側に蓋カバー1の係止部22が入るように、蓋カバー1が蓋102に前方側から挿入されて装着される。これにより、図1に示すように蓋102の上面部103、前面部104及び側面部105が蓋カバー1により覆われた状態となる。また、蓋102は、係止部22により蓋カバー1に係止されている。
【0026】
次に、親指を突条部21に引っ掛け手の平が切り欠き20近辺に位置するように蓋カバー1が握られ、図5に示すように蓋カバー1を回動させて蓋102が開けられる。続いて、巻筒体収納箱100内のフィルム108が所定量引き出される。次に、蓋カバー1により蓋102が閉じられ、フィルム108に張力をかけた状態で、切断刃106によってフィルム108が所定の長さに切断される。
【0027】
このフィルム108の切断が多数回行われ、フィルム108が巻筒体107から無くなると、蓋カバー1が蓋102から取り外される。この際、装着時と逆方向に、蓋102の側面部105の下端面の下側から蓋カバー1の係止部22が抜けるように、蓋カバー1が蓋102の前方側に引き出されて取り外される。そして、蓋カバー1が新しいフィルム108の入った次の巻筒体収納箱100の蓋102に取り付けられる。
【0028】
以上の実施の形態によれば、蓋カバー1の各側板12の係止部22を、蓋102の側面部105の下端面に係止することにより、蓋102が蓋カバー1に保持されるので、従来のように蓋の側面部に押し付けられることがなく、蓋102の開き易さを向上できる。また、多数回蓋102が開閉されても蓋カバー1が蓋102から外れることを防止できる。
【0029】
前板11には、前方に突出し、左右方向Xに延びる突条部21が形成されているので、例えば親指を突条部21に引っ掛けて蓋カバー1を回動できる。このため、より小さな力で簡単に蓋102を開閉できる。
【0030】
突条部21は、中央が凹んでいるので、例えば親指を突条部21に引っ掛け易くなる。また、親指が突条部21の中央に誘導されるので、蓋カバー1の中央を持って蓋カバー1の回動を行うことができる。よって、より小さな力で簡単に蓋102を開閉できる。
【0031】
係止部22は、側板12の前後方向に沿って形成された水平上面22aを有しているので、係止部22が蓋102の側面部105の水平の下端面に好適に係止される。また、蓋カバー1を水平方向にスライドさせ、係止部22の水平上面22aを蓋102の側面部105の下端面の下に出し入れすることにより、蓋カバー1の蓋102に対する着脱を好適に行うことができる。
【0032】
以上の実施の形態で記載した蓋カバー1において、図6に示すように前板11の下端部にフィルム108を切断する切断刃30が形成されていてもよい。かかる場合、前板11は、蓋102の前面部104の下端部よりも長く形成され、フィルム108を蓋カバー1の切断刃30により切断できるようにする。この例によれば、蓋カバー1を、切断刃が取り付けられていない簡易的な巻筒体収納箱にも使用することができる。
【0033】
また、蓋カバー1の切断刃30は、金属製の切断刃を取り付けても、図7及び図8に示すように前板11の下端部の裏面11aに凹凸30aを形成することによって形成されていてもよい。凹凸30aは、前板11の裏面11aの下端部に直線的に連続的に形成される。かかる場合、切断刃30が裏面11aにあるので、使用時に指が切断刃30に触れることを抑制できる。また、切断刃30が凹凸30aであるので、指が触れても怪我をすることを抑制できる。
【0034】
以上の実施の形態で記載した蓋カバー1において、図9に示すように前板11に、蓋102の切断刃106を覆う刃カバー40が設けられていてもよい。この刃カバー40には、例えば可撓性のある柔軟なシート状のものが用いられ、前板11の下端部付近に取り付けられている。通常時には切断刃106を覆い、フィルム10の切断時にはフィルム108の引き出し角度に応じて曲がる。この例によれば、使用時に指が蓋102の切断刃106に触れることを防止できる。なお、この刃カバー40は、シート状のものに限られず、他の構成のものであってもよい。例えば前板11の下端部側を伸ばして、途中にヒンジ部を設けて屈曲可能にし、その屈曲部分を刃カバーとしてもよいし、前板11の下端部付近を屈曲可能な薄さに成型して、その屈曲部分を刃カバーとしてもよい。
【0035】
また、図11に示すように各側板12の下端部23を係止部22よりも下方向に延長して側板12を大きくしてもよい。かかる場合、蓋カバー1を装着した際の巻筒体収納箱100の側面側の段差が無くなり、図12に示すように筒状体収納箱100を安定して縦置きすることができる。これにより、キッチンの場所を取らず、狭い場所にも収納が可能になる。なお、この例では、側板12の下端部23と巻筒体収納箱100の底面110が同じ位置になるようにしている。
【0036】
また、図13に示すように各側板12の下端部23を巻筒体収納箱100の底面110よりも突出させるようにしてもよい。かかる場合、蓋カバー1を装着した巻筒体収納箱100の縦置きがより安定するとともに、横置きにした場合、巻筒体収納箱100の底面110が空中に浮いた状態になることで、電子レンジの上など高温な場所に置いた場合にも内部の巻筒体107に熱が加わりにくく、フィルムの変質を抑制できる。特に巻筒体収納箱100がラップフィルム収納箱の場合、内部のラップフィルムに熱が加わりにくくなることで、熱によるラップフィルムの引出力の上昇を抑制できる。
【0037】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0038】
例えば以上の実施の形態で記載した前板11の下端部の縁形状は、直線切り用又は中央切り用のいずれの切断刃形状にも対応できるように、直線型、アーチ型(上に凸形状)、V字型(下に凸形状)でもよく、その他切断刃の形状に合わせて成型されていてもよい。
【0039】
また、係止部22の形状は、上記実施の形態のように水平板状に突出した形でなくてもよく、例えば水平に突出した後上方に湾曲、又は屈曲する形など他の形状であってもよい。本発明は、ラップフィルム、アルミホイル、クッキングペーパーに限られず、その他のフィルムが巻かれた巻筒体を収納する巻筒体収納箱の蓋カバーにも適用できる。
【実施例】
【0040】
実施例及び比較例における測定方法及び評価方法は下記の通りである。
〈引出力〉
引出力は引出性の指標であり、数値が低いほど軽い力でフィルムを引き出すことができる。引出力は以下の方法により測定される。フィルム幅30cmに調整した紙管巻きラップフィルムをごくわずかな力で容易に回転するロール状治具にセットし、フィルムの端を引張試験機のロードセルに直結する幅330mmの治具に固定する。次いで、1000mm/分の速度でフィルムを引き出した際に発生する応力の最大値を測定する。測定は23℃−50%の恒温恒湿下で行われる。この測定は10回行い、その平均値を採用する。評価基準を次のようにした。
○:100cN未満
×:100cN以上
【0041】
実施例.1
サランラップ(旭化成ホームプロダクツ株式会社製:30cm幅×20m巻き)の巻筒体収納箱に、図13に示す側板12の下端部23までの長さYが50mmの蓋カバー1を装着し、100℃に温調した熱板の上に、側板12の下端部23が接触し巻筒体収納箱100の底面110が接触しないようにのせ、30分間放置後、中のラップを取り出し、23℃−50%の恒温恒湿下に30分放置したのち、引出力を測定した。引出力は50cNと軽く引き出すことができた。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、蓋カバーによる巻筒体収納箱の蓋の開閉を容易にし、なおかつ多数回蓋を開閉しても蓋カバーが巻筒体収納箱の蓋から外れることを防止する際に有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 蓋カバー
10 上板
11 前板
12 側板
21 突条部
22 係止部
100 巻筒体収納箱
101 容器
102 蓋
103 上面部
104 前面部
105 側面部
106 切断刃
107 巻筒体
108 フィルム
X 左右方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムが巻かれている巻筒体を収納する巻筒体収納箱の蓋に着脱可能な蓋カバーであって、
前記蓋の上面部を覆う上板と、
前記蓋の前面部を覆う前板と、
前記蓋の両側の側面部を覆う一対の側板と、を有し、
前記各側板には、当該側板から内側に突出し、前記蓋の側面部の下端面に係止可能な係止部が設けられている、巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項2】
前記前板には、前方に突出し、左右方向に延びる突条部が形成されている、請求項1に記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項3】
前記突条部は、中央が凹んでいる、請求項2に記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項4】
前記係止部は、前記側板の前後方向に沿って形成された水平上面を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項5】
前記前板の下端部には、フィルムを切断する切断刃が形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項6】
前記切断刃は、前記前板の下端部の裏面に凹凸を形成することによって形成されている、請求項5に記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項7】
前記前板には、蓋の切断刃を覆う刃カバーが設けられている、請求項1〜6のいずれかに記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項8】
前記各側板は、前記係止部より下方向に延長されている、請求項1〜7のいずれかに記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項9】
前記各側板は、前記巻筒体収納箱の底面より下方向に延長されている、請求項8に記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項1】
フィルムが巻かれている巻筒体を収納する巻筒体収納箱の蓋に着脱可能な蓋カバーであって、
前記蓋の上面部を覆う上板と、
前記蓋の前面部を覆う前板と、
前記蓋の両側の側面部を覆う一対の側板と、を有し、
前記各側板には、当該側板から内側に突出し、前記蓋の側面部の下端面に係止可能な係止部が設けられている、巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項2】
前記前板には、前方に突出し、左右方向に延びる突条部が形成されている、請求項1に記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項3】
前記突条部は、中央が凹んでいる、請求項2に記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項4】
前記係止部は、前記側板の前後方向に沿って形成された水平上面を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項5】
前記前板の下端部には、フィルムを切断する切断刃が形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項6】
前記切断刃は、前記前板の下端部の裏面に凹凸を形成することによって形成されている、請求項5に記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項7】
前記前板には、蓋の切断刃を覆う刃カバーが設けられている、請求項1〜6のいずれかに記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項8】
前記各側板は、前記係止部より下方向に延長されている、請求項1〜7のいずれかに記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【請求項9】
前記各側板は、前記巻筒体収納箱の底面より下方向に延長されている、請求項8に記載の巻筒体収納箱の蓋カバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−219170(P2011−219170A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256227(P2010−256227)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(390017949)旭化成ホームプロダクツ株式会社 (56)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(390017949)旭化成ホームプロダクツ株式会社 (56)
【Fターム(参考)】
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