説明

布団類干し兼用敷布団敷き板装置

【課題】敷布団敷板として使用することができるとともに室内で布団類干しとして使用する場合に、隅々まで空気を流通させることができ、かつ中綿が偏りを少なくし、布団類を傷めないようにすることができ、製造コストを抑えつつ布団類と同時に枕を干すことができる。敷板同士のずれも吸収することができ、また連結構造を簡易にし、製造コストを削減する。
【解決手段】結合して使用する2個一対のすのこ状敷板20であって、各すのこ状敷板20は、敷板本体30と敷板本体30を自立可能に支える回転体40とを有し、敷板本体30を回転体40で自立可能に支えた場合に回転体40と敷板本体30が側面視略X字状をなし、敷板本体30の上端部と回転体40の上端部で布団を支えることができ、2個一対のすのこ状敷板20を分離可能に結合しておくための結合手段を設けたことを特徴とする布団類干し兼用敷布団敷き板装置10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷布団の下に敷いて使用され、かつまた布団類干し機能をも有している敷板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
木材を用いてすのこ状に形成した、敷布団敷と布団類干しを兼ねているものは知られており、敷布団敷として使用する場合は各敷板を結合して1台の敷布団敷とし、布団類干しとして使用する場合は1台の敷布団敷を2つに分離し、そのそれぞれを別々の布団類干しとするものが知られている。特に特開2005−66242号公報において、布団類を敷く台として使用する通気性の装置であって、1組の敷き布団類に対して、結合して使用する2個1対のすの子状の敷き板を有し、各敷き板は、敷布団類を敷くためのすの子部と、すの子部を立てて布団類干しに利用可能にするための支え脚部とから成り、2個1対の敷き板を分離可能に結合しておくための結合手段を備えて成る布団類干し兼用敷布団敷板装置なる発明が知られている。
【0003】
しかしながら、前記布団類干し兼用敷布団敷き板装置を使用して室内で布団類を干す場合には当該布団類干しの形状が側面視逆V字状を呈しているため、その形状に沿って布団類を載置するので布団類を二つ折りすることになる。このような状態で布団類を干すと、当該布団類における二つに折り曲げられた箇所の空気の流通が悪く湿気が布団類に残る恐れがある。すなわち、布団類の裏側であって特に布団類干しの形状が二つに折り曲げられた逆V字状の頂点付近と接する部分は、布団類同士の対向面同士の位置が狭く空気の流通が滞ってしまうことになる。また布団類の荷重が前記逆V字状の頂点付近に集中し、布団類の中綿が偏るといった問題や布団類が痛むという問題も生じている。また、上記布団干しでは布団を掛けることはできるものの枕を干すことができず、前記枕について別途干す場所を確保するかそのまま放置される場合が多かった。したがって枕を布団と共に干すことができれば便利である。また、一旦分離した布団類干しを再び連結して敷布団敷きとして使用するための連結部分が敷板同士のずれを吸収しづらく連結しにくいという問題があり、更に連結部分の構成が複雑であるため製造コストを削減することが難しいという問題が存在する。さらに、単身世帯では、日中外出することが多いため、防犯上その他の理由からなるべく室内に洗濯物を干したいという要望があるが、洗濯物の量があまり多くないことから、室内に物干竿を設置するまでもなくさらには移動することができる簡易的な物干し台が必要とされている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−66242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、敷布団敷板として使用することができるとともに室内で布団類干しとして使用する場合に、布団類の隅々まで空気を流通させることができ、かつ布団類の中綿が偏りを少なくし、また、布団類を傷めないようにすることができる布団類干しを提供することである。また、製造コストを抑えつつ布団類を干すことができると同時に枕を干すことができる布団類干しを提供することである。また、敷布団敷き板装置として使用する場合には、再び布団類干しを折りたたんで、連結させなくてはならないが、敷板同士のずれを吸収することができ、また連結構造を可及的に簡易にし、製造コストを削減することを目的とする。また室内用物干し台としての機能を有することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するため、本発明は、結合して使用する2個一対のすのこ状敷板を有する布団類干し兼用敷布団敷き板装置であって、各すのこ状敷板は、敷板本体と当該敷板本体を自立可能に支える回転体とを有し、前記すのこ状敷板を前記回転体で自立可能に支えた場合に前記回転体と前記敷板本体が側面視略X字状をなし、前記敷板本体の上端部と前記回転体の上端部で布団類を支えることができ、前記2個一対のすのこ状敷板を分離可能に結合しておくための結合手段を設けるという手段を講じたものである。
【0007】
本発明の布団類干し兼用敷敷布団敷き板装置は、敷布団敷きとして使用している状態において、布団類にこもる湿気を発散させることができるように、すのこ状に形成したものである。ここで、すのことは竹や板などをすかして貼ったものをいい、板等を張設する場合に隙間が生じていることが好ましい。また、湿気を吸収することができるように木材を使用することができるが、その場合は、桐材を使用することが好ましい。また本敷板装置は、原則として一組の布団類について使用するものであるが、布団類の寸法はシングルサイズからキングサイズ等さまざまなバリエーションがあるためそれに対応することが好ましい。なおここで布団類というのは掛け布団、敷布団はもとより毛布、タオルケット、肌掛け等を含むものである。
【0008】
また、各すのこ状敷板は、敷板本体と当該敷板本体を自立可能に支える回転体とを有し、前記敷板本体を前記回転体で自立可能に支えた場合に前記回転体と前記敷板本体が側面視略X字状をなし、前記敷板本体の上端部と前記回転体の上端部で布団類を支えることができるものである。布団類を干す場合に、各敷板を構成する敷板本体の上端部と回転体の上端部において、当該布団類の裏側を離して支えることができる。従って、布団類の裏側の対向面同士を離すことができるので空気を流通させ湿気がこもることはない。また、布団類を干す場合に当該自重が敷板本体の上端部と回転体の上端部に分散させることができるため布団類を傷めずまた、中綿が片寄る恐れが少ない。また、回転体と敷板本体の開き角度を制限するために、規制体を設けることができる。この場合の規制体は帯状物が好ましい。
【0009】
また、敷板本体と当該敷板本体を自立可能に支えるための回転体は支軸によって軸支され、当該支軸は前記敷板本体の中央より上方に位置しているので、敷板本体の上端部から前記回転体の上端部までの距離が、敷板本体の下端部から前記回転体の下端部までよりも短いため布団類干しとした場合に安定性が増すことになる。
【0010】
また、敷板本体と当該敷板本体を自立可能に支えるための回転体は支軸によって軸支されているが、その支軸の上方であって敷板本体と回転体に挟まれた箇所に、枕を干す場所を確保することができる。このように、床面から離した個所に枕を干す場所を確保することができるので、枕の乾燥を促すことができかつ空気の流通を妨げることがない。更に、前記当該個所に枕を置いたとしても、布団類と接触することはないので当該布団類の乾燥についても空気の流通を妨げることがなくさらに布団類の裏側に置くことができるので見栄えもよくなる。また、枕を置くために特別な部材を必要とすることはないので製造コストが増加することはない。
【0011】
2個一対の敷板を分離可能に結合しておくための結合手段は、各すのこ状敷板のうち一方のすのこ状敷板に帯状物を有し、他方のすのこ状敷板に突起部材を有するものであり、前記帯状部を前記突起部に掛けることにより各すのこ状敷板を分離可能に結合することができる。従って布団類干し兼用敷布団敷き板装置とする場合は、各すのこ状敷板を結合させ、1つの当該布団類干し兼用敷布団敷き板装置として使用することができる。この場合帯状物が可撓性を有するものであれば、すのこ状敷板同士のずれを吸収できるとともに、簡易な構成であるので製造コストを削減することができる。
【0012】
回転体の上端部あるいは敷板本体の上端部のうち少なくともいずれか一方に吊り下げ部材を配置したものである。このように各敷板のいずれか一方または双方で洗濯物を吊り下げることができるので室内においても洗濯物を乾かすことができ、防犯上好ましいものである。吊り下げ部材はひもをループ状にしたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上の如く構成されるため、敷布団敷き板として使用することができるとともに室内で布団類干しとして使用する場合に、各すのこ状敷板は、敷板本体と当該敷板本体を自立可能に支える回転体とを有する構成により、前記すのこ状敷板を前記回転体で自立可能に支えた場合に前記回転体と前記敷板本体が側面視略X字状をなすので、布団類干しとして使用する場合に布団類の隅々まで空気を流通させることができ、かつ、布団類を傷めずまた、布団類の中綿が片寄る恐れが少ない布団類干しを提供することができる。また、製造コストを増加させることなく枕を床面から離した位置に干すことができる。さらに、2個一対の敷板を分離可能に結合しておくための結合手段を、各敷板のうち一方の敷板に有する帯状物と、他方の敷板に有する突起部材からなるものであるので、すのこ状敷板同士のずれを吸収し、また結合部を簡易な構成とすることができるので製造コストを削減することができる。また移動可能な室内用物干し台としての機能を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は、布団類干し兼用敷布団敷き板装置の斜視図である。図2は布団類干し兼用敷布団敷き板装置の拡大図である。図3は、図2におけるIII−III線断面図である。図4Aは一方の布団類干しの斜視図、図4Bは他方の布団類干しの斜視図である。図5Aは一方の布団類干しの側面図、図5Bは他方の布団類干しの側面図である。
【0015】
布団類干し兼用敷布団敷き板装置10は、布団類を敷くためのものであるため布団類とほぼ同じ大きさである。布団類干し兼用敷布団敷き板装置10は2個一対の各すのこ状敷板で構成され、各すのこ状敷板は、一方のすのこ状敷板20と他方のすのこ状敷板20′である。この一方のすのこ状敷板20と他方のすのこ状敷板20′は、それぞれ布団類干し兼用敷布団敷き板装置10の半分の大きさである。また、一方のすのこ状敷板20、と他方のすのこ状敷板20′は、ほぼ同様の構成であり相違する点は後に述べるように結合手段50である帯状物51と突起部材52がそれぞれ一方のすのこ状敷板20と、他方のすのこ状敷板20′に有する点である。従って、それ以外の点は共通であるので、2個一対である一方のすのこ状敷板20と他方のすのこ状敷板20′において共通する箇所は同じ番号を付し、一方のすのこ状敷板20の説明をすることで、他方のすのこ状敷板20′における当該箇所の説明とする。
【0016】
前記一方のすのこ状敷板20は、一方の敷板本体30と一方の回転体40を有する。一方の敷板本体30は、横板31を、隙間を開けるように縦板33に張設することで空気を流通させることができるように構成されている。横板32、33は横板31よりも横幅が短く構成される。これは、後に述べる様に、布団類干しとしての状態から、すのこ状敷板20に戻すために一方の回転体40を閉じることによって、一方の回転体40が一方の敷板本体30の内側に入り、一方の敷板本体30と当該一方の回転体40が一体となるように回動させる場合において、横板43及び44が、前記横板32、32及び横板33、33とほぼ一連となることによって横板31とほぼ同じ長さになるように構成されている。(図1、図4A、同B参照)。また、一方の回転体40が一方の敷板本体30の内側に入り、すのこ状敷板20は、一方の敷板本体30と一方の回転体40が一体となるように構成されているので、すのこ状敷板20の厚みが一方の敷板本体30の厚みと変わることがなく、布団類干し兼用敷布団敷き板装置10を使用しない場合に嵩張ることがない。
【0017】
一方の敷板本体30の上端部30aは、すのこ状敷板20を布団類干しとして機能する場合に布団類Wを支えることができる。また、前記上端部30aに吊り下げ部材80を有する。この吊り下げ部材80はハンガー90あるいは洗濯物ばさみ付物干し具(図示せず)などを吊り下げることができる。本実施例では吊り下げ部材80をループ状にした紐を用いることができる。
【0018】
一方の回転体40は、縦板45に横板41と横板43、44を、空気を流通させるために隙間をあけて張設してなるものであり、支軸39により一方の敷板本体30と回転可能に軸支されている。従って、一方の敷板本体30に対して一方の回転体40を、支軸39を中心として開くことができ、一方の回転体40は、一方の敷板本体30を支えることができる。また、一方の回転体40の上端部40aは、一方のすのこ状敷板20が布団類干しとして機能する場合に、前記上端部40aで布団類Wを支えることができる。また、上端部40aに吊り下げ部材80を有する。この吊り下げ部材80はハンガー90あるいは洗濯ばさみ付物干し具などを吊り下げることができる。本実施例ではループ状にしたひもを用いることができる。
【0019】
横板43、44は横板41よりも短く構成される。これは、すでに述べたように、布団類干しとして機能させるものから、一方のすのこ状敷板20に戻すために、一方の回転体40を閉じることによって、一方の回転体40が一方の敷板本体30の内側に入り、一方の敷板本体30と当該一方の回転体40が一体となるように回動する場合において、横板43及び44が前記横板32、32とほぼ一連となることによって横板41とほぼ同じ長さになるように構成されている。(図1、図4A、同B参照)。また、開閉制限部材46は一方の敷板本体30と一方の回転体40の開閉位置を制限するためのものであり、帯状であることが好ましい。
【0020】
上述の通り一方のすのこ状敷板20と他方のすのこ状敷板20′との相違点は、帯状物51を有するかあるいは突起部材52を有するかの相違であり、一方のすのこ状敷板20には帯状物51を配置し、他方のすのこ状敷板20′には当該帯状物51を掛けることができる突起部材52を配置する。このように、他方のすのこ状敷板20′も他方の敷板本体30′と他方の回転体40′とで構成されているが上記相違点以外はすのこ状敷板20と同様である。一方のすのこ状敷板20と他方のすのこ状敷板20′を結合させて布団類干し兼用敷布団敷き板装置10とするためには、図1のように一方のすのこ状敷板20、と他方のすのこ状敷板20′における横板41を床面対して上方にして配置し(図3では右側が上方)、前記一方のすのこ状敷板20の帯状物51を、前記他方のすのこ状敷板20′における横板41′上をまたぐようして、当該他方のすのこ状敷板20′における突起部材52に取り付ける(図1、図2、図3参照)。このように、一方のすのこ状敷板20、と他方のすのこ状敷板20′を結合して布団類の敷板として使用する場合には、一方のすのこ状敷板20の帯状物51と他方のすのこ状敷板20′の突起部材52からなる結合手段50によって結合されるが、帯状物51は可撓性を有するため、一方のすのこ状敷板20と他方のすのこ状敷板20′同士が多少ずれていても容易に結合することができる。また、2つの帯状物51を一方のすのこ状敷板20に配置することができ、他方のすのこ状敷板20′に2つの突起部材52を配置するような構成としても好ましい。更に、一方のすのこ状敷板20と他方のすのこ状敷板20′それぞれに、帯状物51と突起部材52を有するような構成としても好ましい。すなわち、一方のすのこ状敷板20に帯状物51と突起部材52を有し、他方のすのこ状敷板20′にも帯状物51と突起部材52を有し、一方のすのこ状敷板20の帯状物51を他方のすのこ状敷板20に突起部材52に掛け、他方のすのこ状敷板20の帯状物51を一方のすのこ状敷板20に突起部材52に掛けることで、一方のすのこ状敷板20と他方のすのこ状敷板20′を結合することができる。
【0021】
このように、一方のすのこ状敷板20と他方のすのこ状敷板20′を、結合手段50における帯状物51と突起部材52によって結合した布団類干し兼用敷布団敷き板装置10は、一方のすのこ状敷板20における一方の回転体40の横板41、41が、一方のすのこ状敷板20における一方の敷板本体30の複数の縦板33と接近することにより、すのこ状の一部をなし、さらに横板43、44も一方の敷板本体30における横板32と連なり、すのこ状の一部をなす。これは他方すのこ状敷板20′における他方の回転体40′と他方の敷板本体30′も同様である。従って、全体としてみれば布団類干し兼用敷布団敷き板装置10はすのこ状であり縦板と横板から構成され、横板同士の隙間が生じているので(図1参照)、布団類を布団類干し兼用敷布団敷き板装置10に敷いても蒸れることがない。
【0022】
布団類干し兼用敷布団敷き板装置10を布団類干しとして使用する場合は、一方のすのこ状敷板20と他方のすのこ状敷板20′を結合している結合手段50における突起部材52から帯状物51を取り外し、一方のすのこ状敷板20と他方のすのこ状敷板20′を分離する。ここで他方のすのこ状敷板20′の他方の回転体40′を他方の敷板本体30′に対して支軸39を中心として回動させる。すなわち、他方の回転体40′が他方の敷板本体30′の内側に入り他方の回転体40′と他方の敷板本体30′が一体となった状態から、一方のすのこ状敷板20′の他方の回転体40′と他方の敷板本体30′を開き前記他方の回転体40′と他方の敷板本体30′が側面視略X字状をなすようにする(図5B参照)。その場合他方の回転体40′の下端部44bは他方の敷板本体30′を支えることができ、他方の敷板本体30′を自立可能に支えることができる。このようにすのこ状敷板20′を布団類干しとしたものに布団類Wを掛けると、当該布団類Wは他方の敷板本体30′における上端部30aと他方の回転体40′における上端部40aに渡って掛けることができる。前記他方の敷板本体30′における上端部30aと、他方の回転体40′における上端部40aは、布団類干し兼用敷布団敷き板装置10の横幅と同じであるため、布団類Wの2か所X、Yにおいて布団類Wのほぼ全幅方向にわたって支えることができるので、布団類Wにかかる荷重を分散させることができ布団類Wの傷みが少なく中綿が偏ることがない。また、布団類Wを支える上記2か所X、Yの位置が離れているため、布団類の裏側の対向面W1、W2を離すことができ、空気を流通させることができるので湿気がこもることがない。なお、一方のすのこ状敷板20も同様である。
【0023】
また、他方の回転体40′を支軸39によって他方の敷板本体30′に対して回動することができるが、支軸39の位置が他方の敷板本体30′の中央より上方に存在することが好ましい。ここで上方というのは、支軸39の位置が他方の敷板本体30′の中央から上端部30aまでに位置することをいい、図5Bにおける、他方の敷板本体30′の上端部30aから支軸39までの距離よりも、他方の敷板本体30′の下端部30bから支軸39までの距離の方を多くするように支軸39の位置を定める。この場合、前者の距離と後者の距離をおよそ3対4から3対5となるように支軸39の位置を定めることが好ましく、2対3とすることも好ましい。他方の敷板本体30′の上端部30aから前記他方の回転体40′の上端部40aまでの距離が、他方の敷板本体30′の下端部30bから前記他方の回転体40′の下端部40bまでよりも短いため布団類干しとしての安定性が増し、布団類をかけたときに安定するからである。また、他方の回転体40′を他方の敷板本体30′に対して開きすぎると布団類を掛けた場合に当該布団類が床面に接触してしまうので一定の開き角度以上に開かないように回転制御体46の長さにより制限することが好ましい。この場合他方の敷板本体30′と他方の回転体40′のなす角度はおよそ45度が好ましい。なお、一方のすのこ状敷板20も同様である。
【0024】
一方のすのこ状敷板20の一方の回転体40を支軸39によって一方の敷板本体30に対して回動する場合に布団類干しとしての機能を有するとともに室内干しとしての機能を有する(図5A参照)。室内干しとして使用する場合は、一方の敷板本体30および一方の回転体40の上端部30a及び上端部40aに吊り下げ部材80を有しているので、ハンガー90や洗濯ばさみ付物干し具(図示せず)などを引っ掛けそれに洗濯物を吊るすことによって室内で洗濯物を干すことができる。本実施例では、一方の敷板本体30の上端部30a及び一方の回転体40の上端部40aにそれぞれ3か所ずつ配置しているが、この吊り下げ部材80は任意の数を配置することができる。従って、室内用に物干し竿を設置する必要がなくなり防犯上の観点からも好ましいものである。尚、布団類干しとした他方のすのこ状敷板20′に洗濯物を干すことができることは云うまでもない。
【0025】
また前記布団類干しとして機能する場合に枕Pは、他方の回転体40′と他方の敷板本体30′に挟まれた箇所であって支軸39より上部に置くことができる(図5B参照)。このように、枕Pを床面から離れた位置に置き、干すことができるので通気性が良く枕Pの湿気を効果的に発散させることができる。また、枕Pと共に布団類Wを干した場合に、当該枕Pが布団類Wの裏側に位置することになるため見栄えがよく、枕Pを干す場所を確保することができる。さらに、布団類干しにかけられた布団類Wの裏側と接することがないので、布団類Wと枕Pそれぞれに通気性を確保することができる。一方のすのこ状敷板20も同様である。
【0026】
このように、就寝時は、敷布団敷きとして使用でき、敷布団敷きとして使用していないときは布団類干し、あるいは洗濯物を干すことができるので、ほぼ1日中使用することができる。従って使用していない時が少なく、保管する場所がいわゆるデッドスペース化することが少ない布団類干し兼用敷布団敷き板装置を提供することができる。
【0027】
布団類干し兼用敷布団敷き板装置10は、合成樹脂でも製作することができるが、木材を使用することが木材工業の活性化を図ることができるため好ましく、より好ましくは軽量であって湿気に適した桐材を使用することが好ましい。また桧材は防虫効果があるのでそれを使用することも好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】布団類干し兼用敷布団敷き板装置の斜視図。
【図2】布団類干し兼用敷布団敷き板装置の拡大図。
【図3】図2におけるIII−III線断面図
【図4A】一方の布団類干しの斜視図
【図4B】他方の布団類干しの斜視図
【図5A】一方の布団類干しの側面図
【図5B】他方の布団類干しの側面図
【符号の説明】
【0029】
10 布団類干し兼用敷布団敷き板装置
20 一方のすのこ状敷板
20′ 他方のすのこ状敷板
30 一方の敷板本体
30′ 他方の敷板本体
30a 敷板本体の上端部
39 支軸
40 一方の回転体
40′ 他方の回転体
40a 回転体の上端部
50 結合手段
51 帯状物
52 突起部材
80 吊り下げ部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合して使用する2個一対のすのこ状敷板を有する布団類干し兼用敷布団敷き板装置であって、各すのこ状敷板は、敷板本体と当該敷板本体を自立可能に支える回転体とを有し、前記敷板本体を前記回転体で自立可能に支えた場合に前記回転体と前記敷板本体が側面視略X字状をなし、前記敷板本体の上端部と前記回転体の上端部で布団を支えることができ、前記2個一対のすのこ状敷板を分離可能に結合しておくための結合手段を設けたことを特徴とする布団類干し兼用敷布団敷き板装置。
【請求項2】
敷板本体と当該敷板本体を自立可能に支えるための回転体は支軸によって軸支され、当該支軸は前記敷板本体の中央より上方に位置することを特徴とした請求項1記載の布団類干し兼用敷布団敷き板装置。
【請求項3】
2個一対の敷板を分離可能に結合しておくための結合手段は、各すのこ状敷板のうち一方のすのこ状敷板に帯状物を有し、他方のすのこ状敷板に突起部材を有するものであり、前記帯状部を前記突起部材に掛けることにより各敷板を分離可能に結合することができる請求項1または2記載の布団類干し兼用敷布団敷き板装置。
【請求項4】
回転体の上端部あるいは敷板本体の上端部のうち少なくともいずれか一方に吊り下げ部材を配置した請求項1から3いづれか1項記載の布団類干し兼用敷布団敷き板装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2011−102481(P2011−102481A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257474(P2009−257474)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(500281648)株式会社めいじ屋 (2)
【Fターム(参考)】