説明

布地物品処理方法及び加熱手段を含む器具

布地物品乾燥機と共に使用するための布地物品処理器具。布地物品処理器具は、チャンバ内へ効果組成物を分配して、布地物品乾燥機内に入れられた布地物品に効果を提供する。処理器具は、効果組成物を加熱する手段を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地物品乾燥機(その非限定的な例には衣服ドライヤーが含まれる)と共に使用するための、取外し可能に取り付けられた処理器具に関する。その処理器具は、独立型の別個の器具であってもよい。処理器具は、チャンバ(その非限定的な例には衣服ドライヤーのドラムが含まれる)の中へ効果組成物を向けるノズルを通して効果組成物を分配して、布地物品乾燥機内に入れられた布地物品に効果をもたらす。処理器具は、1)1つ以上の効果組成物供給源と、2)分配手段と、3)効果組成物を加熱するための1つ以上の手段とを含む。処理器具は又、電源を含んでもよい。
【背景技術】
【0002】
布地のしわを除去するための様々な方法及び/又は器具が、特に熱、機械的、又は化学的エネルギーを使用するものが、当技術分野において周知である。しわ除去は、2つ以上のタイプのエネルギーを使用することによってより有効になる。例えば、いくつかのしわ除去は化学的エネルギーで繊維潤滑することにより達成されることもあるが、より効果的な手段は、次に所望の形状に品目を引っ張って布地に機械的エネルギーを追加することである。代替方法では、化学的エネルギーは、組成物の加熱によって補われる。上述の方法がしわ除去にある程度は有効であることが判明したが、完全に満足な結果には至らないことが多い。
【0003】
最も効果的なしわ除去手段は、3つのエネルギータイプ:熱、機械的、及び化学的エネルギーの全てを用いる。理論に束縛されるものではないが、化学物質がしわ除去に必要な潤滑を提供し、一方、熱及び機械的なエネルギーを加えると、しわをきちんと保持している水素結合の破壊に必要な追加エネルギーが提供されると考えられている。家庭用アイロンなどの従来型の機器は、圧力、水、及び熱により3つのエネルギータイプの全てを提供することによって、しわ除去に非常に有効であることが判明している。その上に、化学物質が加熱される場合、例えば水蒸気、これは更により効果的であることが判明している。しかしながら、満足な結果とは関係なく、アイロン掛けは、かなりの準備と衣類の1つ1つを基準に処理することを必要とする労働集約型プロセスであることが多い。
【0004】
最適なしわ除去を得るために3つのエネルギータイプを提供するのに必要な労働量を低減させようと努力がなされてきており、それには、衣服乾燥機に組み込まれたスプレー器具が含まれる。米国特許第2,846,776号は、乾燥操作に続いて衣服への液体添加をするために、衣服ドライヤーに組み込んだ分配器を開示すると主張している。米国特許第4,207,683号は、衣類上に水をスプレーするために、スプレーノズル、制御弁、及び水ラインを、衣服ドライヤーに組み込むことを開示すると主張している。これらの一体型分配器に共通する欠点は、これらが乾燥機に対して追加した費用と複雑さである。更に、これらの器具は、乾燥機に組み込まれているので、ユーザーにとってはほとんど融通がきかない。例えば、上で説明したような組込み器具が機能不良である場合、乾燥機の補修が必要とされる。このことは、ユーザーにとって、著しい不便さとコストのかかる補修という結果になる。その上、補修期間中は、乾燥機は運転不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、最適しわ除去のためには、熱、機械的、及び化学的エネルギーを便利且つコスト効果的な方法で提供することが必要と、長く感じられてきた。本発明の処理器具は、乾燥機に取外し可能に取付け可能である。本発明の処理器具は、別個の自立型の器具であってもよい。その処理器具は、加熱した効果組成物を布地物品乾燥機の中へ放出することにより、布地物品乾燥機内に入れられた布地物品に効果をもたらすようにして、便利なしわ除去を提供する。更に、本発明の処理器具は、乾燥機に組み込まれた器具に関連する複雑さ、費用、及び不便さを削減することにより、ユーザーに追加の便利さを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、布地物品乾燥機と共に使用するために取外し可能に取り付けられた処理器具に関する。処理器具は、チャンバの中へ効果組成物を向けるノズルを通して効果組成物を分配し、布地物品乾燥機内に入れられた布地物品に効果をもたらす。処理器具は、1)1つ以上の効果組成物供給源、2)分配手段、及び3)効果組成物を加熱するための1つ以上の手段を含む。処理器具は又、電源を含んでもよい。その処理器具は、独立型の別個の器具であってもよい。
【0007】
本発明は又、布地を処理するための装置に関するものであり、布地を処理するための前記装置は:
a)布地物品乾燥機;及び
b)布地物品乾燥機に取外し可能に取り付け可能な布地物品処理器具、を備える。処理器具は、効果組成物を加熱するための少なくとも1つの手段を備え、及び効果組成物分配するための分配器を含む。
【0008】
本発明は更に、布地を処理するための方法に関する。その方法は、
a)布地物品処理器具を提供する工程であって、この布地物品処理器具が:
i)効果組成物の少なくとも1つの供給源;
ii)効果組成物を加熱するための少なくとも1つの手段;及び
iii)効果組成物を布地物品乾燥機の中へ分配するための分配手段を含む工程。
b)布地物品乾燥機を提供する工程;
c)処理すべき布地を布地物品乾燥機へ入れる工程;
d)布地物品処理器具を布地物品乾燥機へ取外し可能に取り付ける工程;
e)効果組成物を加熱する工程;並びに
f)加熱した効果組成物を布地物品乾燥機の中へ分配する工程を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書で使用するとき、「布地物品処理装置」という句は、布地物品乾燥機を意味し、その非限定的な例には、従来型の衣服ドライヤー及び/又はその変更型が含まれる。布地物品処理装置は又、効果組成物を放出するために使用可能な布地物品処理器具を含む。布地物品処理器具は、布地物品乾燥機に取外し可能に関連付けられ、及びベルクロ(Velcro:登録商標)、磁石、ストラップなどのような従来方法により布地物品乾燥機に関連付けられた別個の器具などの非限定的な実施形態を含んでもよく;又は布地物品乾燥機の制御から実質的に又は完全に独立している容易に取外し可能な布地物品乾燥機の閉止構造に組み込まれた器具であってもよい。
【0010】
本明細書で使用するとき、「布地物品」は、従来型の洗濯プロセス又はドライクリーニングプロセスで習慣的に洗浄されているいずれかの物品を意味する。その用語は、布の物品を包含し、これには、衣類、リネン及びカーテン類、衣服アクセサリー、革、床敷物などが含まれるが、これらに限定されない。その用語はまた、全体的に又は部分的に布地で作成された他の品目を包含し、その非限定的な例には、トートバック、家具カバー、防水布、靴などが挙げられる。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「効果組成物」は、布地物品にある効果をもたらすために使用される組成物を指す。効果組成物を含むことができる物質及びその混合物の非限定的な例として、水、柔軟化剤、クリスプニング剤、芳香剤、水/汚れ回避剤、リフレッシュ剤、静電気防止剤、抗菌剤、パーマネントプレス剤、しわ防止剤、臭い抑制剤、摩耗防止剤、溶媒、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0012】
本明細書で使用するとき、「導管」は、それを通って効果組成物を移送可能な流路又は通路を意味する。導管の非限定的な例には、布地物品処理器具の中で点から点へ組成物を移送可能な、管、パイプ、流路などが含まれる。例えば、導管は、効果組成物を分配手段からノズルなどの放出点へ移送することができる。
【0013】
「熱経路内」という句は、本明細書で使用する時、熱源と、効果組成物に関連付けられた1つ以上の器具の構成要素及び/又は効果組成物そのものとの間のいずれかの場所を意味し、前記1つ以上の構成要素と直接及び/又は間接的に接触するものも含まれる。熱源の非限定的な例には、布地物品乾燥機、発熱反応、加熱コイル、熱電手段などが含まれる。
【0014】
「熱伝導性材料」という句は、本明細書で使用する時、25℃において約5W/(m・℃)以上の熱伝導率又はk値を有するいずれかの材料を記述するのに使用される。材料の熱伝導率は、「保護熱板装置の手段による定常状態熱流速測定及び熱伝達特性のための標準試験方法(Standard Test Method for Steady-State Heat Flux Measurements and Thermal Transmission Properties by Means of the Guarded-Hot-Plate Apparatus)」という名称のASTM方法C177−97、又は当業者に既知の他の好適な方法に記載されるような保護熱板法により決定可能である。
【0015】
本明細書で使用する時、用語「ドライヤー」又は「乾燥機」又は「布地物品乾燥機」は、真の乾燥機能を実行してもしなくてもよいが、布地そのものに文字通りの乾燥を試みることなく布地を処理することを伴ってもよい、器具を包含する。上記のように、用語「ドライヤー」又は「乾燥機」又は「布地物品乾燥機」は、乾燥工程を文字通りに伴っても伴わなくてもよいものである「ドライクリーニング」プロセス又は装置を包含してもよい。
【0016】
それに加えて、幾つかの乾燥機は、乾燥機が乾燥サイクルを実行している間に、文字通りには動かない又は回転しない乾燥チャンバ(又はドラム)を含むことに留意すべきである。幾つかのそのような乾燥機は、乾燥チャンバを通過する空気流を使用しており、乾燥サイクルが生じている間そのチャンバは動かない。そのような例の乾燥機は、乾燥させる衣服を人がチャンバへ挿入することを可能にする扉又は他のタイプのアクセスカバーを有する。多くの場合、人は、乾燥チャンバ内の何かのタイプの上部ロッドに衣類を「吊す」。それが一旦なされると、扉(又はアクセスカバー)が閉じられて、乾燥機は、その乾燥機能を開始することができる。スプレーサイクルは、そのようなユニットの中でも実施可能であるが、他の布地品目が非常に少ない(又はゼロの)効果組成物しか受けないのに、ある布地品目が非常に多くの効果組成物を集中して受けることがないように、乾燥チャンバの中で効果組成物を確実に良く分散させるべく注意を払うべきである。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「扉」は、乾燥機内部容積へのアクセスを可能にする可動式の閉止構造を表わし、そのようなアクセスを可能にする実質上いかなる物理形態にもすることができる。扉「閉止構造」は、乾燥機の上表面上の蓋、又はある種のハッチなどであり得る。
【0018】
(布地物品処理器具)
本発明は、加熱した効果組成物を提供可能な布地物品処理器具に関する。その処理器具は、別個の独立型の器具であってもよい。その器具は、乾燥機に取り外し可能に取り付けられていてもよい。処理器具は、実質的に又は完全に布地物品乾燥機の制御器から独立して制御されてもよい。
【0019】
取り外し可能に取付けの非限定的な例には、ベルクロ(Velcro:登録商標)、磁石、ストラップなどの従来方法が含まれる。別の方法として、処理器具は、乾燥機制御器から独立した、容易に取り外し可能な布地物品乾燥機の閉止構造(その非限定的な例にドライヤー扉がある)に組み込まれてもよい。
【0020】
(効果組成物の加熱手段)
布地物品処理器具は、布地物品乾燥機と布地物品処理器具の1つ以上の構成要素及び/又は効果組成物そのものとの間の熱経路内に配置された、1つ以上の加熱手段を含む。本明細書で使用する時、「加熱手段」という句は、熱伝導性材料、加熱コイル、発熱反応、熱電加熱、抵抗加熱、及びこれらの組み合わせを含むことができ、加熱手段が、布地物品に接触する前及び/又は布地物品乾燥機の内部に接触する前の効果組成物に、熱を提供する。
【0021】
加熱手段は、効果組成物が布地物品乾燥機の内面及び/又は布地物品に接触する前の、効果組成物と熱的に関連付けられている。本明細書で使用する時、「熱的に関連付けられる」という句は、加熱手段と効果組成物に関連付けられた布地物品処理器具の1つ以上の構成要素(効果組成物そのものも含まれる)との間の、効果組成物が布地物品乾燥機の外側空気の周囲温度より少なくとも約5℃上に温度上昇するような関連を言う。効果組成物に関連付けられた布地物品処理器具の構成要素の非限定的な例には、貯層、導管、ノズルのような排出点などが含まれる。
【0022】
(A.熱伝導性材料)
本発明の一実施形態では、効果組成物は、効果組成物と1つ以上の熱源との間の熱経路内の熱伝導性材料の手段により加熱可能である。熱源の非限定的な例には、衣服乾燥機、加熱コイル、発熱反応、熱電加熱、抵抗加熱、赤外線加熱、誘導加熱などが含まれる。
【0023】
布地物品処理器具全体を熱伝導性材料で包囲することが可能であるが、器具の1つ以上の構成要素だけを熱伝導性材料で包囲することも経済的観点から有益であり得る。熱伝導性材料に適した場所は、効果組成物と熱的に関連付けられた器具の1つ以上の構成要素を含み、その非限定的な例には、効果組成物供給源、導管、貯槽、又はこれらの組み合わせが含まれる。効果組成物供給源の非限定的な例には、貯槽、家庭用水道、カートリッジ、ポーチなどが含まれ得る。
【0024】
熱伝導性材料は、25℃において約5W/(m・℃)以上の熱伝導率又はk値を有する。そのような材料の非限定的な例には、金属材料、セラミック材料、熱伝導性充填材を有する複合材料、及びこれらの組み合わせが含まれる。
【0025】
熱伝導性金属材料の好適な例として、アルミニウム、銅、スズ、銀、などが挙げられるが、これらに限定されない。金属材料は、剛性プレートの形態でも、順応性のある箔シートの形態でもよく、及び効果組成物に関連付けられた器具の1つ以上の構成要素を包囲してもよい。金属材料の厚さは、約0.1mm〜約100mmとすることができる。
【0026】
準金属又は非金属熱伝導性材料の非限定的な例には、熱伝導性充填材を有する低熱伝導性材料、例えば窒化物充填材を有するポリウレタン又はポリエチレンなどが含まれる。熱伝導性充填材の非限定的な例として、アルミニウム、銅、マグネシウム、銀、炭素、グラファイト、セラミック材料、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、炭化アルミニウム、炭化ケイ素、オルガノシロキサン類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。低熱伝導性材料は、熱伝導性充填材の約10重量%〜約80重量%を有してもよい。好適な購入可能の充填材が、オハイオ州クリーブランドのGEアドバンスドセラミックス(GE Advanced Ceramics)からポーラーサーム(PolarTherm:商標)の商品名で入手可能である。ポリマーと熱伝導性充填材のプレミックスの好適な例が、ロードアイランド州ワーウィックのクールポリマーズ(Cool Polymers)からクールポリ(CoolPoly:登録商標)RS012の商品名で入手可能であり、これは、ポリフェニレンサルファイド系材料からなり、及び25℃において10W/(m・℃)の熱伝導率を有する。
【0027】
更に、熱伝導性材料が、熱伝導性のエポキシ又はテープで、布地物品処理器具の他の構成要素に結びつけられてもよい。これらの熱伝導性エポキシ及び/又はテープは、通常は(常にではないが)金属又はある形態のケイ素を含み、及び更なる熱伝導の働きをする。好適な購入可能の熱伝導性エポキシの例にエポキシ接着剤TC−2707、及び熱伝導性テープの例にTC−8805があり、その両方ともミネソタ州セントポールの3M社(3M company)から入手可能である。
【0028】
(B.加熱コイル)
本発明のさらに別の実施形態では、効果組成物の加熱は、効果組成物及び/又は効果組成物に関連付けられた1つ以上の構成要素と熱的に関連付けられた加熱コイルを介して、抵抗加熱を提供することによっても達成可能である。図3〜4を参照して、加熱コイル40は、布地物品処理器具1の中及び/又は上のいずれかの場所に配置されてもよく、並びに/あるいは効果組成物供給源10に関連付けられた1つ以上の構成要素と熱的に関連付けられてもよい。加熱コイル40は、効果組成物と直接接触により、間接接触により、又はこれらの組み合わせにより関連付けられてもよい。効果組成物と関連付けられてもよい布地物品処理器具の構成要素の非限定的な例には、貯槽10、導管20、ノズル50などの排出点、又はこれらの組み合わせが含まれる。
【0029】
更に、加熱コイル40は、1つ以上の電池及び/又は家庭用電流源などの電源100を使用してもよい。電源100として電池を使用する時に、追加電流を望む場合は、高圧電源200をも使用してもよい。
【0030】
加熱コイルに通常の材料として、銅、ニッケル、ニクロム(ニッケルとクロムの合金)、ステンレス鋼などが挙げられるが、これらに限定されない。非限定的な一実施形態では、効果組成物は、加熱コイルによって約30℃〜約70℃の温度に加熱される。
【0031】
(C.発熱反応)
本発明の更に別の実施形態では、効果組成物は、発熱反応の手段により加熱可能である。発熱反応は、効果組成物の中、又は効果組成物に隣接しているがこれと熱的に関連付けられた場所で生じてもよい。
【0032】
発熱組成物は、使い捨てでも、又は再使用型でもよい。再使用型発熱組成物は、酢酸ナトリウムなどの過飽和溶液を含んでもよく、これは、加熱により結晶を溶液中へ再溶解することにより再生可能である。
【0033】
発熱組成物は、容器に保持してもよい。発熱反応組成物に好適な容器材料として、ポリプロピレン、ポリビニルアセテート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの材料の厚さは、約0.1mm〜約30mmとすることができる。
【0034】
(1)金属酸化発熱反応
金属酸化の発熱反応は、電気化学的反応を完成するための幾つかの構成成分:アノード、カソード、水、酸素、及び好ましくは1つ以上の電解質を必要とする。更に、発熱反応の構成成分は、液体及び固体を含み、これらは、一般に使用の準備が整うまで別個に保管される。アノード及びカソードは通常固体であるが、電解質は、固体の形態又は水溶液の一部いずれでもよい。
【0035】
アノードは、金属源を含み、その非限定的な例として、鉄、銅、マグネシウム、クロム、マンガン、アルミニウム、亜鉛、又はこれらの組み合わせの金属粉が挙げられる。金属源は、小さな粒径であるが大きな反応性表面積を有するものとすることができる。好適な平均粒子サイズは、約20μm〜約1000μmである。金属源は、例えば鉄粉として、固体組成物の約30重量%〜約80重量%を有することができる。
【0036】
発熱反応のカソードは、活性炭、非活性の炭素、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。カソード用の炭素は、ヤシ殻、木材、炭、骨などに由来してもよいが、これらに限定されない。カソードは、小さな粒径と大きな反応性表面積を有する活性炭として、組成物の約3重量%〜約20重量%を有することができる。好適な活性炭は、通常約20μm〜約1000μmの平均粒子サイズを有し、及びバージニア州コビングトンのウェストバーコ(Westvaco)からヌーチャー(Nu Char)の商品名で入手可能である。
【0037】
発熱構成成分は又、アノードとカソードの間に導電性をもたらすことにより反応を更に促進するために、1つ以上の電解質を含んでもよい。電解質は、乾燥形態であってアノード及び/又はカソードと同一容器内に入っていてもよく、又は金属粉(アノード)とは別々に保管される水溶液の一部を含んでもよい。好適な電解質は、金属塩であって、硫酸塩、塩化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、及び塩素酸塩などを含むアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、並びに遷移金属塩などが挙げられるが、これらに限定されない。電解質の非限定的な例として、硫酸第二鉄、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マンガン、硫酸マグネシウム、塩化第二銅、塩化第一銅、塩化カリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。電解質は、塩化ナトリウムを含んでもよく、これは、例えば固体組成物の約0.5重量%〜約10重量%の濃度でアノードと共に収容された乾燥粉体の形態であってもよい。電解質が水溶液である時、濃度は、水溶液の約0.1重量%〜約10重量%の範囲とすることができる。
【0038】
発熱構成成分は又、水及び/又は電解質溶液をアノードに徐々に供給する目的で、1つ以上の吸収材料を含んでもよい。吸収材料は、アノード及びカソードと同一の容器内でも、別個の容器内でも、又はこれらの組み合わせでもよい。水吸収性材料の非限定的な例として、バーミキュライト、多孔質ケイ酸塩、カルボキシセルロース塩、木粉末及び/又は微粉末、大きな表面積を有する木綿布などが挙げられる。水保持材料は、固体組成物の約0.1重量%〜約30重量%を有してもよい。
【0039】
一実施形態では、金属酸化構成成分は、2つ以上の容器内で提供される。第一の容器は、通常はアノード及びカソード及び任意の吸収性材料を含む。電解質が乾燥形態である時には、アノード及びカソードと同一容器内にあってもよく、並びに第二の容器が水溶液を含んでもよい。この実施形態の変形では、電解質は、水溶液であって、アノード、カソード、及び任意の吸収性材料とは別個の容器に保管されてもよい。水溶液は、水又は水性電解質溶液であってもよいが、通常は発熱成分全体の約10重量%〜約50重量%の量で存在する。第二の容器は、第一の容器と同一区画内に保管してもよく、及びピンなどの鋭い対象物で突き刺して反応の開始が可能なポーチとしてもよい。第一及び第二の容器の内容物の添加は、壊れ易いポーチによって達成してもよく、2つの容器の間の封止が破壊されると、発熱反応が開始可能になる。
【0040】
代替実施形態では、固体金属の酸化構成成分が、1つの容器内に提供されてもよい。容器は、アノード、カソード、固体形態の電解質、及び任意の吸収性材料を含んでもよい。次に、器具のユーザーが、組成物に水を追加することにより、発熱反応を開始することができる。
【0041】
(2)飽和塩発熱反応:
この実施形態の更に別の変形では、発熱反応は、金属の反応トリガーと関連付けられた再利用可能な過冷却飽和塩溶液とすることができる。飽和塩溶液及び金属トリガーは、同一容器内に入れられてもよい。金属トリガーは、ユーザーによって曲げられると、次に塩の結晶化を開始させることができ、これにより熱が発生される。理論に束縛されるものではないが、金属ストリップを曲げることにより、スリット又は亀裂に沿って微細な連続部が形成されて、結晶化を開始させると考えられている。トリガーに好適な非限定的な材料には、第一鉄材料、ベリリウム銅合金などが含まれ、及び複数のスリット又は亀裂を有する。非限定的な例においては、酢酸ナトリウムの飽和溶液と第一鉄金属トリガーを含む容器が曲げられると、約35℃〜約75℃の範囲の熱が発生する。
【0042】
飽和塩溶液に好適な塩の非限定的な例には、酢酸ナトリウム、硝酸カルシウム四水和物などが含まれる。飽和塩溶液は、酢酸ナトリウムと水を、約1:1〜約2:1の重量比で含むことができる。溶液は、一般に、水、塩、及び金属トリガーをポーチ内に置いて、次に封止して作成される。次に、ポーチの内容物が、約60℃以上(酢酸ナトリウムの場合)に加熱されて、塩が溶液になる。その後で、ポーチは過冷却可能である。本明細書で使用する時、「過冷却」は、固化及び/又は結晶化させずに凝固点以下にまで物質を冷却することを意味する。
【0043】
使用の後で、飽和した塩組成物は、次に、結晶の融点より僅か上まで溶液を加熱して結晶を再可溶化することにより、再生可能である。非限定的な例においては、酢酸ナトリウム組成物は、組成物を約60℃以上に加熱して発熱反応からの結晶を再可溶化することにより再生される。溶液再加熱の非限定的で好適な手段には、電子レンジ、沸騰水への浸漬などが含まれる。
【0044】
(3)その場発熱反応
更に別の変異型では、発熱反応構成成分が効果組成物そのものを含んで、効果組成物が発熱反応の構成成分として作用してもよい。本明細書で使用する時、「その場発熱の組成物」という句は、効果組成物そのものからなる組成物であって、その組成物が布地物品乾燥機内及び/又は布地物品上に分配されるように布地物品処理器具から分配される組成物を指す。その場発熱反応は、溶質及び溶媒を含み、溶媒は、通常(常にではないが)本質的に水性である。溶媒の添加は、溶質の添加と同時に行われても、前でも、及び/又は後でもよく、それによって発熱反応により熱が提供される。溶媒の添加は、溶質の添加の前及び効果組成物供給源の中で行われてもよい。代替実施形態では、溶質と溶媒は、効果組成物供給源の外側で添加されて、次に供給源に加えられてもよい。更に別の実施形態では、溶質及び溶媒は、別個の貯槽(効果組成物の供給源)に入れられていて、そこで、共通導管に移送されて2つ以上の構成成分が混合される。溶媒は、約50重量%〜約99.9重量%の量で反応中に存在してもよく、及び通常は(常にではないが)本質的に水性である。
【0045】
水を系に添加することを含む好適な発熱反応の非限定的な例には、溶解、水和、酸解離などが含まれる。発熱反応は、25℃で測定する時−1kJ/mol以下のエンタルピーを有することができ、好ましくは25℃において−5kJ/mol以下のエンタルピーを有することができる。反応のエンタルピーは、一般に生成物のエンタルピーの合計から反応物のエンタルピーの合計を引き算することにより得ることができ、このことは、当業者に既知のいずれかの好適な参考書、例えば「化学及び物理のハンドブック(The Handbook of Chemistry and Physics)」、「ペリーの化学技術者用ハンドブック(Perry’s Chemical Engineer’s Handbook)」などにて見出すことができる。
【0046】
発熱溶解反応の例は、1つ以上の溶質を溶媒に添加して、溶質の存在量を組成物の約0.1重量%〜約50重量%にすることを伴うことが多い。溶質は、固体でも、気体でも、液体でも、又はこれらの組み合わせでもよい。代替実施形態では、溶質は、水などの溶媒の添加の後で添加してもよいが、溶媒添加と同時に、及び/又はその前に添加してもよい。水中で発熱性である溶質の非限定的で好適な例として、アンモニア(ガス状)、水酸化ナトリウム、臭化リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化カリウム、塩化亜鉛などが挙げられる。
【0047】
非水性発熱反応の例として、ラウリン酸を四塩化炭素に、ウレタンをクロロホルムに、ウレタンをメタノールに、アセトンを酢酸に、ヘプタンをイソブタノールに添加などが挙げられるが、これらに限定されない。代替態様の操作では、衣服乾燥機の温度は、溶媒及び/又は溶質の引火点より下にする。
【0048】
これに対して、発熱希釈反応は、補充溶媒を組成物に添加することを必要とし、これにより熱が発生する。発熱希釈反応には、酸が水性溶媒(水など)の添加と共に使用されてもよい。好適な酸の非限定的な例として、硝酸、硫酸、塩酸、マレイン酸、ピクリン酸、酢酸、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0049】
(D.熱電モジュール)
効果組成物の加熱は、熱電モジュールの使用によっても、例えば逆ペルチエモジュールにより得られるものなどでも達成可能である。本明細書で使用する時、「逆ペルチエモジュール」という句はペルチエモジュールの利用を指し、そこでは、ヒートシンクが、効果組成物及び/又は効果組成物に関連付けられた布地物品処理器具の1つ以上の構成要素と熱的に関連付けられており、そのような構成要素の非限定的な例には、効果組成物の供給源、導管、ノズルなどが含まれる。一般に、逆ペルチエモジュール/効果は、モジュールに電圧を印加することにより達成し得るものであり、電子の移動により熱がモジュールの1つの側から別の側へ移動する。理論に束縛されることは望まないが、逆ペルチエモジュールは、図13の概略図に示されるような次の方法で作動すると考えられている:
1)モジュール500が、好ましくは負の半導体材料である少なくとも1つの導電性材料530と、好ましくは正の半導体材料である少なくとも1つの非類似導電性材料540とを含み、これらは、電気的には直列であるが熱的には並列に連結され、及び加熱される構成要素と布地物品乾燥機(図示せず)などの熱源との間に配置された2つのセラミック基材510の間に挟まれており;2)直流電力を電気的相互接続部520eに印加すると、正にドープされた半導体材料540へ電子が流れ、これによって、冷却される構成要素と、正にドープされた半導体材料540及び負にドープされた半導体材料530間の接合部との間の、電気的接続部520dにおいて熱が吸収され;3)電子は次に負にドープされた半導体材料530を通って電気的接続部520cへ流れ、これにより、熱が、負にドープされた半導体材料530と別の正にドープされた半導体材料540との間の第二の接合部に伝達され、並びに4)熱が、この第二の接合部520cから、効果組成物供給源(又は効果組成物に関連付けられた他の構成要素)と熱連通するヒートシンク550へ伝達され、これによって、乾燥機から効果組成物に関連付けられた構成要素へ熱伝達される。
【0050】
ペルチエ効果のためのそれぞれのモジュール500は、少なくとも1つの導電性材料と別の非類似導電性材料で構成される。導電性材料が異なる金属を含んでもよいが、好ましい実施形態においては、モジュール500は、少なくとも1つの負にドープされた半導体材料530と少なくとも1つの正にドープされた半導体材料540とを含む。負及び正にドープされた半導体材料は、電気的には直列であるが熱的には並列に連結される。更に、半導体(540及び530)とそれらの電気的相互接続部520は、2つのセラミック基材510の間で橋絡される。第一のセラミック基材510は、冷却される構成要素並びに半導体材料(540及び530)両方と熱連通している。第二のセラミック基材510は、半導体材料(530及び540)並びに熱源と熱連通している。ヒートシンク550は更に、効果組成物に関連付けられた1つ以上の構成要素と熱連通しており、そこで半導体材料に電流を印加すると、蓄積された熱が、効果組成物及び/又は効果組成物と熱的に関連付けられた器具の1つ以上の構成要素へ運ばれる。より大きな加熱効果のためには、2つ以上のモジュール500が、並列に重ねられる場合でも、使用可能である。
【0051】
一般に、半導体材料は、テルル化ビスマス、テルル化鉛、シリコンゲルマニウム、及び/又はビスマスアンチモンの合金であることが多いが、いつもとは限らない。半導体材料は、等しい及び別個の比率のP型及びN型両方の結晶性テルル化ビスマスを含むことができるが、他の比率のものも有効である。本明細書で使用するとき、「N型」半導体材料は、完全な分子の格子構造を創り出すのに必要なものより過剰な電子をドープされた負の型であり、一方、「P型」半導体材料は、完全な分子の格子構造を創り出すのに必要とされるには不足する電子をドープされた正の型である。理論に束縛されるものではないが、N型材料の余分な電子及びP型材料から「欠けている」電子(又は、穴)が、半導体材料の端部から他端部への熱エネルギーの移動を促進すると考えられている。
【0052】
ヒートシンク550には通常、材料の表面積が最大限となるような方法でフィンが設けられる。ヒートシンクは、アルミニウム、銅、銀などで構成可能であるが、他の伝導性材料を使用してもよい。
【0053】
直流電源は、家庭用電流源、電池など、いかなる電源であってもよい。一般に、モジュールに印加される電力は、約12Vとすることができるが、より大きい熱伝達効果を望む場合は、より高い電圧を使用してもよい。
【0054】
図7を参照すると、逆ペルチエモジュール310が、効果組成物の供給源10と器具1の扉の内側パネルとの間に配置されている。ペルチエモジュール310のヒートシンクが、効果組成物の供給源10に隣接して配置されており、これにより、布地物品乾燥機(図示せず)からの熱が、次に効果組成物の供給源10へ伝達される。本発明のこの実施形態では、布地物品乾燥機の内部に面する布地物品処理器具1の表面は、熱伝導性材料、好ましくは金属で構成される。ペルチエモジュール310は、効果組成物に関連付けられた器具1の他の構成要素上に配置されてもよく、その非限定的な例には、ノズル50又は導管20が含まれる。ペルチエ効果を利用する熱電モジュールの1つの例には、ニューハンプシャー州ナシュダのフェロテックアメリカ社(Ferrotec America Corporation)から入手可能なモデル6302/127/060AXがある。
【0055】
(電源)
図2を参照して、布地物品処理器具1は、布地物品処理器具1の構成要素に電力を供給するための電源100を含むことができる。これらの構成要素の非限定的な例には、回路80、分配手段30用のモータ60、及びこれらの組み合わせが含まれる。好適な電源100の非限定的な例には、再利用可能又は使い捨てタイプの電池、太陽電池、家庭用電流源などが含まれる。電源100として電池を使用するとき、1つ以上の電池は、充電型のものでも、使い捨てタイプのものでもよい。好適且つ容易に入手可能な電池には、アルカリ電池、リチウム電池などが含まれるが、これらに限定されない。好適なアルカリ電池の例には、ミズーリ州のセントルイスのエバレディバッテリー社(Eveready Battery Company)から入手可能なエナージャイザー(Energizer)No.E95、1.5V Zn/MnODセル電池がある。
【0056】
(効果組成物の供給源)
布地物品処理器具1は、布地物品乾燥機の中に分配するための効果組成物を供給するように器具1に関連付けられた、1つ以上の効果組成物の供給源10を追加として備える。効果組成物の供給源10は、貯槽、カートリッジ、ポーチ、導管、家庭用水道などとすることができる。さらに加えて、効果組成物の供給源10は、有限量の液体をその中に容れる、再充填式及び/又は非再充填式の容器であってもよい。更に別の実施形態では、効果組成物の供給源は、家庭用水道ラインと再充填式及び/又は非再充填式容器との両方であってもよい。効果組成物の供給源10は、布地物品乾燥機に固定して取り付けられてもよく、又は取外し可能に取り付けられてもよい。
【0057】
供給源10は、効果組成物を容れるための第一の貯槽を備えて、追加的に、第一の貯槽の内容物と共に同時に又は別々に分配するための2つ以上の貯槽を備えてもよい。
【0058】
貯槽10は又、剛性、半剛性、及び/又は可撓性の材料で構成されてもよい。効果組成物の供給源10が主として剛性又は半剛性の材料で構成される場合、これらの実施形態は、効果組成物の分配手段30への容易な流れを可能にするために、通気手段を追加的に含んでもよい。
【0059】
(分配手段)
分配手段30は、モータ付きでも、モータ無しでもよい。一般に、布地物品処理器具1の分配手段30は、モータ付きポンプの使用により達成可能である。モータ付きポンプの1つの非限定的な例には、ぜん動ポンプなどの液圧を使用するものがある。使用可能である他の非限定的なモータ駆動ポンプ機構には、歯車、ダイアフラム、遠心、又はピストンポンプが含まれる。好適なポンプは、一般には、約1〜約2,000kPaの範囲の運転圧を有するが、50〜1,500kPa、及び/又は約140〜約1,050kPa、及び/又は100〜500kPaの圧力を使用することもできる。
【0060】
図4を参照して、分配手段30は、電源から使用されるエネルギーを節約するために、モータ無しタイプであってもよい。モータ無し分配装置の非限定的な例には、ばね、加圧貯槽、弾力性容器、形状記憶合金、重力式供給機構、毛管作用、噴射剤、注射器、ガス(予加圧及び/又はその場発生の両方)などが含まれる。モータ無し分配装置30の好適な例には、バージニア州ハンプトンのパーテクノロジーズ(PAR Technologies LLC)から入手可能な「LPDシリーズ」ピエゾポンプがある。
【0061】
(高圧電源(HVPS))
図3を参照して、器具は又、高圧電源(HVPS)200を備えてもよく、これは、任意に、加熱コイル40に電力を供給するために電流を変換するのに使用される。電源100は、通常(常にではないが)電圧9V以下の1つ以上の電池であり、加熱コイルは、所望温度のために追加電圧を必要とすることも、必要としないこともある。好適なミニチュア型安定化高圧電源200の非限定的な例には、カリフォルニア州スッタークリークのEMCOハイボルテージ社(EMCO High Voltage Corporation)から入手可能なC50、C60、又はC80などのCシリーズのモデルがある。その他の好適な高圧電源200にはピエゾ変圧器が含まれ、これは、電力を変換するために独特の機械的エネルギー貯蔵システムを使用する。これらのピエゾ変圧器は、超音波噴霧を利用するときに特に有用である。ピエゾ変圧器は、日本のフジ(株)(Fuji & Co.)から入手可能である。
【0062】
(ノズル)
図1〜9、及び12を参照して、布地物品処理器具1は又、布地物品及び/又は布地物品乾燥機の内部領域への放出の間に効果組成物がこれを通過するノズル50を備えてもよく、通常は備える。
【0063】
ノズル50は、噴霧型ノズルであってもよい。効果組成物のミスト化は、効果組成物を放出するいずれかの好適なスプレー器具、例えば水圧ノズル、超音波噴霧器、高圧霧ノズルなどの使用により達成可能である。ミスト化は、比較的低体積空気の噴霧型ノズル及び/又は単純オリフィスを使用して達成されてもよい。例えば、カリフォルニア州ポマナのスプレーシステムズ社(Spray Systems,Inc.)から購入可能なスプレーノズル(モデル番号850、1050、1250、1450、及び1650)が好適である。代替実施形態では、組成物は、2つ以上のスプレーノズルを経由して放出されてもよい。
【0064】
幾つかの実施形態では、スプレーノズル50には、引き金噴霧器ノズルで使用されているものに類似の圧力旋回噴霧器が使用されてもよいが、ファン噴霧器又は衝突若しくはスクリーン泡立て器が組み入れられてもよい。好適な噴霧型ノズルの例には、イリノイ州カリーのシークイストディスペンシング(Seaquist Dispensing)によりモデル番号DU−3813で製造される圧力旋回噴霧ノズルがある。別の実施形態では、組成物は、加圧スプレーシステムを通して放出される。
【0065】
望む場合任意に、フィルター及び/又はフィルター技法を使用して、効果組成物を濾過することができる。このことは、加熱した効果組成物を組成物の繰返し加熱として使用するために、組成物の濃縮を引き起すことがあって、これが粒子形成につながる可能性がある時に、望ましいことがある。フィルター及び/又はフィルター技法の非限定的な例には:フィルターを器具1内のノズル50の前に使用すること;効果組成物を効果組成物貯槽10へ注入する前にフィルターにかけること;効果組成物を効果組成物貯槽10へ注入する前に遠心分離することなど;又はこれらの組み合わせが含まれる。
【0066】
代替実施形態では、ノズル50は、オリフィス閉塞の可能性を減少する目的で導入されたフィルター(図示せず)をオリフィスの前に含む。ノズル50の設計は、フィルター及びスプレーヘッドが、その洗浄及び交換のために、個別に又はユニットとしてかいずれかで組立て体の残りから取外し可能であるようなものであってもよい。フィルターは、ノズルオリフィスの最大出口径以下の孔径を有してもよい。
【0067】
(信号手段)
更にまた、器具は、器具のユーザーに情報を伝える信号手段、例えば視覚、聴覚、振動信号、又はこれらの組み合わせなどを含んでもよい。信号手段の非限定的な例には、点滅光、着色光が含まれ、その非限定的な例として、緑/赤色光、ビープ音、警笛、チャイム、及び振動が挙げられる。信号手段は、器具の状況を表示するのに有用であり得て、それが今度は、器具の機構を作動させることをユーザーに要求してもよい。
【0068】
図7及び8を参照すると、信号手段の非限定的な例が示されている。布地物品乾燥機閉止構造の外部表面から認知可能なLED光280は、運転状態を表示する異なる色を有してもよく、とりわけ、緑色LED光が器具運転中用、又は多分点滅赤色光が電池の消耗状態表示である。
【0069】
(効果組成物)
効果組成物は、1つ以上の布地物品活性物質を含むことができ、並びに洗浄、しわ除去、仕上げ、及び/又は脱臭組成物などであってもよい。更に、効果組成物は、液体、固体、気体、又はこれらの組み合わせの物理形態であってもよい。布地物品活性物質の非限定的な例として、溶媒、界面活性剤、皺除去剤、静電気防止剤、縮み防止剤、抗菌剤、湿潤剤、結晶変性剤、汚れ除去剤、着色剤、増白剤、芳香剤、臭気低減剤/解消剤、脱臭剤/リフレッシュナー、汚れ防止剤、着色強化剤、デンプン、柔軟剤、及び糊材などが挙げられる。
【0070】
効果組成物は、水、界面活性剤、芳香剤、防腐剤、漂白剤、洗浄助剤、縮み防止剤、溶媒、しわ防止剤、抗菌剤、湿潤剤、結晶変性剤、及びこれらの混合物を含んでもよい。
【0071】
本明細書の典型的な効果組成物は、水の重量基準で少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約65%、より好ましくは少なくとも約80%の水を含んでもよい。
【0072】
効果組成物を布地物品乾燥機中へスプレーすることへの1つの障害は、使用間に効果組成物がノズルを閉塞させる可能性である。この閉塞を防止するために幾つかの方法が使用可能であり、これには、単一相溶液の使用、保湿剤又は他の湿分保持成分の高レベル含有、親水性溶媒、ポリマーと共に被膜軟化成分の使用、及び吸湿性塩の効果組成物への添加などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
ここで図面特に図6を参照すると、本発明により布地物品を処理するための布地物品処理器具1が示されている。布地物品処理器具1は、1つ以上の効果組成物が布地物品乾燥機260の内部270中へ分配される、及び/又は布地物品乾燥機260の内部270中に存在する布地物品の上に分配されるような方法で、布地物品乾燥機260に関連付けられている。一実施形態では、接触は、布地物品が移動している時に生じることができる。別の実施形態では、接触は、布地物品が動いていないときに生じることができる。更に別の実施形態では、接触は、布地物品が動いている一時点及び動いていない別の時点で生じてもよい。布地は、処理時に濡れていても乾燥状態でもよい。
【0074】
一般に、布地物品処理器具1は、布地物品乾燥機260の内部270に取外し可能に、又は永久的に取り付けられてもよい。取付けが可能な領域の非限定的な例には、布地物品乾燥機260の閉止構造110、布地物品乾燥機260のドラム(存在する場合)、後方壁などが含まれる。取付け手段の非限定的な例には、吸引カップ、フック、ストラップ、接着剤、ベルクロ(Velcro:登録商標)、磁石などが含まれる。図7〜8に示されるような更に別の実施形態では、布地物品処理器具1は、布地物品乾燥機と共に使用するのに好適な、容易に取り外し可能な閉止構造110に組み込まれてもよい。
【0075】
図1〜2を参照すると、本発明の一態様により布地物品を処理するための布地物品処理器具1が示されている。この実施形態では、貯槽10は、熱伝導性材料で構成されて、効果組成物が、布地物品乾燥機(図示せず)などの熱源により加熱される。非限定的な例では、貯槽10は、25℃において10W/(m・℃)の熱伝導率を有する好適な材料、例えば、ロードアイランド州ワーウィックのクールポリマーズ(Cool Polymers)からクールポリ(CoolPoly:登録商標)RS012の商品名で入手可能なポリフェニレンサルファイド系材料などで構成される。典型的な運転では、指定された方法で布地物品乾燥機が一旦運転されると、続いて及び/又は処理サイクルの開始の間に、布地物品処理器具1が活性化される。一実施形態では、器具1は、布地物品乾燥機の運転に続いて、好ましくは乾燥サイクルの開始の後少なくとも約5分で活性化される。
【0076】
布地物品処理器具1は、スィッチ21を押し下げることにより活性化可能であり、続いてこれがポンプ30のモータ60を活性化させる。モータ60は、一般に、しかし常にではないが、電源100により電力供給され、これは通常1つ以上の電池を含む。電源100は、電線70により、及びモータ60を制御するための任意の電子品基板80により、モータ60に接続可能である。
【0077】
ポンプ30が活性化されると、加熱された効果組成物が、貯槽10から導管20を通ってノズル50へ引き出される。導管の内径は、約10mm以下、及び/又は約5mm以下の範囲とすることができる。任意に、導管20は、ノズル50の前にフィルターを追加的に含んでもよい。フィルター孔径は、ノズル50の最大開口部以下であってもよい。
【0078】
ノズル50は、流体噴霧型スプレーヘッド及び/又は単純オリフィスでさえあってもよく、これを通して効果組成物が衣服乾燥機の受入れ容積内へ分配される。好適な圧力旋回噴霧器が、イリノイ州カリーのシークイストディスペンシング(Seaquist Dispensing LLC)からモデル番号DU−3813で入手可能である。
【0079】
図3〜4に示されるような本発明の別の実施形態では、器具の運転は、図1〜2に示される実施形態と類似方法で実行される。この実施形態では、効果組成物の加熱は、貯槽10内に配置された加熱コイル40の手段により達成される。加熱コイル40は、効果組成物に関連付けられた器具のいずれかの構成要素の中に、又はそれと熱的に関連付けられて配置が可能である。効果組成物に関連付けられた構成要素の非限定的な例には、貯槽10、導管20、ノズル50などの排出点、及びこれらの組み合わせが含まれる。
【0080】
この実施形態では、電力は、1つ以上の電池100により、及び任意に高圧電源200により加熱コイル40に供給され、これが続いて効果組成物を加熱する。
【0081】
図4に示される実施形態は、図3の実施形態と類似の方法で運転され、及びそのより経済的な変型である。電源100のエネルギーを節約するために、分配手段30は、モータ無しタイプのものであり、その非限定的で好適な例には、ばね作動器具、重力式供給ポンプなどが含まれる。それに加えて、加熱コイル40には、高圧電源の必要が無く、電池100単独で電力供給可能である。
【0082】
図5に示される実施形態は、発熱反応の手段により効果組成物を加熱する。この実施形態では、発熱ポーチ160が、曲げられてから貯総開口部140を通して加えられ、貯槽10内の効果組成物に熱を提供することができる。発熱ポーチの非限定的な例には、金属酸化反応のもの、飽和塩溶液のものなどが含まれる。この実施形態の別の変形では、発熱反応はその場で生じ得るものであり、そこでは、溶質が貯槽10内の効果組成物に直接添加され、これにより熱が発生する。溶質は、溶媒より前に添加されても、後にでも、同時にでも、又はこれらの組み合わせでもよい。それに加えて、溶質と溶媒は、貯槽10内へ入れられる前に混合されてから、その中へ分配されてもよい。
【0083】
図7に示される実施形態では、効果組成物が熱電モジュール310の手段により加熱される。熱電モジュール310は、家庭用電流源などの電源100を使用し、及びモジュールのヒートシンクが1つ以上の効果組成物供給源10と熱連通するように配置される。更に、器具の内部パネルは、鋼などの熱伝導性材料で構成される。熱が、布地物品乾燥機の布地物品受入れ容積からペルチエモジュールなどの熱電モジュール310に伝達され、これが続いて効果組成物へ熱伝達する。熱電モジュールは、効果組成物に関連付けられた他の構成要素とも熱連通してもよく、その非限定的な例には、導管20、ノズル50のような排出点などが含まれる。ペルチエ効果を利用するモジュールの1つの例には、ニューハンプシャー州ナシュダのフェロテックアメリカ社(Ferrotec America Corporation)から入手可能なモデル6302/127/060AXがある。
【0084】
図7に示される実施形態の利点は、布地物品処理器具1が乾燥機の閉止構造と一体化されていることである。布地物品処理器具1は、既存の閉止構造のねじを外して本発明の布地物品処理器具1を取り付けるだけで、既存の機器扉と共に容易に交換可能である。これによって、一体化された布地物品処理器具の便利さが提供され、それにもかかわらず、複雑及び/又は高価な既存機器への後付けを必要としない。
【0085】
この実施形態は又、LED光280又は貯槽窓290の手段により、布地物品処理器具1のユーザーに合図する手段を提供する。LED光280は、例えば、運転状態を示す緑色光を提示してもよく、又は劣化運転状態、例えば不満足な結果につながり得る効果組成物の量低下などを示す点滅赤色光を提示してもよい。効果組成物のレベルは、貯槽窓290を通しても知覚可能であり、これには残る使用回数を示す用量の印がマークされていてもよい。更に、効果組成物の温度も表示されてもよい。
【0086】
図8の実施形態は、外観上は図7の実施形態に類似であるが、図2の実施形態と類似方法で効果組成物に熱を提供する。図8の実施形態は、アクセスパネル300と、鋼などの熱伝導性の材料で構成された布地物品処理器具の内部パネル230と、25℃において10W/(m・℃)の熱伝導率を有するポリフェニレンサルファイド系の材料などの熱伝導性の材料で構成された効果組成物供給源10とを含み、これは、クールポリ(CoolPoly:登録商標)RS012の商品名でロードアイランド州ワーウィックのクールポリマーズ(Cool Polymers)から入手可能である。この実施形態では、布地物品乾燥機の運転からの熱が、布地物品処理器具1の内部パネル230を経て効果組成物供給源10へ伝達され、これにより効果組成物に熱がもたらされる。
【0087】
図9〜12は、布地物品処理器具1の代替実施形態を示す。布地物品処理器具1は、2つのハウジングすなわち囲い、内側又は内ハウジングと外側又は外ハウジングを備える。内ハウジング230は、布地物品乾燥機の内部に配置される。外ハウジング220は、布地物品乾燥機の外側に配置される。布地物品処理器具1の内ハウジング230と外ハウジング220は、相互に連通する。内ハウジング230と外ハウジング220の間の連通の非限定的な例には、電気通信(内及び外ハウジング間で電気信号が送信される)と、組成物移送連通(すなわち、外及び内ハウジング間で効果組成物が移送される)と、温度連通(すなわち、外及び内ハウジング間で温度差が伝達され、その非限定的な例は、効果組成物が一方のハウジング内で加熱されて他方のハウジングへ移送されるものである)とが含まれる。内ハウジング230と外ハウジング220は、互いに連結されてもよい。内及び外ハウジングを連結する非限定的な手段には、フラットケーブル、電線、及び/又は導管340(その非限定的な例は、外及び内ハウジング間で効果組成物を移送するための導管である)が含まれる。内ハウジング230は、取付けストラップ210により布地物品乾燥機の閉止構造に取り付けられてもよい。
【0088】
外ハウジング220は、布地物品乾燥機扉の外面上に取り付け可能であるが、いかなる外部表面上に取り付けられてもよく、その非限定的な例には側壁、上部壁、上部開口蓋の外面などが含まれ、また布地物品乾燥機から離れた壁又は他の家構造も含まれる。更に内ハウジング230は、布地物品乾燥機のいかなる内部表面上に取り付けられてもよく、例えば、扉の内面、図14に示されるように閉止扉110の内面125と外面127の間、布地物品乾燥機のドラム、後ろ壁、上部開口蓋の内面などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
内部及び外ハウジングは、当業者によく知られた材料で構成されてもよい。そのような材料の非限定的な例には、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリカーボネート類、ポリエチレン、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されないポリマー材料と、エナメルコーティング金属が含まれるがこれに限定されない金属とが挙げられる。
【0090】
外ハウジング220は、外部表面に永久的に取り付けられても、又は取外し可能に取り付けられてもよい。同様に、囲い20は、内部表面に永久的に取り付けられても、又は取外し可能に取り付けられてもよい。
【0091】
内ハウジング230と外ハウジング220は、相互に連通する。内ハウジング230と外ハウジング220は、互いに連結されてもよい。内ハウジング220と外ハウジング230を連結する非限定的な例には、図9〜図12に示されるようなフラットケーブル340(また、「リボンケーブル」と呼ばれることもある)の使用、電線、織物又は不織布のシースの中に入れられた電線又は組の電線、導管(その非限定的な例は効果組成物用導管である)、又はこれらの組み合わせが含まれ得る。織物又は不織布のシースは、内ハウジング230及び外ハウジング220を取り付ける手段としても使用してもよい。内ハウジング230と外ハウジング220は、電線及び/又はハウジング連結体への不必要な張力を減少するために、重力釣合わせの手段を提供するように使用されてもよい。内ハウジング230と外ハウジング220の間の通常の重量比は、一般に、約1:14〜約14:1である。内ハウジング230と外ハウジング220は又、電気的及び/又は流体的連通をしていてもよい。効果組成物用の貯槽10、効果組成物を加熱するための手段、ポンプ30、及び放出ノズル50も存在する。ポンプ30はモータ60を含んでもよい。電源200も又含まれてもよい。追加の電子構成要素80も含まれてもよい。
【0092】
図1〜2、及び6に示されるような布地物品処理器具1の使用の非限定的な例では、1つ以上の布地物品が、布地物品乾燥機260の内部270の中に置かれてもよい。操作者は、布地物品処理器具1上のオン/オフ・スィッチ21を短時間押し下げるだけである。乾燥機260が、製造者が指定する方法で活性化される。予め設定された時間又は環境条件が開始した後で、オン/オフ・スィッチ21が、器具の電子品80を活性化して、電池100を電線70経由でポンプモータ60に接続する。
【0093】
効果組成物が、貯槽10から分配手段30及び導管20を通って移送されて、ノズル50から布地物品乾燥機260の中へ放出される。効果組成物は、ミストの形態でノズル50から放出されてもよい。一般に、効果組成物を適用する時間は、サイクルの選択及び負荷の大きさにもよるが、約0.5〜約120分の間であり得る。処理の間の空気温度は、約30℃〜約80℃、より好ましくは約40℃〜約65℃の範囲とすることができる。排気ダクトは、従来型ドライヤ用途の場合の如く、排気がユーザーの家の外へ換気されるように排気管路へ連結してもよい。ダクトは、効果組成物を適用する工程の間は閉止できるように、閉止手段を備えてもよい。
【0094】
プロセスでの使用のために選定される特定の効果組成物は、特定の所望の効果次第で大幅に変化可能である。しかしながら、運転の幾つかのモードでは、効果組成物は、様々な布地物品のタイプにわたって効果的であり得る成分を含有する。効果組成物は、例えば、「ドライクリーニング」だけの布地物品と、従来型の洗濯作業(即ち、家庭での洗濯及び乾燥サイクル)に引き続いて著しい皺取り操作を通常必要とする純綿ドレスシャツとに好適であってもよい。
【0095】
また、望ましい効果組成物及び処理サイクルなどをユーザーが選定することを助ける非言語的な指示情報が、布地物品処理装置の中に存在してもよく、並びに、器具、効果組成物容器、使用説明書、及び布地物品処理装置に関連付けられたような他の物品の内の1つ以上に存在してもよい。理論に束縛されるものではないが、これらの非言語的な指示情報は、布地物品処理装置の運転を簡単にし、及びしたがって、装置のユーザーに便利さを提供すると考えられている。非言語的な指示情報は、視覚的、聴覚的、触覚的、又は振動的な信号であってもよく、あるいはこれらの信号の組み合わせを含んでもよい。非言語的な指示情報の非限定的な例には、赤/緑の光(停止/進行信号)、流体レベルを示す貯槽上の窓、アイコン、ビープ音、警笛、ゴム状の握りなどが含まれる。視覚指示情報の例は、電池のアイコンであって、これが、ユーザーへの電池交換必要性の表示として器具のディスプレイ上に存在してもよい。別の例では、触覚指示情報が、器具のゴム状部分を含んで、ユーザーが器具を快適に把持可能な場所を示してもよい。
【0096】
本発明の詳細説明の中で引用した全ての文献を、全体又は関連部分において、参考として本明細書に組み込む。いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であると承認したとして解釈されるべきでない。
【0097】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明に従って作成された布地物品処理器具の実施形態の正面図。
【図2】図1の布地物品処理器具の線2−2に沿ってとる断側面図。
【図3】布地物品処理器具の代替実施形態の、図1の線2−2に沿ってとる断側面図。
【図4】布地物品処理器具の代替実施形態の、図1の線2−2に沿ってとる断側面図。
【図5】布地物品処理器具の代替実施形態の、図1の線2−2に沿ってとる断側面図。
【図6】本発明に従って布地を処理するための装置の実施形態。
【図7】本発明の代替実施形態による布地物品処理器具の分解図。
【図8】本発明の更に別の実施形態による布地物品処理器具の分解図。
【図9】本発明に従って作成された布地物品処理器具の別の実施形態の斜視図。
【図10】図9の布地物品処理器具の反対の角度からの斜視図。
【図11】図9の線3−3に沿って見る、図9の布地物品処理器具の一部を断面にした一側からの立面図。
【図12】図9の線4−4に沿って見る、図9の布地物品処理器具の内ハウジング部分の一部を断面にした一側からの立面図。
【図13】本発明に従って使用が可能な熱電モジュールの概略図。
【図14】本発明の布地物品処理器具の別の実施形態の分解図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地を処理するための装置であって、前記布地を処理するための装置が:
a)布地物品乾燥機;及び
b)前記布地物品乾燥機に取り外し可能に取り付け可能である布地物品処理器具であって、前記器具が、効果組成物を加熱するための少なくとも1つの手段を含み、及び効果組成物を分配するための分配器を含むことを特徴とするものである、布地物品処理器具を備える装置。
【請求項2】
前記布地物品処理器具が別個の独立型の器具である請求項1の装置。
【請求項3】
前記布地物品乾燥機が閉止構造を更に備え、前記布地物品処理器具が前記閉止構造と一体である、請求項1又は2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
効果組成物を更に含む請求項1〜3のいずれかに記載の装置であって、前記効果組成物が発熱反応により加熱され、好ましくは前記発熱反応は25℃において−1kJ/mol以下のエンタルピーを有し、前記発熱反応は:
a)金属酸化反応であって、好ましくは前記金属酸化反応が少なくとも1つの金属を含み、前記金属が、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、又はこれ他の組み合わせである、金属酸化反応;
b)飽和塩反応であって、好ましく酢酸ナトリウム及び水を含む飽和塩反応;
c)その場反応;あるいは
d)a)、b)、及びc)の組み合わせ、
である装置。
【請求項5】
前記金属酸化反応が少なくとも1つの電解質を更に含み、前記電解質は:
a)アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩、又はこれらの組み合わせか;あるいは
b)前記金属酸化反応が炭素源を更に含み、前記炭素源は、活性、非活性、又はこれらの組み合わせであるかである、請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
布地物品乾燥機への取り付けのために取り外し可能に取り付けられた器具であって、前記取り外し可能に取り付けられた器具は:
a)効果組成物の少なくとも1つの供給源;
b)効果組成物を加熱するための少なくとも1つの手段;及び
c)前記効果組成物を布地物品乾燥機の中へ分配するための分配手段、
を含む器具。
【請求項7】
請求項6に記載の器具は電源を更に含むものであって、前記電源は:
a)1つ以上の電池であって、前記電池が、使い捨て、再充電型、又はこれらの組み合わせである1つ以上の電池;あるいは
b)家庭用電流源;あるいは
c)a)及びb)の組み合わせ、
を含む器具。
【請求項8】
前記効果組成物の供給源は、貯槽、カートリッジ、ポーチ、又はこれらの組み合わせである、請求項6及び7に記載の器具。
【請求項9】
前記分配手段はポンプであり、前記ポンプが:
a)入口部及び排出部を含む導管;及び
b)前記導管の前記排出部に連結されたノズルを備え;
前記導管の前記入口部が、前記効果組成物を前記効果組成物の供給源から前記導管を通して前記ノズルへ分配し、それにより前記効果組成物を前記ノズルから前記布地物品乾燥機の中へ分配するように、前記効果組成物の供給源に連通している、請求項6〜8のいずれかに記載の器具。
【請求項10】
前記効果組成物を加熱するための前記手段が:
a)加熱コイル;
b)前記布地物品乾燥機と前記布地物品処理器具の間の熱経路内の熱伝導性材料であって、好ましくは25℃において少なくとも約5W/(m・℃)の熱伝導率を有する熱伝導性材料;
c)熱電モジュール;あるいは
d)a)、b)、又はc)の組み合わせ、
を含む請求項6〜9のいずれかに記載の器具。
【請求項11】
布地を処理するための方法であって、前記方法は:
a)布地物品処理器具を提供する工程であって、前記布地物品処理器具は、
i)効果組成物の少なくとも1つの供給源;
ii)効果組成物を加熱するための少なくとも1つの手段;及び
iii)前記効果組成物を布地物品乾燥機の中へ分配するための分配手段を含む、工程;
b)布地物品乾燥機を提供する工程;
c)処理すべき布地を前記布地物品乾燥機へ投入する工程;
d)前記布地物品処理器具を前記布地物品乾燥機へ取り外し可能に取り付ける工程;
e)効果組成物を加熱する工程;並びに
f)加熱した効果組成物を前記布地物品乾燥機中へ分配する工程、
を含む方法。
【請求項12】
前記加熱する工程は、発熱組成物を提供して、前記発熱組成物が前記効果組成物に接触するようにすることを更に含むものであり、それにより前記効果組成物の温度が、前記発熱組成物との接触の後で上昇する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記効果組成物が加熱されるように前記発熱組成物を使用するための指示を提供することを更に含む、請求項11及び12に記載の方法。
【請求項14】
前記装置のユーザーへの1つ以上の非言語的な指示情報を提供する工程を更に含み、前記非言語的な指示情報は前記ユーザーに提供可能であり、前記ユーザーが、工程(e)の前、工程(e)の間、工程(e)の後、又はこれらの組み合わせにおいて、前記布地物品処理装置の構成要素を運転及び/又は調節する、請求項11〜13のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2006−505718(P2006−505718A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553758(P2004−553758)
【出願日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2003/036573
【国際公開番号】WO2004/046451
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】