説明

帯状連続体供給装置

【課題】 ロール状に回巻された帯状連続体にかかる張力をロール径に応じて変化させるとともに、芯部材の内径が異なっても張力を一定とすることができる帯状連続体供給装置を提供すること。
【解決手段】 ロール径残量検出手段21と、帯状連続体2の周面に当接する回動自在な張力付与ローラ23、および繰り出されて縮径する帯状連続体のロール径に追従して張力付与ローラを帯状連続体へ付勢する付勢手段22を備え、かつ、供給部3に装着された帯状連続体に一定の張力を付与する張力発生手段20と、各部を制御する制御手段と、を備えている。そして、ロール径残量検出手段によって、帯状連続体のロール径が大と検出されたときは、制御手段により繰り出す方向Fに張力付与ローラを回転fし、また、ロール径が中のときは張力付与ローラの回動を行わず、さらに、ロール径が小のときは、制御手段により繰り出し逆方向Bに張力付与ローラを回転bさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、ロール状に回巻されたラベル、タグ連続体、カーボン連続体などの帯状連続体にかかる張力をロール径に応じて変化させて一定とすることができる帯状連続体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帯状連続体に対し一定張力を付加しながら繰り出すことのできる帯状連続体供給装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
同帯状連続体供給装置によれば、トルクリミッタにて回転体を介して帯状連続体に一定張力を付与するようにしたものであり、回転盤を2枚使用し、第二の回転盤に対し付勢手段により付勢力を付与し、第一および第二の回転盤にて動力伝達盤を挟み込み、動力伝達盤との摩擦力により第一及び第二の回転盤を相対的に回転するとともに、駆動軸および回転軸を介して帯状連続体を回転させることにより、動力伝達盤と、第一および第二の回転盤との間に偏摩擦を生じさせないようにしている。
しかしながら、特許文献1の帯状連続体供給装置によれば、帯状連続体の芯部材を回転体に外装するとともに、前記回転体に対して前記動力伝達盤と、第一および第二の回転盤、並びに付勢手段などから成る前記トルクリミッタにより前記回転体を介して帯状連続体に一定張力を付与したものであり、回転体と帯状連続体、より具体的には、帯状連続体の芯部材との嵌合が必須であるにも拘らず、タグ、或いはラベルなどの種類により帯状連続体の芯部材の内径が異なるため、嵌合ができない場合があるという問題があった。
また、第一および第二の回転盤と動力伝達盤との摩擦力により第一及び第二の回転盤を相対的に回転させて一定張力を付加するため、磨耗により回転盤や動力伝達盤を交換する頻度が高くなるという問題があった。
【0003】
【特許文献1】特開2007−197209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであり、ロール状に回巻されたラベル、タグ連続体、カーボン連続体などの帯状連続体にかかる張力をロール径に応じて変化させるとともに、芯部材の内径が異なってもできる限り張力を一定とすることができる帯状連続体供給装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る帯状連続体供給装置は、巻回されたロール状の帯状連続体を回転自在に装着するするとともに下流に向けて繰り出す供給部と、前記供給部に装着されて繰り出される前記帯状連続体のロール径残量を検出するロール径残量検出手段と、前記供給部に装着された帯状連続体の周面に当接する回動自在な張力付与ローラ、および繰り出されて縮径する前記帯状連続体のロール径に追従して前記張力付与ローラを帯状連続体へ付勢する付勢手段を備えるとともに、前記供給部に装着された上記帯状連続体に一定の張力を付与する張力発生手段と、前記ロール径残量検出手段によるロール径残量に基づき、前記張力発生手段を制御する制御手段と、を備えた帯状連続体供給装置であって、前記ロール径残量検出手段による検出において、帯状連続体のロール径が大と検出されたときは、前記制御手段により繰り出す方向に前記張力付与ローラを回転し、また、ロール径が中のときは張力付与ローラの回動を行わず、さらに、ロール径が小のときは、前記制御手段により繰り出し逆方向に前記張力付与ローラを回転させることを特徴とする。
また、第2の発明に係る帯状連続体供給装置は、巻回されたロール状の帯状連続体を回転自在に装着するするとともに下流に向けて繰り出す供給部と、前記供給部に装着された前記帯状連続体の媒体種別を検出する読取り手段と、前記供給部に装着されて繰り出される前記帯状連続体のロール径残量を複数段で検出するロール径残量検出手段と、前記供給部に装着された帯状連続体の周面に当接する回動自在な張力付与ローラ、および繰り出されて縮径する前記帯状連続体のロール径に追従して前記張力付与ローラを帯状連続体へ付勢する付勢手段を備えるとともに、前記供給部に装着された上記帯状連続体に一定の張力を付与する張力発生手段と、前記帯状連続体の媒体種別ごと、かつ、検出されたロール径残量の段階ごとに、前記張力付与ローラの回転方向を、繰り出し方向または繰り出し逆方向に設定した記憶手段と、前記記憶手段に設定された張力付与ローラの回転方向に基づき、前記帯状連続体を繰り出し方向、あるいは繰り出し逆方向に前記張力発生手段を介して制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の帯状連続体供給装置は、巻回されたロール状の帯状連続体を回転自在に装着するするとともに下流に向けて繰り出す供給部と、供給部に装着されて繰り出される帯状連続体のロール径残量を検出するロール径残量検出手段と、供給部に装着された帯状連続体の周面に当接する回動自在な張力付与ローラ、および繰り出されて縮径する帯状連続体のロール径に追従して張力付与ローラを帯状連続体へ付勢する付勢手段を備えるとともに、供給部に装着された帯状連続体に一定の張力を付与する張力発生手段と、ロール径残量検出手段によるロール径残量に基づき、張力発生手段を制御する制御手段と、を備え、ロール径残量検出手段による検出において、帯状連続体のロール径が大と検出されたときは、制御手段により繰り出す方向に張力付与ローラを回転し、また、ロール径が中のときは張力付与ローラの回動を行わず、さらに、ロール径が小のときは、繰り出し逆方向に張力付与ローラを回転させるようにしたので、ロール径が大径で重たいときは、張力付与ローラの回転が帯状連続体を繰り出す方向に回転して帯状連続体の繰り出しを補助し、また、小径で帯状連続体が軽いときは、張力付与ローラを繰り出し逆方向Bに回転して帯状連続体の余剰繰り出しを防止できるという効果がある。
また、第2の発明に係る帯状連続体供給装置は、巻回されたロール状の帯状連続体を回転自在に装着するするとともに下流に向けて繰り出す供給部と、供給部に装着された帯状連続体の媒体種別を検出する読取り手段と、供給部に装着されて繰り出される帯状連続体のロール径残量を複数段で検出するロール径残量検出手段と、供給部に装着された帯状連続体の周面に当接する回動自在な張力付与ローラ、および繰り出されて縮径する帯状連続体のロール径に追従して張力付与ローラを帯状連続体へ付勢する付勢手段を備えるとともに、供給部に装着された帯状連続体に一定の張力を付与する張力発生手段と、帯状連続体の媒体種別ごと、かつ、検出されたロール径残量の段階ごとに、張力付与ローラの回転方向を、繰り出し方向または繰り出し逆方向に設定した記憶手段と、記憶手段に設定された張力付与ローラの回転方向に基づき、帯状連続体を繰り出し方向、あるいは繰り出し逆方向に張力発生手段を介して制御する制御手段と、を備えたので、ロール径の検出された段階ごとに張力付与ローラの回転方向を繰り出し方向または繰り出し逆方向に設定した記憶手段の回転方向に基づき、張力付与ローラの回転にて帯状連続体を繰り出す方向、あるいは繰り出し逆方向に搬送するので、媒体種別毎の帯状連続体のロール径の大きさに見合う一定の繰り出しが実現できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施の形態につき、図1および図2に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る帯状連続体供給装置を備えたラベルプリンタの要部を示す概略側面図である。
ラベルプリンタ1は、主に、ロール状に巻回された帯状連続体2を装着する供給部としての供給軸3と、位置検出手段としての位置検出センサ4と、サーマルヘッド5およびプラテンローラ6を備えた印字部7と、帯状連続体供給装置20と、制御手段としての制御部8と、を備えており、制御部8は、前記各部と接続され、各部の動作が制御できるようになっている。
帯状連続体2は、表面に感熱発色層を備え、裏面に図示省略の粘着剤層を備えたラベルが台紙に複数仮着された「ラベル連続体」、あるいは、裏面の粘着剤層が露呈した状態の、いわゆる、「台紙なし連続体」、並びに表面に感熱発色層を備えた厚紙の「タグ連続体」などの採用が可能である。
また、帯状連続体2の裏面側には、帯状連続体2の位置決めなどに使用するための図示省略の識別マークが等間隔に予め印刷されている。さらに、帯状連続体2の芯部材2aの内径は、前記「ラベル連続体」や「タグ連続体」の種類などにより異なっている。
位置検出センサ4は、所定の光を出射する発光部4aと、その光を受光する受光部4bとから構成され、発光部4aおよび受光部4bは、帯状連続体2の裏面の前記識別マーク(図示省略)を検出するよう、供給軸3と印字部7との間に配置されている。
印字部7は、サーマルヘッド5およびプラテンローラ(以下、適宜、単に「プラテン」と称す)6を備えており、プラテン6は、ステッピングモータ(以下、適宜、単に「モータ」と称す)9との間にベルト10を介して接続されている。
なお、供給軸3に装着した記録媒体2は印字部7側へ引き出し、位置検出センサ4を経てサーマルヘッド5およびプラテン6の間に挟持し、発行口11に引出す。そして、サーマルヘッド5により押圧してモータ9を回転させると、ベルト10を介してモータ9の回転がプラテン6に伝わり、挟持された帯状連続体2は、発行口11側〈矢示F方向〉へ繰り出し・搬送されつつサーマルヘッド5の図示省略の発熱素子の熱により所望の情報が印字されるようになっている。なお、本実施の形態のラベルプリンタ1は、帯状連続体2を発行口11側〈矢示F方向〉へ連続して搬送しながら印字を施すバックフィードのない、いわゆる「垂れ流し型」の発行形態のものである。
【0008】
ここで主に、図2を参照して帯状連続体供給装置につき説明する。
図2は、帯状連続供給装置20が形成された供給軸近辺の拡大概略説明図である。
同図に示すように、帯状連続供給装置20は、ロール径残量検出手段21と、張力発生手段22とを備えており、これらの各部は、前記制御部8に接続されている。
【0009】
ロール径残量検出手段としてのロール径残量検出センサ21は、供給軸3の上端面より同図における上方に向けて帯状連続体2の側面の半径上に一列に配設した3個の反射センサ21a、21b、21cにより構成されており、各反射センサ21a、21b、21cのうち、帯状連続体2を検出したものの位置と検出しなかったものの位置とから、帯状連続体2の残量を検出できるようになっている。すなわち、3個の反射センサ21a、21b、21cが帯状連続体2を検出したとき、または、供給軸3に近い反射センサ21aおよび中央部の反射センサ21bが帯状連続体2を検出し、供給軸3より一番離れた反射センサ21cのみが帯状連続体2を未検出のときは、帯状連続体2のロール径は大径の状態であり、また、反射センサ21aのみが帯状連続体2を検出し他の反射センサ21c、21bが未検出のときは、ロール径は中径の状態であり、さらに、3個の反射センサ21a、21b、21cが帯状連続体2を未検出のときは、ロール径は小径の状態であることを検出できるようになっている。
【0010】
張力発生手段としての張力発生機構22は、張力付与ローラ23と、付勢手段25とを備える。
張力付与ローラ23は、帯状連続体2の周面に当接するとともに、図示省略のモータに接続されて回動自在とされている。
また、「付勢手段」は、例えば、コイルばねなどの弾性部材25にて構成され、図示省略の筐体と前記連続体2の周面に当接する前記張力付与ローラ23の間に介在して張力付与ローラ23を常時、帯状連続体2に付勢するとともに、先端部に設けた張力付与ローラ23を回動自在に支持している。すなわち、下流側にある発行口11に向けて供給軸3より繰り出されつつ印字部7にて印字される帯状連続体2は、徐々にロール径を縮径するが、弾性部材25が張力付与ローラ23を帯状連続体2の周面に常時付勢しているため、ロール径の縮径に追従して張力付与ローラ23は常に帯状連続体2の周面に当接した状態となる。
また、張力付与ローラ23は、前記ロール径残量検出センサ21にて検出された帯状連続体2のロール径に応じて回転方向を変えるようになっている。すなわち、ロール径が大径のときは、帯状連続体2を下流側に繰り出す方向(図2における矢示F方向)に回転〈矢示f方向〉し、また、小径のときは、帯状連続体2を繰り出し逆方向〈同、矢示B方向〉に回転〈矢示b方向〉し、さらに、中径のときは張力付与ローラ23が回転しないように制御部8により制御されるようになっている。なお、弾性部材25によって付勢される張力付与ローラ23の付勢方向は、供給軸3に向けた方向が望ましい。
【0011】
次に、図1および図2を参照して、ラベルプリンタ1における帯状連続体供給装置20の作動状態を説明する。
帯状連続供給装置20の弾性部材25の付勢力に抗して張力付与ローラ23を供給軸3から離間する方向に退避させた上で帯状連続体2を供給軸3に装着し、今度は張力付与ローラ23から手を離すと、張力付与ローラ23は帯状連続体2の周面に当接した状態で付勢される。
【0012】
供給軸3に装着した帯状連続体2の先端部を指で摘んで発行口11側へと引き出し印字部7のサーマルヘッド5とプラテン6の間に挟持する。
次いで、図示省略の電源を入れ発行枚数などを入力して「発行」動作を実行すると、サーマルヘッド5とプラテン6の間に挟持されモータ9およびベルト10を介して回転するプラテン6の回転により帯状連続体2は発行口1側〈矢示F方向〉に搬送されつつサーマルヘッド5により帯状連続体2に所望の印字が施されて図示省略のラベルまたはタグを発行する。
【0013】
前記ラベル又はタグ〈図示省略〉の繰り出し時、帯状連続体2のロール径は、帯状連続体2の側面の半径上に一列に配設したロール径残量検出センサ21の反射センサ21a、21b、21cにより検出される。すなわち、供給軸3に近い反射センサ21aおよび中央部の反射センサ21bが帯状連続体2を検出し、周面に近い反射センサ21cが帯状連続体2を検出しないか、または、検出した状態のとき、帯状連続体2のロール径は、使い始めて間もない大径のものと判定される。ロール径が大径のときは、帯状連続体2の周面に弾性部材25によって付勢されている張力付与ローラ23を搬送方向(矢示F方向)に回転(図2のf方向)する。すなわち、サーマルヘッド5およびプラテン6の間に挟持されて発行口11側〈矢示F方向〉に搬送される帯状連続体2にはプラテン6の回転による一定の張力が掛かるが、帯状連続体2のロール径が大径で「重たい」ときは繰り出しが渋滞気味となり、印字位置が前(矢示F方向)方向にズレる可能性があるため、プラテン6の回転に同期をとって帯状連続体2を繰り出す方向(矢示F方向)に張力付与ローラ23を回転(図2のf方向)して帯状連続体2の繰り出しを円滑にするものである。
一方、反射センサ21a、21b、21cの全てが帯状連続体2を未検出時は、残量が少ない、ロール径が小径の帯状連続体2と判定される。ロール径が小径のときは、帯状連続体2の周面に弾性部材25によって付勢されている張力付与ローラ23を繰り出し逆方向(矢示B方向)に回転(図2のb方向)する。すなわち、サーマルヘッド5およびプラテン6の間に挟持されて発行口11側〈矢示F方向〉に繰り出し・搬送される帯状連続体2にはプラテン6の回転による一定の張力が掛かるが、帯状連続体2のロール径が小径で「軽い」ときは繰り出しが余剰気味となり、印字位置が後ろ(矢示B方向)方向にズレる可能性が大のため、プラテン6の回転と同期をとって張力付与ローラ23を繰り出し逆方向(矢示B方向)に回転(図2のb方向)して帯状連続体2の余剰繰り出しを抑制するものである。
なお、供給軸3に近い反射センサ21aのみが帯状連続体2を検出し、他の中央部の反射センサ21bおよび供給軸3より一番離れた反射センサ21cが帯状連続体2を未検出時は、帯状連続体2のロール径は中径であり、プラテン6の回転を介した一定の張力による繰り出しに適した重さ〈残量〉であると判定されるようになっており、この中径のときは、張力付与ローラ23は回転フリー状態として図示省力のモータによる積極的な回転は行わないようにする。あるいは、例えば、ソレノイド〈図示省略〉などの進退動手段により、帯状連続体2の周面に当接している張力付与ローラ23を一旦退避し、張力付与ローラ23が関与しないで、帯状連続体2の自重のみで繰り出し方向〈矢示F方向〉に繰り出すようにしてもよい。
【0014】
上述したように、ロール径残量検出センサ21にて、供給軸3に装着されて繰り出される帯状連続体2のロール径残量を検出し、ロール径が大径のときは、帯状連続体2の周面に付勢手段としての弾性部材25の付勢力で当接されている張力発生機構22の張力付与ローラ23を、帯状連続体2を繰り出す方向Fに回転fし、また、ロール径が小径のときは、プラテン6の回転と同期をとって張力付与ローラ23を繰り出し逆方向Bに回転bするように制御し、大径で帯状連続体2が重たいときは、プラテン6による張力に加えて張力付与ローラ23の回転が帯状連続体2を繰り出す方向Fに回転して帯状連続体2の繰り出しを補助し、また、小径で帯状連続体2が軽いときは、プラテン6による張力に抗すべく張力付与ローラ23を繰り出し逆方向Bに回転bして帯状連続体2の余剰繰り出しを抑止するものである。
【0015】
次に、主に、図3ないし図6に基づき、他の実施の形態につき説明する。
なお、以下において、先の実施の形態と同様の部分は同一符号を付すに止め、詳説を省略する。
図3は、他の実施の形態の帯状連続体供給装置を備えたラベルプリンタの要部を示す概略側面図、図4は、供給軸近辺の要部斜視図、図5は、帯状連続供給装置が形成された供給軸近辺の図2相当の拡大概略説明図である。
ラベルプリンタ41は、主に、ロール状に巻回された帯状連続体2を装着する供給軸32と、位置検出センサ4と、サーマルヘッド5およびプラテンローラ6を備えた印字部7と、切断装置33と、帯状連続体供給装置30と、制御部8と、を備えており、制御部8は、前記各部と接続され、各部の動作が制御できるようになっている。
主に、図4に示すように、帯状連続体2には、芯部材2aの内側に、帯状連続体2の媒体種別を示す「識別ID」がバーコードにて印字された連続体種別識別ラベル34が貼付されている。
供給軸32は、前記帯状連続体2を回転自在に支持するとともに、前記連続体種別識別ラベル34を読み取るためのバーコード読取り部35が設けられており、装着された帯状連続体2の連続体種別識別ラベル34をバーコード読取り部35にて読み取るとともに、読み取られた「識別ID〈図示省略〉」は、接続される制御部8へ送られるようになっている。
切断装置33は、可動刃33aおよび固定刃33bとより構成され、発行口11近辺に設けられており、繰り出された帯状連続体2を前記可動刃33aと固定刃33bとの交差により所望のタイミングで切断するようになっている。
【0016】
次に、主に、図5を参照して帯状連続体供給装置30につき説明する。
帯状連続供給装置30は、ロール径残量検出手段31と、張力発生手段22とを備えており、これらの各部は、前記制御部8に接続されている。
ロール径残量検出手段としてのロール径残量検出センサ31は、供給軸32に装着された帯状連続体2の側面の半径上に一列に配設した5個の反射センサ31a、31b、31c、31d、31eにより構成されており、供給軸32の垂線に対し、斜め上方に配設されている。そして、各反射センサ31aないし31dのうち、帯状連続体2を検出したものの位置と検出しなかったものの位置とから、帯状連続体2の残量を検出できるようになっている。すなわち、供給軸32に近い第1の反射センサ31aから同図における上方に向けて順に第2の反射センサ31b、中央部の第3の反射センサ31c、第4の反射センサ31d、そして一番外側の第5の反射センサ31eまで5段階で帯状連続体2のロール径を検出できるようになっている。
また、付勢手段としての弾性部材25は、先端に張力付与ローラ23を回動自在に支持するとともに、付勢力によって張力付与ローラ23を帯状連続体2の周面に常時付勢している。張力付与ローラ23は、図5における供給軸32を通る垂線方向の上方から供給軸32に向けた方向に付勢されている。
【0017】
次に、ここで図6を参照して、張力付与ローラ23の回動方向につき説明する。
図6は、例えば、書き換え可能なフラッシュEEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)などの記憶手段36に記憶された帯状連続体2の識別ID(媒体種別)別、かつ、ロール径別の張力付与ローラ23の段階別の回動方向の一覧である。
帯状連続体2は、前述したように、「ラベル連続体」、「台紙なし連続体」あるいは、「タグ連続体」などの採用が可能であり、夫々の厚みにより重さが異なるだけでなく、同じ「ラベル連続体」であっても紙質や用紙幅によって「重さ」が異なるため、プラテン6を介した帯状連続体2の張力を一定に維持することが難しいため、帯状連続体2の種類(媒体種別)によって、きめ細かく繰り出し方向F、あるいは、繰り出し逆方向Bの回動を行わせようとするものである。
同図の識別ID「T01」の帯状連続体2は、例えば、幅広の「タグ連続体」であり、「T02」は、「T01」よりも幅狭の「タグ連続体」である。
また、識別ID「R01」の帯状連続体2は、「タグ連続体」より厚みが薄い、幅広の「ラベル連続体」であり、「R02」は、「R01」よりも幅狭の帯状連続体2である。
「T01」の帯状連続体2は、第5のセンサ位置、すなわち、第1ないし第5の反射センサ31a〜31eにて帯状連続体2が検出されるか、あるいは、第1ないし第4の反射センサ31a〜31dにて帯状連続体2が検出されて、第5の反射センサ31eのみが帯状連続体2を未検出時は、ロール径が大径で「重たい」ため、弾性部材25により帯状連続体2の周面に付勢・当接されている張力付与ローラ23を「F」、すなわち、繰り出し方向Fに回転させるように設定してあり、以下、第4および第3のセンサ位置では、同じく繰り出し方向Fに回転、また、第2のセンサ位置では、張力付与ローラ23の回動をフリーとし、さらに、ロール径が小径となった第1のセンサ位置では「B」、すなわち、繰り出し逆方向Bに回転させる設定をしてある。
また、張力付与ローラ23は、後述する「バックフィード時」には、プラテン6の回転と同期をとって繰り出し逆方向Bに回転するようにされている(「バックフィード」の詳細は、後述する)。
【0018】
次に、図3ないし図6を参照してラベルプリンタ41における帯状連続体供給装置30の作動状態を説明する。
先の実施の形態のラベルプリンタ1と本実施の形態のラベルプリンタ41の違いは、切断装置33が配設されている点、および供給軸32にバーコード読取り部35が設けられている点である。
図4に示すように、供給軸32に帯状連続体2を装着し、帯状連続体2の先端部を指で摘んで発行口11側へと引き出し印字部7のサーマルヘッド5とプラテン6の間に挟持して図示省略の電源を投入すると、供給軸32は、帯状連続体2の芯部材2aに貼った連続体種別識別ラベル34の「識別ID」を読み取り、かつ、ロール径残量検出センサ31は、反射センサ31aないし31eの検出位置により帯状連続体2のロール径を検出する。読み取られた「識別ID」、およびロール径は、接続される制御部8に送られ、記憶手段36に記憶される帯状連続体2の該当する識別IDおよびロール径残量の段階が選択される。
次いで「発行」動作を実行すると、プラテン6の回転により帯状連続体2を発行口11側〈矢示F方向〉に繰り出し・搬送しつつサーマルヘッド5により帯状連続体2に所望の印字を施し、図示省略の1枚のラベル、あるいはタグの印字が終了すると次〈2枚目〉のラベル、あるいはタグへの印字を行わないで、連続して発行口11側〈矢示F方向〉へ繰り出し切断装置33に位置決めして1枚目を切断する。この繰り出し方向Fへの帯状連続体2の搬送時、付勢力によって帯状連続体2の周面に付勢・当接している張力付与ローラ23は、プラテン6の張力を補助、または抑制すべく記憶手段36に設定された回転方向(FまたはB)に回転(fまたはb)するものである。
また、切断後、帯状連続体2は、2枚目への印字を行うべくプラテン6がバックフィード(繰り出し逆方向Bへの搬送)してラベル、あるいはタグの印字位置をサーマルヘッド5に位置決めする。このバックフィード時、プラテン6の繰り出し逆方向Bの回転と同期をとって張力付与ローラ23も繰り出し逆方向Bに回転bする。
【0019】
上述したように、供給軸32に装着された帯状連続体2の芯部材2aの内側に貼付された連続体種別識別ラベル34を供給軸32に設けたバーコード読取り部35にて読み取るとともに、ロール径残量検出センサ31にて帯状連続体2のロール径を5段階において検出し、さらに連続体種別識別ラベル34にて読み取られた図示省略の識別ID(媒体種別)ごと、かつ、ロール径の検出された段階ごとに張力付与ローラ23の回転方向を繰り出し方向Fまたは繰り出し逆方向Bに設定した記憶手段36を設け、プラテン6の回転により帯状連続体2を繰り出し方向Fに繰り出す際は、記憶手段36に設定された回転方向に基づき、制御手段8の下、張力付与ローラ23を回転(fまたはb)して帯状連続体2の繰り出しを補助、または抑制するので、媒体種別毎の帯状連続体2のロール径の大きさ、延いては「重さ」に見合う一定の繰り出しが実現できるものである。
また、バックフィード時は、プラテン6の繰り出し逆方向Bの回転に同期をとって、張力付与ローラ23を同方向に回転bするので、供給軸32に駆動手段がなくとも、また、帯状連続体2の芯部材2aが供給軸32に嵌合していなくても、バックフィードが可能である。
その他の構成、作用、効果については、先の実施の形態とほぼ同様につき詳説を省略する。
【0020】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る帯状連続体供給装置を備えたラベルプリンタの要部を示す概略側面図である。
【図2】同、帯状連続供給装置が形成された供給軸近辺の拡大概略説明図である。
【図3】他の実施の形態に係る帯状連続体供給装置を備えたラベルプリンタの要部を示す概略側面図である。
【図4】同、供給軸近辺の要部斜視図である。
【図5】同、帯状連続供給装置が形成された供給軸近辺の図2相当の拡大概略説明図である。
【図6】同、張力付与ローラの回動方向を設定した記憶手段の説明図である。
【符号の説明】
【0022】
1 ラベルプリンタ
2 帯状連続体
2a 芯部材
3 供給部(供給軸)
4 位置検出センサ
4a 発光部
4b 受光部
5 サーマルヘッド
6 プラテンローラ〈プラテン〉
7 印字部
8 制御部
9 ステッピングモータ〈モータ〉
10 ベルト
11 発行口
20 帯状連続体供給装置〈第一の実施の形態〉
21 ロール径残量検出手段〈ロール径残量検出センサ〉
21a、21b、21c 反射センサ
22 張力発生手段〈張力発生機構〉
23 張力付与ローラ
24 付勢手段(弾性部材、コイルばね)
30 帯状連続体供給装置〈第二の実施の形態〉
31 ロール径残量検出手段〈ロール径残量検出センサ〉
31a、31b、31c、31d、31d 反射センサ
32 供給軸
33 切断装置
33a 可動刃
33b 固定刃
34 連続体種別識別ラベル
35 バーコード読取り部
36 記憶手段
41 ラベルプリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻回されたロール状の帯状連続体を回転自在に装着するするとともに下流に向けて繰り出す供給部と、
前記供給部に装着されて繰り出される前記帯状連続体のロール径残量を検出するロール径残量検出手段と、
前記供給部に装着された帯状連続体の周面に当接する回動自在な張力付与ローラ、および繰り出されて縮径する前記帯状連続体のロール径に追従して前記張力付与ローラを帯状連続体へ付勢する付勢手段を備えるとともに、前記供給部に装着された上記帯状連続体に一定の張力を付与する張力発生手段と、
前記ロール径残量検出手段によるロール径残量に基づき、前記張力発生手段を制御する制御手段と、
を備えた帯状連続体供給装置であって、
前記ロール径残量検出手段による検出において、帯状連続体のロール径が大と検出されたときは、前記制御手段により繰り出す方向に前記張力付与ローラを回転し、また、ロール径が中のときは張力付与ローラの回動を行わず、さらに、ロール径が小のときは、前記制御手段により繰り出し逆方向に前記張力付与ローラを回転させることを特徴とする帯状連続体供給装置。
【請求項2】
巻回されたロール状の帯状連続体を回転自在に装着するするとともに下流に向けて繰り出す供給部と、
前記供給部に装着された前記帯状連続体の媒体種別を検出する読取り手段と、
前記供給部に装着されて繰り出される前記帯状連続体のロール径残量を複数段で検出するロール径残量検出手段と、
前記供給部に装着された帯状連続体の周面に当接する回動自在な張力付与ローラ、および繰り出されて縮径する前記帯状連続体のロール径に追従して前記張力付与ローラを帯状連続体へ付勢する付勢手段を備えるとともに、前記供給部に装着された上記帯状連続体に一定の張力を付与する張力発生手段と、
前記帯状連続体の媒体種別ごと、かつ、検出されたロール径残量の段階ごとに、前記張力付与ローラの回転方向を、繰り出し方向または繰り出し逆方向に設定した記憶手段と、
前記記憶手段に設定された張力付与ローラの回転方向に基づき、前記帯状連続体を繰り出し方向、あるいは繰り出し逆方向に前記張力発生手段を介して制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする帯状連続体供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−6546(P2010−6546A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167802(P2008−167802)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】