説明

帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物

【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(B)0.1〜5重量部および酸性物質(C)0.0001〜0.01重量部ならびに紫外線吸収剤(D)0〜0.8重量部からなることを特徴とする帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【効果】帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は帯電防止性のみならず耐衝撃性に優れており、透明で且つ埃の付着が敬遠される用途、例えば光源周辺部材や中身の確認できる成形品などに好適に用いられる。また、屋外用途においても充分耐えうる耐候性をも具備することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱安定性および耐衝撃性に優れた帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。更に詳しくは、帯電防止剤によるポリカーボネート樹脂の分解に起因する分子量低下を防止し、耐衝撃性能等を改良した帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、透明性に優れており、電気/電子、光学、建材、医療、食品、車両等の分野において幅広く使用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂から得られた製品は静電気を帯び易く、静電気に伴う障害として、包装材料や成形品への埃の付着、成形時や使用時の電撃、OA機の誤作動などの問題があり、従来から様々な帯電防止剤の配合が検討されてきた。
また、光ディスクのカートリッジ等の事務機器外装部品では、帯電防止性能と同時に内部の様子が十分に視認できるよう透明性も併せて求められていた。
【0003】
ポリカーボネート樹脂に帯電防止性能を付与するために帯電防止剤として、脂肪酸モノグリセリドを配合することが行われている。(特許文献1)しかしながら、この組成物は帯電防止性能、透明性、熱安定性のすべてを充分に満足しうるものではなかった。
【0004】
また、ポリカーボネート樹脂にジグリセリン脂肪酸エステルと酸化防止剤を配合することが行われている。(特許文献2)この組成物は帯電防止性能、透明性をある程度改良するものの、熱安定性に劣るという問題があった。とりわけ、この組成物のペレットを得る際の溶融混錬加工や得られたペレットの成形加工において熱がかかることから、ジグリセリン脂肪酸エステルとポリカーボネート樹脂との間で反応が起こり、その結果ポリカーボネート樹脂の分解を促進させ、分子量の低下やポリカーボネート樹脂の本来有する耐衝撃性を著しく低下させるという問題があった。特許文献2においては平均分子量25000という比較的高い分子量を有するポリカーボネート樹脂の例が開示されているが、一般に射出成形の用途で用いられるポリカーボネート樹脂の分子量はもっと低いもの(粘度平均分子量17000〜21000)が使用されることから、特許文献2はこの耐衝撃性の低下の面で実用上、根本的な問題を有していた。
【0005】
【特許文献1】特公昭55−4141号公報
【特許文献2】特開平02−196852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述のようなジグリセリン脂肪酸エステルを帯電防止剤として用いた際のポリカーボネート樹脂の熱安定性、分子量および耐衝撃性の低下を防止すると共に、優れた帯電防止性能を有するポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。さらに、本発明の別の態様は屋外用途での耐性を付与するため、上記の諸性能に加えて優れた耐候性を有する帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前述の問題点に鑑み鋭意研究した結果、ポリカーボネート樹脂に対し、ジグリセリン脂肪酸エステルと酸性物質を併用して配合することにより、ポリカーボネート樹脂の熱安定性、分子量および耐衝撃性の低下が著しく防止でき、かつ所望によっては紫外線吸収剤を配合することで優れた耐候性をも具備できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(B)0.1〜5重量部および酸性物質(C)0.0001〜0.01重量部ならびに紫外線吸収剤(D)0〜0.8重量部からなることを特徴とする帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は帯電防止性のみならず耐衝撃性に優れており、透明で且つ埃の付着が敬遠される用途、例えば光源周辺部材や中身の確認できる成形品などに好適に用いられる。また、屋外用途においても充分耐えうる耐候性をも具備することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造された芳香族ポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0011】
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
【0012】
これらは、単独または2種類以上混合して使用される。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
【0013】
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパン等が挙げられる。
【0014】
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000、さらに好ましくは17000〜21000である。かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
【0015】
本発明で使用されるジグリセリン脂肪酸エステル(B)は、グリセリンを重合したジリグリセリンと脂肪酸とのエステル化により得ることができる。
【0016】
ジグリセリン脂肪酸エステル(B)としては、炭素数10〜18の脂肪酸とジグリセリンのエステル化合物が好適に使用される。炭素数10未満では帯電防止性能の持続性が劣る場合があり、また炭素数が18を超えると帯電防止性が劣る場合がある。
【0017】
炭素数10〜18の脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸が挙げられる
【0018】
ジグリセリン脂肪酸エステル(B)の具体例としては、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノミリステート、ジグリセリンモノステアレートなどが挙げられるが、好適にはジグリセリンモノラウレートが用いられる。
【0019】
本発明のジグリセリン脂肪酸エステル(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり、0.1〜5重量部である。配合量が0.1重量部未満では帯電防止性に劣り、また5重量部を超えると透明性及び外観が低下するので好ましくない。より好ましくは、0.5〜3重量部の範囲である。
【0020】
本発明にて使用される酸性物質(C)としては、リン酸、ホウ酸等の化合物があげられ、とりわけ不揮発性の弱酸であるリン酸が好適に用いられる。
【0021】
酸性物質(C)の配合量としては、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部当たり、0.0001〜0.01重量部である。配合量が0.0001重量部未満または0.01重量部を超えると熱安定性および耐衝撃性に劣るので好ましくない。より好ましくは、0.001〜0.005重量部の範囲である。
【0022】
本発明にて使用される紫外線吸収剤(D)としては、具体的にはベンゾトリアゾール系では2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)などが例示される。
【0023】
また、トリアジン系では、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−メチルオキシフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−エチルオキシフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−プロピルオキシフェノール、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ブチルオキシフェノールなどが例示される。
【0024】
上記紫外線吸収剤のうち、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好適に使用できる。上記紫外線吸収剤は、単独あるいは2種以上の混合物で用いても良い。
【0025】
紫外線吸収剤(D)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり、0〜0.8重量部が好ましい。配合量が0.8重量部を超えると初期着色が顕著となるので好ましくない。更に好ましい範囲は0〜0.6重量部である。
【0026】
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、他の帯電防止剤を併用することができる。併用することができる他の帯電防止剤としては、広く公知のものを使用することができ、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アンモニウム塩、他のホスホニウム塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
ポリカーボネート樹脂(A)、ジグリセリン脂肪酸エステル(B)および酸性物質(C)ならびに所望によっては紫外線吸収剤(D)の混合方法ならびに混合順序には特に制限はなく、公知の混合機、例えば、タンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等により混合し、その後一軸もしくは二軸押出機により溶融混練して行うことができる。
【0028】
さらに、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、公知の添加剤、例えば、熱安定剤、離型剤、難燃剤、染顔料等の添加剤を配合しても良い。
【実施例】
【0029】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はそれら実施例に制限されるものではない。尚、「部」は断りの無い限り、重量基準に基づく。
【0030】
表1〜3に示す配合成分、配合量に基づき、タンブラーを用いて各種配合成分を混合し二軸押出機(日本製鋼所製TEX−30α)を用いて、シリンダー温度250℃にて溶融混練し、各種ペレットを得た。
【0031】
使用した配合成分は、それぞれ次のとおりである。
1.ポリカーボネート樹脂:
住友ダウ社製カリバー200−20
(粘度平均分子量:19000、以下PCと略記)
2.ジグリセリン脂肪酸エステル:
ジグリセリンモノラウレート
(理研ビタミン社製ポエムDL−100、以下帯電防止剤と略記)
3.酸性物質:
リン酸
(ナカライテスク社製、以下酸性物質と略記)
4.紫外線吸収剤:
2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール
(チバ・ジャパン社製Tinuvin 329、以下UVAと略記)
【0032】
得られたペレットを用いて、射出成形機(日本製鋼所製J100SAII)を使用し、シリンダーの設定温度300℃にて各種試験片を作成し、それぞれの試験に供した。
【0033】
試験方法は以下のとおりである。
・メルトボリュームレイト(MVR):
ISO 1133に準じて280℃にて測定した。20cm/10分以下を合格とした。
【0034】
・表面抵抗率:
70×40×3mmの平板を射出成形にて作成し、以下の条件にて測定を行った。平板試験片を23℃、55%相対湿度の条件で24時間状態調整した後、高抵抗率計(三菱化学社製ハイレスターUP MCP−HT450)を使用し、測定電圧1000V、サンプリング時間30秒の条件で表面固有抵抗率を測定した。
表面抵抗率が1×1014Ω/sq未満を合格とした。
【0035】
・シャルピー衝撃強度:
23℃における、ノッチ付シャルピー衝撃強度をISO179−2に準拠して測定した。
10kJ/m2以上を合格とした。
【0036】
・耐熱性:
70×40×3mmの平板を射出成形にて成形した後、設定温度340℃のシリンダー内で30分滞留させた後、さらに成形した。滞留前の成形品と滞留後の成形品のイエローネスインデックス(YI)をASTM D−1925に準拠して測定した。滞留前のYIと滞留後のYIとの差をΔYI(耐熱性)とし、2以下を合格とした。
【0037】
・初期着色および耐候性:
70×40×3mmの平板を射出成形にて作成し、スガ試験機社製スーパーキセノンウェザーメーターSX75を用いて、放射照度150W/m2で300時間照射を行った。照射前後の平板のYIを、ASTM D−1925に準拠して測定し、その差をΔYI(耐候性)とした。照射前のYI値が3以下、ΔYIが10以下を合格とした。
【0038】
試験の結果を表1および2に示す。また、耐候性も含めた試験の結果を表3に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
実施例1〜5に示すように、本発明の要件を具備したポリカーボネート樹脂組成物は、表面固有抵抗値をはじめとする必要な性能は全て要求されるレベルを満足している。
【0042】
一方、本発明の要件を満たさない場合においては、いずれの場合も何らかの欠点を有していた。
比較例1は、酸性物質を配合していない場合で、MVRならびに耐衝撃性に劣っていた。
比較例2は、酸性物質の配合量が少ない場合で、MVRならびに耐衝撃性に劣っていた。
比較例3は、酸性物質の配合量が多い場合で、耐熱性(ΔYI)に劣っていた。
比較例4は、帯電防止剤の配合量が少ない場合で、表面抵抗率が要求レベルを満足しなかった。
比較例5は、帯電防止剤の配合量が多い場合で、MVRならびに耐衝撃性に劣っていた。
【0043】
【表3】

【0044】
実施例6および7に示すように、本発明の要件を具備したポリカーボネート樹脂組成物は、表面固有抵抗値をはじめとする必要な性能は全て要求されるレベルを満足している。
比較例6は、紫外線吸収剤の配合量が本発明の要件である範囲を超えて配合したケースであり、初期着色が大きく、かつ耐熱性が要求レベルを満足しなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(B)0.1〜5重量部および酸性物質(C)0.0001〜0.01重量部ならびに紫外線吸収剤(D)0〜0.8重量部からなることを特徴とする帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項2】
ジグリセリン脂肪酸エステル(B)が、炭素数10〜18の脂肪酸とジグリセリンのエステル化合物である請求項1に記載の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
ジグリセリン脂肪酸エステル(B)が、ジグリセリンモノラウレートであることを特徴とする請求項1記載の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項4】
ジグリセリン脂肪酸エステル(B)の配合量が、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.5〜3重量部であることを特徴とする請求項1記載の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項5】
酸性物質(C)が、リン酸、ホウ酸から選択される一種もしくは二種であることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項6】
酸性物質(C)の配合量が、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.001〜0.005重量部であることを特徴とする請求項1記載の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項7】
紫外線吸収剤(D)が、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールであることを特徴とする請求項1記載の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。

【公開番号】特開2010−168543(P2010−168543A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260732(P2009−260732)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(396001175)住友ダウ株式会社 (215)
【Fターム(参考)】