説明

帳票発行装置、帳票発行プログラム、および帳票発行方法

【課題】通帳や証書等の帳票の取り違いの発生を早期に検出して正常な状態に復旧可能にする。
【解決手段】帳票発行装置10は、RFIDリーダにより、読み取り可能範囲にある帳票から500ms周期で帳票に付されたRFIDタグを読み取り、読み取り可能範囲にある帳票を検出する。また、帳票発行装置10は、RFIDリーダにより、読み取り可能範囲にある担当者から500ms周期で担当者の有するRFIDタグを読み取り、読み取り可能範囲にいる担当者を検出する。帳票発行装置10は、異なるタイミングで検出した帳票、担当者の差分により、取り出された帳票、読み取り範囲から離脱した担当者を検出する。帳票発行装置10は、差分として検出された帳票と、差分として検出された担当者とを関連付けした関連付情報を生成する。帳票発行装置10は、表示装置、音声出力装置によって関連付情報の報知をおこなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通帳等を発行する帳票発行装置、帳票発行プログラム、および帳票発行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行等の金融機関では、預金者に対して通帳(たとえば、預金通帳、貯金通帳)を発行する。通帳の発行は、営業店端末からのオペレータ(担当者)の指示により通帳発行機(帳票発行装置)がおこなう。また、通帳発行機は、通帳に限らず証書(たとえば、預金証書)を発行する。
【0003】
このような通帳発行機は、通常1店舗につき1台が設置され、1台の通帳発行機は、複数の営業店端末から通帳の発行を指示される。また、通常店舗では営業店端末の数以上に営業店端末を操作するオペレータの数がいる場合が多いことから、1台の通帳発行機は、営業店端末以上に多くのオペレータによって共用されることとなる。
【0004】
したがって、複数のオペレータが発行を依頼した通帳や証書が、1台の通帳発行機から発行されることとなる。通帳発行機より発行された通帳や証書は、通帳発行機のスタッカ部に排出され留め置かれる。オペレータは、通帳発行機に出向き、目視による口座番号や契約者名の確認をおこなってスタッカ部から通帳や証書を回収する。
【0005】
しかしながら、目視による判別を拠り所とする通帳や証書の回収は、他のオペレータが発行した通帳や証書との取り違いの原因となる。通帳や証書の取り違いは、取り違いを正す作業を発生させ、業務効率を低減させる要因となる。
【0006】
このような通帳や証書の取り違いを防止するために、発行依頼元と発行媒体の対応付けをおこなって、ジャーナルプリンタによる可視的な出力をおこなう通帳発行機の提案がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0007】
また、印刷物の取り扱いを容易にするために、複数のトレイのうち未使用のトレイを選択して印刷物を排出し、選択したトレイをユーザに通知する印刷装置の提案がある(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭61−258776号公報
【特許文献2】特開平10−330013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、1台の通帳発行機が複数のオペレータによって共用されることから、通帳や証書の取り違いを完全に防止することは困難である。たとえば、通帳や証書の取り違いの発生頻度を低減したとしても、一旦、取り違いが発生すると、復旧までに業務が停滞する。また、通帳や証書の取り違いは、繁忙時ほど発生リスクが高まり、障害発生に伴う影響が多大である。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、通帳や証書等の帳票の取り違いの発生を早期に検出して正常な状態に復旧可能な帳票発行装置、帳票発行プログラム、および帳票発行方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、帳票発行装置は、帳票発行手段と、帳票検出手段と、担当者検出手段と、帳票差分検出手段と、担当者差分検出手段と、関連付情報生成手段と、関連付情報報知手段とを備える。
【0012】
帳票発行手段は、帳票に識別情報を付して発行する。帳票検出手段は、帳票に付された識別情報を取得して帳票を周期的に検出する。担当者検出手段は、帳票の発行を依頼した担当者が有する識別情報を取得して担当者を周期的に検出する。帳票差分検出手段は、異なるタイミングで検出した帳票の差分を検出する。担当者差分検出手段は、異なるタイミングで検出した担当者の差分を検出する。関連付情報生成手段は、差分として検出された帳票と、差分として検出された担当者とを関連付けした関連付情報を生成する。関連付情報報知手段は、関連付情報を報知する。
【0013】
また、上記課題を解決するために、帳票発行装置の帳票発行方法は、帳票に識別情報を付して発行し、帳票に付された識別情報を取得して帳票を周期的に検出し、帳票の発行を依頼した担当者が有する識別情報を取得して担当者を周期的に検出し、異なるタイミングで検出した帳票の差分を検出し、異なるタイミングで検出した担当者の差分を検出し、差分として検出された帳票と、差分として検出された担当者とを関連付けした関連付情報を生成し、関連付情報を報知する。
【発明の効果】
【0014】
上記の帳票発行装置、帳票発行プログラム、および帳票発行方法によれば、帳票の取り違いの発生を早期に検出して正常な状態に復旧可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態の帳票発行装置のブロック図である。
【図2】第2の実施形態の通帳発行システムの構成を示す図である。
【図3】第2の実施形態の通帳発行機の外観を示す図である。
【図4】第2の実施形態の通帳発行機の内部構成を示す図である。
【図5】第2の実施形態の通帳発行機制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図6】第2の実施形態の通帳発行システムの通帳発行シーケンスを示す図である。
【図7】第2の実施形態の取出情報通知を示す図である。
【図8】第2の実施形態の発行データ設定処理のフローチャートである。
【図9】第2の実施形態の担当者登録テーブルの更新を示す図である。
【図10】第2の実施形態の通帳発行機の運用情報表示画面の一例を示す図である。
【図11】第2の実施形態の取出通帳管理テーブルの一例を示す図である。
【図12】第2の実施形態の取出監視処理のフローチャートである。
【図13】第2の実施形態のRFID情報取得処理のフローチャートである。
【図14】第2の実施形態の取出監視の一例を示す図である。
【図15】第2の実施形態の取出監視の一例を示す図である。
【図16】第2の実施形態の取出監視の一例を示す図である。
【図17】第2の実施形態の取出監視の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態を図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態の帳票発行装置のブロック図である。
帳票発行装置10は、銀行等の金融機関に備えられ、複数の担当者から帳票発行依頼を受け付けて帳票を発行する。帳票は、たとえば、通帳や証書などである。帳票発行装置10は、帳票発行手段10aと、帳票検出手段10bと、担当者検出手段10cと、帳票差分検出手段10dと、担当者差分検出手段10eと、関連付情報生成手段10fと、関連付情報報知手段10gとを備える。
【0017】
帳票発行手段10aは、担当者から帳票発行依頼を受け付けて、帳票に識別情報を付して発行する。たとえば、識別情報は帳票を一意に識別可能な情報であって、帳票に貼付されるRFID(Radio Frequency IDentification:電波による個体識別)タグに記録される。
【0018】
帳票検出手段10bは、帳票に付された識別情報を取得して帳票を周期的に検出する。たとえば、帳票検出手段10bは、RFIDリーダであって、読み取り可能範囲にある帳票から500ms周期で識別情報を読み取る。これにより、帳票検出手段10bは、読み取り可能範囲にある帳票を検出する。
【0019】
担当者検出手段10cは、担当者が有する識別情報を取得して担当者を周期的に検出する。たとえば、担当者が有する識別情報は、社員証などの身分証に付されたRFIDタグに記録された担当者を一意に識別可能な情報である。また、担当者検出手段10cは、RFIDリーダであって、読み取り可能範囲にいる担当者から500ms周期で識別情報を読み取る。これにより、担当者検出手段10cは、読み取り可能範囲にある担当者を検出する。
【0020】
帳票差分検出手段10dは、異なるタイミングで検出した帳票の比較により、差分(帳票発行装置10からの帳票の取出し)を検出する。担当者差分検出手段10eは、異なるタイミングで検出した担当者の比較により、差分(帳票発行装置10からの担当者の離脱)を検出する。
【0021】
関連付情報生成手段10fは、差分として検出された帳票と、差分として検出された担当者とを関連付けした関連付情報を生成する。これにより、差分として検出された帳票は、差分として検出された担当者によって取り出されたと推定することができる。関連付情報報知手段10gは、関連付情報生成手段10fが生成した関連付情報を報知する。関連付情報報知手段10gは、帳票発行装置10が備える表示装置、音声出力装置によって直接的に関連付情報の報知をおこなうことができる。また、関連付情報報知手段10gは、帳票発行装置10が接続するネットワークを介して他の端末装置、または管理サーバ宛てに通信出力をおこなうことができる。関連付情報報知手段10gは、他の端末装置、または管理サーバが備える表示装置、音声出力装置によって間接的に関連付情報の報知をおこなうことができる。
【0022】
これにより、帳票発行装置10は、どの担当者によりどの帳票が取り出されたかを容易に把握可能とし、帳票の取り違いが発生しても、帳票の取り違いを早期に検出して正常な状態に復旧可能とする。
【0023】
次に、より具体的な第2の実施形態について説明する。図2は、第2の実施形態の通帳発行システムの構成を示す図である。
通帳発行システム1は、銀行等の金融機関におけるシステム構成の一例であり、集中センタ2と営業店5とを接続するネットワーク8を含んで構成される。営業店5は、ネットワーク8に接続する複数の端末装置(たとえば、窓口端末装置、後方端末装置)6と、通帳発行機7を備える。集中センタ2は、ネットワーク8に接続する銀行ホスト3と通帳発行機管理サーバ4を備える。
【0024】
銀行ホスト3は、営業店5の端末装置6から取引処理依頼を受けて口座管理処理、振込処理や振替処理等の金融取引処理を実行する。通帳発行機管理サーバ4は、端末装置6から通帳や証書の発行依頼を受け付けて、端末装置6と同じ営業店に設けられた通帳発行機7に通帳、または証書の発行を指示する。また、通帳発行機管理サーバ4は、通帳発行機7から処理結果の通知を受けて、通帳や証書の発行依頼をおこなった端末装置6に処理結果を通知する。
【0025】
次に、通帳発行機7の外観について図3を用いて説明する。図3は、第2の実施形態の通帳発行機の外観を示す図である。
通帳発行機(通帳証書発行機)7は、銀行等の金融機関に備えられ、通帳または証書の発行をおこなう。通帳発行機7は、新規発行通帳スタッカ11、RFIDリーダ12、操作画面13、一件付込通帳挿入口14、前面扉15、電源スイッチ16、カードリーダ17を有する。
【0026】
新規発行通帳スタッカ11は、通帳発行機7が排出(発行)した通帳および証書を、排出順に積層して担当者が取り出すまで留め置く。RFIDリーダ12は、新規発行通帳スタッカ11の近傍に設けられる。RFIDリーダ12は、新規発行通帳スタッカ11にある通帳および証書に貼付されたRFIDタグから通帳または証書を識別する識別情報を読み取る。また、RFIDリーダ12は、担当者の社員証等に貼付されたRFIDタグから担当者を識別する識別情報を読み取る。
【0027】
操作画面13は、ディスプレイとタッチパネルとから構成される。ディスプレイは、情報の表示出力をおこなう。タッチパネルは、操作入力をおこなう。ディスプレイは、たとえば、液晶ディスプレイである。ディスプレイは、タッチパネルの下層に位置している。ディスプレイの表示する画像は、タッチパネルを透過して、オペレータ(担当者)から視認可能である。オペレータは、ディスプレイによって表示された画像を見ながら、タッチパネルに対するタッチ操作をおこなうことができる。
【0028】
一件付込通帳挿入口14は、記帳をおこなう通帳の挿入口である。前面扉15は、通帳発行機7に通帳の補充、メンテナンス等をおこなうための扉である。電源スイッチ16は、通帳発行機7の電源投入と電源遮断を操作するスイッチである。カードリーダは、磁気カードが備える磁気ストライプに記録された情報を読み取る。
【0029】
次に、通帳発行機7の内部構成について図4を用いて説明する。図4は、第2の実施形態の通帳発行機の内部構成を示す図である。
通帳発行機7は、通帳収納部21、通帳収納部22を備える。通帳収納部21、通帳収納部22は、それぞれ複数の一括カセット20を備える。一括カセット20は、発行前の通帳を収納する。発行前の通帳は、あらかじめRFIDタグおよび磁気ストライプが貼付されている。
【0030】
通帳発行機7は、証書カセット24、証書カセット25を備える。証書カセット24、証書カセット25は、それぞれ発行前の証書を収納する。発行前の証書は、あらかじめRFIDタグが貼付されている。
【0031】
通帳発行機7は、通帳、および証書を搬送する搬送路23を備える。たとえば、搬送路23は、通帳収納部21、通帳収納部22から新規発行通帳スタッカ11まで通帳を搬送して通帳を発行する。また、搬送路23は、証書カセット24、証書カセット25から新規発行通帳スタッカ11まで証書を搬送して証書を発行する。
【0032】
通帳発行機7は、MS(Magnetic Stripe:磁気ストライプ)リーダライタ26、RFIDリーダライタ27を備える。MSリーダライタ26は、通帳が備える磁気ストライプに情報を読み書きする。たとえば、MSリーダライタ26は、通帳発行時に口座番号等を磁気ストライプに記録する。RFIDリーダライタ27は、通帳、または証書に貼付されたRFIDタグの記憶部に情報を読み書きする。たとえば、RFIDリーダライタ27は、通帳または証書の発行時にRFIDタグの記憶部に口座番号や証書番号等を記録する。なお、RFIDタグの記憶部に記録する識別情報は、通帳または証書を一意に識別できるものであればよく、たとえば、口座番号や証書番号であってもよいし、シリアル番号などであってもよい。なお、通帳または証書を一意に識別する識別情報は、RFIDタグの記憶部にあらかじめ記録しておいてもよく、その場合、口座番号や証書番号と発行時に関連付けをおこなうことができる。
【0033】
通帳発行機7は、通帳プリンタ18を備える。通帳プリンタ18は、名義人、口座番号、支店名、残高等の情報を通帳に印字する。また、通帳プリンタ18は、名義人、証書番号、支店名等の情報を証書に印字する。通帳発行機7は、リジェクトする通帳や証書を収容する一括スタッカ19を備える。
【0034】
次に、通帳発行機7を制御する通帳発行機制御装置のハードウェア構成について図5を用いて説明する。図5は、第2の実施形態の通帳発行機制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
【0035】
通帳発行機制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス107を介してRAM(Random Access Memory)102、HDD(Hard Disk Drive)103、通信インタフェース104、グラフィック処理装置105、および入出力インタフェース106が接続されている。
【0036】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
【0037】
グラフィック処理装置105には、ディスプレイ108が接続されている。グラフィック処理装置105は、CPU101からの命令に従って、画像をディスプレイ108の画面に表示させる。
【0038】
入出力インタフェース106には、タッチパネル109、搬送ユニット110、通帳収納ユニット111、証書収納ユニット112、通帳プリンタユニット113、MSリーダライタ26、RFIDリーダライタ27、RFIDリーダ12、カードリーダ17が接続されている。また、入出力インタフェース106は、可搬型記録媒体120への情報の書き込み、および可搬型記録媒体120への情報の読出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース106は、タッチパネル109、搬送ユニット110、通帳収納ユニット111、証書収納ユニット112、通帳プリンタユニット113、MSリーダライタ26、RFIDリーダライタ27、RFIDリーダ12、カードリーダ17から送られてくる信号を、バス107を介してCPU101に送信する。
【0039】
なお、搬送ユニット110は、搬送路23を駆動するユニットである。通帳収納ユニット111は、通帳収納部21、通帳収納部22が収納する通帳の搬送路23への排出と、収納する通帳の残量を管理するユニットである。証書収納ユニット112は、証書カセット24、証書カセット25が収納する証書の搬送路23への排出と、収納する証書の残量を管理するユニットである。通帳プリンタユニット113は、通帳プリンタ18を制御するユニットである。
【0040】
通信インタフェース104は、ネットワーク8に接続されている。通信インタフェース104は、通帳発行機管理サーバ4との間でデータの送受信をおこなう。
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、通帳発行機管理サーバ4、端末装置6も同様のハードウェア構成で実現できる。
【0041】
なお、通帳発行機制御装置100は、それぞれFPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processer)などからなるモジュールを含んで構成することもでき、CPU101を有しない構成とすることもできる。その場合、通帳発行機制御装置100は、それぞれ不揮発性メモリ(たとえば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカードなど)を備え、モジュールのファームウェアを記憶する。不揮発性メモリは、可搬型記録媒体120、あるいは通信インタフェース104を介してファームウェアを書き込むことができる。このように通帳発行機制御装置100は、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアの更新をすることもできる。
【0042】
次に、通帳発行機7が通帳等を発行する場合の通帳発行システム1を構成する通帳発行機7、端末装置6、通帳発行機管理サーバ4が実行する各処理を図6、図7を用いて説明する。図6は、第2の実施形態の通帳発行システムの通帳発行シーケンスを示す図である。図7は、第2の実施形態の取出情報通知を示す図である。
【0043】
[ステップS11]端末装置6は、通帳発行機管理サーバ4宛てに通帳または証書の発行を依頼する発行依頼メッセージを送信する。発行依頼メッセージは、発行する帳票の種別(通帳または証書)、店番(店舗を一意に識別可能な情報)、口座番号または証書番号(口座または証書を一意に識別可能な情報)、端末ID(発行依頼をおこなう端末装置6を一意に識別可能な情報)、その他、通帳または証書の発行に必要な情報等を含む。
【0044】
[ステップS12]通帳発行機管理サーバ4は、発行依頼メッセージを受信して、端末装置6からの通帳または証書の発行依頼を受け付ける。
[ステップS13]通帳発行機管理サーバ4は、発行指示メッセージを通帳発行機7宛てに送信する。発行指示メッセージは、受け付けた発行依頼にもとづいて生成される。発行指示メッセージは、発行する帳票の種別、店番、口座番号または証書番号、端末ID、その他、通帳または証書の発行に必要な情報等を含む。
【0045】
[ステップS14]通帳発行機7は、発行指示メッセージを受信して、通帳発行機管理サーバ4からの通帳または証書の発行指示を受け付ける。
[ステップS15]通帳発行機7は、受け付けた発行指示にもとづいて通帳または証書を発行する。発行された通帳等は、新規発行通帳スタッカ11に排出され、排出順に積層されて担当者によって取り出されるまで留め置かれる。
【0046】
また、通帳発行機7は、端末IDと依頼担当者ID(発行依頼を実行した担当者(依頼担当者)を一意に識別可能な情報)と対応付けた担当者登録テーブルを有し、受け付けた発行指示に含まれる端末IDから依頼担当者IDを特定する。
【0047】
[ステップS16]通帳発行機7は、新規発行通帳スタッカ11にある通帳および証書に貼付されたRFIDタグから通帳または証書を識別する識別情報をRFIDリーダ12によって周期的に読み取る。通帳発行機7は、読み取りデータの差分から通帳または証書の取り出しを検出する。また、通帳発行機7は、担当者の社員証等に貼付されたRFIDタグから担当者を識別する識別情報をRFIDリーダ12によって周期的に読み取る。通帳発行機7は、読み取りデータの差分から担当者の通帳発行機7からの離脱を検出する。
【0048】
通帳発行機7は、取り出しを検出した通帳または証書と、通帳発行機7からの離脱を検出した担当者とを関連付けた取出情報(関連付情報)を生成する。通帳発行機7は、取出情報を含む取出監視メッセージを通帳発行機管理サーバ4宛てに送信する。
【0049】
取出情報は、たとえば、取出情報50(図7参照)に示す情報で構成される。取出情報50は、1人の取出担当者ID(離脱を検出した担当者ID)と1通以上の通帳情報を対応させた情報である。通帳情報は、種別、店番、口座番号または証書番号、ステータス、依頼担当者IDを含む。ステータスは、通帳または証書が取り出されていない状態、通帳または証書が正常に取り出された状態、通帳または証書が誤った担当者に取り出された状態、またはその他の状態を表す。また、通帳発行機7は、取出担当者IDと通帳等情報の対応関係を操作画面13に表示出力する。
【0050】
[ステップS17]通帳発行機7は、すべての通帳および証書が取り出されたことを検出すると、終了メッセージを通帳発行機管理サーバ4宛てに送信する。
[ステップS18]通帳発行機管理サーバ4は、終了メッセージを受信するまでの間、取出監視メッセージを受信する。通帳発行機管理サーバ4は、取出監視メッセージを受信する都度、端末装置6からの通帳または証書の取出情報を受け付ける。
【0051】
[ステップS19]通帳発行機7は、取出監視メッセージ、または終了メッセージを受信すると、通帳発行機7宛て取出通知メッセージを送信する。取出通知メッセージは、受け付けた発行依頼に対応する種別、店番、口座番号または証書番号、ステータス、依頼担当者ID、取出担当者IDを含む。
【0052】
[ステップS20]端末装置6は、取出通知メッセージを受信して、通帳発行機管理サーバ4からの通帳または証書の取出通知を受け付ける。
[ステップS21]端末装置6は、受け付けた取出通知にもとづく、取出結果表示(または取出経過表示)を端末装置6が備える表示装置に表示する。
【0053】
これにより、通帳発行機7および通帳発行機7を含む通帳発行システム1は、どの担当者によりどの通帳または証書が取り出されたかを容易に把握可能とし、通帳または証書の取り違いが発生しても、通帳または証書の取り違いを早期に検出して正常な状態に復旧可能とする。
【0054】
なお、通帳発行機7は、担当者登録テーブルを用いて端末装置IDから依頼担当者IDを取得するようにしたが、これに代えて、端末装置6が依頼担当者IDを発行依頼メッセージに含めることで、通帳発行機7が担当者登録テーブルを用いずに依頼担当者IDを取得するようにしてもよい。その場合、端末装置6は、端末装置6へのログイン時、または通帳等の発行依頼時に依頼担当者IDの入力を求める。また、端末装置6は、ログインや認証時に取得する情報(たとえば、ログイン名、認証情報)に担当者IDをあらかじめ関連付けて記憶しておき、ログインや認証時に取得した情報にもとづいて担当者IDを取得するようにしてもよい。
【0055】
次に、通帳発行機7が実行する発行データ設定処理を図8を用いて説明する。発行データ設定処理は、発行する通帳または証書に識別情報を設定する処理である。図8は、第2の実施形態の発行データ設定処理のフローチャートである。
【0056】
[ステップS21]通帳発行機7は、通帳の発行指示の受付があったか否かを判定する。通帳発行機7は、通帳の発行指示の受付があった場合にステップS22にすすみ、通帳の発行指示の受付がない場合には通帳の発行指示の受付を待ち受ける。
【0057】
[ステップS22]通帳発行機7は、MSリーダライタ26により通帳が備える磁気ストライプへの口座番号等のデータ書き込みをおこなう。
[ステップS23]通帳発行機7は、RFIDリーダライタ27により通帳または証書に貼付されたRFIDタグへのデータ書き込みをおこなう。通帳発行機7は、RFIDタグに、たとえば、口座番号または証書番号、名義人氏名、通帳発行機7を識別する識別情報、依頼担当者IDを書き込む。また、通帳発行機7は、RFIDタグに、発行日時、担当者名、発行依頼をおこなった端末装置6を識別する識別情報、その他情報を書き込むようにしてもよい。
【0058】
なお、RFIDタグが読み取り専用の場合には、通帳発行機7は、RFIDリーダライタ27によりRFIDタグにあらかじめ付与されている識別情報を読み取って、識別情報と口座番号または証書番号等の各データとを対応付けるようにしてもよい。
【0059】
[ステップS24]通帳発行機7は、通帳プリンタ18により通帳または証書に、口座番号または証書番号、名義人氏名、店舗名などの印字をおこなう。
[ステップS25]通帳発行機7は、継続発行がある場合にステップS21にもどり、継続発行がない場合には発行データ設定処理を終了する。
【0060】
これにより、通帳発行機7が発行する通帳または証書は、識別情報にもとづいて一意に特定可能になる。
次に、通帳発行機7に登録する担当者登録テーブルについて図9を用いて説明する。図9は、第2の実施形態の担当者登録テーブルの更新を示す図である。
【0061】
通帳発行機7は、端末ID、担当者ID、担当者名を関係付けた担当者登録テーブル60(図9(a))を記憶保持する。担当者登録テーブル60への登録データの追加、削除は、端末装置6を操作する担当者、または通帳発行機管理サーバ4を管理する管理者が担当者登録差分情報61(図9(b))を通帳発行機管理サーバ4から通帳発行機7に送信することよっておこなう。通帳発行機7は、起動時(たとえば、次回の電源投入時)の初期化処理で担当者登録テーブル60から担当者登録差分情報61を反映した担当者登録テーブル62(図9(c))への更新をおこなう。また、通帳発行機管理サーバ4は、通帳発行機7が記憶保持する担当者登録テーブル62を記憶保持する。
【0062】
これにより、通帳発行機7に通帳または証書の発行を依頼した担当者は、端末ID、または担当者IDにもとづいて一意に特定可能になる。
なお、通帳発行機7は、新規発行通帳スタッカ11に通帳や証書がない状態を確認して、稼働中に担当者登録テーブル60から担当者登録テーブル62への更新をおこなうようにしてもよい。
【0063】
次に、通帳発行機7の通帳または証書の発行状態を示す画面表示について図10、図11を用いて説明する。図10は、第2の実施形態の通帳発行機の運用情報表示画面の一例を示す図である。図11は、第2の実施形態の取出通帳管理テーブルの一例を示す図である。
【0064】
運用情報表示画面70は、通帳発行機7の操作画面13に表示する運用情報表示画面の一例である。なお、同様の表示画面を、端末装置6または通帳発行機管理サーバ4の表示装置にも表示可能である。したがって、担当者は、通帳または証書の取出し時に通帳発行機7の操作画面13で通帳または証書の発行状態を確認可能であり、端末装置6にもどってから取り出し結果を確認可能である。
【0065】
運用情報表示画面70は、通帳発行機7が設置されている店番、通帳発行機7の端末番号、現在の日時を表示する。また、運用情報表示画面70は、取出通帳管理テーブル表示71、媒体状態表示72、ファンクションキー73、ファンクションキー74、ファンクションキー75、案内表示76、案内表示77を表示する。
【0066】
取出通帳管理テーブル表示71は、たとえば、取出通帳管理テーブル80に示す表示例のように、担当者ID、担当者名、店番−口座番号、契約者名、状態、種別、スタッカ持出、処理時刻、端末ID、持出者を表示内容に含む。状態は、通帳または証書の発行依頼を受け付けて発行が完了していない状態で「発行未」、発行が完了した状態で「発行済」となる。種別は、「通帳」または「証書」となる。スタッカ持出は、スタッカに排出した通帳または証書の依頼担当者と持出担当者が一致する場合に「OK」、一致しない場合に「NG」となる。スタッカ持出が「NG」の場合、当該行は赤色表示(注意喚起表示)とし、担当者に注意喚起をおこなう。処理時刻は、当該行データの更新時刻である。持出者は、スタッカに排出した通帳または証書の依頼担当者と持出担当者が一致しない場合の持出者である。持出者の表示により、依頼者は、依頼した通帳または証書が既に持ち出されていた場合、持出者を参照して通帳または証書の在処を容易に把握可能となる。
【0067】
媒体状態表示72は、通帳発行機7内の媒体(通帳および証書)の収納状態の表示である。ファンクションキー73、ファンクションキー74、ファンクションキー75は、表示内容により割り当てられる機能が変化する。ファンクションキー73、ファンクションキー74、ファンクションキー75のタッチ操作により、通帳発行機7は入力操作を受け付ける。
【0068】
なお、通帳発行機7は、運用情報表示画面70で「NG」表示をおこなう場合、併せて警告音で注意喚起をすることができる。また、通帳発行機7は、「NG」検出状態で新規発行通帳スタッカ11に通帳または証書の返却があった場合、「NG」検出状態を解除する。
【0069】
次に、通帳発行機7が実行する取出監視処理とRFID情報取得処理を図12、図13を用いて説明する。取出監視処理は、通帳または証書の取り出しを監視する処理である。RFID情報取得処理は、取出監視処理と並行して実行される処理である。図12は、第2の実施形態の取出監視処理のフローチャートである。図13は、第2の実施形態のRFID情報取得処理のフローチャートである。
【0070】
[ステップS31]通帳発行機7は、RFID情報差分検出処理を実行する。RFID情報差分検出処理は、RFID情報の差分を検出する処理である。検出するRFID情報の差分は、通帳および証書に貼付されたRFID情報の差分と、担当者が有するRFID情報の差分とがある。通帳発行機7は、通帳および証書に貼付されたRFID情報の差分から新規発行通帳スタッカ11から取り出された通帳および証書を把握する。また、通帳発行機7は、担当者が有するRFID情報の差分から通帳発行機7から離脱した担当者を把握する。
【0071】
RFID情報差分検出処理の詳細は、図14から図17を用いて具体例を挙げて後で説明する。ここで、RFID情報差分検出処理と並行して実行されるRFID情報取得処理を、取出監視処理の説明に割り込んで説明する。
【0072】
[ステップS41]通帳発行機7は、RFID情報取得タイミングを設定する。RFID情報取得タイミングは、RFID情報取得の周期の設定値である。たとえば、RFID情報取得の周期は、500msに設定される。なお、RFID情報取得の周期は、設定に応じて50ms、100msなどあらかじめ用意した複数の時間値から選択されるようにしてもよい。
【0073】
[ステップS42]通帳発行機7は、RFID情報取得タイミングか否かを判定する。通帳発行機7は、RFID情報取得タイミングであればステップS43にすすみ、RFID情報取得タイミングでなければRFID情報取得タイミングを待つ。
【0074】
[ステップS43]通帳発行機7は、RFID情報を取得する。RFID情報の取得は、周囲のRFIDタグに記録された情報をRFIDリーダ12によって読み取ることによりおこなう。
【0075】
[ステップS44]通帳発行機7は、取得したRFID情報を記録する。
[ステップS45]通帳発行機7は、RFID情報の取得を終了するか否かを判定し、終了するとした場合は、RFID情報取得処理を終了し、終了しないとした場合は、ステップS41にすすむ。
【0076】
このように、通帳発行機7は、所定周期でRFID情報を取得して、取得したRFID情報を記録する。このようにして周期的に取得したRFID情報にもとづいて、通帳発行機7は、RFID情報差分検出処理でRFID情報の差分検出をおこなう。通帳発行機7は、第1のタイミングで検出したRFID情報にもとづく帳票および証書の数と、第1のタイミングより後の第2のタイミングで検出したRFID情報にもとづく帳票および証書の数との比較により帳票および証書の差分検出をおこなう。同様に、通帳発行機7は、第1のタイミングで検出したRFID情報にもとづく担当者の数と、第1のタイミングより後の第2のタイミングで検出したRFID情報にもとづく担当者の数との比較により、担当者の差分検出をおこなう。
【0077】
ここで、取出監視処理の説明にもどる。
[ステップS32]通帳発行機7は、RFID情報差分検出処理で帳票および証書、または担当者の差分を検出したか否かを判定する。通帳発行機7は、RFID情報差分検出処理で帳票および証書、または担当者の差分を検出した場合にステップS33にすすみ、差分を検出しない場合にステップS31にすすむ。
【0078】
[ステップS33]通帳発行機7は、RFID情報差分検出処理で検出した帳票および証書、または担当者の差分がマイナス差分か否かを判定する。通帳発行機7は、RFID情報差分検出処理で検出した帳票および証書、または担当者の差分がマイナス差分である場合にステップS34にすすみ、マイナス差分でない、つまりプラス差分である場合にステップS39にすすむ。
【0079】
マイナス差分(帳票および証書のマイナス差分)とは、第1のタイミングで検出した帳票および証書の数が第2のタイミングで検出した帳票および証書の数より少ない場合の差分である。また、マイナス差分(担当者のマイナス差分)とは、第1のタイミングで検出した担当者の数が第2のタイミングで検出した担当者の数より少ない場合の差分である。
【0080】
[ステップS34]通帳発行機7は、帳票および証書のマイナス差分がある場合に、新規発行通帳スタッカ11から取り出された通帳および証書(取出通帳)を特定する。
[ステップS35]通帳発行機7は、担当者のマイナス差分がある場合に、通帳発行機7から離脱した担当者(離脱担当者)を特定する。通帳発行機7は、離脱担当者のうち取出通帳に関連付する担当者を、通帳および証書を取り出した担当者(取出担当者)として特定する。
【0081】
[ステップS36]通帳発行機7は、取出担当者が依頼担当者と一致するか否かを判定する。通帳発行機7は、取出担当者が依頼担当者と一致する場合にステップS37にすすみ、一致しない場合にステップS38にすすむ。
【0082】
[ステップS37]通帳発行機7は、通帳および証書の正常な取り出しがあったことを報知する正常取出報知処理を実行する。正常取出報知処理は、正常な取り出しがあったことを通帳発行機7の操作画面13に表示出力する処理、正常な取り出しがあったことを通帳発行機7の図示しないスピーカから音声出力する処理を含む。また、正常取出報知処理は、正常な取り出しがあったことを通帳発行機管理サーバ4に通信出力する処理を含む。
【0083】
[ステップS38]通帳発行機7は、通帳および証書の異常な取り出しがあったことを報知する異常取出報知処理を実行する。異常取出報知処理は、異常な取り出しがあったことを通帳発行機7の操作画面13に表示出力する処理、異常な取り出しがあったことを通帳発行機7の図示しないスピーカから音声出力する処理を含む。また、異常取出報知処理は、異常な取り出しがあったことを通帳発行機管理サーバ4に通信出力する処理を含む。
【0084】
たとえば、通帳発行機7は、操作画面13にメッセージ表示をおこなう。また、通帳発行機7は、「通帳、証書を元の位置に戻してください。別の担当者が発行したものです。」などの警告音出力をおこなう。これにより、発行を依頼した担当者と異なる担当者が通帳等を取り出した場合には、通帳発行機7は、操作画面13に警告表示をおこない、警告音により通帳等の返却を促すことができる。また、通帳発行機7が通帳発行機管理サーバ4に通信出力をおこなうことにより、通帳発行機管理サーバ4は、依頼担当者の端末装置6および持出担当者の端末装置6に異常報知を通知する。端末装置6は、発行を依頼した通帳等と異なる通帳等を持ち出した担当者に対して異常報知をおこなう。また、端末装置6は、発行を依頼した担当者に対して異常報知をおこなう。
【0085】
このように、すみやかに通帳等の取り違いを検出し、取り違いをした担当者を特定するので、通帳発行機7は、取り違いを訂正するためのリカバリ運用の迅速化に寄与する。
[ステップS39]通帳発行機7は、通帳および証書の発行状態、発行結果、発行履歴などを報知する通帳発行報知処理を実行する。通帳発行報知処理は、通帳発行機7の操作画面13に報知内容を表示出力する処理を含む。
【0086】
[ステップS40]通帳発行機7は、取出通帳管理テーブルを更新して、取出監視処理を終了する。
次に、通帳発行機7が実行する取出監視の具体例を図14から図17を用いて説明する。図14から図17は、第2の実施形態の取出監視の一例を示す図である。
【0087】
取出監視例90は、通帳発行機7が通帳A、担当A(担当者A)を検出した際の持出担当者を判定する事例である。タイミングT11、タイミングT12、タイミングT13、タイミングT14は、時系列順序であるが、必ずしもタイミング間隔は一定にならない。RFIDリーダ12は、周期的に読出しをおこない通帳A、担当Aを検出するが、図14は、差分を検出しないタイミングの図示を省略している。図15から図17についても同様である。
【0088】
[タイミングT11]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により通帳Aを検出する。
[タイミングT12]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、および通帳Aを検出する。
【0089】
[タイミングT13]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当Aを検出する。通帳発行機7は、通帳Aが非検出となったことから通帳Aのマイナス差分を検出する。通帳発行機7は、取出通帳として通帳Aを特定する。
【0090】
[タイミングT14]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により一切の検出をしない。通帳発行機7は、担当Aが非検出となったことから担当Aのマイナス差分を検出する。通帳発行機7は、取出担当者として担当Aを特定する。通帳発行機7は、取出通帳の特定タイミングT13から所定時間以内の取出担当者が1人(担当A)に限る場合、取出通帳として特定した通帳Aと、取出担当者として特定した担当Aを関連付ける。通帳発行機7は、通帳Aが通帳Aと関連付けした担当Aによって持ち出されたと判定する。このとき、担当Aが通帳Aの発行依頼者であれば、正常な取り出しであると判定される。担当Aが通帳Aの発行依頼者でなければ、異常な取り出しであると判定される。
【0091】
取出監視例91は、通帳発行機7が通帳A、通帳B、通帳C、証書A、証書B、担当A、担当B、担当Cを検出した際の持出担当者を判定する事例である。
[タイミングT21]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、通帳A、通帳B、通帳C、証書A、証書Bを検出する。
【0092】
[タイミングT22]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、担当B、通帳A、通帳B、通帳C、証書A、証書Bを検出する。通帳発行機7は、担当Bを新たに検出したことから担当Bのプラス差分を検出する。
【0093】
[タイミングT23]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、担当B、担当C、通帳A、通帳B、通帳C、証書A、証書Bを検出する。通帳発行機7は、担当Cを新たに検出したことから担当Cのプラス差分を検出する。
【0094】
[タイミングT24]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、担当B、担当C、通帳A、通帳B、通帳C、証書Aを検出する。通帳発行機7は、証書Bが非検出となったことから証書Bのマイナス差分を検出する。通帳発行機7は、取出証書として証書Bを特定する。
【0095】
[タイミングT25]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、担当C、通帳A、通帳B、通帳C、証書Aを検出する。通帳発行機7は、担当Bが非検出となったことから担当Bのマイナス差分を検出する。通帳発行機7は、取出担当者として担当Bを特定する。通帳発行機7は、取出証書の特定タイミングT24から所定時間(監視時間)以内の取出担当者が1人(担当B)に限る場合、取出証書として特定した証書Bと、取出担当者として特定した担当Bを関連付ける。通帳発行機7は、証書Bが証書Bと関連付けした担当Bによって持ち出されたと判定する。このとき、担当Bが証書Bの発行依頼者であれば、正常な取り出しであると判定される。担当Bが証書Bの発行依頼者でなければ、異常な取り出しであると判定される。
【0096】
取出監視例92は、通帳発行機7が通帳A、通帳B、通帳C、証書A、証書B、担当A、担当B、担当Cを検出した際の持出担当者を判定する事例である。
[タイミングT31]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、担当B、担当C、通帳A、通帳B、通帳C、証書A、証書Bを検出する。
【0097】
[タイミングT32]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、担当B、通帳A、通帳B、通帳C、証書A、証書Bを検出する。通帳発行機7は、担当Cが非検出となったことから担当Cのマイナス差分を検出する。通帳発行機7は、取出担当者として担当Cを特定する。
【0098】
[タイミングT33]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、担当B、通帳A、通帳B、通帳C、証書Aを検出する。通帳発行機7は、証書Bが非検出となったことから証書Bのマイナス差分を検出する。通帳発行機7は、取出証書として証書Bを特定する。
【0099】
[タイミングT34]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、通帳A、通帳B、通帳C、証書Aを検出する。通帳発行機7は、担当Bが非検出となったことから担当Bのマイナス差分を検出する。通帳発行機7は、取出担当者として担当Bを特定する。
【0100】
[タイミングT35]タイミングT35は、たとえば、タイミングT33から1500msの監視時間を超えたタイミングである。通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、通帳A、通帳B、通帳C、証書Aを検出する。通帳発行機7は、タイミングT34以降のマイナス差分を検出しない。通帳発行機7は、取出証書の特定タイミングT33から所定時間以内の取出担当者が1人(担当B)に限る場合、取出証書として特定した証書Bと、取出担当者として特定した担当Bを関連付ける。通帳発行機7は、証書Bは、証書Bと関連付けした担当Bによって持ち出されたと判定する。このとき、担当Bが証書Bの発行依頼者であれば、正常な取り出しであると判定される。担当Bが証書Bの発行依頼者でなければ、異常な取り出しであると判定される。
【0101】
なお、タイミングT33からタイミングT34までの間に複数の取出担当者を検出した場合、所定の監視時間のうち最後に取出担当者として特定された担当者を関連付け対象とする。
【0102】
なお、通帳発行機7は、証書Bと関連付けされなかった担当Cがいたことを報知対象に含めてもよい。このような報知対象の拡大は、誤った関連付けがなされたときの訂正作業を容易にする。
【0103】
取出監視例93は、通帳発行機7が通帳A、通帳B、通帳C、証書A、証書B、担当A、担当B、担当Cを検出した際の持出担当者を判定する事例である。
[タイミングT41]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、担当B、担当C、通帳A、通帳B、通帳C、証書A、証書Bを検出する。
【0104】
[タイミングT42]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、担当B、通帳A、通帳B、通帳C、証書A、証書Bを検出する。通帳発行機7は、担当Cが非検出となったことから担当Cのマイナス差分を検出する。通帳発行機7は、取出担当者として担当Cを特定する。
【0105】
[タイミングT43]通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、担当B、通帳A、通帳B、通帳C、証書Aを検出する。通帳発行機7は、証書Bが非検出となったことから証書Bのマイナス差分を検出する。通帳発行機7は、取出証書として証書Bを特定する。
【0106】
[タイミングT44]タイミングT44は、たとえば、タイミングT43から1500msの監視時間を超えたタイミングである。通帳発行機7は、RFIDリーダ12により担当A、担当B、通帳A、通帳B、通帳C、証書Aを検出する。通帳発行機7は、マイナス差分を検出しない。通帳発行機7は、取出証書の特定タイミングT43から所定時間以内の取出担当者が検出されない場合、取出証書として特定した証書Bと、取出担当者として特定した担当Cを関連付ける。通帳発行機7は、証書Bが証書Bと関連付けした担当Cによって持ち出されたと判定する。このとき、担当Cが証書Bの発行依頼者であれば、正常な取り出しであると判定される。担当Cが証書Bの発行依頼者でなければ、異常な取り出しであると判定される。
【0107】
このように、通帳発行機7は、取出通帳または取出証書の特定タイミングと、取出担当者の特定タイミングとを関連付ける複数の関連付け組合せのうちから、特定タイミングの時間差にもとづいて1の候補を選択することができる。
【0108】
また、通帳発行機7は、取出通帳または取出証書の特定タイミングと、取出担当者の特定タイミングとを関連付ける複数の関連付け組合せのうちから、特定タイミングの順序にもとづいて1の候補を選択することができる。
【0109】
また、通帳発行機7は、取出通帳または取出証書の特定タイミングと、取出担当者の特定タイミングとを関連付ける複数の関連付け組合せのうちから、特定タイミングの時間差と順序にもとづいて1の候補を選択することができる。
【0110】
より、具体的には、通帳発行機7は、取出通帳または取出証書の特定タイミングから所定時間経過するまでに検出した取出担当者のうち、最後に検出した取出担当者を取出通帳または取出証書と関連付ける。
【0111】
なお、通帳発行機7がRFIDリーダ12によりおこなう帳票、および担当者の検出周期は、例示した500ms周期に限らず、RFIDリーダ12の性能や、通帳発行機7が運用される環境に応じて任意の周期を設定できる。
【0112】
たとえば、検出周期は、RFIDタグの検出範囲の広狭にもとづいて変更可能である。より具体的には、RFIDタグの検出範囲が広い場合には、750msなどと検出周期を長くして、RFIDタグの検出範囲が狭い場合には、250msなどと検出周期を短く設定することができる。
【0113】
また、検出周期は、通帳発行機7の設置環境にもとづいて変更可能である。より具体的には、通帳発行機7の設置環境下でトレイからの帳票の取出しが比較的困難な場合には、750msなどと検出周期を長くして、帳票の取出しが比較的容易な場合には、250msなどと検出周期を短く設定することができる。この帳票の取出しの容易性は、たとえば、通帳発行機7がフロア中央に設置されて四方からアクセス可能な場合は容易、壁に沿った配置や、フロアコーナへの配置、間柱に沿った配置など、アクセス方向が制限される場合は困難とすることができる。また、帳票の取出しの容易性は、通帳発行機7の筐体の大きさやトレイの大小などの要素を加味して評価してもよい。
【0114】
また、検出周期は、通帳発行機7の設置環境における周囲にいる担当者の人数にもとづいて変更可能である。より具体的には、RFIDタグの検出範囲に余計な担当者を検出することが多い場合には、750msなどと検出周期を長くして、余計な担当者を検出することが少ない場合には、250msなどと検出周期を短く設定することができる。
【0115】
また、通帳発行機7がRFIDリーダ12によりおこなう帳票の検出周期と、担当者の検出周期とは、異ならせてもよい。また、通帳発行機7がRFIDリーダ12によりおこなう帳票の検出範囲と、担当者の検出範囲とは、異ならせてもよい。たとえば、通帳発行機7は、帳票の検出範囲を比較的狭くしてトレイからの帳票の持ち出しを検出し、担当者の検出範囲を比較的広くして通帳発行機7からの担当者の到着、離脱を検出する。この場合、通帳発行機7は、RFIDリーダ12の出力を可変にしてもよいし、出力の異なる複数のRFIDリーダ12を設けるようにしてもよい。
【0116】
なお、取出通帳(取出帳票)と取出担当者の関連付けを1500msの監視時間経過後におこなう例を挙げて説明したが、監視時間は、RFIDリーダ12の性能や、通帳発行機7が運用される環境に応じて任意の時間値を設定できる。
【0117】
たとえば、監視時間は、RFIDタグの検出範囲の広狭にもとづいて変更可能である。より具体的には、RFIDタグの検出範囲が広い場合には、2000msなどと監視時間を長くして、RFIDタグの検出範囲が狭い場合には、1000msなどと監視時間を短く設定することができる。
【0118】
また、監視時間は、通帳発行機7の設置環境にもとづいて変更可能である。より具体的には、通帳発行機7の設置環境下でトレイからの帳票の取出しが比較的困難な場合には、2000msなどと監視時間を長くして、帳票の取出しが比較的容易な場合には、1000msなどと監視時間を短く設定することができる。
【0119】
また、監視時間は、通帳発行機7の設置環境における周囲にいる担当者の人数にもとづいて変更可能である。より具体的には、RFIDタグの検出範囲に余計な担当者を検出することが多い場合には、2000msなどと検出周期を長くして、余計な担当者を検出することが少ない場合には、1000msなどと検出周期を短く設定することができる。
【0120】
なお、通帳発行機7は、上記したRFIDタグの検出範囲、検出周期、監視時間を設定変更するための設定変更手段を備えるようにしてもよい。その場合、設定変更手段は、取出通帳と取出担当者の関連付け結果や、関連付け結果の訂正履歴や訂正頻度にもとづいて加減調整するようにしてもよい。
【0121】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、通帳発行機7、通帳発行機管理サーバ4、端末装置6が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0122】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0123】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0124】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0125】
1 通帳発行システム
2 集中センタ
3 銀行ホスト
4 通帳発行機管理サーバ
5 営業店
6 端末装置
7 通帳発行機
8 ネットワーク
11 新規発行通帳スタッカ
12 RFIDリーダ
13 操作画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票に識別情報を付して発行する帳票発行手段と、
前記帳票に付された識別情報を取得して前記帳票を周期的に検出する帳票検出手段と、
前記帳票の発行を依頼した担当者が有する識別情報を取得して担当者を周期的に検出する担当者検出手段と、
異なるタイミングで検出した前記帳票の差分を検出する帳票差分検出手段と、
異なるタイミングで検出した前記担当者の差分を検出する担当者差分検出手段と、
差分として検出された前記帳票と、差分として検出された前記担当者とを関連付けした関連付情報を生成する関連付情報生成手段と、
前記関連付情報を報知する関連付情報報知手段と、
を備えることを特徴とする帳票発行装置。
【請求項2】
前記関連付情報生成手段は、前記帳票差分検出手段が前記帳票のマイナス差分として検出した前記帳票と、前記担当者差分検出手段が前記担当者のマイナス差分として検出した前記担当者とを関連付けして関連付情報を生成することを特徴とする請求項1記載の帳票発行装置。
【請求項3】
前記関連付情報生成手段は、差分として検出された前記帳票に対して、関連付け候補となる複数の前記担当者がいる場合、所定の監視時間のうち最後に検出した前記担当者を関連付け対象とすることを特徴とする請求項1記載の帳票発行装置。
【請求項4】
前記帳票の発行依頼をおこなった発行依頼担当者と、前記関連付情報生成手段により前記帳票と関連付けられた前記担当者の一致を判定する担当者一致判定手段を備え、
前記関連付情報報知手段は、前記担当者一致判定手段による判定結果を報知することを特徴とする請求項1記載の帳票発行装置。
【請求項5】
コンピュータに実行させるための帳票発行プログラムであって、
前記コンピュータを、
帳票に識別情報を付して発行する帳票発行手段、
前記帳票に付された識別情報を取得して前記帳票を周期的に検出する帳票検出手段、
前記帳票の発行を依頼した担当者が有する識別情報を取得して担当者を周期的に検出する担当者検出手段、
異なるタイミングで検出した前記帳票の差分を検出する帳票差分検出手段、
異なるタイミングで検出した前記担当者の差分を検出する担当者差分検出手段、
差分として検出された前記帳票と、差分として検出された前記担当者とを関連付けした関連付情報を生成する関連付情報生成手段、
前記関連付情報を報知する関連付情報報知手段、
として機能させることを特徴とする帳票発行プログラム。
【請求項6】
帳票発行装置の帳票発行方法であって、
帳票に識別情報を付して発行し、
前記帳票に付された識別情報を取得して前記帳票を周期的に検出し、
前記帳票の発行を依頼した担当者が有する識別情報を取得して担当者を周期的に検出し、
異なるタイミングで検出した前記帳票の差分を検出し、
異なるタイミングで検出した前記担当者の差分を検出し、
差分として検出された前記帳票と、差分として検出された前記担当者とを関連付けした関連付情報を生成し、
前記関連付情報を報知することを特徴とする帳票発行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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