説明

帳票読取装置および帳票読取方法

【課題】帳票を読み取る際に紙片の発生を検出して、帳票の読み取りを適切に制御する。
【解決手段】帳票読取装置1は、帳票の画像データを取得する取得部と、前記取得部により取得された前記帳票の画像データをもとに、前記帳票の外形を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記帳票の外形に基づいて、前記帳票の画像データに紙片の画像データが含まれているか否かを判定する判定部と、前記判定部により、前記帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定された場合に、警告メッセージを出力する出力部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票読取装置および帳票読取方法に関し、特に、帳票の画像データを読み取り該帳票を分類する帳票読取装置および帳票読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大量の帳票処理を効率よく行うため、帳票に記載されたデータを読み取り、該帳票を分類したり、集計等の処理を自動化したりすることが行われている。特に、病院や診療所などの医療機関においては、月ごとにレセプトと呼ばれる極めて大量の診療報酬明細書の処理に追われ、遅滞のない迅速な処理を行うことが望まれている。大量の帳票を遅延なく高速に処理するために、例えば、特許文献1の帳票分類処理方法が開示されている。特許文献1では、伝票等の帳票に記載された文字を読み取り、該帳票を多数のポケットに分類し仕分け収納して、集計等の処理を効率よく行っている。
【0003】
また、帳票納入先への便宜やサービスを図るために、例えば、特許文献2の帳票分類処理方法が開示されている。特許文献2では、帳票を読み取る際に、帳票全面の画像を取得し、かつ、部分的な帳票データの読み取りを行って電子媒体記録装置に格納している。そして、紙媒体のみを必要とする利用者には、紙帳票と集計データとを提供する。また、紙媒体を不要とし、電子媒体のみを希望とする利用者にはデータが格納された電子媒体を提供する。さらに、紙媒体も電子媒体も必要な利用者には、紙媒体と電子媒体とを提供することにより、各帳票納入先に適した媒体を納品することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−272884号公報
【特許文献2】特開2006−085554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、帳票を読み取る際に、スキャナ等により大量の帳票が高速に搬送されて帳票のイメージ画像が撮像されている。スキャナ等に搬送される帳票の紙質や状態はさまざまであり、帳票の中には一部がちぎれて小さな紙(紙片)が発生してしまう場合がある。また、紙に発生する静電気の影響により、いずれかで発生した紙片が帳票に付着したまま、スキャナ等に投入されることも考えられる。
【0006】
この場合、発生した紙片がスキャナ等の光学系のイメージセンサに付着してそのまま残ってしまうことがあった。イメージセンサに紙片が付着したまま撮像を続けると、撮像した画像に紙片の画像が映りこみ、白い帯状のノイズが発生してしまう。このノイズにより、OCRシステムが正しく文字を認識できなかったり、帳票画像の内容が白い帯状のノイズに隠れてしまい、不鮮明な画像となってオペレータが帳票の内容を読み取ることができなかったりするという課題があった。
【0007】
また、OCRシステムにより正しく文字を認識できなかったり、不鮮明な画像となってしまったりした帳票は、オペレータが後で再度スキャナ等により読み取り直さなければならず、オペレータの手間や大量帳票の読み取り直しが発生するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、帳票を読み取る際に紙片の発生を検出して、帳票の読み取りを適切に制御することが可能な、新規かつ改良された帳票読取装置、帳票読取方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、帳票の画像データを取得する取得部と、取得部により取得された帳票の画像データをもとに、帳票の外形を検出する検出部と、検出部により検出された帳票の外形に基づいて、帳票の画像データに紙片の画像データが含まれているか否かを判定する判定部と、判定部により、帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定された場合に、警告メッセージを出力する出力部と、を備える、帳票読取装置が提供される。
【0010】
かかる構成によれば、帳票の画像データをもとに帳票の外形を検出し、帳票の外形に基づいて帳票の画像データに紙片の画像データが含まれているか否かを判定する、そして、紙片の画像データが含まれていると判定された場合には、警告メッセージを出力する。これにより、紙片が発生した旨を使用者に通知し、紙片の除去を促すことができる。
【0011】
また、判定部により帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定された場合に、帳票を識別する帳票識別番号と、取得部により帳票の画像データが取得された時刻とを対応付けて記憶媒体に記録する記録部を備えてもよい。
【0012】
また、記録部により記憶媒体に記録されている紙片の画像データが含まれている帳票の画像データの合計数が所定数以上の場合に、帳票読取装置における帳票の読取中止を指示する中止指示部を備えてもよい。
【0013】
また、中止指示部は、出力部により、所定時間内に、警告メッセージが所定数以上出力された場合に帳票の読取中止を指示するようにしてもよい。
【0014】
また、帳票の画像データは複数の画素を含み、検出部は、画像データに含まれる複数の隣り合う画素の濃度変化量に基づいて帳票の境界領域を示す帳票境界座標データおよび帳票の帳票角の位置を示す帳票角座標データを取得するようにしてもよい。
【0015】
また、判定部は、検出部により検出された帳票の外形が、長方形ではない場合に、帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定してもよい。
【0016】
また、判定部は、検出部により検出された帳票角座標データが12以上取得された場合に、帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定してもよい。
【0017】
また、判定部は、検出部により検出された帳票の画像データが左右両側の画像端に接する場合に、帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定してもよい。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、帳票の画像データを取得するステップと、取得ステップにより取得された帳票の画像データをもとに、帳票の外形を検出するステップと、検出ステップにより検出された帳票の外形に基づいて、帳票の画像データに紙片の画像データが含まれているか否かを判定するステップと、判定ステップにより、帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定された場合に、警告メッセージを出力するステップと、を含む、帳票読取方法が提供される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、帳票を読み取る際に紙片の発生を検出して、帳票の読み取りを適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態にかかる帳票読取システムの概要を説明する説明図である。
【図2】同実施形態にかかるレセプト納入サービスを概念的に示す模式図である。
【図3】同実施形態にかかる帳票読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態にかかる帳票読取装置の機能を概念的に示す模式図である。
【図5】同実施形態にかかるシステム制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】同実施形態にかかる業務設定テーブルの構成を示すブロック図である。
【図7】同実施形態にかかる帳票読取装置の認識部の構成を示すブロック図である。
【図8】同実施形態にかかる帳票分類読取処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】同実施形態にかかる分類読取処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】同実施形態にかかるポケット設定テーブルの内容を説明する説明図である。
【図11】同実施形態にかかる読取設定テーブルの内容を説明する説明図である。
【図12】同実施形態にかかる部分画像設定テーブルの内容を説明する説明図である。
【図13】同実施形態にかかる全面画像設定テーブルの内容を説明する説明図である。
【図14】同実施形態にかかるサービス設定テーブルの内容を説明する説明図である。
【図15】同実施形態にかかる無効帳票設定テーブルの内容を説明する説明図である。
【図16】同実施形態にかかる形状判定部による判定例を説明する説明図である。
【図17】同実施形態にかかる紙片検出について説明する説明図である。
【図18】同実施形態にかかる部分画像データを説明する説明図である。
【図19】同実施形態にかかる全面画像データを説明する説明図である。
【図20】同実施形態にかかる読取データの内容を説明する説明図である。
【図21】同実施形態にかかる部分画像データの内容を説明する説明図である。
【図22】同実施形態にかかる全面画像データの内容を説明する説明図である。
【図23】同実施形態にかかる請求点合算データの内容を説明する説明図である。
【図24】同実施形態にかかる利用者に提供するリストの内容を説明する説明図である。
【図25】同実施形態にかかる利用者に提供する電子媒体に書き込まれた内容を説明
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
また、以下に示す順序に従って、当該「発明を実施するための形態」を説明する。
〔1〕本実施形態の目的
〔2〕帳票読取装置の概要
〔3〕帳票読取装置の構成
〔4〕帳票読取処理の詳細
【0023】
〔1〕本実施形態の目的
まず、本発明の実施形態の目的について説明する。従来、大量の帳票処理を効率よく行うため、帳票に記載されたデータを読み取り、該帳票を分類したり、集計等の処理を自動化したりすることが行われている。特に、病院や診療所などの医療機関においては、月ごとにレセプトと呼ばれる極めて大量の診療報酬明細書の処理に追われ、遅滞のない迅速な処理を行うことが望まれている。大量の帳票を遅延なく高速に処理するために、伝票等の帳票に記載された文字を読み取り、該帳票を多数のポケットに分類し仕分け収納して、集計等の処理を効率よく行う技術が開示されている。
【0024】
また、帳票納入先への便宜やサービスを図るために、例えば、帳票を読み取る際に、帳票全面の画像を取得し、かつ、部分的な帳票データの読み取りを行って電子媒体記録装置に格納する技術が開示されている。そして、紙媒体のみを必要とする利用者には、紙帳票と集計データとを提供する。また、紙媒体を不要とし、電子媒体のみを希望とする利用者にはデータが格納された電子媒体を提供する。さらに、紙媒体も電子媒体も必要な利用者には、紙媒体と電子媒体とを提供することにより、各帳票納入先に適した媒体を納品することが可能となる。
【0025】
ここで、帳票を読み取る際に、スキャナ等により大量の帳票が高速に搬送されて帳票のイメージ画像が撮像されている。スキャナ等に搬送される帳票の紙質や状態はさまざまであり、帳票の中には一部がちぎれて小さな紙(紙片)が発生してしまう場合がある。また、紙に発生する静電気の影響により、いずれかで発生した紙片が帳票に付着したまま、スキャナ等に投入されることも考えられる。
【0026】
この場合、発生した紙片がスキャナ等の光学系のイメージセンサに付着してそのまま残ってしまうことがあった。イメージセンサに紙片が付着したまま撮像を続けると、撮像した画像に紙片の画像が映りこみ、白い帯状のノイズが発生してしまう。このノイズにより、OCRシステムが正しく文字を認識できなかったり、帳票画像の内容が白い帯状のノイズに隠れてしまい、不鮮明な画像となってオペレータが帳票の内容を読み取ることができなかったりするという課題があった。
【0027】
また、OCRシステムにより正しく文字を認識できなかったり、不鮮明な画像となってしまったりした帳票は、オペレータが後で再度スキャナ等により読み取り直さなければならず、オペレータの手間や大量帳票の読み取り直しが発生するという問題があった。そこで、本発明は、上記のような事情を一着眼点として、本発明の実施形態にかかる帳票読取システム100が創作されるに至った。本実施形態にかかる帳票読取システム100によれば、帳票を読み取る際に紙片の発生を検出して、帳票の読み取りを適切に制御することが可能となる。
【0028】
〔2〕帳票読取装置の概要
次に、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態にかかる帳票読取システム100の概要について説明する。図1は、帳票読取システム100の概要を説明する説明図である。以下では、医療機関で処理されるレセプト(診療報酬明細書)を帳票の具体例として説明するが、本発明で処理される帳票はレセプトに限定されず種々の帳票を例示できる。図1に示したように、帳票読取システム100は、帳票読取装置1、システム制御装置2、修正端末3、プリンタ4、電子媒体作成装置5などを備える。
【0029】
帳票読取装置1は、レセプトの記載内容を読み取り、レセプトの分類を行う機能を有する。また、レセプトの部分画像および全面画像を取得する機能を有する。
【0030】
システム制御装置2は、帳票読取システム100全体の制御と帳票読取装置1により取得されたレセプトの読取結果と部分画像と全面画像とを保持する機能を有する。
【0031】
修正端末3は、オペレータによりレセプトの読取結果とレセプトの部分画像とを見ながら読取結果の修正入力がなされ、クリアデータ(修正データ)を作成する機能を有する。
【0032】
プリンタ4は、読取結果を集計したレセプトの請求点の合計を印刷する機能を有する。電子媒体作成装置5は、レセプトの読取結果および修正されたクリアデータ、部分画像、全体画像をCD−R(Compact Disc Recordable)/RW(ReWritable)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)/RW/+R/+RW/RAM(Randam Access Memory)等の電子媒体に記録する機能を有する。
【0033】
次に、図2を参照して、帳票読取システム100を利用したレセプト納入サービスについて説明する。図2は、レセプト納入サービスを概念的に示す模式図である。図2に示したように、帳票読取装置1は、分類前のレセプト40の記載内容を1枚ずつ読み取り、納入先A、B、C・・・別に分類化する。読取時に読取エラーが発生したレセプトの各項目については、修正画像が作成される。また、システム制御装置2は、帳票読取装置1で読み取られたレセプト40の読取データと修正画像を保持する。
【0034】
そして、上記したように、修正端末3によりクリアデータが作成されたり、プリンタ4により読取結果を集計した請求点の合計が印刷されたりする。さらに、電子媒体作成装置5によりレセプトの読取結果等が電子媒体に記録される。例えば納入先Aがレセプトの束45と請求点合計額46が必要な場合は、レセプトの束45と請求点合計額46を納入品47として納入先Aに納品する。また、納入先Bが、読取結果等が記録された電子媒体47のみが必要な場合は、電子媒体47を納入品42として納入先Bに納品する。また、納入先Cが、レセプトの束45と請求点合計額46と電子媒体47が必要な場合は、レセプトの束45と請求点合計額46と電子媒体47を納入品43として納入先Cに納品する。
【0035】
次に、図3および図4を参照して、帳票読取装置1の概要について説明する。図3は、帳票読取装置1の機能構成を示すブロック図である。また、図4は帳票読取装置1の機能を概念的に示す模式図である。図3に示したように、帳票読取装置1は、制御ユニット10、ポケット制御部11、ポケット機構12、ナンバリング制御部13、ナンバリング機構14、搬送制御部15、搬送機構16、撮像制御部17、撮像機構18、ページ番号記憶部19、認識部20、設定テーブル21などを備える。
【0036】
搬送機構16は、図4に示したレセプト40の束を所定位置まで搬送する機能を有する。搬送制御部15は、搬送機構16を制御する機能を有する。撮像機構18は、搬送機構16より搬送されてきたレセプト40を1枚ずつイメージとして読み取る機能を有する。撮像制御部17は、撮像機構18を制御する。
【0037】
認識部20は、撮像機構18で読み取られた画像イメージを認識する機能を有する。ナンバリング機構14は、撮像機構18により読み取られたレセプト40に番号を付与する機能を有する。ナンバリング制御部13は、ナンバリング機構14を制御する機能を有する。ポケット機構12は、ナンバリング機構14により番号が付与されたレセプト40を複数の納入先(A、B、C・・・)別に仕分けして収納する機能を有する。ポケット制御部11は、ポケット機構12を制御する機能を有する。
【0038】
制御ユニット10は、上記した各機構および各制御部が接続され、これらの動作や制御を統括する機能を有する。また、制御ユニット10には、ページ番号記憶部19および設定テーブル21が格納されている。
【0039】
次に、図5および図6を参照して、システム制御装置2の概要について説明する。図5は、システム制御装置2の機能構成を示すブロック図である。図5に示したように、システム制御装置2は、業務AP部50により統括されている。業務AP部50は、プログラムソフトウェアおよびファイルからなる業務設定テーブル51、プログラム部52、読取結果記憶部53、部分画像記憶部54、全面画像記憶部55、合計額記憶部56、電子媒体イメージ記憶部57、プリンタチャネル70、電子媒体チャネル71などを格納している。
【0040】
図6は、業務設定テーブル51の構成を示すブロック図である。業務設定テーブル51には、ポケット設定テーブル80、読取設定テーブル81、部分画像設定テーブル82、全面画像設定テーブル83、サービス設定テーブル84、無効帳票設定テーブル85などからなる。
【0041】
サービス設定テーブル84には、代行機関から健康保険組合など複数の納入先(A、B、C・・・)に納入されるレセプト40の形態について、電子媒体にするか紙のレセプトにするかの選択を設定するための情報が格納されている。また、サービス設定テーブル84には、選択された納入形態によりレセプトを作成するための作成ファイルおよびプログラムソフトが格納されている。
【0042】
また、読取設定テーブル81、部分画像設定テーブル82および全面画像設定テーブル83は、レセプトに記載された請求金額を簡便かつ能率的に審査するための支援データファイルおよびプログラムソフトウェアからなる。すなわち、上述したように、代行機関から複数の納入先(A、B、C・・・)に納入されるレセプト40は、レセプト40に記載された請求額が妥当かどうか請求内容を審査する必要がある。納入先に持ち込まれた大量の今月次分のレセプトと過去のレセプトを対照させてチェックする際に、双方のレセプトを紙上で比較するのは非常に困難である。このような場合に、紙上での比較が困難な請求額の審査を支援する。これにより、審査支援データを納入先(A、B、C・・・)別に分類したり設定したりすることが可能となっている。
【0043】
〔3〕帳票読取装置の構成の詳細
以上、帳票読取システム100の概要について説明した。次に、図7を参照して、帳票読取装置1の構成について説明する。以下では、特に、本実施形態における帳票読取装置1の特徴的な構成である認識部20の構成について詳細に説明する。
【0044】
図7に示したように、認識部20は、帳票外形検出部401、形状判定部402、紙片計数部403、濃度補正部404、補正画像記憶部405、読取部406、部分画像作成部407、全面画像作成部408などを備える。
【0045】
帳票外形検出部401は、上記した撮像機構18により撮像された帳票の画像データをもとに、帳票の外形を検出する機能を有する。具体的には、帳票の画像データに含まれる帳票辺を検出する。帳票外形検出部401は、本発明の検出部の一例である。また、上記した撮像機構18および撮像制御部17は、本発明の取得部の一例である。帳票外形検出部401による帳票の外形検出方法については、後で詳細に説明する。
【0046】
形状判定部402は、帳票外形検出部401により検出された帳票の外形に基づいて、帳票の画像データに紙片の画像データが含まれているか否かを判定する機能を有する。具体的には、帳票外形検出部401により検出された帳票辺から、帳票の形状を判別すると共に、紙片の発生を検出する機能を有する。形状判定部402は、本発明の判定部の一例である。形状判定部402による帳票の形状の判定方法については、後で詳細に説明する。
【0047】
紙片計数部403は、形状判定部402により帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定された場合に、警告メッセージを出力する機能を有する。また、所定時間内に警告メッセージが所定数以上出力された場合に帳票の読取を中止する機能を有する。具体的には、紙片が発生した帳票番号と紙片が発生した発生時刻とを保持して、紙片が発生するたびに警告メッセージを出力する。そして、警告メッセージの出力回数が規定値を超える場合には、スキャナの停止を指示する機能を有する。
【0048】
紙片計数部403は、本発明の出力部と、記録部と、中止指示部の一例である。すなわち、紙片計数部403は、帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定された場合に、警告メッセージを出力する出力部の一例である。また、紙片計数部403は、帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定された場合に、帳票を識別する帳票識別番号と、帳票の画像データが取得された時刻とを対応付けて記憶媒体に記録する記録部の一例である。さらに、紙片計数部403は、紙片の画像データが含まれている帳票の画像データの合計数が所定数以上の場合に、帳票読取装置1の読取中止を指示する中止指示部の一例である。
【0049】
濃度補正部404は、画像の輪郭を強調する機能を有する。補正画像記憶部405は、濃度補正部404により輪郭が強調されて補正された画像を記憶する機能を有する。読取部406は、帳票の記載内容に基づいて、読取結果を出力する機能を有する。部分画像作成部407は、帳票の各項目の部分画像を切出して出力する機能を有する。全面画像作成部408は、帳票の全面画像を切出して出力する機能を有する。
【0050】
〔4〕帳票読取処理の詳細
以上、認識部20の構成について説明した。次に、図8を参照して、帳票読取システム100における帳票分類読取処理について説明する。図8は、帳票読取システム100における帳票分類読取処理の流れを示すフローチャートである。図8に示したように、まず、図4に示したように、レセプト40の束が搬送機構16上に配置される。そして、入力装置(図示せず)から、システム制御装置2にレセプト40の読取開始を指示する読取指示信号が出力される。読取指示信号を受け付けたシステム制御装置2は、まず、業務設定テーブル51を構成するポケット設定テーブル80、読取設定テーブル81、部分画像設定テーブル82、全面画像設定テーブル83、サービス設定テーブル84無効帳票設定テーブル85をそれぞれ帳票読取装置1に転送する。また、ページ番号記憶部19のページ番号データを「0」に初期化する(S1)。
【0051】
図10は、ポケット設定テーブル80の一例である。図11は、読取設定テーブル81の一例である。図12は、部分画像設定テーブル82の一例である。図13は、全面画像設定テーブル83の一例である。図14は、サービス設定テーブル84の一例である。図15は、無効帳票設定テーブル85の一例である。
【0052】
ステップS1において、システム制御装置2によりポケット設定テーブル80等の各テーブルを転送された帳票読取装置1の制御ユニット10は、分類読取処理を実行する(S2)。ここで、図9を参照して、図8のステップS2における分類読取処理の詳細について説明する。図9は、分類読取処理の詳細を示すフローチャートである。
【0053】
図9に示したように、帳票読取装置1の制御ユニット10は、各テーブルをメモリ(図示せず)に一時的に格納して、レセプト40の読取開始を指示する読取開始信号を搬送制御部15に送信する(S101)。
【0054】
ステップS101において送信された読取開始信号を受信した搬送制御部15は、搬送機構16を駆動させる。具体的には、搬送制御部15は、搬送機構16に配置されたレセプト40の束を1枚ずつ装置内に搬送させる(S102)。
【0055】
ステップS102において、レセプトが1枚ずつ搬送されて撮像機構18を通過すると、制御ユニット10は、搬送されたレセプトの撮像を指示する撮像指示信号を撮像制御部17に出力する。制御ユニット10から撮像指示信号を受け取った撮像制御部17は、撮像機構18を制御して、搬送されたレセプトを光学的に読み取って、読取画像データを取得する(S103)。
【0056】
ステップS103において読み取られる読取画像データは、少なくとも、氏名、性別、生年月日、傷病欄、摘要欄、請求点、一部負担金、記号番号、診療実日数、診療開始日、傷病名の内容を含む画像データである。また、読取画像データは、黒色の背景を含む画像データである。さらに、読取画像データは、複数の画素により構成され、各画素の濃度が0〜255までの数値(以下、濃度値)で表された画像データである。
【0057】
制御ユニット10は、ステップS103において読取画像データが取得されると、読取画像データを認識部20に伝送する。このとき、制御ユニット10は、ページ番号記憶部19のページ番号データに「1」を加算してページ番号データを更新する。
【0058】
そして、制御ユニット10から読取画像データを受け取った認識部20の帳票外形検出部401は、帳票の外形を検出する(S104)。ステップS104において、帳票外形検出部401は、読取画像データを構成する複数の画素から濃度変化量の算出対象として、1画素を選択して、選択画素の濃度を取得する。そして、選択画素の上、下、左、右に隣接する隣接画素の濃度値をそれぞれ取得する。
【0059】
そして、取得した各画素の濃度値から、選択画素および隣接画素間の濃度変化量を算出する。そして、濃度変化量が算出されると、メモリから基準変化量データを取得するとともに、算出された濃度変化量および基準変化量を比較する。比較した濃度変化量が基準変化量より大きい場合には、該選択画素を帳票境界領域と判定し、該選択画素の座標値を帳票および背景の境界を示す境界座標データとして取得する。
【0060】
一方、比較した濃度変化量が基準変化量より小さい場合には、該選択画素を非帳票境界領域と判定し、該選択画素の境界座標データの取得は行わない。帳票外形検出部401は、引き続き、隣接する画素について、同様の検出処理を行うことにより、帳票辺を追跡する。そして、帳票外形検出部401は、上記した検出処理を実行することにより取得した各境界座標データおよび各帳票角座標データをメモリ(図示せず)に格納する。
【0061】
次に、ステップS104において検出された帳票の外形をもとに、形状判定部402は、帳票の形状を判定する(S105)。形状判定部402による判定例について、図16を参照して説明する。帳票外形検出部401により帳票角座標データが4つ取得され、各帳票角の角度が直角であり、かつ、帳票角座標データに基づいて特定される帳票辺が平行である場合には、正常と判定する。図16の判定例412aは、正常と判定された帳票の画像データの一例である。一方、帳票角座標データが4つ取得されるが、各帳票角の角度が直角でない場合いは、蛇行による異常と判定する。図16の判定例412dは、蛇行による異常と判定された帳票の画像データの一例である。
【0062】
また、帳票角座標データが5つ以上取得された場合には、帳票辺が平行な組み合わせが2つ以上存在する場合に紙折れと判定する。図16の判定例412cは、紙折れと判定された帳票の画像データの一例である。帳票角座標データが5つ以上取得されるが、帳票辺が平行な組み合わせが2つ以上存在しない場合には、重走と判定する。図16の判定例412bは、重走と判定された帳票の画像データの一例である。紙折れまたは重走と判定された場合には、「異常」と判定する。
【0063】
図17に示した画像データ例421は、紙片が発生していない画像データの一例である。また、図17に示した画像データ例422は、紙片が発生した画像データの一例である。画像データ例422では、紙片により、数字データの一部が欠けてしまっていることがわかる。
【0064】
紙片が発生した場合の形状判定について、図17の判定例423を参照して説明する。形状判定部402は、帳票角座標(☆)データが所定個数以上ある場合に、当該帳票が長方形ではないと判定し、紙片が発生したと判断する。例えば、図17の判定例423に示したように、帳票角座標データが12個以上取得された場合に、紙片が発生したと判断するようにしてもよい。
【0065】
また、帳票角座標データ450、451が示すように、左右両端の画像端に接するデータが検出された場合に、紙片が発生したと判断するようにしてもよい。このとき、画像の右端のみに画像端に接する帳票角座標データが検出された場合には、紙片が発生したと判断しない。これにより、例えば、帳票に付箋紙が付されていた場合に、紙片が発生したと判断することなく正常な処理をすることが可能となる。
【0066】
また、紙片が画像の右端のみ、左端のみに発生した場合には、紙片が発生したと判断しないが、この場合、紙片がスキャナ等の光学系のイメージセンサに付着して白い帯状のノイズとなる。したがって、画像の右端のみ、左端のみに紙片が発生した場合でも、紙片発生直後に形状判定部402により紙片の発生を検出することが可能となる。形状判定部402は、紙片が発生したと判定した場合には、紙片が発生した帳票の帳票番号と紙片が発生した時刻とを紙片計数部に送る。
【0067】
ここで、上記した各帳票の角度は、特定された各帳票角座標データをアークタンジェント等の三角関数を適用することにより算出することができる。また、角帳票辺が平行であるか否かは、例えば、取得された帳票角座標データに基づいて特定される各帳票辺の傾きを算出し、算出された傾きが一致するか否かにより求めることができる。すなわち、算出された傾きが一致する場合には帳票辺間を平行であると判定し、算出された傾きが不一致である場合には帳票辺間を平行でないと判定する。
【0068】
ステップS105において、形状判定部402により「異常」と判定された場合には、制御ユニット10は、形状異常(蛇行、紙折れ、重走または紙片)による無効な読取画像データとして、形状異常を示すデータにナンバリング指示信号をナンバリング制御部13に出力する。ナンバリング制御部13は、制御ユニット10から形状異常のナンバリング指示信号を受けると、形状異常を示す画像判定結果データを生成する。そして、生成した画像判定結果データをナンバリング機構14に転送する。ナンバリング機構14は、搬送機構16により搬送されてきたレセプト40に対して、受け付けた画像判定結果データが示す形状異常を示すデータの印字処理を行う(S106)。
【0069】
ステップS106において、ナンバリング機構14によりレセプト40に印字処理が行われると、制御ユニット10は、「異常」と判定されたレセプト40を所定のポケットに分類すべく、ポケット制御部11に画像判定結果データを転送する。画像判定結果データを転送されたポケット制御部11は、画像判定結果データに基づいて、無効帳票設定テーブル85を参照して、対応するポケット番号データを取得する。そして、取得したポケット番号データをポケット機構12に転送する。
【0070】
ポケット制御部11からポケット番号データを受け取ったポケット機構12は、ポケット番号データを示すポケット番号のポケットに搬送されたレセプトを排出して「無効」の帳票として分類する(S107)。本実施形態では、図15に示した無効帳票設定ポケット91に形状異常のレセプト40が排出される。
【0071】
紙片計数部403は、形状判定部402により紙片が発生したと判定された帳票の帳票番号と紙片が発生した時刻とを受けて、警告メッセージを出力する(S108)。さらに、ステップS108において出力した警告メッセージが所定時間内に頻発して発生する場合には、スキャナを停止するように制御ユニット10に対して信号を送る。ここで、所定時間内に発生する頻度は、例えば、1分間に200回の警告メッセージが出力された場合が考えられる。
【0072】
紙片計数部402からスキャナの停止指示信号を送られた制御ユニット10は、スキャナを停止する(S109)。そして、制御ユニット10は、表示画面に紙片が発生した旨のメッセージを表示し、使用者に紙片の除去を促す。
【0073】
制御ユニット10は、搬送機構16に配置されているレセプト40がなくなるまで、上記した読取分類処理を繰り返し実行する(S117)。
【0074】
一方、ステップS105において、形状判定部402により「正常」と判定された場合には、制御ユニット10は、濃度補正開始指示信号を濃度補正部404に出力する。濃度補正部404は、制御ユニット10から濃度補正開始指示信号を受け取ると、読取画像データに対して輪郭を強調するための補正処理を実行する(S110)。ステップS110における輪郭強調補正処理は、例えば、ラプラシアン法等を適用することができる。濃度補正部404は、輪郭強調補正処理を完了すると、補正した読取画像データを補正画像記憶部405に格納する。
【0075】
そして、読取部406は、帳票の各項目内容を文字認識して読取データを取得する(S111)。具体的には、読取部406は、ステップS110において補正画像記憶部405に補正された読取画像データが格納されると、格納された読取画像データの文字認識を行う。また、文字認識された保険者識別データに基づいて、読取設定テーブル81を参照する。そして、読取設定テーブル81の読取要否データが「○」で示されている項目の項目内容を文字認識し、文字認識された保険者識別データおよび項目内容を示す読み取りデータを取得する。
【0076】
そして、認識部20の部分画像作成部407は、ステップS111において読取部406が読取データを取得すると、帳票の項目内容を含む部分画像データを作成する(S112)。具体的には、部分画像作成部407は、文字認識された保険者識別データに基づいて、部分画像設定テーブル82を参照する。そして、部分画像設定テーブル82の部分画像取得要否データが「○」で示されている項目の項目内容を含む部分画像データを読取画像データから抽出するとともに、該保険者識別データを含む部分画像データを作成する。図18は、部分画像作成部407により作成された部分画像データの一例である。
【0077】
そして、認識部20の全面画像作成部408は、ステップS112において部分画像作成部407が部分画像データを作成すると、全面画像取得要否データが「○」か否かを判定する(S113)。ステップS113における判定は、全面画像作成部408が、文字認識された保険者識別データに基づいて、全面画像設定テーブル83の全面画像取得要否データを参照することにより行われる。
【0078】
図19は、全面画像作成部408による全面画像作成処理を説明する説明図である。図19に示したように、まず黒色の背景を含む全面画像441が取得される。全面画像442には、ステップS104において検出された帳票の外形検出座標が示されている。そして、全面画像442において示されている帳票の外形検出座標をもとに、全面画像データの黒色の背景が除去されて全面画像443が取得される。
【0079】
図9に戻り、ステップS113において、全面画像取得要否データが「○」であると判定された場合には、帳票の全項目内容を含む全面画像データを作成する(S114)。一方、ステップS113において、全面画像取得要否データが「○」ではないと判定された場合には、全面画像データの作成はせずにステップS115の処理を実行する。
【0080】
そして、制御ユニット10は、全面画像作成部408が全面画像データを作成した場合には、ページ番号記憶部19を参照し、ページ番号データを取得する。そして取得したページ番号データに対応する、ステップS111において取得された読取データ、ステップS112において作成された部分画像データ、ステップ114において作成された全面画像データをシステム制御装置2に転送する。また、全面画像作成部408が全面画像データを作成しなかった場合には、ページ番号データを取得するとともに、ページ番号データに対応する読取データ、部分画像データをシステム制御装置2に転送する。
【0081】
システム制御装置2の業務AP部50は、ページ番号データ、読取データ、部分画像データ、全面画像データをそれぞれ受け取ると、受け取ったデータを各ページ番号データに対応付けて記憶する。具体的には、読取データはページ番号データに対応付けて読取結果記憶部53に格納される。図20は、読取結果記憶部53に格納された読取データの内容を示す一例である。また、部分画像データはページ番号データに対応付けて部分画像記憶部54に格納される。図21は、部分画像記憶部54に格納された部分画像データの内容を示す一例である。また、全面画像データはページ番号データに対応付けて全面画像記憶部55に格納される。図22は、全面画像記憶部55に格納された全面画像データの内容を示す一例である。
【0082】
帳票読取装置1の制御ユニット10は、読取データ等をシステム制御装置2に転送すると、引き続き読取データ等とレセプト40とを対応づけるべく、ページ番号のナンバリングを指示するナンバリング指示信号をナンバリング制御部13に転送する。
【0083】
ナンバリング制御部13は、ナンバリング指示信号を受けると、ページ番号記憶部19のページ番号データを参照し、ページ番号データをナンバリング機構14に転送する。ナンバリング機構14は、受け付けたページ番号データが示すページ番号を搬送機構16により搬送されてきたレセプト40に対して印字処理を行う(S115)。
【0084】
ステップS115において、ナンバリング機構14が、レセプト40に印字処理を行うと、制御ユニット10はレセプト40を各保険者用のポケットに分類すべく、ポケット制御部11に分類指示信号を転送する。ポケット制御部11は、制御ユニット10から分類指示信号を受けると、レセプト40の納入先となる保険者を識別すべく、保険者識別データの要求信号をシステム制御装置2に転送する。
【0085】
システム制御装置2の業務AP部50は、ポケット制御部11から保険者識別データの要求信号を受けると、読取結果記憶部53に格納されている読取データのうち、最後のページ番号データに対応付けられた読取データの保険者識別データを取得する。そして、取得された保険者識別データをポケット制御部11に転送する。
【0086】
ポケット制御部11は、業務AP50から保険者識別データを受けると、保険者識別データに基づいて、ポケット設定テーブル80を参照し、対応するポケット番号データを取得するとともに、取得したポケット番号データをポケット機構12に転送する。ポケット機構12は、ポケット制御部11からポケット番号データを受けると、ポケット番号データが示すポケット番号のポケットに搬送されたレセプトを排出し、分類する(S116)。
【0087】
制御ユニット10は、搬送機構16に配置されているレセプト40が無くなるまで、上記したような読取分類処理を繰り返し実行する。レセプト40が搬送機構16からなくなった場合には読取分類処理を終了する(S117)。
【0088】
図8に戻り、制御ユニット10が読取分類処理を完了すると、各読取データが正確にレセプトに記載された項目内容を示しているかを確認、修正する(S3)。ステップS3において、修正端末3は、読取データおよび部分画像データの要求信号をシステム制御装置2に転送する。
【0089】
修正端末3から読み取りデータおよび部分画像データの要求信号を受けたシステム制御装置2の業務AP部50は、最先のページ番号を示すページ番号データに基づいて、読取結果記憶部53および部分画像記憶部54をそれぞれ参照する。そして、同一の番号データが付された読取データおよび部分画像データをそれぞれ取得し、取得した読取データおよび部分画像データを修正端末3に送信する。
【0090】
システム制御装置2の業務AP部50から読取データおよび部分画像データを受信した修正端末3は、読取データおよび部分画像データに基づいて、読取データが示す各項目内容を修正可能な修正画面データを生成する。そして、生成された修正画面データに基づいて、修正画面を表示部(図示せず)に表示する。
【0091】
修正端末3のオペレータは、修正画面を参照し、文字認識に失敗した読取データの項目内容等を、入力部(図示せず)を介して修正する。オペレータにより上記した読取データの修正確認が行われ、すべての読取データの修正確認が完了すると、修正端末3は、修正確認完了を示す修正確認完了信号をシステム制御装置2に送信する。
【0092】
修正端末3から修正確認完了信号を受信したシステム制御装置2の業務AP部50は、引き続き、各保険者に対して請求すべき金額を算出して、請求点合算データを生成する(S4)。ステップS4において、業務AP部50は、読取結果記憶部53の読取データを参照し、同一の保険者番号を有する読取データが示す請求点を合計し、各保険者別の請求点合計を示す請求点合算データを生成する。そして、生成した請求点合算データを合計額記憶部56に格納する。
【0093】
図23に、合計額記憶部56に格納される請求点合算データの一例を示した。図23に示したように、合計額記憶部56には、保険者A、保険者B、保険者C毎の請求点の合計を示す請求点合算データ群が格納されている。
【0094】
業務AP部50は、サービス設定テーブル84を参照して、リスト提供が「○」となっている保険者Aおよび保険者Cのそれぞれに対して提供すべきリストを印刷処理する(S5)。ここで、ステップS5におけるリストの印刷処理について、保険者Cに対してリストの印刷処理を例示して説明する。
【0095】
業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、読取結果記憶部53を参照して、同一の保険者番号を有する読取データを抽出する。そして、抽出された読取データをリスト化して、読取リストデータを作成する。同様に、業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、部分画像記憶部54を参照し、同一の保険者Cの保険者識別データに基づいて、部分画像記憶部54を参照して、同一の保険者番号を有する部分画像データを抽出する。そして、抽出した部分画像データをリスト化して、部分画像リストデータを作成する。
【0096】
さらに、業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、合計額記憶部56を参照し、請求点合算データ群から、同一の保険者番号を有する請求点合算データを取得する。そして、業務AP部50は、取得した請求点合算データ、作成した読取リストデータおよび部分画像リストデータに基づいて、請求点合算結果、読取リスト、部分画像リストをそれぞれ示す印刷データを生成し、プリンタチャネル70を介して生成した印刷データをプリンタ4に送信する。
【0097】
印刷データを受信したプリンタ4は、受信した印刷データに基づいて、印刷処理を実行し、図24に示した保険者Cに提供すべきリストを作成する。図24に示したように、リストには、保険者Cの合算データ、保険者Cの読取データ、保険者Cの部分画像が印刷される。
【0098】
業務AP50は、リストの提供対象である全保険者のリスト印刷が完了すると、次に、サービス設定テーブル84を参照して、電子媒体提供が「○」となっている保険者Bおよび保険者Cのそれぞれに対して提供すべき電子媒体を作成する(S6)。ここで、保険者Cに対して送付する電子媒体の作成について説明する。
【0099】
業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、読取結果記憶部53を参照して、同一の保険者番号を有する読取データを抽出する。そして、抽出された読取データをリスト化して、読取リストデータを作成する。同様に、保険者Cの保険者識別データに基づいて、部分画像記憶部54を参照し、同一の保険者番号を有する部分画像データを抽出する。そして、抽出した部分画像データをリスト化して、部分画像リストデータを作成する。
【0100】
さらに、業務AP部50は、保険者Cの保険者識別データに基づいて、合計額記憶部56を参照し、請求点合計データ群から、同一の保険者番号を有する請求点合算データを取得する。そして、作成した読取リストデータおよび部分画像リストデータに含まれる同一のページ番号データに基づいて、全面画像記憶部55を参照し、同一のページ番号を有する全面画像データを抽出する。そして、抽出した全面画像データをリスト化して、全面画像リストデータを作成する。
【0101】
続いて、業務AP部50は、抽出した請求点合算データ、作成した読取リストデータ、部分画像リストデータ、全面画像リストデータに基づいて、請求点合算、読取リスト、部分画像リスト、全面画像リストをそれぞれ示す電子媒体イメージデータを生成する。そして、生成された電子媒体イメージデータを、電子媒体イメージ記憶部57に格納する。
【0102】
そして、業務AP部50は、電子媒体チャネル71を介して、電子媒体イメージ記憶部57に格納した電子媒体イメージデータを電子媒体作成装置5に送信する。電子媒体イメージデータを受信した電子媒体作成装置5は、CD−ROMやDVDなどの電子媒体に対して、受信した電子媒体イメージデータの書き込みを行う。図25に、電子媒体に書き込まれた電子媒体イメージデータの一例を示した。図25に示したように、電子媒体イメージデータには、保険者Cのインデックス201、保険者Cの合算データ202、保険者Cの読取データ203、保険者Cの部分画像204、保険者Cの全体画像が含まれる。保険者Cのインデックス201は、電子媒体イメージデータに含まれる各データを参照するために電子媒体に書き込まれる。
【0103】
業務AP部50は、上記電子媒体の書き込み処理と同様に、保険者Bに対しても、CD−ROMやDVD等の電子媒体に受信した電子媒体イメージデータを書き込み、保険者Bに提供すべき電子媒体を作成する。以上、帳票読取処理の詳細について説明した。
【0104】
上記実施形態によれば、帳票の画像データをもとに帳票の外形を検出し、帳票の外形に基づいて帳票の画像データに紙片の画像データが含まれているか否かを判定する、そして、紙片の画像データが含まれていると判定された場合には、警告メッセージを出力する。これにより、紙片が発生した旨を使用者に通知し、紙片の除去を促すことができる。さらに、紙片の画像データが含まれている帳票の画像データが所定数以上となった場合に、帳票の読取を中止する。これにより、紙片の発生を検出した後に、適切に帳票の読み取りを停止することが可能となる。
【0105】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0106】
100 帳票読取システム
1 帳票読取装置
2 システム制御装置
3 修正端末
4 プリンタ
5 電子媒体作成装置
10 制御ユニット
11 ポケット制御部
12 ポケット機構
13 ナンバリング制御部
14 ナンバリング機構
15 搬送制御部
16 搬送機構
17 撮像制御部
18 撮像機構
19 ページ番号記憶部
20 認識部
21 設定テーブル
50 業務AP部
51 業務設定テーブル
52 プログラム部
53 読取結果記憶部
54 部分画像記憶部
55 全面画像記憶部
56 合計額記憶部
57 電子媒体イメージ記憶部
70 プリンタチャネル
71 電子媒体チャネル
80 ポケット設定テーブル
81 読取設定テーブル
82 部分画像設定テーブル
83 全面画像設定テーブル
84 サービス設定テーブル
85 無効帳票設定テーブル
401 帳票外形検出部
402 形状判定部
403 紙片計数部
404 濃度補正部
405 補正画像記憶部
406 読取部
407 部分画像作成部
408 全面画像作成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票の画像データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記帳票の画像データをもとに、前記帳票の外形を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記帳票の外形に基づいて、前記帳票の画像データに紙片の画像データが含まれているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により、前記帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定された場合に、警告メッセージを出力する出力部と、
を備える、帳票読取装置。
【請求項2】
前記判定部により前記帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定された場合に、前記帳票を識別する帳票識別番号と、前記取得部により前記帳票の画像データが取得された時刻とを対応付けて記憶媒体に記録する記録部を備える、請求項1に記載の帳票読取装置。
【請求項3】
前記記録部により記憶媒体に記録されている紙片の画像データが含まれている前記帳票の画像データの合計数が所定数以上の場合に、前記帳票読取装置における前記帳票の読取中止を指示する中止指示部を備える、請求項2に記載の帳票読取装置。
【請求項4】
前記中止指示部は、
前記出力部により、所定時間内に、前記警告メッセージが所定数以上出力された場合に前記帳票の読取中止を指示する、請求項3に記載の帳票読取装置。
【請求項5】
前記帳票の画像データは複数の画素を含み、
前記検出部は、前記画像データに含まれる複数の隣り合う画素の濃度変化量に基づいて前記帳票の境界領域を示す帳票境界座標データおよび前記帳票の帳票角の位置を示す帳票角座標データを取得する、請求項1〜4のいずれかに記載の帳票読取装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記検出部により検出された前記帳票の外形が、長方形ではない場合に、前記帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定する、請求項1〜5のいずれかに記載の帳票読取装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記検出部により検出された前記帳票角座標データが12以上取得された場合に、前記帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定する、請求項5に記載の帳票読取装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記検出部により検出された前記帳票の画像データが左右両側の画像端に接する場合に、前記帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定する、請求項1〜7のいずれかに記載の帳票読取装置。
【請求項9】
帳票の画像データを取得するステップと、
前記取得ステップにより取得された前記帳票の画像データをもとに、前記帳票の外形を検出するステップと、
前記検出ステップにより検出された前記帳票の外形に基づいて、前記帳票の画像データに紙片の画像データが含まれているか否かを判定するステップと、
前記判定ステップにより、前記帳票の画像データに紙片の画像データが含まれていると判定された場合に、警告メッセージを出力するステップと、
を含む、帳票読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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