幅調節機構付き履き物
【課題】履物の幅の調節を容易に行えるようにする。
【解決手段】履き物1は、その間に幅寸法が規定される中央部4a'および側面部4a''を含む周囲輪郭を有する少なくとも1つの弾性部材を備える。前記弾性部材には、前記幅寸法の所望の調節度合を選択するために操作可能な調節機構が設けられている。前記底部3は、前記調節機構によって選択された調節度合を前記底部3の下面から視認可能にするための観察手段15を備えている。
【解決手段】履き物1は、その間に幅寸法が規定される中央部4a'および側面部4a''を含む周囲輪郭を有する少なくとも1つの弾性部材を備える。前記弾性部材には、前記幅寸法の所望の調節度合を選択するために操作可能な調節機構が設けられている。前記底部3は、前記調節機構によって選択された調節度合を前記底部3の下面から視認可能にするための観察手段15を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の足に履き物の形状を適合させることを可能にする調節機構を有する履き物に関する。
【背景技術】
【0002】
人によっては、足について同じ大きさであっても形状や幅が異なり、同一人でも左右の足が異なっていることがあることが知られている。サイズの最も大きな違いは、その幅、特に足の裏の領域において見られる。
【0003】
このため、所定の大きさの履き物について、同一モデルの履き物で、5本の足指を通る平面周囲のサイズに対応して異なる幅または「適合状態(fitting)」になるように多数の種類が準備されることが理想的である。
【0004】
実際において、その製造者らは、履き物の市場における機能、その用途、使用材料、構成型式(construction typology)などに応じて、製造される種類の選択を行っている。しかしながら、同一の履き物のモデルについて、同一長さであっても、足の変化に適合させるために幅広または幅狭の異なる種類の履き物を準備しなければならない。
【0005】
それは合理的な生産の妥協点であるが、このような生産の多様性は、製造者が履き物の形状、靴底、上部等のための異なる機械設備を持っておかなければならず、また、小売店は消費者の要求に応えるためには同じモデルの履き物について非常に多くの型式のものを買っておかなければならない、という2つの問題がある。
【0006】
消費者は、種々の種類の履き物のうちに自分の足に適当した大きさがなければ、少し大きいか又は少し小さいサイズのものを買わなければならないことになる。
【0007】
これらの欠点を解消するため、米国特許第5,813,146号は、使用者の足に適合させることを可能にする調節機構を有する履き物を提案する。その履き物は、上部と、足指領域に材料の不連続性が有る底部(sole)とを有し、前記不連続性に対応して調節手段が操作されるようになっている。前記底部は、特に、弾性的に柔軟な材料からなる少なくとも1つの中間底部を有し、前記不連続性が前記中間底部に形成された溝のような空隙、前記中間底部の他の部分に比してより柔軟な材料からなる挿入物、または、前記中間底部の領域に配設された小さい空気室からなっている。このような中間底部は、履き物の上部と外側底部との間に配置される。
【0008】
米国特許第5,813,146号の1つの実施形態では、調節手段は、中間底部に横方向に配置され且つ中間底部の中央部に固定されたネジ付きロッドを含む。このように固定されたネジ付きロッドの各端部には、雌ネジ付ブシュがねじ込まれており、そのブシュの頭部は中間底部の外側輪郭上で操作可能になっている。前記各頭部には、材料の不連続性に対応する部分の圧縮または拡張を可能にするために、前記ネジ付きロッドに対してブシュをねじ込んだり緩めたりするように、適当な工具と協働できる切り欠きが設けてある。このようにして、足指領域の多数の点で底部の幅を、理想中心縦線と底部の周囲との間で調節することができ、これにより使用者の足に底部輪郭形状を適合させることができる。
【特許文献1】米国特許第5,813,146号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した公知技術の改良を実行し、特に、製造者、小売業者または消費者の誰でもが、履き物の幅の調節を容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
後により明らかになる前記目的は、本願の記載内容の重要部分をなす添付の特許請求の範囲に記載の特徴を有する履き物にかかる本発明によって達成される。
【0011】
本発明のさらなる目的、特徴および利点は、単なる例示であって非制限的な例である下記の説明および添付図面からより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1において、本発明により実施される一般的なスポーツシューズは、全体が符号1で示され、上部2と、下部または底部とを有する。例示の場合では、底部は、下部または外側の底部3と、中間底部4とからなっている。
【0013】
上部2の実施形態の様式は、本発明の目的外にあるので、詳細な説明および図示はなされていない。
【0014】
外側底部3は、例えば、硬さを異ならせたゴムなどの合成材料からなる。例示の場合、外側底部3は、それぞれがシューズ1の前部および後部の接地部の部分を構成する2つの部分3a,3bからなる。外側底部3の2つの部分3a,3bの間には、シューズ1の中央縁部の領域に対応して、接地機能が必要とされない中間部分3cがある。なお、外側底部3は、例えば、部分3aを形成する後部、部分3bを形成する前部、および、部分3cを形成する中間部というように、中間底部4に貼着された複数の分離した片で形成されてもよい。
【0015】
中間底部4は、上面、下面、および、側面または周囲輪郭(peripheral profile)を有する。前記側面は、図2に符号4a'で示される中央部としての第1部分と、図2に符号4''で示される外側部としての第2部分とを有する。中央部4'は、シューズが履かれたときに使用者の他方の足に対向する、中間底部4の周囲輪郭の部分であり、一方、外側部4''は前記中央部4'と
反対側で前記周囲輪郭の部分をなしている。
【0016】
中間底部4は、上部2と外側底部3との間に配置され、その上に、シューズ1では、アーチ支持部(arch support)または足底(plantar)がある。アーチ支持部は、図示されていないが、必要に応じて引き抜き可能になっている。このため、中間底部4は、その高い領域に、凹部4bが形成されており、この凹部内において前記アーチ支持部は少なくとも部分的なハウジングを形成する。
【0017】
中間底部4の本体4aは、例えばEVAのような弾性のある柔軟で軽い材料を成型することによって得られ、その後、例えばその上面の周囲領域に貼着されることによって上部2に取り付けられる。中間底部4の下面には、後述する調節手段が装着される。それから、外側底部3が好ましくは接着によって中間底部4に取り付けられる。
【0018】
図2−4には、中間底部4の本体4aが示されている。図2に見られるように、本体4aの前部、特に足指領域には、符号8で示される材料の不連続部がある。この例では、前記不連続部8は、溝状の中空部または空隙からなり、中間底部4の縦長方向と同じ長さ方向に延伸している。中空部または空隙に代えて、不連続部8は、本体4aの他の部分よりも圧縮されやすい材料で形成された挿入物または本体部分で構成されてもよいし、または、参照によりここに組み込まれている上述した米国特許第5,813,146号に記載されているのと同様に小さい空気室によって構成されてもよい。
【0019】
本体4aには、符号9で示される2つのハウジングが、互いにほぼ平行に形成され(ただし、このような平行配置は厳格に要求されるものではない)、且つ、本体4aに対して及び/又は溝8の長手方向に対して横方向に延伸している。
【0020】
各ハウジング9は、本体4aの周囲輪郭の中央部4a'に開口する端部を有する円筒形の穴9aとして形成された第1端部を含む。前記穴9aの他端部は、本体4aの下面LFに開口するほぼ平行六面体形状の第1座部9bで終わっている。第1座部9bに隣接して、小さい座部9b'がある。この小さい座部9b'は、前記第1座部9bよりも小さい寸法を有するとともに、本体4aの下面LFに開口している。
【0021】
前記座部9b'からは、前記ハウジング9は、本体4aの下面LFに開口するほぼU字状の溝9cとして延伸している。各ハウジングの溝9cは、溝8に対して横方向に長く延伸している。ハウジング9の最後は、第2座部9dで終わっている。第2座部9dは、図5ないし8において符号11で示す各挿入物の少なくとも一部を収容するのに適合した複雑な形状を有する。この例では、第2座部9dは、本体4aの周囲輪郭の外側部4a''に対して少し凹んでいる。
【0022】
図5―8には、他の挿入物はほぼ同様の形状をなしているので、1つだけの挿入物11が異なる図面で示されている。挿入物11は、小さい板状のベース部11aを有する。ベース部11aの端部からは、溝状通路11b'が形成された前壁11bが垂直に立設されている。ベース部11aの中央部には、壁11bが立設されている同じ側に、内部にネジが切られ且つ両端が開口した円筒状管11cが設けられている。前記通路11b'と前記管11cとは、互いにほぼ同軸上になっている。壁11bおよび管11cが設けられているのとは反対側のベース部11aの表面には、前記管の底部に揃うように、隆起部または突起11dが配設されている。
【0023】
前記座部9dは、前記挿入物11の前壁121bを受け入れる第1部分10aと、前記挿入物11の管11cを受け入れる第2部分10bと、前記隆起部11dが突設されている表面が中間底部4の本体4aの下面とほぼ面一になるように前記挿入物11のベース部11aを受け入れる第3部分とを有する。
【0024】
なお、前記第1部分10aと前記第2部分10bとの間には、ハウジング9の溝9cの延長部を構成する座部10dが形成されている。
【0025】
前記座部9bは、全体としては平行六面体をなし且つ溝状通路12aが形成されている図9に示すような小さい板12を収容するようになっている。
【0026】
図10には、2つのネジまたは調節ロッド13が示され、これらは各挿入物11とそれぞれ協働するようになっている。各ネジ13は、切り込み13a'(図12参照)が形成された頭部13aと、ほぼ円柱状の中間部13bと、ネジ付き端部13cとを有し、ネジ付き端部13cおよび中間部13bには小さいフランジまたはワッシャ13a',13dが設けられている。ワッシャ13a'は頭部13aから近距離にあり、ワッシャ13dはネジ付き端部13cの端に対応している。
【0027】
中間底部4は、溝8およびハウジング9を含むように、公知の方法で成型されることができる。各穴9aには、ネジ13がそれぞれ挿入され、そのネジ付き端部13cが挿入物11の管11c内の雌ネジに部分的にねじ込まれる。そのとき、ワッシャ13dは、挿入物11の前壁11bと管11cとの間に位置する。このような組立動作は、前記本体4aを形成する材料の弾性と、前記ネジ13の部分13b,13dが前記挿入物11の前壁11bの通路11b'を通過できるような直径に形成されていることとによって、可能になる。
【0028】
それから、挿入物11は、表面が前記本体4aの下面とほぼ面一になるように、各座部9dに挿入される。そして、各座部9bには、小さい板12がそれぞれ挿入され、これにより前記板12の通路12aがネジ13の円柱部13bに嵌り込んで、前記小さい板12は各ネジ13の頭部13aとワッシャ13a'との間に配置される。最後に、図9に示す小さい板12'が、その通路12a'が挿入物11のワッシャ13dと前壁11bとの間でネジ13のネジ付き端部13cに嵌り込むように、ネジ13上に滑り込ませる。
【0029】
上述した組立動作の後、中間底部4は図11に示すようになる。組立のために、ネジ13は、例えば11に示す所定位置まで前記管11cにねじ込まれることができる。このとき、上述したようにネジ付き端部13cの端にあるワッシャ13dは、挿入物11の前壁11bに接触している前記小さい板12'に対して接触する。
【0030】
組み立てられた状態では、図12に示すように、中間底部4の周囲輪郭の中央部4a'にある穴9aに、ネジ13の頭部13aが操作可能に現れており、切り込み13a'の存在によって例えばドライバで回転させることができる。
【0031】
本発明の主要な態様において、シューズ1は、周囲輪郭の中央部4a'と側面部4a''との間にある底部3,4の領域における調節度合の視覚による管理を可能にするための観察手段(inspection means)を有する。
【0032】
そのために、例示の実施形態では、挿入物11の本体は、ほぼ透明なプラスチック材料からなり、外側底部3の前部3bには、各透明挿入物11の少なくとも一部分を直接見るのを可能にするのに適した開口部または通路が設けられている。
【0033】
図13にシューズ1の底面図を示し、図14に底部3,4の部分断面を示す。図示するように、下部または外側の底部の部分3aには、2つの通路または穴15が形成されている。各通路15は各挿入物11の突起11dに対応して配置されている。その結果、図14に示すように、挿入物11のベース部11bの周辺部分が外側底部3によって覆われ、これにより中間底部4の本体4aに形成された各座部内での挿入物11の位置決めが確実になる。
【0034】
通路15および挿入物11の透明な本体を介して、各管11cへの各ネジ13のネジ部13cのねじ込み具合、すなわちそれらの協働または連結具合を視覚により確認することができる。そのために、各通路15に露出する挿入物のベース部11aの表面に、基準となる切り込み(または目盛り)を形成しておくことが好ましく、このことは調節目的に便利である。
【0035】
シューズ1wを製造するために、調節手段11−13が装着された中間底部4が得られた後に、中間底部4の下面LFに、通路15が上述したように配置されるように外側底部3が貼着される。
【0036】
シューズ1の前記調節手段の機能は、非常に簡単である。ネジ13をねじ込むと、各頭部13a
が小さい板12に向けて押されて、前記小さい板12と前記穴8との間にある中間底部4の本体4aの部分が挿入物11に向かって押され、および/または、挿入物11が前記小さい板12に向かって引っ張られる。これにより、不連続部8の圧縮が決定され、中間底部4の幅を減少させることができ、その周囲輪郭の形状を変更することができる。
【0037】
図15に、挿入物11の各管11cの端部に各ワッシャ13dが当接することによって決定される、2つのネジ13の最大ねじ込み状態を示す。ここでは、明瞭化のために外側底部3は図示されていない。図示するように、この状態では、不連続部8はほぼ潰されており、これにより足指領域における中間底部4の幅を減少させられる。図15において、点線は、非調整状態にある中間底部4の周囲輪郭の形状(すなわち図11に示すのと同様)を示す。反対に、例えば図15に示す形状から調節を開始する場合、ネジ13を緩めることによって、中間底部4を形成する材料の弾性により不連続部8は拡張していき、図11の形状まで戻る。
【0038】
各場合において、ネジ13によって行われる調節度合は、通路15および挿入物11を形成する材料の透明性によって、視覚により正確に制御することができる。上述したように、挿入物11には、適当な表示切り込みが設けられてもよい。このように、本発明にかかる靴の幅または「適合状態」は、簡単かつ反復可能な方法で、各個人に対して正確に対応することができる。これは、靴または履き物の製造者、小売御者および消費者にとって、格別な利点である。例えば或る状況では、使用者は、シューズの特定の使用状態に応じて調節を暫定的に変更することができ、その後に物理的に正確な観察が可能であることによって初期調節状態、すなわち通路15および挿入物11の透明性を介しての観察による初期調節状態に戻すこともできる。
【0039】
勿論、構成の細部および実施形態は、本発明の要旨から外れることなく、単なる例示の方法で説明および図示されてきたものについて種々に変更されてもよい。
【0040】
例えば、構成部材11の本体は、ネジ付き管11cに沿って細長く延伸する溝を形成したベース部11aを有する、不透明な材料からなるものであってもよい。このような変形は、図16,17に概略的に示される。ここにおいて、前記溝は符号11eで示される。このように、溝11eを介して、ネジ13のネジ付き端部13cを見ることができ、調節度合を視覚的に確認することができる。そのために、ベース部11a上に、基準切り込みが形成されてもよい。この実施形態では、溝11eが配置されている領域は、例えば図18の断面に示されるように、透明材料からなる薄い層で適当に覆われてもよい。この層は、中間底部4と外側底部3との間に介在させた透明部材11fからなってもよいし、または、図19に示すように外側底部3の透明部自体で構成されてもよい。
【0041】
選択される部材を問わず、且つ、調節度合の認識を容器にするために、ネジ13またはこれに代わる手段は、中間底部4の本体4aおよび/または外側底部3を形成する材料の1つを目立たせる色づけを少なくとも一部に施してもよい。
【0042】
別の実施形態では、調節度合は、各ネジ13のネジ付き端部に代えて、ワッシャ13dの位置によって視認できるようにしてもよい。この場合、溝11eを有する挿入物11を用いることで、前記溝11eは、各ネジ13の動作によって生じるワッシャ13dの行程の部分に対応して設けられることは明らかである。
【0043】
溝8が本体4aを分断する空隙によって形成される場合、溝8を覆って、本体4a自身の上面にカバーを貼着してもよい。例えば織物または弾性のあるまたは柔軟なシートからなるカバーは、図11,15の2つの極限調節状態にそれぞれ対応する図20,21の2つの状態の断面において符号14で示されている。
【0044】
図22,23に、本発明の最後の実施形態を示す。この実施形態では、中間底部4の本体4に、1つだけのハウジング9が形成されており、調節手段は1つの挿入物11、1つのネジ13および2つの小さい板12,12'によって構成されている。この場合における調節は、上述した手順と同様に行われる。
【0045】
上述した例示の実施形態において、幅または「適合状態」の調節は、履き物の周囲輪郭のほぼ対称的な変形を得ることを可能にするものであり、前記調節は前記輪郭の中央部4a'と側面部4aとの間でほぼ等しい割合で実行される。原則として、例えば米国特許第5,813,146号に開示されるように、1つまたはそれ以上の調節手段について、観察手段が底部3,4の下面、特に下側底部3に少なくとも部分的に形成されてもよいことが理解される、別々の箇所で調節を確認できるようにすることを妨げるものではない。また、調節手段は、上述したネジ式のもの以外の相互連結手段を用いてもよく、例えば、米国特許第5,813,146号に開示されるのと同様に、各歯またはラチェットギヤを介して種々の方法で前記小さい板と協働できる形態のものであってもよい。ここで、この形態に関する米国特許第5,813,146号の教示は、参照によりここに組み込まれていると考えられる。
【0046】
非常に弾性があって柔軟な材料からなる中間底部について、本体4aは前記調節手段に直に成型されてもよい。この場合、予め組み立てておいた調節手段が成形型内に配置されることになる。
【0047】
本発明は、特にスポーツシューズを参照して説明されてきたが、他の種類の靴または履き物にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明にかかるスポーツシューズの一部断面を含む側面図。
【図2】図1のシューズの底部構成部材の本体の概略底面図。
【図3】前記構成部材の周囲縁部または輪郭の中間部および側面部を示す、図2の構成部材の概略側面図。
【図4】前記構成部材の周囲縁部または輪郭の中間部および側面部を示す、図2の構成部材の概略側面図。
【図5】本発明にかかる履き物の調節機構の一部を形成する挿入物の概略平面図。
【図6】図5のVI−VI線断面図。
【図7】図5のVII−VII線断面図。
【図8】図5の挿入物の概略正面図。
【図9】本発明にかかる履き物の調節機構の一部を形成する2つの構成部材の概略側面図。
【図10】本発明にかかる履き物の調節機構の一部を形成する2つのネジの概略側面図。
【図11】第1実施形態における、図5ないし10の調節機構が装着された図2の構成部材の概略底面図。
【図12】図11の構成部材の概略側面図。
【図13】本発明にかかる履き物の概略底面図。
【図14】図13のXIV−XIV線断面図。
【図15】第2実施形態の各構成要素が装着された、図11と同様の図。
【図16】本発明における可能な変形例での挿入物の、図6と同様の概略断面図。
【図17】本発明における可能な変形例での挿入物の、図7と同様の概略断面図。
【図18】図16および17の挿入物を用いた本発明の可能な変形例を示す、図14とほぼ同様の概略断面図。
【図19】図16および17の挿入物を用いた本発明の可能な別の変形例を示す、図14とほぼ同様の概略断面図。
【図20】本発明の可能な別の変形例における図11または15の構成部材の概略部分断面図。
【図21】本発明の可能な別の変形例における図11または15の構成部材の概略部分断面図。
【図22】本発明の可能な別の変形例にかかる図2と同様の構成部材の概略底面図。
【図23】本発明の可能な別の変形例にかかる図2と同様の構成部材の概略側面図。
【符号の説明】
【0049】
1…履き物、シューズ、靴
2…上部
3…外側底部
4…中間底部
4a…本体
4a'…中央部
4a''…側面部
8…材料の不連続部、溝
9…ハウジング
11…挿入物
12…小さい板
13…ネジ、調節ロッド
15…溝、通路
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の足に履き物の形状を適合させることを可能にする調節機構を有する履き物に関する。
【背景技術】
【0002】
人によっては、足について同じ大きさであっても形状や幅が異なり、同一人でも左右の足が異なっていることがあることが知られている。サイズの最も大きな違いは、その幅、特に足の裏の領域において見られる。
【0003】
このため、所定の大きさの履き物について、同一モデルの履き物で、5本の足指を通る平面周囲のサイズに対応して異なる幅または「適合状態(fitting)」になるように多数の種類が準備されることが理想的である。
【0004】
実際において、その製造者らは、履き物の市場における機能、その用途、使用材料、構成型式(construction typology)などに応じて、製造される種類の選択を行っている。しかしながら、同一の履き物のモデルについて、同一長さであっても、足の変化に適合させるために幅広または幅狭の異なる種類の履き物を準備しなければならない。
【0005】
それは合理的な生産の妥協点であるが、このような生産の多様性は、製造者が履き物の形状、靴底、上部等のための異なる機械設備を持っておかなければならず、また、小売店は消費者の要求に応えるためには同じモデルの履き物について非常に多くの型式のものを買っておかなければならない、という2つの問題がある。
【0006】
消費者は、種々の種類の履き物のうちに自分の足に適当した大きさがなければ、少し大きいか又は少し小さいサイズのものを買わなければならないことになる。
【0007】
これらの欠点を解消するため、米国特許第5,813,146号は、使用者の足に適合させることを可能にする調節機構を有する履き物を提案する。その履き物は、上部と、足指領域に材料の不連続性が有る底部(sole)とを有し、前記不連続性に対応して調節手段が操作されるようになっている。前記底部は、特に、弾性的に柔軟な材料からなる少なくとも1つの中間底部を有し、前記不連続性が前記中間底部に形成された溝のような空隙、前記中間底部の他の部分に比してより柔軟な材料からなる挿入物、または、前記中間底部の領域に配設された小さい空気室からなっている。このような中間底部は、履き物の上部と外側底部との間に配置される。
【0008】
米国特許第5,813,146号の1つの実施形態では、調節手段は、中間底部に横方向に配置され且つ中間底部の中央部に固定されたネジ付きロッドを含む。このように固定されたネジ付きロッドの各端部には、雌ネジ付ブシュがねじ込まれており、そのブシュの頭部は中間底部の外側輪郭上で操作可能になっている。前記各頭部には、材料の不連続性に対応する部分の圧縮または拡張を可能にするために、前記ネジ付きロッドに対してブシュをねじ込んだり緩めたりするように、適当な工具と協働できる切り欠きが設けてある。このようにして、足指領域の多数の点で底部の幅を、理想中心縦線と底部の周囲との間で調節することができ、これにより使用者の足に底部輪郭形状を適合させることができる。
【特許文献1】米国特許第5,813,146号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した公知技術の改良を実行し、特に、製造者、小売業者または消費者の誰でもが、履き物の幅の調節を容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
後により明らかになる前記目的は、本願の記載内容の重要部分をなす添付の特許請求の範囲に記載の特徴を有する履き物にかかる本発明によって達成される。
【0011】
本発明のさらなる目的、特徴および利点は、単なる例示であって非制限的な例である下記の説明および添付図面からより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1において、本発明により実施される一般的なスポーツシューズは、全体が符号1で示され、上部2と、下部または底部とを有する。例示の場合では、底部は、下部または外側の底部3と、中間底部4とからなっている。
【0013】
上部2の実施形態の様式は、本発明の目的外にあるので、詳細な説明および図示はなされていない。
【0014】
外側底部3は、例えば、硬さを異ならせたゴムなどの合成材料からなる。例示の場合、外側底部3は、それぞれがシューズ1の前部および後部の接地部の部分を構成する2つの部分3a,3bからなる。外側底部3の2つの部分3a,3bの間には、シューズ1の中央縁部の領域に対応して、接地機能が必要とされない中間部分3cがある。なお、外側底部3は、例えば、部分3aを形成する後部、部分3bを形成する前部、および、部分3cを形成する中間部というように、中間底部4に貼着された複数の分離した片で形成されてもよい。
【0015】
中間底部4は、上面、下面、および、側面または周囲輪郭(peripheral profile)を有する。前記側面は、図2に符号4a'で示される中央部としての第1部分と、図2に符号4''で示される外側部としての第2部分とを有する。中央部4'は、シューズが履かれたときに使用者の他方の足に対向する、中間底部4の周囲輪郭の部分であり、一方、外側部4''は前記中央部4'と
反対側で前記周囲輪郭の部分をなしている。
【0016】
中間底部4は、上部2と外側底部3との間に配置され、その上に、シューズ1では、アーチ支持部(arch support)または足底(plantar)がある。アーチ支持部は、図示されていないが、必要に応じて引き抜き可能になっている。このため、中間底部4は、その高い領域に、凹部4bが形成されており、この凹部内において前記アーチ支持部は少なくとも部分的なハウジングを形成する。
【0017】
中間底部4の本体4aは、例えばEVAのような弾性のある柔軟で軽い材料を成型することによって得られ、その後、例えばその上面の周囲領域に貼着されることによって上部2に取り付けられる。中間底部4の下面には、後述する調節手段が装着される。それから、外側底部3が好ましくは接着によって中間底部4に取り付けられる。
【0018】
図2−4には、中間底部4の本体4aが示されている。図2に見られるように、本体4aの前部、特に足指領域には、符号8で示される材料の不連続部がある。この例では、前記不連続部8は、溝状の中空部または空隙からなり、中間底部4の縦長方向と同じ長さ方向に延伸している。中空部または空隙に代えて、不連続部8は、本体4aの他の部分よりも圧縮されやすい材料で形成された挿入物または本体部分で構成されてもよいし、または、参照によりここに組み込まれている上述した米国特許第5,813,146号に記載されているのと同様に小さい空気室によって構成されてもよい。
【0019】
本体4aには、符号9で示される2つのハウジングが、互いにほぼ平行に形成され(ただし、このような平行配置は厳格に要求されるものではない)、且つ、本体4aに対して及び/又は溝8の長手方向に対して横方向に延伸している。
【0020】
各ハウジング9は、本体4aの周囲輪郭の中央部4a'に開口する端部を有する円筒形の穴9aとして形成された第1端部を含む。前記穴9aの他端部は、本体4aの下面LFに開口するほぼ平行六面体形状の第1座部9bで終わっている。第1座部9bに隣接して、小さい座部9b'がある。この小さい座部9b'は、前記第1座部9bよりも小さい寸法を有するとともに、本体4aの下面LFに開口している。
【0021】
前記座部9b'からは、前記ハウジング9は、本体4aの下面LFに開口するほぼU字状の溝9cとして延伸している。各ハウジングの溝9cは、溝8に対して横方向に長く延伸している。ハウジング9の最後は、第2座部9dで終わっている。第2座部9dは、図5ないし8において符号11で示す各挿入物の少なくとも一部を収容するのに適合した複雑な形状を有する。この例では、第2座部9dは、本体4aの周囲輪郭の外側部4a''に対して少し凹んでいる。
【0022】
図5―8には、他の挿入物はほぼ同様の形状をなしているので、1つだけの挿入物11が異なる図面で示されている。挿入物11は、小さい板状のベース部11aを有する。ベース部11aの端部からは、溝状通路11b'が形成された前壁11bが垂直に立設されている。ベース部11aの中央部には、壁11bが立設されている同じ側に、内部にネジが切られ且つ両端が開口した円筒状管11cが設けられている。前記通路11b'と前記管11cとは、互いにほぼ同軸上になっている。壁11bおよび管11cが設けられているのとは反対側のベース部11aの表面には、前記管の底部に揃うように、隆起部または突起11dが配設されている。
【0023】
前記座部9dは、前記挿入物11の前壁121bを受け入れる第1部分10aと、前記挿入物11の管11cを受け入れる第2部分10bと、前記隆起部11dが突設されている表面が中間底部4の本体4aの下面とほぼ面一になるように前記挿入物11のベース部11aを受け入れる第3部分とを有する。
【0024】
なお、前記第1部分10aと前記第2部分10bとの間には、ハウジング9の溝9cの延長部を構成する座部10dが形成されている。
【0025】
前記座部9bは、全体としては平行六面体をなし且つ溝状通路12aが形成されている図9に示すような小さい板12を収容するようになっている。
【0026】
図10には、2つのネジまたは調節ロッド13が示され、これらは各挿入物11とそれぞれ協働するようになっている。各ネジ13は、切り込み13a'(図12参照)が形成された頭部13aと、ほぼ円柱状の中間部13bと、ネジ付き端部13cとを有し、ネジ付き端部13cおよび中間部13bには小さいフランジまたはワッシャ13a',13dが設けられている。ワッシャ13a'は頭部13aから近距離にあり、ワッシャ13dはネジ付き端部13cの端に対応している。
【0027】
中間底部4は、溝8およびハウジング9を含むように、公知の方法で成型されることができる。各穴9aには、ネジ13がそれぞれ挿入され、そのネジ付き端部13cが挿入物11の管11c内の雌ネジに部分的にねじ込まれる。そのとき、ワッシャ13dは、挿入物11の前壁11bと管11cとの間に位置する。このような組立動作は、前記本体4aを形成する材料の弾性と、前記ネジ13の部分13b,13dが前記挿入物11の前壁11bの通路11b'を通過できるような直径に形成されていることとによって、可能になる。
【0028】
それから、挿入物11は、表面が前記本体4aの下面とほぼ面一になるように、各座部9dに挿入される。そして、各座部9bには、小さい板12がそれぞれ挿入され、これにより前記板12の通路12aがネジ13の円柱部13bに嵌り込んで、前記小さい板12は各ネジ13の頭部13aとワッシャ13a'との間に配置される。最後に、図9に示す小さい板12'が、その通路12a'が挿入物11のワッシャ13dと前壁11bとの間でネジ13のネジ付き端部13cに嵌り込むように、ネジ13上に滑り込ませる。
【0029】
上述した組立動作の後、中間底部4は図11に示すようになる。組立のために、ネジ13は、例えば11に示す所定位置まで前記管11cにねじ込まれることができる。このとき、上述したようにネジ付き端部13cの端にあるワッシャ13dは、挿入物11の前壁11bに接触している前記小さい板12'に対して接触する。
【0030】
組み立てられた状態では、図12に示すように、中間底部4の周囲輪郭の中央部4a'にある穴9aに、ネジ13の頭部13aが操作可能に現れており、切り込み13a'の存在によって例えばドライバで回転させることができる。
【0031】
本発明の主要な態様において、シューズ1は、周囲輪郭の中央部4a'と側面部4a''との間にある底部3,4の領域における調節度合の視覚による管理を可能にするための観察手段(inspection means)を有する。
【0032】
そのために、例示の実施形態では、挿入物11の本体は、ほぼ透明なプラスチック材料からなり、外側底部3の前部3bには、各透明挿入物11の少なくとも一部分を直接見るのを可能にするのに適した開口部または通路が設けられている。
【0033】
図13にシューズ1の底面図を示し、図14に底部3,4の部分断面を示す。図示するように、下部または外側の底部の部分3aには、2つの通路または穴15が形成されている。各通路15は各挿入物11の突起11dに対応して配置されている。その結果、図14に示すように、挿入物11のベース部11bの周辺部分が外側底部3によって覆われ、これにより中間底部4の本体4aに形成された各座部内での挿入物11の位置決めが確実になる。
【0034】
通路15および挿入物11の透明な本体を介して、各管11cへの各ネジ13のネジ部13cのねじ込み具合、すなわちそれらの協働または連結具合を視覚により確認することができる。そのために、各通路15に露出する挿入物のベース部11aの表面に、基準となる切り込み(または目盛り)を形成しておくことが好ましく、このことは調節目的に便利である。
【0035】
シューズ1wを製造するために、調節手段11−13が装着された中間底部4が得られた後に、中間底部4の下面LFに、通路15が上述したように配置されるように外側底部3が貼着される。
【0036】
シューズ1の前記調節手段の機能は、非常に簡単である。ネジ13をねじ込むと、各頭部13a
が小さい板12に向けて押されて、前記小さい板12と前記穴8との間にある中間底部4の本体4aの部分が挿入物11に向かって押され、および/または、挿入物11が前記小さい板12に向かって引っ張られる。これにより、不連続部8の圧縮が決定され、中間底部4の幅を減少させることができ、その周囲輪郭の形状を変更することができる。
【0037】
図15に、挿入物11の各管11cの端部に各ワッシャ13dが当接することによって決定される、2つのネジ13の最大ねじ込み状態を示す。ここでは、明瞭化のために外側底部3は図示されていない。図示するように、この状態では、不連続部8はほぼ潰されており、これにより足指領域における中間底部4の幅を減少させられる。図15において、点線は、非調整状態にある中間底部4の周囲輪郭の形状(すなわち図11に示すのと同様)を示す。反対に、例えば図15に示す形状から調節を開始する場合、ネジ13を緩めることによって、中間底部4を形成する材料の弾性により不連続部8は拡張していき、図11の形状まで戻る。
【0038】
各場合において、ネジ13によって行われる調節度合は、通路15および挿入物11を形成する材料の透明性によって、視覚により正確に制御することができる。上述したように、挿入物11には、適当な表示切り込みが設けられてもよい。このように、本発明にかかる靴の幅または「適合状態」は、簡単かつ反復可能な方法で、各個人に対して正確に対応することができる。これは、靴または履き物の製造者、小売御者および消費者にとって、格別な利点である。例えば或る状況では、使用者は、シューズの特定の使用状態に応じて調節を暫定的に変更することができ、その後に物理的に正確な観察が可能であることによって初期調節状態、すなわち通路15および挿入物11の透明性を介しての観察による初期調節状態に戻すこともできる。
【0039】
勿論、構成の細部および実施形態は、本発明の要旨から外れることなく、単なる例示の方法で説明および図示されてきたものについて種々に変更されてもよい。
【0040】
例えば、構成部材11の本体は、ネジ付き管11cに沿って細長く延伸する溝を形成したベース部11aを有する、不透明な材料からなるものであってもよい。このような変形は、図16,17に概略的に示される。ここにおいて、前記溝は符号11eで示される。このように、溝11eを介して、ネジ13のネジ付き端部13cを見ることができ、調節度合を視覚的に確認することができる。そのために、ベース部11a上に、基準切り込みが形成されてもよい。この実施形態では、溝11eが配置されている領域は、例えば図18の断面に示されるように、透明材料からなる薄い層で適当に覆われてもよい。この層は、中間底部4と外側底部3との間に介在させた透明部材11fからなってもよいし、または、図19に示すように外側底部3の透明部自体で構成されてもよい。
【0041】
選択される部材を問わず、且つ、調節度合の認識を容器にするために、ネジ13またはこれに代わる手段は、中間底部4の本体4aおよび/または外側底部3を形成する材料の1つを目立たせる色づけを少なくとも一部に施してもよい。
【0042】
別の実施形態では、調節度合は、各ネジ13のネジ付き端部に代えて、ワッシャ13dの位置によって視認できるようにしてもよい。この場合、溝11eを有する挿入物11を用いることで、前記溝11eは、各ネジ13の動作によって生じるワッシャ13dの行程の部分に対応して設けられることは明らかである。
【0043】
溝8が本体4aを分断する空隙によって形成される場合、溝8を覆って、本体4a自身の上面にカバーを貼着してもよい。例えば織物または弾性のあるまたは柔軟なシートからなるカバーは、図11,15の2つの極限調節状態にそれぞれ対応する図20,21の2つの状態の断面において符号14で示されている。
【0044】
図22,23に、本発明の最後の実施形態を示す。この実施形態では、中間底部4の本体4に、1つだけのハウジング9が形成されており、調節手段は1つの挿入物11、1つのネジ13および2つの小さい板12,12'によって構成されている。この場合における調節は、上述した手順と同様に行われる。
【0045】
上述した例示の実施形態において、幅または「適合状態」の調節は、履き物の周囲輪郭のほぼ対称的な変形を得ることを可能にするものであり、前記調節は前記輪郭の中央部4a'と側面部4aとの間でほぼ等しい割合で実行される。原則として、例えば米国特許第5,813,146号に開示されるように、1つまたはそれ以上の調節手段について、観察手段が底部3,4の下面、特に下側底部3に少なくとも部分的に形成されてもよいことが理解される、別々の箇所で調節を確認できるようにすることを妨げるものではない。また、調節手段は、上述したネジ式のもの以外の相互連結手段を用いてもよく、例えば、米国特許第5,813,146号に開示されるのと同様に、各歯またはラチェットギヤを介して種々の方法で前記小さい板と協働できる形態のものであってもよい。ここで、この形態に関する米国特許第5,813,146号の教示は、参照によりここに組み込まれていると考えられる。
【0046】
非常に弾性があって柔軟な材料からなる中間底部について、本体4aは前記調節手段に直に成型されてもよい。この場合、予め組み立てておいた調節手段が成形型内に配置されることになる。
【0047】
本発明は、特にスポーツシューズを参照して説明されてきたが、他の種類の靴または履き物にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明にかかるスポーツシューズの一部断面を含む側面図。
【図2】図1のシューズの底部構成部材の本体の概略底面図。
【図3】前記構成部材の周囲縁部または輪郭の中間部および側面部を示す、図2の構成部材の概略側面図。
【図4】前記構成部材の周囲縁部または輪郭の中間部および側面部を示す、図2の構成部材の概略側面図。
【図5】本発明にかかる履き物の調節機構の一部を形成する挿入物の概略平面図。
【図6】図5のVI−VI線断面図。
【図7】図5のVII−VII線断面図。
【図8】図5の挿入物の概略正面図。
【図9】本発明にかかる履き物の調節機構の一部を形成する2つの構成部材の概略側面図。
【図10】本発明にかかる履き物の調節機構の一部を形成する2つのネジの概略側面図。
【図11】第1実施形態における、図5ないし10の調節機構が装着された図2の構成部材の概略底面図。
【図12】図11の構成部材の概略側面図。
【図13】本発明にかかる履き物の概略底面図。
【図14】図13のXIV−XIV線断面図。
【図15】第2実施形態の各構成要素が装着された、図11と同様の図。
【図16】本発明における可能な変形例での挿入物の、図6と同様の概略断面図。
【図17】本発明における可能な変形例での挿入物の、図7と同様の概略断面図。
【図18】図16および17の挿入物を用いた本発明の可能な変形例を示す、図14とほぼ同様の概略断面図。
【図19】図16および17の挿入物を用いた本発明の可能な別の変形例を示す、図14とほぼ同様の概略断面図。
【図20】本発明の可能な別の変形例における図11または15の構成部材の概略部分断面図。
【図21】本発明の可能な別の変形例における図11または15の構成部材の概略部分断面図。
【図22】本発明の可能な別の変形例にかかる図2と同様の構成部材の概略底面図。
【図23】本発明の可能な別の変形例にかかる図2と同様の構成部材の概略側面図。
【符号の説明】
【0049】
1…履き物、シューズ、靴
2…上部
3…外側底部
4…中間底部
4a…本体
4a'…中央部
4a''…側面部
8…材料の不連続部、溝
9…ハウジング
11…挿入物
12…小さい板
13…ネジ、調節ロッド
15…溝、通路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部(2)と底部(3,4)とを有し、前記底部(3,4)は、中央部(4a')および側面部(4a'')を有するとともに各部(4a',4a'')の間が幅寸法を規定する周囲輪郭(4a',4a'')と、前記幅寸法の変化を可能にし、これにより前記周囲輪郭の形状変化を可能にするために配置された材料の不連続部(8)とを有する少なくとも1つの弾性部材(4)を含み、前記幅寸法の所望の調節度合を選択するために、特に、履き物(1)の使用者の足に前記周囲輪郭(4a',4a'')の形状を適合させるために操作可能な調節機構(11−13)が前記弾性部材(4)に設けられている履き物(1)において、
前記底部(3,4)には、前記調節機構(11−13)によって選択された調節度合を視認可能にするために配置された観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)が、前記弾性部材(4)の前記中央部(4a')と前記側面部(4a'')との間の領域に設けられていることを特徴とする履き物。
【請求項2】
前記観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)は、前記底部(3,4)の下面からの視認を可能にするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の履き物。
【請求項3】
前記観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)は、少なくとも一部が透明材料からなる無事(11;11f;3)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の履き物。
【請求項4】
前記材料の不連続部(8)は、前記底部(3,4)の足指領域にほぼ対応して前記弾性部材(4)に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の履き物。
【請求項5】
前記調節機構(11−13)は、種々の程度に協働可能な少なくとも第1部材(11)および第2部材(13)を含み、前記観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)前記第1および第2部材(11,13)の協働具合を視認可能にするように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の履き物。
【請求項6】
前記弾性部材(4)内には、前記第1および第2部材(11,13)のための少なくとも第1ハウジング(9)が形成されており、前記ハウジング(9)は、前記材料の不連続部(8)の伸張方向に対して横方向に延伸していることを特徴とする請求項5に記載の履き物。
【請求項7】
前記第1および第2部材(11,13)は、ネジ連結によって協働することを特徴とする請求項5または6に記載の履き物。
【請求項8】
前記第1部材は、雌ネジが切られた中空部(11c)を有する挿入物(11)からなり、前記第2部材は、頭部(13a)と、前記第1部材(11)の前記中空部(11c)にねじ込まれることが可能なネジ付き端部(13c)とを有するネジ部材(13)からなることを特徴とする請求項7に記載の履き物。
【請求項9】
前記挿入物(11)は、少なくとも一部が透明材料からなり、前記観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)の少なくとも一部を形成することを特徴とする請求項8に記載の履き物。
【請求項10】
前記挿入物(11)は、前記観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)の少なくとも一部を形成する溝または切り込み(11e)を有することを特徴とする請求項8に記載の履き物。
【請求項11】
前記弾性部材は中間底部(4)であり、前記底部(3,4)は前記中間底部(4)に固定される外側または下側底部(3)をさらに含み、前記観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)は、前記外側底部(3)に形成された開口部または通路(15)、前記外側底部(3)の透明材料からなる少なくとも一部、および、前記中間底部(4)と前記外側底部(3)との間に少なくとも部分的に挟まれた透明部材(11f)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の履き物。
【請求項12】
前記ハウジング(9)の少なくとも一部(9a)は、前記周囲輪郭(4a',4a'')、特に前記中央部(4a')に開口する円形穴として形成されていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の履き物。
【請求項13】
前記ハウジング(9,10)の少なくとも一部(9b,9c,9d)は、前記弾性部材(4)の下面(LF)に開口する空洞として形成されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の履き物。
【請求項14】
前記空洞(9d)は、前記弾性部材(4)の下面とほぼ面一になる表面を有する挿入物(11)の少なくとも一部を収容するようになっていることを特徴とする請求項13に記載の履き物。
【請求項15】
前記材料の不連続部は、前記弾性部材(4)に形成された中空部または空隙(8)、前記弾性部材(4)の本体において前記弾性部材(4)の他の部分よりも圧縮されやすい材料からなる挿入物または部分、および、流体を収容した室のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の履き物。
【請求項1】
上部(2)と底部(3,4)とを有し、前記底部(3,4)は、中央部(4a')および側面部(4a'')を有するとともに各部(4a',4a'')の間が幅寸法を規定する周囲輪郭(4a',4a'')と、前記幅寸法の変化を可能にし、これにより前記周囲輪郭の形状変化を可能にするために配置された材料の不連続部(8)とを有する少なくとも1つの弾性部材(4)を含み、前記幅寸法の所望の調節度合を選択するために、特に、履き物(1)の使用者の足に前記周囲輪郭(4a',4a'')の形状を適合させるために操作可能な調節機構(11−13)が前記弾性部材(4)に設けられている履き物(1)において、
前記底部(3,4)には、前記調節機構(11−13)によって選択された調節度合を視認可能にするために配置された観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)が、前記弾性部材(4)の前記中央部(4a')と前記側面部(4a'')との間の領域に設けられていることを特徴とする履き物。
【請求項2】
前記観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)は、前記底部(3,4)の下面からの視認を可能にするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の履き物。
【請求項3】
前記観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)は、少なくとも一部が透明材料からなる無事(11;11f;3)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の履き物。
【請求項4】
前記材料の不連続部(8)は、前記底部(3,4)の足指領域にほぼ対応して前記弾性部材(4)に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の履き物。
【請求項5】
前記調節機構(11−13)は、種々の程度に協働可能な少なくとも第1部材(11)および第2部材(13)を含み、前記観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)前記第1および第2部材(11,13)の協働具合を視認可能にするように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の履き物。
【請求項6】
前記弾性部材(4)内には、前記第1および第2部材(11,13)のための少なくとも第1ハウジング(9)が形成されており、前記ハウジング(9)は、前記材料の不連続部(8)の伸張方向に対して横方向に延伸していることを特徴とする請求項5に記載の履き物。
【請求項7】
前記第1および第2部材(11,13)は、ネジ連結によって協働することを特徴とする請求項5または6に記載の履き物。
【請求項8】
前記第1部材は、雌ネジが切られた中空部(11c)を有する挿入物(11)からなり、前記第2部材は、頭部(13a)と、前記第1部材(11)の前記中空部(11c)にねじ込まれることが可能なネジ付き端部(13c)とを有するネジ部材(13)からなることを特徴とする請求項7に記載の履き物。
【請求項9】
前記挿入物(11)は、少なくとも一部が透明材料からなり、前記観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)の少なくとも一部を形成することを特徴とする請求項8に記載の履き物。
【請求項10】
前記挿入物(11)は、前記観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)の少なくとも一部を形成する溝または切り込み(11e)を有することを特徴とする請求項8に記載の履き物。
【請求項11】
前記弾性部材は中間底部(4)であり、前記底部(3,4)は前記中間底部(4)に固定される外側または下側底部(3)をさらに含み、前記観察手段(11,13,15;11e,11f;11e,3)は、前記外側底部(3)に形成された開口部または通路(15)、前記外側底部(3)の透明材料からなる少なくとも一部、および、前記中間底部(4)と前記外側底部(3)との間に少なくとも部分的に挟まれた透明部材(11f)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の履き物。
【請求項12】
前記ハウジング(9)の少なくとも一部(9a)は、前記周囲輪郭(4a',4a'')、特に前記中央部(4a')に開口する円形穴として形成されていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の履き物。
【請求項13】
前記ハウジング(9,10)の少なくとも一部(9b,9c,9d)は、前記弾性部材(4)の下面(LF)に開口する空洞として形成されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の履き物。
【請求項14】
前記空洞(9d)は、前記弾性部材(4)の下面とほぼ面一になる表面を有する挿入物(11)の少なくとも一部を収容するようになっていることを特徴とする請求項13に記載の履き物。
【請求項15】
前記材料の不連続部は、前記弾性部材(4)に形成された中空部または空隙(8)、前記弾性部材(4)の本体において前記弾性部材(4)の他の部分よりも圧縮されやすい材料からなる挿入物または部分、および、流体を収容した室のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の履き物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2006−204917(P2006−204917A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−14676(P2006−14676)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(504256648)ディアドラ・インヴィクタ・ソシエタ・ペル・アチオニ (2)
【氏名又は名称原語表記】DIADORA−INVICTA S.p.A.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−14676(P2006−14676)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(504256648)ディアドラ・インヴィクタ・ソシエタ・ペル・アチオニ (2)
【氏名又は名称原語表記】DIADORA−INVICTA S.p.A.
【Fターム(参考)】
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