説明

平版印刷版用現像剤中のエッチング防止剤

【課題】 平版印刷版、色校正フィルム、ポジ型およびネガ型平版印刷版、および感熱版を含む感光性材料用の、高度の画像コントラストを与え、画像表面に対する酸化物攻撃を抑制した現像剤組成物の提供。
【解決手段】 現像剤組成物にpH約10〜約14を与えるのに十分なヒドロキシルイオン供給源、必要に応じて使用する緩衝剤、特定のエッチング防止添加剤、および現像剤組成物を製造するのに十分な水を含む現像剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景本発明は、平版印刷版を含む感光性材料のための現像剤組成物に関するものである。より詳しくは、本発明はエッチング防止剤を含むアルカリ性現像剤に関するものである。さらに詳しくは、この現像剤化合物は、平版印刷版の画像区域をアルカリ性現像剤によるエッチングまたは攻撃から保護する、良好な湿潤剤ではない表面活性剤を含む。
【0002】平版印刷の技術は、油脂性のインクおよび水の非混和性、印刷版の画像区域による油脂性インクの優先的な保持、および非画像区域による湿し水の優先的な保持を包含する、幾つかのファクターに依存している。印刷機上の、露光され、現像された版の表面を湿し水が湿らせる時、画像区域は水をはじき、非画像区域は水を保持する。続いて油脂性のインクを塗布すると、画像部分はインクを保持し、湿った非画像区域はインクをはじく。次いで、画像区域上のインクは、オフセットブランケットを介して、紙の様な、画像をその上に再現すべき材料の表面に転写される。本発明の目的とする最も一般的な種類の平版印刷版は、アルミニウムベースシートに密着した感光性物質の被覆を有する。使用される感光性被覆の性質に応じて、版はポジ型またはネガ型になる。どちらの場合も、画像区域は親油性であり、非画像区域は親水性である。露光は、透明マスクを通して、またはレーザー画像形成により行なうが、その際、ネガ型の場合、感光層が硬化して現像溶液中に不溶になる。現像剤を版に塗布すると、非露光の非画像区域が除去される。ポジ型の場合、露光区域が水性アルカリ現像剤に可溶性になり、それによって除去される。どちらの場合も、残った区域が、油脂性インクを引き付ける部分となり、画像区域と呼ばれる。感光性被覆が除去された区域の下にある表面は、親水性であり、油脂性のインクを引き付けず、非画像区域と呼ばれる。
【0003】一般的に、これらの版は、アルミニウム含有基材からなり、陽極酸化、粗面化および親水性付与を包含する、この分野で認められた様々な方法で処理されていてもも、されていなくてもよい。次いで、製造された版基材に、光増感剤、バインダー樹脂、着色剤、酸安定剤、界面活性剤および他の、この分野で認められている成分を含んでなる感光性塗料を塗布する。一般的な光増感剤には、重合体ジアゾニウム縮合塩およびo-キノンジアジドを含むジアゾ化合物、および光重合性組成物がある。増感剤、バインダーおよび芳香族ジアゾニウム化合物を使用する印刷版は、米国特許第3,175,906号、第3,046,118号、第2,063,631号、第2,667,415号、第3,867,147号および第3,679,419号各明細書に記載されている。
【0004】感光性層は、透明基材を通して、またはレーザー画像形成技術を使用して直接、適当な放射線に露出することができる。アルカリ水溶液による版の現像は、感光性層の非画像区域だけを除去する必要がある。
【0005】Bayer Corporation のAgfa Division により製造されているP-51を包含する、多くのポジ型印刷版が市販されている。
【0006】本発明は、平版印刷版の様なネガ型写真材料用の現像剤組成物にも関連するものである。これらの組成物には、Bayer Corporation のAgfa Division の製品であるN-81およびN-90がある。
【0007】本発明は、色校正フィルムの現像にも効果的である。その様な色校正フィルムは、印刷版の露光に使用される一連のフォトマスクを印刷者が修正するのに役立つ。色校正の目視検査は、フォトマスク上のすべての欠陥、その材料の印刷から予想される最良の演色性、すべての色の正確な階調、および印刷版製造の前に色のいずれかを変える、および/またはフィルムフォトマスクを修正する必要があるか、を示すべきである。
【0008】一般的に、色校正フィルムは透明基材からなるが、この基材は、剥離性、滑り性、または密着性のために処理されていても、されていなくてもよい。次いで、透明基材に、光増感剤、バインダー樹脂、着色剤、酸安定剤、界面活性剤および他の、この分野で認められている成分を含んでなる感光性被覆を施す。一般的な光増感剤には、o-キノンジアジド、ジアゾニウム縮合物塩、光重合性組成物がある。色校正フィルムは、印刷版と同様に露光する。米国特許第4,260,673号、第4,093,464号、第4,093,464号、第4,260,673号、および第4,659,642号各明細書には代表的な色校正方式が開示されている。
【0009】ポジ型およびネガ型感光性材料を現像する際、現像剤は、露光した感光性被覆の画像区域をも攻撃する傾向があることが分かっている。このために好ましくないエッチングが起き、材料の画像区域が除去され、画像に欠陥が生じる。本発明は、現像剤組成物中にある種のエッチング防止化合物を取り入れることにより、この問題を解決する。
【0010】本発明の現像剤組成物は、平版印刷版の画像区域のエッチングを防止する。エッチング防止性添加剤により、版の画像区域の劣化を引き起こす恐れのある濃度および温度でも、現像剤を使用することができる。これによって、適切な品質の印刷版を製造するための露光の必要条件、例えば時間およびエネルギー、機械的攪拌および現像剤の接触時間、に関する操作上の広い寛容度が得られる。本発明の現像剤は、平版印刷版、色校正フィルム、ポジ型およびネガ型平版印刷版および感熱印刷版を含む一連の印刷版に使用するのに適している。
【0011】発明の概要本発明は、下記の成分を含んでなる感光性材料用現像剤組成物を提供するものである。
(イ) pH約10〜約14の現像剤組成物を製造するのに十分な量のヒドロキシルイオンの供給源、(ロ) エッチング防止量の、下式のエッチング防止添加剤、 Uv -(X-W)t{式中、W=[(CHR2CH2O)n-((R3eR6f)aO)m-(CH2CHR4O)p-((CH2CHR4)q-R5]z (I) であり、R5 はH、PO3H2 、SO3Na、-CH2CO2H、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、またはアルキルアリールアルキル基であり、R5は約30個までの炭素原子を有し、R2およびR4は、独立して、H、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、またはアルキルアリールアルキル基であり、約30個までの炭素原子を有し、R3およびR6は、独立して、メチレン、アルキルメチレン、ジアルキルメチレン、アリールメチレン、シクロアルキルメチレン、アルキルアリールメチレン、またはアリールアルキルメチレンであり、約30個までの炭素原子を有し、a=1〜約30、e=0〜約30、f=1〜約30、z=1〜3、m、nおよびpはゼロまたは約150までの正の数であるが、ただし、n、mおよびpの少なくとも一つはゼロではなく、R5がハロゲンである場合のq=1を除いて、qはゼロであり、a) Xはハロゲンであり、v=0およびt=1であるか、またはb) XはR1(CO)dYであり、ここでR1はH、PO3H2、SO3Na、-CH2CO2H、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、またはアルキルアリールアルキル基であり、約30個までの炭素原子を有し、d=0または1、v=0、t=1、およびY=O、S、P、またはNであるか、またはc) XはO、N、S、P、エステル、ウレタンおよびアミノ樹脂結合からなる群から選択され、Uは重合体鎖骨格であり、v=1であり、tの値は、(X-W)t が、化合物Uv-(X-W)t の総重量の約50重量%以上を占める様な値である}、および(ハ) 現像剤組成物を形成するのに十分な水。
【0012】また、本発明は、感光性材料(該感光性材料は基材および基材上の感光性組成物を含んでなり、該感光性組成物は光増感剤およびアルカリに可溶なバインダーを含んでなる)を化学放射線で像様露光し、次いで感光性組成物を上記の現像剤と接触させて感光性組成物の非画像区域を除去することにより、画像を形成する方法も包含する。
【0013】好ましい実施態様の詳細な説明本発明の現像剤組成物はアルカリ供給源、エッチング防止添加剤、および水を含んでなる。現像剤はアルカリ度(alkalinity)の供給源を与える。このアルカリ度は様々な物質により供給することができる。水性環境中で起こる平衡過程のために、水溶液のアルカリ度はそのpHにより都合良く表すことができる。pHは、溶液中のヒドロニウムイオン濃度の直接的な尺度であるが、溶液中の水酸化物イオン濃度を示す。水酸化物イオンは、一般的に活性現像剤と見なされる。
【0014】適当な高いpHをもたらす物質はすべてアルカリ度供給源として使用できる。pHは約10〜約14が好ましく、約12〜13.5がより好ましく、約13〜約13.5が最も好ましい。最も一般的なアルカリは、アルカリ金属の水酸化物、すなわち水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、および水酸化セシウムである。特に水酸化テトラメチルアンモニウムまたは水酸化コリンを含むテトラアルキル第4級アミンの水酸化物すなわち"quats" も使用できる。アミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリス-(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ジアルキルアルカノールアミン(例えばN,N-ジメチルエタノールアミンまたはN,N-ジメチルアミノイソプロパノール)、またはN-アルキルジアルカノールアミン(例えばN-メチルジエタノールアミン)、も使用できる。水酸化アンモニウム、および水溶性アルキルアミン(例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、およびその他)は、臭気が強いために通常は使用しないが、処方によっては配合することがある。好ましい成分は水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムである。2種類またはそれより多い上記成分の混合物も使用できる。
【0015】本発明のエッチング防止添加剤は、湿潤能力が乏しいか、または平均的である、界面活性剤と呼ばれる1種またはそれより多い表面活性剤を含む。湿潤能力が良好ないし優れた界面活性剤は、平版印刷版用の現像剤に添加剤として使用した場合、エッチングを促進することが分かっている。
【0016】本発明のエッチング防止添加剤は、下式の組成物を含んでなる。
Uv -(X-W)t{式中、W=[(CHR2CH2O)n-((R3eR6f)aO)m-(CH2CHR4O)p-((CH2CHR4)q-R5]z (I) であり、R5はH、PO3H2 、SO3Na、-CH2CO2H、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、またはアルキルアリールアルキル基であり、R5は約30個までの炭素原子を有し、R2およびR4は、独立して、H、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、またはアルキルアリールアルキル基であり、約30個までの炭素原子を有し、R3 およびR6は、独立して、メチレン、アルキルメチレン、ジアルキルメチレン、アリールメチレン、シクロアルキルメチレン、アルキルアリールメチレン、またはアリールアルキルメチレンであり、約30個までの炭素原子を有し、a=1〜約30、e=0〜約30、f=1〜約30、z=1〜3、m、nおよびpはゼロまたは約150までの正の数であるが、ただし、n、mおよびpの少なくとも一つはゼロではなく、R5 がハロゲンである場合のq=1を除いて、qはゼロであり、a) Xはハロゲンであり、v=0およびt=1であるか、またはb) XはR1(CO)dYであり、ここでR1 はH、PO3H2、SO3Na、-CH2CO2H、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、またはアルキルアリールアルキル基であり、約30個までの炭素原子を有し、d=0または1、v=0、t=1、およびY=O、S、P、またはNであるか、またはc) XはO、N、S、P、エステル、ウレタンおよびアミノ樹脂結合からなる群から選択され、Uは重合体鎖骨格であり、v=1であり、tの値は、(X-W)tが、化合物Uv-(X-W)t 総重量の約50重量%以上を占める様な値である}
【0017】成分モノマー単位(CHR2CH2 O)、(R3eR6f)aO)、および(CH2CHR4O)のそれぞれは化合物中に、ブロック、勾配(gradient)、または不規則に生じる共重合体単位として存在することができる。
【0018】好ましい実施態様では、エッチング防止添加剤は、上記の一般式を有し、R1=R5=H、R2=R4=H、R3=CHCH3-、R6=CH2-、Y=O、a=1、d=0、e=1、f=1、およびz=1であるブロック共重合体を含んでなる。これらの物質は、ポリプロピレングリコールのエトキシル化により製造することができる。ポリプロピレングリコール成分中のmは、ポリプロピレングリコール部分の分子量が約500〜約4000になる様な値である。nおよびpは、エチレンオキシド成分の分子量がその物質の総重量の約10%〜約80%になる様な値である。
【0019】好ましい実施態様の幾つかの変形が、本発明のエッチング防止添加剤成分として有用である。エッチング防止添加剤の末端水酸基は、塩素原子で置き換えることができる。R3 がC2H5CH、より大きなアルキルメチレン、またはアリールメチレンであるエッチング防止添加剤も好ましい。さらに、R1=R5=アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、またはシクロアルキルであるか、またはR1がHであり、R5=アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、またはシクロアルキルであるエッチング防止添加剤も好ましい。
【0020】R1=R5=H、R2=R4=CH3-、R3=CH2-、R6=CH2-、Y=O、a=1、d=0、e=1、f=1、およびz=1である上記の式の逆のブロック共重合体も本発明で有用である。これらの化合物は、ポリエチレングリコールのプロポキシル化により製造することができる。mは、ポリエチレングリコール成の分子量が約1000〜3500になる様な値が好ましく、約2500〜3500になるのが最も好ましい。nおよびpは、ポリエチレングリコールの重量がその組成物の総重量の約10%〜約80%になる様な値である。さらに、R2=R4はエチル、より大きなアルキル、またはアリールでよい。
【0021】他の有用なエッチング防止添加剤は、必要に応じて高級オキシドを含むアルコールエトキシレートであり、その際、R1 は直鎖または分枝鎖アルキル基であり、必要に応じてシクロアルキル基を含み、合計1〜20個の炭素原子を含む。R2はHであり、nは約2〜約150であり、mおよびpはゼロであり、R5 はHであり、Y=O、d=0、a=1、e=1、f=1、およびz=1である。
【0022】エッチング防止添加剤は、必要に応じて高級オキシドを含むアルキルフェノールエトキシレートでもよく、その際、R1 は、4〜20個の炭素原子を含む1個またはそれより多い直鎖または分枝鎖アルキル基で置換されたアリール基あり、R2はHであり、nは約2〜約150であり、mおよびpはゼロであり、R5 はHであり、Y=O、d=0、a=1、e=1、f=1、およびz=1である。キャップされたエトキシレート、例えば上記のアルコールエトキシレートおよびアルキルフェノールエトキシレートも有用であるが、そこでは末端水酸基が高級オキシド、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、等、と反応している(R4=C1〜C20直鎖、分枝鎖または環状アルキル、アリールまたはアルキルアリール、p=1〜9)か、または末端水素がアルキルまたはアリールアルキル基、特にベンジルで置き換えられている(R5 =C1〜C20直鎖、分枝鎖または環状アルキル、アリール、アルキルアリールアルキル、アリールアルキル、またはアルキルアリール)か、または水酸基がハロゲン、例えば塩素、で置換されている(R5=ClまたはBr)。
【0023】エッチング防止添加剤は、分子量が500を超え、必要に応じて高級オキシドを含むポリエチレングリコール(すなわちランダム共重合体)(R1=R5=H、R3=R6=CH2、n=p=0、Y=O、d=0、a=1、e=1、f=1、z=1、m>9)、および/または末端水酸基の1個または両方が高級オキシド、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、等、と反応している誘導体(R1 =R5 =H、R3 =R6=CH2 、m=0、R4=C1 〜C20直鎖、分枝鎖または環状アルキル、アリールまたはアルキルアリール、p=1〜9、Y=O、d=0、a=1、e=1、f=1、z=1、n>9)か、または末端水素がアルキルまたはアリールアルキル基、特にベンジルで置き換えられている誘導体(R1 =R5 =C1 〜C20直鎖、分枝鎖または環状アルキル、アリール、アルキルアリールアルキル、またはアルキルアリール、R3 =R4=CH2 、n=p=0、Y=O、d=0、a=1、e=1、f=1、z=1、m>9)か、または水酸基がハロゲン、例えば塩素または臭素、で置換されている誘導体(X=R5=ClまたはBr、R3=R4=CH2 、n=p=0、Y=O、d=0、a=1、e=1、f=1、z=1、m>9)でよい。
【0024】上に挙げたエトキシレートの誘導体、例えばブロック共重合体、アルコールエトキシレートおよびアルキルフェノールエトキシレートの中で、1個またはそれより多い末端ヒドロキシルがリン酸塩、硫酸塩、またはエーテルカルボン酸塩、例えば-CH2CO2Hで置き換えられている物質(R1=R5=PO3H2、SO3Na、またはR1がすでにH以外と指定されてない限り、-CH2CO2H)も有用である。
【0025】必要に応じて高級オキシドを含む直鎖または分枝鎖の第1級アルキルアミンのエトキシレート(R1 は直鎖または分枝鎖アルキル基であり、必要に応じてシクロアルキル基を含み、合計6〜20個の炭素を含み、R2はHであり、nは約1〜約75であり、mおよびpはゼロであり、R5はHであり、Y=N、d=0、e=1、f=1、およびz=2)および/またはそれらの、高級オキシド、特にプロピレンオキシドまたはブチレンオキシド、でキャッピングされた誘導体(同上、ただしR4=C1 〜C20直鎖、分枝鎖または環状アルキル、アリールまたはアルキルアリール、p=1〜9)も有用なエッチング防止添加剤である。
【0026】さらに、エッチング防止添加剤は、必要に応じて高級オキシドを含む直鎖または分枝鎖アルキルメルカプタンのエトキシレート(R1は直鎖または分枝鎖アルキル基であり、必要に応じてシクロアルキル基を含み、合計6〜20個の炭素を含み、R2はHであり、nは約2〜約150であり、mおよびpはゼロであり、R5はHであり、Y=S、d=0、およびz=1)および/またはそれらの、高級オキシド、特にプロピレンオキシドまたはブチレンオキシド、でキャッピングされた誘導体(同上、ただしR4=C1〜C20直鎖、分枝鎖または環状アルキル、アリールまたはアルキルアリール、p=1〜9)、またはアルキル基、特にベンジル、でキャップされた誘導体(R5=C1〜C20直鎖、分枝鎖または環状アルキル、アリール、アルキルアリールアルキル、またはアルキルアリール)でよい。
【0027】エッチング防止添加剤は、多官能性アミンのブロック共重合体(例えばエチレンジアミンをプロピレンオキシドと、次いでエチレンオキシドと反応させた、またはエチレンオキシドと、次いでプロピレンオキシドと反応させた物質)も含む。
【0028】必要に応じて高級オキシドを含むエチレンオキシドを、多官能性開始剤、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、エリトリトール、グルコース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ、糖みつ、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、デンプン誘導体、モノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、イソプロパノールアミン、およびその他、と反応させることにより製造された分枝鎖ポリオール、および/または、それらの、1個またはそれより多い末端水酸基を高級オキシド、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、およびその他と反応させた誘導体、または1個またはそれより多い末端水素をアルキルまたはアリールアルキル基、特にベンジル、で置換した誘導体、またはヒドロキシルを塩素の様なハロゲンで置き換えた誘導体
【0029】必要に応じて高級オキシドを含むポリエチレングリコール部分を含む様に変性した重合体、例えば下記の1)〜4)もエッチング防止添加剤として有用である。
1)ヒドロキシル、カルボキシル、またはアミノ官能性重合体、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸またはそれらの共重合体のエトキシレート、2)活性モノマーに結合させ、次いで重合させた、必要に応じて高級オキシドを含むエトキシレート、例えばi)必要に応じて末端ヒドロキシルを塩素、高級オキシド、またはアルキル、シクロアルキル、アリール、およびその他のR基でキャッピングした、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(HEM-5、HEM-8、HEM-10、およびその他)またはモノアクリレート、およびii) ジメチルイソシアナートメチルイソプロペニルベンゼンの様なモノマーと反応させたポリエチレングリコールモノエーテルまたはエステルの重合体および共重合体、3)必要に応じて、この分野で良く知られている方法、例えばジイソシアネート、またはジカルボン酸、エステル、または酸塩化物の様な2官能性物質でヒドロキシルまたはアミノ官能性重合体に結合することにより、予め形成させた重合体鎖にグラフト化した高級オキシドを含むポリエチレングリコール、および4)ポリウレタン、ポリエステル、またはアルキド樹脂の様な主鎖中に必要に応じて高級オキシドを含むポリエチレングリコールで製造した重合体、樹脂またはオリゴマー。
【0030】カルボン酸のエトキシル化により、またはポリエチレングリコールのエステル化により製造した、必要に応じて直鎖または分枝鎖の、必要に応じて高級オキシドを含むポリエチレングリコールのエステル(R1は直鎖または分枝鎖アルキルアシル基であり、必要に応じてシクロアルキル基を含み、6〜20個の炭素原子を含み、R3=R4=CH2 、R5 =R1 またはH、n=p=0、Y=O、d=0、a=1、e=1、f=1、z=1、m>9)であって、必要に応じて高級オキシド(R4はC1〜C20直鎖、分枝鎖または環状アルキル、アリールまたはアルキルアリールでよく、p=1〜9)、エーテル、またはハロゲン(R5はC1〜C20直鎖、分枝鎖または環状アルキル、アリール、アルキルアリールアルキルまたはアルキルアリールでよいか、または-OR5はハロゲン化物でよい)でキャッピングされた物質がエッチング防止添加剤として有用である。
【0031】さらに、ポリグリコール、例えば下記の1)〜2)が有用なエッチング防止添加剤である。
1)ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、等(a=12、mは5〜100であり、e=0〜30、f=1〜30、およびR4およびR3 は、独立して、メチレン、アルキルメチレン、ジアルキルメチレン、アリールメチレン、シクロアルキルメチレン、アルキルアリールメチレン、またはアリールアルキルメチレンであり、約30個までの炭素原子を有し、ブロック、一定勾配およびランダム共重合体およびエチレングリコール単位を含む組成物を含む)、および2)ポリメチレングリコール、ポリ-1,3-プロパンジオール、ポリ-1,4-ブタンジオール、ポリ-1,5-ペンタンジオール、ポリ1,6-ヘキサンジオール、ポリ-2-メチル1,3-プロパンジオール、ポリネオペンチルグリコール、およびその他(aは0〜30の整数であり、mは1〜100であり、R3 およびR4は、メチレン、アルキルメチレン、ジアルキルメチレン、アリールメチレン、シクロアルキルメチレン、アルキルアリールメチレン、またはアリールアルキルメチレンのすべての組合せであり、ブロックおよびランダム共重合体およびエチレングリコール単位を含む組成物を含む)
【0032】その様な物質は、環状エーテルの開環により製造される物質のみならず、この分野で公知の様に、塩基の存在下でグリコールの誘導体をグリコールと縮合させることにより製造される物質も含む。例えば、1,3-プロパンジオールの誘導体である1,3-ジクロロプロパンを1,6-ヘキサンジオールと、水酸化ナトリウムの様な塩基の存在下で反応させ、1,6-ヘキサンジオールと1,3-プロパンジオールの交互共重合体を製造する。使用可能な他の誘導体には、アルキル、アリール、アルキルアリール、またはアリールアルキルスルホン酸エステル、例えばメタンスルホン酸エステルまたはトルエンスルホン酸エステルまたは臭化物または他のハロゲン化物誘導体がある。一誘導体、例えば水酸化ナトリウムの存在下で1-クロロ-12-ヒドロキシドデカンとそれ自体の縮合物も使用できる。
【0033】本発明のアルコキシレートおよび/または誘導体の好ましい組成物は、計算された親水性-親油性バランス(HLB)が12.5を超える(すなわち62.5%を超えるエトキシレートおよびプロポキシレートの組合せ)エッチング防止添加剤である。ただし、疎水性部分が非常に長い直鎖アルキル基、すなわち鎖1本あたり炭素数が17を超える、を含む場合、HLBは15.5を超える(77.5%を超えるエトキシレートおよびプロポキシレートの組合せ)必要があり、疎水性部分が非常に短いか、または無い、すなわち炭素数が6未満である場合、分子量は500を超えていなければならない。好ましいエッチング防止添加剤には、分子量約1800のポリプロピレングリコールに10%のエチレンオキシドを付加させて製造されたブロック共重合体として説明されている、Rhone Poulencの製品Antarox L-61、約80%のPluronic L-43と20%のPluronic L-31 (どちらもBASF Corporationの製品である)の混合物、がある。Pluronic L-43 は、分子量約1300のポリプロピレングリコールに30%のエチレンオキシドを付加させて製造されたブロック共重合体として説明されている。Pluronic L-31は、分子量約1000のポリプロピレングリコールに10%のエチレンオキシドを付加させて製造されたブロック共重合体として説明されている。Rhone Poulencの製品Rhodasurf LA-12 は、ラウリルアルコールの12モルエトキシレートとして説明されている。
【0034】公知の様に、HLBは、親水性/親油性バランスを表し、ほとんどがエトキシレートである非イオン系界面活性剤の分類するための一般的な方法である。通常、HLBは、理論上の組成物中のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの重量%から計算される。HLB尺度は0〜20であり、20は100%アルコキシレートに対応する。HLB10は、組成物中にアルコキシレートが50%存在することを示している。
【0035】エッチング防止添加剤成分は、好ましくは組成物全体の約25 ppm〜約25重量%、より好ましくは約25 ppm〜約5重量%、さらに好ましくは約0.01〜約1重量%、最も好ましくは約0.02〜0.20重量%、の量で存在する。
【0036】組成物は、緩衝塩およびヒドロトロピー剤、湿潤剤、乳化剤、有機溶剤、キレート化剤、殺菌剤、他の塩、香料、エッチング防止剤、消泡剤、分散剤、およびその他を包含する、必要に応じて使用する追加成分を含むことができる。
【0037】代表的な緩衝成分は、弱酸の塩であり、塩自体として、酸として、あるいは多塩基酸の場合は部分酸塩として加えることができる。酸性成分を使用する場合、アルカリが酸性度を中和し、アルカリの一部が消費される。そのため、アルカリの量を増加しなければならない。例えば、アルカリとして水酸化ナトリウムを含むリン酸塩緩衝剤の場合、リン酸塩をリン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一ナトリウムまたはリン酸として加えることにより、同じ組成物を製造できるが、緩衝剤の酸性度と共に必要な水酸化ナトリウムが増加する。
【0038】リン酸三ナトリウムおよびメタケイ酸ナトリウムの様なある種の緩衝剤は、一般的に塩基過剰の状態で供給される。すなわち、市販の製品は、その理論的な式から予測されるよりも多くのアルカリを含んでいる。塩基過剰の緩衝剤塩を使用する場合、必要なアルカリは減少する。
【0039】洗剤工業で一般的にビルダーと呼ばれる緩衝剤の例としては、リン酸塩、ピロリン酸塩(Rhodes、米国特許第2,365,215号明細書、1944)、トリポリリン酸塩(Vots、米国特許第2,356,550号明細書、1944)、ヘキサメタリン酸塩、炭酸塩、クエン酸塩(Tucker、米国特許第2,264,103号明細書、1941)、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ケイ酸塩(Rhodes、米国特許第2,365,215号明細書、1944)、メタケイ酸塩、グルコン酸塩(Lehmkuhl、米国特許第2,291,085号明細書、1942、Tucker、米国特許第2,311,008号明細書、1943)、ニトリロトリ酢酸塩およびエチレンジアミンテトラ酢酸塩(Munz、米国特許第2,130,505号明細書、1938、米国特許第2,240,957号明細書、1941、Orthner 、米国特許第2,257,186号明細書、1941、Drew、米国特許第3,001,945号明細書、1961)、グリコール酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩(Brown 、米国特許第3,661,787号明細書、1972、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、グルタル酸塩、マロン酸塩、ポリカルボン酸の塩(Tucker、米国特許第2,264,103号明細書、1941、Aaschke 、米国特許第3,686,145号明細書、1972)、ソルビトールエーテルカルボン酸塩(Tucker、米国特許第2,311,008号明細書、1943)、カルボキシメチルセルロース(Nuesslein 、米国特許第2,335,194号明細書、1943)、硫酸塩(Flett 、米国特許第2,387,572号、1945)、デキストリン(Bonewitz、米国特許第2,678,303号明細書、1954)、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸塩(Diehl 、米国特許第3,159,581号明細書、1964、Blaser、米国特許第3,214,454号明細書、1965)、ホスホン酸塩(Quimby、米国特許第3,400,148号明細書、1968)、シクロアルカンポリカルボン酸塩(Carter、米国特許第3,463,734号明細書、1969)、ポリアクリル酸エステル、ポリマレイン酸エステル、誘導体およびそれらの共重合体(Sabatelli 、米国特許第3,535,258号明細書、1970、米国特許第3,579,455号明細書、1971、Dittmar 、米国特許第2,327,302号明細書、1943、Feldman 、米国特許第2,876,201号明細書、1959、Diehl 、米国特許第3,308,067号明細書、1967、Carter、米国特許第3,463,734号明細書、1969、Mizuno、米国特許第3,700,599号明細書、1972、Mizuno、米国特許第3,764,559号明細書、1973、Chakrabarti 、米国特許第3,733,280号明細書、1973、Altenschopfer 、米国特許第3,825,498号明細書、1974、Lamberti、米国特許第4,095,035号明細書、1978)、オキシジコハク酸塩(Lambert 、米国特許第3,635,830号明細書、1972)、カルボキシメトキシコハク酸塩(Lamberti、米国特許第3,692,685号明細書、1972)、スクロース(Finck 、米国特許第3,826,748号明細書、1972)、ジヒドロキシヘキサデシルコハク酸塩(Pettigrew 、米国特許第3,725,286号明細書、1973)、ニトリロトリ酢酸塩およびエチレンジアミンテトラ酢酸塩のN-オキシド(Blum、独国特許第DE 2,903,980号明細書、1980)、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トルイル酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、トリメリト酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、アミノ安息香酸塩、および酢酸塩がある。Herrman、米国特許第3,346,873号明細書、段落5、1967も参照。
【0040】ケイ酸塩、特にナトリウムおよびカリウムのケイ酸塩が好ましい緩衝剤である。メタケイ酸ナトリウムまたはケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カリウムの溶液等級も使用できる。この種の市販製品としては、PQ Corporationの製品であるSTARおよびKasil がある。2種類またはそれより多い緩衝剤の混合物を使用できる。いずれかの供給源から混合されたアルカリが存在する場合、無論、緩衝剤は混合塩の形態で、例えば、リン酸一ナトリウム二カリウム、あるいは最初の処方に緩衝剤として酢酸ナトリウムだけを加えた場合、酢酸ナトリウムおよび酢酸カリウムの混合物として存在することができる。
【0041】使用する場合、緩衝剤の量は、組成物の固体として好ましくは約1%〜約15%である。約2%〜約4%の量がより好ましく、約2.5%〜約3%の量のケイ酸ナトリウム(約7.3〜約8.1%の37%固体ケイ酸ナトリウム溶液)が最も好ましい。約6.5〜約7.5%の量のメタケイ酸ナトリウムが特に好ましい。特定の実施態様に効果的な量は、当業者なら容易に決定できる。
【0042】必要なアルカリの量は、他の成分の酸性度に加えて、アルカリの当量によっても異なる。pHは好ましくは約10〜約14、より好ましくは約12〜約13.5、最も好ましくは約13.0〜約13.5、である。
【0043】緩衝剤の不存在下では、水酸化ナトリウムの好ましい量は約1.0〜約1.2%であり、水酸化カリウムの好ましい量は約1.5〜約2.0%であり、水酸化リチウムの好ましい量は約0.6〜約0.7%である。ケイ酸ナトリウム緩衝剤の存在下では、水酸化ナトリウムの好ましい量は約1.50%〜約2.25%に増加する。メタケイ酸ナトリウム緩衝剤の存在下では、水酸化ナトリウムの好ましい量は約0.45%〜約0.52%に減少する。
【0044】エッチング防止添加剤は、水に可溶または水に不溶として大まかに分類できる。しかし、本発明のアルカリおよび緩衝剤塩は、水中の有機物質の溶解度を下げる傾向がある。その結果、水溶性と見なされているある種の物質が、現像剤組成物中に不溶になる場合もある。その場合、ヒドロトロピー剤を使用して組成物を分散させるとよい。
【0045】この分野で公知のヒドロトロピー剤には、キシレンスルホン酸ナトリウム(Bright、米国特許第3,303,136号明細書、1967)、Dowfax 2A1(スルホン化ドデシルジフェニルエーテルのナトリウム塩)、ペラルゴン酸の塩、またはWestvaco Diacid1550(トール油脂肪酸のアクリル化誘導体、Ward、米国特許第3,734,859号明細書、1973、Woodward、米国特許第3,956,161号明細書、1976)がある。使用可能な他のヒドロトロピー剤には、アルキルアミノプロピオン酸塩およびアルキルイミノジプロピオン酸塩(Mirataine JC-HA およびMirataine H2C-HA)、リン酸エステル化アルコールまたはアルコールまたはアルキルフェノールのエトキシレート、すなわちリン酸エステル界面活性剤、例えばRhodafac RA-600 (Grifo、米国特許第3,122,508号明細書、1964、Steifeik、米国特許第3,168,478号明細書、1965、Mansfield、米国特許第3,235,627号明細書、1966、Dupre 、米国特許第3,294,693号明細書、1966)またはTriton H-66 (Sorgenfrei、米国特許第4,001,133号明細書、1977)、C6〜C14脂肪酸セッケン(Caroll、米国特許第3,234,138号明細書、1966)、オレイン酸セッケン(Bright、米国特許第3,156,655号明細書、1964)、アルケニル、特にオクテニルコハク酸の塩(Dupre、米国特許第3,579,453号明細書、1971)、Armox DMC-W の様なアミンオキシド(Laufer、米国特許第3,876,511号明細書、1975)、低級アルキルベンゼンまたはナフタレンスルホン酸塩(Hewitt、米国特許第3,843,543号明細書、1974、Smith 、米国特許第3,192,166号明細書、1965)、アルコール硫酸塩、例えばアミル、ヘキシル、オクチル、デシルまたはラウリル硫酸塩(Hewitt、米国特許第3,843,543号明細書、1974)、プロピレングリコール(Tridge、米国特許第3,037,935号明細書、1962)、エチレン無水マレイン酸共重合体(Tuveil、米国特許第3,235,505号明細書、1966)、およびマレイン酸/ビニルエーテル共重合体(Bright、米国特許第3,156,655号明細書、1964)がある。
【0046】ヒドロトロピー剤は、好ましくはエッチング防止添加剤の量の0〜約10倍、より好ましくはエッチング防止添加剤の量の0.1〜約5倍、最も好ましくはエッチング防止添加剤の量の0.5〜約2倍、の量で使用する。
【0047】本発明の現像剤組成物は、適量のヒドロキシルイオン供給源、エッチング防止添加剤、および水を個別に加えて混合するのが好ましい。好ましくは、エッチング防止添加剤を水に加え、その後、ヒドロキシルイオン供給源を妥当なpHを与える量で加える。
【0048】平版印刷版の様なネガ型またはポジ型写真材料の製造における第一工程として、平版印刷版の製造に適したアルミニウム組成物の様なシート基材、例えばAlcoa 303 およびAlcoa 110 (これらの基材は、この分野で良く知られている様に、標準的な機械的または電気分解による粗面化および/またはエッチングおよび/または陽極酸化技術により前処理されていても、されていなくてもよく、また、平版印刷版用の親水性付与層として適当なポリビニルホスホン酸の様な組成物で処理されていても、されていなくてもよい)、を、感光性重合体状ジアゾニウム塩、キノンジアジドまたは光重合体含有組成物で被覆する。その様な組成物は、バインダー樹脂、例えばポリビニルアセタールまたはポリビニルホルマール樹脂、ノボラック、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、スチレン/無水マレイン酸共重合体、着色剤、酸安定剤、界面活性剤、露光指示剤、または他の、この分野で認められている成分をも含むことができる。
【0049】次いで、感光性シート材料を、マスクまたは透明基材を通して適当な放射線供給源に露出し、次いで露光したシートを現像し、非画像感光性材料を除去する。
【0050】混合物は通常、他の組成物成分のすべてに対して相容性がある溶剤組成物中で製造する。次いで、感光性組成物を基材上に塗布し、溶剤を蒸発させる。
【0051】本発明の感光性組成物の製造に最も一般的に使用されるジアゾニウム化合物は、一般式A-N2+X- で表され、Aは芳香族または複素環式残基であり、Xは酸の陰イオンである。
【0052】上記の物質として有用な感光性ジアゾニウム材料の具体例としては、例えば、米国特許第2,063,631号および第2,667,415号各明細書に記載されている様な、ホルムアルデヒドの様なある種の芳香族カルボニル化合物の酸縮合で、ある種の芳香族ジアゾニウム塩の縮合により得られる高分子量組成物がある。好ましい種類のジアゾニウム化合物は、米国特許第3,849,392号明細書に記載されている。
【0053】最も好ましいジアゾニウム塩は、米国特許第3,849,392号明細書に開示されている様な、メシチレンスルホン酸塩として沈殿する、3-メトキシ-4-ジアゾ-ジフェニルアミン硫酸塩および4-4'-ビス-メトキシ-メチル-ジフェニルエーテルの重縮合生成物である。
【0054】適当な光重合性組成物は、当業者には良く知られている。
【0055】本発明は、露光した材料を、上記の成分を水性混合物中に含む上記の現像剤と接触させ、非画像区域を除去することにより、露光した感光性材料を現像する方法も提供するものである。この方法は、ここに参考として含める米国特許第4,980,271号明細書により詳しく説明されている。この方法は、ここに参考として含める米国特許第4,937,168号明細書に記載されている様なポジ型およびネガ型色校正フィルムにも同様に適用できる。
【0056】その操作では、米国特許第4,937,168号明細書に記載されている様な感光性色校正フィルムを、接着層を介して受けシートにラミネートする。この受けシートは、水性現像剤に対して耐水性である必要がある。この目的には、プラスチック製またはプラスチック被覆された受けシートが有用である。受けシートは、粗い構造を有する、および/または密着性が強化された表面を有するのが好ましく、張合わせおよび現像工程に耐えられるものでなければならない。
【0057】ラミネートは、受けシートを着色複合材料の接着剤側と接触させ、次いで2つの材料を一対の加熱したラミネーティングローラーのニップ中に適当な圧力下で導入することにより行なう。適当な張合わせ温度は一般的に約60℃〜約90℃、好ましくは約75℃〜約85℃である。張合わせ後、一般的に手で剥がす力を加えるだけで、材料基材を剥離する。これによって、接着剤および感光性層が受けシート上に残る。
【0058】剥離の前または後に、この分野で良く知られている手段により、感光層を像様露光する。その様な露光は、真空焼枠条件下でフォトマスクを通してUV光源に露出することにより行なうことができる。露光は、通常のポジまたはネガフラットを通して化学放射線で行なうことができる。エマルジョン対エマルジョン接触には、ラミネート処理および基材除去の後に露光するのが好ましい。金属ハロゲン化物ランプよりも水銀蒸気放電ランプの方が好ましい。材料中の光散乱を少なくするために、フィルターを使用することができる。
【0059】ラミネート処理、基材除去、および露光の後、本発明の現像剤に露光区域を溶解させることにより、感光層を現像する。次いで、同じ受けシート上の前に形成された画像の上に、異なった色を有する別の感光性材料をラミネートし、この工程を繰り返すことができる。通常、所望の画像の全色再現を行なうには、4つの着色層を使用する。これらの4色とは、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックである。上記の写真材料は、ここに参考として含める米国特許第4,937,168号および第4,659,642号各明細書に、より詳細に記載されている。本発明は、露光された材料を、上記の成分を水性混合物中に含む上記の現像剤と接触させ、非画像区域を除去することにより、露光された感光性材料を現像する方法を提供する。露光された版は、手作業で、または機械的なプロセッサーで現像することができる。手作業で現像する場合、現像剤溶液を版の表面上に注ぎ、版の表面をスポンジまたは他の柔軟性の装置で擦り、感光層の露光した非画像区域を除去し易くする。次いで、過剰の現像剤を版から洗い流す。定着剤または仕上げ剤を塗布することができる。機械的プロセッサー中では、これらの機能を連続的に実行する。柔軟性の版が、現像および洗い流し工程を含む一連の工程を通して運ばれる。機械的攪拌は、回転ブラシにより与えられる。機械的プロセッサー中では、現像剤は一般的に常温の近くに維持されるが、約35℃に加熱することもできる。現像時間は一般的に30〜90秒間である。現像装置の速度は一般的に毎分10〜60インチである。
【0060】例1下記の試験方法により、アルカリ性現像剤が印刷版の感光層の画像区域を攻撃またはエッチングする傾向を測定する。
【0061】7点エッチング試験:それぞれ同じ現像剤からなる直径1〜2センチメートルの7個の点を、露光していない印刷版の細片上に30秒間間隔で付けていく。最後の点を付けてから30秒後(合計3.5分)に、細片を水洗し、紙タオルで拭き取る。
【0062】各点を合格/不合格尺度で評価する。合格とは、感光層に損傷がまったく無いことを意味する。不合格は、点の縁部における僅かな被膜の膨れから感光層の完全な除去まで変化する。エッチング等級(ER)は、合格と判定された点の数で決定した。等級0(ER=0)は30秒間未満で被膜が損傷することを表し、採点7(ER=7)は3.5分後にも損傷が無いことを示す。
【0063】エッチング防止添加剤が存在しない場合、ER等級は活性現像剤に対してゼロであった、すなわち組成物が被膜の露光区域を除去することができた。実験から、機械的なプロセッサーでは、2またはそれを超えるER等級が必要であることが分かった。
【0064】表1および2に示す現像剤組成物を試験した。これらのデータは、添加剤の中には、現像剤による画像攻撃を防止するものも、防止できないものもあることを示している。ER*は、表に挙げた組成物に対して観察された最も高いエッチング等級を示す。記号EOはエチレンオキシドを表し、POはプロピレンオキシドを表す。
【0065】表1は、有効であると評価されたエッチング防止剤を示す。表1は、評価した添加剤、その添加剤に対するER*、およびエッチング防止添加剤の化学的説明を示す。表2は、無効である、すなわちER* =0と評価されたエッチング防止剤を示す。表2において、示された情報は表1と同じである。
【0066】
表1 有効であると評価されたエッチング防止剤 添加剤 ER* 化学的説明 AntaroxR BL-225 6 専売オクチル/デシルアルコール+EO+PO AntaroxR L-61 6 EO/POブロック共重合体 BarloxR 12I 5 アミンオキシド、恐らく分枝鎖C12 BrijR 78 1 ステアリルアルコール+20モルEO BrijR 700 4 ステアリルアルコール+100モルEO CarbowaxR PEG 3350 4 ポリエチレングリコール、分子量3350 CarbowaxR PEG 8000 4 ポリエチレングリコール、分子量8000 IgepalR CO-520 1 ノニルフェノール+5モルEO IgepalR DM-710 2 ジノニルフェノール+15モルEO IgepalR RC-520 1 ドデシルフェノール+6モルEO MirataineR ASC 2 専売両性物質 PlurafacR A-39 5 アルコールエトキシレート PluronicR 25R2 1 EO/PO逆ブロック共重合体 PluronicR 31R1 5 EO/PO逆ブロック共重合体 PluronicR F-68 5 EO/POブロック共重合体 PluronicR F-77 5 EO/POブロック共重合体 PluronicR F-108 4 EO/POブロック共重合体 PluronicR L-10 5 EO/POブロック共重合体 PluronicR L-31 6 EO/POブロック共重合体 PluronicR L-35 5 EO/POブロック共重合体 PluronicR L-43 7 EO/POブロック共重合体 PluronicR L-62 3 EO/POブロック共重合体 PluronicR L-101 5 EO/POブロック共重合体 PluronicR L-101 5 EO/POブロック共重合体 PluronicR P-84 5 EO/POブロック共重合体 RhodafacR RA-600 & 6 リン酸化アルコールエトキシレートおよび専売 AntaroxR BL-225 オクチルデシルアルコール+EO+PO RhodameenR PN-430 1 タロウアミン+5EO RhodasurfR A-24 1 直鎖アルコール+3モルEO(C12) RhodasurfR DA-639 1 イソデシルアルコール+6モルEO RhodasurfR LA-12 5 ラウリルアルコール+12モルEO TritonR X-100 & 5 オクチルフェノール+10モルEOおよび RhodacalR BX-78 ジブチルナフタレンスルホン酸、Na塩
【0067】
表2 無効であると評価されたエッチング防止剤 添加剤 ER* 化学的説明 BardacR LF 0 塩化ジオクチルジメチルアンモニウム CarbowaxR PEG 200 0 ポリエチレングリコール、分子量200 CarbowaxR PEG 400 0 ポリエチレングリコール、分子量400 HamposylR O 0 オレイルサルコシン RhodacalR BX-78 0 ジブチルナフタレンスルホン酸、Na塩 RhodacalR DS-4 0 ドデシルベンゼンスルホン酸、ナトリウム塩RhodameenR VP-532SPB 0 専売タロウアミンエトキシレートSilwetR L-77 0 シリコーングリコール共重合体 スクロース 0 糖
【0068】例2下記の処方により現像剤Aのバッチを製造した。
STARR ケイ酸ナトリウム、37%固体、PQ Corporation 1431.0g 水酸化ナトリウムペレット 423.0 DowfaxR 2A1 、Dow Chemical Corp. 19.5 AntaroxR L-61 、Rhone-Poulenc 9.8 水 17616.0 合計 19499.3
【0069】この例は、水に不溶のエッチング防止添加剤AntaroxR L-61 およびヒドロトロピー剤DowfaxR 2A1 の併用を示す。この組成物を製造し、試験した。このバッチは、機械的プロセッサー中で十分な性能を発揮した。この組成物で現像した版は、印刷機械上で十分な性能を発揮した。
【0070】例3現像剤Bのバッチを下記の様に製造した。
STARR ケイ酸ナトリウム溶液 7.40 pph 水酸化ナトリウム 2.10 RhodasurfR LA-12 0.05 水 90.45この組成物は良好な現像剤であり、エッチング試験でエッチング等級5(ER=5)を得た。この例は、ヒドロトロピー剤を必要としない水溶性のエッチング防止添加剤を示している。
【0071】例4現像剤Cのバッチを下記の様に製造した。
STARR ケイ酸ナトリウム溶液 7.30 pph 水酸化ナトリウム 2.10 PluronicR L-31 0.02 PluronicR L-43 0.08 水 90.52この組成物は良好な現像剤であり、エッチング試験でエッチング等級7(ER=7)を得た。この例は、ヒドロトロピー剤を必要としない、可溶性および不溶性の混合エッチング防止添加剤の使用を示している。
【0072】表3は、幾つかのEO/POブロック共重合体に対するエッチング等級データを示す。I.R. Schmolka, 1966 によるNonionic Surfactants, Polyalkylene Oxide Block Copolymers, Chapter 10, p.310、に指定されている様に、「最初の番号」はポリプロピレングリコール(PPG)の分子量を表し、「最後の番号」は加えたエチレンオキシドの重量%を示す。例えば、1,0(最初の番号,最後の番号)は、100%PPGを表す。表中の番号はエッチング等級を表す。ER=0は劣っており、ER=7は優れている。Xは、その製品は市販されているが、試験はしなかったことを示す。空欄は、その製品が市販されていないことを示す。表3は、本発明の界面活性剤のEO/POブロック共重合体群が、現像剤組成物に最適な組成物を含むことを立証している。
【0073】
表3 PluronicR /AntaroxRのエッチング等級概要 最初の 番号 最 後 の 番 号 0 1 2 3 4 5 7 8 1 5 3 6 5 X 4 7 X 5 6 6 3 X X X 5 7 X X 5 8 X 5 X X X 9 X X 10 5 X X X X 4 12 X X X X
【0074】表3中のデータは、このAntaroxR/PluronicR 群で、L-43/L-31 組成物が最適に近い(実験誤差の限界内で)ことを示している。AntaroxRおよびPluronicR はEO/POブロック共重合体界面活性剤の異なった供給者の商品名である。試験は、製品AntaroxR L-61 がPluronicR L-61に等しく、この用途で同様の性能を示すことを示している。
【0075】例53種類の現像剤の性能を、Bayer Corporation のAgfa Division により製造されたモデルPHW-32機械的プロセッサーで、4種類の代表的な版に対して比較した。結果は下記の表4に示す通りである。
【0076】表4で、「画像」の欄は、25"/分で適当な画像(AGFA試験細片上で両HLおよびSHDW 1ピクセル水平および垂直線および1〜99%ドット)が形成されることを意味する。「画像なし」は、試験パターンの露光区域の不完全な除去を示す。「画像攻撃」は、試験パターンの非露光区域の除去を示す。P-51は、ポジ型透明基材を通して高化学放射線で露光する様に設計された、Bayer Corporation のAGFA部門から市販の従来のポジ型版である。表4に示すThermal Plate は、クレゾールホルムアルデヒド樹脂、ナフトキノンジアジドおよびカーボンブラックを含んでなる表面被覆を有するアルミニウム基材を含む。この版は、高エネルギー赤外レーザー画像形成装置、つまりGerber Crescent 42/Tレーザー画像形成装置により200Hzおよび2540 dpiで露光する。N-81およびN-90はBayer Corporation のAGFA部門から市販のネガ型版である。N-81は、可視光線による投影光束画像形成用に設計され、N-90は緑色(アルゴンまたはYAG)レーザー画像形成装置で露光する様に設計されている。
【0077】現像剤Dは、メタケイ酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを含むが、エッチング防止添加剤は含まない従来の現像剤である。それぞれ例2および3に説明した上記の現像剤AおよびBの両組成物は、本発明のエッチング防止添加剤を含む。
【0078】これらのデータは、現像剤Dの様な従来の現像剤はThermal Plate に対する現像が不完全であることを示している。温度を増加すると、クリーン−アウトが改良されるが、画像攻撃が酷くなる。そのため、操作寛容度が不十分になる。
【0079】現像剤AおよびBで、現像剤のアルカリ度および/または操作温度を増加し、画像攻撃の無い、良好な現像の広い操作範囲が得られた。
【0080】
表4 各種の印刷版に対する現像剤の影響 P-51*** Thermal Plate N-81 N-90 85F 95F 85F 95F 85F 95F 85F 95F現像剤D 画像 - 画像 画像 - - - -(従来) なし 攻撃 現像剤B* - - 画像 画像** - - - -現像剤A 画像 - 画像 画像 画像 - 画像 - * 32"/分で試験**90°Fで試験
【0081】上記の現像剤組成物は、添加剤の中には現像剤による画像の攻撃を防止するものと、防止しないものがあることを立証している。本発明のエッチング防止添加剤は、現像剤組成物に最適の組成を有することが分かる。
【0082】本発明の上記の概要、詳細な説明、および例は、請求項に規定する本発明の特徴を例示するものであって、限定するためのものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】下記(イ)〜(ハ)を含んでなる感光性材料用の現像剤組成物。
(イ)pH約10〜約14の現像剤組成物を製造するのに十分な量のヒドロキシルイオンの供給源、(ロ)エッチング防止量の、下式のエッチング防止添加剤、 Uv -(X-W)t{式中、W=[(CHR2CH2O)n-((R3eR6f)aO)m-(CH2CHR4O)p-((CH2CHR4)q-R5]z (I) であり、R5 はH、PO3H2、SO3Na、-CH2CO2H、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、またはアルキルアリールアルキル基であり、R5 は約30個までの炭素原子を有し、R2およびR4は、独立して、H、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、またはアルキルアリールアルキル基であり、約30個までの炭素原子を有し、R3 およびR6は、独立して、メチレン、アルキルメチレン、ジアルキルメチレン、アリールメチレン、シクロアルキルメチレン、アルキルアリールメチレン、またはアリールアルキルメチレンであり、約30個までの炭素原子を有し、a=1〜約30、e=0〜約30、f=1〜約30、z=1〜3、m、n、およびpはゼロまたは約150までの正の数であるが、ただし、n、m、およびpの少なくとも一つはゼロではなく、R5 がハロゲンである場合のq=1を除いて、qはゼロであり、a) Xはハロゲンであり、v=0およびt=1であるか、またはb) XはR1(CO)dYであり、ここでR1はH、PO3H2、SO3Na、-CH2CO2H、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、またはアルキルアリールアルキル基であり、約30個までの炭素原子を有し、d=0または1、v=0、t=1、およびY=O、S、P、またはNであるか、またはc) XはO、N、S、P、エステル、ウレタンおよびアミノ樹脂結合からなる群から選択され、Uは重合体鎖骨格であり、v=1であり、tの値は、(X-W)tが、化合物Uv-(X-W)t の総重量の約50重量%以上を占める様な値である}、および(ハ)現像剤組成物を形成するのに十分な水。
【請求項2】前記現像剤が、均一に分散された現像剤組成物を形成するのに十分な量のヒドロトロピー剤をさらに含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】X=R1Y、R1=R5=H、R2=R4=H、R3=CH(CH3)-、R6=CH2-、a=1、Y=O、d=0、e=1、f=1、z=1であり、mが、ポリプロピレングリコール部分の分子量が約500〜約4000になる様な値であり、q=0であり、nおよびpが、エチレンオキシドに由来する部分の重量がエッチング防止添加剤の総重量の約10%〜約80%になる様な値である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】X=R1Y、R1=R5=H、R2=R4=CH3-、R3=CH2、R6=CH2、a=1、Y=O、d=0、e=1、f=1、z=1であり、mが、ポリエチレングリコール部分の分子量が約1000〜3500になる様な値であり、q=0であり、nおよびpが、プロピレンオキシドに由来する部分の重量がエッチング防止添加剤の総重量の約10%〜約80%になる様な値である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】mが、ポリエチレングリコール部分の分子量が約2500〜約3500になる様な値である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】前記エッチング防止添加剤が、分子量が500を超えるポリエチレングリコールランダム共重合体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】前記pHが約12〜約13.5である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】前記エッチング防止添加剤が、1個またはそれより多い末端ヒドロキシルがリン酸塩、硫酸塩、またはエーテルカルボン酸塩で置換されているエトキシレート誘導体、直鎖または分枝鎖第1級アルキルアミンのエトキシレート、および直鎖または分枝鎖アルキルメルカプタンのエトキシレートからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】前記エッチング防止添加剤の親水性−親油性バランスが約12.5を超える、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】前記エッチング防止添加剤の親水性−親油性バランスが約15.5を超え、疎水性部分が、鎖1個あたり約17個を超える炭素原子を有する直鎖アルキル基を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項11】前記エッチング防止添加剤の分子量が約500を超え、疎水性部分が6個またはそれより少ない炭素原子を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】前記エッチング防止添加剤が、分子量約1000〜約3300のポリプロピレングリコール部分、および約10%〜約80%のエチレンオキシドを含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】前記エッチング防止添加剤が、分子量約1000〜約2000のポリプロピレングリコール部分、および約10%〜約30%のエチレンオキシドを含んでなる、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】前記エッチング防止添加剤が、分子量約1000〜約1300のポリプロピレングリコール部分、および約20%〜約30%のエチレンオキシドを含んでなる、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】前記エッチング防止添加剤が、組成物の重量の約25 ppm〜約5%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】成分モノマー単位(CHR2CH2O)、(R3eR6f)aO、および(CH2CHR4O)のそれぞれが化合物中に、ブロック、勾配、または不規則に生じる共重合体単位として存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】前記組成物が、前記組成物を緩衝するのに十分な量で緩衝剤をさらに含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】感光性材料(前記感光性材料は基材および基材上の感光性組成物を含んでなり、前記感光性組成物は光増感剤およびアルカリに可溶なバインダーを含んでなる)を化学放射線で像様露光し、次いで感光性組成物を現像剤と接触させて感光性組成物の非画像区域を除去することにより、画像を形成する方法であって、前記現像剤が、下記(イ)〜(ハ)を含んでなる画像形成方法。
(イ)pH約10〜約14の現像剤組成物を製造するのに十分な量のヒドロキシルイオンの供給源、(ロ)エッチング防止量の下式のエッチング防止添加剤、 Uv -(X-W)t{式中、W=[(CHR2CH2O)n-((R3eR6f)aO)m-(CH2CHR4O)p-((CH2CHR4)q-R5]z (I) であり、R5はH、PO3H2、SO3Na、-CH2CO2H、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、またはアルキルアリールアルキル基であり、R5は約30個までの炭素原子を有し、R2およびR4は、独立して、H、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、またはアルキルアリールアルキル基であり、約30個までの炭素原子を有し、R3およびR6は、独立して、メチレン、アルキルメチレン、ジアルキルメチレン、アリールメチレン、シクロアルキルメチレン、アルキルアリールメチレン、またはアリールアルキルメチレンであり、約30個までの炭素原子を有し、a=1〜約30、e=0〜約30、f=1〜約30、z=1〜3、m、n、およびpはゼロまたは約150までの正の数であるが、ただし、n、m、およびpの少なくとも一つはゼロではなく、R5 がハロゲンである場合のq=1を除いて、qはゼロであり、a) Xはハロゲンであり、v=0およびt=1であるか、またはb) XはR1(CO)dYであり、ここでR1はH、PO3H2、SO3Na、-CH2CO2H、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、またはアルキルアリールアルキル基であり、約30個までの炭素原子を有し、d=0または1、v=0、t=1、およびY=O、S、PまたはNであるか、またはc) XはO、N、S、P、エステル、ウレタンおよびアミノ樹脂結合からなる群から選択され、Uは重合体鎖骨格であり、v=1であり、tの値は、(X-W)t が、化合物Uv-(X-W)t の総重量の約50重量%以上を占める様な値である}、および(ハ)現像剤組成物を形成するのに十分な水。
【請求項19】前記現像剤が、一様に分散した現像剤組成物を形成するのに十分な量のヒドロトロピー剤をさらに含んでなる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】エッチング防止量のエッチング防止添加剤(X=R1 Y、R1 =R5 =H、R2=R4=H、R3=CH(CH3)-、R6=CH2-、a=1、Y=O、d=0、e=1、f=1、z=1であり、mが、ポリプロピレングリコール部分の分子量が約500〜約4000になる様な値であり、q=0であり、nおよびpが、エチレンオキシドに由来する部分の重量がエッチング防止添加剤の総重量の約10%〜約80%になる様な値である)を含んでなる、請求項18記載の方法。

【公開番号】特開平11−194504
【公開日】平成11年(1999)7月21日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−283840
【出願日】平成10年(1998)10月6日
【出願人】(392010599)バイエル・コーポレーシヨン (12)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CORPORATION