説明

幹細胞動員に有用な医薬の組み合わせ

G−CSF及びPlGFを活性物質として含有する組み合わせ医薬製剤は、それを必要とする患者又は被験者における血液幹細胞の動員に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それを必要とする患者又は被験者における血液幹細胞の動員に使用するための生物活性分子の組み合わせに関するものである。より詳細には、本発明は、末梢血前駆細胞(PBPC)の動員を刺激する際に特に有効な、G−CSFとPlGFとの組み合わせを提供するものであり、それにより、腫瘍患者における臓器移植又は細胞移植及び化学放射線療法プロトコールの実現可能性及び有効性を高める。
【背景技術】
【0002】
自家PBPCは、非ホジキンリンパ腫(NHL)、再発性ホジキンリンパ腫(HL)、及び多発性骨髄腫(MM)に罹患する患者において高用量化学放射線療法及び自家幹細胞移植(SCT)の適用、実現可能性及び有効性を有意に増加させる1,2
【0003】
同種PBPCは、HLA適合SCTのための好ましい幹細胞源であり、そしてHLA不適合同種移植のための唯一の細胞源である6,7,8,9,10,11。これは、HLAが適合する血縁又は非血縁ドナーのいない患者、即ち、同種移植を受けるかもしれない患者の世界人口のおよそ40%に相当する、危険度の高い白血病患者にとって潜在的な治癒的療法である。
【0004】
がん患者において自家PBPC動員に用いられるプロトコールには、骨髄成長因子の単独使用、又は細胞毒性を有する化学療法からの回復期での使用が含まれ、後者のアプローチは最適なPBPC動員を可能にする12,13,14。健常ドナーからの同種PBPC動員は、通常、10〜20μg/kg/日の用量の組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子(rhG−CSF)による短期治療によって達成される15,16,17,18
【0005】
5×10以上のCD34細胞/kgの自家移植を受けたがん患者は迅速で永続的な造血移植を体験するが、2×10以下のCD34細胞/kgの自家移植を受けた患者には遅発性移植、移植の不成功又は2次性骨髄異形成の危険性がある19。したがって、自家SCTでは、適当量のCD34細胞の入手可能性が必須の前提条件である。事前の非常に強力な化学放射線療法又は疾患関連因子のために、相当数の化学療法を受けたことがないがん患者(10〜20%)又は再発性/不応性がん患者(30〜40%)が、適量のCD34細胞の動員に失敗する20,21,22
【0006】
適当量の同種CD34細胞を回収することは、HLA同一移植のレシピエントでは重大な問題ではない;しかしながら、5〜15%の正常ドナーは幹細胞動員が弱く、rhG−CSF用量の増加と複数回のアフェレーシス処置を必要とする23,24,25。HLA不適合同種移植のレシピエントは、移植の不成功と重篤なGvHDを避けるため、Tリンパ球を除去した「メガ」用量のCD34細胞の再注入を必要とする26。標準動員法(即ち、rhG−CSFによる7日間の治療)では、HLA不適合SCTのドナーは平均4回の白血球搬出法を受けて標的細胞用量のCD34細胞(12×10CD34細胞/kg体重)を回収するが、相当数のドナー(20〜25%)は標的CD34細胞用量の提供に失敗する。
【0007】
年齢、性別、サイトカイン処置スケジュール、及び事前の化学放射線療法が幹細胞動員に影響し得るにもかかわらず27,28,29、特定の特徴は何もサイトカイン動員の予測因子として明確に同定されていない。したがって、がん患者又は正常ドナーに適用可能であり、且つ毒性を与えることなく循環前駆細胞の収率を増加可能な手順は、自家SCT及び同種SCTの実行可能性、毒性及び費用に重大な影響を有することが予想される。
【0008】
PBPC動員の増加は、造血幹細胞の輸送を制御するメカニズム、即ち、回帰時の管腔内皮から血管外の骨髄内空間への遊出及び動員時のその逆に干渉可能な分子を使用することによって達成されるであろう30,31,32,33。PBPC動員を高めるための更なるアプローチの1つは、組換えヒト(rh)顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(rhGM−CSF)+rhG−CSF34、インターロイキン−3(rhIL−3)+rhG−CSF又はrhGM−CSF35、及びPIXY−32136のようなサイトカインの組み合わせの使用に依拠する。最後に、PBPC動員の促進は、標準動員法に、骨髄前駆細胞を増量可能な幹細胞因子(rhSCF)37,38、flt−339リガンドなどの即効性サイトカインを組み込むことにより達成され、それにより、rhG−CSFによるその後の動員に影響を受けやすい細胞の数が増加するであろう。
【0009】
これまで、rhG−CSFの代替物も付加物も、rhG−CSF単独で達成される血液前駆細胞の実質的な動員の改善に失敗しており、あるいは毒性の実質的増加のほうが勝った限定的な改善をもたらしている。
【0010】
胎盤成長因子(PlGF)は血管内皮成長因子(VEGF)ファミリーのメンバーであり、VEGF受容体−1(VEGFR1)を介したシグナル伝達による血管形成増幅因子として機能する。最近、ヒト(h)PlGFを発現するアデノウイルスベクターの投与が、骨髄抑制後の骨髄再生の促進及び造血前駆細胞の動員を含めた複雑な造血作用を発揮することが示された。しかしながら、
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組換えアデノウイルスベクター注入後の成長因子投与は、精製した因子の直接注入とは大きく異なる点をいくつか示しており、臨床設定で用いられる様式にしたがって投与した場合、その作用は予測できないであろう。
【非特許文献1】Gianni AM.高用量化学療法及び自家移植:指針の好機。Ann Oncol.1997;8:933−5
【非特許文献2】Demirer T、Bensinger WI、Buckner CD.高用量化学療法のための末梢血幹細胞動員。J Hematother.1999;8:103−13
【非特許文献3】Gianni AM、Bregni M、Siena Sら、侵襲性B細胞リンパ種におけるMACOP−Bとの比較による高用量化学療法及び自家骨髄移植。N Engl J Med.1997;336:1290−7
【非特許文献4】Ferme C、Mounier N、Divine Mら、初期化学療法後の再発又は不成功の状態にある進行性ホジキン病患者に対する高用量化学療法を伴う集中的サルベージ療法:Groupe d’Etudes des Lymphomes de l’Adulte H89治験の結果。J Clin Oncol.2002;20:467−75
【非特許文献5】Barlogie B、多発性骨髄腫治療のための高用量療法及び革新的アプローチ。Semin Hematol.2001;38(2 Suppl 3):21−7
【非特許文献6】Korbling M、Przepiorka D、Huh YOら、不応性白血病及びリンパ腫に対する同種血液幹細胞移植:骨髄同種移植に対する血液の潜在的利点。Blood.1995;85:1659−1665
【非特許文献7】Schmitz N、Bacigalupo A、Hasenclever Dら、初期白血病患者における同種骨髄移植対フィルグラスチムで動員した末梢血前駆細胞の移植:血液及び骨髄移植に対するヨーロッパ群の無作為多施設治験の最初の結果。Bone Marrow Transplant.1998;21:995−1003
【非特許文献8】Appelbaum FR、同種移植のための幹細胞源の選択:もはや末梢的問題ではない。Blood.1999;94:381−383
【非特許文献9】Bensinger WI、Martin PJ、Storer Bら、血液のがん患者における、HLA同一血縁者からの末梢血細胞と比較した骨髄移植。N Engl J Med.2001;344:175−181
【非特許文献10】Anderlini P、Korbling M、Dale Dら、同種血液幹細胞移植:ドナーへの考慮。Blood.1997;90:903−908
【非特許文献11】Aversa F、Tabilio A、Terenzi Aら、白血病患者における組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子で動員した末梢血前駆細胞を接種骨髄へ添加することによるT細胞を除去した半合致「3遺伝子座」不適合移植の生着の成功。Blood.1994;84:3948−3955
【非特許文献12】Haas R、Mohle R、Fruhauf Sら、悪性リンパ腫において末梢血前駆細胞の動員及び自家移植に成功した患者の特徴。Blood.1994;83:3787−94
【非特許文献13】Bensinger WI、Longin K、Appelbaum Fら、組換え顆粒球コロニー刺激因子(rhG−CSF)後に回収した末梢血幹細胞(PBSC):移植後の生着速度に相関した因子の解析。Br J Haematol.1994;87:825−31
【非特許文献14】Watts MJ、Sullivan AM、Jamieson Eら、低用量シクロホスファミド及び顆粒球コロニー刺激因子の後の前駆細胞動員:101人の前処置された悪性リンパ腫患者におけるこれらのパラメータを予測する前駆細胞の量と質及び因子の解析。J Clin Oncol.1997;15:535−46
【非特許文献15】Matsunaga T、Sakamaki S、Kohgo Y、Ohi S、Hirayama Y、Niitsu Y、組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子は十分な量の末梢血幹細胞を同種移植のための健常ボランティアにおいて動員することができる。Bone Marrow Transplant.1993;11:103−108
【非特許文献16】Kroger N、Renges H、Sonnenberg Sら、16μg/kgのG−CSF対10μg/kgのG−CSFによる健常ドナーにおける同種移植のための幹細胞動員。Bone Marrow Transplant.2002;29:727−730
【非特許文献17】Basara N、Schmetzer B、Blau IWら、ボランティアドナーにおいてレノグラスチムで動員した末梢血前駆細胞:非盲検無作為分割用量漸増試験。Bone Marrow Transplant.2000;25:371−376
【非特許文献18】Engelhardt M、Bertz H、Afting M、Waller CF、Finke J、同種ドナーからの末梢血前駆細胞の動員及びCD34+免疫選択のための高用量対標準用量フィルグラスチム(rhG−CSF)。J Clin Oncol.1999;17:2160−2172
【非特許文献19】Siena S、Schiavo R、Pedrazzoli P、Carlo−Stella C、がん治療のための血液細胞移植におけるCD34+細胞量の治療的関連性。J Clin Oncol.2000;18:1360−77
【非特許文献20】Dreger P、Kloss M、Petersen Bら、自家前駆細胞移植:幹細胞毒性薬物への事前の曝露が、骨髄移植ではなく、末梢血前駆細胞の収率及び生着を決定する。Blood.1995;86:3970−8
【非特許文献21】Weaver CH、Hazelton B、Birch Rら、骨髄機能廃絶化学療法投与後の692人の患者における末梢血前駆細胞回収物のCD34含量の関数としての生着動態の解析。Blood.1995;86:3961−9
【非特許文献22】Tarella C、Di Nicola M、Caracciolo D、自家末梢血前駆細胞による支援を伴う高用量ara−Cは顕著な前駆細胞動員を誘発する:低動員の危険性のある患者の兆候。Bone Marrow Transplant.2002;30:725−32
【非特許文献23】Anderlini P、Przepiorka D、Seong Dら、正常ドナーからの顆粒球コロニー刺激因子(フィルグラスチム)動員及び血液幹細胞アフェレーシスの臨床毒性及び実験室内効果、並びに処置負担の解析。Transfusion.1996;36:590−595
【非特許文献24】Anderlini P、Przepiorka D、Huh Yら、同種移植のための正常ドナーにおけるCD34+前駆細胞及びリンパ球サブセットのフィルグラスチム動員期間及びアフェレーシス収率。Br J Haematol.1996;93:940−942
【非特許文献25】Grigg AP、Roberts AW、Raunow Hら、健常ボランティアの末梢血前駆細胞を動員し、回収するためのフィルグラスチム(顆粒球コロニー刺激因子)の最適用量及びスケジューリング。Blood.1995;86:4437−4445
【非特許文献26】Aversa F、Tabilio A、Velardi Aら、1つの完全に不適合なHLAハプロタイプを有する血縁ドナー由来の、T細胞を除去した幹細胞を用いた危険性の高い急性白血病の治療。N Engl J Med.1998;339:1186−1193
【非特許文献27】Miflin G、Charley C、Stainer C、Anderson S、Hunter A、Russell N、同種移植のための正常ドナーにおける幹細胞動員:安全性及び有効性に影響する因子の解析、Br J Haematol.1996;95:345−348
【非特許文献28】Anderlini P、Przepiorka D、Seong Cら、フィルグラスチムで処置した正常ドナーにおいてCD34+細胞の動員に影響する因子。Transfusion.1997;37:507−512
【非特許文献29】de la Rubia J、Arbona C、de Arriba Fら、正常ドナーにおける末梢血前駆細胞の低回収に関連する因子の解析。Transfusion.2002;42:4−9
【非特許文献30】Craddock CF、Nakamoto B、Andrews RG、Priestley GV、Papayannopoulou T、VLA4インテグリンに対する抗体は、霊長類及びマウスにおいて長期増殖細胞を動員し、サイトカイン誘導性動員を増大させる。Blood.1997;90:4779−88
【非特許文献31】King AG、Horowitz D、Dillon SBら、アカゲザルにおけるヒトCXCケモカインGROβの特定の短鎖型であるSB−251353の単回注射により生着特性の増したマウス造血幹細胞の急速動員及び造血前駆細胞動員の評価。Blood.2001;97:1534−42
【非特許文献32】Pruijt JF、van Kooyk Y、Figdor CG、Lindley IJ、Willemze R、Fibbe WE、抗LFA−1ブロッキング抗体は、インターロイキン−8で誘導される造血前駆細胞の動員を妨げる。Blood.1998;91:4099−105
【非特許文献33】Carlo−Stella C、Di Nicola M、Magni Mら、マウスにおいてデフィブロタイドを顆粒球コロニー刺激因子と組み合わせると、初期のコミットした末梢血前駆細胞の動員を顕著に促進する。Cancer Res.2002;62:6152−7
【非特許文献34】Koc ON、Gerson SL、Cooper BWら、前駆細胞動員の無作為交差治験:高用量シクロホスファミド+顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)対顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子+G−CSF。J Clin Oncol.2000;18:1824−30
【非特許文献35】Rosenfeld CS、Bolwell B、LeFever Aら、末梢血幹細胞を動員するための4種のサイトカイン処方計画の比較:IL−3単独及びGM−CSF又はG−CSFとの組み合わせ。Bone Marrow Transplant.1996;17:179−83
【非特許文献36】Bishop MR、Jackson JD、O’Kane−Murphy Bら、末梢血細胞を動員するための組換え融合タンパク質PIXY321の第1相試験。J Clin Oncol.1996;14:2521−6
【非特許文献37】Shpall EJ、Wheeler CA、Turner SAら、危険性の高い乳癌患者における幹細胞因子及びフィルグラスチムによる末梢血前駆細胞動員の無作為第3相試験。Blood.1999;93:2491−501
【非特許文献38】Facon T、Harousseau JL、Maloisel Fら、多発性骨髄腫患者において化学療法後に幹細胞因子をフィルグラスチムと組み合わせると、末梢血前駆細胞の収率が向上し、アフェレーシス要求性が減少する:無作為対照臨床試験。Blood.1999;94:1218−25
【非特許文献39】Brasel K、McKenna HJ、Charrier K、Morrissey PJ、Williams DE、Lyman SD、Flt3リガンドは顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子又は顆粒球コロニー刺激因子と相乗作用して造血前駆細胞をマウスの末梢血に動員する。Blood.1997;90:3781−8
【非特許文献40】Hattori K、Heissig B、Wu Yら、胎盤成長因子は、骨髄微小環境からVEGFR1+幹細胞を動員することによって造血を再構築する。Nature Med.2002;8:841−9
【非特許文献41】MacVittie TJ、Farese AM、Davis TA、Lind LB、McKearn JP、ヒトインターロイキン3及び顆粒球コロニー刺激因子の受容体のキメラアゴニストであるミエロポエチンは、CD34+細胞を動員し、致死的なX線を照射した非ヒト霊長類に急速に生着する。Exp Hematol.1999;27:1557−68
【非特許文献42】Carlo−Stella C、Di Nicola M、Longoni P、Milani R、Milanesi M、Guidetti A、Haanstra K、Jonker M、Cleris L、Magni M、Formelli F、Gianni AM、デフィブロタイド及び組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子で処置した非ヒト霊長類における初期のコミットした造血前駆細胞の動員。Exp Hematol.2004;32:68−75
【非特許文献43】Craddock CF、Nakamoto B、Andrews RG、Priestley GV、Papayannopoulou T、VLA−4インテグリンに対する抗体は、霊長類及びマウスにおいて長期増殖細胞を動員し、サイトカイン誘導性動員を増大させる。Blood.1997;90:4779−88
【非特許文献44】Lemieux ME、Rebel VI、Lansdorp PM、Eaves CJ、長期骨髄「スイッチ」培養においてリンパ性骨髄分化の可能な成熟マウス骨髄における初期造血細胞タイプの特徴付け及び精製。Blood.1995;86:1339−1347
【非特許文献45】Sutherland HJ、Eaves CJ、Lansdorp PM、Tacker JD、Hogge DE、遺伝子操作されたマウス間質細胞上に維持された長期培養における初期ヒト造血細胞の分化調節。Blood.1991;78:666−72
【非特許文献46】Carlo−Stella C、Regazzi E、Sammarelli Gら、チロシンキナーゼインヒビターAG957及び抗Fas受容体抗体のCD34+慢性骨髄性白血病前駆細胞に対する効果。Blood.1999;93:3973−82
【非特許文献47】Sutherland HJ、Eaves CJ、Eaves AC、Dragowska AC、Lansdorp PM、in vitroで長期造血を開始可能なヒト骨髄細胞の特徴及び部分精製。Blood.1989;74:1563−70
【発明の詳細な説明】
【0011】
発明の説明
幹細胞動員を改善可能な手順の相対的な臨床効果により、臨床症状で起こるようなPBPC動員を刺激可能な動物モデルにおいてPlGFの動員活性を試験した。正常BALB/cマウスに、対照ビヒクル(PBS/MSA)、rhG−CSF単独(10μg/日)、又はrhG−CSF(10μg/日)と組換えマウス(rm)PlGF(2.5〜5μg/日)若しくは組換えヒト(rh)PlGF(5〜10μg/日)との組み合わせを、5日間腹腔内(IP)注射した。サイトカインの最後の注射から2時間後に血液サンプルを回収し、以下のパラメータについて評価した:白血球(WBC)数、コロニー形成細胞(CFC)の頻度及び絶対数、長期培養開始細胞(LTC−IC)の絶対数。
【0012】
rmPlGFの効果を以下の表1〜4に表す。rmPlGF単独注入ではWBC、CFC、及びLTC−ICの動員に効果がないことは明らかである。rmPlGF(5μg/日)をrhG−CSFと組み合わせて5日間注射すると、rhG−CSF単独と比較してCFC及びLTC−ICの動員を有意に増加させる。
【0013】
表5〜8にrhPlGFの動員効果をまとめる。同様に、rhPlGFを単独で注入した場合、循環WBC又は造血前駆細胞に効果がない。逆に、rhPlGFとrhG−CSFとの組み合わせ注入は、rhG−CSF単独と比較して、CFC及びLTC−ICの動員を有意に増加させる。
【0014】
rhPlGF(10μg/日)とrhG−CSF(10μg/日)による12日間処置の動員効果についても試験した。12日間処置を受けたマウスについて、療法の5日、8日、10日、及び12日目に分析した。rhPlGF/rhG−CSFの組み合わせ処置は、rhG−CSF単独と比較して、試験中に分析した各時点において血中CFCの頻度及び絶対数を有意に増加させた(表9〜11)。
【0015】
更に、PlGF/G−CSFの組み合わせの動員活性を非ヒト霊長類モデル(アカゲザル)で試験した。マウスで得られた結果がこの動物モデルで更に確認された。特に、PlGF/G−CSFの組み合わせは、動態、頻度及び絶対数に関し、WBC、CFC、HPP−CFC及びLTC−ICの動員を改善した。
【0016】
上記研究は、ヒト患者への造血成長因子の投与に酷似した手順及び条件を用いて実施した。この結果は、末梢血前駆細胞の動員におけるhG−CSFとrhPlGFとによる相乗作用の存在を明確に立証するものである。
【0017】
したがって、本発明の目的は、それを必要とする患者又は被験者において血液幹細胞の動員を刺激するのに有用なG−CSFとPlGFとの組み合わせ製剤である。本明細書において、「患者」及び「被験者」という用語は、好ましくはヒトの個人を意味するが、動物、特に哺乳動物を意味してもよい。血液幹細胞の動員から恩恵を受ける状態、病状又は疾患の例としては、限定されるものではないが、NHL、再発性HL、MMに罹患する患者における臓器移植又は細胞移植及び腫瘍化学−放射線療法、特に自家1,2又は同種のSCT、あるいは骨髄抑制化学療法後の回復期にある患者が挙げられる。
【0018】
組み合わせ製剤の活性成分は、医薬的に許容可能なビヒクル及び賦形剤を有する製剤で同時に投与することも別個に投与することもできる。非経口経路の投与が好ましい。非経口投与に好適な医薬組成物の製造方法は当該技術分野において公知である;詳細は『レミントン:薬学の科学と実践』、Mack出版社、中に見出すことができる。本発明の組み合わせ製剤中の活性成分量は、例えば投与経路、求められる効果又は治療すべき状態、及び患者の応答性に応じて変えることができる。原則として、有効量のG−CSF及びPlGFは、血液幹細胞動員に関して所望の応答性を作り出すことが可能である。患者/被験者の応答性は、処置期間中、例えば循環血液幹細胞を計数することによってモニターでき、したがって、必要であれば容量を変更することができる。本発明の好ましい態様では、1〜150μg/kg、好ましくは5〜20μg/kgのG−CSF及び10〜300μg/kg、好ましくは20〜150μg/kgのPlGFで構成される日用量の活性成分を供給する注射液の形態で組換えhG−CSF及びrhPlGFが用いられる。
【0019】
以下の実施例によって本発明を更に説明する。
【実施例】
【0020】
実施例1〜11
マウスモデルにおけるPlGF/G−CSFの組み合わせの動員効果
材料及び方法
動物
体重20〜25gの6〜8週齢雌性BALB/cマウスは、Charles River(ミラノ、イタリア、EU)から購入した。動物に対して行った実験手順は、英国癌研究調整委員会(英国癌研究調整委員会。腫瘍実験における動物の福祉に関するUKCCCR指針。Br.J.Cancer.、58:109−113、1998)の指針にしたがって実施した。対照ビヒクル(PBS/MSA)、rhG−CSF単独(10μg/日)、又はrhG−CSF(10μg/日)と組換えマウス(rm)PlGF(2.5〜5μg/日)若しくは組換えヒト(rh)PlGF(5〜10μg/日)との組み合わせを、マウスに5日間毎日腹腔内(IP)注射した。それぞれの実験は少なくとも3回の別々の機会に行い、時点あたり1群3〜4匹のマウスを用いた。
【0021】
サイトカイン
組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子(rhG−CSF、ニューポゲン(登録商標))はロシュ(ミラノ、イタリア、EU)から購入した;rmPlGFはR&D Systems社(アビンドン、英国)から購入した;rhPlGFはGeymonat SpA(アナニ、イタリア、EU)から提供された。
【0022】
動員プロトコール
標準動員プロトコールは、BALB/cをrhG−CSF(10μg/マウス、腹腔内)で1日1回、5日間処置することを含む。PlGFの動員効果を評価するため、rmPlGF(2.5〜5μg/マウス、腹腔内)又はrhPlGF(5〜10μg/マウス、腹腔内)を1日1回、5日間、単剤として又はrhG−CSFと組み合わせて投与した。rhPlGF(10μg/マウス/日)及びrhG−CSF(10μg/マウス/日)で12日間処置することにより、rhPlGFの動員効果も試験した。対照にはPBS/MSAを注射した。
【0023】
動員パラメータ
白血球(WBC)数、コロニー形成細胞(CFC)の頻度及び絶対数、長期培養開始細胞(LTC−IC)の絶対数によって動員を評価した。特に明記しない限り、動物は最後の処置から2時間後に屠殺した。
【0024】
細胞の回収及び分離
PBを眼窩叢から回収してヘパリン含有チューブに移した。白血球(WBC)を計数後、PBをPBSで希釈し(1:4、v/v)、単核細胞(MNC)をフィコール不連続密度勾配遠心法(280g、30分、室温)で分離した。次に細胞を10%ウシ胎仔血清(FBS、Stem Cell Technologies、バンクーバー、カナダ)、2mM L−グルタミン及び抗生物質を添加したイスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM、Seromed、ベルリン、ドイツ、EU)で2回洗浄した。
【0025】
WBC計数
ヘパリン−抗凝固処理血液及び自動計測器(ADVIA120、バイエル、ミラノ、イタリア、EU)を用いてWBC計数を行った。
【0026】
コロニー形成細胞(CFC)アッセイ
全コロニー形成細胞(CFC)、即ち、顆粒球−マクロファージコロニー形成細胞(CFU−GM)、赤芽球バースト形成細胞(BFU−E)、及び多系列CFU(CFU−GEMM)を標準メチルセルロース培養で評価した。簡潔にいえば、血液の1mlアリコート(5×10〜2×10MNC)を、組換えマウス(rm)幹細胞因子(rmSCF、50ng/ml)、マウスrmインターロイキン−3(rmIL−3、10ng/ml)、組換えヒト(rh)インターロイキン−6(rhIL−6、10ng/ml)及びrhエリスロポエチン(rhEpo、3U/ml)を添加したメチルセルロース培地(HCC−3434;Stem Cell Technologies)の入った35mmペトリ皿に蒔いた。空気中5%COの湿潤雰囲気において37℃で12〜14日のインキュベーション後、標準的基準にしたがいコロニーを計数した(Humphries、R.K.ら、Blood、53:746−763、1979)。
【0027】
長期培養開始細胞(LTC−IC)アッセイ
LTC−ICをバルク培養で評価した(Carlo−Stella Cら、Blood、1999、93:3973−82)。簡潔にいえば、試験細胞(5〜8×10)を完全培地(Myelocult(商標)5100、Stem Cell Technologies)中に再懸濁し、放射線照射した(2,000cGy)マウスAFT024細胞(プリンストン大学、プリンストン、ニュージャージー、USAのK.Moore博士から供与)による支持細胞層を含有する培地に蒔いた(Moore KAら、Blood、1997;89:4337−47)。
【0028】
完全培地は、FBS(12.5%)、ウマ血清(12.5%)、L−グルタミン(2mM)、2−メルカプトエタノール(10−4M)、イノシトール(0.2mM)、葉酸(20μM)及び新たに溶解したヒドロコルチゾン(10−6M)を添加したα培地から成る。毎週、増殖培地の半分を新鮮な完全培地と交換することによって培養物に栄養供給した。培養4週間後、トリプシン処理して回収した非接着細胞及び接着細胞をプールし、洗浄し、メチルセルロース培地中でコロニー形成性細胞に関してアッセイした。4週齢LTC中に存在する全コロニー形成性細胞数(即ち、CFU−GEMM+BFU−E+CFU−GM)は、試験懸濁液中にもともと存在したLTC−IC数の相対数を提供する。LTC−IC絶対数は、全コロニー形成性細胞数を、LTC−ICあたりのコロニー形成性細胞の平均出力である4で割って計算した(Sutherland HJら、Blood.1989;74:1563−70)。
【0029】
実施例1
【0030】
【表1】

【0031】
実施例2
【0032】
【表2】

【0033】
実施例3
【0034】
【表3】

【0035】
実施例4
【0036】
【表4】

【0037】
実施例5
【0038】
【表5】

【0039】
実施例6
【0040】
【表6】

【0041】
実施例7
【0042】
【表7】

【0043】
実施例8
【0044】
【表8】

【0045】
実施例9
【0046】
【表9】

【0047】
実施例10
【0048】
【表10】

【0049】
実施例11
【0050】
【表11】

【0051】
実施例12〜18
非ヒト霊長類モデルにおけるPlGF/G−CSFの組み合わせの動員効果
材料及び方法
実験デザイン
アカゲザルの集団(n=4)にG−CSF単独(100μg/kg/日、皮下、5日間)(サイクル1)で最初に動員し、6週間の洗い流し期間後、rhPlGF(130μg/kg、静脈内、5日間)+rhG−CSF(100μg/kg/日、皮下、5日間)から成る第2動員療法(サイクル2)を施した。更に6週間の洗い流し期間後、rhPlGF(260μg/kg、静脈内、5日間)+rhG−CSF(100μg/kg/日、皮下、5日間)から成る第3動員サイクル(サイクル3)を同一サル集団に行った。研究デザインによれば、サイクル1の後の動員動態は、サイクル2及びサイクル3の後の動員を評価するためのサル内の対照として役立つ。
【0052】
動員パラメータ
白血球(WBC)の動員動態について解析し、同様にコミットしたコロニー形成細胞(CFC)の頻度及び絶対数、高増殖能前駆細胞(HPP−CFC)、並びに長期培養開始細胞(LTC−IC)について解析した。処置期間中(1〜5日)毎日、並びに療法停止後3日及び5日に動員パラメータを解析した。無菌技術を使用して麻酔した霊長類(ケタミン、10mg/kg、筋肉内)の大腿動脈から末梢血サンプルを得た。
【0053】
WBC計数
EDTA−抗凝固処理血液及び自動計測器(ADVIA120、バイエル、ミラノ、イタリア、EU)を用いてWBC計数を行った。
【0054】
CFC及びHPP−CFCアッセイ
先に記載された技術にしたがい(41,42)、ヘパリン添加血液を用いて全CFC[即ち、顆粒球−マクロファージコロニー形成細胞(CFU−GM)、赤芽球バースト形成細胞(BFU−E)、及び多系列(顆粒球、赤血球、マクロファージ、巨核球)CFU(CFU−GEMM)]及びHPP−CFCをアッセイした。簡潔にいえば、フィコール不連続勾配(密度=1.077g/ml)遠心法によって得た単核細胞(MNC)を、組換えヒト幹細胞因子(rhSCF、50ng/ml、Stem Cell Technologies)、インターロイキン−3(rhIL−3、20ng/ml、Stem Cell Technologies)、インターロイキン−6(rhIL−6、20ng/ml、Stem Cell Technologies)、rhG−CSF(20ng/ml、Stem Cell Technologies)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(rhGM−CSF、20ng/ml、Stem Cell Technologies)、及びエリスロポエチン(rhEpo、3U/ml、R&D Systems社、アビンドン、英国)を添加したメチルセルロース培地(HCC−4100、Stem Cell Technologies、バンクーバー、カナダ)を入れた4枚の35mmペトリ皿に蒔いた(1×10〜2×10/ml)。標準的基準にしたがい、12〜14日のインキュベーション(37℃、5%CO)後にCFCを記録した。rhSCF(50ng/ml)、rhIL−3(20ng/ml)、rhIL−6(20ng/ml)、rhG−CSF(20ng/ml)、rhGM−CSF(20ng/ml)、及びrhEpo(3U/ml)を添加したメチルセルロース培地からの直径>1mmのコンパクトなコロニー増殖の肉眼で見えるコロニーとして定義されるHPP−CFCを、28日のインキュベーション後に記録した(43)。血中の循環CFC又はHPP−CFCの絶対数は、CFC頻度又はHPP−CFC頻度に血液1mlあたりの全MNC数を乗じた関数である。
【0055】
LTC−ICアッセイ
LTC−IC頻度を限界希釈条件下で評価した(44)。簡潔にいえば、段階希釈した試験細胞(2×10〜3×10)を、ウシ胎仔血清(12.5%)、ウマ血清(12.5%)、L−グルタミン(2mM)、2−メルカプトエタノール(10−4M)、イノシトール(0.2mM)、葉酸(20μM)+新たに溶解したヒドロコルチゾン(10−6M)を添加したα培地から成る150μLの完全培地(Myelocult(商標)5100、Stem Cell Technologies)に再懸濁し、96ウェル平底プレートに蒔いた。各試験細胞量に関し、16〜22回重複して蒔いた。レトロウイルス遺伝子の移入によりヒトIL−3及びG−CSFを産生するように操作した放射線照射(8,000cGy)マウスM2−10B4細胞(3×10/cm、テリーフォックス研究所、バンクーバー、カナダのDr.C.Eavesより供与)による支持細胞層を含有するプレートに試験細胞を蒔いた(45)。培養は、増殖培地の半分を新鮮な完全培地と交換することによって毎週栄養供給した。培養5週間後、トリプシン処理によって個々のウェルから非接着細胞及び接着細胞を回収し、洗浄し、CFCの増殖についてアッセイした。12〜14日間のインキュベーション後、培養を陽性(1以上のコロニー)又は陰性(コロニーなし)として記録し、LTC−IC頻度はL−Calcソフトウェア(Stem Cell Technologies)を用いて計算した。循環LTC−ICの絶対数をバルク培養にて評価した(46)。簡潔にいえば、試験細胞(5〜8×10)を完全培地に再懸濁し、放射線照射したマウスM2−10B4細胞(3×10/cm)による支持細胞層を含有する培地に蒔いた。培養5週間後、トリプシン処理して回収した非接着細胞及び接着細胞をプールし、洗浄し、コロニー形成性細胞についてアッセイした。5週齢LTCに存在する全コロニー形成性細胞数(即ち、CFU−GEMM+BFU−E+CFU−GM)は、試験懸濁液中にもともと存在するLTC−IC数の相対数を提供する。絶対LTC−IC値は、全コロニー形成性細胞数を、LTC−ICあたりのコロニー形成性細胞の平均出力である4で割って計算した。
【0056】
実施例12
循環WBC
rhG−CSF単独の5日間投与により、平均(±SD)WBC数が、前処理値と比較して平均5倍増加した。130又は260μg/kgのrhPlGFをrhG−CSFに添加することにより、処置5日目に検出されたWBC値が緩やかに増加した。
【0057】
【表12】

【0058】
実施例13
CFC頻度
ベースライン値と比較して、ピーク時に検出された血中CFC(10MNCあたり)の平均頻度は、rhG−CSF単独、rhG−CSF/rhPlGF(130μg/kg)、及びrhG−CSF/rhPlGF(260μg/kg)によりそれぞれ19倍、53倍、及び52倍に増加した。rhG−CSF単独と比較すると、rhPlGF/rhG−CSFの組み合わせ処置は、CFC頻度がピーク時の2倍に増加した。
【0059】
【表13】

【0060】
実施例14
絶対CFC値
血中循環CFCの絶対数は、CFC頻度に血液1mlあたりの全MNC数を乗じた関数として計算した。ベースライン値と比較して、rhG−CSF単独、rhG−CSF/rhPlGF(130μg/kg)、及びrhG−CSF/rhPlGF(260μg/kg)で処置することにより、CFCがそれぞれ85倍、335倍及び358倍に増加した。サイクル2及び3では、CFCのピーク値が、サイクル1(rhG−CSF単独)に対して4倍及び5倍に増加した。
【0061】
【表14】

【0062】
実施例15
HPP−CFC頻度
動員5日目に検出された血中HPP−CFC(10MNCあたり)の平均頻度は、rhG−CSF単独又はrhG−CSF/rhPlGF(130μg/kg)により、ベースライン値と比較してそれぞれ5倍及び12倍に増加した。rhG−CSF単独と比較すると、rhPlGF/rhG−CSFの組み合わせ処置は、ピーク時のHPP−CFC頻度の2倍に増加した。
【0063】
【表15】

【0064】
実施例16
絶対HPP−CFC値
rhG−CSF療法5日目に検出された血液1mlあたりのHPP−CFCの絶対数は、前処理値よりも17倍高い。rhG−CSF/rhPlGF(130μg/kg)組み合わせ処置を受けたサルは、ベースライン値と比較して、HPP−CFCが158倍増加した。サイクル2では、5日目のHPP−CFCレベルが、サイクル1に対して5倍増加した。
【0065】
【表16】

【0066】
実施例17
LTC−IC頻度
限界希釈アッセイによりLTC−IC頻度を分析したところ、rhPlGF(130μg/kg)とrhG−CSFとの組み合わせ投与は、rhG−CSF単独と比較して、LTC−IC頻度が平均して11倍(5,829細胞中に1細胞対64,064細胞中に1細胞)増加したことを示した。
【0067】
【表17】

【0068】
実施例18
絶対LTC−IC値
rhG−CSF単独では、循環LTC−ICの絶対数は、ベースライン値と比較して、処置4日目に53倍に増加した。rhG−CSF/rhPlGF(130μg/kg)の組み合わせ処置は、LTC−ICを、前処理値と比較して389倍増加させ、rhG−CSF単独と比較して15倍増加させた。
【0069】
【表18】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする患者又は被験者における血液幹細胞の動員に使用するための、活性物質としてG−CSF及びPlGFを含有する組み合わせ医薬製剤。
【請求項2】
G−CSF及びPlGFを患者又は被験者に同時に又は別個に投与する、請求項1に記載の組み合わせ製剤。
【請求項3】
非経口投与用である、請求項1又は2に記載の組み合わせ製剤。
【請求項4】
組換えhG−CSF及びrhPlGFを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組み合わせ製剤。
【請求項5】
1〜150μg/kgのG−CSFと10〜300μg/kgのPlGFを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組み合わせ製剤。
【請求項6】
血液幹細胞の動員を必要とする状態、病状又は疾患を治療するための医薬組成物の製造におけるG−CSFとPlGFとの組み合わせの使用。
【請求項7】
非経口用組成物の製造における請求項6に記載の使用。
【請求項8】
組換えhG−CSFとrhPlGFとの組み合わせである、請求項6に記載の使用。
【請求項9】
前記状態、病状又は疾患が、臓器若しくは細胞の移植及び腫瘍化学放射線療法、特に非ホジキンリンパ腫(NHL)、再発性ホジキンリンパ腫(HL)、多発性骨髄腫の罹患患者における自家若しくは同種幹細胞移植、又は骨髄抑制化学療法後の回復期を含む、請求項6に記載の使用。
【請求項10】
医薬組成物が10μg/kgのG−CSF及び130μg/kgのPlGFの1日量を提供する、請求項6に記載の使用。

【公表番号】特表2007−500157(P2007−500157A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521487(P2006−521487)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008245
【国際公開番号】WO2005/014023
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(506102293)ドムペ・ファ.ル.マ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ (11)
【Fターム(参考)】