説明

幼児用ハウス遊具

【課題】幼児に対し高い魅力を与えつつ該幼児の自立心を促進し、且つ室内を好適に整頓する。
【解決手段】幼児用ハウス遊具1は、パイプ11及びジョイント12によって上階空間部A2及び下階空間部A1が画設されるよう構成された骨組2と、下階空間部A1に設置された収納箱21と、上階空間部A2に設けられ幼児の遊戯場としての遊戯部Sと、遊戯部Sへ幼児が昇降するための階段51と、を備えている。遊戯部Sは、その周囲がテント3で遮蔽されている。これにより、幼児に好まれる高い場所に、幼児の自立心を養うような幼児だけの特別な部屋(居場所)を遊戯部Sとして提供することができる。併せて、幼児は、自分のものを自分で下階空間部A1の収納箱21に片付けたりしまったり等することができる。加えて、かかる収納箱21は、例えば細々とした玩具等の被収納物を収納するものとしても利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児用ハウス遊具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の幼児用ハウス遊具としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この幼児用ハウス遊具では、空気嚢で形成した骨組部(枠体)に囲まれたシートによって構成体が形成されていると共に、この構成体が複数連結されることによって、幼児の遊戯空間としての遊戯部が形成されている。そして、構成体には、幼児が遊戯部に出入りするための出入口が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3010222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、近年の幼児用ハウス遊具としては、幼児に対して高い魅力を有するだけでなく、幼児の自立心を促進(育成)できるものが強く求められている。特に、上述した幼児用ハウス遊具では、おおよそ2歳になるような幼児(以下、単に「2歳児」という)に使用されるという実情があり、かかる2歳児に対して高い魅力を与え且つ自立心を促進させるものが特に望まれる。一方で、父母等の立場からは、室内で散在し易い細々とした玩具等を収納し、室内を好適に整頓したいというニーズがある。
【0005】
そこで、本発明は、幼児に対し高い魅力を与えつつ該幼児の自立心を促進することができ、且つ室内を好適に整頓可能な幼児用ハウス遊具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る幼児用ハウス遊具は、複数のパイプ部材及び複数のジョイント部材によって複数階の空間部が画設されるように構成された骨組部と、複数階の空間部のうち一の空間部に設けられ、被収納物を収納する収納部と、複数階の空間部のうち一の空間部の上階に位置する他の空間部に設けられ、幼児の遊戯場としての遊戯部と、遊戯部へ幼児が昇降するための昇降部と、を備え、遊戯部は、その周囲の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽体を有することを特徴とする。
【0007】
この本発明に係る幼児用ハウス遊具では、遮蔽体で周囲が遮蔽された遊戯部が、幼児の遊戯場として上階の空間部に設けられている。よって、幼児に好まれる高い場所に、幼児の自立心を養うような幼児だけの特別な部屋(居場所)を提供することができる。これと共に、下階の空間部に収納部が設けられていることから、幼児は、自分のものを自分で収納部へ片付けたり、大事なものを収納部にしまったり等することができる。従って、幼児に対し高い魅力を与えつつ該幼児の自立心を促進することが可能となる。加えて、かかる収納部は、例えば細々とした玩具等の被収納物を収納するものとしても利用でき、室内を好適に整頓することも可能となる。さらに、本発明においては、骨組部が複数のパイプ部材及び複数のジョイント部材によって構成されているため、風袋を小さくすることができ、製造時や販売時における取扱いを容易にすることが可能となる。
【0008】
また、遊戯部は、その床板として敷設された複数の床板パネルをさらに有しており、床板パネルは、複数のパイプ部材間に架設されていると共に、互いに共通の外形形状を呈し、床板パネルの外縁部分は、上方視において隣接する床板パネル同士が互いに入り込むように凹凸状とされていると共に、パイプ部材の水平方向の変位を規制するように該パイプ部材に係合する係合部を含むことが好ましい。
【0009】
この場合、床板パネルを遊戯部の床板として隙間なく敷き詰めることができる。これと共に、床板パネルによってパイプ部材を好適にホールドすることができ、骨組部が歪むのを防止することが可能となる。その結果、例えばジョイント部材とパイプ部材との緩み等を抑制することができる。さらに、複数の床板パネルが共通化され、これら床板パネルによって遊戯部の床板が構成されるため、風袋を一層小さくすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、幼児に対し高い魅力を与えつつ該幼児の自立心を促進することができ、且つ室内を好適に整頓可能となる。これと共に、風袋を小さくすることができ、製造時や販売時における取扱いを容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る幼児用ハウス遊具を正面上方から見た斜視図である。
【図2】図2の幼児用ハウス遊具を右側上方から見た斜視図である。
【図3】図1の幼児用ハウス遊具における骨組の斜視図である。
【図4】図1の幼児用ハウス遊具の平面図である。
【図5】図1の幼児用ハウス遊具における床板パネルの平面図である。
【図6】(a)は、図1の幼児用ハウス遊具における床板パネルの正面図であり、(b)は、図1の幼児用ハウス遊具における床板パネルの側面図である。
【図7】図1の幼児用ハウス遊具における階段の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、「上」「下」「左」「右」「前」「後」の語は、幼児用ハウス遊具の上下方向、左右方向、前後方向にそれぞれ対応するものである
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る幼児用ハウス遊具を正面上方から見た斜視図であり、図2は、図1の幼児用ハウス遊具を右側上方から見た斜視図である。図1,2に示すように、本実施形態の幼児用ハウス遊具1は、例えば、リビング等の室内に配置され、おおよそ2歳になるような幼児(子供)である2歳児を対象としたハウス型の遊具である。この幼児用ハウス遊具1は、需要者が組み立てて使用する組立て式のものであり、骨組(骨組部)2及びテント(遮蔽体)3を備えている。
【0014】
図3は、図1の幼児用ハウス遊具における骨組の図2に対応する斜視図である。図3に示すように、骨組2は、幼児用ハウス遊具1の剛性を確保して姿勢を維持するものであり、いわゆるラーメン構造を呈している。つまり、骨組2は、円筒状の複数のパイプ(パイプ部材)11と、これらパイプ11を着脱可能に互いに剛接合する複数のジョイント(ジョイント部材)12と、を有している。
【0015】
パイプ11は、紙で形成された紙管である。このパイプ11の外表面は、ポリプロピレン(PP)フィルムで覆われており、これにより、パイプ11の保護が図られている。ジョイント12は、ポリプロピレンで形成されている。このジョイント12は、少なくとも2つのパイプ11における端部のそれぞれに挿入されて嵌合されることで、パイプ11を互いに剛接合する。
【0016】
この骨組2においては、具体的には、例えばリビング等の床25に立設され上下方向に延在する下段支柱パイプ13a〜13lと、床25に当接する高さ位置にて水平方向に延在する下段梁パイプ14aと、床25から所定の高さ位置にて水平方向に延在する中段梁パイプ14bと、がジョイント12によって接合されている。これと共に、四隅の下段支柱パイプ13a,13d,13i,13lには、上下方向に延在する上段支柱パイプ15a〜15dがジョイント12によって連続するよう接合されている。これにより、下段梁パイプ14a及び中段梁パイプ14b間の空間によって下階空間部A1が画設され、中段梁パイプ14bよりも上方の空間によって上階空間部A2が画設される。
【0017】
さらに、前側において左端の下段支柱パイプ13aに隣接する下段支柱パイプ13bには、上下方向に延在する上段支柱パイプ16がジョイント12によって連続するように接合されている。また、上段支柱パイプ15a,16の上端には、水平方向に延在する上段梁パイプ14cがジョイント12によって接合されている。これにより、後述のドア部35におけるドア枠が構成されている。
【0018】
なお、パイプ11のジョイント12が設けられていない端部には、パイプ11の内部を塞ぐキャップCが取り付けられている。キャップCは、パイプ11に取り付けられた状態において、パイプ11の径よりも大きくされている(つまり、パイプ11に対し径方向外側に膨らんでいる)。これにより、パイプ11に挿通されたテント3のスリーブV(図1参照)が、該パイプ11から容易に抜け出ないようになっている。
【0019】
下階空間部A1において下段支柱パイプ13b,13c間のスペース5、及び下段支柱パイプ13c,13d間のスペース6には、図1,2に示すように、収納箱(収納部)21がそれぞれ配置されている。収納箱21は、紙や樹脂等で形成され、直方体外形を呈している。ここでの収納箱21の上方側には、収納口として開口21aが形成されている。
【0020】
一方、上階空間部A2には、幼児の遊戯場としての遊戯部Sが設けられている。換言すると、上階空間部A2の少なくとも一部は、幼児が留まる居場所である遊戯部Sとなっている。遊戯部Sは、その床板として敷設され、ポリプロピレンで形成された複数の床板パネル41(詳しくは、後述)を有している。
【0021】
図2に示すように、テント3は、遊戯部Sの外囲を構成するものであり、遊戯部Sの周囲の少なくとも一部を遮蔽する。つまり、テント3は、遊戯部Sの壁部を構成する幕体として機能する。このテント3は、前面部31、後面部32、側面部33、屋根部34及びドア部35を含んで構成されている。
【0022】
前面部31、後面部32、側面部33、屋根部34及びドア部35のそれぞれは、ポリエチレン(PE)からなる遮光性のシート36の外縁に金属製のワイヤ37が設けられてなると共に、所定形状に折畳み可能に構成されており、非展開時の風袋が小さくなっている。また、これら各部31〜35は、そのスリーブVにパイプ11を挿通すること、又はその紐を他の構成要素に掛けて結束することで、取り付けられている。
【0023】
前面部31及び後面部32は、左右方向を長手方向とする略長方形状を呈している。前面部31の上下幅は、幼児が遊戯部Sに座った状態で該幼児が外部から隠れる程度の寸法とされている。また、後面部32は、前面部31よりも上下幅が大きくなっている。側面部33は、前側上方の縁が傾斜する略三角錐台形状を呈している。この側面部33には、メッシュ地からなる窓38が設けられている。屋根部34は、左右方向を長手方向とする略長方形状を呈し、水平になるようにして前面部31、後面部32及び側面部33に連結されている。
【0024】
ドア部35は、上下方向を長手方向とする略長方形状を呈している。このドア部35は、遊戯部Sの出入口を構成するものであり、そのスリーブ35aに支柱パイプ13b,16(図2参照)が挿通されて取り付けられている。また、ドア部35には、側面部33に対し着脱可能に固定されるものとしてマジックテープ(登録商標)等の面ファスナー35bが設けられている。これにより、ドア部35は、スリーブ35aをヒンジとして機能させ、開閉可能とされる。なお、図1ではドア部35の閉状態を示し、図2ではドア部35の開状態を示している。
【0025】
このように構成されたテント3では、パイプ11に取り付けられた状態において、前側上方が切り欠かれたような開口39が形成されることになる。つまり、遊戯部Sにあっては、前側上方が外部空間と連通するようにテント3によって覆われており、遊戯部S内が外部から開口39を介して視認可能になっている。
【0026】
図4は図1の幼児用ハウス遊具の平面図、図5は図1の幼児用ハウス遊具における床板パネルの平面図、図6(a),(b)は、図1の幼児用ハウス遊具における床板パネルの正面図及び側面図である。図4に示すように、幼児用ハウス遊具1では、テント3に囲まれた内部にて、遊戯部Sの床板として床板パネル41が複数敷設されていると共に、遊戯部Sに昇降するための階段(昇降部)51がドア部35の内側に近接して設けられている
【0027】
この床板パネル41は、互いに共通の外形形状を呈しており、略正方形板状とされている。この床板パネル41は、隣接する4つの中段梁パイプ14bで囲まれた領域のそれぞれのうち階段51の上方以外の領域を閉塞するように、中段梁パイプ14b間に架け渡されている(架設されている)。具体的には、床板パネル41は、以下のように構成されている。
【0028】
すなわち、図4,5に示すように、上方から見て、床板パネル41の4つの辺縁部分には、内側に窪む凹部42と、外側に突出する凸部43と、が形成されている。そして、敷設された状態において、隣接する床板パネル41a,41bのうち一の床板パネル41aの凹部42に、他の床板パネル41bの凸部43が進入している。つまり、上方視で隣接する床板パネル41a,41b同士が互いに入り込むように、床板パネル41の外縁部分が凹凸状とされている。
【0029】
また、図6(a),(b)に示すように、凸部43の下面45側には、パイプ11に水平方向に係合するものとして、該パイプ11の外形に対応する断面円形状に窪む凹状の係合部44が設けられている。詳言すると、凸部43の下面側に設けられた係合部44は、凸部43の突出方向に直交する方向に延びる中段梁パイプ14bの上側に嵌合する。これにより、凸部43は、その突出方向に沿った方向において中段梁パイプ14bに少なくとも係合する。その結果、図4に示すように、中段梁パイプ14b間に架設された床板パネル41にあっては、中段梁パイプ14bを水平方向にホールド(保持)し、前後方向及び左右方向における中段梁パイプ14bの変位を規制することとなる。
【0030】
さらに、図6(b)に示すように、床板パネル41の下面45側における左右方向の端部には、床板パネル41が中段梁パイプ14bから外れるのを防止するための抜止め部46が形成されている。この抜止め部46は、下方へ突出するアーム46xと、アーム46xの下端に設けられた爪46yと、を含み、中段梁パイプ14bの外周面に当接して係合する。
【0031】
なお、図4に示すように、敷設された床板パネル41における隣接しない側(遊戯部Sの外縁側)の凹部42内には、サイドパネル48が着脱可能に取り付けられている。これにより、床板パネル41の隣接しない側の縁部は、面一となっている。
【0032】
図7は、図1の幼児用ハウス遊具における階段の斜視図である。図7に示すように、幼児用ハウス遊具1は、骨組2の一部として階段51を備えている。階段51は、下段支柱パイプ13e,13fの中間にジョイント12で接合され前後方向に延在する一対の階段用パイプ52と、下段梁パイプ14aの中間にジョイント12で接合され上下方向に延在する一対の階段用パイプ53,53と、左右方向に延在する階段用パイプ54と、下段支柱パイプ13e,13fの中間にジョイント12で接合され左右方向に延在する階段用パイプ55と、を有している。また、階段51では、階段用パイプ52〜54がジョイント12を介して接合されている。
【0033】
以上のように構成された幼児用ハウス遊具1が幼児に使用される場合、図1,2に示すように、まず、ドア部35が開かれて、階段51を介して遊戯部S内に進入される。そして、この遊戯部S内で、例えば、玩具を広げて遊んだり、寝たり、お菓子を食べたり等されることとなる。
【0034】
ここで、本実施形態では、遊戯部Sの周囲がテント3で遮蔽されており、遊戯部Sが幼児にとって自分だけの空間(部屋)であるという意識が高められている。さらに、この遊戯部Sは、幼児が好きな高い位置、すなわち上階空間部A2に設けられていることから、魅力の高いものとなっている。つまり、本実施形態では、幼児に好まれる高い場所に、幼児の自己管理能力や自立心を養うような幼児だけの特別な部屋(居場所)を提供することができ、幼児に対し高い魅力を与えつつ該幼児の自立心を促進する(自分でできるという意欲を一層育てる)ことが可能となるのである。
【0035】
これと共に、下階空間部A1に収納箱21が配設されていることから、幼児は、自分のものを自分で収納箱21へ片付けたり、大事なものを収納箱21にしまったり等できるため、幼児の自立心を促進するという上記作用効果は顕著となる。加えて、かかる収納箱21は、例えば細々とした他の玩具等を収納するものとしても利用でき、父母等(祖父母等の年長家族者を含む。以下、同じ)によって室内を好適に整頓することも可能となる。その結果、様々な玩具でリビング等が散らかったりするのを抑制することができる。
【0036】
さらに、本実施形態では、骨組2が複数のパイプ11及びジョイント12によって構成されているため、製造時や販売時における製品外観(包装容器)である風袋を小さくすることができる。
【0037】
以上、本実施形態の幼児用ハウス遊具1によれば、幼児にとって高い魅力を有するだけでなく、該幼児の自立心を促進(自立促進遊具として使用)することができ、且つ室内を好適に整頓可能となる。つまり、本実施形態の幼児用ハウス遊具1は、「室内で遊べる」且つ「室内が片付く」幼児用部屋といえる。これと共に、本実施形態では、その風袋を小さくすることができ、製造時や販売時におけるハンドリング性を高めて取扱いを容易にすることが可能となる。
【0038】
なお、好奇心が強くなり始める2歳児に対しては、遊戯部Sが高い位置に設けられることによる遊戯部Sの魅力向上は特に効果的である。さらに、一般的に、子供が2歳児の時期には、玩具を買い与える習慣が薄れており、父母等は、何を玩具として与えるべきか迷うことが多い。この点において、本実施形態は、2歳児を対象とする遊具として、ひいては、2歳児の幼児用子供部屋として特に格別なものともいえる。
【0039】
また、本実施形態では、上述したように、床板パネル41の外縁部分に凹部42及び凸部43が設けられて床板パネル41a,41b同士が互いに入り込んでいるため、床板パネル41を遊戯部Sの床板として隙間なく敷き詰めることができる。そして、このとき、凸部43の下面側の係合部44が中段梁パイプ14bに係合し、中段梁パイプ14bが水平方向に変位しないようにされているため、床板パネル41を敷き詰めるだけで、中段梁パイプ14bを好適にホールドすることが可能となる。
【0040】
その結果、例えば、遊戯部Sで幼児が遊ぶことによってパイプ11,11の間隔が拡がったり狭まったり(パイプ11,11の端部が開いたり閉じたり)してしまい、骨組2が歪んでパイプ11とジョイント12とが緩むのを抑制でき、幼児用ハウス遊具1の変形を抑制することが可能となる。かかる効果は、本実施形態のように幼児用ハウス遊具1が組立て式の場合、パイプ11とジョイント12とが緩み易いために特に有効である。
【0041】
さらに、複数の床板パネル41によって遊戯部Sの床板が構成されている、つまり、遊戯部Sの床板が複数にパネル化されていることから、風袋を一層小さくすることができる。また、この床板パネル41は共通化されていることから、生産性を向上し、低コスト化することが可能となる。
【0042】
また、本実施形態では、上述したように、テント3の前側上方に開口39が形成されている。そのため、父母等は、遊戯部S内の幼児を容易に視認し確認することができ、幼児と安心して一緒に室内に居ることができる。さらに、父母等は、例えばソファに座った状態で、遊戯部Sで遊ぶ幼児と開口39を介して顔合わせながら話をすることができる。
【0043】
また、本実施形態では、上述したように、遊戯部Sに昇降するための階段51が骨組2の一部で構成されている。そのため、別途の昇降部を設置することが不要となる。よって、風袋を一層小さくできると共に、低コスト化が実現可能となる。なお、階段51を骨組2の一部で構成することで、その分だけ骨組2の剛性を高めることも可能となる。なお、この階段51がテント3内(ドア部35の内側)に設けられていることから、遊戯部Sが幼児にとって自分だけの空間であるという上記意識は一層高められている。
【0044】
ちなみに、下階空間部A1において下段支柱パイプ13e〜13l間のスペース7を、収納部としてさらに利用することも勿論可能である。このスペース7は、奥まった位置にあるため、隠し場所として幼児に好適に利用される。
【0045】
ここで、本実施形態の幼児用ハウス遊具1に関し、モニター調査を行った。具体的には、2歳児を対象として幼児用ハウス遊具1を使用し、この2歳児の父母等から使用状況の報告を受けた。その調査結果を下表1に示す。下表1に示すように、モニター調査によれば、幼児に対し高い魅力を与えつつ該幼児の自立心を促進するという上記作用効果を確認することができた。
【表1】

【0046】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明に係る幼児用ハウス遊具は、実施形態に係る上記幼児用ハウス遊具1に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0047】
例えば、上記実施形態は、昇降部として階段51を備えているが、これに代えて、例えば梯子、滑り台又はスロープ等を備えていてもよい。また、上記実施形態では、開口39が形成されるよう遊戯部Sがテント3で覆われているが、これに限定されるものではなく、遊戯部の周囲の少なくとも一部が遮蔽されるよう遊戯部が遮蔽部材で覆われていればよい。
【0048】
また、上記実施形態の幼児用ハウス遊具1は、需要者が自ら組み立てる組立て式であるが、製造時や販売時に予め組み立てられていてもよく、或いは、いわゆる折畳み式、縮小/拡大式、展開/収納式であってもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、上下2階の空間部A1,A2が画設されるように骨組2が構成されているが、全3階以上の空間部が画設されるように構成されていてもよく、複数階の空間部が画設されていればよい。この場合、一の空間部に収納部が設けられ、この一の空間部の上階の空間部に遊戯部が設けられる。
【0050】
また、上記実施形態では、敷設された複数の床板パネル41において隣接しない側の凹部42内にサイドパネル48が取り付けられているが、場合によっては、サイドパネル48が取り付けられていなくともよい。
【符号の説明】
【0051】
1…幼児用ハウス遊具、2…骨組(骨組部)、3…テント(遮蔽体)、11…パイプ(パイプ部材)、12…ジョイント(ジョイント部材)、13a〜13j…下段支柱パイプ(パイプ部材)、14a…下段梁パイプ(パイプ部材)、14b…中段梁パイプ(パイプ部材)、14c…上段梁パイプ(パイプ部材)、15a〜15d,16…上段支柱パイプ(パイプ部材)、21…収納箱(収納部)、41,41a,42b…床板パネル、44…係合部、51…階段(昇降部)、52〜54…階段用パイプ(昇降部,パイプ部材)、A1…下階空間部(一の空間部)、A2…上階空間部(他の空間部)、S…遊戯部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパイプ部材及び複数のジョイント部材によって複数階の空間部が画設されるように構成された骨組部と、
前記複数階の空間部のうち一の空間部に設けられ、被収納物を収納する収納部と、
前記複数階の空間部のうち前記一の空間部の上階に位置する他の空間部に設けられ、幼児の遊戯場としての遊戯部と、
前記遊戯部へ前記幼児が昇降するための昇降部と、を備え、
前記遊戯部は、その周囲の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽体を有することを特徴とする幼児用ハウス遊具。
【請求項2】
前記遊戯部は、その床板として敷設された複数の床板パネルをさらに有しており、
前記床板パネルは、複数の前記パイプ部材間に架設されていると共に、互いに共通の外形形状を呈し、
前記床板パネルの外縁部分は、上方視において隣接する前記床板パネル同士が互いに入り込むように凹凸状とされていると共に、前記パイプ部材の水平方向の変位を規制するように該パイプ部材に係合する係合部を含むことを特徴とする請求項1記載の幼児用ハウス遊具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−110100(P2011−110100A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266453(P2009−266453)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(591185401)ピープル株式会社 (9)
【Fターム(参考)】