説明

広告情報登録装置及び広告情報登録方法

【課題】効率よく広告情報を登録することができる広告情報登録装置を提供する。
【解決手段】サーバは、広告主によって選択された任意のポリゴンに対して、重複領域や接合部分を含まない独立した関係にあるポリゴンを検索する(ステップS602)。そして、これらの独立関係にある全てのポリゴンに対して、広告情報推定手段は、それぞれ対応付けられる広告情報が同一であると推定する。サーバの登録補助手段は、全てのポリゴンに同一の広告情報を対応付ける(ステップS603)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線を介して広告情報を地図上の所定領域等に関連付けて登録する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信回線を介して広告情報を地図上の所定位置等に登録する装置や方法が提案されている。例えば特許文献1には、地図上に店舗位置などの点を特定し、その位置に関連付けして広告情報を登録する装置や方法が開示されている。これは、地図の利用者などがある程度の地域に絞り込んで、更にキーワード検索などにより所望の広告情報を提供している店舗位置を探す際に利用される地図上への広告情報の登録技術である。
【0003】
しかし、この種の技術は、店舗位置とその店舗のサービス領域との関係が希薄であり、この情報によっては地図利用者に対して積極的に広告情報を提供することができない。すなわち、店舗位置は点の情報でしかないが、物品を運ぶことによる出前、宅配あるいはサービス者を派遣することによる出張、派遣などその店舗のサービス領域は面の情報であり、店舗毎に独自の領域を有しているからである。
【0004】
そこで、地図情報登録に際してサービス提供領域と広告情報を対応付けして登録する技術が提案されている。特許文献2に開示される「広告掲示権入札管理システム」では、地図を格子状に分割した複数の地図メッシュを広告の単位として定義している。広告主は、広告掲示権入札管理システムに対して地図メッシュを指定し、広告と入札価格とを決定する。地図の利用者端末が広告掲示権入札管理システムに対して地図表示を要求すると、その要求された地図エリアに含まれる地図メッシュの各々に関係付けられた入札価格に基づいて地図メッシュの各々に関係付けられた広告の掲示順位が決定され、その決定に基づいた掲示順位に従って広告が送信、表示される。
【0005】
また、特許文献3に開示される地図上位置表示方法では、広告主により設定された検索条件に応じた縮尺で地図情報を表示するとともに、その縮尺に基づき、複数の個別広告情報の中から少なくとも1つを選択して地図と一緒に表示する。更に、それら複数の個別広告情報のうちグローバル広告情報に属するものは、地図が複数の表示レベルでそれぞれ表示される複数の場合に共通に表示する一方、ローカル広告情報に属するものは、予め定められた唯一の表示レベルで地図が表示される場合に限定して表示する。したがって、例えば、日本の地図が県レベルで表示されている場合には、全国レベルでの表示時に表示されるべき全国バナー広告情報と、県レベルでの表示時に表示されるべき県バナー広告情報とが一緒に表示される。
【0006】
この種の装置によれば、広告主の営業範囲に配慮して地図メッシュや表示レベルという広告情報を提供する範囲を決定することができる。これにより広告主は、営業範囲である全国、道州、県、市区町村など広告が必要な任意地域についてのみ広告情報を提供することができ、かつ、利用者にとっても表示地図や現在地に基づいた有用な広告情報のみの提供を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−34902号公報
【特許文献2】特開2007−199921号公報
【特許文献3】特開2002−140607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来技術に係る装置及び方法は、以下の点で未だに広告主や利用者にとって不十分であり、使い勝手の悪いものであった。例えば、全国チェーンのレストランの場合、各地域のレストランを略中心としたサービス領域に、そのチェーン店が展開するサービス内容を広告情報として逐次登録する必要があり、極めて煩雑な処理が必要となる。しかも、そのサービス内容に変更が生じた場合、全てのサービス領域で入力しなおさなければならない。電子情報として広告情報を登録しているにも拘わらず、その管理は非効率であった。
【0009】
また、例えば、家電商品を全国に販売している広告主があった場合、全国的には家電商品を1週間以内に配送するというサービスであったとしても、配送拠点がある市や県では3日間以内の配送あるいは取り付けや調整の出張サービスまでも行ったりしている。このような場合、従来の装置及び方法では、対応する領域にそれぞれのサービス内容を登録する必要があるが、一部のサービス内容が共通しているにも拘わらず、全ての領域について別途に作成した広告情報を登録しなければならない。
本発明は、上記の課題を解決することのできる広告情報の登録装置及び登録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、端末装置と通信回線を介して通信可能に接続されており、広告情報を登録する機能を有する広告情報登録装置であって、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、前記端末装置からの地図表示要求に応じて前記地図情報を読み出して前記端末装置へ提供する地図情報提供手段と、前記端末装置において指定された地図上における複数の領域の位相関係に基づいて、その複数の領域のそれぞれに対応する広告情報を推定する広告情報推定手段と、該広告情報推定手段における推定結果に基づいて、前記端末装置における前記領域に対応する広告情報の登録を補助する登録補助手段と、前記領域に関する領域情報と該領域情報に対応する前記広告情報とを関連付けた状態で記憶する広告情報記憶手段とを備えることを特徴とする。
なお、上述した特徴は、本発明の特徴の全てを列挙したものではなく、これらを要部とする構成又は方法もまた発明となり得る。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、地図上の複数の領域に広告情報を関連付ける際の処理を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】広告情報登録システムの構成図。
【図2】領域選択処理のフローチャート。
【図3】領域選択の説明図。
【図4】領域選択の説明図。
【図5】領域選択の説明図。
【図6】広告情報登録処理のフローチャート。
【図7】広告情報登録の説明図。
【図8】広告情報登録の説明図。
【図9】広告情報登録の説明図。
【図10】広告情報表示のフローチャート。
【図11】広告表示の説明図。
【図12】広告表示の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施例を説明する。
図1に示すように、本実施例における広告情報登録システムは、広告情報登録装置としてのサーバ11と、複数の端末装置12とを備える。サーバ11と端末装置12とは、通信回線としてのインターネット13を介して相互に情報通信が可能な状態で接続されている。複数の端末装置12は、各種情報を表示する表示部としてのディスプレイ14を有している。
【0014】
サーバ11は、地図情報記憶手段及び広告情報記憶手段としてのハードディスク15、地図情報提供手段16、広告情報推定手段17、及び登録補助手段18を備える。
ハードディスク15には、各端末装置12のディスプレイ14上に地図を表示する際に用いられる、任意の領域(例えば全国)の地図情報が記憶されている。地図情報は、建物等の地物の形状や道路の形状を表す形状データで構成される。形状データとしては、ポリゴンデータ形式、ラスタデータ形式、ベクトルデータ形式、その他種々のデータ形式を採用することが可能である。また、ハードディスク15には、広告主によって選択された地図の一定領域に関する領域情報とその領域情報に対応する広告情報とが関連付けられた状態で記憶される。
【0015】
地図情報提供手段16は、端末装置12から送信された、地図の表示を要求する信号である地図表示要求信号に応じて、ハードディスク15に記憶されている地図情報を読み出して端末装置12へ送信する機能を有する。また、地図情報提供手段16は、地図情報に対応付けられた広告情報についても端末装置12へ送信する機能を有する。
広告情報推定手段17は、端末装置12において広告主によって指定された地図上の複数領域の位相関係に基づいて、当該複数領域のそれぞれに対応する広告情報を推定する機能を有する。
【0016】
位相関係としては、例えば以下の関係がある。
・複数領域が、それぞれ重複領域や接合部分を含まない独立関係
・複数領域が、それぞれ隣接する部分を含む接合関係
・複数領域の何れかの領域が他の何れかの領域に内包される包含関係
【0017】
登録補助手段18は、広告情報推定手段17によって推定された結果に応じて、端末装置12において指定された地図上の所定の領域に対応付ける広告情報を登録する際の、広告登録者の登録作業を軽減する機能を有する。
なお、各手段16〜18の機能は、実際にはサーバ11に備えられている図示しないCPU(Central Processing Unit)が各種プログラムを実行することにより実現される。
【0018】
本実施例において広告情報を登録する処理としては、領域選択処理、及び広告情報登録処理がある。また、広告情報表示処理によって、端末装置12のディスプレイ14上に地図が表示される際に、当該表示される地図の一定領域に関連付けられている広告情報についても表示される。領域選択処理、広告情報登録処理については広告情報を登録する広告主によって実行される処理であり、一方、広告情報表示処理については、不特定多数のユーザによって地図が参照される場合に随時実行される処理である。
【0019】
次に、広告情報登録システムによって広告情報を登録する処理について説明する。
まず、広告情報を登録する領域の選択処理について説明する。
広告主によって、所定領域の地図を表示する旨の要求が端末装置12に入力されると、図2に示すように、端末装置12は表示すべき地図の領域に関する情報や縮尺に関する情報など、端末装置12のディスプレイ14上に所望の地図を表示するために必要な情報をサーバ11に送信する(ステップS21)。
【0020】
端末装置12から送信された各種情報を受信した場合(ステップS22)、すなわち、端末装置12からの地図表示要求が送信された場合、サーバ11の地図情報提供手段16は、表示対象となる領域の地図情報をハードディスク15から読み出して端末装置12に送信する(ステップS23)。端末装置12は、地図情報を受信すると、当該地図情報に基づいて地図をディスプレイ14上に表示する(ステップS24)。なお、広告主によって地図がスクロールされたり、地図の縮尺が変更された場合には、新たな地図の領域を表示するためにステップS21〜S24までの処理が逐次実行される。
【0021】
次に、任意の領域が広告主によって指定される(ステップS25)。図3に示すように、任意の領域は、例えば端末装置12のディスプレイ14上に一覧表示されている都道府県や市区町村などの行政区画一覧表31から指定されるようにしてもよい。また、図4に示すように、任意の地点41の座標及び領域となる円42(もしくは円42の半径)を端末装置12から入力して、当該任意の地点41を中心とする円42などを領域として指定できるようにしてもよい。
【0022】
更に、領域の指定を簡略化するために、端末装置12から所定の地物に関するキーワードを入力して、当該キーワードに該当する地物の位置を中心とし、所定の距離を半径とする円を任意の領域として指定するようにしてもよい。具体的には、図5に示すように、九州地方を選択対象として、キーワード「○○レストラン」、半径「10km」と端末装置12から入力された場合、九州地方に複数存在する○○レストランを中心とする半径10kmの円51が領域として指定される。なお、地物の情報はサーバ11が備える図示しない検索手段によって、ハードディスク15に記憶されている地図情報から検索される。
【0023】
領域の指定が終了すると、端末装置12は、選択された領域の位置情報など、当該領域を特定するための領域情報をサーバ11に送信する(ステップS26)。サーバ11は、領域情報を受信すると、当該領域情報をハードディスク15に記憶する(ステップS27)。なお、端末装置12は、このように領域情報を一括して送信するようにしてもよいが、領域情報が選択される毎に順次送信するようにしてもよい。
【0024】
次に、選択された領域に広告情報を登録する登録処理について説明する。
図6に示すように、まず、サーバ11は、領域選択処理において選択された全ての領域に対応するデータをポリゴン化する(ステップS601)。ここで、ポリゴンとは経度・緯度等の座標値で表される複数の点を結ぶ多角形形状等のデータである。なお、ポリゴンには、所定の経度・緯度の座標値を中心とし、任意の距離を半径とする円状のデータも含まれる。以下では、端末装置12において選択された領域に関するデータについても便宜上ポリゴンと表現する。
【0025】
次に、サーバ11は、複数のポリゴンの位相関係を判断する。
まず、サーバ11は、広告主によって選択された(若しくは所定の条件に基づいて自動で選択された)任意のポリゴンに対して、重複領域や接合部分を含まない独立した関係にあるポリゴンを検索する(ステップS602)。このとき、これらの独立関係にある全てのポリゴンに対して、広告情報推定手段17は、それぞれ対応付けられる広告情報が同一であると推定する。
【0026】
そして、サーバ11は、広告主の端末装置12に対してポリゴンに対応付けるべき広告情報の入力をメッセージ等によって促す。例えば、図5に示すように、サーバ11は、端末装置12のディスプレイ14に、広告情報を入力させるための入力欄52を表示させる。
さらに、サーバ11は、独立関係にある全てのポリゴンに対して同一の広告情報を対応付けてもよいか否かを広告主にメッセージ等によって確認する。同一の広告情報を対応付けてよい旨の情報が端末装置12から送信された場合、サーバ11の登録補助手段18は、全てのポリゴンに同一の広告情報を対応付ける(ステップS603)。
【0027】
ここで、広告情報としては、例えば、店舗の営業時間、電話番号、住所、サービス内容、ロゴマーク、期間限定の商品案内などが挙げられる。また、広告情報は、広告主によって作成されたテキストデータや画像データ、音声データ等、ユーザに知覚可能な態様であればよい。
なお、複数のポリゴンが独立している場合の例としては、全国チェーンのレストランやコンビニエンスストア等を中心とした所定の半径からなる円で構成されるポリゴン等が想定される。
【0028】
なお、このような全国全てのサービス領域に対応する一応の広告情報の対応付けが完了した後に一部のサービス領域にのみ対応する広告情報を追加・変更したいといった要望もある。例えば、地域におけるレストラン毎の地域限定の商品案内などを広告情報として追加登録する場合である。こうした要望に応えるため、サーバ11は、広告情報が相互に相違する場合は、相違する独自の広告情報を追加登録できるような機能を備えるようにしてもよい。また、既に対応付けられている広告情報の一部若しくは全てを編集したり、削除したりする機能を備えるようにしてもよい。更に、独立関係にあるポリゴンのうち、任意のポリゴンを広告情報の登録対象から除外する機能を備えるようにしてもよい。
【0029】
次に、サーバ11は、独立関係にある全てのポリゴンについて広告情報の対応付け処理が終了したか否かを判定する(ステップS604)。サーバ11は、対応付け処理が終了していないと判定した場合、すなわち、広告情報が対応付けられていない独立関係にあるポリゴンが存在する場合には、ステップS602、S603の処理を繰り返す。
一方、独立関係にある全てのポリゴンについて広告情報の対応付け処理が終了したと判断した場合、サーバ11は、次の対応付け処理を実行する。
【0030】
次に、サーバ11は、広告主によって選択された(若しくは自動で選択した)広告情報が対応付けられていない任意のポリゴンに対して接合部分を含む関係にあるポリゴンを検索する(ステップS605)。そして、これらの接合関係にあるポリゴンに対して、広告情報推定手段17は、これら複数のポリゴンにそれぞれ対応付けられる広告情報は同一でなく、各々相違する広告情報であると推定する。
なお、複数のポリゴンが接合している場合の例としては、都道府県や所定の市区町村を管轄する宅配業者の配送領域に関するポリゴンや、ピザ屋の配達領域に関するポリゴン等が想定される。
【0031】
この場合、サーバ11は、接合関係にある全てのポリゴンに対してそれぞれ対応付けるべき広告情報の送信をメッセージ等によって促す。そしてこれらの広告情報が端末装置12から送信された場合、サーバ11の登録補助手段18は、それぞれのポリゴンに対して対応付けされるべき広告情報を対応付ける(ステップS606)。
なお、異なる広告情報としては、例えば特売の商品や地域限定の商品、営業時間に関する情報などが想定される。その一方で、サービス内容、ロゴマークなど一部には共通する広告情報も存在する場合がある。したがって、こうした共通する広告情報を対応付ける旨の情報が端末装置12から送信された場合には、登録補助手段18は、全てのポリゴンに、共通する広告情報を対応付けるようにしてもよい。更に、接合関係にあるポリゴンのうち、任意のポリゴンを広告情報の登録対象から除外する機能を備えるようにしてもよい。
【0032】
次に、サーバ11は、接合関係にある全てのポリゴンについて広告情報の対応付け処理が終了したか否かを判定する(ステップS607)。サーバ11は、対応付け処理が終了していないと判定した場合、すなわち、広告情報が対応付けられていない接合関係にあるポリゴンが存在する場合には、ステップS605、S606の処理を繰り返す。
一方、接合関係にある全てのポリゴンについて広告情報の対応付け処理が終了したと判断した場合、サーバ11は、次の対応付け処理を実行する。
【0033】
次に、サーバ11は、広告主によって選択された(若しくは自動で選択した)広告情報が対応付けられていない任意のポリゴンに内包されるポリゴンを検索する(ステップS608)。そして、広告情報推定手段17は、これらの内包関係にあるポリゴンに対して、それぞれ対応付けられる広告情報は論理和の関係にあると推定する。
ここで内包関係としては、例えば図7に示すように、ある都道府県(例えば福岡県)の領域に対応する県ポリゴン71、及び当該県ポリゴン71に内包される市区町村(例えば福岡市)の領域に対応する市ポリゴン72の関係などが挙げられる。このほか、所定の経度・緯度の座標値を中心とし、任意の距離を半径とする複数の円状のポリゴンについても内包関係にあるということができる。
【0034】
なお、複数のポリゴンが内包関係を有する場合の例としては、百貨店を中心とした商品を配送するために必要な日数を同心円状に表現した各ポリゴンや、配送料金を地域毎に表現した各ポリゴン等が想定される。
また、包含関係にあるか否かを判断する方法としては、面積の小さい一方のポリゴンに対応する複数の位置座標情報が、面積の大きいポリゴンに全て含まれる場合に包含関係にあると判断する方法が考えられる。また、ポリゴンに対応付けられる市区町村などの行政区画の実際の包含関係を記憶したデータベース等のデータに基づいて判断するようにしてもよい。
【0035】
県ポリゴン71が市ポリゴン72を包含する関係にある図7に示す例の場合、広告情報推定手段17は、市ポリゴン72の広告情報と県ポリゴン71の広告情報とが一部共通すると推定する。そして、登録補助手段18は、県ポリゴン71及び市ポリゴン72にどのようなジャンルの広告情報を対応付けるかを広告主に選択させる。例えば、配達期日や、配送料といったジャンルから選択させる。
【0036】
登録する広告情報として、広告主によって配達期日が選択された場合、例えば、図8、図9に示すように、登録補助手段18はディスプレイ14上に市ポリゴン72や県ポリゴン71に対応付ける広告情報である配送期日について、その配送期日のみを選択させるウィンドウ73、74を表示する。広告主によって配送期日が決定された場合、当該配送期日に関する情報が登録補助手段18によって広告情報の一部としてポリゴンに対応付けられる。
【0037】
例えば、登録補助手段18は、市ポリゴン72については、即時配送が可能である旨の広告を対応付け、県ポリゴン71については、予約配送が可能である旨の広告を対応付ける(ステップS609)。対応付けられた際の情報は、ハードディスク15に記憶される。更に、全国を対象領域とする全国ポリゴン(図示せず)に配送が可能である旨の広告を対応付けるようにしてもよい。全国ポリゴンは、県ポリゴン71及び市ポリゴン72を包含する関係にある。
【0038】
次に、サーバ11は、包含関係にある全てのポリゴンについて広告情報の対応付け処理が終了したか否かを判定する(ステップS610)。サーバ11は、対応付け処理が終了していないと判定した場合、すなわち、広告情報が対応付けられておらず、かつ包含関係にあるポリゴンが存在する場合には、ステップS608、S609の処理を繰り返す。
一方、包含関係にある全てのポリゴンについて広告情報の対応付け処理が終了したと判断した場合、サーバ11は、全ての対応付け処理を終了する。
【0039】
なお、広告情報の対応付けが完了した後に一部のサービス領域にのみ対応する広告情報を追加・変更したいといった要望もある。こうした要望に応えるため、サーバ11は、相違する独自の広告情報を追加できるような機能を備えるようにしてもよい。また、既に対応付けられている広告情報の一部を編集したり、削除したりする機能を備えるようにしてもよい。
【0040】
以上の処理により、広告主は、任意の地域に対して所望の広告情報を対応付けることができる。次に、このようにして登録された広告情報を地図とともにユーザに提供する際の広告情報表示処理について説明する。
ユーザが地図を見る場合、端末装置12を使用してインターネット13上の所定のサイトに接続する。具体的には、図10に示すように、インターネット13を介してサーバ11に所定領域の地図の表示要求が出される(ステップS101)。このとき、端末装置12は、サーバ11に地図の表示領域や縮尺に関する情報を送信する。
【0041】
端末装置12から送信された各種情報を受信した場合(ステップS102)、サーバ11の地図情報提供手段16は、表示対象となる領域の地図情報をハードディスク15から読み出して端末装置12に送信するとともに、地図の表示領域及び縮尺に応じて表示対象となるサービス提供領域に対応付けられている広告情報を送信する(ステップS103)。
端末装置12は、地図情報及び広告情報を受信すると、当該地図情報及び広告情報に基づいて地図及び広告をディスプレイ14上に表示する(ステップS104)。なお、ユーザによって地図がスクロールされて新たな地図の領域が表示される場合には、ステップS101〜S104までの処理が逐次実行される。
【0042】
ここで、広告の表示態様について具体的に説明する。
図11に示すように、縮尺が例えば10万分の1であって、複数の市区町村の概要を見ることのできる地図111が表示されている場合には、当該表示されている都道府県に対応する県ポリゴン71に対応付けられた広告情報が広告表示エリア112に表示される。
一方、図12に示すように、縮尺が1万分の1であって、市区町村の一部の領域を詳細に見ることのできる地図113が表示されている場合には、当該市区町村に対応する市ポリゴン72に対応付けられた広告情報が広告表示エリア112に表示される。
このように、地図の縮尺や表示エリアに応じて、広告主によって登録されている広告情報が地図とともに表示される。
【0043】
以上説明した本実施例における広告情報登録システムは以下の効果を奏する。
・地図上における複数の領域の位相関係に基づいて、その複数の領域のそれぞれに対応する広告情報を推定することで、その推定結果に応じた最適な広告情報の登録作業の補助が実現できる。したがって広告主は、所望する任意の地図上の領域に対して効率よく広告情報を登録することができる。
【0044】
・具体的には、対応付けられる広告情報が同一であると推定された独立関係にある全てのポリゴンに対して、1回の処理によって広告情報の対応付け処理を完了することができる。そのため、広告情報を登録する処理や変更する処理の軽減が図られる。
・広告情報を登録する地図上における複数領域の何れかの領域が他の何れかの領域に内包される包含関係である場合、広告情報の一部のみが異なるだけで他の部分については共通すると推定される。そして、広告主は異なる部分のみを入力するだけで、共通する広告情報についての登録作業の軽減を図ることができる。
【0045】
(変形例)
・端末装置12としては、例えば携帯電話等の携帯端末を採用してもよい。携帯端末の場合、広告情報登録システムは、基地局を備えるように構成する。そして、携帯端末は基地局との無線通信ができるようにする。つまり、携帯端末は、基地局及びインターネット13を介して、サーバ11と通信を行うことができる。
・広告情報登録システムにおいて、広告情報推定手段17、及び登録補助手段18は端末装置12が備えるようにしてもよい。
【0046】
・広告表示エリア112に表示する広告情報は、端末装置12に備えられているGPS等の位置測位手段によって測位される現在位置から広告情報提供者の事業拠点位置までの距離に応じて広告情報を変更するようにしてもよい。
・広告情報は、更に日時・曜日・時刻等に応じて広告商品・内容を変更するようにしてもよい。なお、日時・曜日・時刻等に応じた広告情報は、広告主によって、予め登録されている。
【0047】
・広告情報における「配送日時」については、VICS(登録商標)の情報や統計渋滞情報等を考慮して配送保証時間を変更して表示するようにしてもよい。
地図の同一エリアにおいて複数の広告情報が登録されている場合には、広告表示エリア112に複数の広告を所定の順番で表示するようにしてもよい。また、指定時間に応じて表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
11…広告情報登録装置としてのサーバ、12…端末装置、13…通信回線としてのインターネット、15…地図情報記憶手段及び広告情報記憶手段としてのハードディスク、16…地図情報提供手段、17…広告情報推定手段、18…登録補助手段。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と通信回線を介して通信可能に接続されており、広告情報を登録する機能を有する広告情報登録装置であって、
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記端末装置からの地図表示要求に応じて前記地図情報を読み出して前記端末装置へ提供する地図情報提供手段と、
前記端末装置において指定された地図上における複数の領域の位相関係に基づいて、その複数の領域のそれぞれに対応する広告情報を推定する広告情報推定手段と、
該広告情報推定手段における推定結果に基づいて、前記端末装置における前記領域に対応する広告情報の登録を補助する登録補助手段と、
前記領域に関する領域情報と該領域情報に対応する前記広告情報とを関連付けた状態で記憶する広告情報記憶手段と
を備えることを特徴とする広告情報登録装置。
【請求項2】
前記地図上の複数の領域が独立関係を有する場合には、
前記広告情報推定手段は、その複数の領域のそれぞれに対応する広告情報が同一であると推定し、
前記登録補助手段は、前記複数の領域のうち何れか1つの領域について広告情報が入力された場合に、他の領域の広告情報として前記1つの領域に入力された広告情報と同一の広告情報を入力する
ことを特徴とする請求項1に記載の広告情報登録装置。
【請求項3】
所定の領域に対応する広告情報を登録する広告情報登録方法であって、
端末装置からの地図表示要求に応じて地図記憶手段に記憶されている地図情報を読み出して前記端末装置へ送信する地図送信工程と、
前記端末装置において指定された地図上における複数の領域の位相関係に基づいて、その複数の領域のそれぞれに対応する広告情報を推定する広告情報推定工程と、
前記広告情報推定工程における推定結果に基づいて、前記端末装置における前記領域に対応する広告情報の登録を補助する登録補助工程と、
前記領域に関する領域情報と該領域情報に対応する前記広告情報とを関連付けた状態で広告情報記憶手段に記憶する記憶工程と
を実行する広告情報登録方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−48752(P2011−48752A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198307(P2009−198307)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【Fターム(参考)】