広告配信装置、端末、広告配信システムおよび広告配信方法
【課題】スクリーンセーバ状態において表示されるべき広告をPC端末へ効率的に配信する。
【解決手段】広告配信装置100は、広告主企業群4から配信すべき広告電子データを取得する。広告配信装置100は、インターネット2を介して、導入先企業200の各PC端末に広告電子データを配信する。広告配信装置100は、導入先企業200内に設定された管理領域単位で広告電子データを選択する。導入先企業200の各PC端末は、配信された広告電子データを、スクリーンセーバ状態において表示する。広告配信装置100は、管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうち少なくともひとつのPC端末をモニタ電源オフ状態に設定する。
【解決手段】広告配信装置100は、広告主企業群4から配信すべき広告電子データを取得する。広告配信装置100は、インターネット2を介して、導入先企業200の各PC端末に広告電子データを配信する。広告配信装置100は、導入先企業200内に設定された管理領域単位で広告電子データを選択する。導入先企業200の各PC端末は、配信された広告電子データを、スクリーンセーバ状態において表示する。広告配信装置100は、管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうち少なくともひとつのPC端末をモニタ電源オフ状態に設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告配信装置、端末、広告配信システムおよび広告配信方法に関し、特に広告情報を端末に配信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、各社員に一人一台以上のPC(Personal Computer)端末を貸与し、社内ネットワークシステムを構築している企業が多い。これにより、各社員は必要なときに必要なだけPC端末を利用できる。PC端末には一般にスクリーンセーバ機能が搭載されている。
【0003】
スクリーンセーバ機能は、ユーザがPC端末を使用していない間、画面を黒くしたり、簡単なアニメーションを表示することを可能とする。スクリーンセーバ機能は、画面に表示されている文字や画像がCRTディスプレイに焼きつくのを防止するためのもので、GUI(Graphical User Interface)を備えるようになった最近のOSには標準で搭載されている場合が多い。最近はCRTディスプレイの性能向上や、仕様上焼きつきが発生しない液晶ディスプレイの登場などでその意味は薄れつつある。しかしながら、スクリーンセーバの終了時にパスワードを要求できる機能がついているOSあるいはアプリケーションが多いため、PC端末の使用者が席を離れる際、PC端末を他人に利用されるのを防止する機能として利用されることが多くなっている。
【0004】
従来、社員のPC端末のスクリーンセーバを利用して広告を表示させる技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−276142号公報
【特許文献2】特開2008−191414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような状況のもと本発明者は以下の課題を認識した。
利用者がPC端末を操作しているときと比べると、スクリーンセーバに広告が表示されている間は消費電力は一般に少なくなる。しかしながら、スクリーンセーバに広告を表示するという都合上、モニタの電源まで切ることは想定されていない。したがって、スクリーンセーバに広告が表示されている状態では、モニタの電源がオンである以上、その分電力が消費される。
【0007】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率的に広告を配信できる広告配信技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は広告配信装置に関する。この広告配信装置は、端末が通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と呼ぶとき、配信すべき広告情報を記憶する広告データベースと、広告データベースに記憶された広告情報のなかから、待ち受け状態にある端末によって提供されるべき広告情報を選択する広告選択部と、広告選択部によって選択された広告情報を端末に配信する広告配信部と、物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する状態設定部と、を備える。
【0009】
この態様によると、物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態にすることができる。
【0010】
本発明の別の態様は、端末である。この端末は、上記の広告配信装置によって配信される広告情報を取得する広告取得部と、広告取得部によって取得された広告情報を待ち受け状態において所定の提供装置に提供させる提供制御部と、を備える。
【0011】
本発明のさらに別の態様は、広告配信システムである。この広告配信システムは、広告配信装置と、複数の端末と、を備える。広告配信装置は、端末が通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と呼ぶとき、配信すべき広告情報を記憶する広告データベースと、広告データベースに記憶された広告情報のなかから、待ち受け状態にある端末によって提供されるべき広告情報を選択する広告選択部と、広告選択部によって選択された広告情報を端末に配信する広告配信部と、物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する状態設定部と、を備える。複数の端末のそれぞれは、広告配信装置によって配信される広告情報を取得する広告取得部と、広告取得部によって取得された広告情報を待ち受け状態において所定の提供装置に提供させる提供制御部と、を備える。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、効率的に広告を配信できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態に係る広告配信装置を備える広告配信システムを説明するための説明図である。
【図2】図1の広告配信装置の機能および構成を示すブロック図である。
【図3】図2の端末データベースを示すデータ構造図である。
【図4】図2の広告データベースを示すデータ構造図である。
【図5】図2のユーザデータベースを示すデータ構造図である。
【図6】図6(a)〜(d)は、モニタの電源制御の例を示す説明図である。
【図7】図1の開発部端末の機能および構成を示すブロック図である。
【図8】図7のSS広告データベースを示すデータ構造図である。
【図9】図7の通常広告データベースを示すデータ構造図である。
【図10】図7の操作ログデータベースを示すデータ構造図である。
【図11】スクリーンセーバ画面に表示される広告電子データの変遷の一例を示す説明図である。
【図12】図2の広告配信装置における一連の処理を示すフローチャートである。
【図13】作業中状態においてモニタに表示される作業画面の代表画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0016】
図1は、実施の形態に係る広告配信装置100を備える広告配信システムを説明するための説明図である。広告配信システムは、広告配信装置100と、導入先企業200の情報処理端末と、を備える。情報処理端末は例えばPC端末である。
【0017】
広告配信装置100は、インターネット2などのネットワークを介して、またはFAXや郵送や手渡し等で渡された広告の内容(以下広告内容と称す)を広告配信装置100の管理者が電子化することで、配信すべき広告情報を広告主企業群4から取得する。広告内容は、例えば広告主企業によって発売された新製品の概要や、広告主企業が行っているキャンペーンの内容である。広告情報は、広告内容を含む電子的なデータ(以下、広告電子データと称す)であり、PDF形式やJPEG形式などの静止画形式のファイルや、FLASH形式(FLASHは登録商標)やMPEG形式やPPT形式などの動画形式のファイルや、MP3形式などの音声形式のファイルであってもよい。
広告は、産業広告(BtoB向け広告)などの社員の業務に有効な広告、社員割引やクーポン券などの福利厚生に関する広告、公共広告などのCSR(Corporate Social Responsibility)活動に関する広告、自社広告や社内公報、取引先顧客やグループ会社の広告などの顧客関係強化用の広告、などであってもよい。
【0018】
導入先企業200は、PC端末を多く有しており、そのそれぞれには広告配信装置100から配信される広告電子データを受信して提供するための機能が備えられている。導入先企業200では、広告配信のための物理的な管理領域が定められており、この管理領域を単位としてPC端末がグループ化されている。例えば第1管理領域202は、商品開発の部署が物理的に占める領域である。以下、第1管理領域202に存在するPC端末を開発部端末212a〜212fと称す。また第2管理領域204は第1管理領域202とは異なる領域であり、経理の部署が物理的に占める領域である。以下、第2管理領域204に存在するPC端末を経理部端末214a〜214fと称す。
【0019】
導入先企業200の各PC端末は、PC端末のユーザからの要求を受け付け可能な通常状態と、通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と、モニタの電源が切られているモニタ電源オフ状態と、を有する。通常状態は、例えばキーボードやマウスなどの入力手段から入力を受け付けている作業中状態である、待ち受け状態は、例えばスクリーンセーバが動作しているスクリーンセーバ状態である。
なお、消費電力の観点からは、通常状態>待ち受け状態>モニタ電源オフ状態、すなわち、待ち受け状態は通常状態よりも省電力であり、モニタ電源オフ状態は待ち受け状態よりも省電力である。なお、モニタ電源オフ状態の代わりに、PC端末そのものの電源が切られている電源オフ状態が使用されてもよい。
【0020】
広告配信装置100は、広告主企業群4から取得した広告電子データのなかから、導入先企業200の各PC端末に配信する広告電子データを、各PC端末のユーザおよびその周囲のユーザとの関連性に基づき選択する。この際、広告配信装置100は管理領域単位で広告電子データを選択する。すなわち、広告配信装置100は、PC端末のユーザ情報、例えば嗜好・属性を管理領域ごとに分析し、管理領域ごとに広告電子データを配信する。
【0021】
広告配信装置100は、インターネット2を介して導入先企業200の各PC端末に広告電子データを配信する。広告電子データを受信したPC端末は、そのスクリーンセーバ状態において、広告電子データをモニタに表示するかまたは他の提供手段、例えばスピーカから音声として提供する。
【0022】
これにより、ある管理領域内のPC端末がスクリーンセーバ状態となった場合、そのPC端末は同じ管理領域内の多くのユーザにとって興味が高いと想定される広告電子データを提供できる。例えば広告配信装置100は、開発部端末212a〜212fには商品開発に関する広告電子データ、例えば商品に使用される部品の新製品の広告を配信する。また広告配信装置100は、経理部端末214a〜214fには経理に関する広告電子データ、例えば会計用ソフトウエアの新製品の広告を配信する。この結果、広告主企業群4の側から見ると広告効果がより高まり、ユーザの側から見ると、自分が興味を持つ可能性の高い広告が提供されるので有益な情報を素早く得やすくなる。
【0023】
特に、スクリーンセーバ状態となっているPC端末のユーザは、食事等の所用で席を外していることが多い。すなわちこのPC端末の前にはユーザがいない可能性が高いので、このPC端末によって提供される広告は、このPC端末が設置されている席の後ろなどを通る同じ部署のユーザの目にとまる可能性が高い。したがって、スクリーンセーバ状態となっているPC端末のモニタに表示される広告電子データは、そのPC端末のユーザではなくそのPC端末と同じ管理領域内に存在するPC端末のユーザすなわち同じ部署の他のユーザによって認識される可能性が高い。
【0024】
ここでスクリーンセーバ状態となっているPC端末と同じ管理領域内に存在するPC端末のユーザは、スクリーンセーバ状態となっているPC端末によって提供される広告電子データを認識すると予測されるユーザであると言える。
【0025】
広告配信装置100は、管理領域ごとにユーザの嗜好・属性を分析するので、スクリーンセーバ状態となっているPC端末のユーザがスクリーンセーバ画面を見ていなくても、その画面を見ると予測される他のユーザが興味を持つ可能性の高い広告電子データなどの他のユーザに関連した広告電子データを提供できる。その結果、広告とその広告を見るユーザとのマッチングの度合いが高まる、すなわちターゲット配信の精度が高まるので、広告効果が一段と高まる。また、スクリーンセーバ状態となっているPC端末のユーザが席を外している間の時間も、そのPC端末を広告のために有効に使用することができる。
【0026】
図2は、広告配信装置100の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(central processing unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0027】
広告配信装置100は、第1インタフェース部48と、状態設定部84と、状態取得部10と、端末データベース12と、制御部52と、配信対象選択部14と、位置情報特定部16と、ユーザID取得部18と、ユーザ情報処理部54と、ユーザデータベース28と、広告選択部34と、広告データベース32と、広告情報処理部56と、広告配信部40と、を備える。
ユーザ情報処理部54は、ユーザ情報収集部22と、ユーザ情報解析部24と、ユーザ情報登録部26と、を含む。広告情報処理部56は、広告登録部30と、広告監視部36と、配信実績取得部38と、を含む。
【0028】
図3は、端末データベース12を示すデータ構造図である。端末データベース12は、IPアドレス102と、グループID104と、隣接端末情報174と、ユーザID106と、状態情報108と、モニタ電源情報172と、を対応付けて記憶する。
IPアドレスは、PC端末に割り当てられたIDである。グループIDは、ひとつの管理領域内に存在するPC端末をひとつのグループとするとき、グループごとに割り当てられたIDである。IPアドレスとグループIDとの対応関係すなわち導入先企業200のPC端末を如何にグループ分けするかについては、導入先企業200によって予め提供される座席表等から広告配信装置100の管理者が定めてもよいし、予め導入先企業200が指定してもよい。あるいはまた、対応関係は、事業所名、居室の場所(階数、フロア名)、所属、DHCPサーバからの情報などを利用して定められてもよい。
なお、PC端末のグループは、物理的な距離が近いと想定されるPC端末のグループであってもよい。
隣接端末情報は、PC端末と物理的に隣接して配置されたPC端末のIPアドレスである。モニタ電源情報は、PC端末のモニタの電源のON/OFFを示す。
なお、PC端末に割り当てられたIDとしてIPアドレスの代わりにまたはIPアドレスに加えて、MACアドレスを使用してもよい。
【0029】
ユーザIDは、広告配信装置100においてユーザに実質的に一意に割り当てられたIDである。ここで本実施の形態では、IPアドレスとユーザIDとの対応関係が固定されていてもいなくてもよい。固定されている例は、導入先企業200においてユーザにそれぞれ専用のPC端末が割り振られており、且つ、PC端末のIPアドレスが固定されている場合である。固定されていない例は、導入先企業200においてユーザにそれぞれ専用のPC端末が割り振られているが、PC端末にDHCPサーバからIPアドレスが動的に割り振られる場合や、フリーアドレス・オフィスなど導入先企業200においてユーザが使用する端末が決まっていない場合(PC端末の共通利用)である。各ユーザがラップトップPCから社内無線LAN(Local Area Network)にアクセスして業務を行う場合でも、ラップトップPCのIPアドレスが固定されている場合はIPアドレスとユーザIDとの対応関係は固定され、ラップトップPCのIPアドレスが固定されていない場合はIPアドレスとユーザIDとの対応関係も固定されない。
【0030】
状態情報は、PC端末の現在の状態が作業中状態、スクリーンセーバ状態、モニタ電源オフ状態、それ以外の状態、のいずれであると予測されるかを示す。ここで「予測される」としたのは、端末データベース12に登録されている状態は常に実際の状態と相違ないとは言えないものの、広告配信装置100は後述の状態取得部10によって定期的に導入先企業200のPC端末の状態を取得して端末データベース12を更新するので、端末データベース12に登録されている状態は実際の状態を反映している可能性が高いことを表すためである。
【0031】
図4は、広告データベース32を示すデータ構造図である。広告データベース32は、広告主ID110と、優先度112と、広告電子データ114と、広告リンク116と、テキストデータ118と、広告長さ122と、推奨時間帯124と、配信実績126と、を対応付けて記憶する。
広告主IDは、広告主企業に実質的に一意に割り当てられたIDである。優先度は、スクリーンセーバ状態における広告電子データの提供の優先度である。優先度は例えば自然数とされ、その数字が小さいほど優先度が高いように設定される。広告電子データの優先度が高い場合、後述する順序づけの際にその広告電子データが優先される。
【0032】
広告リンクは、広告電子データの広告内容と同じ広告内容に関する広告主企業のWebページへのリンクである。テキストデータは、広告電子データの表示内容や音声をテキスト形式で表したデータである。広告長さは、広告電子データの提供にかかる時間である。推奨時間帯は、広告電子データの提供が推奨される時間帯である。推奨時間帯「全て」は、推奨時間帯が設定されていないことと同義である。配信実績は、広告電子データの配信の実績である。配信実績は、広告電子データが配信されたPC端末の台数と、配信されたトータルの回数と、を含む。
【0033】
図5は、ユーザデータベース28を示すデータ構造図である。ユーザデータベース28は、ユーザID128と、ユーザの属性に関する属性項目154と、ユーザの嗜好に関する嗜好項目156と、平均SS時間148と、利用不可キー設定150と、非配信設定152と、を対応付けて記憶する。
属性項目154は、企業名130と、部署132と、役職134と、性別136と、年齢138と、業務内容140と、を含む。嗜好項目156は、興味対象キーワード144と、高頻度キーワード146と、を含む。
【0034】
興味対象キーワードは、ユーザの最近の興味対象に関するキーワードである。高頻度キーワードは、ユーザによる検索において使用されたキーワードのうち使用頻度がより高いキーワードである。平均SS時間は、ユーザについて計測された、スクリーンセーバ状態の一回の長さの平均値である。利用不可キー設定は、ユーザへ配信する広告電子データを広告データベース32から検索する際、指定することができない検索のキーである。非配信設定については、広告データベース32に対する検索の結果抽出された広告電子データのうち、非配信設定で設定されるキーワードに対応する広告電子データは配信されない。非配信設定は、ユーザの側から通知される、配信すべきでない広告に関する情報を基に設定される。
【0035】
図2に戻る。
第1インタフェース部48は、TCP/IPプロトコルなどの通信プロトコルにしたがい導入先企業200の各PC端末と通信する。
【0036】
状態取得部10は、第1インタフェース部48を介して、導入先企業200のPC端末から、ログインしているユーザのユーザIDとPC端末の状態とモニタの電源のON/OFFとを取得する。状態取得部10は、取得先のPC端末のIPアドレスと、取得した情報と、を対応付けて端末データベース12に登録する。すなわち状態取得部10は端末データベース12を更新する。
【0037】
広告登録部30は、広告主企業群4から、配信すべき広告電子データと、その広告電子データと同じ広告内容に関する広告リンクと、その広告電子データのテキストデータと、その広告電子データの広告長さと、その広告電子データの推奨時間帯と、を取得する。ここでの取得の方法としては、例えば、広告配信装置100の管理者が広告主企業群4から第1インタフェース部48を介して広告の内容を含む電子メールを受け取り、管理者がその電子メールから上記のデータを取り出し、広告登録部30が取り出されたデータを取得してもよい。あるいはまた、広告登録部30は広告主企業群4から直接第1インタフェース部48を介して上記のデータを取得してもよい。あるいはまた広告登録部30は、広告主企業群4からFAXや郵送や手渡し等で渡された広告内容を管理者が電子化することで生成される上記のデータを取得してもよい。
広告登録部30は、広告料などの優先判断基準に基づき、取得した広告電子データの優先度を決定する。広告登録部30は、広告主IDと、優先度と、上記取得した広告電子データおよびそれに関する情報と、を対応付けて広告データベース32に登録する。
【0038】
広告監視部36は、第1インタフェース部48を介して、導入先企業200のPC端末から不適切な広告に関する情報を収集する。あるいはまた広告監視部36は、外部の機関から不適切な広告に関する情報を収集する。広告監視部36は広告データベース32を監視し、特に収集した情報を基に不適切な広告を広告データベース32から定期的に削除する。
【0039】
具体的には広告監視部36は、収集した不適切な広告に関する情報から社名などのキーワードを抽出し、抽出されたキーワードをキーとして広告データベース32のテキストデータを検索する。広告監視部36は、その検索の結果抽出された広告電子データを広告データベース32から削除するか、または抽出された広告電子データに対して配信不可フラグを立てる。
【0040】
オフィス等で業務を行っている人のなかには、仕事中に見ず知らずの者から営業の電話がかかってきた経験がある人も多いと考えられる。大抵の場合そのような見ず知らずの者からの話は信用が薄いと判断して電話を切るのであるが、その電話によって仕事が中断されるので不快に思う人も多いと考えられる。一方で、そのような人のなかでも信用のあるソースからの話であれば聞いてみようと思う人もいると考えられる。このような場合に、本実施の形態に係る広告配信装置100では、広告監視部36によって不適切な広告が広告配信元の広告データベース32から削除されるかまたは配信不可フラグによって配信されなくなるので、導入先企業200のPC端末にはフィルタリングされた広告電子データが配信される。したがって、ユーザの側から見ると、広告配信装置100からの広告に高い信用を置くことができる。また、広告主企業群4の側から見ると、ユーザが広告を検討する可能性が高まるので、広告主企業群4はより高い広告効果を得ることができる。
【0041】
ユーザ情報収集部22は、導入先企業200によって予め提出されたリスト等に基づきまたは第1インタフェース部48を介して導入先企業200のPC端末から、ユーザの属性項目と、利用不可キー設定と、非配信設定と、を取得する。ユーザ情報収集部22は、第1インタフェース部48を介して、導入先企業200のPC端末から操作ログ(図10で後述)とCookie情報とを取得する。
【0042】
ユーザ情報解析部24は、ユーザ情報収集部22によって取得された操作ログおよびCookie情報を解析し、ユーザごとに興味対象キーワードと、高頻度キーワードと、を決定する。特にユーザ情報解析部24は、ユーザによって使用された検索キーや辞書に登録された単語などのユーザによって入力された情報、ユーザによって閲覧されたWebページに関する情報、およびCookie情報のうちの少なくともひとつから、そのユーザの興味対象キーワードを決定する。またユーザ情報解析部24は、ユーザによって使用された検索キーのうち頻度の高いほうから所定の数、例えば2つ、のキーを決定して高頻度キーワードとする。
【0043】
ユーザ情報登録部26は、ユーザ情報収集部22によって取得されたユーザの属性項目と利用不可キー設定と非配信設定と、ユーザ情報解析部24によって決定された興味対象キーワードと高頻度キーワードと、を対応付けてユーザデータベース28に登録する。すなわちユーザ情報登録部26はユーザデータベース28を更新する。
【0044】
配信対象選択部14は、導入先企業200のPC端末のなかから広告を配信する対象のPC端末すなわち配信対象のPC端末を選択する。配信対象選択部14は、ランダムや巡回的などの選択基準にしたがって順番に導入先企業200のPC端末のIPアドレスを配信対象のPC端末のIPアドレスとして選択する。
なお、配信対象選択部14は、第1インタフェース部48を介して、新たにスクリーンセーバ状態となったPC端末からその旨の通知を受けると、そのPC端末を配信対象の端末として選択してもよい。
【0045】
位置情報特定部16は、端末データベース12において、配信対象のPC端末に割り当てられたIPアドレスに対応するグループIDを特定する。例えば、配信対象のPC端末に割り当てられたIPアドレスが「192.168.25.1」である場合、位置情報特定部16は図3に示される端末データベース12においてグループID「A」を特定する。
【0046】
ユーザID取得部18は、配信対象のPC端末を使用するユーザとは異なるユーザであって位置情報特定部16によって特定されたグループIDのグループに属するPC端末を使用するユーザ(以下、近隣ユーザと称す)、に割り当てられたユーザIDを取得する。また、ユーザID取得部18は、配信対象のPC端末を使用するユーザに割り当てられたユーザIDも取得する。つまりユーザID取得部18は、位置情報特定部16によって特定されたグループIDのグループに属するPC端末に対応するユーザID全てを端末データベース12から抽出する。例えば、位置情報特定部16によって特定されたグループIDを「A」とすると、ユーザID取得部18は図3に示される端末データベース12からユーザID「gijutsu1」と「gijutsu2」と「gijutsu3」とを抽出する。
【0047】
なお、近隣ユーザがそもそもいない場合もありうる。例えば、配信対象のPC端末が属するグループが配信対象のPC端末のみを有する場合や、配信対象のPC端末が属するグループのPC端末のうち配信対象のPC端末以外のPC端末がログインされていない場合である。あるいは朝、部署に最初に到着したユーザが自己のPC端末にログインした直後の状態である。
【0048】
このような場合、ユーザID取得部18は、配信対象のPC端末が属するグループとは異なるグループに属するPC端末を使用するユーザに割り当てられたユーザIDを取得する。特に配信対象のPC端末が存在する管理領域と物理的な距離がより近い、例えば隣接する管理領域に存在するPC端末を使用するユーザに割り当てられたユーザIDを取得する。これにより、たとえ配信対象のPC端末のユーザ以外にその部署にユーザがいなくても、そのPC端末のスクリーンセーバ状態において広告電子データを認識する可能性がある他の部署のユーザをターゲットとした広告配信が可能となる。
【0049】
広告選択部34は、広告データベース32に記憶された広告電子データのなかから、近隣ユーザに関連した広告電子データを選択する。特に広告選択部34は、ユーザID取得部18によって取得されたユーザIDに対応する属性項目、嗜好項目との関連性が高い広告電子データを選択する。
【0050】
また、広告選択部34は、近隣ユーザに割り当てられたユーザIDに対応する属性項目、嗜好項目との関連性が高いほど、配信対象のPC端末のスクリーンセーバ状態において優先的に提供されるように、広告電子データを選択するモードを有する。
【0051】
広告配信装置100においては、広告電子データのテキストデータに対する属性項目・嗜好項目をキーとした検索における合致度すなわちスコアが高いほど、広告電子データと属性項目・嗜好項目との関連性が高いと定義される。なお、関連性については他の定義、例えば広告情報とユーザ情報とに電気、機械、経理、投資、などの共通のカテゴリを設定し、広告情報のカテゴリとユーザ情報のカテゴリとが一致すると関連性が高いとする定義も可能である。
【0052】
広告選択部34は、ユーザ情報取得部20と、広告検索部42と、配信可否確認部44と、順序決定部46と、を含む。
【0053】
ユーザ情報取得部20は、ユーザID取得部18によって取得されたユーザIDに対応する属性項目と嗜好項目とをユーザデータベース28から取得する。
【0054】
ユーザ情報取得部20はユーザIDに対応する属性項目と嗜好項目とをユーザデータベース28から取得する際、各ユーザの利用不可キー設定に設定されている情報は取得しない。
この場合、広告選択部34における広告電子データの選択の際に利用不可キー設定に設定されている情報は考慮されなくなる。広告配信装置100を利用する導入先企業のなかには、業務に関係のない広告はなるべく表示させないという方針を有している企業もあると考えられる。そのような場合に例えば嗜好項目を利用不可キー設定に設定しておくことにより、表示される広告の多くは属性項目に基づく広告、すなわちより業務に関連した広告となるので企業のニーズが満たされうる。また、競合や個人情報保護の観点から広告選択部34における検索の用に供すべきでない情報がある場合でも、その情報を利用不可キー設定に設定することにより対応できる。また利用不可キー設定は、導入先企業ごとまたは部署ごとまたはユーザごとに設定可能なので、社内の意志決定の各階層でのスクリーニング基準を重畳的に適用できる。
【0055】
広告検索部42は、広告データベース32に記憶された広告電子データのなかから、ユーザ情報取得部20によって取得された属性項目、嗜好項目との関連性が高い広告電子データを選択する。特に広告検索部42は、ユーザ情報取得部20によって取得された属性項目と嗜好項目とから、予め定められた検索基準に基づき検索のキーを選択し、選択された検索のキーを使用して広告データベース32のテキストデータを検索する。
【0056】
検索基準は例えば、ユーザ情報取得部20によって取得された項目全てをANDで検索のキーとすることであってもよい。あるいはまた、属性項目または嗜好項目のいずれか一方を検索のキーとすることであってもよい。あるいはまた、高頻度キーワードのみを検索のキーとすることであってもよい。
【0057】
例えばユーザ情報取得部20によってユーザID「gijutsu1」、「gijutsu2」および「gijutsu3」に対応する属性項目と嗜好項目とがユーザデータベース28から取得された場合、広告検索部42は検索のキーとして属性項目からはユーザID「gijutsu1」、「gijutsu2」および「gijutsu3」の共通項である部署「開発」を選択し、嗜好項目からはユーザID「gijutsu1」に対応する高頻度キーワード「MBA、人心掌握」とユーザID「gijutsu2」に対応する高頻度キーワード「乙旅行代理店、フランス」とユーザID「gijutsu3」に対応する高頻度キーワード「B級グルメ、ランチ」とを選択する。なお、企業名および性別はユーザID「gijutsu1」、「gijutsu2」および「gijutsu3」のいずれについても利用不可キー設定に設定されているので、そもそもユーザ情報取得部20によってユーザデータベース28から取得されない。したがって選択もされない。
【0058】
広告検索部42は、選択されたキー「開発」、「MBA、人心掌握」、「乙旅行代理店、フランス」、「B級グルメ、ランチ」を使用して図4に示される広告データベース32のテキストデータを検索する。その結果、広告検索部42は、合致度の順に広告電子データ「bbb.mpeg」、「abc.pdf」、「aaa.jpeg」、「ccc.mp3」、…、を選択する。
【0059】
なお広告検索部42は、広告データベース32のテキストデータを検索する際、広告電子データが配信されると予測される時間帯が推奨時間帯に含まれる広告電子データを検索対象としてもよい。
この場合、推奨時間帯が設定されている広告電子データはその推奨時間帯以外は配信される可能性が低い。そこで広告配信装置100を利用した広告配信サービスでは、推奨時間帯を設定すると広告料を値引くよう設定されていてもよい。広告のターゲットがはっきりしている場合などは、ある時間帯のみ広告を配信すれば十分な広告効果が見込まれる場合もある。例えば早朝会議の広告を深夜に配信しても広告効果はあまり見込まれず、したがって午前中に配信するだけでよい場合などである。このような場合に広告主は推奨時間帯を設定することで、広告料を抑えつつ十分な広告効果を得ることができる。
【0060】
配信可否確認部44は、広告検索部42における検索の結果合致度の順に得られる広告電子データを、合致度が高いほうから所定の数、例えば3つ、取得する。配信可否確認部44は、ユーザデータベース28に登録されている、配信対象のPC端末のユーザIDに対応する非配信設定に基づき、取得した広告電子データの配信の可否を確認する。配信可否確認部44は、非配信設定に設定されているキーワードに対応する広告電子データが取得された広告電子データのなかにあればそれを非配信とする。例えば、配信対象のPC端末のユーザIDが「gijutsu1」の場合、配信可否確認部44はキーワード「服飾関係」に対応する広告電子データを非配信とする。
この場合、ユーザは広告を受け取りたくない広告主や分野を非配信設定に登録しておくことで、それらに関する広告をたとえスクリーンセーバ状態であっても受け取らなくてよくなる。したがって不要な広告の配信に対するユーザの不快感を抑えることができる。
【0061】
順序決定部46は、配信可否確認部44によって取得され確認された所定の数の広告電子データの、配信対象のPC端末における提供順序を決定する。順序決定部46は順序決定に関し以下の3つのモードを有する。
【0062】
(1)第1モード
順序決定部46は、第1モードにおいては、所定の数の広告電子データを広告検索部42によって順序づけられた通りに順序付ける。すなわち、順序決定部46は、グループとの関連性が高いほど先に提供されるように所定の数の広告電子データを順序付ける。例えば、配信可否確認部44によって取得され確認された3つの広告電子データを「bbb.mpeg」、「abc.pdf」、「aaa.jpeg」とするとき、順序決定部46は広告検索部42によって順序付けられた通りに「bbb.mpeg」、「abc.pdf」、「aaa.jpeg」と順序づける。
【0063】
順序決定部46によって順序付けられた通りに広告電子データを提供するように配信対象のPC端末が設定されている場合、関連性の高い広告電子データから提供される。つまりスクリーンセーバ状態では関連性の高い広告電子データが優先的に提供される。特にスクリーンセーバ状態の継続時間が短い場合、配信される広告電子データの順序付けが行われていない場合もしくは関連性に基づかない態様で順序付けが行われている場合と比べて、より確実に関連性の高い広告電子データを提供できる。したがって、広告効果がより高まりうる。
【0064】
順序決定部46は、配信可否確認部44によって取得され確認された所定の数の広告電子データのなかに、配信対象のPC端末のユーザとの関連性が近隣ユーザとの関連性よりも高い広告電子データがある場合、その広告電子データを他の広告電子データよりも後に提供されるように所定の数の広告電子データを順序付けてもよい。
この場合、スクリーンセーバ状態となっているときはそのPC端末のユーザは席を外していることが多いのであるが、そのように見る確率の低いユーザをターゲットとした広告よりも近隣ユーザなどの見る確率が高いユーザをターゲットとした広告を優先できる。したがって、広告効果が高まりうる。
【0065】
また順序決定部46は、配信対象のPC端末のユーザIDに対応する平均SS時間をユーザデータベース28から抽出し、その平均SS時間内に収まるように広告電子データの数を制限してもよい。特に順序決定部46は、関連性が最も高い広告電子データから始めて、広告長さの和が平均SS時間を超えるまで広告電子データを関連性の順に選んでもよい。この場合、配信したが提供されない広告電子データの数を低減できるので、配信される広告電子データの量の適切性を判断する上でのひとつの指標が与えられる。したがって、広告配信装置100とPC端末との間のトラフィック量を適切な範囲とすることができる。また、PC端末のなかで広告電子データを記憶しておくための領域のサイズを適切化できる。
【0066】
(2)第2モード
順序決定部46は、第2モードにおいては、近隣ユーザに割り当てられたユーザIDに対応する属性項目、嗜好項目との関連性が高いほど配信対象のPC端末のスクリーンセーバ状態において先に提供されるように、所定の数の広告電子データを順序付ける。
【0067】
この場合、スクリーンセーバ状態となっているときはそのPC端末のユーザは席を外していることが多いというポイントをより生かした形での広告配信が可能となり、広告効果が高まりうる。
【0068】
(3)第3モード
順序決定部46は、第3モードにおいては、所定の数の広告電子データを広告電子データに対応付けられた優先度に基づいて順序付ける。すなわち、順序決定部46は、優先度が高いほど先に提供されるように所定の数の広告電子データを順序付ける。例えば、配信可否確認部44によって取得され確認された3つの広告電子データを「bbb.mpeg」、「abc.pdf」、「aaa.jpeg」とするとき、順序決定部46は図4に示される優先度にしたがい、「aaa.jpeg」、「bbb.mpeg」、「abc.pdf」、と順序付ける。
【0069】
順序決定部46によって順序付けられた通りに広告電子データを提供するように配信対象のPC端末が設定されている場合、優先度の高い広告電子データから提供される。例えば広告配信装置100では広告料が高いほど優先度が高くなる仕組みとなっていてもよい。この場合、広告主は、例えば重要な広告にはそうでない広告よりも高い広告料を払って優先度を高めることができるので、自己の広告戦略を広告配信に反映させることができる。
【0070】
第2モードおよび第3モードについて、平均SS時間内に収まるように広告電子データの数を制限してもよい点については第1モードと同様である。
【0071】
広告配信部40は、広告選択部34によって選択された広告電子データを配信対象のPC端末に配信する。特に広告配信部40は、第1インタフェース部48を介して、広告選択部34によって選択され順序付けられた広告電子データを、スクリーンセーバ状態において提供されるべき広告電子データとして配信対象のPC端末に送信する。広告配信部40はまた、広告データベース32を参照し、広告選択部34によって選択され順序付けられた広告電子データに対応する広告リンクを取得する。広告配信部40は、第1インタフェース部48を介して、取得された広告リンクを、作業中状態において表示されるべきリンクデータとして配信対象のPC端末およびそのPC端末と同じグループに属するPC端末に送信する。この際、広告配信部40は、広告リンクを対応する広告電子データと同様に順序付けする。
【0072】
広告配信部40によって広告電子データが配信対象のPC端末に送信されると、配信対象選択部14は別のPC端末を配信対象として選択し、同様の処理が繰り返される。なお、広告配信装置100は、配信対象として選択されたPC端末ごとに広告電子データを選択して配信しているが、PC端末のグループが同じであればデータベースの構成が変わらず非配信設定がない限り同じ広告電子データが配信される。つまり、データベースの構成が変わらない限り各グループに同じ広告電子データが配信されていると言える。
なお、配信対象選択部は配信対象のグループを選択してもよいし、広告配信部は配信対象のPC端末が属するグループのPC端末全てに広告電子データを配信してもよい。
【0073】
配信実績取得部38は、第1インタフェース部48を介して、導入先企業200のPC端末から広告電子データの配信の実績を取得する。配信実績取得部38は特にPC端末から操作ログを取得する。配信実績取得部38は、その操作ログから、広告電子データがどのPC端末に提供されたかに関する情報と、あるPC端末について広告電子データが所定の期間中何回提供されたかに関する情報と、を抽出する。配信実績取得部38は、抽出された情報を基に広告データベース32の配信実績を更新する。
これにより、広告主は広告配信装置100を介した広告の配信実績を容易に知ることができる。また、例えば広告主は、広告データベース32に登録されている配信実績と実際の販売量の増加率とを比較することで広告効果を見積もることができる。
配信実績取得部38は、広告リンクがクリックされた回数を取得し、それを広告データベース32に登録してもよい。
【0074】
制御部52は、広告配信装置100の動作を制御する。
【0075】
状態設定部84は、所定の条件が満たされるとき、管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうち少なくともひとつのPC端末を、モニタ電源オフ状態に設定する。状態設定部84は、状態決定部86と、状態監視部88と、を含む。
【0076】
状態監視部88は、定期的に端末データベース12を参照し、グループごとすなわち管理領域ごとにスクリーンセーバ状態となっているPC端末の数を監視する。状態監視部88は、各管理領域内に存在するPC端末のうちスクリーンセーバ状態にあるPC端末の割合を取得する。
【0077】
状態決定部86は、ある管理領域(以下、対象管理領域と称す)について、状態監視部88によって取得された割合が所定のしきい値より大きくなると、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうちその割合に応じた数のPC端末をモニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。状態決定部86はそのように決定されたPC端末に、第1インタフェース部48を介して、モニタの電源をオフする指示を送信する。
【0078】
モニタ電源オフ状態にするPC端末の数を多くすると広告効果が低くなり、一方で、その数を少なくすると、スクリーンセーバ状態にあるPC端末の数が多い場合には広告効果的に無駄に多くのPC端末に広告を表示させることとなり、無駄な消費電力が増える。したがって、しきい値は、その割合以上にスクリーンセーバ状態となるPC端末が増えても広告効果の大きな増大は見込まれない割合に設定されてもよい。この場合、広告効果を確保しつつ無駄な消費電力を低減できる。
【0079】
また、スクリーンセーバ状態にあるPC端末の割合と、スクリーンセーバ状態にあるPC端末のうちモニタ電源オフ状態に設定するPC端末の割合と、の関係は、広告効果への影響と消費電力への影響とが拮抗する値とされる。特に、スクリーンセーバ状態にあるPC端末の割合が高いと、より多くのPC端末をモニタ電源オフ状態にしても広告効果への影響は少ないと考えられる。したがって上記関係は、スクリーンセーバ状態にあるPC端末の割合が高いほどモニタ電源オフ状態に設定するPC端末の割合も高くなるように設定される。
【0080】
例えば、しきい値を70%とする。対象管理領域内に存在するPC端末の20%が作業中状態で、80%がスクリーンセーバ状態となっている場合、状態設定部84は、スクリーンセーバ状態にあるPC端末の50%(対象管理領域内に存在するPC端末の40%)をモニタ電源オフ状態に設定する。
【0081】
状態決定部86は、モニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末を決定するための2つのモードを有する。
(1)位置関係モード
状態決定部86は、対象管理領域内に存在し作業中状態にあるPC端末の位置を基準として、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうち少なくともひとつのPC端末を、モニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。特に、状態決定部86は、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末を、対象管理領域内に存在し作業中状態にあるPC端末から遠いほど優先的にモニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。
【0082】
具体的には、状態決定部86は、端末データベース12に登録されているPC端末の状態を参照し、対象管理領域内に存在し作業中状態にあるPC端末を特定する。状態決定部86は、端末データベース12に登録されている隣接端末情報を参照し、作業中状態にあるPC端末に隣接して配置されているPC端末の情報を取得する。状態決定部86は、作業中状態にあるPC端末に隣接して配置されているPC端末以外のPC端末から順番に、必要な数だけモニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末を決定する。
【0083】
これにより、作業中状態にあるPC端末から目の届く距離にあるPC端末などはなるべくスクリーンセーバ状態とされ、作業中状態にあるPC端末から遠いPC端末はなるべくモニタ電源オフ状態とされる。したがって、広告効果を保ちつつなるべく多くのPC端末をモニタ電源オフ状態として省電力化を図ることができる。
【0084】
なお、対象管理領域内に存在するPC端末のなかに通路に隣接するPC端末が存在する場合、状態決定部86は、通路に隣接するPC端末は優先的にスクリーンセーバ状態のままとしてもよい。通路に隣接するPC端末がスクリーンセーバ状態において表示する広告は、通路を通るユーザの目に止まりやすいからである。
【0085】
図6(a)〜(d)は、モニタの電源制御の例を示す説明図である。図6(a)は、図3の端末データベース12におけるグループID「D」に対応する対象管理領域330内に存在する第1〜第10PC端末331,332,333,334,335,336,337,338,339,340を示す。ここで第4および第8PC端末334,338は作業中状態にある。残りのPC端末はスクリーンセーバ状態にあり配信された広告電子データを配信している。図6(a)〜(d)において、白抜きのPC端末はスクリーンセーバ状態にあり、点によるハッチングが施されたPC端末は作業中状態にあり、斜線によるハッチングが施されたPC端末はモニタ電源オフ状態にある。
【0086】
位置関係モードでは、状態決定部86は、第4および第8PC端末334,338に隣接する第3、第5、第7、第9PC端末333,335,337,339以外のPC端末を、モニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。図6(b)は、位置関係モードにおける決定の結果を示す。
【0087】
(2)交互モード
状態決定部86は、交互モードにおいては、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうち第1グループに属するPC端末と第1グループとは異なる第2グループに属するPC端末とを定期的に交互にモニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。第2グループのPC端末は、例えば対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうち第1グループに属するPC端末以外のPC端末である。
【0088】
状態決定部86は、端末データベース12に登録されているPC端末の状態を参照し、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末を特定する。状態決定部86は、特定されたPC端末から第1グループに属すべきPC端末を選択する。このとき状態決定部86は隣接端末情報を参照し、選択されるPC端末がなるべく隣り合わないように選択する。状態決定部86は、特定されたPC端末のうち残りのPC端末を第2グループに属すべきPC端末として選択する。状態決定部86は、第1グループに属するPC端末をモニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。一定時間後、状態決定部86は、第2グループに属するPC端末をモニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。このように定期的にモニタ電源オフ状態にするPC端末とスクリーンセーバ状態にするPC端末とを交換することで、データでは収集しきれないモニタごとの使用環境差(例えば、モニタが他のユーザに対してどちらに向いているか)による広告効果を平均化できる。
【0089】
状態設定部84は、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末の50%をモニタ電源オフ状態に設定する場合を考える。交互モードでは、状態決定部86は、第1、第5、第6、第9PC端末331,335,336,339を第1グループとし、第2、第3、第7、第10PC端末332,333,337,340を第2グループとする。図6(c)と図6(d)とは、交互モードにおける決定の結果を示す。図6(c)では、第1グループのPC端末がモニタ電源オフ状態とされ、第2グループのPC端末がスクリーンセーバ状態とされる。図6(d)では、第2グループのPC端末がモニタ電源オフ状態とされ、第1グループのPC端末がスクリーンセーバ状態とされる。
【0090】
導入先企業200のPC端末について、以下、開発部端末212aを例として説明する。他のPC端末も以下で説明される開発部端末212aと同様の構成を有する。
【0091】
図7は、開発部端末212aの機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(central processing unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0092】
開発部端末212aは、スピーカ76と、モニタ78と、情報処理部80と、を備える。情報処理部80は、第2インタフェース部50と、広告取得部58と、SS広告データベース60と、通常広告データベース62と、提供制御部64と、状態判定部66と、操作監視部68と、操作ログデータベース70と、ログ送信部72と、PC制御部74と、モニタ電源制御部82と、を含む。
【0093】
図8は、SS広告データベース60を示すデータ構造図である。SS広告データベース60は、スクリーンセーバ状態における提供の順番を示す提供順158と、広告電子データ160と、を対応付けて記憶する。
【0094】
図9は、通常広告データベース62を示すデータ構造図である。通常広告データベース62は、作業中状態における提供の優先度162と、広告リンク164と、を対応付けて記憶する。
【0095】
図10は、操作ログデータベース70を示すデータ構造図である。操作ログデータベース70は、時刻166と、その時刻に開発部端末212aで行われた操作内容168と、その操作における代表的なパラメータ170と、を対応付けて記憶する。パラメータは、例えば操作内容が「検索キー入力」であればそのキーであり、操作内容が「Web閲覧」であればそのURLであり、操作内容が「スクリーンセーバ状態において広告電子データを提示」であれば、その広告電子データが提供された時間である。
【0096】
図7に戻る。
第2インタフェース部50は、TCP/IPプロトコルなどの通信プロトコルにしたがい広告配信装置100と通信する。
広告取得部58は、第2インタフェース部50を介して、広告配信装置100によって配信される広告電子データおよび広告リンクを取得する。広告取得部58は、広告配信装置100で順序付けされた通りに広告電子データをSS広告データベース60に登録する。広告取得部58は、広告配信装置100で順序付けされた通りに広告リンクを通常広告データベース62に登録する。
【0097】
PC制御部74は、開発部端末212aの動作を制御する。
状態判定部66は、PC制御部74からの情報に基づき、開発部端末212aがスクリーンセーバ状態、作業中状態、電源オフ状態、それ以外の状態、のうちのいずれの状態にあるかを判定する。また、状態判定部66は、状態の遷移を検出する。例えば、スクリーンセーバ状態にある開発部端末212aのキーボード(不図示)のキーをユーザが押し下げると、PC制御部74は開発部端末212aを作業中状態に復帰させる。この際、状態判定部66はスクリーンセーバ状態から作業中状態への遷移を検出する。または、作業中状態にある開発部端末212aに対する入力がない状態が所定の期間続くと、PC制御部74は開発部端末212aをスクリーンセーバ状態とする。この際、状態判定部66は作業中状態からスクリーンセーバ状態への遷移を検出する。
状態判定部66は、第2インタフェース部50を介して、開発部端末212aの状態を広告配信装置100に通知する。
【0098】
提供制御部64は、状態判定部66によってスクリーンセーバ状態への遷移が検出された場合、SS広告データベース60に登録されている広告電子データをスピーカ76またはモニタ78もしくはその両方に提供させる。この際、提供制御部64は、SS広告データベース60に登録されている提供順にしたがって広告電子データを提供させる。
【0099】
例えば、状態判定部66によってスクリーンセーバ状態への遷移が検出されると、提供制御部64はまず図8に示されるSS広告データベース60に登録されている広告電子データ「aaa.jpeg」をモニタ78に表示させる。次に提供制御部64は広告電子データ「bbb.mpeg」をスピーカ76およびモニタ78の両方を使用して提供させる。次に提供制御部64は広告電子データ「abc.pdf」をモニタ78に表示させる。広告電子データ「abc.pdf」の表示後、依然として開発部端末212aがスクリーンセーバ状態にある場合は、提供制御部64は再度広告電子データ「aaa.jpeg」をモニタ78に表示させる。
【0100】
提供制御部64は、状態判定部66によって作業中状態への遷移が検出された場合、通常広告データベース62に登録されている広告リンクを常駐型のアプリケーションに提供する。この常駐型のアプリケーションは、ユーザからの求めに応じて広告リンクをモニタ78に表示させる。この際、提供制御部64は、通常広告データベース62に登録されている優先度にしたがって広告リンクを提供させる。
【0101】
操作監視部68は、PC制御部74からの情報を基に、開発部端末212aで行われた操作の内容と、その操作が行われた時刻と、その操作における代表的なパラメータとを取得し、操作ログデータベース70に登録する。
ログ送信部72は、第2インタフェース部50を介して、操作ログデータベース70に登録されている操作ログを広告配信装置100に送信する。
【0102】
モニタ電源制御部82は、第2インタフェース部50を介して、広告配信装置100からモニタ78の電源のオンオフに関する指示を取得する。モニタ電源制御部82は、広告配信装置100からモニタ78の電源をオフする指示を取得すると、モニタ78の電源をオフとする。モニタ電源制御部82は、広告配信装置100からモニタ78の電源をオンする指示を取得すると、モニタ78の電源をオンとする。
【0103】
図11は、スクリーンセーバ画面300に表示される広告電子データの変遷の一例を示す説明図である。開発部端末212aがスクリーンセーバ状態になると、まずモニタ78のスクリーンセーバ画面300に広告電子データ「aaa.jpeg」に対応する第1広告302が表示される。次に、スクリーンセーバ画面300に広告電子データ「bbb.mpeg」に対応する第2広告304が表示される。次に、スクリーンセーバ画面300に広告電子データ「abc.pdf」に対応する第3広告306が表示される。次に最初に戻って第1広告302がスクリーンセーバ画面300に表示される。
【0104】
上述の実施の形態において、データベース(DB)を保持する記憶装置の例は、ハードディスクやメモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶するメモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0105】
以上の構成による広告配信装置100の動作を説明する。
図12は、広告配信装置100における一連の処理を示すフローチャートである。配信対象選択部14は、配信対象のPC端末を選択する(S402)。位置情報特定部16は、端末データベース12において、選択されたPC端末のユーザのグループIDを特定する(S404)。ユーザID取得部18は、特定されたグループIDに対応するユーザIDを端末データベース12から取得する(S406)。ユーザ情報取得部20は、取得されたユーザIDに対応するユーザ情報をユーザデータベース28から取得する(S408)。広告検索部42は、取得されたユーザ情報をキーとして広告データベース32を検索する(S410)。順序決定部46は、検索の結果得られた広告電子データを順序付ける(S412)。広告配信部40は、順序付けられた広告電子データを配信する(S414)。
【0106】
本実施の形態に係る広告配信装置100によると、近隣ユーザに関連した広告電子データが選択され、配信対象のPC端末に配信される。したがって、配信対象のPC端末がスクリーンセーバ状態となったときに提供される広告は、そのPC端末のユーザだけでなく例えば周囲の他のユーザにも関連した広告となる。したがって、例えばパーティションが低く周囲の他のユーザの視界に配信対象のPC端末が入りやすい環境では特に広告効果を高めることができる。
【0107】
なお、他のユーザの視界に配信対象のPC端末が入る時間は比較的短いことを考慮すると、広告の形態としては、じっと見ていなければ内容がわからないものではなく、ポスターに動きがついたようなものが想定されてもよい。
【0108】
本発明者の当業者としての経験から、同じ広告を長期間少しずつ続けるよりも、一時期に一気に広告する方が広告効果が高い傾向にある。PC端末に対する広告配信も同様で、ターゲットユーザの周辺のPC端末の多くに同じような広告が配信されていると、その広告はターゲットユーザの印象により残る傾向にある。本実施の形態に係る広告配信装置100では、グループごとに広告電子データが選択されるので、このような広告効果の傾向に合致しており高い広告効果を得ることができる。
【0109】
また、本実施の形態に係る広告配信装置100では、配信対象のPC端末と他のPC端末との位置関係を示す位置情報に基づいて、近隣ユーザが決定される。広告配信装置100ではさらに決定された近隣ユーザに関するユーザ情報が取得され、そのユーザ情報と関連性が高い広告電子データが選択されて配信される。したがって、PC端末間の位置関係からより容易に近隣ユーザ決定でき、また、ユーザ情報を使用して好適に近隣ユーザと関連性の高い広告電子データを選択できる。
【0110】
また、本実施の形態に係る広告配信装置100では、位置情報としてグループIDが使用される。したがって、例えば導入先企業200のPC端末を部署単位にグループ分けすることで、近隣ユーザをさらに容易に決定できる。また、複数の島からなるオフィスのレイアウトも多くあるのであるがそのような場合でも、ひとつの島をひとつのグループに対応させることで効率的に広告を配信できる。
【0111】
また、本実施の形態に係る広告配信装置100はユーザデータベース28を備え、近隣ユーザのユーザIDに対応するユーザ情報はユーザデータベース28から取得される。したがって、例えばユーザ情報に変更や追加が生じた場合は、ユーザデータベース28を更新すればよい。また、PC端末等から収集したユーザ情報でユーザデータベース28の更新を繰り返すことでユーザデータベース28の正確度を高め、それによりユーザと配信される広告とのマッチングの度合いを高めることができる。
【0112】
また、本実施の形態に係る広告配信装置100によると、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうち少なくともひとつのPC端末がモニタ電源オフ状態に設定される。したがって、その分導入先企業200における消費電力を低減できる。
【0113】
例えば昼食時などは多くの社員が一斉に席を離れる。したがって多くのPC端末がスクリーンセーバ状態となりうる。ここでスクリーンセーバ状態となるPC端末があまり多いと、広告ターゲットのユーザに見てもらえる可能性が低いPC端末もでてくる。そのようなPC端末は、広告効果の向上には寄与しないのに電力だけ消費することになる。したがって、無駄な消費電力が生じうる。そこで本実施の形態に係る広告配信装置100は、そのように広告効果への寄与は薄く電力だけ消費しうるPC端末をモニタ電源オフ状態とするので、無駄な消費電力を低減できる。
【0114】
また、本実施の形態に係る広告配信装置100では、モニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末を決定する際、対象管理領域内に存在し作業中状態にあるPC端末の位置が基準とされる。スクリーンセーバ状態において提供される広告は、その周囲のユーザすなわち作業中状態にあるPC端末のユーザをターゲットとしている。したがって、ターゲットのユーザの位置に基づいた状態設定が可能となり、広告効果が高まりうる。
【0115】
また、本実施の形態に係る広告配信装置100によると、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末は、作業中状態にあるPC端末から遠いほど優先的にモニタ電源オフ状態に設定される。したがって、ターゲットのユーザが広告を目にする確率を高く保ちつつ、多くのPC端末をモニタ電源オフ状態とすることができる。すなわち節電に配慮しつつ広告効果を確保できる。
【0116】
以上、実施の形態に係る広告配信装置100の構成と動作について説明した。これらの実施の形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0117】
実施の形態では、広告検索部42は、選択された検索のキーを使用して広告データベース32のテキストデータを検索する場合について説明したが、これに限られない。例えば、テキストデータの代わりに、広告電子データの広告内容を代表する広告キーワードを使用してもよい。
【0118】
実施の形態では、ユーザID取得部18は、近隣ユーザに割り当てられたユーザIDと、配信対象のPC端末を使用するユーザに割り当てられたユーザIDと、を取得する場合について説明したが、これに限られない。例えば、広告選択部は、広告電子データを選択する際、配信対象のPC端末を使用するユーザと広告電子データとの関連性は考慮しなくてもよい。つまり、ユーザID取得部は、配信対象のPC端末を使用するユーザに割り当てられたユーザIDを取得しなくてもよい。
【0119】
この場合、配信対象のPC端末がスクリーンセーバ状態になったときに提供される広告電子データについて、そのPC端末のユーザとの関連性が考慮されず、したがって、近隣ユーザとの関連性が実施の形態の場合と比べてより高くなる。その結果、実施の形態の場合と比較して広告効果がより高まる。
【0120】
また、例えば男性従業員が使用するPC端末と女性従業員が使用するPC端末との2つのPC端末で構成されるグループについて考える。男性従業員が席を離れ男性従業員が使用するPC端末がスクリーンセーバ状態となったとき、そのスクリーンセーバ画面に表示される広告は女性向けの広告であることが好ましい。しかしながら実施の形態に係る広告配信装置100では両者の属性・嗜好が反映された広告が配信されるので、必ずしも女性向けの広告とはならない。そこで本変形例に係る広告配信装置では配信対象のPC端末のユーザである男性従業員との関連性は考慮されず、女性従業員との関連性が考慮された広告が配信されるので、女性向けの広告が配信される。その結果、女性従業員に対する広告効果が高まる。
【0121】
実施の形態では、広告配信部40は、第1インタフェース部48を介して、広告選択部34によって選択され順序付けられた広告電子データを、スクリーンセーバ状態において提供されるべき広告電子データとして配信対象のPC端末に送信し、取得された広告リンクを、作業中状態において表示されるべきリンクデータとして配信対象のPC端末およびそのPC端末と同じグループに属するPC端末に送信する場合について説明したが、これに限られない。
例えば、広告配信装置では、スクリーンセーバ状態において提供されるべき広告電子データの選択基準は、作業中状態において表示されるべきリンクデータの選択基準とは異なってもよい。
【0122】
特に広告選択部は、スクリーンセーバ状態において提供されるべき広告情報を、近隣ユーザに関するユーザ情報との関連性が作業中状態において提供されるべき広告情報よりも高くなるように選択してもよい。この場合、近隣ユーザとスクリーンセーバ状態で提供される広告との関連性が高まる。したがって、実施の形態の場合と比較して広告効果がより高まる。
【0123】
あるいはまた広告選択部は、配信対象のPC端末を使用するユーザに関するユーザ情報との関連性がより高い広告情報を作業中状態において提供されるべき広告情報として選択し、一方で、近隣ユーザに関するユーザ情報との関連性がより高い広告情報をスクリーンセーバ状態において提供されるべき広告情報として選択してもよい。この場合、スクリーンセーバ状態における広告効果を高めつつ同時に作業中状態における広告効果も高めることができる。
【0124】
また、提供制御部64は、広告配信装置100によって配信される広告電子データがスクリーンセーバ状態にある他のPC端末によって提供されている際、他のPC端末によって提供されている広告電子データの広告内容と同じ広告内容の広告リンクをモニタ78に優先的に表示させてもよい。
図13は、作業中状態においてモニタ78に表示される作業画面308の代表画面図である。作業画面308はタスクバー領域310を有し、タスクバー領域310は複数のアイコン312を有する。複数のアイコン312のうちのひとつをクリックすると、広告リンクを表示させる常駐アプリケーションが起動され、ポップアップ314が表示される。ポップアップ314は、広告リンク316を優先度の順に上から表示する。また、ポップアップ314は、ユーザの情報を収集するためのWebページへのアンケートリンク318と、スクリーンセーバ画面を表示させるためのボタン320と、をさらに有する。
この場合、スクリーンセーバ状態にある他のPC端末によって提供されている広告にユーザが興味を持った場合、自己のPC端末においてより素早く容易に目的のリンクを発見できる。その結果、リンクがクリックされる可能性が高まり、広告効果が高まりうる。
【0125】
実施の形態では、グループIDを使用する場合について説明したがこれに限られず、他の端末との位置関係を示す位置情報であればよい。例えば、絶対座標や上述の隣接端末情報を使用してもよい。
【0126】
実施の形態において、PC端末の提供制御部は、そのPC端末がユーザから作業中状態への復帰の指示を受け付けると、そのPC端末が作業中状態に復帰する前に、SS広告データベース60に登録された広告電子データのなかでそのPC端末のユーザとの関連性がより高い広告電子データを提供装置に提供させてもよい。
PC端末がユーザから作業中状態への復帰の指示を受け付けるときには、ユーザはPC端末の前にいる可能性が高い。したがって、そのときにそのユーザとの関連性がより高い広告電子データを提供することで、広告効果をより高めることができる。
【0127】
実施の形態では、配信対象のPC端末をまず決めて、そのPC端末に配信する広告電子データを選択する場合について説明したが、これに限られない。例えば、広告配信装置は、配信する広告電子データを広告データベースから決め、その広告電子データの内容とマッチする属性・嗜好を有するユーザをユーザデータベースから決め、そのユーザに対する近隣ユーザを端末データベースから決め、近隣ユーザが使用するPC端末に広告電子データを配信してもよい。この場合、広告を基準として配信先のユーザを選ぶことができる。
【0128】
実施の形態では、広告電子データの配信先がPC端末である場合について説明したが、これに限られない。例えば、広告配信装置は、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末に広告電子データを配信してもよい。
【0129】
実施の形態では、広告配信装置100は第1インタフェース部48と、状態設定部84と、状態取得部10と、端末データベース12と、制御部52と、配信対象選択部14と、位置情報特定部16と、ユーザID取得部18と、ユーザ情報処理部54と、ユーザデータベース28と、広告選択部34と、広告データベース32と、広告情報処理部56と、広告配信部40と、を備え、開発部端末212aは、スピーカ76と、モニタ78と、情報処理部80と、を備える。情報処理部80は、第2インタフェース部50と、広告取得部58と、SS広告データベース60と、通常広告データベース62と、提供制御部64と、状態判定部66と、操作監視部68と、操作ログデータベース70と、ログ送信部72と、PC制御部74と、モニタ電源制御部82と、を備える場合について説明したが、これに限られない。例えば広告配信装置の機能ブロックの一部を開発部端末212aに移してもよく、また開発部端末212aの機能ブロックの一部を広告配信装置100に移してもよい。
【0130】
以上、実施の形態にもとづき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎないことはいうまでもなく、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0131】
2 インターネット、 4 広告主企業群、 10 状態取得部、 12 端末データベース、 14 配信対象選択部、 16 位置情報特定部、 18 ユーザID取得部、 20 ユーザ情報取得部、 22 ユーザ情報収集部、 24 ユーザ情報解析部、 26 ユーザ情報登録部、 28 ユーザデータベース、 30 広告登録部、 32 広告データベース、 34 広告選択部、 36 広告監視部、 38 配信実績取得部、 40 広告配信部、 42 広告検索部、 44 配信可否確認部、 46 順序決定部、 48 第1インタフェース部、 50 第2インタフェース部、 52 制御部、 54 ユーザ情報処理部、 56 広告情報処理部、 58 広告取得部、 60 SS広告データベース、 62 通常広告データベース、 64 提供制御部、 66 状態判定部、 68 操作監視部、 70 操作ログデータベース、 72 ログ送信部、 74 PC制御部、 76 スピーカ、 78 モニタ、 80 情報処理部、 82 モニタ電源制御部、 84 状態設定部、 86 状態決定部、 88 状態監視部、 100 広告配信装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告配信装置、端末、広告配信システムおよび広告配信方法に関し、特に広告情報を端末に配信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、各社員に一人一台以上のPC(Personal Computer)端末を貸与し、社内ネットワークシステムを構築している企業が多い。これにより、各社員は必要なときに必要なだけPC端末を利用できる。PC端末には一般にスクリーンセーバ機能が搭載されている。
【0003】
スクリーンセーバ機能は、ユーザがPC端末を使用していない間、画面を黒くしたり、簡単なアニメーションを表示することを可能とする。スクリーンセーバ機能は、画面に表示されている文字や画像がCRTディスプレイに焼きつくのを防止するためのもので、GUI(Graphical User Interface)を備えるようになった最近のOSには標準で搭載されている場合が多い。最近はCRTディスプレイの性能向上や、仕様上焼きつきが発生しない液晶ディスプレイの登場などでその意味は薄れつつある。しかしながら、スクリーンセーバの終了時にパスワードを要求できる機能がついているOSあるいはアプリケーションが多いため、PC端末の使用者が席を離れる際、PC端末を他人に利用されるのを防止する機能として利用されることが多くなっている。
【0004】
従来、社員のPC端末のスクリーンセーバを利用して広告を表示させる技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−276142号公報
【特許文献2】特開2008−191414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような状況のもと本発明者は以下の課題を認識した。
利用者がPC端末を操作しているときと比べると、スクリーンセーバに広告が表示されている間は消費電力は一般に少なくなる。しかしながら、スクリーンセーバに広告を表示するという都合上、モニタの電源まで切ることは想定されていない。したがって、スクリーンセーバに広告が表示されている状態では、モニタの電源がオンである以上、その分電力が消費される。
【0007】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率的に広告を配信できる広告配信技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は広告配信装置に関する。この広告配信装置は、端末が通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と呼ぶとき、配信すべき広告情報を記憶する広告データベースと、広告データベースに記憶された広告情報のなかから、待ち受け状態にある端末によって提供されるべき広告情報を選択する広告選択部と、広告選択部によって選択された広告情報を端末に配信する広告配信部と、物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する状態設定部と、を備える。
【0009】
この態様によると、物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態にすることができる。
【0010】
本発明の別の態様は、端末である。この端末は、上記の広告配信装置によって配信される広告情報を取得する広告取得部と、広告取得部によって取得された広告情報を待ち受け状態において所定の提供装置に提供させる提供制御部と、を備える。
【0011】
本発明のさらに別の態様は、広告配信システムである。この広告配信システムは、広告配信装置と、複数の端末と、を備える。広告配信装置は、端末が通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と呼ぶとき、配信すべき広告情報を記憶する広告データベースと、広告データベースに記憶された広告情報のなかから、待ち受け状態にある端末によって提供されるべき広告情報を選択する広告選択部と、広告選択部によって選択された広告情報を端末に配信する広告配信部と、物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する状態設定部と、を備える。複数の端末のそれぞれは、広告配信装置によって配信される広告情報を取得する広告取得部と、広告取得部によって取得された広告情報を待ち受け状態において所定の提供装置に提供させる提供制御部と、を備える。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、効率的に広告を配信できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態に係る広告配信装置を備える広告配信システムを説明するための説明図である。
【図2】図1の広告配信装置の機能および構成を示すブロック図である。
【図3】図2の端末データベースを示すデータ構造図である。
【図4】図2の広告データベースを示すデータ構造図である。
【図5】図2のユーザデータベースを示すデータ構造図である。
【図6】図6(a)〜(d)は、モニタの電源制御の例を示す説明図である。
【図7】図1の開発部端末の機能および構成を示すブロック図である。
【図8】図7のSS広告データベースを示すデータ構造図である。
【図9】図7の通常広告データベースを示すデータ構造図である。
【図10】図7の操作ログデータベースを示すデータ構造図である。
【図11】スクリーンセーバ画面に表示される広告電子データの変遷の一例を示す説明図である。
【図12】図2の広告配信装置における一連の処理を示すフローチャートである。
【図13】作業中状態においてモニタに表示される作業画面の代表画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0016】
図1は、実施の形態に係る広告配信装置100を備える広告配信システムを説明するための説明図である。広告配信システムは、広告配信装置100と、導入先企業200の情報処理端末と、を備える。情報処理端末は例えばPC端末である。
【0017】
広告配信装置100は、インターネット2などのネットワークを介して、またはFAXや郵送や手渡し等で渡された広告の内容(以下広告内容と称す)を広告配信装置100の管理者が電子化することで、配信すべき広告情報を広告主企業群4から取得する。広告内容は、例えば広告主企業によって発売された新製品の概要や、広告主企業が行っているキャンペーンの内容である。広告情報は、広告内容を含む電子的なデータ(以下、広告電子データと称す)であり、PDF形式やJPEG形式などの静止画形式のファイルや、FLASH形式(FLASHは登録商標)やMPEG形式やPPT形式などの動画形式のファイルや、MP3形式などの音声形式のファイルであってもよい。
広告は、産業広告(BtoB向け広告)などの社員の業務に有効な広告、社員割引やクーポン券などの福利厚生に関する広告、公共広告などのCSR(Corporate Social Responsibility)活動に関する広告、自社広告や社内公報、取引先顧客やグループ会社の広告などの顧客関係強化用の広告、などであってもよい。
【0018】
導入先企業200は、PC端末を多く有しており、そのそれぞれには広告配信装置100から配信される広告電子データを受信して提供するための機能が備えられている。導入先企業200では、広告配信のための物理的な管理領域が定められており、この管理領域を単位としてPC端末がグループ化されている。例えば第1管理領域202は、商品開発の部署が物理的に占める領域である。以下、第1管理領域202に存在するPC端末を開発部端末212a〜212fと称す。また第2管理領域204は第1管理領域202とは異なる領域であり、経理の部署が物理的に占める領域である。以下、第2管理領域204に存在するPC端末を経理部端末214a〜214fと称す。
【0019】
導入先企業200の各PC端末は、PC端末のユーザからの要求を受け付け可能な通常状態と、通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と、モニタの電源が切られているモニタ電源オフ状態と、を有する。通常状態は、例えばキーボードやマウスなどの入力手段から入力を受け付けている作業中状態である、待ち受け状態は、例えばスクリーンセーバが動作しているスクリーンセーバ状態である。
なお、消費電力の観点からは、通常状態>待ち受け状態>モニタ電源オフ状態、すなわち、待ち受け状態は通常状態よりも省電力であり、モニタ電源オフ状態は待ち受け状態よりも省電力である。なお、モニタ電源オフ状態の代わりに、PC端末そのものの電源が切られている電源オフ状態が使用されてもよい。
【0020】
広告配信装置100は、広告主企業群4から取得した広告電子データのなかから、導入先企業200の各PC端末に配信する広告電子データを、各PC端末のユーザおよびその周囲のユーザとの関連性に基づき選択する。この際、広告配信装置100は管理領域単位で広告電子データを選択する。すなわち、広告配信装置100は、PC端末のユーザ情報、例えば嗜好・属性を管理領域ごとに分析し、管理領域ごとに広告電子データを配信する。
【0021】
広告配信装置100は、インターネット2を介して導入先企業200の各PC端末に広告電子データを配信する。広告電子データを受信したPC端末は、そのスクリーンセーバ状態において、広告電子データをモニタに表示するかまたは他の提供手段、例えばスピーカから音声として提供する。
【0022】
これにより、ある管理領域内のPC端末がスクリーンセーバ状態となった場合、そのPC端末は同じ管理領域内の多くのユーザにとって興味が高いと想定される広告電子データを提供できる。例えば広告配信装置100は、開発部端末212a〜212fには商品開発に関する広告電子データ、例えば商品に使用される部品の新製品の広告を配信する。また広告配信装置100は、経理部端末214a〜214fには経理に関する広告電子データ、例えば会計用ソフトウエアの新製品の広告を配信する。この結果、広告主企業群4の側から見ると広告効果がより高まり、ユーザの側から見ると、自分が興味を持つ可能性の高い広告が提供されるので有益な情報を素早く得やすくなる。
【0023】
特に、スクリーンセーバ状態となっているPC端末のユーザは、食事等の所用で席を外していることが多い。すなわちこのPC端末の前にはユーザがいない可能性が高いので、このPC端末によって提供される広告は、このPC端末が設置されている席の後ろなどを通る同じ部署のユーザの目にとまる可能性が高い。したがって、スクリーンセーバ状態となっているPC端末のモニタに表示される広告電子データは、そのPC端末のユーザではなくそのPC端末と同じ管理領域内に存在するPC端末のユーザすなわち同じ部署の他のユーザによって認識される可能性が高い。
【0024】
ここでスクリーンセーバ状態となっているPC端末と同じ管理領域内に存在するPC端末のユーザは、スクリーンセーバ状態となっているPC端末によって提供される広告電子データを認識すると予測されるユーザであると言える。
【0025】
広告配信装置100は、管理領域ごとにユーザの嗜好・属性を分析するので、スクリーンセーバ状態となっているPC端末のユーザがスクリーンセーバ画面を見ていなくても、その画面を見ると予測される他のユーザが興味を持つ可能性の高い広告電子データなどの他のユーザに関連した広告電子データを提供できる。その結果、広告とその広告を見るユーザとのマッチングの度合いが高まる、すなわちターゲット配信の精度が高まるので、広告効果が一段と高まる。また、スクリーンセーバ状態となっているPC端末のユーザが席を外している間の時間も、そのPC端末を広告のために有効に使用することができる。
【0026】
図2は、広告配信装置100の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(central processing unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0027】
広告配信装置100は、第1インタフェース部48と、状態設定部84と、状態取得部10と、端末データベース12と、制御部52と、配信対象選択部14と、位置情報特定部16と、ユーザID取得部18と、ユーザ情報処理部54と、ユーザデータベース28と、広告選択部34と、広告データベース32と、広告情報処理部56と、広告配信部40と、を備える。
ユーザ情報処理部54は、ユーザ情報収集部22と、ユーザ情報解析部24と、ユーザ情報登録部26と、を含む。広告情報処理部56は、広告登録部30と、広告監視部36と、配信実績取得部38と、を含む。
【0028】
図3は、端末データベース12を示すデータ構造図である。端末データベース12は、IPアドレス102と、グループID104と、隣接端末情報174と、ユーザID106と、状態情報108と、モニタ電源情報172と、を対応付けて記憶する。
IPアドレスは、PC端末に割り当てられたIDである。グループIDは、ひとつの管理領域内に存在するPC端末をひとつのグループとするとき、グループごとに割り当てられたIDである。IPアドレスとグループIDとの対応関係すなわち導入先企業200のPC端末を如何にグループ分けするかについては、導入先企業200によって予め提供される座席表等から広告配信装置100の管理者が定めてもよいし、予め導入先企業200が指定してもよい。あるいはまた、対応関係は、事業所名、居室の場所(階数、フロア名)、所属、DHCPサーバからの情報などを利用して定められてもよい。
なお、PC端末のグループは、物理的な距離が近いと想定されるPC端末のグループであってもよい。
隣接端末情報は、PC端末と物理的に隣接して配置されたPC端末のIPアドレスである。モニタ電源情報は、PC端末のモニタの電源のON/OFFを示す。
なお、PC端末に割り当てられたIDとしてIPアドレスの代わりにまたはIPアドレスに加えて、MACアドレスを使用してもよい。
【0029】
ユーザIDは、広告配信装置100においてユーザに実質的に一意に割り当てられたIDである。ここで本実施の形態では、IPアドレスとユーザIDとの対応関係が固定されていてもいなくてもよい。固定されている例は、導入先企業200においてユーザにそれぞれ専用のPC端末が割り振られており、且つ、PC端末のIPアドレスが固定されている場合である。固定されていない例は、導入先企業200においてユーザにそれぞれ専用のPC端末が割り振られているが、PC端末にDHCPサーバからIPアドレスが動的に割り振られる場合や、フリーアドレス・オフィスなど導入先企業200においてユーザが使用する端末が決まっていない場合(PC端末の共通利用)である。各ユーザがラップトップPCから社内無線LAN(Local Area Network)にアクセスして業務を行う場合でも、ラップトップPCのIPアドレスが固定されている場合はIPアドレスとユーザIDとの対応関係は固定され、ラップトップPCのIPアドレスが固定されていない場合はIPアドレスとユーザIDとの対応関係も固定されない。
【0030】
状態情報は、PC端末の現在の状態が作業中状態、スクリーンセーバ状態、モニタ電源オフ状態、それ以外の状態、のいずれであると予測されるかを示す。ここで「予測される」としたのは、端末データベース12に登録されている状態は常に実際の状態と相違ないとは言えないものの、広告配信装置100は後述の状態取得部10によって定期的に導入先企業200のPC端末の状態を取得して端末データベース12を更新するので、端末データベース12に登録されている状態は実際の状態を反映している可能性が高いことを表すためである。
【0031】
図4は、広告データベース32を示すデータ構造図である。広告データベース32は、広告主ID110と、優先度112と、広告電子データ114と、広告リンク116と、テキストデータ118と、広告長さ122と、推奨時間帯124と、配信実績126と、を対応付けて記憶する。
広告主IDは、広告主企業に実質的に一意に割り当てられたIDである。優先度は、スクリーンセーバ状態における広告電子データの提供の優先度である。優先度は例えば自然数とされ、その数字が小さいほど優先度が高いように設定される。広告電子データの優先度が高い場合、後述する順序づけの際にその広告電子データが優先される。
【0032】
広告リンクは、広告電子データの広告内容と同じ広告内容に関する広告主企業のWebページへのリンクである。テキストデータは、広告電子データの表示内容や音声をテキスト形式で表したデータである。広告長さは、広告電子データの提供にかかる時間である。推奨時間帯は、広告電子データの提供が推奨される時間帯である。推奨時間帯「全て」は、推奨時間帯が設定されていないことと同義である。配信実績は、広告電子データの配信の実績である。配信実績は、広告電子データが配信されたPC端末の台数と、配信されたトータルの回数と、を含む。
【0033】
図5は、ユーザデータベース28を示すデータ構造図である。ユーザデータベース28は、ユーザID128と、ユーザの属性に関する属性項目154と、ユーザの嗜好に関する嗜好項目156と、平均SS時間148と、利用不可キー設定150と、非配信設定152と、を対応付けて記憶する。
属性項目154は、企業名130と、部署132と、役職134と、性別136と、年齢138と、業務内容140と、を含む。嗜好項目156は、興味対象キーワード144と、高頻度キーワード146と、を含む。
【0034】
興味対象キーワードは、ユーザの最近の興味対象に関するキーワードである。高頻度キーワードは、ユーザによる検索において使用されたキーワードのうち使用頻度がより高いキーワードである。平均SS時間は、ユーザについて計測された、スクリーンセーバ状態の一回の長さの平均値である。利用不可キー設定は、ユーザへ配信する広告電子データを広告データベース32から検索する際、指定することができない検索のキーである。非配信設定については、広告データベース32に対する検索の結果抽出された広告電子データのうち、非配信設定で設定されるキーワードに対応する広告電子データは配信されない。非配信設定は、ユーザの側から通知される、配信すべきでない広告に関する情報を基に設定される。
【0035】
図2に戻る。
第1インタフェース部48は、TCP/IPプロトコルなどの通信プロトコルにしたがい導入先企業200の各PC端末と通信する。
【0036】
状態取得部10は、第1インタフェース部48を介して、導入先企業200のPC端末から、ログインしているユーザのユーザIDとPC端末の状態とモニタの電源のON/OFFとを取得する。状態取得部10は、取得先のPC端末のIPアドレスと、取得した情報と、を対応付けて端末データベース12に登録する。すなわち状態取得部10は端末データベース12を更新する。
【0037】
広告登録部30は、広告主企業群4から、配信すべき広告電子データと、その広告電子データと同じ広告内容に関する広告リンクと、その広告電子データのテキストデータと、その広告電子データの広告長さと、その広告電子データの推奨時間帯と、を取得する。ここでの取得の方法としては、例えば、広告配信装置100の管理者が広告主企業群4から第1インタフェース部48を介して広告の内容を含む電子メールを受け取り、管理者がその電子メールから上記のデータを取り出し、広告登録部30が取り出されたデータを取得してもよい。あるいはまた、広告登録部30は広告主企業群4から直接第1インタフェース部48を介して上記のデータを取得してもよい。あるいはまた広告登録部30は、広告主企業群4からFAXや郵送や手渡し等で渡された広告内容を管理者が電子化することで生成される上記のデータを取得してもよい。
広告登録部30は、広告料などの優先判断基準に基づき、取得した広告電子データの優先度を決定する。広告登録部30は、広告主IDと、優先度と、上記取得した広告電子データおよびそれに関する情報と、を対応付けて広告データベース32に登録する。
【0038】
広告監視部36は、第1インタフェース部48を介して、導入先企業200のPC端末から不適切な広告に関する情報を収集する。あるいはまた広告監視部36は、外部の機関から不適切な広告に関する情報を収集する。広告監視部36は広告データベース32を監視し、特に収集した情報を基に不適切な広告を広告データベース32から定期的に削除する。
【0039】
具体的には広告監視部36は、収集した不適切な広告に関する情報から社名などのキーワードを抽出し、抽出されたキーワードをキーとして広告データベース32のテキストデータを検索する。広告監視部36は、その検索の結果抽出された広告電子データを広告データベース32から削除するか、または抽出された広告電子データに対して配信不可フラグを立てる。
【0040】
オフィス等で業務を行っている人のなかには、仕事中に見ず知らずの者から営業の電話がかかってきた経験がある人も多いと考えられる。大抵の場合そのような見ず知らずの者からの話は信用が薄いと判断して電話を切るのであるが、その電話によって仕事が中断されるので不快に思う人も多いと考えられる。一方で、そのような人のなかでも信用のあるソースからの話であれば聞いてみようと思う人もいると考えられる。このような場合に、本実施の形態に係る広告配信装置100では、広告監視部36によって不適切な広告が広告配信元の広告データベース32から削除されるかまたは配信不可フラグによって配信されなくなるので、導入先企業200のPC端末にはフィルタリングされた広告電子データが配信される。したがって、ユーザの側から見ると、広告配信装置100からの広告に高い信用を置くことができる。また、広告主企業群4の側から見ると、ユーザが広告を検討する可能性が高まるので、広告主企業群4はより高い広告効果を得ることができる。
【0041】
ユーザ情報収集部22は、導入先企業200によって予め提出されたリスト等に基づきまたは第1インタフェース部48を介して導入先企業200のPC端末から、ユーザの属性項目と、利用不可キー設定と、非配信設定と、を取得する。ユーザ情報収集部22は、第1インタフェース部48を介して、導入先企業200のPC端末から操作ログ(図10で後述)とCookie情報とを取得する。
【0042】
ユーザ情報解析部24は、ユーザ情報収集部22によって取得された操作ログおよびCookie情報を解析し、ユーザごとに興味対象キーワードと、高頻度キーワードと、を決定する。特にユーザ情報解析部24は、ユーザによって使用された検索キーや辞書に登録された単語などのユーザによって入力された情報、ユーザによって閲覧されたWebページに関する情報、およびCookie情報のうちの少なくともひとつから、そのユーザの興味対象キーワードを決定する。またユーザ情報解析部24は、ユーザによって使用された検索キーのうち頻度の高いほうから所定の数、例えば2つ、のキーを決定して高頻度キーワードとする。
【0043】
ユーザ情報登録部26は、ユーザ情報収集部22によって取得されたユーザの属性項目と利用不可キー設定と非配信設定と、ユーザ情報解析部24によって決定された興味対象キーワードと高頻度キーワードと、を対応付けてユーザデータベース28に登録する。すなわちユーザ情報登録部26はユーザデータベース28を更新する。
【0044】
配信対象選択部14は、導入先企業200のPC端末のなかから広告を配信する対象のPC端末すなわち配信対象のPC端末を選択する。配信対象選択部14は、ランダムや巡回的などの選択基準にしたがって順番に導入先企業200のPC端末のIPアドレスを配信対象のPC端末のIPアドレスとして選択する。
なお、配信対象選択部14は、第1インタフェース部48を介して、新たにスクリーンセーバ状態となったPC端末からその旨の通知を受けると、そのPC端末を配信対象の端末として選択してもよい。
【0045】
位置情報特定部16は、端末データベース12において、配信対象のPC端末に割り当てられたIPアドレスに対応するグループIDを特定する。例えば、配信対象のPC端末に割り当てられたIPアドレスが「192.168.25.1」である場合、位置情報特定部16は図3に示される端末データベース12においてグループID「A」を特定する。
【0046】
ユーザID取得部18は、配信対象のPC端末を使用するユーザとは異なるユーザであって位置情報特定部16によって特定されたグループIDのグループに属するPC端末を使用するユーザ(以下、近隣ユーザと称す)、に割り当てられたユーザIDを取得する。また、ユーザID取得部18は、配信対象のPC端末を使用するユーザに割り当てられたユーザIDも取得する。つまりユーザID取得部18は、位置情報特定部16によって特定されたグループIDのグループに属するPC端末に対応するユーザID全てを端末データベース12から抽出する。例えば、位置情報特定部16によって特定されたグループIDを「A」とすると、ユーザID取得部18は図3に示される端末データベース12からユーザID「gijutsu1」と「gijutsu2」と「gijutsu3」とを抽出する。
【0047】
なお、近隣ユーザがそもそもいない場合もありうる。例えば、配信対象のPC端末が属するグループが配信対象のPC端末のみを有する場合や、配信対象のPC端末が属するグループのPC端末のうち配信対象のPC端末以外のPC端末がログインされていない場合である。あるいは朝、部署に最初に到着したユーザが自己のPC端末にログインした直後の状態である。
【0048】
このような場合、ユーザID取得部18は、配信対象のPC端末が属するグループとは異なるグループに属するPC端末を使用するユーザに割り当てられたユーザIDを取得する。特に配信対象のPC端末が存在する管理領域と物理的な距離がより近い、例えば隣接する管理領域に存在するPC端末を使用するユーザに割り当てられたユーザIDを取得する。これにより、たとえ配信対象のPC端末のユーザ以外にその部署にユーザがいなくても、そのPC端末のスクリーンセーバ状態において広告電子データを認識する可能性がある他の部署のユーザをターゲットとした広告配信が可能となる。
【0049】
広告選択部34は、広告データベース32に記憶された広告電子データのなかから、近隣ユーザに関連した広告電子データを選択する。特に広告選択部34は、ユーザID取得部18によって取得されたユーザIDに対応する属性項目、嗜好項目との関連性が高い広告電子データを選択する。
【0050】
また、広告選択部34は、近隣ユーザに割り当てられたユーザIDに対応する属性項目、嗜好項目との関連性が高いほど、配信対象のPC端末のスクリーンセーバ状態において優先的に提供されるように、広告電子データを選択するモードを有する。
【0051】
広告配信装置100においては、広告電子データのテキストデータに対する属性項目・嗜好項目をキーとした検索における合致度すなわちスコアが高いほど、広告電子データと属性項目・嗜好項目との関連性が高いと定義される。なお、関連性については他の定義、例えば広告情報とユーザ情報とに電気、機械、経理、投資、などの共通のカテゴリを設定し、広告情報のカテゴリとユーザ情報のカテゴリとが一致すると関連性が高いとする定義も可能である。
【0052】
広告選択部34は、ユーザ情報取得部20と、広告検索部42と、配信可否確認部44と、順序決定部46と、を含む。
【0053】
ユーザ情報取得部20は、ユーザID取得部18によって取得されたユーザIDに対応する属性項目と嗜好項目とをユーザデータベース28から取得する。
【0054】
ユーザ情報取得部20はユーザIDに対応する属性項目と嗜好項目とをユーザデータベース28から取得する際、各ユーザの利用不可キー設定に設定されている情報は取得しない。
この場合、広告選択部34における広告電子データの選択の際に利用不可キー設定に設定されている情報は考慮されなくなる。広告配信装置100を利用する導入先企業のなかには、業務に関係のない広告はなるべく表示させないという方針を有している企業もあると考えられる。そのような場合に例えば嗜好項目を利用不可キー設定に設定しておくことにより、表示される広告の多くは属性項目に基づく広告、すなわちより業務に関連した広告となるので企業のニーズが満たされうる。また、競合や個人情報保護の観点から広告選択部34における検索の用に供すべきでない情報がある場合でも、その情報を利用不可キー設定に設定することにより対応できる。また利用不可キー設定は、導入先企業ごとまたは部署ごとまたはユーザごとに設定可能なので、社内の意志決定の各階層でのスクリーニング基準を重畳的に適用できる。
【0055】
広告検索部42は、広告データベース32に記憶された広告電子データのなかから、ユーザ情報取得部20によって取得された属性項目、嗜好項目との関連性が高い広告電子データを選択する。特に広告検索部42は、ユーザ情報取得部20によって取得された属性項目と嗜好項目とから、予め定められた検索基準に基づき検索のキーを選択し、選択された検索のキーを使用して広告データベース32のテキストデータを検索する。
【0056】
検索基準は例えば、ユーザ情報取得部20によって取得された項目全てをANDで検索のキーとすることであってもよい。あるいはまた、属性項目または嗜好項目のいずれか一方を検索のキーとすることであってもよい。あるいはまた、高頻度キーワードのみを検索のキーとすることであってもよい。
【0057】
例えばユーザ情報取得部20によってユーザID「gijutsu1」、「gijutsu2」および「gijutsu3」に対応する属性項目と嗜好項目とがユーザデータベース28から取得された場合、広告検索部42は検索のキーとして属性項目からはユーザID「gijutsu1」、「gijutsu2」および「gijutsu3」の共通項である部署「開発」を選択し、嗜好項目からはユーザID「gijutsu1」に対応する高頻度キーワード「MBA、人心掌握」とユーザID「gijutsu2」に対応する高頻度キーワード「乙旅行代理店、フランス」とユーザID「gijutsu3」に対応する高頻度キーワード「B級グルメ、ランチ」とを選択する。なお、企業名および性別はユーザID「gijutsu1」、「gijutsu2」および「gijutsu3」のいずれについても利用不可キー設定に設定されているので、そもそもユーザ情報取得部20によってユーザデータベース28から取得されない。したがって選択もされない。
【0058】
広告検索部42は、選択されたキー「開発」、「MBA、人心掌握」、「乙旅行代理店、フランス」、「B級グルメ、ランチ」を使用して図4に示される広告データベース32のテキストデータを検索する。その結果、広告検索部42は、合致度の順に広告電子データ「bbb.mpeg」、「abc.pdf」、「aaa.jpeg」、「ccc.mp3」、…、を選択する。
【0059】
なお広告検索部42は、広告データベース32のテキストデータを検索する際、広告電子データが配信されると予測される時間帯が推奨時間帯に含まれる広告電子データを検索対象としてもよい。
この場合、推奨時間帯が設定されている広告電子データはその推奨時間帯以外は配信される可能性が低い。そこで広告配信装置100を利用した広告配信サービスでは、推奨時間帯を設定すると広告料を値引くよう設定されていてもよい。広告のターゲットがはっきりしている場合などは、ある時間帯のみ広告を配信すれば十分な広告効果が見込まれる場合もある。例えば早朝会議の広告を深夜に配信しても広告効果はあまり見込まれず、したがって午前中に配信するだけでよい場合などである。このような場合に広告主は推奨時間帯を設定することで、広告料を抑えつつ十分な広告効果を得ることができる。
【0060】
配信可否確認部44は、広告検索部42における検索の結果合致度の順に得られる広告電子データを、合致度が高いほうから所定の数、例えば3つ、取得する。配信可否確認部44は、ユーザデータベース28に登録されている、配信対象のPC端末のユーザIDに対応する非配信設定に基づき、取得した広告電子データの配信の可否を確認する。配信可否確認部44は、非配信設定に設定されているキーワードに対応する広告電子データが取得された広告電子データのなかにあればそれを非配信とする。例えば、配信対象のPC端末のユーザIDが「gijutsu1」の場合、配信可否確認部44はキーワード「服飾関係」に対応する広告電子データを非配信とする。
この場合、ユーザは広告を受け取りたくない広告主や分野を非配信設定に登録しておくことで、それらに関する広告をたとえスクリーンセーバ状態であっても受け取らなくてよくなる。したがって不要な広告の配信に対するユーザの不快感を抑えることができる。
【0061】
順序決定部46は、配信可否確認部44によって取得され確認された所定の数の広告電子データの、配信対象のPC端末における提供順序を決定する。順序決定部46は順序決定に関し以下の3つのモードを有する。
【0062】
(1)第1モード
順序決定部46は、第1モードにおいては、所定の数の広告電子データを広告検索部42によって順序づけられた通りに順序付ける。すなわち、順序決定部46は、グループとの関連性が高いほど先に提供されるように所定の数の広告電子データを順序付ける。例えば、配信可否確認部44によって取得され確認された3つの広告電子データを「bbb.mpeg」、「abc.pdf」、「aaa.jpeg」とするとき、順序決定部46は広告検索部42によって順序付けられた通りに「bbb.mpeg」、「abc.pdf」、「aaa.jpeg」と順序づける。
【0063】
順序決定部46によって順序付けられた通りに広告電子データを提供するように配信対象のPC端末が設定されている場合、関連性の高い広告電子データから提供される。つまりスクリーンセーバ状態では関連性の高い広告電子データが優先的に提供される。特にスクリーンセーバ状態の継続時間が短い場合、配信される広告電子データの順序付けが行われていない場合もしくは関連性に基づかない態様で順序付けが行われている場合と比べて、より確実に関連性の高い広告電子データを提供できる。したがって、広告効果がより高まりうる。
【0064】
順序決定部46は、配信可否確認部44によって取得され確認された所定の数の広告電子データのなかに、配信対象のPC端末のユーザとの関連性が近隣ユーザとの関連性よりも高い広告電子データがある場合、その広告電子データを他の広告電子データよりも後に提供されるように所定の数の広告電子データを順序付けてもよい。
この場合、スクリーンセーバ状態となっているときはそのPC端末のユーザは席を外していることが多いのであるが、そのように見る確率の低いユーザをターゲットとした広告よりも近隣ユーザなどの見る確率が高いユーザをターゲットとした広告を優先できる。したがって、広告効果が高まりうる。
【0065】
また順序決定部46は、配信対象のPC端末のユーザIDに対応する平均SS時間をユーザデータベース28から抽出し、その平均SS時間内に収まるように広告電子データの数を制限してもよい。特に順序決定部46は、関連性が最も高い広告電子データから始めて、広告長さの和が平均SS時間を超えるまで広告電子データを関連性の順に選んでもよい。この場合、配信したが提供されない広告電子データの数を低減できるので、配信される広告電子データの量の適切性を判断する上でのひとつの指標が与えられる。したがって、広告配信装置100とPC端末との間のトラフィック量を適切な範囲とすることができる。また、PC端末のなかで広告電子データを記憶しておくための領域のサイズを適切化できる。
【0066】
(2)第2モード
順序決定部46は、第2モードにおいては、近隣ユーザに割り当てられたユーザIDに対応する属性項目、嗜好項目との関連性が高いほど配信対象のPC端末のスクリーンセーバ状態において先に提供されるように、所定の数の広告電子データを順序付ける。
【0067】
この場合、スクリーンセーバ状態となっているときはそのPC端末のユーザは席を外していることが多いというポイントをより生かした形での広告配信が可能となり、広告効果が高まりうる。
【0068】
(3)第3モード
順序決定部46は、第3モードにおいては、所定の数の広告電子データを広告電子データに対応付けられた優先度に基づいて順序付ける。すなわち、順序決定部46は、優先度が高いほど先に提供されるように所定の数の広告電子データを順序付ける。例えば、配信可否確認部44によって取得され確認された3つの広告電子データを「bbb.mpeg」、「abc.pdf」、「aaa.jpeg」とするとき、順序決定部46は図4に示される優先度にしたがい、「aaa.jpeg」、「bbb.mpeg」、「abc.pdf」、と順序付ける。
【0069】
順序決定部46によって順序付けられた通りに広告電子データを提供するように配信対象のPC端末が設定されている場合、優先度の高い広告電子データから提供される。例えば広告配信装置100では広告料が高いほど優先度が高くなる仕組みとなっていてもよい。この場合、広告主は、例えば重要な広告にはそうでない広告よりも高い広告料を払って優先度を高めることができるので、自己の広告戦略を広告配信に反映させることができる。
【0070】
第2モードおよび第3モードについて、平均SS時間内に収まるように広告電子データの数を制限してもよい点については第1モードと同様である。
【0071】
広告配信部40は、広告選択部34によって選択された広告電子データを配信対象のPC端末に配信する。特に広告配信部40は、第1インタフェース部48を介して、広告選択部34によって選択され順序付けられた広告電子データを、スクリーンセーバ状態において提供されるべき広告電子データとして配信対象のPC端末に送信する。広告配信部40はまた、広告データベース32を参照し、広告選択部34によって選択され順序付けられた広告電子データに対応する広告リンクを取得する。広告配信部40は、第1インタフェース部48を介して、取得された広告リンクを、作業中状態において表示されるべきリンクデータとして配信対象のPC端末およびそのPC端末と同じグループに属するPC端末に送信する。この際、広告配信部40は、広告リンクを対応する広告電子データと同様に順序付けする。
【0072】
広告配信部40によって広告電子データが配信対象のPC端末に送信されると、配信対象選択部14は別のPC端末を配信対象として選択し、同様の処理が繰り返される。なお、広告配信装置100は、配信対象として選択されたPC端末ごとに広告電子データを選択して配信しているが、PC端末のグループが同じであればデータベースの構成が変わらず非配信設定がない限り同じ広告電子データが配信される。つまり、データベースの構成が変わらない限り各グループに同じ広告電子データが配信されていると言える。
なお、配信対象選択部は配信対象のグループを選択してもよいし、広告配信部は配信対象のPC端末が属するグループのPC端末全てに広告電子データを配信してもよい。
【0073】
配信実績取得部38は、第1インタフェース部48を介して、導入先企業200のPC端末から広告電子データの配信の実績を取得する。配信実績取得部38は特にPC端末から操作ログを取得する。配信実績取得部38は、その操作ログから、広告電子データがどのPC端末に提供されたかに関する情報と、あるPC端末について広告電子データが所定の期間中何回提供されたかに関する情報と、を抽出する。配信実績取得部38は、抽出された情報を基に広告データベース32の配信実績を更新する。
これにより、広告主は広告配信装置100を介した広告の配信実績を容易に知ることができる。また、例えば広告主は、広告データベース32に登録されている配信実績と実際の販売量の増加率とを比較することで広告効果を見積もることができる。
配信実績取得部38は、広告リンクがクリックされた回数を取得し、それを広告データベース32に登録してもよい。
【0074】
制御部52は、広告配信装置100の動作を制御する。
【0075】
状態設定部84は、所定の条件が満たされるとき、管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうち少なくともひとつのPC端末を、モニタ電源オフ状態に設定する。状態設定部84は、状態決定部86と、状態監視部88と、を含む。
【0076】
状態監視部88は、定期的に端末データベース12を参照し、グループごとすなわち管理領域ごとにスクリーンセーバ状態となっているPC端末の数を監視する。状態監視部88は、各管理領域内に存在するPC端末のうちスクリーンセーバ状態にあるPC端末の割合を取得する。
【0077】
状態決定部86は、ある管理領域(以下、対象管理領域と称す)について、状態監視部88によって取得された割合が所定のしきい値より大きくなると、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうちその割合に応じた数のPC端末をモニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。状態決定部86はそのように決定されたPC端末に、第1インタフェース部48を介して、モニタの電源をオフする指示を送信する。
【0078】
モニタ電源オフ状態にするPC端末の数を多くすると広告効果が低くなり、一方で、その数を少なくすると、スクリーンセーバ状態にあるPC端末の数が多い場合には広告効果的に無駄に多くのPC端末に広告を表示させることとなり、無駄な消費電力が増える。したがって、しきい値は、その割合以上にスクリーンセーバ状態となるPC端末が増えても広告効果の大きな増大は見込まれない割合に設定されてもよい。この場合、広告効果を確保しつつ無駄な消費電力を低減できる。
【0079】
また、スクリーンセーバ状態にあるPC端末の割合と、スクリーンセーバ状態にあるPC端末のうちモニタ電源オフ状態に設定するPC端末の割合と、の関係は、広告効果への影響と消費電力への影響とが拮抗する値とされる。特に、スクリーンセーバ状態にあるPC端末の割合が高いと、より多くのPC端末をモニタ電源オフ状態にしても広告効果への影響は少ないと考えられる。したがって上記関係は、スクリーンセーバ状態にあるPC端末の割合が高いほどモニタ電源オフ状態に設定するPC端末の割合も高くなるように設定される。
【0080】
例えば、しきい値を70%とする。対象管理領域内に存在するPC端末の20%が作業中状態で、80%がスクリーンセーバ状態となっている場合、状態設定部84は、スクリーンセーバ状態にあるPC端末の50%(対象管理領域内に存在するPC端末の40%)をモニタ電源オフ状態に設定する。
【0081】
状態決定部86は、モニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末を決定するための2つのモードを有する。
(1)位置関係モード
状態決定部86は、対象管理領域内に存在し作業中状態にあるPC端末の位置を基準として、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうち少なくともひとつのPC端末を、モニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。特に、状態決定部86は、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末を、対象管理領域内に存在し作業中状態にあるPC端末から遠いほど優先的にモニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。
【0082】
具体的には、状態決定部86は、端末データベース12に登録されているPC端末の状態を参照し、対象管理領域内に存在し作業中状態にあるPC端末を特定する。状態決定部86は、端末データベース12に登録されている隣接端末情報を参照し、作業中状態にあるPC端末に隣接して配置されているPC端末の情報を取得する。状態決定部86は、作業中状態にあるPC端末に隣接して配置されているPC端末以外のPC端末から順番に、必要な数だけモニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末を決定する。
【0083】
これにより、作業中状態にあるPC端末から目の届く距離にあるPC端末などはなるべくスクリーンセーバ状態とされ、作業中状態にあるPC端末から遠いPC端末はなるべくモニタ電源オフ状態とされる。したがって、広告効果を保ちつつなるべく多くのPC端末をモニタ電源オフ状態として省電力化を図ることができる。
【0084】
なお、対象管理領域内に存在するPC端末のなかに通路に隣接するPC端末が存在する場合、状態決定部86は、通路に隣接するPC端末は優先的にスクリーンセーバ状態のままとしてもよい。通路に隣接するPC端末がスクリーンセーバ状態において表示する広告は、通路を通るユーザの目に止まりやすいからである。
【0085】
図6(a)〜(d)は、モニタの電源制御の例を示す説明図である。図6(a)は、図3の端末データベース12におけるグループID「D」に対応する対象管理領域330内に存在する第1〜第10PC端末331,332,333,334,335,336,337,338,339,340を示す。ここで第4および第8PC端末334,338は作業中状態にある。残りのPC端末はスクリーンセーバ状態にあり配信された広告電子データを配信している。図6(a)〜(d)において、白抜きのPC端末はスクリーンセーバ状態にあり、点によるハッチングが施されたPC端末は作業中状態にあり、斜線によるハッチングが施されたPC端末はモニタ電源オフ状態にある。
【0086】
位置関係モードでは、状態決定部86は、第4および第8PC端末334,338に隣接する第3、第5、第7、第9PC端末333,335,337,339以外のPC端末を、モニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。図6(b)は、位置関係モードにおける決定の結果を示す。
【0087】
(2)交互モード
状態決定部86は、交互モードにおいては、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうち第1グループに属するPC端末と第1グループとは異なる第2グループに属するPC端末とを定期的に交互にモニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。第2グループのPC端末は、例えば対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうち第1グループに属するPC端末以外のPC端末である。
【0088】
状態決定部86は、端末データベース12に登録されているPC端末の状態を参照し、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末を特定する。状態決定部86は、特定されたPC端末から第1グループに属すべきPC端末を選択する。このとき状態決定部86は隣接端末情報を参照し、選択されるPC端末がなるべく隣り合わないように選択する。状態決定部86は、特定されたPC端末のうち残りのPC端末を第2グループに属すべきPC端末として選択する。状態決定部86は、第1グループに属するPC端末をモニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。一定時間後、状態決定部86は、第2グループに属するPC端末をモニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末として決定する。このように定期的にモニタ電源オフ状態にするPC端末とスクリーンセーバ状態にするPC端末とを交換することで、データでは収集しきれないモニタごとの使用環境差(例えば、モニタが他のユーザに対してどちらに向いているか)による広告効果を平均化できる。
【0089】
状態設定部84は、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末の50%をモニタ電源オフ状態に設定する場合を考える。交互モードでは、状態決定部86は、第1、第5、第6、第9PC端末331,335,336,339を第1グループとし、第2、第3、第7、第10PC端末332,333,337,340を第2グループとする。図6(c)と図6(d)とは、交互モードにおける決定の結果を示す。図6(c)では、第1グループのPC端末がモニタ電源オフ状態とされ、第2グループのPC端末がスクリーンセーバ状態とされる。図6(d)では、第2グループのPC端末がモニタ電源オフ状態とされ、第1グループのPC端末がスクリーンセーバ状態とされる。
【0090】
導入先企業200のPC端末について、以下、開発部端末212aを例として説明する。他のPC端末も以下で説明される開発部端末212aと同様の構成を有する。
【0091】
図7は、開発部端末212aの機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(central processing unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0092】
開発部端末212aは、スピーカ76と、モニタ78と、情報処理部80と、を備える。情報処理部80は、第2インタフェース部50と、広告取得部58と、SS広告データベース60と、通常広告データベース62と、提供制御部64と、状態判定部66と、操作監視部68と、操作ログデータベース70と、ログ送信部72と、PC制御部74と、モニタ電源制御部82と、を含む。
【0093】
図8は、SS広告データベース60を示すデータ構造図である。SS広告データベース60は、スクリーンセーバ状態における提供の順番を示す提供順158と、広告電子データ160と、を対応付けて記憶する。
【0094】
図9は、通常広告データベース62を示すデータ構造図である。通常広告データベース62は、作業中状態における提供の優先度162と、広告リンク164と、を対応付けて記憶する。
【0095】
図10は、操作ログデータベース70を示すデータ構造図である。操作ログデータベース70は、時刻166と、その時刻に開発部端末212aで行われた操作内容168と、その操作における代表的なパラメータ170と、を対応付けて記憶する。パラメータは、例えば操作内容が「検索キー入力」であればそのキーであり、操作内容が「Web閲覧」であればそのURLであり、操作内容が「スクリーンセーバ状態において広告電子データを提示」であれば、その広告電子データが提供された時間である。
【0096】
図7に戻る。
第2インタフェース部50は、TCP/IPプロトコルなどの通信プロトコルにしたがい広告配信装置100と通信する。
広告取得部58は、第2インタフェース部50を介して、広告配信装置100によって配信される広告電子データおよび広告リンクを取得する。広告取得部58は、広告配信装置100で順序付けされた通りに広告電子データをSS広告データベース60に登録する。広告取得部58は、広告配信装置100で順序付けされた通りに広告リンクを通常広告データベース62に登録する。
【0097】
PC制御部74は、開発部端末212aの動作を制御する。
状態判定部66は、PC制御部74からの情報に基づき、開発部端末212aがスクリーンセーバ状態、作業中状態、電源オフ状態、それ以外の状態、のうちのいずれの状態にあるかを判定する。また、状態判定部66は、状態の遷移を検出する。例えば、スクリーンセーバ状態にある開発部端末212aのキーボード(不図示)のキーをユーザが押し下げると、PC制御部74は開発部端末212aを作業中状態に復帰させる。この際、状態判定部66はスクリーンセーバ状態から作業中状態への遷移を検出する。または、作業中状態にある開発部端末212aに対する入力がない状態が所定の期間続くと、PC制御部74は開発部端末212aをスクリーンセーバ状態とする。この際、状態判定部66は作業中状態からスクリーンセーバ状態への遷移を検出する。
状態判定部66は、第2インタフェース部50を介して、開発部端末212aの状態を広告配信装置100に通知する。
【0098】
提供制御部64は、状態判定部66によってスクリーンセーバ状態への遷移が検出された場合、SS広告データベース60に登録されている広告電子データをスピーカ76またはモニタ78もしくはその両方に提供させる。この際、提供制御部64は、SS広告データベース60に登録されている提供順にしたがって広告電子データを提供させる。
【0099】
例えば、状態判定部66によってスクリーンセーバ状態への遷移が検出されると、提供制御部64はまず図8に示されるSS広告データベース60に登録されている広告電子データ「aaa.jpeg」をモニタ78に表示させる。次に提供制御部64は広告電子データ「bbb.mpeg」をスピーカ76およびモニタ78の両方を使用して提供させる。次に提供制御部64は広告電子データ「abc.pdf」をモニタ78に表示させる。広告電子データ「abc.pdf」の表示後、依然として開発部端末212aがスクリーンセーバ状態にある場合は、提供制御部64は再度広告電子データ「aaa.jpeg」をモニタ78に表示させる。
【0100】
提供制御部64は、状態判定部66によって作業中状態への遷移が検出された場合、通常広告データベース62に登録されている広告リンクを常駐型のアプリケーションに提供する。この常駐型のアプリケーションは、ユーザからの求めに応じて広告リンクをモニタ78に表示させる。この際、提供制御部64は、通常広告データベース62に登録されている優先度にしたがって広告リンクを提供させる。
【0101】
操作監視部68は、PC制御部74からの情報を基に、開発部端末212aで行われた操作の内容と、その操作が行われた時刻と、その操作における代表的なパラメータとを取得し、操作ログデータベース70に登録する。
ログ送信部72は、第2インタフェース部50を介して、操作ログデータベース70に登録されている操作ログを広告配信装置100に送信する。
【0102】
モニタ電源制御部82は、第2インタフェース部50を介して、広告配信装置100からモニタ78の電源のオンオフに関する指示を取得する。モニタ電源制御部82は、広告配信装置100からモニタ78の電源をオフする指示を取得すると、モニタ78の電源をオフとする。モニタ電源制御部82は、広告配信装置100からモニタ78の電源をオンする指示を取得すると、モニタ78の電源をオンとする。
【0103】
図11は、スクリーンセーバ画面300に表示される広告電子データの変遷の一例を示す説明図である。開発部端末212aがスクリーンセーバ状態になると、まずモニタ78のスクリーンセーバ画面300に広告電子データ「aaa.jpeg」に対応する第1広告302が表示される。次に、スクリーンセーバ画面300に広告電子データ「bbb.mpeg」に対応する第2広告304が表示される。次に、スクリーンセーバ画面300に広告電子データ「abc.pdf」に対応する第3広告306が表示される。次に最初に戻って第1広告302がスクリーンセーバ画面300に表示される。
【0104】
上述の実施の形態において、データベース(DB)を保持する記憶装置の例は、ハードディスクやメモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶するメモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0105】
以上の構成による広告配信装置100の動作を説明する。
図12は、広告配信装置100における一連の処理を示すフローチャートである。配信対象選択部14は、配信対象のPC端末を選択する(S402)。位置情報特定部16は、端末データベース12において、選択されたPC端末のユーザのグループIDを特定する(S404)。ユーザID取得部18は、特定されたグループIDに対応するユーザIDを端末データベース12から取得する(S406)。ユーザ情報取得部20は、取得されたユーザIDに対応するユーザ情報をユーザデータベース28から取得する(S408)。広告検索部42は、取得されたユーザ情報をキーとして広告データベース32を検索する(S410)。順序決定部46は、検索の結果得られた広告電子データを順序付ける(S412)。広告配信部40は、順序付けられた広告電子データを配信する(S414)。
【0106】
本実施の形態に係る広告配信装置100によると、近隣ユーザに関連した広告電子データが選択され、配信対象のPC端末に配信される。したがって、配信対象のPC端末がスクリーンセーバ状態となったときに提供される広告は、そのPC端末のユーザだけでなく例えば周囲の他のユーザにも関連した広告となる。したがって、例えばパーティションが低く周囲の他のユーザの視界に配信対象のPC端末が入りやすい環境では特に広告効果を高めることができる。
【0107】
なお、他のユーザの視界に配信対象のPC端末が入る時間は比較的短いことを考慮すると、広告の形態としては、じっと見ていなければ内容がわからないものではなく、ポスターに動きがついたようなものが想定されてもよい。
【0108】
本発明者の当業者としての経験から、同じ広告を長期間少しずつ続けるよりも、一時期に一気に広告する方が広告効果が高い傾向にある。PC端末に対する広告配信も同様で、ターゲットユーザの周辺のPC端末の多くに同じような広告が配信されていると、その広告はターゲットユーザの印象により残る傾向にある。本実施の形態に係る広告配信装置100では、グループごとに広告電子データが選択されるので、このような広告効果の傾向に合致しており高い広告効果を得ることができる。
【0109】
また、本実施の形態に係る広告配信装置100では、配信対象のPC端末と他のPC端末との位置関係を示す位置情報に基づいて、近隣ユーザが決定される。広告配信装置100ではさらに決定された近隣ユーザに関するユーザ情報が取得され、そのユーザ情報と関連性が高い広告電子データが選択されて配信される。したがって、PC端末間の位置関係からより容易に近隣ユーザ決定でき、また、ユーザ情報を使用して好適に近隣ユーザと関連性の高い広告電子データを選択できる。
【0110】
また、本実施の形態に係る広告配信装置100では、位置情報としてグループIDが使用される。したがって、例えば導入先企業200のPC端末を部署単位にグループ分けすることで、近隣ユーザをさらに容易に決定できる。また、複数の島からなるオフィスのレイアウトも多くあるのであるがそのような場合でも、ひとつの島をひとつのグループに対応させることで効率的に広告を配信できる。
【0111】
また、本実施の形態に係る広告配信装置100はユーザデータベース28を備え、近隣ユーザのユーザIDに対応するユーザ情報はユーザデータベース28から取得される。したがって、例えばユーザ情報に変更や追加が生じた場合は、ユーザデータベース28を更新すればよい。また、PC端末等から収集したユーザ情報でユーザデータベース28の更新を繰り返すことでユーザデータベース28の正確度を高め、それによりユーザと配信される広告とのマッチングの度合いを高めることができる。
【0112】
また、本実施の形態に係る広告配信装置100によると、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末のうち少なくともひとつのPC端末がモニタ電源オフ状態に設定される。したがって、その分導入先企業200における消費電力を低減できる。
【0113】
例えば昼食時などは多くの社員が一斉に席を離れる。したがって多くのPC端末がスクリーンセーバ状態となりうる。ここでスクリーンセーバ状態となるPC端末があまり多いと、広告ターゲットのユーザに見てもらえる可能性が低いPC端末もでてくる。そのようなPC端末は、広告効果の向上には寄与しないのに電力だけ消費することになる。したがって、無駄な消費電力が生じうる。そこで本実施の形態に係る広告配信装置100は、そのように広告効果への寄与は薄く電力だけ消費しうるPC端末をモニタ電源オフ状態とするので、無駄な消費電力を低減できる。
【0114】
また、本実施の形態に係る広告配信装置100では、モニタ電源オフ状態に設定すべきPC端末を決定する際、対象管理領域内に存在し作業中状態にあるPC端末の位置が基準とされる。スクリーンセーバ状態において提供される広告は、その周囲のユーザすなわち作業中状態にあるPC端末のユーザをターゲットとしている。したがって、ターゲットのユーザの位置に基づいた状態設定が可能となり、広告効果が高まりうる。
【0115】
また、本実施の形態に係る広告配信装置100によると、対象管理領域内に存在しスクリーンセーバ状態にあるPC端末は、作業中状態にあるPC端末から遠いほど優先的にモニタ電源オフ状態に設定される。したがって、ターゲットのユーザが広告を目にする確率を高く保ちつつ、多くのPC端末をモニタ電源オフ状態とすることができる。すなわち節電に配慮しつつ広告効果を確保できる。
【0116】
以上、実施の形態に係る広告配信装置100の構成と動作について説明した。これらの実施の形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0117】
実施の形態では、広告検索部42は、選択された検索のキーを使用して広告データベース32のテキストデータを検索する場合について説明したが、これに限られない。例えば、テキストデータの代わりに、広告電子データの広告内容を代表する広告キーワードを使用してもよい。
【0118】
実施の形態では、ユーザID取得部18は、近隣ユーザに割り当てられたユーザIDと、配信対象のPC端末を使用するユーザに割り当てられたユーザIDと、を取得する場合について説明したが、これに限られない。例えば、広告選択部は、広告電子データを選択する際、配信対象のPC端末を使用するユーザと広告電子データとの関連性は考慮しなくてもよい。つまり、ユーザID取得部は、配信対象のPC端末を使用するユーザに割り当てられたユーザIDを取得しなくてもよい。
【0119】
この場合、配信対象のPC端末がスクリーンセーバ状態になったときに提供される広告電子データについて、そのPC端末のユーザとの関連性が考慮されず、したがって、近隣ユーザとの関連性が実施の形態の場合と比べてより高くなる。その結果、実施の形態の場合と比較して広告効果がより高まる。
【0120】
また、例えば男性従業員が使用するPC端末と女性従業員が使用するPC端末との2つのPC端末で構成されるグループについて考える。男性従業員が席を離れ男性従業員が使用するPC端末がスクリーンセーバ状態となったとき、そのスクリーンセーバ画面に表示される広告は女性向けの広告であることが好ましい。しかしながら実施の形態に係る広告配信装置100では両者の属性・嗜好が反映された広告が配信されるので、必ずしも女性向けの広告とはならない。そこで本変形例に係る広告配信装置では配信対象のPC端末のユーザである男性従業員との関連性は考慮されず、女性従業員との関連性が考慮された広告が配信されるので、女性向けの広告が配信される。その結果、女性従業員に対する広告効果が高まる。
【0121】
実施の形態では、広告配信部40は、第1インタフェース部48を介して、広告選択部34によって選択され順序付けられた広告電子データを、スクリーンセーバ状態において提供されるべき広告電子データとして配信対象のPC端末に送信し、取得された広告リンクを、作業中状態において表示されるべきリンクデータとして配信対象のPC端末およびそのPC端末と同じグループに属するPC端末に送信する場合について説明したが、これに限られない。
例えば、広告配信装置では、スクリーンセーバ状態において提供されるべき広告電子データの選択基準は、作業中状態において表示されるべきリンクデータの選択基準とは異なってもよい。
【0122】
特に広告選択部は、スクリーンセーバ状態において提供されるべき広告情報を、近隣ユーザに関するユーザ情報との関連性が作業中状態において提供されるべき広告情報よりも高くなるように選択してもよい。この場合、近隣ユーザとスクリーンセーバ状態で提供される広告との関連性が高まる。したがって、実施の形態の場合と比較して広告効果がより高まる。
【0123】
あるいはまた広告選択部は、配信対象のPC端末を使用するユーザに関するユーザ情報との関連性がより高い広告情報を作業中状態において提供されるべき広告情報として選択し、一方で、近隣ユーザに関するユーザ情報との関連性がより高い広告情報をスクリーンセーバ状態において提供されるべき広告情報として選択してもよい。この場合、スクリーンセーバ状態における広告効果を高めつつ同時に作業中状態における広告効果も高めることができる。
【0124】
また、提供制御部64は、広告配信装置100によって配信される広告電子データがスクリーンセーバ状態にある他のPC端末によって提供されている際、他のPC端末によって提供されている広告電子データの広告内容と同じ広告内容の広告リンクをモニタ78に優先的に表示させてもよい。
図13は、作業中状態においてモニタ78に表示される作業画面308の代表画面図である。作業画面308はタスクバー領域310を有し、タスクバー領域310は複数のアイコン312を有する。複数のアイコン312のうちのひとつをクリックすると、広告リンクを表示させる常駐アプリケーションが起動され、ポップアップ314が表示される。ポップアップ314は、広告リンク316を優先度の順に上から表示する。また、ポップアップ314は、ユーザの情報を収集するためのWebページへのアンケートリンク318と、スクリーンセーバ画面を表示させるためのボタン320と、をさらに有する。
この場合、スクリーンセーバ状態にある他のPC端末によって提供されている広告にユーザが興味を持った場合、自己のPC端末においてより素早く容易に目的のリンクを発見できる。その結果、リンクがクリックされる可能性が高まり、広告効果が高まりうる。
【0125】
実施の形態では、グループIDを使用する場合について説明したがこれに限られず、他の端末との位置関係を示す位置情報であればよい。例えば、絶対座標や上述の隣接端末情報を使用してもよい。
【0126】
実施の形態において、PC端末の提供制御部は、そのPC端末がユーザから作業中状態への復帰の指示を受け付けると、そのPC端末が作業中状態に復帰する前に、SS広告データベース60に登録された広告電子データのなかでそのPC端末のユーザとの関連性がより高い広告電子データを提供装置に提供させてもよい。
PC端末がユーザから作業中状態への復帰の指示を受け付けるときには、ユーザはPC端末の前にいる可能性が高い。したがって、そのときにそのユーザとの関連性がより高い広告電子データを提供することで、広告効果をより高めることができる。
【0127】
実施の形態では、配信対象のPC端末をまず決めて、そのPC端末に配信する広告電子データを選択する場合について説明したが、これに限られない。例えば、広告配信装置は、配信する広告電子データを広告データベースから決め、その広告電子データの内容とマッチする属性・嗜好を有するユーザをユーザデータベースから決め、そのユーザに対する近隣ユーザを端末データベースから決め、近隣ユーザが使用するPC端末に広告電子データを配信してもよい。この場合、広告を基準として配信先のユーザを選ぶことができる。
【0128】
実施の形態では、広告電子データの配信先がPC端末である場合について説明したが、これに限られない。例えば、広告配信装置は、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末に広告電子データを配信してもよい。
【0129】
実施の形態では、広告配信装置100は第1インタフェース部48と、状態設定部84と、状態取得部10と、端末データベース12と、制御部52と、配信対象選択部14と、位置情報特定部16と、ユーザID取得部18と、ユーザ情報処理部54と、ユーザデータベース28と、広告選択部34と、広告データベース32と、広告情報処理部56と、広告配信部40と、を備え、開発部端末212aは、スピーカ76と、モニタ78と、情報処理部80と、を備える。情報処理部80は、第2インタフェース部50と、広告取得部58と、SS広告データベース60と、通常広告データベース62と、提供制御部64と、状態判定部66と、操作監視部68と、操作ログデータベース70と、ログ送信部72と、PC制御部74と、モニタ電源制御部82と、を備える場合について説明したが、これに限られない。例えば広告配信装置の機能ブロックの一部を開発部端末212aに移してもよく、また開発部端末212aの機能ブロックの一部を広告配信装置100に移してもよい。
【0130】
以上、実施の形態にもとづき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎないことはいうまでもなく、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0131】
2 インターネット、 4 広告主企業群、 10 状態取得部、 12 端末データベース、 14 配信対象選択部、 16 位置情報特定部、 18 ユーザID取得部、 20 ユーザ情報取得部、 22 ユーザ情報収集部、 24 ユーザ情報解析部、 26 ユーザ情報登録部、 28 ユーザデータベース、 30 広告登録部、 32 広告データベース、 34 広告選択部、 36 広告監視部、 38 配信実績取得部、 40 広告配信部、 42 広告検索部、 44 配信可否確認部、 46 順序決定部、 48 第1インタフェース部、 50 第2インタフェース部、 52 制御部、 54 ユーザ情報処理部、 56 広告情報処理部、 58 広告取得部、 60 SS広告データベース、 62 通常広告データベース、 64 提供制御部、 66 状態判定部、 68 操作監視部、 70 操作ログデータベース、 72 ログ送信部、 74 PC制御部、 76 スピーカ、 78 モニタ、 80 情報処理部、 82 モニタ電源制御部、 84 状態設定部、 86 状態決定部、 88 状態監視部、 100 広告配信装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末が通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と呼ぶとき、
配信すべき広告情報を記憶する広告データベースと、
前記広告データベースに記憶された広告情報のなかから、待ち受け状態にある端末によって提供されるべき広告情報を選択する広告選択部と、
前記広告選択部によって選択された広告情報を端末に配信する広告配信部と、
物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する状態設定部と、を備えることを特徴とする広告配信装置。
【請求項2】
前記状態設定部は、前記領域内に存在し通常状態にある端末の位置を基準として、前記領域内に存在し待ち受け状態にある端末のなかから、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する端末を決定することを特徴とする請求項1に記載の広告配信装置。
【請求項3】
前記状態設定部は、前記領域内に存在し待ち受け状態にある端末を、前記領域内に存在し通常状態にある端末から遠いほど優先的に待ち受け状態よりも省電力の状態に設定することを特徴とする請求項2に記載の広告配信装置。
【請求項4】
前記状態設定部は、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する端末を定期的に変更することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の広告配信装置。
【請求項5】
前記状態設定部は、前記領域内に存在する端末のうち待ち受け状態にある端末の割合が所定のしきい値より大きくなると、前記領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち前記割合に応じた数の端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の広告配信装置。
【請求項6】
前記状態設定部は、前記領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち第1グループに属する端末と前記第1グループとは異なる第2グループに属する端末とを交互に待ち受け状態よりも省電力の状態に設定することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の広告配信装置。
【請求項7】
前記広告選択部は、前記広告データベースに記憶された広告情報のなかから、配信対象の端末を使用するユーザとは異なるユーザであって、配信対象の端末の待ち受け状態において広告情報を認識すると予測されるユーザ、に関連した広告情報を選択することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の広告配信装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の広告配信装置によって配信される広告情報を取得する広告取得部と、
前記広告取得部によって取得された広告情報を待ち受け状態において所定の提供装置に提供させる提供制御部と、を備えることを特徴とする端末。
【請求項9】
広告配信装置と、
複数の端末と、を備え、
前記広告配信装置は、
端末が通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と呼ぶとき、
配信すべき広告情報を記憶する広告データベースと、
前記広告データベースに記憶された広告情報のなかから、待ち受け状態にある端末によって提供されるべき広告情報を選択する広告選択部と、
前記広告選択部によって選択された広告情報を端末に配信する広告配信部と、
物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する状態設定部と、を備え、
前記複数の端末のそれぞれは、
前記広告配信装置によって配信される広告情報を取得する広告取得部と、
前記広告取得部によって取得された広告情報を待ち受け状態において所定の提供装置に提供させる提供制御部と、を備えることを特徴とする広告配信システム。
【請求項10】
端末が通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と呼ぶとき、
配信すべき広告情報を記憶する広告データベースを生成するステップと、
前記広告データベースに記憶された広告情報のなかから、待ち受け状態にある端末によって提供されるべき広告情報を選択するステップと、
選択された広告情報を端末に配信するステップと、
物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定するステップと、を含むことを特徴とする広告配信方法。
【請求項11】
端末が通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と呼ぶとき、
配信すべき広告情報を記憶する広告データベースを生成する機能と、
前記広告データベースに記憶された広告情報のなかから、待ち受け状態にある端末によって提供されるべき広告情報を選択する機能と、
選択された広告情報を端末に配信する機能と、
物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する機能と、をコンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
端末が通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と呼ぶとき、
配信すべき広告情報を記憶する広告データベースと、
前記広告データベースに記憶された広告情報のなかから、待ち受け状態にある端末によって提供されるべき広告情報を選択する広告選択部と、
前記広告選択部によって選択された広告情報を端末に配信する広告配信部と、
物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する状態設定部と、を備えることを特徴とする広告配信装置。
【請求項2】
前記状態設定部は、前記領域内に存在し通常状態にある端末の位置を基準として、前記領域内に存在し待ち受け状態にある端末のなかから、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する端末を決定することを特徴とする請求項1に記載の広告配信装置。
【請求項3】
前記状態設定部は、前記領域内に存在し待ち受け状態にある端末を、前記領域内に存在し通常状態にある端末から遠いほど優先的に待ち受け状態よりも省電力の状態に設定することを特徴とする請求項2に記載の広告配信装置。
【請求項4】
前記状態設定部は、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する端末を定期的に変更することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の広告配信装置。
【請求項5】
前記状態設定部は、前記領域内に存在する端末のうち待ち受け状態にある端末の割合が所定のしきい値より大きくなると、前記領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち前記割合に応じた数の端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の広告配信装置。
【請求項6】
前記状態設定部は、前記領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち第1グループに属する端末と前記第1グループとは異なる第2グループに属する端末とを交互に待ち受け状態よりも省電力の状態に設定することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の広告配信装置。
【請求項7】
前記広告選択部は、前記広告データベースに記憶された広告情報のなかから、配信対象の端末を使用するユーザとは異なるユーザであって、配信対象の端末の待ち受け状態において広告情報を認識すると予測されるユーザ、に関連した広告情報を選択することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の広告配信装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の広告配信装置によって配信される広告情報を取得する広告取得部と、
前記広告取得部によって取得された広告情報を待ち受け状態において所定の提供装置に提供させる提供制御部と、を備えることを特徴とする端末。
【請求項9】
広告配信装置と、
複数の端末と、を備え、
前記広告配信装置は、
端末が通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と呼ぶとき、
配信すべき広告情報を記憶する広告データベースと、
前記広告データベースに記憶された広告情報のなかから、待ち受け状態にある端末によって提供されるべき広告情報を選択する広告選択部と、
前記広告選択部によって選択された広告情報を端末に配信する広告配信部と、
物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する状態設定部と、を備え、
前記複数の端末のそれぞれは、
前記広告配信装置によって配信される広告情報を取得する広告取得部と、
前記広告取得部によって取得された広告情報を待ち受け状態において所定の提供装置に提供させる提供制御部と、を備えることを特徴とする広告配信システム。
【請求項10】
端末が通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と呼ぶとき、
配信すべき広告情報を記憶する広告データベースを生成するステップと、
前記広告データベースに記憶された広告情報のなかから、待ち受け状態にある端末によって提供されるべき広告情報を選択するステップと、
選択された広告情報を端末に配信するステップと、
物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定するステップと、を含むことを特徴とする広告配信方法。
【請求項11】
端末が通常状態への復帰の指示を待ち受ける状態を待ち受け状態と呼ぶとき、
配信すべき広告情報を記憶する広告データベースを生成する機能と、
前記広告データベースに記憶された広告情報のなかから、待ち受け状態にある端末によって提供されるべき広告情報を選択する機能と、
選択された広告情報を端末に配信する機能と、
物理的な所定の領域内に存在し待ち受け状態にある端末のうち少なくともひとつの端末を、待ち受け状態よりも省電力の状態に設定する機能と、をコンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−203391(P2011−203391A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69031(P2010−69031)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】
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