説明

床仕上げ剤塗布パッド及び方法

床仕上げ剤塗布装置及び床仕上げ剤を床へ塗布する方法。床仕上げ剤塗布装置は、いくつかの実施の形態ではフィルタ材料を備えるアプリケータパッドを含むことができる。いくつかの実施の形態では、フィルタ材料はエアフィルタ材料であり、或る特定の湿潤及び/若しくは乾燥摩擦特徴、密度、厚さ、圧縮抵抗、液体吸収力、多孔度、拡散能力、並びに/又は平坦化能力を有する。いくつかの実施の形態では、パッドには段差があるか又は別様に不均一な高さである。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
床仕上げ剤(例えばフロアワックス、ポリウレタン、又は他の床仕上げ材料若しくは床シール材料等)を、床の表面等の表面に塗布するために使用される種類のモップ状アセンブリが既知であり、以下では、床仕上げ剤塗布用具又はアセンブリとして交換可能に総称される。いくつかの従来の床仕上げ剤塗布用具は一般的に、床仕上げ剤塗布ヘッドと、該ヘッドに枢動可能に取り付けられているハンドルとを含む。多くの場合、バルブアセンブリが、ヘッドに隣接してハンドルに取り付けられており、且つリザーバから床への床仕上げ剤の流れを制御するように床仕上げ剤と流体連通している。バルブは通常、該バルブを通る床仕上げ剤の流れを止めるために閉じられているが、該バルブを通して床仕上げ剤を流し、ヘッドに近接する位置にある床に堆積させることができるように手動で開くことができる。床仕上げ剤は、ヘッドによって、又はより詳細にはヘッドに連結されているアプリケータパッドによって表面上で拡散される(spread:広げられる)。これらの従来のアセンブリは典型的に、使い捨て可能と考えられる妥当なコストで、床に塗布される床仕上げ剤の量を正確には制御しない。
【発明の概要】
【0002】
本発明は、床仕上げ剤塗布パッド及び/又は床仕上げ剤を床へ塗布する方法に関する。
【0003】
いくつかの実施の形態はまた、床仕上げ組成物を床等の基材表面へ塗布するのに有用な、特有の床仕上げ剤アプリケータパッドを特徴とする。
【0004】
いくつかの実施の形態では、床仕上げ剤塗布パッドは、相互に連通する空隙の3次元方向に延びる網目を有する材料を含む。
【0005】
本発明のいくつかの実施の形態は、保護用床仕上げ剤を床へ塗布する方法であって、床仕上げ剤塗布用具を準備すること、バルブアセンブリを閉位置から開位置へ作動すること、バルブアセンブリの開位置への作動に応答して床仕上げ剤を床へ分配(dispensing:供給)すること、及び分配した床仕上げ剤を、パッドを用いて床の上で拡散することを含む、方法に関する。
【0006】
本発明のいくつかの実施の形態は、床仕上げ剤アプリケータパッドを提供し、該床仕上げ剤アプリケータパッドは、第1の側、及び該第1の側の反対にあり、該第1の側よりも流体吸収性である第2の側を有するエアフィルタ材料のシートから成る本体と、前縁と、該前縁の厚さとは異なる厚さを有する後縁とを有する。
【0007】
本発明のいくつかの実施の形態は、床仕上げ剤アプリケータパッドであって、前縁と、後縁と、エアフィルタシートであって、第1の側、該第1の側の反対にあり、該第1の側よりも流体吸収性である第2の側、及び該アプリケータパッドの前縁及び後縁の一方を少なくとも部分的に画定すると共に該エアフィルタシートの少なくとも二重層を有する折り目であって、該エアフィルタシートの第2の側が床の表面と接触(engage)するように配向される、該アプリケータパッドの第1の部分をさらに画定する、折り目を有し、該アプリケータパッドの第2の部分が該エアフィルタシートによって少なくとも部分的に画定され、第2の部分にある該エアフィルタシートの第1の側が床の表面と接触するように配向される、エアフィルタシートとを有する、床仕上げ剤アプリケータパッドを提供する。
【0008】
本発明のいくつかの実施の形態では、床仕上げ剤アプリケータパッドが提供され、該床仕上げ剤アプリケータパッドは、側面によって接合される前縁及び後縁と、地面と接触する表面とを有する本体を備え、該本体は、密度が約0.01g/cmよりも大きく約0.08g/cmよりも小さく、厚さが約0.3cmよりも大きく約2.5cmよりも小さい、フィルタ材料から成る。
【0009】
本発明のさらなる態様は、その構成及び動作と共に、添付の図面と併せて読むと本発明の以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の態様を具現するパッドを有する床仕上げ剤塗布用具の斜視図である。
【図2】本発明のいくつかの実施形態によるパッド及び仕上げ剤塗布用具ヘッドの斜視図である。
【図3】図2に示されるパッド及びヘッドの側面図である。
【図4】本発明の代替的な実施形態によるパッドの底面図である。
【図5】図4に示されるパッドの側面図である。
【図6】本発明のいくつかの実施形態によるパッドの側面図である。
【図7】本発明のいくつかの実施形態によるパッドの側面図である。
【図8】本発明のいくつかの実施形態によるパッドの側面図である。
【図9】本発明のいくつかの実施形態によるパッドの側面図である。
【図10】本発明のいくつかの実施形態によるパッドの側面図である。
【図11】本発明のいくつかの実施形態によるパッドの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のいかなる実施形態も詳細に説明する前に、本発明は、その適用が、以下の説明に記載されるか、又は添付の図面に示される構造の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、また種々の方法で実行するか又は実施することが可能である。また、本明細書で使用される表現及び用語は説明のためのものであり、限定されるものとしてみなすべきではないことを理解されたい。本明細書において、「含む(including)」、「備える(comprising)」、又は「有する(having)」、及びその変化形の使用は、その前に列挙される構成要素(item)、その均等物、及びさらなる構成要素を包含することを意味する。「取り付けられる」、「接続される」、及び「連結される」という用語は、広範に用いられ、直接的及び間接的両方の取り付け、接続及び連結を包含する。さらに、「接続される」及び「連結される」は、物理的若しくは機械的な接続又は連結に限定されず、直接的であれ間接的であれ電気的な接続又は結合を含むことができる。最後に、以下の段落で述べるように、図面に示される特定の機械的な構成は、本発明の実施形態を例示することを意図する。したがって、他の代替的な機械的な構成が可能であり、本発明の精神及び範囲内に入る。
【0012】
ここで図面の図1を参照すると、本発明の実施形態によるパッドと共に使用することができる例示的な床仕上げ剤塗布用具10が示されている。図示の用具は、床仕上げ剤を床へ塗布するように設計及び構成されている。いくつかの用途では、床仕上げ剤は、一時的であるか又は永久的な保護コーティング、典型的にはクリアコーティングを床の表面上へ提供することができる組成物であり得る。例えば、床仕上げ剤はフロアコーティング又はシーラであり得る。さらに、本発明によるパッドの様々な実施形態は、操作者が用具に加える力に関係なく、又は少なくとも広範な範囲のそのような圧力を通じて、床仕上げ剤の実質的に一貫した均一な層を床に塗布するように構成されている。本明細書には特定の用具が図示及び説明されるが、示される用具は本発明を限定するものではない。むしろ、実質的に任意の他の塗布用具を、本発明によるパッドと共に使用することができる。
【0013】
図示の床仕上げ剤塗布用具10は、床仕上げ剤塗布ヘッド12と、ヘッド12に枢動可能に取り付けられている第1の(又は遠位)端15、及び床又は他の表面に沿ってヘッド12を動かすように操作者が手で握る(engaged)ようになっている反対の第2の(又は近位)端16に隣接する部分を有する細長いハンドル14とを備える。
【0014】
図示の床仕上げ剤塗布用具10はまた、用具10からの流体の分配を制御するバルブ(図示せず)を有するバルブアセンブリ18を有する。いくつかの実施形態では、バルブアセンブリ18は、ハンドル14の第1の端15に隣接して位置決めされ、リザーバ26から床への床仕上げ剤の流れを調節するように動作可能である。バルブアセンブリ18は、バルブアセンブリ18が床への床仕上げ剤の流れを許可する開位置と、バルブアセンブリ18が床への(又はより具体的には、バルブアセンブリ18に位置決めされる導管を通る)床仕上げ剤の流れを許可しない閉位置とを有する。いくつかの実施形態では、バルブアセンブリ18は、複数の流量に対応する複数の予め定められた開位置を有することができる。バルブアセンブリ18は、複数の異なる方法で構成することができるが、図示の実施形態では、ピンチバルブ構成を有する。
【0015】
図1に示されるように、バルブアセンブリ18を作動するようにアクチュエータ20がハンドル14に連結されている。アクチュエータ20は、操作者がリザーバ26からの床仕上げ剤を制御するか又は選択的に分配することを可能にする。アクチュエータ20は、任意の好適な場所(例えばハンドル14に沿ういずれかの場所)においてハンドル14に連結することができ、複数の異なる形態(例えばレバー、ボタン、ダイアル等)をとることができる。例えば、図1に示されるように、アクチュエータ20は押しボタンであり、ハンドル14の第2の端16に位置する。しかし、他の実施形態では、アクチュエータ20は、第2の端16に隣接する複数の他の位置、又はハンドル14に沿う多くの他の位置に位置することができる。さらに、アクチュエータ20の構成も変更することができる。例えば、アクチュエータ20は、トリガ構成又は当該技術分野において既知である他の構成を有することができる。アクチュエータ20は、1つ又は複数のリンク機構、ロッド、ケーブル、他の力伝達アセンブリ等を介してバルブアセンブリ18に連結することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ20は、電子アクチュエータ(例えば電気スイッチ、ボタン等)であるか、又はこれを含み得る。また、いくつかの実施形態では、アクチュエータは必要ではない。
【0016】
図1に示されるもののようないくつかの床仕上げ剤塗布用具は、床仕上げ剤送達システム25を含む。床仕上げ剤送達システム25は、永久的であるか又は交換可能な床仕上げ剤リザーバ26を含むことができ、該リザーバ26は、例えばヘッド12に隣接する床の上の或る場所へ床仕上げ剤を方向付けるようにリザーバ26(例えばリザーバ26の開口)から延びる導管24を有する。床仕上げ剤送達システム25は、1つ又は複数のノズル、スプレーヘッド、又は流体を床の上へ送達し、またいくつかの場合では分散させるのに使用される他の機構(device)を含み得る。そのような機構は、導管24によって床仕上げ剤リザーバ25に連結することができるか、又は床仕上げ剤リザーバ26に直接接続することができる。いくつかの実施形態では、床仕上げ剤送達システム25は1回の使用のみが意図される。したがって、リザーバ26の中身がなくなると、床仕上げ剤送達システム25を新たな床仕上げ剤送達システム25と交換する。この構成によって、閉塞する可能性、及びそのような閉塞に関連する時間のかかる保守が実質的になくなる。
【0017】
リザーバ26は、複数の異なる形態をとることができる。例えば、リザーバ26は、袋、実質的に剛性の容器又はコンテナ等を含むことができる。リザーバ26は、スクリュキャップ、栓、又は他の好適な密閉機構によって閉じられる開口も有することができ、その開口を通して容器の中身を分配し、またいくつかの実施形態では再充填することができる。いくつかの実施形態では、リザーバ26には、床仕上げ剤送達システムの再利用を防止する取り外し不可能な密閉機構を設けることができ、これは、再利用に関連する閉塞の問題を防止し得る。
【0018】
図1に示される実施形態に関して上述したように、導管24が、リザーバ26の開口から床の表面に向かって延び、床仕上げ剤をリザーバ26から床へ送達することができる。導管24は複数の異なる好適な形態をとり得る。
【0019】
上述したように、ハンドル14の第2の端15はヘッド12に連結されている。具体的には、図示のハンドル14の第2の端15は、玉継手、自在継手、ヒンジ等の継手によってヘッド12に枢動可能に連結されている。ヘッド12は、床仕上げ剤塗布パッド44をヘッド12へ固定する固定構造を含むことができる。この固定構造は、面ファスナのようなメカニカルファスナ、又は固定材料、弾性掴み部材、挟み部材、ヘッドによって受け取られるポケット等の、当該技術分野において既知である実質的に任意の固定構造を含むことができる。
【0020】
床仕上げ剤塗布パッド44は、ヘッド12の形状、パッド44とヘッド12との接続方法、及びパッド44が拡散させる床仕上げ剤の種類に少なくとも部分的に基づいて複数の異なる形状を有することができる。いくつかの実施形態では、パッド44は、図1〜図3の実施形態に示すように実質的に平坦であり、同じ又は異なる厚さである1つ又は複数の層を有する材料の本体から構成することができる。しかし、他の実施形態では、パッド44は、用具10が行う特定の動き及び床仕上げ動作に適合する他の形状を有する。そのような形状の例を図4及び図5に示す。図4及び図5に示されるアプリケータパッド144は、実質的に平面的な第1の表面148と、段差のある第2の表面152と、第1のパッド部分154及び第2のパッド部分156と、それらの間の段差158とを含む。第1の部分154及び第2の部分156のいずれか又は両方は、以下でより詳細に説明する同じ又は異なる材料の単一の層から構成することができるが、所望に応じて任意の数のさらなる層から構成してもよい。例えば、図4及び図5に示される実施形態における第2の部分156は、2つの材料層から成る(comprise)ことができるが、第1の部分154は3つの材料層から成ることができる。第1の部分154は第2の部分156よりも高さが高いため、流体のよりよい拡散を促し、且つ流体がパッド144の上部にわたって流れることを阻止する。
【0021】
いくつかの実施形態では、アプリケータパッド144は、第1の表面148が床又は他の表面(以後、説明を簡単にするために単に「床の表面」又は「床」と称する)と接触するように位置決めされる。他の実施形態では、アプリケータパッド144は、段差のある第2の表面152が床と接触するように位置決めされる。いくつかの実施形態では、アプリケータパッド144が移動させる床仕上げ剤の粘度、アプリケータパッド144の吸収性等を含む複数の要因に基づいて、床を平坦な表面と接触させることが望ましいであろう。しかし、平坦ではない表面(例えば段差のある第2の表面152)が床と接触する場合、抗力の低下又は摩擦等の様々な特有の特性が生じる可能性がある。例えば、任意の特定の理論に同意するか又はアプリケータパッド144が床に対して任意の特定の向きになければならないことを示唆するものではないが、本発明者らは、床と、平坦ではない表面(例えば仕上げ剤と最初に接触する、図4及び図5に示される前面162)等のより小さい表面積とを接触させることは、小さい抗力しか生じず、結果として床仕上げ剤又は他の流体をより均一にコーティングすることができることを見出した。
【0022】
図示のアプリケータパッド144は、第1の側面164及び第2の側面166それぞれの間に延びる実質的に平坦な前面162をさらに含む。第1の角部168及び第2の角部170が、前面162と第1の側面164及び第2の側面166それぞれとの間に位置決めされている。第1の角部168及び第2の角部170は、前面162と第1の側面164及び第2の側面166との間に直角を形成し得ることによって、操作者が流体を角又は他の限定された空間へ移動させることを可能にする。
【0023】
図示のアプリケータパッド144は、後面172をさらに含む。第3の角部174及び第4の角部176を、アプリケータパッド144の後面172と第1の側面164及び第2の側面166それぞれとの間に位置決めすることができる。第3の角部174及び第4の角部176は湾曲していることができ(例えば図4を参照)、流体をアプリケータパッド144の中間まで移動させて戻し、流体の塗布中に流体が漏れること又は縞状になることを阻止することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、アプリケータパッド144は、第1の側面164及び第2の側面166間に約40cm〜約60cmの幅を有することができる。いくつかの実施形態では、アプリケータパッド144の長さは、前面162と後面172との間が約11cm〜約12cmの間である。また、いくつかの実施形態では、アプリケータパッド144の第1の部分154は、前面162と後面172との間の長さの半分未満(例えば約1/3)を延びる。他の実施形態では、第1の部分154は、前面162と後面172との間の長さの半分超(例えば約2/3)を延びる。
【0025】
いくつかの実施形態では、アプリケータパッド144は、エアフィルタ材料の1つ又は複数の層を含み、エアフィルタ材料の特性は以下でより詳細に説明する。この材料は、同様に後述する厚さを有するシート形態で見出すことができ、様々な方法で積層するか、折り重ねるか、及び/又は折り込むことによってアプリケータパッド144の様々な固有の特性を達成することができる。アプリケータパッド144の特徴に重要な影響を与え得るシート材料のいくつかの特徴は、アプリケータパッド144を構成するのに使用されるシート材料の滑らかさ及び吸収性を含む。これらの特徴はシート材料の反対の側では異なり得る。例えば、本発明によるいくつかのシート材料は、一方の側は比較的滑らかであり、反対の側は比較的粗い(すなわち、別の表面上を引きずったときに異なる摩擦抵抗を生じる)。別の例として、これらの及び他のシート材料は、より流体透過性であり且つ/又は別の側よりも流体吸収性のある一方の側を有することができ、またいくつかの場合では、流体不透過性であるか又は実質的に流体不透過性の一方の側と、流体透過性である反対の側を有することができる。これから説明するように、本発明のいくつかの実施形態によるアプリケータパッドの構成は、シート材料の対向する両側に異なる特性を有するシート材料(例えばエアフィルタシート材料)を使用することに少なくとも部分的に基づく。
【0026】
本発明による、さらなる平坦ではないアプリケータパッドの実施形態が図6〜図11に示される。図6〜図11に示される実施形態は、それぞれ異なる100番台の符号が付してある(244、344、444、544、644、744)。これらの実施形態では、アプリケータパッド244、344、444、544、644、744は、アプリケータパッド244、344、444、544、644、744の表と裏との間に異なる高さ又は異なる構成を有する。いくつかの実施形態では、シート材料の対向する両側に異なる特性(例えば上述のような滑らかさ及び/又は吸収性)を有するシート材料を使用する。
【0027】
図6の実施形態を参照すると、図6に示されるアプリケータパッド244は、第1の長さの材料278及び第2の長さの材料280を含む。いくつかの実施形態では、この第1の長さの材料及び第2の長さの材料は、同じ又は同様の種類の(すなわち同じ又は同様の特性を有する)シート材料から構成することができる。第1の長さの材料278は、半分に折り重ねられ、折り曲げ端282及び開放端284を形成し、第2の長さの材料280は開放端284を覆うように折り重ねられる。アプリケータパッド244は、上述したアプリケータパッド144と同様に平坦ではない表面によって床と接触することができる。第1の長さの材料278は、第2の長さの材料280と同じであっても又は異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の長さの材料278は第2の長さの材料280と同じである。しかし、図6の示される実施形態における両方の長さの材料278、280は、異なる特性を有する第1の側286及び第2の側288を含む。例えば、第1の側286は、実質的に流体不透過性である表面を有することができるが、第2の側288は、より良好な拡散能力も有することができるより流体吸収性の表面を有することができる。概して、第2の側288のより流体吸収性の表面は、第1の側286の表面よりも粗い(いくつかの場合ではよりソフトである)場合がある。換言すると、第1の側286の実質的に流体不透過性の又はあまり流体透過性ではない表面は、第2の側288の表面よりも滑らかである(いくつかの場合ではあまりソフトではない)場合がある。床が、パッド244の異なる部分にある第1の側286及び第2の側288の両方と接触することによって、少ない抗力で流体をより均一に拡散させることが可能となり得る。これに関して、流体は、第2の長さの材料280内に少なくとも部分的に吸収されると共にこれによって押されることができるが、その間、第2の長さの材料のあまり流体吸収性ではない(またいくつかの場合では流体不透過性である)露出側によって、第1の長さの材料278に吸い込まれる(loading)ことが防止される。
【0028】
図6に示される第1の長さの材料278及び第2の長さの材料280の両縁は、図6では互いに実質的に垂直に位置合わせされているが、そのような位置合わせは必要ではない。例えば、他の実施形態では、第2の長さの材料280の上縁及び下縁は、第1の長さの材料278の上部及び下部それぞれの任意の部分を覆うことができ、依然として、第2の長さの材料280が第1の長さの材料278の開放端284を覆うように折り重なるアプリケータパッド244をもたらす。別の例として、第1の長さの材料278の対向する両縁は互いからずらすことができるが、依然として、直前に述べたようなアプリケータパッド244をもたらす。さらに、上述の第1の長さの材料278には1つの折り目しか示されていないが、第1の長さの材料278には任意の数のさらなる折り目を設けることができ、依然として、上述したような比較的滑らか且つ/又は流体不透過性の外面を有するアプリケータパッド244を提供する。
【0029】
図7に示されるアプリケータパッド244は、第1の長さの材料378が折り重ねられるのではなく2つの別個の片378a、378bに切断されるという点で図6のアプリケータパッド244とは異なる。いくつかの実施形態では、片378aは片378bと同じ材料である(すなわち同じ特性を有する)が、他の実施形態では、片378aは片378bとは異なる材料である。さらに、片378aは、比較的流体吸収性ではない(またいくつかの場合では滑らかな)第1の側386が床と接触し、より粗い(またいくつかの場合ではよりソフトな)より吸収性のある第2の側388が概ね床とは面しないように配向される。片378bは片378aと同じように配向することができるか、又は反対に配向することができる。片378bの向きは本発明のいくつかの実施形態では片378aの向きほど重要ではない場合があることをさらに示すために、片378bの向きは図7には示されていない。第2の長さの材料380は、第1の側386が片378a、378bと接触し、第2の側388が床と接触するような向きで、片378a、378bを覆うように折り重ねられる。ここでは、図7の実施形態の特徴及びその代替形態に関するさらなる説明については、図6の実施形態を参照するものとする。
【0030】
図8に示されるアプリケータパッド444は、第1の端490及び第2の端492を有し、半分に折り重ねられて折り曲げ端482及び開放端484を有する折り重ねられた部分494を形成する第1の長さの材料478を含む。第1の端490及び第2の端492は開放端484において第1の長さの材料上で折り返されて、二重に折り重ねられた部分496をそれぞれ形成する。図6及び図7と関連して上述した長さの材料と同様に、図8の示される実施形態の長さの材料478は、異なる特性を有する第1の側486及び第2の側488を含む。例えば、第1の側486は、実質的に流体不透過性である実質的にあまり吸収性ではない表面を有し、第2の側488は、より粗い(またいくつかの場合ではよりソフトな)より流体吸収性の表面を有することができる。したがって、図8に示されるアプリケータパッド444の折り重ねられた部分494は、床と接触する滑らかな第1の側486と、床から離間する粗い第2の側488とを含み、二重に折り重ねられた部分496は、第1の側486が床から離間した状態で第2の側488を床と隣接して位置決めする。床が、パッド444の異なる部分にある第1の側486及び第2の側488の両方と接触することによって、少ない抗力で流体をより均一に拡散させることが可能となり得る。これに関して、流体は、第1の長さの材料478の二重に折り重ねられた部分496内に少なくとも部分的に吸収されると共にこれによって押されることができるが、その間、第1の長さの材料478の折り重ねられた部分494のあまり流体吸収性ではない(またいくつかの場合では流体不透過性である)露出側によって、第1の長さの材料478の折り重ねられた部分494に吸い込まれることが防止される。
【0031】
図8に示される第1の長さの材料478の両端490、492は、図8では互いに実質的に垂直に位置合わせされているが、そのような位置合わせは必要ではない。例えば、他の実施形態では、第1の長さの材料478の両端490、492は、折り重ねられた部分494の任意の部分を覆うことができ、依然として、より粗い且つ/又はより流体透過性であると共に吸収性の側488が露出している二重に折り重ねられた部分496と、より滑らか且つ/又はあまり流体透過性ではない(またいくつかの実施形態では流体不透過性の)側486が露出している折り重ねられた部分494とを有するアプリケータパッド444がもたらされる。さらに、折り重ねられた部分494は、1つのみの折り目を有するものとして図8に示されているが、同じ又は異なる長さの任意の数のさらなる折り目を有することができ、依然として、上述したような比較的滑らか且つ/又は流体不透過性の外面を有するアプリケータパッド444を提供する。また、二重に折り重ねられた部分496は、アプリケータパッド444の上部及び底部にそれぞれ1つのみの折り目を有するものとして図8に示されているが、同じ又は異なる長さの任意の数のさらなる折り目をアプリケータパッド444の上部及び/又は底部のそのような場所に配置することができ、依然として、上述したような比較的粗い且つ/又は流体透過性の外面を有するアプリケータパッド444を提供する。
【0032】
図9に示されるアプリケータパッド544は、第1の長さの材料578の1つの端590(例えば下端590)のみが自身に折り重ねられる点が、図8のアプリケータパッド444とは異なる。図8のアプリケータパッド444と同様に、第1の長さの材料578を半分に折り重ねて、折り曲げ端582及び開放端584を有する折り重ねられた部分594を形成する。第1の端590は、開放端584において折り返されて第1のシート材料578に対して折り重ねられ、二重に折り重ねられた部分596を形成する。したがって、折り重ねられた部分594は、床と接触する滑らか且つ/又はあまり流体透過性ではない第1の側586と、床から離間している、より粗い(またいくつかの場合ではよりソフトな)且つ/又はより流体透過性であると共に吸収性の第2の側588とを含み、二重に折り重ねられた部分596は、床から離間している、滑らか且つ/又はあまり流体透過性ではない第1の側586と、床と接触するより粗い且つ/又はより流体透過性である第2の側588とを含む。ここでは、図9の実施形態の特徴及びその代替形態に関するさらなる説明については、図8の実施形態を参照するものとする。
【0033】
図10に示されるアプリケータパッド644は、アプリケータパッド644が1つの折り目しか含まないという点において図8のアプリケータパッド444とは異なる。図10に示されるアプリケータパッド644は、第1の端690及び第2の端692を有する第1の長さの材料678を含む。第1の端690は、第1の長さの材料678に対して折り重ねられ、折り曲げ端682及び開放端684を有する折り重ねられた部分694を形成する。図6〜図9と関連して上述した長さの材料と同様に、図10に示される実施形態における第1の長さの材料678は、異なる特性を有する第1の側686及び第2の側688を含む。例えば、第1の側686は、実質的に流体不透過性である実質的に滑らかな表面を有することができ、第2の側688は、より粗い(またいくつかの場合ではよりソフトな)より流体吸収性の表面を有することができる。図10に示されるアプリケータパッド644の折り曲げ端682は床と接触する粗い第2の側688を含み、開放端684は、床と接触する、より滑らかなあまり流体透過性ではない第1の側686を含む。床が、パッド644の異なる部分にある第1の側686及び第2の側688の両方と接触することによって、少ない抗力で流体をより均一に拡散させることが可能となり得る。これに関して、流体は、第1の長さの材料678の折り曲げ端682内に少なくとも部分的に吸収されると共にこれによって押されることができるが、その間、第2の端692において床の表面に面する第1の長さの材料678のあまり流体吸収性ではない(またいくつかの場合では流体不透過性である)側によって、第1の長さの材料678の第2の端692に吸い込まれることが防止される。図10に示される実施形態において第1の長さの材料678が自身に折り重ねられる結果、アプリケータパッド644の幅の半分未満に沿って延びる厚さが2倍になるが、第1の長さの材料678はその代わりに、アプリケータパッド644の幅の少なくとも半分、またいくつかの場合では半分超が2倍の厚さを有するように折り重ねてもよい。
【0034】
図11に示されるアプリケータパッド744は、図11の第1の長さの材料778がアプリケータパッド744の幅にわたって2倍の厚さを有するように折り重ねられるという点で、図9のアプリケータパッド544とは異なり、図9の第1の長さの材料578は、アプリケータパッド544の端584において(第1の端590が上述のように自身に折り重ねられることによって)3倍の厚さを有するように折り重ねられる。図11に示されるアプリケータパッド744の第1の長さの材料778は、第1の端790及び第2の端792を有する。第1の端790は、第1の長さの材料778に対して折り返されて、第1の折り曲げ端782aを有する第1の折り重ねられた部分784aを形成し、第2の端792は第1の長さの材料778に対して折り返されて、第2の折り曲げ端782bを有する第2の折り重ねられた部分784bを形成する。図6〜図10と関連して上述した長さの材料と同様に、図11の示される実施形態の第1の長さの材料778は、異なる特性を有する第1の側786及び第2の側788を含む。例えば、第1の側786は、実質的に流体不透過性である(またいくつかの場合では実質的に滑らかな)表面を有することができ、第2の側788は、より粗い(またいくつかの場合ではよりソフトな)より流体吸収性の表面を有することができる。床の表面が、パッド744の異なる部分にある第1の側786及び第2の側788の両方と接触することによって、上述したように少ない抗力で流体をより均一に拡散させることが可能となり得る。
【0035】
図11に示される第1の長さの材料778の対向する両端790、792は、図11では互いに実質的に垂直に位置合わせされているが、そのような位置合わせは必要ではない。例えば、他の実施形態では、第1の長さの材料778の両端790、792は、第1の長さの材料778の任意のそれぞれの部分を覆うことができ(すなわちアプリケータパッド744の幅の任意の部分にわたって延びることができ)、依然として、より粗い(またいくつかの場合ではよりソフトな)且つ/又はより流体透過性であると共に吸収性の側788が露出している第1の折り重ねられた部分784aと、より滑らか且つ/又はあまり流体透過性ではない(またいくつかの実施形態では流体不透過性の)側786が露出している第2の折り重ねられた部分784bとを有するアプリケータパッド744がもたらされる。さらに、折り重ねられた部分784a、784bは1つの折り目しか有しないものとして図11に示されるが、折り重ねられた部分784a、784bのいずれか又は両方は、同じか又は異なる長さの任意の数のさらなる折り目を有することができる。アプリケータパッド744の一方の側に露出しているより粗い(またいくつかの場合ではよりソフトな)且つ/又はより流体透過性であると共に吸収性の側788と、アプリケータパッド744の反対の側に露出しているより滑らか且つ/又はあまり流体透過性ではない(またいくつかの実施形態では流体不透過性の)側786とをそれぞれ画定する折り重ねられた部分784a、784bを有するアプリケータパッド744の利点は、アプリケータパッド744をひっくり返して、床の表面に対して同じか又は同様のアプリケータパッド構造を提示することができることである。したがって、(アプリケータパッド744の一方の側が汚れるか又は別様に所望の程度まで使用されると)そのような実施形態のアプリケータパッド744をひっくり返して再び使用することができる。ひっくり返されるパッドを接続するのに必要ないかなるファスナも損傷を受けていないのであれば、本明細書において開示される本発明の他の実施形態によるパッド(例えばパッド244、344、444)にも同じことが言える。
【0036】
本発明の様々な実施形態によるアプリケータパッド44、144、244、344、444、544、644及び744は、後述する性能及び材料特徴を有する複数の異なる材料から構成することができる。例として、そのようなアプリケータパッド44、144、244、344、444、544、644及び744は、繊維状材料、ウェブ、発泡体及び他のスポンジ状材料、プラスチック要素等から構成することができる。例示的な床仕上げ用仕上げ材料としては、ポリエステル繊維、レーヨン、綿、ウール、ポリオレフィン、ナイロン等のポリアミド及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本発明の様々な実施形態によるアプリケータパッド44、144、244、344、444、544、644及び744は、後述する材料特徴を有する材料を製造するのに好適な複数の既知の技法を使用して作製することができる。
【0038】
本発明の様々な実施形態によるアプリケータパッドの発展形態(development)では、複数の清掃パッド、布及びフィルタを、均一な床仕上げ剤の分散及び不均一な表面を平坦化(leveling)することに関して試験した。これらの材料は、床仕上げ剤を表面上で分散させるために使用した場合、予期せぬ結果を示した。最初の2つの材料は、Ahlstrom Corporation(Helsinki, Finland)から入手可能な、HF 40 HS1S(以下「HF40」)及びHF32Dという商品名(product designation)で入手可能なエアフィルタ材料であり、3つ目の材料は、Nox-Bellcow(Zhongshan, China)から入手可能なエアフィルタ材料(以下「Nox」)である。エアフィルタ材料が、従来のスクラブパッド及びアプリケータパッドと同程度優れた又はこれらよりも良好な機能を果たすことは、予期せぬことであると共に驚くべきことであった。床仕上げ性能を改善し得る材料特性を求めるために、様々な試験を行い、これらの3つのエアフィルタ材料、並びに市場で容易に入手可能な多くのスクラブパッド及びアプリケータパッドに関して材料特性を求めた。例えば、これらの材料を、密度、摩擦、圧縮抵抗、多孔度、拡散、吸収性等に関して様々な従来のパッドと比較した。
【0039】
摩擦/抗力
試験中、エアフィルタ材料(すなわちHF40、HF32D及びNox)が、達成されるコーティングの質を損なうことなく抗力を驚くほど劇的に低下させたことが観察された。したがって、これらの観察結果を試験するために様々な試験を行った。具体的には、種々の従来の材料に関して同じ表面上で摩擦係数を計算し、エアフィルタ材料と比較した。3つの異なる試験を行った。1つの試験では、共通の表面に対する乾燥摩擦係数(静及び動)を求めた。2つ目に、共通の表面に対する湿潤摩擦係数(静及び動)を求めた。3つ目に、James Machineを使用して静摩擦係数を測定した。
【0040】
上記の第1の摩擦試験及び第2の摩擦試験の両方に関して、直径が6インチである材料のサンプルを、Precision Force Instrumentを使用して規定の垂直力(Z力)下で、コーティングしたタイル表面(JohnsonDiversey, Inc.から入手可能なCarefree(登録商標)床仕上げ剤の4層コーティングを有する、Armstrong製の黒色VCT)上で別々に引きずった。試験の1サイクルには、パッドをタイルの片側からタイルの反対側まで移動させること、及び次いで、パッドをタイルを横切って反対方向に移動させることが含まれていた。各パッドは、サイクル間に休止を挟んで、タイル上で2サイクル引きずった(合計4回の通過)。実行中に、パッドの位置と、実行時間と、水平力(X)及び垂直力(Z)の両方とが、1秒当たり100データ点の速度で記録された。各通過の開始時にパッドがタイル上を移動し始めたとき、水平(X)方向の第1のピーク力(すなわち静的力)が検出され、パッドがタイル上を移動している間に、水平(X)方向のより低い力(すなわち動的力)が検出された。(全ての通過を通した)平均摩擦係数及び第1のピーク(静的)時の摩擦係数を、平均X力(全ての通過)を平均Z力(全ての通過)で除算すること、及び第1のピーク時のX力(静的)をその時点のZ力で除算することによってそれぞれ計算した。平均の係数は、非常にわずかだけ高いものとし、動的係数としてみなすことができる。乾燥試験の場合、材料は濡らさなかった。湿潤試験の場合、使用条件を部分的にシミュレートするために材料を25mLの水で濡らした。このデータが、以下の表I(湿潤)及び表I(乾燥)に含まれる。
【0041】
【表1】

【0042】
最小の静摩擦係数値を有するサンプルはフィルタ材料(HF40)であった。表I(湿潤)における結果から、HF40フィルタ材料は、湿潤時、約0.39の静摩擦係数及び約0.24の動摩擦係数を実証し、これらは他の試験材料よりも実質的に低かった。HF32Dフィルタ材料は、湿潤時、約0.45の静摩擦係数及び約0.26の動摩擦係数を実証し、これは他の試験材料よりも実質的に低かった。表I(乾燥)における結果から、HF40フィルタ材料は、乾燥時、約0.38の静摩擦係数及び約0.28の動摩擦係数を実証し、これらは他の試験材料よりも実質的に低かった。
【0043】
本発明者らは、本発明によるいくつかのパッドの実施形態において、上記試験方法に従って試験した静摩擦係数が約0.75未満であることを発見した。いくつかの実施形態では、静摩擦係数は約0.55未満である。さらに他の実施形態では、この静摩擦係数は約0.45未満である。
【0044】
上記のように、材料はJames Machine試験(ASTM D−2047)を使用することによっても試験した。この試験は一般的に、安全対策として標準的な「シュー(shoe)」に対する研磨コーティングしたフローリング表面の静摩擦係数を測定するために使用される。具体的には、この試験は通常、「シュー」としての金属板に取り付けられた一切れの革を使用し、規定の垂直力下で床の表面の上に「シュー」を置く。次いで、シューが上記力下で滑るまで床材料を横方向に動かす。シューが床に対して滑った点が、静摩擦係数の尺度となる。
【0045】
James Machine試験はまた、変更を加えていない(すなわちさらなるコーティングを塗布していない)12インチ×12インチのArmstrong製の新たな黒色ビニル複合タイルに対するこれらの材料それぞれに関する静摩擦係数を求めるように適合された。この変更を加えた試験では、3インチ×3インチの材料サンプルを「シュー」に取り付けた。試験と試験との間に、新たなタイルを、タイルからいかなる粒子も除去するために不織(non-link)ティッシュで軽く拭いた。パッド材料の平均静摩擦係数が以下の表IIに含まれる。
【0046】
【表2】

【0047】
本発明者らは、床仕上げ剤を塗布するときに受けるモップの抗力は、上記の変更を加えたJames Machine試験からの結果と同じ傾向を有することを発見した。しかし、Nox-Bellcow製の材料の場合、材料の、より滑らかな表面を有する側が、おそらくは極めて高い圧力(約8.9ポンド/平方インチ)(塗布中にパッドにかかるヘッドの圧力(約0.02ポンド/平方インチ〜0.2ポンド/平方インチ)よりも何倍も高いという結果である)下でその表面がタイルに食い込む(biting)ことに起因する或る程度の(an amount)摩擦を呈することに気がついた。本発明者らは、本発明によるいくつかのパッドの実施形態において、変更を加えたJames Machine試験法に従って試験した静摩擦係数が約0.32未満であるべきであることを発見した。より好ましい実施形態では、静摩擦係数は約0.28未満である。さらにより好ましい実施形態では、この静摩擦係数は約0.26未満である。
【0048】
密度
上記のように、密度がエアフィルタ材料の場合に注目される性能特徴を提供するのに役立つか否かを判断するために、種々の材料に関して密度も測定した。可能な床仕上げ用パッドの多くを様々な状況下で試験し、所望の床仕上げ剤塗布結果をもたらすパッドのいくつかの材料特性を求めた。サンプル積層体を2枚の板間に挟み、ASTM D6571に従ってサンプル積層体の高さを測定した。サンプル積層体の重量も測定し、これらのパラメータを使用してサンプルの体積及び密度を計算した。このデータを収集し、以下の表IIIに列挙した。サンプルのばらつきによる効果を低減するために、同じ材料を積層した複数の層を用いて全てのサンプルを試験したことに留意されたい。
【0049】
【表3】

【0050】
試験データに記されるように、好ましいフィルタ材料は約0.036〜約0.046の材料密度を有していた。材料密度は、抗力、多孔度及び吸収性にいくらかの影響を与えると考えられる。したがって、本発明者らは、実験を通して、約0.01g/cm〜約0.08g/cmである、本発明の様々な実施形態によるアプリケータパッドの許容可能な密度値の範囲が望ましいことを発見した。許容可能な密度値の第2のより狭い範囲は、約0.025g/cm〜約0.06g/cmである。密度値のより好ましい範囲は、
約0.035g/cm〜約0.05g/cmである。
【0051】
厚さ
全体的なパッド高さが、本発明によるアプリケータパッドの別の重要な材料特性であり得る。後述するように、好ましい範囲の高さすなわち厚さは、(1)不均一な床にわたって良好な結果を提供し、且つ(2)使用時に仕上げ剤が用具ヘッド12の上部へ流れることを阻止することができる。本発明者らは、約0.3cm〜約2.5cmである、本発明のいくつかの実施形態によるアプリケータパッドの高さが望ましいことを発見した。より好ましい実施形態では、高さは約0.6cm〜約2.0cmである。最も好ましい実施形態は約0.9cm〜約1.5cmの高さを有する。本明細書に記載されると共に試験される3つのフィルタ材料HF40、HF32D及びNox材料は全て比較的薄いものであった。所望の効果を達成するために、試験においてこれらの材料の複数の層を使用した。
【0052】
圧縮抵抗
本発明者らはまた、圧縮抵抗がアプリケータパッドの性能を示すことができる別の材料特性であることを発見した。例えば、材料の圧縮抵抗が高くなるほど、塗布される床仕上げ剤はコーティング重量においてより一貫すると共に均一になる傾向があることが分かっている。材料の圧縮抵抗を求めるために可能な1つの試験がASTM D6571試験である。この試験は、パッドへ質量を加え、且つパッドから質量を取り除くという複数の段階を含み、対象の材料の圧縮と、質量を取り除いた後の材料の弛緩とを求める。以下の表IVは、HF40材料及び上述の他の材料の試験中に用いたパッド材料のサイズ及び質量値のまとめを示す。
【0053】
【表4】

【0054】
上述のASTM D6571試験中に最初のパッド高さを測定し、質量をパッド上に位置決めした直後に再びパッド高さを測定し、次いで、質量をパッドに載せたまま10分経過した後、3回目の測定を行った。次いで質量を取り除き、高さを直ちに測定し、質量をパッドに載せないまま10分後に再び測定した。これらのステップ(以下に示されるA〜F)をASTM D6571手順に従って測定し、本来のASTM D6571試験から変更した後続のステップ(G’〜J’)を異なる時間にわたって繰り返した(表Vにはプライム記号(’)を付けて記す)。例えば、G’は、上記試験において指定されている24時間ではなく、質量をパッド上に2時間にわたって置いた後3回目に測定したものであり、J’は、1時間の経過ではなく30分の経過後に測定したものである。この試験から収集したデータが以下の表Vに含まれる。
【0055】
【表5】

【0056】
これらの結果から、3つの変数:L、M及びL−2hrを計算した。Lは圧縮抵抗であり、質量をサンプル積層体(複数の層の積層体)上に10分間位置決めした後のサンプル積層体の高さを、最初の質量がない状態の高さで除算したものに100を乗算したものに等しい。Mは弾性損失であり、最初の質量がない状態の高さと、10分後の弛緩した高さとの差を、全て最初の質量がない状態の高さで除算したものに100を乗算したものに等しい。L−2hrは、2回目に質量を加えて2時間が経過した後のサンプル積層体の圧縮抵抗である。具体的には、L−2hrは、質量を2時間加えた後の高さを、質量を取り除いて10分後に回復した高さで除算したものに100を乗算したものに等しい。まとめると、表Vから読み取ると、式は、L=100×C/A、M=100×(A−E)/A及びL−2hr=100×G’/Eである。計算値L、M及びL−2hrを含むデータをまとめたものが以下の表VIに含まれる。
【0057】
【表6】

【0058】
表VIのデータは、HF40パッドが、圧縮に付される時間の長さに応じて約75〜約77の圧縮抵抗を有することを示す。これらのフィルタ材料は最高の圧縮抵抗試験値を有しないが、測定値は許容可能である。
【0059】
液体吸収力
操作者は、床の研磨又は仕上げを終えると、通常は用具10を床から持ち上げる。パッドを床から持ち上げた後、パッドから最小限の流体しか落下しないのが望ましい。(例えばパッド内の)流体を落下させるか又は保持する材料の傾向を示す性質が、液体吸収力(LAC)である。LAC試験(INDA及びEDANAが共同で公表する標準的な試験方法:WSP10.1(05))は、材料を流体中に1分間浸漬すること、続いて材料を取り出すこと、及び材料から流体を2分間落下させることを含む。乾燥サンプルの質量(Mk)を試験前に測定し、湿潤サンプルの質量(Mn)を試験後に測定する。LACパラメータは、乾燥サンプルの質量(Mk)と、湿潤サンプルの質量(Mn)とを比較するものである。LAC(パーセント)の式は、LAC%=(Mn−Mk)×100%/Mkである。本発明に関して、サンプル材料当たり試験を5回繰り返し、LAC%を計算した。様々なサンプルのLACが以下の表VIIに含まれる。
【0060】
【表7】

【0061】
表VIIの結果によると、HF40サンプルは、1362%の平均LAC%を有し、Noxサンプルは1185%の平均LAC%を有していた。示されるように、エアフィルタ材料は、試験した他のサンプルのいずれよりも高いLAC%を有していた。本発明者らは、本発明のいくつかの実施形態において、床仕上げ材料の良好な拡散を促し、且つ/又はフロアポリッシュの落下を阻止するために、液体吸収力が高いことが望ましいであろうことを発見した。本発明者らは、少なくとも約500%のLACを有するアプリケータパッド材料が望ましいことを発見した。しかし、本発明者らはまた、少なくとも約900%のLACを有するようなアプリケータパッド材料がより望ましいことを発見した。最後に、本発明者らはまた、少なくとも約1100%のLACを有するようなアプリケータパッド材料が最も望ましいことを発見した(例えばHF40及びNoxフィルタ材料等のエアフィルタ材料)。
【0062】
多孔度
性能を示す別の材料特性が多孔度であり得る。理論的には、多孔度が低い材料がより良好な塗布結果を提供するはずである。しかし、多孔度は、抗力及びLACと十分にバランスを取らなければならない。
【0063】
不透明度が、多孔度を比較的示し得ることが想定される。不透明度は、材料によって遮断される、すなわち材料を通過することができない光の量である。不透明度は、材料内の空所を測定することによって材料の多孔度を示すことができる。材料の不透明度(すなわち遮断されるバックグランドの量)が高いほど、材料の多孔度は低くなる。したがって、アプリケータパッド材料のより高い不透明度値を材料のより低い多孔度と関連付けることができる。低いレベルの材料の多孔度は通常、床に対する床仕上げ剤の一貫した均一な層において良好な役割を果たす。したがって、アプリケータパッド材料のより高い不透明度値が望ましい場合がある。
【0064】
本発明に関連するアプリケータパッド材料の試験において、変更を加えたWSP 60.4「不織布不透明度(Nonwoven Opacity)の標準的な試験方法」を使用した。いくつかのサンプルの不透明度を求めるために、試験は、Lenetaカード(大口径反射率機器測定に十分大きい黒色領域及び白色領域の組み合わせを有するチャート)の黒色領域の反射係数(明度測定、L)、及び同じ黒色領域に配置される被試験材料の1枚のシートの反射係数(明度測定、Ls)を測定した。各材料の5つのサンプルを試験し、各サンプルのL値を平均し、次いで黒色シートのL値と比較した。明度測定値(Ls−L)の変化、黒色シートの明度測定値(L)とサンプルの明度測定値(Ls)との差を測定し、以下の表VIIIに含めた。不透明度は一般的にサンプルの厚さ(T)に基づいて変化するため、各サンプルの厚さも測定した(表IIIを参照)。最後に、式(Ls−L)/Tを使用して不透明度を計算し、以下の表VIIIに含めた。なお、この試験に関して、各材料は光を実質的に等しく反射することが想定される。
【0065】
【表8】

【0066】
上述のHF40材料は、不透明度の変化が約120L/cmであり、Noxサンプルは変化が約131L/cmであった。本発明者らは、いくつかの実施形態において、約55L/cm以上の不透明度値が望ましいことを発見した。他の実施形態では、本発明者らは、アプリケータパッド材料の望ましい不透明度値が約100L/cm以上である(例えば上述のHF40及びNox材料等のポリエステルエアフィルタ材料)ことを発見した。
【0067】
本発明者らが観察した1つの興味深い態様は、多孔度が高い材料が、薄いか又は通常の厚さのコーティングを塗布する場合よりも極めて厚いコーティングを塗布する場合においてより良好な性能をもたらすことである。材料の多孔度が高いほど、床に塗布される床仕上げ剤のコーティングは厚くなる。したがって、極めて厚いコーティングが望まれる用途では、HF32D等のより低い不透明度値のパッド材料が望ましいであろう。
【0068】
拡散
床仕上げ剤に影響を与え得る別の材料特性は拡散特徴である。拡散特徴が高ければ、アプリケータパッドは、床の表面上に流体をより均一に分散させることができる。本発明の実施形態に関連するアプリケータパッド材料のサンプルを、無塵室で使用されない不織布の動的拭き取り効率を求めるASTM D6702標準試験方法の変更を加えたバージョンを用いて試験した。これらのサンプルを、96mm×74mmの面積を有するように切断し、994gの重量である重量ブロックに取り付けてサンプルブロックを形成した。このサンプルブロックを、仕上げ剤の2層のコーティングが既に塗布されている白色ビニル複合タイル(VCT)の上部に置いた。サンプルブロックの長縁をタイルの縁と位置合わせした。サンプルブロック上にあるパッドの拡散特徴を示すために、少ない割合の染料を床仕上げ剤に加えた。染料を含む定量の床仕上げ剤を、ピペットを用いてサンプルブロックの正面に置いた。次に、サンプルブロックをタイルの反対の側へ向かって約3秒〜4秒徐々に動かし、約225mmの距離を移動させた。床仕上げ剤中に、2つの異なる濃度の染料(すなわち床仕上げ剤中0.02%の染料及び0.05%の染料)を使用した。第1の試験においては0.5mLの仕上げ剤を使用し、第2の試験においては1mLの仕上げ剤を使用し、第3の試験においては1.5mLの仕上げ剤を使用した。
【0069】
試験した各アプリケータパッド材料の水平方向の拡散パターン(すなわち、タイルに沿った床仕上げ剤の幅)を測定し、被試験材料の拡散能力を間接的に測定した。タイル上に拡散した床仕上げ剤の幅を、仕上げ剤の拡散開始時、仕上げ剤の拡散の中間時点、及び仕上げ剤の拡散の終了時に測定した。パッド上の床仕上げ剤の幅も様々な時点で測定し、最大の幅を記録した。パッド上の最大の幅を開始時のタイル上の幅で除算することによって拡散を計算した。終了時のタイル上の幅を開始時のタイル上の幅で除算することによって、各材料によるタイル上での床仕上げ剤の拡散がどの程度効率的であるかを示した。この試験の結果を以下の表IXに示す。
【0070】
【表9】

【0071】
このデータは、HF40エアフィルタ材料が、Glit98白色パッドよりも効率的に床仕上げ剤を拡散することを示す。これを示す1つの方法は、試験毎に、タイル上の終了時の拡散値と開始時の拡散値とを比較することであり、この比較はタイル上の終了時の幅を開始時の幅で除算することである。表IXの値から計算すると、HF40パッドの平均値は1.78であり、Glitパッドの平均値は1.15であった。HF40パッドの値はGlitパッドの値よりも高いため、HF40パッドによって、床仕上げ剤が改良された方法でさらに拡散される。
【0072】
拡散性能を示す別の方法は、開始時点と終了時点との間の仕上げ剤拡散角度を計算することである。開始時点の幅と終了時点の幅との差の半分の量を移動した長さで除算し、この非の逆正接を計算した。開始時点と中間時点との間の仕上げ剤拡散の角度を同様に計算し、以下の表Xの、「全行程」と題された行にある開始時点と終了時点との間の拡散角度と共に、「最初の半分」と題された行に含める。
【0073】
【表10】

【0074】
表Xのデータが示すように、HF40の拡散能力又は拡散する角度は、Glitパッドよりも優れている。したがって、HF40パッドは、試験条件下において、表IX及びXに示されるようにGlitパッドよりも迅速且つ均一に床仕上げ剤を拡散させた。本発明者らは、本発明のパッドのいくつかの実施形態において、(パッドが飽和しすぎていない場合に)約2度よりも大きい平均拡散角度を有する材料が有利且つ望ましいことを発見した。
【0075】
平坦化
床仕上げ剤に影響を与え得る別の材料特性は、アプリケータパッド材料の平坦化特徴である。平坦化特徴が高ければ、アプリケータパッドは床に比較的滑らかなコーティングを残すことができる。理論的には、磨耗性が少なくより滑らかな材料表面がより良好な平坦化性能を提供するはずである。しかし、そのような表面特徴は、抗力によって十分に釣り合いを取られるはずである。
【0076】
残念ながら、標準的な磨耗試験(例えば米国特許第4,078,340号明細書に記載されている3M/ST試験方法によるシーファー値、及び磨耗に対するプラスチック材料の耐性についての、ASTM D1242によって測定した重量損失)による重量損失測定値は、磨耗特徴が低いものからないものまである好適なパッド材料にとっては非常に低い。したがって、本発明者らは、高光沢コーティングの摩擦磨耗擦傷抵抗についての、ASTM D6279からの変更を加えた方法を使用した。特に、この方法は、コーティングしたタイル上でパッド材料を引きずることによって生じる光沢示度数(reading)の減少を測定するように適合された。各材料の試験の際に、4.5インチ径の材料サンプルを、Precision Force Instrumentを使用して5ポンドの規定の垂直力(Z力)下で、コーティングしたタイル(室温で3週間老化させた、JohnsonDiversey, Inc.から入手可能なSignature(登録商標)床仕上げ剤の6層コーティングを有する黒色のArmstrong製タイル)上で50rpmで回転させながら移動させた。パッド移動の開始時の不均一な抗力(より高い抗力)の影響を回避するために、各パッドを試験タイルの外側に置き、タイルの全長にわたって、試験領域の反対側の外側まで移動させ、次いで、タイル張りされた試験領域を横切るように反対方向に移動させて開始位置まで戻した。これらの試験において、各パッドを、この全試験サイクル中に50rpmで回転させた。各パッド材料の2片を試験し、試験前後の光沢示度数を測定し、以下の表XIにまとめた。
【0077】
【表11】

【0078】
試験した3つの材料のうち、3M 5100赤色パッドが最も磨耗性が高く、シーファー値が0.1グラムである(供給元:3M社製品のシート)。本発明者らは、行った試験に基づいて、好適なパッド材料は3M赤色パッドよりも磨耗性が低いべきであることを発見した。表XIのデータが示すように、好ましいパッド材料は10ポイント未満の光沢損失、すなわち光沢示度数の変化しか生じない。より好ましい実施形態では、光沢損失は約5未満である。さらにより好ましい実施形態では、この光沢損失は約2未満である。
【0079】
本発明の様々な実施形態によるアプリケータパッドは、床用用具に関して従来のアプリケータパッドに勝る優れた性能結果を提供することが本発明者らによって見出されている特性の特定の組み合わせを有する。そのような特性は、上述のような特性を含み、これらに関しては本発明者らが試験を行った。本発明者らは、特性の特定の組み合わせ(すなわち上述の材料特徴及び性能特徴)によって、従来の床仕上げ剤用具のアプリケータパッドと比較して有意な改善がもたらされることを発見した。1つのそのような組み合わせは、特に上記で言及した範囲内の湿潤摩擦係数(動的−平均であれ、又は静的−第1のピークであれ)及びLAC及び/又は不透明度である。別のそのような組み合わせは、特に上記で言及した範囲内のパッド材料密度及びLAC及び/又は厚さである。さらに別のそのような組み合わせは、特に上記で言及した範囲内のパッド材料圧縮抵抗及びパッド材料厚さ及び/又は不透明度である。ポリエステル及び他の高分子不織材料、例えばエアフィルタ材料(例えばHF40又はNoxエアフィルタ材料)はそのような望ましい性能特徴の組み合わせを有するが、上記材料特徴及び性能特徴を有する他の材料が可能であり、本発明の精神及び範囲内に入ることが理解されるであろう。
【0080】
いくつかの実施形態では、パッド44は、モノフィラメント、糸、トウ、又は結合フィラメント状の材料であり得る繊維を含むことができる。床仕上げ剤分散材料として使用することができる材料はフィラメント繊維に限定されず、3次元繊維状ウェブ、フォーム、フロックフォーム、及び他のスポンジ状材料、針で穿孔した材料、連続気泡材料等のウェブも含むことができる。いくつかの非常に好ましい実施形態では、床仕上げ剤分散材料は、織編したランダムに延びる可撓性ファイバから形成される開放型の不織3次元ウェブであり、この場合、隣接する繊維間の織目が開放していることによって、互いに連通する空隙の3次元方向に延びる網目が形成される。
【0081】
アプリケータパッド44用の床仕上げ剤分散材料の例は、ポリプロピレン及び/又はポリセステル繊維を含むがこれらに限定されない。さらなる床仕上げ剤分散材料としては、例えば米国特許第2,958,593号明細書、米国特許第4,355,067号明細書及び米国特許第4,893,439号明細書に記載されている低密度開放型不織繊維状材料等の不織布材料、並びにスクリム及びスクリーン等の織物が挙げられる。さらに、上記特性を有するブラシを含む他の開構造材料を使用することができる。床仕上げ剤分散材料として好適である物質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、変性ポリウレタンを含むポリウレタン、ナイロン等のポリアミド、並びにそれらの混合物及び組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
作業時には、床仕上げ剤をかたまりのまま床へ送達し、アプリケータパッドによって分散させる。アプリケータパッドは、床の上で床仕上げ剤を拡散させるために、床に堆積されたかたまりの床仕上げ剤と接触し、操作者がアプリケータパッドを介して床へ加える圧力にかかわらず、床の上で実質的に均一にかたまりの床仕上げ剤を拡散させる。実質的に均一な拡散は、アプリケータパッドの材料品質によって達成される。
【0083】
上記の、また図面に示される実施形態は、例示としてのみ提示されており、本発明の概念及び原理を限定する意図はない。したがって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく要素並びにそれらの構成及び配置における様々な変更が可能であることを当業者は理解するであろう。例えば、多くの材料特性が、アプリケータパッド44にとって理想的な床仕上げ剤特徴を提供するものとして明記されている。本発明は、これらの特性の全てを組み込む単一のパッドを必要とするわけではない。むしろ、(上述のような)特性の1つ又は複数を有するパッドが特定の目的に望ましい場合がある。
【0084】
本発明の或る特定の特徴及び要素に対する様々な代替形態が、本発明の特定の実施形態を参照して説明されている。互いに排他的であるか又は上記の各実施形態と矛盾する特徴、要素及び動作方法を除いて、1つの特定の実施形態を参照して記載される代替的な特徴、要素及び動作方法が他の実施形態に適用可能であることに留意されたい。
【0085】
本発明の様々な特徴は添付の特許請求の範囲に記載される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床仕上げ剤アプリケータパッドであって、
第1の側、及び該第1の側の反対にあり、該第1の側よりも流体吸収性である第2の側を有するエアフィルタ材料のシートから成る本体と、
前縁と、
前記前縁の厚さとは異なる厚さを有する後縁と、
を有する、床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項2】
前記エアフィルタ材料のシートの前記第2の側は、前記第1の側よりも流体透過性である、請求項1に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項3】
前記エアフィルタ材料のシートの前記第1の側は、前記第2の側よりも滑らかである、請求項1に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項4】
前記エアフィルタ材料のシートは、前記アプリケータパッドの前記前縁及び前記後縁のうち少なくとも一方において自身に折り重ねられる、請求項1に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項5】
前記エアフィルタ材料のシートは、前記後縁の厚さよりも大きい前記前縁の厚さを画定するように前記アプリケータパッドの前記前縁において自身に折り重ねられる、請求項1に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項6】
前記エアフィルタ材料のシートは、前記アプリケータパッドの使用時に該エアフィルタ材料のシートの前記第1の側を床の表面に対して呈し、且つ同様に前記アプリケータパッドの使用時に前記エアフィルタ材料のシートの前記第2の側を前記床の表面に対して呈するように自身に折り重ねられる、請求項1に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項7】
前記床の表面に対して呈される前記材料のシートの前記第1の側は、前記アプリケータパッドの前記後縁に近接しており、
前記床の表面に対して呈される前記材料のシートの前記第2の側は、前記アプリケータパッドの前記前縁に近接している、請求項6に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項8】
前記エアフィルタ材料のシートは、前記アプリケータパッドの前記前縁及び該アプリケータパッドの前記後縁において自身に折り重ねられる、請求項1に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項9】
前記エアフィルタ材料のシートはエアフィルタ材料の第1のシートであり、前記アプリケータパッドは、前記エアフィルタ材料の前記第1のシートによって部分的に包囲されるエアフィルタ材料の第2のシートをさらに備え、該エアフィルタ材料の該第2のシートは第1の側及び第2の側を有し、該エアフィルタ材料の該第2のシートの該第1の側は、該エアフィルタ材料の該第2のシートの該第2の側の反対にあり、且つ該エアフィルタ材料の該第2のシートの該第2の側よりも流体吸収性ではない、請求項1に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項10】
前記エアフィルタ材料の前記第1のシートは、前記アプリケータパッドの使用時に該エアフィルタ材料の該第1のシートの前記第2の側を床の表面に対して呈し、且つ同様に前記アプリケータパッドの使用時に前記エアフィルタ材料の前記第2のシートの前記第1の側を前記床の表面に対して露出するように自身に折り重ねられる、請求項9に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項11】
前記アプリケータパッドは対向する上面及び底面を有し、
前記上面及び前記底面のうちの少なくとも一方には段差がある、請求項1に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項12】
12インチ×12インチの黒色ビニル複合タイルに対して加えられる、前記エアフィルタ材料のシートの3インチ×3インチのサンプルを使用するASTM D−2047に従う前記エアフィルタ材料のシートの静摩擦係数は、約0.32未満である、請求項1に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項13】
前記エアフィルタ材料のシートの密度は約0.01g/cmよりも大きく、約0.08g/cmよりも小さい、請求項1に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項14】
前記エアフィルタ材料のシートの厚さは、約0.3cmよりも大きく、約2.5cmよりも小さい、請求項1に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項15】
前記エアフィルタ材料のシートは、INDA及びEDANAのWSP10.1(05)によると少なくとも約500%の液体吸収力を有する、請求項1に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項16】
床仕上げ剤アプリケータパッドであって、
前縁と、
後縁と、
エアフィルタシートであって、
第1の側、
前記第1の側の反対にあり、該第1の側よりも流体吸収性である第2の側、及び
該アプリケータパッドの前記前縁及び前記後縁の一方を少なくとも部分的に画定すると共に該エアフィルタシートの少なくとも二重層を有する折り目であって、該エアフィルタシートの前記第2の側が床の表面と接触するように配向される、該アプリケータパッドの第1の部分をさらに画定する、折り目を有し、
該アプリケータパッドの第2の部分が該エアフィルタシートによって少なくとも部分的に画定され、該第2の部分にある該エアフィルタシートの前記第1の側が前記床の表面と接触するように配向される、エアフィルタシートと、
を有する、床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項17】
前記エアフィルタシートの前記第2の側は、前記第1の側よりも流体透過性である、請求項16に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項18】
前記エアフィルタシートの前記第1の側は、前記第2の側よりも滑らかである、請求項16に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項19】
前記エアフィルタシートは、前記後縁の厚さよりも大きい前記前縁の厚さを画定するように前記アプリケータパッドの前記前縁において自身に折り重ねられる、請求項16に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項20】
前記床の表面に接触するように配向される前記エアフィルタシートの前記第1の側は、前記アプリケータパッドの前記後縁に近接しており、
前記床の表面に接触するように配向される前記エアフィルタシートの前記第2の側は、前記アプリケータパッドの前記前縁に近接している、請求項16に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項21】
前記エアフィルタシートは第1のエアフィルタシートであり、前記アプリケータパッドは、前記第1のエアフィルタシートによって部分的に包囲される第2のエアフィルタシートをさらに備え、該第2のエアフィルタシートは第1の側及び第2の側を有し、該第2のエアフィルタシートの該第1の側は、該エアフィルタシートの前記第2の側の反対にあり、且つ該エアフィルタ材料の該第2の側よりも流体吸収性ではない、請求項16に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項22】
前記アプリケータパッドは対向する上面及び底面を有し、
前記上面及び前記底面のうちの少なくとも一方には段差がある、請求項16に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項23】
12インチ×12インチの黒色ビニル複合タイルに対して加えられる、前記エアフィルタシートの3インチ×3インチのサンプルを使用するASTM D−2047に従う前記エアフィルタシートの静摩擦係数は、約0.32未満である、請求項16に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項24】
前記エアフィルタシートの密度は約0.01g/cmよりも大きく、約0.08g/cmよりも小さい、請求項16に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項25】
前記エアフィルタシートの厚さは、約0.3cmよりも大きく、約2.5cmよりも小さい、請求項16に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項26】
前記エアフィルタ材料のシートは、INDA及びEDANAのWSP10.1(05)によると少なくとも約500%の液体吸収力を有する、請求項16に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項27】
床仕上げ剤アプリケータパッドであって、
側面によって接合される前縁及び後縁と、
地面と接触する表面と、
を有する本体を備え、
前記本体は、密度が約0.01g/cmよりも大きく約0.08g/cmよりも小さく、厚さが約0.3cmよりも大きく約0.25cmよりも小さい、フィルタ材料から成る、床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項28】
前記フィルタ材料はエアフィルタ材料である、請求項27に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項29】
前記本体は、第1の側と、該第1の側の反対にあり、該第1の側よりも流体吸収性である第2の側とを有するフィルタシートから成る、請求項27に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項30】
前記フィルタシートは、前記アプリケータパッドの前記前縁及び前記後縁のうち少なくとも一方において自身に折り重ねられる、請求項29に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項31】
前記フィルタシートは、前記後縁の厚さよりも大きい前記前縁の厚さを画定するように前記アプリケータパッドの前記前縁において自身に折り重ねられる、請求項29に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項32】
前記フィルタシートは、前記アプリケータパッドの使用時に該フィルタシートの前記第1の側を床の表面に対して呈し、且つ同様に前記アプリケータパッドの使用時に前記フィルタシートの前記第2の側を前記床の表面に対して呈するように自身に折り重ねられる、請求項29に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項33】
前記床の表面に対して呈される前記フィルタシートの前記第1の側は、前記アプリケータパッドの前記後縁に近接しており、
前記床の表面に対して呈される前記フィルタシートの前記第2の側は、前記アプリケータパッドの前記前縁に近接している、請求項32に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項34】
前記アプリケータパッドの前記本体は対向する上面及び底面を有し、
前記上面及び前記底面のうちの少なくとも一方には段差がある、請求項27に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項35】
12インチ×12インチの黒色ビニル複合タイルに対して加えられる、前記フィルタ材料のシートの3インチ×3インチのサンプルを使用するASTM D−2047に従う前記本体の静摩擦係数は、約0.32未満である、請求項27に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。
【請求項36】
前記フィルタシートは、INDA及びEDANAのWSP10.1(05)によると少なくとも約500%の液体吸収力を有する、請求項27に記載の床仕上げ剤アプリケータパッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−510708(P2011−510708A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544444(P2010−544444)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/031858
【国際公開番号】WO2009/094555
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(398061050)ディバーシー・インコーポレーテッド (101)
【住所又は居所原語表記】8310 16th Street,Sturtevant,Wisconsin 53177−0902,United States of America
【Fターム(参考)】