説明

床埋込材

【課題】 床面内に埋込まれる床埋込材に発光ダイオードを内蔵し、この発光ダイオードの配光を自由に変更可能にし、天井面や壁面を多様にライトアップ可能にすること。
【解決手段】 床面内に埋込まれる床埋込材10において、床面上方を照射する発光ダイオード20を内蔵し、該発光ダイオード20の配光を変更可能にしてなるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面に設置される床見切、畳寄せ、框等の床埋込材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等のリビング用床面とダイニング用床面の間で、床面内に埋込まれる床見切等の床埋込材が用いられている(特許文献1)。
【0003】
また、建築用陶板の埋込み用凹部に発光ダイオードを埋込み、発光装飾性を備えた階段板、幅木等が提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2004-19212
【特許文献2】特公平7-6279
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された床見切等の床埋込材は発光装飾性を備えるところがない。
【0005】
特許文献2に記載された建築用陶板は発光ダイオードを固定的に内蔵するものであり、発光ダイオードの配光を自由に変更可能にするところがない。
【0006】
本発明の課題は、床面内に埋込まれる床埋込材に発光ダイオードを内蔵し、この発光ダイオードの配光を自由に変更可能にし、天井面や壁面を多様にライトアップ可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、床面内に埋込まれる床埋込材において、床面上方を照射する発光ダイオードを内蔵し、該発光ダイオードの配光を変更可能にしてなるようにしたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記発光ダイオードを移動自在に支持するレールを内蔵し、着脱できる透過板により該レール及び該発光ダイオードを被覆してなるようにしたものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記発光ダイオードを揺動自在に内蔵してなるようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
(請求項1)
(a)床埋込材が床面上方を照射する発光ダイオードを内蔵し、該発光ダイオードの配光を変更可能にした。従って、発光ダイオードの配光(照射位置、照射方向)を自由に変更し、床面上方の天井面や壁面を多様にライトアップできる。
【0011】
(請求項2)
(b)床埋込材が発光ダイオードを移動自在に支持するレールを内蔵し、着脱できる透過板により該レール及び該発光ダイオードを被覆した。従って、発光ダイオードはレールに沿って自由に移動でき、発光ダイオードの照射位置を簡易かつ自由に変更できる。
【0012】
(請求項3)
(c)床埋込材が発光ダイオードを揺動自在に内蔵する。従って、発光ダイオードは左右方向(前後左右等、全方向もあり得る)に自由に揺動でき、発光ダイオードの照射方向を簡易かつ自由に変更できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は実施例1の床見切を示す断面図、図2は床見切を示す斜視図、図3は床見切に内蔵した発光ダイオードの配光の一例を示す断面図、図4は床見切に内蔵した発光ダイオードの配光の他の例を示す断面図、図5は実施例2の畳寄せを示す断面図、図6は畳寄せを示す斜視図である。
【実施例】
【0014】
(実施例1)(図1〜図4)
図1に示す床見切10(床埋込材)は、リビング用フローリング11とダイニング用フローリング12の間で、床面内に埋込まれる。
【0015】
床見切10は、床面上方を照射する発光ダイオード20を内蔵し、発光ダイオード20の配光を変更可能にする。本実施例では、床見切10は複数の発光ダイオード20を内蔵する。
【0016】
床見切10は、長手方向に沿って延在されるとともに、上面に開口する掘り込み凹部10Aを有し、この掘り込み凹部10Aの底部中央に長手方向に沿うレール13を内蔵する。床見切10は、レール13の溝に複数の支持体21を移動可能に嵌合し、複数の発光ダイオード20のそれぞれを各支持体21のそれぞれに揺動自在に支持する。本実施例では、発光ダイオード20を支持体21に自在継手21Aにより前後左右を含む全方向に揺動自在にする。発光ダイオード20は支持体21に単一のピン継手を介して左右方向にだけ揺動可能にするものでも良い。
【0017】
床見切10は、レール13自体を給電体とし、又はレール13に給電体を付帯し、電源の電力をこの給電体、支持体21、継手21Aを介して発光ダイオード20に給電する。電源の操作により、発光ダイオード20の点灯、点滅、照度等が制御される。
【0018】
床見切10は、レール13を内蔵させた掘り込み凹部10Aの上部に着脱できる透過板(拡散板でも可)14を設け、レール13及び発光ダイオード20をこの透過板14により被覆する。
【0019】
従って、床見切10にあっては、発光ダイオード20をレール13に沿ってA方向(図2)に自由に移動でき、かつ発光ダイオード20を支持体21に対してB方向(図2)に自由に揺動でき、発光ダイオード20の照射位置及び照射方向を自由に変更できる。図3は、発光ダイオード20の照射光がリビングとダイニングの間で、床面から天井面に立上がる光のカーテンを形成する照射状態を示す。図4は、複数の発光ダイオード20の照射光が天井面の1点に集光される照射状態を示す。
【0020】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)床見切10が床面上方を照射する発光ダイオード20を内蔵し、該発光ダイオード20の配光を変更可能にした。従って、発光ダイオード20の配光(照射位置、照射方向)を自由に変更し、床面上方の天井面を多様にライトアップできる。
【0021】
(b)床見切10が発光ダイオード20を移動自在に支持するレール13を内蔵し、着脱できる透過板14により該レール13及び該発光ダイオード20を被覆した。従って、発光ダイオード20は透過板14を取外されて露出するレール13に沿って自由に移動でき、発光ダイオード20の照射位置を簡易かつ自由に変更できる。
【0022】
(c)床見切10が発光ダイオード20を揺動自在に内蔵する。従って、発光ダイオード20は左右方向(前後左右等、全方向もあり得る)に自由に揺動でき、発光ダイオード20の照射方向を簡易かつ自由に変更できる。
【0023】
(実施例2)
図5、図6に示す畳寄せ100(床埋込材)は、畳111と壁112の間で、床面内に埋込まれる。
【0024】
畳寄せ100は、実施例1の床見切10と同様に、掘り込み凹部100Aの底部中央にレール113を内蔵し、レール113の溝に複数の支持体121を移動可能に嵌合し、複数の発光ダイオード120のそれぞれを各支持体121のそれぞれに揺動自在に支持する。
【0025】
畳寄せ100は、電源の電力をレール113自体又はそれに付帯する給電体、支持体121を介して発光ダイオード120に給電する。電源の照射により、発光ダイオード120の点灯、点滅、照度等が制御される。
【0026】
畳寄せ100は、レール113を内蔵させた掘り込み凹部100Aの上部に着脱できる透過板(拡散板でも可)114を設け、レール113及び発光ダイオード120をこの透過板114により被覆する。
【0027】
従って、畳寄せ100にあっては、発光ダイオード120をレール113に沿って自由に移動でき、かつ発光ダイオード120を支持体121に対して自由に揺動でき、発光ダイオード120の照射位置及び照射方向を自由に変更できる。図6は、発光ダイオード120の照射光が壁面に投光された照射状態を示す。
【0028】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)畳寄せ100が床面上方を照射する発光ダイオード120を内蔵し、該発光ダイオード120の配光を変更可能にした。従って、発光ダイオード120の配光(照射位置、照射方向)を自由に変更し、床面上方の壁面を多様にライトアップできる。
【0029】
(b)畳寄せ100が発光ダイオード120を移動自在に支持するレール113を内蔵し、着脱できる透過板により該レール113及び該発光ダイオード120を被覆した。従って、発光ダイオード120は透過板114を取外されて露出するレール113に沿って自由に移動でき、発光ダイオード120の照射位置を簡易かつ自由に変更できる。
【0030】
(c)畳寄せ100が発光ダイオード120を揺動自在に内蔵する。従って、発光ダイオード120は左右方向(前後左右等、全方向もあり得る)に自由に揺動でき、発光ダイオード120の照射方向を簡易かつ自由に変更できる。
【0031】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、発光ダイオードがレール等の給電体を介して給電されるものでなく、発光ダイオードに電源電池を付帯して備えるものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は実施例1の床見切を示す断面図である。
【図2】図2は床見切を示す斜視図である。
【図3】図3は床見切に内蔵した発光ダイオードの配光の一例を示す断面図である。
【図4】図4は床見切に内蔵した発光ダイオードの配光の他の例を示す断面図である。
【図5】図5は実施例2の畳寄せを示す断面図である。
【図6】図6は畳寄せを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
10 床見切(床埋込材)
13 レール
14 透過板
20 発光ダイオード
100 畳寄せ(床埋込材)
113 レール
114 透過板
120 発光ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面内に埋込まれる床埋込材において、床面上方を照射する発光ダイオードを内蔵し、該発光ダイオードの配光を変更可能にしてなる床埋込材。
【請求項2】
前記発光ダイオードを移動自在に支持するレールを内蔵し、着脱できる透過板により該レール及び該発光ダイオードを被覆してなる請求項1に記載の床埋込材。
【請求項3】
前記発光ダイオードを揺動自在に内蔵してなる請求項1又は2に記載の床埋込材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−121280(P2010−121280A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293197(P2008−293197)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】