説明

床材の製造方法

【目的】防音効果を有するのは勿論のこと、上反りの発生を防止でき、床下地との馴染みも良好で確実な接着が可能な床材を製造することにある。
【構成】複数のクロス単板1を積層一体化させたクロス合板2の表面のクロス単板1aをサンディングして0.2〜0.5mm厚にした後化粧単板3を貼着し、クロス合板2の裏面側に表面側から三層目のクロス単板1cにまで至る切り溝4を形成し、クロス合板2の裏面にクッション材5を貼着させる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧単板の反りを防止する床材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、図4に示すように、例えば5枚のクロス単板1(1a、1b、1c、1d、1e)を積層一体化させた5Pのクロス合板2の表面に化粧単板3を貼着し、クロス合板2の裏面側に表面側から二層目のクロス単板1bにまで至る切り溝4を形成し、クロス合板2の裏面にクッション材5を貼着して床材A′が製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この床材A′は、通常クロス合板2が1.0〜1.5mmの厚単板を使用しているため、化粧単板3を接着すると上方に凹曲する上反りが発生してしまい、床下地に馴染まず、接着不良の原因となっていた。本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、、防音効果を有するのは勿論のこと、上反りの発生を防止でき、床下地との馴染みも良好で確実な接着が可能な床材を製造することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の床材の製造方法は、複数のクロス単板1を積層一体化させたクロス合板2の表面のクロス単板1aをサンディングして0.2〜0.5mm厚にした後化粧単板3を貼着し、クロス合板2の裏面側に表面側から三層目のクロス単板1cにまで至る複数の切り溝4を形成し、クロス合板2の裏面にクッション材5を貼着させて成ることを特徴とするものであり、この構成により上記課題が解決されたものである。
【0005】
【作用】クロス単板1aをサンディングして0.2〜0.5mm厚にした後化粧単板3を貼着し、クロス合板2の裏面側に表面側から三層目のクロス単板1cにまで至る切り溝4を形成しているので、表面のクロス単板1aが強度的に弱くなることと相まって切り溝4によりクロス合板2の腰が弱くなり、上方に凸曲する下反り傾向になって、化粧単板3を貼着することにより略平らになるものである。
【0006】
【実施例】図1は厚さ1.0〜1.5mmの5枚のクロス単板1(1a、1b、1c、1d、1e)を積層一体化させた5Pのクロス合板2を使用しているものであり、表面のクロス単板1aをサンディングして0.2〜0.5mm厚にする。次いで、クロス合板2に裏面側から複数の切り溝4を形成する。この切り溝4は直線状であっても、格子状であってもよい。この切り溝4は表面側から三層目のクロス単板1cにまで至っている。
【0007】この後、クロス合板2のサンディングしたクロス単板1aの上に厚み0.25mmの化粧単板3を貼着させる。このクロス単板1aと化粧単板3の繊維軸をクロスさせるように貼着する。これによりクロス合板2は上方に凸曲する下反り傾向となる。下反りは、長さ1818mmに対して約10〜15mm程度である。クロス合板2の裏面側にはカルプ材、遮音シート、エアーステップ等のクッション材5を貼着させる。
【0008】図2は厚さ1.0〜1.5mmの7枚のクロス単板1(1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g)を積層一体化させた7Pのクロス合板2を使用した例を示している。この実施例にあっても、切り溝4はクロス合板2の表面側から三層目のクロス単板1cにまで至るように形成する。このようにして製造した床材Aはモルタルコンパネ面のような床下地に接着剤を介して直接貼着して敷設される。
【0009】
【発明の効果】本発明にあっては、複数のクロス単板を積層一体化させたクロス合板の表面のクロス単板をサンディングして0.2〜0.5mm厚にした後化粧単板を貼着し、クロス合板の裏面側に表面側から三層目のクロス単板にまで至る複数の切り溝を形成し、クロス合板の裏面にクッション材を貼着させているので、防音効果を有するのは勿論のこと、表面のクロス単板が強度的に弱くなることと相まって切り溝によりクロス合板の腰が弱くなり、上方に凸曲する下反り傾向になって、化粧単板を貼着することにより略平らになるものであり、従って、モルタルコンパネ面のような床下地にも馴染みがよく、従来のような接着不良が発生することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造された床材の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の方法により製造された床材の他例を示す断面図である。
【図3】同上におけるクロス単板と化粧単板の貼着を示す斜視図である。
【図4】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
A 床材
1 クロス単板
2 クロス合板
3 化粧単板
4 切り溝
5 クッション材

【特許請求の範囲】
【請求項1】複数のクロス単板を積層一体化させたクロス合板の表面のクロス単板をサンディングして0.2〜0.5mm厚にした後化粧単板を貼着し、クロス合板の裏面側に表面側から三層目のクロス単板にまで至る複数の切り溝を形成し、クロス合板の裏面にクッション材を貼着させて成ることを特徴とする床材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開平5−116113
【公開日】平成5年(1993)5月14日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−280219
【出願日】平成3年(1991)10月28日
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)