説明

店舗用飲料供給装置及び店舗用飲料供給方法

【課題】店舗における飲料の調製を簡単に行うことができ、また厨房その他のスペースの有効利用を図ることができるとともに、人手を煩わすことなくかつ経済的に店舗内で飲料を移送供給する。
【解決手段】アルコール類その他の飲料を貯めておくための容器10と、側面視ほぼ逆U字状のサイホン管20とを備え、サイホン管20は、上流側の管端部21aが容器10内に挿入されるとともに、管端部の上部、容器外に開閉バルブ31を備える。下流側の管端部23a は容器10の外で容器内の飲料の液面よりも低位に設置され、かつ下流側の管端部23aに飲料を取り出すための蛇口24が設けられる。サイホン管の中間部22は、天井、梁又は壁に沿って配設され、中間部22の最も高い水平レベル位置には、上部開口35aを有する突出管35が縦方向に設けられ、かつ突出管35には飲料注入用のバルブ36が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗用飲料供給装置及び店舗用飲料供給方法、詳しくは、居酒屋等の飲食店その他の店舗において、アルコール類その他の飲料を供給する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、居酒屋、バー、スナック等の酒場やレストラン等の飲食店において、焼酎や酒等のアルコール類その他の飲料を提供する場合、客の注文に応じて、厨房において、注文された飲料が充填された包装瓶やボトルからグラスやコップに注ぎ、調製し、店員が給仕している。
このため、客の注文に応じて、その都度、棚等から瓶類を取り出して調製しなければならず、面倒である。
また、飲料が充填された瓶類は、棚等に置かれて保管されており、これらの瓶等を数多く置いておかなければならず、また、使用中、使用後の瓶類が散らかったりしやすく、これにより厨房のスペースが占有され、邪魔になったり、厨房が手狭になったりして、厨房スペースの有効利用が妨げられるという不都合がある。
これに対し、例えば、飲料を瓶等から大型容器に移し替え、この大型容器に設けた蛇口から飲料を取り出すことが考えられるが、この場合、調製の手間は軽減されるも、大型容器を比較的高所に設置することは、飲料の取出しが困難となるため、できない。また、大型容器への飲料の充填管理と飲料の取出しはその場所でしか行うことができない。つまり、飲料の保管場所と取出し場所が同じとなる。
なお、サイホンを利用した液体の移送手段は、特許文献1に示される河川水の移送や、特許文献2に示される医療分野における使用などがあるが、飲食店舗における飲料の移送供給に関する提案はなされていない。
【0003】
【特許文献1】特公昭62−36160号公報
【特許文献2】実公平7−25223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記背景技術における不都合を解消すべくなされたものであり、店舗における飲料の調製を簡単に行うことができ、また厨房その他のスペースの有効利用を図ることができるとともに、人手を煩わすことなくかつ経済的に店舗内で飲料を移送供給することができる店舗用飲料供給装置及び店舗用飲料供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明は、店舗に設置して使用される飲料供給装置であって、
アルコール類その他の飲料を貯めておくための容器と、側面視ほぼ逆U字状のサイホン管とを備え、
前記サイホン管は、上流側の管端部が前記容器内に挿入されるとともに、該管端部の上部、容器外に開閉バルブを備え、
下流側の管端部は前記容器の外で前記容器内の飲料の液面よりも低位に設置され、かつ下流側の管端部に飲料を取り出すための蛇口が設けられ、
サイホン管の中間部は、天井、梁又は壁に沿って配設され、中間部の最も高い水平レベル位置には、上部開口を有する突出管が縦方向に設けられ、かつ該突出管には飲料注入用のバルブが設けられた、
店舗用飲料供給装置である。
(2)前記容器は、飲料を上方から補充可能な開口部を上面に有する、かめその他の容器であって、前記開口部にはこれを閉鎖する蓋が着脱自在に設けられているものが好ましい。
(3)また、前記容器には、該容器を吊り下げるための吊下げ部が設けられているものが好ましい。
(4)また、前記容器の外周部には、該容器を支持するリング状支持枠が取り付けられ、該支持枠にはその周方向に適宜間隔をおいて複数箇所に、容器を吊り下げるための吊下げ部が設けられているものが好ましい。
(5)また、管と、該管に挿通された連結部材と、該連結部材の一方端部に取り付けられ容器内の飲料の液面に浮かせる浮子と、該連結部材の他方端部に取り付けられ容器内の飲料の液面の変位に伴う浮子の変動に連動する目印部材とからなる、容器内飲料の残量表示装置を備えてなるものが好ましい。
(6)前記残量表示装置は、ほぼ逆U字状の管と、該管に挿通された連結部材である紐体と、該紐体の一方端部に取り付けられ容器内の飲料の液面に浮かせる浮子と、該紐体の他方端部に取り付けられ容器外において垂下される目印部材である錘とを有してなるものが好ましい。
(7)本発明の店舗用飲料供給方法は、上記のような店舗用飲料供給装置を使用して飲料を供給する方法(店舗用飲料供給装置を使用する方法)であって、前記容器は店舗の厨房内において、床面から所要の高さを置いた位置に、天井又は梁等の室上部から吊設されるか、あるいは棚部に設置され、前記容器の下方に、什器備品を設置可能なスペース又は余剰スペースが形成され、かつ、前記蛇口が設けられた下流側の管端部は、厨房外に設置され、厨房内から厨房外へ飲料を移送供給することからなる、店舗用飲料供給方法である。
(8)上記店舗用飲料供給方法においては、前記蛇口が設けられた下流側の管端部は、店舗内において、客がアクセス可能である厨房外に設置され、客が直接に蛇口から飲料を取り出せるように構成するのが、一つの好ましい態様である。 (9)本発明の他の店舗用飲料供給方法は、請求項1〜6のいずれかに記載の店舗用飲料供給装置を使用して飲料を供給する方法であって、前記容器は店舗内において、厨房外の、床面から所要の高さを置いた比較的上方の位置に、天井又は梁等の室上部から吊設されるか、あるいは棚部に設置され、かつ、前記蛇口が設けられた下流側の管端部は、厨房内に設置され、厨房外から厨房内へ飲料を移送供給することからなる、店舗用飲料供給方法である。
【発明の効果】
【0006】
(1)本発明によれば、店舗において、容器に飲料を貯め、一旦サイホン管に飲料を充填する設定作業が完了した後は、サイホン現象により、下流側の管端部に設けられた蛇口を操作して飲料の取出しが行われるため、棚等からいちいち瓶を取り出してグラスに注ぐ手間が省け、迅速かつ簡単に飲料を取り出すことができる。当初のサイホン管に飲料を充填する作業も比較的簡単である。
また、厨房に数多くの瓶を置いておく必要がなく、邪魔にならず、サイホン作用を利用するため比較的高所に設置されることから、デッドスペースとなりやすい空間を使用可能であり、容器の下方のスペースを利用できるので、厨房その他のスペースの有効利用を図ることができる。
そして、人手を煩わすことなく店舗内で飲料を容器から離れた場所へ安全に移送供給することができる。ポンプや電気的設備等を使用せず、構造も簡単であり、取扱、メンテナンスも簡便であり、経済性にも優れる。サイホン管の中間部は、天井、梁又は壁に沿って配設されるので、店舗スペースの邪魔になることもない。既存の店舗への後付けも可能である。
(2)また、前記容器は、飲料を上方から補充可能な開口部を上面に有する、かめその他の容器であって、前記開口部にはこれを閉鎖する蓋が着脱自在に設けられているため、加えてサイホン現象を利用する関係から、容器の開口部は通常、頭部より上方の比較的高所に位置することとなり、容器内に異物等が入るおそれもなく、また飲料を補充する際は、蓋を開けて開口部から飲料を注げばよいので、補充作業も簡単である。
(3)また、前記容器には、該容器を吊り下げるための吊下げ部が設けられている構成により、容器を吊下げ設置することができ、容器を置いた場合に生じる転倒や、転倒による破損を回避することができる。
(4)また、前記容器の外周部には、該容器が嵌入固定されるリング状支持枠が取り付けられ、該支持枠にはその周方向に適宜間隔をおいて複数箇所に、容器を吊り下げるための吊下げ部が設けられている構成により、既存の大型の焼き物などを特別の加工を施す必要なく利用し得、かつ安定した状態で確実に吊り下げることができる。
(5)管と、該管に挿通された連結部材と、該連結部材の一方端部に取り付けられ容器内の飲料の液面に浮かせる浮子と、該連結部材の他方端部に取り付けられ容器内の飲料の液面の変位に伴う浮子の変動に連動する目印部材とからなる、容器内飲料の残量表示装置を備えてなる構成により、容器内の飲料の減り具合を目印部材で視認し、把握することができる。容器が非透明性の材質である場合、特に有益である。
(6)前記残量表示装置が、ほぼ逆U字状の管と、該管に挿通された連結部材である紐体と、該紐体の一方端部に取り付けられ容器内の飲料の液面に浮かせる浮子と、該紐体の他方端部に取り付けられ容器外において垂下される目印部材である錘とを有してなる構成により、飲料が減って容器内の飲料の液面が下がると錘が上昇するので、容器内飲料の残量を、錘の位置を視認することによって把握することができる。しかも、残量表示装置は、簡単な構造であるため、経済的である。
(7)請求項7に係る店舗用飲料供給方法によれば、容器の下方に、什器備品を設置可能なスペース又は余剰スペースが形成され、このスペースを有効に利用することができる。また、厨房内から厨房外へ飲料を安全かつ確実に移送供給することができる。このため、厨房外で働く者がいちいち厨房に入って飲料を取り出す必要がなく、動線の錯綜がなく、注文への迅速な対応が可能であり、利便性が高い。
(8)上記店舗用飲料供給方法においては、前記蛇口が設けられた下流側の管端部は、店舗内において、客がアクセス可能である厨房外に設置され、客が直接に蛇口から飲料を取り出せるように構成することにより、例えば、飲み放題の形態において、客が任意に所望の必要量の飲料を取り出せるため、極めて便利であり、かつ経済的でもある。しかも、飲料を貯めた容器自体は厨房内にあるため、安全である。
(9)請求項9に係る店舗用飲料供給方法によれば、容器は店舗内において、厨房外の、床面から所要の高さを置いた比較的上方の位置に、天井又は梁等の室上部から吊設されるか、あるいは棚部に設置され、蛇口が設けられた下流側の管端部は、厨房内に設置され、厨房外から厨房内へ飲料を移送供給するため、店舗内の厨房外の余剰スペース等の上部空間を有効に利用することができ、また、厨房内に容器を設置しないため、厨房内の空間をすっきりさせて効率的な空間利用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を実施するための最良の実施の形態について実施例を挙げ、図面を参照して説明する。各図において、同じ構成要素には同じ符号を用い、重複する説明は適宜省略する場合がある。
【実施例1】
【0008】
図1は実施例1に係る店舗用飲料供給装置1の、一部を断面で示す側面図である。
店舗用飲料供給装置1は、アルコール類その他の飲料を貯めておくための容器10と、側面視ほぼ逆U字状のサイホン管20とを備えてなる。
容器10は、飲料40を上方から補充可能な開口部11を上面に有する、かめ等を用いて構成されている。通常、7〜15リットルの容量のものが用いられ、これにより頻繁な補充を避けることができる。図示の例では、容器10は側面視、上部及び下部がやや窄まった形態のものを使用している。代表的にはかめ等の陶器又は磁器が用いられるが、ガラスや金属製のものを用いてもよく、その材質や形状は特に限定されない。開口部11にはこれを閉鎖する蓋12が設けられている。
容器10内に入れる飲料40は、特に焼酎のようなアルコール類が好適であるが、飲料の種類は限定されない。
【0009】
容器10には、該容器10を吊り下げるための吊下げ部15が設けられているものが好ましい。この吊下げ部15に鎖などの吊下げ部材16を掛けて、室内の天井や梁その他の上部部材50から吊り下げて設置することができる。
この実施例では、容器10の外周部には、該容器10を支持する断面矩形状のリング状支持枠17が、容器10が嵌められる態様で取り付けられ、この支持枠17のその周方向に適宜間隔をおいて複数箇所(通常、3〜5箇所程度)に、容器10を吊り下げるための吊下げ部15が設けられている。
【0010】
サイホン管20は、全体として側面視ほぼ逆U字状に形成されており、上流側縦管部21と、下流側縦管部23と、これらの縦管部21,23の上部を接続して横方向に延びる中間部22とで形成されている。これらの各部は、室内の形状や設置位置に応じて形成し得るものであり、各部に適宜形状の屈曲部が存在していてもよい。サイホン管20は、ステンレススチール等の金属管が望ましいが、その材質は限定されない。サイホン管20の直径は、通常、10〜20mm程度であるが、限定されない。
サイホン管20は、上流側縦管部21の下端に位置する、上流側の管端部21aが、容器10の底部近傍に位置するように容器10内に挿入されている。管端部21aの先端は斜めにカットされ、飲料を確実に吸入できるようになっている。管端部21aの上部、容器外には開閉バルブ31が設けられている。開閉バルブ31の位置は、図示の上流側縦管部21の位置に限定されるものではなく、中間部22における上流側縦管部21の端部付近であってもよい。
【0011】
サイホン管20の下流側縦管部23の下端に位置する、下流側の管端部23aは、容器10の外で容器10内の飲料の液面よりも低位(例えば、30〜40cm程度あれば十分である。)に設置され、かつ下流側の管端部23aには、飲料を取り出すための蛇口24が設けられている。
サイホン管の中間部22は、天井、梁(上部部材50)又は壁に沿って配設されている。その沿い方は、室内空間に邪魔にならないようであれば、厳密なものではなくてもよい。通常、適宜吊具26等を用いて吊り下げ固定される。
中間部22の最も高い水平レベル位置には、上部開口35aを有する突出管35が縦方向に設けられ、かつ該突出管35には飲料注入用のバルブ36が設けられている。突出管35から上流側縦管部21及び下流側縦管部23に向けて下り勾配が形成されている。
【0012】
また、店舗用飲料供給装置1には、容器内飲料の残量表示装置60が設けられている。残量表示装置60は、管61と、該管61に挿通された連結部材62と、該連結部材62の一方端部に取り付けられ容器内の飲料の液面に浮かせる浮子63と、連結部材62の他方端部に取り付けられ容器内の飲料の液面の変位に伴う浮子の変動に連動する目印部材64とからなる。容器内飲料の残量表示装置を備えてなる構成により、容器内の飲料が減り具合を目印部材64で視認し、把握することができる。容器が非透明性の材質である場合、特に有益である。
本実施例では、この残量表示装置60は、ほぼ逆U字状の管61と、該管61に挿通された連結部材である紐体62と、該紐体62の一方端部に取り付けられ容器内の飲料の液面に浮かせる浮子63と、該紐体62の他方端部に取り付けられ容器10外において垂下される目印部材である錘64とを有してなる。ほぼ逆U字状の管61は、適宜固定手段によって、所定位置に固定される(図示省略)。
ほぼ逆U字状の管61は、例えば、直径数mm程度の管からなり、紐体62はナイロン糸等の可撓性材料で構成される。
浮子63は、液面に浮かぶものであることが肝要であり、この浮子63の重量を考慮して、紐体62がぴんと張る状態となるように、錘64の重量が選定される。浮子63は、液面の変位に追従し、浮子63の変動に伴い、錘64は浮子63と上下逆方向に変動する。容器10内の飲料が減ると、錘64は上に動くので、予め、飲料を補充すべき容器10内の飲料の液面に対応する錘64の位置を決めておくことにより、例えば、錘64が、ほぼ逆U字状の管61の下端に近づいたら、容器10内に飲料を補充する時期であることがわかるというように、錘64の位置を視認して飲料の補充時期を把握することができる。
【0013】
上記の店舗用飲料供給装置1の好ましい設置及び使用方法について述べると、容器10は店舗の厨房内において、床面から所要の高さを置いた位置に、天井又は梁等の室上部から吊設されるか、あるいは棚部に設置され、容器10の下方に、什器備品が設置可能なスペース又は余剰スペース(何も置かないスペース)が形成される。余剰スペースとすれば、そこは歩く際の邪魔になったりせず、人の移動なども可能となる。また、例えばカウンターの上方に設置すれば、カウンターの上方スペースの有効利用が図られる。上記の店舗用飲料供給装置1は、通常、複数(例えば2〜10)並べて設置され、複数種の飲料について、飲料を同時に移送供給できるようにするのが望ましい。なお、店舗は、代表的には居酒屋、バー、スナック等の酒場やレストラン等の飲食店である。また、厨房は、カウンター内等、客が立ち入れない厨房と同等の店舗管理者ゾーンを含む。
一方、蛇口24が設けられた下流側の管端部23aは、厨房外に設置され、厨房内から厨房外へ飲料を移送供給する。これにより、厨房外で働く者による迅速な対応が可能となる。
【0014】
また、上記店舗用飲料供給方法においては、蛇口24が設けられた下流側の管端部23aは、店舗内において、客がアクセス可能である厨房外に設置され、客が直接に蛇口24から飲料を取り出せるように構成することにより、例えば、飲み放題の形態において、客が任意に所望の必要量の飲料を取り出せるため、極めて便利であり、かつ経済的でもある。しかも、飲料を貯めた容器自体は厨房内にあるため、管理もし易く、安全である。
【0015】
また、上記と異なる店舗用飲料供給方法としては、容器は店舗内において、厨房外の、床面から所要の高さを置いた比較的上方の位置に、天井又は梁等の室上部から吊設されるか、あるいは棚部に設置され、蛇口が設けられた下流側の管端部は、厨房内に設置され、厨房外から厨房内へ飲料を移送供給する。容器は、例えば、テーブル等の什器や備品の上方位置に配設可能であり、余剰スペース、デッドスペースの有効利用が可能である。また、床面から所要の高さを置いた比較的上方の位置は、例えば、容器の下に何も置かない場合は、床面から170cm以上、好ましくは床面から180cm以上、さらに好ましくは190cm以上の位置がよい。これにより、人が移動する際邪魔にならない。また、厨房内に容器を設置しないため、厨房内の空間をすっきりさせて効率的な空間利用が可能となる。
【0016】
上記の店舗用飲料供給装置1の使用開始のための設定は、次のように行われる。
先ず、容器10の蓋12を外して、開口部11から容器10内に十分な飲料40を入れる。次いで、開閉バルブ31及び蛇口24を閉じ、突出管35の飲料注入用のバルブ36を開き、突出管35の上部開口35aから、適宜漏斗などを用いて飲料をサイホン管20内に流し込む。突出管35から蛇口24及び開閉バルブ31に至る管内が飲料で満たされたら、飲料注入用のバルブ36を閉じる。その後、開閉バルブ31を開く。これによりサイホン管20内に飲料が充填され、サイホン作用の開始が可能な状態となり、蛇口24を開閉により、所望量の飲料を取り出すことができる。以後、サイホン作用は継続して奏される。容器10内の飲料40が減った場合は、開口部11から容器10内に飲料40を適宜量、補充すればよい。
【0017】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記したものに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で適宜変更、付加等して実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1に係る店舗用飲料供給装置1の側面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 店舗用飲料供給装置
10 容器
11 開口部
12 蓋
15 吊下げ部
17 リング状支持枠
20 サイホン管
21a 上流側の管端部
22 中間部
23a 下流側の管端部
24 蛇口
31 開閉バルブ
35a 上部開口
35 突出管
36 飲料注入用のバルブ
40 飲料
60 残量表示装置
61 管
62 連結部材
63 浮子
64 目印部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置して使用される飲料供給装置であって、
アルコール類その他の飲料を貯めておくための容器と、側面視ほぼ逆U字状のサイホン管とを備え、
前記サイホン管は、上流側の管端部が前記容器内に挿入されるとともに、該管端部の上部、容器外に開閉バルブを備え、
下流側の管端部は前記容器の外で前記容器内の飲料の液面よりも低位に設置され、かつ下流側の管端部に飲料を取り出すための蛇口が設けられ、
サイホン管の中間部は、天井、梁又は壁に沿って配設され、中間部の最も高い水平レベル位置には、上部開口を有する突出管が縦方向に設けられ、かつ該突出管には飲料注入用のバルブが設けられた、
店舗用飲料供給装置。
【請求項2】
前記容器は、飲料を上方から補充可能な開口部を上面に有する、かめその他の容器であって、前記開口部にはこれを閉鎖する蓋が着脱自在に設けられている、
請求項1に記載の店舗用飲料供給装置。
【請求項3】
前記容器には、該容器を吊り下げるための吊下げ部が設けられている、請求項1又は2に記載の店舗用飲料供給装置。
【請求項4】
前記容器の外周部には、該容器が嵌入固定されるリング状支持枠が取り付けられ、該支持枠にはその周方向に適宜間隔をおいて複数箇所に、容器を吊り下げるための吊下げ部が設けられている、請求項3に記載の店舗用飲料供給装置。
【請求項5】
管と、該管に挿通された連結部材と、該連結部材の一方端部に取り付けられ容器内の飲料の液面に浮かせる浮子と、該連結部材の他方端部に取り付けられ容器内の飲料の液面の変位に伴う浮子の変動に連動する目印部材とからなる、容器内飲料の残量表示装置を備えてなる、請求項1〜4のいずれかに記載の店舗用飲料供給装置。
【請求項6】
前記残量表示装置は、ほぼ逆U字状の管と、該管に挿通された連結部材である紐体と、該紐体の一方端部に取り付けられ容器内の飲料の液面に浮かせる浮子と、該紐体の他方端部に取り付けられ容器外において垂下される目印部材である錘とを有してなる、請求項5に記載の店舗用飲料供給装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の店舗用飲料供給装置を使用して飲料を供給する方法であって、前記容器は店舗の厨房内において、床面から所要の高さを置いた位置に、天井又は梁等の室上部から吊設されるか、あるいは棚部に設置され、前記容器の下方に、什器備品を設置可能なスペース又は余剰スペースが形成され、かつ、前記蛇口が設けられた下流側の管端部は、厨房外に設置され、厨房内から厨房外へ飲料を移送供給することからなる、店舗用飲料供給方法。
【請求項8】
前記蛇口が設けられた下流側の管端部は、店舗内において、客がアクセス可能である厨房外に設置され、客が直接に蛇口から飲料を取り出せるように構成した、請求項7に記載の店舗用飲料供給方法。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれかに記載の店舗用飲料供給装置を使用して飲料を供給する方法であって、前記容器は店舗内において、厨房外の、床面から所要の高さを置いた比較的上方の位置に、天井又は梁等の室上部から吊設されるか、あるいは棚部に設置され、かつ、前記蛇口が設けられた下流側の管端部は、厨房内に設置され、厨房外から厨房内へ飲料を移送供給することからなる、店舗用飲料供給方法。

【図1】
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