説明

座位用防災抱き枕

【課題】高齢者のケア輸送、救急車での搬送補助、オフィスや学習環境の快適性と安全性の向上、介護防災、学習環境向上など多目的に使える、防災機能を兼備した座位用枕を提供する。
【解決手段】柔らかい棉クッション(1)と、形状保持耐性の強い塩化ビニールパイプを多めに詰めた、クッション(2)を組み合わせるなどして、椅子用の抱き枕仕様のクッションを作成する。これに地震で非難時の担ぎ紐(3)や、腕通しを設けるなどの加工を加える。
以上の構成よりなる座位用防災抱き枕を、ケア輸送や、救急搬送、オフィス用品、介護防災の補助、学生の学習補助などに活用させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、お年寄りの車での移動中の背中の痛みを緩和、急ブレーキの際などの怪我の危険性を軽減、デスクワーク中や、机での学習中、車椅子に座る被介護者の背中や肩背部への疲労を緩和、地震などの災害発生時に防災用具に転用できる座位用防災抱き枕に関する。
【背景技術】
【0002】
介護の必要な高齢者の、車による安全輸送の方法には、講習会などでカーブでの声掛け励行などが行われていた。車で走行中の背中の痛み対策は、ほとんどなされていなかった。
デスクワーク用の抱える仕様の枕は、パソコン入力の際に抱きかかえて、腕の疲労を緩和する用途のものがあったが、防災用具として活用できるものはなかった。地震時の落下物からの対処法としては、机の下に潜り込む、非難時には、防災頭巾や帽子を被る方法がとられていた。尚、車椅子からの転落防止など介護補助を目的とする、いす用抱き枕については、本発明出願人が平成20年1月9日に登録実用新案出願している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
介護の必要な高齢者の多くは、耳が聞こえ難く判断力が低下している為、カーブで声賭けをしても対応が鈍く、ずれ落ちる危険性が軽減され難い欠点があった。又、ずれ落ち防止にシートベルトで固定した場合、骨粗しょう症などで骨のもろい人は骨折の危険性があった。
オフィスでの地震発生時の対処法として発生直後は、机の下にもぐりこんで、落下物から身を守る方法があったが、多くの場合机の下に荷物がおいてあり、又、荷物がなくても体の大きな大人には狭すぎて、実効性がなかった。又、防災頭巾などは薄い為衝撃吸収力に乏しく、横すべりする家具などへの対応は出来なかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決する為に、柔らかい棉クッション(1)と、形状保持耐性の強い塩化ビニールパイプクッション(2)を人の字状に連結して、抱き枕仕様のクッションを作成して、背負い紐(3)を設けるなどの加工を加える。以上の構成よりなる座位用抱き枕を、円背で車での移動中に背中の痛くなる人や、救急搬送の際に横になるより、座位が楽な、例えば喘息発作の人などの搬送に活用する。
又、パソコン入力や、学習の際にクッションを横にして、綿クッションを抱え込み、パイプクッションに腕を乗せ、クッションに前傾してもたれかかるようにして活用する。そして、地震が発生した場合は、頭上にのせ落下物から防護、あるいは、楯にして構え横からの障害物に対処する。
【発明の効果】
【0005】
この実施形態によれば、形状保持性の強いパイプクッションが前湾した脊椎の形状に、自在に流動変形して適合するように支え、前傾姿勢の為、車で走行中に掛かる首や背中への負担を軽減する。
デスクワークや学習の際は、クッションを抱きかかえる事で、の腕の重みが免加され、肩こりや背中の疲労を起き難くする。又、もたれかかる事で自然に背筋が伸びた体勢になり、猫背などの悪姿勢を改善、クーラーよる冷えすぎを防止する。
地震発生時には、手で触れているクッションを頭上に掲げるだけの一動作で、迅速に防御体勢に移れ、高層の建物などで起こる大きな横揺れによる家具の横滑りなどからは、盾として構えて対処できる。又、煙が発生した場合は、クッションに顔をうずめ吸煙防止として、避難中はガラスなどの落下物から頭を守り、避難所では座位での抱き枕、あるいは就寝用の枕として活用出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明の実施形態を図1に示す。柔らかい感触の棉クッション(1)と、形状保持耐性が強く、円背体型に適合させる為に塩化ビニールパイプを多めに詰め込んだクッション(2)を人の字状に連結して、椅子用と就寝兼用のクッションを作成する。これに非難時に担げるようにゴム紐(3)、あるいは、顎紐を設けるなどの加工を加える。
【0007】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、クッションを抱きかかえる際に、体に当たる綿クッション部分が柔らかい感触を生みつつ、塩化ビニールパイプを多めに詰めたクッション部分が、前かがみになった高齢者の体の隙間を埋めるように適合して、体幹の腹側から支える耐性を発揮して、車で走行中の振動を吸収する。又、急ブレーキなどかかるシートベルトからの圧力を分散して怪我の危険性を軽減する。
デスクワークや学習中に活用すれば、腕の重みや背中の筋肉の緊張を緩和、疲労を軽減して、仕事の能率を高め、悪姿勢化を予防する。
地震の際は、発生直後や避難中に、頭に乗せると、厚みのあるクッションが落下物の衝撃を緩衝、避難所では休憩補助など、全般をサポートする実用性の高い防災用具とし活用できる。又、車椅子などで介護する高齢者の滑り落ち防止や防災対策としても活用できる。
【0008】
「他の実施形態」
クッションの形状や素材の組み合わせなどは、種々の構成が可能であり、又、ずれ防止についても洋服のように着る仕様など様々の応用が出来る。又、顎を支える部分に凹みを設けるなど種々の改良、又、クッショの中に種々の防災用品を内蔵するなどの応用が可能である。
試作比較の結果では、本形態を原型にする事で、抱きかかえる際は、縦たり横にして使え、又、就寝補助にも兼用できる為、活用範囲が多く簡便であった。
【産業上の利用可能性】
【0009】
介護の必要な高齢者の通院通所のケア輸送に、タクシーなどの常備品として、又、救急車に備えて横になっての搬送が困難な人向けに活用できる。
デスクワークでの体への負担軽減と、地震発生時の、迅速に対処できる防災用具として、オフィス環境の快適性と、安全性を高める用途に利用できる。
車椅子や椅子での介護の際にずれ落ち防止や、背中の疲労防止に活用し、地震発生の際は介護防災用具として利用できる。
学生や、児童に対しては、机で勉強中の肩や脊の疲労防止や、姿勢改善、近眼予防用途などに加え、災害対策に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の斜視図である。(実施例1)
【図2】本発明をデスクワークで利用した図である。(実施例2)
【図3】本発明を地震発生時の防護体勢に利用した図である。(実施例3)
【図4】本発明を盾として利用した図である。(実施例4)
【図5】本発明を介護用途に利用した図である。(実施例5)
【図6】本発明をケア輸送用に利用した図である。(実施例6)
【符号の説明】
【0011】
1 綿を詰めたクッション
2 塩化ビニールパイプを詰めたクッション
3 背負い紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当たりの柔らかい綿などを詰めたクッション(1)と、パイプ等を多めに詰めるなどして、形状保持耐性の強めたクッション(2)を、人の字状などに連結した座位用の抱き枕に、頭上に掲げた際にずれ落ちない為の、担ぎ紐(3)や顎紐、盾として構える腕通し紐等を取り付ける。
以上の構成よりなる、ケア輸送、デスクワークや車椅子介護補助、防災機能を兼備した多目的の座位用防災抱き杖

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−189764(P2009−189764A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64909(P2008−64909)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(595044328)
【Fターム(参考)】