説明

建設機械の運転室、及び運転室のフロアマット

【課題】キャリアの下方に形成されるデッドスペースを有効に活用させることができる建設機械の運転室、及び運転室のフロアマットの提供。
【解決手段】本発明は、内部に、それぞれ床板10上に固定され、旋回体4の幅方向に沿って伸長し、かつ、旋回体4の前後に所定の間隔で配置された複数のスタンドと、これらのスタンド上に設けられるキャリア12と、このキャリア12に固定され、作業装置3を操作する操作装置を保持するコンソール13と、キャリア12に搭載される運転室14とを備えるとともに、床板10上に敷かれるフロアマット16と、乗降口15とを備えた油圧ショベルの運転室4において、複数のスタンドのうちの最前方に位置する前スタンド11の後方であってキャリア12の下方の領域に、乗降口15側に位置する側部が開放され、チューブグリスを収容可能な収容部17を設けた構成にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械の運転室、及び運転室の床上に敷かれる運転室のフロアマットに関する。
【背景技術】
【0002】
図5は従来の運転室の一例として挙げた油圧ショベルの運転室の要部を示す斜視図、図6は図5に示す運転室の床板上に敷かれるフロアマットを示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図である。
【0003】
図5に示すように、建設機械例えば油圧ショベルの車体本体を構成する旋回体上に配置される従来の運転室は、それぞれ床板上に固定され、旋回体の幅方向に沿って伸長し、かつ、旋回体の前後方向に所定間隔で配置された図示しない複数のスタンドと、これらのスタンド上に設けられるキャリア50と、このキャリア50に固定され、旋回体に取り付けられた作業装置を操作する図示しない操作装置を保持するコンソール51と、キャリア50に搭載される運転席52とを備えている。また、床板上に敷かれるフロアマット54と、このフロアマット54への乗り込みを可能にする乗降口53とを備えている。なお、同図5は、乗降口53を開閉する扉を除いた状態が示されている。
【0004】
上述したフロアマット54は、図6に示すように、運転席52に座ったオペレータの足が載置される載置部60を有している。また、載置部60の後方部分の乗降口53付近には、上述した図示しない複数のスタンドのうちの最前方に位置する前スタンドの側部に当接される壁部61と、この壁部61に連設され、上述の図示しない前スタンドの前面部に当接される壁部62と、この壁部62の乗降口53側の端部付近の上端部と壁部61の上端部とに連設され、下方空間を覆うように設けられる平板部63とを有している。
【0005】
このように構成されるフロアマット54を有する従来の運転室は、図5に示すように、キャリア50の下方の空間部が、フロアマット54の平板部63及び壁部61によって閉塞されるように設けられている。
【0006】
なお、上述した図5,6に示した従来技術とは構造が異なるが、特許文献1に、上述したキャリア50を保持するスタンドと同等の支持台によって、キャリアの下方の空間部が閉塞される構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−98584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように図5,6に示した従来技術も、また特許文献1に開示される従来技術も、キャリアの下方の空間部が閉塞される構造となっている。ところで昨今、旋回体すなわち車体本体上の限られたスペースを有効に活用することが研究されており、上述のキャリアの下方に形成されるデッドスペースも有効に活用することが要望されている。
【0009】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、キャリアの下方に形成されるデッドスペースを有効に活用させることができる建設機械の運転室、及び運転室のフロアマットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明に係る建設機械の運転室は、車体本体と、この車体本体に取り付けられる作業装置とを備えた建設機械にあって、上記車体本体の上に配置され、内部に、それぞれ床板上に固定され、上記車体本体の幅方向に沿って伸長し、かつ、上記車体本体の前後方向に所定間隔で配置された複数のスタンドと、これらのスタンド上に設けられるキャリアと、このキャリアに固定され、上記作業装置を操作する操作装置を保持するコンソールと、上記キャリアに搭載される運転席とを備えるとともに、上記床板上に敷かれるフロアマットと、このフロアマットへの乗り込みを可能にする乗降口とを備えた建設機械の運転室において、上記複数のスタンドのうちの最前方に位置する前スタンドの後方であって上記キャリアの下方の領域に、上記乗降口側に位置する側部が開放され、収容対象物を収容可能な収容部を設けたことを特徴としている。
【0011】
このように構成した本発明は、乗降口側に位置する側部が開放された収容部に、その側部から収容対象物を挿入し、収容部内に収容対象物を載置することができる。すなわち、キャリアの下方に形成されていたデッドスペースを、収容対象物の収容場所として有効に活用することができる。また、運転室内に収容対象物が収容される収容部を設けたことにより、収容部に収容された収容対象物が運転室の外部の冷気にさらされる懸念が少なく、収容対象物に対する保温効果を確保することができる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る運転室のフロアマットは、運転席が搭載されるキャリアを固定する複数のスタンドのうちの最前方に位置する前スタンドの後方であって上記キャリアの下方の領域に、乗降口側に位置する側部が開放され、収容対象物を収容可能な収容部を設けた建設機械の運転室の内部の床板上に敷かれる運転室のフロアマットにおいて、上記運転席に座ったオペレータの足が載置される第1載置部と、上記収容部に配置され、上記収容対象物が載置される第2載置部とを有し、上記第2載置部を、3方に壁部を有し、上方が開放され、上記乗降口側に位置する側部が開放された形状に形成したことを特徴としている。
【0013】
このように構成した本発明は、運転室内にフロアマットを敷き、第2載置部を前スタンドの後方であってキャリアの下方の領域に設けられる収容部に配置した際に、この第2載置部の開放された側部及び上方部分から収容対象物を挿入し、第2載置部上に収容対象物を載置させることができる。すなわち、キャリアの下方に形成されていたデッドスペースに第2載置部を配置し、この第2載置部上を収容対象物の収容場所として有効に活用させることができる。また、第2載置部の開放された側部及び上方部分から収容部に収容対象物を挿入できるので、収容部に対する収容対象物の挿入、取り出し作業を容易に行うことができる。
【0014】
また、本発明に係る運転室のフロアマットは、上記発明において、上記3方の壁部は、上記前スタンドの後面部に当接し、上記前スタンドの伸長方向に沿って延設される第1壁部と、この第1壁部の上記乗降口から遠い側に位置する端部に連設され、後方に向かって延設される第2壁部と、この第2壁部の後端部に連設され、上記乗降口に向かって延設される第3壁部とから成ることを特徴としている。
【0015】
このように構成した本発明は、第1壁部と第2壁部と第3壁部とによって適度の剛性を確保できるとともに、第1壁部を前スタンドの後面部に当接させたことから、第2載置部を運転室の床板上に安定して保持させることができるとともに、フロアマットの第2載置部に載置される収容対象物の載置面積を比較的大きく確保することができる。
【0016】
また、本発明に係る運転室のフロアマットは、上記発明において、上記乗降口側に位置する側部の略全領域を開放された形状に形成し、上記第1壁部の上記乗降口側に位置する端部に連設され、上記前スタンドの上記乗降口側に位置する側部に当接する第4壁部と、この第4壁部の前端部に連設され、上記前スタンドの前面部に当接し、上記前スタンドの伸長方向に沿って延設される第5壁部と、この第5壁部の上記乗降口から遠い側に位置する端部に連設され、前方に向かって延設される第6壁部とを備えたことを特徴としている。
【0017】
このように構成した本発明は、第1載置部等に付着した泥土などの洗浄に際し、洗浄によって汚れた水を乗降口側に位置する側部から容易に排出させることができる。また、この際に第1壁部〜第6壁部によって、洗浄に使用される水、あるいは洗浄で汚れた水が、フロアマットから運転室の内部側に浸入することを防止できる。
【0018】
また、本発明に係る運転室のフロアマットは、上記発明において、上記第2載置部の上記車体本体の幅方向に沿う長さ寸法を、当該フロアマット全体の幅方向の中央位置まで至らない長さ寸法に設定したことを特徴としている。
【0019】
このように構成した本発明は、第2載置部の長さ寸法を比較的短く設定したことから、フロアマットを運転室の床板上に組み込む際に、第2載置部の第1壁部と前スタンドの後面部との摩擦による抵抗を小さくすることができる。これにより、比較的容易に床板上にフロアマットを組み込むことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る建設機械の運転室、及び運転室のフロアマットによれば、乗降口側に位置する側部が開放され、収容対象物を収容可能な収容部を形成したことから、キャリアの下方に形成され従来ではデッドスペースとなっていた場所を、収容対象物を収容可能な場所として有効に活用でき、従来に比べて当該建設機械の使用者に対する利便性を向上させることができる。
【0021】
また、本発明に係る建設機械の運転室によれば、運転室内に収容対象物が収容可能な収容部を設けたことにより、収容部に収容された収容対象物が運転室の外部の冷気にさらされる懸念が少なく、収容対象物に対する保温効果を確保することができる。したがって、収容対象物が保温が必要なものである場合に、特に有効である。
【0022】
また、本発明に係る運転室のフロアマットによれば、第2載置部の開放された側部及び上方部分から収容部に収容対象物を挿入できるので、収容部に対する収容対象物の挿入、取り出し作業を容易に行うことができ、優れた使い勝手とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る運転室、及び運転室のフロアマットの一実施形態が備えられる建設機械の一例として挙げた油圧ショベルを示す側面図である。
【図2】図1に示す油圧ショベルの運転室の要部を示す図で、フロアマットを除いた状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示す油圧ショベルの運転室の要部を示す図で、フロアマットを床板上に敷いた状態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る運転室のフロアマットの一実施形態を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図である。
【図5】従来の運転室の一例として挙げた油圧ショベルの運転室の要部を示す斜視図である。
【図6】図5に示す運転室の床板上に敷かれるフロアマットを示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る建設機械の運転室、及び運転室のフロアマットの実施の形態を図に基づいて説明する。
【0025】
図1は本発明に係る運転室、及び運転室のフロアマットの一実施形態が備えられる建設機械の一例として挙げた油圧ショベルを示す側面図、図2は図1に示す油圧ショベルの運転室の要部を示す図で、フロアマットを除いた状態を示す斜視図である。
【0026】
本実施形態に係る運転室が備えられる建設機械は、例えば油圧ショベルである。この油圧ショベルは、図1に示すように、走行体1と、この走行体1上に配置される旋回体2とを備えている。走行体1と旋回体2とによって車体本体を構成している。旋回体2には、上下方向に回動可能に作業装置3が取り付けてある。この作業装置3は、ブーム、アーム、バケット等を含み、土砂の掘削作業などに活用される。旋回体2上には、本実施形態に係る運転室4を配置してある。
【0027】
図2に示すように、運転室4の内部には床板10が備えられ、この床板10上には、車体本体すなわち旋回体2の幅方向に沿って伸長し、かつ、旋回体2の前後方向に所定間隔で配置された複数のスタンドを設けてある。図2には、複数のスタンドのうちの最前方に位置する前スタンド11が示されている。この前スタンド11を含む複数のスタンド上にはキャリア12を設けてあり、このキャリア12に、作業装置3を操作する操作装置を保持するコンソール13を固定させてある。キャリア12には運転席14を搭載させてある。乗降口15付近には、運転室4への乗降に活用される手摺り18を設けてある。なお、図2ではコンソール13に保持される操作装置を省略して描いてある。
【0028】
図3は図1に示す油圧ショベルの運転室の要部を示す図で、フロアマットを床板上に敷いた状態を示す斜視図、図4は本発明に係る運転室のフロアマットの一実施形態を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図である。
【0029】
本実施形態に係る運転室4は、複数のスタンドのうちの上述した最前方に位置する前スタンド11の後方であってキャリア12の下方の領域に、乗降口15側に位置する側部が開放され、収容対象物、例えば作業装置3のブームとアームの接続部等の各関節部の給油に際して用いられる図示しないチューブグリスを収容可能な収容部17を設けてある。なお、図2,3にあっては乗降口15を開閉する扉を省略して示してある。
【0030】
また、上述した図2に示す床板10上には、本実施形態に係るフロアマット16を敷いてある。このフロアマット16は、例えばゴム材から成り、図4に示すように、運転席14に座ったオペレータの足が載置される第1載置部20と、上述した収容部17内に配置され、収容対象物であるチューブグリスが載置される第2載置部21とを有している。
【0031】
第1載置部20には、前側位置に走行操作装置が挿入される穴29と、フットレストが挿入される穴30,31を設けてある。また、穴29の後方位置には、凹凸部から成り、オペレータの足の滑りを防ぐ滑り止め部33を設けてある。滑り止め部33の前側部分は、前方に向かうに連れて次第に高くなる傾斜面32を形成してある。さらに、この第1載置部20には、旋回体2の旋回フレームと床板10とを固定するボルトの頭部等の突起部が収容される複数のドーム状の突部34を設けてある。
【0032】
上述した本実施形態に係るフロアマット16の第2載置部21は、3方に壁部を有し、上方が開放され、乗降口15側に位置する側部25が開放された形状に形成してある。上述の3方の壁部は、図2に示す前スタンド11の後面部11aに当接し、前スタンド11の伸長方向に沿って延設される第1壁部22と、この第1壁部22の乗降口15から遠い側に位置する端部に連設され、後方に向かって延設される第2壁部23と、この第2壁部23の後端部に連設され、乗降口15に向かって延設される第3壁部24から成っている。
【0033】
また、本実施形態に係るフロアマット16は、乗降口15側に位置する側部35の略全領域を開放された形状に形成してある。さらに、フロアマット16は、第1壁部22の乗降口15側に位置する端部に連設され、図2に示す前スタンド11の側部11bに当接する第4壁部26と、この第4壁部26の前端部に連設され、図2に示す前スタンド11の前面部11cに当接し、前スタンド11の伸長方向に沿って延設される第5壁部27と、この第5壁部27の乗降口15から遠い側に位置する端部に連設され、前方に向かって延設される第6壁部28とを備えている。
【0034】
また、図4の(a)図に示すように、フロアマット16の第2載置部21の旋回体2の幅方向に沿う長さ寸法は、例えば収容されるグリスチューブの長さ寸法を考慮して、当該フロアマット16の全体の幅方向の中央位置37まで至らない比較的短い長さ寸法Lに設定してある。また、フロアマット16の乗降口15側に位置する側部35の後端部付近には、図4の(b)図に示すように、後方に向かうに連れて次第に高くなる曲線状突起部を形成するR部36を設けてある。
【0035】
フロアマット16を運転室4内に組み込む際には、フロアマット16の第1載置部20の第5壁部27を図2に示す前スタンド11の前端部11cに当接させ、第4壁部26を図2に示す前スタンド11の側部11bに当接させ、第2載置部21の第1壁部22を図2に示す前スタンド11の後面部11aに当接させるようにして、床板10上に載置することが行われる。このようにフロアマット16を配置した状態で、図3に示す収容部17の側部及び上方部分が開放された第2載置部21上に、収容対象物である図示しないチューブグリスが収容される。
【0036】
上述のように構成した本実施形態に係る運転室4によれば、乗降口15側に位置する側部が開放された収容部17に、その側部からチューブグリスを挿入し、収容部17内にチューブグリスを載置することができる。すなわち、キャリア12の下方に形成されていたデッドスペースを、チューブグリスの収容場所として有効に活用することができ、当該油圧ショベルの使用者に対する利便性を向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態に係る運転室4によれば、運転室4内にチューブグリスが収容される収容部17を設けたことにより、収容部17に収容されたチューブグリスが運転室4の外部の冷気にさらされる懸念が少なく、チューブグリスに対する保温効果を確保することができる。すなわち、チューブグリスを冷やし過ぎないように保つことができるので、このチューブグリスの良好な給油性能を確保できる。
【0038】
また、本実施形態に係るフロアマット16によれば、運転室4内にフロアマット16を敷き、第2載置部21を前スタンド21の後方であってキャリア12の下方の領域に設けられる収容部17に配置した際に、この第2載置部21の開放された側部及び上方部分からチューブグリスを挿入し、第2載置部21上にチューブグリスを載置させることができる。すなわち、キャリア12の下方に形成されていたデッドスペースを、チューブグリスの収容場所として有効に活用することができ、当該油圧ショベルの使用者に対する利便性を向上させることができる。
【0039】
また、本実施形態に係るフロアマット16によれば、第2載置部21の開放された側部25及び上方部分から収容部17にチューブグリスを挿入できるので、収容部17に対するチューブグリスの挿入、取り出し作業を容易に行うことができ、優れた使い勝手とすることができる。
【0040】
また、本実施形態に係るフロアマット16によれば、第2載置部21の第1壁部22、第2壁部23、第3壁部24と、第1載置部20の第5壁部27、第6壁部28と、第1壁部22と第5壁部27とを連設する第4壁部26とによって適度の剛性を確保できるとともに、第1壁部22を前スタンド11の後面部11aに当接させ、第4壁部26を前スタンド11の側部11bに当接させ、第5壁部27を前スタンド11の前面部11cに当接させるようにして、運転室4の床板10上に載置することから、第1載置部20及び第2載置部21を床板10上に安定して保持させることができるとともに、フロアマット16の第2載置部21に載置されるチューブグリスの載置面積を比較的大きく確保することができる。
【0041】
また、本実施形態に係るフロアマット16によれば、第1載置部20及び第2載置部21等に付着した泥土などの洗浄に際し、洗浄によって流れた水を乗降口15側に位置する側部35から容易に排出させることができる。また、この第1壁部22〜第6壁部28によって、洗浄に使用される水、あるいは洗浄によって流れた水が、フロアマット16から運転室4の内部側に浸入することを防止でき、信頼性の高いフロアマット16を実現できる。
【0042】
また、本実施形態に係るフロアマット16によれば、第2載置部21の長さ寸法を比較的短く設定したことから、フロアマット16を運転室4の床板10上に組み込む際に、第2載置部21の第1壁部22と前スタンド11の後面部11aとの摩擦による抵抗を小さくすることができる。これにより、比較的容易に床板10上にフロアマット16を組み込むことができる。
【0043】
また、本実施形態に係るフロアマット16によれば、フロアマット16の乗降口15側に位置する側部35の後端部付近に、曲線状突起部を形成するR部36を設けたことから、このR部36によって収容部17に収容されたチューブグリスの外方への脱出を防ぐことができる。
【0044】
なお、上記実施形態にあっては、収容部17に収容される収容対象物の一例としてチューブグリスを挙げたが、収容対象物はチューブグリスに限られない。種々の物を収容可能である。
【0045】
また、上記では、フロアマット16の第2載置部21の長さ寸法を、チューブグリスの収容を考慮して、フロアマット16全体の幅寸法の中央位置17に至らない寸法に設定したが、本発明は、第2載置部21の長さ寸法をこのように設定することには限られず、収容対象物の長さ寸法等を考慮して中央位置17を越える長さ寸法に設定してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 走行体(車体本体)
2 旋回体(車体本体)
3 作業装置
4 運転室
10 床板
11 前スタンド
11a 後面部
11b 側部
11c 前面部
12 キャリア
13 コンソール
14 運転席
15 乗降口
16 フロアマット
17 収容部
20 第1載置部
21 第2載置部
22 第1壁部
23 第2壁部
24 第3壁部
25 側部
26 第4壁部
27 第5壁部
28 第6壁部
35 側部
37 中央位置
L 長さ寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体本体と、この車体本体に取り付けられる作業装置とを備えた建設機械にあって、
上記車体本体の上に配置され、内部に、それぞれ床板上に固定され、上記車体本体の幅方向に沿って伸長し、かつ、上記車体本体の前後方向に所定間隔で配置された複数のスタンドと、これらのスタンド上に設けられるキャリアと、このキャリアに固定され、上記作業装置を操作する操作装置を保持するコンソールと、上記キャリアに搭載される運転席とを備えるとともに、上記床板上に敷かれるフロアマットと、このフロアマットへの乗り込みを可能にする乗降口とを備えた建設機械の運転室において、
上記複数のスタンドのうちの最前方に位置する前スタンドの後方であって上記キャリアの下方の領域に、上記乗降口側に位置する側部が開放され、収容対象物を収容可能な収容部を設けたことを特徴とする建設機械の運転室。
【請求項2】
運転席が搭載されるキャリアを固定する複数のスタンドのうちの最前方に位置する前スタンドの後方であって上記キャリアの下方の領域に、乗降口側に位置する側部が開放され、収容対象物を収容可能な収容部を設けた建設機械の運転室の内部の床板上に敷かれる運転室のフロアマットにおいて、
上記運転席に座ったオペレータの足が載置される第1載置部と、上記収容部に配置され、上記収容対象物が載置される第2載置部とを有し、
上記第2載置部を、3方に壁部を有し、上方が開放され、上記乗降口側に位置する側部が開放された形状に形成したことを特徴とする運転室のフロアマット。
【請求項3】
請求項2に記載の運転室のフロアマットにおいて、
上記3方の壁部は、上記前スタンドの後面部に当接し、上記前スタンドの伸長方向に沿って延設される第1壁部と、この第1壁部の上記乗降口から遠い側に位置する端部に連設され、後方に向かって延設される第2壁部と、この第2壁部の後端部に連設され、上記乗降口に向かって延設される第3壁部とから成ることを特徴とする運転室のフロアマット。
【請求項4】
請求項3に記載の運転室のフロアマットにおいて、
上記乗降口側に位置する側部の略全領域を開放された形状に形成し、
上記第1壁部の上記乗降口側に位置する端部に連設され、上記前スタンドの上記乗降口側に位置する側部に当接する第4壁部と、この第4壁部の前端部に連設され、上記前スタンドの前面部に当接し、上記前スタンドの伸長方向に沿って延設される第5壁部と、この第5壁部の上記乗降口から遠い側に位置する端部に連設され、前方に向かって延設される第6壁部とを備えたことを特徴とする運転室のフロアマット。
【請求項5】
請求項4に記載の建設機械の運転室のフロアマットにおいて、
上記第2載置部の上記車体本体の幅方向に沿う長さ寸法を、当該フロアマット全体の幅方向の中央位置まで至らない長さ寸法に設定したことを特徴とする建設機械の運転室のフロアマット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−127085(P2012−127085A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278146(P2010−278146)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】