説明

建設機械の運転室内の換気監視装置

【課題】建設機械の運転室内の外気導入による換気状況を監視することができる建設機械の運転室内の換気監視装置を提供する。
【解決手段】内外気切替用のダンパ10gの切替により、外気を空調装置10を通して運転室9に供給する外気導入系統と、運転室9内の内気を空調装置10を通して運転室9に供給する内気循環系統と備える建設機械の運転室内の換気監視装置であって、外気吸込ダクト18に設けた空気流量検出器22と、内気吸込ダクト16に設けた内気絞り弁21と、予め基準値(推奨値)を記憶した記憶部と前記空気流量検出器からの外気風量が前記記憶部に記憶した基準値(推奨値)よりも小さい場合には、換気が正常でない旨と前記空調装置の増風を指示する旨の表示信号を出力するとともに、前記内気絞り弁に開放量を小さくする指令を出力する演算部とを有する換気制御装置11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の運転室内の外気導入による換気状況を監視することができる建設機械の運転室内の換気監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械の1つである油圧ショベルは、長時間連続稼動されることが多いので、運転室内の作業者に対する居住性を配慮して、運転室内の空気調和、暖房、及び換気を行う空調装置を備えている。この空調装置として、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
特許文献1には、単一の外気導入口および内気導入口を複数台の蒸発器で共用して外気フィルタおよび内気フィルタの設置箇所を1箇所ずつとし、フィルタの着,脱作業を容易にした空調装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−62690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した建設機械の空調装置においては、運転室内の空気を空調装置の蒸発器を通して循環させる内気循環系統と、室外の空気を空調装置の蒸発器を通して運転室内に取り入れる外気導入系統とを備えている。この内気循環系統と外気導入系統は、空調装置内のブロワの入
口に設けた内外気切替用のダンパの回動により切換えられる。
【0006】
運転室内に導入される風量の内気と外気の割合は、内外気切替用のダンパが、内気循環系統と外気導入系統との各吸入口を塞ぐ面積比で設定されている。例えば、内気循環系統使用時と外気導入系統使用時との風量割合が5.5:4.5の空調装置を使用し、運転室内に導入される風量が、100m /hである場合、内気循環系統使用時と外気導入系統使用時との風量割合は5.5m /h:4.5m /hとなる。
【0007】
上述した風量は、内気循環系統の入口に設けた内気フィルタと外気導入系統の入口に設けた外気フィルタとを通過するが、内気フィルタと外気フィルタは、生産性及びコストの観点から同じものをする場合ある。その際、外気フィルタには、粉塵等を含む外気が通過するため、外気フィルタは、内気フィルタに比べて汚れやすく、目詰まりも生じやすい。
【0008】
このため、空調装置で設定された内気と外気との導入割合に係わらず、空調装置は外気を吸い込みにくくなる傾向にある。この傾向は時間の経過に伴って増大するので、外気フィルタの使用可能な期間内であっても、外気の導入風量が減少する。
【0009】
そして、運転室内の換気に必要な外気導入風量の推奨値として、JISのA8330−4の6.1.2項に「空気調和、暖房又は換気のすべての試験の間、運転室には少なくとも運転員1人当たり43m /hのろ過された新鮮な外気が導入されるのがよい。」と記載されているが、外気の導入風量が上記の推奨値を下回る恐れがある。
【0010】
このように、運転室内への外気の導入風量が低下すると、運転室内の換気性が低下し、運転者に対する環境性が低下し、運転者の作業効率に大きな影響を与えるという問題がある。
【0011】
本発明は、上述の課題に基づいてなされたもので、その目的は、建設機械の運転室内の外気導入による換気状況を監視することができる建設機械の運転室内の換気監視装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、内外気切替用のダンパの切替により、外気フィルタ、外気吸込ダクトを通して取り込んだ外気を空調装置を通して運転室に開口した吹出口に供給する外気導入系統と、内気フィルタ、内気吸込ダクトを介して取り込んだ運転室内の内気を、空調装置を通して運転室に開口した吹出口に供給する内気循環系統と備える建設機械の運転室内の換気監視装置であって、前記外気吸込ダクトに設けた空気流量検出器と、前記内気吸込ダクトに設けた内気絞り弁と、予め基準値(推奨値)を記憶した記憶部と前記空気流量検出器からの外気風量が前記記憶部に記憶した基準値(推奨値)よりも小さい場合には、換気が正常でない旨と前記空調装置の増風を指示する旨の表示信号を出力するとともに、前記内気絞り弁に開放量を小さくする指令を出力する演算部とを有する換気制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記制御手段は、前記空気流量検出器からの外気風量が前記記憶部に記憶した基準値(推奨値)よりも大きい場合には、換気が正常である旨の表示信号を出力するとともに、前記内気絞り弁に全開指令を出力することを特徴とする。
【0014】
更に、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記制御手段は、前記空気流量検出器からの外気風量が前記記憶部に記憶した基準値(推奨値)よりも小さい場合には、換気が正常でない旨と前記空調装置の増風を指示する旨の表示信号を出力するとともに、前記内気絞り弁の開放量を現状の開放量よりも小さくする開放指令を前記内気絞り弁に出力することを特徴とする。
【0015】
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明のいずれかにおいて、前記換気制御装置からの前記表示信号を取り込み、換気状態を表示する表示装置を更に備えたことを特徴とする。
【0016】
更に、第5の発明は、第1乃至第4の発明のいずれかにおいて、前記空気流量検出器は、風量計であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、建設機械の運転室内への換気に係る外気導入量が基準値(推奨値)以下である場合に、外気導入による換気状況とその解決方法を提示することができるので、運転室内の換気性が改善され、運転者の作業効率が向上し、生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の建設機械の運転室内の換気監視装置の一実施の形態を備える建設機械の側面図である。
【図2】本発明の建設機械の運転室内の換気監視装置の一実施の形態の構成を示す系統図である。
【図3】図2に示す本発明の建設機械の運転室内の換気監視装置の一実施の形態を部分的に拡大して示す系統図である。
【図4】本発明の建設機械の運転室内の換気監視装置の一実施の形態の動作を説明するフローチャト図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の建設機械の運転室内の換気監視装置の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の建設機械の運転室内の換気監視装置の一実施の形態を備える建設機械の側面図である。この図1において、本発明の建設機械の運転室内の換気監視装置の一実施の形態を備える建設機械(この例では油圧ショベルを示している。)1は、走行体2と、走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に設けた旋回体4と、旋回体4の前側部分に設けられ、該作業装置4はブーム5a,アーム5b,バケット5c等を有する作業装置5とを備えている。
【0020】
旋回体4の後方には、機械室6が設けられ、この機械室6の後方の旋回体4の後端部には、カウンタウェイト7が設けられている。機械室6内には、エンジン,油圧機器,燃料タンク,作動油タンク(いずれも図示せず)等が収容されている。さらに、旋回体4上には、機械室6の前側に位置する台座フレーム8と、この台座フレーム8上に搭載された運転室9が設けられている。運転室9内には、オペレータが着座する運転席や走行体および作業装置5等を動作させる複数の操作レバー等(図示せず)及び空調装置のコントローラ(後述する)が設けられている。
【0021】
次に、図2及び図3を用いて、空調装置及び本発明の建設機械の運転室内の換気監視装置の一実施の形態を説明する。
図2及び図3を用いて説明する。図2及び図3において、図1と同じ部分には同じ符号を付し、説明は省略する。
台座フレーム8の下面には、図2に示すように、台座フレーム8内と外部とを連通する外気通過用の孔8aが複数個設けられている。空調装置10は台座フレーム8内に配置され、本発明の建設機械の運転室内の換気監視制御装置11の一実施の形態は、運転室9内と台座フレーム8内に渡って設けられている。運転室9内には、運転室9内の居住空間が大きいので、この例では3台の空調装置10からの冷気、図3に示すヒータコア12からの暖気を運転室9内に吹き出す3つの吹出口13と、運転室9内の内気を吸い込む内気吸込口14が設けられている。
【0022】
空調装置10は、油圧モータにより駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機10aと、圧縮された冷媒を液化する凝縮器10bと、液化された冷媒を収容するレシーバタンク10cと、レシーバタンク10cから流出する冷媒の圧力を下げる膨張弁10dと、冷媒が蒸発するときに周囲の空気を冷却する蒸発器10eと、冷却された空気又はヒータコア12で暖められた暖気を運転室9側に送風するブロアファン10fと、ブロアファン10fの入口側に設けた内外気切替用のダンパ10gと、ヒータコア12と、ヒータコア12で暖められた暖気の風量を調整する暖気調整用のダンパ10hと、冷媒配管10iと、凝縮器冷却ファン10j等を備えている。なお、作図の都合上、ヒータコア12と暖気調整用のダンパ10hは、図2において省略している。
【0023】
各蒸発器10eの下流側は、各吹出ダクト15を通して各吹出口13にそれぞれ連通している。ブロアファン10fの入口側は、各内気吸込ダクト16を介して1つの内気吸込口14に連通している。各内気吸込ダクト16には、内気フィルタ17がそれぞれ設けられている。また、ブロアファン10fの入口側は、内外気切替用のダンパ10g、外気吸込ダクト18を経由して台座フレーム8内に連通している。外気吸込ダクト18には、台座フレーム8に設けた外気通過用の孔8aから台座フレーム8内に流入した外気が吸い込まれる。外気吸込ダクト18の開放端には、外気フィルタ19が設けられている。
【0024】
内外気切替用のダンパ10gを図3の実線又は2点鎖線で示すような切替により、外気フィルタ19、外気吸込ダクト18を通して取り込んだ外気を空調装置10を通して運転室9に開口した吹出口13に供給して運転室9内を換気する外気導入系統と、内気吸込口14、内気フィルタ17、内気吸込ダクト16を介して取り込んだ運転室9内の内気を、空調装置10を通して運転室9に開口した吹出口13に供給する内気循環系統とに選択される。
【0025】
前述した空調装置10の各制御部を動作制御するコントローラ20が、運転室9内に設置されている。コントローラ20は、空調装置10を構成する圧縮機10a、凝縮器冷却ファン10j、ブロアファン10fを起動制御する。また、コントローラ20には、暖気調整用のダンパ10h、内外気切替用のダンパ10gの切替スイッチ(図示せず)が接続されているとともに、ブロアファン10fの風量を調節する風量調節スイッチ(図示せず)が接続されている。ブロアファン10fの風量は、この例では、0%、25%、50%、75%、100%の5段階に切換可能になっている。
【0026】
次に、本発明の建設機械の運転室内の換気監視装置の一実施の形態を図2及び図3を用いて説明する。
3つの空調装置10の内の1つの空調装置10(図2の右側の空調装置10)における内気吸込ダクト16には、換気監視制御装置11によって制御される内気絞り弁21が設けられている。また、この空調装置10における外気吸込ダクト18には、外気吸込ダクト18を通過する空気量を検出する空気量検出器22が設けられている。空気流量検出器22としては例えば、風量計が用いられる。空気量検出器22によって検出された検出空気量値は、換気監視制御装置11に取り込まれる。
【0027】
換気監視制御装置11は、運転室内の換気に必要な外気導入風量の推奨値である43m /hを基準値として記憶するとともに、空調装置10の風量(0%、25%、50%、75%、100%)を取り込み記憶する記憶部11aと、記憶部11aに記憶した基準値(推奨値:43m /h)と空気量検出器22によって検出された検出空気量値とを比較し、検出空気量値が基準値よりも小さい場合、空調装置10の風量(25%、50%、75%、100%)を現在の風量よりも上げる指令を表示装置23に出力するとともに、内気絞り弁21の開放量が100%の場合には開放量を75%に、内気絞り弁21の開放量が75%の場合には開放量を50%に、内気絞り弁21の開放量が50%の場合には開放量を25%に、内気絞り弁21の開放量が25%の場合には開放量を0%に調整する指令を、内気絞り弁21に出力し、また、内気絞り弁21の開放量が0%の場合には、「換気不正常、外気フィルタ19の交換」の表示指令を表示装置23に出力する演算部11bとを備えている。演算部11bの詳細な処理手順は後述する。
【0028】
前述した検出空気量値が基準値よりも小さくなった場合には、外気フィルタ19の交換をオペレータに促すが、この状態では、外気フィルタ19が未だ使用可能な状態にあるので、使用を継続するが、外気フィルタ19の目詰まりによる外気取り込み量の低下分を、内気の取り込みにより補足するために、上述のように、内気絞り弁21の開放量を絞り調整している。
【0029】
次に、上述した本発明の建設機械の運転室内の換気監視制御装置11の一実施の形態、及び空調装置10の動作を、図4を用いて説明する。
車体電源のON後(ステップS1)、空調装置10のコントローラ20は、空調装置10の電源がONかOFFかを判断し(ステップS2)、空調装置10の電源がOFFの場合、ステップS3に移行し、表示装置23に「モニター表示(異常)。コメントA:運転室9内の換気が正常に行われていません。エアコンを稼働して下さい。」の表示信号を出力する(ステップS3)。
【0030】
次に、空調装置10の電源ONにより、空調装置10が稼働した場合、空調装置10のコントローラ20は、空調装置10は外気モード(外気導入系統)か否かを調べ(ステップS4)、外気モード(外気導入系統)になっていない場合、表示装置23に「モニター表示(異常)。コメントB:運転室9内の換気が正常に行われていません。外気モードに切り替えて下さい。」の表示信号を出力する(ステップS5)。
【0031】
次に、空調装置10が外気モード(外気導入系統)に切り替えられると、外気フィルタ19、外気吸込ダクト18を通して取り込まれた外気が、空調装置10を通して運転室9に開口した吹出口13から運転室9内に吹き出され、運転室9内が換気される。
【0032】
そして、換気監視制御装置11は、予め記憶した基準値((推奨値:43m /h)と空気量検出器22によって検出された検出空気量値とを比較し(ステップS6)、検出空気量値が基準値よりも大きいと判断した場合には、内気絞り弁21に100%開度の指令を出力し(ステップS7)、更に、表示装置23に「モニター表示(正常)。コメントC:運転室9内の換気が正常に行われています。」の表示信号を出力し(ステップS8)、上記の動作を繰り返す。
【0033】
ステップS6に戻り、換気監視制御装置11が予め記憶した基準値((推奨値:43m /h)と空気量検出器22によって検出された検出空気量値とを比較し(ステップS6)、検出空気量値が基準値よりも小さいと判断した場合、空調装置10の風量(0%、25%、50%、75%)を確認し(ステップS9)、空調装置10の現在の風量よりも風量を上げる指令及びフィルタ19が正常でない旨の指令、例えば、「モニター表示(異常)。コメントD:運転室9内の換気が正常に行われていません。エアコンの風量を上げて下さい。」の表示信号を表示装置23に出力する(ステップS10)。
【0034】
また、換気監視制御装置11は、内気絞り弁21の開放量を取り込み(ステップS11)、内気絞り弁21の開放量が100%の場合には、開放量を75%に調整する信号を内気絞り弁21に出力し(ステップS12)、内気絞り弁21の開放量が75%の場合には、開放量を50%に調整する信号を内気絞り弁21に出力し(ステップS13)、内気絞り弁21の開放量が50%の場合には、開放量を25%に調整する信号を内気絞り弁21に出力し(ステップS14)、内気絞り弁21の開放量が25%の場合には、開放量を0%に調整する指令を内気絞り弁21に出力する(ステップS15)。この内気絞り弁21の開放量の調整によって、予め記憶した基準値((推奨値:43m /h)よりも低下した外気量を、内気量の取り込みにより補正調整している。
【0035】
次に、ステップS11に戻り、内気絞り弁21の開放量が0%継続した場合には、換気監視制御装置11は、「モニター表示(異常)。コメントE:運転室9内の換気が正常に行われていません。エアコンフィルタを交換して下さい。」の表示信号を表示装置23に出力する(ステップS16)。この指示により、外気フィルタ19を交換することにより、運転室9内の換気性能を正常に戻すことができる。
【0036】
上述した本発明の実施の形態によれば、建設機械の運転室内への換気に係る外気導入量が基準値(推奨値)以下である場合に、外気導入による換気状況とその解決方法を提示することができるので、運転室内の換気性が改善され、運転者の作業効率が向上し、生産性を高めることができる。
【0037】
なお、上述の実施の形態においては、3台の空調装置10の内の1台の空調装置10を制御して、運転室内の換気監視を行っているが、3台の空調装置10を制御することも可能である。また、1台の空調装置10の場合にも、同様に実施することができる。
【0038】
また、上述の実施の形態においては、3台の空調装置10を台座フレーム8内に水平方向に並設したが、台座フレーム8内に上下方向に配設することも可能である。また、上述の実施の形態においては、凝縮器10bと凝縮器冷却ファン10jも、同様に台座フレーム8内に水平方向に並設したが、台座フレーム8を構成する側壁に水平方向に並設することも可能である。さらに、前記の実施の形態では、油圧ショベルを例に挙げて説明したが、油圧クレーン,ブルドーザ等の他の建設機械にも用いることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 建設機械
2 走行体
4 旋回体
5 作業装置
8 台座フレーム
9 運転室
10 空調装置
10a 圧縮機
10b 凝縮器
10c レシーバタンク
10e 蒸発器
10f ブロアファン
10g 内外気切替用のダンパ
13 吹出口
14 内気吸込口
16 内気吸込ダクト
17 内気フィルタ
18 外気吸込ダクト
19 外気フィルタ
20 空調装置10のコントローラ
21 内気絞り弁
22 空気量検出器
23 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内外気切替用のダンパの切替により、外気フィルタ、外気吸込ダクトを通して取り込んだ外気を空調装置を通して運転室に開口した吹出口に供給する外気導入系統と、内気フィルタ、内気吸込ダクトを介して取り込んだ運転室内の内気を、空調装置を通して運転室に開口した吹出口に供給する内気循環系統と備える建設機械の運転室内の換気監視装置であって、
前記外気吸込ダクトに設けた空気流量検出器と、
前記内気吸込ダクトに設けた内気絞り弁と、
予め基準値(推奨値)を記憶した記憶部と前記空気流量検出器からの外気風量が前記記憶部に記憶した基準値(推奨値)よりも小さい場合には、換気が正常でない旨と前記空調装置の増風を指示する旨の表示信号を出力するとともに、前記内気絞り弁に開放量を小さくする指令を出力する演算部とを有する換気制御装置とを備えた
ことを特徴とする建設機械の運転室内の換気監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械の運転室内の換気監視装置において、
前記制御手段は、前記空気流量検出器からの外気風量が前記記憶部に記憶した基準値(推奨値)よりも大きい場合には、換気が正常である旨の表示信号を出力するとともに、前記内気絞り弁に全開指令を出力する
ことを特徴とする建設機械の運転室内の換気監視装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の建設機械の運転室内の換気監視装置において、
前記制御手段は、前記空気流量検出器からの外気風量が前記記憶部に記憶した基準値(推奨値)よりも小さい場合には、換気が正常でない旨と前記空調装置の増風を指示する旨の表示信号を出力するとともに、前記内気絞り弁の開放量を現状の開放量よりも小さくする開放指令を前記内気絞り弁に出力する
ことを特徴とする建設機械の運転室内の換気監視装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建設機械の運転室内の換気監視装置において、
前記換気制御装置からの前記表示信号を取り込み、換気状態を表示する表示装置を更に備えたことを特徴とする建設機械の運転室内の換気監視装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の建設機械の運転室内の換気監視装置において、
前記空気流量検出器は、風量計であることを特徴とする建設機械の運転室内の換気監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−229535(P2012−229535A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97489(P2011−97489)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】