引出しのロック装置
【課題】引出しに対する組み付けを容易に行なえるようにした引出しのロック装置を提供する。
【解決手段】引出しの前板部の前面の開口を覆う化粧板に取り付けられるレバー取り付け枠5内に取っ手となり水平軸芯の周りで回動するレバーを設け、前板部の片側端部における後面板の内側に位置するように設けられるフック取り付け体19には水平軸芯の周りで回動自在に支持されてフック21を取り付け、フック取り付け体19から後方に突出するフック21の先端爪部20は引出しを収納するケーシング本体の前端近傍内側に設けられる受け部材の係止面に係止するように構成され、レバー取り付け枠5の背面側にはレバーの動きにより水平軸芯の周りで回転する回転板11を備え、この回転板11と前記フック21とをワイヤー14で繋いで連動させ、レバーの押し上げ操作によりフック21の先端爪部20と受け部材の係止面との係止を解除するように構成した。
【解決手段】引出しの前板部の前面の開口を覆う化粧板に取り付けられるレバー取り付け枠5内に取っ手となり水平軸芯の周りで回動するレバーを設け、前板部の片側端部における後面板の内側に位置するように設けられるフック取り付け体19には水平軸芯の周りで回動自在に支持されてフック21を取り付け、フック取り付け体19から後方に突出するフック21の先端爪部20は引出しを収納するケーシング本体の前端近傍内側に設けられる受け部材の係止面に係止するように構成され、レバー取り付け枠5の背面側にはレバーの動きにより水平軸芯の周りで回転する回転板11を備え、この回転板11と前記フック21とをワイヤー14で繋いで連動させ、レバーの押し上げ操作によりフック21の先端爪部20と受け部材の係止面との係止を解除するように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類棚や薬品棚などのケーシング本体に設けられる引出しが衝撃などによって勝手に開かないようにした引出しのロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種引出しのロック装置としては、例えば特許文献1に開示されているように、引出しの前面板の前面に左右軸回りに枢設したレバーの後面に下向フックを突設し、前面板内に枢設した左右方向を向くクランク軸の要所に、その軸線と偏位して、上記下向フックと当接しうるクランク部を設けるとともに、クランク軸の端部に、軸線と直交する駆動部を設け、かつ前面板の内側端に枢設した上下方向を向くラッチ軸の一端に、水平をなして上記駆動部と交差する従動部を設けるとともに、ラッチ軸の他端に、後方を向くラッチを設け、そのラッチは、ばねの力により、常時はキャビネットの内側面に設けた係止体に係止しているが、レバーを前向回動することにより、係止体より離脱するようにしたものが知られている。
【特許文献1】特開平9−215541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載のロック装置の構成では、クランク軸のクランク部をフックと当接させるとともに、クランク軸の端部に軸線と直交するように設けた駆動部を前面板の内側端に枢設した上下方向を向くラッチ軸の一端の従動部と交差させるという組み立てが、レバーを引出しに取り付ける際に必要であり、組み立てに手間がかかるという問題があった。また、引出しには様々な幅サイズのものがあり、その都度そのサイズに合うクランク軸を用意しなくてはならないという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、このような課題を解決するものであり、引出しに対する組み付けを容易に行なえるようにした引出しのロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の引出しのロック装置は、引出しの前板部の前面の開口を覆う化粧板に取り付けられるレバー取り付け枠内に取っ手となり軸芯の周りで回動するレバーを設け、前板部の片側端部における後面板の内側に位置するように設けられるフック取り付け体には軸芯の周りで回動自在に支持されてフックを取り付け、フック取り付け体から後方に突出するフックの先端爪部は引出しを収納するケーシング本体の前端近傍内側に設けられる受け部材の係止面に係止するように構成され、前記レバー取り付け枠の背面側にはレバーの動きにより軸芯の周りで回転する回転板を備え、この回転板と前記フックとをワイヤーで繋いで連動させ、レバー操作によりフックの先端爪部と受け部材の係止面との係止を解除するように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明の引出しのロック装置は、レバー取り付け枠に内蔵されたレバーとフック取り付け体に内蔵されたケーシング本体側の受け部材の係止面に先端爪部が係止するフックとをワイヤーで繋いで連動させるように構成されているので、ワイヤーで繋がれたレバー取り付け枠側とフック取り付け体側をそれぞれ引出しに組み付けるだけで良く、引出しに対する組み付けを容易に行なえ、組み立て作業性が向上する引出しのロック装置を提供することができる。そして、この引出しのロック装置を採用することにより振動や衝撃などによって引出しが勝手に開くのを不可能とし、またレバー取り付け枠側とフック取り付け体側を可撓性のあるワイヤーで繋いで連動させるようになっているので、レバー取り付け枠に対するフック取り付け体の取り付け位置に制限がなく、各幅サイズの引出しに対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施の形態を、図1〜図14を用いて具体的に説明する。
図において、1は複数段の引出し2を備えたスチール製の薬品棚で、この薬品棚1の各引出し2の前板部3には中央部にそれぞれ取っ手となるレバー4が設けられる。各引出し2におけるレバー4は前面が開口するレバー取り付け枠5内に位置して水平軸芯の周りで回動自在に軸6によってレバー取り付け枠5に支持されている。詳しくは、軸6はレバー取り付け枠5の後部上端に設けた両側の軸受け部7,7と、この両側の軸受け部7間に挟まれて位置するようにレバー4の後部上端に設けた軸受け部8に挿通されている。そして、レバー4を支持する軸6にはレバー取り付け枠5の上端壁5aの内面に対しレバー4を開く方向に付勢するコイルばね9がレバー4の軸受け部8間で嵌められ、レバー4の中央の軸受け部8から後方に延びる突出片10にコイルばね9の中間突出片9aを当接させ、レバー取り付け枠5の前記軸受け部7,7よりも後側における上面にコイルばね9の両端突出片9bを当接させている。これによりレバー4はレバー取り付け枠5の上端壁5aの内面に対し開く方向に付勢されることになる。前記レバー取り付け枠5の前記軸受け部7,7よりも後側における上面には一箇所で前記レバー4の突出片10の下面に当接する回転板11を水平軸芯の周りで正逆回転自在に支持するための軸受け部12が設けられ、この軸受け部12に軸13で取り付けられレバー取り付け枠5の背面側に位置する回転板11の下端にはワイヤー14の一端が繋がれている。ワイヤー14はチューブ15内に収納されてチューブ15内を長さ方向に摺動可能となっており、チューブ15の一端側はレバー取り付け枠5の背面に突設されたブラケット16に固定され、この固定部からワイヤー14の一端が突出して回転板11に繋がれる。チューブ15の他端側は引出し2の側板部17から両側に突出する前板部3の片側端部における後面板18の内側に取り付けられるフック取り付け体19の下端に支持され、フック取り付け体19の上側部内に水平軸芯の周りで回動自在に支持されフック取り付け体19から後方に先端爪部20が突出するフック21の下端にチューブ15の他端側から突出するワイヤー14の他端が結合されている。なお、フック21は先端爪部20が下向きに力が掛かるようにフック取り付け体19内に設けたコイルばね22により付勢されている。23はフック21の下向きへの回動を一定角度で止めるためにフック取り付け体19にフック21の後端上面が当接するように形成したストッパー面である。ところで、前記レバー取り付け枠5は引出し2の前板部3の前端開口を閉じる化粧板24に形成されている横向きの取り付け孔25に嵌め込まれ、レバー取り付け枠5の前端部の外周裏面が取り付け孔25の周囲外面に当接し、レバー取り付け枠5の背面下端にレバー取り付け枠5の前端部の外周裏面に近接して設けた挟持部26により取り付け孔25の周囲の下端部を挟持するようにして化粧板24と結合される。また、前記フック取り付け体19は、レバー取り付け枠5が取り付けられた化粧板24で前板部3の前面を覆う前に前板部3の片側端部における後面板18の内側に位置させ、フック取り付け体19の後面における上下両端に設けた係止爪27,28を後面板18の上下の孔18a,18bより後方に突出させ後面板18の孔18a,18bに係止させて取り付けられるものである。フック21の先端爪部20側は前記上側の孔18aから後方に飛び出した状態で動作するように組み立てられる。引出し2が収められる薬品棚本体(ケーシング本体)29の前端近傍内側には引出し2を閉じたときに引出し2の前板部3の後面板18を当接させる受け部30が設けられ、この受け部30の内側面に前記フック21の先端爪部20を係止させ引出し2を閉じた状態でロックする受け部材31が取り付けられる。この受け部材31の背面、つまり受け部30の内側面に対向する面には前後両端に係止爪32,33が設けられ、この係止爪32,33を受け部30の内側面に形成した前後の孔30a,30bに係止させて受け部材31が取り付けられる。受け部材31の係止爪32,33が設けられた面とは反対の面には背面に係止面34が形成され、前記フック21が下向きに回動した状態においてフック21の先端爪部20が係止面34に係止して引出し2のロック状態を保持するように構成されている。
【0008】
以上述べたフック取り付け体19の取り付けおよび受け部材31の取り付けは前述のようにレバー取り付け枠5が取り付けられた状態の化粧板24で前板部3の前面を覆う前に行なわれるのであって、フック取り付け体19および受け部材31の取り付けが完了した後で化粧板24を前板部3の前面を覆うように取り付ければ良い。
【0009】
上記構成において、引出し2は閉じられた状態ではフック21の先端爪部20が受け部材31の係止面34に係止して引出し2のロック状態が保持されており、引出し2を引き出すときは前記レバー取り付け枠5内のレバー4を手の指でレバー取り付け枠5の上端壁5aの内面に近づける方向に押し上げることにより前記突出片10により回転板11を押し上げるように回転させ、それにより前記ワイヤー14を介してフック21が連動し、フック21を先端爪部20が受け部材31の係止面34から外れる方向に引き上げ、先端爪部20と係止面34とのロックが解除されて引出し2を引き出すことができる。レバー4に対する手の指による押し上げ力を解除するとレバー4は前記コイルばね9の付勢力により下動して、前記ワイヤー14により連動するとともにコイルばね22により付勢力により前記フック21は先端爪部20が下向きに回動する。つまり、引出し2が引き出されているときはこのような状態となっており、引出し2を薬品棚本体29内に押し込むと前記フック21の先端爪部20が前記受け部材31の係止面34に係止し引出し2がロック状態となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態における薬品棚の斜視図である。
【図2】同薬品棚の引出しに設けられるロック装置の一方向から見た斜視図である。
【図3】同薬品棚の引出しに設けられるロック装置の他方向から見た斜視図である。
【図4】同ロック装置のレバー取り付け枠を引出しの前板部の化粧板に取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【図5】同ロック装置のレバー取り付け枠を引出しの前板部の化粧板に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】同ロック装置のフック取り付け体を引出しの前板部の片側端部に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図7】同ロック装置を取り付けた引出しの前方からの斜視図である。
【図8】同ロック装置のレバー取り付け枠の取り付け部の縦断面図である。
【図9】同ロック装置のフック取り付け体の取り付け部を後方から見た斜視図である。
【図10】同ロック装置のフック取り付け体と対をなす受け部材の斜視図である。
【図11】同ロック装置のフック取り付け体と対をなす受け部材を薬品棚本体の前端近傍内側に取り付けた状態を示す横断面図である。
【図12】同ロック装置が取り付けられた引出しが薬品棚本体に収納された状態を示す横断面図である。
【図13】同ロック装置が取り付けられた引出しが薬品棚本体に収納された状態を示す正面図である。
【図14】図13のX−X断面図である。
【符号の説明】
【0011】
1 薬品棚
2 引出し
3 前板部
4 レバー
5 レバー取り付け枠
5a 上端壁
6 軸
9 コイルばね
10 突出片
11 回転板
13 軸
14 ワイヤー
18 後面板
19 フック取り付け体
20 先端爪部
21 フック
22 コイルばね
24 化粧板
25 取り付け孔
29 薬品棚本体
30 受け部
31 受け部材
34 係止面
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類棚や薬品棚などのケーシング本体に設けられる引出しが衝撃などによって勝手に開かないようにした引出しのロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種引出しのロック装置としては、例えば特許文献1に開示されているように、引出しの前面板の前面に左右軸回りに枢設したレバーの後面に下向フックを突設し、前面板内に枢設した左右方向を向くクランク軸の要所に、その軸線と偏位して、上記下向フックと当接しうるクランク部を設けるとともに、クランク軸の端部に、軸線と直交する駆動部を設け、かつ前面板の内側端に枢設した上下方向を向くラッチ軸の一端に、水平をなして上記駆動部と交差する従動部を設けるとともに、ラッチ軸の他端に、後方を向くラッチを設け、そのラッチは、ばねの力により、常時はキャビネットの内側面に設けた係止体に係止しているが、レバーを前向回動することにより、係止体より離脱するようにしたものが知られている。
【特許文献1】特開平9−215541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載のロック装置の構成では、クランク軸のクランク部をフックと当接させるとともに、クランク軸の端部に軸線と直交するように設けた駆動部を前面板の内側端に枢設した上下方向を向くラッチ軸の一端の従動部と交差させるという組み立てが、レバーを引出しに取り付ける際に必要であり、組み立てに手間がかかるという問題があった。また、引出しには様々な幅サイズのものがあり、その都度そのサイズに合うクランク軸を用意しなくてはならないという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、このような課題を解決するものであり、引出しに対する組み付けを容易に行なえるようにした引出しのロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の引出しのロック装置は、引出しの前板部の前面の開口を覆う化粧板に取り付けられるレバー取り付け枠内に取っ手となり軸芯の周りで回動するレバーを設け、前板部の片側端部における後面板の内側に位置するように設けられるフック取り付け体には軸芯の周りで回動自在に支持されてフックを取り付け、フック取り付け体から後方に突出するフックの先端爪部は引出しを収納するケーシング本体の前端近傍内側に設けられる受け部材の係止面に係止するように構成され、前記レバー取り付け枠の背面側にはレバーの動きにより軸芯の周りで回転する回転板を備え、この回転板と前記フックとをワイヤーで繋いで連動させ、レバー操作によりフックの先端爪部と受け部材の係止面との係止を解除するように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明の引出しのロック装置は、レバー取り付け枠に内蔵されたレバーとフック取り付け体に内蔵されたケーシング本体側の受け部材の係止面に先端爪部が係止するフックとをワイヤーで繋いで連動させるように構成されているので、ワイヤーで繋がれたレバー取り付け枠側とフック取り付け体側をそれぞれ引出しに組み付けるだけで良く、引出しに対する組み付けを容易に行なえ、組み立て作業性が向上する引出しのロック装置を提供することができる。そして、この引出しのロック装置を採用することにより振動や衝撃などによって引出しが勝手に開くのを不可能とし、またレバー取り付け枠側とフック取り付け体側を可撓性のあるワイヤーで繋いで連動させるようになっているので、レバー取り付け枠に対するフック取り付け体の取り付け位置に制限がなく、各幅サイズの引出しに対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施の形態を、図1〜図14を用いて具体的に説明する。
図において、1は複数段の引出し2を備えたスチール製の薬品棚で、この薬品棚1の各引出し2の前板部3には中央部にそれぞれ取っ手となるレバー4が設けられる。各引出し2におけるレバー4は前面が開口するレバー取り付け枠5内に位置して水平軸芯の周りで回動自在に軸6によってレバー取り付け枠5に支持されている。詳しくは、軸6はレバー取り付け枠5の後部上端に設けた両側の軸受け部7,7と、この両側の軸受け部7間に挟まれて位置するようにレバー4の後部上端に設けた軸受け部8に挿通されている。そして、レバー4を支持する軸6にはレバー取り付け枠5の上端壁5aの内面に対しレバー4を開く方向に付勢するコイルばね9がレバー4の軸受け部8間で嵌められ、レバー4の中央の軸受け部8から後方に延びる突出片10にコイルばね9の中間突出片9aを当接させ、レバー取り付け枠5の前記軸受け部7,7よりも後側における上面にコイルばね9の両端突出片9bを当接させている。これによりレバー4はレバー取り付け枠5の上端壁5aの内面に対し開く方向に付勢されることになる。前記レバー取り付け枠5の前記軸受け部7,7よりも後側における上面には一箇所で前記レバー4の突出片10の下面に当接する回転板11を水平軸芯の周りで正逆回転自在に支持するための軸受け部12が設けられ、この軸受け部12に軸13で取り付けられレバー取り付け枠5の背面側に位置する回転板11の下端にはワイヤー14の一端が繋がれている。ワイヤー14はチューブ15内に収納されてチューブ15内を長さ方向に摺動可能となっており、チューブ15の一端側はレバー取り付け枠5の背面に突設されたブラケット16に固定され、この固定部からワイヤー14の一端が突出して回転板11に繋がれる。チューブ15の他端側は引出し2の側板部17から両側に突出する前板部3の片側端部における後面板18の内側に取り付けられるフック取り付け体19の下端に支持され、フック取り付け体19の上側部内に水平軸芯の周りで回動自在に支持されフック取り付け体19から後方に先端爪部20が突出するフック21の下端にチューブ15の他端側から突出するワイヤー14の他端が結合されている。なお、フック21は先端爪部20が下向きに力が掛かるようにフック取り付け体19内に設けたコイルばね22により付勢されている。23はフック21の下向きへの回動を一定角度で止めるためにフック取り付け体19にフック21の後端上面が当接するように形成したストッパー面である。ところで、前記レバー取り付け枠5は引出し2の前板部3の前端開口を閉じる化粧板24に形成されている横向きの取り付け孔25に嵌め込まれ、レバー取り付け枠5の前端部の外周裏面が取り付け孔25の周囲外面に当接し、レバー取り付け枠5の背面下端にレバー取り付け枠5の前端部の外周裏面に近接して設けた挟持部26により取り付け孔25の周囲の下端部を挟持するようにして化粧板24と結合される。また、前記フック取り付け体19は、レバー取り付け枠5が取り付けられた化粧板24で前板部3の前面を覆う前に前板部3の片側端部における後面板18の内側に位置させ、フック取り付け体19の後面における上下両端に設けた係止爪27,28を後面板18の上下の孔18a,18bより後方に突出させ後面板18の孔18a,18bに係止させて取り付けられるものである。フック21の先端爪部20側は前記上側の孔18aから後方に飛び出した状態で動作するように組み立てられる。引出し2が収められる薬品棚本体(ケーシング本体)29の前端近傍内側には引出し2を閉じたときに引出し2の前板部3の後面板18を当接させる受け部30が設けられ、この受け部30の内側面に前記フック21の先端爪部20を係止させ引出し2を閉じた状態でロックする受け部材31が取り付けられる。この受け部材31の背面、つまり受け部30の内側面に対向する面には前後両端に係止爪32,33が設けられ、この係止爪32,33を受け部30の内側面に形成した前後の孔30a,30bに係止させて受け部材31が取り付けられる。受け部材31の係止爪32,33が設けられた面とは反対の面には背面に係止面34が形成され、前記フック21が下向きに回動した状態においてフック21の先端爪部20が係止面34に係止して引出し2のロック状態を保持するように構成されている。
【0008】
以上述べたフック取り付け体19の取り付けおよび受け部材31の取り付けは前述のようにレバー取り付け枠5が取り付けられた状態の化粧板24で前板部3の前面を覆う前に行なわれるのであって、フック取り付け体19および受け部材31の取り付けが完了した後で化粧板24を前板部3の前面を覆うように取り付ければ良い。
【0009】
上記構成において、引出し2は閉じられた状態ではフック21の先端爪部20が受け部材31の係止面34に係止して引出し2のロック状態が保持されており、引出し2を引き出すときは前記レバー取り付け枠5内のレバー4を手の指でレバー取り付け枠5の上端壁5aの内面に近づける方向に押し上げることにより前記突出片10により回転板11を押し上げるように回転させ、それにより前記ワイヤー14を介してフック21が連動し、フック21を先端爪部20が受け部材31の係止面34から外れる方向に引き上げ、先端爪部20と係止面34とのロックが解除されて引出し2を引き出すことができる。レバー4に対する手の指による押し上げ力を解除するとレバー4は前記コイルばね9の付勢力により下動して、前記ワイヤー14により連動するとともにコイルばね22により付勢力により前記フック21は先端爪部20が下向きに回動する。つまり、引出し2が引き出されているときはこのような状態となっており、引出し2を薬品棚本体29内に押し込むと前記フック21の先端爪部20が前記受け部材31の係止面34に係止し引出し2がロック状態となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態における薬品棚の斜視図である。
【図2】同薬品棚の引出しに設けられるロック装置の一方向から見た斜視図である。
【図3】同薬品棚の引出しに設けられるロック装置の他方向から見た斜視図である。
【図4】同ロック装置のレバー取り付け枠を引出しの前板部の化粧板に取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【図5】同ロック装置のレバー取り付け枠を引出しの前板部の化粧板に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】同ロック装置のフック取り付け体を引出しの前板部の片側端部に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図7】同ロック装置を取り付けた引出しの前方からの斜視図である。
【図8】同ロック装置のレバー取り付け枠の取り付け部の縦断面図である。
【図9】同ロック装置のフック取り付け体の取り付け部を後方から見た斜視図である。
【図10】同ロック装置のフック取り付け体と対をなす受け部材の斜視図である。
【図11】同ロック装置のフック取り付け体と対をなす受け部材を薬品棚本体の前端近傍内側に取り付けた状態を示す横断面図である。
【図12】同ロック装置が取り付けられた引出しが薬品棚本体に収納された状態を示す横断面図である。
【図13】同ロック装置が取り付けられた引出しが薬品棚本体に収納された状態を示す正面図である。
【図14】図13のX−X断面図である。
【符号の説明】
【0011】
1 薬品棚
2 引出し
3 前板部
4 レバー
5 レバー取り付け枠
5a 上端壁
6 軸
9 コイルばね
10 突出片
11 回転板
13 軸
14 ワイヤー
18 後面板
19 フック取り付け体
20 先端爪部
21 フック
22 コイルばね
24 化粧板
25 取り付け孔
29 薬品棚本体
30 受け部
31 受け部材
34 係止面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出しの前板部の前面の開口を覆う化粧板に取り付けられるレバー取り付け枠内に取っ手となり軸芯の周りで回動するレバーを設け、前板部の片側端部における後面板の内側に位置するように設けられるフック取り付け体には軸芯の周りで回動自在に支持されてフックを取り付け、フック取り付け体から後方に突出するフックの先端爪部は引出しを収納するケーシング本体の前端近傍内側に設けられる受け部材の係止面に係止するように構成され、前記レバー取り付け枠の背面側にはレバーの動きにより軸芯の周りで回転する回転板を備え、この回転板と前記フックとをワイヤーで繋いで連動させ、レバー操作によりフックの先端爪部と受け部材の係止面との係止を解除するように構成したことを特徴とする引出しのロック装置。
【請求項1】
引出しの前板部の前面の開口を覆う化粧板に取り付けられるレバー取り付け枠内に取っ手となり軸芯の周りで回動するレバーを設け、前板部の片側端部における後面板の内側に位置するように設けられるフック取り付け体には軸芯の周りで回動自在に支持されてフックを取り付け、フック取り付け体から後方に突出するフックの先端爪部は引出しを収納するケーシング本体の前端近傍内側に設けられる受け部材の係止面に係止するように構成され、前記レバー取り付け枠の背面側にはレバーの動きにより軸芯の周りで回転する回転板を備え、この回転板と前記フックとをワイヤーで繋いで連動させ、レバー操作によりフックの先端爪部と受け部材の係止面との係止を解除するように構成したことを特徴とする引出しのロック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−46100(P2010−46100A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210216(P2008−210216)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(592163893)ジョー・プリンス竹下株式会社 (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(592163893)ジョー・プリンス竹下株式会社 (32)
【Fターム(参考)】
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